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1954-03-17 第19回国会 衆議院 予算委員会 24号 公式Web版

  1. 昭和二十九年三月十七日(水曜日)     午後二時三分開議  出席委員    委員長 倉石 忠雄君    理事 小峯 柳多君 理事 西村 直己君    理事 西村 久之君 理事 森 幸太郎君    理事 川崎 秀二君 理事 佐藤觀次郎君    理事 今澄  勇君       相川 勝六君    岡田 五郎君       尾崎 末吉君    尾関 義一君       小林 絹治君    庄司 一郎君       高橋圓三郎君    富田 健治君       中村  清君    灘尾 弘吉君       葉梨新五郎君    原 健三郎君       福田 赳夫君    船越  弘君       本間 俊一君    八木 一郎君       山崎  巖君    山本 勝市君       小山倉之助君    河野 金昇君       河本 敏夫君    竹山祐太郎君       中村三之丞君    古井 喜實君       足鹿  覺君    滝井 義高君       松原喜之次君    武藤運十郎君       山花 秀雄君    横路 節雄君       稲富 稜人君    川島 金次君       河野  密君    佐竹 晴記君       堤 ツルヨ君    館  俊三君       河野 一郎君  出席国務大臣         外 務 大 臣 岡崎 勝男君        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君         農 林 大 臣 保利  茂君         通商産業大臣  愛知 揆一君         運 輸 大 臣 石井光次郎君         国 務 大 臣 安藤 正純君         国 務 大 臣 木村篤太郎君  出席政府委員         保安政務次官  前田 正男君         検     事         (刑事局長)  井本 台吉君         大蔵事務官         (主計局長)  森永貞一郎君         大蔵事務官         (管財局長)  窪谷 直光君         水産庁長官   清井  正君         運輸事務官         (海運局長)  岡田 修一君         運 輸 技 官         (船舶局長)  甘利 昂一君         海上保安庁長官 山口  伝君  委員外の出席者         日本開発銀行理         事       松田 太郎君         専  門  員 小林幾次郎君         専  門  員 園山 芳造君         専  門  員 小竹 豊治君     ――――――――――――― 三月十七日  委員世耕弘一君、小平忠君及び久保田豊君辞任  につき、その補欠として尾崎末吉君、佐竹晴記  君及び館俊三君が議長の指名で委員に選任され  た。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)  昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)     ―――――――――――――
  2. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 これより会議を開きます。  昭和二十八年度一般会計予算補正(第3号)及び昭和二十九年度特別会計予算補正(特第1号)の両案を一括議題といたします。  この際、河野一郎君より政府に対する資料要求に関して発言を求められております。これを許します。河野一郎君。
  3. 河野一郎

    ○河野(一)委員 私は委員長を通じて政府に資料の要求をいたしたいと思います。それは御承知の通り、明日か明後日私の発言の順が参りますから、それまでに提出願いたいと思います。  第一は、保安庁関係のもので、保安庁の外郭団体に保安協会というものがあるのでございますが、この保安協会の寄付者の氏名、金額それからどういう予算でどういう事業をしておるか、これからしようとしておるかということについて、明細な資料をちようだいしたいのであります。  これは簡単に御説明申し上げますと、昨年の十一月首相官邸において発会式をあげたものでありまして、この保安協会の事業概要等も文書になつておりますが、小林中氏が会長になつておられまして、常任理事には財界の有力者が多数なつておいでのようです。私がこの質問を相当詳細にいたしたいゆえんのものは、この保安協会が一部財閥、金融業者によつて構成されておる。保安隊の基礎であるところの農村関係の者が全然これに入つておらぬ。この会の趣意書等によりますと、相当りつぱなことが書いてありますが、そういう点について非常に疑問があるからであります。同町にまた一部社会には、保安庁の仕事をこの団体を通じて働きかけて来ておるというような点で相当疑惑もありますので、どうかこの資料はひとつ詳細に御提出を願いたい。  第二に、資料をちようだいいたしたいのは船舶関係であります。船舶関係については、現在司法当局によつて船の建造にあたつてのリベートが問題になつておりますが、私が一部業界から聞きますと、リベートだけでなしに、一部の業者は数年前の物価の値上り当時に、注文をした後に――言葉をかえますれば、資金の割当を受けた後に物価が値上りいたしまして、そうして契約を変更しなければならぬような事態に立至つたということがあるわけであります。そのときに資金の割増しをして貸し付けた会社があるかないか、あるとすれば貸した会社はどことどこだ、そうしてその船の建造の注文を受けた造船所はどこだという資料をちようだいいたしたいのであります。これは、世上、この資金を政府から制増しして借りたけれども、実際はその金を使わずに造船所でつくつてしまつて、リベーリと同様にこの金を着服しているものがあるといううわさがあるわけであります。従つて、これについての資料をちようだいいたしたい。  この二点について、どうか委員長から政府を督励されまして、私の発言の順位のときに間に合うように資料をちようだいいたしたい思います。
  4. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 それではこれより質疑に入ります。西村直己君。
  5. 西村直己

    ○西村(直)委員 昨日来の問題になつておりますが、まぐろ採取に参りました漁船が、ビキニ環礁近くにおいて相当の被害を受けて帰つて参つておる、この事実につきましてまずお伺いをいたしたいのであります。今日までに判明をいたしましたこの漁船の行動、それからどういう措置をとられたかをまず海上保安庁長官からお聞きしておきたいと思うのであります。と申しますのは、焼津は御承知の通り漁業の港でございます。李承晩ラインにおきまして、さば船が相当制限を受け、逃げて帰つておる事実、それから昨年の暮れには三十数名の犠牲者を金華山沖で出しております。今回三たび原爆というか、水爆というか、これによる被害によりまして、地元としては死の町のような形で、今非常に悲境のどん底に入つておる状態であります。従つてこの漁船のとつた行動をまずはつきりさせてもらいたい。ということは、漁業の立入り禁止区域に入らない外側にこの漁船の位置があつたかどうか。大体現在までで、航海日誌、気象観測というか、天測のいろいろな科学的根拠もあろうと思います。これらの点でお示し願いたい。  さらに、立入り禁止区域外であるとわれわれは承つてますが、その際にアメリカ側でそれに対して事前に十分なる通告等があつたのか、また日本側の官庁にあつては、これを受けてまた漁船あるいは組合等に十分伝達ができておつたのか、この点をまず海上保安庁長から直接承りたいと思います。
  6. 山口伝

    ○山口(伝)政府委員 お答えいたします。このたびの第五福龍丸の被害状況につきまして今日までわかつておりますところを概略申し上げたいと思います。  船は、お話の通り焼津を母港とする、九十九トン九の船であります。乗組員が二十三名、まぐろつりに行つている遠洋漁船であります。本船の行動は、一月の二十二日十一時三十分に焼津港を出港いたしまして、ミッドウェー付近の漁場に向いまして。その付近で操業しておりましたが、思わしい漁獲がないので、操業をしつつ南下をいたしまして、三月一日、このたびの現場の付近に到着をいたしたわけであります。当日の午前三時五十分ごろ、天測位置としまして、北緯十一度五十二分、東経百六十六度三十分、この地点におきまして今回の事件に遭遇したのであります。その後、同日の十二時ごろ、現場から遠ざかる目的で北の方に向つて航海をし、三月十四日午前六時に焼津に帰港いたしたのが、本船の今回の行動のあらましであります。  遭難当時の状況につきまして、ただいままでわかつておるところを申し上げますと、三月一日の当日、午前一時ごろより縄を入れ始めまして、三時十七分ごろ欄の入れを終り、三時三十分ごろからその付近で漂泊をしており、当時の天候は晴天でありまして、風向きは東北東、風力は二、三時四十分ごろ本船の西南西の方向に、赤みがかつた光の輝きを認め、次第にこれが白光色にかわり、また赤味を帯びて参つて、その後消えた。それから約七、八分後において、爆風は感じなかつたが、音が聞えた、当時は夜明け前、爆発音は二回にわたり聞いた模様であります。光の輝きを認めましてから、その方向にきのこ型の雲を認め、それが空一面に広がつてどんよりと曇つて来た。約三時間くらい後に、まつ白い砂のようなものがその日の昼ごろまで降り続いて、爾後二、三日の間乗組員全員が軽い頭痛を覚え、中には吐き気を催した者もあつたようであります。七、八日後になりましてから、襟とか、顔、耳等のあたりに灰をかぶつたところが、多少やけどのようなぐあいになつてピリピリ痛み始めた。これが遭難並びにその後の模様でございます。  先ほど申しました、今まで判明しております今回の地点は、あらかじめ航路告示で指定してありました危険区域の東方約十四海里程度離れたところと考えられます。この危険区域につきましてのこれまでの周知の処置でありますが、航路告示といたしましては、海上保安庁の水路部におきまして、前後三回にわたつて関係の告示をいたしております。第一回は昭和二十六年二月十日にいたしました。第二回は二十七年十一月の一日でございます。第一回、第二回とも、エニウエトク・アトール環礁付近の立入り禁止区域でありまして、同一内容でございます。これはエニウエトク・アトール環礁を中心に、東西約二百海里、南北約百五十海里で、第一回目の告示は、アメリカにおける告示の転載をいたしたものでありまして、第二回目の告示は、アメリカより外務省を通じての周知要請による再掲載であります。さらに第三回目は昭和二十八年十月十日付でありまして、これは一回、二回に示された区域のほかに、さらに東方に約百四十海里拡大されて、ビキニ環礁がこの中に含まれているわけであります。これはアメリカの告示、すなわち一九五三年の二千七百十六項並びに三千百六十八項のアメリカの告示を、当庁の水路部において航路告示として転載をいたしたものでございます。これまで外交機関を通じてのアメリカからの通報でございますが、エニウエトク環礁付近の立入り禁止の周知につきましてはアメリカより通報がありましたが、第三回目の告示につきましては別に特別の連絡はなくて、アメリカにおける航路告示をさらに日本の方で必要と認めて転載をいたしたものでございます。詳細につきましては、昭和二十七年の八月十八日、アメリカの国務省より駐米日本大使あてに、エニウエトク環礁及びその周囲の海域の立入り禁止の周知方の依頼がありました。これにつきまして外務省より当庁に周知方の御依頼がさらにありまして、海上保安庁といたしましては、これを第二回も――すでに第一回は二十六年にいたしたのでありますが、同一内容の転載をいたしたわけでございます。  以上のような次第でございます。
  7. 西村直己

    ○西村(直)委員 大体はわかりました。なお今後調査によつて詳細がわかつて来ると思いますけれども、一つはつきりさせておきたいのは、第一回、第二回、第三回と、海上保安庁では航路告示等によつて周知伝達をはかつていると申されますが、三回目は外務省を通して通知があつたが、一回、三回は、外務省を通さないで、アメリカの何か書類が海上保安庁に来たものをそのままただ転載したということでございますか。
  8. 山口伝

    ○山口(伝)政府委員 お答えいたします。国際水路会議に入つております関係で、それぞれの国におきまして水路告示として資料を週刊あるいは旬刊等で出しておりますが、それを相互に連絡し合うわけであります。当庁水路部といたしましては、第一回と第三回はアメリカの告示を見て、それを日本の告示に転載をいたしたわけであります。
  9. 西村直己

    ○西村(直)委員 この点に今回の災害の一つの大きなあれがあると思うのであります。と申しますのは、一つの区域が最初の区域よりさらに広げられて、そうしてビキニ環礁が新しく入つた。それはアメリカ側の計類に載つたものをこつちに送つて来た。それを海上保安庁が受けてやつた。その間に、いわゆる国際公灘の上で危険な作業をやられるアメリカとして、もちろんいろいろアメリカの軍機保護の関係もありましようけれども、ただ日本国内の官庁が転載をして通知をしていたというだけについては、私は日本側としては、この点に対してアメリカ側にもつと強く、日本側に対して、そういう危険な大きな作業をやることを周知徹底させることについて、念には念を入れてくれるだけの考慮があつてしかるべきだと思うのでありますが、この点ば外務大臣いかがお考えですか。
  10. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは第一に、アメリカの国際連合との岡の信託統治協定において、危険区域といいますか、安全措置のための区域ですか、こういうとにかく上区域を設けることができることになつております。そうしてそればかりではありません。ほかの問題もありますが、これについては国際間に共通したやり方がありまして、航路告示その他でお互いに連絡をしてやるのでありまして、この点は別段さしつかえないと考えております。二回目にアメリカ側の通報によつて外務省が通知しましたのは、こういうものを出しておるからという先方の指示ではなくして、こういうものが出ておるにもかかわらず、日本漁船一隻であつたと思いますが、この付近に航行しておる事実があつたから、これについてさらに周知徹底方をとりはかられたいと先方から言つて参つた。そこで海上保安庁に連絡してさらに徹底してもらうようにいたしたのであります。もつともこういう問題になりますと、アメリカ側でもいろいろそのやり方の当否等については議論があるようでございます。本日到着しましたいろいろの報道も、アメリカ側でも一体これでいいのかというような心配も持つておるようでありますが、法律的に、というとおかしいのですが、形式的には私は今のやり方で足りるものと考えております。
  11. 西村直己

    ○西村(直)委員 なるほど私も法律的な手続としては、あるいはその点について必ずしもアメリカ側に責任があるとは思いません。思えない点があるかもしれませんが、しかしながら区域を新しく拡充しておるわけです。アメリカ側としては特に新しく区域を拡大して、しかも長い期間立入り禁止している。日本漁船としては水産資源をとるためには、一尾でもよけいとりたいという熱意からその地域へ行く。しかも今回の場合に、特にお伺いしたいのは、危険区域外であつたということ、十六マイルか十四マイル東方であるということは大体確認ができた。これは漸次はつきりして来ると思いますが、この場合において、対アメリカ関係とされては、大臣は現在どういう措置をとつておられますか。たとえばアメリカの大使知あるいは向うの駐在の日本大使館等、に対して、この問題についてすでに意見等を交換しつつあるのでございましようか。この点をお伺いします。
  12. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 この問題につきましては、二つの観点から考慮したいと思つております。一つは船が、区域外であると内であると、これは別問題であるとしまして、現に魚はやむを得ないとしましても、人命に危険があるかどうかわからぬ程度の相当の被害があつたわけでございます。この乗組員等については、アメリカ側にも連絡をいたしまして、できるだけの手当を加えなければならない。これが一つの点。それから第二点は区域外であつたとすれば、当然何らかの措置をアメリカ側で考慮すべまであると考えております。第一点につきましては、すでに本朝ハル駐留軍司令官から、急ぐから電話でということで私に電話をかけて来られました。その内容の当否は別として、病人に対してはできるだけ早く手当をしなければならない。幸いアメリカ側においては、原子爆弾等に対する手当の専門家も持つておるのであるから、日本側で御希望があるならば、いつでもその手当については、できるだけのことをいたしたい、こういう申入れがあつたので、ただちに関係方面に連絡いたしております。また本日午後四時ごろに米国大使もこの問題について、これは内容はわかりませんが、私に面会したいと言つて来ております。こういう点でさらにいろいろ話合いをいたしたいと考えております。  それから外にあるという確認ができておるように今ちよつと聞きましたが、これがはつきりいたしますれば、アメリカ側で危険、区域と思つて設定しました区域外においてまだ危険があつたということになりますれば、アメリカ側にも相当の手落ちがあつたと認められるのでありまして、この点については、補償その他の措置も当然考えられるものと考えますが、ただいま入手いたしました米国側のいろいろな意見を総合いたしますと、米国議会においても、この問題について議論があるようでありまして、もしアメリカ側に手落ちがあり、日本側の漁船に何ら手落ちがいないという事実があれば、当然米国側としましては、法律の規定があるなしにかかわらず、これは補償すべきものだ、こういう議論が非常に行われておるという報道を入手いたしております。
  13. 西村直己

    ○西村(直)委員 これは事態を明確にしていただきまして、責任のあるところをはつきりさせて、この機会にアメリカ側に責任をとつていただかないとおそらくひとり漁港基地である焼津の漁業者だけの問題ではなく、日本の漁業君全体の士気にも影響して参ることと思います。そこで特にこの際海上保安庁長官にもお伺いいたしておきたいのでありよすが、今後ともこういつた事態の発生を予防するための周知徹底について、何か日本側官庁も、まだこれだけの事態を起すというようなことを考えずにやつて来たのに対して、改善する余地はないか。この点やはりこの機会に承つておきたいのであります。と申しますのは、私もけさ地元の新聞を、すぐに取寄せてみたのですが、被害者の一部の言動によりますと、自分たちは船に乗つておつて、その日まで何も知らなかつた。またそんな危険区域があるということも、ちつとも知らなかつたということが出ておつた。こういう末端の、第一線の乗組員は関心を持つておらなかつたという点からみましても、こちら側にも周知徹底に欠けておる点があるかもしれないので、この点については、今後の問題として、どういうような御意見を持つておられますか。
  14. 山口伝

    ○山口(伝)政府委員 私どもこのたびの事件ができまして、航路告示等による周知が現実にどの程度に行つておるかということにつきましては、若干不安があるわけでありまして、今日までの航路告示の配付の仕方といいますのは、関係官庁あるいは学校――これは海の関係でございますがそれぞれ必要なところに配付もいたしますし、また一定の販売機関で求めに応じて売つておるという形もあるわけであります。その航路告示としては全体の発行数が三千三百部くらいであります。これが一週間ごとに出るわけであります。今までのところ大体調べましたところ、県の水産課であるとか、あるいは大きな組合等には航路告示等も行つておるようでありますが、各船にまわるだけのものはないようでありまして、事務所の黒板に書いたり、いろいろの方法をやつておるようでありますが、今日までのところ十全とば申し得ないと思います。これらにつきましては、もう少し調べまして、さらにこういうことの再び起らないように研究いたしたいと思つております。
  15. 西村直己

