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1954-06-02 第19回国会 衆議院 法務委員会 67号 公式Web版

  1. 昭和二十九年六月二日(水曜日)     午前十一時四十一分開議  出席委員    委員長 小林かなえ君    理事 鍛冶 良作君 理事 佐瀬 昌三君    理事 田嶋 好文君 理事 林  信雄君    理事 高橋 禎一君 理事 古屋 貞雄君    理事 井伊 誠一君       押谷 富三君    山下 春江君       古田  安君    猪俣 浩三君       木下  郁君  出席政府委員         国家地方警察本         部警視長         (刑事部長)  中川 董治君         検     事         (刑事部長)  井本 臺吉君  委員外の出席者         専  門  員 村  教三君         専  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 六月二日  委員押谷富三君、牧野寛索君及び堤ツルヨ君辞  任につき、その補欠として原田憲君、田渕光一  君及び佐竹晴記君が議長の指名で委員に選任さ  れた。 同 日  委員原田憲君及び田渕光一君辞任につき、その  補欠として押谷富三君及び牧野寛索君が議長の  指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  閉会中審査に関する件  委員派遣に関する件  小委員及び小委員長の選任  法務行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 小林錡

    ○小林委員長 これよの会議を開きます。  この際閉会中審査に関する件についてお諮のいたします。すなわち、一、刑法の一部を改正する法律案、二、売春等処罰法案、三、裁判所の司法行政に件する件、四、法務及び検察行政に関する件、五、人権擁護に関する件、六、上訴制度及び違憲訴場訟に関する件、七、外国人の出入国に関する件、八、弁護士法及び執行費用等に関する件、九、戦犯服役者に関する件等について閉会中もなお審査を継続するため、その旨議長に申し出たいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小林錡

    ○小林委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお申出書の作成につきましては委員長に御一任願います。     ―――――――――――――
  4. 小林錡

    ○小林委員長 次にお諮りいたします。閉会中審査事件が議院において付託されました場合には、現在設けられております違憲訴訟に関する小委員会及び外国人の出入国に関する小委員会を閉会中もなお継続して調査いたしたいと存じますが、定足数の関係もありますから、違憲訴訟に関する小委員はその数を七名、外国人の出入国に関する小委員は八名といたし、小委員長及び小委員の選任は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 小林錡

    ○小林委員長 御異議なければ、違憲訴訟に関する小委員といたしまして    佐瀬 昌三君  押谷 富三君    花村 四郎君  吉田  安君    猪俣 浩三君  佐竹 晴記君それに私を加え、小委員長といたしましては佐瀬昌三君を、  外国人の出入国に関する小委員といたしましては    鍛冶 良作君  佐瀬 昌三君    花村 四郎君  林  信雄群    吉田  安君  神近 市子君    木原津與志君及び木下郁君を、小委員長といたしまして花村四郎君を御指名いたします。  また先日設置いたしました上訴制度に関する調査小委員会も、閉会中継続して設けることといたしたいと任じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 小林錡

    ○小林委員長 御異議なければ、さよう決定いたします。  なお閉会中におきましての小委員の異動に関しては委員長に御一任願い、また小委員会において参考人より意見を聴取いたす等、臨時必要の処置につきましても委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 小林錡

    ○小林委員長 御異議なければ、さようとりはからいます。     ―――――――――――――
  8. 小林錡

    ○小林委員長 次に委員派遣に関しお諮りいたします。閉会中審査事件が付託されました際には、その審査のため委員派遣をいたしたい旨議長に申し出たいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 小林錡

    ○小林委員長 御異議がなければ、さよう決定いたします。  なお派遣委員の氏名及び期間等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 小林錡

    ○小林委員長 御異議なければさよう決定いたします。  この際高橋委員より発言の申出がありますから、これを許します。
  11. 高橋禎一

    ○高橋(禎)委員 これは各委員の方々の御意見も承りたいと思うのでありますが、先ほど断委員会におきましていろいろ審議しなければならない問題が明らかになりましたが、これは非常に重要な問題でありまして、たとえば最高裁判所の機構の改革とか、あるいは違憲訴訟の、取扱いの問題とか、また般上訴制度をどのようにするとか、これらは司法制度のきわめて根本的な重要な問題であります。この問題を解決いたしますためのは、われわれは広く知識を世界に求めなければならぬと思うのであります。法務省にいたしましても、あるいは最高裁判所等にいたしましても、いろいろ欧米諸国の制度等も十分研究しておられ、法務委員会においても各委員の方々が真剣に御研究に相なつておるのであのますが、こういう問題は欧米諸国の制度なりあるいはその運用について国会としても十分の知識を持つておらなければならない。それは単に書物を読んだり話を聞いたりするというのでなくして、欧米先進国といわれ国洞々の中にはこういう制度についていろいろいい味わいを出しておるものがあるように思うのでありまして、この重大な問題を解決すべき責任がある国会として、直接それらの調査なり研究なりをするということは当然なさなければならぬことだと思うのであります。国会の他の委員会においてはいろいろ現地において調査研究をしておられるのでありますが、終戦後、わけても最近独立後司法制度が国の礎を固める上においてきわめて重大であるにもかかわらず、どうも外国先進諸国の制度なりあるいは運用なりについて直接調査、研究、視察等をするという方法に出ていないということは私ははなはだ遺憾なことだと考えるのであります。委員会として強くその必要を主張いたしまして、この方法が実現されるように私は委員長から特に活発なる御活動をしていただいて、それぞれの筋に対して申出をされて、それが実現するように努力していただきたい、このように考えておるわけでありまして、この機会に一言申し上げておく次第でございます。
  12. 小林錡

