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1954-04-10 第19回国会 衆議院 建設委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和二十九年四月十日(土曜日)     午前十時五十三分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 内海 安吉君 理事 瀬戸山三男君    理事 田中 角榮君 理事 志村 茂治君    理事 細野三千雄君       逢澤  寛君   岡村利右衞門君       高木 松吉君    高田 弥市君       仲川房次郎君    松崎 朝治君       村瀬 宣親君    三鍋 義三君       安平 鹿一君    山田 長司君       菊川 忠雄君    佐竹 新市君  出席政府委員         建設政務次官  南  好雄君         建設事務官         (計画局長)  澁江 操一君  委員外の出席者         専  門  員 西畑 正倫君     ―――――――――――――  四月九日委員濱地文平君辞任につき、その補欠と  して山田彌一君が議長の指名で委員に選任され  た。  同月十日委員安平鹿一君辞任につき、その補欠  として山田長司君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ――――――――――――― 四月九日  黒川筋助成工事促進に関する請願(小林進君紹  介)(第四三〇三号)  宅地建物取引業法の一部改正に関する請願(久  野忠治君紹介)(第四三三三号)  同(辻寛一君紹介)(第四三三四号)  小鹿野町、荒川村間の道路を県道に編入の請願  (荒舩清十郎君紹介)(第四三七三号)  寺村橋架替えの請願(長野長廣君紹介)(第四  三七四号)  木曽川下流改修工事促進に関する請願(佐藤観  次郎君紹介)(第四三九六号)  鍋田川せき留工事施行に関する請願(佐藤観次  郎君紹介)(第四三九七号) の審査を本委員会に付託された。 同 日  過年度災害復旧促進に関する陳情書(長崎県町  村議会議長浦口淳一)(第二七三四号)  災害復旧対策の計画的遂行に関する陳情書(京  都府会議長北村平三郎)(第二七三五号)  河川法改正に関する陳情書(岐阜県議会議長松  野幸泰)(第二七三六号)  大阪府河内村水越川の災害復旧補助金交付に関  する陳情書(大阪府南河内郡河内村長上野朗)  (第二七三七号)  福島橋架設促進の陳情書(長崎県町村議会議長  会長浦口淳一)(第二七三八号)  地方公務員住宅建設促進に関する陳情書(福岡  県議会議長田中保蔵)(第二七三九号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  土地区画整理法案(内閣提出第一二八号)  土地区画整理法施行法案(内閣提出第一二九  号)     ―――――――――――――
  2. 久野忠治

    ○久野委員長 これより会議を開きます。  土地区画整理法案及び土地区画整理法施行法案の両案を一括して議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。村瀬宜親君。
  3. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 逐条的に疑問の点をただして参りたいのでありますが、その前提といたしまして、本決の提案理由の説明にお述べにたつた事項につきまして、概括的なお尋ねから始めたいと思うのであります。  従来特別都市計画法によりまして、戦災都市がこれらの区画整理、都市街路の建設に当つて参つたのでありますが、それに対しましては、相当の障害にぶつかつて参つたのであります。今回のこの土地区画整理法一本にまとめますにあたりまして、提案理由の説明には、五項目にわたつてその主要たる点の説明があつたのでありますが、特に従来戦災都市の復旧にあたりまして、代執行その他の問題について壁にぶち当つておりました種々の点は、今回の土地区画整理法によつてどのように解決の見通しがあるのでありますか、まずそれから伺つて参りたいのであります。
  4. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいま御指摘になりました土地区画整理をやる場合においては、権利者の保護は一面かかつておるわけでありますが、しかし計画を最終的に実行する際、すなわち換地処分を実行する際における建築物移転という問題は、当然区画整理の一つの山になつて参るわけでございます。それに対する従来の手続は、御承知のように代執行方式をとつております。すなわち特別都市計画法の十五条の規定に基きまして、移転、立のき命令を一応執行者から出す。それに応じない場合においては、代執行の一般的規定に基いて施行者が代執行を求めるよりほかに方法がない、こういう形に間接的になつておつたわけであります。今回の規定におきましては、七十七条にこの点を規定しております。すなわち施行者は、一つの条件、すなわち仮換地の指定をした場合、あるいは従前の宅地における使用、収益を停止させる措置をとつた場合、あるいは公共施設の変更たいしは廃止に関する工事を施行しなければならない、かような場合におきます工作物等の移転主たは除却につきましては、これらを直接執行することができる旨を規定いたしておるわけであります。かような意味におきまして、従前取扱われておりました代執行方式を、施行の上では一歩前進させた結果に相なつておるわけであります。
  5. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 従来、代執行にあたりましては、ただちにその関係者は、この代執行停止の訴訟等を起しまして、裁判を用いずして仮決定が行われるということのために、市町村等において、まつたく方法のなくなつた場合が多かつたのであります。ただいまの御答弁によりますと、代執行のかわりに七十七条で直接執行ができるということでありますが、そういたしますと、一応計画ができて、それに市町村長または知事等の認可がありました場合には、いわゆる強権の発動といいますか、本人がどう言おうとこう言おうと、大工を連れて来てその家をある期間を定めて立ちのかしてしまう、そういろ方法で進んで行く方針だとおつしやるのでございますか。
  6. 澁江操一