    ○西村(直)委員 国内的にも、かりに将来こういうような演習と申しますか、作業が行われる場合には、もう少ししつかりした態勢でおいでにならないといかぬと同時に、外務大臣も米国に対して、こういつたような世界をひつくり返すような大きな危険な作業をするものに対して、もしその作業そのものがいい悪いは例として、やるといつたことを認めたにしましても、周知徹底の方法はもう少しアメリカ側も深く考えるべきじやなかつたか。たとえば、ヴオイス・オブ・アメリカというようないろいろな宣伝をアメリカはやつております。しかしそういうようなものよりは、もつとこういつたことのほんとうの周知徹底が日本の国民全体にとつて大事なものであると考えますと同時に、農林大臣にもお伺いしたいのですが、これは農林大臣としてもたいへんな問題だろう、李承晩ラインあり、東支那海は制限され、拿捕されておる、北洋漁業に問題がある、同時に南太平洋に大事なまぐろの遠洋漁業の基地と申しますか、そういうものが漸次こういう危険物によつて拡大されて行く、公海の自由は失われて行く、こういうような場合に、遠洋漁業対策としてのどういうようなお考えを持つておりますか。ちよつと御所信を承りたい。
  16. 保利茂

    ○保利国務大臣 今回の漁船の遭難はまつたく不慮のできごとになつております。しかし内部的には先ほどからお話のように、この危険区域の周知徹底が日本の漁船に徹底したか、徹底しないかということは別として、今日まで得ております調査によりますれば、拡大せられた危険区域外の事態のように今日までは認めざるを得ないわけでありますから、この危険区域が本来いえば、もつと広いものでなければ安全でなかつたというこれは証明になるのではないかと思うわけであります。沿岸漁業がせり合つておる今日、沖合いから遠洋へという基本方策に従いまして今日の水産政策をとつております際に、かような事態が起きましたことはまことに遺憾に存じておるわけであります。今後の両国のいろいろ相談にまたなければならぬと思いますけれども、あらゆる方策を講じて、遠洋漁業は完全に操業できるように万全の措置を講じて行くべくただいまいちいちくふうをいたしておるところでございます。今回の事態につきましては、これは日本政府としても、漁業者に対しても、また遭難者に対しても、十分の措置をしなければならぬ。昨日来地元静岡県庁と水産庁と、これによつて、どういう被害が及んでおるか、また今回の遭難事件それ自体が将来に及ぶであろうか、これについてとにかく的確な調査資料を整えて、そして外交折衝にまつべき一ものは外交折衝にまつて、万全の措置を講じて参るつもりでございます。
  17. 西村直己

    ○西村(直)委員 当面の問題としては、先ほど外務大臣が言われたように、国内の原爆によつての被害者、たとえば漁業者あるいは魚を食べた人間等に対しては、対米関係として、あるいは日本の科学陣を動員してできるだけ救済措置をとつていただく。それからいま一つは、農林省とされまして当面の問題としては、漁船もやられ、漁業者は病気になる、これは船員保険が刈りましよう、しかし家族はどうするか、こういう問題を十分お取上げ願いたい。  時間がありませんからなるべくまとめて申し上げますが、ひとつ外務大臣にも、これは今すぐ意見を言えといつても無理かもしれませんが、木腰を入れていただきたいのは、アメリカが大きな原爆を使いなどして、だんだん太平洋のまん中にでて来る、アラフラ海は制限される、東支那海は制限される、李承晩ラインは引かれる、一体日本はどこで魚をとつたらいいのか、こういう問題なのであります。これは国をあげましての輿論を背景として、大きく主張して行かなければならぬ段階じやないかと私は思います。問題は単にこの問題だけを解決するのでなく、公海の自由、遠洋漁業そのものの自由をどうきめて行くか、そういう大きな問題が控えておるだろうと私は思うのであります。特に日本国民の総意というものは、これによつてやはりアメリカと、今は親善関係を結ぶにしても、結ぶことは結ぶこと、争うことは争うこと、私ははつきりやるべきじやないかこう私は思うのでありますが、特にこの機会に私が申し上げておきたいのは、なるほど日本は敗戦しまして今は力が十分でないにいたしましても、原子力の国際管理、平和利用、こういうような問題までも政府としては本腰を入れて意見を立てるべき時期ではないかと私は思うのであります。単にこれをもつてあるいは反米宣伝に使い、あるいは反戦宣伝に使うという消極的作業だけでなくて、むしろこの被害を根拠として一つの建設面に、いかにしたならば日本の水産資源を確保するか、公海の自由を確保するか、しかもこういつた被害というものは最小限に食いとめて行く、しかも世界の上でもつて大きな課題になつている原子力を平和的に利用する、こういうような問題につきまして、日本が一つの意見というものを率先して、とまでは私は申しませんけれども、やはり相当な関心と責任を持つて立てるべき段階ではないかと思うのであります。これは私からきのうあつたことに対してきようすぐ意見を求めようということは、もちろんこれはできないことでありますけれども、政府においても十分にこの点につきましては関心を持つていただいて、同町に当面の被害者に対しましては心からなる一つの手当をやつていただきたい、こう思うのでございます。おそらく水産基地の焼津としましては、遠洋漁業以外に生きる道がない。李承晩ラインでたたから、同時にこの問題でたたかれて、こういうような問題も当面の問題としてはあろうと思うのであります。どうぞこの点は所信を承らぬでもけつこうでありますが、ひとつ御研究を願いたいと思います。あるいは進んでこの問題について御所信がはつきりおありであれば承つてもけつこうでございますが、何もきのう被害があつたからただちに原子力に対する大きな構想を持つてお話いただかぬでもその点はけつこうでございます。関連質疑があるようでありますから、私の質問は一応打切つておきます。
  18. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 この際西村直己君の質疑について関連質疑を求められております。順次これを許します。申合せの時間内において努めて簡単にお願いいたします。川崎秀二君。
  19. 川崎秀二

    ○川崎委員 ただいま西村君から種々質疑がありましたので、私は常識的な問題はこの際お尋ねをいたしたくないと思うのであります。ただ外務大臣が今度のような重大な惨害に対してどういう見解のもとに措置をとられておるか、これをぜひともお伺いをいたしたいと思います。問題は国際法に触れて来る問題でありますが、一体今度の事件の起つた地域は、米国政府は太平洋信託統治協定の条項に基いてエニウエトク環礁とその領海を閉鎖区域としておるということが言われておりますが、外務大臣は今回起つたところは、これは国際法上公海でありますか、それともあるいは委任統治のわくの中における公海と目されておるか、その点をまず伺つておきたいと思う。
  20. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 この点は従来から議論がある点でありまして、日本が南洋委任統治を行つておりましたときも、外国からこの視察をするとか、あるいは外国の船が立ち入るとか、飛行機が上空を飛んで行く場合にたくさん珊瑚礁があるのでありまして、現在あそこの船の遭難した箇所にもビキニの向うでありますが、ロンゴラップという環礁がずつとあるわけであります。この環礁をどういうふうに取扱うかという議論にもなつて来ると思います。日本海軍においては和一当広い範囲を領海と同様に扱つておつたように思つておりますが、しかしこれにもやはり国際法上は疑問があるやに考えております。  そこで今度の措置につきましては、第一に信託統治は統治田の利益のために行うのではなくして、国連の利益のために統治国がかわつて行うのがいいじやないか、そこで国連が承認いたしました信託協定の第十三条に基いてセキュリテイー・ゾーンというものを設けることになつたのであります。これも要するに大きな建前においては、国連の利益のために、いかなる実験をやられるかは別としまして、とにかく実験をやる、あるいはその他の必要に応じて危険区域なりセキュリテイー・ゾーンも設定する、こういうことになるわけであります。そのゾーンが一体国連の利益になるならば公海のところまで行くのか、それでも公海には行かないのか。またその地域が公海と称せられるべきものであるか、あるいは日本が昔主張していたように、これは一種の命がずつとある、それの領海と称すべきものか。これは多少国際法上疑問があるわけであります。この点はさらに、こういう問題が起りましたので、これからも大いに研究しなければならぬ問題だ、こう考えております。
  21. 川崎秀二

    ○川崎委員 今回の問題については、日本の国会と同様に、アメリカの国会においてもきわめて真剣な討議がされておると私は思うのであります。ただいま外務大臣は、率直にアメリカ国会においても種々の議論があつて、法律的にどういうようなことにしろ、被害者が甚大な原子力の破壊力によつて被害を受けた場合についてはこれを補償すべしというような、きわめてアメリカらしい立場で、すでに論議もされておるということでありますが、しかしそれが終局的にアメリカ政府の認めるところとなつて、わが方がもし損害賠償を提起した場合に、向うがそれを受入れる余地があるということになりますれば幸いでありますが、それらを固めるためにも私は論議をしてみたいと思うのであります。  ただいま外務大臣は、国際公海、いわゆる公の海であるか、あるいは領海であるかきわめて微妙だ、領海と思われるけれども、環礁その他の関係があつて、これを領海と認めるかどうかということについては議論があるのだと申されました。そこで私は申し上げたいのでありますが、これがたとい公の海、つまり公海にせよ、あるいは領海にせよ、アメリカ側が立入り禁止地域として推定した外にあるならば、これは領海であつても当然一九三〇年のへ-グ国際法編纂会議における領海の地域に関する条約案及び国際慣行によつて、領海における外航商船の地位というものは保障されておる。それはどういうことかというと、第一に領海における外航海船の地位というものは、無害航行権を持つ。その無害航行権というものは、外航商舶は沿岸国の安全、公序及び財政的利益を害しない限りは領海の自由航行を認められる、この権利を無害航行権というのでありまして、これは当然だと思うのであります。その際における障害としては、立入り禁止区域というものがアメリカ側から明示をされて、それが第一回は二十六年二月十日、第二回は二十七年十一月一日、第三回は二十八年十月十日でありますから、ある期間を限つてこういう通告をなしておると思うのであります。今回は、私の記憶するところによれば、たしかこのビキニ環礁のそばで水爆の第三回目の実験をするのではないかというアメリカの軍事評論家の予測的記事はあつたと思うのですが、正式的な通告というものはない。そこで、正式的通告は全然ないということになると、これは公海の場合においても、また領海の中においても明らかにアメリカ側の完全な手落ちになるのではないか、こういうふうに私は考えるのでありますが、外務大臣の御見解はいかがでありましようか。
  22. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 もちろん私が申しましたような、これが公海で、ハイ・シーという場合にそういう区域を設定できるかどうかということは、これは問題として残さなければなりませんが、アメリカが国連と協定を結びました信託統治の協定というものがありますが、その第十三条に基きますと、アメリカはセキュリテイー・ゾーンというものを設けることができる。そのセキュリテイー・ゾーンには、信託統治であるならば国連の代表者がこれを視察に行くこともできるわけですが、、このセキュリテイー・ゾーンに対しては視察を拒むこともできるというような規定がありまして、アメリカとしては一定の地域をセキュリテイー・ゾーンとして指定することはできるのでありまして、その指定する理由として、いかなる理由ならでき、いかなる理由ならできないとか、あるいはその理由を公示しなければならぬとかいうことはないのであります。従つてただ設定した地域が適当な地域であるかどうか、こういうことが問題になるわけであります。  それから第三には、その設定した地域の外でそういう被害が起つたとすれば、地域を設定するやり方が間違つておつたかどうか、こういうことになるわけであります。従いましてこの点に第二の問題があるわけであります。ただいまアメリカ側にもいろいろその点については、昨日以来交渉と申すよりも、むしろ事実の確認その他をやつておりますが、アメリカ側としては、全体ああいう地域を設定した場合には、アメリカの海上保安庁に当るようなところでもつて告示する以外に、無線とかラジオとか、いろいろな方法でこれを発表して、世界中に周知徹底させるはずであるのに、日本漁船がそういう所にいたとすれば、その周知徹底の仕方が間違つておるのではないか、何か抜けておるのではないか、またたしかそういう重大な実験をする場合に、その前にB二九を飛ばして周辺を警戒させる、また無線でもつてもし船がおればそれに警告を与えるはずになつておつたのに、そういうことをやらなかつたかどうかというようないろいろの点を調査しておるようであります。この方面のこともわからないのではつきりしたことは申し上げられませんが、いずれにしましても区域設定と区域外にそういう被害を及ぼす等の二問題は、さらに十分検討してみたいと思つております。
  23. 川崎秀二

    ○川崎委員 外務大臣は国連とアメリカ側との間に結ばれた協定に基いてのいろいろな経過を御報告でありましたが、私は国際法の観点からただいま御質問いたしておるのですが、いかなる場合といえどもこれが通告なしに行われた、通告なしにこの領域または公海において被害を受けたということになれば、これは完全なアメリカ側の手落ちだと考えておるのであります。ことにその外であるということが確認されれば、一層問題は重大になつて来るのでありまして、今日外務大臣として措置されることは、一日も早く、一刻も早くこの立入り禁止区域外の被爆であつたということを確認されて、すみやかに損害賠償の請求をされるべきでないか。原則をアメリカ側にのみ込ますべきだ。もとより損害賠償については、今後この損害を受けた君がどういう状況に立ち至るか。たとえば人間が死ぬとか、奪いはいろいろ場合が想定されますから、それらはあとまわしにしても、原則を、今回の場合は当然アメリカ側が損害賠償に応ずべきであるということを確認させるためにも、一日も早く事実を確認して応急の措置をとらるべきものだと私は思うのであります。これはただ要求するというのではなしに、むしろ政府の立場としては、ただいまも話しておつたと思うのですが、その事実が確認された以上は、アメリカ側をして承認させるというような強い態度が必要ではないか。それから今あなたに特に申しあげたいのは、これはアメリカ側がおそらく損害賠償に応ずるでしよう、非を認めるであろうと私は思うけれども、もしそれに応じなかつた場合には、これは当然日本側で、この爆発を受けたところの人に対する補償をして、そしてそのあとはやはり国際紛争に持ち込むべきものだ、それが当然だと私は思うのであります。このような原子爆弾、あるいは今回の爆弾は水素爆弾ともいい、あるいは新しいコバルト爆弾というようなこともいわれております。それでなければこれだけの大きな範囲での損害というものば起らなかつたのではないかといわれておるほどでありますから、世界の多くの識者、世界の国民はあげて日本側の立場に同情するものと思う。従つてへ-グの国際司法裁判所にこれが提起をされるならば、必ずや世界の民衆は日本のこの三度目の被覆に対して、非常に深刻なる同情を寄せてくれると思うから、場合によつては国際司法裁判所にも提起するというくらいの腹を持つて、外交方針を打ち立ててもらいたい、かように考えるのでありますが、外務大臣のお考えはいかがでありますか、明快なる御答弁を承りたいと思うのであります。
  24. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私もお説の通りに考えております。ただできますことならば、政府としては被害者にまず政府面接の見舞等をいたしまして、あとからアメリカ側の補償等をとつて、それを決済するという方法の方が早く被害者の手当が行くんじやないかと思いますが、これは農林省なり厚生省なり、いろいろの方面と連絡しなければ、私だけで申し上げるわけには行きません。しかしアメリカ側との間には、もし区域外ということが確認されましたならば当然そういうことは考えられると思いますが、ただいま入手しておりまする報道だけでも、アメリカ側では非常に同情の意見が多いようでありまして、すぐに原爆専門の医者を派遣せよという意見もあれば、予算があるなしにかかわらず補償をいたすべきであるという意見も方々に起つておるようであります。お説のような国際司法裁判所などというところまで行かずに私は解決するものと確信をいたしております。
  25. 川崎秀二

    ○川崎委員 それでは最後に一言だけ。いろいろまだ提起すべき問題もあるのでありますが、集約をいたしまして三つ、ばかり質問をいたします。第一は、これは社会党の片山哲氏あるいは水谷長三郎氏等も、すでにしばしば本会議場あるいは予算委員会の席上等において提案をされておる問題ですが、私は原子力の国際管理という問題は、もはやひとり大国の発言、あるいは国際連合に加盟しておる有力なる国のみが発言すべきもので、はなくして、これがために最も被害を受けておるところの日本などは率先して国際連合等にも訴え、世界の各国にも訴えて、一日も早く原子兵器というものの国際管理をしなければならないのじやないかというふうに考えておるものの一人であります。これについてはソ連側においてもそういう提案があり、またアメリカ自身も非常に深刻なる反省のもとに、戦争の回避のために原子力というものを今後ば国際管理に移すということに両方が納得するならば、原子力の国際管理に反対するものではないという意思を表明しておるのであります。そのような意味からいうならば、今度のような事件が起きて、これは広島、長崎に次いで、とにかく小規模にしても第三回目の災害を受けたものば日本であるということだけは明白なんです。三度目の災害を受けたのでありますから、弱小国であるが、わが国のごときかような立場に立つたものから当然発言をして、原子力の国際管理については各党がもつと率先をしてこれらのものを取上げるべきだと思う。これらに対する御意見を承りたいことが一つ。  それから原子力の平和利用というのは、先般も原子炉の築造の予算案をつくりました際に、党も声明いたしておりますように、できる限り一日も早く原子力を平和的利用に転化させるということがなければならない。今度の場合にも、おそらく原子医学というものが設立をされておらなかつたために、日本の医者では措置ができないというような場面も出て来ておると思うのであります。この際農林大臣に特に伺つておきたいが、今度の実験というものが、かりに水中で行われておつたというようなことになると、現在南洋方面に出ておるところのまぐろの水産業者というものも非常な打撃を受ける。打撃を受けるばかりでなしに、その収獲したまぐろその他の水産物の被爆したものが日本国内に持ち込まれるということになれば、これはまた重大な問題を提出するわけであつて、原子力の平和利用と並んで、原子医学の確立あるいは農林水産の部面からするところの原子問題に対する分析もしておかなければならないのじやないかというふうに考えるのです。これらを合せて答弁をしていただくということになると、副総理の見解あるいは総理大臣の見解も聞かなければならぬ。また総理大臣としてもかかる問題が起つて来ては、おそらく答弁もできないのではないかと思われるのですが、どうか閣議においてはそういうことの総合的研究に、今日すみやかに着手される必要があるのではないか、かように存ずるのであります。これらについて御所見を承われれば幸いであります。
  26. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 原子兵器等原子力の国際管理ということについては、これはもう私どもも何ら異存はないのであります。しかし蛇足を加えれば、ソ連とアメリカとの見解は近寄つているがごとくして、実は非常に離れておりますから、なかなか難かしいとは思いますけれども、努力はわれわれとしてもできるだけいたさなければならぬ、この点についてはまつたく御同感であります。
  27. 保利茂

