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1954-05-21 第19回国会 衆議院 通商産業委員会 52号 公式Web版

  1. 昭和二十九年五月二十一日(金曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 福田  一君    理事 中村 幸八君 理事 山手 滿男君    理事 永井勝次郎君 理事 加藤 鐐造君       始関 伊平君    田中 龍夫君       村上  勇君    笹本 一雄君       長谷川四郎君    柳原 三郎君       加藤 清二君    齋木 重一君       伊藤卯四郎君    中崎  敏君       帆足  計君  委員外の出席者         通商産業事務官         (軽工業局建材         課長)     前島 敏夫君         参  考  人         (沼津市土木課         長)      渡辺丑太郎君         参  考  人         (沼津砂利販売         株式会社社長) 岩崎 岩吉君         参  考  人         (沼津建設社社         長)      大沼 源蔵君         参  考  人          (土地所有者代         表)      厚木武次郎君         参  考  人         (栃木県赤見町         長)      天海 陸平君         参  考  人         (株式会社松沼         商店社長)   松沼 豊三君         参  考  人         (桐生市土木課         長)      清水三五郎君         参  考  人         (埼玉県砂利採         取事務所長)  栗原 芳伯君         専  門  員 谷崎  明君     ――――――――――――― 五月二十日  水火力調整金撤廃に関する請願(只野直三郎君  紹介)(第四八八号)  韓国のりの輸入停止に関する請願外九件(熊谷  憲一君紹介)(第四九〇四号)  高隈山及び国見山の地下資源開発に関する請願  (永田良吉君紹介)(第四九五七号)  九州電力株式会社電力料金値上げ反対に関す  る請願(岩川與助君紹介)(第四九六五号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  砂利採取法案(大西禎夫君外十四名提出、衆法  第三九号)     ―――――――――――――
  2. 大西禎夫

    ○大西委員長 これより会議を開きます。  まず砂利採取法案を議題とし、参考人各位より本案に対する御意見を聴取いたしたいと思います。  この際参考人各位に対し一言ごあいさつ申し上げます。各位におかれましては、御多忙中のところ特に当委員会に御出席くだされ、厚く御礼を申し上げます。何とぞ忌憚のない御意見を御発表くださいますようお願い申し上げます。なお念のために申し上げておきまするが、御意見開陳の時間はお一人約十分程度とし、順序はお手元に配付してあります名簿順にお願いいたしますからさよう御了承を願つておきます。  それではまず渡辺丑太郎君よりお願いいたします。
  3. 渡辺丑太郎

    ○渡辺参考人 沼津市の土木課長で、市長の代理で出席いたしました。  これは沼津の海岸のバラス採取でございますが、まずその成因から申し上げたいと思います。河川から搬出されました砂礫は、潮に乗つて流され、いわゆる漂砂が波によつて打上げられました天然の砂丘でありまして、すなわちそれは天然の防波堤でもありますので、その採取につきましては、流れて来る漂砂の量と採取の量とにおのずから制約されますので、無制限にこれをとるということは、治安の上からもこれは警戒しなければならないわけでございます。なお制度が確立して、現在は浜地は国有財産でありますが、これは祖先伝来からその砂丘を愛撫育成した地元民の不文律による利権というものも全然ないがしろにするわけにも参らないのでございまして、従来砂利採取業者と地元民との話合いの上で知事の許可を得て採取しておる実情でございますが、なおそれに漁業者が漁業の権益を主張して介入して参りまして、非常に複雑なものになつておりますが、要は天然の防波堤をくずさない程度に、治安の上に支障のない程度にこれを採取して行くということについては、国家再建の上にも非常にこのバラスが重要な役目であるから、そういうことで話合いの上なるべく摩擦のないようにとつて行くことが望ましいと考えております。  大体以上でございます。
  4. 大西禎夫

    ○大西委員長 次に岩崎岩吉君。
  5. 岩崎岩吉

    ○岩崎参考人 私は砂利業者でございますが、ただいまお話になりました海岸線の砂利を採取いたしまして、市内あるいは貨車に積んで京浜地区に発送しております。この海岸線からとりまして、自動車をもつて搬出いたしておりまするが、約百五十メートルくらいの間県有の保安林がございまして、その中を通過して国道に出るのでございます。この海岸線は東西約四キロに及ぶ距離でございますが、この間には、保安林を通過して国道に出ます通路が十数本あります。主としてこの通路を使用いたしまして搬出しておりますが、これを通過いたしますのには、その道路の持主は、現在は市道になつておりますが、旧来部落有あるいは個人の土地を通過しておつたために、これに対する補償と申しますか、迷惑料と申しますか、そういつたものを提供して参つたのでございます。しかしこれは単なる迷惑料と申すものではありませんので、その部落あるいは個人の要求によつて提供しなければならない金額でございます。現在最低二百二十円から最高三百円になんなんとしておりまして、これはトラツク一台に対する料金でございます。しかしこれがすなおにいつまでも一定の金額をもつて行われておる場合には、平穏にわれわれの企業が成り立つのでございますが、ややもいたしますと、この価額が急激に高騰して参りまして、業者がこれに応じない場合にはこの通路を遮断するとか、あるいは採取を禁じられるというような事態が過去において起つておつたのでございます。これをわれわれとしては何とか食いとめる手段を種々講じて参りまして、この許可を与えるところの権利を持つております県ともいろいろ打合せて参つたのでありますが、やはり旧来の習慣が土地の人たちに強く植えつけられておるために、現在は単なる迷惑料と申します以上の権利が出ておるのでございます。過去においてその金額の高低によりまして、上げる下げるという論争によつて、遂に何箇月もわれわれの営業がさしとめられたというような事態もあつたのでございます。現在におきましても、この四キロの間に六箇の部落がございますが、この六箇の部落のうちで二つの部落だけは現在砂利の採取ができないという現状でございます。それらもただいま申し上げましたような原因によつてさしとめられておるのでございます。われわれといたしましては、この料金の多少はもちろん営業にも支障を来しますし、また公共事業に提供するところの資材の価額に大いなる影響を持つて参りますので、この迷惑料は極力引下げまして、安価な資材を提供することを念願しておるものでございますが、ただそれのみにとらわれますと、営業をさしとめられるという大きなる苦痛が伴つて参るのでございます。従つてやむを得ずこの部落の人たちの要求に応じてわれわれの営業を継続するという実情でございます。またわれわれの営業は現在許可を得ますのには一箇月ごとに許可をもらつておるのでございますが、一昨年河川局長の、企業の安全なる維持をするために、最低一年を越えることができるというような達示もありますにもかかわらず、われわれの場合には一箇月をもつて限度とされておるので、これでは多額の投資をいたしまして、われわれの企業を計画することはほとんど困難であるような実情であります。従つて沼津海岸の砂利採取につきましては、いまだに旧来の手掘り作業をしなければならないというような実情が続けられておるのであります。これは骨材の規格がますます厳格になつて参りますところの今日において、規格通りの物資を提供できないといううらみもありますし、また機械力によつて能率を上げることも困難でありますし、かつ能率の上らないというところから、自然と資材の価額が高騰するということも伴つて参るのでございます。従つてわれわれといたしましては、許可の問題はわれわれの企業に計画性を持たせるだけの期間を置いてもらいたいということが念願でございます。またもう一つこの際申し上げておきたいのは、海岸でありますので、われわれが採取いたしております砂利については、当然漁業者の関心がきわめて深いのでございます。従つてわれわれが採取しております際に、漁業者の網引き、あるいは網ほし、その他船上げ等の作業に影響があるということは当然考えられることでございますが、これによつてわれわれはまた部落民以外の漁業者からも大いなる補償を要求されるというような現状もございます。これは漁業者の申分は、われわれには漁業権によつてこの土地の使用が認められておるのであるから、これによつて補償を当然すべきであるというような要求が出ておるのでございます。われわれといたしましては、今回のこの砂利採取法によつて、われわれにもこの漁業者の言い分に対して何らか―反抗というほどのことでもございませんが、この要求に対して話合う多少のうしろ立てがほしいものであるようにも考えております。  以上をもちまして終ります。
  6. 大西禎夫

    ○大西委員長 次に厚木武次郎君。
  7. 厚木武次郎

    ○厚木参考人 私は沼津地区の土地の代表でございます。今回の砂利採取法案に対しましては、もちろんこれは国有浜地であるので、われわれ地元民が、いろいろ云々の余地はありませんが、御承知の通り、沼津市の海岸線は、沼津の千本浜に続く松林のずつとつながりでございまして、いわゆる浜地というものが国有地になつていることは、その保安林ないし風致地区というものに対しても大いにそれを保護するというような建前から、今まで浜地の砂利もあまりとれませんでしたけれども、要するに時代の要求に応じて必要な、害のない程度はやむを得ぬというような意味合いでもつて最近はとらせておりますが、これも先ほどの岩崎さんのおつしやる通り、区自体としてはさしつかえないとしても、漁業者が絶対的におれたちの権利だとこれを主張して、一部落でわずか三名か四名の漁業者のために、ほとんどバランスをとることの可否が決定されるような状況でございますから、この点はもちろん漁業者には補償しなければなりませんけれども、そういう絶対的におれたちのものであるというような観念をなくしてもらうように――もちろん通産省の方ではできませんけれども、いわゆる漁業法の方の関係の水産庁なり何なりから、そういうことでないということを漁業者に通達してほしい。そうでないというと、いくら県の方で許可しましても、漁業者がそれこそはいわゆるやりだすきではないけれども、相当頑強な態度に出まして、業者でもどうにもこうにも手が出ない。それに対しては法外なものを差上げなければならない。そういうことになると、一村五百戸からあるわれわれの部落でもつて、わずか三人くらいの漁業者のために、とる料金の半分以上を補償でとられるというような、いわゆる漁師でなくてバラスをとるというような漁師にかわつちやつておるような現状でございますから、そういうことのないようによく注意していただきまして、もちろんとるには支障のないという範囲内でもつて、最小限度にとどめてほしいということが地元民の意向でございます。以上をもつて終ります。
  8. 大西禎夫