    ○澁江政府委員 もちろんこれは七十七条にも規定してありますように、抜打ち的ということではありませんで、施行者については所有者、占有者に対する一定の期限を付した移転、除却の意思ありやいなやということの確認を一応求めて、その上で、それによる期限までの具体的な措置がない場合に、所有者、占有者に処置がとれない場合に手段をとる、こういうことになつておるわけであります。
  7. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 これはここで口で申しますと、いかにも簡単でありますが、右側のかどにあつた、それを換地その他いろいろな関係で左側のかどに持つて行く、その道は両方とも非常に広がつて、現在店舗のある場所は道になつてしまう、こういう場合は至るところに出て参ります。そういたしますと、左側のかどであつたのだから、左側から順々にずらして、ずつと換地をきめようというふうなことを関係者はよく申すのであります。ところがいろいろな換地の実際の運用面から行きまして、順々にずらすということは不可能だという場合が多い。従つてかりに本町一丁目の右側のかども左側のかども、大体において会議の結果、審議会等で同様だと判定をいたしまして、左のかどに行つてくれ、これは一人がきめたのじやない、関係者全部が寄つてきめたのだから――、こういう結論が一応出たとする、そういうことはたびたびあります。ところが、本人はがんとして、それは違う、それは不可能にかかわらず、右のかどにあつたのだから、どうしても右のかどに置いてくれ、こういうふうな議論が必ず起るのであります。そういう場合に、ただいまの御説明によりますと、一定の期間を置けば――今までは裁判によつていわゆる代執行をやつておつたのであるが、今度はその施行者か直接執行で、ある期間を置けば、本人がどう言おうとこう言おうと、そのかどの家はとりこわしてしまう、こういうことに切りかえたのでございますか。
  8. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいまの御質問の中で、設例としてあげられた問題点は二つあるわけでございます。一つは、換地処分そのものに対して、当該土地権利者が一応同意をしていないという前に立つておるわけであります。しかして、なお、それに対して具体的な換地決定があつたけれども、立ちのき命令に応ずるわけに行かない、こういう立場に立つた場合であります。私どもの先ほど来申し上げた点は、一応換地計画には同意をしておるけれども、具体的な立ちのきの時期、立ちのき命令そのものに対する話合いには応じがたいという場合が、一応想像されるわけであります。かかる場合における措置としては、今申し上げた七十七条の直接執行ということで、私は解決せらるべきものだというふうに考えます。つまり仮換地そのものに対する異議が、権利者の間においてある。施行者の立てた仮換地処分ないしは換地処分そのものに対して異議がある場合におきましては、これはその問題をまず確定する必要があるのではなかろうか。さような解決をはかつた上において、今の直接執行の問題に移る、かように考えておるわけでございます。
  9. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますと、また一番最初のお尋ねに返つて来るわけでありまするが、従来の特別都市計画法、つまり戦災都市復旧整備にあたりました方法と、今回のこの土地区画整理法による方法は、質的に違うものになつたのでございますか。たとえば、前はいわゆる戦災都市を早く復旧しなければなりませんから、いわゆる特別都市計画法――それのもとになるのは例の耕地整理組合法でありますが、それに基いて、たとい本人が個人々々には、かりに地主が承諾しない場合がある、あるいはその上に建てておる借地権者が承諾しない場合も多々あつたのでありますが、その都市計画全体の運営のために、それぞれの機関にはかつて、一、二の人の不平不満は、いわゆる全体の会議によつて処理を進めておつたのであります。ところが、今の御答弁によりますと、もともと換地計画に不服な者があるならば、土地区画整理というものは、もともとできいのである、何もかも全部得心した者が土地区画整理をやるのだ。こういうことになりますならば、かつての都市計画法によつてやつた都市の整備復旧、区画整理というものと、今回のものとは、全然質が違つて来るのでありますが、さように質が違つたのでありますか。
  10. 澁江操一

    ○澁江政府委員 私の御説明に若干不十分な点がありましたが、ただいま私の答弁で申し上げました点は、これは仮換地処分の場合を申し上げたわけなのでございます。すなわち、御質問にありましたように、順次換地処分をすべき予定地を次々と移して行くという一つの手続をふんでやる場合でございますから、当然仮換地処分をもつて始まる、こういうふうに考えられるわけであります。今御質問になりました点は、質的には私どもは換地処分そのものの立て方についての従来の行き方と、今回の法案との関係においては、かわつていないというふうに考えております。すなわち、関係権利者の同意があつた場合には、これは換地計画としては最終的に決定される。そのほか個々の処分についての換地上の争いというものは、換地計画でもつて、すでに全体会議できめられた以上は、それをもつて実行に移す。この点については従来とかわりはない、こういうふうに考えております。ただ、今御設例になつた点は、個々の仮換地の指定の問題に関連する問題だと思いますので、その点に関しましては、一応仮換地の指定するものに対する争いというものは、これは別途解決をしたければいけない、こういうふうに考えて申し上げたわけでございます。
  11. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 どらも徹底をしないのですが、みんなが一応換地を全部承諾をしたのならば、何も議論はないのであります。しかし、そういう都市計画、区画整理というものは、容易にできることではありません。やはり一、二の不平があつても、都市全体の衛生、交通、美観、保安、産業、そういう点から区画整理というものは当然行うべきであつて、現に戦災都市百十五でありましたかは、相当強権を働かしてやつて来たのであります。でありますから、そういうことは特別都市計画法を廃止いたしましたからやれなくなつたのか、そうでなく、やはりこれでやれるのか、質的な変化があつたかなかつたか。今度の区画整理法では、最初から全部が一人残らず異議を申さないで、どこへかわられてもいいのか、あるいは自分のかえられるところをまず知つて、そうしてこの区画整理が行われるものか。今までの戦災都市は、決してそんなことをやつたのではないのであります。自分の土地をどこへ持つて行かれるかわかりません。わかりませんが、区画整理委員等を市会議員を選ぶように選んで――市会議員ほど大事でないと思つて、いいかげんに選んで困つたところがあるのでありますが、その委員会がきめれば、こんなひどいところへ持つて行かれては困ると言つても、どうにもできなかつたのであります。そこで代執行の問題、裁判の問題が起つて、につちもさつちもならぬということが至るところに起つたのでありますが、そういうことが起るのか起らぬのかということを、私は聞いておるのであります。
  12. 澁江操一

    ○澁江政府委員 結論的に申し上げますと、従前の戦災復興等に行われておつた土地区画整理事業方式と同じ方法でもつて、今回の場合も、この新法がかりに施行になりました場合についても、従来と何らかわりなく事業執行面については行われるということになつております。ただこの法案の上では、提案理由の説明の際に申し上げたかと思いますが、利害関係者の権利保護については、従前より手続は厚くいたしております。すなわち事業計画の場合におきましても、あるいは換地計画の場合におきましても、これは一定の縦覧期間を通じて、権利者からの関係書類を審査し処理しまして、最終的に都市計画審議会なりあるいは区画整理審議会にそれぞれかけて決定をする、こういう運びをいたしておりますので、その点につきましては、従前よりも権利者の保護の面においてはやや厚くした、こういう関係に相なつております。
  13. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 仮換地計画が立つて、許可を要するものは許可があつて、それぞれ通知をいたします。そうすると、不服者が出ます。出るとお考えになりますか、出ぬとお考えになりますか、私は出ることもあると考えます。その場合にはどうするのでありますか。
  14. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいまお話のような異議、不服、これはあり得ると思いますが、この法律といたしましては、七十七条によつて、さような場合においても、一旦きめた仮換地指定については、それをそのまま直接執行の方法によつて実行に移す、こういう規定をとつておるのであります。
  15. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますと、従来は代執行を市町村等がやつたわけでありますが、今回はそうでなしに、直接執行をやる。代執行をやる場合には、裁判所がそれをやるわけであります。そうするとさらに今度それの仮処分というのでありますが、また裁判を起すわけであります。そうしてその代執行が停止を命ぜられておつたものなのであります。そういたしますと、その一画は市町村の施行者はどうにも手がつけられない状態にあるのであります。この問題については、私は一昨年の当委員会でありましたか、大橋武夫氏が法務総裁の時代に、ずいぶん長きにわたつてこれをここで議論をし合つたのであります。それを私はここでは繰返しません。ところが今度は、今の御答弁によりますと、その代執行という制度はなくなつて、直接執行ということになりますと、今までは代執行停止の訴訟を起すことのできた関係者は、大工が来て家をこわしているのを、指をくわえて見ているよりほかに道はない、こういうことになつたわけでございますか。
  16. 澁江操一

