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1954-04-09 第19回国会 衆議院 大蔵委員会 38号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月九日(金曜日)     午前十一時二十七分開議  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 黒金 泰美君    理事 坊  秀男君 理事 山本 勝市君    理事 内藤 友明君 理事 久保田鶴松君    理事 井上 良二君       宇都宮徳馬君    大上  司君       大平 正芳君    小西 寅松君       島村 一郎君    苫米地英俊君       福田 赳夫君    藤枝 泉介君       堀川 恭平君    福田 繁芳君       小川 豊明君    佐々木更三君       柴田 義男君    春日 一幸君       平岡忠次郎君    安藤  覺君  出席国務大臣        大 蔵 大 臣 小笠原三九郎君  出席政府委員         自治政務次官  青木  正君         大蔵政務次官  植木庚子郎君         大蔵事務官         (主計局長)  森永貞一郎君  委員外の出席者         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 四月九日  委員尾関義一君、武田信之助君、野田卯一君及  び山村新治郎君辞任につき、その補欠として福  田赳夫君、小西寅松君、宇都宮徳馬君及び安藤  覺君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  交付税及び譲与税配付金特別会計法案(内閣提  出第八五号)  財政法等の一部を改正する法律案(内閣提出第  三一号)     ―――――――――――――
  2. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより会議を開きます。  本日は交付税及び譲与税配付金特別会計法案及び財政法等の一部を改正する法律案を一括議題といたします。右両案に対しましては、自由党の黒金泰美君よりそれぞれ修正案が提出されておりますので、まず修正案提出者からその趣旨弁明を聴取いたします。黒金君。
  3. 黒金泰美

    ○黒金委員 ただいま議題となつておまりす交付税及び譲与税配金特別会計法案に対する修正案と、財政法等の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明申し上げます。  まず第一に、交付税及び譲与税配付金特別会計法案に対しまする修正は、御承知の通り昨日の本会議におきまして入場譲与税法案に対する修正案が可決されました。その修正案の中におきまして、昭和二十九年度におきまする入場税法の規定によつて収納しました入場税の収入額の十分の九に相当する額が百七十二億八千万円に満たない場合におきましては、譲与税の額を百七十二億八千万円にしよう、そうしてもし不足のある場合におきましては、その差額は一般会計の負担にする、かような規定ができましたものでありますから、これを受けまして、交付税及び譲与税配付金特別会計法案においても修正を加えようとする次第であります。  案の内容は今お手元に配付いたした通りでありますが、骨子といたしましては、今配付いたしました案の中の一枚めくりまして、最後の第二項、第三項が骨子であります。すなわちただいまの譲与税法案の修正を受けまして、二十九年度に限りましては、この附則第二項によつて一般会計において負担すべき額のある場合においては、一般会計に繰入れる金額のうちから、当該負担すべき額に達するまでの金額は同条の規定にかかわらずに一般会計に繰入れないで、これを当該負担すべき金額に充てようということにいたしておるのであります。同時に第三項におきましては、前項の場合においてなお不足があります場合には、当該不足額に相当する金額は予算で定めるところによつて、一般会計からこの会計に繰入れるものとする、かようにいたしておるわけであります。例をあげて申し上げますならば、当初の考え方では百九十二億の入場税収入があつて、このうち一割控際して百七十二億円を地方に交付しよう、かような考えであつたわけでありますが、入場税の税率の改正その他によりまして、万一にも百八十億円しか金が入らない、かようなことになりました場合に、一割を控際いたしますと、差引いたしまして地方に入ります分が百七十二億円を割るわけであります。つまり一割国に入ります額が十八億になりますために、この十八億を百八十億から引きますれば、百七十二億円に足りない。この額までというのは百七十二億を地方に入れる。かように約束いたしておりますために、不足を生じますので、その額は一般会計で負担しよう。かような考えに相なつておりますので、十八億から、何と申しましようか、百七十二億地方に入れますために必要な十億を引いて、あと八億だけを国が使う。かようないわば相殺規定を設けたわけであります。  第三項の方は、なおかつ不足の場合、かりに百六十億しか金が入らなかつたという場合におきましては、一割の十六億を国の方に持つて行く。そういたしますと、百四十四億しか地方の方に入らない。かような場合におきましては、百七十二億円と百四十四億円の差額の二十八億円を予算の定めるところによつて一般会計からこの会計に繰入れよう。これが実体の規定であります。  振りかえりまして、初めの方の第一枚目の表の方は、そういつたような規定を二項入れました関係上、条文が動いて参りました整理を骨子といたしております。その裏側の方に入りますと八項、九項、十項でありますが、これは原案の附則の四項、五項の規定であります。この場合におきまして、政府の原案におきましては、一時借入金を認めておりますが、これを一年度内に必ず償還するように、かような規定を設けておつたのでありますが、今回万一にも入場税につきまして決算的に不足を生ずる――大体三月の収入見込みを見まして、そうしてこれを繰入れるわけでありますけれども、その分の不足等を生じまして、翌年度において調整を要する場合の生ずることをも予定できますので、翌年度にまたがつて一時借入金ができる、かような規定に修正いたしたい。これが趣旨であります。  なおこの今お配りいたしましたものの中にお直し願いたい点がありますが、それは第一枚目の裏の最後から二番目の行であります。「但し、昭和二十九年度内に償還する一時借入金については、」とありますが、これを「一時借入金の償還金については、」と借入金の次に「の償還金」という字を加えていただきたいと存じます。  次に、財政法の一部を改正します法律案についての修正趣旨を申し上げますが、今回の会計法の一部改正案によりますと、国の会計事務の委任につきましては、現行法では「都道府県又は特別市の吏員をして取り扱わしめることができる。」と相なつておりますのを「都道府県又は特別市の長又は吏員をして取り扱わしめることができる。」かように改めておりますので、これに伴いまして、予算執行職員等の責任に関する法律におきましても、当然これを受けて所要の改正をいたすのが至当であります。政府原案ではこの点を脱漏いたしておりましたのでここに修正いたしたい。かような考えをもちまして、両法律案についての修正を提出いたした次第であります。何とぞ御審議の上、全会一致をもつて御賛成あらんことをお願い申し上げます。
  4. 千葉三郎

    ○千葉委員長 修正案の趣旨の弁明は終りました。  これより右両案及び両修正案を一括議題として質疑を行います。質疑は通告順によつてこれを行います。井上君。
  5. 井上良二

    ○井上委員 特に交付及び譲与税の特別会計を設ける理由について伺いたいのですが、特別会計を何ゆえ設けねばならぬのですか、それからまず伺いたい。といいますのは、たとえば所得税、法人税等の地方交付金はもちろんのこと、揮発油税の譲与金等も一般会計にこれを収納した上で、そうしてこの会計に繰入れている。ただ入場税だけをこの会計に直接収納している形にしてある。そういうことをやつているのだが、何もこんな特別会計を設けなくつたつて、政府の方で必要なら地方へ交付して上げたらいい。一体どういうわけで従来の、平衡交付金をやめて交付税にかえなければならぬのか。それと、こういう煩雑な特別会計を設けて、またここで何人かの人を使う、必要な職員をふやさねばならぬことになるだろう。よけいなことだ。どういうわけでそういうことをやらねばならぬのか。それを納得の行くように説明を願いたい。
  6. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 まず平衡交付金制度を交付税制度になぜ改めたかという問題でありますが、これは昨年地方制度調査会が設けられまして、そこでの答申にもございますように、地方財政のいたずらなる中央依存の弊を断ち切ると同時に、地方財政に対してどの程度交付税が毎年入るという目安のついた恒久的な財源を与える必要がある。さような観点から、平衡交付金を交付税に改めた方がいいという勧告が行われておるわけでございますが、この勧告の趣旨に私どもも全然同感でございますので、従来のその場その場で解決して参りました平衡交付金制度にかえて、所得税、酒税、法人税等の何割というようなことで地方財源を確定し、それによつて地方財政の運用を自主的に、また円滑に行つていただくことにしたい、これが交付税制度に改められた趣旨でございます。  譲与税につきましては、入場譲与税につきましては、昨日も大分御議論がございましたように、地方財源の偏在を是正しよう、そのためにはこの入場税を国税に移管して適正なる基準で配分することが望ましいわけでございまして、さような観点から入場税が譲与税になつたわけでございます。ガソリン譲与税、これは地方の道路改正整備五箇年計画に伴つて地方の道路財源を充実する、さような趣旨から譲与が行われることになつたわけでございます。かようにいたしまして非常に特定の目的のためにこれらの資金が使われるわけでございますので、財政法第十三条のいわゆる「特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある」その場合に該当するものとしてこの特別会計を設けたわけでございます。なおこれに類似する前例といたしまして、昭和十五年に中央地方を通ずる全面的な税制改革が行われました際におきましても特別会計が設けられております。なおその際地方に委譲いたしました地租、家屋税、営業税等につきましては、これを一般会計に収納することなく、直接特別会計に収納をいたしておる次第でございまして、今回の立法にあたりましても、その当時の例に準拠いたしておる次第でございます。
  7. 井上良二

    ○井上委員 問題は、この地方制度調査会の答申は、確実な財源を地方に持たせて、つまり地方の財政計画が不安定なもとにおいては立たないから、確実な財源を与えろということが基本的な主張であるわけであります。従つて従来のような平衡交付金制度では、時の政府の御都合や、また予算その他の関係で常に不安動揺するというところからして、税金収入のうちから何ぼを地方へ渡すということにすればそれだけ安定するというところから、そういう答申がされておると思います。従つて問題は、地方財政を確立するということがねらいであり、さらにそれによつて地方が財政的な行き詰まりから少しでも小康を見出して行きたい、こういうことであろうと思います。ところが昨年度の地方財政平衡交付金は千三百七十六億円、今回のこの交付税及び譲与税の配付金は合計して千四百六十八億ということになるわけであります。ところが入場税は、政府原案によりますれば、百七十二億、さらに改正案によりますと百三十億くらいに減つてしまうということが大体想定されます。そこでこの入場税を差引きますと、実質的に、去年の平衡交付金よりも地方に渡る金は少くなると思いますが、少くならぬとあなたはお考えになつておりますか。
  8. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 今回の予算編成にあたりましては、中央地方の全面的な改正、調整を企図したわけでございまして、その一環として交付税に改めること、あるいは入場税を移管して譲与税にすること、そのほかに地方に独立税としてタバコ消費税を認めること、そういつたいろいろなことが行われております。他方歳出の面におきましても、警察制度改正、その他いろいろなことがあるわけでございますが、それらの税制並びに行政に関する制度改変をすべて織り込みました上での地方財政計画によりまして、交付税として交付すべき金額が千二百億円余りということになつたわけでございまして、この数字だをけもつて、昨年度に対して金額が減つておるとかいうようなことは、実は言えないわけでございます。タバコの消費税だけをとりましても、二十九年度中に二百九十二億という新たなる地方財源が確保されておることを御了承いただきたいと思うのであります。
  9. 井上良二

    ○井上委員 これは、森永さんにそんなことを申し上げるのはどうかと考えますけれども、御存じの通り地方財政は全体でもつて約一兆に近い、ほとんど国の予算額に匹敵する財政規模でございます。その中で確実に地方財政の収入として、入る税収入はわずかに三〇%しかありません。あと七〇%は政府の補助金や起債やその他によつてまかなわれておつて、いかに地方財政というものが不確実な財政の上に立てられておるかということがわかるのであります。そういう点からわれわれが考えます場合、地方制度調査会の答申もあわせて考えるときに、地方の自治を確立し、民主的な基盤を確保しようというのならば、その裏づけである地方財政の確立に必要な税をもつと移譲するということが必要であろうと思うのです。さういう点についてはほとんど消極的であつて、依然として前年度を踏襲する、名前はかわりましたけれども、交付税かあるいは譲与税しか行かない、こういう形になつておるわけです。だから地方制度調査会が答申しております地方財政の確立という面に対して国が積極的な手を打たずに、逆に今あなたが御説明になりましたように、国からの地方への委任事務が最近非常にふえておるのにかかわらず、反対に地方の行政に対して必要以上の抑圧を加えまして、いわゆる行政整理等によつて地方財政の支出を極端に削減する、この削減した分は一体何ぼになつておるとお思いになる、その結果在来あります地方税に対する増徴を一体何ぼやつたとお思いになる、それだけでまだ足らずに、新しく地方税の改正案を出して来て、それによつてまた一体何ぼ増徴さそうとしておるのでありましよう。これらは全部地方民に対する大きな負担となつて、困難な現在の経済状態のもとにおいて、一層大きな負担が地方民にかかつておるこの実情をあなたは何とお考えになりますか。そういう点を私ども考えます場合に、ほんとうにこの交付税、譲与税等の新しい制度を設けます場合において、地方にしわ寄せをするというのではなしに、国の税の上において地方に交付されるものをもつと積極的に考えてみたらどうか、こういう点を私どもは強く主張しなければなりません。  それと同時に、この際主計局長に伺うのですが、一体あなたは予算編成の建前におつて、こういうような修正案を出されて、それでまともな予算執行ができるとお考えになつておりますか、一体この会計に穴が明いた場合、一般会計から繰込むの、借入金をしたらいいの、そういうでたらめな予算計画というものがあり得るのですか。そういうでたらめな上に立つて一体予算を国会に提出しているのですか。あなた方は事務当局として、一個の予算編成の責任者として、さよなだらしのない修正におめおめと政府が同調するという態度は一体何とあなたはお考えになりますか。私ははなはだ権威のない、不見識きわまる態度じやないかと考えている。そういうようなあやふやな、でたらめな態度で予算が組まれておるとされ、また予算がそれによつて自由に動かされるということなら、国会の審議は必要ではありません。あなた方数人集まつて思いのままにやつてに編成して、かつてにかえたらいいでしよう。国会の審議を経るということは、少くとも確実な資料に基いて確実な財源を把握して、確実な歳出を押えて、そうして計画通り支出して行くというところに予算の正しい意味がある。もちろん経済的な変動や自然の諸条件の突発的な変化によつてかわつて参ります場合は別でありますが、そうでない限りは、大体国会を通過した予算を正しく実行に移すというのがあなたにかけられた任務じやないかと私は考える。そういう立場から考えて、いかに与党からといえども、一ぺん国会の承諾を得て予算が成立したあとにおいて、かくのごときふまじめな修正案におめおめと同調するという態度は、政府としてとるべき態度じやないと私は考える。少くともそんな修正案をつきつけられるならば、政府は予算を提出した責任をまず考えるべきである。予算提出までに諸般の事情を考慮して法律を出し予算を出すのならよろしいですけれども、予算が国会で成立したあとにおいてさようなことはやるべきことじやないと思うのです。一体あなたはどうお考えになりますか、また政務次官は一体どうお考えになりますか。少くとも私は入場税法案が国会で審議されておりました時分において、あなたに対し、また大蔵大臣に対し質問をしているのです。どうも修正案をあとから出すらしい、その修正案は大きな税収減を来す内容を持つておる、もし予算通過後にさようなことが行われるということがあるならば、まつたく国会を欺瞞をした不届ききわまる行為であるということを私は指摘しておいた。まさにその通りの結果が今日現われて来ておる。一体かようなことに対して、あなたは予算編成の責任者としてどうお考えになつておりますか、それを伺いたい。
  10. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 前段の問題でございますが、これは地方財政の根本問題であると考えるのでございます。お説のように、地方財政にできるだけ自主的な財源を与える、これはぜひとも考えなくてはならぬ問題でございまして、私どももその点を考えました結果、本年度の地方税収入は、前年度の三千百億が三千五百億くらいに、約四百億円くらい増加しております。増加いたしました一番大きなものは、先ほど申し上げましたタバコ消費税であるわけなのであります。そのほかに譲与税が参ります。これもいわば税金でございまして、自主的な財源の一つになるわけです。また交付税制度に改めましたのも、結局は不安のない財源を保証する、毎年々々予算編成の都合によつて――だれだれに左右されるというわけではもちろんございませんが、予算を持たなければ、地方が幾ら国からもらえるかわからないという制度を改めまして、所得税、法人税税収の二割というようなものが毎年地方財源として確保される、これはまさに自主財源を付与するという点、安定的な財源を付与するという点において数歩を進めたわけでございまして、そういう点では極力努力をして参つたつもりでございます。  なおこれ以上さらにどうするか、実はいろいろな問題がございます。たとえばひもつきの補助金の三千億円なども出ておるのでございますが、このひもつきの補助金をできるだけやめて、むしろひもつきでない交付税みたいなものにしたらどうかというような考え方もあるわけでございます。私ども予算編成の当初におきまして、たとえば生活保護の責任は地方も負担すべきものである、あるいは失業保険についても同じような考え方から補助率を減らしまして、むしろ交付税として、自主的な財源で地方財政において責任をもつてまかなうようなことを考えたこともあつたわけでございますが、これにつきましてはいろいろ御批判もあるところでございまして、今日提案いたしましたような予算におちついたわけでございます。私どもの意見といたしましては、生活保護、失業保険の問題は別といたしまして、できるだけ補助金はやめて、自主財源を強化拡充するという方向に今後も努力すべきものである、かように考えておる次第でございます。  なお本年度の地方財政に非常な節約の強制その他のしわが寄つておるのではないかというようなお尋ねもございましたが、地方財政におきましても、国に準じて相応の節約はいたすべきものと考えます。その観点から、経営費におきまして約五十億くらいの節約を見ておりますが、他方既定財政規模が従来どちらかといえば少な目でございました点も是正いたしまして、財政規模を百五十億くらいふくらまして考えておる次第でございまして、いたずらに地方財政に節約その他のしわが寄つておるとは考えておりません。合理的な姿に近づける努力をいたしたつもりでございます。  後段の問題につきましては、事務当局からお答えするのもいかがかと存ずるのでございますが、予算執行にあたりましては、昨日も申し上げました通り、まずできるだけ入場収入が大きいことを望むわけでございまして、その推移のいかんによりましては国がちようだいいたすことになつております一割を充当するなり、さらになお推移を見きわめた上で、不足するというような事態が起りました場合には、一般会計が負担いたしまして、地方財政の遂行に遺憾なきを期するつもりでございまして、本日提案されましたこの修正案の運用によりまして、善処できることを確信いたしておる次第でございます。
  11. 植木庚子郎

