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1954-02-13 第19回国会 衆議院 電気通信委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十九年二月十三日(土曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 成田 知巳君    理事 岩川 與助君 理事 庄司 一郎君   理事 橋本登美三郎君 理事 小泉 純也君    理事 原   茂君 理事 甲斐 政治君       小澤佐重喜君    齋藤 憲三君       片島  港君    松井 政吉君       松前 重義君    三木 武吉君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 塚田十一郎君  出席政府委員         郵政政務次官  飯塚 定輔君         郵政事務官         (電波監理局         長)      長谷 愼一君  委員外の出席者         郵政事務次官  中村 俊一君         郵政事務官         (大臣官房電気         通信監理官)  金光  昭君         郵 政 技 官         (大臣官房電気         通信監理官)  庄司 新治君         日本電信電話公         社副総裁    靱   勉君         日本電信電話公         社理事         (保全局長)  米澤  滋君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  電気通信事業の経営並びに電波管理状況に関す  る件     ―――――――――――――
  2. 成田知巳

    ○成田委員長 ただいまから開会いたします。  前会に引続き電気通信事業の経営並びに電波管理状況に関し、調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。齋藤憲三君。
  3. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 大臣にお尋ねいたしますが、昨日帰りましたところが、日本放送協会労働組合から闘争宣言というたくさんのビラが参つておるのであります。この刷りものを読みますと、主としてベース・アツプの要求であります。     〔委員長退席、甲斐委員長代理着席〕 しかもそれは二万二千円のベース・アップを要求しておるのであります。この二万二千円のベース・アツプ要求の理由はいろいろあるようでありますが、そのうち一番大きな原因として見られるものとして、現行一万五千八百円というNHKの給与ベースというものは、新聞放送等の同種企業、一般民間企業国家公務員に比べてきわめて悪い状態にあり、われわれの要求は公共放送のにない手として真に良心的な放送ができるための最低の要求である、こういう理由によつて二万二千円のベース・アツプを要求しておるのであります。しかもこの調べによりますと、毎日新聞は二万二千百十円、読売新聞は二万二千百四円、朝日新聞は二万一千九百円、ラジオ東京は二万二千八百円、文化放送は二万二千四百円、こういう数字を出しておるのでありますが、御当局といたしましてはこの二万二千円ベースに対して、どういうお考えをお持ちになつておりますか、ひとつお漏らしを願いたいと思います。
  4. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 今度の放送料金の引上げというものを放送協会側が考えますときに、その背後にある最も大きな引上げを必要とする要因は、従事員のベースの引上げであるということでありましたので、先般来私も幾たびかこの問題について検討、熟慮しておつたのであります。現行べースが公務員や公社に比べて低いということはないと思うのでありますけれども、ただこの事業の特殊な業態というものを考えますと、もう少し他に比較を考えて行かなければならない問題があるのではないか、こういう感じを実は抱いておつたのであります。放送協会の従事員諸君のペースは、やはり一つには民間放送、一つには新聞関係の従事員の給与状態、それとあわせて公社あたりの給与状態というものを、いろいろと検討してみまして、最終的にきめなければならぬのではないかという感じを持つておるのであります。二万二千円ベースというところまで一挙に行けるかどうか、まだ非常に疑問があると私は思つておりますが、現在のベースでは、そのまますえ置くということには非常な無理があるのではないか、こういう感じをもつていろいろ研究しております。なお料金の引上げの問題とも関連いたしまして、この問題は検討を続けておりますので、近く何らか結論を出したい、こういうふうに思つております。もちろんこの場合に郵政大臣がこのベースをどうするかということをきめるべき性質のものではございませんけれども、大体どれくらいまでが妥当ではないかという線が出れば、それに応じて料金値上げをしなければならないか、またその程度の額であれば料金値上げをしないでも、何とか他の面でまかなえる面があるというような結論になるかわかりませんが、とにかくこの給与ベースをどうするかということが、料金問題をきめますのに非常に大きな要素になると考えております。
  5. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 私の聞いておりますところによりますと、NHK当局はすでに郵政当局に対して、昭和二十九年度の予算に関するいろいろな話合いを進めておる。NHK当局はどれぐらいのベース・アツプをするという予想のもとに、郵政当局へ交渉しておられるのですか。
  6. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 NHK当局が料金値上げの措置を非公式に申し出ておりますことは、御指摘の通りであります。大体二十五円ぐらい、つまり現行の五十円を七十五円ぐらい、五割増しぐらいに料金を上げてもらいたいというのが、放送協会側の意見であります。その二十五円値上げを要求する基礎になつておりますものは、この給与関係の増加といたしまして、約五億七千九百万円ばかりを追加して必要とするということになつておるのですが、それは現行一万五千八百四十七円ベースを約一八%上げたい、こういうことであるようであります。
  7. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 一八%というと幾らになりますか。
  8. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 一万八千七百円見当になるようであります。
  9. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 これはただいま申し上げました現在一流新聞社並びに民間放送給与ベースというものが、ここに掲げられておるような給与ベースであるかどうかということが、非常に大きな要因となると思うのでありますが、はたして一流新聞社ないしは民間放送が、基準給としてこの二万円以上をとつているのか、それとも基準手当、あるいは諸手当を含んだ平均ベースをここで言つているのか。そういうことは御当局でおわかりになりませんか。
  10. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 今政府委員が参りまと、相当詳しく調べておると思いますので、わかるのではないかと思いまから、しばらく御猶予願いたいと思います。
  11. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 それでは少し仮定になりますが、ただいま給与ベースの引上げを要求している額が二万二千円、それからNHK当局が郵政当局に昭和二十九年度の予算の建前からベース・アツプを一万八千七百円として交渉しておる。もしこれが実現をいたしましても、労働組合の要求とは非常に差があるようであります。これは予想でありますが、今日すでに定時退局をある一部分ではやつておられるようですけれども、これはいろいろ今後の問題かもしれませんが、いわば昭和二十九年度の予算にからんだベース・アツプのデモンストレーシヨンの労働攻勢のようにも考えられるのでありますが、この定時退局というようなものでもしも放送に支障を来した場合、これは非常に世間的に大きな影響があると思うのでありますが、こういう半ば公共の福祉に眼目を置き、公共企業性を帯びたもの労働攻勢というものに対しては、御当局としても相当のお考えがあると思うのでありますが、もしも事態が悪化いたしますような場合には、これは民間放送とそれからNHKとの関係、ないしは放送法によります公共の福祉という問題に関して非常に大きな問題が起ると思いますが、こういう点についていろいろ起きるであろうという事態を予想して、当局は何か特にお考えを持つておられるのでありますか、ひとつ承りたい。
  12. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 私どもも放送協会の争議というものには、非常に関心を持つておるのであります。しかし今までの長い間の放送協会の経営の実情に照しまして、また事業の公共性というものを従事員諸君が十分認識されているということに信頼いたしまして、あの事業における争議の状態が実は放送事業、ことに放送協会の行わなければならない放送、従つて放送法に根拠のある放送というものが、円滑に遂行されないという事態になることはおそらくないのではないかと思います。現在の争議の状態も、当面三割賜暇とか、いろいろ出ておりませんけれども、放送自体が障害が起きるという状態になつていないということも承知しております。またそういう気配はないということのように承知いたしております。しかしそれと同時に、従事員諸君の主張しておる点で理由のあるものは、やはり協会当局もおそらくそうむげに否認するという考え方ではないと思いますし、また監督大臣である私といたしましても、理由のあるものまで否認をして行くという考え方は決して持つておりませんので、十分理解のある判断をいたしまして、そういう事態が発生しないようにということによく注意したいと考えているわけであります。ただ法的にそういう場合に何か手を打つ根拠があるだろうかということを局長に確かめておるのでありますが、どうも今の放送法の建前では、そういう点については若干欠陥があるのではないかという感じでありまして、放送法第四十三条に放送の休止、廃止はそうやたらにはできないということの規定が一条あるだけで、従事員諸君がストライキを起されて、その結果放送が現実に行えなくなつたという場合に対する特別な措置は、今のところ法的にはつきりした根拠を持つたものとしてできるものはないのでございます。
  13. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 そういう点に対しまして、この放送法というものが欠陥があるといえば非常に欠陥がある。とにかくこのNHKというものの性格がはつきりしていないからではないかと思うのでありますが、私の最も憂えるところは、こういうベース・アツプの問題を中心として争議が激化いたしましても、もしこの放送法の第一条にありますところの「放送公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。」、また第七条の「日本放送協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする。」、こういうような眼耳に支障を来すような事態が起きました場合には、必ず聴取者は聴取料の支払いというものを拒絶するということになつて行くのじやないかと思うのです。     〔甲斐委員長代理退席、原(茂)委員長代理着席〕 そういうふうになりますと、結局NHKというものの存在が非常に世間から怪しく思われて来るようになつて来る。でありますから、これは直接国民の生活には影響がございませんけれども、この争議というものの成行きを非常に重視して行かなければならない、こう私は考えているのでございます。そこで大臣にお伺いいたしたいのは、今NHKから郵政当局に、昭和二十九年度の聴取料値上げとして七十五円の線を出しておるということに対しましては、郵政当局としてはどういうお考えを持つてこれに応じておられますか、それをひとつ承りたい。
  14. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 この点は先般もお答え申し上げたのでありますけれども、全体の感じとしては、放送協会というものの観点から考えますならば、やはり何とか数字は値上げをしなくてはならないのじやないかという点に問題が見られるわけであります。しかしまた一方国の一般の財政金融政策の立場からいたしますと、やはり政府が少くとも決定をなし得る立場にある料金というものは、なるべく上げてはならない、上げたくないというような感じもあることも事実であります。この両方の点の合致するところがどの辺に出て来るかということの判断はしなければならないというのが、今の郵政省としての立場でございます。そこでその問題とは別個に、私はベースの引上げというものだけは考えなくてはならぬのではないか、こういうふうに思つております。どの程度までのべースの引上げを妥当と見るかということでありますが、ことにこのベースの引上げをどうしてもしなくちやならぬのではないかという感じは、今度御承知のように各公社関係がみな相当ベースの引上げをいたしておるのでありますからして、そのまま放送協会だけをすえ置くというわけには行かないのではないか。かたがた先ほども御指摘になつたような民間放送、それから各報道機関、そういうものとのバランスの点もありますので、どうしても若干は考えなければならぬのではないか。それを上げる場合に、それでは絶対に料金の引上げに行くかどうかということは、これはあながちそうばかりはいえないのでありまして、非常に経費の状態がきゆうくつになつておりますけれども、上る額次第では、必ずしも料金引上げというところに行かずとも行けるということも考えられますので、ベースの点につきましては、何がしか考慮をしなくてはならぬと思いますけれども、料金の点については、最終的に、だからして料金は上げなくてはならない、また額もこれくらい上げなくてはならないというような結論には、まだ参つておらないのであります。
  15. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 先ほどお尋ねいたしました一流新聞その他民間放送給与べースは、大体どの程度ですか。長谷局長、おわかりになつておりますか。
  16. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。新聞関係の関連産業といたしまして、給与がどの程度であるかということは、私どももいろいろ調べておるのでありますけれども、実を申し上げますと、なかなか的確なことはつかみがたいのであります。しかも中央紙と地方紙とでは、また非常に違うのでありますが、財団法人労働研究所において昭和二十八年の九月末現在で調べた発表によりますと、大体二万円から二万二、三千円という数字が出ておるのであります。
  17. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 これは基準給ですか。
  18. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。基準給でございます。
  19. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 ただいまのように、私がここに持つております調べと大体同じような基準給でございますが、それとNHKの基準給を比較いたしますと、相当の開きがある。そうしますと問題は、このNHKというものの社会における重要性、及び一流新聞ないしは民側放送社会における重要性というものと比較いたしまして、もしただいまのように一流新聞ないしは民間放送基準給が大体二万二千円だ、こういう線でございますと、あながちこの二万二千円のベース・アツプの要求というのは、不当でないという結論になるようでありますが、その点局長はどうお考えになつておりますか。
  20. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま新聞関係では、特に中央紙の一部では三万二、三千円のようでございますが、私どもの方で調べましところによりますと、民間放送等は必ずしもその線まで行つていないようあります。また放送協会が放送法に基きまして、現在のような性格のものにかわりましてから、一般関係の四囲情勢その他も考えられまして、昨年までそれぞれベース・アツプが――十分とは申せないまでも、ほかと均衡をとりつつベース・アツプがされて来たわけであります。従いまして私どもといたしましては、放送協会の当事者も大体同じ考え方を持つておるようでありますが、昨年の四月にベース・アツプをされました後において、物価指数その他がどのくらいに上昇しておるか、そういう点を考えまして、もちろん関連産業等との均衡というものを頭に置きつつベース・アツプを考えたい、こういうことでいろいろ計算等をやつておる次第でございます。
  21. 甲斐政治