    ○澁江政府委員 法律的にかなりむずかしい問題になりますが、お話の通り、従前の手続においては、つまり裁判所が代執行の権限を持つ場合において、それをすべきか、すべからざるかという裁量の範囲がそこに加わる、こういうわけであります。今度の場合におきましては、直接執行――施行者がみずから判断し、みずから施行する、こういう形になつて来るわけであります。そこで先ほど申し上げましたように、しからばこの執行自体について異議を持つ関係者というものは、どういう立場をとり得るか、こういうことになるわけであります。私どもの考えでは、さような関係においては、私どもこの法律の上では明瞭な規定をいたしておりませんけれども、仮換地処分――一種の行政処分に相当するわけでございますが、仮換地処分に対する異議の申立というような訴訟を提起することによつて、権利者の主張を裁判所に判定してもらうよりほかに方法はない、かように考えるのであります。
  17. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そうすると、そこにまた裁判所が入つて来る余地が出て参るのであります。私は前に、当時の大橋法務総裁と、ずいぶん議論をいたしましたのは、こういう実例があつたのであります。あるかどを持つておるAなる者が、その道が三倍にも広がりましたために、Aの土地は全部道路になつてしまう。そこでこれは順送りで、現在建つておるものを、例をとりますならば西の方から東の方へずつと押し繰つて参りまして、そうしてそのかどの人がやはりかどになるような処置をしたのであります。そういたしますと、今まであつたBCDという者が動きません。Aなる者は、もう道路になつてしまいましたから、おるところもない、店も営めない。BCDは平然として事業を営んでおる。しかも、その間三年に及んだのであります。そしてそのAなる者が自分の生活を奪われるからといつて、市へいろいろかけ合いましたけれども、これはその区画の全体の換地処分ができた日をもつて登記とかえるのだから、全体ができるまでは登記はまだできていないのだというような言い方をして、市も逃げてしまつた。それからそれに対して市はBCDに代執行をやろうといたしましたところが、BCDが裁判所へ行つて来て、代執行停止の仮処分を受けたのであります。そうして市と裁判になりまして、松山でやつたのでありますが、松山では市が勝ちまして、高松へ行つたわけであります。ところが代執行を停止をした仮処分は、裁判は負けたのであるけれども、今の法律ではそれを解く道がないというのであります。これは私は法律の盲点だというので、当時大橋法務総裁とずいぶんやつたのであります。裁判は負けたけれども、一旦赤紙を張つたその事実は解く道がない。高松へ行けば、松山の裁判所でそういう代執行をしたのだから、松山の裁判所へ言うて行けというのでございます。松山へ行けば、こつちはもう裁判は終つたのだ、高松へ行つておるのだから、こつちはもうすでになすべきことは全部終つた。しかし、あなたが赤紙を張つたと同様に、代執行停止の仮処分をしたのだ、高松では解いてくれないから、あなたが解いてくださいというと、いや、そういうことはできないのだといつて、一旦代執行停止の仮処分をしたことによつて、もうどうすることもできないということが三年に及んだのであります。そういう例があります。そういうことが、この区画整理法によつても依然としてまた行われるのか。今あなたは、仮処分に対する訴訟を起せば、いいということをおつしやつておられますが、やはり依然としてそういうことが起るのであるかどうか。そういたしますと、Aなる者の損害は、もう自分のところは道になつてしまつたのでありますから、どこへも家を建てることも、店を出すこともできなければ、またいつどうすることもできぬのであります。見通しも立たぬのであります。こういう行為は、私はせつかくこうやつて新しい法案ができるのでありますから、取除いておかなければならないと思うのでありますが、そういう用意が、この法案のどこかにあるのであるか、また再びそういう行為が繰返されるのであるかどうか、これを実は終局の目的としてお尋ねいたしたいわけなのであります。
  18. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この法案事態におきましては、ただいま御説明になりました点の、新しい解決方法というものを出してはおりません。これは、私の考えでは、行政事件訴訟特例法の問題に、現在の法律の体系では移る、かように考えるわけでございます。すなわち、ただいまお話がありましたような、行政庁の執行停止処分を裁判所がいたしたわけでありまして、それを解除する道がなければ、この問題の解決はつかない、こういうことになるわけであります。そこでこの解除する方法としては、これは現在の行政事件訴訟特例法の第十条で、行政庁における反対の訴訟提起、つまり行政処分の執行停止を裁判所が処分決定をします場合におきまして、さらにそれに対する行政庁側としての異議申立てを許しております。つまり公共の福祉をどうしても保持するために、その執行停止処分はちよつと待つてもらわなければならぬ、こういう立場に立つ理由の訴訟提起を行政庁側に許しておるわけであります。これを申し立てることによつて、この執行停止処分の解除を求めるよりほかに方法がない、かように考えるわけであります。ただしかし、それにもかかわらず、裁判所がそれを受付けなかつた場合におきましては、これは結局裁判所の認定行為そのものに対する考え方を改めて行くよりほかに方法がないわけでありまして、まず手段としましては、そういう法律的な手段をもつてこれに対して争う。公共の福祉上どうしても執行停止処分は困るということをもつて裁判所に訴え、それを決定し、そして実行に移す、こういう方法よりほかにないのじやないかと思います。
  19. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大橋法務総裁も、そのようなことを言つたのであります。それは総理大臣がやることでありまして、ただそのAなる者の道のかどの一軒のところに、総理大臣がこれは公共の福祉の一部だからといつて、なかなか命令は裁判所に出してくれないのであります。そういうことを、かつていろいろやつてみたのでありますが、どうすることもできない。せつかくここに土地区画整理十法という大法典を出して、公共施設の整理改善及び宅地の利用の増進をはかると銘打つたのでありますから、これは提案理由の通り、円満に実施のできるものでなくてはならないと思うのであります。繰返してまことに恐縮でありますけれども、私は政府委員になおはつきりこの点を認識してもらいたいのであります。代執行の停止といいますと、非常に抽象的でわかりにくいのでありますけれども、ここに皮のカバンを持つておる。それはお前のじやないと、だれかが異議を言い出した。そして裁判所は、ああそうかといつて赤紙を張つた。そして裁判をしてみたが、原告が勝つたのでありますから、やはり、お前のだ、こう裁判は言つたわけです。しかしお前のものだとは言つたけれども、一旦張つた赤紙ははげないのだから、これは指を触れてはいけない、これが今のその場合であります。こんな不合理な話はありません。もともと最初はあのカバンはAのものではないという訴えによつて、そのときに裁判でもして、そしてそれならちよつと待てといつて赤紙を張つたのなら、まだいいのであります。これはそうではありません。あの代執行停止の仮処分は、別に陪審も何もおらないで、法廷を開くことなしに、ぱつと間髪を入れずやれば――家は大工がもう来ているときでありますから、電話か何かで代執行をびしやつと食うのであります。そのときに裁判も何も、両方の言い分も聞いておらないのであります。例をとれば、そのカバンに赤紙を張つた、裁判をやつてみた、これはやはりAのものだつた。Bが異議申立てをやつてみたけれども、やはりこのカバンはAのものだという判決は下した。下したけれども、一旦張つた赤紙は取除く方法がない。そんな不合理が、しかも都市計画の土地、宅地の造成にあたつて許されるべきことではありません。従つて、今まで法律をつくらないのなら、それでもいいのでありますけれども、こうやつて土地区画整理の大法典をつくろうとするときには、こんな見えすいた不合理は、何らか防除する措置を講ずる必要は当然あると思うのでありますが、その点に対して、何かお考えはお持ちはなかつたのでございますか。
  20. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この点は、なお、十分私どもそれに対する対策、用意等につきましての法律上の諸手続について、研究の必要があると思いますが、当面私どもの考えておりますところでは、先ほどの答えを繰返すようではありますけれども、やはり行政事件訴訟特例法の解釈によつて運用するよりほかに、方法がないのではないかというふうに考えられるわけであります。しかし、結局ただいま御質問の点から申しますれば、どうしても土地区画整理事業は公共の福祉のためにやらなければならないのである、行政庁としてはそういう判断のもとに処分決定をし、それによつて直接執行に訴えた。その公共の福祉という立場に立つてやる事業に対して、裁判所が公共的な判断をいかにして下すかということに、問題がかかつているわけであります。執行停止処分をしたものを解くのは、結局裁判所が自分の権限で行つたことを自分の権限で取消すか、あるいは行政庁が内閣総理大臣の申立てをそのまま受付けるか、どちらか一つだ。こういうことになつて来るのではないかというふうに思うのでございます。
  21. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大体もう結論に来たようでありますから、そこで申しますが、行政関係の特例法よりほかに道がない。ところが、従来の例によりますと、一個人の店舗の移転などについて、総理大臣が直接その権限をもつて特例法を発令するようなことは、全然窓口で受付けてくれなかつたのであります。ところが、こうやつて今度いよいよこういう新たな大法典をつくるにあたつて、そういう場合も想定される。であるから、従来は総理大臣がこの特例法の発動をするということは、実に公共のゆゆしき大問題の場合に限つて、そう例もたびたびないのであるけれども、この土地区画整理法に関係する部分は、総理大臣は頻繁にこの特例法を発動するというふうに協議がまとまつたという御答弁であるならば、われわれは安心するのでありますが、その点はどうでありましようか。また今までその点まだ押し詰めてないというならば、この法案を通すにあたつて、こういう盲点があるのだが、この土地区画整理法の施行にあたつては、今までは例がないことであるけれども、総理大臣がたとい一個人の三十坪の宅地に対してでも、なおかつこの特例法の公共の福祉というものの適用を発動してもらうという申合せを、これからでもなさるおつもりがあるか。そうすれば、たとい明文には書かなくても、この土地区画整理法を運用して実際の被害をなくし、都市計画をやつて行く上に非常に画期的な一つの転期が来ると思うのであります。そうでなければ、やはり始めてみてもそういう問題が至るところに起つて、一箇所そういうところが起りますと、その区画はどうもできぬのであります。二年も三年もじつとしておらなければならぬ。じつとしておることによつて、非常に利益を受ける者と、全然住むところ、営業の場所を失つて泣くにも泣けたい、しかも訴える道のない、訴える相手のないような事態にも立ち至る者が出ると思うのでありますが、これらに対し、今まですでに交渉をしたとか、あるいは今まではしていないが、これからは総理大臣の行政関係の特例法の発動を土地区画整理に関する限り頻繁にやつてもらうように、これから打合せをするという御意思があるかどうか承つておきたいのであります。
  22. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この点につきましては、まだ法務省その他行政事件訴訟特例法の運用を担当しておる関係当局と、十分な打合せはいたしておりませんが、ただいま御指摘もありましたところでございますし、十分打合せをいたして、新法の施行の機会にぜひさような御趣意に沿うような方向に運びたい、かように考えております。ただ従来と違つております点は、土地区画整理事業の公共性の性格について、従来はやや宅地の利用増進という個人の利益を中心として考えておつたわけでございますが、今回の法案の土地区画整理事業の目的としては、宅地の利用増進とあわせまして、公共施設の整備改善ということを目的にうたつておるのであります。従前もさような実例がなかつたわけではございませんが、しかしさようなことを法文に明文化いたしました関係も織りまぜまして、これに対する公共の福祉上の事業としての、お話のごとき場合における内閣総理大臣の権限の発動を、ぜひさような形において理由づけるということを、関係当局と話し合つて、御趣旨に沿うような形に持つて参りたいと考えております。
  23. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 この問題は、必ず本土地区画整理法案を実施するにあたり、突き当る問題でありますので、私は特に重要視しているのであります。本日は今までの御答弁では、まだ明快に解決には到達していないと思うのでありますが、特に当局の善処を要望いたしまして、なおその後の経過等も後日お尋ねをしてから、本法案の最後の可否を決することにいたしたいと思います。  次に、この法案の五つの要点をお述べになつているのでありますが、なかんずく将来の宅地に対する示唆の深いものであり、また本法案の唯一の特色というか、白眉ともいうべきものは、宅地の立体化を考え出した点にあると思うのであります。一定規模以下の過小宅地または関係権利者の同意があつた宅地について、換地にかえて建築物の一部を与えるようにしたことであります。また土地の共有持分をきめるということをお考え出しにたつたことは、この過小宅地の整理の問題にあたりまして、当委員会におきましてもいろいろ長い議論をして参つたのに対して、一つの結論を出されたと考えられるのでありますが、しかしこの九十三条に書かれております宅地の立体化ということだけで、従来大きく問題となつておりました過小宅地その他の宅地問題は解決ができるものであるかどうか。かつて当委員会では、ある一団の宅地の三分の二三での承諾があれば、三分の一は強権を発動してもよいではないか、そうでもしなければ宅地問題は解決をしないという、農地改革にも匹敵するような思想をもつて、今日の都市の宅地の改革に乗り出してみてはどらかという議論も幾度か闘わされたのでありますが、結論に到達せず今日に至つたのであります。その一つの現われとして、ここに宅地の立体化をお考えになつたのでありますが、これが運用について、従来の問題がどの程度解決されるおつもりであるか、承つておきたい。
  24. 澁江操一