    ○植木政府委員 お答え申し上げます。昨日の入場税法案の修正御決議に伴いまして、歳入に対して減収が相当起きはしないかということに関連しての御質問でございますが、この点につきましては、政府が同意いたしました趣旨は――もちろん政府の立場といたしましては、当初の原案でやつていただきいことはやまやまであつたのでありまして、そういう政府の希望の帰するところは原案の通過にあつたのでありますが、修正御提案になりました御趣旨を承つてみますと、なるほどわれわれの見積りの仕方もそれ一つということはない、財源が若干減収を来しはせぬかについて疑問も持ちますので、その点非常に心配はいたしております。しかしながら、それに対して地方財政に大きな欠陥を生ぜしめてはいけないという御趣旨から、提案の方におかれましても、地方財政に対する適宜適当なる措置を講じて、同様な筋の通つた修正をしていただいておりますので、政府が一方的に、ただ単に政府の見るところだけをかたくなに主張するのもいかがかと考えまして御修正の趣旨も体し、場合によれば、政府が考えている通りよりは相当の増収もあり得るかというふうにも考えられますので、政府としてはやむを得ず――喜んでとは申し上げかねますけれども、院議を尊重して、御修正になるならばこれに従つて参りたい、かように考えた次第でございます。
  12. 井上良二

    ○井上委員 これは提案者にも質問をいたしますが、政府与党として、最初政府の原案をほとんど支持して参りました。その後において修正案を出し、しかもその修正に基いて具体的な税収減が、伺うところによると――実際確実な税収というものは結果を見なければ把握できませんが、従来徴収しておりました入場税の実績から考え、今度新しい構想に基いて課税いたします場合をいろいろ想定して、それによつて結論は、主税局長の答弁では四十五、六億から七億ぐらいの減収だ。それから地方自治庁の説明によるとそれが六十七億になつて、ここに約二十億の開きがある。その点は、片方は年間を計算しておる、片方は十一箇月であるというようなところから多少そこに数字のけた違いがございますけれども、いずれにしても五十億に近い赤字が予想されるということが言われておるのです。さような赤字が予想され得るという上に立つて、もしこの特別会計に赤字が出ました場合は一般会計から繰入れ、あるいはまた借入金を一時してもこの会計全体の運営をうまくやりたいという、そのこと自身は問題はありません。その会計自身をうまく運営したいということについての問題はないのです。問題はないが、一般会計から繰入れるとか、あるいはまた一時借入金をするとかいうようなことは当然この予算に関係して来る問題であり、財政法に関係して来る問題であります。さような予算修正を意味し、予算の補正を意味するがごとき、いわゆる予算に関係のある修正案を予算成立後に提出されるのは一体どういう根拠に立つておられるのか。少くとも提案者みずからこのことについては相当検討されているはずである。一体予算成立後に予算修正を意味する修正案を出すということが国会審議の上に妥当な態度であるかどうか。この点を提案者に伺いたい。
  13. 黒金泰美

    ○黒金委員 入場税法案の修正につきましては、昨日提案者の大平委員からるるお話も申し上げた通りでありまして、今井上委員のお話になりますように、五十億ないし六十億というような非常に大きな欠陥を生ずるというような御懸念ごもつともではございますが、この点につきましては、われわれ提案者の中でも非常に時間をかけて慎重審議をいたした次第であります。予算の通過までに間に合いませんでしたことは非常に遺憾でありますが、それだけに非常に慎重な態度をもつて検討した次第であります。昨日討論の際にも申し上げましたように、何分にも水商売の入場税でありますために、非常に当ります映画ができましたときには大入り満員、非常な盛況でございます。と同時に同じ小屋でありましても、当らないものをかけました際にはがらがらでございます。そういうような次第でありまして、この予測が非常に困難なのでありますが、多少とも税率を下げますことによつて切符代も下るであろう、あるいはまた切符代が下らないといたしましても設備の改善ができる、あるいは非常によい映画をかけることができるというようなことによりまして、この入場者の方の消費もかなりにふえるであろうというような見解からいたしまして、私どもとしましては政府で非常に手がたくお考えになつているほど、しかく大きな欠陥は生じない、かように考えまして、そうしてこの予算にはそう大した狂いは生じない、かような見解をとつておるような次第であります。この点につきましては、どうか昨日の御質問に対する答弁とあわせて十分にお考え願いたいと存じます。
  14. 井上良二

    ○井上委員 提案者におきましては、この特別会計へ繰入れられて参ります入場税が、政府の説明をするようにそんなに大きな税収減にはならぬ。われわれの方においてもきわめて慎重な検討を加えてやつた結果、さような結論は出ない、こういう御答弁でございます。あなたがそう言うならば、その慎重な態度で御検討されました税収の資料をひとつお出しを願いたい。私どもは、一応今日の場合は政府の答弁を妥当な答弁として承つておる。この政府の答弁を与党である自由党が信用できないというのならば、提案者みずからが慎重な検討をした資料を出してもらわなければ、この特別会計へ繰入れますところの修正案の問題は解決しません。またあなたは何か自分が映画館を経営し、自由党や政府が映画館を経営するようなつもりで、非常に人気のある上映物を出した場合はお客さんがどんどん来るというような、まつたく雲をつかむような、国会の審議としてはおよそ不見識きわまる発言をしておる。さような答弁では、この特別会計へ一般会計から繰入れるという修正をいたす答弁とはなりません。だからあなたがほんとうに慎重審議されたと言われるならば、その慎重審議された資料もありましようから、その慎重審議された資料によつてあなたが答弁するように大きな欠陥にならぬとするならば、それによつて私どもは審議するよりしようがありませんから、その資料をお出しを願いたい。資料が出せますか、それを御答弁願いたい。
  15. 黒金泰美

    ○黒金委員 ただいまの御質問に対しましては、むしろ同僚であります山本委員か御ら答弁申し上げた方がよいと思いますから……。
  16. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 今度のわれわれの修正によつて税率が下つた結果、六十数億の穴が明くとか、あるいは四十何億の穴が明くとか、こういうことをそれぞれの根拠に基いて主張されております。しかし私の計算では減らない。減らないという証拠は、これは実はなかなかむずかしいのです。(笑声)まじめにやつているのですから御清聴願いたい。減るという証拠も、これはなかなか出せない。どれもこれも一応推定でありますが、いずれの推定が正しいかということになりますと、私が減らないという推定をいたします根拠は、数字的に申しますと、大蔵省の主税局の方は、映画の配給をしているところから、映画代の大体倍の収入があるのだというような計算から、つまり総売上げの中で平均して半分は映画代、それから残りの中から経営費と税金を払つているのだというような計算の仕方をしているようでありますが、私はそうでなしに、経済審議庁の経済白書に、国民の一人当り一年間の入場数というものが出ております。これが大体昭和二十六年、二十七年、その前の分から、二十八年度に出ました経済白書に載つておりますが、それによつて合理的に推定いたしますと、二十九年度の人口を八千八百八万――これは人口問題研究所の報告では八千八百八万よりも多いのでありますけれども、大体八千八百八万と押えて、二十六年、二十七年の増加率から推定しますと、大体九億四千四百万ばかりが一年間の延べの入場者数になるのであります。そこでこの税を下げた場合に明らかなこと、同じ映画であれば、やはり入場料が下つた方が入場者数がふえるということは間違いありません。どれだけふえるかということは別問題といたしまして、同じ映画は、安い方が入場者が多い。それから同じ入場料であります。と、先ほど黒金君が申されたように、ものがいいという場合には二度も見に行きたいし、つまらぬものでありますと、金をくれても行きたくないというようなことになりますから、(笑声)これはまじめに答弁しているんですよ。今度の税を下げた結果、興行経営者の手元が楽になる。そこでいなかならいなかをとつてみましても、これまでよりもいい映画をかけることになる。いい映画が製作されるか製作されないかということは、これはなかなかむずかしい問題でありますけれども、そういう問題を別にいたしましても、経営者の手元が楽になれば、よりよい映画をかけることができるということで、入場者はふえる。そこでこれだけの税を下げることによつて一割二、三分の入場者数がふえるという計算をしてみますと、結論はこういうことになるんです。大体全国の平均の入場料が幾らぐらいになるだろうか、今度の税をかえたためにどのぐらいのところに平均おちつくだろうかということであります。百円とつておつた映画館は、これは明らかにその大部分は九十五円になります。なぜなるかというと、百円とすれば、三割の税を払わなければならぬ。ところが九十五円に五円下げますと二割であります。その差額が手取りで一人について六円収益が多くなる。(「そんなあほうな話があるか」と呼ぶ者あり)いや人間というものは、なるべく営業やるのにはもうけたいということでありますから、値が下つてお客が多くなつて、しかも手取りが多いというのですから、必ず九十五円になります。それは九十五円はめんどうだ、百円でもどんどんお客が来るというようなところは、かえつて百円札の方がめんどうが少いから、百円というところもできましよう。しかしこまかく考えるところでは、おそらく九十五円にする。ところが今日までの実績で、大都市を控えております六大府県が全国の五割五分の税を納めておる。あと全部で四割五分といわれております。この大都市を見てみますと、大体おとなが百五十円、子供、学生が百二十円、それ以上もありますし、それ以下もありますが、大体そういうところであります。いなかへ参りますと、三十円のところもあります。東京でも、上野の地下の映画館のように、おとなが五十円で、子供が三十円というところもあるにはあるのです。しかしこれは聞いてみますと、青森あたりをまわつて来たものが最後にかかる。そういうきわめて例外であります。しかもそういうのはほとんど一時間足らず、ちよつと汽車の待合せに見物するといつたようなところであります。大体私は税込みの九十円ぐらいにおちつくのではないか……。(「今九十五円と言つたじやないか。」と呼ぶ者あり)九十五円よりもつとかたく、九十円におちつくということで算定いたしますと、どういうことになるかというと、譲与税に九割を与えましても、りつぱに百七十億以上が出て来る。計算してみればわかる。そこで税込みの九十円が平均になるだろうか、あるいはならぬだろうかということは、これは私は手元が楽になつて来た場合に、どういういい映画ができる――か、今後ますます悪い映画ができるとは考えませんけれども、どういうふうないいのができるかということは、なかなかわからない。しかし大体無理ではない。私は税込み、の九十円というところが平均になる、そういう算定から見て結論を出したのでありますが、かりに税込み百円ということになるとどういうことになるかというと、譲与税として九割与える分が二百億以上になります。まだ幾らでも……。(「委員長、どだい話になりませんよ。」と呼ぶ者あり)話にならなければしかたがない……。
  17. 大平正芳

    ○大平委員 それでは私が……。ただいま井上委員の御質問の要旨は、要するに予算が編成され、成立を見た後において、予算の実質的な修正になるような修正案を、与党側において作案してなぜ提出したかということに対する御詰問であろうと思います。これに対して黒金委員からも申されたように、われわれ与党側においても非常に慎重な態度で審議いたしたのであります。この内容について私からやや敷衍的に御説明申し上げて、御了解を得たいと思います。  慎重に審議いたしましたのは事実でございます。なぜならば、井上委員がおつしやいますように、予算はすでに成立を見た。従つてわれわれはこの予算の筋をはずさないようにしなければならぬということが、われわれの念頭に去来いたしておりました一番大事な筋金でございました。入場税の国税移管ということだけを見ますれば、これは申すまでもなく、いろいろな議論が成り立ちますし、われわれも私見としておのおの見解を持つております。しかしながら入場税は、中央、地方を通ずる財源調整という全体的なプログラムの一環でございますので、入場税だけについてこの個別的な議論でなくて、全体の中央、地方を通ずる財政の構造の中で取上げた問題でございますので、しかもそれが予算の骨格をなしております以上は、その筋を当然ここで通さなければならないというように、与党側においても見解の調整をはかりまして、国税移管については各種の議論がございますけれども、あくまでも予算の本筋にのつとつて実現しなければならないということを根幹に置いたわけであります。この点がきわめてわれわれが苦慮いたしたところでございます。  しからばでき上つた修正案ははたしてこういつた要請に十分こたえておるかというと、私は遺憾ながら十分でないと思います。従いまして、これは入場譲与税法の修正案に比較的無理な注文をお願いいたしまして、中央、地方の財政の運営に支障を来さないようにお願いしたわけでございます。これにつきましては、政府側においてもわれわれの修正案に決して欣然同調したわけではございません。政府におきましては、当初相当の難色を示しておつたのであります。従つてまた同時に政府都内におきましても、地方財政を担当いたされまする自治庁といたされましては、これまた御心配になつたことは申すまでもございません。そこであくまで予算の根本の構造にひびを来さない、筋を通すという要請にできるだけわれわれは接近して行かなければならぬということで、しかも中央、地方を通ずる財政の構造をくずさずに、地方の財政運営に支障を来さないようにという配慮を苦慮いたしました結果、入場譲与税法の附則を改正いたしまして、百七十二億八千万円だけはいかなる場合でも確保しようということにお願いしたわけであります。しかし附則の修正にあたりまして、きのう井上委員からも、春日委員からも適切な御質問がございました。これに対しまして大蔵、自治両大臣からの御説明がありましたが、これは政府側にわれわれが非常に無理なお願いをいたしまして、政府側の苦衷は十分察するのでございますが、井上委員のいわゆる予算上に何ら間然するところがない、完璧なものであるということは、私ども良心的には思つておりません。相当無理なお願いをしたことは事実であります。しかしながらこれだけの附則をつけておきますれば、そこの弾力によりまして、何とか予算の全体の構造をくずさずに行けるのではないかというように存じておるのでございまして、この入場税法案めぐるいろいろな論議、また情勢を考慮しつつ、われわれとしては最善を尽したわけでございます。その点われわれの審議に当りました苦衷をおくみとりいただきまして、何とか御同情いただくとともに、御了解を願えれば非常に仕合せだと思つております。提案者といたしまして、一言御了解を得ておきたいと思います。
  18. 井上良二

    ○井上委員 ただいま山本及び大平委員から非常に率直な御答弁がございました。与党としては当然のことであろうと思います。そもそも政府原案が提出されます場合は、一応与党としてこれが政調にかかり、総務会にかかり、そうして国会に提案を協力する立場に立つておる与党として、その後政府原案を、さらに自分が一応承認を与えたるものを再び大修正を加えるということになる以上は、今大平さんがお話になりましたようなまことにつらい、苦しい立場は、私どもも政党人として当然であろうと思います。しかし問題は、そういう義理人情やあるいはお互いの政治的な思いやりやということで事が済むことでございましたならば、これはもう今の大平さんの誠意こもる答弁で十分でございます。ところがこれが実はただちに地方財政の上に、あるいは国の予算執行の上に非常な問題を残して参ります。こういう悪例が将来許されるということになりました場合は、いつでも予算が成立した後に必要な修正が加えられるということがもしありました場合、一体国会の権威なり審議はどうなつて行くでありましようか。この点はわれわれとして少くとも国民の委託を受けてこの審議に当つておる者としての責任を考えるときに、そういう思いやりや、あるいはお互いの立場を了解し合うというようなことで済まされぬ問題が実はあると思う。はなはだ思いやりのない立場のように誤解をされると困りますが、一個の国会議員といたしましては、やはりただすべきものは十分ただして、かつ国民をして十分納得さすということが必要でございますから、さような意味で私は伺つておる。  そこで私どもは、与党が、自由党が、政府が、この改正案によれば、確実なことはわからぬが、大体これだけ赤字が出るということが予想され得るということに対して、いやそんなに大きな税収減はないのだ、こういう御答弁をされますから、そんなら税収減がないとするならば、具体的にその資料を出しておいてくれ、それならばわれわれも納得しましよう、こういうわけであります。そこで今山本さんが微に入り細をうがつた長口舌の御答弁をくださいましたが、全体の年間の入場者が九億四千万人ほどおる、これが平均九十円の入場料だから百七十二億になる、こう言うのですが、そんなそろばんがどこに一体ありましよう。九億四千万人に九十円かけて、百七十二億になるという数字は、一体どこにそんなことが通りますか。そういういいかげんな数字のけたの違うことを言うてもらつたのでは商売になりません。
  19. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 私の言うことを誤解している……。
  20. 井上良二

