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1954-04-30 第19回国会 衆議院 行政監察特別委員会 20号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月三十日(金曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 塚原 俊郎君    理事 世耕 弘一君 理事 高木 松吉君    理事 田渕 光一君 理事 長谷川 峻君    理事 中野 四郎君 理事 山田 長司君       天野 公義君    鍛冶 良作君       瀬戸山三男君    高橋 英吉君       原田  憲君    山中 貞則君  委員外の出席者         証     人 案田 八郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  調査経過報告書に関する件  国有財産管理処分に関する件  (物納国有財産払下げ関係事件)     ―――――――――――――
  2. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 これより会議を開きます。  前会に引続き国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払工げ関係事件)について調査を進めます。ただちに証人より証言を求めることにいたします。  ただいまお見えになつておられる方は案田八郎さんですね。
  3. 案田八郎

    ○案田証人 さようでございます。
  4. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 あらかじめ文書をもつて御承知の通り、正式に証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御了承ください。  これより国有財産管理処分に関する件(物納国有財産払下げ関係事件)について証言を求めることになりますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第三百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならないことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祭祀の職にある者またはこれらの職にあつた者が、その職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では、法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人案田八郎君朗読〕    宣誓書  良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、また何事もつけ加えないことを誓います。
  5. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕
  6. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします。なお、こちらから質問をしておるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。まず委員長から概括的に証言を求め、次いで各委員から証言を求めることになりますから、御了承ください。  案田君の略歴について簡単にお述べ願います。
  7. 案田八郎

    ○案田証人 大正九年に早稲田大学の英法科を卒業いたしました。それから二年ばかり学校におりまして、大正十二年のたしか六月一日と記憶いたしますが、弁護士の登録をいたしまして、今日に及んでおります。以上でございます。
  8. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 現在議員さんか何かやつておられますか。
  9. 案田八郎

    ○案田証人 現在は東京都議会議員をやつております。
  10. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 どこの区からですか。
  11. 案田八郎

    ○案田証人 新宿区です。
  12. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 案田君が買い受けた物納国有地の所在地、坪数、価格、借地権の有無についてお述べ願います。書類等おありになりましたら、どうぞお読みになつてけつこうです。
  13. 案田八郎

    ○案田証人 場所は、現在私の住んでおります新宿区四谷一丁目十七番地の六であります。坪数は、帳簿面におきましては、百十一坪四合七勺、若干の伸びがあります。それから価格は、坪当り千五百円でありますから、十六万七千二百五円です。  それから、借地権の有無という御質問でありますが、それは私が買い取るまで借地権があつたという意味でありましようか。それとも、現在借地権があるという意味でありましようか。
  14. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 お買いになるまでです。
  15. 案田八郎

    ○案田証人 日にちは若干間違いがあるかもしれませんが、大正十四、五年ごろから私が借地権を持つております。
  16. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 案田君が買受けの交渉を受けてから契約締結するまでの事情を、できたら詳しく御説明願いたいと思います。
  17. 案田八郎

    ○案田証人 これは、戦災で、その地上に立つておりました私の家屋が全部焼けまして、バラックに住んでおりました。たしか昭和二十五年の春ごろだと記憶いたしますが、新宿二丁目でしたか三丁目に新郊土地建物株式会社というのがありまして、そこの会社員というのが参りまして、そうして、この土地は物納になつておるのだ、従つてあなたの方でお買取りになる意思があるかないかというような話が初めあつたわけであります。ところが、当時私ども焼けてまだ復興いたしておりませんし、地所はほしいのだが、金がない。そこで、いずれ考慮するということでありましたが、そのうちに再三お見えになりまして、もしあなたが必要でないというならば、この地所はよそへ売るのだから、ぜひ買へというような話でありました。そこで、私は、よそへ売られては困りますから、それでは買いたいが、しかし一時に金を払うのでは困るからという話をしましたところが、当時は分割払いという制度がなかつたそうでありまして、とにかく一時に払うということにしておいて、そうして扱いの上で何とかしてやろうじやないかというお話であつたのです。そこで、そうしていただくなら非常にありがたいからというので、それで買うことにいたしまして、その年の十月ごろと思いますが、売つてもらうことにしたわけであります。そうして、この価格等につきましては、大体表の方は道路になつておりますから坪二千円くらいだろう、裏の方は、――ちようど裏には通り道がございませんで、間口の狭い五間ばかりのところで、奥行がずつと広い。裏に通り道がない、袋小路みたいになつておりますから、裏の方は千円くらいだということで、結局千五百円という値段が出たわけであります。そこで、当初幾ら払つたらいいかという話をしましたところが、五万円払つてもらえばいいのだ、あとの方はこちらで話をするのだということで、それで五万円払つて、そこで話がまとまつた、こういうことであります。
  18. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 土地の代金はどこに支払われましたか。
  19. 案田八郎

    ○案田証人 これは第一回目は新郊土地建物株式会社に払いました。その後は、金の済むまでは、関東財務局の大久保出張所で、ございましたか、そこへ払いました。
  20. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 その代金は納入告知書によつて歳入金取扱い機関、たとえば日銀の代理店などに払込みになつているのじやないですか。
  21. 案田八郎