    ○甲斐委員 ただいまの局長の御説明で、新聞はそうでありますが、民間放送は平均給料二万円弱で、大隔たりがあるわけであります。それからなおもう一つ、福祉施設住宅病院あるいはその他のクラブ的な施設、こういう点については局長も十分御了承のことだと思いますが、民間放送においてはこういうものはまだほとんどない。この点をお考えになつてのことであるかどうかを承りたい。
  22. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま例として申し上げました民間放送基準給が大体二万円前後、あるいは二万に達していないようでありますが、この関連産業新聞、あるいは民間放送、あるいは公共企業体、そういうものとのベースの比較でございますが、これは勤続年数あるいは平均年齢、あるいは家族数、そういうものによつて違いますから、必ずしもその数字ばかりで比較するわけには私は行かないと思う。しかしそれらの関連産業給与というものも考慮に入れつつ、NHKの今回のベース・アツプを考えなければならぬことは御指摘の通りでございますし、またただいまのお話のように厚生施設その他の点も考慮に入れなければならぬと思いますが、数字そのものばかりにはよれないのではないかと思います。
  23. 甲斐政治

    ○甲斐委員 私はNHKの給与引上げに関して云々するのでなくして、ただいまの御説明で民間放送が案外給与がよろしいというような印象を持たれると、片手落ちになるのじやないかということを考えますので、一応お尋ねしたようなわけです。今の政府委員のお答えで十分その点をお含みの上だということでございますので、それでけつこうだと思います。
  24. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 今問題になつております一万八千七百円のベース・アツプができますると、これに基準手当とかあるいは諸手当というものを加算いたしますと、大体どの位の平均になりますか。――今おわかりにならなければあとでよろしゆうございます。  基準手当は二五%だと聞いておりはないかと思うのです。ですから一万八千七百円というベース・アツプの線が出ているといたしますれば、これで組合側とどういうふうなおちつきぐあいを見せるのか、私のところへあてて来ました印刷物によりますと、相当強硬な闘争状態にも入ることを辞せないというようなことが書いてあるのでございますけれども、大体放送というものの実体を考えて参りますると、ここにいろいろな問題が将来私は出て来るだろうと思うのであります。第一聴取料という問題、これは私の考えから申しますると、一面非常に不安定なものであつて、聴取料を払わないということをがんばつた場合に、一体どういう処置を講ずることができるのか、それをひとつ伺つてみたいと思います。
  25. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。聴取料不払いの問題の罰則というものは、法律上ございません。従いましてこれは一般の契約と同じように商法によつて、法律に定められた通り聴取料を履行しないということに対しての訴訟を起すという問題になつて来るのではないかと思います。
  26. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 それは法律上の手続でもつて、契約違反に対する損害賠償訴訟とかということでございますけれども、第一ああいうラジオというようなものに対して、そういうことが実際的に行われるのですか。
  27. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。結局現在の法律におきましては、放送協会の行う放送を聞き得る受信機を持つておる者は、放送協会と契約を結んで定められた料金を払わなくちやならぬということになつておりますから、もしも何らかの理由で放送受信機を持つて放送を聞いておる方が聴取料を払うことを拒んだ場合には、今申し上げたように放送協会として法律上残された手続は、お話になりました方法以外にはないと思います。
  28. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 もし電波を切るというようなところまで行つて、一日でも電波を切つたと仮定いたしますと、そういうことに藉口いたしまして、聴取料の支払いを拒絶するというような場合が私はあり得ると思うのであります。そういうときに一軒々々に対して訴訟を提起するというようなことは、事実上行われないと思う。それですから、こういうふうな労働争議に対しては、非常に大きな懸念を持つのですが、とにかく電波というものは電線を切るということもできないし、あらゆることを考えましても、そういうことは事実できないのではないか。そういうことに対しましては何らの措置もないようにも考えられますが、まさか労働組合の方でもそういう事態にまでは突入いたさないとは存じまするけれども、そういう点に関しまして将来放送法を改正せられますときに何らかそういうことを防止するようなお考えがあるのでありましようか。
  29. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 先ほど大臣からもお話がありましたように、放送法の第四十三条によりますと、放送協会は郵政大臣認可を受けた場合以外には、放送の業務を廃止したり、あるいは十二時間以上これを休止することができないとなつております。従いまして何らかの不可抗力の場合は別でありますけれども、協会として何らか対策を講じ得るにかかわらず、今申し上げましたような時間以上の停止というようなことが起つた場合には、電波法によつての放送局免許取消しというような問題も起つて来るのではないかとさえ思われるのであります。しかしそのことは別といたしまして、ただいまお話のように放送協会と一般の放送の聴取者との料金を納めることについての契約という問題については、いろいろ御疑念がおありのように存じますが、そういう問題とか、あるいは放送を何らかの理由によつてとめるというようなことをできるだけ防止するというような点につきましては、将来放送法の改正等を御審議願いますときに、私どもといたしましても十分研究いたしましてお願いしたいと思つております。
  30. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 放送法の根本的改正ということは、常に当局からも申されておることでありますし、また民間においても放送法の根本的改正ということを盛んに口にしておるのでありますが、大体放送法の根本的改正というものは、どこをねらつておられるのでありますか。今放送法の改正調査会というものもできて、会長以下メンバーがきまつたという話ですが、またこれの改正に対して研究に着手せられたということですが、一体どういうところをねらつて放送法の根本的改正ということを考えておられるのであるか、ひとつ御見解をお伺いいたしたいと思います。
  31. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 改正をいたします主たるねらいは、一つは放送法ができましたとき以後の新しい事態、たとえば民間放送ができて参つたとか、テレビジヨンができて来たとか、そのほかいろいろな新事態に適応しない面が今の放送法の中にたくさんあると思われますので、そういう面をぜひ直そう。それからいま一つは、今申し上げたような新事態ができないにしても、今の放送法の規定では放送事業の運営というものに支障がある――ただいま齋藤委員の御指摘になりましたような、そういう点を含めて直すことがもう一点、てういう点に主たるねらいがあるのでありますが、なおそのほか審議の過程におきましていろいろ気づきました点は、逐次一緒に直して行くという形をとりたいと思つております。
  32. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 ただいま大臣のおつしやいました新事態に適しない部面というのは、具体的にはどういうことですか。
  33. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。当委員会において齋藤委員などからもしばしば御指摘のありましたことなども、最近の新しい事態としてこの放送法を、そういう観点からも考慮しなければならぬと思われる諸点ではないかと存じておりますが、これはこの調査委員会の趣旨等について大臣からもお話がございましたように、単に役所の関係者ばかりでなしに、放送の問題は一般国民あるいは社会国家としても非常に重要な、影響の大きいものでございますから、各方面の方々の御意見を十分聞いて案をつくりたい、こういう趣旨でございます。従いまして私どもは、これとこれだけだというふうに問題を限定して、この放送法の改正にとりかかつておるわけではございません。いろいろ御意見なり御指摘等がございますれば、それらの問題の解決につまきしてもともどもに研究をして改正案をまとめたい、実はこういうふうに思つておる次第であります。
  34. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 放送法は根本的な改正を必要とするという、そのことは結局どういう認識の上に立たれておるのかということになるのでありますが、これは非常にむずかしいことでありますから、私は今ここで御即答をお願いするのではないのであります。ただ私常に考えておりますのは、今日日本にはNHKという、公共性を持つた放送が一つある。それから民間放送というものがおびただしく許可されておる。これを一体どのように規制をして行くのか。一方はNHKというものが公共性を持つて放送され、一方は営利的にどんどん放送される、こういうことは日本の現状として正しいあり方であるかどうか。アメリカならば、全部が民間放送でもつて、じやんじやんスポンサーをつけてやつておる。しかし英国その他の国においてはそういうことは絶対やらない。電波に対する考え方が違う。日本の現状においては、電波というものをどう取扱うのが日本の将来に対する正しい考え方であるかということが、私はいつもわからないのでありますが、こういう点に対しまして郵政大臣はどう考えておられますか。
  35. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは最近非常にたくさん民間放送が出て参りまして、御指摘のような点を私も検討しなければならないと考えておりますので、先般来それに対する基本の考え方を練つておる最中でありますから、いましばらくお答え申し上げにくいのであります。
  36. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 もうちよつと敷衍して郵政大臣に申し上げておきたいのでありますが、電波国民のものだということは通念であります。NHKのように公共性を帯びた放送というものは、確かに国民電波共有しておる、電波国民のものであるという感じがあるのでありますが、今たくさん許可されております民間放送は、この観念からは逸脱しておるのではないか。電波をある特定の人が商売の用に供しておるというような形は一ぺん考えていただかなければならぬ。私はそれが必ずしも悪いと言うのではないのです。東京ではそういうことはないのでありましようけれども、今日いろいろな地方へ行つてスイッチをひねつてみると、これではとてもたまらぬというような放送もないではないのであります。それがほとんどすべてがもうけ主義、もうかればよいという主義なのであります。国民電波がああいうふうに利用されて、どんどん家庭の中に入つて来るということになりますと、これは電波国民のものだという観念からいいますと、とんでもない電波が飛び込んで来るということになるのであつて、この点に対しましては、放送法を根本的に改正せられますときに、こういうことのないように、ひとつ放送法でもつて規制をするというふうにお考えを願いたいと思うのであります。  それからさらに聴取料の値上げ問題でございますが、今七十五円という線が出ておる。その線に持つて行きまする原因としてあげられておる理由は、地方放送局の大部分が老朽しておるから、これを改修する必要がある。それから録音機を備えつけなければならない。あるいはNHKが支払う放送の謝礼が非常に低いから、これを上げて行かなければならない。またローカル放送を一日三時間では不十分であるから、四十分ないし一時間さらに延ばして行かなければならない。あるいは技術研究が遅れておるから、技術研究を大幅に拡充しなければいけない。または電信電話料金の値上げによつて非常に多くの電信電話料金の増額支払いを必要とする、こういういろいろなフアクターがあると思いますが、それよりももつと根本的な観点から、NHKは公共性の放送をやつておるのであつて、これを将来国家がどの程度まで重要視して、この充実をはかるかというところに聴取料値上げの原因がなければ、大衆は納得しないと私は思うのです。もしも今日のごとき放送の状態であつて、それで放送法に規定してある目的が達成せられるという認識であるならば、今日のような緊縮予算の建前にあります現状において、この聴取料の五割の値上げというものは決して実現できないと私は思う。ベース・アツプなんて、これは別段値上げをする必要はないじやないか。それから老朽だといつたつて、電波は出ておるのだからこれでよい。謝礼だつて何もそんなに高く払う必要はないのじやないか、そういういろいろな理由から、なかなか五割の値上げというものは実現しないのではないか。しかし電波というものを国家的に考えて、NHKのような公共性を持もつておるものがもつとレベルを高く上げて、これによつて国民教育とかあるいは文化の向上、ないしは産業面の指導というものに対して、大きな役割をなさしめるように充実をはかるのだということであるならば、一月二十五円の値上げは国民としてはちつとも苦痛ではないと思う。と申しますことは、今日各家庭においてその子弟の教育にどれだけの金を使つておるかということであります。これは相当の負担を負うて教育をやつておるのであります。しかし地方に参りますと、それだけの金を負担して教育の充実をはかつておつても、その教育というものは実に低級な教育であります。そこへ向つてラジオならラジオ放送によつて教育というものを充実させて行くという態勢を整えて、これが国民大衆に満足を与えるならば、一月に二十五円や三十円や五十円の負担というものは、喜んで国民がするのだろうと思うのです。  そこでひとつ大臣に伺つておきたいことは、NHKというものに対しまして、一体将来非常に重点的なお考えをもつてこれを充実させるお考えでありますか、あるいは今日のごとき状態において、NHKというものはまあよろしいというお考えを持つておられるのか、この点をひとつ伺つておきたいと思います。
  37. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 今度の料金の値上げの協会側からの希望は、もちろん先ほどから申し上げましたようにあるいはベースの引上げでありますとか、それから設備の更新でありますとか、今御指摘になりましたようなもろもろの要素があるわけであります。しかし私どもが重要視しておりますのは、やはりそういうもろもろの要素の改善をすることによつて、NHKの放送自体の質を高めて行くということに実は私も重点を置いておるのでありまして、私も最近民間放送というものが大分出て来まして、民間放送を聞き、またNHKの放送を聞いて、NHKの放送分野というものにはもう少し民間放送と違つた分野というものがあつてしかるべきものじやないか、こういう感じを強く持つております。従つて今度の料金値上げは、どういう結論を出しますかは別としましても、私はNHKの放送内容、放送の仕方、そういうものに対してはかなり今後改善の余地があることを協会側にもひとつお考えを願いたい、こういう感じでおります。しかしまだそういう放送の質というものを改善するのに何がしかの役になるなら、この機会にある程度の値上げはやむを得ないのじやないか、こういう感じで問題を見ております。
  38. 松井政吉