    ○井上委員 問題はそうではなしに、私が言うておりますように、たとえば五十円の入場料で一割とられる、この場合も、一体全国の映画館数は何ぼあつて、この場合の入場人員は何ぼあつて、そこで料金は何ぼ上つて、税収は何ぼ上るか、そういうことでなかつたらはつきりわかりません。それが実は必要なんです。その上の、二〇%とるものに該当する映画館は何ぼあるか、演劇場は何ぼある、入場料は何ぼある、税収は何ぼある、それでこうなるのだということでありますならば、これは多少見込み違いがありましても、それはお互いのそろばんのはじき方ですから、そこまで私は追究いたしません。しかしあなたはそういう慎重審議をされて、具体的にその数字をはじき出しているはずだ、その数字を示してもらいたいということを私は言うているのです。そうでないと、入場人員は、年間にこうなる、多少景気がよくなつて料金を下げるから入場人員もふえるであろう、これはだれでもそう考えることである。ところが全体の景気は、下半期にかけて悪くなつて行きまして、あなた自身の与党の、政府の政策によつて、いわゆるデフレの傾向はますます強まりつつある、全体は不景気のあらしが強まりつつある、そういうときに映画、演劇が非常に好況を来すということは見通しが立ちません。そういうわけで、あなたと私は反対の現象を見ておる。そうして税金が安うなつたからというて、ただちに入場料金がその安うなつた分だけ下るわけでありません。それは前回の、税金を十割から五割に下げたときに、入場料は一月ほど下りましたが、ただちに翌月から前のと同じ、あるいはそれより高い入場料金がとられている事実を知つている。だから映画の入場税を安うしたから、入場料金は安くなるのだという考え方は、簡単には行きません。いろいろな経営の複雑な事情があつて、なかなかそう簡単に、税金だけを料金の上で現わす、それだけは安くするということは、実際上良心的な館主以外は困難ではないか。また映画製作自体にも非常に金がかかつている現在において、そう思うように行かぬじやないかというような事実から考えまして、私としましては依然として、従来地方税としてとつておりました税収の根拠に立って、それに主税局がいろいろ考慮いたします新しい課税の方法によつて、なおかつ四十五億から五十億近い赤字がここに出るということを本委員会で明確にされた以上は、これだけの大きな穴の明くものをそのままにしておいて、それで平気で修正案は出して来ておる、一体こういうやり方が与党として妥当なやり方かどうかということです。私どもは野党ですから、言いたいことはもつとたくさんあります。あれほど参議院で問題になつているときに、何で一体この入場税法案を出して来なかつたか。これは赤字になることがはつきりしている。それでは予算も修正される、修正されるということは予算成立の上にも大きな問題を起すということから、予算を修正されることをおそれて自然成立を待つたというあの事実を考えて、そういう政治的な大きな難関を突破しておいて、その後にこれを修正したというところに問題があろうと私は思う。こういう政治的な大きなかけひきを持つたものを、われわれは平気で見のがすというわけに参りません。また実際これは政府当局も、何かいいかげんに与党が修正したからしようがない、何とか穴の明かぬようにと言うけれども、みずから主税局長は、はつきりさよう答弁しておる。すでに一般会計から五十億が、三党の予算修正によつてひつぱり出されておりましたろう。ここへまたかりに五十億出るということになつてごらんなさい。全体の予備金は百三十億くらいしかないのです。そうすると、すでにもう百億というものは飛んでしまうのです。そこへもつて来て、さらに他の必要課税がありますから、そうなりますと、これは予算を直さなかつたらどうにもならぬ、こういうことになる。ところが植木大蔵政務次官は地方行政委員会において、この五十億の三党修正による予備金の一般会計への繰入れは、何か政府機関の行政事務費を節約してはじき出したいと考えておる、とこういう答弁をしておる。一体そんな不見識なことがよう言えますね。あの答弁の速記録を見てみると、実際あなたはそう言つておる。この予算に五十億からの含みを盛つて組んであるのですか。そんなべらぼうなことはありません。だからわれわれは、この特別会計を設ける以上は、予算的にどうしてもこれを入れなければならぬ事態が起つて来るということを予想するがゆえに、一体政府はどうするのだ、また与党はそれで責任が果せるのかということを聞いておる。ところが一向私どもが納得するところの答弁がない。私は、これは委員に申し上げますが、少くとも大蔵委員会としては、予算上かように大きな問題があり、財政法上非常な疑義を生ずるがごとき修正案を――いかに与党がとやかく申しましようとも、なるほどこれならそう予算の上に大きな支障を来すことにならぬ、予備金支出によつてどうにか予算は実行できるということがおよそ見通される説明がされませんと、私どもとしてはこのまま審議を進めるわけには参りません。これはわれわれに課せられた責任上当然のことと思います。私は何も与野党の立場で考えておるのじやない。議員として、こういう重要な問題にぶち当つて、少くとも国民も納得し、また再びこれが問題にならぬように、ここで十分な審議をしておきませんと、参議院に行つて、またこれが問題になり、両院協議会となつた場合、一体衆議院の面目はどうなるのです。この点委員長は慎重にひとつお考え願いたい。そういう確実な根拠によつて――ただ入場税法案、あるいはまた交付税譲与税法案との関連があるからということで、そのままさつと通すわけには行きませんぞ。はなはだしつこいようでありますけれども、提案者の方も、もう少し納得する資料をお出しくださるなり、また説明をしていただきたい。そうして決して財政法や予算上に支障を来さないという確信を持つてわれわれが審議を進めることができるように、また参議院の審議において、衆議院の審査がはなはだ粗漏であり、不見識であつたというそしりを受けないようにしていただくことを委員長にも要求しておきます。この点に対して提案者並びに政府側からの御見解をもう一応伺いたい。
  21. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ただいまの井上委員の御発言の趣旨はごもつともと存じますので、どうぞ修正案提案者から納得の行くように、この際十分御説明をいただきたいと思います。
  22. 大平正芳

    ○大平委員 井上委員の御質問の趣旨はごもつともでございます。国会議員といたしまして議案を審議をする場合に、きわめて真摯な態度でなければならぬことは当然で、ごもつともと存ずるのであります。本修正案を提出するに至りました経緯は先ほど御説明申し上げた通りで、あからさまに内情を御説明申し上げたのでありまして、井上さんの御心配のように、予算に大きな支障を来さないようにするためにわれわれは苦心いたしたのであります。従つて、案の内容それ自体決して完璧なものではございませんけれども、きのう両大臣からも御説明がございましたように、何とか大きな支障を来さない範囲内でともかく執行し得るというような確信を持ちまして、御提案申し上げた次第でございます。決して完璧であるとは申しませんし、また政府当局におきましても、これに満足をいたしておるわけではございませんが、もし入場税の国税移管ということが実行されない、反対になつた場合には、予算の骨格に非常に大きな変化を来しまして、中央、地方の財政の構造が、大きく言えば転覆して参るというような事態をおそれたがゆえに、われわれはこの程度の修正でともかくも大きな支障を来さずに実行できるということで御提案申し上げた次第でございます。その点、きのうの両大臣の御説明とあわせまして御考慮になられまして、御了解いただければ仕合せだと思います。
  23. 春日一幸

    ○春日委員 関連をいたして……。それでは大平委員にお伺いいたしたいのであります。昨日来われわれが本案を審議しております過程において、政府当局に、この修正によつてどの程度の減収を来すかということを伺つたら、これはあなた方もお聞きであつたと思うが、まさに四十六億何千万円程度の減収が推定される、こういう答弁をいたしておつたのであります。当時渡邊主税局長の答弁を聞いておりますと、相当詳細な資料の上に立つての推算のようでありましたので、われわれもしかくそのような減収があろうと考えて、そこに問題が連坐的に起つて参つたのであります。そこでお伺いしたい。あなたの方は政府のこの見解、すなわち四十数億の減収を来すということをてんで認められていないのであるか。政府はそういう検討を加えておるのであるが、あなたの言われるところによると、そう大した移動はない、腰だめ的に――つまり山本委員の御説明によりますと、上野の地下の映画劇場で、青森県のどさまわりがとうとかいろいろなことを言われているのだが、それではてんで資料にならない。そこで政府当局の資料を与党はお認めにならないのかどうか、四十何億程度の減収があるかもしれないとお考えになつているならば、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  24. 大平正芳

    ○大平委員 私がきのう井上委員の御質問に対しましてお答え申し上げました通り、二十九年度における入場税の税収の見積りというのは、非常にむずかしいのであります。過去何年間か国税として徴収いたしておりましたならば、この推定が比較的的確に参るのでございますけれども、地方税としてとつておりました税金を国税に移管するということになりますと、課税状況が違いますので、捕捉率がどれだけ伸びるかということは、過去のよるべき実績がないのでございます。大蔵省が百四十五億程度の見積りを立てられましたのも、きのう主税局長が御説明申し上げました通り、映画の配給収入から逆算いたしまして、階級区分に応じての課税標準を見積りまして税率をかけたのでありますが、これも地方当局によつてとられておりました過去の実績を基礎にしたものじやない、つまり入場税の税収見積りが最初につまずく石はまさに国税に移すという事実にあるわけであります。こういう見方からすれば、主税局長が言う百四十五億という収入は、専門家が克明に計算した見積りでございますから、私どもはそれを了承するに決してやぶさかではないのでございます。ただ、今山本委員から御説明申し上げましたような見解も、与党には有力にあります。しかしながらこれとても、これで完全だという保証はないわけでございます。従いまして、私どもは自治庁の見解なり政府の見解なり、同時にまた議員諸君の間にも税収見積りにつきましていろいろな見解がございまして、はたしてどれが正しいかということにつきましては、これだけ必ずとれるのだというように確信を持つてお答えする勇気が実はないのでございます。でありますがゆえに、地方財政の運営に支障がないような特別な措置を今回に限つてとりまして、そして運営に支障がないようにやつて行こうという、補完的な措置をあわせ講じたゆえんはそこにあるのでございまして、税収の見積りがこれだけだ、これだけとれるのだという確信がありますれば、入場譲与税法案そのものに対する修正はいらないのでございます。その点は春日君もよく御了解願えると思うのでございますが、そういう確信が持てないゆえに、こういつた補足の改正をお願いいたしたわけでございます。  なおもう一点申し上げておきますのは、先ほど申しましたように、これがきわめて完璧な修正案だとは申しかねるのでありますが、しかし二十九年度一年間の経過を見まして、そしてこれを本筋に返すということは、来年度の政権担当者がだれであろうと、これは当然考えなければならぬことあろうと思います。二十九年度の暫定的な措置として譲与税法案を改正いたしまして、地方財政に支障を来さないようにという特別措置を講じたのでございますが、こういつたことは決して名誉なことじやございませんので、これはできるだけ本筋に返さなければならぬ。この努力は、二十九年度の推移を克明に検討いたしまして、三十年度において政府の手によつて、従つてまた国会の承認を得てやらなければならぬ仕事であろうと思うわけでございます。
  25. 春日一幸

    ○春日委員 ただいまあなたは確信が持てないという御答弁をなさいましたが、少くともこの国会は国の最高の機関であります。ここは確信と確信との闘いの場所でございます。あなたの方が確信のない、ずさんな、何となく良的識な、そんな腰だめ的な考え方で議案を出しておられることは、私はもつてのほかであろうと思う。誤つておろうと誤つておるまいと、あなた方はあなた方なりの資料の上に立つて、大確信を持つてこの法案を提出なさるのでなければ私はうそだと思う。  なおあなたは、ただいま、地方にはそういう資料があるかもしれないが、政府といえども、またわれわれといえども確実な資料がないと言われた。それはあなたの場合にはそうであるかもしれないけれども、自治庁の方は、これはあなたの方の同じ政府の自治庁なんだが、非常に詳細な資料を出して来ておる。それは昨日以来塚田大臣その他の諸君によつていろいろ述べられておるのだが、これは、入場税率修正による減収見込みの推算の根拠がここにいろいろプリントされておる。すなわち五十円以下のものが一八%、五十円以上、八十円未満のものが四七%、その後ずつと詳細にここへ分析して、そうしてさらに今までの実績の上からこれにいろいろの加減乗除を加えて、六十一億何千万円の減収を来すであろうという資料が出ておる。そこであなたの方の資料がこれに対照してそうでないという資料であるならば、しかもその資料がわれわれを納得せしめるに足るとか、あるいは確信を持つて対決ができるとか、そういう資料ならよろしいのでありますけれども、ただいまの井上委員の質問に対する山本博士の御答弁によりますと、九億人の総入場者に対して九十円をかけて百七十二億になる、そんなはずはない。いくら経済学博士といえども、そんなそろばんが立つはずはありません。そうしたばかな計算はない。さらに私の尊敬する大平君にありましては、確信がないと言われるが、これは正直で、非常にすなおで、人間的には非常に同感を催して来るのだが、そんなことは国会の場所では許されないことだ。たとえばあなたに申し述べたいことは、この法案をめぐつて重大な政治問題を巻き起しておる。このことをよく御銘記願わなければならぬと思う。申し上げるまでもなく参議院におきましては、予算を通すか通さないかという場合にあたりまして、この予算の裏づけとなる入場税並びに繊維税がまだ衆議院においてどういうふうになるのか明確ではないから、これの取扱いが明確にならぬ限りは審議することができぬといつて、そういう大所高所から国会法、衆議院規則の上に立つて、参議院はその審議権をも行使することができなかつた。これはある意味において、あなた方がこの参議院の審議権を圧殺したものである。そのまま出さなければ、それはそれなりでまた問題が残るではありましようけれども、圧殺した形になるのだが、ところが参議院で予算が自然に通過してから、今度はあれを出せといつて、緑風会を初め参議院各派が要求したことを、通過した後においてまるで足元から鳥の立つようにあなた方は要求して参られた。このことは、すなわち参議院の審議権をかつては圧殺したのだが、今から考えてみると謀殺した形になる。あなた方が参議院で予算が通過した後において、こういう修正案を多数で押し切るということであるならば、緑風会が主となつて要求したその予算が参院を通過する前にどうしてこの法案をお出しにならなかつたか。さすればこういう問題は起きなかつたと私は思うのであります。一時はこれを圧力でもって、ふてくされたような形でまるで圧殺しておいて、あとでそれをまた出せといつてこれを謀殺に置きかえ、悪の上に悪を重ねるようなやり方は、もう少し御反省願わなければならぬと思う。わけてただいまの重要な問題は、地方交付税の中にもちやんと予算が組まれておる。これに対して五十億とか六十億とかいうような、予算に尨大な異動を生ずるようなこの重要法案が、ただ簡単にこの委員会だけの問題で解決がつき得るはずはないのであります。この問題については、参議院に対する道義と条理を、やはり衆議院の立場において尽して行かなければ相なりませんので、いま少しあなたの方から確信に満ちた資料か、あるいはまた政府の言つておる四十七億でありますか、この程度の減収があるならあると、こういう提案者からの御答弁がないことには、政府は四十七億の減収を来す、あなたの方は減収は来さないであろう、こういうような形においては、われわれはこの法案を通すわけには参らぬのであります。どうかこの点において、あなたの方からいま少し明確な資料を御提出願いたい。このことを重ねて要望いたします。
  26. 大平正芳

    ○大平委員 ごもつともな御質問でございますが、確信をもつて税収の見積りを立てておるとすれば、私がたびたび申し上げますように、入場譲与税法案の附則の修正はいらなかつたのです。地方税から国税に移管するという変化段階でございますので、従つて自治庁の計算にも根拠がございます。大蔵省の計算にもよるべき根拠がございます。また同時に山本委員その他同僚諸君も、それぞれの根拠をもつて主張されております。しかしながらわれわれとして、これが二十九年度の税収であるということを何ら不安なく確信を持つて言明し得る数額を捕捉し得ないがゆえに、入場譲与税法案の改正をお願いいたしたわけでございます。予算は、歳入はあくまで見積りでございまして、歳出になりますと、歳出権が設定されて正確な数字が提示されなければならないのでございまして、地方に渡しまする譲与税につきましては、百七十二億八千万円は必ず国が地方に出すことを保証するということになつておりますので、その点は確信を持つておりますので、たびたび申し上げますが、そういう措置によりまして、ともかくも予算に大きな支障を来すことなく、この年間をなし遂げ得るという確信に基きまして提案いたした次第でございますので、何とぞ御了解をお願いいたします。
  27. 春日一幸

    ○春日委員 これは、あなたの言われることは、論理の空転であるというようなものであろうかと思うのだが、私は私の質問をしておる、あなたはあなたの答弁をしておるということで、これは某君の言うところの馬の前足とうしろ足のけんかみたいなもので勝負がつかない、そういうようなことではこの問題の解決はできません。現実の問題として自由党が、それはまあ世は乱世なんだから、正論を吐いてもなかなか通らぬぞ、こういうことならば、これはちやらんぽらんなということで、これはまた別の問題になるのだが、お互いに正論を尽して、確信の上に立つて問題の解明をしようということになれば、やはり私の質問に対して、われわれが納得できるだけの、国民が納得できるだけの資料を御提出願つて、そうして少くとも政府と与党との意見だけでも調整を願つた形でなければ、われわれは政府の意見を基礎として判断すべきであるか、あなた方の出された見解の上に立つてその結論をつけるべきであるか、これはとても判断ができるものではございません。従いまして、どうか私が納得できるだけの資料、御答弁を願わなければ、やはり同じ質問を繰り返す形になりますので、大平君に対してまことに恐縮でありますが、やはりこの改正案によつて五十億前後の減収を来すという政府の見解を認めるのか認めないのか、認めないならば、その理由はどういう資料によるものであるというその資料の御提出、これを重ねてお願いいたします。
  28. 福田繁芳