    ○小林委員長 ただいま高橋委員からの御意見はまことにごもつともと存じますから、委員長においても理事諸君とよく打合せをし、協力いたしまして議長にその旨を申し出て、しかるべき手続をとろうと思いますから、御了承を願います。     ―――――――――――――
  13. 小林錡

    ○小林委員長 次に法務行政に関する件について調査を進めます。  発言の通告がありますから、これを許します。古屋貞雄君。
  14. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 最初に刑事局長にお尋ねしたいのですが、名古屋に起きた事件でございます。名古屋の検察庁で取調べの最中に被告人に暴行を加えて、名古屋の日赤に入院させたという事件なんです。日は本年の四一月二日、場所は名古屋の地方検察庁七号調室、係検事は石井という人です。被疑者として連れて参られましたのは、窃盗容疑らしいのですが、山崎正次郎。この取調べにあたりまして、石井検事自身はみずから手を下しておりませんけれども、絞めてしまえという命令をいたしまして、そこに出て参りました、連行されました中村警察署の警官並びに検察事務官が暴行を加えまして、遂に二日間人事不省に陥りたために、びつくりいたしまして、名古屋の日赤に入院させておつたという事件です。この事件は、被疑者は手錠をはめられておりましたけれども、しかし相当あばれたことも事実らしいのです。けれども、少くとも調べの検事室で検察官が命令してこれに暴行を加えさせるというようなことは、人権擁護の上から行きましでも非常に重大な問題と思っております。しかも日赤に入院させた四日ばかりのうち二日間が人事不省、その後は食事が行けずにかゆ食をしておつた、こういう状況に陥れまして、家族並びに名古屋の弁護士さんも立ち会いまして、この問題の追究をいたしましたけれども、らち明かずに、そのままになつておつた事件なんです。これは人権擁護の上から考えましても、しかも被疑者として両手に手錠をはめられている人間に基行を加えたということは陵虐罪の関係が発生し得る事件じやたいかと思うのですが、この点について、刑事局長のお調べになりた結果がどうなつておりますか。さような事実かあったかどうか、それについて処置をどうなされたのか。問題は、被疑者は大体すりか何からしいのですけれども、すりだといいましても、調べの際に衆力で二日も人事不省に陥れるということ、加害するということは重大な人権問題だと思いますから、この点に対する御答弁を願いたいと思います。
  15. 井本臺吉