    ○松井(政)委員 一昨日でしたか、大臣の答弁も、要するにこの放送法の根本的な改正は番組の問題を重点に置いて行く、こういう答弁をなさつたように私はノートしておきましたが、今の御答弁を聞いておりましても、要するに民間放送が出す番組とNHKの出す番組と、その放送を聞いておつて何とかしなければならぬということだけを考えていらつしやるようですが、それは聞いただけの感じはそうでございますけれども、考え方はそういう問題のところじやないのです。要するに公共放送としての日本放送協会によつて放送が発展して来た、一つの時代を画した。民間放送許可してもいい時代になつたので民間放送許可した。そして正常なる姿において競争の中に放送文化を高めて行こう、こういうことが議論されて民間と公共放送と二本建で来たわけです。民間放送も発展をして来たし、さらにやはり日本電波放送文化というものが発展をして来た。この段階においていわゆる日本放送協会そのものの性格をどう考えるか。その性格から来た放送協会という企業体そのものをどう考えるかということが、電波放送に対する根本的改正となつて来なければならないのです。番組の問題ではないのです。その点を一体どういうように考えられるか、お答えを願いたい。
  39. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは私は現在の放送法の建前からいつても、放送協会というものの性質がすこぶる国家的性格を帯びた公共性の非常に強いものであるということは、間違いないと思うのでありまして、そういう考え方で今までも運営されて来たし、また法の精神もそうなつておると思う。ただ今日のように民間放送放送協会の放送と二本建にした場合には、おのずから放送協会の放送にもある行き方があつたろうと思うのです。しかし一方今度民間放送がこれだけ普及して参りますと、民間放送が今後この分野の面を受持つて来るという考え方から、放送協会のやります放送というものは、前のような放送協会の基本の性格からいつても当然私はかわつて来てしかるべきものだろう、もう少し放送協会の放送の内容を――もつとはつきり申し上げますれば、もうちよつと程度を高めてもらうわけには行かぬものだろうか、民間放送と競争するような考え方はやめてもらう必要があるのではないか、こういう感じを持つておることが先日来お答え申し上げておる気持でございます。
  40. 松井政吉

    ○松井(政)委員 その程度の考え方で根本的な改正はできませんよ。たとえば日本民間放送システムというものは、先ほど齋藤君が指摘されたようにアメリカシステムなんです。けれどもヨーロツパ諸国必ずしもこのシステムをとつておらないところの国もある。日本が独自の立場において、たつた一つしかない国民全体の財産として、無形ではあるけれども有形の、経済の底の浅い日本においての財産としての電波をどのように使うかというところから、日本の立地条件において考えて来なければならぬ。そうすれば今のようなアメリカシステムと、さらに日本放送のために時代を画した日本放送協会システムというものをそのままにしておいて、番組の調整で片方は公共的な番組をやる、片方はサービス演芸の放送をやる、そういうことだけで解決しようと考えているところに大きな間違いがあるのです。だから日本の立地条件において、現在の日本放送協会というものの性格をどう規定して、公共放送として持つて行くか、ここから出発しなければならぬ。そこから出発すれば番組等は、その根本ができればあとは経済の許す限り、法の許す限り、番組等の自由民間放送にも公共放送にも与うべきものなんだ。性格がぼやけておるから、聞いたところの番組だけにあなたはお気づきなんでしようが、そうではないのです。従つて今われわれが真剣に考えなければならないのは、要するに電波全体はもちろんこの委員会で毎日議論しておるところだが、その放送についてもやはり一つの変革期が来ているのです。その変革期をどのようにして行くかということが大きな問題になる。そこから議論をしなければ、そこから出発をしなければ、今聞いた感じによつて片方は高度の放送をすべきだ、片方は民間放送としての放送をすべきだということだけでは解決つかない。もつと極言して行けば、今言つたようになぜベース・アツプをしなければならないか、なぜ聴取料が現在の金額では足らないという問題が起きたかという、その原因はみなそこから来ておる。放送協会そのものは、従来の法律のままで行けば、聴取料以外に収入のないところなんです。雑誌一つ発行できないところなんです。新聞一枚売ることのできないところなんです。他に収入を求めることが絶対できない性格になつておるそうでございます。ところが民間放送の方はそうではなくて、要するにスポンサーによつて放送をして行つて、広告収入を中心とした経営をなして行く、そういう性格の相違があるにもかかわらず、従来の通りの放送、従来の法律のまま経営して行こうというところに矛盾が出て来ておる。それならば聞く方の側から見れば、NHKだけは聴取料をとつておる。民間放送をダイヤルをまわして聞いても、聴取料を納めないでいいのだというような素朴な放送、そのものの根本を考えない素朴な気持というものが、全国民全体の中に植えつけられつつある。ところが法とる建前になつておりません。法の上では日本全体の放送研究その他も含めたものとしての聴取料が規定されておるのです。そのために放送全体のための研究もあれば、あるいは進歩に関する仕事もやらなければならない。あるいは番組編成等に対する技術的なことも、NHKが率元して考えなければならぬという建前から、聴取料というものはとられておる。ところがそういう意味でとられている法の建前の聴取料だけが、放送協会の収入になつておる。経済変動によつてベース・アツプをしなければならない場合において、それだけしか収入がないのだから、そこに値上げを求めなければならぬ問題が起きて来る。あるいはまた建物等でも、老朽して来れば建て直さなければならない。機械設備も新しくかえなければならぬということになれば聴取料だけで足りないという問題が出て来る。そこで今やはり聴取料の問題が議論されようとしているのです。従つて私は昨日も長谷局長質問したのだけれども、そういうようなところへ来ているならば、要するに企業体の性格、放送の性格をどのようにするかというところから割り出して、そして聴取料制度が従来通りでいいか悪いか、聴取料でないとすればどのようにするかということも、法律の改正とともに議論されなければ解決つかない。惰性でもつて、聴取料値上げの要求が出た、べース・アツプしなければならぬ、だからしてそれをやはり政府が今本国会だけ通ればいいというものの考え方だけでは、国民の納得して納める聴取料は、齋藤君の言う通り出て来ない。それならば民間放送と同じ性格にするということになると、これはわれわれも多くの議論を持つている。だからして一体政府自体はそういうようなことを関知しているのかいないのか。知つているのか知らないのか。知つているとするならば、従来の惰性で聴取料値上げだけして糊塗しようとするのか。放送そのものについて、民間とあるいはNHKという公共放送との性格と企業体をどのようにしようと考えているのか。その程度の構想があるならばお伺いをしたい。それともそういうことは気がついていないとすれば、気がついていないでよろしゆうございます。
  41. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 先ほど来松井委員の放送協会の性格々々と言つておられたのは、何をさして言つておられたのかよくつかめなかつたのでありますが、御指摘のような点が性格であるということであるならば、私はそういう問題については大体今の行き方でいい、こういう基本の考え方は持つているのであります。民間と放送協会と二本建、放送協会は聴取料の収入一本で行くという方向は、そう大きく変動する必要はないのじやないか、こういう考え方をいたしているわけであります。
  42. 松井政吉

