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1954-11-08 第19回国会 衆議院 内閣委員会 48号 公式Web版

  1. 昭和二十九年十一月八日(月曜日)     午前十一時六分開議  出席委員    委員長 稻村 順三君    理事 大村 清一君 理事 山本 正一君       江藤 夏雄君    津雲 國利君       永田 良吉君    船田  中君       粟山  博君    飛鳥田一雄君       中村 高一君    三輪 壽壯君       池田正之輔君    辻  政信君  出席国務大臣         国 務 大 臣 木村篤太郎君  委員外の出席者         防衛庁長官官房         長       門叶 宗雄君         防衛庁参事官         (防衛局長)  林  一夫君         防衛庁参事官         (人事局長)  加藤 陽三君         防衛庁参事官         (経理局長)  石原 周夫君         防衛庁参事官         (装備局長)  久保 亀夫君         防衛庁参事官  都村新二郎君         専  門  員 小關 紹夫君     ――――――――――――― 十月二十八日  委員青木正君辞任につき、その補欠として松崎  朝治君が議長の指名で委員に選任された。 同月二十九日  委員松崎朝治君辞任につき、その補欠として逢  澤寛君が議長の指名で委員に選任された。 十一月八日  委員逢澤寛君、岡野清豪君及び安井大吉君辞任  につき、その補欠として平井義一君、永田良吉  君及び江藤夏雄君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  自衛隊に関する件     ―――――――――――――
  2. 稻村順三

    ○稻村委員長 これより内閣委員会を開きます。  前回に引続き、防衛庁に関する調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。中村高一君。
  3. 中村高一

    ○中村(高)委員 前回御提出になりました三十年度の防衛計画というものをわれわれは一応検討いたしたのでありますが、これによりますと人員におきまして相当の増加をいたすのであります。防衛庁関係だけで三万四千五百七十六名増員をされるという計画でありますが、昨年も当初十二万でありましたものが大体十六万に増員をされて、もし来年度におきまして防衛庁の計画が全部認められるとしますならば、総員が十九万余人になるようでありまして、大体人員において二十万近い防衛関係の人員になるようであります。  お尋ねをいたしたいのは、こういうふうに毎年漸増計画でだんだん増員をされて行く、この計画の目標をお尋ねいたしたいのであります。もしかりに三万人ずつ防衛関係の人間がふえて行くとしますならば、あと三、四年たちますというと、大体三十万人くらいの人員になるようでありますが、一体政府ではどういうところを目標にして漸増計画を立てておられるのか、一向われわれにわからないのであります。最近の状況は三万人ずつふえて行つておるようでありますが、こういうふうにしてどこまでをめどにしておるのか。そういうことなしに、無方針で漸増計画をやつておるようにも見えないのであります。いやしくも日本の自衛組織でありますから、どの程度自衛隊として最小限度必要であるか、また日本の財政の状況とにらみ合せて、一体どの程度の防衛費用を出させることが可能であるか、おそらくこういうことは今後漸増計画をおやりになるにいたしましてもきわめて重要な点でありまして、われわれは今までそういう点についてはほとんど的確なものも示されないで、ただ漸増計画で、人員においてまた来年度も三万四千もふえる。予算においても百六十三億増額をせられるというのであります。おそらくこれは防衛庁の担当大臣としていろいろ苦心をせられておる点だと思います。国際関係などもありまして、その計画についてはいろいろ考慮しておられるはずだと思いますが、この際来年度の漸増計画を拝見いたしまして、そういうことに対する長官の抱負、計画を一応お聞きしたいと思います。
  4. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 ただいま中村委員の御質問を承つておりますと、要するに日本の根本的の防衛計画いかんということにおちつくだろうと思います。それについては、いろいろの見解もありましようが、私はしばしば申し上げております通り、この根本的の防衛計画を立つるについては、そのときの国民所得、その他一般的財政計画及び兵器の進歩等を勘案しなければならぬと思います。ことに国際情勢が大きな関連性を持つておるのであります。御承知の通り、国際関係はきわめて微妙であり、その推移はわれわれは無視することはできないのであります。しかしながらこの間にあつても一応の防衛計画を立つべきであろうということはごもつともなことと考えております。それについてはわれわれも必ずしも研究を怠つておるわけではありません。目下しきりに研究はいたしておりますが、まだ結論は出ておりません。ただ今申し上げておきたいのは、その兵器の進歩、国際情勢のいかんということが非常に影響力を持つておるのであります。これらにかんがみて確定的の計画というものは容易に立ち得ないということを御了承をお願いいたしたいのであります。それでまずわれわれといたしましては、当面の問題としてその年度にあるべき国防の計画いかんということが先決問題であろうと考えております。従つて三十年度においてはとりあえずわれわれは増強計画を立てておるのであります。三十一年度についてどうあるべきかということについては、その間の国際情勢なり、いろいろの点から勘案して、これまたしかるべき計画を立つべきである、こう考えておる次第であります。
  5. 中村高一