    ○井本政府委員 お答えいたします。昨日私の局の課長が大体の模様を伺いましたので、名古屋の地方検察庁にただちに照会をいたしたのであります。その回答の電報が参りましたので、その概要を申し上げます。  第一に、結論的に申しますと、名古屋地方検察庁の検事または中村警察署の書院がお尋ねの山崎正次郎に対して暴行もしくは傷害を加えた事実は全然ございません。  第二に、参考事項といたしまして、少しくその事情を申し上げたいと思います。  山崎正次郎という被疑者は、ほかの三名とともに昭和二十九年三月三十一日午後零時三十分ころに名古屋市中区栄町二丁目二帯地中村呉服店の南側路上におきまして、集団すりを働いた現行犯人といたしまして、中村警察署員に逮捕された者でございます。四月二日の午前十時三十分ころに名古屋地方検察庁に身柄の送致を受けましたので、同日午前十一時三十六分ころから――これは先ほどお尋ねの検事と名前が違いますが、名古屋地方検察庁の谷沢検事が弁解の録取をしたのであります。検事が平穏に職業を聞いているとぎに、突然検事の机をひっくり返して逃げ出そうという気配を示しましたので、ただちに巡査詰所勤務の市警本部の巡査が取押えたのでございます。その際に机かあるいは床板のいずれかに顔面打ちまして、少しく発赤した模様があったのでありますが、外傷は認められたかつたのでございます。その後引続き弁解録取をいたしまして、さらに判事の拘留尋問も終了し、即日午後二時ころ代用監獄として中村警察署に勾留いたしましたところ、この山崎が顔を打つて痛いと言うので、即時警察医の応診を受けさせましたが、顔が少しはれている程度で、他に異常はないということであつたのであります。同日午後五時五分ころに山崎が留置場監房内で自分から床に転倒して頭部を床に打ちつけて、苦しみ出しましたので、警察署の係官はただちに警察医の診断を求めましたところ、内出血をしているといけないということでありましたので、さらに赤十字病院の外科医の診察を受けさしたでございます。そのお医者さんは、四、五日経過を見たいと診断ができかねるということであつたので、年のため警察の員が立会いの土で日赤病院に入院さした。さらに翌三日、四日と再度同病院に診断を求め、脳出血の疑いありということでありましたから、即日裁判所に勾留執行停止を求めまして、四月十日までの執行停止決定を得て、名古屋日赤病院に正式に入院せしめました。ところが山崎は円月六日の午前十時ころから同三十分ころまでの間にこの病院から逃走いたしまして、所在不明となったのでございます。そこで翌七日勾留執行停止取消し決定を得て、鋭意その行方を捜査しておったのでありします。ところが本年五月一日に、この山崎は熱海の鉄道公安室係員に、熱海駅の下りホームで発見されまして公安室に同行を求められた。ところがてんかん様のけいれんを起したというのでありますが、倒れまして、多少あばれたのであります。ところがこれは、公安室の係員の認めるところでは仮病ではないかということで、そのまま勾留状を執行いたしまして、名古屋市に連行、取調べを続けた上で五月七日に窃盗罪で名古屋地方裁判所に正式に公訴を提起しまして、目下公判係属中でございます。以上のよろな経過で、この山崎なる者は、仮病などを使う癖があると申しますか、さような推定が立てられるのであって、行動が非常に不可解であるという結論に達しておるのでございます。  なお、公訴事実の要旨を申し上げますと、山崎は外三名の者と共謀の上で、昭和二十九年一月三十一日午後零時十分ころに、名古屋市中区市電納屋橋付近巡行中の電車内におきまして乗客の上着右ポケツトのうもから現金四百円を窃取したものであるという事実でございます。なお本人は、犯行当時現金を合計二十二万四千円くらい持つておりましすのみならず、金専門のすりの常習者という見込みで、東海道を主として各地、集団的なすりをやっておるのではないかという疑いもあるのでございまいす。  なおお尋ねの、石井検事と申されるのでありますが、石原検事と私の、では考えておりますが、この検事は四月二日の午前十時三十分ころに、名古屋駅着の列車で着任したものでございまして、本件については、の後に主任検事となったのであって、山崎の逃走前に取調べをした事実は全然ございません。経過は以上の通りでございます。
  16. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 私これをどうして承るかと申しますと、単なる被疑者の申出や何かではなくて、岩川弁護士、名古屋の弁護士会会長の永井正恒弁護士、しかも東京の内海源一郎弁護士並びに改進党の公認候補で、参議院の立候補をいたしました楯山勇という方が申し出られた事件でございます。当時弁護届けを出しに面会に行ったが面会させなかった。それからなお一つ、ただいまの御答弁を承りますと、暴行を加えた事実はない。しかし日赤に入院したという事実があるということはお認めでございましたが、四月八日にただいま申し上げた岩川弁護人、永井弁護人並びに内海弁護人が、直接入院して当時の状況並びにその当時の病状を、係の看護婦でございました加藤栄という看護婦から聞いた事実によりますと、日赤病院り号病棟に入院した、その当時の状況は、これは同病院の会計係、事務員などが立会いの上で聞かれたのですが、病状は外傷があつた、傷は左の口の下に打撲傷、足は硬直して動かない、頭に数個のこぶがあつた、舌がもつれて話すことができなかつた、人事不省の状態が二日間続いた、こういう事実でありまりま。ただいま局長の御答弁によります報告とは、およそ根本から相違しておるのであります。この点は私のところに申して参りました三人の弁護人が、いつでも証人として法務委員会に出ます、真実ございますと申しているので、私どもはこの事実に対しましては、相当確信を持てる事実だと考えておるのでございましすが、この点について、何日日赤病院に入院しておったか。ただいま申し上げましたのは、中村警察署から入院させたということでございまして、警察庁の七号の調べ室の中で人事不省に陥り、そして日赤に入院させた、当時楯山というのは、ただいまの被疑者の細君に頼まれて、細君と一緒に日赤病院に出かけまして、当時の実情を実際に見て来た、こういう報告がございますので、その点の事実をもう少しお調べ願いたいと思うのであります。というのは、単なる形式的な問題にあらずして、実はこれはおそらく検事あるいは、警察官の暴行に対する傷害罪の告訴をするかもしれぬ、そうしてたださなければならぬ、その証人にはただいま申し上げた弁護人がなる、こういう事実になって来たと思うのです。私が承りましたのは、実際にあればあるでこれは何とか処理したければならぬ。法務省といたしましてももう少し詳しくこの事実をお調べを願いたい。そうしてかようなことが繰返されるということになれば相当大きな問題になるし、しかもこの永井という弁護士さんに名古屋の弁護士会の会長さんらしいのです。ですからでたらめなことを申して来られないと思うので、ただいま申し上げましたような打撲傷並びに人事不省に陥ったということはおわかりにたりませんか。場所はともかくもこの山崎が二日も人事不省に陥って日赤病院に入院しておったという事実はわからぬですか。
  17. 井本臺吉