    ○澁江政府委員 宅地の立体化の問題につきましては、前々から当委員会でもこの点に関する御意見がございましたが、今回の法律案のこれに対する考え方は、ひつきようするに、権利者の同意があつた場合において、これの立体化の方法をとる。こういう考え方に立つているのであります。その点につきまして、権利者の意思いかんにかかわらず、強権的に発動し得るという点も考えられたいわけではございませんが、しかしいずれにいたしましても、宅地問題に対する新しい解決方法ということで、ありますので、やや慎重のきらいがあるかとは存じますが、これはあくまで円満な協議の上に立つて、この立体化の措置をはかつて行きたい。このような考え方に立つて、実はこの法案を提出しておる次第でございます。
  25. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 土地の共有持分ということは、従来もたびたびあるわけでありますし、船等についても、共有持分ということは当然登記されているのでありますから、そのこと自体は別に珍しくも何でもないのでありますが、こういう形におけるこういう歴史と経過を経ての土地の共有持分ということになりますと、その上にはちやんと工作物が建つているのでありますから、一種の所君権の形態に、従来の共有持分とは非常に異なつた性格のものができるのではないかと私たちは考えるのであります。たとえば、例は別でありますけれども、永小作権というようなものが、この法案には各所に使われてあるのであります。永小作権は、発生の歴史から考え幸しても、各地において何とかはつきりした所有権にできる限りこれを整理して行こうという方針を、従来とつて来ておつたと思うのでありますが、この所有権も、小作権における永小作権とよく似たような、非常に扱いにくい土地にかわつて行くのではないか。たとえば、大学の入学試験などでこれを分類する一つの項目になるような新しい思いつきではないかというふうにも考えられるのでありますが、それらの将来の処分その他の処置について、何かこの法案をつくるときにすでにお考えになつたことがあるかどうか、伺つておきたいのであります。
  26. 澁江操一