    ○中村(高)委員 ほとんど答弁としては的確なことを何も言われないで、顧みて他を言うような答弁でありまするが、もう少し先の見通しというのか、いやしくも日本を防衛するという立場から考えますならば、的確にどのくらいの数が必要であるかということは言えないにしても、向う何年間のうちにはどの程度までやらなければ自衛隊としての防衛の目的を達せられないのだ。今のではだめであればこそ、こうやつて毎年日本の困難な経済の中からこういう無理をしておるのだろうと思います。実際の日本の経済の実情から考えまするならば、こういうものを出し得る財政的余力はないはずであります。それをあえてこういうふうにやつて行くというには、それ相応の必要がなければならぬはずでありまして、それをそのときの国際情勢や兵器の進歩というようなものと勘案してやつて行くのだということは、あまりにどうも無計画過ぎるようでありまして、いやしくもこういう防衛計画などというものを真剣に立てるとするならば、何年計画でどれくらいにするのかということが今までの常識であります。軍備に対して、これはどのくらいどうするかというような防衛計画というものは各国でも、はつきり公表するしないは別としても立てておるはずであります。それをただ本年度だけというのは、実際にはあるけれども公表できないのか、それとも立つていないというのがほんとうであるのか、あるいはまた、皮肉な言葉でありますけれども、まだアメリカからはつきりした指示がないのでそういうようなことが立たないのだといういろいろの理由もあると思うのでありまするが、それのどれに当るのか、それともう一つは、今の国際情勢とにらみ合せて防衛計画を立てるというのでありますが、ソ連や中共などが――われわれは的確な資料を得ることはできませんけれども、最近帰国をした議員団などの話では、ソ連も中共も軍事費をだんだん減じて来ておる。アメリカの最近の中間選挙などを見ましても、やはり共和党外交政策なりあるいは積極政策なりが国民の中から非常に不評を受けておるということが中間選挙における敗戦の一つの理由だともいわれておるのであります。どこの国にも軍備を拡張しなければならないという空気は現在の国際情勢の上には見えない、むしろ反対の方向に向いておるようなのが実情であります。そうすると国際関係とにらみ合せてやるのだということになると、今日本が増強をしなければならない国際関係は見えないのであります。しかし最低の線を確保しなければならないから、そういう国際関係と関係なくとにかく最低の線をつくつて行くのだというならば、これもりくつはわかるのであります。しかし国際関係からだというと、どうもこれも納得できないし、兵器の進歩というけれども、今三十年度の飛行機なりあるいは艦艇なりを見ましても、原爆や水爆の今日の兵器の進歩しておるときに、およそあなたのおつしやる兵器の進歩とにらみ合せてやるんだということとはあべこべです。兵器の進歩とにらみ合せるならば、もつと進歩した兵器を持つ予算を立てるならいいけれども、ちつぽけな艦艇を借りて来たりあるいは実用機などという飛行機を入れようという、およそあなたの今の説明から見ましても、まつたく何をしておるのか、説明自体からもちぐはぐでありますが、もう一度その点についてお答えを願いたい。
  6. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 私はちぐはぐじやないと考えております、今中村君からまず国際情勢についてお話があり、各国は軍備をだんだん縮小する傾向にあるんじやないか、ソ連、中共のことを例に引かれて言われた。私はそうは考えておりません。賢明なる中村君は、昨日モスクワにおけるあの革命記念日でブルガーニン元帥が何を言つたかということはおわかりであろうと思います。ブルガーニン元帥は、ますます軍備を増強しなければならぬと言つておるのであります。中共あるいはソ連へ行つた人たちが真剣にかの国の軍備のあり方を御研究になつたか、私は不敏にしてまだ聞いておりませんが、少くともわれわれは各国の軍備のあり方ということをもう少し研究しなければならぬのじやないかと思います。そうして一定の計画も、これは立てれば立てることに越したことはないと思います。しかしながら今申しましたように、いろいろ兵器の進歩その他を勘案して――一つの計画でもくずれて来るのであります。早い話がアメリカにおいても一つの計画を立てたが、これは御破算になつて、またニユールツク戦略というようなものが出て来た。これらを勘案してみましても、われわれといたしましては、確定的なものは立つべきはずはないと考えております。しかしながら一応の計画というものは立つてしかるべきであろうと思う見地から、われわれも少くとも検討はいたしております。目下慎重に検討中であるということを申し上げておきます。さしあたりわれわれといたしましては、当面の問題としてまず年度ごとに計画を立てるというのが一番賢明であろうと考えております。今中村君は、兵器の進歩についていかにもこの飛行機なんかものの役に立たぬ、あるいは船についてもきわめて微弱なものであつて、原爆や水爆の時代にこういうものは役に立たぬのじやないかというお話でありますが、私はそうは思わぬ。原爆、水爆だけで事は足りるのではありません。また進歩した兵器を使うについても、一足飛びに使えるものではないのであります。ジエツト機を飛ばすについても、飛ばすまでの段階において、いろいろな装備がいるのであります。われわれは今何よりもまずもつて優秀なる兵員、端的にいえば、海においては優秀な海員、飛行機においては優秀なパイロツトを養成して、新しい兵器ができてもこれをいつでもこなし得るだけの人を養つておくことが一番の急務であろうと考えております。ここに主力を置いてわれわれは今やつております。結論から申しますと、とにかくわれわれといたしましてはその当時のあるべき姿というものを十分に考慮に入れて、まず経済的なその年度の計画を立てるべきが最善の方法なりとの確信のもとにやつておる次第であります。
  7. 中村高一

    ○中村(高)委員 私が質問しておるのは、各国とも計画がくずれるというようなことを言われましたが、日本のは計画がくずれるのではなくて、計画がない、その日暮しだということです。ある計画がくずれるのと、あなたのようにその日暮しで無計画でやつておる自衛隊とは私はたいへん違うと思うのでありますが、それではもう一つ、その計画に関連してお聞きしたいのでありますけれども、自衛隊法で国防会議というものがあるはずであります。一体国防会議は内容もでき上つたかどうか、そして会議も開かれておるのかどうか、いやしくも来年度の防衛計画を立てるについて、今日では自衛隊にかわつておるのでありますからして、国防会議というものも、必ずしも戦闘の場合にのみ必要じやないはずでありまして、あの国防会議の内容の中にも計画に対しても十分な諮問を受けるはずになつておりますが、一体国防会議はどういうふうになつておるのでありますか、また、今年のような計画を立てるについて、あなたの方の幕僚だけでこういう計画を立てられて――国防会議というものを、なければならぬといつて法規にもつくつたのでありますが、どういうふうにしてこれを活用なさるつもりでありますか、お尋ねいたします。
  8. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 国防会議についてはただいま法案を作成中であります。われわれとしては一応の案をつくりつつありますが、法制局あるいは内閣においてまだ十分な打合せを済ませておりません。来るべき通常国会においてその法案を提出する運びになることと信じます。それによつて十分なる国会の御審議を願うべきであると考えます。国防会議については、この前も申し上げたように、いろいろと議論があるのであります。つまり、国会の承認を得て選出さるべき特殊の委員、これをどういう方面から選ぶか、あるいはまたこれを何名にし、そしてそれを常勤とすべきか非常勤とすべきか、またそれらの点のみならず、俸給制度にするのであるかどうするか、あるいはその人たちの職業制限の点をどうするか、いろいろな点があるのでありまして、ただいま慎重に検討中であるのであります。法案を提出することになれば十分なる御審議を願いたい、こう考えております。
  9. 中村高一