    ○案田証人 これは、その当時規則はそういうことになつておりますから、そういうのがほんとうだと思うのですが、一番最初、自分の会社で委託を受けて、そうしたことまで扱つておるのだから、そこへ金を納めてくれれば、令書を財務局の方から受取つて自分の方で書き込んで、自分の方で払い込んでおくから、自分の方で預かつておこう、こういうわけです。
  22. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 それは新郊土地がですね。
  23. 案田八郎

    ○案田証人 さようでございます。あとの方は全部令書によつて払いました。
  24. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 その土地は現在未登記になつているというふうに聞いておりますが、そうですが。
  25. 案田八郎

    ○案田証人 はあ、未登記になつております。
  26. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 どういうわけですか。
  27. 案田八郎

    ○案田証人 それはこういうことでございます。私が一番最後に払い込みましたのが昭和二十七年の十月二十四日になつております。十月二十四日に払いまして、そうして、この代金のほかに、手数料――額は忘れましたが、手数料としてやはり財務局の大久保出張所に払つたのですが、そのときに、登記はどうなるのでしようか、いつごろやつていただけるでしようかということを聞さましたところが、これは当時の課長さんでしたが、その登記は、従来物納してから後に今日まであなたが使つておる使用料というものを支払つてもらつてから後に登記するのだ、こういうお話だつたのです。そこで、じやあいつごろその使用料というものを払えばいいのだろうかという質問をいたしましたところが、それは一応局で計算をしてあなたの方へ御通知申し上げる、同時にその令書を出すから、それによつて払い込んでもらえばいいのだ、そうして払い込んだ後にそれを持つて来てくれれば、当然預かり証を出す、こういうことでございました。ところが、一週間たちましても十日たちましてもその令書なるものが参りませんので、あらためてさらに出張所へ行きまして、使用料はどうなつたろうかということを聞いたわけです。ところが、そのときに、課長さんが書類を繰つておられましたが、一体これは全部あなたの方で財務局の方へ直接払つたのだろうかというわけだつたのです。そこで、いや実は私の方は一番最初の五万円というものは新郊土地にお払いしたという御返事を申し上げたのです。ところが、それではちよつと簡単に行かないから、向うの係へ行つてくれというので、何係というのですか、課長さんの隣にいる係長さんのところへ参りまして承つてみますと、そのとき初めてわかつたのですが、その五万円という金は新郊土地から自分の方へ入つて来ていない、従つて今すぐにそれを計算したりあるいは登記することができないのだというお話だつたのです。その後私は、家を建てるにつきましてどうしても地所の権利書がいるものですから、再三交渉に行つたのですが、結局その年の十二月、ころでございましたか、来年の三月までにはこれをきれいに片ずける――ということは、新郊土地へ財務局の方から手数料か何か払うものがあるらしいので、それをその使い込みの代金の一部としてだんだんと充当して行く、従つてそれが充当して五万円出したときに代金が大蔵省へ入つたことになるのだから、それで登記する、こういうような話だつたのです。ところが、三月になつて行つてみましても、そのうちで一万何がしか入つておりまして、私の方は三万幾らというものがまだ未払いになつている、こういうようなことで、今日まで登記してもらえないのだ、こういうことでございます。
  28. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 業者が代金を使い込んだために国庫に納入が遅れた場合には、使用料は遅れた期間に対するだけよけいに支払わねばならないはずでありますが、案田君の場合にはどうなつておりますか。
  29. 案田八郎

    ○案田証人 私は、まだこれは計算してもらえませんが、そのときに使用料の点にも当然触れたわけです。ところが、あなたの方は登記は遅れても別に問題じやないのじやないか、とにかく代金を払つてしまつたのだし、よそから何と言われる心配もないし、かつまた事実登記は一つの手続上の問題なんだから、使用料は別にどうということはないじやないかというような説明でもあつたのです。私自身の考えといたしましても、とにかく国の財産に関しては、私の方ではすでに完納になつているのですから、こちらで請求したときには国家としても当然登記すべき義務があるのですから、従つて、その義務に違反している場合に、私の方はその後の賃料を支払わなければならぬという筋ではなかろうと思つております。現在でも私は、二十七年の十月二十四日以降の使用料は払う必要はない
  30. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 案田君が今後登記する場合には、登記料は昨年七月からの値上りして登記料を納めなければならないわけですが、これについてはどういうふうにお考えになつておりますか。
  31. 案田八郎

    ○案田証人 これは、今申し上げましたのと同じ理由で、実際今私はそこまではがんばらないつもりでおりますけれども、いろいろ理論的に言われるならば御説明申し上げたいのでありますが、ただいま申し上げましたような理由で、向うが当然やるべきことをやらないでおつて、それによつて私がかりに高い登記料を払わなければならないようなことになりますれば、それは向うが義務を違反することによつてこちらが損害をこうむるわけですから――どうしてもそれでなければ登記してくれないという登記所の行き方でありまするならば、これは払わなければならないかもしれませんが、同時にまた、損害の賠償を請求すべき筋のものだ、こういうふうに考えております。
  32. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 あなたは昨年の暮れ新宿の出張所に呼出しを受けておりますね。そのときの事情を御説明願いたいのですが……。
  33. 案田八郎

