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1954-04-14 第19回国会 衆議院 通商産業委員会 35号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月十四日(水曜日)     午前十一時二十二分開議  出席委員    委員長 大西 禎夫君    理事 小平 久雄君 理事 首藤 新八君    理事 中村 幸八君 理事 福田  一君    理事 山手 滿男君 理事 永井勝次郎君    理事 加藤 鐐造君       小川 平二君    始関 伊平君       田中 龍夫君    村上  勇君       笹本 一雄君    長谷川四郎君       柳原 三郎君    加藤 清二君       帆足  計君    伊藤卯四郎君  出席政府委員         通商産業事務官         (企業局長)  記内 角一君  委員外の出席者         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  商品取引所法の一部を改正する法律案内閣提  出第七七号)(参議院送付)     ―――――――――――――
  2. 大西禎夫

    ○大西委員長 これより会議を開きます。  まず商品取引所法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案要綱について、政府当局より説明を聴取いたします。記内政府委員。
  3. 記内角一

    ○記内政府委員 商品取引所法の提案理由につきましては先般御説明申し上げた次第でございまして、その際もごく概略の御説明は申し上げてあるのでございますが、商品取引所法は、何と申しますか、なかなかわかりにくい法律になつておりますので、この機会に、商品取引所自体の実体、それから今回の改正につきましてのおもな要点を御説明申し上げまして、御理解に資したいと考える次第でございます。  商品取引所と申しますのは、古く明治の時代から行われておりまして、いわゆる株式取引所と並びまして、日本取引所の主要な部門を占めておつたわけでございます。商品取引所は、いわゆる特定の商品を指定しまして、それの売買の便宜をはかるということが目的でございまして、特定の商品の生産者及び販売業者その利用者が集りまして、会員組織によつて取引所を設立し、その会員もしくは仲買人によつて取引所で指定された商品を売買するということに相なつております。一般の会員もしくは仲買人以外の者でありましても、仲買人を通じまして取引所においてその商品を売買することもできるということに相なつておる次第でございます。これによりまして、本来ならば、たとえば綿糸でありますれば、綿糸の売つた買つたというものは相対売買でやるということになるのが普通でありますが、取引所に上場されておるものにつきましては、その取引所においてその売買を実施いたしまして、大勢集つて大きな取引を全部取引所において行うということによつて、その相場というものが刻々にわかるというふうな状態におきまして、一般の現物の商売につきましても、それを目安に置いて取引ができる、今の相場というものがどの程度のものであるかということを頭に置いて、それ以外のものにつきましても取引ができるというふうな一種の公の相場ができますと同時に、それを中心としまして、商売をいたします者が安心して、自分がごまかされたのではないか、あるいは高く買い過ぎやしないか、安く売り過ぎやしないかというふうなことの懸念を除くような機能を持つておるわけでございます。さらにまた商品取引所売買は即座に受渡しするものばかりではございませんで、六箇月先のものまで売買ができることが原則に相なつております。従いまして現在の売買におきまして、六箇月先の受渡しができる商品についても売買をいたしまして、その六箇月先の相場というものを予測できるような態勢に相なつております。従いましてこの長期の相場というものを利用いたしまして、その間における価格の変動、相場の変動というものを逃れることができることにも相なつております。従いまして、たとえば綿糸を買いまして、これを織物に織り上げまして販売する機屋さんが、現在の相場で糸を買いましても、それを織り上げて販売する時期はこれまた五箇月先、六箇月先になるわけですから、その際にはその五箇月先、六箇月先の相場というものはまつたく不明であります。そこで今日買つた糸がたとえば一ポンド二百円しておりましたものが、先に参りまして百五十円に下りますと、たちまち五十円の損をすることになるわけであります。ところがこの取引所を利用いたしまして、今日二百円の相場のものを買つておきまして、これを六箇月先のものとして百九十五円という相場で売つておきますと、大体現物の相場と取引所の相場とは並行しておるわけでございまして、今日予想したのが百九十五円でありましても、六箇月先には現物の相場と相なるのでありまして、百五十円ないし百四十五円というふうな相場になつておりますから、従いましてこれをそのときの相場の百五十円で買いもどしましても、ここに取引所売買におきましては五十円ないし四十五円の利益ができるわけであります。商品の現物の方におきましては五十円の損をいたしますが、取引所においては五十円の利益を得るということによつて、この機屋さんは糸の相場の点においては損益はなくなる。従いまして、あとは加工賃だけが利益を得ることに相なるわけであります。いわゆる掛けつなぎの問題でございまして、一種の保険的な作用を営んでおるわけであります。  こういうふうな仕事を商品取引所というものがいたしておるわけでありますが、こういう公の機能を持つておりますだけに、この商品取引所の仕事自体につきましては、非常に信用を重んずる仕組みになつておらなければならないのでありまして、現在の法律のもとにおきましても、商品取引所の信用を維持するために必要ないろいろの規定を置いておるわけであります。