    ○中村(高)委員 国防会議には国防に関係する大臣が中心になるということでありましたが、今国会の承認を経て特殊の委員を任命するというような議論でありましたが、どんな人が推薦され、あるいは民間人としてどんな人を入れるという腹案でありますか、それをお聞きしておきます。
  10. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 まだその点については最終の結論は得ておりません。
  11. 中村高一

    ○中村(高)委員 なおMSAの協定にあるはずでありますが、米国の顧問団が日本の自衛隊の指導に当ることになつておるのでありますが、その米国の顧問団の状況はその後どういうふうになつておりますか。
  12. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 顧問団はわれわれ自衛隊の指揮監督については何ら干渉はあるべきはずがないのであります。ただMSA援助におきまして貸与を受ける装備品については、これは新しいものがありますから、それらについての指導は受ける必要があると考えております。この点についての指導は受けておりますが、そのほかのことについては別段指導は受けておりません。
  13. 中村高一

    ○中村(高)委員 それでは現在指揮監督を受けておる米軍の供与された武器に対して、どの程度の人員が配属されてどこにおるか、それを答えられるなら答えてください。
  14. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 詳細なことは今申し上げることはできませんが、約五百名ばかりおります。正確な数字はわかりません。
  15. 中村高一

    ○中村(高)委員 MSAの協定の問題をやつておる当時は七百名とかいう顧問団が来るというはずでありましたが、あの当時五百名に減らされたのか、現実において五百名になつておるのか、日本の自衛隊が増員されて来れば顧問団も増加して来るのかどうか、この点もあわせて伺いたい。
  16. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 顧問団の数はだんだん減らすことになつております。従いまして、二十九年度末におきましては約三百名くらいに減員することになつおります。
  17. 中村高一

    ○中村(高)委員 そうすると、米軍の顧問団というものは、兵器の扱いというようなものが一応のみ込めるという状況になれば帰るのか、あるいは今後の訓練などについても引続いて指導せられるのか、その辺のところもお尋ねをいたしておきたいと思います。
  18. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 兵器の受入れその他使い方についての指導を受けるのでありまして、そういうことが完了いたしますならば、なお今後引揚げることになつておるのであります。
  19. 中村高一

    ○中村(高)委員 新しい兵器が米軍から今後も入つて来るということになれば顧問団がさらにまた必要になつて来るということはあたりまえでありまして、今までの兵器であれば、一通り教えればそれでいいかもしれませんけれども、あなたのおつしやる兵器の進歩を考えますと、どこまで進歩するのかわからぬのでありますが、これからもMSAによる米軍の兵器が供与されるものだと思うのです。そうすると、顧問団はほとんど半永久的に残るものだと思つてよろしいですか。
  20. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 アメリカから装備品の供与を受ける間だけはその通りであります。しこうして装備品についてはアメリカから供与を受けるのでありますから、アメリカの相当の装備品についての事務上の打合せもありましようし、かたがたそれらの指導を受ける限りにおいてはこれは当然のことであろうと考えております。
  21. 中村高一

    ○中村(高)委員 アメリカから兵器の供与を受けることをやめて日本で兵器をつくるときが来るのかどうかわかりませんけれども、われわれの常識ではMSAの協定なども結んでおりますし、引続いて米軍の兵器を供与されるものだとわれわれは思つておるのでありますが、そうすると、国産の兵器を将はつくつて、そうして米軍の兵器はもらわない、そういう計画がおありになるのですか。
  22. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 私の考えでは、日本の自衛隊には日本でつくつた装備品を全部持たせたいと考えております。しかしながらこれは理想でありまして、現実はさように参りません。まことに悲しむべきことであります。一日も早くその日の来らんことを希望しますが、現実の問題としてはわれわれは当分の間アメリカから供与を受けなければならぬと考えております。
  23. 中村高一

    ○中村(高)委員 先日も辻委員から何か日本の訓練がアメリカ式であつて、日本の地形あるいは国情などというものを全然考えないで、ただ米軍の訓練だけをやつておることはよろしくないというような意味の質問もあつたようでありますが、米軍の顧問団は日本の自衛隊に武器使用を教えるのだという名前で、実は日本の自衛隊に対する一つの大きな支配的な力を持とうという計画もやはりあるのではないかというような疑いも持たれるのでありますけれども、いやしくも兵器使用を教えるということでありますならば、五百名というような多数の人はわれわれには想像できないのであります。それは各部隊から指導者を集めて、そして講習をするとか訓練をするというならわれわれの常識ではわかりますけれども、それが一つ一つ部隊に行つて、しかも五百名もの大量の米軍の兵士が来て日本の自衛隊に入るというようなことは、どうもわれわれには納得できないのであります。ほんとうに兵器の訓練をするのだつたら、どこかに各部隊の代表者を集めて教えたら、そのくらいのことはのみ込めるはずだと思うのでありますが、その点はどうですか。
  24. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 さように参りません。五百名というといかにもたくさんの数字のようでありますが、全国各部隊に散在しております点から考えまして、決して多数とは考えておりません。今お話のように一ところに集めてやつたらいいじやないか、さように参らないのであります。どうか中村君、われわれのやつていることを実際にごらんください。いつでも御案内いたします。そして彼らがどういうことをやつているかということを現実に観察してくだされば、その御疑念はただちに氷解されることと信じて疑いません。
  25. 中村高一