    ○井本政府委員 私どもも集団すりの容疑者で相当おかしな男だとは思いますけれども、決して人権について区別するわけではございませんので、本人がほんとうに暴行傷害を受けたということであれば、これは私どもといたしましても軽視できない事件でございます。ただ、この報告を見まするとでんかんを装おう何か仮病の癖が為るということが電報報告に載つておるのです。てんかんというのは御承知のように、ところをきらわずに倒れてあばれまして、もちろん自分で人事不省の様相を呈しますので、これがただちに暴行傷害に基くものであるということには簡単には結論が出ないのでございます。この電報報告によりますと、四月四日から四月六日まで正式に日赤病院に入っておりますが、四月六日には朝のうちに逃げ出してしまった、とにかく熱海まで行ってしまったというような状況でございますから、何か本人が相当事案を誇張していろいろ言つているのではないかという疑いが相当持てるのであります。しかし古屋さんのお尋ねでございますから、私どもといたしましてもさらにもう一度この点につきましては、慎重に調査いたしたいと考えております。
  18. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 なお御参考に申し上げますが、その日赤のお医者さんは、木下という医者、それから竹内というお医者か主治医でカルテがおそらく残っておると思うのですが、てんかんですから二日も人事不省に陥るということはないそうです。ただ六日に逃げ出したというのは、非常に脅迫をされたり暴行をされたので恐しくて逃げたと言つておのまするが、これに被疑者から聞いたのではなく弁護人から聞いていろ。ただいま私が申し上げたのは、四月八日に弁護人立会いの上で何ら関係のない日赤の看護婦からこの事実を聞いて来た。このカルテが残っていると思うのです。いつ入院してどういう病状であつたかというようなことも、この点は実は人権擁護局の関係を持ち出しまして、おそらく調べられておるのではないかと思うのですけれども、かようなことで弁護人が面会をして弁護届をとるにもとれなかった、面会させなかつたという事実あるらしいのです。というのは、あまり傷が重いために弁護人に会わせるわけに行かないのだということを、これは弁護人の推測でございますが、そう誓われております。なお楯山というのは相当な人格者でありまして、かようなことが現在の世の中に、たとい常習スリでありにくむべき人間ではあるけれども、かような人権に対する取扱いは非常に苛酷だ、こういうように義憤を感じてかような問題が出て参ったのでありますから、どうかその点詳しくお調べ願つて、もしそのようなことがありますならば、将来かようなことが起きないように法務省の方から相当やかましい御手配をしていただきたいことを要望いたしまして、この点は質疑を打ち切ります。その点ぜひお願いしたいと思います。  それからなおもう一つ、この点は久留米の裁判所と大牟田の警察署における関係でございますか、刑事局長にお尋ねしたいのは、事案は現在久留米の裁判所で調べか進行中でございますが、殺人事件に対する教唆並びに共犯の人たちが起訴されまして審理中でございますが、問題はこういうことなんです。下手人と四人の共犯者が検拳されて調べられておるのですが、これに大牟田の市会議員の江崎房雄、これが黒岩正人という人から殺されたのです。その殺人事件に対して同じ市会議員である小河原文蔵という男が教唆をしたかしないかという関係で、小河原文蔵という市会会議も検挙されて起訴され、今審理中でございますが、その裏づけとすベき目的のために黒石たちの共犯である野田進一、鳥取孝幸、植田一孝、小森田忠夫、この四人の共犯者が教唆されてやったかやらないかという事実に対すろ審理の問題について、野田進一と鳥取孝幸とその他の植田一孝並びに小森田忠夫とを二つにして、収監をする場所を異にし、待越を異にいたしまして、教唆の事実の新しい供述恐を副検事の中村頼光というのにとらして、証拠固めをしておるという事実がある。従って同じ被告人で刈りながら待避、区別しておるという事実が一つ、憲法によって国民の一人々々を同一に取扱わたければならぬにかかわらず、区別をしておるという事実、言いかえますならば野田と鳥取は刑務所に収監しておるにかかわらず、植田、小森田の二人は大牟田の警察の代監に入れて、手錠もかけずに堂々と自由に法廷にも出て来るし、面会も自由にさせておる、しかるに野田と鳥取については厳格に監獄法によつて取締られておるという区別をしておる、区別をしておることが一つと、区別をして歓心を貿って小河原の教唆の事実をあとから捜査して調書をとって証拠固めをしておるという事実、この点が弁護士会でも相当問題となりまして、今相半やかましくいわれているらしいのです。従いましてお尋ねしたいのは、四人の共犯者の勾留いたしておりまする場所を異にしているということは、これは都合で私はけりこうだと思うのですが、特に植田と小森田だけを警察の代監に連れて参りまして、自由に面会をさせ、手錠もはめない、同じ法廷へ出て来るときに、野田と鳥取は手錠をはめられて来るが、植川と小森田は手錠もはめられずに出て来ておる。それから審理中にかかわらず別に捜査に名をかりて棚田と小森田の調書をとつて、小河原から教唆を受けてやつたという調書をあとからつくったいう事実、この点が法廷におきましても問題になつて、裁判長並びに検察官、弁護人の間に相当ごたごた があつたらしいのですが、それは別としてさような処置をさせることがはたしていいのか悪いのか、刑事局長にお尋ねしたいと思います。
  19. 井本臺吉

