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1954-06-03 第19回国会 衆議院 通商産業委員会 61号 公式Web版

  1. 昭和二十九年六月三日(木曜日)     午前十一時十六分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 首藤 新八君    理事 中村 幸八君 理事 山手 滿男君    理事 永井勝次郎君 理事 加藤 鐐造君       小川 平二君    始関 伊平君       田中 龍夫君    笹本 一雄君       長谷川四郎君    柳原 三郎君       加藤 清二君    齋木 重一君       帆足  計君    伊藤卯四郎君       中崎  敏君  出席国務大臣          通商産業大臣 愛知 揆一君  出席政府委員         通商産業政務次         官       古池 信三君         通商産業事務官         (鉱山局長)  川上 為治君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      中島 征帆君  委員外の出席者         通商産業技官         (軽工業局有機         化学課長)   入江  明君         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 六月三日  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (小林政夫君提出、参法第二〇号)(予)  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律の  施行に関する法律案(小林政夫君提出、参法第  二一号)(予) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  電気事業に関する件     ―――――――――――――
  2. 大西禎夫

    ○大西委員長 これより会議を開きます。  本日は電気事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。永井勝次郎君。
  3. 永井勝次郎

    ○永井委員 この場合電気料金の値上げの問題を政府はどういうふうに取扱う予定となつておるか、料金問題に対する事務的取扱い、その処理の方法等、できるだけ詳しく、明確に御説明願いたい。
  4. 中島征帆

    ○中島政府委員 電気料金の問題に関しましては、三月の中間に聴聞会を開きまして、各方面の意見を十分聴取いたしましたが、その後この聴聞の意見等も参酌いたしまして、原価の査定と、それから今度料金の改訂と同時に出されております料金制度の変更につきましても十分検討を加えつつあります。原価に対しましては、今般金利並びに租税等が若干引下げられましたので、その影響分は当然下る。それからそのほか、石炭その他の資材の値下り等の傾向も十分勘案いたしまして、合理化も加味した上でどの程度まで原価が詰められるかということも計算しております。  それから制度に関しましては、いわゆる割当制度を廃止いたしまして、負荷率別の料金制度をつくるという根本方針につきまして、われわれも大体これでよかろうと考えておりますが、細部につきましてあまりに影響の強く出る部分もございますし、必ずしも合理的でない点もございますので、そういう点をできるだけ修正いたしまして、最後の姿が公正妥当になるということでくふうをいたしております。こういつた作業が非常に複雑でございますので、今日までまだ割当制度を続けておる。また制度に関しましては一度試案をつくりまして、それに各料金を当てはめてみまして、それによつて現在の状況がどういうふうになるかという影響も考え、さらにこれを是正するということもやらなければなりませんので、最後案を得るまで事務的にかなりな日数を要しているわけでありますが、これも完了に近づいておりまして近く一応事務的な結論が出る段階にございます。これを省内あるいは政府全体としていかに取扱うかという問題はこれからでありますが、事務的な計数整理は終りに近づきつつある段階でございます。
  5. 永井勝次郎

    ○永井委員 電気料金はずつと前から原価主義でやつている。基礎資料をもつて会社の方から一割四分四厘の値上げを要求している。それに対して引上げ要求そのものが妥当であるかどうかということの吟味が前提条件にならなければならないのに、一割四分四厘はこれは必要な値上げ率であるという前提に立つて、そして税金はこれだけ負けた、金利はこれだけ負けた、だからこれだけは値下げできるという話を聞いていると、もう何か一割四分四厘の会社から出した資料というものは絶対の条件であるというふうな考え方に立つて、そうして税金でどれだけ負けてやるか、金利でどれだけ負けてやるかということでは、料金そのものの内容に対しての吟味というものが少し足りないのではないか。政府当局がまるで電力会社の利益代表機関みたいなかつこうになつているのではないか。その一割四分四厘の値上げ要求の資料そのものをどういうふうにお考えになつているか。問題点はどこにあるか。今までに計数整理が大体完了の段階に来ているというのですから、内容がよくおわかりだろうと思います。これをどうきめるということは別としても、計数の上から見てどうであるかということをひとつ明確に承りたい。
  6. 中島征帆

    ○中島政府委員 一割四分四厘をすでにもう一応の前提としておるというふうにおとりになつているようでございますが、これは今比較する基準がありませんのでそれをとつているだけでありまして、むろん一割四分四厘は必要だという前提に立つているわけではございません。従つて政府としましては、大体原価を公平に査定した場合にどの程度までになるかという数字を出すわけでございますが、その場合に、いわゆる一割四分四厘という値上げ率に対しまして、政府でやつた原価計算によると何割何分上るという比較をするわけでありますが、その比較をするときに一割四分四厘の申請のものを使う、それだけのものでございます。査定の内容は先ほど申しましたように、税金、金利等はもうすでにはつきりしたものでございまして、そのほかには一番大きく響くのは炭価でございます。それからその他いわゆる企業努力と申しますか、合理化と申しますか、そういつた面で経費の節減に働くいろいろな要素がございますが、それをでするだけ合理的にわれわれは詰めるということにいたしております。たとえば単純に経費を大幅に削減いたしましても、そのためにいろいろな設備の維持補修等がおろそかになつたり、あるいはサービス面が行き届かなかつたりという結果を来しましては適当でございませんので、同じような効果を上げてなおかつ詰められるだけの経費を詰める。それから原価計算と関連いたしますが、やはり収入計算もしなければなりません。その収入想定をやりますために、需給の想定も一応するわけでございます。その場合に出水率は一応一つの原則がございますが、水の利用率であるとか、ロス率でありますとか、そういう方面をどういうふうに見るか。それから需用の面がどの方面でどのように伸びるかということも考えなければなりません。そういうものをできるだけ公正な立場で政府で検討いたしまして、そこで最終的な数字を出す、こういうわけであります。
  7. 永井勝次郎

    ○永井委員 料金制度はやはり統一料金制度で行くわけですか。
  8. 中島征帆

    ○中島政府委員 現在二段料金制になつておりますが、今度の申請では、東北と北陸の二社が一本料金の内容の申請をいたしております。この方針は当局としても認めるつもりでございます。それからそれ以外の地区はやはり二段料金をとつております。ただ一段と二段の開きが従来よりも若干狭まつておるということと、それから一般料金を割当てるのに、いわゆる政府の割当制でなくて、自動的に過去の実績から計算して割当てられる、こういうふうな考えであります。
  9. 永井勝次郎

    ○永井委員 会社側で出しておる二十八年度当初の収支予算によると、百九億の赤字が出る、こういう計算書でありますが、年度末決算を見ると、百九億の赤字どころではなくて、百十九億の黒字になつておる。二百二十八億の収支好転がある。この収支好転は、単に水の関係だけの原因ではこれだけの値幅は出て来ないと思いますが、百九億の赤字であつたのか、二百二十八億の収支好転したことの内容について、どういうふうにこの数字を押えているか、総括的にひとつ御説明願いたいと思います。
  10. 中島征帆

    ○中島政府委員 二百二十何億というのは少し数字が違うのでありまして、これはこういうふうに考えなければならぬと思います。昨年の四月に二十八年度の収支の見込みを想定いたしましたときに、百九億の赤字が出るということを予想いたしておりました。これはむろん平水予想の上でであります。ところが実績におきましては、繰越しのものは全部別にいたしますと、結局百十四億程度の利益が上つた、こういう結果になるわけであります。その内訳を申しますと、これは上下を通じて申し上げますが、利益は配当あるいは配当準備金等になるわけでありますが、その利益が一年間で四十九億であります。それから渇水準備金として新しく積まれたものが一年間にちようど六十億ございます。従つて合せて百九億というのが一応全体の利益でありますが、このほかに繰越しが六億ほどございますから、百十五億というのが年間に上つた利益ということになるわけであります。従つて百十五億と百九億という前の赤字の予想を加えますと二百億幾らということになりますけれども、昨年の予想しておりました百九億の赤字というものの中には、これは渇水準備金は平水でございますからもちろん入つておりませんが、一割二分の配当をするという前提が入つておるわけであります。従つて一割二分の配当をすれば百九億の赤字になるということでありますから、従つて渇水準備金だけが結局豊水による利益であつて、六十億は確かに水のために出たものであります。しかしこれは積立てであります。さらにそのほかに四十九億の利益を出しております。このうち配当されましたものが四十三億になりますが、この四十三億の配当ができた、しかも赤字が出ていないということはやはり水による利益でありまして。従つて豊水のために四十三億の配当をして、それからまた別に六十億の渇水準備金の積立てができ、なお若干繰越しがあつた、こういう結果になつております。従つて当初の見込みと比べて二百億ということになつて、結局百十五億というものが初めに比べて水のためによかつた、こういう結論になつております。
  11. 永井勝次郎