    ○中村(高)委員 いくら長官が説明をしても、アメリカの兵器を借りて、アメリカの指導者が来て訓練をしております以上は、長官がいくら強がつてみたところが世間はそうは納得いたしておらぬのであります。  それではもう一つ、米軍関係のことに関連をいたしまして、北海道から米軍が移駐をして、今度はあなたの方の自衛隊に交代をしたはずでありますが、この米軍は本国に引揚げるのではなくして、国内の他の場所に移動をするということでありますが、この北海道の移動された部隊がどういうふうになつて来たのか、さらに今まで日本の米軍関係の駐留基地が通常七百何十箇所あると言われるのでありますが、その後これは整理をされる見込みがあるのかどうか、また整理をする方針であるかどうか、この点もあわせてお尋ねをいたしたいと思います。
  26. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 北海道から内地へ移駐した米駐留軍は大体東北方面の宿舎に入つておるはずであります。これがいつアメリカ本国に引揚げるものであるかどうか、今のところは私は言明することはできません。
  27. 中村高一

    ○中村(高)委員 それから日本の駐留箇所の整理を今後やつて行くのかどうか。
  28. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 もちろんアメリカの駐留軍が引揚げ、また日本の自衛隊が増強することになりますと、これらはおいおいに整理されて行くものと考えております。
  29. 中村高一

    ○中村(高)委員 それでは現在われわれは七百何箇所というふうに聞いておるのでありますけれども、米軍の基地というか、駐留場所というか、それは現在は何箇所になつておりますか。
  30. 石原周夫

    ○石原説明員 事務的な問題でございますので私からお答え申し上げますが、米軍が駐留をいたしておりまする箇所数につきましては、これは調達庁が主務でございますので、調達庁の方にお尋ねを願いたいと思います。この箇所数はどういうふうに計算をいたすかということによつて違いますので、これはやはり責任の官庁からお答えをいたした方がよろしいと思います。  ついでをもちましてお答えを申し上げておきますが、北海道以外に、先ほど中村委員からお尋ねのございました最近米軍の施設で接収解除されたものがないかどうかということにつきましては、これは北海道におきまするキヤンプ以外に、最近におきまして数箇所解除の手続が進行中でございます。
  31. 中村高一

    ○中村(高)委員 どことどこですか。
  32. 石原周夫

    ○石原説明員 これも今私の方から申し上げますよりは調達庁の方から申してもらつた方がよろしいと思いますが、岐阜の辺の数百人を収容いたしますキヤンプ、それからあと現在話が進行をいたしておりますのは防府におきまする飛行場であります。それ以外に、今話が進行中でございますがまだ正確なものが出ておりませんので申し上げるには過早だと思うのが二、三ございます。
  33. 中村高一

    ○中村(高)委員 もう少しはつきりおわかりになつているはずでありますけれども、おそらく答えられないのかもしれませんけれども、米軍が引揚げるというようなことは政府でもたびたび言うておることでありまして自衛隊が増強されればそれに従つて米軍は引揚げるのだということは、自衛隊を増強する方針を政府が説明されるときにはいつも説明をされておるはずでありますけれども、今の御説明ではあまり大したものが引揚げておらぬようであります。もう十年近く日本に駐留をしておる部隊が、これだけ自衛隊が漸増されても、今の説明では北海道から引揚げるのかと思えば東北へ移駐しただけであるし、岐阜とどことかが少数のものが引揚げるというようなあいまいな説明でありますけれども、それではあなたの方の方針で、自衛隊が増強されればそれに従つて米軍が帰るんだということはどうもよほどかけ違つておるようであります。現実はなかなか引揚げないというのがほんとうだと思うのでありますが、それはどうですか。もう少し具体的なことは答えられませんでしようか。
  34. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 われわれの予想ではおそらく引揚げられるものと考えております。その時期等についてはわれわれはここで言明をすることはできません。
  35. 中村高一

    ○中村(高)委員 それでは北海道に関係をいたすのでありますが、今度北海道と九州に戦闘団というものを新設をするというのでありますが、この戦闘団というのがわれわれにはちよつとわからぬのであります。昔の師団のような総合した一つの固まりだとわれわれは思うのでありますが、師団といえば各兵科を合せた一つの戦闘単位というか動員単位というか――これはもとの師団とかあるいは旅団とかいう形態だと思うのでありますが、今度北海道と九州にできる戦闘団というものは一体われわれの考えるもとのそういうものであるのか、あるいはそれとは全然違つた新式なものか御説明願いたいと思います。
  36. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 この戦闘団というのはいわゆる昔の師団とはおよそかわつた構想のもとにできておるのであります。いわゆる数科、昔の歩兵部隊を中心とし、これに施設部隊を加えておるものであります。もちろんこれには特科部隊も多少参加いたしておりますが、主として普通科部隊を中心とした部隊であります。
  37. 中村高一