    ○澁江政府委員 かかる経緯を通して共有持分にたつた土地なり建物のその後の処分の際における取扱いが、どういうふうになつて行くかということであろうと思います。運用の面といたしましては、共有持分を持つたそのままの形で処分される。つまり建物について、かりに三者の共有持分にたつている建物があるとしますれば、それと共有部分だけを切りはずさずに、全体としてこれを処分する方法で処分されて行くようなことに、運用上は考えられて行かなければならぬのじやないかと考えておりますけれども、その点については、法律的にそういう措置を明確にいたしているわけでは、ございません。ただ私どもとしましては、そういう処分方法をとらるべきであるというふうなことを希望しているという程度に考えているわけであります。
  27. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 これは私は一つの緊急題目になると思うのでありまして、その建物の建つている土地は何人かの共有持分である。その上の工作物である。建物の一階はだれのもの、二階のうちの右のすみはだれ、三階はだれというふうに分離のできないものがあります。階段はどうなるかという問題も起りますし――宅地の立体化をお考えにたつたこと自体は、宅地解決に一つの新生面を開かれたと存ずるのでありまして、その功績は私は一応認めるのであります。しかし、将来にわたり商取引その他処分の問題については、私は十分研究すべき問題がいろいろ起つて来るのではないかというように考えておるのであります。  時間がありませんから、ひとつぶつきらぼうなお尋ねだけを次々にいたして参りますが、この土地区画整理法によりまして、建設大臣みずからが施行するということがありますが、これにどういう場合でございますか。
  28. 澁江操一

    ○澁江政府委員 二つの場合を考えておるわけであります。一つは、行政庁が土地区画整理を行う場合におきまして、つまり行政区画を離れましてさような事業を行うということが生する場合がある。すなわち衛星都市のような場合を考えておるわけであります。東京都が衛星都市を区画整理等を行つてつくりたいという場合が考えられるわけでありますが、さような場合におきまして、東京都の都知事の行政権限として行政区画外のところまで権限を及ぼすわけには行かない。かような場合におきましては、国みずからがその事業を行うことが考えられるのではないかというふうに考えております。それが一つ。  それから国の公共施設が非常に密集しておるというような場合、すなわち中央官衙地区等の都市計画事業に伴う区画整理事業を行うがごとき場合におきましては、国有の公共施設、国有地等の集約しておる施行地区に対する事業でございますから、かような場合においては、国みずからが施行の任に当ることが、その仕事を容易に施行し得る形になるのではないか、かような場合を想定いたしております。
  29. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 それでは従来は全然やつておらなかつたものを、これからやるというのでございますか。
  30. 澁江操一

    ○澁江政府委員 従来ございません。
  31. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 急ぎますからかけ足で参ります。  これから逐条的に伺つて行きますが、まず十九条の三項であります。これは菊川委員からも前回質問があつたと思うのでありますが、借地権は登記しなくてもよいということになつて、その点非常にゆとりもあつて、関係者に利益を与えるためにこうなつておるのではありましようが、借地権その他の利益は、この第三項と同様に認めることにして、なおかつ一応登記さす登記主義をとるということにした方が、はつきりするのではないかと思いますが、その点どうでございましようか。
  32. 澁江操一

    ○澁江政府委員 今お話のあつた点は、結局未登記の借地権を、これをしおにして、いわゆる登録といいますか登記の線に持つて行つて解決したらどうかという御意見のように伺いましたが、一つの考えられます点は、従来からの借地の契約、それのとりきめ方あるいは実際における借地権者の実態から参りますと、未登記の場合があるという事実は、何としても否定しがたいのでありまして、そういう点から参りますれば、その際にあらためて登記するという形も考えられるわけでございますが、しかし、この登記の線に移すということについては、また手続としていろいろ借地権者、権利者そのものにおける事情もあろうかと思いますので、さしあたりこの事業施行の上において必要な最小限度における手続としての申告制度をとる、そういうふうに考えて規定をいたしたわけでございます。
  33. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私はなるべくあまりしやくし定規にしないで、借地権者といわず借家権者といわず、ゆとりをもつてその権利を保護するのが一番便宜な方法とは思うのでありますが、それがためにかえつて混乱を招くようでは、その便宜を与えたことが、今度はあだで返つて来ることもあるのでありまして、その点について、何らかのお考えはないかということをお伺いしたのであります。  次に三十八条の二項でありますが、これは組合員の三分の二が出席して、さらにその三分の二の多数によつて決をとるということでありまして、非常に慎重なのであります。慎重なのはいいのでありますが、しかし三分の二の三分の二というのは、憲法の改正か何かの重大な場合なら別でありますが、三分の二の過半数ということにして支障があるのかないのか。法律は、やはりできる限り運用のしやすいようにしておく必要があると思うのであります。先ほど私はいろいろ裁判が起るという問題について、代執行の問題を長長とお尋ねいたしたのでありますが、そういうことを起さないで、最初から得心さす意味で、三分の二の三分の二がいいのだというならば、私はそれでけつこうだと思うのであります。先ほど私が申し上げた代執行云々のトラブルの問題と、第三十四条の二項とは何か関係があるかどうか。関係がないものならば、私は三分の二の過半数でいいと思います。関係があつてそれだけあとのトラブルを防ぐ効果があるのならば、三分の二の三分の二でも、あるいは四分の三でも、どのようにきゆうくつにおきめになつてもけつこうですが、その点をお伺いいたします。
  34. 澁江操一