と同時に、そういうふうな作用を営む売買でありますので、いろいろな手続きにおいて相当複雑な組織なり運営なりがいたされておるわけでございまして、相当法律の上におきましても、厳密な規定が設けられておる次第でございます。御承知の通り、この商品取引所法は三年前に制定に相なつたのでございますが、当時はいわゆる占領中でございまして、いろいろその方面の指示によりまして、現在から見れば相当不適当なような規定が多分にあり、また不便なような規定も相当ございました。そこで三年間の取引所法の施行の実績にかんがみまして、この法律を改正して現在の国情に合つた、また経済事情に合つた法律にいたしたいというのが、今回の改正の根本の趣旨でございます。  改正の要点は、大体三つにわけられるかと存ずるのでありますが、第一は現行の取引所の取締りを強化するという関係でございまして、お手元に配付いたしました要綱におきまして、第一、第二の点がそれでございます。現在におきます商品取引所法の設立が、自由になつておりますのを許可制にする、また定款、業務規程の改正が自由になつておりましたのを、これを認可制にするということによつて、この監督を厳重にするというのが第一点でございます。  それからあとの相当部分、ことに要綱におきましては第三から第十一までは、取引所内におきますいろいろな手続あるいは組織等につきまして、事務を簡素化したり、あるいは便利にしたりということで、取引所を運営して参りますのに都合のいいような改正をいたした次第でございます。この点におきましては、取引所側ともいろいろ相談をいたしまして、取引所の運営のやりやすいようにみんなの意見を徴しまして、十分な検討を加えて改正し、取引所の業務のやりやすいような方向に持つて参つた次第でございます。  第三の点は、十三以下にあります点でありまして、いわゆる占領中でありましたので、いろいろ煩瑣な規定あるいは不必要な規定、道徳的な規定というふうなものが相当ございました。また今日の法制の建前から申しますと、いろいろ感心しない規定なども相当ございましたので、それらの条章を整理いたしまして、近代的な、現在行われております一般的な法律の形に改めて参るというような、単なる条文の整理の問題、この三つになるかと思うのであります。なお罰則の問題も若干ございますが、これは現在の罰則、価格の変動に応じまして罰金刑を若干引上げたという点でございます。  まず要綱の第一について御説明申し上げますと、現在の商品取引所法は、いわゆる自由設立を建前といたしておりまして、ただ政府の登録を受けなければならないということになつておりますが、最初に申し上げましたような、取引所公共的機能と性格とにかんがみまして、これが投機の市場にならないように、また健全な取引ができないというふうなおそれのないように、設立について許可制にいたしたということでございます。もちろん現在まで商品取引所は、全国では二十の取引所が設けられておりますが、大体歴史的に見まして、昔からあつたところにできたのが大部分でございます。中には必ずしもそういう歴史を持たない地帯においても、取引所ができたものも若干ございます。大体取引所としては現在で出尽しておるわけでありまして、これから出て参るものは、いろいろ問題を含んでおる取引所が多かろうと考えるわけであります。そういう意味におきましてこの許可制をしきましても、特にこれによつて不都合を生ずるというふうなこともないものと考えておる次第でございます。  要綱の第二は、定款及び業務規程――業務規程と申しますのは、取引所における売買取引に関する準則、どういう方法で売買をするかというふうなことを定めているわけでございます。また受託契約準則、一般の得意先と仲買人との売買取引に関する準則でございますが、これらの変更は、まつたく取引所の自由にまかさられておつたわけでございますが、先般来申し上げておりますような取引所公共的な性格にかんがみまして、公正な相場ができるように、また過当取引が行われないように、また受託者が安心して売買ができるようにという見地から申しますと、こういうふうにまつたく自由放任にまかされておる――当初設立の際には、いろいろ指導をいたしまして、これのある程度の監督もできるわけでありますが、爾後においてこれを変更する場合には、まつたくこれを阻止する手段もございませんので、必要最小限度の監督規定を整備いたしますために、定款の変更につきましては、全部これを認可制にいたします。業務規程の中では、特に政令で指定する重要事項の変更については、主務大臣の認可を受けるようにというふうに改める次第でございます。定款と申しますのは、いわゆる取引所憲法に類するものでありまして、そうたびたび変更するものではないと存じます。従いまして、これが変更の許可制度になりましても、重要な問題にはそう支障はないじやないかというふうに考えておりますし、業務規程については、いわゆる政令で指定するような重要事項だけを認可制にいたしたいというふうに考えているわけでございます。最初に政令で指定しよりとするものは、売買取引の種類の変更、これはいわゆる格付取引か銘柄別清算取引であるかというふうな、売買方法の変更を認可制にいたしたい。また売買取引の期限の変更、すなわち原則としては六箇月までの先物を売買できることに相なつておりますが、場合によりその取引所の商品あるいは種類、数量等のいかん、また過当取引のおそれがあるというふうにつきましては、その期限を若干短縮して、あまり長期のものを売買させるのはおもしろくないという場合もあるわけであります。従いまして、そういう意味において売買取引の期限の変更を認可制度にしたい。