    ○中村(高)委員 今の説明では何も戦闘団などという団でもなくて今までやつておることと同じようでありますが、戦闘団というからには何か一つの目標があつてできるのだろうと思うのですが、ただいろいろのものが集まるという程度では、現在の施設とちつともかわらない。どうも非常にあいまいですから、専門家に答えてもらつてもけつこうです。
  38. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 いや、私で答えられます。(笑声)いわゆる管区、たとえば北海道における第二管区、こういうものについては、特科も特車も、あらゆる兵器を持つたものがこれに集まつて一つの部隊が組織されておるのであります。これには各種のものが包含されております。戦闘団というのは、そのうち中心となるものが今申します歩兵部隊、施設部隊いわゆる昔の工兵隊、砲兵特科隊、そういうようなものであつて、人員も管区の部隊よりも少い。機動力は相当持つておりますが、実力においては管区の部隊よりか少いものと御承知あつてしかるべきだと思います。
  39. 中村高一

    ○中村(高)委員 どうもしろうととしろうと同士がやつているのでありますから、聞く方もあいまいだし、答える方もまことにあいまいであつて、何かさつぱりわからぬのでありますが、今のでは歩兵部隊を中心にするというけれども、北海道には相当のそういう部隊がおるはずでありますし、各特科も行つておるはずでありますし、もしそういうものが必要だとするならば、各自衛隊にそういうものをつくつてもよさそうに思うし、それじや北海道と九州にそういう戦闘団をつくつたということは、これからつくるのに見本をつくつたのか、それとも北海道、九州は重要な地点であるからそういう歩兵部隊か何かを中心にしたものを置くということでありますか。
  40. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 北海道には特に重点を置いて、御承知の通り今度第五管区が設置されたのであります。これは相当の総合的の力を持つております。しかしこの上さらにもう一つ管区を持つことは、財政上その他の関係から許しません。従いましてそれよりか実力の少く、また人員の少い一つの戦闘団を持つて、とりあえずこれを増強して行きたい、こう考えております。九州においてもまたしかり。九州においても本来ならばもう一つ管区を置きたいのでありますが、いろいろの観点からそうは参りませんから、それより実力の少い戦闘団をもつてこれを補つて行こう、こういう考え方であります。
  41. 中村高一

    ○中村(高)委員 そうすると日本の各地にそういう戦闘団なりあるいは管区に足らない、それより小規模のものを将来は置くことを希望しておられるようでありますけれども、それはどういうことですか。
  42. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 それは先ほど申しましたように、そのときの情勢いかん、いわゆる国際情勢その他、あるいは兵器の進歩、財政上の観点等から考えて、管区隊を置くかあるいは戦闘団を置くかということは研究しなければならぬと思います。
  43. 粟山博

    ○粟山委員 関連して。ただいま配付されたこの書類によりますと、新旧管区隊の編成の対比表があります。新管区隊は減員になつておりますが、これは何か装備、兵器等の変化による性能の向上というような面から減らされておるのですか、その点を伺つておきたい。
  44. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 別に兵器とは関係ないわけであります。御承知の通り管区を増設いたすにつきましていろいろ編成がえをしなければならぬ。その観点からやつたので、兵器の進歩には関係いたしておりません。
  45. 中村高一

    ○中村(高)委員 この機会にもう一つ伺つておきたいのですが、先ほど来の質問によつてアメリカから来ておる軍事顧問団なるものは、従来より減ることもありましようし、またふえることもあるのでありましよう。そのふえる場合には従来のままの供給されたる兵器である限りにおいては、だんだんなれて来ればおのずから顧問団というものは減るわけである。しかるにこれがふえるということになればおそらく新しい兵器、いろいろな種類のものが供給される。また数量においても著しく増加されたというような場合においては当然これはふえるのだろうと思います。そういたしますれば、これからわれわれが顧問団の増強によつておよそこうもあろかというような判断を促されるわけでありますが、さように考えてよろしゆうございますか。
  46. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 まず今の見込みでは、顧問団の数は減るともふえることはないと思います。新しい兵器と申しましてもそう急速にかわるわけではありません。だんだんなれるに従つ現在使つておるものについては顧問団の指導を受けることを要しなくなります。従つていろいろの点から総合してだんだん減る趨勢にはありまするが、ふえることはなかろうかと考えております。
  47. 中村高一

    ○中村(高)委員 長官は何かの機会に徴兵制度のことについて触れて発表したことがあるようでありますが、今後防衛関係の人員がだんだん増強されて参ります場合に、当然考えられることであり、われわれはまたそういうときが来るのだろうというふうにも考えております。長官もどこかでそういうようなことを発表しておられるようでありますが、今後の自衛隊の増強と徴兵制度というものに対してどういうふうにお考えになつておられるかお答え願いたいと思います。
  48. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 徴兵制度についてはしばしばお話がありましたが私はこう考えておる。志願兵制度は一定の限度があります。その限度を越して兵員を充実しようということになれば、これは徴兵制度にまつよりいたし方がない。徴兵制度をしくについてはいろいろ議論があります。現在の憲法を改正しなくても徴兵制度がしけるのじやないかという議論がありますが、一つの筋としてはやはり徴兵制度をしくには憲法改正をしなければならない。この議論をとつて行くと、これは憲法改正を要する。憲法の改正は国民の総意によらなければならない。われわれがいくらしやつちよこばつても行くものではありません。実に憲法改正と関連性を持つておるわけであります。しかし私は個人として考えるのに、御承知の通り終戦直後日本の青年は団体生活をする機会を失つておる。青年は一度団体生活をさせるがよろしい。われわれは若い時代団体生活をしておる。この団体生活によつて友愛の精神も、あるいは信頼の精神も、助け合うという精神も養われるのであります。若人は一度団体生活をして来ることが望ましいことだと私は考える。そうすると日本の青年が団体生活をする機会を与えるには徴兵制度が一番よいのではないか。これはもう軍備の問題は別として一度団体生活をさせてやりたいと考えております。個人として私は、徴兵制度をしいて日本の若人に一応団体生活の味わいをさせる方がいいのではないかと考えております。しかし今申し上げましたように徴兵制度をしくということは憲法の問題と関連性を持つ。これは国民の総意によらなければならない。国民がその気持になれば憲法の改正をして徴兵制度をしくのもよろしいということを言い得ると私は考えております。
  49. 中村高一