    ○井本政府委員 実は私この事案のこまかいデータを承知しておりませんので、的確なお答えもいたしかねる次第でございますが、刑務所もしくは代監にわけて入れたという第一点のお尋ねでございます、これは刑務所の収容人員の都合とか中の配置の関係その他でときどき警察を代用監獄に使うということは法律でもはつきり認めておりますので、これが特に待遇を区別したという理由には私ならないと考えるのでございます。それから手錠をかけたりかけなかったりということが第二点でございますが、これは戒護の基準がいろいろございまして、非常に心配のない者につきましては刑務官の事情配慮によりまして手錠をかけなくてもよろしいという規則も中にございます。これもどういう事情で区別したのか、また区別するためにやつたのか、はたして区別をしたのかしないのか、そういう点をまたはつきり調べておりませんので、この点も事情をよく調査いたします。  それからお尋ねによりますると、起訴後に被告の調書をとつたというように受取れるのでございますが、これは判例もありましで、起訴事実につきましての被告人の調書作成ということがはたして適法な調書であるかどうかということについては相当問題があるわけでございます。古谷さんにこういうことを申し上げて恐縮ですが、学説も両説ありまして、東京高等裁判所におきまいしては、さような調書は適法な調書でないという判例も出ております。これは判例集に載つていたいようでありますが、ただその実情もいま少しく調査いたしませんと的確なお答えができませんので、さっそく照会いたしまして過断か機会にまた御報告申し上げたいと思う次第でござい申す。
  20. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 ごもつともだと思いますが、ただ問題は新しく調書をとられて、証拠力のいかんのことは別としても、調書をとったという事実がある、公判廷審理中の事件について共犯者を待遇をよくして別に調書をとるということが、いかにも証拠をつくろようた疑いを各被告人に与える、特に教唆をしたという疑いで起訴されております市会議員の小河原文蔵というのは、この点について弁護人から相半抗議が出ておるらしい。さような事実がもしあるとすれば、この点は相当やかましく御監督を願いたいと思う。なおお調べを願つて善処されんことをお願いします。  そこで、今度は国警の中川さんにお尋ねしたい。これは人権躊躇の問題と、警察官が酔つ払つて無罪の住民に暴行を加えちという埼玉県の吉川地区の警察署に起こつた事件であります。これは朝日新聞にも大分大きく出ておりますが、事実は、吉川地区署の杉田英夫という警部補が町の銚子屋という飲食店で酒を飲んでおつた。そこに高橋進作という青年が来合わしてやはり酒を二見まして、酒の上で何か議論をしたらしい。そこで表に出て、十二の高い橋進作という青年を杉田英夫という警部補がぶんなぐつて暴行を加えた。しかも暴行を加えましたので中へ入つて仲裁し、杉山の暴行をやめさせようとした谷古宇五郎という人間をも警察に連れて行つて暴行を加えたという事件なのです。これは地方では相当問題になりまして、人権擁護委員会あたりが警察に文句を言いに出かけたらしいのですが、らちが明かない。こういう事件なのです。警部補がかつてに酒を飲みにいつて、そうして自分が気に入らないからといつて無罪の住民を表へ呼び出してぶんなぐつた、仲裁に入つた人間をもぶんなぐつた。しかも二人を警察署に連行して、高梁にはさらに暴行を加えるのみならず手錠をはめて苦しめた、こういうことなのですが、かような事実があつたかどうか。かようなことをされるならば、一般住民は安んじてその日の生活を送ることができないという不安の状態に置かれる、こういうので二日か三日にわたつて新聞に大きく書かれておりまするが、これに対して国警の方ではどういう処置をされたか。この点を承りたい。これは人権擁護委員会でも調べられまして、相当問題になつているらしいのですが、国警の方でこの暴行警部補に対する処置をどうされたか、こういう事実があつたかどうか、この点を御答弁願いたい。
  21. 中川董治