また現物を受渡すこともできるのでありますが、その受渡し場所を設置する地域を変更するという場合に、認可制度にしたいということでございます。  要綱の第三以下は、先ほど申し上げましたように、取引所内部でのいろいろな組織、あるいは運営の方法についての、取引所の便宜をはかつた規定でございます。現行法では会員、仲買人は一定金額以上の純資産を持つておらなければ、会員、仲買人になることができないということになつておりますが、この場合におきまして、最低純資産額は、いわゆる会員、仲買人となつて売買する際の取引の信用を測定する基準となつておつたのでございますけれども、さらにこれを取引の担保として活用したいという意味合いを考えまして、同じ取引所の会員でありまして、たとえば綿糸と毛糸がありました場合に、二つ以上の商品を取扱つたり、あるいは東京と大阪の両方の取引所に関係するというような場合におきましては、その最低純資産額を一般の会員よりは引上げる。それによつて両方で問題が起きた際に担保に引当てることができるようにというふうに、定款で定めることができるようにいたしたいというのが改正点であります。  要綱の第四にありますのは、会員が死亡いたしました際に、その相続人がはたして死亡した会員の権利義務を受継ぐのかどうかが、現在の相続法のもとにおきましては、不明確でございます。そこでこの相続によつて権利義務を受継いだ場合におきましては、当然死亡した会員の権利義務を承継するということにいたした次第でございます。  第五の点は、会員が脱退する場合に、従来六十日以上の予告期間を置かなければならないということになつておりましたが、今度は三十日に短縮してさしつかえないということで、これを三十日に改めようといたしました。  第六においては、現行法では脱退した場合の仲買人は、その売買の取引が残つておりましても、自分で始末ができないのでございますが、これは委託者の面から見ますと、非常に不便でございます。従つて脱退した仲買人でも、なお未決済の売買取引があります際には、その分を処理する範囲内では、従来通り仲買人としての仕事ができるということにいたした次第でございます。  次に第七では、会員の信認金、いわゆる一種の保証金でございますが、会員の信認金、仲買保証金及び売買証拠金といたしましては、原則は現金を取引所供託することになるわけでありますけれども、そのほかに有価証券をこれに提供してもさしつかえないということになつておりまして、国債、地方債、証券取引所に上場されている社債または株券のうちで主務大臣承認を受けて指定したものは、従来これに充でることができることになつておりました。しかしこれでは範囲が狭いので、さらにこれを拡張いたしまして、特別の法律によつて法人の発行する債券、たとえば割引興業債券、割引農業債権、商工中金債権というような債券、あるいはまた政令で定めます、たとえば銀行法に基づく銀行の株券は、商品取引所に上場されておりませんでも、信用力も相当ありますので、有価証券として供託できるというふうにいたして、範囲を拡大しようという趣旨でございます。  第八は、売買証拠金につきましては、従来から倉荷証券の代用が認められておりましたが、その範囲を拡大いたしまして、たとえば綿糸と毛糸が上場されております場合に、綿糸の倉荷証券ばかりでなくて、毛糸の倉荷証券も綿糸の際の売買証拠金にすることができるというふうにいたしたいという考えであります。  第九は、現行法では議決権の代理行使をすることができる者は、会員に限られておつて、会員の代理、親戚、あるいは法人でありました場合には特定の者以外は、代理議決ができなかつたわけでありますが、今度はその代理議決を書面もしくは代理人によつて拡張してもさしつかえないということにいたして、簡便にいたした次第であります。  第十は、現行法では商品市場、たとえば綿糸市場において売買取引ができる者は、通産省あるいは農林省に備えつけてあります登録簿に登録してある者でなければならないということになつておりましたが、今回は登録制度が全部廃止になりまして、簡素化いたしましたのに応じまして、会員であればだれでも売買できるというふうにいたした次第であります。  第十一は、仲買人が一般の顧客から委託手数料委託証拠金を取立てますのは売買取引の委託の際ということになつておりますが、委託の後であつても、決済が済んでからでもこれは取立ててさしつかえないということにいたした規定でございます。  第十二は、先ほど申し上げましたように、罰則について金高を引上げるというふうにいたしまして、証券取引所法との権衡をとつた次第でございます。  第十三は、先ほど申しました条文の整理の問題。  第十四は、いわゆる附則におきまして現在設立されております二十の商品取引所は、この改正法律になりまして許可制を実施いたしました際におきまして、当然許可を受けなくても商品取引所としての機能を持つ、認可を受けたものと同一の扱いをするという経過規定となつておる次第であります。  この法律はここまで提案するに至りますまでには、各取引所ともよく相談をいたしまして、その連絡を緊密にいたしまして研究いたしました結果、こういうふうに提案した次第でございますが、なおこれと相似た法律といたしましては、御承知の、大蔵省の所管になつております証券取引所法がございますが、これにつきましては昨年の春の国会におきまして、すでにほぼこれと似たような制度におきまして改正が行われております。あるいは監査規定等におきましてもこれよりも厳重になつておる面があろうかと思うのであります。業界の取引所と一般大衆の取引所との間に若干の違いもあろうかと思うのでありますが、証券取引所法ほどの厳重な監督をいたしておりませんけれども、まずまずこの程度の監督であれば十分その適正を期せられるのじやないかというふうに考えておる次第でございます。  以上、いささか内容を御説明申し上げた次第であります。
  4. 大西禎夫