    ○保利国務大臣 原子力の研究があらゆる面において急がれなければならぬという御発言は、かような事態が起りまして、いよいよその切実の度を加えていると存じます。総理が他の機会でも御発言になつているようでありますが、そういう趣意で政府としても取扱つて行くべきものだと考える次第であります。
  28. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 佐藤觀次郎君。
  29. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 外務大臣にお尋ねしたいのでありますが、アメリカは太平洋のどこでも無警告にこうした原爆や水爆の実験を自由にやれる験利があるかどうか、国際法の規定はどんなふうになつているのか、ひとつ御説明願いたい。今度も風のぐあいによつては、あるいは日本本土にも被害があつたのではないかといわれている科学者の言葉がありますが、一体そういうことについてはどういうことになつておりますか。御承知のように日本は広島と長崎で二度も原子爆弾のごちそうをいただきまして、今度平和の中に三たびこういうような被害を受けたわけでございます。こういうような原爆、水爆の実験は日本に近いところでなくて、もつと遠いアラスカか北極でやつてもらうようなことはできないのか、こういう点について外務大臣の所見を伺いたいと思います。
  30. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは川崎君にお答えしました通り、アメリカと国連との間で締結されました信託統治協定に基いて、その第十三条にアメリカはセキュリティ・ゾーンというものを設定し得ることになつている。従いまして太平洋のどこでもできるのでなくて、信託統治区域内においては、セキュリティ・ゾーンというもものを設けることができる。もしその爆弾が非常に強力なもので、その設け得る範囲外に何か影響を及ぼすような場合は、もちろんそこではできないのであつて、どこかほかの場所でしなければならぬことは当然であります。
  31. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 今度の被害によりまして、武器の進歩がいかにわれわれの想像以上であつたかということがわかるわけであります。今日本はMSAの協定とか、あるいは今度再軍備をやるというようなことを言つておりますが、フリゲート艦やバズーカ砲などはちよんまげ時代の武器でありまして、今の戦争には間に合わぬということを今度の水爆の実験が示したわけでございます。こういう点について、これは外務大臣よりむしろ総理大臣かあるいは保安庁の長官に閥きたいのですが、こんな時代遅れの再軍備をやつて、どうして国をお守りになるのか、御意見を承りたいと思います。
  32. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これはお説の通り私の所管でございませんから、権限外のことに属しますが、私の考えを申し上げますれば、ただいまは、われわれは自衛力の漸増をやつているので、日本の安全を保障するためには依然として日米安全保障条約が有効なのであります。このアメリカの力と日本の力と、これは大小の差はありましようが、加わつて日本の守りを固くしたい、こういうつもりでおります。
  33. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 今後遠洋漁業をやるとか、あるいは航行なんかの問題について相当危険な状態が出て来るかと想像されます。こういうような問題についてこれからもまつたく心配ない、こういうようなことは再びないだろうという想像ができるのかどうか。あるいは外務大臣はそれについてどういう御処置をとられるのであるかということが第一点。  それから先ほど川崎さんからも提案がありましたが、今度の損害賠償につきましてどんな態度で臨まれるのか。その点を外務大臣に伺いたいと思います。
  34. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは事実の確認をまず先決問題といたしますが、今報告のありますように区域の外側に船があつて、しかも被害をこうむつたとしますれば、一体そういう影響がどの程度に及ぶものであるか、これによつて一体アメリカの信託統治地域でこういう実験ができるかどうか。こういう点をはつきりしなければならぬわけであります。この点は十分に確めたいと考えております。  第二の補償の問題でありますが、これも事実がほとんど確認されておると思いますけれども、念のために十分確認をいたしまして、その上で適当な措置をとるつもりでおりますが、これもそういう事実が確設されますれば、別段むずかしい問題ではないと考えておまります。
  35. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 こういう事件は珍しいことだと思いますが、一体世界にこういうような先例があつたかどうか。外務大臣が今まで調べたところで御存じでありましたならば、ぜひひとつお知らせを願いたいと思います。
  36. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 もちろんこういう新しい爆弾に関連した先例はありませんけれども、たとえば昔でも実弾射撃の練習をする、そのために海上のある程度の安全を守るために、危険区域を設定する、こういう場合にその砲弾がそれた、あるいは思わぬ速くまで行つたりするような事例もないことじやありません。そういう場合の補償等の事例はないことはないと思います。
  37. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 最後に農林大臣にお尋ねいたします。先ほども当該委員からもいろいろ質問がありましたが、今度の問題は、御承知のように日本は漁場が少いので遠洋漁業ということが盛んになつて参ります。ところがこの事件によつて非常に国民は今不安を持つておるわけでございます。きようあたりも東海地方のいろいろな方面で、魚の問題について想像もできないような不安があるわけでありますが、こういう点についてどういう御処置をとられるのであるか。農林大臣に最後にお尋ねしておきます。
  38. 保利茂

    ○保利国務大臣 先ほど川崎さんからお話がございましたように、原子力の研究は非常に立ち遅れておつて、それの科学的な影響というものが的確に把握できていないといつた現状のもとにおきまして、たとえば被害船の漁獲物にたいへん有害なものがあつたということになりますと、それに直接間接に携わつた者はすべてたいへんな不安があるのではないかというような、これはもう決して行き過ぎでもない不安が起きて参りますのは当然のことでございますけれども、そういう意味で、また補償要求等の関係もありますから、今回の事件によつて今日ただいまどれだけの損害が起きておる、そしてまた今後どういうふうな損害の径路をたどるかということにつきましては、十分的確な調査をして、至急資料を整えたいと考えておるわけであります。この旧南洋委任統治区域に、かつを、まぐろ船が大体五十隻くらい出漁しておるはずであります。今日までのところはこの漁船が一隻こういうふうな被害を受けております。他のものに対してはただいま手配を行つておりますけれども、そういう被害を受けたというような事実は、ただいままでのところは一隻も出て参つておらぬわけであります。要は、これはアメリカ側におかれても、一層今回の事態を基礎としてやつてもらわなければ、先ほどお話のように、公海自由の操業が非常に脅かされるということになるわけでございますから、私どもといたしましてもこれに対しては外務当局と十分打合せをいたしまして、その対策を講じて参りたい。今日のところ五十隻ほど出ておるようでありますけれども、この一隻のようであります。
  39. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 最後に外務大臣にもう一点お尋ねいたしたいと思います。今度の事件では現にどういう措置をされ、また今後どういうような方法で処置をとられるのか、その覚悟をひとつ承りたい。
  40. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 別に覚悟ということもありませんが、被害状況がはつきりいたしまして、どの程度の被害であるか、これに基きまして適当な補償その他の措置を講じたい。また将来こういうことが起らないような予防策も講じなければならない。かように考えます。
  41. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 今澄勇君。
  42. 今澄勇

    ○今澄委員 時間がないから簡単に聞きますが、この問題は重大なる問題で、日本の国会を通じてアメリカの輿論に私は大きな反省を与えたいと思います。まず農林大臣に聞きますが、あなたは今漁船の被害はない模様であるとの答弁でありましたが、きのうの午後まぐろかつを漁業協会の語つたところによると、第一次原爆の試験以来、同洋上におて日本漁船にして原因不明のまま消息を絶つた漁船が五、六隻あるとの話でありますが、この原因不明のまま行方を絶つた漁船は何隻であるか、またそれらの原因について調査したことがあるかどうか。農林大臣並びに水産庁長官から正確簡単にお答えを願いたい。
  43. 保利茂

    ○保利国務大臣 水産庁長官から御説明いたさせます。
  44. 清井正

    ○清井政府委員 ただいま今澄委員の言われたことでございますが、ただいまのことにつきましては、私どもはつきり事実を確認いたしておりません。ただ私どものただいままで知つておる範囲においては、ただいま農林大臣からお答えいたした通りであります。
  45. 今澄勇

    ○今澄委員 このまぐろかつお漁業協会の話である原因不明のまま消息を絶つた漁船については調査の結果、当委員会に、何隻あつて、一体どういう状況であつたかということを御報告願いたい。この点の調査とか、報告は私はここにかたく留保しておきます。  第二は、農林大臣に聞きたいのであります。業者と監督官庁は少くともこの漁船の魚については、このほかにもこれと同様の船が百隻近く就業しておるのであるから、疑惑を持たなければならないはずであります。この船だけが原爆の影響があるわけではないが、その他の船の魚についてはどういう検疫と、国民保健の見地からどういう処置をとつておられるか。なおこの船についても三月一日に事件が起つて、その間非常に時日が経過しておるが業者と監督官庁と結託して、自分の利益、漁業者のために、国民全体の保健がないがしろにされた点が非常になきにしもあらず、遺憾でございます。これらについては農林大臣からその間の事情をひとつ御報告願いたい。
  46. 保利茂

    ○保利国務大臣 業者と監督官庁と結託してというようなことを申されましたが、結託する必要は全然ないのであります。とにかく五十ぱいほどのかつおまぐろ船が旧委任統治海域に出漁していることは事実であります。従つて、これらに対しまして何らか異常がなかつたかどうかということを照会いたしておりますけれども、今日までのところ何らの反応がございません。ありましたら御報告申し上げます。
  47. 今澄勇

    ○今澄委員 本件に対する農林省の態度はまことに怠慢そのものであると私は思います。これらの問題については後ほど時間をかけてお聞きをしましよう。  次は外務大臣にお尋ねいたしますが、この際アメリカの同情だとか、アメリカからの見舞などは、大した価値はないと思う。この被害を受けた人の手当をするには、ベーター線であるか、あるいは貫通力の強いガンマー線であるか、すなわち実験した爆弾は一体何爆弾であるかということがわからなければ、これらの被害を受けた病人の生命をとりとめることは不可能じやないか、おそらく私はこれらの被害を受けた人の生命はなくなるのじやないかと思うが、なぜ外務省はこういう根本的な問題に触れて交渉をしないのか。それともそういう問題を交渉の結果、それはどういう爆弾であるから、どういう治療をしたらいいという指示を大使館から受けられたかどうか、これをお尋ねしておきます。
  48. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは先ほど川崎君にお答えしましたように、ハル駐留軍司令官から、アメリカ側においてこういう種類の問題を研究している専門の医者が多数おるから、日本が希果すればこれを派遣して診療にあたりたいと思つている、こういうことでありまして、私も専門家でないからわかりませんが、聞くところによりますれば、これがいかなる種類の爆弾の原因によるにかかわらず、その症状によつて応急措置がとられるような研究はできておるということであります。
  49. 今澄勇

    ○今澄委員 そのあなたの御答弁の応急措置ば早く行われなければならぬ。そこでアメリカから医者が来る前に、その使つた爆弾はどういうふうなものかということを聞きさえすれば、それでただちにこの人々の不幸な病気に手当がとれる。それをお聞きになつたかどうかということを聞いておるのです。
  50. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これはアメリカから医者を呼ぶのじやなくて、東京にいる駐留軍司令部に所属している専門医であります。
  51. 今澄勇

    ○今澄委員 その専門医が手当をするにしても何にしても、使つた爆弾の種類が何かということを聞かなければ、本格的な手当は行われないと思うのだが、どうしてそれをお聞きにならぬのかを聞いている。
  52. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 先ほど申しましたように、私も専門家でないから、今澄君ほど知識はありませんけれども、使つた爆弾がいかなるものにせよ、症状によりましてただちに応急措置がとれるような訓練をいたしておるということであります。つまり、戦闘行為によつては、相手方の爆弾によつて死傷をいたすのであつて、そのとき相手方の爆弾が何であるか知らなければ治療ができないというのでは間に合わないのでありまして、その点は被爆をされるとすぐ治療ができるような研究をいたしておると了解しております。
  53. 今澄勇

    ○今澄委員 外務大臣の答弁は、私は非常に重大だと思います。戦闘行為によつて日本の漁船が被害を受けたんじやない。アメリカの手落ちから、わが国の無事の漁民が、海上において被害を受けた。それば爆弾の種類によつて手当が違う。だから、どの爆弾かということを聞けば立ちどころに手当ができるのに、それをアメリカに聞かない日本の政府の態度はまつたく、日本の政府の国の政府を代表するものとしては国氏に対して実に申訳ないのじやないか。この意味において、使われた爆弾は、一体コバルト爆弾であつたか、水素爆弾であつたのか、プルトニウム爆弾であつたのか、何であつたのかということを一外務大臣はアメリカに聞いて、それによる対策を行う方が、アメリカの軍半機密よりも、平和国家としての日本としては大事ではないかということを私はあなたに聞いておるのであるが、もう一度見解を伺つておきます。
  54. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私は被害者の手当が先決問題であると考えております。戦争によるというのは、アメリカの医者が戦争の場合に自分の方の被害を受けた軍人を手当するのに、その爆弾の根源が何であるかわからなければ手当ができないようでは問題にならないのであつて、その点は十分研究していると考えておりますから、要するに専門医に被害者の状況を見せさえすれば、現代の医学の許す範囲の治療はできるものと考えております。
  55. 今澄勇

    ○今澄委員 この問題は、非常に残念ですが時間がありませんからこのくらいにしておきますが、もう一つは、イギリスもソ連も、その国の原爆の実験は自分の領土内、あるいはそれに類似するところでやつておる。先ほどあなたは、佐藤議員の質問に対して、国連との協定ということを言われたけれども、海上において、しかも公海に大きな影響を与えるような実験等をやつているのはアメリカだけである。だから私は、広島、長崎、並びに今回の被害を受けた原爆の実験に対して、日本政府としては、現在の実験場が適当でない旨の申入れをアメリカ側に対してする意思ありやいなや外務大臣に伺つておきたいと思います。
  56. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは、先ほど申しましたように、信託統治協定第十三条によりまして、アメリカ側としてはセキュリティ・ゾーンを設け得る権能を持つているのでありまして、この信託統治に付するということについては、平和条約においてわが国もこれを認めておるのであります。従いまして問題は、そのセキュリティ・ゾーンを決定したその広さに間違いがあつて、そのゾーンの一外にあつても被害をこうむつたとすれば、これはやり方が間違いであります。もしそれでは、セキュリティ・ゾーンを広げることによつてその信託統治地域外に出なければならぬとすれば、これはまた公海の自由という問題になるのでありまして、そういうところでは、実験ができないということにもなりましようが、この点については、事実の確認を急ぎまして、その結果に応じて適宜措置をするつもりでおります。
  57. 今澄勇

    ○今澄委員 なおもう一つ国民が心配しているのは、日本にアメリカの原爆が、アメリカ駐留軍としては作戦上必要であるとして赴いてあるかどうかということです。伝えられるところによれば、北海道には作戦上の必要から置いてあるといわれているが、これらのものがもしわが国内に管理せられておるとすれば、せられておるとはつきり外務大臣は言つてもらいたい。原子爆弾が、実験の結果、かような区域外の日本の漁船にも被害を及ぼすような恐るべき威力があるとすれば、もしさような手煙いで日本の国民に大きな被害を及ぼしたとすれば、われわれとしてはたまつたものではありません。そこで、これらの問題についてアメリカ側と折衝せられたことがあるかどうか、なお、それらの機雷を食いとめるような対策が行われているか、どうか、この三点について外務大臣から伺つておきたいと思います。
  58. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 国内には、さような危険なものはただいま置いてございません。従いまして、御心配の点はないと考えております。
  59. 今澄勇

    ○今澄委員 時間が参りましたからこの点一つだけ聞いて終りますが、わが国は広島に原子爆弾が落されて十幾万の無事の非戦闘員が死んでいる。長崎に原子爆弾が落ちて、これまた十二、三万といわれる無事の非戦闘員が大東亜戦争中において死んでいる。今日また二十三名の者が原爆の被害にあつて、将来のことに属しますが、あるいは生命に危険があるかもわからない。日本は、戦争中において諸外国に大きな人類道徳上の影響を及ぼしたということで、多くの人が戦争犯罪者として処罰を受けておるが、今日の、この太平洋の実験の結果被害を受けた国民の立場になつてみると、これらの原爆戦を支持したアメリカの責任者は大きな戦争犯罪者でなければならない。さらに、そのような実験の結果、無事の世界の人類に大きな脅威を与えたものも、これは大きな罪に問われなければならぬ。その意味においては、日本政府はアメリカに対して、わが国の平和国家としての基本的な性格から、賠償はもとよりそういつた責任者の処罰等を強硬に要求すべきものであるが、これに対する政府の考え方、並びに対策をひとつお聞かせを願つておきたいと思います。
  60. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 今回の被害に関しましては、先ほど御説明をいたした通りであります。戦争中の問題につきましては、遺憾ながら御意見が違いまして、私どもは損害の補償などを請求いたす考えはありません。
  61. 倉石忠雄

    ○倉石委員長 この際西村直己君の御質疑を留保いたしまして、川崎秀二君の御質疑を継続いたします。川崎秀二君。
  62. 川崎秀二

    ○川崎委員 時間が限定されておりますし、むだな言葉は省きまして、直截簡明にMSA問題についての答弁を求めるものであります。第一は今度のMSA交渉は、一般的に、このMSA協定調印に賛成する者も反対する者も――反対する者はもとよりで、ありまするが、賛成する者にしても、まつたく義務のみ多くして、実際には非常に得るところが少いのではないか。すなわちMSA交渉にあたつて外務大臣のとられたところの行動というものは、余剰小麦協定の問題にしても、あるいは海外派兵の問題にしても、きわめて自主性のない遺憾な態度に終始しておると考えざるを得ないのであります。私はまず第一にお伺いいたしたい点は、先般MSA協定調印にあたつて、あなたは世上問題になつておるところの海外派兵の問題について、この協定に明記しなかつたゆえんは、こういうようなことを言つております。すなわち「海対への部隊派遣の問題のごときは、もとより装備、資材等の援助の授受を定めることを目的とした本協定とは何ら関係のありようのない問題でありますが、国内の一部で懸念する向きもありましたので、本協定の署名式におけるあいさつにおいて、その無関係なることを明らかにいたした次第であります。」すなわち海外派兵の問題はこの中に入れなかつたけれども、元来この協定はそういうものを規定したものでないから、あえて入れなかつたのだとおつしやつておる。ところが日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定、すなわち今度のMSA協定の本協定の第八条において「日本国政府は、国際の理解及び善意の増進並びに世界平和の維持に協同すること、国際緊張の原因を除去するため相互間で合意することがある措置を執ること並びに自国政府が日本国とアメリカ合衆国との問の安全保障条約に基いて負つている軍事的義務を履行することの決意を再確認するとともに、自国の政治及び経済の安定と矛属しない範囲でその人力、資源、施設及び一般的経済条件の許す限り自国の防衛力及び自由世界の防衛力の発展及び維持に寄与し、」と書いてある。ここの今私が問題にしたい焦点は、その「人力」とははたしていかなるものであるか。これは海外派兵を一切意味しないということを、あなたはここで断言ができますか。
  63. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは普通国際間の協定に基きまして、二つの客観体があつて、それが同じこと、つまりここで申しますと「人力、資源、施設及び一般的経済条件」等につきまして、これを「自国の防衛力」と「自由世界の防衛力の発展」と両方にかけておるわけでございます。その場合には各国どこでもやることでありますが、この中で初めの「自国の防衛力」に関連のあるものばどれとどれ、それから「自由世界の防衛力の発展」に関連のあるものばどれとどれ、この中から可能なものをとり吊すのが普通でありまして、これが全部にかかると、こういう解釈には普通ならないのであります。そこでこの場合におきましては、第一にこの条件と申しますものは、相互安全保障法の五百十一条のa項六項目でありまして、アメリカの援助を受けておりまする国はいずれもこの条件を受諾しておる、日本だけがやつておるのではないのであります。そこで各国ともにこの解釈についてはただいまのところ一致しておりまして、この「人力」というものは「自国の防衛力」にかかるのであつて、他国の防衛力の発展にはかからないという見解であります。また同時にこの協定でもおわかりになりますように、「自国の政治及び経済の安定と矛盾しない範囲で」とこう書いてあるのでありまして、自国の政治上――これはもちろん憲法という基本法も考慮に入れるのは当然であります。従いましていずれの面から見ましても、この「人力」というのは、日本の国民を他の外国に出して、これを他の外国の武力の一部にするというようなことが含まれてないのは、事実上当然のことと私は考えております。従いましてこの「人力」については、非常に誤解もあるわけでありますけれども、こういう意味にとつて何らさしつかえないことをここで断言をいたします。またさような意味もしかしありましたので、念のためあいさつの中にこれを入れた次第であります。
  64. 川崎秀二