    ○松井(政)委員 それならば経営形態にしても聴取料の問題でも、今までの通りでよろしいというお考えでございますか。
  43. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 聴取料を今までの通りでいいということは、値上げしないでいいというお尋ねなんであるか、あるいはああいう形の聴取料でもつて放送協会の経営をまかなうという行き方でいいというお尋ねであるのか、どちらであるか伺い漏らしたのでありますか、後の考え方であれば、先ほども申し上げましたように、私はやはり放送協会の放送料金は、放送協会の運営の一つの収入でよろしいという考え方をいたしているわけであります。
  44. 松井政吉

    ○松井(政)委員 そうすると、現在通りで変動が来れば聴取料を上げればよろしい、それで経営してよろしい、平たく言えばそういう考え方を持続することはよろしい、こうお考えなんですか。
  45. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 その通りでございます、
  46. 松井政吉

    ○松井(政)委員 その通りでよろしいというお答え、いささか実際幻滅の悲哀を感じたのでありますが、それで事済むとお考えのところに、大きなやはり間違いの問題があると思います。もう放送企業そのもの、電波そのものが、毎日議論しているように、根本的に日本は考えて行かなければならないところに来ている。こういうことがわかるならば、従来通りでいいということはできない。従来の通りでいいということになりまするならば、かりに本国会において聴取料を五割値上げをして、当面のベース・アツプの点については不満ながらも従業員が納得をした。老朽しているところの設備についても、まず協会が不満ながらも善後処置ができたということは、一年は通るでございましよう。けれども根本問題についても解決ができていないと、やはりこれは経済変動によつて、毎年繰返すことがあるということを考えなければならない。その場合に民間企業体は法的にも民間企業として、それで労働者自由なる労働組合運動をやれる法的の根拠を持つている。さらに経営者も腕によりをかけて働きさえすれば、自由なる収入によつて経営の健全化をはかることができるシステムになつている。協会はそういうシステムになつていないのであるから、その点を十分考えて今根本的に処理しておかないと、あなたの考え方で行けば、これは毎年繰返して行くということになるが、それでよろしいとお考えになりますかということなんです。
  47. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 毎年繰返すということは、考え方の前提に毎年そういう事情が生じるということであると思うのでありますが、私は毎年そういう事情が生じて来るならば、それを世間も判断し、また私どもも判断して、その通り解決しなければならないという判断に到達する状態であれば、私は毎年繰返してもやむを得ないじやないかというふうに考えているわけであります。
  48. 松井政吉

    ○松井(政)委員 そういうばかなことはない。毎年繰返してよろしいというばかな話はないですよ。それならば私は党の性格からいつて、私の言うべきことじやないのですけれども、あなたにお伺いしますが、これは日本放送協会だけではございません。これはもう官公労からいわゆる公共企業体の労働運動全体に関することなんです。要するにお盆が来ればお盆、暮れが来れば暮れ、その経済変動による生活苦から要求するところの要求、それが一種の労働運動になつて、毎年年中行事のようにやられているでございましよう。それが毎年繰返されてよろしいということでございますか。ばかなことはやめてもらいたい。
  49. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 どうもお話が私には少し変に聞かれるのでありますが、そういう事態が出て来るならば、これはやむを得ないのでありまして、他の前提になる事態を解決せずに、そこに発生して来る事態だけを、出て来るのがいいとか悪いとかいう判断をしておつてもしかたがないと私は思うのであります。賃金を上げなければならない状態が出て来れば、これは放送協会の問題だけでなくして、電電校社にしても国鉄にしても出て参つております。これはそのときどきにどういう方法で解決をするか、妥当な判断で解決してやつて参つているのでありまして、私は放送協会の場合だけ特に違つた考え方をしなければならないというような感じは、どうしても出て参りません。
  50. 松井政吉

    ○松井(政)委員 一般的に繰返してはならないというのは、要するに私は二つにものを考えるのであります。一つは公共企業体としての労働組合運動全体の問題として一つ考えています。それからもう一つは、放送協会が聴取料の値上げをやはり毎年繰返さなければならぬような事態を続けるべき段階でないので、根本的に毎年繰返さない、あるいはときどき繰返さないようなシステムにかえる必要があるかないかということを聞いているのです。問題の内部を二つにわけている。あなたが言う二つを寄せて、両方とも毎年繰返していいというりくつは成り立たない。それについて繰返していいという考え方ならば、改めてもらわなければならない。こういうことを私は質問しているのです。
  51. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 私は二つの問題はみな同じところから出て来ると思うのでありまして、これは放送協会の場合におきましても一般公社の問題におきましても、上げなければならない事態が出て来、しかもそれが料金でまかなわれるというシステムになつている以上は、必要なものが内部に出て来て経費増が出て来れば、それを料金の変動に持つて行かなければならないということになるわけであります。私どももそういう事態が出て来ることは好ましいとは思いません。従つてそういう事態が出て来ないように、一つは物価の変動を起さないようにという考え方が、インフレをなるべく抑制しようという政策になつて参るわけであります。しかしそういう政策をとりながらも、ここに物価の変動が出て来て、賃金を上げなければならないという要因が出て来れば、私どもの考え方からすれば、経営は料金によつてまかなわれなければならないという考え方である以上は、料金の調整をすることはあたりまえのことだと私は考えております。
  52. 松井政吉