    ○永井委員 資本金関係を見ると、二十九年の三月に四百四十二億、そのうち九十六億が無償増資で、二一・七%の無償資本があるわけですが、そういう関係とこの利益配当の関係をどういうふうに見られているか。
  12. 中島征帆

    ○中島政府委員 むろん無償のものに対しましても配当はつくわけであります。無償増資をいたしましたのは、当時の証券界の情勢といたしまして、ある程度の無償の抱合せをやらないと増資はできないという情勢にありましたので、これをやつたわけでありまして、最近の産業界におきます増資の場合にはいずれもこういう傾向をたどつておりますから、ひとり電気だけが特別に株主を優遇したというようには考えておりません。また二割程度を無償にするということは、それだけまるまる株主に対する利益配当と見れば相当大きな配当になりますが、そうでなくて、これはもともと会社の資産として積まれておりますものをもどす、そして新しく自分で投資をしないでそれに対する配当がもらえるというだけが株主に対する利益だ、こう考えれば、配当率の一割二分あるいは一割五分というものは、自分の投資額に対しては若干よくなるということはありますけれども、無償額を全部配当の中に入れて、それで配当率を計算するということは適当でないと考えております。
  13. 永井勝次郎

    ○永井委員 この無償増資の関係については、固定資産税その他の税の関係もあつて、実際価格あるものを再評価してないというようないろいろの関係もあつてなんでありますが、こういうふうに無償増資をしている。先ほど局長の話によると一割二分の利益配当というものを基準に出したのだというのですが、無償交付をしておいて、配当率が低くなつて、従つて予定した予算よりは黒字になつていないのだ、こういう数字上のごまかしはいけないのではないかと思うのであります。無償交付の分については、やはり全体の配当率を計算して、そうして最初の予算と現われた決算の結果と比較すると、これはわれわれ端的に見て二百二十七、八億の収支好転はある。そうしてそれは単に水の関係だけではなくて、結局料金増額要求のための水増し、あるいはいろいろなごまかしの予算を組んであつたためにこういう結果が出て来た、こう思うのでありますが、その点はどうでありましよう。それから石炭の価格値下りをどの程度に見ておるか、石炭の消費率を予算書に比べてどういうふうに見ておるか、申請原価と現在の時価とを比べて、石炭代その他についてはどういうふうに考えておるか。
  14. 中島征帆

    ○中島政府委員 最初の点でございますが、この百九億の赤字の予想をいたしましたときには、二十八年度年間におきまして、各社とも五割の増資をして、そのうちで二割だけは無償抱合せをやる、こういう想定をいたしております。従つて二割の無償増資ということは当初から計算に入れておるわけでございまして、あとで数字をごまかすためにやつたというふうな意図は全然ございません。  それから石炭の消費率でございますが、これは昨年からだんだん向上いたしておりまして、われわれもできるだけ最近の実績をとりまして、それを原価の中に入れる、こういうふうな考え方であります。申請の炭価が全体平均でどのくらいでありましたか、ちよつと私も覚えておりませんが、これは当時昨年の第二・四半期までの石炭の購入実績をとりまして、それに基いて二十九年度の炭価を想定いたしております。これが申請の内容になつておりますが、その後相当期間も経過しておりますので、われわれといたしましては、ごく最近の傾向を見ながら、実績としまして、その後第三・四半期のものもはつきり出ております。第四・四半期のものもつかまえております。それからその後本年度に入りましての炭価趨勢というものもありますが、できるだけ近い実績をとりまして、それに将来の見込みを入れる、こういうふうな方針をとつておりますが、御承知のように石炭の価格というものは現在非常に不安定なものになつております。二十九年度どういうふうな動きをするかということは、これは非常にデリケートな問題であります。単に価格が下向きであるからということで、それをそのまま引延ばしていいかどうかということは、いろいろ問題もございますし、またそういうふうな単純な計算をするのも危険でございますので、この点につきましては最後的には石炭局長の意見も十分取入れてやるつもりであります。現在私どもでやつておりますのは、大体第四・四半期の実績あたりをべースにとりまして申請するということになつております。大体のところはカロリー八十銭くらいに見ております。これは全国平均であります。但しこのカロリーはいわゆる乾炭、かわいた方の炭であります。
  15. 永井勝次郎

    ○永井委員 それから消費率をどのくらいに見ておるか。
  16. 中島征帆

    ○中島政府委員 消費率は、二十七年のときの、つまり現行炭価に入つておりますのが、一キロワツト・アワーの石炭の消費率〇・九二でございます。二十八年度の計画といたしましては、これは料金に直接関係はございませんが、当初の計画としましては〇・八七と見ております。その後またどんどん成績が向上いたしておりますので、まだ最終的な数字が出ておりませんけれども、大体〇・八くらいの見当に行けるのではないか、こういうふうに思います。
  17. 永井勝次郎

    ○永井委員 石炭の価格については申請原価では九十四銭、現在の全国平均の価格を計算すると、これは私の試算でありますが、大体七十銭以下になるのではないか。三割くらい安くなるのじやないか、こう思つておりますが、その点はどうか。それから石炭の消費率については、先ほど局長は〇・八七の申請であつたというふうに言われたのですが、これは〇・八一になつております。これに対して現在は五、六パーセントの上昇をしておる、こう思うのでありまして、この消費率の関係については、重油をどれだけ使えるかということが相当大きな影響力を持つと思うのでありますが、重油の消費をどういうふうに押えているか、この二つの点について具体的に承りたい。
  18. 中島征帆

    ○中島政府委員 〇・八七はこれは二十八年度の計画でありまして、申請とも原価ともいずれも関係がありません。それから現在カロリー平均で七十銭くらいだというお話でございますが、全国平均を見ますと七十銭ということはないのじやないかと思います。もちろん山元近くでは、ことに中小の炭につきましては六十銭とか七十銭という声も出ておりますが、全般的に見ますと、東京、大阪等をならしますと、もつと高いのではないかと思います。
  19. 永井勝次郎

    ○永井委員 あなたの方の計算ではどういうふうな計算が出ておりますか。
  20. 中島征帆

    ○中島政府委員 電力会社の使います炭の平均を大体八十銭くらいに見ております。それから重油は現在節約の問題が出ておりますが、それは現在のところ原価の計算の中では一応見ておりません、大体年間五十万キロリツターくらい使うという想定のもとにやつております。
  21. 永井勝次郎

    ○永井委員 これは私の試算ですけれども、石炭の関係だけで石炭価格の値下りによつて大体九十億くらい――これは数量、天候その他によつても何しますが、従来の平均率から見て石炭代の節約は大体九十億くらい浮かすことができるのじやないか。それから消費率の五、六パーセント上昇によつて、この関係から二十七億くらい合理化ができるのではないか。それから金利の関係からいつて開発銀行七分五厘が六分五厘になつた、この関係で大体十三億浮かせるのじやないか。それから税金の関係で、固定資産税、事業税あるいは増資分に対する配当の一割までは損金勘定に入れるというようなこういう特典関係から見て六、七十億、これだけのものが浮かせる。その他雑費関係で三十億くらい浮かすことになると、われわれの試算から見てそういう計算をしますと、値上げしなくても十分現在の企業の中で吸収できる条件があるのではないか。先行き物価は下つて行く、あるいは石炭も先行き値下りの方向にある。実際これは値下げをしないと言つておるのだけれども、実質的にはこの関係においても、たとえば金利の特典を与える、あるいは税金を負けてやる、こういつた関係でこれはもうわれわれの血税から値上げを負担しておることになるわけでありますから、それだけの値上げはしておる。従つて現在のわれわれの試算からいつて値上げをしなくても現在の予算の中で十分吸収できる条件を持つているのではないか、こう思うのですが、事務当局が今まで進めて来た作業の中で数字的にどういう結果が出て来たか。これを料金をどうきめるかということは別にして、数字的な計算から見てどうであるかということをひとつ承つておきたい。
  22. 中島征帆