    ○川崎委員 もしあなたの言うように、世界各国との間に結ばれておるところの、すなわちアメリカが民主主義帳勢を維持するために、MSA協定を、インドシナであるとかあるいはユーゴスラビアであるとかいろいろな国と結んでおる。その際において、このマン・パワーというものは、人力というものは、自国のものだけだと言うのならば、日本のような非常にマン・パワーというものに対する誤解を受ける危険のあるところに、何ゆえにこの文字を入れたか。むしろ入れないことの努力をすることが当然ではないかと思われるのですが、その点に対する御見解はいかがでありますか。
  65. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは基礎はアメリカの法律でありまして、アメリカの法律の中には、この六条件を満たすことをMSA援助の条件といたしております。従いましてアメリカ政府としましては、この六条件の文字を入れざるを得ない立場にあります。従いまして日本としてこの援助を受けるとしますれば、やはりこの六条件の文字を入れる必要があるのであります。従いましてわれわれはこの各国のマン・パワー等に関する解釈もただしましたし、また「政治及び経済の安定と矛盾しない範囲」内においてという制約がある、これにも制限されておるということもはつきり認識いたしまして、しかもあいさつの中に、念のため、海外派兵はないのだということがありますし、元来海外派兵というようなことはその国の政府のきめることでありますので、この点何ら心配がない、こう考えましたので、この文字を入れたわけであります。
  66. 川崎秀二

    ○川崎委員 援助を受ける各国の解釈を一々確かめたというが、直接確かめられたのですか、アメリカを通じて確かめられたのですか。
  67. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 それは全部の国を一々確かめたわけではありませんけれども、おもなる国については、在外出先の機関もありまするし、またアメリカの意見ももちろんありまするが、いずれもこの点については何ら懸念がないと私は確信をいたしております。
  68. 川崎秀二

    ○川崎委員 たとえばトルコの軍隊のごときは、あれはMSAを受けておりますか、受けておりませんか。
  69. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 受けておると承知いたしております。
  70. 川崎秀二

    ○川崎委員 そうすると、今度、国際連合軍に参加して朝鮮にたしか来ておるはずであります。MSへ協定を受けた後における発動だと私は思つておりますが、トルコとの協定の場合にも、このマン・パワーというものは自国の防衛にのみ当るのだという解釈のもとに行われたのでありましようか。
  71. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 朝鮮に派兵した部隊は、国連の決議に基いて、各国の自発的行為として行われておるのであつて、義務として行われておるものではありません。  第二に、この協定の趣旨は、自由主義諸国の防衛力の増強というのであつて、その国の防衛力の一部に入ることを予想しております。朝鮮の事態はまつたくこれと別であろうと思います。
  72. 川崎秀二

    ○川崎委員 この問題については、外務大臣は非常に深い研究もされておるが、われわれもいろいろと各国との関係をも考えて発言をいたしておるのであります。もしそうでなければ仕合せでありますが、たとえばトルコのような例で、これは国連に加盟をしておる国でありますから、日本と多少条件は違うとは思いますが、実際には協定を結んだ際には、マン・パワーというものは自国の防衛にのみ寄与するということであつて、これは自由世界の防衛力の発展及び維持に寄与するということには入らないのだとあなたが仰せられても、これは非常に微妙な誤解を投げるのではないかというふうに考えるのであります。ごあいさつの中で、海外派兵の問題に言及をされたのは、アリソン大使と打合せの結果、目下は起らない、当分起らない、そうして少くとも現内閣が存続しておる間においては起り得るはずがないから、また太平洋の今日の情勢からして、日本が派兵をするということは起り得ないからという現実の感覚に立つてのことであつて、起り得る場合も将来はあるのだけれども、現在は起らない、こういうような了解がなされたと違いますか。
  73. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 さようなことは全然ありません。ただ将来、たとえば国内の輿論が変化いたしまして、憲法を改正したり、あるいは国の根本的な考え方が満つて来る場合、これは政治は生きものですから、そんなことはわかりませんが、ただいまのところ政府として、今は大丈夫だから安心だというような考えでやつてはおらぬのであります。この次に続く政府も必ずあり得るわけであります。日本の国はずつと続くわけでありますから、その点は十分考慮いたしております。
  74. 川崎秀二

    ○川崎委員 この問題はこのくらい問題を提供しただけにとどめます。  続いてお尋ねいたしたい点は、余剰小差協定に関連しての問題であります。今回アメリカから余剰小麦を買い入れる協定ができたことによつて、一九五四年度においてアメリカから小麦の買入れをする通常の買入れのほかに、事態によつては余剰小麦をさらに買い入れるということがありましようか、その可能性ばありましようか。
  75. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 御直川がちよつと判然いたしませんが、今の問題でなくて将来においてさらに小麦を買い入れる……。
  76. 川崎秀二

    ○川崎委員 本年中です。
  77. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 本年中に買い入れるということでありますれば、ただいま予定しておりまする五十万トン、十万トンはでき得る限り六月いつぱいに買い入れたい、こう考えておるのであります。将来本年度で七月以降に関するものにつきましては、これは私の方の管轄ではありませんが、農林省等で必要とある場合にはもちろん交渉をいたして買い入れる場合もあろうかと考えております。
  78. 川崎秀二

    ○川崎委員 そこでお尋ねいたしたいのは、ただいま仰せられたように、余剰小麦を買い入れる協定ができた。それから本年度の予定されておる通常の買い入れというものもある。ことにMSA協定の案文のうちには、米国その他友好国の外貨収入を妨げないということがありまするから、従つて年々の通常計画、恒常計画といいますか、そういうものを圧迫することはないわけだと私は思うのですが、その点はいかがでありますか。
  79. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 その原則を維持して行きたいと考えております。
  80. 川崎秀二

    ○川崎委員 そうしますと、日本の小麦輸入の計画は現在の余剰小麦の受入れと本年の通常の受入れと二つあるわけですが、それが米国の分が、米国その他の友好国等の外貨収入を妨げないことという帆走があるか、それによつて通常に確保されるということになりますと、私は勢い日本の食糧状態からして、米国以外のカナダあるいはアルゼンチンあるいはまたオーストラリアの輸入を削減しなければならぬことになるのではないか、そういうふうに考えるのでありますが、そういう傾向になりはいたしませんか。外務大臣でもよろしいし、通産大臣でもよろしいが、お答えを願いたいと思います。
  81. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私の承知しておる範囲内におきましては、アルゼンチンとの協定はバーター式の協定でありまして、これは維持することにいたしております。カナダ等との話合いにおいても、これは特別扱いということにいたしておりますから、このまま輸入されると考えております。カナダにおきましては、アメリカのこういう小麦を輸入することによつて通常の小麦輸入が削減せられるのではないかという非常な必配を持つております。この点につきましても、カナダ政府には日本政府として通常の輸入を妨げる意向はない、つまりカナダに対しても同様買付をいたす予定にしておると申しております。
  82. 川崎秀二

    ○川崎委員 そこで問題は、昨年カナダとの間に――ただいまアメリカの余剰小麦を買い入れることによつて、カナダの小麦の通常の輸入を削減することはないのだということでありますが、一九五二年の八月から五三年の七月まで、すなわち日カ協定で六十万トンの輸入を約束したにもかかわらず、実際の到着は五十六万三千トンというものになつておつて、去年の八月以降にカナダとの協定は新たに結ばれることになつておりながら、カナダ側の考え方によつて非常に延びているということではありませんか。そうすると今後実際には余剰小麦をアメリカ側から、ことに一般的にはくされ小麦だと言つているのですが、これを買い入れた結果、非常に優良な通常々入るべき小愛が削減されて、その結果他の岡との親交関係というものを阻害することになりはしないか、これを私は言つておるのであります。現にこういう数字になつて現われて来ているけれども、通産大臣並びに外務大臣はどういう御見解でありますか承りたいと思います。
  83. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 ただいま外務大臣からお答えいたしました通りでございまして、通常の協定等によるあるいは通常の取引等による輸入を阻害しない限りにおいてということで将来とも考えて参ります。  それからカナダの協定につきまして、実績が初めの予定よりも多小下まわつておつたということについて格別問題が起つてはおりません。
  84. 川崎秀二

    ○川崎委員 格別問題が起つていないということではなしに、私はむしろ通産大臣に対しては数量の問題を聞きたいと思います。五二年の八月から五三年の七月にかけて、すなわち二十七年から二十八年にかけて六十万トンのものが五十六万三千トンに落ちた。しかも新たに今度の余剰小麦の購入によつて、カナダ側との実際の小麦の輸入計画というものが非常に削減されるのではないかということであります。ひとつ数字的にお答えを願いたいと思います。
  85. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 今お示しになりましたその実績、の数字につきまして、それに対応する数字をただいま持つておりませんが、私の記憶では大体御指摘の通りだと思います。  それからその関係よりもむしろただいま外務大臣が答えられましたように、将来さらにその余剰農産物を買います場合に、自分の方からの買い分を減らしてもらいたくない、こういう希望をカナダ側が持つておりますことは、ただいま外務大臣が指摘されました通りであります。
  86. 川崎秀二

    ○川崎委員 外務大臣にさらにお伺いいたしますが、今カナダの問題はまだ八割、七割と落ちて来ている程度でありますから、それほど問題ではないのでありますが、日本と将来やはり太平洋上の友好国として今後日本が非常に、取扱いを注意しなければならぬオーストラリアでは、一九五〇年に小麦の輸入が日本に対して六万七千トンであつたのが、五三年に一万八千トンになつており、五四年は振り切つているというような状態、こういうようなことになると、オーストラリア側は、日本がアメリカから余剰小麦を相当輸入することにおいてこちらから出すものが少くなるというような関係もあつて、日本に対するところの貿易上の問題についても報復措置をとるのではないかということが近来識者の間でまじめに憂慮されております。すると結局これは日本の輸出品を削減するというような報復措置に出て来るおそれがあるのでありますが、これらの問題についての見解を伺いたい。通産大臣からも伺いたいと思います。
  87. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 ちよつと記憶がはつきりいたしませんのであるいは違つているかもしれませんが、国際小麦協定においての買付の小麦の一部は――国際小麦協定は御承知のように、日本がこれだけ買うというと方々の国に割当てるわけであります。その中には相当部分濠州のものが入つていたと私は記憶いたしております。それから濠州側では、もちろんわれわれが羊毛の非常な顧客でありますので、むしろこれが減らないことを強く希望いたしておりまして、そのためには日本のものをもつと買わなければいかぬじやないかという議論が今度の日英貿易協定等の一つの題目になつたくらいでありまして、ただいまのところ、おつしやるようなことが問題になつたことは知つておりません。
  88. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 先ほども申し上げましたように、アメリカ以外の国におきましてこの問題について関心を示しておることは事実でございます。それから日本側といたしましても、ただいま御指摘のような、こちらからの輸出を阻害されるというようなかつこうに出て来られることは非常に困ることでございますから、この取扱いにつきましては、将来今回の協定に基きまして入つて参りまする五千万ドル以外のその後の話につきましては慎重に対処いたしたいと考えております。
  89. 川崎秀二

    ○川崎委員 私はこの小麦の輸入計画についてのいろいろな数字当つてみると、二十七年度には百五十九万大千トン、二十八年度には百七十四万七千トン、二十九年度には百九十六万三千トンとだんだんふえて来ておるにもかかわらず、次第にアメリカ側から輸入するものが多くなり、ことに昨年の余剰農産物の小麦協定という新たな協定が生れて、その結果他の国からの食糧輸入は非常に圧迫をされる。しかも品質において非常に優良なものが圧迫をされて、その結果親善外交を失うということになれば非常に雨天であります。これは小麦の問題一つとつてもあまりにも対米一辺倒じやないか、それは対米腐れ一辺倒とでも言わざるを得ない状態にも立ち至つた、こういうことになるわけでございます。小麦の問題一つとつても一非常に重大ではないか、この点ひとつもう一度所感を伺つておきたい。
  90. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 小麦の問題につきましては、余剰農産物の買入れという農産物全体の問題であることをまず考えなければならぬと思うのでありまして、ひとり小麦の問題だけではございませんので、その他にも考え得る農産物があるわけでございます。  それからアメリカとの関係はさることといたしまして、日本の外貨割当等の関係から見まして、できるだけ経済的に考えまして良質のものを廉価にこちらとしては入れたいということで、輸入をいたしまする先の国との関係を総合的に考えながら、同時に日本側としての都合のよろしいような買い方をしなければならぬということで、この点は広く総合的な考え方できめて参りたいと思うのであります。   〔委員長退席、小峯委員長代理着席〕
  91. 川崎秀二

    ○川崎委員 外務大臣はよその委員会で請求をされておるそうでありますから、二つばかり緊急の問題について伺いたいと思います。  先般日米合同委員会の調達調整小委員会なるものが外務省であつて、その際に極東統合司令部の合同幕僚あるいは極東軍司令部の兵器局長、日本側から伊関国際協力局長などが出て、域外調達についてのかなり詳しい検討が行われたように思います。先般韓国復興特需については約一億ドルの見込みがあるという小笠原大蔵大臣の答弁もあつたわけであります。現在外務省を通じてアメリカ側からどのような域外調達る内容を明示いたしておるか、ひとつ御明示を願いたいと思うのであります。
  92. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 今いろいろ相談をいたし、また日本の国内の能力等も検討いたしておることは事実と思いますが、私は正直なところまだ結論を聞いておりませんので、ここで申し上げる材料を持つておりません。
  93. 川崎秀二

    ○川崎委員 しかし外務大臣、それでは少し怠慢だと私は思うのです。われわれはこの問題をやはり追いかけて研究しておるのですが、あるいは情報違いであつたならば国民に対して申訳がない。従つてなるべく的確な資料で御答弁を願いたいと思つておるが、三月三日にこの合同委員会の調達調整小委員会があつて、その席上でアメリカ側からは、約一億ドルといつた域外調達は八千五百万ドルの内容である、その内容については通信機材一千万ドル、その他についていろくあつたそうですが、これの内容が私どもにはわかつておらぬのであります。それは三十九年度の予算、すでに衆議院を通過して参議院へ行つておりますその予算案と関連して、その後にこの一億ドルが全部ドルではなく、しかも八千五百万ドルだということになると、国際収支上にいろいろ見積つた政府の計算と5ものがくずれて来ると思うから申し上げておるのです。何でも情報によると、そのうちの六千万ドルは円の支払いであつて、ドルではないというようなことも言われており、これらは一体合同委員会等においてどういうような経過になつておるのか。やはり経済上の非常に重大な問題でありますから、通産大臣からでもお答え願えればけつこうであります。
  94. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 私の得ておりまする情報といたしましては、今年の大月末までの間に合計一億ドルの発注をする見込みである、そのうち六千万ドルはドル払いといたしまして、四千万ドル相当は円払い、こういうことの情報を受けております。
  95. 川崎秀二

    ○川崎委員 それは通産大臣の話を一応信用しておきます。  それでは外務大臣にもう一つお伺いいたしたいけれども、防衛産業を日本で育成さす上において労使の協力体制を確立しなければならぬ、同時に防共的な対策も行わなければならぬというので、今後アメリカ側と日本側との閥において兵器をつくることの相談をする際には、日米生産性向上会議という会議を持つて、それには労働組合の代表者、あるいは経営者の代表者、またアメリカ軍関係者を網羅して、そうして兵器の生産に労使協力体制を築き上げようというような提案があつたように聞くのでありますが、そういう構想は外務省にもなければ、またアメリカ側にもありませんか。
  96. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 そういう話は寄り寄りあるようにも聞いておりますが、まだ正式に取上げられておるとは私は了解しておりません。
  97. 川崎秀二

    ○川崎委員 その次は、保安庁長官がおいででありますから伺いたいと思うのでありますが、本日も原子力の大きな被害の問題がここで討議をされました。私が伺いたいのは、個人的に伺つたことはありますが、ぜひ公開の席上においても堂々とひとつ伺つておきたいと思う。それは原子兵器の侵入を防ぐために、各国においてはGMすなわち誘導弾の研究というものが非常に行われておる。米ソ両国間にあつて非常な危険地帯である日本としては、当然原子力の国際管理ということを強調する一方、こういうような兵器で侵入することに対する研究は、やはり進めておかなければならぬと思うのですが、GMのパテントに対する折衝をすでに開始されておるのではないか、あるいは研究をされておるのではないか、それらについての実情をさしつかえのない限りこの際明示願いたいと思うのであります。
  98. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お説の通り、将来GMに関する研究というものは、十分に日本でもやらなくちやならぬと考えております。そこで具体的の問題で、GMのパテントのライセンスをどうするか。川崎君も御承知の通り、GMは各国で今非常に研究されております。私の知る範囲においては、イギリス、ことにスイスのエルコンなんかでも盛んに研究しております。アメリカは少しそこでいよいよ日本がこれらの研究に着手するにつきまして、どうするか。まずパテントの問題でありまするが、そのパテントの問題についても、非常に研究を要すべきであろうと思います。そこで今われわれはどうするかということをしきりに研究中であります。どこのパテントを買うかという具体的の結論は出ておりません。しかし私はパテントの問題は別として、日本においても独自にこういうことは研究しなければならぬ。幸い日本においても相当な科学者がおりまするから、これらの人に依嘱してやりたいとは考えております。
  99. 川崎秀二