    ○松井(政)委員 それは現在の法律に基けば、システムはその通りになつているということは、私がさつきから言つている。それを今改正しようとしているんでしよう。それはちやんとあなたの説明の内容にも、法律改正の審議会ができてやつているとおつしやるのでしよう。そうすれば現在のシステムにおいて、あなたはそういうシステムになつているからやむを得ないという答弁ですが、法律を改正しようとするならば、根本的にどういうところで改正をして、性格をどうかえるかということが法律の改正なんです。現在システムに立つてそのまま行くということになれば、あなたの答弁通りなんですけれども、改正しようとおつしやつているのでしよう。改正するとして、そのところを現在システムのまま行こうとするのか、根本的改正を必要とするのか、それをやるのかというお答えをしてもらわなければ合わないことになます。
  53. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 法律は確かに改正しようとしております。そうしてどういう点を改正しようと思つているのかというお尋ねに対しては、先ほど齋藤委員のお尋ねに対しては、自分らが考えている点はこういう点だ、もちろん相当根本の問題に関係する点もあるかもしれませんが、しかし松井委員が御指摘の点は、先ほどもお答え申し上げましたが、自分はそういう点についての改正の必要は認めておらない。従つて私の考えている改正しようという考え方には、そういう問題は含まれておらぬ、こういうふうに御了解願います。
  54. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 今松井委員と郵政大臣との質疑応答を伺つておつたのでありますが、これはこういうことじやないですか。今郵政当局は放送法の根本改正を企図せられておる。一方には料金の値上げを現実にやろうとしておる。どういう根本改正をやられるのかということがきまらなければ、こういう漫然とした二十五円の聴取料引上げをやつたつてむだだ。だからはつきりした放送法の改正をこういう点でやるのだ、NHKの性格というものはこういうふうに将来規制して行くのだ、だからこの二十五円の値上げというものを一ぺんやれば、それであとはやらなくたつていいのだ、あるいはそういうふうに規制して行くのだから、毎年これはやらなければいけないというのか、そういう点じやないかと私は思うのであります。
  55. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 それは改正をしようと考えておる点は、繰返して申し上げたように、相当な根本の部分に属する部分はもちろん出て来るかと思うのであります。しかしそれが今度この料金値上げを一度やれば、永久にもうしないでいいのだというような点について考えておるわけではありませんで、私は料金の関係というものは、先ほどから申し上げますように、私らのものの考え方、つまり放送協会は料金でもつてまかなうという基本の考え方からすれば、やはり経済事情がかわつて、賃金を上げなければならないというようなことになれば、おのずからこれは上げて行く。そうして今考えておる協会側の二十五円値上げ要求というものは、私どもの今の判断では、そういうものの考え方に立つて判断するならば、どの辺が妥当であるかということをとりあえず今度の機会においてきめて、また次に新しい事態が出て来てさらに上げなければならないということであるならば、またそのときはそのときの判断できめる、こういう考え方で問題を見ておるのであります。
  56. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 それは私先ほども申し上げました通りに、NHKというものは、公共性を帯びたところの放送というものは、かくあらねばならないものであるということがきまらないと、今日の緊縮予算下における聴取料の値上げというものは非常に困難ではないか。場当りで、今老朽設備を改善する必要があるとか、あるいはべース・アツプをやるために二十五円の値上げをするということになりますと、なかなかこれは通りこくい。しかしNHKの公共性というものは将来かくあるべきものであつて、そのためにこの放送というものを充実する必要があるということであつたならば、三十五円値上げもこれは通るかもしれません。ここを松井委員も追究しておられるのだと私は思うのであります。それですから、問題はこれは場当りにやるのだ――場当りというわけではないが、今眼前に必要だから二十五円値上げするのだ、NHKの将来のあり方というものは、放送法の改正というものは別だ、こういうのでありますか。その辺をもう一度お答え願います。
  57. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 私はそういう意味におきまして、今までやつて来たNHKの放送がやはりそういう考え方にのつとつてやつておるものなんであつて、従つて今までの五十円の放送料金というものを国民が御負担願つて、こうしてNHKの放送というものが継続されて参つたものである、そういうふうに考えております。そういう今までの考え方の放送を続けて行く上におきましても、これだけ経済事情がかわつて参りましたので、今の五十円の料金では協会の立場からもまかなえないし、国民の立場からも収入もだんだんふえておる――もちろん金額的な意味ではありますが、ふえておられますから、まあ若干の引上げというものも御了解願えるのではないか。しかしそれと同時に、先ほど申し上げましたように、私は今の協会の放送というものを民間放送と比べてみて、放送の内容なども気をつけて、もう少し公共性のある強いものを出していただく方がいいのではないか、こういう感じを持つておるのであります。
  58. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 これは非常にくどいような質疑応答になりますが、御承知の通りわれわれは出先機関で、党というものに対しましてこの問題を説明いたしますときには、何回もここで質疑応答を繰返して参りませんと、なかなかその説明ができないのであります。われわれはこの問題に対しまして、大臣から教育を受けているようなものであります。ことに事電波に関しますことは専門に属するものでありますから、党所属議員もすこぶるこれに対しては了解に苦しんで、なかなか放送料金の値上げというものに対しましても、いろいろな空気が今かもされておるのでありますから、くどいようでありますが、ひとつごしんぼう願いたいと思うのであります。  私はこういうふうに考えているのです。これはよけいなことでございますが、政治というものは、結局するところ国家民族の最高の創造的意思国家権力でもつて行われるのだ、それでなければ私はほんとうの政治というものは行われないと思う。でありますから、ここの電気通信委員会において論議せられるそのことは、結局電波電気通信に関しては国家国民の最高の創造的意思がここでもつて醸成されるのだ。その創造的な最高の意思というものを決定するこの場面が、間違いますと非常に大きな影響を国家に及ぼして来ると思う。そういう点から考えますと、いつでも申し上げます通り、いわゆる電波国宝電波ほど私は重要な問題はないと思つております。そういう鋭い批判の対象として一生懸命になつてこの問題に取組みますのに、今大臣の仰せられました通りの言葉をもつていたしますと、どこに一体放送法の根本改正という観念があるか私はわからない。NHKの放送のあり方は今のようでいい、放送の内容を少しかえるのだ、もうちよつと公共企業性を持つてもらいたいのだというような安易な考え方であるとするならば、放送法の根本改正という言葉は私は出て来ないと思う。いやしくも放送法の根本改正を論議するのだということであるならば、もつと大局から電波のあり方は国家の将来にかんがみてこうなければいかぬのだ、それを代表するところの公共企業性を帯びたところのNHKというものはかくあらねばならないのだ、そのかくあらねばならないということを実現するためには、今の五十円の聴取料ではとうてい不可能だから、これを七十五円に上げて行くのだ、これなら私は国民は納得できると思うのであります。そうでなく放送は今のあり方でいいのだ、これをちよつとかえて行くのだ、しかもベース・アツプや老朽の設備をかえて行くための七十五円だということになりますと、これは相当の論議が私は出て来ると思う。そこをもうちよつと深く御説明願いたいと思います。
  59. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 そういう御議論でありますならば、私は現在の五十円においてもやはり同じ議論であると思います。また同じ議論でなければならないのだと思います。五十円だから今の状態でよくて、七十五円にするためにはそこのところが直らなければならないという関係は私はないと思う。私は七十五円に値上げをしなければならないということは、その基本の問題とはそう大きな関連なしに考えなければならない性格の問題になつていると思う、今の段階においてはそういうぐあいに問題を見ておるのであります。しかしそれとは別個に、御指摘のようないろいろな点に考えなければならない点があることは、私も十分理解はついておりませんけれども、おぼろげながらそういう感じがいたしている。また当委員会において各委員からいろいろお教えをいただいて参考になりました点もありますので、そういう点を頭に置きながら放送法を改正して行きたい、こういう考えであります。
  60. 甲斐政治

    ○甲斐委員 今当面の問題になつておりますNHKの料金改正の問題でありますが、これは条理あるものだつたら要求を満足させて行きたいと考えておりますが、先ほどの御答弁のうち、根本的改正という内容が、私は大臣の御説明では納得が行かないのであります。第十七回国会において私は放送法の第一条の解釈をただしまして、大臣の御答弁としては、NHKと民間放送とはそれぞれ長短相補うて、日本放送国民にできるだけ普及せしめる、こういう意味を確認をせられました。それからさらに第二には、公共性という意味は、ただ企業体が公共であるからということでなくして、いやしくも電波として波に乗るのはいずれも公共性があるのであるということを確認した、私はこれはここで再確認をする必要もないくらいに明瞭に承つております。その考えの上に基いての発展がなければならぬと思うのであります。それから同時に、それに引続いて私は放送法の根本的改正が必要であるということを主張いたしました。その趣旨は先ほどから松井委員、齋藤委員等から申された通りに、電波がきわめて貴重なものである、しかも国際的にも局限されたものである、従つてこれをわが国として最も有効的に、能率的に使うということは考慮されなければならぬ、そこにはNHKであるとか、民間放送であるとかいうような片寄つた立場がなくして、国家として大乗的な立場からこれを処理すべきであるということを主張し続けて来ております。これについても御同感であつたはずであります。従つてそういう意味からいつて、この事態がすでに今日まで進んで来ている以上、これの根本的改正をしなければならないということを大臣も納得せられ、かつまた次の通常国会の中ごろまでには、その根本的改正案ができるであろうということまでおつしやつております。私はこの言葉を信じて期待しておつたわけなんであります。しかるにその根本的改正の内容なるものが、単に番組の配分、あるいは番組をどう規制するかということくらいで終るというのであれば、根本的改正とは一体何ですか。料金の問題もございましよう、周波数の割当の問題もございましよう、それからまたさらにNHKの性格の問題も出て来る、民間放送のあり方についても考え直さなければならない点については、考え直すべきである。そういうものを一切包括した根本的な改正であるということを大臣は約束せられたはずだと思う。その案をおつくりになるのにひまどられるということは、これは認めます。そうしてまた政府当局としては、このために改正の委員会をおつくりになつておるという誠意も十分認めます。しかるに先ほどからのお話のようだと単に放送番組だけのことを考えるとか、あるいは値上げの問題がある、ベース・アツプの問題が取上げられて、それだけが論ぜられておる、これでは私どもとしてははなはだ納得が行かないのであります。また大臣の言辞が、与えられた、あるいは約束された内容とはなはだ違うと思うが、いかがですか、この点についてお答えをいただきたい。
  61. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは具体的な問題で、いろいろな観点からお尋ねを受けて、そのときにそれに対する答えを中心にして申し上げたので、そういう誤解を生じたかと思うのでありますが、基本的な改正をしなければならないということは、しばしば申し上げている通りでありますし、また民間放送及び協会の放送に対する基本の考え方は、ただいま甲斐委員が御指摘になりましたように、私どももその通りに考えております。そういう基本の構想を含めて、電波行政というものに対する考え方を適当の機会に表明しろということでありますので、鋭意検討いたしておりますから、それは近く申し上げて御批判をいただく、またお教えをいただく、こういう考え方であります。
  62. 甲斐政治

    ○甲斐委員 それではたださまつな問題の改正でなくして根本的改正を考えておる、こうおつしやる意味ですか。――それでございましたならば、先ほどからの御答弁が、いささかあいまいであつたのがはつきりして来たわけです。そうして私はあのときの十七国会におけるあなたの言辞をとらえて、あくまで追究するというようなえげつないことは考えていない。これだけの大改正でございますから、相当時日を要するものだ、かように考えております。従つて朝野各方面の権威者、関係者の衆知を集めて、悔いなき放送法を今回はつくらなければならぬ、かように念じているわけでありますから、この改正委員会の構成はまだ伺つておりませんけれども、この構成なども承つておきたいと思いますし、またそれをどういうぐあいに運営し、どういう目安で、どういう方針でいつごろまでにということがおわかりであれば、あわせて承つておきたいと思います。
  63. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは御指摘のように非常に遅れくになつてまことに恐縮なのでありまして、実は私もそのように心がけておつたのでありますけれども、何しろ兼務などがたくさんあつたので、延び延びになつておつたのでありますが、つい最近になつて委員会が発足したというような状態なのであります。メンバーなどもまだ最終決定でなく、一応の決定をしたメンバーはあるわけでありますが、それらの点は後ほど政府委員からお答え申し上げ、なお御意見があれば承つて、また運営の点につきましても今政府委員から申し上げるでありましようが、これも御意見を承つて是正すべき点があれば大いに是正して、この調査会に最大の期待をかけて、ここからりつぱな答申を出してもらつて根本的な改正をしたい、こういう考えであります。
  64. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。この放送関係法令改正調査委員会というものが郵政省内に、大臣のこの問題の調査等を目的といたしました諮問的なものとして特に設けられたのでございますが、この構成メンバーは部内のこの方面の経験者なり担任者、及び部外から学識経験者の方々に御依頼する形になつております。そのほかこ委員会の一つの目的といたしましては、いろいろ資料等によつて内外の放送関係の法令あるいは制度等の研究と同時に、特別委員として直接お願いいたさない方々であつても御意見のあるところ、あるいは御批判等を広く取入れまして原案をつくる、こういうふうな考え方になつております。現在のところではまだ資料等の収集整理その他の段階でございますので、部外の委員の方はまだどなたときめて御委嘱申し上げておりませんが、部内の責任者は会員長が事務次官、副委員長として私が命ぜられまして、その他こういう方面の経験者及び担当の者が委員として任命されまして、活動を開始しておる状態でございます。
  65. 甲斐政治

    ○甲斐委員 それではその部外の構成メンバーはまだおきまりになつていないのでございますか。いつごろおきまりになり、いつごろから発足して、おれよそどのくらいの目安で成案を得られるおつもりであるか、伺いたいと思います。
  66. 中村俊一