    ○福田(繁)委員 議事進行。提案者、なかんずく大平君の純情な、純真な御苦慮の点はわれわれよくわかる。さればといつて社会党の両君の御質問も実に傾聴に値するものがある。なかんずくこれが近日のうちに参議院に参つたときには、衆議院の大蔵委員会の権威にかかわるというような問題も起り得ると思いますので、この際暫時休憩されまして、大蔵大臣をぜひ出していただいて、大蔵大臣と社会党両派との質疑を記録にはつきり残さして、しこうしてこの問題に対する善後処置を講じたいと思います。ただいま大蔵大臣に連絡をとらしめますれば、財務局長会議をいたしておるようで、もう三、四十分たつと来られるようでもございますから、大蔵大臣がお見えになるまで休憩する、そうして提案者は提案者で、提案者全員がお集まり願つてもう少し資料並びに答弁に対する思想統一をそれまでにとつておいてもらう、そうして本日の再開後の委員会で円満にこれをまとめてみたい、かように思いますから、委員長に動議を提出いたします。
  29. 千葉三郎

    ○千葉委員長 いかがですか、ただいまの福田繁芳さんの動議。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 千葉三郎

    ○千葉委員長 二時まで休憩いたします。    午後一時六分休憩      ――――◇―――――    午後二時三十一分開議
  31. 千葉三郎

    ○千葉委員長 休憩前に引続いて会議を開きます。  交付税及び譲与配付金特別会計法案及び修正案を一括議題として質疑を続行いたします。春日君。
  32. 春日一幸

    ○春日委員 それではまず第一番に大蔵大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、午前中いろいろ質疑をいたしておりまして、なおこの問題は、大蔵大臣並びに地方自治庁から大臣もしくは政務次官にお出かけ願つて、そして政府の所見をたださなければということでお越しをいただいたわけでありますが、私どものわからないことは、参議院が予算を審議される過程において、この予算の裏づけになるところの入場税並びに繊維税に対する衆議院の取扱いが、これはもうすでに審議を放棄したのか、あるいは相当の大修正が加えられるのか、いずれにしても雲行きが怪しい、こういうような状況下において予算を審議するわけには参らぬ、だから入場税、繊維品消費税、せめて入場税だけでも衆議院の意思、すなわち具体的に申し上げれば政府並びに与党の意見は一体どういうぐあいのものであるか、それを衆議院の議決を通じて明確に示してもらいたい、こういう切なる要望がありまして、参議院はこの問題のために一両日をとにかくもんだことであつたと思うのであります。ところが政府は、その当時この問題に対して何らの積極的な意思表示をなさることなく、事態の推移を傍観せられておつたわけであります。このことは、すなわち四月三日の午前零時になれば自然に衆議院の議決したところが国会の議決になるという形で、参議院の審議権並びに議決権は圧殺される形になつておつたのであります。しかるにその後昨日に至つて、まるで足元から鳥の立つたように唐突に、この入場税の審議を本委員会に迫つて参られまして、しかもそれに対しては大きな税収入の異動を来すような修正案が与党から提出されて、本委員会にその審議を強行されるに至つたわけなんです。こういうようなことは、この入場税の取扱いをめぐつて参議院の審議権並びに議決権を四月三日の午前零時前においては圧殺した形であり、それから本日からこれを顧みると、与党から出したところの修正案は、大蔵省の推算によると五十億前後、地方自治庁の計算によりますと六十七億八千万、こういうような大きな歳入減を来すので、そういうような予算に重大な関係をもたらすところの法律修正が行われるならば、当然それは予算修正をも伴つて来る。従つて現実にはそういう法律案が昨日本院を通過したわけでありますが、これがもし四月三日の午前零時前にこの衆議院で取扱われると、当然参議院の予算修正にも関連を持つて来るので、わざわざこれを伏せておいて、その峠を越したあとでこういう審議の促進方をやつて参られた。すなわちこのことは、かつては参議院の審議権を圧殺したのであるが、今にしてこれを判断すれば、まさしくこれは参議院の審議権を謀殺したものではないか、こういうことを与党並びに政府当局にお尋ねをしておつたのでありますが、このことは、主管大臣として大蔵大臣の重大な政治的責任にかかわる問題であるので、大臣からこの点のいきさつをひとつ明確に御答弁いただきたい。なぜこういうような修正案を与党をして提出せしめたのか、これは与党がかつてに出されたのであるから政府は知らないといえばそれだけのことでありますが、今や与党と政府とは議会政治において一体をなしておることは何人もいなむことができない。こういうような重大な修正が行われるということは、これはすでに私どもが十日以前にこういう情報を承つて、このことについてはすでに本委員会で論議されておつたことでありまして、当然大臣においても特別に注意を喚起されておつた問題であろうと思います。そこでお伺いしたいことは、こういう修正案が出るならば、参議院の審議権を尊重する立場において、四月三日以前にこういう修正案を出さしめるなりそれに対する政府の態度を決定するなら決定するという措置をなぜされなかつたのか、このことをお伺いいたしたいのであります。
  33. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私どもとしては、参議院の審議権はもちろん尊重いたしております。今仰せになつたような、参議院の審議権を圧殺するとか、あるいは謀殺、さような考え方は毛頭持つておりません。御承知のように私どもは最初から入場税関係の法案の通過を心から切望しておりまして、これがためにあらゆる努力をして参つておるのでありますが、当時予算を修正された三党間にそれぞれ話合いが行われておつたことはあなたのよく御承知の通りであります。但し話合いの結果がまだまとまりかねておつたということが、遅れたもとになつておるのでありまして、それがようやくまとまつたものが過日提案されまして――もつともそのときは改進党の方は御賛成がなかつたのでありますが、それで出たことは御承知の通りです。従いまして私どもとしては、故意にさような参議院の審議の妨げになるような措置は毛頭とつておりません。ただできるだけ御審議を願いたいということで努めたのでありますが、たまたま原案等に対する意見の一致を見ないで遅れたことは、むしろこの委員会等を通じて春日さんの方が私よりよく御存じじやないかと思います。なおお話の中に、大蔵省では五十億前後、あるいは地方自治庁では七十億前後のそれぞれ不足が立つておるが、これは昨日申しました通りに、片方は一年間の計算を立てておる、大蔵省は十二分の十一、十一箇月の計算を立てておるので、そういう相違を生ずるのであります。しかしこれも今申します通り、一応過去の事例に徴して見積りを立てたものが百四十五億、今の十一箇月計算でなつたのでありますが、しかし私どもは実際上どれだけになるか、地方税等が移管されて国税になつた場合にどうなるであろうかということについては、いろいろやつてみましたけれども、私どもは確かと認める推算の上に立つて出したものが一応そうなるのでありまして、現実の問題はそういうふうに、税が下つたものがまた入場料の値下りとなつて影響して参りますれば、これは過去にいろいろな税が下つてかえつて増収があつた等の事例から見ましても、どれくらい入つて来るかということがはつきりわからぬのであります。従いまして、現在のところ何が一番問題かというならば、昨日も申しましたごとくに、一番必要なことは地方に迷惑をかけてはいかぬということでありまして、そこで地方の方に百七十二億八千万予定しておる分をまずもつて確保するという方法をとるために、各種の修正案が出たのであります。それであとの問題は四月、七月あるいは十月、一月でしたか、そういうふうにこれから金を払うようになるのでありますが、そういつたときに実際の事情を見まして、どういうふうになつて行くかということでいろいろ考えたいと思つておりますけれども、ただいまのところそういう数字を的確に見ませんとどういうふうにさしたらいいかということがはつきりいたしません。要するに地方に対して御不便さえかけなければいい、そのかわり中央においてもそういう事態に応じたできるだけの配慮をして行く、こういうふうに実は考えておるのであります。従いまして私どもは、今ただちに予算修正その他のことを伴うものではない、かように考えておりますし、多数のうちには、いや、それは大体政府が予定したくらいとれるのではないか、こういうような御意見等もありますので、これは大体四分の三を払つた時期にはおよそのことがわかつて来るだろうと思いまして、そのときに措置をとらなければならぬかどうか、さらにまた決算が出て参りましたときにとればよいかどうかということは、これから先に残された問題でありますので、ただいま御審議をお願いしておる修正案等はそういうもとに出された次第でございますから、よろしく御審議をお願い申し上げたい、かように考えておる次第でございます。
  34. 春日一幸

    ○春日委員 私が申し述べたいことは、ただ一つこの法律案ばかりではないのでありますが、政府がここへ提案されて参りますあらゆる議案は、少くとも八千四百万国民の生活そのものを拘束して行く重大な問題であるのであります。従いまして、あなたの方がここへお出しになる議案は、政府の責任において確信に満ちたものでなければなりませんし、しかも私どもがあなた方のその確信に満ちた議案を審議する上においては、あまねくその資料をとりそろえて、国民があらゆる角度からこれを検討して、いずれにしてもその決定的な賛否の理解ができるだけのものをあなた方がお示しになる責任があるのではないかと私は思うわけであります。ただいまの御答弁を伺つておりますと、多数の人々の中には、この修正率をもつてしても大体その予算に示されておるような税収が期し得られるのではないかというような考え方をお持ちになつておる方もあるので、従つて別の資料によると、相当の減収を来すというような推算も立つておるが、これはやつてみなければわからぬ、こういうことでとりあえず御審議を願つておるんだというお話でありますけれども、それは少くともこの重大なる予算に対する大蔵大臣の御答弁としては、われわれは了解をいたしかねると思うわけであります。  そこで午前中も申し上げたわけでありますが、相当の減収を来すといつたところで、それが五億や三億ほどならば、これは問題ではありますけれども、とにかく政治問題とか、あるいは予算の修正をも伴うとか、こういうような問題の軽重の差がそこにありまして、われわれの取上げ方もそこでいろいろかわつて来ると思うのでありますが、これは自治庁で「入場税率修正による減収見込額の算出根拠調」こういう正式の資料をちようだいいたしましたところによりますと、いずれにしても十一箇月で六十一億九千万円という減収を来すであろう。(「そんなに減りはしないよ」と呼ぶ者あり)六十一億といつたならば大した金額でなければなりません。こういうような減収を来す、減りはしないということを与党が言つておられますけれども、これは政府そのものの資料であります。山本君のいびつな頭でつくつたところの資料ではない。これは政府があらゆる資料をとりそろえて、国会に対して責任ある立場において出された資料であります。これによりますと六十一億九千万円の減収を来すと言つておられる。こういうような厖大なる減収、これはまさにその予算に関係を持つところの大きな変化であります。従いまして、こういうような大きな変化をもたらすような議案がもしも政府並びに与党で準備をされておるとするならば、そのことは当然参議院における予算審議と重大な関連と持つのだから、すなわち参議院が要求されたときに、相呼応して衆院においてこの議案を審議すべきではなかつたか。それがすなわち参院に対する衆院の道義的な責任でなければならぬし、またそれは予算に対する衆参両院の連帯責任において、当然これは政府が果さなければならないところの義務でなかつたかと思うのであります。こういうような減収を来すということは、自治庁の資料でありますから当然政府内部にわかつておる。わかつておりながらわざわざこの議案を伏せておいたそのことは、すなわち参議院においてそういうような質問が起きて、道理には勝てなくて、あるいは予算の再修正をしなければならない、そんなことになつてはたいへんだから、はれものにさわるような気持でわざわざこの問題を伏せておいたのではないか、さすればそのことこそは、すなわち政府が謀略を弄して参院の審議権を謀殺したことになるのではないか、その責任はまことに重大であるが、しかもそのことは衆院における連帯責任においてそういうことがなされておるということは、われわれとしては看過することができない。従つてこういうような六十一億九千万円もの減収を来すおそれのあるところのこの議案ならば、当然参議院における予算の自然発効以前にそれを赤裸々に参議院に提出されて、あるいは本院にこの修正案をその当時提出されて、ありのままの姿でこれを衆参両院の検討にゆだねる、こういう態度こそ私は民主政治のあり方でなければならぬと思う。そのことをあえてなさなかつた理由をひとつ大臣からわかるように御答弁願いたい。
  35. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 これは先ほども申しましたように、何ら政府が謀略を用いたものでもなく、いわんやあなたの仰せのような謀殺などというのはもつてのほかでありまして、さような考え方は毛頭持つておりません。ただ御承知のごとく、私どもとしては一日も早く御審議をお願いしたいのでそれぞれ努力いたしたのでありますけれども、たとえば修正についても、ようやく修正の話がまとまつたというようなことでありまして、それが遅れておつたために、政府としては国会の審議権をどうこうする力を持つておりません。従しいまして、これはどうも力の及ばざるところで何とも――なぜもつと力を持たぬかと仰せになれば、その仰せをそのまま伺つておくよりいたし方がないのであります。私どもとしては何ら議案を伏せるとか、そういうような考えを持つておりません。ただ、今お示しになった自治庁の数字は、御承知の通り現実を一切かえないで、それだけありのままに、元のものとして下つて参るものとしての計算でありますが、これは御承知のごとくに、入場税その他のものが下つて来れば、はたしてそれがそのまま下るかどうかということは、なかなか推算がむづかしいのであります。従いまして今ちようどあなたがお聞きになつたように、このうちにも、いや何も減りはせぬじやないかと仰せになる委員の方がおありになるように、これはなかなかむずかしいのであります。しかし私どもとしては一応――繰返して申すようでありますが、この予算がどこをねらつておるかと申せば、何といいましても地方に財源を与えるという点にあつて、地方財政が困つてはいけないと思うからそれに対する配慮をいたして、追つてあとのことは、ずつとやつてみまして、徴収した結果がどうなるかということで判断して行つたらよいであろう、そういうところから特に一時借入金等も、今度のこの法案にはさらに二十九年度内に償還する、この一時借入金の償還等の問題や、それから一時借入金はその借入れをしたときから一箇年以内に償還しなければならないというふうなことがいろいろ書いてあるのでありまして、そういうことで実際上の不自由がないようにする、あとの問題は一応の推定ですから、これは当時この資料を出すときに、こういうふうになればこうなるといつた、そのままの数字を右左に移したのが、いわば物をかけるとそういうふうになる、かけたものを引けばそういうふうになると、こういうのでありまして、それがただちに実際の教字として現われるかどうかということはなかなかむずかしい問題でありまして、これは現実御不自由がなければあとでいいことではないか、こういうのが私の率直なるお答えであります。何も理を詰めて、どこがほんとうの詰まつた理になるかということは、実際問題でこれではわかりません。春日さんに、一体この入場税は幾らになるかと言われたら、これはむずかしい、実際非常にむずかしい。そこで申し上げるのは、この税がねらつておるところはどこにあるかという、この税のねらうところに御不自由がないようにすれば、あとのことはまたあとでやつてもいいのじやないか、こう思つております。
  36. 春日一幸

    ○春日委員 私はそんな理論は成り立ち得ないと思うわけであります。今日一兆円予算のそれだけの全額の中で、すべてもう使途が明確に決定をいたしております。従いましてそれだけの税収入はどうしても期さなければ相ならぬのであります。幾らとれるかわからないが、とりあえずやつてみるのだ、とれなかつたときはそのときのことだ、そういうようなことで予算が審議できるものでもありませんし、そうしてまたそんな気持で大臣も御答弁になつておるわけではないと思う。異例の中の異例として、この入場税の問題についてのみ、そういう御答弁を故意に心ならずもなさつておるのだと私は理解をいたしておるのであります。これはどれだけとれるかわからないから、私どもは自治庁に対して資料を要求いたしました。そうすると自治庁から提出されたところの資料は、こういうように税率が減らされれば、こういうような減収を来すであろう、その中には当然あなたのおつしやつたような、あるいは減収になれば安いクラスにおいてたくさん見る人ができようかと、そういう自然増収や自然減損等のいろいろ諸要素を勘案されて、六十一億九千万という減収が出されておると私は思うのであります。すなわち同じ閣内において、あなたは減収になるかならぬかわからぬという御答弁だが、少くとも主管の自治庁の方においては、六十一億何がしというものは減収される、こういう資料があるのであります。私もあなたの御指摘のようにわかりません。わかりませんから、政府に対して責任ある資料の提出を求めたところが、かくのごとき資料が提出された。だからその資料を基礎にして私どもは論じておるのであります。私どもの個人的な即興的な着想によつて、そういうような所論をなしておるわけではございません。だから私どもは、六十一億九千万というものが十二箇月であるとするならば、あるいはこれは十一箇月にすれば相当の、五十億なら五十億になるといたしましても、いずれにしても五十億というものはこれは大きな金額なのであります。こういうような減収を来すものならば、当然あらかじめ予算審議の当初において、予算修正を伴つて参らなければ相ならぬ問題でありますので、私が申し述べることは、せめて三月三日、すなわち参議院が切に要望をしておつた当時において、この入場税法案並びに関連するところのこの交付税譲与税に関する特別会計の法案がここへ出されて来てしかるべきであつた、この主張は、あなたの御答弁を得ても、なおかつ私どもはその疑問を解消することはでき得ないのであります。それはあなたが今おつしやつたように、私どもがただ単に自分でどのくらい減収があるかわからないとかいうような立場ではなく、あるいはまたこの六十一億九千万という金額は私どもがかつてに推算した金額ではなく、政府みずから計算すればこれだけの減収になるんだ、こんな大きな減収になるならやはり予算修正を伴つて来るのだから、予算修正ができる機会をとらえてなぜその責任を果さなかつたか、このことを私は申し上げておる。私どもは別に言いがかりをくつつけて詭弁を弄しておるわけではございませんので、ありのままの姿において疑義のあるところを解明いたしたいと考えておるのでありますから、この点はひとつどうか率直に御答弁を願いたいと思うのであります。
  37. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 実は自治庁の方から出ておりまする数字は、昨日ここでも御説明がありました。よく私どもにわかりかねますが、国税に移管後の大蔵省として出したものは、一応もとのままの数字を根拠にして十一箇月を出した、それに今申し上げたいろいろなことをこまかく計算しませんで一応出しますと、同じ率が下つたので、それだけ下ればどうなるというだけの単純な出し方をすれば、百十五億くらいになる、こういうことは昨日主税局長から詳しく御答弁申し上げておるのであります。なおその内訳については、井上さんに対してだつたか、あなたに対してだつたか、詳しく昨日申し上げておるわけでありますが、そういう次第で、私どもとしては今すぐここで予算措置を要するものでないので、 つまり、それがたとえば十九億二千万円と予定しておる一般会計に入れる分が入らなければ、それは一応入れないことにしておこう、もしまた必要がある分については、二十億あるから、一時借入れができることになつておるから、それで処理して行こう、こういうことに考えておるのでございまして、何も現実の問題として今ここにその必要を認めませんので、もし後日予算をかえなければならぬということが起りますれば、そのときに予算をかえて御審議を願うということはもちろん当然のことでありまして、その節にはこういうぐあいであつたからこれこれになつた、従つてこういう御審議をお願い申し上げたい、こういうふうにいたしたいと存じております。
  38. 井上良二