    ○川崎委員 このGMのパテントの問題については、昨年イタリアがGMパテントを獲得することを成功したように聞いておるのでありますが、そうすると、当然日本としても自衛態勢の確立の上から言つて、これを折衝して獲得し得るところの根拠があると私は思うのであります。それらについての御見解を承りたいと思います。
  100. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 今申し上げました通り、パテントにつきましては、これはよほど考えなければならぬと考えております。御承知のようにスイスのエルコンが相当パテントを各国に売り出しておるように聞いております。しかしこれがはたして優秀なものであるかというようなことについては、結論が出ておりません。せつかく私はこれを研究いたしたいと思います。
  101. 川崎秀二

    ○川崎委員 保安庁では、すでに第七次の防衛五箇年計画というものをつくられて、兵器、航空機の生産計画をつくられたように聞いておるのでありますが、これをこの際御提示願うことはできませんか。
  102. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お答えいたしますただいまのところ、保安庁でみずから航空機をつくるという計画は持つておりません。また私は将来保安庁自体においてこれをつくることがいいかどうかということは、大いに疑問があります。そこでさしあたりの問題といたしましては、メンター、これは御承知の通り、アメリカからもうすでに十機買つております。この聞これが二機着きまして、試験いたしましております。非常に成績がよい。しかしこのメンターと申しましても、きわめて軽飛行機であります。ごく軽装のものでありまして、ほんとうの練習機であります。今後これをどこまで伸ばせるかということについて、よほど研究を要すると考えております。ただ現在においては、練習機の程度であつて、これを買入れる。保安庁では今内部でみずからつくるという計画はいたしておりません。
  103. 川崎秀二

    ○川崎委員 三党の防衛折衝でも、政府側の考えておるものを、提示を願いたいということを何べんも折衝したそうでありますが、遂に提示はなかつたのであります。現に保安庁においては相当な計画もあると私は思う。それは決して機密保護に触れるような問題ではないと思うのです。当然自衛のために必要な、たとえば練習機であるとか、連絡機であるとか、あるいは航空機用の原動機であるとか、こういうようなものに対しては、大体これだけの装備をしておるのだということを、発表されてさしつかえないと思う。そういう防衛計画の内容というものも提示しなければ、またこれに伴うところの生産計画もつくらなければ、アメリカ側から今日問題になつておる一千万ドルの使途MSAに伴うところの三十六億円の使い方というものも保安庁自身の生産計画、あるいは経済審議庁の生産計画を提示をしなければ、その使途区分というものに対して実際上の力を持つておるところのアメリカ側が、私はあの計画を許すわけはないと思う。もとよりこれは日本側が自主的に持たなければならぬものでありますけれども、事実はそういうことでなくなつておる。だからいつも一千万ドルの使途はどうなんだと聞いても、それがわからぬということなんです。通産大臣に伺いたいと思うけれども、この保安庁側の防衛五箇年計画というか、あるいは年次計画というか、そういうものがなくして、この一千万ドルの使途区分というものをすることができますか。すなわちもとがなくして、この一千ドルというものを使うところの区分ができるかどうか、それを私はあなたに聞いておきたいと思う。
  104. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 現在のところは、二十九年度の保安庁の発注の計画、それから米軍等の発注の計画というものを基礎にいたしまして、二十九年度の資金計画をつくりたい、その一環として、三十六億円の使途を検討いたすことになります。
  105. 川崎秀二

    ○川崎委員 そんな答弁でわれわれはとても満足できない。現にわれわれの手元にだつて保安庁が計画しておるところの資料がある。しかしこれを発表するということはどうかと思うので、われわれはこの資料の発表はやめておきますけれども、とにかく生産計画、防衛計画というものがなくして、ただ一千万ドルもらつたからといつて、全然計画も立たないようでは、今後の防衛生産というものば心細いように考えられるのであります。これらについてさらに聞きたいのでありますが、すでにちようど時間でありますから、ひとつ司法当局にお伺いしたいと思いますが、法務当局はおられますか。法務大臣がおらなければ、刑事局長……。
  106. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 刑事局長は今法務委員会に出ておるそうですから、すぐ連絡いたします。
  107. 川崎秀二

    ○川崎委員 それではそれが来るまで通産大臣に対する質問をさらに続けます。あなたはMSAの交渉にあたつて池田さんを助けていろいろやられた方であります。今度のMSAの協定に関連して、もつと日本の国力を増進させる、つまり、軍事的な力だけを増大させるのでなしに、あなたが試みようとしておつた経済援助をもつと幅を広げて行くような工作はできなかつたか。つまり、日本はMSA協定に関連して、あなた方が言つておる経済援助の突破口というものは、腐れ小麦である。腐れ小麦は少し表現が悪いかもしれませんが、余剰小麦でしがなかつたのであります。ドイツは今度のアメリカとの折衝において、緊急住宅五十万戸の創設に成功をしておるようであります。またイタリアにおいても、農業機械の導入というものを相当大幅にすることができた。こういうものは結局国力の増進に非常に目に見えて役立つて来る。世界でも日本に対して非常な冷評を浴びせておるのは、終戦以来日本は食糧危機の関係もあつたかもしれないが、日本は外国からの援助をほとんど食いつぶしてしまつた。イタリアではローマの復興もでき、また向町に南部の開発もできた、ドイツでは住宅も建つておるというようなことは、しばしばヨーロッパを旅行した者から聞くことであります。今度のMSA交渉にあたつても、イタリアは農業機械の導入もし、またドイツも緊急住宅の設置について成功しておるのであります。今まではやむを得なかつたとしても、今後MSAの続く限り、あるいはMSAが切りかわつて、違う法律ができた場合においても、そういう建設面への努力を払われて行かなければ、結局アメリカは日本にただ食いつぶすために投資する、また日本の軍隊を多少増強するということであつて、これは日本の総合的国力の発展にはならない、かように考えるのであります。通産大臣の御所見をこの際承つておきたい。
  108. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 ごもつともな御意見だと思います。まず第一に五千万ドルの小麦の問題について、腐れ小麦というお話がございましたが、これはわれわれはそう考えないのでありまして、たまたま昨年日本が凶作であつたという場合におきまして、外貨を用いずして、これだけの多くのものが入る。それから価格も当初おそれられたような高いものではない。またそのうちの二割は贈与になる。それが今御指摘になりましたように、日本側への贈与としてこの使い方を今慎重に検討しておるところでありますが、これはMSAに関連して生じたものでありますから、防御産業ということに、重点を置きながら考えなければならぬわけでありますが、同町に関連した基礎的な工業力の増強ということにも役立つわけでありますから、私はこの五千万ドルの分につきましては十分われわれとしての理由が立ち、また国民的な納得も受け得るものであると信じておるわけであります。  それから今後の問題でありますが、今回のMSAに関係いたしまして直接具体的に出て来ておりますものは、あるいは御批評のようなことがあるかもしれませんが、今後におきまして、たとえば投資保証の問題にいたしましても、あるいはまた一般的な外資導入の問題にいたしましても、これを一つの基礎にいたしまして、これから大いに努力をいたしたいと考えますし、その見込み等につきましても私は悲観をしておりません。
  109. 川崎秀二

    ○川崎委員 刑事局長に伺いたいと思う。私が伺いたい点はただ一点であります。先般、二月二十三日と思いますが、今回の造船疑獄の問題に関連をして、関東電気工事株式会社の専務取締役の所啓之が贈賄容疑で逮捕されて取調べを進められておつた。しかるところ、この日曜日十四日には、これが何ゆえか、釈放になつた。処分保留ということであります。いろいろ報道がありまして、的確なことをこの際伺いたいと思つておるのですが、すでにこの事件は進捗中であり、かつ相当なところまで行つておるのでありますから、新たにここに暴露するとか、そういう種類のものでない。ただ国民一般が見て、この処分保留はどうも政治的な圧力がかかつたのではないかとうわさをされておる。非常に重大な問題です。そこであなたに伺いたいが、この処分保留というものの内容、今日どういうような状態にあるか、お答えを願いたいと思います。
  110. 井本台吉

    ○井本政府委員 お答えいたします。所啓之が逮捕されて最近釈放になつていることは事実であります。この容疑事実も贈賄容疑でありまして、ある程度金の授受があつたという点について調べをしておるのでございますが、所定の期間には調べがつきません結果、一応処分保留のまま釈放したということを申し上げる次第でございます。これは最終処分ではございませんで、さらに取調べを続けた上で最後の決定をするという段階でございます。政治的な圧力とか、さようなことは断じてございません。この点ははつきり申し上げます。
  111. 川崎秀二

    ○川崎委員 この贈賄容疑は、大体行先は政界と見て今容疑の調査を進めておるわけですか。
  112. 井本台吉

    ○井本政府委員 今調べ中でございますから、まことに恐縮でございますが、いましばらく答弁ばごかんべん願いたいと思います。
  113. 川崎秀二

    ○川崎委員 この問題については、あとでもつと専門家の方も立たれますので申し上げません。ただこの際私は、吉田総理大臣が就任にあたつて、最近の疑獄事件ば日本国民の名誉を毀損すること絶大なので、その真相を十分糾明し、その実情を日本のみならず全世界に向つて明らかにし、日本の名誉を救うよう全力を払わなければならない、今後も疑獄事件が起つたときは、遠慮会釈なく糾明するよう、内閣総理大臣といえども疑惑があればどしどし検察庁で発動してもらいたいと思う、こういう誕簡を、これは吉田総理大臣が、吉田内閣の崩壊後における第二次吉田内閣で就任されたとき、国民全般に向つて、全世界に向つて、宣明をされたものでありますから、拳々服膺されまして、内閣総理大臣といえども、元何々大臣といえども、決してひるむことなくこの問題の糾明に当つてもらいたい、それだけ要望いたしておきます。
  114. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 西村直己君。
  115. 西村直己

    ○西村(直)委員 私は先ほどの留保の問題がございますので、きわめて簡潔に保安庁長官を中心として御質問を申し上げておきます。  第一に、先般の予算委員会におきまして申し上げましたように、保安隊がどうも国民的な基盤からはずれて行くという気持が国民の間に強い。国防力といいますか、自衛力を漸増して参るのについては、あくまでも日本のおれたちのものだという気持を根底に置いておかないといけない。たとえば自衛力を漸増して行くことについて、やむを得ないじやないか、当然だと考えておる人たちも、だんだんとあれが外人部隊みたいになつて行くのじやないか、傭兵になるのではないか、しまいには海外に使われるのじやないかというような気持がどこかにひそんでおるために、これが盛り上つて来ない。この点をやはり保安庁としては今後極力中心に置いて行かなければならない。ところで、私どものここではつきりしていただきたいことは、たとえばわれわれ国会議員を中心とした与野党も入つておられるようなある会合におきまして、名前は秘しますが、相当権威のある人たちから、保安大学にはたとえば学生自治会の要求がある、全学連はこれを受入れる用意をしておる、そうしてこれについてはもう長い間時間をかけて論議が続けられておるのだというようなことを私どもははつきり聞いた。もしこれが事実であるならばたいへんなことであります。また事実でなければ、声を大にしてこういうことについて明確にしていただきたい。それからまた、そのときにおいて、私はこういうことを聞いたのでありますが、保安大学の生徒がこういうことを言つておるというのです。相手は相当な人たちでありますが、御迷惑でありますから名は特にこの機会には申し上げませんが、保安大学の学生に対して、君たちは学校を出て一旦緩急ある場合は戦いにも出るのかと聞いたところが、学生たちはあざ笑つた、そこでいかにも問い詰めるように、君たちは保安隊の幹部じやないか、幹部である以上は保安隊の目的を知らぬわけがないじやないとか言つたら、いやわれわれは家が貧乏なんだ、だから保安大学に入つておれば勉強もできる、主として理工科の勉強ができる、おまけに月三千円くらいの小づかいもくれるのだと言つたあげくに、終りには、吉田さんは戦力なき軍隊と言つたから、われわれは戦力なき将校という言葉でちようどよいのじやないかと言つた、こういうような話があつたということをわれわれに説明したのです。もしこれが事実であるならばたいへんなことであるし、事実でないというならば、こういうような保安大学等を中心にして、しかも再軍備と申しますか、自衛力を漸増しようというとき、この人たち自体がそういうような疑惑を持つておるというその根源は一体どこにあるか、この点を私はまず承つておきたいと思うのであります。
  116. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お答えいたします。自衛隊ば国民のもである、国民の信頼を得なければならないということはごもつともなことであります。われわれはその方向に向つて鋭意努力中であります。そこでただいま保安大学の問題が出て参りましたが、いわゆる新聞に伝えられます全学連への加入というようなものを十分に調査いたしましたところ、さような事実はありません。ただ外部からの働きかけはあつたようであります。しかし大体学生の気分といたしましては、将来自衛隊に残つて引続いて勤務したいという者はあるのであります。ただその間において、パーセンテージにしてはごく少数でありますが、まだ迷つておる者があることは事実であります。しかしながら追い追い保安大学校の生徒が自分の任務の何たるかを自覚いたしまして、将来りつばな幹部たることに一生懸命努力しておることは事実であります。しこうしてただいまお話の問答の点でありますが、これも私は今棚参議院の予算委員会において言つたのであります。これは西村委員もよくお考えを願いたいのでありますが、そういうことを言つたかもしれません。言つたかもしれませんが、青年はとかくレジスタンスの精神がある。私も子供を持つてその経験がある。親がこれはうまいだろうというと、まずいと、こういうのです。これは青年の通例です。私も青年時代に非常に反抗心があつて、親にお前はどうもしかたがないと言われた事実があるのであります。本心以外のことを言うのです。こういうことはとかくありがちのことですから、それを口にしたからといつて、本心からそういうことを言つたということは全面的にはわかりません。しかしそういうことについてば十分警戒をいたしまして、りつぱな幹部にすることについて漸次努力してみたい、こう考えます。
  117. 西村直己

    ○西村(直)委員 後段の保安庁長官のお話は、そういうじようだんめいたものでないと思うのであります。もしそれが事実であればたいへんな問題であります。戦意なき将校という言葉を使つて平然としているのなら――単なる青年の茶飲み話程度のものじやないと私は思います。従つてこれは国会の御答弁ですからそうして御答弁なさるのもよろしいが、この問題については私たち自体としても、同時に保安庁の最高幹部においても、もつと深刻に掘り下げて考えなければならないのでありまして、問題は、われわれはかせぎに来ているのだというところに何か国民とのつながりのない、一つの大きな欠点がありはしないか。この間も私は申し上げたのでありまして、お答えが願えればお答え願いたいと思うのでありますが、国内には民防衛の動きがどこかにあるのであります。御存じの通り郷軍といいますか、旧戦友が同志的な結集して、そうして各地にいろいろな固まりができております。この人たちが、今の保安隊はアメリカのひもつきのもので、あんなのは役に立たない、こういうようにして村の青年と手を握り、婦人に呼びかけて行つた場合に、私が心配するのは、国内に二つの流れの防御組織ができやせぬか。こういうことでありますが、この郷軍と申しますか、そういうものとの調節はどういうふうになつておりましようか、御所見があつたら承りたいと思います。
  118. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お答えいたします。ただいまお話の旧軍人の団結の事実はあるようであります。私はその間の消息にまだ十分通じておりませんが、動きのあることは事実であります。しかしわれわれはこの勢い行き方の自衛隊をつくり上げることに専念いたしておりまして、旧軍隊のような形の軍隊であつてはならぬと考えております。旧軍隊の人でもりつぱな人があります。また新しい感覚の人もあります。そういう人のりつぱな意見は率直に私は取入れたいと考えておりまするが、われわれはその人たちと手を組んでどうしようという考えは現在のところ何もありません。また将来におきましても旧軍人に動かされるということがあつてはならぬ。いい意見は率直に取入れたいと思いますが、われわれは別の新しい形のものでりつぱなものをつくり上げたい、こう考えております。
  119. 西村直己

    ○西村(直)委員 その点は何も私は一日、二日ですぐきめろという意味ではありません。私ははつきり申し上げておきますが、旧来必ず一つの禍根になります。この点は単に一人の軍人の意見を聞くとかそういう問題ではなくて、国民的な一つの動きが出て来たときに、今の保安隊の組織とぶつかるような状態になつて来たときにはどうにもならぬ。私は時間がないから特に詳しくは聞きませんけれども、MSAでいろいろ武器をいただく。そうしていよいよアメリカ式訓練をおやりになりますけれども、同時にお気をつけにならぬと、今度できる国際協調性を打つた訓練、集団安全保障の中に入り込める態勢の保安庁というもの、それはけつこうでしよう。しかし同時に国の力から考えてみますと、ある時期が来ると丸ビルの上にむしろな敷いたところの、こじきの外人部隊というようなかつこうになつてしなつたら、これはますます国民の意図と離れる。今回のMSA協定を拝見しましても周知徹底義務というものがあります、公報義務というものがあります。しかしこの公報義務というものもよほど日本民族に主体性を置かれて公報をなさらぬと、誤つた公報がそこから出て行くのであります。これは民族的な基盤のない保安隊がかりに将来だんだんに発達して来た場合、しかもその維持費というものがはたして続き得るかどうかというようなことを考えた場合、私はこれを掘り下げて参りますといろいろな問題が出て参ると思いますが、問題を提起いたすだけでもけつこうであります。  さらに私はもう少し進みまして、将来MSAを継続するような場合におきまして――これは大蔵大臣の方が御所管と思いますが、軍事費は予算の大体二〇%見当というのが欧州各国の通例のようであります。そうすると来年MSAをもらい、再来年MSAをもらうというような場合に、国民が一つ心配をしておるのは、内政費の圧迫とか税が高くなるとかいうこと、この問題を解明されておきたいと思います。この点についてはどうお考えになりますか。はつきり申しますれば、将来MSAをもらい、自衛力を漸増して行く場合に増税はしないのだ、こういうことを明確におつしやれるかどうか。
  120. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 自衛力を漸増いたしますというても、日本の財政を圧迫するようなものであつてはならぬ、これは常に言うておる通りであります。そこで今のお説の通りMSA援助を将来受けるに至りましても、それがために日本の財政を圧迫するようなものであつてはならぬ、これは十分考慮すべきであろうと考えております。われわれは日本の国力を増進させ、それに従つて自衛力を漸増して行かなければならぬと考えておる次第であります。
  121. 西村直己