    ○中村(高)委員 そうするといずれ憲法を改正したいということと関連して、憲法を改正されれば徴兵令をしくことが好ましいような今説明でありましたが、私は団体生活をどうするとかいうこととは別に財政的に今後これ以上の自衛隊を増強して行く場合においては、負担をし切れないはずだと思うのですが、そういう面からお考えになつたのではないですか。
  50. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 私は詳しい計算はしませんが、財政的の面からいえば、志願制度より徴兵制度の方が金がかからないと思います。それと同時にもう一つは私は日本の国防はもちろん自衛隊が中心であるべきでありますが、ペンをとる者も、くわをとる者も、すきをとる者も、ハンマーをとる者もこの気持にならなければならない。日本の国を守つて平和と独立を維持しようとするには、国民すべてがその気持にならなくてはならない、これは必要であろうと考えております。徴兵制度をしくということになれば、国防ということに関心が非常が寄せられて来るのではないか。これは私個人の考え方であります。率直に申すと、そういう気持を持つておるのであります。それと同時にこの日本の今の防衛のあり方は、自衛隊と言つておるのでありますが、申すまでもなく自衛隊には予備も後備もないのであります。これをどうするかということも真剣に考えなくちやならない。そうしてみると、この徴兵制度をもう一度再検討する必要があるのではないかと考えております。
  51. 中村高一

    ○中村(高)委員 先日も予備自衛官を募集して、一万五千というのを百五十人くらいしか志望者がなかつたということで、あなたはあのときにもこれはどうも予備自衛隊というものに対する何か方法を考えなければだめだというような意味のことを言われておりました。どうもあれだけ予定しておつてほとんど志望者がないというのでありますから、これはどうすれば予備隊をつくることができるかについておそらく検討しておられると思うのですが、それもやはり何か徴兵制度をしなければ、そこで予備、後備というものは当然できてしまつて、本人の希望も何もなくて自然にできるのだというようなことも先日の何か考えておるの中にはおありになつたのではないでしようか。
  52. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 予備自衛官の問題は、今の徴兵制度とは別個に考えております。予備自衛官についてもう少し真剣に宣伝をしなければならないのではないかと思います。また本人の志望をここへ持つて来るということについても努力が率直に言つて足りなかつたと思つております。私の今の考えでは、もう少し強力にこれを進めてみて、そのあかつきで何とか方法を考えたいと考えております。まだ自衛官の募集もきわめて日が浅いのであります。これから相当日にちがありますから、その間の推移を見て考えたいと考えております。
  53. 中村高一

    ○中村(高)委員 われわれは再軍備でも完成されたときに予備とか後備とかができるということは、各国の例もあるし、日本にも昔あつたのでありますからわかるのでありますけれども、現在のような自衛隊がまだこれからどうなるか、法規の上からもあいまいな、どうなるかわからぬというときに、そういうあいまいなものの予備隊というものになる者はおそらくないだろうと私は思うのであります。しかも今度の自衛隊になると戦争にも参加する危険も出て来るのでありまするから、なかなかこれはむずかしいことだと思うのでありますが、これから防衛庁でも計画を立てられるでありましようから、きようはこの程度でその点は聞きません。  それから先日林幕僚次長ですか、林さんはアメリカに行かれて、日本の新聞によると、日本の自衛隊は日本では警察だけれども、アメリカへ行けばあれは軍隊でありますというようなことを上陸早々発表されたそうでありますが、そんな事実があつたのかどうかお答えを願いたい。
  54. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 林君はこういうことを言つたのであります。私が議会で答弁をしたと同じこと、すなわち外敵に対処し得る部隊をもつて軍隊なりと言うなれば、自衛隊も軍隊だということを言つたのであります。まさしくその通りであります。いつも私が言うように、軍隊とは何ぞやという定義がないのであります。外敵に当るものをもつて軍隊と言うなれば、まさしく自衛隊は軍隊と言つてよかろう、こういう意味のことを林君も向うで言つたのであります。
  55. 中村高一

    ○中村(高)委員 自衛隊の最も首脳部にある者が、いやしくも憲法で禁ぜられておる日本の現実を無視して、そして誤解を受けるようなああいう放送をするということは、よろしくないことだとわれわれは思うのでありまするが、向うがそう解釈したのだというような答弁でありますけれども、おそらくそれは今の長官の説明から見ても、相当あいまいな答弁をしたであろうことが想像できますが、日本の実情はそういうことをまだ憲法で禁止せられておるのでありますからして、軍隊と解釈されてもいいというような放言は、われわれはよろしくないと思うのであります。  それから最後にもう一つお尋ねしておしまいにしますが、伏魔殿防衛庁をあばくという新聞が議員に配られておるのであります。説明を見ると、日本のどの役所でもこれだけ大きな消費をする役所はない。たとえば被服であるとかその他食糧であるとか、どの役所でもこう大量の消費庁はないのだ。しかもこれは現金払いであるから、今日のデフレの状況下において防衛庁ほどいいお得意はないのだということで、あらゆる関係業者が防衛庁の諸君を誘惑しておるというような記事であります。ありそうなことでもありまするし、最近もあなたの方の部下で検挙された者が出て来ておるようでありますが、三等陸佐、二等陸佐というような人は、あなたの方でも相当上級の職にある者でありますが、これらの諸君がいずれも日本繊維というような会社から収賄をしまして、見つかつた分はあまりたくさんの金額ではないようでありますけれども、とにかく三人の人が起訴されておるのだろうと思いますが、それはどういう内容でありまするか、概略だけでいいですが、それと、結果を報告していただきたいと思います。
  56. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 こういう事態を発生したのはまことに遺憾と存じます。仰せの通り防衛庁では相当の金額を動かしておるのでありまして、さようの間違いのないように常にこれを訓戒をしておるのでありますが、たまたまかようなことがあつたことはまことに申訳ないと考えているのであります。今お話の三名についてでありまするが、まず鈴木道夫三等陸佐、その者は第一幕僚監部補給課に勤務しておつたのであります。麻製品の調達に関係して日本繊維株式会社から昨年五月ごろから数回にわたつて饗応を受けた事実はあります。これはわれわれの方で調べた、確かにその会社の下請染色業者から十五万円の贈賄を受けた。これは十月二十九日に東京地方検察庁によつて起訴されております。ただいませつかく取調べされているわけであります。  次に佐多長春という、これは二等陸佐であります。これも第一幕僚監部の調達課勤務のときに同一会社、すなわち日本繊維株式会社から数回にわたつて饗応を受けている事実がありますが、また先ほどの下請業者から贈賄を受けたという事実に基いて、ただいま検察庁において取調べ中であります、まだ起訴になつておりません。しかしおそらくこの者も起訴されるものであろうと私は推測いたしております。  それからもう一人いるのであります。寺崎甚助という者、この者も今これらの会社から饗応を受けたという事実でもつて取調べられ、これは収賄はないようであります。饗応を受けたということです。この三名は目下東京地方検察庁において取調べを受けている、こういう事実はあるのであります。
  57. 中村高一