    ○大西委員長 松沼豊三君。
  9. 松沼豊三

    ○松沼参考人 私は栃木県佐野市及び隣接の赤見町を流れております旗川において、砂利採取をしております株式会社松沼商店代表の松沼豊三と申します。  本日砂利採取法案の参考人としてお呼び出しを受けましたのを機会に、われわれ砂利業者が多額の資本を投じて経営しておりながら、どんなに不安定な業態であるかを申し上げ、皆様方の御同情とお力添えを願いまして、鉱業法並びに採石法のような法律によつて、安心して事業を継続できるよう保護していただくことをお願い申し上げます。これは業者の声ばがりでなく、その下に働く大勢の採取労務者の声でもあることを御認識願いたいと思います。  なお砂利は重量品でありますので、生産費の大部分がほとんど運送費に支配されておるものでありますので、運搬路の短縮が最も重要であります。まして砂利採取河川は、おおむね辺鄙な所でありまして、道路の便が悪く、私設の運搬道路をつくる必要が必ず起つて参ります。この場合地主の同意を得られれば簡単でありますが、これがなかなか至難なので、やむなく遠距離を迂回して運送費を多額に費している実情は、われわれ業者間に数多くありますので、生産コストを低下し、市場の値段を安くするためにも、ぜひとも必要な土地は入手できるよう、これまた何らかの御処置を特にお願い申し上げる次第であります。  それでは次に前述を裏書きする私の苦い経験を御参考までに申し上げたいと思います。幸いその当時佐野税務署に提出した書類を持参いたしましたので、ちよつと読ませていただきますから、御推察をお願いいたします。「事業休止居、株式会社松沼商店、右は昭和二十六年六月一日より左記事由により事業を一時休止しましたからお届けいたします。事由、従来秋山川より砂利採取販売いたしておりましたが、河床低下により灌漑用水引入れに支障ありとして多数沿岸民の採取反対陳情があり、佐野土木出張所長より採取中止を命ぜられました。ついては多数労務者を一時に解雇いたしがたき等の事情もあり、旗川に新規採取場を開設する計画をしておりますので、その準備完了まで一時休止いたしました。事業概況報告書、一、上記事業休止届の通り昭和二十六年五月下旬突然佐野土木出張所長より沿岸民四百余名連署の採取反対陳情ありたるゆえとて事業の中止を命ぜられました。二、当時四十余名の労務者中十数名の過激思想者は、突然の事業中止はわれわれの生活を脅かすものなりと大挙県庁に行き、知事に陳情すると騒ぎましたが、佐野労働基準監督署のあつせんにより多額の退職金を支給したため事なきを得ました。三、前述の処置がかえつて土木部長、河川課長等の同情を得まして、もし他の河川に採取場を開設する意思があるなら、近くの旗川にて採取を許可してやると申されました。四、このお言葉を得ましたので、事業計画をいたし資金の調達をはかりましたところ、大正九年営業開始以来引続き道床砂利を納入いたしております東武鉄道株式会社から、金百三十万円の融資を得ましたので、旗川に採取場を開設することにいたしました。五、最初赤見町字下石塚地先に選別場を開設し、吉水駅まで運搬用トロ線を敷設する予定のところ、土木部長並びに河川課長再三現地に来り、佐野土木出張所長、赤見町長等ともども部落民を説得したるも頑として同意せず、やむなく下流の佐野市字小中地先に開設し、自動車輸送するに改め、小中部落民にこれまた再三交渉し、ようやく同意を得たのであります。しかるにこの同意を知りたる下石塚部落民は、あくまで反対せんと小中より下流の数部落民を煽動したるため、これら部落民は県河川課の水利に対する説明並びに私に採取方法の説明方を要求して来たのであります。よつて旗川農協事務所二階に部落民四百数十名、県会議員三名立会いのもとに佐野土木出張所長より水利に関し、私が採取方法を説明し、多数反対者もありましたが、種々条件を付されながらも辛うじて同意を得、現在の小中地先に採取を開設し得たのであります。以下は省略いたします。  それからもう一つ、当時事業の休止を命ぜられましたときに、佐野の労働基準監督署長に提出した書類がございますので、ちよつと読ませていただきます。「労働基準法第二十六条について、表記の件について当事業場において別添のごとき事態が発生いたしましたが、法第二十六条に規定される休業手当を支払わなければならないかどうか、至急御指示いただきたくお伺い申し上げます。別添、1、事業の種類土石採取、2、現在労働者三十二名、3、過去に支払つた賃金、四月中三十四万四千円、五月中三十万五千円、4、事情、当事業場は大正九年以来引続き秋山川から砂利を採取の業を営んでいるものであります。採取権を得るには県知事あての河川生産物払下願を田沼町役場に提出いたしますと、栃木県佐野土木出張所を経由して県庁に至り、県知事から許可が来るのであります。最近許下を得ました期日は、四月十八日まででありますので、引続き採取いたしたく昭和二十六年三月十六日また払下願を田沼町役場に提出いたしました。役場ではこれを地元に照会したら支障があるとのことゆえ、一応返すとのことで返されたのであります。私は従来もこういうことがありましたが、知事あての願書を役場から返されたのでもあり、後日地元の支障の理由を調査して再提出の御通知があるものと待つておりました。ところが五月三十一日突然佐野土木出張所長から呼出しを受け、河川沿岸民多数調印の採取反対陳情書が提出されたことを承りました。そして所長の申されますのに、いずれ田沼町町長と折衝して採取継続できるよう尽力するが、沿岸民の刺激を避けるためしばらく採取を中止するようにとの注意を受けました。右様の次第で、六月二日から採取を全然中止し、運搬用トロ線の撤去や跡片づけをしておりますが、六月六日以降からは事業再開始まで休業するのやむなきに至つたのであります。なお四月十八日以降期日が切れたまま採取しておりましたが、過去においても手続等の関係で切れたまま採取しておつたこともありました。」 これは昭和二十六年八月八日佐野労働基準監督署長に提出した書類であります。もちろん基準監督署からの回答は、事業主の都合で解雇するのではないから、支給しなくてもよいと申されましたが、労務者には私自腹を切つて支給いたしましたので、騒動を起させなかつたのであります。これを非常に県の方でも御同情してくださいまして、旗川に開設することに尽力してくださつたことと思います。  先ほど申し上げました、最初赤見町下石塚地先に選別場を開設、吉水駅まで運搬トロ線を敷設、ガソリン・カーで牽引する予定でしたが、県より土木部長並びに河川課長等再三現地に参り、天海赤見町長、佐野土木出張所長等ともども部落民を説得していただきましたが、これが町有地であるにかかわらず、頑として同意を得られませんでしたので、約八百メートル下流の佐野市小中部落民の同意を得まして選別場を設置し、吉水駅にはトラツクの通路がありませんので、四キロ半離れました堀米駅までやむなくトラツク運搬することに変更して、現在もトラツク運搬しております。吉水の駅へは通路が狭くてトラツクが通りませんので、これまた道路を拡張するために、地主に地所を売つていただくなりお願いしてありますが、これすら御同意を得られなくて、やむなく不経済な運搬をしておる次第であります。この敷地が入手できなかつたことによつて――入手できれば駅出しがトン三十円ぐらいで上りますのが、トラツク便のために現在四倍の一トン百二十円かかつておりますことを見ても、運搬費が生産費に重大なる影響があると同時に、必要土地の入手がいかに大切であるかということも御高察いただけると思います。  なおこの項中、旗川農協事務所における反対部落民大会のことを申し上げましたが、そのとき部落民に提出たしました誓約書がございますので、これもあわせてお聞き願いたいと思います。
  10. 大西禎夫

    ○大西委員長 その程度でけつこうです。  次に天海陸平君。天海君にお願いしておきますが、時間は大体十分程度ということにいたしておりますから、さよう御承知を願います。
  11. 天海陸平