    ○案田証人 御説明申し上げます。これは、昨年の十一月の末でございましたか、はがきで代金のうちの三万幾らというものは未払いになつている、従つてその月の、つまり十一月の二十八日までに支払わなければ契約解除するという通知があつたのです。私にいたしてみますれば、私はすでに完納もいたしておりますし、同時にまた、その後いろいろの関係からちやんと証明書までとつているのです。従いまして、そういう請求をされるべき筋のものでもございませんから、電話をかけまして、こういう督促状をちようだいしたが、私としてはすでに完納済みのものでもあるし、またあなたの方でも十分お認めになつていらつしやることだから、よく御調査を願いたいと、礼儀を正して言葉を穏やかに御説明申し上げたのです。そうしたら、よくわかりましたからということで電話が切れたのであります。ところが、その翌月の十五日にさらにペンで書いたはがきをよこされまして、あなたのところに督促状を上げたけれども返事もよこさないが、それは一体どういうわけか、あなた自身の理由によつて未納だということになれば、これは自分の方もそのままほうつておくわけに行かないからということでした。いわば契約解除をするぞということなんです。同時に、私のところへ、やはり私の町内から四、五軒の人が参りまして、そして自分たちはみんな完納しているにかかわらず、こういう不都合なはがきをよこされたというようなことでもつて、実は相談に参りました。そこで、私は、そのままほうておいては善良な人間が非常に迷惑をする、こういうことから、かつまた、私のうちでも、私自身に対して非常な不審を持つたわけであります。そういう督促を受けるということになりますと、私自身がその土地代金を払つたということを言つているにかかわらず、何べんも督促が来るということから、新宿出張所へ参りました。そして、今度かわつて参りました課長さんにお目にかかりまして、そして、これはどういう気持でお書きになつたか、私は礼を厚うして連絡して、事の事情を述べて、そしてあなたの方のお間違いであるということを話しているにかかわらず、さらにこういう、しかも今度は肉筆のはがきでおよこしになつている、どなたがお書きになつたのですか、こう言うたわけです。ところが、課長のいわく、それは私が書いた――。どういうわけでお書きになつたのか、もしあなたの方で契約解除なさるというならしてごらんなさい、大体私だけでなく、私のところに来ているだけでも五軒ある、しかもあなたの方と委託会社との内部関係じやないか、にもかかわらず、すぐ契約解除というおどかしを持つて来る、大体あなたは帳簿をごらんになつたことがあるのですかと言うたところが、私は帳簿をまだ見ない――。帳簿を見ないでこういうものを出して来るというのはおかしいじやないか、――ちようどたまたまあの出張所では全部人がかわりまして、残つているのはただ一人当時の係長が残つているだけであります。そして私は、その係長さんがいらつしやるから、よく当時のことをひとつお聞きになつて、そうして帳面を調べてごらんなさいと言つたわけです。ところが、係長さんは、そのことはよくわかつているということで、そこで帳面を課長のところに持つて行つて見せますと、ちやんと筋がついているわけであります。そこで、申訳ないことですというわけなんです。そのうちにまた上りますからというようなことを言つておりましたが、しかし、それはそういうことであつたのであります。依然として内部の方の関係が結論が出ないものですから、そこで、いまだに登記をしていただけないわけです。こういう事情です。
  34. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 今お話の中でも、うちから疑われたとか、五、六軒知つているということをおつしやいましたが、代金を払つたにかかわらず登記ができないでいる人が相当あるとわれわれも考えておりますが、そういつた事例はたくさん御存じですか。
  35. 案田八郎

    ○案田証人 私は方々でうわさを聞きます。しかしながら、現実に私の町内で五軒あります。
  36. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 あなたの町内というのは……。
  37. 案田八郎

    ○案田証人 私の町内といいますのは四谷一丁目でございます。四谷一丁目というのは大体家数にして二百世帯くらいです。二百世帯のところで五軒ばかりございます。
  38. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 そのほかのはうわさで聞いている程度ですね。
  39. 案田八郎

    ○案田証人 うわさで聞いている程度です。  それから、もう一つは、これは全然もう――こういう事件もあるのですが、これは新郊土地じやございませんが、一つの地所を二人に売つたわけです。そしてそれが裁判ざたになりまして、所有権を確認しようとか何とかいうことをお互いにやり合いつこしているわけです。その間にまた悪いのが入りまして、そして結局一つものを半分に割られた。ところが割られた方では承知できないというのでがんばつている。結局事件が――これは私自身直接関与した事件ですから何ですが、これは本所の亀沢町八番地にはつきりいたしております。こういうような事件もございまして、あとのことは、調べてみれば幾らもあると思いますが、単にうわさに聞いただけにすぎないのです。
  40. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 登記のできない原因は一体どこにあると案田君はお考えになりますか。また、これを解決するにはどういう方法をとつたらよいとお考えになりますか。
  41. 案田八郎