    ○中島政府委員 金利と税金の関係で、税金が五、六十億とおつしやつたのでございますが、これはわれわれの計算によりますと、金利と税金合せて四十七億くらいの計算になる。そのほかに石炭であるとかその他合理化等の数字が当然出て来るわけでありますが、むろんこれは金利、税金の軽減による額を相当上まわることは事実でございます。しかしそれがお話のように予想されております二百何十億という赤字が全部吸収できるほどにこの面で合理化できるか、あるいは炭価が下るかということはちよつと考えられないのではないか。石炭はこれはあるいは下るかもしれません。しかしあまり下るということはこれは石炭政策としては望ましくないことであろうかと思いますが、あるいは下るかもしれません。これは下りましても、いわゆる燃料費調整でもつて需用家の方に還元している程度であります。従つて妥当のところで、あまり希望的に下るということを強く石炭の料金査定にあたりまして考えるということは適当でないのではないかというような気持を私ども持つているわけであります。それから合理化の点につきましては、これはいろいろ取入れるべき点がありまして、これは十分取入れますが、これもあまり詰め過ぎますと、いわゆる需用家に対するサービスが低下するということがありましては、何もなりませんので、その点につきましてやはり検討の上であまり一般の物価の低落ということにつきまして、これはむろんデフレ政策がだんだん実効が上りますとそういうことが出て来るわけでございますが、しかし電力の原価に関しましては、これは御承知のように大部分が固定費である、それからさらにその一番大きいのは石炭であるこ、ういう面を考えますと、そのほかのいわゆる材料費等の値下りというものは補修費関係で多少浮くという程度でありまして、全体に非常に大きく響くという程度のものではない。従つていわゆるデフレ政策というものが電力原価に対しまして好影響を与えるというその幅というものは、ほかの産業と比べると、電力に関する限りは割合少い。こういうことでありますから、結局私どもといたしましては、やはりいろいろこういう点を考えましても、ある程度の原価の値上りというものは認めざるを得ないのではないかと、こう考えているわけであります。
  23. 永井勝次郎

    ○永井委員 そこで石炭の値下りをどのくらいに押えてあるのか。それから消費率の向上をどのくらいに押えるか。政府の一貫した一枚看板であるデフレ政策による物価の引下げというものを炭価計算の中にどのくらい見込んでいるか。その数字的な基礎をひとつお示し願いたいと思います。
  24. 中島征帆

    ○中島政府委員 石炭は大体第四・四半期の実績をべースにとつているということは先ほど申し上げました。従つてそれからその第四・四半期の実績を二十九年度にどういうふうに引延ばすかということは、これは四半期ごとのいわゆる炭価の通常の波がありますが、それらを考えなければなりません。それから今後の炭価全体の趨向というものにつきまして一つの見通しをつけなければなりませんが、こういう点につきましては、第四・四半期の実績をベースにとりまして、あと石炭局等の見解を入れて予想するわけであります。それが大体一カロリー八十銭見当というのがそれから出て来た結論であるわけであります。
  25. 永井勝次郎

    ○永井委員 石炭代はどのくらいと押えていますか。
  26. 中島征帆

    ○中島政府委員 それは後ほど調べてお答えいたします。  それから消費率の方は大体〇・八以下に押えることになろうかと思つておりますが、最終的な数字が出ておりませんので、その程度でございます。
  27. 永井勝次郎

    ○永井委員 日本の経済界が現在危機に当面しているわけであります。これは政務次官にお尋ねしたいと思いますが、いろいろ日本の経済界全体が今危機に直面している。国際市場における競争力を充実強化する、こういう一貫した政策から行けば、今まで自由党の資本家擁護の政策で守られて来た独占資本関係でも、あるいは鉄鋼でもあるいは糸の関係でもこういう関係がやはり相当苦難になつておりまして、今後いろいろ合理化して行く一つの不安定な条件を持つている。こういうような関係から行けば、電気事業は非常に安定した条件にある。この企業の安定性、ただ利益があるないということだけで、当面のそういう問題だけではなしに、企業そのものが安定しているかどうかというようなことを計算に入れると、電気事業というのは非常に安定した条件にある。しかもこれは独占企業である。こういう関係から見てこれの料金査定にあたつては、やはり国民経済的な立場及び危機に当面している日本の経済界全体の再建というような問題が大きなフアクターとして内容になつて来なければならぬ。もちろんその内容には原価が幾らであるかということ、原価主義の緻密な計算というものはやらなければいかぬ。そうして適正な利潤というものを企業の利益としては見て行かなければならぬ。これは見て行かなければならぬが、しかしこういう独占企業で、しかも安定した企業に対してそのほかの企業は電気企業から比べたら不安定な企業である、そういうものに大きな影響を与えるこの基礎である電気料金というものを査定するには、相当やはり良心的に、しかも公企業的な性格としてこれを吟味しなければならないと思うのでありますが、先ほど来の事務当局の話を聞いても、まあ私が言葉を強めて電気料金を値上げしなくてもいいんではないか、こういう質問に対しまして、いやどうしても値上げしなければいけないのだということを強調するあまりの反射的な御答弁かもしれませんけれども、電気料金はどうしても値上げしなければいけないのだ、一割四分四厘という値上げ率というものは根拠があるのだ、石炭の値下りもそう見込めない、あれも見込めない、まあこのくらいの程度は、という非常に甘やかしたものの考え方ではないかと思うのでありますが、これは政府としては一体電気料金の問題について基本的にどういう態度をとつているか、どういう考えを持つているか。ほかの産業はどうでもいい、電気産業の安定をはかるのだという立場で料金を査定されようとしているのかどうか、ひとつ政務次官から伺いたい。
  28. 古池信三

    ○古池政府委員 お答えいたします。ただいま御指摘になりましたように現在の日本の経済は国際経済の間におきましてきわめて苦難の道を歩んでおり、特に昨今は非常な苦境に立つているということは御説の通りだと存じます。従つてわれわれはあらゆる手段を講じてこの苦難をいち早く乗り切ることに最大の努力を傾注して行かなくちやならぬ、かように覚悟しているのであります。そこでこの電気事業の問題でありますが、仰せの通り電気事業は自然的にきわめて独占性の強い事業であります。従つて法律上もこれに対して相当な独占性を与えている。国としましても相当特別な義務を課すと同時に、また特別な保護監督もいたしている。しかもその性質からいいますと、きわめて公共性の高い事業である。一般国民生活の上に大きな影響を持つ事業であると同時に、また産業の発展という面からいいましても、あらゆる産業の原動力となり、あるいは場合によつては原料的な役割も果す、こういう点からいえば最も基幹的な産業の一つであると申して過言でなかろうと思うのであります。従つてこの電気事業をいかにして健全に発達させるか、しかもまた一面他の産業なりわれわれ一般国民の日常生活の上に及ぼす影響を考慮いたしました場合に、これらの間にきわめて妥当な公正な調整をはかつて行かなければならぬということもまさにお説の通りと考えております。そこで先ほど来株式の問題もお話がございましたが、従来御承知のように電気事業の株というものはきわめて安全ないわゆる投資株として国民の間に愛されておつたのであります。むろん電気事業の株というものは投機の対象となすべきものではなく、また株価の高下によつて利益を追求しようという場合の対象となるべき性質のものでもない。あくまで安全なる投資株、資産株として国民がこれを盛り立てて行かなければならない性質のものであろうと考えるのであります。従いましてその配当等につきましても決して高い配当が好ましいわけではなく、できる限り安定した株価を維持し、しかもこれが公益事業としてそのときの経済情勢に応じて、最も妥当と考えられるような水準を維持して行く、これが必要ではなかろうかと思うのであります。特に電気事業の特質の一つとしましては、他の産業に比べまして格段の非常に大きな固定資産を必要としておる。すなわち資本を固定させる大きな特徴を持つておるのでありますから、従つて株式なりあるいは資本の問題というものは相当に重要視して考えねばならぬと思つておるのであります。  そこで電気料金の問題でございますが、われわれは何も電気事業会社の利益をどうこうということは毛頭考えておりません。しかし先ほど申し上げましたように、国として最も基幹的な産業であり、どうしてもこれを健全に育成して行くという必要は、これはどなたもお認めになつておるだろうと思います。その上から必要なる程度の収入は確保して行くべきである。しかもその収入たるや国民生活なり他の産業との関係におきまして、適当な調整をはかりつつ、これを考えてやるということは政府としても必要な対策ではなかろうかと思つておるのであります。現実の問題になつております当面の電気料金改訂の問題につきましては、目下事務当局の方で詳細なる検討を加えつつあるわけでありまして、まだこれをどうするかというところまで来ておりません。実際の段階はさようであります。しかしこの問題はあくまで科学的に数字的に検討して、結果としては最も妥当なる客観性のある結果をもたらして行くべきである、かように考え、またその信念のもとに今後も電気事業に対する諸施策を実行して行きたいと考えております。
  29. 永井勝次郎

    ○永井委員 電気料金に対する基本的な考え方としては妥当な答弁であつたと思います。それならばただいまの答弁が妥当であるかどうかという一つの客観的な評価というものをわれわれが考える基準が与えられなければならない。ただ口の先でどういうことを言つたつてこれが適正だ何だと言つたつて、適正ということは何が適正かということになると非常にあいまいになつつて来る。そこで料金を認可するにあたては、料金認可の基礎となるいろいろな計算の数字を政府はこういうふうに押えておる、そして会社の申請はこうである、だからこの認可の料金というものは妥当である、こういう客観的な、もつともだと国民が納得できるような、政府の電気料金に対する計算の基礎というものを発表する意思があるかどうか。料金認可にあたつて、そういうことを裏づけにして、ガラス張りの中で国民に納得させるような、そういう措置をお約束できるかどうか御答弁を願いたい。
  30. 古池信三