    ○井上委員 関連……。ただいま大蔵大臣の御答弁を聞いておりますと、この特別会計へ一般会計から繰入れるという修正案をめぐりまして、御存じの通り入場譲与税のもとになつております入場税の税収減について、これがただちに年度当初において税収減が現われるものではない、年度末の最終段階においてはたして予想される税収減があるかないか、万が一税収減があつた場合を想定して、地方財政計画に大きな支障を与えてはいかぬからという思いやりのある考え方に立つて、修正案は出されており、また政府もそういう含みを持つて修正案に同調しておる、こういう御答弁のようでございました。これは予算案の重要な歳入予算のうちの税収入のすべてに当てはまる言葉であります。いずれの税収におきましても、当初に年度どれだけ入るかということは、およその見当はつきますけれども、最終段階になつて予算通りの税収があるか、それともそれをはるかに下まわるかということは、年度末になりませんとはつきりいたさぬことは、これはおそらく常識のある者の考える当然の結論でります。われわれがこの問題を取上げて、ここへわざわざお忙しい大臣の御出席を願つて質疑をいたしておりますのは、そういうありきたりの当然のことを私どもが聞こうといたしているのではありません。少くとも政府は国会に対して予算案を提出する場合に、その予算の歳入の大きな部分を占める税の収入についての見込み予算を提出いたします場合、大体これだけの税は確実に入るという一つの確固たる資料に基いて、そう大きな歳入減を来さない見地から税の関係いたします予算が提出されておるとわれわれは考えております。どれだけとれるかとれぬのやらわからぬというような、いいかげんな、でたらめな見込みに立つた税の収入予算ではないと私どもは考えております。だから他の税収の面におきましては、いずれも年度初めに見込みましたよりもどつちかといえば下目に押えてあつて、毎年年度末には自然増があるということが過去の実績に現われておると思う。この問題になつております。入場税は、政府が最初これならば確実にこれだけの税は確保できる、なお政府が国税に移管をいたします場合は、当初予算に組んである百九十二億をさらに上まわる見込みがつくかもわからぬ、こういう非常に確実な基礎資料によつて政府原案は提出されて来たので、この点は政府としては当然の措置であつて、この点に対して何ら疑義をはさむところはありません。ところが予算が成立した後に参議院にかかりまして、この予算のうちの税収の新税として国税に移管をいたします入場税について修正案が出る、修正案が出た場合は大きな税収減を来すのではないか、そういう点においてまだ保守三党の間に結論がついていないものを、参議院で予算をこれ以上結論づけるわけにはいかない、政府はこの入場税に対してすみやかにどうするか態度をきめて来いということで、参議院で問題になつたことは御存じの通りであります。しかもその問題になりましたときには、これに対する何らの解決案も示さず、参議院に対する政府として責任のある答弁を行わず、政府は責任のがれの、当然予想される自然成立を待つた後に――これが予算成立前に修正案が出されて議論をされているなら問題はありません。ところが予算が成立いたしました後に予算に重大なる支障を来すと考えられる修正案が、しかもあなたの与党から出されておるというところに問題がある。しかもそれが、いわゆる修正案を提案いたしました提案者の説明に、万が一百七十二億を下まわる場合はとありますように、それがわずかに下まわるぐらいならばこういう修正案は必要ありません。予算でありますから多少上下することはあり得るのです。確実に一銭一毛違わずに収入を確保することは、これは困難であります。だから予算という名前をつけてありますその見地から考えますならば、何もこの修正案は必要ありません。多少下まわるくらいのことならば、予算成立後において、予算に重要な関係を持つような修正案をことさら提出する必要が政府与党としてどうしてあります。この修正案を出したという意味は、相当これは大きな収入減を予想されるじやないか、そうなつたら、これをあてにしておる地方の財政計画の上に非常な支障を来して、政府としては責任を負わなければならぬことになるのであろうというところから、政府の予算執行の上に支障を来さないような措置をこの修正案にしておいてとつておることは明白であります。そういう点から考えまして、いわゆる入場税というものが、初めからこれこれの税収減を来すということが明白だという上に立つてこの修正案は出されておるのであります。これは一点の論議の余地もありません。われわれはさような不確実な上に立つて、しかも予算成立後に予算に重大な支障を来す修正が出されておつて、しかもその財源について明確な資料が本委員会に提出されず、いいかげんな抽象的な答弁で、これをもし多数の力で御可決になつて参議院にお送りになつても、それはいいかもわかりませんけれども、かくのごとき国の財政法に基く歳出、さらにまた予算、これを大きな任務として審議いたしております衆議院の先議権の権威に関すると考えております。われわれにかけられた大きな審議権の上に、私は疑いを受けるような審議はしたくない。提案者において、また政府において、これはかくかくの結果になります、だからこの法案は、可決して参議院にまわしても参議院からとやかく言われる筋合いはないというだけの審議を尽さなければならぬ。衆議院としての審議権が疑惑をもつて見られるようなことは、われわれにかけられた任務からいつて私は非常に重要にその点を考えているわけであります。だから結果をまたなかつたならば何ぼ穴が明くやらわからぬというような、そういう逃げ口上で問題は解決いたしません。現実にあなたの所管される主税局において、いろいろな角度から検討を加えられて、五十億近い穴が明くということが明白になつて来ている。そういうような穴の明くものを、一方において提案者は、それほど大きな欠陥はない、こういう説明をしておる。そうしてその具体的な明かな資料をお出し願いたいといつても、何らそれを裏づけるところの資料は提出されません。ただ数人がお立ちになりまして、言葉はいと丁寧でございましたけれども、何ら科学的にわれわれを納得さすような御答弁がございません。そういうような不確実な根拠による、当然その財政計画や予算に支障を来す案を政府がそのまま承認するということは、国会の審議に対してはなはだ軽率ではないか。大蔵大臣としてもかような修正案に唯々諾々として同意を与えたということは、大蔵大臣の財政上の責任として重大ではないか。私はかように考える。だから、結果をまたなかつたら何ぼになるかわからぬということでありますならば、それなら他の税収は、みなそういうでたらめな、いいかげんな根拠に立つて税収見込額を押えられておるのでありますか、私はそんなものじやないと考えております。相当確実な資料に基いて年間策定される収入を把握して、税予算というものは出されておる。そうじやなかつたら、歳出は計画通り行い得ないようなことになりますから、これは国の予算の構成の上から非常に重大な問題になつて来ます。そういうばかなことはあり得ないと思います。依然として大蔵大臣は、最初からそういう税収減を見込む必要はない、年度末になつて調整をしたらいい、この税に限つてはさようにお考えになりますか。その点を明らかに願いたいのと、他の税収も入場税と同じような不確実な状態において予算は組まれておりますか。私はさようじやないと考えますが、私は事務当局の真実なる行政事務を信用せぬというのではありません。私は信頼をしていいと考えている。そういう面から今の大臣の御答弁は、はなはだ政治的にして、かつこの場をうまくのがれたらそれでいいというような疑いを持つがごとき印象をわれわれに与えますし、少くとも財政上の最高責任者たる大臣の答弁としては、納得が行きかねますから、その点はひとつ正直に御答弁を願いたい。
  39. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 すべての税につきまして、政府としてはあとう限りの確実な資料に基いて、これを積算した数字を出すことは当然でありまして、すべて予算がさように相なつております。しかしその予算がそのままでないことは、井上さんの言われた通りでありまして、これは予算であつて、決算的に見ますと相当増額するものもあれば、あるいは場合によつて若干減額したようなものも過去においてはあるのであります。しかしながら今仰せになりました入場税の問題について申しますと、これは御承知のごとく、元のは一応そういうふうに積算した数字が十一箇月分として百九十二億を予定したのでございましたが、しかしその後こういうふうに修正をされた。これが一体、そういう修正率が下りましたときにどういうふうに入るかということは、まつたく見込みに属するのであります。そこでそのままの率をかけてみると、大蔵省の調べでは百四十五億ほどになる、こういうことになつておるのでありまして、しかもこの数字がどうなるかということは、私はあとにならなければわからぬじやないかというので逃げておるのじやない。これで百四十五億と出したのは、そのままの率でかけてやるとそうなるのでありまして、ほかにちよつと出しようがないものでありますから、そうしたのであります。たとえば今申し上げました通り、入場料が安くなつて来たから、それじやよけい入るか、これをどれだけ見たらいいか、これはなかなかむずかしい問題でわかりませんから、そういうふうに申し上げておるのであります。  なお参議院の審議権のことについていろいろお話ございましたが、私どもさような考えは毛頭持つておりませんし、また参議院がどういう態度でこれにお臨みになつたかは、この際私は一個の衆議院議員としても、また政府当局としても、一切批評がましいことは避けたいと存じます。  なおこの問題で、大蔵省が見ても五十億ほど穴が明くじやないか、それならひとつここで予算を編成がえすべきじやないかという意味のお話が強く出ておりましたが、これは実は私どもはそう言わないので、この予算が持つておるねらいどころが、その入場税の譲与税を地方に百七十二億八千万円与えて、そうして財源の調整をするという点にあるのであるから、この点に支障がないようにいろいろの法律処置をとつておりますので、その点に支障がないなら、あとの問題は一般会計の問題でございまして、今すぐにどうこうというわけではございません。国としては大きな自然増収を生ずる場合もございます。足らぬがために、この間のように二十八年度のわずかに二十八億の予算を補正予算としてお願いしなければならぬ場合も出て参ります。従つてそのときにこれはもちろんやるべきである。こういうふうに考えておるのでありまして、決して今すぐ五十億見込みが違うと政府が見ておるなら、お前なぜ予算を組まないのか。これは私は、予算がえをしなければならないかというお話に対しましては、一般会計が一兆にも上るときでありますから、私はそこまで行かぬでも、当然国の施政をやつて行くのに処理し得るのでありますから、そのときにいよいよ足りなかつたということがはつきりいたしますれば、たといそれがどういう金額でありましても、国会に提出して御審議をお願いするのは当然のことだと考えております。
  40. 井上良二

    ○井上委員 大分話がわかつて来たのでありますけれども、問題は、あなたは入場税は九割を地方へ委譲する、その委譲した部分においてうまくあんばいがつけば、別に予算にも影響はないことであるから、その委譲する部分の百七十二億円の限度に狂いがなければいいじやないか、こういうお話です。そこに多少私どもと考えの違うところがございます。百七十二億の地方へ委譲する金額が二十九年度に狂いがなければ問題はない。ところが実際は、入場税がそれだけ改正案によつて入らないということが予想され得るから、修正案が出て来て、そこで足らぬ分は一般会計から補填をする。こういうことになつておるのであります。そこで地方団体に渡しますのは、三回にわけて渡すことになつておるようでありますが、だから一番最終の三月ならぬとどれだけの穴が明くやらわからぬから、三月になつて見て大きく不足があれば一般会計から渡すし、そうでなければ特別会計の中で一時借入金しておいてでもよい。こういうつもりでおるようであります。だから今予算を修正するの、また予算に大きな支障を来すの、そういうことは考える必要はない。こうあなたははなはだ楽観的にお考えのようであります。私どもの考えますのは、その第一期の地方へ渡す分、第二期に渡す分、また第三期に渡す分、いずれもがその期間にどれだけ入場税が入るかということになろうかと存じます。従つてたとえば政府の方で第一期分の地方へ渡す分を、法律の規定によつて、たとえば最初十億しか渡さない。税がそんなに入るまいと思うから、十億しか渡さぬ。その次は二十億にふやす。その次はまたよけいやるというように、初めに地方に渡す部分をできるだけ少くするということになりますならば、なるほどお説のようなことになるかもしれない。もしさような手心を政府が地方へ交付をする場合に加えられたときには、地方がこれを見込んで財政計画を立てておりますと、その財政計画は執行できなくなります。そういうようなことからいたしまして、なるほど予算執行の上における政府の都合のいい考え方から地方交付についていろいろな策定をいたしますならば、政府は年度末において調整をとつたらいいということになろうと思いますが、少くともわれわれの考え方から行くならば、やはり百七十二億という、入場税の地方へ渡す分だけは完全に入つて来るという建前のものでなかつたならば、国民は納得しないじやないか。それがあなたがおつしやるように、百四十何億しか入らぬということならば、この地方交付も百四十何億に削つて、そのかわり他の方面において、たとえばタバコ消費税であんばいするとか、あるいは他の譲与税や交付税等であんばいをするという方法を考えるなら別です。それでなしに、依然として百七十二億という基礎を置いて、その百七十二億は入場税で行くのだという建前をとつておりますから、われわれとしてはあくまでそれは一般会計から繰込まなければ百七十億に達しないという確実な基礎に基いての議論をいたしておるので、抽象的な議論をしておるのではないのです。だから一般会計から繰入れるということになれば、一般会計のどこからどれをどう持つて行こうとするか。政府が自由にやれるのは予備金だけしかない。しかし予備金はそういう面に使うべき筋合いのものと違う。そういう点から考えて行きますと、一体どこからこの金を繰入れようとするかということになりますから、私は、政府としてはこれに同意をした重大な責任が生ずると思う。何ゆえに一体原案を固持しないのか。それなら何ゆえに原案を政府は出したのか。政府みずからこの原案を出すについては、与党たる自由党に十分相談をして、政調会なり、総務会なり、代議士会等において承認を得た上で国会へ提出している。それが国会の末期になつて来て、党内でうまくまとまらない、かつ国会の審議が円滑に行かぬという見通しの上に立つて修正案を出されて来て――これが大蔵委員会全体の修正案として出されるならば、また国会の意思ということがあり得るけれども、政府みずからの案を承認した与党の中からそれが出されている。しかも大きな歳入減を来すようなことをされて、それで一向責任を感じないで、のらりくらりと小笠原式の舞を舞うか歌を歌うような式にものをやられておりましたのでは、これは私どもも参議院の笑いものになりますから、この点のけじめだけははつきりして行きませんと、もしこれが両院協議会になつて、衆議院の大蔵委員会は何というぶざまなことをしたのだと言われたのでは、われわれ大蔵委員の任務が果されませんから、そういう点について、えらいしつこいようですけれども、所管大臣の責任ある答弁を求めておるわけです。少くとも税収入の減が年間相当大きな部分を占めて来る、これを一般会計から出すという修正案を政府が同意をした以上は、どこから出そうというのか、それを伺いたい。
  41. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 一般会計予算に対する影響の問題としてお答え申し上げます。それにはもちろん新税率による入場税の税収入額がどのくらいあるかということが前提でございまして、これにつきましてはいろいろ御議論があるはずでございますが私どもといたしましてはできるだけ多く入ることを望んでおるわけでありますが、この問題はしばらくおきまして、かりに不足があつた場合には一般会計にどういう影響があるか、そういう問題としてお答え申し上げます。   〔委員長退席、内藤委員長代理着席〕  本日のこの修正案によりますと、百七十二億八千万円は二十九年度の譲与税として、いわば国が一般会計から、保証をしたようなかつこうになるわけであります。それと現実の収入額との間に差があります場合には、差額は一般会計で負担する。差額の埋め方に二通りありまして、第一には入場税収入の一割に相当する部分、これは平年度におきましては一般会計に繰入れられることになつておりますが、それを繰入れないでその差額にまず充当する、これは一般会計に対する影響は歳出面では影響がないわけであります。一般会計の歳入があるいは減少するかもしれませんが、それだけの影響にとどまるわけでありまして、それだけの影響にとどまる限りにおきましては、ほかのいろいろな歳入についても同じような問題がありますが、他に増収のあるような歳入があるかもしれませんし、それもないということでありますならば、これは歳出の節約に努力しなければならない、そういうような影響にとどまるわけであります。その次に、それを充当いたしましてもなお不足がある場合は、これは一般会計が負担するわけでございますが、その額が一体どの程度になるか、これは正確に申しますと、二十九年度の経過をまたなければ正確な計算は出ないわけであります。従いまして昭和三十年度においてその不足額を確定し、これを一般会計から繰入れるということになるのが常道であると存じます。あるいはその前に補正の機会がございまして、そのときに不足が生ずるということがもし明瞭であるといたしますならば、そのときに措置を講ずるという場合も十分に考えられるのでありますが、理論的に申しますと、不足額は確定した後にこれを補填する措置を講ずるということになるわけでありまして、そういたしますと、昭和三十年度の予算でもよいということになるわけでございます。そうしますと、一割の部分を充当してもなお不足がある場合には、地方団体がお困りになるわけでございまして、それでは地方財政の円滑なる実行ができません。そこでこの会計には一時借入金の規定がございまして、この借入金は、本来ならば年度内の歳入をもつて返すということになつておつたのでございますが、万一不足を生ずる場合のことを考えに入れまして、この一時借入金は年度内の歳入で返せない場合には、もう一年借りかえて三十年度の歳入で返してもよろしい、そうしますと、三十年度にかりに一般会計から繰入れるといたしますれば、そう繰入れた金額で借入金が返せるわけでありまして、この一時借入金が不足財源の補填に一時的に使用できるわけでございます。そういうような修正が提案せられておるわけでございまして、この規定の運用によりまして、年度内は、かりに入場税におきまして相当の減収があるといたしましても、おそらく新しい予算措置をまたないで何とかしのいで行けるのではないか、さように考えておるわけでございます。どこから入れるかというお尋ねでございましたが、これは予備費から入れてよい性質のものではございません。入れるといたしますれば、やはり新たな予算措置がいるわけでありまして、これは目下のところ三十年度になる可能性が多いのじやないか、さように考えておるわけでございます。
  42. 井上良二