    ○中村(高)委員 とにかく非常に大量のものを防衛庁は民間から買うのでありますからして、その経理については特殊な監督をしなければ、おそらく今後も業者が苦しくなればなるほど、とにかくこれほど確実な相手はないのでありますから、あらゆる手をもつて誘惑もして来るだろうと思うのでありますが、昔の軍隊には憲兵のような特殊な警察機関というようなものがあつて、またその上に監督をしておつたのでありますが、一体今の自衛隊などはこういうようなものが非常に多いし、多数の者が共同生活をしておりますがどういう形で第一線の監督をやることになつておりますか。
  58. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 われわれもこの調達については十分厳重にやらなくてはならぬという構想から、最近におきまして御承知の通りに、調達実施本部、建設本部をこしらえ、中央で十分監督できるようにしました。今度の事件はこれができる前のことであります。またこれと同時に警務官、警務員を置いておりますが、内部におけるかような不始末を生じないように、厳重に監督するものを専任に置いてやつております。その上にまた監督をする機構を設けて、時々監査をして間違いのないように現在ではやつておる次第であります。
  59. 粟山博

    ○粟山委員 ちよつと関連して……。私は中村さんの今の質問の機会に長官に伺いたいのでありますが、かつて長官は非常に御熱心に地方の管区隊を御視察になつて、その途中で自衛隊は学校であるということを新聞記者諸君に話されたと出ておりましたが、まことに味のあるお話をされたと思つておつたのでございますが、長官よりもつとその意味を伺えればけつこうだと思います。
  60. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 私はこういう思想を持つておるのであります。今の自衛隊は昔の軍隊の復活にあらず、今年の七月一日をもつて新たに自衛隊が創設された、新たな構想をもつてわれわれはこれを育成して行かなければならぬ、その中心は何にあるかというと、申すまでもなくわが国の平和と完全な独立を維持して行くための大きな使命を持つているということ、この筋を中心として行くのであります。しかしこの筋を中心とし守つて行くのには強固なる隊員を養成しなければならぬ、いわゆるものの役に立つ隊員を養成しなければならぬ、訓練はきびしくやつて行く、しかしその訓練の底にあるものは慈愛の精神、互いのいつくしみの精神、互いに助け合つて行く精神である、そしてそれと同時に愛せられるべき自衛隊の隊員たるべきためには、一個の社会人として十分なる尊敬を受くべき教養を身につけなければならぬ、訓練を終つた以上はこの隊員たち若人が互いに切瑳琢磨して――われわれが若かりしころ宿舎において互いに切瑳琢磨したごとくに自由に朗らかに助け合つて、そして十分に切瑳琢磨しようじやないか――この意味においてわれわれは一つの学校と見てよかろう、いわゆる人間としての修養をつむ学校としてよかろうという意味からして私は自衛隊は学校である、こういうことを言つておるわけであります。私はそのつもりで隊員を今後育成して行きたい、こう考えている次第であります。
  61. 粟山博