    ○中川(董)政府委員 古屋委員のお尋ねの埼玉県吉川地区署の杉田警部補にかかる事件は――この内容につきましては御承知のように人権擁護の問題として法務局にも現在十分御調査を願っておりますので、そういう御調査につきまして深くお願いするとともに、われわれ警察内部といたしましても重大な問題でありますので、埼玉県の国警隊本部におきましては、関係者について現在いろいろ調査しているのでございます。現在調査が完了しきつておりませんので、完了しきった最後のことをお答えすることはまだできないのでありますが、現在は調査の中間状況を申し上げてみたいと思っております。  その状況から申しますと、今の店でこの吉年に杉田警部補が暴行を加えられまして、むしろ警察官の杉田警部補の方が倒れた。倒れたまま抵抗できたくなりまして、応援といいますか警察へ連絡してくれと頼んだ状況のように最初の事実はなつておるようであります。それからそういうふうに店屋で騒ぎになりましたので、仲裁に入った方あつたと思いますが、現在杉田警部補等について調べましたところでは、そういった仲裁に入った人々なぐったことはない。ことに自分は倒れておつた状況であるので、そういうこともできない状態であったからこういう事実はない。杉田警部補の方では国警の取調べ監察官の方にこう申しているようでございますが、さらにこういつた関係は、杉田警部補の言い分も十分聞く必要もあろうと思いますけれども、関係の状況をつまびらかにいたしまして――まず最初の起りは、町青年が警察官をなぐったことから始まったのでございましようが、何と申しましても警察官という者の措置は、幾らなぐられてもどういたしましてもすべて法律に基きまして適正に措置するということが使命でございますので、その処置等につきましては、杉田警部補の陣述も十分聴取にいたしますけれども、関係の向きをもつと詳細にいたしまして、他面人権擁護局の調査もお願いし、われ  部内監督の方法によるところの真実発見と、人権擁護機関における御調査と両方を遂行いたしまして事実をはつきりいたしたいと思います。ことにこの問題はお話のように全国版で出せないものでございますから、私は見なかつたのでございますが、埼玉県に配布された新聞には相当大きく出た事件でございます。杉田警部補等の言い分を中心に考えますと、何ら不適正なちころはなかつたようには考えられますけれども、さらにいろいろな角度から調べてみて、杉田警部補に故意の点があつたら厳重に処置いたしますし、過失におきましても、警察官として許し得ない過失であります場合には、その程度に応じていたしたいと思うのでありますが、現在までの調査では事実があつたと認めるに足りるというふうに相なっておりませんので、その中間状況といたしましては――現在のこの問題に関する私ども警察部内における調査状況を申し上げまして、今後さらにこの真相発見に努めて参りたい、こう思っております。
  22. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 そこで新聞によりますと、ただいま杉田警部補をお調べになっておるらしいのですが、その調子屋というのに川上彦一という方なのですが、川上さんが新聞記者に語ったところによりますと、「高橋さんが杉田さんに抵抗した様子はない。杉田さんは酒をのんでいた。」こういうふうに言つております。当時また現場で見ておりました鈴木徳太朗さんという方のこの事件に対する言明は、「高橋さんがあやまっているのに杉田さんは私が見ただけで十回ぐらい殴つた。私も止めに入ったがつきとばされた。」こういうことを言つておる。それから谷古宇五郎さんという人は「高橋さんが気の毒で見ていられず止めに入つたが、私も二回殴られた上、警察主で引つぱつて行かれた。警察でも高橋さんは大分殴られた上調べ室の方に引つぱつてゆかれた。」高橋さんは全然抵抗せこういう点も十分御調査願つて善処願いたいと思います。埼玉県の警察では相当乱暴をなさったという事実があるらしいのですが、その点は厳重に御調査を願いまして、御処置を願いたいと思います。  それからもう一つ、これはゆゆしき問題で、これは埼玉県の久喜町の問題なんです。遠藤という一人の被疑者が自転者を盗んだということでひつぱられた事件です。そこで会ったこともない、相談もしたこともない飯田という人と関岡という二人が、共犯だというので、警察にひつぱられて参りました。そうして警察で非常に乱暴ををやつた。久喜署の中で、頭の髪をひつぱつたり、暴行を加えたりして、とうこの二人を共犯者にしてしまった。名前は、遠藤正次というのが主犯の窃盗容疑でひつばられた。何かの調子で警察から、お前一人じやないのだろう、だれか共犯者があるだろうというようなことを言われて、警察の刑事から教えられて、飯田肇、関岡義照、この二人が一緒にやりましたということをしやべつたことがきつかけになつて、この二人が被疑者としてひつぱられて勾留されて、警察でずいぶん暴行されておる。報告書を見ますと、ずいぶん暴行されまして、髪の毛をひつぱつて、お前はちやんと証人があるからだめだというようなことで、久喜署の刑事達がずいぶんいじめて、逐に自供さして、起訴された。起訴されましたが、これは遂に久喜署の簡易裁判所で無罪になつた。そのときに立会い検事の方も新聞で拝見しますと、この時間は警察の方で無理した事件であって、自分は控訴はしないということを検事が言つております。この件も御調査を願つておりましようか。そういう事実があつたかどうかということを御答弁願いたいと思います。
  23. 中川董治

    ○中川(董)政府委員 ただいまお述べの事件も私承知しておりまして、先ほどの吉川地区署について申しましたと同様の方法で、今厳重に調べておる最中でございます。お説のように、遠藤正次という方を自転車の窃盗事案で逮捕いたしまして、だんだん捜査を進行いたしまして、それに関連し、関岡被風者、飯田被疑者がやはり共犯関係にあつたと認めまして、これを逮捕して調査を遂げ、検察庁に送致し、起訴されて、遠藤被告人についは一審では微役一年六箇月、執行猶予がついておりますが、そういう有罪の判決を受け、他の二名については無罪の判決を受けております。それから第二審で有罪の判決を受けた遠藤被告人に控訴をされまして、判決は確定いたしておりませんので、今現在第二審で審理中のように承つております。この無罪事件がことごとく警察の処置が悪かったということにに必ずしもなりませんけれども、とかく無罪判決を受けるようた事件には、お述べになりましたような事柄があり得るプロバビリテイがございますので、そういつた点からしまして、無難になりましたような事件についてに、この事件に限りませず、警察全部といたしまして、捜査の仕方が悪かつた結果無罪にたつたかという点も検討いたしますけれども、同時に捜査に無理があって、かえつてそういうことになつたのではなかろうか、人権擁護の見地からも十分常に調査いたしておるわけでございます。本件も、ことに遠藤被告人が一審では有罪でございますが、他の被告人についてはともに無罪でございますので、お述べになつたような事案そのままの事案があるかどうか、またそのままの事案はないにいたしましても、それに近い、捜査遂行上警察官として適正を欠くことがたかつたかどうか、内容によっては捜査に従事した職員が懲戒に値する内容かどうか、普通に大いに注意力を発揮してやつたのだけれども、どうしても無罪になったというやむを得ない事情であれば、そういつた懲戒処分はいたしませんが、その間に放心がありますればもちろんでございますけれども、重大な過失があるかどうかという点も、現在埼玉県の県本部の方で――これは窃盗事件でございますので署でやるのですが、県本部の方で厳重に調査せしめておるのでございますが、その調査の結果によりまして、それぞれしかるべく措置いたしたい、こう思っております。繰返しますが、二名の被告人が無罪になつた事件でございますので、われわれは特にこの問題につきまして重大な関心を持つておりまして、調査をいたしておりますので、御了承いただきたいと思います。
  24. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 そういうようなぐあいで、たくさんここにでき上つて来ておりますが、実際はやはり遠慮して、住民というものは警察がこわいから、相当無理されても黙つて申し出ないのも、相当あるということが想像されるのであります。前の杉田警部補の事件は、たといお調べのように最初になぐられたという事実がございましても、仲裁に入つた人間を警察へひっぱってなぐつてみたり、手錠をかけてそうした暴行を加えるというようなことは、それ自体からすでに行ぎ過ぎだと思うのです。その点お調べの上で、厳重御監督願いたいと思うのです。  それからなお先日お尋ね申し上げました山梨県の富浜村の自動車ギヤング事件の被疑者に対する措置に対して、御調査ができたと思いますが、御答弁願います。どういう御処置をなさつたのか。
  25. 中川董治