    ○井上委員 大分わかつて参りました。問題は、そこで政府の国庫に入つて参りますつまり一割分、これを不足の場合は政府がとらずに穴埋めに使う、こうおつしやる。あなたの方は百九十何億の一割分、こう考えておるのだが、これは税収減がございますからそんなに入りません。だからこれはたかだか十四、五億入つたらいいところであろうというふうになりはせねかと考えております。  それから次に、あともし穴があいて地方財政に御迷惑がかかるといけないから、御迷惑がかからぬようにするためには一時借入金で行く、こういうお話でしたが、なかなかうまいところへ逃げ込んだものですが、その一時借入金で行くというのは、どこから金を借りるのですか。そうして一体金を貸す予算的措置はどこにきめてありますか。それから利子は一体払わないでもいいのですか、その利子はどういうことになつておりますか、それをひとつ御説明を願いたい。
  43. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 初めの十九億の問題でございますが、これは十九億あるはずです。と申しますのは、逆に申しまして、税収入が百九十二億の一割引の百七十三億くらいまである限度においては、その十九億を国庫が犠牲にすればちつとも御迷惑をかけないわけでございますから、十九億が十九億使えるわけであります。減りましたものの一割ということでないのでございまして、当初予定しております百九十二億の一割、この分を国庫が忍べばまず十九億はしのげる。すなわち百九十二億の一割減の百七十三億くらいまで税収入がある限りにおきましては、国庫が十九億をがまんすることによつて地方の収入は確保される、こういうことになるわけでございます。  次の一時借入金でございますが、これはおそらく国庫の当座預金の振りかえ使用ということになろうかと存じます。この利子は予算に計上してございます。予算総則によりまして借入れ限度を予定いたしまして、それに相当する一定時期の利子は本会計の予算に計上してございます。
  44. 井上良二

    ○井上委員 ただいま借入金の利子を予算に計上してあるというのですが、借入れ限度がきまつていないものに利子だけ予算に計上しているというのはどういうことです。
  45. 森永貞一郎

    ○森永政府委員 会計法の規定によりまして、二十九年度に限つて――これは今回の修正部分ではなくて原案でございますが、一時借入金をすることができる。その一時借入金の限度額につきましては予算をもつて国会の議決を経なければならないという規定がございまして、これは先般衆議院で可決され成立いたしました予算の予算総則に二十億円と定められております。それの一定時期の利子を本会計の予算案に計上いたしておるわけであります。   〔内藤委員長代理退席、委員長着席〕
  46. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 大蔵大臣にお尋ねします。私率直にお尋ねしますから、大蔵大臣もひとつ率直にお答え願いたいと思うのです。  入場税を国税に移管するのは、これはきまつたことなのです。そうすると、それを地方に九割返すということになるのですが、これは結局国からもらうことで、地方の自治財源というものはなくなつて行くわけです。そういうことがだんだん地方の自治財源を枯渇さして行くことになつて、陳情行政というふうな元を開く心配が強く出て来るのじやないか、今見ても、府県ではみな東京へそれぞれ事務所を置いて非常に陳情が行われておる。地方の財政が苦しいから、今まで平衡交付金をくれくれと中央へ来ておる。そういうようなときにおいてこういう措置をとることは、陳情行政の元を開く心配がありはせぬか、こういうことを私は考えざるを得ない。ことにいま一点は、税金というものは、私どもがここで議論している問題でなくて、納める身になつて考えなければならぬと思う。そうした場合に、非常に苦しい中からみなそれぞれ税金を納めて行く、従つてこの税金に対しては権威なり信頼性というものを強く持たして行く必要がある、持たせなければならない。そういうことから今までの政府の施策を見て行くと、遊興飲食税でもあるいは繊維税の問題でも、たとえば遊興飲食税はとりやめになつた、繊維税は一転し二転し三転もしている。今度の場合も修正されている。こういうぐあいに政府に確固たる信念がないような感じを与えることは、税に対する信頼感を失わせる心配がありはせぬか、そういうことに対して大蔵大臣の御所見を承りたいというわけであります。
  47. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 これは御承知のごとくに、今度は入場税の収入のうち九割を地方の譲与税会計へ入れるということがはつきりいたしておりまして、金額がきちんときまつておりますし、またその配分の方法も人口別によつて配分するというのでありまして、今お話になつたように、東京まで行つて運動しなければならぬというような今までの事情と違いまして、はつきりと自分の人口はこれであつて、九割もらうものはこれだということがはつきりいたしますので、御懸念になつたような中央集権的のことは全然ないと私は考えております。それから税に対する信頼感についての問題でございまして、これも率直に言わしていただけば、政府は原案が成立することを心から希望しておるのでございますけれども、国会の権限でもつて御修正相なることに対して、これは政府はその程度でどうかということでございます。今度の程度であれば、これは政府の方でも御同意申し上げる、こういうことにした次第で、もちろん修正なしで行けばこれに越したことはなかつたことは申すまでもございません。なおこの税に対する信頼感は、あるいは税の徴収とか、あるいはこの税の配分とか、そういう点によく現われて来ると思いますので、新しい今度のこういう譲与税式な方法をとりました関係上、これらの点については十分注意いたしたいと存じます。なお私の今申し上げた点において足らぬ点は、主税局長からなお補う点があるかと思います。
  48. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 重ねてお尋ねします。この問題はまさに九割地方へ還元されるわけですから、この問題について、私どもはこれから陳情行政が起るとは思つておりませんが、今後政府がいろいろなもの、たとえば遊興飲食税、あるいは何税と、地方税をこういうふうに中央集権的にやつて行つてしまえば当然結果として起つて来るのであつて、この問題だけを言つておるのではなくて、そういう心配がこの一点に私は考えられるからお尋ねしたわけであります。これを非常に率直にお話いただいたのでけつこうだと思います。  次に今大臣は、原案が通ることが最も好ましいことである、こう言われたが、これについては別に何も言うことはないが、政府がせつかく出した原案で――これは出すにあたつてそれぞれ機関にかけて審議されたことだろうと思う。従つてこれを与党が――与党ばかりではありません。八名の日本自由党が入つておりますけれども、少くとも大多数の与党がこれを修正するということは、私は非常に遺憾であつた。そのことが今日までこの入場税の問題を紛糾させた一つの原因をなしておる。こういうことは、私は与党として厳に慎まなければならない問題だと思います。  それからいま一点お尋ねしたいと思いますのは、私はここでちよつとふに落ちないところがある。あるいは私の聞き違いかもしれませんが、これを修正して行くことによつて、自治庁の方では六十億くらいの減収になるのじやないかと言われておる。それから主税局の方では四十六億くらい減収になる、こういうふうに一応見ておられる。ところがこの修正者の側の方では、減収にはならない。先ほど山本先生のお話を聞くと、これは増収になるのだというような説明を聞いておる。そこで、こういうふうに自治庁や主税局の方では減収になる、但しこれははつきりわからないのだからいいのですけれども、一応減収になるであろう、こういうことである。ところが修正者の方では増収になるということで修正なさつたと説明を聞いておる。そこでこの点をひとつはつきり願いたい。修正者の方では、これはあやまちであつたのだ、増収にならないのだといえばそれでいいのです。修正の方は通つたのだから、従つて政府はこれは増収になるということを一応見込んで同意をなさつたのか、この点ははつきり願わないと私の方で困る。
  49. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 これは、私は実は昨日提案者として大平議員が御説明になつたのをここで聞いておりましたが、たしか小川さんもお聞きだつたと思います。その際の説明としては、一応百四十五億で減収になると見積られるという趣旨のお話がありました。しかしどれだけ減収になるかということについては、相当また多く入つて来るという見方等もありましてという、見方等もありましてぐらいの意味に私は当時伺つておつたのであります。なお政府といたしましては、先ほど申し上げた通り、今まで自治庁が地方税として扱つておりましたときの実績から見まして、そのまま率が減つたものとして計算するとああなる、これは一年計算であります。それから大蔵省の方の調べは、これを国税に移管する場合として、今までの他の国税等に対する徴収の割合等から出しまして、今まで百九十二億と見ておつたようでありましたが、それをかりにあの税のまま減つたものとしてかけたものをすぐ計算しますと、そうなるのですが、先ほど申しました通りに、安くなるからよけい入るという見方等もございまして、この点についてのはつきりした見通しも立ちませんので、この点は多少余力を存した言葉として申し上げた次第なのでございます。
  50. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 よくわかりましたが、先ほどの大平さんの方は、まさに今大臣が言われたような御答弁、しかしながら山本さんも提案者の一人なんです。山本先生からは増収になるという答弁を私は午前中にお聞きしているのです。この点がはつきりしてないといかぬと思う。  それから私の考えでは、これはまさに入場税のことですから今大臣が言われたように、おそらく見込みが立たないだろうと思うが、一つの通念としては、税率を下げるから、入る人がよけいにならない限りにおいては、これはふえるはずはない。だから私は減ると見ていいと思う。入場税の問題は通つたのだから、ある程度減収があると見て予算を立てるのが当然じやないか、下げるからよけい人が入つて来る、だから税収がふえるだろうというのは、風が吹くとおけ屋が繁昌すると同じようなりくつになつて来る。そういうふうなことでなく、この点は修正者と政府との間で意見を一致して答弁してもらわないと、私どももこれに賛成するにしても、その立場をきめられないことになつて来る。
  51. 大平正芳

    ○大平委員 私の申し上げましたことをもう一度正確に申し上げます。つまり二十九年度の入場税の税収の見積りを推算いたします場合には、小川委員も御承知のように困難な事情があるわけです。それは地方税から国税に移すという事実でございます。自治庁や大蔵省の方でおのおのの根拠によりまして計算されますと、きのう両当局から御説明があつた通りであります。われわれはそれが間違つておるというわけでは決してないわけです。ただこれは景気の消長や、あるいは税率の軽減に基きます消費の増等不確定の要素もでざいますし、また基礎のとり方によりましてはもつと税収があるということも、あながち否定ができないわけでございまして、先ほどから大蔵大臣が申されております通り、この税のねらいといたしまして、百七十二億八千万円という金はどういたしましても地方に渡さなければならぬ金でありますので、万一不足が生じた場合の処置はお願いしておかなければならぬというので、入場譲与税の不足の場合の改正をお願いしたわけでございます。さよう御承知を願います。
  52. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 よくわかつたことにします。そこで今大平委員の御説明はいろいろのとり方があり見方があるから、そうなるだろうというお話であつたが、先ほど山本委員は、非常に確信のある形で、減収にならないということを申されたのです。減収にならないならば、これはいいじやないかと私もそう思つておつたのです。そこで山本委員は減収にならないと午前中申されたその御説明の途中で行かれたので、この点をお尋ねしたいと思う。
  53. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 われわれ提案者といたしましては、もちろん税収は減らない、こういう確信を持つて提案したのです。しかしながら自治庁方面とか、あるいはほかの根拠から心配される方があるので、こういう方の心配に対して、確信と申しましてももちろん未確定要素というものはこれは避けられぬのであります。それで、そういう人が安心するように今日提案いたしましたああいう修正案を出したわけでございます。私の確信の根拠がどこにあるかということは、先ほども簡単に申しましたけれども、経済審議庁の出しております経済白書というのがあります。この一番終りの方に、日本の人口一人当りの一年間の映画館の入場数というのが出ております。これによると、二十六年度から二十七年度は一年間に大体一一%ばかりふえておるのです。このままの率でふえるかふえないかということもはつきり申せませんけれども、大体そういうふうな標準で参りまして、人口一人当りの入場数というものから推定いたしますと、二十九年度の入場者の総延べ人員は九億四千三百三十四万七千五百人という数字になります。大蔵省から伺つたのでありますけれども、大体これまでの入場料の平均がどのくらいになつておるだろうかという点でありますが、税込みの八十四円というのが大体平均だということが一方で出ておるのであります。そういたしますと、八十四円というものが、新しい税率によりますと二割の税でありますから、入場料七十円で、税が十四円ということになる。八十四円を分析いたしますと、入場料は七十円、税が十四円、これを延べにかけますと、百三十二億円余りになります。ところが御承知の通り、映画と映画外の入場料の比率が大体において八割と二割、こういうふうにこれまでもいわれておるのでありますから、これを〇・八で割りますと、百六十五億八百何十万円という数字になります。ところがここで多少未確定要素がありますが、大蔵大臣から、税が下れば入場料が下つて云々という御説明もあつたようでありますけれども、私は、税は下つても必ずしも入場料は下らない、これは井上さんは、私が下るように言つたというように誤解されておりますが、私は下るように言つておりません。ただ従来百円でやつておつたところは九十五円に下る。これはそろばんずくでありますから、百円で三割の税を払うというときの手取りと、九十五円で二割の税を払うときの手取りを比較いたしますと、九十五円で二割払つた方が手取りが一人について六円多いのです。これはおそらく九十五円に下げるものが多かろう。しかしその他の点においては必ずしも下るとは思いません。しかし減税によつてゆとりができますと、従来税込み六十円の館でありましても、六十円のままで八十円で使つておつたような映画を使うことができる、あるいは百円の館で百二十円の映画館に使つておつたような映画を使うことができるようになります。そういうふうに映画がよくなりますと、黒金君も説明いたしましたように、われわれ自身の経験から見ましても、つまらぬ映画だと金をくれても行きたくないが、いい映画だと二度も見たいということになります。そうして入場者の入る席の数は大体きまつておりますけれども、しかしながら満員に満員と続けば、これは今日の税収額の何倍かになるはずです。ですから場所はいい、こういうふうにゆとりができますと、いい映画が来るということになつて二割くらいはふえるものです。そうしますと百九十八億一千万円余りになる。これを十一箇月分、十二分の十一をかけ、さらに地方に譲与する〇・九をかけますと、百六十三億四千三百四十九万何千円となる。こうなりますと、今の百七十二億に比べますと、八億五千七百万円ばかりの減になります。しかしこれは数字として出ますけれども、大した減少ではない。もしこれが今後税の変化によつて九十円というふうになりますと、入場料が七十五円、それに税が十五円となります。同じような方式で計算をして行きますと、地方に譲与すべき額が百七十五億一千万円となります。そうすると、百七十二億よりも三億円ふえるのです。これが税込み九十円となるだろうか、それともこれまでのように八十四円であろうかということは、なかなかむずかしいことですが、ならないということもなかなか言えないし、なるということにも未確定要素は入る。ことに今後、映画がだんだん悪くなるとは思いません、映画会社にも、ゆとりができる。そうするといい映画がだんだんできて行くと思います。もちろん先ほどおつしやつた通り不景気もあります。しかし不景気で気分晴らしに映画に行くということもあります。私は、一家族楽しみに行くのに、今日の貨幣価値から申しまして、税込み百円以下、九十円くらいのところは、そんな無理な推定ではないと思う。皆さんはお帰りになりまして地元で聞いてごらんになればわかりますが、地方では、五割の税の中で一割より払つていない、あるいはそれだけより払えなかつたというふうなところも相当あるかのごときことを耳にする。あるいは一割五分、二割というところは、地方でかなりいいところであるということも耳にいたしております。もしこれが事実であるとすれば、形の上では五割であれ――井上さんや春日君のような富裕府県の大都市、中小都市では、これは確かに四割五分も四割も納税が行われておりますけれども、東京のようなところでも、場末などでは一割五分ないし二割というふうなものも少くないということです。これは共同提案者であるわれわれの方の中村梅吉君が、自分の選挙区の実態をつぶさに見た結果、減らない、こういう結論をやはり出しておるゆえんであります。
  54. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 今山本さんは、経済白書の天文学的な数字を出していろいろ話されましたが、小川君の聞いておりますのは、政府の方の出しておる、また話しておりますのと、あなたの話しておられることとの間に大きな相違がある。あなたは増収になると言う、政府は減収になると言う、その結論をあなたにはつきり聞かしてくれというのがその趣旨なのであります。長長しい説教よりも、その点を率直にあなたに答えてやつてもらいたい。
  55. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 これは先ほど申す通り未確定要素というものが非常に多いのでありますが、計算の方法が違う。だから同じ政府と申しましても、自治庁の方の計算の基礎と大蔵省と違つておるのは、おそらく計算の基礎が違うからだ。しかし大蔵省自身がこれまで五割の税をあれだけ減税しても、税の全体のトータルの収入は減らない。こういうことを見ておりますのは、結局税を下げても減らないということでありますと、逆に申しますと、上げたからといつてふえるとは必ずしもいえない。そうすると、上げたといつてふえるとはいえないかわり、減ることもなかなかむずかしい。ですから私のような計算の仕方をするのと、大蔵省のように映画の配給所を調べて、そうして映画代の倍が水揚量だ、つまりその半分は映画代、その残りの半分から税金を払い、経営費を償つておるというのも一つの算定の基礎ですよ。しかしそれはよその方です。
  56. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 それはあなたのおつしやるように、政府の方の見方。また計算の方針といいますか、あなたの方の計算の仕方は仕方が違う、こうおつしやる。その計算の見方、仕方の違うような、あなたが自由党であつて、自由党が内閣をとつていて、そこで大蔵省との関係において完全な打合せをせずしてこの修正案を出したというようなことはけしからぬ。そんなわけのわからぬ修正案をわれわれが承認するわけにはいかない、その点ははつきり答えてもらいたい。
  57. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 久保田委員がただ反対せんがために反対するのなら、これは別問題だ、そういうことではないでしよう。ほんとうの実態から申しますと、私はこう思うのですよ。一体この入場税の問題については、地方的な財源の偏在を是正するということも一つの問題、それから地方自治の問題も大きな問題、いろいろ問題はあります。地方の消費者の立場から、文化的に見る見方もある。いろいろ問題はありますけれども、それの問題の中で軽重本末というものをまず考えなければならぬ。軽重本末を考えた場合に、何が一番大事かというと、私は今日業者が消費者から前取りで全部税金をとつておるのに、その税金を大多数の者が、納付できないというようなこの事態を救済する案でなければ、これはどんな案であつても、この点一点で解決する力がなければだめだ。だから税収が多いか少いかよりもこの方が大事だ。そこでわれわれは政府の案並びに改進党の床次案、それから社会党の諸君もそれに賛成されましたけれども、あの税率で行きますと、なるほどこれまでの五割よりは下つておりますが、地方では一割ないし一割五分より納められない、それ以上納めることはつぶれてしまう、地方によつては三分の一くらいつぶれてしまう。こういうことでは、生きるがためには納税は履行できぬというふうな事態ができる。だから矛盾があるかもしれません。あなた方だつて、これはもうやむを得ないのです。
  58. 春日一幸