    ○西村(直)委員 それからそれらと同じような問題でありますが、国民とのつながり合いというものを考えて行つた場合において、今川崎君からお話がありましたが、長期防衛計画というものはこれはむずかしい。それから同時に防御計画といつて数字でしばつたものはむずかしいかもしれませんけれども、一体日本の将来の自衛というか、国防というもののめどは国民にはつきり御明示なさらなければいかぬと思うのであります。どうも保安庁の行き方を拝見しておりますと、何かカーテンの中でおやりになるような印象が、自衛力漸増を是認する立場にしても、何かそこにはつきりしたものをつかみ得ないような気持が国民のどこかに残つておるのじやないか。たとえばほんとうの中心は、戦略的にはこうだ、財政的にはこうだ、あるいは兵器生産の面からこうだ、こういうようなめどをもつてこうして行くというのでなく、MSAをもらうために何か引きずられてこつちから人員増強をしあるいは向うから人員増強を要請されたらやつて行く。こういうような取引でやつておるような印象を与えては自衛力が国民的な基盤で盛り上つて行かないと思いますが、この点については御所感はどうでありますか。
  122. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お答えいたします。一つの漸増計画のはつきりしたものを立ててそれを国民に知らせて行くというということでありますが、御承知の通り、国際情勢というものはきわめて微妙であります。変転きわまりない。それと同時に兵器の進歩というものはこれまたその日をはかり知るべからざる状態であります。それを財政力その他日本の兵器生産能力――これは大体においてどれだけの数字ということは概算はできませんが、それをどこまで発展せしめるか、またそれがはたして日本の財政力をどう動かして行くかということについては何らめどがないのであります。従つてわれわれとしはでき得る限りそれらの総合的な判断のもとに漸増計画のめどを立てたいという考えでおりますが、実際のところ容易でありません。これを確定的のものも立たぬのに、それを発表するということはそれは世間の誤解をより招く、それが実際問題に移されるというようなことであつては相ならぬと考えておりますので、ただいま各方面から慎重に検討いたしまして、これを立てるべく努力しておる次第であります。
  123. 西村直己

    ○西村(直)委員 私は何も五年なら五年の間の計画を数字的に国民に示しなさいという意味ではないのでございます。はつきり申せば、三十年度は大体二万人くらいふやすと御答弁になつておる。そうすれば、三十一年になればどうなつて行くかというこの立て方と、同時に国民一般が心配しておるその内容、与えられる武器あるいはその関連によつて海外派兵があるかないかというようなことも、やはり解明しておいていただかないと、何かそこにごまかしがあるのではないかという疑心暗鬼が生ずる。いわんやこの協定の中には海外派兵の義務がはつきり書いてないし、しないというとともはつきり書いてない。お互いのあいさつだけでやつているから、そこいらのことについて、自衛力を増強し、再軍備しなければならぬと考える国民に、政府は積極的に進んでその解明を与えるような努力が足らないのじやないか、この点でございます。これはいかがでございましよう。
  124. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 お説の通りであります。自衛隊の性格その他を国民に十分に知らぜることについては、政府は将来一段と努力を払いたいと考えております。しかしこの自衛隊の海外派遣の問題は、私ははつきりしておると考えておるのであります。それは、MSA協定のいかんにかかわらず、この派兵の問題は日本独自できめるべきものと私は考えております。外国の要請があつたから、それによつて行くというものではない。そこで御承知の通り、今度の自衛隊法におきましても、第三条において明らかに自衛隊の行動の目的を明示しておる次第であります。すなわちわが国の安全と独立をはかることを任務とすること、そうして七十六条においてその行動の制限をしております。すなわち外部からの不当の侵略に対して行動を起すということ、この二条をもちましても自衛隊の性格がはつきりして、海外に向いて派遣すべきものでないということはわかる、こう考えております。これらの点について国民に周知するよう努力いたしたいと考えております。
  125. 西村直己

    ○西村(直)委員 ついでにお伺いいたしますが、今度もらうところの供与兵器の内容は、どんな程度のものでございましようか。おわかりになつたら、あるいは交渉中のものでも概略御説明願いたい。
  126. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 大体今度増員いたします部隊が用いる車両、武器、通信機がおもであります。これらは陸上部隊であります。海上部隊におきましては、相当数の艦船をもらう、三十七隻くらいもらうことにしております。それから航空の方は、大体において日本でまかなうということでありまするが、多少はもらうことになつております。これも戦闘機というようなものでなくて、現段階におきましてはまず練習機程度のものであります。
  127. 西村直己

    ○西村(直)委員 先般来御説明になつております二十五隻の駆逐艦あるいは現在保安隊が持つておる各種の兵器、これらはこのMSA協定外で、別個に何か協定をされるのでありますか。
  128. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 現在使つておりまするのは、MSA援助以外のものと御了承を願います。一千五百トン以上のものにつきましては、MSへ援助協定以外のものになろうと考えます。
  129. 西村直己

    ○西村(直)委員 それはどういう形でもらいますか。
  130. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 向うの方に一つのアクトをつくりまして、そのアクトに基いて贈与を受けます。
  131. 西村直己

    ○西村(直)委員 その場合にはやはり国会の承認を得る協定みたいな形になるのでしようか。
  132. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 今のところわかりませんが、大体において国会にかけるということになるのじやないかと思います。
  133. 西村直己

    ○西村(直)委員 そうしますと、やはり返還義務とか無償であるとか、そういうような問題については今後に残された問題であるが、ある程度下話はすでに現在できておるのか。すでに持つておるものあるいは借りておるものについては、従来保安庁次長との間に協定が進みつつあるということは長い間の事実でありますが、それ自体もまだ片づかないでいるのは、何か意味があるのですか。
  134. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 御承知の通り、現在保安隊でアメリカから借り受けておりますフリゲート十八隻、LS五十隻、これについては協定ができたわけであります。無償で使わせるということになつております。今度MSA援助以外のものについてどういう形式でやるか、またその船の極数ということについてばまだきまつておりません。実はわれわれの奪いたいと思うものとアメリカの考えとに食い違いがあるようであります。それをどう調整して行くかということは、今後の問題になつております。
  135. 西村直己

    ○西村(直)委員 通産大臣がおられますから、あわせてお聞きしますが、一般には経済援助というものを政府としては相当大きく打出して、MSA協定に盛られる実体は、軍事援助が中心になり、小差その他少々というような協定がついたわけであります。そこで川崎君から御質問がありましたように、三十六億の、工業力増強といいますか、その使途はまだ明確でない。これは大体いつごろまでに明確にされる御予定であるか。同時にこれに対してどの程度アメリカが関与するか。見返り資金と同じように、どの程度関与するかということ。かりに開発銀行を通してそれを受けた場合、その非業に対するアメリカの支配力といいますか、影響力は、MSA協定をめぐつて、院外において相当心配されておることでありますから、その点をはつきりしていただきたい。  いま一つは、防衛産業というものは一日にしてはできない問題でありまして、機械を相当更新し、しかも大きな資本を投下しなければできない。それに対して、失礼ではあるが、二階から目薬程度のものを与えて、防衛産業に刺激を与えるんだというふうな御説明が政府側にはありますが、この防衛産業を計画して行くといいますか、城外発注等を対象にして考えて行く場合において、将来これないかにして安定させて行くか。これは大きな問題だろうと思います。これに対する御所見を伺つておきたい。
  136. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 三十六億円の使途につきましては、大体こういうふうに考えております。予算得にも明記されておりまするように、日本の工業力の増強というような点について投資あるいは融資をいたしたい。しかしながらこれはMSA協定の関連で生れて来たものでございますから、一言で言えば、防衛産業、これに関連する基礎的なものあるいは試作というような関係に融資あるいは投資されることになると思います。しからば武器、弾薬、艦艇、飛行機というようなものについて、どの程度の金を配分するかということについては、まだ具体的な研究の結果ができておりませんが、今申しましたようなもの及びその他艦艇、飛行機等の試作というような問題と、それから基礎的な関連する工業と、大体大きく三つくらいに振りわけをいたしまして、その、おのおのに対して適正な配分をいたしたいと考えております。  それから配分の基礎になりますものは、先ほどもちよつと申し上げましたが、まず第一は、三十九年度の保安庁の必要とするものであつて、かつ保安庁自体が国内で調達することを必要とするもの、発注の確実であるもの、たとえば飛行機等につきましては、駐留軍の使つておりまする飛行機のオーバー・ホールというようなことば従来も発注を受けておりますが、そういうような関係で、発注が確実と思われる点で、設備の新設あるいは改憲等が必要であるというようなものを第一に計画として計上いたしたいと考えておるようなわけでございます。  それからそれらのことに関連して長期の計画がなければうまく行かないではないかというお話がありましたが、実を申しますると、まだ長期の計画はできておらないのであります。同時に現在のところのいわゆる防衛生産あるいは三十六億円の資金計画というものは、率直に申しまして、日本全体の産業からいえばいまだ微々たるものでございまするので、さしあたりのところは三十九年度の、今申しましたような、発注を受けるにふさわしい、それに対応する程度のものということで出発をいたすということが実際的であろう、こういうふうに考えております。  なおそれらに関係いたしまして、これを基礎にして将来どういうふうにやつて行くべきかということばもちろん考えの中に置いて、これらの計画を進めて行くことがもちろん必要であろう、こういうふうに考えまして、現在関係各省、政府部内の意見もとりまとめております。  それから米国との関係でございますが、これは贈与分につきましては、贈与を受けました以上は、日本側で良主的にこの資金の硬い方をきめてしかるべきものであることば申すまでもございません。ただ、ただいままでも触れましたように、駐留軍関係のいわゆる特需と申しますか、そういう発注をも受け得るような基礎にふさわしいものに充当したいという関係がございますから、そういう面におきましては、十分発注者側との連繋もとつて参りたいと思つて知ります。しかし融資をした以上、その融資先の企業として、アメリカ側からの統制や管制を受けるというようなことは全然ございません。その点ははつきりいたしておりますし、今後におきましても、連帯上も明確にいたすつもりでございます。
  137. 西村直己

    ○西村(直)委員 もう一点、通産大臣に最後にお伺いしておきます。附属書のDに「日本国政府は、共通の安全保障のため、世界平和の維持を脅かす国との貿易を統制する措置を執ることについて、アメリカ合衆国その他の平和愛好国の政府と協力するものとする。」いわゆる中日貿易制限等の関係だろうと思います。これに対しましては、通産大臣としては現状に対してこのMSA協定の影響、それから同時に日本政府としては協定外におきましてもいかなる考え方を持つておられるか、政府の御方針をお示し願いたいと思います。
  138. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 従来もある種の統制をやつておりますことは御承知の通りでございます。それらの関係が今回条約の付属支署で考え方が明白になりましたので、平和を脅威するような国に対して平和を愛好する与国とともに適正な措置をとつて行こうとゆうのでございますから、従来の制限をこれによつて強化するというものでは全然ございません。またこの協定とは別個に、この考え方のもとにおきまして、たとえば中共貿易等におきましても、いわゆる西欧並のやり方ということがこの条約の協定の附属書で実質的には是認されておるのでありますから、現在の禁輸品目の統制の緩和というような点につきましては、従来にも増して努力をいたし、改善をして参りたいと思つております。
  139. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 横路節雄君。
  140. 横路節雄

    ○横路委員 私は委員長に最初にお尋ねいたしますが、今度の昭和二十八年度の第三次補正予算は、いわゆる義務教育費の国庫負担金が三十七億八千万円、これに対する歳入の点がからんでおるのであります。大体私がこれから質問いたしますのも、当然義務教育費国庫負担金に関してでありますが、大蔵大臣は来ておりませんし、それから当該の文部大臣も来ていない。一体これから私が質問しますのに、一番大事な政府が出されたものに対して当該の責任の大声がいないということは、この予算の審議を進める上にはなはだ遺憾にたえないと思う。私はもちろん関連においては運輸大臣、それから通産大臣その他にお尋ねしますが、大蔵大臣と文部大臣が来ていないというのは一体どういうのですか、この点委員長から承りたい。
  141. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 大蔵大臣はすぐに参りますし、御承知の通り文部大臣は今日は教育法の連合審査会をやつております。こちらからも強く要望しておりますが、どうぞその点は御了承いただきまして……。
  142. 横路節雄

    ○横路委員 文部大臣はいつ来ますか、その点をはつきりしておいていただかないと……。
  143. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 向うの委員長と交渉しておりますから、御返事が来ましたらまた御連絡いたします。ひとつ寛大に御了承いただいて御進行願います。
  144. 横路節雄

    ○横路委員 それでは私は義務教育費の問題につきましては、文部大臣がおいでになられましてから文部大臣と大蔵大臣にお尋ねをいたします。そうでなければ、文部大臣がいらつしやらないところで大蔵大臣にお聞きしてもうまくございませんので、通産大臣に最初にお尋ねします。  先ほどお話ございました援助資金の三十六億の内容でございますが、この点は先般予算委員会におきましても保安庁から、三十年の四月からはジエツト機のうちのF八六E五機とF九四C一機、この供与を受ける。F八六につきましては価格七千六百万円、F九四につきましては価格一億七千万円、これの維持費はF八六で五千万円、F九四で一億円、こうなつておるわけであります。従つて三十年の四月からジェット機について実際にこれを飛ばすように供与を受けるというのでありますから、この点は先ほどオーバーホールの整備資金等のお話がございましたが、当然今度の三十六億を政府として考えておるのは、このジエツト・エンジン会社、伝えられるところによると十億円、ジエツトのオーバーホールの整備資金として十二億ないし十三億、保安庁用のジエツト練習機の国産化の資金として四億、その他機体やエンジンの補修の資金として二億ないし三億、大体総体の四分の三はまずこれに使われるような傾向にあると思うのですが、その点がまずどうか。  第二番目にこれも先般の予算委員会で明らかになりましたことは、アメリカから政府は十七隻の軍艦を借りる。内訳は駆逐艦が五隻、護衛駆逐艦が二隻、潜水艦が二隻、掃海艇が五隻、上陸用舟艇が二隻、駆逐艦の母艦が一隻、計十七隻、合計二万七千二百五十トンを借りるということがはつきりしておるのであります。この点につきましてはあとで保安庁長官にもお尋ねしますが、新聞等に伝えられるところによると、何か運輸省ではガスタービン開発会社を半官半民で、いわゆる民間の有力な造船所の出資等を入れてまずこれをつくりたい、こういう点等の話もあるように聞いておるのであります。こういうように艦艇が非常に多くなつている点から考えれば、これも政府の計画の中に入つているのではないだろうか、まずこの三つの点についてお尋ねいたします。
  145. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 先ほど西村委員のお尋ねにお答えいたしました通り、この三十六億円の使途につきましてはまだ的確な配当の計画がきまつていないのでございますが、考え方といたしましては、主として防衛産業を考えておりますが、防衛産業と申しましても他の工業によつて支持されることはもちろんでございますので、そういうものも合せまして政府部内におきましてただいま慎重に検討いたしております。それからただいま具体的なお尋ねの点でございますが、狭い意味で防衛産業とでも申しますか、そういう方の関係で考えられますことは、第一は二十九年度で保安庁自体が発注することが確実と思われますものを、二十九年度の予算とにらみ合せまして計画いたすべきものと考えます。それから米国側の発注と申しましても、実は武器、火薬等につきましては、そう大額に新しい設備資金というものは考えられないかもしれないのでございますが、航空機の関係等につきましても、先ほど申しましたように、オーバーホールその他で二十九年度中にほぼ発注が確実であると思われるものが見通されますので、それを基礎にいたしましてこの資金計画を立てて参りたいと思つておるわけでございます。それから艦艇につきましても、保安庁関係等におきまして発注確実なものについて、新たに所要資金がいるという場合におきまして、かつそれがいわゆるコマーシャル・ぺ-スの自己益金の調達あるいは借入金に依存しがたいものがあると思われますれば、この中に計上してもしかるべきものだと考えておりますが、それらの点につきましてはくどいようでございますが、まだ十分に政府の部内の検討も進んでおりませんし、またその方法につきましても原則としては開発銀行を通す融資が適当かと思いますけれども、場合によりますれば、直接政府の投資というふうなことも適当なことであると考えます。これらの区わけがまだ十分にできておりません。
  146. 横路節雄

    ○横路委員 これは大蔵大臣にお尋ねした方がいいかと思いまが、今の防衛産業につきまして、三十六億を出すということははつきりしているようですが、この点は先般の予算委員会できまりました昭和二十九年度財政投融資の分は、これには当然私は一銭も使用しないものだと思うのですが、この点は大蔵大臣としてはどうなつておりますか。
  147. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 その通りでございます。これは三十六億円というものが、こういつたMSAの特殊の関係のものでありますから、主として防衛産業という方面に使う、これは特別会計をつくつて今お出ししております通り、そういうような特別会計で経理して開発銀行に扱わせますけれども、これはほかのものには使いようがない。
  148. 横路節雄

    ○横路委員 私がお尋ねしたいのは、二十九年度できめました財政投融資ですな、これは当然三十六億が出たのだからといつて、幾らかこれに見合つて出すということはないと思いますが、その点はどうかと聞いているのです。
  149. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 それはございません。
  150. 横路節雄

    ○横路委員 次に私は大蔵大臣と運輸大臣とに交互にお尋ねしたい点があるのです。それは昭和二十七年度の会計検査院からの決算検査報告の大蔵省の所管の中に、いわゆる収納未済額の累計は十九億五千五百万円に達する、右収納未済額のおもなものは船舶共有持分の一部償却額及び金利七億三千余万円、こうなつておる。そこで私は大蔵大臣にお尋ねをしたい点は、国と船会社との間で、共有になつておりますいわゆる船舶の共有について一体総額がどれだけになつているのか、その点についてまずお尋ねをいたします。
  151. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 ちよつと記憶いたしませんが、ただいま主管の管財局長がすぐ参りますから。正確に御答弁申し上げたいと思います。
  152. 横路節雄