    ○天海参考人 私は全然予備知識がないのですが、どういう意味ですか。
  12. 大西禎夫

    ○大西委員長 砂利採取法案につきまして御意見を承りたい、こういうことなんです。御案内に申し上げてあるはずですが……。
  13. 天海陸平

    ○天海参考人 砂利採取法案ということだけで、法案はまだいただかないのです。
  14. 大西禎夫

    ○大西委員長 それではこちらから御質問申し上げますから、そのときに答えてください。  では次に清水三五郎君。
  15. 清水三五郎

    ○清水参考人 私は群馬県の桐生市役所の土木課長でございます。  御参考までに、桐生市で河川事業といたしまして砂利の採取をやつております状況を大体お話申し上げますと、何のために桐生市では直営で砂利を採取しているかといえば、採取が目的ではなかつたのであります。二十二年から二十三年、二十四年に大水害がございました。あそこは御承知の通り渡良瀬川、桐生川の水域でございまして、建設省その他にいろいろ陳情いたしまして、築堤及び河床の整備をお願いしておつたのであります。築堤は順次やつていただいておりますが、河床の整備はなかなか予算の都合とかでできないのでありまして、捨てておいては水が出るたびに洪水になり、被害がある。河床を平らに整備しなければ、堤防ばかりいくら高くしてもだめじやないかというのが私どもの主張でございまして、それでは百の陳情よりも一つの実行だから、貧弱な桐生市ではございますけれども、自力で河床整備のお手伝いをしようじやないか、そういうわけで始めたのであります。そのときの人員は約四十名ばかりで、河床を順順に掘つて、そこから出ますところの玉石、砂利、砂を採取いたしまして、ふるつて使えるものは市の公共事業に、市で使つた残りは県の公共事業の道路その他に、あるいは公共事業をやつている業者に廉価で売つてやつたのであります。そういうわけでその目的は採取するのが目的でなかつたのでありますが、二十五年から始めましてただいままでやつております。予算は約七百万内外の貧弱な予算でございますけれども、どうやら多少の赤字が人件費で出る程度で、自給自足で失業救済を兼ねましてやつておる次第でございます。私どもが一番考えなくちやならぬのは、採取事業を行つているところはおもに民間会社が多いのでありまして、あるいは少さい採取業者はただ営利を目的として堀つて売るのが目的である。そうして砂利なら砂利がたまつているところに大きな穴を明けて、そのままでよしてしまう場合がある。そういうのが川の中に幾つもありますと、一たび大きな水が出て来ますと、川の流れのいろいろな変化ができて、その付近の堤防にぶつかつたりして、そこが災害が起るもとになるのであります。ですから幸いに採取法案ができますと――極端な話をしますと、監督は県と建設省がやると思いますけれども、たまたま監督の不在かあるいは見まわつていないときに、堤防のすぐ近所、はなはだしいのは木工所の上あるいはすぐそば、そこらに砂利がたまつておりますから、その上を掘つているような人もあるのでありまして、そういう方面を厳重に監督をしていただきたい。なお掘つたあとは平らに直して、高い山――大きな川になりますと、川の中に山だの川だの池だのございます状態ですから、山を残さないように平らにして、自分が採取した現場付近は責任をもつて河床を平らに整理するというようなことを強調したいと思つております。  あとは御質問がありましたら申し上げます。
  16. 大西禎夫

    ○大西委員長 次に栗原芳伯君。
  17. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 私は埼玉県の砂利採取事務所長でございます。  御存じの方もあるかと思いますが、埼玉県は全国でもまれに見る県営で砂利を採取しているところであります。ただいま他の参考人の方からいろいろ御意見を伺いましたが、私たちが経験している上においては、従来砂利採取についての法的根拠が何らなく、ただ単なる県の規則あるいは条例等で定めていたのでありますが、今回砂利採取法案が提案になる運びに至つたことは、要するに砂利採取に対する法的根拠を見出したという点は、非常に進歩を見たことと考えておるわけでございます。ただ法案の内容を逐条的に考えてみますと、まず水面に重点を置いて許可をするということになつておりますが、この許可をした以上は、採取業者の保護育成をある程度やつた方がいいのじやないか。それからその反面罰則の制度の強化をやつた方がいいのじやないか。こういう点も感ぜられるわけであります。従つて許可をした以上は保護育成をやつて、現在日本の再建に重要視されておるところの砂利の生産量を高めて行く、一面また治水その他いろいろの面において不都合な点は強い罰則制度を設けた方がいい、こう考えておるわけでございます。埼玉県の実情を申し上げますと、私の方では県営を始めて大体三十年になりますが、三十年来業者に対しては、水利に支障のあるときは別でございますが、さようでない限りは、表に見えない相当の援助をやつておるわけでございます。たとえば官有地の使用であるとか、その他県道、村道の修復等の問題につきましても、県営でやつておる関係上、中に入りましてその間を非常にうまく運営してやつておりますが、いずれにいたしましても、今後この砂利そのものがいよいよ重要視されるのでございまするから、こうした法的根拠の裏づけをもつて事業をやつて行くことが最も適当と存ぜられます。  なおこの運営の問題について、今後幾多の問題があるのでございまするが、これは許可をする側の河川管理者、それから許可を受けるところの業者の方も、従来にも増してこの法に根拠を置いて運営して行つたならば、従来より一層いろいろの問題もスムーズに解決するのじやないかと考えられます。目下のところ私の方の県に関する限り大した問題もございません。要するに今後の法の運営のいかんにかかつておるのじやないかと考えられる次第でございます。  あとで御質問等がございましたならば、いろいろ具体的にお答えしたいと思います。
  18. 大西禎夫

    ○大西委員長 以上で参考人よりの御発言は終了いたしました。  次いで質疑に入りまするが、その前に参考人各位に一言申し上げておきまするが、御発言の際にはその都度委員長の許可を受けることになつておりまするので、念のために申し上げておきます。  質疑の通告がありまするので、順次これを許します。長谷川四郎君。
  19. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 参考人の方には遠いところをわざわざおいでくださいまして、感謝を申し上げるわけでございますが、残念ながら時日が非常に短かかつたという点もございましようが、参考人の方がこの採取法という法律の内容につきまして御研究がなかつたということは非常に残念でございます。これは皆様方の責任ではなくして、委員会そのものの責任でございます。せつかくおいでになつていただいても、何らの意味をなさなかつたと申し上げなければならないような実情は、私たち委員会全般の責任であることを心からおわび申し上げます。先ほど清水さんと栗原さんからのお話がたまたまその中に幾分か触れた感はございますけれども、ほとんどこの中には一つも抵触しておらないお話でございました。そこでお聞きしなければならないのですが、この中に最も重要視しなければならないものがございます。たとえば土地の所有者である厚木さんのような方がおいでになつておられますけれども、これは、砂利をとるために土地の収用法というものができて、そうしてその土地収用法によつてあなたが土地所有者であつても、これが必要と考えられる場合には、それをあなたはその方に差上げなければならないというような場面もでき上つて来るわけでございますので、あなたにわざわざおいでになつていただいたわけでございます。そういうようなこともございますが、いずれにいたしましても、法の内容は見ていただければ非常によくわかるのですけれども、なかなかわかりにくい面もあると思います。  そこで埼玉県の栗原さんにちよつとお伺いいたします。罰則の制度というお話でございますが、罰則制度はその業者にもう少し厳罰処置に出ろ、こういうようなお言葉でございましようか、その点をひとつ伺つておきます。
  20. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 それは結局この法の違反行為を起した場合には、もつと強度の罰則制度を設けた方がいいのじやないか、これでは少し軽いのじやないか。この程度の罰則ですと犯した方がかえつて常業を盛んにやれば有利だということになる、こういうことであります。
  21. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 埼玉県の実情は、県が一手にその許可を得まして、下請といいましようか、他の業者に県の名称で受けたものを下請させている。こういう面がおありだと思うのですが、何パーセントぐらいのものを下請させておるか。パーセントで申しますと、たとえば埼玉県が一〇〇を持つている中の何パーセントぐらいが県で自営しておるか。その点をお伺いいたします。
  22. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 全体の採取箇所数の何パーセントを県が直営でやつておつて、何パーセントを業者にやらせておるかということでございますか。
  23. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 はい。
  24. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 私の方は現在御案内のように中小河川は荒川利根川、入間川等がございますが、箇所数にいたしまして百二十箇所で現在採取しております。そうしてそのうち県が直接やつておりますものが七箇所、あとは全部業者の方に、請負制度で知事と契約をいたしましてやらしておるわけでございます。しかしながらこの請負制度と申しましても、県納金の関係だとか、そういつた面については他の県で河川管理者から直接許可を受けておる者とは何らかわりなくやつておるわけでございますが、その点は業者にとつては不都合はないと思います。ですから大体百二十箇所のうち七箇所を県がやつて、あとは業者の方に――業者数は六十七名ぐらいになつております。一人で二箇所ないし三箇所を採取しておる者もございますが、大体そういう関係になつております。
  25. 永井勝次郎