    ○春日委員 ただいま山本委員の御答弁の中に、現在地方税で徴収されておるこの入場税は、ほとんど映画館の脱税によつて映画館が経営されておる。従つてほとんどそれが脱税によつて行われておると言つて、ほとんど全国の映画館経営者たちをどろぼう呼ばわりされたわけなんです。私はこれはまことに重大であると思う。われわれは本件については、すでに公聴会を開いて特に地方の県知事並びに税務事務所の責任者の意見を聴取したのであるが、その公述されるところによりますと、佐賀県のごときにおいては、県庁職員がその窓口へ一日に三回くらい行つて、そうしてこの地方の財源貧困のために、実に苛斂誅求と思われるくらい取立てて生きておるというようなことを言つておる。さらにはまた東京、大阪の税務事務所の意見を徴してみましても、この六箇年間の訓練陶冶によつて、すでに脱税とかなんとかいうようなことはかつてのことであつて、現実には、十割当時のときにはそういうようなきらいがなくもなかつたのですが、そういうような公序良俗、法律違反という基礎の上に立つてこの税法ということがずいぶん問題になつて、一両年前にこれが十割から五割に減つて来た。従つて現今においては、ほんとうにとり過ぎるほどとつておるのであつて、巷間非難を受けておるような脱税の事実は断じてない、こういうようなことを言つておられる。しかも業者代表の陳情等においても、そのことが特に述べられておる。われわれはこの公の席における責任者諸君の陳情を、やはり一般的な基礎にして検討を加えて参つておるわけだが、それにもかかわらず、自由党はこの修正案を出す基礎として、全国の映画事業、映画館の経営はほとんどその脱税の上に立つておるということであるが、はたしてその通りに考えられておるかどうか。これは事がまことに重大であるから、責任ある御答弁をひとつお願い申し上げます。
  59. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 私は先ほど軽重本末ということを申しましたが、問題の軽重本末を考える前に大切なことは、事実の認識をはつきりすること、事態をありのままに見た上で対策を立てなければ、これは何にもならない。ですから私は事態を見まして――なるほど五割の税を五割きつちり納めておる館もあります。またそういうものが比較的多い地方もある。しかしひどいのは、一割くらいより納められていないところもあるやに聞いているのです。それはいろいろです。
  60. 春日一幸

    ○春日委員 ぼくの答弁をしてください。
  61. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 いろいろです。
  62. 井上良二

    ○井上委員 ただいま山本氏の提案者としての説明は、自信を持つての答弁かは存じませんが、われわれ聞く者とすると噴飯にたえません。あなた自身政府与党におけるきわめて勤勉篤学の士だ、そのあなたが一生懸命に資料を集めて、この基礎によるならばこれだけの税収があるという確信を持つて、この国会の委員会で提案者を代表して答弁をされるほどならば、なぜに一体その資料に基く算出の基礎を政府に話をしないのです。あなた一人そう考えておつたつて、あなたの隣にすわつておる大平君も政府の説明を大体において納得し、万が一不足を生ずる場合があるからということに答弁をされているのです。大平君の場合は、政府の算出の基礎を大体承認の上に立つているのです。ところが同じ提案者であるあなたは全然それを反対しているのです。そんなべらぼうな話が一体どこにありますか。あなたがそれほど自信があるならなぜ政府を説きつけないのです。政府は一体どちらの算出基礎によつてこの修正案に賛成をしておるのですか、大蔵大臣はどうお考えになりますか。これが一点。  それからいま一つ聞き捨てならぬのは現在の、これまでとりました地方入場税が、非常に経営が困難なために脱税をしておるということをあなたは本委員会において申されたが、その具体的な事実はどこにあるのです。もしさようなことを本委員会で発言をされた以上は、この税の徴収は地方団体がやつているのです。これを監督しておるのは自治庁長官であります。自治庁長官は、ただいま山本君が、いわゆる一部館主は入場税をごまかしておるかの印象を与えることをこの国会の席において申されたのでありますが、さような事実がありますか。もしありとするならば、地方団体は館主と共犯関係が成り立つので、事重大であります。これは単にそこらのわけのわからぬ人が発言したのと違つて、少くとも国会として、しかも与党の提案者たる委員がかようなことを発言するということは、非常に事重大であります。軽率ではありませんか。だから自治庁次官は、かくのごとき事例があるのかないのか、あるとするならば、それと共犯関係にある地方団体はどこか、これを明確にひとつ御答弁願いたい。
  63. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 入場税の算出の仕方については、これはいろいろあると思います。私どもは山本博士の言われることも一つの何と思いますが、しかし大蔵省は多年大蔵省でやつて来ておる税務の行政の線に基いて、それの積算の上に立つて申しておるのであります。この入場税については、先ほど申した通り、一応今まで出した百九十二億のものを、もしあの下つた率でそのまま計算すれば百四十五億と出るが、しかしいろいろな要素が他に加わるから、これはそういうふうにはつきり見るわけに行かないということは、繰返し申し上げておる通りであります。従いまして私ども、いろいろな御意見いずれも傾聴すべきものでありますが、大蔵省としては、その線で本案に賛成をいたしておる次第でございます。
  64. 青木正

    ○青木(正)政府委員 ただいま井上委員の御質問の問題でありますが、御承知のごとく入場税が、昭和二十三年でありますか、地方税へ移つたのであります。その前までは国税であつた時代、その時代はナンバーを打ちまして、切符を発行しておつたわけであります。それでいろいろ問題もありましたし、若干不利な点もあるという説も当時多少あつたのでありますが、地方税に移りますと同時にそういうことでありましてはいろいろ問題が起つてはなはだ申訳ないということから、御承知のように現在は府県で切符を発行いたしておるのであります。従いまして私どもといたしましては、その切符を発行して、半分は入場者に渡すのでありますから、そうした脱税行為というものはわれわれはあるものとは考えておりません。そうしませんければ、入場者は切符を受取らなければ入れません。切符を受取る以上は、県の発行した切符を受取るということになりますので、そうした事実があるとは考えておりません。
  65. 井上良二

    ○井上委員 ただいま青木政務次官から、さようなことは地方団体としてはおよそ考えられぬことであるという監督官庁としての答弁がありました。私は当然であろうと考えます。しかるに山本氏は数回にわたつて不得要領なる答弁をしておられますが、これは地方公共団体の入場税徴収に対する大きな不安と不信を与え、かつこれが、また他の税においてもさようなことが行われておりやせぬかという税徴収に対する疑義を国民に植えつけることを、あなたみずからがここで発言をしておることであります。あなたもまたこの委員会で提案者として発言をされ、答弁をしておるのですから、そんないいかげんなでたらめを言うてならない。それはでたらめじやないでしようね。
  66. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 でたらめじやない。
  67. 井上良二

    ○井上委員 それをひとつ明確に願いたい。そこでもしでたらめでないとするならば、具体的にどこの府県のどこの館がさようなことをやつて、どれだけ税金をごまかしておるかということを具体的に説明を願いたい。これをまず伺います。  それといま一つ、今の大蔵大臣の御答弁によると、いろいろ税収の根拠には計算の方法があるが、大蔵省としては税の収入を確保する上において、大蔵省みずからの計算方法によつてこの修正案に同意した。こう言われておる。そうなると、あなたの言う減収にならぬとする根拠は、あなた一人の独善的なお考えであつて、何ら審議の価値はありません。政府が同意しないような、政府があなたの案を採用しないような、そういうような不確実は税収の根拠によつて、この修正案を審議をするわけには参りません。私はさように考える。これは当然じやないかと思います。あなたが何ぼりつぱな修正案をお出しになつても、それを執行する政府がこれに同意しない限りは、この修正案は生きて来ません。政府はあなたの説明する税収を根拠にして修正案を同意したのじやないのです。そうなると、あなたの説明は何の役にも立たぬことになるじやありませんか。執行ができないじやありませんか。執行できないようなものを、何ぼ説明をくどくどと御丁寧におやりくださつても、時間をつぶすだけですよ。(山本(勝)委員「時間つぶしならやめますよ」と呼ぶ)あなたのようなそういう不確実な、不見識な提案理由の説明を聞く必要はありません。その点をはつきりしておいていただかんと……。そんな不見識の話はありません。委員会侮辱もはなはだしい。あなたはそうお思いになりませんか。そこのところをはつきり伺いたい。委員会の審議を汚辱しておる。
  68. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 私は決して侮辱する意思も何もない。おそらく井上さんのような粋も甘いも御存じの万が実際の実情を御存じないはずはない。それは自治庁の次官としては、私はごもつともな答弁だと思いますが、事実制度としては券を半分にちぎつて渡すことになつております。しかし御案内の通り、ことごとくの人が全部ちぎつて半分受取つて行くということではありません。たとえばある工場へ、何月何日にこういう映画があるからお越しくださいといつて、百枚券を渡す、そうするとその工場の連中が団体で入つて来るときに一々とらないで、そのまま置いて行くということがあるのであります。それが二回使われる。場合によつては三回も使われる場合が出て来る。井上さんに重ねて申しますが、私どもはまじめに答えておる。私はあくまでも答えます。しかし私の答えがただつまらないことだ、時間つぶしにすぎないということなら、これは御迷惑でありますから、やめます。これをたらいまわしと言われておることも御存じでしよう。(井上委員「そんなことは知りません」と呼ぶ)御存じなければ私は申し上げます。私は決してじようだんで言つておるのじやありません。そういうことを見て、きれいな顔をしておるのが政治じやない。だから何とかしてこれを救わなければならぬというところに私は大蔵省の方に無理にのんでもらう――のんでもらつたのですよ。従つて決して不同意ではありません。これは、計算の基礎については多少疑いがあつたかもしれませんが、結論において反対というわけではなしに、結局は了承された。ですから、これは私はこのことを政治家としてやつたことで、業者側は涙を流して喜んでくれておる。これで初めて明朗に商売ができる、規律も立つ。そこで税収が減るということは大きな問題でありますけれども、これも計算をしてみますと、かりに減つても私はしかたないと思つた。このことを救うためには――そう言うとあなたにしかられるかしれませんけれども、現実に人が納めた税をとつたり、あるいは自転車の預かり賃とか、あるいはパンを売つたり、りんごを売つたり、そういうようなことで無理算段をしてやつておるようでありますが、そういう事態を救うということのために、もしかりに減収になつても私はしかたがないと思つたが、しかしだんだん計算してみますと、未確定要素はありますけれども、必ずしも減らない、場合によつてはふえることすら考えられる。御承知の通り、大蔵省はよく減税々々と言つておりながら、税法上の減税はやつておるが、事実たくさん徴税しておるということで、与党から非難されておる、現実にそういうことが行われておる。
  69. 井上良二

    ○井上委員 それはあなたの独善であつて、昨日あなたここで渡邊主税局長の御答弁を聞いたでしよう。主税局長は、あなたの今お話しになりました経済審議庁の経済白書に基く映画その他興行の入場人員から全体を平均して九十円と押えて、そこからさらにあなたの計算方法による算出の基礎を出しておらないのです。あなたの理論は、政府の計算の上にはちつとも取入れられていないのです。あなたは提案者ですぞ――。あなたはこの修正案の提案者ですぞ。提案者の説明するのと、提案に同意した政府の意見というものは違うじやありませんか。あなたの提案が政府に取入れられているなら私はいいと思う。あなたの提案が政府に取入れられていない。同じ提案者である大平君は、政府の案で、万一かようなことがあつてはいかぬからというので、かような修正を出しましたという非常に良心的な答弁をしている、説明をしている。あなたは全然それと違う。自分独自の考え方で、はたはどう思おうが、おれだけはこう思うと言つて――それはあなたのその自信のほどは私どもも大いに尊敬をいたします。しかしあなたがいかに自信を持つていても、ここで通過しなかつたらあなたの何は役に立ちませんよ。しかもそれを執行するにあたつても、政府の同意を必要とするその同意が、政府は全然違うのですよ。そこに問題があるのです。だからあなたとしては、ただ一人だけ、自分だけよかつたらいいということでやられたのでは、これは提案者と意見が違うのですから、そんな意見の違うようなものをここで提案をされて――この速記は全部参議院においても見ますよ。参議院の議員がこれを見た場合に、同じ大平君の提案理由、われわれに対する答弁と、あなたの答弁が違うということになつた場合に、一体どちらを信用してわれわれは審議したらいいかということになりますぞ。この点は提案者としてはもつと考えていただきませんと、提案者の理論的な統一ができていない。しかも一番大事な財源の基礎の算出の上に大きな食い違いが残つている、こういうようなことは実際上審議が困難であります。そしてまたあなた自身、何か映画館が現在の税率でもつては脱税をして、そうして税を横頭しておるかような一つの認定にお立ちでございますが、そういう抽象的なことを言うことは、全国数千の映画館に対する大きな侮辱ですよ。もしその事実があるなら、あなたは事実をここではつきり申しなさい。もしあなたの言うことをあくまであなたが主張するなら、これは地方団体は共犯の関係に立ちます。従つてあなた、そんな軽率な簡単な問題じやありませんぞ。税をごまかしているというような誤解を受けることを国会議員が発言する以上は、その具体的な事実を示さず――何県のどこの館においてかようなことが行われておるという具体的事実を示さずして、抽象的にそんなことを言うべきじやありません。もし公開の席でいけなければ、秘密会にしてもよろしいから、あなたとしてはこの事実を明確にしていただきたい。
  70. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 抽象的だから言えるのであつて、具体的に言えるものではないと私は思つております。それは私はほんとうのことを申し上げておるのであつて、提案者が自信のないようなことを言うと、これは問題になる。自信があるなら自信があると言うべきだ、私は自分の確信を語る以外に方法はないのですよ。ほかの方はほかの方の確信を言う。それぞれの人が自分の信ずるところを言う以外に方法はない。信じないところのことを言うのは許されない。信ずるところを申し上げたのです。
  71. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ちよつと申し上げます。が……。(発言する者多し)委員長からひとつ発言をお願いしたい。先ほどからの山本君の発言中不穏当の点があると見受けますが、山本君においてはこれを取消す御意思はございませんか。
  72. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 私は横領したとは申しません。速記録をごらんになればおわかりになりますが、これは単なる脱税とは違う。つまり自分の税ではなしに、人の納めた税を使わなければならぬという、いわば脱税とも言うべきものと言わざるを得ないのだ、これを何とか救わなければいかぬという意味で言つたのであつて、どの言葉がほんとうに業者のために親切な言葉か、私は多く説明を要しないと思う。だからもし委員長において不適当と思われたら取消していただきたい。私はこれは異存はありません。
  73. 千葉三郎

    ○千葉委員長 山本君の答弁の中で不穏当と思われる箇所があるように見受けますので、速記録を調べた上で善処したいと存じますので、御了承願います。
  74. 春日一幸