    ○澁江政府委員 三十四条の二項の議決方式の特例でございますが、これは特別議決事項として、二項に掲げてございますように事業計画の変更、定款の変更――会社の場合で申しますれば会社の定款の変更のごとき場合を一応予定しておるわけでございます。従つて、さような意味におきまして、先ほどお話がございました直接執行の問題点となる事業計画の内容についての特別議決方式を予定しておるわけでございまして、さような点からいたしまして、紛争解決の方法においては、この特別議決方式が、お話のようにある限度の、つまり保証と申しますか、そういう働きをするのではないかというふうに考えております。
  35. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますと、私が先ほど少し長きに失するほどお尋ねいたしましたあの代執行のようなことがまた起るのか、どうか。裁判との関係は、結局その渕源はこの第二項から生ずるのでございます。すなわち三分の二出席して三分の二で決定した場合に、出席しておらない三分の一が、あるいはそのときに反対を唱えた三分の一の者が、代執行とか裁判とかを起す、こういうふうになるのでございます。
  36. 澁江操一

    ○澁江政府委員 結局これは裁判所の判断資料ということに考えるよりほかに方法がないと思います。三分の一の反対議決側の立場の人が執行停止処分を申し立てる、それに対する三分の二の議決によつて換地処分なり換地処分の計画が決定されたという理由で対抗する、こういうことに一応想定されるわけでございます。これはやはり先ほど申し上げました行政事件訴訟特例法の公共の福祉を、この特別議決方式をとつたという理由を裏づけにして主張する一つの条件と申しますか、材料にはなるかと存じますが、お話のように、これをもつてただちにいわゆる執行停止処分の対抗条件として十分なものであるというふうに今割切るということは、いかがかと考えます。
  37. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私のお尋ねいたしたのは――今の御答弁も非常に大事でありまして、非常に参考になつたのでありますが、実はそういう意味ではないのであります。私のお尋ねいたしたのと違つた御答弁でありましたが、しかしこの審議の上には非常に大事な御答弁であります。ところが私が実際お尋ねいたしましたのは、たとえば代執行とか、この土地区画整理の運用にあたつて異議を申し立てて来る、この運用に承服をしない者の生ずる原因は、この三十四条の二項の決議のみに基くか、そのほかの場合にもそういうことが起るのか、その点を伺つたのであります。この三十四条の二項の特別議決だけが一つの原因となつて、いろいろ土地区画整理に異議を申し立てる、裁判をする者等ができるのであるか、あるいはこの三十四条の二項よりほかの議決その他の理由によつても、いろいろ裁判をしたり、せなければならないことが起るのであるかどうかという点をお尋ねしたのであります。
  38. 澁江操一

    ○澁江政府委員 御質問の趣意が、まだ十分のみ込めておりませんが、この特別議決事項以外についても、異議申立ての場合は起り得ると存じます。
  39. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 それはどういう場合でございますか。大体この三分の二の三分の二以外で、何か重大な異議の申立てをするような議決をする場合が、ほかにもあるのでございますか。
  40. 澁江操一

    ○澁江政府委員 三十四条の特別議決事項以外の部分で、問題になり得る場合を一応想定してみますと、三十一条の第一項の六号に賦課金の額と徴収方法という問題がございますが、これは必ずしも特別議決事項になつておりません。もう一つは仮換地の指定でございますが、これは換地計画の上の一つの普通議決事項に取扱つておることになつておりますので、これに対しても異議申立ての場合が起り得る。
  41. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 第何条ですか。
  42. 澁江操一

    ○澁江政府委員 三十一条の八号に、仮換地指定という総会の権限にまかされておる事項がございますが、これと三十四条の二項と対比していただきますと、これは特別議決事項に入れておりません。さような関係で異議申立ての場合が考えられるわけであります。
  43. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 事態が非常に明らかになつて参りましたが、こういう大法典をつくつても容易なことではないということが出て参つたわけであります。これはなるほど総会の議決を経るのでありますから、総会の過半数できめる。仮換地については、百人のうち四十九人が不服であつても、五十一人が賛成であれば、それで一応強行してしまうことになるわけであります。そうすると、また至るところに裁判ざたが起つて参ることになる。この仮換地を、非常に軽く見られますけれども、仮換地で、大体そこにバラックを建てるなり、あるいは半永久的なものを建てて常業を始めるのでございまして、仮換地においてこそ異議が申し立てられます。本換地――仮換地に対して本換地ということは言葉にありませんけれども、そういうことよりも、一番問題になるのは仮換地であります。ところが仮換地は三分の二の三分の二もやらないで、最初から頭から二分の一でやつてしまうということになると、これはトラブルを生ずる余地がはなはだ多いと思うのでありますが、仮換地は何ゆえそう軽くお認めになりましたか。   〔委員長退席、瀬戸山委員長代理着席〕
  44. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この特別議決事項の対象に仮換地の指定を入れませんでしたのは、他のいわゆる組合組織あるいは会社組織等における組合員あるいは株主、組合総会あるいは株主総会における特別事項等の関係等もにらみ合せまして、やはり特別議決事項の範囲というものは、おのずからさような他の法律体系との関係において考えなければならぬという考え方に立つて案をつくつたのであります。さようなわけで、ここに書いてあることは、重要な事業計画ないしは組合の定款あるいはその組織、それからその存続という問題に関する事項だけに限定しておるわけであります。なるほど仮換地の指定が重要な事業計画の一つの前提処分として重要なる意義を持つということは、お話の通りに、実体上さようなことになつておると思います。ただこの不服申立てにいたしましても、先ほどの問題に立ち返るようでございますが、行政事件訴訟特例法の規定としては、やはり違法な処分を一つの問題にいたして申立ての理由に取扱つておるわけでありまして、さような観点からいたしまして、単なる五十一対四十九というその議決の方法においてのみ、不服申立ての処分が受理されるという形には、必ずしもなつて参らないというふうに考えるわけであります。
  45. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 かけ足で行きます。一応問題点を示して、また時間があればあとでひとつそのとどめをつけたいと思うのであります。  今の問題と三十六条の二項の問題、いわゆる百人以上の組合の場合には、総会にかわつて総代会でやるというのであります。そういたしますと、全員が総会に出て議決した場合の過半数では、仮換地について将来かなりの問題が残ると思う。たいてい百人を越えるのであつて、小さいいなかの町でも、何千人もの関係者がおるわけですが、二千人も関係者があるということになりますと、借地権と所有権とでその倍になりまして、その十分の一というと相当な数にもなるわけであります。ところが、それが五十人以上であればよいということになつておりますが、そういたしますと、何千人の場合でも、五十人あればこの仮換地は総会にかわつて決定をしてしまうことができる、そういう意味でございますか。
  46. 澁江操一