    ○永井委員 議事進行について。この砂利採取法案は、昨日の午後にこの委員会へ初めて提案されたわけであります。しかるにすでに本日参考人として呼ばれた方々には、法案のかかる前からこの法案について参考意見を求めるということで、すでに通知を出してお運びになつておる。しかも本日出られた参考人の方々は、どのようにしてこの法案の内容をお知りになり、またこの内容についてどういう参考意見を求めるというような運びになつて、本日ここに御出席をいただいて参考意見を求められているのか、その手続関係、これは議会における運営の異例であります。法案のかかる前にすでに法案についての参考意見を求めるという手続が完了されておるということは、これは国会における運営の異例でありますから、どういう事情でそういうふうになつたのか、また法案の内容についてどういう方法で参考人の方々に意見を求めるということを委員長から取運ばれたのか。また本日ここに名前を連ねておるのでありますが、通例の場合ですとこれは理事会にかけて、こういう人を呼ぶからというようなことになつておるのですが、こういう手続関係はどういうふうにされたのか。これは委員長にお伺いいたしますし、また参考人の各位には本日の砂利採取法案について意見を求められておるのですが、この内容についてはどういう手続によつて了知をせられ、本日意見を述べるために内容をお調べになつてここにおいでになられたのか。参考人の方にこれからお尋ねするにしても、全然わからないで出たということでありますと、われわれが御意見を伺うにしても質問の内容をかえて行かなければなりませんから、どういうふうな手続によつてこの内容を御了知され、どういう事項について意見を求められて今日御出席願つているのか、その関係を参考人のどなたかからお伺いいたしたいと思います。
  26. 大西禎夫

    ○大西委員長 お答え申し上げます。砂利の問題について参考人の方々から御意見を聴取いたしたいという議が出まして、まだその当時法案がかかつておりませんので、砂利に関する問題についてという取運びをいたしたわけであります。たまたまその後すぐ法案がかかりまして、簡単な法案でありますから、今日この法案を皆様にお示しし、あわせて御意見を伺うという取運びにいたしたわけであります。従つて法案が出ない前に、法案の問題についてお伺いしたわけではないのであります。従つて先ほど天海さんが何のことだかおれにはわからぬがと言われるような不都合も出て参つたのであります。御了承願います。
  27. 永井勝次郎

    ○永井委員 了承するわけには参りません。この通知は事務局からどういう通知を出したか、朗読していただきたい。砂利に関して、どういうことを聞こうというのか、それぞれの職場によつて参考意見を求めるについては内容が違うと思うのでありますが、一体どういう通知を出されたのか。法案が出ない前にその法案についての意見を求めるというようなことは、いまだかつてないことであります。委員会において審議をした結果として、参考意見を聞こうじやないか、こうなるのが普通の取運びであります。しかるにこれは議員立法で、しかも問題になつているのを、いきなり法案の提案もない前から参考意見を求めている、こういうばかげたことがこの議事の中で運ばれることについて、これが委員長の手落ちである、あるいは申訳なかつたという話ならばいいのですが、そういう順序があたりまえだというなら、われわれは了承することができません。どういう通知を出したか、その通知をお示し願いたい。
  28. 大西禎夫

    ○大西委員長 ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  29. 大西禎夫

    ○大西委員長 速記を始めて。  暫時休憩いたします。     午前十一時四十二分休憩      ――――◇―――――     午前十一時五十四分開議
  30. 大西禎夫

    ○大西委員長 休憩前に引続き開会いたします。長谷川四郎君。
  31. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 それではもう一つ栗原さんにお伺いいたしします。栗原さんの県で大体五%は県の自営で、あと九五%は下請にやらせておくのだ、こうやつた結果としてどうでございましようか、個々の業者に営業をさせたのと、県が一手に持つていて、監督しつつ採取をやらせたのと、結果は――先ほど清水さんがおつしやつたように木工床側とか、あるいは石垣の下までというような点があつたわけですが、こういうところにだれか県のお方が監督というか見まわるというか、こういうような人を派遣してそれに当つておられたのでございますか。それともその結果はどうであるか、それをお聞かせ願いたいのでございます。
  32. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 私の方の県に関する限り、やはり今のような制度が監督も十分できますし、それから土地の所有者だとか、あるいはその他いろいろ民間の業者側との間の調整に当ることもできますので、非常に好都合と私は考えております。それから大体河川ごとの、採取場ごとの監督の分担をきめております。その点は十分とはもちろん申されませんけれども、どうやら監督ができるという程度にはなつておりますので、いいのじやないかと私は考えております。
  33. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 今度こういう法案が出ても、あなた方の目的である、たとえば河川の保全上業者みずからが監督人を置いてその監督に当らせるのだということになつておるわけでございますが、そうなつて行きました上においても、今の県でおやりになつておるような、全部県が一手に持つているというお考えですか。それともこういうような面が現われて行くと、今のような県の御計画をかえて、一般民間の業者にもこれを許して行くというようなお考えがございますか、その点はいかがでございますか。
  34. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 直接許可を受けてやつておるのも、請負制度でやつておるのも実質上は何らかわりありませんので、私の今の考えでは、これはもちろん今の社会でございますから業者にもお諮りはいたしますが、今の制度を続行したいという考えを持つております。
  35. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 先ほどの清水さんの御発言が非常に重要な問題だと私は思うのでございまして、清水さんのお話のような、たとえば水害の原因をなすものが、そういうところから来ることが非常に大きいということは私もよく知つておるわけでございます。そういう点とにらみ合せまして、この法案で参りますと、今度は砂利の採取という点、たとえば今のように県が一箇月くらいとかあるいは半年くらいでは大きな資本をおろして行く上においても非常に不安でならない、であるから一年なり三年なりという永続性のある企業をやらせなければいけない、こういうのが大体本法の精神の中に盛られてあると思うのでございまして、そういうような精神にのつとつて行くからには、つまり河川の保全ということを第一に考えるから、この調整をするために監督を置くのだ、そういうようにできているのですが、清水さんの御経験からいつて、はたしてそういう面はどうであるかということを率直にお聞かせいただきたいのです。これをお願い申し上げます。
  36. 清水三五郎

    ○清水参考人 私ども今まで十数年来経験したところによりますと、どうしても砂利採取業は営利を目的としまして、われわれ自治体でやつているのと違いまして、一人何合というように割当てる。そしてある程度の採算が得られなければこれはやつて行けるものではない、そういうものですから、結局所かまわずその品物があるところは徹底的に大きな穴を掘つてしまう、そのあとを平らにならすということをやるわけですけれども、なかなかやつてあるところが少いのでありますから、これは業者の自主的な監督けつこうでありますが、戦争中に何かそういうことがあつたと思うのでありますが、やはり県あるいは国の河川の方の監視人を置きまして、そして厳重な監督が必要だと思つております。以上であります。
  37. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 私もそういう点を非常に懸念をしているのでございます。従いましてこの法律は今申し上げた通り、そういう安定をした上に立てばそういうことがなくなるというようなことなんですが、そういう不安は十分あると思うのでございまして、この事業そのものも公共的であるが、採取されたものが大きく公共性を持つものであるということなのでございまして、こういう点についてはあとで提案者にお伺いしなければならないのですが、この点において監督が十分行き届くかいなか。またそういう点について指示があつた場合、それをさつそく莫大な金をかけて、平均してならすというようなことができるやいなやという点に大きな心配があるのでございます。そこで天海さんは町長さんとしてどのようなお考えでございますか、概略でよろしゆうございますから、お聞かせ願いたい。
  38. 天海陸平