    ○大西委員長 以上で政府当局よりの説明は終りました。  何か質疑はございませんかり
  5. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 商品取引所の使命というものは非常に大きな役割を果すことは、局長みずから御承知だと思うのでございまして、ここにおいていたずらなる取引、から売り等が行われて参りますために、一般の経済界にどんな影響を及ぼすかということは、これ は火を見るよりも明らかな事実でなければなりません。こういうような点から考えまして、証券取引所法よりも緩和されてあるけれども、監督の云々によつてはというような御説明等もございますが、しかし私は証券取引所よりももつと大きな役割を果す部面があると思うのでございまして、従いまして以下二、三につきまして御質問を申し上げてみたいと思うのでございます。  まず今まで何ゆえに届出制度にしておいたかという理由。理由はここにも掲げてあるようでございますが、そういう面につきまして、どういうような面が現われて、それが感心できないというところにお気づきになつたと思うのでございますが、それらの事由があると思うのでございます。その事由をまず明らかにしていただかなければならないと思う。  それから商品取引所が全国に二十箇所ということになりますと、戦前に比較をしてどのくらい差があるかということ、この二点についてお伺いをいたします。
  6. 記内角一

    ○記内政府委員 まず第二点の戦前との比較でございますが、戦前は米穀取引所がほとんど各府県にできておりまして、従いまして数におきましては百を越しておつたかと存じております。現在におきましては御承知の通り米穀は配給制度になつておりまして、従いまして米穀取引所は現在一つもございません。その関係で、数としましては非常に減つておる。しかし地方におきましては、昔ありました品種について現在のところ大体復活したというふうに考えてよろしいのではないかというふうに思つております。  それから第一点の、なぜ監督をいたさなかつたかという点でございますが、これは御承知の通りこういう経済自由の原則というふうなことを占領軍の方から強く叫ばれまして、またその当時の空気といたしましてもそういう大勢でございまして、これをいわゆる自由設立、それに対する監督をいたすという意味において登録制ということにいたしたのでございます。しかしながら先ほど来申し上げましたように、その業務のやり方等は、定款、あるいは業務規程等におきまして自由に変更ができることに相なつておるのでございますが、これに対する監督はあと取消し処分かあるのみでありますので、これでは事後に監督するということになりまして、事前に弊害を察知して取締つて参るということができがたいのでございます。従いましてこの定款、業務規程の認可制度を十分に監督して参る必要があるということで、この定款、業務規程の認可制度は絶対に必要であろうというふうに考えた次第でございます。  さて設立を自由にしてあと、定款、業務規程の認可制度というふうなこともいかがかということになつて参りますと、先ほど申し上げましたように、これから設立される取引所もそう多くは期待できませんので、設立自体も許可制度にいたしたらどうかということに相なつたわけであります。  なお現実といたしましても、われわれとしては必ずしも適当でないというふうな議論のあつた取引所も、現在の法律のもとにおきましてはこれを登録せざるを得ないというふうなものもございまして、そういう経験にかんがみまして、やはりそういう意味合いからもこの取引所設立自体につきまして自由にすることはおもしろくない、むしろ監督を厳重にいたしまして一般的に信用を博するような建前にして参ることが、かえつて信用を博し、また一般の関係業者がこの取引所を利用することになり、安心した取引ができるような態勢になつて来るというふうに考えておる次第でございます。
  7. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 今取引所設立の登録申請書が何件くらいたまつておるかという点。  それから倉荷証券の権利が拡大されたという御説明がございますが、倉荷証券のどの点が従前とかわつておるかという点をもう少し明らかにお話願いたい。  もう一点は出資金の問題でありますが、この取引所の資本構成は、大体どのくらいのものが最高で、どれくらいが最低であるかということ、この三点をお伺いいたします。
  8. 記内角一