    ○粟山委員 非常にけつこうなお答えでございますが、どうも実際は――自衛隊に入隊するときには家庭もあるいは郷党も友人もあげて見送つてその入隊する門出を祝つて、まことにけつこうなことだと思います。ところが最近、いわゆる前の除隊という形で郷里へ帰つて来る青年がある、その青年は行くときにはまことに模範的な青年であると思つて送つてあげたのに帰つて来た、どういうわけかというと、どうも何かたよりないような気持があるのだということなのです。私はこの機会にそれをいろいろ解説することを欲しないのでありますが、ただしかしそういうようなことがあるのは、どういうわけかということについて私らもいろいろな面で研究しなければならぬ。あることそれのみをもつて私はあなた方に対して非難攻撃の言葉を繰返したいとは思わない。  自衛隊というものは割り切れない考えのもとに出発しておる。仮定のもとに肯定されたものである。それで押し切つている。こういうことが一体許されるか。たとえば林さんがアメリカヘ行つて、侵略者に対してこれに刃向うときの姿、これは軍隊だ――それは仮説だ。私らの世界観から言つても戦争のあるべき世の中よりも、ないことを保障されるような世の中にしたい。それが保障される世の中にしたいという人類の希望の上に原爆や水爆もあるのだろう。そこでことに日本のような無力な国が、今から非常に偉い学者やすぐれた天才がいてこれを理論づけても、ただいまのような一箇の水爆、原爆をつくるということは容易じやない。それをつくろうとしてたとえばアメリカから援助を受けたところで容易なことじやない。これは家庭の生活にもひどく響く。そういうような状況で、私はおよそ日本の国家経済その他いろいろな面から考えて限度があろうと思うのです。  そこで私の願うところは、少し飛躍いたしますが、日本という国は何といつても敗戦後あらゆる面がばらばらになつております。ばらばらになるような避けがたい不幸に逢着しておる。今の政界の混乱も現実から割り出した偽らない姿だろうと私は思う。保守系と社会主義系とあるけれども、保守系だつて二つも三つもある、社会主義系にしましても右派あり左派あり、日農系あり、共産系あり、また右派の諸君の間にも左派の諸君の間にも、組織の面からいえばわれわれは必ずしも一致した行動というものを拝見することができない。しかし何とかして右も左も一つにしなければならぬという希望はありましようけれども、これは容易にはならぬというのは、日本の現実のありのままの姿を映しているのだと思うのです。そうなつて来ればおよそ世の中というものは無理には行かないものがある、無理にやつたら必ずまたそれはさらにその無理がたたつてかわつた結果をもたらすのです。そういうことを考えますと、敗戦後の日本というものは――ドイツに行つて来た、英国に行つて来た、アメリカを見て来た、イタリアを見て来たといつていいことを聞かしてくれる。いいことを聞かしてくれるが、さてそれを聞くたびに日本の内輪のことを考えると悲しむべきことのみが多い。そういう点から考えますと、まず私は日本にはあなたがこれだけ大きな国費を使う自衛隊の新設のために心魂を打込んで、無理に平和のために祖国防衛のためにりつぱなものをつくろうとしておつても、私は形の上はでき上つておつても精神はないと思う。こういうことです。私はかつてこの席において申し上げましたが、明治以来の統一された教育のもとに忠君愛国で固まつた軍隊に――中隊長がまわれ右と言えばどこまでも驀進する、そうして国民に対して浪藉をきわめるというような軍隊のあつたこと、これは未来永久に払拭できない恥辱だと思う。そういうことを考えましたときに、形はりつぱに装備も整つているし、新兵器も理解しているし、そうして侵略するものに対しては対抗できるという一応の形ができ上つたとしても、一体その精神にバツク・ボーンがなければどうするのだ、バツク・ボーンというものは何かというと、実は保守社会主義理論の給済理論の上に、政治形態をいかに求めるかということの究極を考えたときに、これははつきり二つになつている。そういう思想の中に、国会の上では笑つて和気あいあいのうちに稻村さんや中村さんとお話はできましようけれども、行くところまで行けばこれははつきりわかれて来る。そういうような立場において一体日本をどこに持つて行くのだろうか。世界も二つになつておる。私は、やはり日本の国民の最大多数というものは、経済的にも政治的にも思想的にもそこに帰するところがなければならぬと思う。反対党というものは少数であつても聞くべきところがあり、あるいは学ぶべきところがある。決してこれは排すべき存在ではありますまい。そういうことを考えるときに、あなたがこれだけ大きな国費を使つて、これだけりつぱな部隊をつくつて行かれるならば、この部隊こそほんとうに日本の精神的なバツク・ボーンになる――むろん平和のために、あるいは祖国のために挺身して守つてくださる尊い存在であるべきはずであるが、それ以上に、精神的に日本の国の姿をそこに打立てるだけのお考えがあるかどうか。そういうことであなたが学校だと言われたんじやないかと思つておつた。そこまで私は自衛隊は学校だとおつしやつたあなたの言葉を味わいかみしめてみたいと考えておつた。私はこういうことを申し上げておる。このごろは文化という言葉がはやりだ。私は欲望を離れて文化というものはないだろうと思う。それから自由というものは、個人の自由もありましようが、県としても国としても団体生活をする以上は、個人の自由というものは、放任主義には行けない。経済的にもレツセフエールというものを許されないと同時に、個人というものを規制して行かなければだめだ。そういうことを考えましたときに、一体日本は個人の自由を許しながら、欲望の追求を許しながら、どこに交叉点を求めて行くか、私は自衛隊というものは一つの固まりであるだけに、テスト・ケースと言つてはおかしいけれども、これは期待が持てる一つの団体だと考えております。かつて日本は軍隊存在を誇りとした。この軍隊は忍苦の精神、国を守るということが徹底しておつた。乃木さんのごとき人格者、東郷さんのような人がいる。軍人にもいろいろな人がありました。政治の好きな桂太郎さんのような人もあつたけれども、乃木のごとく東郷のごとく、それが軍隊精神なりとされているのは何であるか、人格であると私は思う。抜くべからざる不撓の人格だと私は思う。私は、十何方という一つのこの団体が日本のバツク・ボーンとなつて、あらゆる社会に溶け込んで行く可能性を持つた模範であるということになつてもらえますれば、今もつていい年をして新党だ何だと騒いでいるような人々にもいい教訓を与えると思う。新党問題とかそういう問題よりも、国費を費してこれだけのことをしている自衛隊が一歩間違えればたいへんなことになる。装備がいいとか悪いとか、アメリカから顧問団が来てどうとかこうとかという問題よりも、この精神がくずれたらたいへんなことになる。その点において、あなたが自衛隊というものは学校だと言われたことに非常に私は興味を持つた。その意味において、私もまた研究が足りないが、日本の国の知脳を集め、人格の力を吸収して十分研究してもらいたい。そしてそこにほんとうにバツク・ボーンを打立ててもらいたい。あなたが学校だと言われたことについて興味を持ちましたのはこういう意味であります。この点について私の念願をあなたに申し上げて、一応私の悲願を披瀝する次第であります。
  62. 稻村順三

    ○稻村委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもつてお知らせいたします。  これにて散会いたします。     午後零時二十五分散会