    ○天海参考人 砂利のようなものを合理的にとることはたいへんけつこうだと思います。私の方の近くの旗川で、大体二年間にとりました分量、これを許可数量と実際にとつたであろうと思われるものとを比較してみますと、面積が七十二万平方メートルくらいのところで、約二万立方メートルくらいとつたと思われるのであります。これで川面積全体にしますと、七センチ半くらいの深さをとつたわけになります。しかしこれをとりますのは、先ほどからいろいろ法律をつくるために御心配になつておられますように、全体的統制がとれておりませんために、川を食い荒したような状況が確かにあつたわけであります。でありますからこういうふうな合理化をすることによつて砂利が経済的にとれるようになることは、たいへんけつこうだと思います。この立法の趣旨はたいへんにけつこうだと思うのでありますが、同時にそれについての心配もあるわけであります。たとえば砂利採取の許可基準というところに砂利採取場の合理的な経営を維持するように考慮して許可するというようなことが書いてございます。たいへんに含蓄があり過ぎて、この許可が特別な人以外には出ないことになりますと、独占事業的になりまして、実際には公共的なものには無料でとらせるようなことがあるのでありますが、特別な経営を合理化されたもの、あるいはマス・プロダクシヨン式なものでないと許されないということになりますと――さらにこれが機械化されることは経営面においてはたいへんいいと思うのでありますが、日本の産業状態の現状から行きまして、あまりこれで進み過ぎると、一方には人手が余つて失業的なところも出るし、あるいは川が独占されて今よりもとりにくいような懸念も起り得るというふうにも考えられます。合理的な経営を維持できるようという言葉はたいへんけつこうであります。けつこうでありますが、もしこれが無理に強調された場合に、独占されて非常に困る状況が出はしないかということが考えられるのであります。  もう一度申し上げますと、この法律全体はたいへんに合理性を持つてできておりますし、さらに自主的の管理というか、業者が自分みずからを管理するということはたいへんにいいことだと思いますが、先ほどから懸念がありましたように、河川の管理者がこれに十分の監督を加えないと、営利の目的のために業者がこれをやる場合も相当あると思います。あるいは県営でおやりになるというお話もさつきあつたようですが、営利的にやつた場合には、採算のために自主監督というようなものが自分に都合のいい監督にもなり得る危険性もある、こんなふうにも考えられますので、できるだけ綿密にお取締りを願えるような法案にしていただきたいと思います。  それから土地の収用の問題です。これはたいへんにむずかしいのでありまして、実際われわれが道路をつくる場合に、公共事業であつてさえ、何かの苦情が出た場合に、これを通すことが非常にむずかしい。実際にやる場合には、あらかじめ協議をしてやらなければならぬというようなこともありますので、これはたいへんに簡単に、他人の土地を使用することができるとありますが、そこへ行く段階としては、十分に協議を経た上にそこへ行かないと――土地収用法の最終段階がすぐに行われるということになると、非常に混乱を起すのではないか。公共団体としても、もちろん公共的な立場を考えてやらなくちやならぬわけであります。そういう点十分の御考慮をお願いしたい。大体こんなふうに考えられます。
  39. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 最後の土地の使用については、採石法の三十六条、三十七条を準用しておりまして、その点については公聴会を開くとかいろいろその他の方法をとつておやりになるように書かれております。いずれにしても業者でありまして、その営業を行うのには、利潤というものがまず最初に目的とされて、その目的のために企業が興されているわけでございます。そこで御懸念があると思うのですが、たとえば砂利を町で、村で、お勝手に使うとかあるいは堆肥小屋をつくる、川へ行つて砂利を持つて来いというような場合に、これからこれまでは全部独占になつているからまかりならぬというような面も現われて来はしないかということを私は懸念しております。そういう場合に、まだ提案者にそれらについてお聞きしておりませんので、はつきりしたことは申し上げられませんが、たとえば災害があつた。そのときに負担するのはだれかというと、砂利業者ではなくて、町民であり村民でございます。その負担が一番大なるところの町民や村民が自分の川の砂をお勝手をつくるのにもとれないということであつてはならない、そういう面だけは明らかにしておきたいと考えております。  経営の合理化、また合理的経営という面は、非常に広く考えられますが、一業者の営利のためでなく、公共という面もこの中に書かれてあるようでございます。公共ということは、ただ砂利の使用が一手に使え、そしてある道路、施設にまかれたことが公共でなくて、その川の砂なり石が、ある程度のものは家庭的に使われるくらいの自由なものはやはり与えておかなければ、村民や町民の御協力を願うことができないのではないか、こういうように考えております。そこで天海さんの御心配の点は明らかにしておかなければならない。そして法律が通る場合にはそういうふうにしておかなければならないというふうに考えております。  それから今あなたの川で何人くらいの方が砂利の採取をやつておられましようか、お伺いいたします。
  40. 天海陸平

    ○天海参考人 件数でございますか。
  41. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 はい。
  42. 天海陸平

    ○天海参考人 大体今の件数では二十九年で十一の人がやつております。
  43. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうしますと、お宅の町続きの川で、大体町の分として十一箇所あるということでございますが、そうすると町にかかつている川全部が十一件に許可が与えられてはいないと思うのですけれども、たとえば十尺あつたところが一寸と三寸の所があつた。それから四寸が抜かれて五寸の所がその区域に定められていた、こういうふうにもなると思うのですが、その点はいかがですか。
  44. 天海陸平

    ○天海参考人 これは許可された面積でございますか。
  45. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 はい。
  46. 天海陸平

    ○天海参考人 それは調べてありませんが、それは全面積のパーセントから行きましたら非常にわずかだと思います。面積で行きますと二十分の一くらいなものでしよう。
  47. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 それは今御心配になつたような、たとえば今の程度のことで、川全部が独占企業ということにならなければ、村で町で使うくらいのものは持つて来ても今のところは使える、こういう現状でございますから、そういう程度だとするならば、この法律に対しての御意見は賛成でしようか、反対でありましようか、その点はどうでございましよう。
  48. 天海陸平

    ○天海参考人 ただいまのは、許可された面積は全体のパーセントは少いのですが、それを採取した残りの砂地のものが散在しておるとか、あるいは採取と同時にこれを運搬するために道があるわけであります。それがある程度使われている。業者が独占的な形ができるというのがありますので、これから先どんなふうに許可されるか。現状程度の許可面積ならば、そのほかの余裕はあると思います。私の方の隣の秋山川などでは、ほとんど砂利は取り尽されたといわれるほど取り尽されておりますので、現状程度ならばたいんけつこうだと思います。
  49. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 砂利は取つてよし、取らなくてよし、取らなければならないことも当然のことなのであつて、河川の維持からいつて砂も砂利もとらなければならないこともこれはそうなんです。しかしまた先ほど清水さんの御心配のような、取られては困るというような点もございますので、そういう点は私どももこれから十分審議をいたしまして、この法案の最終の決定を見たいと思うのです。  私の質問はこれで終らせていただきます。
  50. 大西禎夫

    ○大西委員長 次に齋木君。
  51. 齋木重一

    ○齋木委員 一言埼玉県参考人の方にお伺いいたします。私は先般埼玉県の入間郡の方に凍霜害の実地調査に参つたときに、農民の方々の率直な意見を聞いたのであります。私どもの県では年々歳々の水によりまして河床が高くなつて砂利堆積するので、取らなければいけないというので採取が行われておるということも一つの条件ですが、埼玉県の入間郡は河床が低くなつて行くので、砂利を取るとその堤内、堤外地の農作物、桑園等に対して非常な悪影響を来して困るという農民の強い声を先般の実地調査でお聞きしたのであります。この法案そのものは、ただ埼玉県栃木県だけの問題ではありませんで、全国の砂利採取を行つておる河川に対する重大な影響をもたらすものでありますが、川が流れて河床が高くなると私どもは認識しておつたのが、埼玉県に行くと河床が低くなつて、砂利をとると困るという農民の声であります。そういうデリケートな問題が起きて、凍霜害が直接か間接か存じませんが、農民にそういう傾向が多くなつて来た。それで川を掘つたり、砂利を取つてもらつたら困るという意見を、あの沿岸四、五箇村の農民の方方、農協の方々、村長さん等からお聞きしました。そういうことを実地に現場に行つて私は聞いたのであります。凍霜害の実情も私は調査をいたしました。これらに対して、埼玉県当局といたしましてどういう河川治水対策を講ぜられておるか。採取に対してはどういう観点から許可をやつていらつしやるかということもお聞かせ願えれば幸いであると存じておる次第であります。
  52. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 お答え申し上げます。ただいまお話のように入間川については河床が下つております。しかし建設省なり何なりの全体の大きな河川計画から見て、上つておる所もあり、下つておる所もある。全体的には河川計画の底よりもまだ下つていないということになつております。しかしながら御案内のように、あそこの川は非常に多くの業者が入つておりますので、昨年あたりから全然新規許可はいたしておりません。新規許可どころではない、目下建設省、県、地元の方と協力のもとに調査を綿密に進めておりまして、制限をしようという手段に訴えております。
  53. 大西禎夫

    ○大西委員長 帆足君。
  54. 帆足計

    ○帆足委員 参考人の方にお尋ねいたしますが、日本は水の国であり、治水治山を非常に必要とする国であるという点と、それから湿度の高い国でありますから、今後もセメントとかスレート業を大いに振興して、木材にかわるにもつと多くの石とセメントを使い、それから道路などは東京郊外などを歩いてもたんぼの中のような状況でございますから、石とセメントをもつと有効に使う国にしなければ国土の荒廃を防ぐことはできませんから、何とかしてこの石の問題、砂の問題、砂利の問題等をもつと有効に能率化せねばならぬ。そしてそれを国土計画なり河川治水の計画と結びつけて国富を大事にして能率的、そして安い値段で消費大衆に渡るようにせねばならぬということを切望しておるものでございます。しかしそういう観点からこの法案を見ましてお尋ねいたしたいことは、このために一定の場所を許可、認可制度にして安定させることや、また機械化を促進することは、小さな業者に対しては協同組合を奨励するという方向に持つて行くならば賛成でありますけれども、許可、認可というものが、結局基準というものは簡単であつて、実際に運用するには結局官庁がこれを監督し、裁断するということになると思いますので、その場合に中小業者の方々が非常に困るような事態が起きないかということを心配するのですが、そういう点について、中小業者または零細業者またはそこに働く労働者たちの間で、この法案に対する心配とか反対とかいうようなことは予想し得ないかどうか。実情に精通しておられる皆様の中から、現場の事情を知つておられる清水さんからまずそのことを伺いたいと思います。
  55. 清水三五郎

    ○清水参考人 けつこうな法案でも、運営を誤ればみな怨嗟の的になるのでありまして、これもきまつて、今御心配のように一方的にあるいは大きな業者とかあるいはどういう資格がなくちやいかぬとか、必ずわくをこしらえると思うのですが、あまりにもそれにとらわれて小さい業者をそのまま見殺しにするということになると問題だと思うのですが、小さい業者は戦争中やつたように何らかの方法で、組合みたいな組織でも組織化して、そして、相当の採取器材とかあるいはレールとかトロとかをもつて、そうして毎度私が申し上げるように、相当河床の整理をするのだということを業者が頭に入れてやつていただく。政府の方でも、この法案からいつても業界の運営をよくするためにこの法案ができたようにも書いてありますから、業界の運営がよくなるためにはやはり奉仕的に河床の整理を目的の一つに入れてもらいたい。利益ばかりじやなくやつていただけばけつこうだし、中小業者も殺さないようにやつていただかないと、これは問題になると思つております。
  56. 帆足計