    ○澁江政府委員 御質問の通りであります。
  47. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこにまた最初申し上げた裁判ざたの起る余地があろうと思います。同時に、これは法文の形式といたしましては、「組合員の総数の十分の一を下らない範囲内において」とありますが、今私の申した理由からいうたらば、数が多いほどよいということになるわけであります。一方また運用の面からいいますと、五十人以上でよいと言つておるのに、一方十分の一を下らないというと、その間の矛盾というか、運用上二千人の場合は四百人でもよいが五十人でもよいことになるのでありまして、法文の形式として、これはどうかというような点も考えられますが、これは大した問題ではありません、問題は五十人ぐらいで何千人もの仮換地の計画を決定してしまうところにあるのであつて、実際にさあ仕事をやろうというときになつて、あそこにもここにもトラブルが起る余地は、こういうところから出て来るのではないかという点を指摘いたしておきたいのであります。  第三十八条の二項と五十八条の三項とは、非常に関連したものでありますが、これも菊川委員がこの前詳細にわたつてお尋ねなすつたものでありまして、借家権を尊重する手段が非常に微温過ぎる、もつとはつきりさせる方法はないかというのであります。これは菊川委員がずいぶん詳しく質問しております。そこで五十八条の三項には、学識経験者を中に入れることになりますと、正確にはその関係はどうなるのでありますか。学識経験者を入れておけば、それで借家権が尊重されるということの因果関係はどういうふうになつておるかという点でありますか、立案の方針を承つておきたいと思います。
  48. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この前の菊川委員からの御質問の際に、この中立委員の選考方法とあわせて借家権者の保護の問題があつて、考え方、運用上の問題が残されておるのではないかということを申し上げたわけであります。もちろん学識経験者から選任される委員でございますが、必ずしも借家権者の利益代表としての学識経験者ということを、はつきりこの立案過程において考えたわけでもございません。しかしいわゆる地区内の所有権者あるいは借地権者の立場以外の利害関係をある程度代表する場合に、あるいは区画整理事業についていわゆる経験者、熟練者を求める場合、さような場合を一応想定しておるのでございまして、さような考え方の中におのずから学識経験を持つ中立委員の立場において、この前菊川委員からお話のございました借地権法の一つの場合も考えられるのではないかというふうに申し上げたのでございます。
  49. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 問題をはつきりと解決する時間がありませんから、次に進みますが、もう二点お尋ねをして終ります。  五十八条の七項から九項までであります。いわゆるリコール、それぞれそれらの者の選挙にかかる委員の改選をするということになりますと、これは各グループごとに全部やつてしまうというわけであります。第九項には、予備委員もその地位を同時に失う、こういうことでありますが、せつかくこういう不正を防止するためのリコール制をおきましても、各グループの全部をやつてしまうというのでありますから、甲と乙とは目分の親戚や自分の土地を四つかど持つて来て非常に目に見えた不都合をやる。甲と乙とは何とかやめさせたいが、それをやめさせるには、甲以下二十人を全部やめさせなければならない、こういうことになりますと、せつかくのリコールの制度も運用はなかなか困難である。甲と乙とは確かに衆目の見るところ不都合千万なやつであるが、しかし他の十八名がそのためにやめさせられてはかなわない、こういうことにもなると思うのであります。もちろんこの第九項に予備委員も全部地位を失うとあります点の意味は、われわれにもよくわかるのでありまして、それではその甲と乙との予備委員が自分がひとつ本委員になろう、そこで理由のいかんにかかわらず、ひとつ無理に甲と乙とをけ落してやろう、そうすれば自分が、予備委員が上へ上つて行けるからというので、リコールを濫用することも、なるほど御心配になる意味はあると思うのであります。しかし、それはやはり大衆が見ておるのでありますから、予備委員のいわゆる謀略並びに野心から、正しい者をリコールに追い込むというような例はきわめてまれなではないか。またそういうことは何らかのことに法文を挿入するか、それとも他の方法で防げるのではないか。そうすれば、グループごとに全部やめさせてしまうという制度でなくても、目に余る悪い極端な委員をリコールするという道を講じておかねば、せつかくのリコール制度はただ名ばかりであつて運用ができないのではないかということも考えられるのでありますが、政府の御答弁を承りたいのであります。
  50. 澁江操一

    ○澁江政府委員 お話の点、まことにごもつともなところもございます。ただ立案者といたしましては、やはりただいまお話がございましたように、予備委員の策謀と申しますか、謀略によつて一部の委員と交代せんがための一つのリコールの濫用というものをむしろ防ぐ意味におきまして、グループごとの全員改選といろ方向にまで持ち込むことが、結局そういう方法を防ぐ手段ではないかというふうに考えて立案いたしたわけであります。
  51. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は予備委員の野望を想定をして、それがために全体の条文が死んでしまうようなことは、これはあまり小心過ぎるのではないか、かように考えるのでございまして、政府の方でもひとつよろしくお考えおき願いたい。  その次は六十九条であります。全般的に見て、七十四条とか六十六条では、建設大臣、都道府県知事及び市町村長というものを全部並べて書いて対等に扱つておるのに、六十九条においてのみ、建設大臣を特別扱いをする理由はどこにあるのか。ちよつと見下した、だけでは味がわからぬのでありますが、特に第六十九条の十項におきまして「建設大臣が施行する土地区画整理事業については、建設大臣は、第一項から第五項まで(前項において準用する場合を含む。)の規定に準じ、政令で定めるところにより、施行規程及び事業計画を定め、」云々とあるのでありますが、都道府県知事、市町村長等はちやんと二週間公衆の縦覧に供さねばならないと条文に明記をしてありますのに、建設大臣の場合は政令でかつてにきめてしまう。なるほど一項から五項までに準ずるとは書いてあります。政令にゆだねるというのはどういう意味なのでありますか。せつかくちやんとここに法律ができるのでありますから、政令にまかす必要はない。われわれがちやんとここで審議をして、はつきりとこういう重大な縦覧期間、その他個人の私権と関係のあるものは、当然法文の中に明記しておくべきであると思いますが、どういう意味でありますか。
  52. 澁江操一