    ○記内政府委員 現在設立認可の登録を申請して来ておるものはございません。従いまして未決になつておる件数はございません。  それから倉荷証券の問題でございますが、先ほどちよつと説明が簡略に過ぎたかと思いますが、現在の倉荷証券はその取引所売買された商品についての倉荷証券であればよろしい。たとえば綿糸の取引所におきましては綿糸の倉荷証券であれば、どの綿糸であつてもさしつかえない。もちろんその保管する倉庫取引所で指定いたしておりますが、信用のある倉庫に保管してある倉荷証券であればよろしいということになつておりましたが、同じ取引所で――たとえば東京取引所におきましては綿糸と人絹と毛糸を上場いたしておりますが、その場合におきまして、綿糸だけの倉荷証券でなくても、綿糸の売買証拠金としまして人絹の倉荷証券、毛糸の倉荷証券で代用してもさしつかえないというふうに範囲を拡張いたしました。ただし従来は綿糸であれば二〇の上場、いわゆる二十番手の綿糸が上場されておるわけでありまして、今までは綿糸の倉荷証券であれば、その保管されておる品物が三十番手であつても五十番手であつてもさしつかえないということにたつておりましたが、取引所に上場されますのは二十番手でございますので、今後売買証拠金とし代用できる倉荷証券は、取引所の上場物件になつております二十番手に限るというふうにして、その取引所においてすぐ売買ができるような態勢のものに限定いたしまして、証拠金としての安全性を確保したという点でございます。  なお出資金につきましては、一番大きいのは大阪の三品取引所でありまして、これは一億二千万円、一番小さいのは愛知県蒲郡にあります蒲郡商品取引所の九百万円ということになつております。
  9. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 新しく商品取引所法の修正を行うわけですが、これに対して最低は幾らとか最高は幾らとか、最低の資本構成額がはつきりと現われていなければならないと思う。この点についてはどういうふうな考え方を持つておられるか、それをまず伺つてみなければなりません。  さらにまたただいま倉荷証券の中で、たとえば綿糸なら綿糸の売買の際に、その代替として人絹の倉荷証券でもよろしいということですが、そういうことでさしつかえないということになると、私はそこに疑問があるのです。綿糸の場合は綿糸でなければならない、人絹の場合は人絹でなければならない、代替はならないというように私は考えるのですが、そういう点について今の局長の御説明ではさしつかえないとしておるのですが、さしつかえないという理由をもう少し聞かしてもらわなければならない。  それから倉荷証券の点について信用のある倉庫という言葉があつたのですが、倉荷証券というものを認められている以上は、信用云々というものは同一でなければなりません。こういう点について倉荷証券を出せる、つまり運輸省が指定したものの中に、そういうふうな信用のできないとか、できるとかいうようなものが今日まであつたやいなやも伺つておきます。
  10. 記内角一