    ○古池政府委員 従来電気料金改訂認可の際に詳細なる資料を発表したという例はございません。しかしお話のうちにありましたように、かような公益事業の料金について、国民が納得するような妥当な結果を出すべきであるというお説には私もまつたく同感であります。そこでその認可の際にどういう範囲の資料を公表するという問題につきましては、大臣ともとくと相談をいたしましてきめたいと考えております。今日この場合私からはつきり断定したことを申し上げるのは差控えたいと存じます。
  31. 永井勝次郎

    ○永井委員 先ほど政務次官は会社の利益のことは考えていないのだ、国民経済的な立場から公正妥当に日本経済全体の再建のためにほんとうに正しい線を出すと言われた。そういう正しい態度であるならば計算の基礎を明確にしなければならぬ。そしてまた一方的に政府がこれが正しいのだといつても、会社にとつてこれが妥当であるかどうかもわからない。国民にとつてもこれが妥当であるかどうかわからない。だから妥当であるかどうかという、政府の出した結論に対する判断の資料を国民に示すことが何より正しい方法である。政府のやられることでも、人間のやる仕事であるから、必ずしも妥当とは言えない。今までも適正に、公正に、国民の利益のためにということは、明治初年以来からずつとやつて来ておる。言葉だけではやつておる。しかし実際はそれと反対のことを平気でやつておる。現在やつておることでも、金融引締めの問題だつて、あるいはカルテルの問題だつて、外貨の割当の問題だつて何だつて、これはもう国民大衆を搾取して、これでやはり日本の国民経済の再建だと口先では言えるのです。だからそんな言葉の問題は私は問題にしない。何が正しいかという基礎となる資料を示し、そして国民の前で何が正しいか、正しくないかをはつきりさせて、誤つている点は順次是正して行く、こういう科学的なあるいは基礎のある内容によつて、お互いに論議して行くという、こういう態度が、政治をよくして行く基礎になると私は思う。だからいきなり料金を出しても必ずしも妥当ではないと思います。しかし信念をもつてほんとうに国民経済の立場からやられるならば、その数字は発表できるはずだと思うのです。それができないというなら、言葉では適正、裏では不適正、こういう反省があるからできないのではないか、こう思うのですが、重ねてこの点について大臣とお話になつて、どういうふうに取扱われるのか、料金値上げについての政府の態度について明確にしていただきたい、こう思うのです。また昨年から料金改訂の申請があつて、荏苒今日まで延ばしておるが、何ゆえこう延ばしておるのか。私は会社がどうなつてもよいなどとは考えません。この料金改訂を申請するにはそれだけの根拠があつたからしたのであろう、また若干のごまかしもあるだろうと思いますが、それについてはやはり事務当局で正確に査定して行けばよろしいのですが、しかしそれは急がなければならない問題だと思うのです。荏苒今日まで延ばしておる理由はどこにあるか。それからその会社なり、国民全体なりに相当の影響を与えておると考えるのですが、この影響はどういうふうにお考えになりますか、政府の一方的な考えで電気会社が非常な経済的な打撃を受けたとするならば、政府だからその責任を負う必要がないとはいえない、やはり道義的にもあるいは経済的にもその責任は政府にあると考えております。荏苒今日まで延ばして来たのはどういうわけか、それから料金の改訂については、大臣の新聞記者会見では七月中にはこれを改訂しないというような新聞談話せあつたようでありますが、一体料金は今後どういうふうにしていつごろ発表される考えか、その手続、それから結論を出して料金改訂をする時期、そういう見通し等について、これを明確にしていただきたい。
  32. 古池信三

    ○古池政府委員 最初に料金認可の場合に、その資料を公表するかどうかという問題でありますが、これはお説の通り、また先ほど来私が申し上げました通り、かような公益事業しかも基本的な影響を国民生活なり他の産業に与える電気事業の料金の認可というものは、あくまで公正で、国民が納得するこうな線で行かなければならぬということは私も同感であります。従いまして認可いたしました際にはどういう形式で、あるいはどういう程度の資料を公表するかという問題は、これは研究しなくてはならぬと思いますけれども、できる限り国民諸君が納得されるような、またその資料になるようなものを私は公表すべきである、かように考えております。それから今まで認可の申請が出てから相当日がたつておるではないか、荏苒日を送つたではないかという点でありますが、私どもとしましては決して荏苒日を送つたわけではなく、その間には先ほども御指摘になつたような自然的条件の変化もございましたし、あるいは石炭価格の低落というような問題もあり、あるいはまた税の軽減、金利の低減というような問題もありましたので、これらの要素を考慮に入れまして事務的に詳細なる検討を加えて参つておるのであります。従つて手をこまねいて日を送つたという意味では決してないということを御了承願いたいと思います。それからしからばいつごろ認可をするかというお話でございますが、大臣が新聞記者にどういうことを語られたか存じませんけれども、私はかような問題はあまりいつまでも懸案として長引かせないで、計算が済みましたならばできる限り早い機会に結論を出すべきである、かように存じております。
  33. 永井勝次郎

    ○永井委員 軍隊をつくりながら軍隊ではない、そうして言葉だけでそう言つて実際はつくつておる、いよいよ軍隊をつくらなくてはならなくなつたら今度は、憲法には戦力という文字はあるけれども軍隊という字はないから軍隊をつくつてもいいのだ、吉田首相があした飛行機でアメリカへ立つという、まだ海外旅行は予定であつて決定していない、こういう口先だけで実にこのごろ――そういう答弁が吉田内閣の一貫した性格かもしれませんけれども、そういうことがもう平気で言われておる。あしたやることでもきようはまだこれは予定なのだというようなことが平気で言われておる。この電気料金だつて議会中発表するとうるさいから議会中は発表しないで、議会が済んだらまたぽかんとやりかねないのではないか、これは政務次官や事務当局に対して人格を疑うとかいうことではなしに、吉田内閣の性格ではないかと思うのですが、そういう今言つたような前例にならつた答弁なのかどうか、その答弁の性格を明確にしておいてもらいたい。
  34. 古池信三

    ○古池政府委員 余人のことは知りませんが、私に関する限りはさような言葉の先でごまかそうというような考えは毛頭ございません。従つて国会が今日終つて、国会中は黙つておつたがすぐに認可をするというような、常識上妥当と思われないような行為はいたさぬつもりでおります。
  35. 永井勝次郎

    ○永井委員 次に政務次官にお伺いしますが、今度の料金決定に当つての問題点はやはり重油がどのくらい削減されるか、重油の消費量の問題だろうと思いますが、この重油はどういう状況ですか。
  36. 古池信三

    ○古池政府委員 重油規正の問題は今後の重油に対する政府の対策としてきわめて重要性を持つておるのでありますが、ただいまで関係事務当局の方でいろいろと検討を加えて試みの案はできておるようでありまするけれども、まだ政府として決定した案にはなつておりません。しかしいずれにしましても、特に下期以後においては相当需給の間に調整をとらねばなるまい、かように考えております。従つてこれが電気事業の上におきましても少からぬ影響を与えることと存じますが、ただいま詳細なる資料に持ち合せておりません。これに対してのお答えはできませんが、目下いろいろ事務的に検討を加えておる、これは正直に言つてその程度の段階でございます。
  37. 永井勝次郎

    ○永井委員 日本の経済界が今非常な激動期にあつて見通しが非常に困難だ、端的に言えば危機の段階である、こう申していいのであります。一方で電源開発をやり、経済界は産業界と同じような混乱状態にある、電力需用の見通しの問題は一体どういうふうにつかまえて行くか、そうしてどんどん電源開発して行つても、片つぱしからこれが消化されて行くというような実情にあるのか、この需用の見通しその他についてはどういうふうに考えておられるのか、これを明確にしていただきたい。これは今後の電源開発その他にも、今後の計画遂行の上にも重大な影響があると思うのであります。もし何でしたら局長からひとつこの問題を明確にしていただきたいと思います。
  38. 中島征帆