    ○案田証人 これは、代金を払つてないのだという大蔵省の方の言い分だろうと思いますが、しかし、それはどういう意味かということになれば、局の方の言い分は、これに対してはこういうことを言つている。とにかく一時あなたの方で払つておいてくれ、もう一ぺん分払つておいてくれ、そのうちに手数料を払う分があるから、それをその都度あなたの方にお支払いする、一応そういうことで払つてくれないかという話なんです。1私に対しては。それから私は、一時、急いだことがありまして、それでそうしようかという気も起したことがありましたが、よく考えてみましたところが、結局二重払いになるわけです。しかもこれは内部関係だと私は考えているのです。冒頭御質問のありましたように、令書によつて納めたかという御質問なんですが、これは納めたかどうか私にはわからないのです。納めてやると言つて持つて行つているのですから………。ほかの人たちも、おそらくそうだろうと思う。中には、真実の有無はわかりませんから、こういうことでそういうことを申し上げるのはどうかと思いますが、何か財務局の出張所の方で金は委託会社に払つてくれといつて張り出したこともあるというお話も私は聞いたことがあります。いずれにいたしまして、私どもがこういう迷惑をしていることは非常に困るのですから、金を立てかえて払つておいてくれと言つたつてちよつと困る。それを払えばすぐ登記はしてくれるのです。それからまた、このようにあとでまつすぐ返してくれるとは思うのです。それから、今後起る問題としては登記料の問題とか使用料の問題で困難なことが起きて来る。そこで、どうしたら登記できるかということは、すなおにひとつ大蔵省で、委託会社のやつたことは自分の代理人がやつたことなんですから、当然大蔵省の責任なりとしてこれをお認め願いまして、そうして、会社に納めたものを、そういう因縁をつけずに、入つたんだとして完納になるということになれば、一番早く登記できる。但し、その次にまた登記料の問題あるいは使用料の問題もありましようが、これも当然先ほど申し上げましたような理由で大蔵省が負担すべきものである。これさえ負担してくれれば、もうごく簡単に済む、こう考えております。
  42. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 委員諸君でありましたら……。中野四郎君。
  43. 中野四郎

    ○中野委員 今の案田君のお話なんだが、一時立てかえておいてくれと言うたのは、財務局の出張所ですか、あるいは新郊土地会社なんですか、どつちですか。
  44. 案田八郎

    ○案田証人 それは出張所です。
  45. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、最初に伺いたいのだが、あなたのところの、借地権のある土地について、たしか実測されたと思うのだが、それは別に費用をお払いになつていらつしやると思うのだが、払つていますか。
  46. 案田八郎

    ○案田証人 払つております。
  47. 中野四郎

    ○中野委員 幾ら払いましたか。
  48. 案田八郎

    ○案田証人 記憶ないんですが、ええと、二千円払つたと思います。
  49. 中野四郎

    ○中野委員 昭和二十五年の春、新郊土地会社の人が来て、最初に買取りの意思があるかどうかと問い合せて来たときに、五万円あなたが払つた、一時払いは困るから、扱いの上で分割払いにするから、という話で五万円払つたという。その領収書は、新郊土地建物株式会社が仮領収書を置いて行つたか、あるいは本領収書を置いて行つたか、どうなんでしようか。
  50. 案田八郎

    ○案田証人 仮ではないと思います。預託金という領収書であつたと記憶します。
  51. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、ここにあるこういう預託金の領収書なんですが、続いて令書が来ていなければならぬと思うのですが、この五万円に対する令書があなたのところに来た事実があるかどうか。
  52. 案田八郎

    ○案田証人 それは来ておりません。私どもから考えれば、その五万円については、最初新郊土地がこの令書によつて納めるものと考えておりましたから……。
  53. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、あなたも弁護士をしておられるのですが、少くとも最初に、この領収書の中には大蔵省指定国有不動産処分委託取扱として新郊土地建物株式会社という領収書が出ておるのですが、この預託申込金領収書というので大体大蔵省に取次いでもらつたものという考えの上に立つてやられたのか、単なる新郊土地建物株式会社がこれを領収したものと思つたのか、どちらなんですか。
  54. 案田八郎

    ○案田証人 それは、もちろん、御質問をまつまでもなく、大蔵省へ取次いで渡してくれたのだと信じております。
  55. 中野四郎

    ○中野委員 それから、今の委員長の質問の中の補足なんですが、お宅の方に昨年の十一月十六日に催促状が行つた。そこで係長を訪問されていろいろ話されたときに、来年の三月、これはことしの三月ですが、来年の三月までに決済されるから、そのときに完納として登記するという言葉を係長が言うたといいますが、これは、手数料が五分ずつ入りますね、その後手数料で完済するということをそのときに係長が言うたでしようか。
  56. 案田八郎

    ○案田証人 それは今年の三月じやないのです。一昨年です。昨年の督促を受けたときでなく、その前のことなんです。私は、恥といいますか、自分のことをぶちまけて申しますと、私は、住宅金融公庫ですか、あそこから金を借りて家を建てることにしたわけです。そこで、その家に対しては四十八万円、土地に対しては二十万円貸すわけです。従つて、その二十万円の金を借りるのに、ぜひとも登記がないと困るわけです。そこで、一昨年の十一月ごろに登記を催促に行つたわけです。そのときにその係長がそういう話をされたわけです。
  57. 中野四郎