    ○記内政府委員 出資の最低限度の問題でございますが、これは会員組織取引所になつておりまして、同時に出資だけが保証金になるのではございませんで、さらに会員としての信認金、それから仲買人としての保証金がさらにこれに加えられます。その上に売買証拠金というものが売買の都度必ず提出されることになつております。従いましてこれを転用いたしますれば、大体心配なく取引の決済に充てることができるものと考えられますので、取引所のどれたけが最低限度であいうことは、必ずしも必要ではないと思います。従いましてその事情に応じましてこれを決定するということにいたしまして、最低限度の規定は入れないで運用にまかせたいというふうに考えておる次第であります。  それから倉荷証券の転用の問題でございますが、これはもちろん取引の決済としての受渡しの問題といたしまして、綿糸の売買の際には綿糸を受渡すことは当然でございます。しかし綿糸を、もしいわゆる証拠金といたしまして提出する場合には、綿糸でなくてむしろ現金で提供するのが建前でございますが、それを必ずしも現金でなくても現金化し得る商品であればさしつかえない。そこで綿糸の売買におきましても、人絹のものを保証金として出すことはさしつかえない。しかしその人絹は即座にその取引所において売買できる人絹でなければならないということでございます。従いまして現物の受渡しとなりますれば、綿糸につきましては綿糸を当然受渡さなければならぬのですが、差金で決済するということになりますれば、これはすぐ金銭で受渡しのできる態勢に置いておけばさしつかえないということで、必ずしも綿糸でなくても、ほかの人絹あるいは毛糸のその取引所で上場されておる品物であれば、これはすぐ売場できますので、これをもつて証拠金にかえることができるというふうにいたしてある次第でございます。なお倉荷証券は信用できるものじやないかということでございますが、しかし中には必ずしもそういうふうにも思われませんで、これは各取引所が自分の自治で綿糸の倉庫というものはきまつておりますので、それの指定にまかせておくということにいたしておる次第であります
  11. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そうしますと出資金一口以上ならば取引所員となることができるのである。そこで先物を六箇月とする、こういうことになつて、現物と先物の供託をする証拠金というものはどのくらいのものを今とつておるか、これをお伺いいたします。
  12. 記内角一

    ○記内政府委員 売買証拠金は大体一割を原則にいたしておりますが、これはそのときの商況、あるいは過当取引かどうかということの判定によりまして、これを二割に引上げたり、三割に引上げたり、場合によりましては全額の証拠金を納めなければ取引ができない。いわゆる一部の頭金だけで売買するというふうなことのないようなことも、非常に過当取引が盛んに行われるおそれのある場合にはいたす建前になつておりますが、原則は一割を原則にいたしております。
  13. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 そういたしますと、今度の法案の中には、証拠金は一割でいいとかあるいは二割でなければならないというふうなことはこの中にうたつてないようにも思う。今ぱらつと見たからわからないけれども、大体一割程度の証拠金を供託しただけの先物の取引ということは、非常な危険があると思うのですが、そういう点について先物と現物というものの差がなければならないのじやないかとしろうと考えで思うのだが、そういう点について局長は六箇月先のものに対して一割の証拠金で、これの運営が満足にできるというお考えがございましようか。
  14. 記内角一

    ○記内政府委員 通常の取引でありますれば、先物におきましてもそう大きな現物と開きがないのが普通でございますが、取引が非常に盛んになつて、そこに大きな開きができて来るというふうなことになりますれば、自然証拠金を引上げるということの操作によりまして、この取引を安全化して参りたいというふうに考えて、また現実にもそういうふうな動きを示しておるわけでございます。なおそのほかにも会員新入金、これは大体一人当り三十万円くらいの一種の供託金でございます。それから仲買人につきましては一事務所百万円ということで供託をさせております。従つてもし万一証拠金で補いがつかないというふうな場合におきましては、これをもつて代替させるというふうにいたしておる次第であります。
  15. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 どうも私は非常な危険を伴うものだと考えるが、それで今日までやつて何ら支障がなかつたとするならばいいのだが、たとえば人絹一本の問題を見ましても、先物が本年の一月が二百六十何円から二百七十円代、現物は三月のうちに二百三十円に落ちておる。そうするとすでに一割以上値が下つておるということになつている。そうすると一割の証拠金ということになると非常な危険がそこに伴いはしないか、こういう危惧の念を持つものでございます。  さらに取引所手数料ですが、全国二十箇所あるとするならば、一定の金額だと思うのですが、幾らくらいのものを規定しておりますか。
  16. 記内角一