    ○中島政府委員 電気の需用の問題でございますが、昨年度の終りごろから各産業の活動がだんだん下向きになつて来ております。従つて電力の需用もそれに応じて少しずつ軟化しておるというようなことを言われております。そのためにいわゆる五箇年計画の基礎となつております需用の伸びというものもこの際再検討する必要があるのではないかという声もぼつぼつ出ておりますが、これに対しまするわれわれの考えは、昨年の実績を見ましても、今年度に入りましてのカーブを見ましても、なるほど今までのような大きな上昇カーブはいたしておりませんが、やはりふえつつあるということは事実であります。ことに昨年の実績は上下を通じて相当な豊水でありましたが、しかもなお石炭は相当にたいておりまして、豊水による電力量の増加というものはほとんどこの需用の伸びで吸収しておるというような実情であります。そのために実は昨年の終りごろまでは、この調子で需用が伸びると、とても五箇年計画は現在の目標では足りまいというような危惧さえ持つておりましたが、下期の後半に至りまして、今日のような状況になつたのであります。そこでわれわれがこの際五箇年計画の実施というものを再検討すべきかどうかという点の問題でございますが、今すぐこれをまたもう一度やり直すということはまだ少し時期が早いのではないか、下期にでも入りまして大体産業の活動が安定いたしましたときに、さらに将来の伸びというものを考えて計数を整理してみるということが必要でありまして、現在の段階において将来の見通しをすぐにかえるということは少し時期尚早ではないか。それから大体の感じといたしましては、やはり現在盛られております三十二年度の需用というものは、そのころにはその程度のものはやはり出るのじやないか。従つて現在の開発計画というものを将来多少計算をやり直してみましても、それをさらに縮めるというようなことにはならないのではないかというふうな感じを私どもは持つております。しかしこれに対しましてはいろいろな意見もございますから、現在のところはわれわれの意見にすぎませんけれども、われわれ当局者としての見通しとしましては、大体現在程度の考えております需用の伸びというものは、将来もあるのじやないか。たまたま昨今落ちましても、またいずれは急に伸びることもありますので全体で相殺されまして、当初の需用量ぐらいのものは、われわれとしては考えておかなければならないというふうな感じを持つております。
  39. 永井勝次郎

    ○永井委員 第十九国会には電気事業法が提案されるであろうと、当初からそういうことを予定されておりました。大体原案ができておるのに、これが本国会に不提出になつた理由がどこにあるか、その間の事情を明確に伺いたい。
  40. 古池信三

    ○古池政府委員 電気事業法制定につきましては、事務当局の方において相当詳細なる調査もでき、一応の原案はまとまつておることは御指摘の通りでありまするが、ただ政府の内部におきまして他省との関連事項において、しかも電気事業としては相当重要なる問題について意見が合致しませんので、これを何とか一致させたいというのでこの国会中も折衝に努力を重ねて参つたのでありますが、遂に今においてもまとまりがつかないために、今国会に提出することができなかつたという次第でございます。
  41. 永井勝次郎

    ○永井委員 最後にお伺いしたいのは電気料金の値上げの取扱いでありますが、本委員会には電気ガスに関する小委員会がありまして、これは継続審議になつております。電気料金の値上げの問題は、これは相当重大だと思います。これは単に料金の金額の問題でなく、日本経済全体に対する影響力からいつても、国民生活に与える社会的な影響力からいつても重大だと思いますから、この改訂に先だつて、国会閉会中でも継続審議になつておりますから、電気ガス小委員会を招集して、改訂前に一応諮つて、それらの内容その他について審議する機会を持つかどうか、それをここで確約していただけるかどうか。それの今後の扱いについてひとつ明確にしておいていただきたい。これはやはり民主的な運営という立場から言うならば、通商関係を担当している、国民の声を代表しているこの委員会に諮るということは当然ふむべき手続手段であると思うのでありますが、これについてはどうお考えになりますか。
  42. 古池信三

    ○古池政府委員 私の考えといたしましては、国の行政をやつて行く上におきまして、もちろんできるだけ皆様方に御相談を申し上げて、皆様の御意見を十分に反映させて行く、これがほんとうの民主的な行政のあり方ではないかと存じておるのであります。ただ行政と立法という三権分立の考え方から申しまして、この両者の間にはやはりそこに一線を画さるべきものである。これが紛淆するということは、これはよほど考えものではなかろうかと思うのであります。従つて、料金の認可ということは、申すまでもなく行政権の作用でございますので、その行政権の発動と、立法の最高機関である国会の国政審議というものとの間に紛淆を来さないように、しかもでき得る限り皆様方の御意見を十分承つて行政に反映し得るように、そのやり方について遺漏のないようにやつて行きたいと存じております。ただいまの御要望、御意見は十分私も勘案いたしまして、大臣その他と相談をいたし、万全の措置をとりたいと思つておる次第でございます。
  43. 永井勝次郎

    ○永井委員 講義を承らなくても、行政権と立法権の権限は承知しております。従つて料金改訂について国会がこれに関与するというのではなくて、この改訂については政府の責任においておやりになればよろしいことです。しかしその発表する過程における資料その他がまとまつたら、これを通産関係を担当しているこの輿論の機関に対して、これだけにするがどうかというようなことでなくても、審議権を尊重する、民主的にやつて正しい結論を出そうという誠意があるならば、その手続方法は十分できると思う。ことに吉田内閣は三権分立の権限については非常に厳重におやりになるようで、まことにけつこうだと思いますが、検察庁に対しては指揮権を発動して司法権の権限の中に行政府が足をつつ込んでこれを圧迫している。そういうことをやつておいて、議会の方だけはおれの方の権限に入らないでくれ、ずいぶんかつてな言い方だと存じますが、料金改訂についてわれわれはその権限を侵そうというのではなくて、こういう資料でどうだと、資料を出して十分審議する機会を議会が持つということは民主的な方法だとわれわれは考える。もしだめだというならば、これは十九国会最後の不名誉なことでありますけれども、政府に向つて、改訂にあたつては本委員会に改訂のいろいろな資料を出せということを決議して要求するという方法があるわけですが、そうお互いによろいを着たようなことをしなくてもスムーズに話はできることと思います。これは重大な問題で、小委員会で継続審議するわけでありますから、これらの問題の審議をする機会を持つということは必要なことだと思いますので、重ねてお伺いしておきます。
  44. 古池信三

    ○古池政府委員 御趣旨はよく私も了解いたしました。従いましてできる限り今後とも皆さんの方とは連絡を密にいたしまして善処して参りたいと存じます。
  45. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 ただいま永井君の質問に対する御答弁を聞いておりますと、電力料金の値上げはすでに政府としては腹をきめておられるようであります。おそらく発表の時期をいつにしようかということであろうと思いますが、やはり発表されるならば、この国会中に発表して、その値上げをしなければならない理論的根拠を示されるのが至当だと私は思うわけであります。その点は永井君からもしばしば繰返して質問をせられておりましたが、私もそう思うわけでございます。そこでこの電力料金の値上げを政府がやろうとしておられる根本の考え方についてお伺いしたいと思います。言うまでもなく今政府はデフレ政策を強行しておられる。そうしてコストの引下げをできるだけすみやかに実現する、こういう政策をとつておられるわけでございますが、そういう中でこの電力料金の値上げをせられる。これはいわば吉田内閣の一つの自殺行為ではないかと思うわけでございます。おそらくこのデフレ政策の目的に合致するところの一つの考え方を持つておられると思いますけれども、そういうことよりもまず第一に、今政府がデフレ政策を強行しておられるが、その政府の企図せられる目的を達成するために、一つ考えなければならない大きな問題は、国民のいわゆる心理的効果という点にあるのではないかと私は思います。そういう点を考えますと、政府が電力料金の値上げをするということは、そのことが国民にどういう心理的な影響を与えるか、これは政府としては深く考えてもらわなければならない問題だと思うわけでございます。というのは、政府はデフレ政策で国民に耐乏生活を要求しておる、一切の物価を、そうして購買力を押えて引下げなければならないといつておるけれども、電力料金の値上げをまずやろうとしておる。そうすると、このデフレ政策というものは一時的なものであつて、長続きはおそらくしないであろう、そのうちにあれも上げる、これも上げるというふうに、近き将来このデフレ政策をやめるであろう、こういう気持を国民の側で持つのではないかと私は思うわけでございます。そういう点について古池政務次官はどういうふうにお考えになりますか。この点を承りたい。
  46. 古池信三