    ○帆足委員 現在のところそういう中小企業家から、この法案として伝えられるものに対して反対の声が起つておるというような事実は、皆様のまわりにはございませんでしようか。
  57. 清水三五郎

    ○清水参考人 私は群馬県の桐生市のものでございますが、私の狭い範囲でありますが、まだこの法案の内容が徹底してないせいか、そういう声は聞いておりません。
  58. 帆足計

    ○帆足委員 今後運用の基準等につきましては、それば私どもが国民の代表として政府当局によくつつ込んで聞きまして、そうしてさらに検討いたすべき問題でありますが、砂利採取事業の合理化にあたりまして私どもしろうとが考えまして、運搬とそれから砂利を採掘し、選別し、集中する仕事と二つにわかれるのでございますが、その経費の割合は距離によつて違いましようけれども、大体どのくらいの運搬費に対して原料採掘費がどのくらいかかつておりますでしようか。またそれを合理化しますとどの程度合理化し得るものか、専門の見地から栗原さんにでもお伺いしたいと思います。
  59. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 お答え申し上げます。採取の方法と駅までの小運搬の経費、それからあとは貨車に積み込んで貨車輸送、この三つにわけて埼玉県の場合を申し上げます。これは、御参考までに申し上げますが、埼玉の各河川における砂利の層は非常に枯渇しております。先ほども御意見がありましたが、入間川等は特にそうであります。と申しますのは、何と申しましても埼玉は東京都、京浜地区に近い関係上、今から数十年前に砂利事業が始められました。特に大震災直後の埼玉から東京都に運ばれた砂利、砂の量は莫大に上つておるわけであります。さらに戦後もそうでございますが、いずれにいたしましても東京都を中心としたところの埼玉、神奈川、これらの河川はおそらく今の建築なり何なりの規格に合う砂利はなくなつて、規格に合わない、いわゆるいらない捨てたものが残つておるというような状況じやないかと思います。従つて埼玉に関する限り非常に生産費がかさんで参つておるわけであります。たとえば船でとる場合の例を申し上げますと、一日百トンとるという場合には、実際に規格に合つた砂利は二五%くらいじやないか。場所によつては三〇%のところもございます。従つて動力その他を使つて百上げて商品価値のあるものは二五%、こういう関係になつて来るわけです。ですから非常にコストは高くなつております。コストは高いが、とにかく東京までの運賃が非常に安い関係上、どうやら息をついておるというような実情でございます。ただいま私のところで調査いたしました結果を申しますと、これは設備によつても非常に違います。船で取つておる場合、それから最近流行しております採取機で取つておる場合、それから人力で取つておる場合、これはそれぞれコストは違うわけでございますが、やはり生産を高めるためには機械力に依存する以外にはないわけでございますが、コストの面を考えますと、比較的人力で取つたのが安いわけでありまして、これは機械の償却その他がございまんので非常に人力のところが安くあがる。大体私のところで船で取る場合には、十トン当りで、採取だけで船の償却その他を見ましても、千五百円ないし二千円でございます。というのはこまかいものを取れば取るほど量が少くなりますから二千円以上になるかもしれません。それから荒つぽい砂利だとか道路にまくようなものを取る場合には、これは生産量が多いですからコストは安くなる、こういう関係になつておりまして、これはただいまデータを持つておりませんので具体的には申し上げられませんが、大体そういうことになつております。  それから駅までの小運搬でございます。これがまた問題でございます。いろいろ先ほどお話がありましたが、大体砂利事業をやつておるのは採算可能なところで業者の方もだれもかれもやつておるわけです。従つて積み出す駅の最も近いところ、小運搬の便利なところに事業を開始するわけです。小運搬の便利なところの採取許可をとるわけですから、私の方のように駅に近いところはだんだん取り尽した。従つて駅に相当遠い、二キロあるいは三キロというように採取する機械をだんだん移動して行かなければならぬということになつておる。小運搬の費用が非常にかさんで来るわけであります。ですからこの小運搬の費用が千円ないし千二百円くらいはかかる。それで駅まで持つて来るわけです。駅でさらにこれを貨車積みにして東京に出しますと、私の方の県から東京までの運賃が平均いたしまして二千五百円くらいということになるわけです。これが実際にかかる費用ということになるのです。それにいろいろ用地を借りておるとか、そのほかいろいろな関係の費用がかかるわけです。それらを換算いたしますと、東京まで持ち出すのは莫大な経費経費になつてしまう、こういう実情になつております。  これは御参考までに申し上げますが、だんだん駅に便利なところはとり尽して遠くなる。従つて遠いところはだれも取らないわけです。ここには砂利が堆積しておる。これは治水上はとつた方がいいという砂利がたくさんあるわけです。取りいいところは川の底まで掘つてしまう。それから取つたかすは捨てつぱなしにしてしまう。ところが取りにくいところはだれも取らぬから水利上は河川改修その他どうしても国なり何なりが経費を投じても取らなければならぬというところは、これはだれも営業としてはとらないわけです。従つてそういうところをどうして行くかということを国なり県なりに考えていただかなければならぬ。それがあるために非常に治水に支障を来すということが往々にしてあるわけです。ですから駅に近いところですでに採取を終つたところは制限し、今後取つてもいいという場所についてはさらに奨励策を講じていただく必要があるんじやないかと私は考えるのであります。御参考までに申し上げた次第であります。
  60. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 日本の経済再建の上からながめてみまして、私も砂利の必要性はよくわきまえておりますから、この法律が制定されることによつて、砂利採取の能率が一層上り、やがて日本経済に貢献することになれば大賛成でございます。私の郷里は愛知県でございますが、愛知県の方はいらつしやらないようですけれども、お隣りの静岡から大分出ていらつしやるようですから、どなたでもけつこうです。静岡のお方にお尋ねしたいわけでございます。  私砂利の採取についてはしろうとでございますが、子供のころから愛知県では砂利が取られているわけですが、きようこのごろこの様子をながめてみますと、大きな機械設備をしてトロツコの設備なんかもして取つているところもあるかと思いますと、三十年前と同じように金網を手でゆすりながら、あるいはスコツプですくつてひつかけながら選別をやつている。これが過去におきましては県庁の許可とか何とかいうことで実権を握つている方、県庁に幅のきく県会議員だとか地方の顔役さんとかいう方々がほとんど握られるようでございますが、この法案が行われることによりまして、もし万一これが砂利をふるいにかけることならばよろしいが、業者をふるいにかけるという法案でございますと、小さい、機械を使わずに資本の乏しい方々が職場を失うことになるのを私は憂えるものでございますが、そういたしますと、やはり手先でスコツプをすくいながらやつておる人も人の子でありますし、気の毒だと思うのです。それからそれのみでなくてああいう仕事に従事していらつしやる現場の人たちはたいへん勢いのいい人が多いようでございまして、自分の職場といいますか、繩張りといいますか、それを二重、三重に、許可されたり荒されたりしますと、過去においては血の雨が降つたようなことも間々聞いておるのであります。そういうことが起ることを避けるために、この法律ができるのならばけつこうでございますが、避けることは避けたが結局この小さい人たちが職場を失うということになりますと、たいへんなことだと思うわけであります。こういう点につきまして第三者的な立場に立つていらつしやる沼津市の土木課長さんから、この法案を通すにあたつて、そのような心配がありやなしや、またそういうことを除去する効果があるかないかというような点について承れればたいへん仕合せだと思います。
  61. 渡辺丑太郎

    ○渡辺参考人 たいへんむずかしい御質問でございまして、その是非というものがなかなか判断の下せないような気がいたします。さればといつていずれにしましても経済の通念にのつとりまして、無限に採取のできるところは大きな資本で規模もまた大きな方法で取ることが、コストを下げることでもありますので望ましいと思いますが、沼津のようなところは海岸の除渫でございますので、おのずから量的に非常な制約を受けるわけであります。これを無限にとりますことは、天然の防波堤を破壊することになりますので、量的に非常な制約を受けますから、そうしたような大規模な設備によつて取るというようなことは実際問題としてできないことだと思います。また静岡県の安倍川というのは、その水源が日本でも非常に有名な崩壊地でございます。従つて流下します砂礫は、非常に多うございます。これは今の段階におきましては、ある意味においては、量的に無限に採取してもいい、こういうところでは大きな規模で取ることが望ましいと考えるわけであります。
  62. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 桐生の土木課長の清水さんと沼津の土木課長の渡辺さんにお尋ねしたいと思います。先ほど御意見がありましたように、取りやすいところはどんどん取つてしまつておる、それ以外のところは経費が高くなるから取らない。われわれもそういう点はよくわかるのであります。ところが掘りやすいところになくなつたので、そこで河床以外の現在の堤防内というか、あるいは自然に高くなつて畑地になつておるというか、いわゆる耕地というような形になつておるところに非常にいい砂利があるということは、至るところで言われているわけであります。そこでそういうところをぜひ掘りたいということから、業者の人々がぜひとも土地収用というか、なるべくそういう形で便益を与えてもらわなければやれないので、そうしてもらいたいというようなこと等が相当言われておるのですが、渡辺さんや清水さんの方の川なり御承知の地域にそういうようなところがたくさんございましようか。お知らせ願いたい。
  63. 清水三五郎