    ○中野委員 君とぼくとは古い仲でもあるし、君の生活状態も市会議員当時からよく知つておるのだから、重ねて聞く必要はないと思うのだが、五点ばかり聞きたいと思う。一つは、買受人の中に代金を二重払いしておる者が相当あるようであります。つまり、あなたの先ほどの線で、払つておいてくれ、それからあとでこちらからぼつぼつ払う、これは反則です。どう考えても使い込み横領されたことは事実なんです。それに対して、関東財務局新宿出張所が認めて、一応あなたの方で払つておいてくれ、その横領されたいわゆる使い込みされた分は、こちらの方の払うべき手数料がたまつたときにあなたの方に直接返すなんということは、これは官公署のなすべきわざでない。     〔委員長退席、高木委員長代理着席〕 しかし、現実の問題として、被害者のいずれもがそうは行きません。いろいろ土地を担保にするとかあるいは建物を建てるときに相当な金を借り入れるとかいうような場合を考慮して、まことに不本意ではあるがというので二重払いをしておる人が相当あるように私は思うのだが、それについてあなたの知つておる点と、あなたの考えについて述べていただきたい。
  58. 案田八郎

    ○案田証人 それはこういうことなんです。私の手に来ておるのに、一件その点が出ておるのですが……。
  59. 中野四郎

    ○中野委員 例をあげてください。
  60. 案田八郎

    ○案田証人 例をあげます。これは本人が書いて来た計算書ですから、間違いないと信じて申し上げるのですが、場所は新宿区四谷一丁目三番地二十九、石川安正、この石川安正君が買い受けた地所が十八坪一合二勺、金額五万七百三十六円、そこで、右に対する払い明細書としてずつとあげてございます。支払つた金額が五万五千八百九円になつております。そういたしますと、約五千円ばかり過払いになつておるわけであります。そのうちで、新郊土地に払つた金額が、二千三百二十五円の四回分で約一万円ばかりになつております。それと財務局に払つたのを合せますと、すでに五千円を超過しておる。こういう事実があります。
  61. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、妙なことがまた出て来たのですが、これは役所と業者が結託してかつてなふるまいをしておる事実を裏づけるものだと思う。たとえば、あなたが業者に代金を払いますね。そうして、その残りの分を新宿出張所に納入しますね。そうしますと、実際は財務局の方には五万円は払つてないのですね。にもかかわらず、マル完という完納の判を押してある。承認したという証明をしておる。これはどうも少々納得ができない。何か業者と大蔵省との間にそういう不正な立場に立つた話し合いがない限りにおいては、そんなことはできないはずだ。それでなければ、十一月十六日契約第五条によつて解約するとかいうことを言つて来るはずはない。それで、マル完の証明を押しておるのだが、これは事実でしようか。
  62. 案田八郎

    ○案田証人 これはまさに間違いないと思います。もう一つ、これは御質問に含まれると考えますから申し上げますが、たとえば、私が五万円最初に払つた、あとでその都度払うものだから督促が来るという場合に、本来ならば、五万円がもし計算上大蔵省の方に入つていないとすれば、まるまる十六万円の請求がなければならぬはずだが、請求のときはいつも五万円を中に入れて計算した残金について請求して来ておるという事実は、これはもうはつきりとその五万円は――手元に入つておるか入つていないかは別として、私がそのために納めておるということははつきり認めておると思うのです。そのことが一つ。それから、今の御質問ですが、最後に納めましたのは二十七年十月二十四日に納めております。これは私は手元にちやんとマル完を持つております。
  63. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、あなたが五万円の後に財務局に持つて行かれたというのは、一ぺんに金を持つて行つたのではなく、また幾らかずつ入れたのでしよう。その場合妙な事例が一つあるのです。財務局の方に行けば領収書が出るのはあたりまえだが、二万円なら二万円の金をば財務局に持つて行くと、財務局では仮領収書を出して、今度は新郊土地建物株式会社というのから預託金領収書という本領収書を送つて来る事実がある。この事例があなたにはあるかないか。
  64. 案田八郎

    ○案田証人 私の場合は、それはなかつたのです。
  65. 中野四郎

    ○中野委員 これは私の方に事実の書類があつて申し上げておるのでありますが、さらに伺いたいのは、当時代金を業者に払い込むときは、財務局出張所として一体認めておつたのかどうかという点、これは大事な問題なんですが、いかがでしよう。
  66. 案田八郎

    ○案田証人 私、これは委託会社大蔵省との関係ですから、事実内部関係はよくわかりませんが、先ほども申し上げましたように、とにかく初め納めた五万円というものを計算に入れまして、そうして未払分の計算をして来ておるということが、これをはつきり認めておるのではないかと私は信じております。但し内部関係はわかりません。
  67. 中野四郎

    ○中野委員 そこで、そういうような事例から行くと、委託業者の使い込みというものは当局に責任がある結果になるのだが、その点はどうですか。
  68. 案田八郎

    ○案田証人 私はそう思います。というのは、使い込みが経理上どうかというような問題については、私、内部関係がわからぬから、わかりませんが、しかし、少くともはつきりと委託会社財務局との間に委任関係があるのです。委任関係の範囲については、財務局は、ただ土地の売買を委託したのであつて、代金の領収まではあずかり知らないのだということを今ごろになつて言つておりますけれども、当初はそうでなかつたというふうに確信しております。従つて、委託会社は代理人としてやつたことなのだから、本来当然責任を負うべきだと、私はこう思います。
  69. 中野四郎