    ○古池政府委員 政府はただいまお話のように、当面の重要なる問題といたしまして、日本の物価をこの際引下げるということに全力を尽しておるわけであります。いわゆるデフレ政策を実行して、それによつて物価をある程度引下げて参りますならば、これを基礎として輸出の振興ということに相当大きな期待を持つことができる、そうして初めて経済の自立もすみやかに達成でき、また国際収支のバランスもおのずから実現できる、かように考えて進んでおるわけであります。しかしながら何分にも御承知のように、日本の経済の力というものが貧弱であり、経済の底が浅いのでありますから、もしもこのデフレ政策が行き過ぎるようなことになりますと、これまた予想しない大きな他の障害が出て来るというようなことも考えなければならない。いわゆる角をためて牛を殺すという結果になつてはいけないと思います。その辺のところが政府としてきわめて微妙な、また困難なる問題であろうと思う次第であります。そこで問題の電気料金でございますが、なるほどここで電気料金を多少ともかりに値上げをするといたしますれば、これによつて他の方面に対するはね返りということも起きましようし、またただいま御指摘のように、ほとんど全部の国民が利用しておる電気事業でありますから、それによつての心理的の影響というものも、決してこれは軽々に考えることができない問題であろうと考えます。従つてそれら各般の要素を考慮に入れて、しかもなお事業の内容につきましては、十分科学的な調査検討を加えて国民の納得し得るような措置をとらなければならぬ、かように考えておるのでありまして、冒頭にお話になりましたように、政府はすでに腹をきめておる、ただその発表の時期を見ておるだけではないかということは当らないのでありまして、目下検討しておるのであつて、政府の腹としましては、何らまだ確定をしておらないような次第であります。
  47. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 まだ政府は最終的な決定をしておるものではないという御答弁でありますので、それを信用いたしまして意を強うするものでございます。この問題は軽々に処理すべき問題ではない、値上げをすべき問題ではないと私は考えます。古池政務次官も言われたデフレ政策の強行が、恐るべき結果になるということは、昨日も私は大臣に対する質問の中で申し上げました。そのいわゆる恐るべき結果はどういうふうに来るかと申しますれば、国民生活の破綻ということから、あるいはまた中小企業者を初めとして、いわゆる業界の混乱、こういうことになつて来るわけであります。電気料金を上げるということは、それがわずかでありましようとも、これに拍車をかけるわけでございまして、政務次官の言うようないわゆるデフレ政策の強行はいけない。そうしてデフレ政策を強行する以上、全般についての、単に今政府のやつておるような金融財政面からのみこれを行うということでなくして、一般の広範囲にわたつて、十分すみからすみまで行き届いた経済政策がこれに伴わなければならない。こういうふうに考えるのでありますが、政務次官もそういうふうに考えられるならば、なおさらこの電力料金値上げというものを、この際は行うべきものでないというふうに私は考えております。そこで先ほど永井君から値上げの基礎について数字をあげて御質問になつておりましたが、この点は私は午後にこれが続行されるならば、その際に譲りたいと思いますが、一点だけ承りたいことは、電力会社側が今年度の大体の業務成績の見通しについて百九億の赤字を見込んでおつたのが年度末の見込みが逆に黒字が百十八億になつて来た。結局差引二百二十七億ですかの見込み違いになつて来たわけでございまするが、その原因は意外に豊水であつた、あるいは石炭の値段が非常に下つて来たというようなことがおもなる理由としてあげられております。その点について一体豊水益、石炭の値下りの益というものがどのくらいのものであつたか承りたい。すなわち二百二十七億という経理の面における見込み違いが出て来た根拠について承りたい。
  48. 中島征帆

    ○中島政府委員 これは先ほど永井委員の質問に対しましてお答え申し上げましたが、再度申し上げますと、二十八年度の当切の収支予想が、平水である限りは百九億の赤字であるということはお話の通りであります。ところが上期は約一割五分の豊水、下期も五、六パーセントの豊水で、年間平均しまして一割の豊水でありました結果におきまして、上期においては一割五分、下期は一割二分の配当をいたしましてなおかつ若干の繰越しを残したという結果になつております。そのほかに渇水準備金の積みが、上が三十三億、下が二十七億合せて六十億積み立ててあります。従つて上、下の利益と積立てられた渇水準備金を加えますと百九億にたまたまなるわけであります。これに二十九年度に新しく繰越増として繰越されます六億を加えますと百十五億、これが当初の見込みに対しましてふえたいわゆる利益であります。すなわち百十五億が初めの見込みよりもふえた。これに百九億をたすということは重複することになるのでありまして、百九億の赤字が出るという計算の中には配当一割二分をするという配当金と、それから利益準備金というものを計上してございます。従つて実績を見ますと上に二十五億、下に二十四億の利益があり、その中から合せて配当金を四十三億出しておりますが、この四十三億は百九億の中に入つておりますので、それを差引きますと六十六億になりますから、結局六十六億の利益が出た、こういうことを言わなければならぬわけであります。ところがちようどその六十六億というものは渇水準備金の積立の六十億と下期の二十九年度の繰越増六億、これを加えました六十六億にちようど該当いたしておるのであります。従つて理論的に言いまして去年の百九億の赤字に対しまして百十四億がプラスになつた。そのために配当もでき、渇水準備金もまた相当たまつた、こういうことになつております。
  49. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 こまかい点は午後質問いたしますが、先ほど来政務次官並びに局長から申されておりましたいわゆる企業の安定ということがどうしても電力の場合には必要だ、この点でございまするが、一体電力の五箇年計画を遂行して行きまする上において、ある程度の企業の安定性ということが必要であるということも私ども認めます。しかしながら電力会社は最近毎年大体一割五分の配当をいたしておるわけでございますが、いわゆる電力料金の値上げをやつてまでこの程度の配当をしなければならないのか。またこの五箇年計画は私どもが聞くところによりますと非常に順調に進んでおつて、二十八年度においては予定以上の開発が行われておるというふうに聞いております。そういうような点から考えて、この際電力料金の値上げをしてまで、他の企業が非常な不安な状態になつて、おそらくあらゆる日本の企業は不安の状態になつて来て、しかもそのために配当の率も一律に引下げておると思いまするが、そういう中にあつて電力だけ配当の率を維持しなければならない、そうしなければこの電源開発が遂行できない、現在まで順調に進んで来たものができなくなるというのは、どういうわけであるのか。  それから時間の関係でもう一つ承りますが、先ほど局長は昨年までは電力が非常に不足して、現在の五箇年計画ではとうていおぼつかないと考えておつたが、今日の状況では必ずしもそうでない、こういうことは一体どういうところから出て来ておるか。これに関連して考えますことは、今日のデフレ政策というものが日本の企業の生産性の上に相当影響を与えて来ることはもちろんでございますが、そういうこととこの開発計画との関係について簡単でよろしゆうございますから御答弁願いたいと思います。
  50. 古池信三

    ○古池政府委員 御承知のように電気事業会社は電源開発五箇年計画に即応いたしまして、各所において工事を進めつつあるのであります。すでに完成いたした発電所もございますけれども、目下盛んに二事を進めておる地点もきわめて多いのであります。私どもといたしましては、ぜひこの計画を達成し、現在工事中の発電所は予定通りに完成をさせたいと考えております。そのために相当今後も多額の資金を要求するのであります。従つてこれらの点も考慮に入れます場合に、電気事業の配当といたしましては、現在は一割二分配当をいたしておりますが、この程度はやはり必要ではなかろうか。ずつと戦前におきましては電気事業の配当は大体六分ないし八分が妥当であると一般にされておつたようでありますけれども、今日は一般の金利の状況その他から勘案いたしまして、公益事業として一割二分程度の配当は維持することが必要ではなかろうかと存じております。  それから電気の需用の見通しでありますが、これはきわめて困難な問題でございます。何分にもあらゆる方面において電気を需用しておるのでありますから、正確なる将来の見通しを立てるということは非常に困難な問題であります。一応各般の資料を総合いたしまして、五箇年の需給計画を立てた次第であります。昨年来需用の増勢はややにぶつておるようであります。しかし、今後、明年あるいは明後年の需用がいかになるかということは容易に断定が下し得ないと考えております。それともう一つ重要な問題は、この需用に即応するだけの供給設備を充実することをどうしても二、三年前から考えておかなければならぬということであります。従つて供給の関係は二、三年先のことを考え――需用はそのときどきによつて違つて参るのでありますから、その間に調整をうまくはかつて行くことに容易ならぬ困難性があると思うのでありますけれども、大体の見通しといたしましては、この五箇年の需給計画はほぼ大差なく推移するのではあるまいかと考えております。
  51. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 それからもう一つ局長にお伺いしますが、いわゆる渇水準備金というものが年々増加して来ております。私は科学者ではございませんからよくわかりませんが、最近日本はいわゆる豊水期に入つておると言われておる。そう言われれば、なるほど最近数箇年は雨量が多くてはなはだしい渇水になるということはございません。そういう点から考えて、渇水準備金が順次ふえて百億を突破しておりますが、一体局長は渇水準備金はどの程度が適当であるとお考えになりますか。
  52. 中島征帆