    ○記内政府委員 ごもつともでございますが、実際の商いといたしましては、さらに毎日の相場の変動によりまして、いわゆる値洗い金と称しまして、売買した差額は損をいたしますればこれを納めさせる、もうかればこれを返して行くということによつて、毎日の相場の変動は大体一割以内を限度にいたしておりますので、そう支障のないように毎日これを清算しております。  なお手数料の点でございますが、大体一万分の二・五というのを基準にして手数料をとつて取引所の諸経費に充てておるわけであります。なおそういう証拠金のほかに、違約損失補償準備金というのを各会員の手数料に附加しまして積み立てさせておりまして、これが現在におきまして相当の金高になつております。これをまた取引の安全性の担保に供しておるということでございます。取引所で万一違約が生じましても、その支払いに支障が起らないような万全の手配をいたしておる次第であります。
  17. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 私が憂えるのは、すなわち緊縮予算あるいは金融引締め、外貨の割当等のデフレ政策における商品取引所の受ける影響、それから取引所機構の今後の見通しというようなものがなければならないと思う。そういうような点から関連しておるのですが、申し上げましたように、そうなつて来るとこのデフレーシヨン政策下における取引所の影響、今後の見通しというものを局長はどういうふうに考えておるか、それを伺つてみましよう。
  18. 記内角一

    ○記内政府委員 御承知のように、取引所によつて相場がつくられるとも申しますが、同時にこれはまた各現物の売買取引を一箇所に集めて現わしたものでありまして、いわば一種の鏡のようなものでございます。従いまして取引所が相場をあおるから現物があおられるというのではなくて、現物の商売ができるから、それに応じた取引が取引所に現われて来るという相互関係を持つておるものというふうにわれわれは解釈しておる次第であります。従いましてデフレ下におきまして一般の人気が衰えまして、売買の相場が下まわつて参りますれば、自然取引所における相場も下向いて参る。これが逆に、たとえば輸入為替の減少というふうなことを頭に置きまして、相場が強気になつて参りますれば、自然取引所における相場もこれを反映して参るという経済の実態が取引所に現われるというふうに考えておる次第でございます。もちろん中には取引所を利用いたしまして、いわゆる買占め、あるいは売り浴びせ、売りくずしというようなおそれもないわけではございませんが、そういう際におきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる売買証拠金の引上げによりまして、現金を持たなければ取引ができないというふうな体制に持つて参ることができるわけでございます。また毎日相場が変動いたしますに応じまして、もし損失があれば、これをどんどん払い込んで参らなければならぬという制度になつております。しかもその払込みは、大体取引の相場の変動は、上下一割を限度にいたしております。従つて一割の証拠金がありますれば、一割の値上り、値下りがありますと、証拠金は別にいたしまして、さらに一割を上下した分だけは払い込んで参らなければならぬということによつて、この損失をカバーして参るというふうに相なつておる次第であります。
  19. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 御承知のように、自由主義経済機構というものが逐次統制的な色彩を帯びて来ているということは、私が申し上げるまでもないのでございまして、そうなつて来ますると、この種のものの将来の運命というものはどういうようにたどつて行かなければならないかということも、一応考えがあると思うのでございまして、その点に対する見通しをお聞きしたい。  もう一つ、外貨予算の節減に伴いまするところの商品またはその商品の原料を輸人に仰ぐ海品市場への影響という点も同時に考えて行かなければならないと思うのですが、この二点について……。特にあとの二の方でどういうふうな指導方針をもつて今後進めて行く考えであるかということを明らかにしておいていただかなければならないと思うのであります。その指導方針をはつきりとお聞かせいただきたいのであります。
  20. 記内角一