    ○清水参考人 私どもの川は先ほどちよつと申し上げた通り渡良瀬川で、流域も相当広く、幅も相当ありますので、そういう摩擦はまだ大して聞いておりません。
  64. 渡辺丑太郎

    ○渡辺参考人 沼津の場合には、そういう実例はございません。つまり土地収用法の適用を受けて、そういう方法をした方がよかろうというような場所はないのでございます。
  65. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 そうすると、清水さんの方の関係というか御承知の地区には、現在そういう堤防内というか、自然に高くなつた耕地というか、そういう下に砂利がたくさんあつて、収用法などをもつてするような場所はない、その心配は全然ない、収用法を適用されて砂利を採取されるような地区はない、こういうことでございましようか。ただ従来許されなかつたから、やることができなかつたからそのままになつておるということですか、どちらですか。
  66. 清水三五郎

    ○清水参考人 河川の中にある私有地にある程度手をつけても、地主は大して問題にしておりません。なぜかといいますと、私どもの川は、二十二年以来三回の水害で、畑等に使つていたいい土がみな流れてしまつて、堆積しておるものはほとんど土砂あるいは玉石でございますから、地主も掘つてもらつてかえつてけつこうだというような意味で、そういう問題は起きておりません。
  67. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 渡辺さんの方にも、今私が清水さんにお尋ねしたようなことはございますまいか。なおまた、あなた方が技術屋さんとしての専門家的立場から見て、他にそういう点でお気づきの点はないでしようか、どうでしようか。われわれがいろいろなもので見聞きいたしますと、何十万年か何万年かの間にだんだん河床がかわつて来て、河床以外の地区にそういう非常にいい場所がたくさんあるために、土地収用にかけてやらせてもらわなければならぬというような声が業者の中に、至るところに切々としてあるということを、われわれはしばしば聞かされるのですが、そういうことはありますかどうか。
  68. 渡辺丑太郎

    ○渡辺参考人 先ほど申しました通り、沼津の場合にはそうした必要はございませんが、概念的に申しますと、バラスの採取ということは国家再建に非常な役立ちもしておりますので、そうした場合には、ある程度の強制力を持つた法的の措置も必要だと考えております。
  69. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 岩崎さんでも、また栗原さんでもよろしゆうございますが、業者として採取上一番お困りになつておる点はどういう点でしようか。先ほど御意見がありましたように、取りやすいところを取つてしまつて、取りにくいところが残つておる、そういうところを取るためには、経営経理上引合わないから取らないのだというようなことも、やはり解決しなければならぬ一つの点だと思いますが、それ以外にあまりこまいのが多い、共食い、共倒れというか、そういうこせこせやつているためにかえつてうまく行かぬのか。あるいはまた協同組合のようなものをつくれば、それが統制されてうまく行くというのか。何らかの形でそういうことが整備されるというようなことも、経営の困難を打開する重要な意味があるのかどうか。あるいはまた先ほど私が清水さんと渡辺さんにお尋ねしましたように、業者の方々は全国的な状態がおわかりかと思いますが、河床以外の地域に対して、土地収用法にかけてやれば非常にいい場所がたくさんあるのだというようなこと等も、経営上そういうことが許されると非常にいいのだというようなこと等もお考えになつておるのであるかどうか。そういう経理上の点から困難な点、こうしてもらえばさらにいいという希望の点、あるいはそういうことを法律にどういうふうにしてもらつた方がいいというような点等が、業者側からのお考えとしてあれば、そういう具体的な点についてひとつ率直に意見をお聞かせ願いたい。
  70. 岩崎岩吉

    ○岩崎参考人 ただいまお尋ねの最も因つておると申しますのは、許可を与えていただく期間がきわめて短かいということ、私の場合ですと、わずか一箇月間の許可しか与えられないわけでございます。従つて計画性のある企業ができない、こういうことになつております。またせつかく受注をいたしましても、今月自分の採取している採取場が、来月はたして許可になるかどうかというような考えから、大きな受注ができないというようなことも出て参つております。  もう一つは、先ほども申し上げましたように、大きな受注をいたしまして営業を継続している間に、部落民の反対によつてそれを中断しなければならない。あえてこれを続行しようとすれば、通路に遮断機をおろして通行をさしとめられる。極端な例を申し上げますと、遮断機をこわしてまでも通行しようとした場合には、今度は人間が遮断機のかわりになつて道路に横臥して車の通行をさしとめるというような事態も二、三年前に起つておるわけであります。これがきわめて困難な事態の一つでございます。もう一つは、先ほども私が申し上げましたように、私の場合ですと、きわめて海面に接近した地所から砂利を取つておりますので、漁業権の問題に支配されまして、漁民からあらゆる難題を持ちかけられる。これも砂利を採取するのにきわめて困難をもたらす一つの問題でございます。  さらにこの法案ができまして、中小企業のものがふるい落されるのではないかというような御心配のお尋ねもございました。これは私どもの地域におきましては、戦後砂利の需要がきわめて多くなりました結果、トラツク一台をもつてただちに砂利採取業を開始する。きわめて簡便にできるものですから、非常にたくさんな業者がふえて参りました。私どもは私の父の時代からやつておりまして、約二十六、七年になります。あの場所には古くからやつている方が三、四程度でございましたが、戦後は二十以上にもなつております。これらをいかにして統制して行くかということにつきましては、許可を与えるお役所が非常に頭を悩ました問題で、また海岸線の管理の問題――先ほど土木課長からもお話がありました天然の防波堤とまで考えられておりますので、これを切りくずすことは、将来にきわめて危険を残す問題でございます。従つてこの管理は、非常にやかましい問題でございましたが、遂に県の土木部においても、これは業者の自主的な管理にまかせるよりほかに手がないという結論を下しまして、数年前から業者としてもさような方法に持つて行くことを念願しておつたのですが、昨年ここにおります土木課長のあつせんによつて、ようやく私どもが協同組合を結成いたしまして、この協同組合を県の方でも認めていただいて、この協同組合加入する者にのみ採取の許可を与える。そのかわりに砂利採取業者の組合役員並びに組合長は、これを採取したあとは極力自分たちの責任において整理をするようにというような見返りの話もありまして、現在それを実行しておる状態でありまして、この協同組合の結成によつて非常に有効になつておるように現在考えております。従つてこの法案ができましても、中小企業者がふるい落されるという心配は、私の地域においてはないと存じます。
  71. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 もう一つ今お答えをいただいた点につきましてお尋ねいたしたいのですが、部落の人々がしばしば反対をして、問題を引起すということを、われわれもよく見聞きするのですが、その多くはどうでしようか。そこをとつてもらつては困るという、やはり耕地の問題とか、道路の問題、漁業上の問題とか、そういう点に対する反対が多いのでしようか。もしくは賠償上の問題がこの程度では困るというので反対されるのが多いか。どつちの場合が比較的多いでしようか。それはもちろん場所によつていろいろ違いましようけれども、あなた方が専門家として一応統計をとつてみられて、どつちの方が部落民の反対者数が多いというようにお考えになりますか。この点をひとつ……。
  72. 岩崎岩吉

    ○岩崎参考人 主張する表面的な事柄は、海岸に近くて防波堤をくずされることによつて危険が伴うということを主張いたしておりますが、その多くを考えてみますと、やはり金銭的な賠償の問題を強く腹にすえておると考えられます。その証拠といたしましては、そういう問題を起しましてわれわれがその折衝をして参つておりまする過程において、必ず現在二百円であるならば二百三十円とか二百五十円という線が出ますと、大体それならば一箇月後には再開しようというような事態が現われて参りますことと、部落において部落一般の公共的な――公共的と申しましても、部落民全体の支出によつて部落有の営造物をつくろうとする場合には、この財源を何に求めるかと申しますと、砂利採取の迷惑料とか、そういつた賠償によつて得るところの金銭でまかなつておる。こういうような事実を考えてみましても、主としてそういう面が一番大きく響いているというように考えられます。
  73. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 いま一点、この法律に対してあなた方が期待を寄せられておる一番大きな点はどの点かということもいろいろありましようけれども、さつきも私が土木課長さんたちにお尋ねしました海岸線の問題で、非常にいい場所があるけれども漁民の人たちが反対する。あるいは現在畑地のようになつておつて、耕地としてはあまりよくないが、しかし下の方には非常に長い間の河床の変化で、いい砂利があるというような点等が相当あるようにわれわれも聞くのですが、そういう点から単に車道を通すというか、あるいは運搬道路をつくるということ以外に、そういう下の方にいい砂利がたくさんあるというようなところを、この収用法で取らしてもらうようにすることの方が、全国的な河川、海岸線からすると非常に有利だという点等をわれわれは考えておるのですが、そういうような点はございませんか。ただ車道なり運搬道路のために使用するというだけであつて、その下の方や海岸線の砂利をとるために、収用法の必要はないんだ、こういうお考えでしようか、どつちでしようか。
  74. 岩崎岩吉