    ○中島政府委員 現在百十億余の渇水準備金の積立てがあることになつておりますが、これだけありますと、一割くらいの渇水が一年間続いても、大体これでこなせる、全体的にはそういうふうに考えております。従いまして、これ以上に無制限にふやすことは考えものではないか、どこに線を引くかということは研究の余地がございますけれども、大体百億から百五十億以内のところで、もし合理的な数字が出ましたらそこで頭打ちをする、それ以後の渇水準備金に相当する利益はどういうふうにするかという問題もありますが、それもあわせて考えまして、大体天井はこれるつくつた方がよくないか、こういうふうに考えております。
  53. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 あとは午後に譲りますが、この際局長に申し上げたいことが一つございます。それは、言うまでもなく、電気事業は公益事業の第一に位するものでございまして、あらゆる算業の原動力である。そういう事業の性格にかんがみて、日本には公益事業委員会というものがかつてあつて、これは単に電気事業を指導するとかいうようなことだけではなく、いわゆる公益事業の名前の通り、消費者の立場からもいろいろと電気の問題を考えたものである。そういう意味も持つておつたと考えます。ところがこれが廃止になりまして、通産省の一局として公益事案局というものができて、電力という企業の指導の任に当つておられる。これは通産省の各局についてすべて言えることだと思いますが、ともすると電力会社側に立つて、電力会社の利益というようなことを中心に考える傾向になつて来るので、電力会社の言い分だけを聞くことになりがちである。それでは公益事業としての電力事業を指導するのに不適当ではないかと思う。局長はそういう点についてはたして意識しておられるかどうか、また電力という企業の指導育成にあたつてどういう心構えをもつて臨んでおられるか、その点を承りたい。
  54. 中島征帆

    ○中島政府委員 やはり自分の所管しておりますものを一番よく承知いたしております結果といたしまして、ややもすれば御指摘のような傾向にあることは、私といたしましても否定できないと思います。それだけに、われわれとしましては十分自戒いたしております。むろん表向きの立場から言えば、電気事業に限らず、全体の公益事業のために電気事業を監督する立場にありますからそういうことをいたしたわけでありますが、今のような傾向に流されないように、特に自分自身としても、また局全体の考え方につきましても、十分注意するようにいたしております。しかし、もしそういう点がございましたら、また自分で気がつかないでそういう傾向になつていることがないとも限りませんので、そういう点も御叱正を願いましたならばまた十分反省をしなければならぬと考えます。私としまては、現在のところきわめて公正にやつておるつもりであります。
  55. 加藤鐐造

    ○加藤(鐐造)委員 中島局長は率直に述べられましたが、そこで私は政務次官の考えを承りたい。通産省の一局としての公益事業局は、ともすると電力会社側の立場に立つてものを考える傾向が強くなることは立場上やむを得ないと思うのであります。そこで公益事業としての電力事業を指導育成する点からいつても、また大衆の利害という点の考慮の上に立つて電力事業を指導して行くためには、別の、たとえば電力審議会というようなものがなければならぬじやないか、こういうふうに考えまするが、政務次官はこの点について、どういうようにお考えになりますか。
  56. 古池信三

    ○古池政府委員 ただいまのお説はまことにごもつともに存じます。通商産業省関係の業種の中におきまして、電気事業、ガス事業は特にきわだつて公益性の強い事業でございますので、この行政の運用にあたりまして、でき得る限り民間の意見等を十分に反映させる意味におきまして、審議会のごときものを設置することはけつこうであると存じます。またさようなつもりで今後具体的に立案をしてみたいと考えております。
  57. 大西禎夫

    ○大西委員長 この際午後二時まで休憩いたします。     午後零時四十九分休憩      ――――◇―――――     午後三時三十九分開議
  58. 小平久雄

    ○小平(久)委員長代理 休憩前に引続き会議を開きます。  私が委員長の職務を行います。  電気事業に関する件につき調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川四郎君。
  59. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 最後の委員会でございますので、特に大臣の信念として承つておかなければならないことがございますので、二、三承りたいと思うのでございます。  電気料金の制度を改訂するという話が大分前から出ておりまして、いろいろ新聞紙上で七月にやるとかまたはやらないとかいうようなことが出ております。従つてその申請はどうするつもりなのか。要するに許可するのか、または認可する方針なのか、認可するとすればその時期はいつごろにするのかということをまず伺いたいのであります。従つてまたさらに、二十八年度の夏季の電力会社の損益はどうなつておるか、この点についてまず承つてみたいと思うのでございます。
  60. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 電力料金の問題につきましては、本年の一月関係会社から申請がありまして以来、政府といたしましてはきわめて慎重な態度でこれを取扱つておるわけでございますが、御承知のように三月末に、一応当分の間値上げはしないという態度をきめまして関係会社側の了解を求めたわけでございます。爾来――当時において政府側として検討を要すると認めておりましたが、当時としては未確定の要素がその後だんだんに出て参りました。たとえば地方税の減税の措置、これは法律ができたわけでございますが、そのほか開発銀行の金利であるとか、あるいはただいま御指摘の決算の状況でありますとか、あるいはまた中労委の賃金の裁定の問題とか、いろいろ消極積極両方の要素がだんだん出て参りました。われわれといたしましてはこれをもとにいたしまして新たに検討を始めておるわけでございまして、これは国会が最終日になつてまことに申訳ありませんが、ただいまのところ私といたしましては上げることを認めるかあるいは認めないか、あるいは上げることを認めるとして、いつからどのくらいの幅でやるかということは、私どもとしてもまだ結論を得るに至つておらないわけでございまして、さらに引続き慎重な検討を続けさしていただきたい、かように考えております。
  61. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 これは局長に伺いますが、当初赤字が予想されていた会社が逆に黒字になつていると思うのですが、それはどういうことが理由になつておるか、これが一点。次に大臣の方に承りますが、渇水準備金は二十八年度夏季には百億円を突破しておると聞いております。従つて一箇年一割程度の渇水があつても本年度は間に合うのじやないか、こういうふうにも考えられます。これに対して積立金制度を実施して、値上げ率の防止に一役買わせるというか、そういう点を考えておられるかどうか、それともそのままに持続させるお考えであるか、この二点をお伺いいたします。
  62. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 渇水準備金の問題と、これを値上げ防止に使うという点でありますが、これも確かに私どもとしての一つの研究課題であると思うのでありますが、先ほど申しましたように、そのこともあわせまして、結論といいますか、まだ研究を十分積んでおりませんので、はつきりしたことは今のところ申し上げかねるわけでございます。
  63. 中島征帆