    ○記内政府委員 万一統制経済が進んで参つて、売買自由にならないということになりますると、過去の例に徴しましても、この取引所の機能というものはなくなつて参るわけでございまして、たとえば従来長い歴史を持つておりました米穀の取引所は、現在一つもございません。設立されておらないのであります。また戦争中におきまして、綿糸が自由売買されることが禁止されたということに相なりますると、長い歴史を持つておりました繊維取引所というものも閉鎖に相なつた次第であります。終戦後におきましても、統制経済下におきましては、この商品取引所の開設はなかつたわけでございますが、漸次統制が解除になるに応じまして、この取引所も復活して参るというふうになつたわけでございます。また最近の例におきましては、たとえば生糸の相場が非常に高騰いたしまして、最高価格を上まわるというふうな動きをいたした際におきましては、横浜の生糸取引所、神戸の生糸取引所におきましては売買停止いたし、すべて最高価格でなければ、いわゆる禁止価格でなければ売買できないという体制になりましたので、その機能を失つてしまつたということに相なつたわけでございます。従いまして取引所におけるそういう売買は、取引所自体が自由に操作できるものではございません。経済の実態に応じて取引所の機能というものが動いて参るというふうになつておるわけでございます。今後外貨予算等の関係によりまして、この取引所の使命がどうなるか、またどういうふうに動いて参るかという問題でございまするが、先ほど来申し上げておりますように、取引所は商品の売買の実態をここに反映するものでございまして、外国為替等によりまして統制がきつくなつて、売買自由にできないということになれば、自由取引を原則とする商品取引所における売買というものは停止せざるを得ないでありましようし、またもし万一、自由取引ではありまするが、非常に輸入が減少いたしました結果相場が暴騰する、また一部においてこれを買占めの具に供するというふうなことに相なりますれば、先ほど来申し上げておりますような売買証拠金の引上げ――そういう場合は現金をもつてこれを買い占めるということは割合少いのでありまして、いわゆる頭金によつてこれを操作するということが通常でございますので、頭金ではできないように、現物を買い取ると同じ現金を持たなければやれないような仕組にいたしまして、証拠金を引上げて参るということもいたしまるし、また先物取引を押えて、いわゆる現物取引に圧縮して参ることも考えなければならないというふうなことも予想いたすわけでございます。しかし外貨予算のさしあたつての問題といたしましては、そういうことは現在においては心配をいたしておらないような状態でございます。
  21. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 昨年の人絹糸の暴騰等に関連して申し上げますならば、三品市場へ五千万円も持つて行きさえすれば、何億という収益があつて、厖大なもうけをしている人間がたくさんあつたといことは、あなたも御承知かと思うのでございまして、そういう点から先ほど私が憂える点を申し上げたのです。すなわち頭金が一割程度だということになると、五千万円も持つて行くと、日本中の人絹糸がまたたく間に大暴騰して行くという姿が出て、それがために昨年七月以降の日本輸出貿易がどのくらいドロツプしたかということを、あなたは御承知か御承知でないかは知りませんけれども、それがために国民に与えた影響、経済界に及ぼす悪影響が莫大なものであつたということは知つてもらわなければならないのでございます。こういう点について、いたずらに頭金が一割程度で取引きができて、現金を五千万円持つて行けば何億もの金がもうかるというようなあり方を認めておくというわけには行かぬじやないか、私はこういうふうにも考えるのでございます。従いましてこの点については次回にゆつくり御説明を伺います。  なお業務規程に規定するべき事項のうらに、認可事項として政令で指定しようと考えているということですが、どういうようなものを政令で指定しようとするか、その具体的な説明をお聞きしておきたいと思うのでございます。
  22. 記内角一

    ○記内政府委員 売買証拠金の問題につきましては、そういう際におきましては、たしか一割から二割ないし二割五分程度まであの当時引上げて参つたと記憶いたしております。  なお政令で指定する業務規程のうちの重要な事項といたしましては、先ほど申し上げました売買取引の種類の変更としまして、銘柄別清算取引か格付取引かというふうなものをどちらにするかという変更の問題、それから売買取引の期限の変更の問題、それから現物の受渡し場所を設置する地域の変更の問題、大体この三点を予定いたしておる次第でございます。なお事情によりましては、政令でもつてこれを追加して、監督の適正を期して参りたいというふうに考えております。
  23. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 商品の受渡し場所ということなんですが、そうなつて来ると商品の受渡し場所は、たとえば東京なら東京で取引があつたという場合、その指定された倉庫というものがどのくらい距離を隔てて指定しているかということ、従つてたとえばその指定した東京なら東京で受渡すべきものが、東京倉庫になくて山梨なら山梨倉庫にあるという場合に、その運賃はどちらが支弁をすることになつておりますか。
  24. 記内角一

    ○記内政府委員 大体取引の経済範囲内の地域を指定することになつております。従いまして指定地以外にあります場合には、その運賃は売渡人が負担する、この指定地域内まで持つて来なければならないということになつております。もしそれで自分が運賃を負担するのがいやだということになりますれば、その現物を引渡さないで取引所において売りもどしをし、転売をいたしますと、その商品を引渡す義務は免れるわけでございます。従いましてその当人としては、運賃がよけいにかさむ場合には、必ずしも現物を引渡さないで転売して自分の責任を免れることができることに相なつております。
  25. 長谷川四郎

    ○長谷川(四)委員 本日はこの程度にしておきまして次会に譲ることにいたします。
  26. 大西禎夫

    ○大西委員長 次会は明後十六日午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十二分散会