    中村説明員 私、この調査委員会の委員長を命ぜられました次官でございます。ただいま外部の特別委員をいつごろきめるかというお尋ねでございますが、これは実はただいま長谷政府委員からお答えいたしましたように、まずこの際資料を十分整えて御審議を願うための材料を整えたい、こういう段階で発足いたしておりますので、今ここでいつごろということをはつきり申し上げる段階ではないと思いますが、資料も相当ありますし、そういうものをできるだけ早く整理いたしまして、この委員会が内容を審議し、問題を発見して行く、そういう段階を一日も早くつくりたいと思つております。
  67. 甲斐政治

    ○甲斐委員 資料をお集めになるとか、慎重に準備せられるとか、これも必要でございます。しかし荏苒としてそういう状態をいつまでもお続けになるのじやないかという疑いもわれわれは持ちます。何となれば、大臣はこの国会の中ごろまでには根本的改正案が提出できるだろうということまでおつしやつておられます。それにもかかわらずそんなお答えでございましたなら、一体いつになるのだろうかという疑問を持たざるを得ない。もう少し具体的な、はつきりしたことを承つておごたい思います。
  68. 中村俊一

    中村説明員 実はこれは発足をいたしまして第一回の委員会を始めましたが、私どもといたしましては、少くとも週二回ぐらいはこの委員会を開きまして、そうしてできるだけ早く問題を求めまして、それに対して具体的討議をし、その場合には特別委員の方々に十分御意見を述べていただきまして、そうしてその問題をこの委員会で決定するというのでなくして、問題によりましては、御承知のように郵政省には付属機関審議会もございます。そういうところにも大いに御協力を願いましてやりたい。従つて通常国会に出すか出さないかというような期日の問題につきましては、もうしばらく御猶予願いたいと思います。
  69. 甲斐政治

    ○甲斐委員 それではこの通常国会には出さないかもわからない、こういうお答えですね。それはやむを得ないと思います。私はそれを追究いたしません。しかし責任を持つてすみやかに、また各方面の意向をくんで、しかも枝葉末節の改正でなくして、百年の悔いを残さざるようないいものを、すみやかにつくつていただきたいということを希望申し上げて終りといたします。
  70. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 片島委員。
  71. 片島港

    ○片島委員 私は今まで論議せられましたNHKの特に従業員の給与の問題、これを解決するための労働運動の根本的な打開策などについてお伺いしたいのでありますが、非常に今日は同僚委員から質疑が活発にいろいろ行われましたので、この次の機会に譲りたいと思いますが、一つだけ、一昨日の甲斐委員の質問があつたことに関連してお伺いしておきたいと思います。  甲斐委員から、浜松放送局の申請が出ておりまして、それで中部日本静岡と両方から競合になつておりましたのを、地元の方からさらにまた願出があつたために、三つどもえになつておる。これを解決する策はやはり地元から出たものを優先的に扱う方がいいのじやないか、こういう質問に対しまして大臣は、やはりそういう方向で進めたいというふうに承つたのでありますが、今日私伝え聞くところによりますと、塚田郵政大臣は何かそうでなくして、その答弁の趣旨でないような方向にお話を進めておられるというようなことを私は漏れ聞いたので、この問題につきましてはやはり一昨日甲斐委員からお尋ねしましたときの答弁のように、地元の方から申請が出ておるのに対して、これを優先的に見る、こういうふうなお考えでありますか、ここで再確認をしておきたいと思います。
  72. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 どのようなうわさをお聞きになつたのか存じませんが、考え方は少しもかわつておりません。そしてまた考え方と違うように問題の解決をしようというような動きも少しもいたしておりません。先日も申し上げましたように、いろいろな事情は、それは具体的な問題については考えなければならぬが、一般的なものの考え方を申し上げますならば、やはりその県で出た出願はその県に、それから一つの県にはなるべく一つというのが一番いいのじやないか。静岡の問題につきましては、従つて中部と浜松静岡と三つの願いが出ておりますが、中部側はその後あまり強くこれを希望しておるようなう動きはだんだんとなくなつておるようで、今のところ浜松静岡の実質上の競願という形になつているように私は承知しております。ただこの問題の場合に一番案じられますことは、二つを許すということは、二つとも経営が困難になつて、結局いい放送ができないということになるのじやないかという非常な憂いがある。それからして、今の静岡というものについて先日も申し上げたように、若干まだ検討しなければならないという点があるので、どういうぐあいに具体的な結論を出すかは鋭意検討をしよう、こういう態度であります。
  73. 片島港