    ○横路委員 運輸大臣にお尋ねしますが、船質改善利子補給法による分といたしまして、御承知のように、いわゆる外航船一襲について三隻ずつスクラップ買入れをすることになつたわけです。これは現に進行しているわけなんですが、大体そのトン数を見ますと、八百五十トンないし九百五十トンぐらいのものだと私は思うのです。私も調べてみましたが……。そこで一体これは一隻どの程度で見込んでおやりになつているのか、この金額の点についてどうもはつきりしない点がございますので、この点お尋ねいたします。
  153. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 お答えします。スクラップにしますE型船一隻大体千四百万円ぐらいという見当をつけております。
  154. 横路節雄

    ○横路委員 そこで私は今の点に関しまして大蔵大臣と運輸大臣にお尋ねしますが、いわゆる共有船舶の払下げ、それから前に運輸省がきめました低性能船舶買入法、このやり方をめぐつて私は非常に疑義を持つておるのです。ただいま運輸大臣からお話がございましたが、この船質改善利子補給法によるE型についての一隻千四百万円という点についても非常に疑義がございますので、私はお二人に申し上げたいと思います。日東曲船のさつき丸というのば千面四十トン四五でございますが、これは国と船会社との共有なんです。これを低性能船舶買入法でくず鉄にすることになつたのですが、まずこの手続上私はばなはだおかしいと思う。これは当然国と船会社との共有なのですから、まず国から船会社に発つて国の籍を抜いておいて、それからあらためて国が買い上げてくず鉄に売るというのならわかるのです。たとえばこのさつき丸はまず最初にどういうことをやつたかというと――よく聞いておいてください。この共有船舶を船会社から千十三万八千六百一円で買上げした。半分ずつのものを十十三万八千六百一円で買上げしておいて、この買い上げた期日は昭和三十六年三月三十三白、籍を抜かないで買つておいて、今度は籍を抜くために、同じ年の三月の三十日に百三十九万三千百二十六円七十七銭で売つている。一体国と共有の半分であるならば、明らかに価格は十寸三万の半分としても五百万、これをくず鉄に昭和二十六年十二月二十日に甘糟産業に随意契約で六百万で光つている。くず鉄で六百万であれば半分は三百万、こういうことをやつておる、私はこの関連を全部調べたから、運輸大臣と大蔵大臣に申し上げたい。大阪筒船の宗像丸というのは九八一・四〇トン、これもおかしいことに、まず買上げをしたのが昭和二十五年十二月二十七日だ、その政府が買つた値段は八百七十二万四千六百四十六円、二十五年十二月三十七日に買い上げておいて、あらためて相手に売つた日にちは二十六年三月二十九日だ、四箇月もたつてから相手に売つている。この値段はしかも三十六万八千五百三十八円七十八銭、しかもこれを八幡製鉄に二十六年二月十一日に、これもおかしい話だが、四百九十九万八千円でくず鉄に発つている、川崎汽船の上鴨川丸は八八四・二五トン、これもまず川崎汽船から買い上げたのが二十五年十一月三十四日、値段は七百八十六万九百八十三円、ところが籍を抜くために相手に売つたのは二十五年十二月六日、八十六万千百六十円五十七銭、これを日本鋼管にくず鉄として二十六年一月二十六日に二百二十三万三千六百円で売つている。この売つたことはなるほどくず鉄でいいが、この取扱いの順序は一体どうなんです。さらにこの点については、私が調べた点を全部申し上げます。東邦海運の昌進丸九六八・一二トンも同様買い上げたのが二十五年十二月十六日ですけれども、共有の籍のものを籍を抜かないで買上げしたのが八百六十万で、籍を抜くために三十六年三月三十日、これも四箇月置いて相手に三十七万六千三百四十三円で売つている。これは国有財産ですよ。そうしてこれは七百十八万で長谷川組海事工業にくず鉄として売つている、同様東邦海運の伊岐丸、九〇六・七〇トンについても二十五年十二月十四日八百六万で買い上げて、二十六年三月三十日に百四万で売つている。一体これはどういうのです。中村汽船の第三十三雲洋丸、八八二・一六トンについても二十五年十二月二十日に七百八十四万円で買つて、売渡しは二十五年十二月三日に八十九万円で売つた、これは国との共有ですよ。くず鉄の値段にしても富士製鉄に三百四十三万円で売つている。東海汽船の喜代丸というのは二七九三トン、これも買上げしたのが二十五年十二月十一日、千九百六十六万円で買つておいて、国の半分の共有については二十六年四月三十日に二百六十九万五千七百三十六円で発つている。新日本――前の厚生大臣の山縣さんの新日本汽船の辰伊勢丸、八九〇二トンについても、買上げは二十五年十二月三十三日、三千百七十九万円で買い上げて、そうして籍を抜くために三十六年四月三十日に相手に四百正十五万で売つている。明治海運の明海丸にしても同様だ。二十五年十二月十九日二千三百万円で四千九百二十五トンの船を買い上げて、この籍を抜くために、これも四箇月あとの二十六年四月三十日に四百八十六万で売つている。これは先渡しの方は運輸省の方と大蔵省の管財局の二課と特殊財産課です。私は運輸省と別々に資料を出してもらつた結果こういうおかしなことがあつた。国との共有船舶ならば先に向うに売つて籍を抜いておいてそれから買うのが当然じやないですか。籍を抜かないでおいて買い上げておいて、今私が申し上げたように一千万円で買い上げておいて籍を抜くのに三十九万、四十九万、一体こういう手続上の問題とこの金額はどうなのですか。こういうことで共有船舶についてやられたのでは国の財産が何百億、何千億あつたつて、まるでこれは十分の一、二十分の一で光られている。この点についてはこれは国の財産なのですから、まず大蔵大臣と運輸大臣から答弁してもらいたい。
  155. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 実は私は今詳細存じておりません。取扱つておる管財局長が今すぐ参りますから、管財局長から答弁いたします。
  156. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 私あまり古いお話で全然承知いたしておりません。海運局から詳しく申し上げます。
  157. 横路節雄

    ○横路委員 海運局長から答弁されるのならもう一つお話しておきます。私が運輸大臣に答弁をお願いしたいというのは、先ほどお話がございました船質改善利子補給法、これは外航船の利子補給法とからんでおる、この問題につきましては、今いわゆるE型のものについては約千四百万だという――これも私は共有船舶の分について調べてみたのです。調べてみましたところが、千四百万円する船が共有船舶ではどうなつているかというと、大同海運行の大日丸八八四トンは二十八年の八月二十七日相手方に百十万で発つているのです。日下部汽船の第三立春丸八八六トンも三十八年八月二十四日に百三万で売つている、これはみんな大蔵省で調べたのです。福洋汽船の長与丸九三〇トンは二十八年の十月三日に三百三十八万で売つている、江口汽船の第二巴丸九六一トンは二十八年の三月三十一日に三百九十七万で売つている。それから阿波国共同汽船の第五共同丸八八六トンは二十八年の四月三十日にこれまた八十六万千四百七十八円で売つている。これは私大蔵省で正式の資料で全部調べたのです。なるほどあなたたちのようにいろいろな理由はあるかもしれません、私は国の財産の処分に関して非常に疑義のあるこの点について海運局長から自信をもつてお答えできるならばひとつしてもらいたいと思う。
  158. 岡田修一

    ○岡田政府委員 前段の方は昭和二十五年度に行いました低性能船舶買入れに基くものだと考えます。その手続は今秋の記憶がはつきりいたしませんが、いずれにいたしましても国の持分としての金額は、政府がその船を買い上げるときにその持分を船主に売り払うか、あるいは船主は買い上げられた金額で国に完全に払つておるはずでございます。それから買い上げたものは大蔵省の管財局でくず鉄の価格として払い下げております。従いまして国の持分としての価格には一文も損害をかけてない、こういうことを申し上げます。それから後段の売渡し価格、この点はつきりいたしませんが、これもおそらく国の持分を船主が買い取つて売り払つた、その国の持分の価格が今お示しの金額だろうと思います。
  159. 横路節雄

    ○横路委員 今海運局長から手続上は間違つていないということですが、それをあなたがもしも海運局長として国の財産国民全体に迷惑をかけないというのであれば、私はあなたにもう一度お尋ねしたい。大阪府船の宗像丸というのは肉との共有なのです。半分だけ持分なのだから相手から国が買つたらどうですか。そうすれば三十六万八千五百三十八円で買える、そうしてこれをくず鉄で八幡製鉄に四百九十九万で売つているので売つているのです。そこでつまり四百六十三一万円を国が得をするのです。それをあなたは手続上間違いないのだ、国の半分の分だけは三十六万で売つてやつたのだという、ところが低性能船舶の買入れの方は八百七十二万で買つたのをくず鉄で四百九十九万で売つたのだ、何にも迷惑をかけていませんということは、大蔵大臣どうですか、これは国の財産です。これは法律上やつたのだから私は何とも国に迷惑をかけていないと海運局長は言うが、この手続はどうか。この手続についてあなたにひとつお尋ねしたい。
  160. 岡田修一

    ○岡田政府委員 今おつしやつた三十六万円というのはおそらく国の持分の価格であると思うのです。その船の価格はおそらく七、八百万円したものじやないかと思います。従いまして、国の持分と船の八百万円の船価のうち、三十六万円だけが国の持分、それを買い取つて完全に自分のものにして、そうして国に返した、こういうのであります。従つて国には迷惑をかけていない、こう言い得るかと思います。
  161. 横路節雄

    ○横路委員 海運局長、これは私大蔵省の管財局でちやんと調べたのだ。これは全部国の持分が二分の一になつておる。三分の一になつておるから私が言うのです。二分の一になつていなければ、あなたの言う通りです。私は国に迷惑をかけないなら、先にそこから三十六万円で買つたらいいと言うのだ。そうしてくず鉄に売つて四百九十九万円、私はちやんと管財局で調べたんだ。確かめて私は全部この資料を出しておるのだ。  それからあなたにもう一つ、この点は私は局長を相手に話しておるのではないのです。大蔵大臣に話をしておるのです。こういう国の財産が――しかもおかしいじやありませんか。共有船籍なら相手に納期に一ぺん売つたらいい。それから買い上げたらいい。それを半年も前に買つておいて、それからあらためて三十万円なり四十万円なりで相手に売るというこの手続はどういうのです。
  162. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 実は私はその手続を全然存じておりません。従いまして、ちようど管財局長が来ましたから……。
  163. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 どうぞ答弁は簡潔に願います。
  164. 窪谷直光

    ○窪谷政府委員 宗像丸の御質問でございましたが、宗像丸の国の持分は全体の船舶の建造費ではございませんで、これは改Eという船でございまして、いわゆる戦標船でございますが、それは低性能でありましたので、終戦後若干の改装をいたしたのであります。その改装費だけを船舶公団が一部負担をいたしたのであります。従いましてこの船舶公団の負担いたしましたもの、従つて現在国の持分となつておりますものは、船舶の全体の船価の持分ではございませんで、改装費の部分についてだけの持分でございますので、船舶全体の処分のスクラップ価格とは関係のない数字でございますので、御了承願いたいと思います。
  165. 横路節雄

    ○横路委員 今の点については、管財局長、ほんとうは私は船を一隻ずつあなたに話してもらいたいが、これはとても時間がありませんから、(「運輸委員会でやれ」と呼ぶ者あり)私は管財川に要求して、正式の資料でもらつたのですから、あなたたちの方で時間をやかましく言わなければ、何ぼでも言うけれども、やはり瞬間をやかましく言われるから、この点につきましては、それならあなたにお尋ねをしたい。日東面船のさつき丸はどうですか。(「ゆつくりおちついてやれ」と呼ぶ者あり)それなら委員長、時間の制限なしでやつてもらいたい。日東商船のさつき丸はどうですか。それを一つ御答弁願います。
  166. 窪谷直光

    ○窪谷政府委員 これもやはり改Eという船でございまして、戦時中にできました戦標船の改装費を船舶公団が一部負担いたしたのでございます。
  167. 横路節雄

    ○横路委員 それでは私はあなたに聞きますが、先ほどお話しました新日本汽船の辰伊勢丸はどうですか。
  168. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 窪谷政府委員、何か似たようなものがあつたらひとつまとめて御答弁してあげてください。
  169. 窪谷直光

    ○窪谷政府委員 これは産業設備営団が建造に着手いたしましたものを、引続いて船舶公団で建造いたした分でございまして、これはたしか全体の船価のうちの持分だと思います。
  170. 横路節雄

    ○横路委員 今のでいいと思うのです。辰伊勢丸につきましては、船価の二分の一と言つてておる。そうすれば三千百七十九万円で買つたのだ。ところが相手に売つたのは四百五十五万円だ。管財局長の言う通りなんだ。だから一つ一つやつておるとおかしいと言うんだ。実は開銀の松田さんに来てもらつておりますので、この点は今確かめたので、あとは次の機会に譲りたいと思います。  大蔵大臣に私はお尋ねをしますが、今度のいわゆる第三補正の中で外航船の利子補給を八千五百万円だけ軽減して来たのであります。私はその点につきましては、これも大蔵省に要求いたしまして、昭和二十八年度の外航船舶利子補給が前の決定とどういうように減額されたかを調べたのでございますが、当然、八千五百万円減額されたのですから、先般衆議院を通つておりますところの三十七億三千三百三十二万円という外航船の利子補給は、私の計算によれば最低二億五千万円ないし三億円は、その基準が下つたのですから減ることになるわけだ。これも大蔵省からいただいた資料で私は計算をしたのだ。これはどうなりますか。
  171. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 昭和二十九年度予算の積算に関してとりましたのと同じような方針で昭和二十八年度の所要額を年算いたしました結果、八千五百万円の下調が見積られるに至つたのでございます。その根拠を申しますと……、
  172. 横路節雄

    ○横路委員 ちよつと失礼ですが、根拠よりも、昭和二十九年度の、前のきまつておる予算では何ぼ減るかということを聞きたい。
  173. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 二十九年度の予算の積算に対しましてとりましたと同じような方針で、二十八年度の所要額をもう一ぺん洗い直しました結果、八千五百万円減つたわけでありまして、二十九年度の三十七億と同じベースで計算して八千五百万円不用額になつた。さように御承知を願いたいと思います。
  174. 横路節雄

    ○横路委員 主計局長、今のお言葉ですが、これは私大蔵省からいただいた資料で今申し上げておる。大蔵省から二月十八日に私の要求した資料を出されて、積算基礎というのは今あなたが言つておるけれども、六次の貨物船については五千六百十万二十円、七次の貨物船と輸送船はどうという積算基礎からあなたの方で今私どもに出して来たのです。私今もらつたのです。この八千五百万円というのは、三十七億二千二百万円をはじいたときの算定基礎から明らかに八十五百万円落しておるのだ。これは私、あなたの方の資料で全部計算したのです。ですから私が聞いておるのは、この通りのものをあなたはここに持つていらつしやるのだから、ここにある数字を横にはじいて出された資料、その積算基礎から今度八千五百万円一つ一つ下げておる。たとえばあなたの方は三十七億二千二百二十二万円をはじいたときの、いわゆる六次の貨物船については、市中銀行への利子は五十六百万円、それを今度は二千九百万円に落して来ておるわけです。こういう点について積算基礎が違つたのですから、私の概算で二億五千万円ないし三億円は三十七億二千二百万円から落ちるのではないか。もしもそうでなければ、二月十八日に私の方へ出された資料の積算の基礎は間違つておるということになるわけです。大蔵大臣は予算委員会で答弁しておるのです。
  175. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 先ほど差上げました資料は、これは昭和二十八年度の利子補給額の計算でございまして、八月十五日から九月末までのごく短かい期間の所要額でございます。それば実はその前に三十七億という計算をいたしますときに、すでに一船ごとに計算をいたしました結果、運輸省の要求額四十六億円を約十億円減らして三十七億円計上しておるわけでございまして、それと同じベースで、ただいま申し上げましたように、八月十五日から九月三十日までの昭和二十八年度の所要額を計算し直しますと、本日差上げました資料のように、さらに八千五百万円不用に達する、そういう計算になるわけであります。
  176. 横路節雄

    ○横路委員 主計局長、今のお話ですが、あなたの方は私に対して、外航船の利子補給の負担軽減分として昭和二十八年度に、今あなたの方で八千五百万円を落す前のいわゆる七億八百三十九万七千円をここに出して、この積算に基いて三十七億二千二百二十二万円を出しておるのだ。きようあなたの方から出されたのは、その積算の基礎になる八千五百万を落している。だから私は二億五千万円ないし三億は当然落ちる。もしも落ちるのでなければ、あなたの方でわれわれに出された三十九年二月十八日の資料が間違つている。明らかに七億八百三十九万七十円の積算基礎のもとに、昭和二十九年度に市中銀行に出している。私はいただいたしつかりした資料でやつている。――これはこまかくなりましたので、あそこで相談して時間がかかりますから、次に、私は運輸大臣にお尋ねいたします。
  177. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 横路君、銀行局長より答弁があるそうです。
  178. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 先ほどなぜ八千五百万円少くなつたかという根拠を申し上げようと思つておりました、それは聞かなくてもいいというお話でございましたが、これは一船ごとに融資の残高を計算いたしまして、洗つた。それから乗り出し費用、峻工二箇月以内に、いろいろな名目で融資される金額がありますが、それを除いた。そんなようなことで、これだけ落しているわけであります。ところが三月十八日に差上げました資料によりましては、二十九年度の三十七億につきましては、すでにそういう乗り出し費用等を落しておるわけでございます。その意味では、この前差上げました表の二十八年度と九年度との平仄が合つていなかつたかということはあるかもしれませんが、二十九年度の計算そのものはすでに乗り出し費用等を落した結果が載つておる、さように御了無いただきたいのであります。
  179. 横路節雄

    ○横路委員 ちよつと了承はできませんが、次に移ります。   〔「数字を読み違えないように」と呼ぶ者あり〕
  180. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 静粛に願います。
  181. 横路節雄