    ○中川(董)政府委員 山梨県の事件につきましては、過般古屋委員から御質問がございまして、そのとき私が承知しておりました事柄につきましては、その席上お答えいたしたのでございますが、たとえば送致先等につきまして、事件捜査した検察官等につきましての御質問があり、当時私承知しておらなかつたものですから、答弁の保留方をお願いいたしまして、その後調べで参りましたので、お答えいたします。  この事件は過日も申しましたごとく、詐欺の事件であつたのでございますが、他面この被害者につきまして、強盗の容疑の点も聞込み等において考えられましたので、あわせて調査いたしたのでございますが、強盗の被疑事件につきましては、谷村方面に捜査本部がございましたし、そこに関係住民の方はもちろん。報道関係者もたいへんな報道活動等かございまして、ここで渡瀬、紺野両被疑者を調べますと、うわさもますますでかくなつてしまうし、捜査するという方面から言つても困るというこを現地の方で考えまして、警察の四十八時間の調べにつきましては、被疑者の現在地を所轄する署で調べましたけれども、検察庁に送付するとの点につきましては、甲府地区検察庁の支部が谷村にもございますけれども、当時警察の首脳部におきましては、甲府地区検察庁の次席検事と打合せまして、これは谷村支部でやらないで、地検の本庁の方でやっていただくということの御了承を得まして、そしてその打合せいたしました検事さんの名前をお聞きでありますから申しますが、甲府地検次席検事大月広吉さんでございます。この方と打合せいたしまして、本庁の方に送付する、こういうことにいたしまして、甲府の方に送致いたしたのでございます。そうしてお取調べ願いました検察官は、過般も御質問がありましたように、警察署で調べるとまたいろいろ世間がやかましくなって、この人が強盗の関係者のごとくますます事件がやかましくなるということを考えまして、警察署の巡査部長派出所で調べることにいたしまして、ここで甲府地検検事片倉千弘いう方にお調べ願っているのでございます。この前の委員会でその検事さんの名前をお聞きいただいたのですが、私承知いたさなかったものですから、ここで補足して申し上げでおきます。それから事件全般につきましては、過般申し費したようにこの被疑者については、詐欺事実については疑うに足る相当の事由がござしいましたので、これらの捜査を遂げまして、他面聞込み等によって強盗の被疑事実について調べました、こういうこと、申し上げ、そのこと事体は法律には違反しない、こういうことを申し上げたのでございますが、このこと全体につきまして、ことに強盗の捜査本部が山梨県内に設けられておった関係上、強盗被疑者いうことについて当時の新聞にはたいへんに大きく取上げられまして、この両被疑者に対しましては、たいへん御迷惑をかけた点は申訳ないと考えておるのでございます。あれは山梨県警察全体としていろ  活動したわけでございますが、私ども東京におりまして現地の状況等についてつまびらかに調べたつもりでございますが、各処置がきわめて適正で何ら一点の落ちがない、こう申し上げかねるのでございます。何と申しましても、聞込みその他について調査いたしました結果が、黒だと思うたのがだんだん白になり、白だと思うのがだんだん黒になつた。一口に申しますと操作が失敗した、こういう事件でございますので、山梨県警察の今回の処置につきましては、決してほめた行為ではございませんけれども、特にこの取調べ方について著しく違法であり、著しく不当である、こういう点を認めるについては、なか  そういうことについてはつきり申せない。ことに強盗事件について横浜の警察当局でたいへんに協力した。協力するという善意の点はいいにしても、方法等については着実にやるべきことは当然でございます。しかも警察全体の活動、そういった点を考え合せてみまして、こういつた事件の失敗を繰返さないように十分に私は隊長にも申しておいたのでございますが、国家公務員法における懲戒の事犯として取上げるにつきましては、ややどうかという考えをもちまして、この見込み違いその他等につきまして十分体調等につきましても注意を喚起し、今後ます  適正な捜査をするように努力するよう申した次第でございます。
  26. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 ただいまの御報告を受けまして、満足ではございませんが、さような気持で将来人権を尊重していただくように希望申し上げたいのです。というのは、あんな大きな事件ですから、一度書かれますと、三段抜きで書かれ、アメリカのニューズ・ウイークにまで書かれるということで、あとで結局何でもなかったということは新聞には書かないものですから、これがために非常に迷惑をするので、捜査にあたりましては、人権尊重の立場から相当慎重に願いたいたいうことを御要望申し上げます。  もう一つ、これは刑事局長にお尋ねしたいのですが、これは東京のまん中に起つた事件です。新聞でごらんにたつていると思うのですが、毎日新聞に出ているのです。新宿の大通りの店が一晩のうちに暴力団にとられたという事件なんです。天野という電器会社の出張所の店が、一晩のうもに、しかも隣りの第三国人の洪仁榮という男が、あそこの暴力団の連中を十人連れて来てそこを占有して、しかもそこに計画的に看板をかけたり、パチンコの機械をすえつけたりして営業しておつたという事件です。これにたしか検察庁へも記録がまわつていると思うのでございますが、もし参りましたら至急に厳御捜査を願いたいと思うのです。と申しますのは、先月の十七日から十八、十九日にかけて、これは三越の筋向いのところでございますが、電気器具を販売しておる天野商店で、店の整理をして改装しようというので、三人の大工が来て十八日の晩に工事をしておるところに、隣の洪仁栄という男が、山口という暴力団とあと十人ばかり連れてきまして、暴力で大工の仕事をやめさせて、そうして壁を破壊して、そこへパチンコの機械を二、三十台すえつけて、しかもそれが翌日から営業しておったという事実です。この間淀橋の署長さんに来てもらいまして、どうして営業させておったかということをお尋ねしたのですが、許可も何にもしてない。しかもその晩にかけつけて保護をしてもらいたいと言うて出た派出所の巡査が現場へ来ておりすし、その翌日さっそく淀橋の捜査主任が現場へ来ておりながら、その洪仁栄のやつでおります積極的な行為をそのままやらせてしまつて、そこで営業をやらせてしまい、占有を奪われてしまつた。東京のまん中で一晩にして正当の理由もなしに暴力団に営業の自由を奪われたという事件です。告訴されて捜査されておりますけれども、先日私が当委員会で御質問申し上げました前の日の営業だけは、やめさせた。こういう事件でありまして、かようなことでは私は司法警察官としての処置が非常に不適当だと思う。現状を変更させないで、現状のままで押さえていて、もし民事上の争いがあるのならば民事上の争いとして解決をするような処置をとるようにという申出をしたらしい。ところが全然民事上の契約もなければ何にもない言いがかりにすぎない。こういう事件でありますので、もしそちらでお調べになつておりますればけつこうでありますが、お調べにもたらたいし、告訴事件の事案が検察庁に送られて来ませんならば、司法警察官指揮の立場から厳重に御捜査願つて指揮していただきたいと思います。先日署長が参りましたけれども、署長は明確な答弁をせずに事実を調べてからということになつておりましたけれども、これ以上署長にお伺いしてもむだだと思いますので、検察庁の刑事局長に処置をお願いして適当の処置をしてもらうよりほかない。東京のまん中でありますので、非常に反響のある社会問題になつております。淀橋署で捜査されて事件の送致が行われておりましようか、行われておりませんか。
  27. 井本臺吉