    ○岩崎参考人 石材の場合と違いまして、砂利の存在する場所は現在のところはおおむね官有地が多うございまして、従つてお尋ねのような砂利の存在するところに私有地があるというような場所は今のところは少うございます。今後官有地に存在する砂利をある程度取尽したならば、そういう事態の起ることも予想されますが、現在の場合には砂利の存在するところを土地収用法によつて獲得しようというようなことは一般に少いように考えております。従つて現在の段階においては、やはり通路を主体に考えておるような状況でございます。
  75. 始関伊平

    ○始関委員 せつかくの機会ですからきわめて簡単に一点だけをお尋ねいたします。埼玉県の栗原さんにお尋ねいたしますが、先ほどあなたがお触れになつておりましたように砂利の問題とてしは、採取の事業そのものを安定した基礎において合理化するということのほかに輸送の問題が非常に大事だ。特に小運送の問題が大事であるわけですが、だんだん取りいい場所は取つて、今では小運送が困難なところが残つて来ておるというのが実情だと思うのですが、それにつきまして、ある場合においては土地を小運送のために使わすようにしてやる必要があるのではないか。これは先ほど天海さんが述べられましたように、もちろん慎重にやる必要があるのでございまして、どうしてもそういう目的、つまり輸送の目的に、ある土地を使わすことがぜひ必要だ。それからほかの土地ではかえにくいのだという条件が必要だ。また手続としても、これは第十三条に簡単に書いてございますが、詳しく言えば先ほど長谷川委員も述べられましたように、これは二段構え三段構えの相当慎重な手続になつておるのですが、そういうようないろいろな条件を整えて、ある場合には土地の使用を砂利の輸送のために認めてやるんだ。もちろんその土地を現在使つておる目的、たとえば雑木林でありますとか、あるいは農地であるとか、いろいろな現在の用途と比べてどつちに使わすことが大局的に見ていいかという点もあるわけでありますが、いろいろな点から判断して、ある場合には法律の力をかりて、いわば強制的な使用というものを至当な手続の上において認めるという必要があるとお考えかどうか。これは経営者の立場でなしに、砂利の事情に詳しい第三者的な立場から簡単でけつこうでございますから、栗原さんにお願いをいたします。
  76. 栗原芳伯

    ○栗原参考人 ただいまの小運送の距離が非常に遠くなるというのは、私先ほど申し上げましたのは、現在使い得る道路なり軌道を使つても遠くなるということなんです。従つて小運搬の費用が多くかかります。私の方の現在の県内の実情を申し上げますと、大体採算可能なところは全部着手しているわけです。だから現在着手していないところは駅に非常に遠いとか、道路が通つていても小運搬に非常にかかるというところが多い。さらに畑の中に道をつくつて通つたらいいじやないかというところもないとは言い切れませんけれども、いずれにいたしましても、私の方の場合は採取可能なところはほとんど着手し、近くにあつた砂利は取り尽しているというのが現状でございます。  先ほどの御意見のように、一定の土地をつぶしてまでも砂利の運搬道路に使う、土地収用法にかけてやる、こういうことも場所によつては可能だということが考えられることがあるかもしれません。いずれにしましても――これは不毛の土地であれば別ですが、耕作地の場合でも、砂利をとつた方が国家的に見て有利だ。単に耕作していることが国家的見地から利益がないという場合は、ある程度法にのつとつてその間の調整をする必要があるのじやないかと考えております。
  77. 小平久雄

    ○小平(久)委員 先ほど厚木さんのお話を聞いておりますと、部落二百戸もある中でごく少数の漁民のためにむしろ砂利採取が妨げられる点が多いというお話が出ておりました。あなたは土地所有者という立場で御出席願つているようでありますが、今お話の土地の収用の関係で、この法律においてはそこに一つの山があると思うのであります。土地の所有者という立場から考えて、こういう規定が砂利採取法の中にあることに対してどういうお考えを持つておられるかをお答え願いたい。  次に天海さんにお伺いしたいのですが、砂利採取法で土地収用の権利を与えることが一体妥当であるかどうかということは、確かに問題点の一つだと思うのであります。また見ようによりますと、こういう規定があることによつて、実際問題としてかえつて問を題こじらすのではないか。砂利採取というものは、一般的に申しましてそう大規模なものは地方に行つては少い。お互いの話合い、特に村当局あるいは市当局のあつせんというようなことでうまく話合いでやつてこそ、円満に事業も行われるという面が非常に多いと思う。業者からいえば、こういう法律があつて、最後に土地収用ができるんだというような心がまえが一方にあることが、かえつてこの問題をこじらせて、実際問題に適合しないのではないかというようなことも考えられるのであります。天海さんは町長さんという立場において、いろいろ紛争もあつたようでありますから、土地収用の権利を業者に与えることが一般的な規定として妥当かどうか。そういう点について御所見を承りたいと思います。
  78. 厚木武次郎

    ○厚木参考人 ただいま御質問の件でございますが、私たちの方の海岸地先の東西の線は、大体四キロございまして、四キロの世帯数は大体千五百ございます。漁民はそのうちに二十人ぐらいしかございません。東西四キロの松林の海岸線になつていますところに、少くとも三十本ぐらいの海岸に通ずる道がございます。これは図面によつて道路となつておりますが、昔の道路でございますから、六尺ぐらいのところもございます。これは自然に人が通り自動車が通ることになつて――県有林の先に私の林があつて、そういう林を若干は痛めておりますが、保安林であるために、私林の所有者も、そう文句は言いません。ですからお尋ねのような土地収用法なんというものの見方は全然当てはまりません。むしろ後にメスを持つているように業者にそういう権益を与えることは害がある。それよりも私は千五百戸あるうちの二十人の業者の権限といいますか、少くとも沼津の海岸の地先の人たちは、全部が漁師の権利であるという観念になつておりますから、地元の区民が許しましても、山林業者のために大いに支障を来すわけでございますから、むしろそれよりも漁師の方の浜地を使う限界点をはつきりさした方が、道路なんかの土地収用よりも先決問題だと私は思います。
  79. 天海陸平

    ○天海参考人 今の道路に対しての土地の収用という問題でありますが、これはたいへんにむずかしい問題だと思います。それは砂利を採取することが経済的に、あるいは日本の復興のために、非常に大事だとすれば、地方公共団体なんかである程度めんどうを見て産業道路的な道路を開いてみたらどうか。あるいは砂利採取ということが非常に大きいスケールでないために産業道路ほどでないとしたならば、あるいはある程度の広場とか何とかということで、公の道として開いてみたらどうかと考えられるのであります。これを営利会社の営利の目的のための私道的なものに収用することは、よほど考えものじやないかと考えられますが、実際必要の場合には公の道として何かの方法を考えてやつたらどうかと思われます。
  80. 加藤清二

    ○加藤(清)委員 厚木さんにお尋ねしたいと思いますが、先ほど岩崎さんのお話によりますと、土地収用の問題は、大体道路だけで、採取業には関係ないようなお話でございました。おたくの方はそうかもしれませんが、私の方の愛知県に例をとりますと、名古屋の町のまん中でとつている場合がございます。千種区のビール会社の前では、砂や砂利を町のまん中から取つています。これは先ほど来お話の通り、砂利を使用する場所に近いから、陸上小運搬の費用が安いからという意味でございますが、それのみではございませんで、陶土を畑の下からとつております。こういう問題が起きますと、今まで経験しているところでは鉱害の問題が出て参りまして、今まで土地を使用していた人たちが、その使用の価値が削減されて来る。そこでいろいろな問題を惹起しております。そこでお尋ねするのですが、土地所有者の代表として、土地収用法をすでに使つている場所に通路以外の採取場として取上げる場合、なお問題は起らないのでございましようか。それともただいまのように、そのことよりも今あなたのおつしやつたことの方が先決でございましようか。ここは国家の委員会でございますので、恐れ入りますけれども、皆さんは全般をよく御存じだと思いますから全般の土地所有者の代表意見として承りたいわけでございますが、いかがなものでございましよう。
  81. 厚木武次郎

    ○厚木参考人 ただいまお尋ねのことで、土地所有者という肩書でございますが、私たちの沼津の場合におきましては、バラスをとる場所は全部国有地でございまして、先ほども申しました通り、われわれの祖先がいわゆる防波堤として、かつまた保安林の育成の防波堤として育成して来た松ですから、みだりにバラスを上の方までとられては松の木も枯れるし、また潮風や何かのために農作物が荒されるという関係上、なるべく海岸の水ぎわの方からとることになつておるのでございますが、そういつたような関係上、大体土地所有というような意味は、今までは地先の区長なり自治会長なりの内申をもつて、業者が県土木なり県なりから許可をもらつておつたのでございますから、そういう意味合いの土地所有者というふうに御解釈を願いたいのでございます。事実実権が私にあるわけではなく、そういつたようなものでございますから、さよう御承知を願います。
  82. 大西禎夫

    ○大西委員長 それでは参考人各位に対しこの席より一言お礼を申し上げます。  各位には長時間にわたり御出席くだされ、種々貴重な御意見を御発表くださいましてまことにありがとう存じました。当委員会といたしましては、十分各位の御意見を参考として、本案の審査をいたして参りたいと存じます。  それではこの際午後一時半まで休憩いたします。     午後一時十四分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた〕