    ○中野委員 まつたく奇怪な話でして、使い込まれたるものを計算のうちに入れて、そして未納の請求をして来るということは、大蔵省がもう委託業者の内容あるいは横領の事実を十分知つて、これをカバーして買受人に請求するという態度、これは立法府である行政監察委員会において徹底的に追究しなければならない大事な問題なのです。それが証拠には、いろいろな局長の印まで盗印したり、偽造したりして、平気でこの会社の収入をはかる。その会社が扱つた金を片つぼしから第二会社、第三会社という方面に浮き貸しをしている。そうして、もうけているうちはよかつたのだが、損をしてしまうと、大蔵省の方に贈収賄をやつて、大蔵省がこういうような請求を出すという結果になつておるので、この点について私の方も十二分に今後処置をして行くつもりなのです。  最後に、もう一点聞いておくのですが、二重売りをしておる事例があるのです。たとえば、一つの土地を、元の権利人に優先権があるのだから、権利人がこの土地を買い入れます契約をいたします。また別の買受人が来るとこれに許可をする。そうして会社が事実手数料を別にとつている。これは外交員や会社自身が知つておる。この土地を普通の物価指数でやつたのでは安いが、もう一つの者と交渉した方がもうかるというような場合に、現に完納していない土地に、あなたの言われるように、一方に売りながら、もう一方に売る。これは二重売りです。そこで、あなたが先ほどお話になつたように、分割して半分々々でがまんしろというようなことは妥当じやありません。こういう二重売りの事実があるのですが、こういうことについて、あなたが知つておることを、当該弁護士として、支障のあるものは困りましようが、支障のない程度において証言をしていただきたいと思います。ここ二、三日うちに関東財務局長であつた井上君などみな呼びますが、彼らは事実をつきつけなければなかなかうんと言わない。一昨日新郊土地の社長を呼んだのですが、私は無能社長でありましたから知りませんでしたと言つておるが、事実は検察庁で調べ、本人が自白しておる。社長も承知しておつた、しかも、その社長がこの金を利用して会社の経理が乱脈をきわめたすきに乗じて、ついこういうような不始末をしでかした、こういう始末書、上申書を書いておる。こういう過程からも、事実をあげてくれませんか。
  70. 案田八郎

    ○案田証人 それでは申し上げます。その取扱い会社は勧業不動産株式会社――丸の内にありますが、場所は墨田区本所亀沢町二丁目八番地、坪数は、大分前のことではつきりしませんが、当初買いましたのが四十坪かとも思います。たしか昭和二十年ごろの早いときでしたが、それを四万円で払下げを受けるというので、一部を払つたのでなく全額払つたわけです。ところが、買つた石川勇という者の隣に間沢何某という者がおりまして、そこへ同じ会社が同じような値段でまた売つておる。従いまして、この間沢と石川との間に争いが起りまして、間沢が石川を相手に訴訟を起して来た。それは所有権確認の訴訟なのです。ところが、石川の方にしてみれば、自分が買つて、代金を即刻全部納めでおる。しかも、その日を調べてみると、石川の方が先である。しかるに、単に届出をしていない、対抗力を持たないということだけであつて、事実買つたのが先なのだから、間沢には所有権を主張すべき筋がない、こういうことで裁判上問題になつた。裁判所は、請求の筋がどうかと思うから、取下げるか、そうでなければ即刻判決をするというような話になりまして、それで取下げたわけです。ところが、その後またもう一ぺん調停裁判所へ持ち出して来て、調停事件となつて現われて来たのですが、やはり同じような理由で、しまいには出頭もしないということになつた。ところが、間沢のところへたよつて来た人がありまして、これが、弁護士事務員をしていたとか、おじさんがどうとかいうようなことを言つてやつて来て、これがたまたまこの事件で間沢の代理を扱いまして、言うにたえないひどいことをしている。たとえば、もつと露骨に申し上げますと、裁判所の裁判長の名前を偽つたり、札を立てますのに――執達吏が立てる場合には東京地方裁判所執行吏という札を立てるのですが、それを、東京地裁何とかとか、あるいはまた関東財務局というような、私は写真をとつたのを持つていますが、そういうようなことをして、結局のところ、どこをどう筋を運んだか知らないが、ただいま間沢と石川が半分ずつということにきめてしまつた。そうして払い込み通知が財務局から来た。そこでびつくりしまして私のところへたよつて来たわけです。ところが、そのときは、前に四万円をみな納めておるにかかわらず、その令書は、半分に減つておつて、しかもずつと後ですから高い単価で来ていたということなんです。勧業不動産というのはりつぱな会社なんですから、そんなことはあるべきはずがないというので、いろいろやつておりましたが、最近、例の手で、もし払わなければ解除するということを言つております。しかし、何としても石川の立場としては応ぜられないというので、ほつておきましたが、地代の払い込みの通知が来ておる。よく調べますと、勧業不動産から前の預かつた金を払い込んでおるわけです。払い込んだから、そこでこういう書類が来た。そこで、払い込んだということについてどうするかということについて、私はそうやつて大きな問題にするつもりはありませんけれども、向うから電話がかかつて来まして、明日午前中こここの課長と会うことになつております。いずれにいたしましても、そういうことで、非常に石川という者は迷惑をしております。こういう事実があります。
  71. 中野四郎