    ○澁江政府委員 六十九条は、行政長が土地区画整理を行う場合における、いわゆる行政長が施行者である場合における施行規程、事業計画の決定、変更の手続を規定したのでありまして、建設大臣につきまして、十項に特別規定を置いたようなことになつておりますが、しかし、知事あるいは市町村長が施行者である場合と、本質的に違つた手続規定を考えておるわけではございません。ただここに「政令で定めるところにより」という条件をつけまして、一項から五項までを準用するということにうたいましたのは、建設大臣がみずから施行者である場合におきましては、公衆の縦覧あるいは利害関係者の意見の審査、これらにつきましては、それぞれ事業の施行地区に関係ある地元の市町村長あるいは知事等に、かような手続の方法をそれぞれゆだねるという場合を一応考えておりますので、さような点におきまして、規定に一項から五項の規定に準ずるという方式と、政令で定めるという方法を規定してあるわけでございまして、本質的た手続上の規定を建設大臣がまかせるといろ考え方を持つておるわけではござい乗せん。
  53. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 もう時間がたいへん遅くなりましたので、これで私は最後の質問といたします。今の御答弁についても、私はそれなら第六十九条にも、冒頭に「建設大臣」と入れれば、それで全部片づくのではないかと思いますが、それはあとに譲りまして、七十五ページの第七十六条の三項の終りの方に「この場合において、これらの条件は、当該許可を受けた者に不当な義務を課するものであつてはならない。」とありますが、「不当な義務」とは何をさすか、また不当なりやいなやは、何人が判断するのか。法文となります以上は、明確にしておかねばなりません。道徳規定ではあつてもなくてもいいということになるのでありますので、ここに法律となる以上は、不当な義務を課するものであつてはならないという意味を明確にせねば、いや不当だ、不当でないという水かけ論では、法文を置く理由はありません。またその不当だということを、だれが判断するのかという点が一点であります。  それから非常に時間をとつて恐縮でありますから、一ぺんに申し上げますが、七十六条の五項のずつと終りの方に「都道府県知事又はその命じた者若しくは委任した老が、原状回復し、又は移転し、若しくは除却する旨をあらかじめ公告しなければならない。」の「あらかじめ」とは、一体どうやつたらいいのでありますか。期間が前日でもよいのか、時間が一時間でもよいのか。これも法文としては「あらかじめ」というのでは、私は運用にあたつて、またいろいろ議論が生ずると思うのであります。あるいは第七十七条第四項の終りから二行目に「この場合においては、相当の期間を定め」とありますが、「相当」とは幾らであるか、だれが判断するのかという点、それから七十八条の二項は違反建築物だということでありますけれども、この点について、条文の運用をはつきりしていただきたい。  最後には、減価補償金の第百九条に「宅地の価額の総額が土地区画整理事業の施行前の宅地の価額の総額より減少した場合においては」云々とあるのでありますが、それはある市なら市、それを四つにわけておれば、その四つの区なら区の全体の宅地の価額が減少するというようなことがあり得るわけのものではないと思うのであります。もつともこの法律によると保留地をとることができることになつておるのでありまして、公共用地に取上げる土地の面積にもよるかもわかりませんけれども、しかし坪当り単価の下るということは、これは区画整理によつて絶対に起ることはないのであります。そういたしますと、その宅地価額の総額ということは何の総額であるか、区画整理した結果出る各宅地の何十万坪、何万坪の総額であるか。それを一々評価するといつても、時価によるのか、何によるのか。競売でもしてみなければわからないのでありまして、この減価補償金の点は、運用の上において非常に疑義があると思うのであります。  以上、私の質問はこれだけであります。なお、私はこれで終りますが、これからあなたがなさろうとする御答弁も、必ずしも全部の満足を得るかどうかわからないし、今まで御答弁なさつたことについても、全部了解したものではないことをつけ加えて、本日は私はこの程度にして打切ります。
  54. 澁江操一

    ○澁江政府委員 まず第一点のお尋ねは、七十六条の第二項の最後に書いてございます、不当な義務を課する条件をつけてはいけないという点でございます。これは逐条説明の際にも申し上げたかと思いますが、たとえて言いますれば、施行者が無条件立ちのき等を課するような場合を言つておるのでありまして、さようなことを大体想定しておるのであります。この判定は、もちろん施行者がまずもつて条件をつける場合に考えるわけでございますけれども、しかしこれに対する争いがあつた場合、その最終的判定はどうなるかということになります。これは他の違法処分と申しますか、この法律に基く処分行為に対する訴訟、それに対する裁判所の認定、こういう問題が当然予想されますので、さような場合における、不当な義務を課した条件であるかどうかということの争いがあつた場合の判定は、裁判所によつて認定されるというふうに考えております。  次は第七十六条第五項に規定いたしております「あらかじめ公告しなければならない。」という点でございますが、これは字句といたしましては、その前に書いてございます、「相当の期限を定めて」「あらかじめ公告しなければならない」ということになります。従つてその際における「相当の期限」という問題にかかるわけでございまして、これは法文の趣意から申しますれば、これらの原状回復、移転、除却等の実行に要する期限というものを大体想定しなければならぬというふうに考えます。これが「相当の期限」の運用であろうかと考えます。
  55. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 実行に要する期限は、実行する人によつて非常に違うのですが、どういう標準がありますか。
  56. 澁江操一

    ○澁江政府委員 それは堅牢建築物の場合でありますとか、あるいは建物の規模でございますとか、それらの事情によつておのずから個々の場合に違うと思いますけれども、そういう全般的な一つの解釈運用としては、それらの工作物を除却、移転するに必要な相当の期限ということに考えておるのであります。その点は第七十七条の第四項についても同様の趣意と考えております。  次に、七十八条の二項の点については、もう少し御質問の趣意を聞かしていただきたいと存じます。  最後の減価補償金の問題でございます。減価補償金につきましては、これも申し上げたかと存じますが、土地区画整理事業の方法として、通例の場合においては、いわゆる宅地の価額の総額が従前の宅地の価額の総額より落ちるという場合は、普通考えられないわけであります。しかし、駅前広場をとります場合とか、あるいは広幅員の街路を計画として入れるとか、さような公共施設の用地を大幅にとらなければならないというような場合におきましては、宅地面積の減少の結果といたしまして、個々の宅地の価額は上つたけれども、宅地総額の上においては減つたという場合が考えられると思います。かような場合における個々の宅地の評価につきましては、これは評価員制度をこの法案の中に考えておりますので、この評価員の評価によつてできるだけ公正な基準によつて評価をする、こういう考え方であります。
  57. 瀬戸山三男

    ○瀬戸山委員長代理 両案に関しまする残余の質疑は次会にいたします。  次会は公報をもつてお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十二分散会