    ○中島政府委員 二十八年度の当初の予想では年間百九億の赤字が出るという予想であつたのであります。ところが逆に上、下を通じての決算を見ますと、二十九年度に繰越します繰越増が六億余り出ております。つまり百九億と六億をプラスいたしました百十五億というものが予想以上の利益であるということであります。これの大部分の理由は豊水にあるのでありまして、年間平均一割の豊水ということでありますから、これにより利益、それからそのほかに石炭の値下り、この二つの理由が一番大きな理由でございます。
  64. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 デフレ政策によりまして非常に深刻化して来ております。従つて大中小産業の需用減は当然考えられるのでございますが、それに伴つて今後の電源開発方針にかわりがあるかどうか、これからまた再検討する御意思があるかないかをお伺いいたします。
  65. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 電源開発の計画の問題につきましては、私どもとしましては、かねがねの五箇年計画を何としても遂行して参りたいと考えております。ただいわゆるデフレ予算、財政資金等の関係から、あるいは工程等に若干のずれを見ることはあり得るかと思いますけれども、全体として予定通りに推進をして行きたいということを原則に考えております。
  66. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 只見川の田子倉地域の水没地補償問題が非常に大きく取上げられております。知事あつせん勧告案を開発会社が拒否したというようなことで非常に紛糾したということが報道されております。従つてこの状態を見て大臣はどういうふうにお考えになつておるか。その経緯と今後の開発方針についてどういうふうな考え方を持つておるか、この補償問題解決のために立法措置をするというような考え方があるかないか、こういう点についてお伺いをいたします。
  67. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 田子倉の補償問題につきましては、私は、この当事者といたしまして開発会社当局並びに福島県知事等が、まつたく非常な苦労の中で話をとりまとめようとしたその努力に対しましては、非常な敬意を払うのでありますが、遺憾ながら伝えられておるような額の補償でありますと、これはひとり田子倉の問題のみではなく、全国的に非常に大きな悪例となると考えますので、私といたしましては、ああいうふうな高い程度の補償ということについては、国民的の感覚から申しましても、これを是認することはできないと考えております。ただ、今申しましたように、非常に熱心に会社側も県当局もあつせん努力に努めておられますので、会社と知事との間の話合いにおいても、初め予想いたしましたよりはだんだん円滑に推移しておるように思います。実はまだ折衝の過程といたしまして政府が顔を出す段階ではないのではないだろうかと考えまして、慎重に事態を静観しておるようなわけでございます。私もまだ福島県知事その他とは協議をいたしておらないような段階でございます。
  68. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 合成繊維の五箇年計画というのが発表されておりまして、第一年の数字が発表した数字より低下しておりますので、その観点から伺つてみたいのでございますが、合成繊維の五箇年計画で主原料たる純ベンゾールの確保がどうなつておるのかということでございます。たとえば一九五四年に七千六百六十トン、五五年にしかり、また五六年、五七年に一万二千五百トンを必要としておるわけでございます。ところがこれがどういう経過になつておるかというと、生産目標の半分しか行つていないのではないかと思うのであります。合成繊維を増産するためには、将来原料不足が考えられる、その原料をどこでカバーするかということがまず第一に考えられなければならない問題でございます。特に芳香族とかあるいはこれらの不足しておるところの問題を考えてみると、何から求めるかということになりますと、ぺートロ・ケミカルの工業によつて求めるよりほかに何ら増産の余地はないと私は思う。そこで有機合成製品は合成繊維、合成樹脂を初めとしてたくさんの品物ができておる。たとえばそれを初めとして、塗料、染料、医薬、香料、調味料、衣食住の面にきわめて広くこれが多量に使われておることは、大臣も御承知の通りだろうと思うのでございまして、この五箇年計画に対してのペトロ・ケミカル、石油化学をどういうふうに持つて行こうという考え方を持つておるか、それとも現在のままで石油化学という面は放置しておく考え方であるか、この基本をまず承つておきたいと思うのであります。
  69. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 この合成繊維の問題、それからペトロ・ケミカル等の問題につきましては、詳細な点は政府委員から御答弁いたします。ただ、日にちは正確に覚えておりませんが、四月の初旬、昭和二十九年度政府資金の産業設備に関する運用基本方針というものを閣議で決定をいたしたのでありますが、その中でも特に合成繊維工業につきましては、合成繊維及びこれら原料製造設備の新増設工事、それから合成繊維の加工設備、及び加工材料、製造設備の新増設工事のうち緊要と認められるもの、これは特に重点的なものといたしまして、鉄鋼、石炭、硫安等と並びまして、特掲をいたして資金計画に計上することにいたしたわけでございます。それでこれらの重要な特掲をいたしてありますもののうち、合成繊維に具体的に何億円を配当するかについては、まだ細部にわたつて若干未定のものもございますが、これは当初五箇年計画でありましたかで、勘考いたしました。それから見ますると、資金の面において相当の圧縮を受けることは、現下の情勢上やむを得ないのでございますが、これまた先ほど電源について申しましたごとく、基本的かつ原則的にこれの重大性というものは政府においてもあらゆる機会において確認をいたしておるような次第でございます。
  70. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 現在の生産は、大体三万四千トンでございます。そうしますと、たとえば合成繊維の方へ使わなくても、他に使う面が四万トンを必要とされております。従つてそうなつて来ると、五万トン以上のものが必要になつて来るわけでございます。そこで、鉄鋼業の副産物として得ているような、また製鉄事業というようなものから考えてみて、将来このままで行つて、外国から高い原料を輸入しなければならないという、たとえば、この価格というものを調べてみますると、国内でできるものと国外から求めるもの、また石油化学をやつて国内でそれを生産することを考えてみると、たとえば現在八万五千円くらいしておる輸入価格は、しようと思えば、これが七万円になる。それを国内でまかなおうとすると、大体三万円弱でこれができるという。そうなつて来ると、原料の価格に大きな相違が出て来るわけでございます。現在日本の輸出が振わないのは、国外価格と比較して、日本の価格が高いからだと言われている。こういう点から考えて、どうしても私は石油化学をやらなければならないのじやないか、こう思うのでございます。現在大臣は、ことしの重油と石油という点につきまして、大分御心労を煩わしているようでございます。この重油と石油の輸入価格は、大体一億三千万ドルで入つて来る。この石油化学を持つて来た原油をもつて国内で行わせるとすると、大体それだけでも一億二千万ドルというようなものが逆収入になると私は聞いている。こういうような点から考えて、進んで石油化学をやらせなければならないのじやないかと私は思うのでございますが、石油化学の点に対して、どのくらいの収入になつて、どういう点まで日本で研究されているか、それとも、今後将来にわたつて行うということになるならば、今すぐにでも行えるか、また現在の日本のペトロ・ケミカルがやれないという理由は、あまり会社が分散しているためにやれないのか、こういう幾多の理由があると思うのであります。幸い課長が来ているので、その点について御説明願いたいと思うのであります。
  71. 入江明

    ○入江説明員 ただいま御質問のございました点について簡単にお答えをいたします。先ほど御発言のございました将来の合成繊維、合成樹脂の利用に対します芳香族炭化水素、ことにベンゾールの不足をどうするかという御質問でございますが、御指摘がございましたように、本年度のベンゾールの生産は約三方四千トンでございます。しかるにかりに昭和三十二、三年ごろを見ますと、これに対しまして合成繊維、合成樹脂等による純需要増加が約二万トンくらいと推定されます。この二万トンばかりのベンゾールを何によつて求めるかということになりますと、御指摘の通り石炭乾溜副産物からのみでは、日本ではいささか心細いのでございまして、この点については、石油を資源とする石油化学工業に頼らざるを得ないのでございます。しかし石油化学工業と申しましても非常にいろいろな種類がございまして、大きくわけますと、これをただいま申しました芳香族炭化水素をとるための、つまり液体の薬品をとるための部分と石油精製の際に生じますガスを利用いたしまして鎖状炭化水素をとる部分とにわかれるのでございます。これを総合的に両方いたしますれば、非常に理想的なものができ上るのでございますが、この点について特に注意をいたしたいことは、液状の鎖状炭化水素をとるということは比較的小規模にできるのでございます。従いましてただいまベンゾールの不足が予想されることに対してどういう考えを持つておるかということを申しますと、確実に一万トンなり二万トンなりの需要がその方面にあるとわかれば、ただちにいずれの石油精製場でも芳香族炭化水素を分離するということは比較的少い資金でできる。もつとも外国のパテントその他技術の導入は必要といたしますが、割合に簡単にできる。ところがガス状の鎖状炭化水素をとるといたしますと、相当規模の石油精製場も必要といたします。従いましてこの石油化学工業を、ただいま各社ともある程度研究をいたしております中には、相当具体的な計画を持つておるところもございますが、まだこれをただちに実施しようという会社はございません。それはやはりベンゾールにいたしましても、ともかくも現状は石炭乾溜物で間に合つておりますので、この不足が明らかになつた場合にすみやかにそういうことをやろう、こういう計画を持つておられる会社は相当数ございます。この石油化学工業を総合的にいたすか、それとも足らないところだけをとりあえず着手して行くかということにつきましては、目下通産省として研究中でございます。
  72. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 たとえばこのごろ非常に高オクタンのガソリンを製造しておる。こういうものに対しましても、現在のあり方では非常にむだがあるのじやないかというようなことを言われておりますが、こういう点についてどういうようなお考えを持つておるかお伺いいたします。
  73. 入江明

    ○入江説明員 現在の高オクタン・ガソリンをつくりますのは一応石油を蒸溜いたしました中油分を改質装置にかけて、高オクタン・ガソリンをつくるわけでございます。この高才クタン・ガソリンの中に、今の芳香族炭化水素が相当含まれておりますので、これを分離するということになりますと、一部にはそのでき上りましたガソリンのオクタン価が多少下るという懸念はあるわけでございますが、現在の高オクタン・ガソリンのつくり方に非常にむだがあるという御指摘につきましては、私どもはその詳細を存じませんが、かりに改質装置にかけますと、相当多量のガスが出る。そのガスが相当有用な、たとえばエチレンとかプロピレンとかいうガスでございますが、これを工場燃料として使用しておるところにむだがあると御指摘でございますれば、現在は確かにそのようにこういうガスは燃料として使われておるわけでありますが、ただガス体の方から石油化学製品をつくるということは相当規模の工場でないとできない。経済効果が上らない。高オクタン・ガスの中からベンゾール類を抽出するという場合には、現在すでに稼働いたしておりますところの程度でも経済的に成り立ちます。
  74. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 ペトロ・ケミカルでやるとするならば、現在の日本にある工場の施設では、それまでに持つて行くことが可能であるか不可能であるか、その点はいかがでありますか。
  75. 入江明

    ○入江説明員 現在の石油価格と申しましても、石油の精製によつてできるガスを使うという観念からの石油価格でありましたならば、現在の製造規模ではちよつと経済的に成り立ちません。しかし一部のたとえば軽油とか燈油を分解してしまつてわざわざガスをつくるという考え方から出発をするならば、現在のところでも工業化することはできます。但し前者に比べて多少経済的に不利であるという点はやむを得ません。
  76. 小平久雄

    ○小平(久)委員長代理 暫時休憩いたします。     午後四時一分休憩      ――――◇―――――