    ○中野委員 本件は、非常に悪質な、しかも大衆に及ぼしておる迷惑は保全経済会以上なんです。これが新聞等に発表されれば、相当の被害者がどんどん行政監察に訴えて来るだろうと思うのです。実害者が多いのです。特に神楽坂にはひどい例がある。新宿区が一番ひどいのですが……。  そこで、今のお話の登記料の値上り、使用料等の問題で、ここへ新郊土地の飯沼という社長を呼びましたが、これが大建不動産の収入金によつて実害者に迷惑を及ぼさないということをはつきり証言して行つた。しかし、このことはなかなかそう簡単には行かない問題だろうと思う。私は今度の問題をあくまでも取上げて追究しようと思う。このような悪質な違反をほうつておくと非常な大問題になつて来ると思う。財務局の方でもこれに非常にうろたえておる。現に犯罪者もこれによつて出ておるような始末なんですから、もし事例等がありましたら、あなたお忙しくてなかなかおひまがないでしようけれども、もし都合によれば私の方の調査員をあなたのところに向けてもけつこうですから、詳細にひとつ報告をしていただいて、それを集約したものをこちらで持つて、そうして大蔵省の方に十二分の監督を促し、勧告をするというような方法をとりたいと私は思つておるのです。  まだ少しお聞きしたいと思うのだが、あなたもお忙しいし、私もちよつときようは用事があるので、簡単ではありましたが、一応この程度にいたします。
  72. 案田八郎

    ○案田証人 ちよつと、中野さんの御質問に敷衍しまして、さつきの大蔵省と委託会社とどういう関係があるか、払込みという事実を知つていたのじやないかということですが、これをなお証明いたしますために、私が先ほど申し上げました金融上の関係から、登記書類が手に入らないので、証明書をもらいに行つたことがある。こういう証明書を実はもらつておるので、御参考までにちよつとお許しを得て読んでみます。    証明願  一、所在 新宿区四谷一丁目十七番地ノ六  一、物件の表示 宅地百十一坪四合七勺   右は国有財産売買契約に基き私に於て買受け其の代金を完納したが大蔵省委託会社と御局との計算関係未了の関係上其の所有権移転登記が未済であり従つて右関係御清算の上直ちに右登記手続を履み私へ名儀移転せられる旨の御証明を願度い   右御願い致します   昭和二十八年四月二十四日   東京新宿区四谷一丁目十七番地            案田八郎  関東財務局   新宿出張所長殿     〔高木委員長代理退席、委員長着席〕 これは、即日この証明書をちようだいして、関係金融会社へ出した次第です。これによりましても、大蔵省委託会社と御局との計算関係が未了のために登記ができないのだということになつておりますので、結局、御質問のような、委託会社とそうした財務局との間でその代金を納めたということを認めておることを、これが十分証拠立て得ると思います。
  73. 山田長司

    ○山田(長)委員 関連して。ただいまあなたのお示しくださつた書類は、非常にこれから調査に重要な役割をすると思うのですが、そういう書類がほかにも何かお気づきになつておるものがありますか。
  74. 案田八郎

    ○案田証人 今私の手元にございますのは、まずこれが一番はつきりしたものです。これ以外には別にどうというものを持つておりません。
  75. 山田長司

    ○山田(長)委員 参考に一点伺いますが、二重売をしておるという点は、どうも買う方もずいぶんうかつだと思う点があるわけです。所有権移転登記がされていないのに、そのあとまたその土地を別な人が買う場合に、どうしてそういう登記があるかないかということについての十分な注意がなされなかつたものでしようか。
  76. 案田八郎

    ○案田証人 今の御質問は、あとの人が買うときの問題でございますか。
  77. 山田長司

    ○山田(長)委員 そう。
  78. 案田八郎

    ○案田証人 これは、結局、こつちの石川へ売りまして、それからまた隣へ売つたというときに、石川の方では、そのうち測量して、そうして登記をしてくれるのだというふうに説明を受けておりますから、もう来るだろうもう来るだろうと考えておる。ところが、一方の方は、事実こつちが買つたのだということを知らないわけなんです。知らないから、それと同じような説明で、この代金を払えば測量して登記するというような説明を受ければ、やはり買つてしまつたのだろう、こう思うのです、筋は。
  79. 山田長司

    ○山田(長)委員 法律の専門家の立場にあなたがおられるのですから、一つ伺うのですが、どうも、この事件は、この間も証人の人に聞き、またあなたに伺うと、実にふしぎな事件のような気がするのです。それで、どこまで政府が土地会社の人やその他の不動産会社の人に売買についての委託をされておるものか、限界を知るのに非常に苦しむのです。あなたの場合なんかでは、この事件でこういうお気の毒な立場になられてみて、お考えになられることは、どういうことが一体あつたようにお考えになりますか。何か参考にお話を伺いたいと思います。
  80. 案田八郎