    ○片島委員 一昨日御答弁になりましたその後においては、別に情勢の変化はない、かように承つてよろしゆうございますか。
  74. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 さようでございます。
  75. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 関連して……。ただいまの浜松放送局の問題は、この前の議会において私も御質問申し上げたのでありますが、そのときの私の趣旨は、中部日本静岡放送との競願の問題でありましたが、新たに浜松から放送局の申請があるということは、そのときに承つておらなかつたように思います。私そのときお伺いいたしましたのは、静岡県静岡放送局があつて、静岡県の中の浜松静岡放送局の中継局を設けたい、それが一番合理的じやないか、なぜ一体中部日本にこれを許すのか、こういう趣旨の御質問を申し上げたのでありますが、今お話を承りますと、また今度は浜松から、地元からこの放送局の申請がある。これを許すとか許さないとか、一体そういうことになりますと、電波行政というものはどういうふうになつておるでしようか。何かそういうものに対して判定を下す基準があるのですか、ないのですか、これをひとつ承りたい。今大臣のお話の中に、やはり一県には一つ、これがいいのだというようなお答えがあつたようですが、そういうことでもつて、こういうものを何らの世間の疑惑なしにパツと許可するということはできないですか。いろいろ今疑惑が多く、汚職問題が盛んでございますから、なるべく電波中継局とか放送局許可する、そういう問題だけはひとつ疑惑のないように、合理的に常識で判断のできるような許可方法をやつていただきたい。これはずいぶん長い問題のようでありますから、この辺で断固たる処置をお考えになる必要があると思うのですが、それに対していかがですか。
  76. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 抽象的なものの考え方は先ほど申し上げた通りでありまして、おのずから結論はあるわけでありますが、しかし個々の問題になりますと、やはり出願しておるものを検討いたさなければならないし、また法もそのように要求をいたしておりますので、その点の判断でなお若干検討を要する面があつてまだ未解決になつておる、こういう段階でございます。
  77. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 いろいろ御事情もございましようが、ひとつなるべくすみやかにその問題を解決せられんことをお願いいたします。なお放送法の問題及びNHKの聴取料値上げの問題、ベース・アツプの問題は、あまり時間が長くなりますから、冷却期間を置きましてまたこの次に御質問申し上げますが、一点伺つておきたいのは、テレビジヨンに対する課税問題であります。これはその根本のお考えは、テレビジヨンはあくまでも課税しなければならないものであるかどうかということになるが、それに対してひとつ御所見を伺いたい。
  78. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは課税をしなければならないかどうかというお尋ねに対して、イエスともノーともお答え申し上げるわけには行かぬわけでありますが、しかしこの観点から行けば課税をしてしかるべきものであるという判断が出て来るし、またこの観点からすれば課税をしないのがいいのじやないかという判断が出て来るというようなお答えならばできると思うのであります。それはやはり今日の日本経済、それから国民生活の現状からしまして、あれだけのものを備えてテレビジヨンを鑑賞し得るという立場の人には、相当程度の負担力があるであろう、そこで間接税というものがそういうものを消費する段階において、負担力をとらえて税をかけるという観点からすれば、他のものがみな相当税をとられておるという今日の状態のときに、一応やむを得ないのじやないかという判断が出て来るわけであります。しかしそれと同時に、この問題の場合におきましては、このテレビジヨンの発達、さらにテレビジヨンのみならず、通信機全体の発達というものを急速に促進して行かなければならぬという観点から、なるべくこれは税をかけないで済むならばかけないでほしいという判断が出て来るわけであります。この両方の判断をいろいろ勘案いたしまして、通産省協力して大蔵省側と折衝した結果が、今度の一応の物品税の税率ということになつたわけであります。
  79. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 私の手元に来ております陳情書によりますと、「過日の報道によりますと、税制調査会からテレビジヨン受信機に対し、家庭に入る品物としては最高ともいうべき三〇%の物品税課税が内閣に答申されていますが、テレビジヨン受信機の価格は生産及び特許料等を考えると、なお当分相当高価であることは免れない現状で、この上、その製品が課税の対象となることは、いよいよ受信機の値段も高価なものとして需要を減らし、関係者の協力によつてようやく緒についたテレビの生産及び普及を頭打ちし、今までの各方面のせつかくの努力が水泡に帰することになります。ラジオ受信機の物品税が過般一〇%から五%に軽減されても、なお相当普及に支障を来している現状をあわせ御考慮の上、テレビの健全な普及に対しては、特に国家保護政策をさらに強化する観点に立たれ、従来通り非課税とされますよう格別の御配慮をお願いいたします。」こういうのであります。もし三〇%の物品税を課するということになりますと、テレビは一応奢侈品という観点に立つのだと思いますが、こういうことに対しまして大臣はどうお考えになりますか。
  80. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 この三〇%という物品税の税率は、そう低いものでないことは事実であります。しかしこの三割の課税ということにきまりましたのは、大蔵原案では十四インチ以上ということで、十四インチに足らないものはその半額、従つて普及型については一割五分というところで一応妥協ができておるわけであります。従つて十四インチ以上、つまり三割の課税の対象になつているものは、通俗の言葉で申し上げますれば、奢侈品である、こういう判断に一応立つておるわけであります。
  81. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 十四インチ以上に三〇%、十四インチ以下は一五%ですけれども、実際の製造過程から参りますると、十四インチ以上といつたつて、十四インチ以下といつたつて、これは製造価格においては何ら差違がない。ですから、とにかく税を徴収するという意図でもつてそういう区別をしておられるのですか、それとも十四インチ以上だと高くかかるのだから奢侈品だ、十四インチ以下は安くできるのだからこれは奢侈品でない、そういうことなんでしようか。
  82. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これはテレビというものを全体として見まして、課税の対象にしてしかるべきものではないかという感じで、問題がスタートしておるわけであります。しかしその中から、まあ十四インチ以下のいわゆる普及型と俗に考えられるものは、それでは少しひどいではないかというので、軽減措置が講ぜられてあるのであります。もちろん十四インチというこの境の切り方が適当であるかどうか、またこういうぐあいにある品物を全体として課税する、しかしその一部分はこういうぐあいに減率する、また場合によつては全然免税点を設けて課税外に置いてしまうという場合にいつも起つて来る問題で、切り方が非常にむずかしいのでありまして、その点については若干議論もあろうかと思いますが、考え方としては今申し上げたように全体として課税してしかるべきものだと思うが、普及型の程度のものを幾らか下げた、こういう感じであります。
  83. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 そうすると郵政大臣は、テレビジヨンの受像機に対する課税は当然だというお考えのもとにお話になつておりますか。
  84. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 郵政大臣としてはもちろん別個の観点で、つまりこれはもつと普及したい、また通信機器の製造その他をどんどんと進めて行くという考え方から、通産大臣協力いたしまして免税ということを極力主張いたしたわけでありますが、先ほど申しましたもう一つの観点から、この辺でやむを得ないというので妥協点ということになつたわけであります。
  85. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 これは大臣も御承知でございましようが、通産省から発表せられましたエレクトリツク・インダストリー、いわゆる電子管工業、これを重点的に取上げて行くという昨年の発表、それと同時に、テレビジヨン工業というものを発展させて行く――いわゆる普及型を二千五百円月賦、二十回払い、五万円でもつて百万台こしらえて行くという、あのアドバルーンが上つたわけであります。そのアドバルーンが上つただけでも、従来のテレビジヨン・メーカーが非常な苦境に陥つているということは御承知の通りである。一ぺん月賦で買つた者も返している。そんな高いものはいらないという状態で、結局するところ今日テレビジヨンの発達しないのは、受像機が高いからである。それにさらに一割五分ないし三割の課税をされて行くということは、ある意味においてはテレビジヨン工業というものを、陳情書にございます通り頭打ちにするということである。そういうことを、単に課税の対象として税金をとらなければということからやるならば別でございますけれども、電波界の発達というような点から考え、さらにテレビジヨンの発達によつてよい受像機がどんどんできて行くことによつて、輸出面を打開して行くという大きな観点から考えますと、この一割五分ないし三割の課税は相当考えて行かねばならぬ問題だと思うのでありますけれども、どういう政府の意図でございますか。十四インチ以上に対して三〇%も課税をするということは、十四インチ以上つくる必要はないというようにも思われるのですが、これはもう一度御交渉を願う余地がないものでしようか、その点を承りたい。
  86. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 相当通産省協力をいたしまして、大蔵省と折衝いたしたわけでありますが、御指摘のような考え方が確かにあるし、私も郵政大臣としてはそのような考え方でおるわけでありますから、なお折衝してみたいと思います。
  87. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 私から二、三ちよつと簡単にお伺いしたい。一昨日の大臣の説明の中に、NHKの予算を近日お出しになるというお言葉があつたのですが、いつごろお出しになるのですか。
  88. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これはまだ日の見通しはつかないのであります。今のNHKの予算は、御承知でもありましようが、出された場合に、政府が意見を付して国会にお送りする。国会が御賛成くださるならばよいのですが、御賛成くださらないとまたそのままNHKに下つてしまつて、そうして出し直すということになつておるものでありますから、ある程度見通しのついたものとして出さないとなりませんので、今NHK側の意見も非公式に伺つておる程度で、正式のものはまだ郵政省の方もいただいておらぬわけであります。今そういうような事実判断の段階にあります。従つてこの判断がある程度固まり――またそういう場合には、当然国会側の御意見も内々伺つて問題を見ているわけでありますから、ある程度固まつて、提出して御審議願えるようになれば、なるべく早く御審議を願おうではないか、そんな段階で、今のところ日は何とも申し上げられません。しかしどんなに遅れましても、三月三十一日までには衆参両院の御審議を終つていただかなければならぬ状態でありますから、そういつまでもほつて置くというわけには参らない、こういう見通しであります。
  89. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 もう一点お伺いいたします。本年度の聴取料の増加を当初予算のときに見込んでおつたようですが、どのくらい実際の聴取料の増加が見込んであつたか、それをまずお伺いしたい。
  90. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。二十八年度の予算といたしましては、新規加入者から、年間に廃止になるものを差引きまして純増六十万を見込んでおります。しかし本年度まだ決算まで行つておりませんので、実際どのくらいその差が出るか確定しておりませんが、実際にはこれを上まわつておるように承つております。趨勢といたしましては上まわるものではないかというふうに存じております。
  91. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 もう一点お伺いします。二十九年度の予算案について、昨年度と同じように聴取料が増加できるとお思いになつておられるか、あるいはこれが下まわりそうだとお考えになつているか、その見当を……。
  92. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。協会の来年度の予算について非公式的な説明を受けました資料によりますと、今年度は六十万を見込んでおきましたけれども、実際はそれを上まわるようである。来年度は、来年度の予算が料金の値上げ等にも関係する点もございまして、できるだけ確実な数字を聴取者の増減の点についても持ちたいということでいろいろ検討した結果、来年度は実際においても六十万になるであろう、こういうことで今年と同じようにやはり六十万を見込んでおります。
  93. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 政府基本的な政策からいつても、デフレ化を非常に推進して来ていますし、全体の経済情勢からいつても、昨年度と同じような増加見込みというのは少し甘いのではないかと思いますが、これは後刻また論議したいと思います。  もう一つお伺いしておきたいのは予備金の性格ですが、予備金支出に対するわくがおありかどうか、これをお伺いします。
  94. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 ただいまあいにく資料を持つておりませんので、的確なことを申し上げかねますが、国会で御承認を得ます放送協会の予算につきましては、予算総則がございまして、その予算総則に予備金の使途の範囲を明らかにしてございます。なお御必要ございましたら後ほど詳細申し上げたいと思いますが、そういう手順になつております。
  95. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 予備金の支出の決定はどこが決定することになるのでしようか。
  96. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 今年までのところは経営委員会で決定ができることになつております。
  97. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 今年までのところ経営委員会で決定されるのですが、放送法の根本的な改正が事によると今国会中にできるかもしれない。そうすると経営委員会で決定する以外の手段が生ずるかもしれない、こういうお見通しですか。
  98. 長谷愼一

    ○長谷政府委員 別に含みを持つて申し上げたわけではありませんけれども、今の法律のもとにおきましては、予備金の範囲内での支出は、その使途は予算総則の中にうたつてございますが、その範囲内での金額の決定は経営委員会となつておるわけでございます。
  99. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 わかりました。最後に大臣に一つだけお伺いしておきたいのですが、一昨日の御説明の中に国際電信電話に関する御報告がございました。報告に疑点はなかつたのですが、これは相当の利潤がありました。お聞き及びの通り年末におけるベース・アツプあるいは賞与等も、われわれの想像を絶したものが支給されておるように聞いております。電電公社のベース・アツプが同時に問題になつておりましたが、今日から見ますと、その差がはなはだしくついておるように思います。これに対する簡単な御見解をお伺いしたいと思います。
  100. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 私も国際電電の決算を同じ疑問を持つていろいろ検討いたしたのでありますが、先般も政府委員からちよつとお答え申し上げましたように、たとえば賞与の問題も四箇月というようには出ておりますけれども、基礎になります額のとり方が違いますので、実質的には四箇月にはなつておりません。三箇月あるいは三箇月をちよつと上まわる程度であつたかと思います。この程度であるならば、この企業体の性質としてやむを得ないのではないか。もちろんああいう企業体にしてあること自体に対して、当委員会においては御異論のある方もおありのようでありますが、しかし一応そういう状態に国際電電がなつておる以上は、その程度のことはやむを得ない、こういうように判断いたしたわけであります。
  101. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 参考までにもう一点お伺いするのですが、今後電電公社の職員のベースを考えたり、あるいは待遇を考えますときには、国際電信電話の従業員というものはついこの間まで一緒にやつておつた人たちですから、今後この待遇が相当参考になるものと当然考えられるわけです。われわれもそう考えたいと思いますし、大臣もそうお考えになるだろうと思いますが、相当有力なる参考になるという御見解をお持ちになるかどうか。
  102. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは、同じレベルで行くかどうかは別にしても、国際電電の給与の状態がどうであるかということは、電電公社の給与の状態の判断の基礎になり、また国際電電の給与の状態を判断いたします場合には、電電公社のものを判断の基礎にする。やはり相互に絶えず頭に置いて判断をしなければならないと考えております。
  103. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 昨日問題になりました電電公社のいわゆる二十五億円の問題でありますが、あれは今松井委員に伺いましたところが、補正予算のときにもやはり予算委員会で問題になつたそうです。電電公社の五箇年計画は、第二年目に建設財源において八十億円も不足を来しておる、ここに書かれておるような基礎工事の繰延べで、はたして五箇年計画が行われるかどうか、これはわれわれとして非常な重大責任を感じつつ検討を加えて行かなければならぬと思うのであります。もちろんしろうとのことでありますから、その実際面については詳細な御説明を承つて行かなければならぬと思うのでありまして、どうぞひとつ電電公社におかれましては、総裁の説明を敷衍する詳細な数字的な資料の御提出をお願いしたいと思います。と同時に、委員長にお願願い申し上げますが、速記録を見ますと、二十五億の問題に対しては、郵政大臣並びに時の大蔵政務次官、現通産大臣愛知氏が相当の責任あるお答えをやつておるのでありますが、通産大臣に一応ここに御出席を願い、さらに大蔵当局にも御出席を願つて、二十五億円の問題に対してもう少し政府責任ある御答弁を願いたいと思うのであります。よろしくおとりはからい願いたいと思います。  もう一つは、この間改進党政策委員会で東大教授のお話を承りました。東大の研究室――どこであるかわかりませんが、電子計算機が今組み立てられておる。真空管が一万五千くらい入るという話でありますが、ああいうものを組み立てますときには、電電公社の電気通信研究所と何か連絡があるのでありますか、ないのでありますか。
  104. 米澤滋