    ○横路委員 こういうように出されている。資料で出されている。数字ですから、それはない。  運輸大臣にお尋ねいたしますが、第十次計画造船が非常な困難に逢着していることは、われわれも新聞で承知しておるのであります。そのうちのおもなるものは、市中銀行はことしは融資できない、こういうようなことをいつておるのです。それで私は運輸大臣にお尋ねいたしたい点は、運輸省としては、いわゆる造船と金融との関係については、一貫性がなかつたのではないだろうか、こう思うのであります。ことに重要な点は、昭和二十六年八月二十七日の第一回の造船合理化審議会の譲与録から見ますと、当時議長の日経連会長である石川さんは、七次後期船の船主選考の前に発言をいたしまして――私はあなたからいただいた議事録について言つている。船主の小委員会に対して、七次船をやるのについて、一体船主は金を借りるつもりかというと船主協会会長である浅尾氏がこういつている。当時は山縣さんが会長でした。今はこの浅尾氏が会長です。船主としては今までの借金を返さないで新しい船について金を借りるのだ。今までの借金は返さないのだ、こういうことを第一回の造船業合理化審議会でいつている。これはこの中にちやんと載つている。私はこの点がいわゆる海運会社の一貫した方針であろう、こういうように考えている。あとで松田さんに聞きますが、これが今日第五次の返済期限が来てもなかなか返して来ないというのであります。そこで、昭和二十六年の十一月十六日の同じ会議録を調べてみますと、船主選考については自己資金をもつているもの、あるいは償還が順調に行われているかどうか。投機的な申込みを排除しよう。政治資金をたくさん借りている船主については、償還が順調に行つているものをやろうではないか。こういうように。だんだん話出たようでございますが、十一月の二十一日の第二回の小委員会によりますと、当時の秋山次官は、いわゆる銀行から融資の確約書を持つて来なければ、選考しないといういうことではどうだろうかという話等も出たのでございますが、昭和二十六年十一月二十二日のその合理化審議会の第二回総会では、今回に限り銀行の融資確約書なしで運輸省がまず選考することに決定した。銀行で融資する確約書がなくとも、まず運輸省が先に決定をして、決定したものから順次日銀の方に送つてやつて、それからきめて行く。こういうことを第七次の後期できめているわけです。ところが第八次船になりまして、二十七年の四月九日になりますと、第三回の総会では、前回の船主の中には、資金、信用力の十分でないものがあるから、今回はこの融資確約書は重視すべきであると今度は言つておる、これを見ると、第七次後期船の決定というものは、非常に怪しげだということになるのです。銀行の確約書を持つて来ないで、運輸省が一方的にやつたという、但しあとで銀行との関係で――第七次の第三回の総会での議手録では、明確にその点が出ておるのであります。二十七年の四月十日の船主選考の第一回の小委員会では、当時の小林委員長から、銀行で金をつけないものは、割当を受ける資格がないというのが銀行側からの強い発言である、資金調達力のまさつた船主を選びたいとの銀行側の意見もあるが、今度は第七次後期の点等から考えて、十分に考慮してやりたい、会社の打つ担保能力、今後の収益というものについて考えてやりたい。ところがここでこの会議の大来なことは、見返り資金による建造は、この八次が最後になつたのであるから、五次以降選考に漏れたものを、この際拾い上げるようにする、こうきめておるのであります。どうも私は第七次の後期には、この銀行の確約書をつけないために八次で非難され、その非難されておる八次の最終的の決定では、五次以降の見返り資金はこれで打切られるから、これでやりたいと、こう言つた。運輸大臣にお尋ねしたいのは、あるときは何か海運会社が今まで借りた金は返さなくてもいいのだ、またあるときは銀行の融資一の確約書を持つて来い、またあるときはそれはあとでもいいのだという、一貫した行針――当時の事情については、運輸大臣はあるいはおわかりにならない点があるかもしれません。今第十次計画造船があなたの方で計画されておるが、市中銀行が計画されている約八十億を開発銀行に肩がわりしてくれ、私たちの方では絶対出せないのだ、こう言つておる。合理化審議会等の経過から見て、運輸省は造船と金融という点に関して、その都度都度適当に処置をされたのでないかと思うのですが、運輸大臣として逢着しておる第十次計画造船を前にして、今私は会議録からほんとうに正確に拾い上げて申し上げましたので、どういうようにお考えになつていらつしやいますか、その点を承りたいのです。
  182. 石井光次郎

    ○石井国務大臣 お答えいたします。第十次の造船に対して、私、どもどういうふうにして資金を充足することができるかという問題で、先ごろからほとんど毎日のようにいろいろな関係の人たちに集まつていただいて聞いておりますが、御承知の通り市中銀行は非常に渋つております。昨年の幕ごろに市中銀行の人たちから書面をもつてであつたと思いますが、私どもに申出のあつたのは、第一番には担保力を市中銀行の方に多くつけてもらいたい、開銀の方から少しよけいまわしてもらいたいという希望、それから自分たちが、三割の融資をするということは、なかなかつらくなつて来た、資金の面でつらいから、これをなるべく少くしてもらいたいという程度のことでありましたが、最近、一週間ぐらい前でございますが、金融関係の人たちに集まつてもらつて話をいたしますと、できれば今度はもうかんべんしてもらいたいという程度まで非常に弱腰になつておられるのでございます。これは次の三十九年度というものが、金融が非常に困るだろうというような根本の問題もありますが、このごろの造船疑獄等いろいろなものにからみまして、銀行の貸出粗笨などという声があちらこちらに出るものでございますから、おじけをふるつておる向きもあるように考えております。いずれにいたしましても、これにつきまして、私どもはどういう方法でこの十次の造船をやつて行くかという方法につきましての手だてをみつけ出そう思つて、今いろいろ聞いて相談し、これからまた案を練ることになるわけでございまして、いろいろ今までずつと昔からのお話を承りましたが、この金融業者の金融確約書の一面を見ましただけでも、なかなかいろいろな変遷をしておると思います。実はこの前の第九次の後期のときにもその問題が出まして、金融業者からの確約書、つけるべきじやないかという話がありまして、その話を進めさしたことがあるのでございますが、これは金融業者がたくさんな申入者に対して、自分の方で確約書をこの人なら出せると言うことは、その人の信用状態をはつきりここで差別をすることになるからどうにもできない。たくさんの人から言われるから一々それをやると、それがみんな出そろうまで待たなければならないという問題があつて実際困るから、政府並びに開銀で話合いがついて、できました船の船主名がきまりましたら、それに対して必ず自分たちの方はやるからということで確約書をとらずにやつたような次第でございます。  前のこまかい問題につきましては――こまかいというより、前の問題につきましては、海運局長がよく知つておりますからなお詳しく御説明申し上げますが、それを船主たちが元金は払わぬでもよろしい、どれだけでも借りておけというような心持があるかどうかは私ははつきり存じませんが、いずれにいたしましても現実の状態からいたしますると、元金を払い得る状態ではただいまのところないということだけは確かであるということでございます。
  183. 横路節雄

    ○横路委員 開銀の理事の松田さんにお尋ねをいたします。たいへん、どうも長時間御苦労さんでございますが、実はお尋ねしたい点は、この前の決算委員会等においてもお話があつたのでございますが、いわゆる計画流船の第五次、第六次で、今償還期限が来ているもので、これが返されていないもの、第五次、第六次で通算して二百四十億で、そのうち五次船四億二千五百、六次船で六億一千九百万だけは償還されている。こういうお話でありますが、私お尋ねしたい点は、今実際にこの第五次船以降で償還期限になつて返されていないもの、その点は開銀としては幾らになつておりますか。
  184. 松田太郎

    ○松田説明員 最初にちよつとお断りを申し上げたいと思いますが、先般どういう間違いでございましたか、開発銀行に対する回収未納額と申しますか、延滞額が今日二百四、五十億になつているということでございましたが、その点についてたいへん恐縮ですが、この機会にお話申し上げておきたいと思います。これはただいまの御質問にも関連いたして参るのでありますが、第五次船以降、言いかえれば外航船の計画造船ということになると思いますが、そのうちで今日すでに期限の参つた――参つたと申しますか、内入期限が参りましたもの、それが第五次船につきましては六億二千四百五十一万四千円、それから第六次につきましては二億三千七百九万八千円、これは要するに、十分御承知の通りに船の償還期限につきましては、最初貨物船については三年間のすえ置き期間を置きまして、そうしてあと十二年間、合計十五年間が償還期限になつております。それから油送船につきましては、三年のすえ置き期間を置きまして、あと十年、十三年が償還期限になつております。それで今申しました数字は、わかりやすく申しますならば、第一回の償還期限が参りまして、なおかつそれが延滞しておりますものが、先ほど申しましたような、第五次、第六次の数字であります。その第一回の償還期限が参りましたものの総貸付商は幾らかというと、それが二百二十八億でございますか、そういう数字になるのでございまして、二百二十八億が現在すべて延滞になつておるというのじやないのであります。そのうちの第一回の償還期限――第一回の償還期限と申しますと、われわれ内入期限と申しておりますが、それが先ほど申しましたような数字でございます。
  185. 横路節雄

    ○横路委員 そこでお尋ねしたいのは、第五次、第六次の計画造船で、償還期限が来てもいまだにそれが遅延しておる、この点は第九次前期の造船業の合理化審議会の記録を読みまして、松田さんもその中に出席された議事録になつておりますが、そこで当時委員会におきましては、いわゆる第九次前期については、これは開銀がその船会社の信用状態その他を調べてやるのだ、こういうことになつて非常に決定権が重視されたわけです。それで私はできますならばきよう、今できませんければ、明日の予算委員会に、この第五次、第六次の計画造船で償還が遅れておる、こういう船会社、そのときに割当つた船の名前、これをぜひお出しをいただきたいと思います。この点いかがでございましようか。
  186. 松田太郎

    ○松田説明員 今の御質問の点は、開発銀行が第九次前期と第九次後期におきまして融資をいたしましたその船主について、今のような元本の延滞状況があつただろうか、こういう御質問ととつてよろしいですか。――それにつきましては、必要がございますれば、もちろん資料は差上げていいと思いまするが、少くとも元本につきましては、融資を認められましたものについては、全然延滞がないものと、それからまた、後ほど何でしたら御説明しようかと思つておりましたが、実は五次、現在では六次の一部があるかと思いますが、すでに期限が参りましたものについて、ケース・バイ・ケースでその船主の資産状況を見て、実は半年延期の措置をとつておりますのがございます。従つてその半年延期の措置を講じたものも入れますと、実は形式的には延滞というものは、九次前期、後期を通じて融資を認めましたものについてはないのでございますけれども、それは率直に申しまして半年の形式上の延期を私の方で認めておるのでありますから、その点……。
  187. 横路節雄

    ○横路委員 松田さんに私は、今の点の資料と、それから市中銀行の融資で開眼に肩がわりしておる資料をひとつできますならば明日出していただきたい。  次にお尋ねしたい点は、私は担保物件についてちよつと疑義がありますのでお聞きしたい。これは三月八日の朝日新聞の記事によりますと、東京地検特捜本部では、七日の午後に松田さんを参考人としてお呼びになりまして、その間の割当等についていろいろお聞きになつたようでございます。記事の内容によりますと、自由党の有田君が開発銀行に対して再三陳情して、九次後期が当つたというので、松田さんの自宅をたずねて、金の入つた部厚いふろしき包みを謝礼のために渡そうとした、ところが拒否されたらしいとかいうことが出ておりまして、この点は私はただ記事でありますから、それを読んでおきますが、問題は名村造船に対して当りました東西汽船に対する新造船側割当について、いわゆる東西汽船と大阪府船との連帯債務について、いろいろあなたの方で御計画を立てられて、さしつかえないというので決定されたということになつているわけです。そこで私は連帯保証の点であなたにお尋ねしたいのですが、大阪商船と名村汽船のほかに、現在私どうも調べますのに、たとえば新日本海運は全部日本郵船にチャーターされているわけであります。話によりますと、日本郵船が新日本海運に担保物件を出して、そうして金を借りて、船の割当を受けると日本郵船にチャーターする。どうも私どもずつと集計してみますと、日本郵船であるとか、三井船舶であるとか、大阪府船というところに、非常に汚くチャーターされているわけであります。そこでこの連帯保証の横筋の点については、大阪商船と東西汽船のほかに、まだおありになるのか、その点お尋ねしたいと思います。
  188. 松田太郎

    ○松田説明員 連帯債務の点につきましては、大阪府船と今お話の東西汽船の関係、それからもう一つは、三井船舶と乾汽船の関係が連帯債務としてございます。それから保証につきましては、私の方でも必要に応じて親会社の保証をとつておりますが、現在ここで今どの船会社がどの船会社の保証を受けておるかということは、ちよつと記憶がございませんので、何でございましたら、後刻調べまして御報告したいと思います。
  189. 横路節雄

    ○横路委員 今の点は松田さん、非常に大事な点なので、ぜひ調べて出していただきたいと思います。  それから愛知さんにお尋ねしたいのです。実は今の計画造船について、第五次から第八次までの点について私はずつと調べてみたのですが、今お話のように、どうも日本郵船、三井船舶、大阪商船というような大きい会社が、それぞれの子会社に担保物件を提供したり、あるいは連帯債務という形で連帯保証して、その会社に割当を受けて、そうしてその担保物件や、連帯保証を、親会社がその船を出してもらつてチャーターする。そうしてその子会社にはいわゆる貸付料だけを払う。もしもこういう事実があれば、これは経済力集中排除法に私は該当して来るのでないかと思うのですが、そういう点に対して、ひとつあなたの御見解をお尋ねしたい。
  190. 愛知揆一

    ○愛知国務大臣 実は率直に申しますが、突然のお尋ねでございまして、とくと研究いたしましてお答えいたしたいと思います。
  191. 横路節雄

    ○横路委員 松田さんに重ねて……。先ほど私の方で要求しました、第六次以降でいいですが、第六次以降の計画造船で、その会社がどの会社の連帯債務になつておるのか、それから担保物件をどうやつて出しているのか、その関係について、これもあわせて出していただきたいと思います。  それでは海運局長にお尋ねいたします。造船用の鋼材補給金の、いわゆる日銀の別口外貨につきましては、四月の十日で打切りになつているわけであります。この点につきまして、昨年の八月二十五日でございましたか、閣議の了解事項のあと、大蔵、通産、運輸省でおきめになつた造船のコスト引下げに関する要綱の中で、問題になつている点は、造船工業会の分の特別会計、造船工業会の口座に振り込んで、特別会計にある造船用鋼材のいわゆる引下げの分について、もしもそこに払い込まなかつた製鉄業者があれば行政上の措置をとる、あるいはそこから受けた造船会社がその船価引下げのために使つていなければいわゆる行政上の措置をとると、あの要綱にうたつてあるわけであります。あなたにお尋ねしたいのは、もしも名村造船の、いわゆる運輸省の壷井官房長に渡したと言われる金が、この造船工業会の口座から引揚げて行つたものであるならば、これは当然この行政上の措置に該当するものだと思うのでありますが、あなたはどうお考えになりますか。
  192. 甘利昂一

    ○甘利政府委員 私からお答えいたします。造船用鋼材については、今お話のように、当初一万円を下るということで、実際政府から出したのは七千五百円でありまして、船主業者が千八百円、両方合せて九千三百円だつたのでありますが、船価の方は当初から一万を下るということでございますから、それだけ下げてございます。従つて造船所としては、最初に四万九千七百五十円ですかの鋼材を買つて、実際はそれから七千五百円下げた値段で船価をきめておりますので、いわばそれだけの分を製鉄業者に先払いしている。従つてあとからそれを逐次払つてもらうのですから、造船所としては、その間いろいろな利子とかそういうものについては、むしろ造船所の企業努力によつてそれを吸収して行く、こういうふうに了解しております。
  193. 横路節雄

    ○横路委員 海運局長に……。第十次計画造船に市中銀行が融資をしないという点は、なるほど今の造船疑獄その他もありましようけれども、私は、金融機関と海運会社との投資をしている関係にあるのではないかと思うのです。たとえば太平洋海運は――小笠原さんはおやめになりましたが、太平洋海運の株の状態を見ますと、東京海上が二十万株、安田火災が十七万一千株、日本火災が二十万株、大正海上が二十万株あるいは三菱海運になりますと、千代田銀行が七千九万株、広島銀行が八十六万九千株、三菱信託が二十万一千株、東京海上が九十万株というように、それぞれの海進会社に全部損保険会社か銀行か信託銀行が投資している。そこで自分の負担を軽減するために、自分が出しているのですから、自分の会社に対して回収できないことがあつては困るから、これを開発銀行に肩がわり――金融機関と海運会社の特殊なこういう株の出資状況から、今市中銀行は開銀への肩がわりを急いでおるのではないかと思うのですが、この点はどうでございましようか。
  194. 岡田修一

    ○岡田(修)政府委員 金融機関が第十次造船に気乗り薄である、それは、海運会社が金を借りるだけの担保をもう持つていないということが一番大きい原因でございます。なおそのほかに、すでに出した金が相当こげついている、新たに貸す金もこげつきを予想されている、その上に担保力がないということで、市中銀行としてはこれ以上の協力をしぶつている、こういう点でございます。  それから先ほどの融資確約書の点でございますが、これは、運輸省といたしましては、運輸大臣が答えましたようにまず市中銀行に融資確約書を先につけさせることによつて申込み船会社の資産、信用を一応証明させる、こういうので絶えず努力しておるのでございますが、六次の後期には、お説がありましたように、金融機関の方でどうしてもつけるのはいやだ、こういうことで、それでは暫定的に六次の後期だけ金融の資格関係なしにやろうというのがずつと今日左で来ておるわけであります。運輸省といたしましては、この融資確約書を先につけることによつて船会社の資産、信用状態を証明してもらうということでやつておるわけであります。
  195. 横路節雄

    ○横路委員 実は大蔵大臣と文部大臣と一緒に義務教育費のことをお尋ねしたいと思つて待つていたわけなんです。実は大蔵大臣、私は富裕府県の二十七億八千万だけでなしに、貧弱府県といいますか、その他の府県は、義務教育費半額国庫負担法に基づきまして、年度末には約十億近い赤字になるという見通しで、そういう具体的な数字をあげてお尋ねしたいと思つていたのです。――委員長、私は文部大臣がおいでになるだろうと思つて実は今まで待つておつたのですが、佐竹さんの関係はどうなりますか。
  196. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 文部大臣はどうぞ御保留願いまして、明日……。
  197. 横路節雄

    ○横路委員 では明日やらせていただけますね。――それではきようはこの程度にいたします。
  198. 小峯柳多

    ○小峯委員長代理 本日はこの程度にいたしまして、次会は明十八日午後一時より開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十分散会