    ○案田証人 どういうふうにといつて、その内部関係のことは私にはさつぱりわからないのですが、しかし、どう考えてみましても、それは涜職というようなことがあつたかどうか、私にはわかりませんが、非常に密接な関係があつて、おそらく一から十まで知り抜いて、いろいろなことをやつておられたのではないか。それでなければ、私が納めた五万円というものも、その次に計算するときに控除に入れるというようなことはないわけです。今言つたような、金を受取ることまで頼んでいなかつたというようなことは、これは、催促するときに一部認めて督促状を出したということから見て、これは解せないことなんです。それから、近ごろ私の近所で、五軒ほどございますが、そこへ金を払えと催促に行きまして、やはり大建不動産株式会社大蔵省指定物納不動産処分事務取扱という名刺を持つて来ている。この名刺を私の近所の人が持つてきたのですが、これをずつと見ますと、新郊土地という会社と同じ場所にある。新宿二丁目六十五番地、日本火災ビル三階という番地は、新郊土地のあつたところなんです。名義がかわつて、新郊土地はどこかに行つちやつたようなかつこうになつて、新しくこういうものができて、同じ事務を取扱つておる。またよそに売るのだとかなんとかいうことで測量を同じ土地で始められますと、やはり戦慄しているのです。私どもは、筋の上ではつきりわかりますし、はでにこういう証明書までとつていますから、どうしてもいけないというときは、これは国を相手にして訴訟を起しますが、しかし、一般の何も御承知ない方が催促されて、またこういう名刺で来るということになりますと、同じところですから、非常にこわがると思うのです。何かしら割切れないものがあるということだけは私にはわかりますが、詳細の内部関係はさつぱりわかりません。
  81. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 高木松吉君。
  82. 高木松吉

    ○高木委員 案田さんは法律の専門家でもありますし、私ども行監の使命として、事故により被害を受けておる一般人の生活の権利を保護してやらなければならぬし、行政官庁が不当な取扱いをして善良な国民が損害を受けておるとするならば、その責任は国で負わなければならぬという見解を私は持つております。従つて、この見解に基いて、本件の最終結論を出そうとすれば、どうしても証人のあなたにいま少し明瞭にしておいていただかなければならぬところがあるので、二、三の点をお尋ねしたいと思います。  まず、あなた自身の考えと、なお、あなたにいろいろの法律的問題で相談に来られる多数の人たちの考えと、両面から観察して、国有財産をあなた方が買い受ける当時、委託会社と称する新郊その他の土地会社は、関東財務局、大きく言えば大蔵省、国の代理人としてあなた方に接触したとお考えになりますか。これはひとつ、法律的に考えることと、また、善良なる国民が法律的にでなく常識で考えることと、二つの点から考察してお話願いたいと思います。
  83. 案田八郎

    ○案田証人 私は、代理人なりとしてお答えいたします。
  84. 高木松吉

    ○高木委員 私どももそう考えるのであります。そこで、国の代理人として行動しておつたといたしますと、これを証明するいかなる具体的な事実がございますか、それを要約してお話願います。
  85. 案田八郎

    ○案田証人 これは、一々委任状を持つて現われたのではございませんが、やはり委託会社という名刷を持つて来る。そうして、会社へ行つてみますると、りつぱに看板をかけておる。それから、いろいろな伝達といいますか、たとえば測量するのだとか、ここをどうするのだとかいうこと、それから契約書を持つて来るときも、ちやんと向うで大蔵省何々とかいう契約書を持つて参りまして私の判をとつて行くということ、そうして、しかもその契約書には、たしか委託会社の名前が入つておる、こういうことになつております。従いまして、私どもは、そうした一切のことから、なるほど具体的に委任状として書いてはいませんけれども、これはもうはつきりと代理権を持つているものだ、こういうふうに考えざるを得ないと思うのであります。
  86. 高木松吉

    ○高木委員 法律を専門的に考えられる証人でさえそういうふうに考えるのでありますから、法律にあまり関係のない一般の善良なる買受人は、これらの委託会社が当然国の代理人であると考えて取引したということが想像できると思いますが、あなたは具体的事案についてどうお考えになりますか。
  87. 案田八郎

    ○案田証人 私自身、ほかの事件につきましては、この督促状を受けてから初めていろいろな相談を受けたので、その一つ一つに携わつておりません。だから、めいめいの人が具体的にどういう行動でどうしたということはわかりません。しかし、少くとも同じような行き方をしたであろうということだけは間違いないだろうと思います。その当時出しました書類なりを持つて来たのを見ますと、私どもへ来たのと同じですから、法律的な知識のない人は、これはもうはつきりと代理人だと信じておやりになつただろうことが推定できると思います。
  88. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 ほかに御発言がなければ、案田証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。  証人には長時間にわたつて御苦労でした。     ―――――――――――――
  89. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 この際お諮りいたします。行政監察特別委員会設置に関する決議によりまして、本委員会は少くとも月一回その意見を付して調査報告書を議長に提出しなければならないことになつておりますので、ただいま諸君のお手元に配付いたしております通りの四月中における簡単なる調査報告書を委員長において作成いたしたのでありますが、これを議長に提出いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  90. 塚原俊郎

    ○塚原委員長 御異議がなければ、さよう決しました。なお、字句の整理等につきましては委員長に御一任を願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時六分散会