    ○米澤説明員 今のお話は、東大自身で組み立てたのではなくて、多分メーカーと一緒になつてつくられたのではないかと思うのですが、通信研究所として直接それにタッチしたとは私聞いておりません。
  105. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 これは新聞の記事でありますからよくわかりませんが、その一万五千の真空管の中には、真空管にかわるべきトランジスタ治二千五百くらい入るのだということであります。さらにその御説明を聞きますと、今問題になつているのはその一万五千の真空管を入れて、もしその真空管に故障が起きたときにはそれを探すのに非常に困る、それだけ日本の真空管には不安があるというようなお話もあつたのであります。この間通信研究所を拝見いたしましたら、あそこにも電子計算機の模型がございましたが、ああいう模型につくられたあのシステムが今組み立てられておるのですか、それはおわかりになりませんか。
  106. 米澤滋

    ○米澤説明員 今の御質問でございますが、詳しいことは私承知いたしておりませんので、調べましてこの次にでも申し上げたいと思います。
  107. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 その真空管一万五千を入れる電子計算機というものは、この間の日本経済の記事を見ますと、アメリカの量産というものは全部電子計算機によつてやられておる。いわゆるロボツトといいますか、模型人間ができて、それが一切量産の根本を握つている。やがては物の生産というものは電子計算機が根本となつて行われるだろう、こういう記事なんであります。アメリカでもこの電子計算機を応用したあらゆるマス・プロダクシヨンの工場というものを羅列して掲げておるのでありますが、こういうことから考えますと、今一万五千の真空管を使う電子計算機が組み立てられておるのに、電気通信研究所に何らの交渉がなくて行われるということは、われわれとして考えられない。そこで大臣にひとつ伺いたいのですが、どう考えても日本というところは、科学技術の面においてはちつとも総合統一した機能が発揮されていない、私はそう考えるのです。その点につきまして今盛んに問題とされております科学技術庁の新設というような点に対しまして、大臣はどういうお考えを持つておられますか。これはちよつと場違いでございますけれども、ひとつ御説明を願いたいと思います。
  108. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 科学研究というものは御指摘のように、あつちこつちでばらばらにやつておるということは非常に非能率であり、むだが多いと思いますので、何とかして統合したいという感じを強く持つておるわけであります。ただ巷間に構想されております科学技術庁というものは、検討してみますと全然そういう機能をするものでなしに、ただ一つのそういう総合機関を設けて、そこで予算を獲得して配分をするという程度の機関だけに終つてしまうような感じがいたしますので、行革本部といたしましてもそのままそれを是認するわけには参らないので、検討しておるわけであります。何か構想でしかるべきものを考えて、もしくは御意見があるならばお聞かせ願つて、何らかのもつと効果的な技術を振興できる機関というものを、政府部内にも設けたいという強い気持を持つておるわけであります。
  109. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 そこがちよつとわれわれの考えているのと感覚がずれておるのではないかと思うのです。ということは、科学技術というものは、実質的に科学技術そのものの検討を実験室において遂行しておるものと、世界の科学技術のレベルを検討して、こういうものを今後研究して行くべきものであるという考察をするところと、おのずから体形は違うのであります。実際に科学技術研究をある一つのテーマを持つて研究室で専念これに打込んでおるのと、もつと高所から世界の科学技術というものを調べてみて、日本国力及び日本の状態と対応して、こういう面に向つて科学技術の振興を策すべきものであるという考察を加えるということとは、おのずからこれは違うのであります。科学技術庁というものはその考察を加えて行く方なのです。科学技術庁というものを設けたつて、そこでもつてハンマーあるいはいろいろなものをつくつたり試験をしたりするものでは私はないと思う。すなわち各所各所におけるところの研究所のあり方というものを総合して、日本というものはどういう面に向つて科学技術の振興を策して行くのが妥当であるか、どういうものをつくつたならば輸出貿易に貢献することができるか、将来電波界というものはこの面に向つて革命が起きて来るのだから、一切の研究というものはやめても、この面に重点を置かなければいけないのだという考察を加えて、それを決定するのが、いわゆる科学技術の総合的な統一せられた頭脳の働きをするのであります。これが日本に欠けておるのであります。それでありますから今現実の面としてお話を申し上げました通り、東大では一万五千の真空管を用いて今世界の最高のレベルにある電子計算機をつくるというのです。それが一体日本においてあらゆるそういう頭脳の面が総動員されておるかということを質問すると、電気通信研究所においてはあずかり知らぬというのであります。それでは私はせつかく一万五千の真空管を入れるくらいの厖大な電子計算機をつくるのに、日本の頭脳的総力の何分かの一、何百分の一しかそこに結集されていないのではないかと思う。それが失敗に終ると世界の物笑いになる。ところがそれが日本のすべてのブレーンかというと、そうではないのであります。わずかに東大のブレーンであります。そういうことは私は国費のむだだと思う。それでありますからそういうことを政府として統合統一して、あらゆる面からいつて日本の全ブレーンを結集する機能を発揮されなければならぬ。そういうことは今日本ではないのであります。今大臣にお伺いすると、科学技術庁というものは単に予算を持つて来て、それを分配するような態勢であるから、それは考える余地があるということでありますが、それは感覚がずれているのではないかと思う。そうではありませんか。
  110. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 感覚は別にずれておるわけでも何でもないのでありまして、御指摘のような考え方に確かになると思うのです。現実に仕事のできる部分は、統合できるものは統合して全知識を集約的に出す。また統合できないものであるならば、お互いの間の連絡を密にしても、そういう目的はある程度達せられると思う。そのほかにそういう世界の科学技術の水準というものを、絶えずにらみながら研究して行く機関もあつてしかるべきだと思う。しかしそういう意味の機関は全然ないわけではないのでありまして、そういう機能を果させるとしますならば、果させ得る機関はもうすでにあるのであります。科学技術議会でありますとか、いろいろあるわけでありますが、十分の機能を果しておるかどうか、私もまだ十分検討はいたしておりません。しかしただいまお尋ねの科学技術庁という構想、しかも先ほども申し上げましたように、巷間伝えられておる科学技術庁というようなものの構想は、これはそういう機能を果す程度のものであるように思えるので、あれでは適当でないのではないかというので、科学技術庁構想といいますか、今伝えられておる科学技術庁構想というものは行革本部としてもまだこれでしかるべしという結論には行つておらない。なお検討し、自分らにもいい考えがあれば、また皆さん方にもいいお考えがあれば、しかるべきものをつくりたいという強い希望を持つておるということをお答え申し上げたわけであります。
  111. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 それでは行革本部で考えておられる適当な科学技術の総合統一機関というものの構想を一体承ることができますか。どこに行つたら承れますか。
  112. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 これは非常に専門の問題でありますので、やはり専門の方方の御意見をいろいろ伺つて、従つてまたそういう方々から御意見がしかるべきものが出て、私どもがそれを基礎にして考えることができればというような考え方で、行革本部としては特にこういう案というものは持つておらないわけであります。しかし先般科学技術議員連盟の方々からちようだいしました科学技術庁の構想というものについては、そういうような意見でありますので、そういう意見を申し述べてなお検討を願うようにというようにはお願いをしておるのであります。
  113. 齋藤憲三

    ○齋藤委員 どうも大臣をこういうふうにしていじめてもしようがないと思いますけれども、科学技術庁という組織に対してはいろいろ検討を加える必要があるといたしましても、科学技術というものを国家的に総合統一して、その機能を発揮せしめるということに対しては、私は御異存はないと思う。そういうことから考えますと、この際政府は一段とその点にお力を入れてくださいまして、その問題の解決をひとつ早急にやつていただきたい。たとえて申しますならば、電波一つに対しましても、これは今問題になつております防衛態勢の確立というようなことには、根本的な問題になつて来るのであります。と同時にこれは私の考えから申しますれば、戦時といわず平時といわず、常に民族の興隆というものはブレーンによつてきまる。談笑の間に事を処するには、やはり民族的な競争が常に行われておる。優劣を決定するものは結局ブレーンであります。人類の進化過程を表現するのは、申すまでもなく科学の進歩であります。そういうことを国家的に総合統一したところの機関がなく、これに対して責任をとるところの大臣がないのであります。結局するところ問題は、政治というものと行政というものとが一致しなければ、国家の発展というものはできないと思う。でありますから、われわれの要求するところは、科学技術の振興というものに対して責任を負うところの大臣というものがなければならぬと思う。科学技術の振興というものを国家的に総合して、これを統一化したところの点について、行政的に責任を負うところの大臣がなかつたならば、一体どうして民間におけるところの、あるいはその他におけるところの科学技術が進歩するか。現に調べてみるとちつとも進歩しておらぬ。物をつくる面においても、今の行政においてはセクシヨナルズムでばらばらなんです。これは大臣お調べになつてみればよくわかる。私、この間も驚いたのであります。通産省のある局においては、金属チタンをつくるために一千百トンのキヤパシテイーのある設備をやつた。やつたところがそれに入れるところの原料がないというので、カナダまで買いに行つておるのであります。カナダまで買いに行く必要がどこにあるかと言つたら、まだそのチタン原鉱というものの調査が行き届いておらぬと言う。調査が行き届いておらぬのみならず、もしそこに原鉱があつても、これを使用してチタン・スラツグをつくる電気炉がないというわけだ。それでありますから、私は今の政治というものは作文をつづる政治であり、演壇に立つて演説をする者は、ただ演説のけいこをしておる政治ではないかと思う。実際生産面に行つてみたならばらばらなんです。これは電波界の革命を引起すところのゲルマニウムでもそうです。日本には一つもゲルマニウムのあり方さえわからない。そうして口を開けばゲルマニウムゲルマニウムと騒いでおる。輸入防遏輸出振興、輸入を防遏して輸出を振興するのだというお題目は掲げておきながら、年々輸入は増加して輸出は減退しておる。それではあなた政治なんてありはせぬ。それでありますから、私がここでそういうことを申し上げてもいたし方ないと思いますけるれども、大臣にひとつ奮発していただいて、科学技術の総合統一をはかるだけの機関というものはぜひこの際つくつて、それに対する責任大臣を置いていただいて、ひとつ急速にこの日本の危局を切り抜けるような面における生産態勢の確立をしていただきたい。これは行政改革においてやり得ることじやないかと思うのでありますが、この点に対して大臣ひとつもう一度確たる御所見を伺つておきたいと思います。
  114. 塚田十一郎

    ○塚田国務大臣 なおよく検討して、なるべく善処いたしたいと存じます。
  115. 原茂

    ○原(茂)委員長代理 本日はこれをもつて散会いたします。次会は公報をもつて御通知いたします。     午後零時五十六分散会