    ○春日委員 これは重要な問題でありますから、明確にしておかなければならぬと思うのでありますが、政府はこの修正案によると、大蔵省の案をもつてしても約五十億減収すると言つておる。ところが山本さんは減収しないと言つておる。その主たる理由の中にはいろいろ理由が述べられておるが、その理由の一つとして、現在の経営は脱税が横行しておる。すなわち納めた税金がその経営者に横領されておるのだが、税率が安くなればそういうことがなくなるので、それで脱税という非合法が合法手段になるのだから、従つてそんなに減りはしないだろう、こういうことを言つておられる。すなわち現在の経営が脱税が基礎となつて経営が行われておる、われわれはこういうことに理解をいたしておるのであります。そういたしますと、問題は、今後に非常に影響を持つて来るわけでありまして、現在あなた方はこの修正案を政府に押しつけておるわけでありますが、今後あなた方がまた同じような圧力を政府に加えられて、脱税をやつておるのだから、同じ額だけ取立てろ、こういうような圧力をさらに政府に与党がかけて参られますと、なるほどこの百九十二億もとれないことはないでありましよう。すなわちそれは昨日黒金君が、苛斂誅求にわたらない、苛酷な取立てにわたらないようにというようなことを討論の中に言つておりましたが、これと全然相反する結果となつておる。すなわち政府は減収となると言つておる。その減収となる理由というものは、ただいま青木政務次官によつて述べられたごとく、脱税のごときはあり得ないことなんだ、こういう立場に立ちますとき、なるほどこれは増徴は期し得ない、経営者は減る、しかも今は世をあげて不況の方向に傾いております。あるいはまたこの入場税というものは、タバコや酒のように無制限に今後膨脹するものではない。映画館の収容人員にはおのずから限界がある。そういうような立場から増徴はできないのだが、ただ増収を期し得るということは、脱税をやつておるのだから、そいつをうんと圧力をかけてしぼりとるという以外にはないわけである、これは非常に重大であります。  そこで大平君にお伺いをいたしたいのでありますが、あなたは本修正案の共同提案者の一責任者であらせられますが、ただいま山本博士が、脱税を基礎として経営されておると言うておられましたが、そうだとすれば、これは当然脱税であるかどうかということを税務署がその気になつて取調べて、そこから四十七億何千万という脱税をされておつたものを、しぼりとる措置を講じて行くだけの行政指導というものが行われて参らなければならぬでありましようが、あなたも山本君が言われたと同じように、現在の映画館の経営上、脱税がそんな調子で横行しておるとお考えになつておるかどうか。今山本氏は、このことがほとんど天下周知のことであるかのごとくに言われましたが、われわれは寡聞にしてそのようなことを聞いてはおりません。すでにわれわれは公聴会において、大体の情勢を知事並びに税務署長諸君から聞きましたが、それによると、地方財源が貧困なので、すでに映画館の方へしばしば人を派して、そして苛酷にわたるほど十分な徴収を行つておる、百パーセントの徴収を行つておる、こういうことでありましたので、事はそういうことであらうと考えて審議をしておるのでありますが、山本博士は、現実にはほんとうにその脱税が行われておつて、そして今度税率が安くなれば、脱税しておつたものが合法化されるので、同じ税収が期し得られるのだ、こう言つておられる。あなたは山本博士と同じように考えておられるかどうか、この点をひとつお伺いいたします。
  75. 大平正芳

    ○大平委員 私は山本委員の御発言を拝聴いたしておりまして、春日委員も御承知のように、山本委員は非常にオネストな方ですから、非常に率直な信念を語られたのであろうと思つたのであります。山本先生も、決して今日の入場税が脱税の基礎の上においてとられておるというように申したおつもりではなかろうと思います。ただ非常に紋切型になりましたならばやつかいですけれども、日本の税金はひとり入場税だけでなくて、御承知のように各種の税金が世界各国に比べて税率が高いのです。従つて脱税が全然ないという確信もなかなか持ちにくいのじやなかろうか。従つて年々歳々減税の方向に税制を持つて行つているゆえんのものも、かつまたわれわれ今度修正案におきまして税率の逓減を考えましたゆえんのものも、そういつたことができるだけないようにしたいという悲願を込めてのことでございます。山本先生もおそらくそういう御意見で御発言になつたものと私は思います。
  76. 千葉三郎

    ○千葉委員長 いかがでしようか、皆さんにお諮りいたしますけれども、休憩をいたしまして、理事会を開いて、この取扱いについてしばらく相談したらどうかと思います。
  77. 春日一幸

    ○春日委員 それでは端的にお伺いいたします。大平君から、片かなで書いたような、きわめて簡単な御答弁でけつこうですから、お答え願いたいと思います。  それではあなたも、現在の映画館の経営は脱税の基礎の上に立つておる、従つて今度税率が下つても、脱税がなくなるから同じような税収を期し得る、こういうお考えでこの修正案をお出しになつておるのかどうか、この点をひとつお聞きいたします。
  78. 大平正芳

    ○大平委員 私は脱税の基礎の上に立つておるとは申し上げておりませんから、御了承願います。
  79. 春日一幸

    ○春日委員 そういたしますと、山本氏は脱税が相当行われておる、従つて税率が下れば脱税という形が合法化されるので、自然増収という形で同一額が期待できる、要約すればこういうぐあいに御見解を述べられております。正直に言えば、脱税があるということです。あなたは、そんなことはない、今こういうふうに御答弁なすつたと思つておりますが、さように理解をしてさしつかえございませんか。
  80. 大平正芳

    ○大平委員 気持の上で政府と私の間に相違があるとは思いませんが、ただ言葉が非常に不完全ですから、春日君の方でそういつた誤解を招くような節がありましたら、私どもの不明のいたすところでまことに申訳ございませんが、脱税の基礎に立つておるとかいうようなことは、山本博士は言つたことはないと思います。私もそういうことを言つたことはありません。ただ今日の税法の執行におきまして、全然脱税がないということも言い切れないのではなかろうか。現実に相当の脱税があるのです、これは税率の高いことも非常に有力な原因でありまして、税率が安くなりますれば、そういつた例外的に行われておる、またやむを得ず行われておるような脱税行為もだんだん少くなるだろうということを申し上げただけであります。
  81. 春日一幸

    ○春日委員 政府と修正案の提出者との間のそろばん違いは、四十七億何千万円、これだけ減収になるであろうと政府はわれわれに答弁をいたしておりますし、修正案提出者は、いやそんなことはあるまい。いろいろ経済白書等の引例もありましたが、そのほかに増収を期し得る一つの要素として脱税の問題をことにことあげして述べられておるわけであります。問題は今大平さんが言われたように、中にはそういうものもあるだろう。浜のまさごの五右衛門で、なかなか数のある中には脱税がないとは断言できない。この程度のことと、この四十七億という形になりますと、これはかれこれ三〇%になるじやありませんか。あるいは三五、六パーセントになる。多くの善人の中の一人のどろぼうと、三割に近いどろぼうとは全然話が違うわけであります。あなたは多数の中にはそういう人もあるであろうという御答弁だが、山本さんはそういうことは言つておられない。すなわち自然増収を期待しておるところの一つの大きな条項として、これはすなわち脱税者を捕捉できる、このことを言つておられる。捕捉の仕方は、自然増収によつて脱税者が自発的に納税する場合もあるだろうし、また国税の強権を発揮することによつて、その脱税者を摘発してこれを捕捉するというような、いろんな含みもあろうと思う。このことはきのうの黒金君のいろいろ心配されての討論と非常に違つた形になつて来て、このことは、この速記録を読むところの全国の税務関係の徴税の責にある諸君に対して、相当の心理的影響を与えて、そのことがやはり苛斂誅求の形となつて君臨することを私どもは最もおそれるのであります。そこで私はもう少し端的に、言葉のニュアンスだとか、そんな技術を弄することなくお伺いしたいのだが、現在の経営は脱税が相当ある、だから減率されても四十何億のものは捕捉できる、こういうように山本君は述べられておるが、あなたはこの修正案提出の共同の責任を負う一人として、山本君の説をそのまま支持されるかどうか。あるいはまたそんなことは全然ない、脱税というものはないといつて、今青木次官も言つておられるが、その説を支持されるのであるかどうか。ここで修正案提出者の責任ある御答弁を願つておかなければ、これは重大な問題を後日に残しますので、ひとつ大平さんから明確な御答弁をお願いいたします。
  82. 大平正芳

    ○大平委員 先ほどの山本先生の御答弁を拝聴いたしておりましたが、その中に春日君も御承知のように、もちろん不確定要素があるということを申されておりますが、これは当然だろうと思います。景気の消長もあることであるし、消費がどれだけ伸びるかということを、今日において正確に算定することは非常に困難てあろうという良心的な御発言であろうと思います。従つて税収の見積りにつきましては、そういう不確定な要素があるのだから、この二十九年度の入場税の税収を、今の段階において的確にこれだけだということは確信を持つて言えないことでございますので、従つてそれだけの所要の措置を講じてあるわけであります。その点山本先生と私どもの間に本質的な相違は私はないと思います。  それから脱税云々の問題でございますが、これも率直に言われたのでありまして、脱税の基礎の上に今日までの入場税が徴収されておつたというように山本先生は言われなかつたと私は思います。この点はひとつ特に……。
  83. 春日一幸

    ○春日委員 脱税があるかないか、大平さんはどういうふうに考えるか。
  84. 大平正芳

    ○大平委員 脱税云々の問題につきましては、前に御答弁申し上げた通りであります。
  85. 春日一幸

    ○春日委員 大平さんはやはり官僚育ちで、ひようたんなまずみたいなことで、私が聞いたことを全然答弁されないのだから、これはしかたがない。  それではひとつ山本さんにお伺いをいたしますが、あなたはやはり脱税がある、だからこういうふうに、国税移管によつて相当捕捉できるとお考えになつておるのかどうか、この点ひとつ簡単に御答弁願います。
  86. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 脱税という言葉がいけなければ私は使いませんが、しかし従来の五割という税を全入場者が全部払つておるということであつたら、とうてい百九十億や二百億でないことはすぐ計算でわかるのです。ですから言葉がいけなければこれは何とも御訂正いたしますが、実際にひどいところは五割の税を一割納めて、辛うじて細々と経営を続けておる気の毒な業者もある。それから一割五分のところもあり、二割のところもあり、五割完全に納めて、しかもその券はプレミアムがついて売買されておるところもあるこれが実情だと思う。
  87. 春日一幸

    ○春日委員 仮定の理論の上に立つた推論や結論は、しよせんはこれまた架空のものであつて、われわれとしては何ら権威を持たないものであろうと思います。従つてあなたのおつしやるように、中にはそういうものもあるであろう、あるかもしれない、こういうようなことでは、われわれはやはり政府原案と同じような収入が期し得るというような理解をするわけには参りません。われわれは、この修正案提出者が責任をもつてそういう考えをお持ちになる上からには、それにはそれだけの材料がおありのことであろうと考えます。従いましてどこがどういうぐあいに脱税をしておるか、その脱税が捕捉されることによつてどういう増収が期し得るか、このことは、やはり不確定な、抽象的なあなたの御答弁では、これまた論理の空転でございまして、しよせんはお互いが理解することができませんから、具体的に、どこの何がしがどの程度常時脱税しておるのだ、これはあなたが確信を持つて御答弁――しかも大平君の御答弁によれば、あなたはオネストであるからして、率直に述べられておると思うのでありますから、率直に述べられるに至つたところの資料をひとつすみやかに本委員会に御提出願いたい。そうしてその上に立つてこれを分析し判断して、あなた方のおつしやるように、この脱税が捕捉されたら合法的に自発的に納税される、こういう形になりましようから、ひとつすみやかに具体的な御答弁をお願いいたしておきます。
  88. 山本勝市

    ○山本(勝)委員 具体的に述べよと仰せられますが、いかに私が正直者であつても、まさかその質問があつたからといつて、何の何がしがどれだけの脱税をしておるということは言えるものではありません。それは政府の財政資金で金を借りておるような者であつても、なかなかそれぞれの仕事に関係あることを具体的には述べがたいという答弁が行われておる。しかし決して架空な、あるいは抽象的なことでこれだけ無理な税率をお願いしておるわけじやない。これはおそらく質問者も御存じじやないかと思いますが、材料は持つておりますけれども、ここで出せと言われたつて、それは私がいくらあほうでもばかでも出せるものではありません。
  89. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 たいへん尊敬しておる山本先生に、われわれの発言から御迷惑をかけて申訳ありません。そこでこれはまた大蔵大臣にお尋ねをするわけですが、この入場税はまさに捕捉するのは困難ですから、予想よりも減ることも、あるいはふえることもあると思うのです。そういうことを私は問題にしておるのではなくて、少くともわれわれ苦しい中から税金を払う、その税金を主体として予算というものは組まれておるわけでありますから、この予算なり法律案なりに対して、私はきわめて慎重に物を考えなければならぬ、こう思うわけです。先ほど山本先生の御答弁の中に、政府とわれわれでは計算の方式が違う、こういうことをおつしやつておられるのです。この計算の方式が違うからもつとふえるだろう、あるいは減るだろうということが出て来るのです。そこでこれを要約してみると、ちようど政府はかね尺をもつて、修正者の方は鯨尺をもつてはかつておるというような結果が出て来るわけです。せつかくここで大切な法案が出されたわけですから、でき得れば両方を調整して鯨尺なら鯨尺、かね尺ならかね尺、どつちか一本ではかつたものを出してもらうことの方が、私どもとしては審議するに非常に都合がよい。この点が一点であります。  それからいま一点は、収入がふえるだろうという見込みの中には、安くすれば入場者が相当出るだろうというわけでしようが、これも一応うなずける意見ですけれども、一方政府は耐乏生活ということを唱導しておられるわけです。これは政府が非常に力を入れてやつておられる。するとむしろ逆に、政府としては、こういうものにそうたくさんの人が入ることを望まないというのもどうかしれませんが、なるべくこういう方は節約して貯金してもらいたいというのが、政府の考えの基本でなければならない。そうすると、この増収というものをあまり過大に見込んでおるのではないかと思われるので、その点についての御見解を伺いたい。
  90. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 大蔵省といたしましては、多年税制をお預かりしておる関係上、今までの税の立て方に基きまして積算するのが当然でございまして、それにつきましていろいろの御意見を伺う。これはもちろんすべきことでございますから、各種の御意見は伺います。なお私どもが説明を伺つて、ちようど小川さんも御承知の通りに、ああいう御意見も、出ておりますが、たとえばあれをあのまま出すと百四十五億になる。それ以上のことは一応の推算であるから、いろいろの数字が出て来ろわけであり、人おのおの尺度を持つておられますから、あなたがおつしやるように、これは鯨尺と、かね尺があるなら、はつきりと大蔵省のかね尺をどなたさんにもお使いくださいと言えますけれども、いろいろ推算の基礎もありますから、これをしいるわけには参りません。しかし一致しておる意見に基いて私どもはこの御提案を了承しておる次第でございますから、さよう御了承願いたいと存じます。  なお耐乏生活との関連でございますが、これは先ほどもちよつと話が出ましたように、私どもは耐乏生活というのは、つまり私は一つの合理的な生活という言葉でもつて言つているので、耐乏という言葉は実は申しておりません。またはたして映画のごときものまで忍んでいただくというところまで持つて行くべきかどうかということも、文化的な面から見なければならない点もあろうと存じますので、どうもこういう点について増減の見込みはちよつと立ちかねます。しかし御趣旨の点はよくわかつております。
  91. 千葉三郎

    ○千葉委員長 この辺で休憩して、そして理事会を開いて後、この委員会の運営について御協議するということにしたらいかがですか。
  92. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 理事会を開かれるにつきまして、私この修正案を出されました方々に対して一つ伺つておきたいことがあります。それは脱税をあるものと見てこの修正案をお組みになつたのかどうか、簡単に御答弁をお願いします。
  93. 大平正芳

    ○大平委員 脱税があるものと見て修正案を出したということではございません。
  94. 久保田鶴松

    ○久保田(鶴)委員 それでは大蔵大臣にお伺いしますが、政府はこの税につきまして、これは修正をされることが減税になる、こう言つておられる。ところが山本さんやその他のこの修正案をお出しになつた方々は、これは増収になると言う。私はこのあとに理事会を開かれますが、その理事会においてこれを何とかまとめる意味において、これを伺つておきたい、こう思います。大蔵大臣も、今まで聞かれたのではさつぱりわけがわからぬ。両方の修正案を聞いておりましても、また政府のいろいろお答えになつておることを聞いておつてもわかりません。そこで大蔵大臣は、率直に私たち理事会でまとめる資料にしたいと思いますので、お答え願いたいと思います。
  95. 小笠原三九郎

    ○小笠原国務大臣 私は繰返し申しております通りに、必ずしも減るものとは考えておりません。つまり一応推算してみましてこう出る、こうなるがというのが百四十五億の数字でございますが、これは必ずしも最初の考え通り減るものとは考えておりません。あとのところは、よく実際の数字を見なければわかりかねます。なお百四十五億の問題等にからみまして、この法案に対する各般の措置がとられておるのでありまして、これらのことは、この修正案で御了承を願いたいと存じます。
  96. 千葉三郎

    ○千葉委員長 しばらく休憩しまして、その間理事会を開きます。  暫時休憩いたします。    午後四時五十四分休憩      ――――◇―――――