    ○井本政府委員 お尋ねの件と思われまし武内主任検事が主任となりまして、事案の性質にかんがみて至急に結論を得たいということで捜査に努力しております。
  28. 古屋貞雄

    ○古屋(貞)委員 なお願いでございますが、これは司法警察官としての立場の処置が私は非常に不適当だと思うので、指摘されております検察庁の方は特にやかましく指揮をしていただきたいと思うのです。というのは、すつかりとられてしまつて、全然何にもでぎずにおります。しかし不法行為で奪つた方は許可のないのにパチンコ屋の営業を数日やつたという事実でございます。さような点も提案されまして厳重に御処置を願いたいと思います。
  29. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員 この機会に伺いたいと思います。今質疑を承つておると、暴力主義的に個人の権益を侵略するというような町の事犯が、最近一つの社会現象として非常に目立っております。法を得た刑事難件についで捜査に熱中され為のはもとより当然でありますけれども、いやしくも責任ある告訴ないし告訴であるならば、そういうものに対しても積極的に捜査活動をされるということこそ民主主義検察及び警察の運営ではなかろうか、こういうふうに考えるので、幸いきょうは捜査に関連ある方々が見えておりますから、そういう方向にひとつ今後部下を督励して、そして捜査の完璧を期せられたい。一言これは質問というよりかは希望としてこの機会に申し上げておきます。ことに井本刑事局長においではどうか検励していただきたいということをお願いいたします。
  30. 小林錡

    ○小林委員長 本日はこの程度にとどめておきます。  今期国会に際しましては法務委員会を開くこと実に六十七回になります。御精励に対して感激にたえないところであります。その他法務行政、人権擁護等に関するまことに適切な御質問がありましてまことに資するところ甚大なるものがあつたと考えます。委員長といたしましてこの点厚く感謝いたします。まことに不徳のいたすところで、議事進行の上にずいぶん皆さんの感情を等したような点もあつたと思いますが、この点何とぞお許しを願いたいと思います。  今国会における委員会は本日をもつて終りといたします。明日午前十時半から上訴制度に関する小委員会、それから違憲訴訟に関する小委員会を開会いたしまして、今後における審議の打合せをいたしたいと思いますから振つて御出席を願いたいと思います。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会