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1953-10-29 第17回国会 衆議院 本会議 1号 公式Web版

  1. 昭和二十八年十月二十九日(木曜日)  議事日程 第一号     午前十時開議  第一 議席の指定  第二 会期の件  第三 特別委員会設置の件     ―――――――――――――   一 国務大臣演説     ――――――――――――― ●本日の会議に付した事件  日程第一 議席の指定  日程第二 会期の件  海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査をなすため委員二十五人よりなる特別委員会を設置するの件(議長発議)  公職選挙法改正に関する調査をなすため委員二十五人よりなる特別委員会を設置するの件(議長発議)  本期国会においても行政監察特別委員会を設け委員の数を二十五人とすることとし、その権限及び次の国会召集の日までに支出し得る費用等については昭和二十六年二月六日本院で議決した通りとするの件(議長発議)  北九州の豪雨による被害並びに西日本一帯の水害和歌山及び奈良両県を中心とする南近畿地方における豪雨による被害、長野県下における豪雨による被害、北海道における豪雨による被害、鹿児島県下における豪雨による被害、東近畿地方における豪雨による被害及び台風第十三号による被害を調査しその対策を樹立するため委員四十人よりなる水害地緊急対策特別委員会を設置するの件(議長発議)  水害地緊急対策特別委員会の付託事件に関連する諸議案及び請願が提出された場合には今後同特別委員会に併せ付託するの件(議長発議)  小笠原国務大臣昭和二十八年度の補正予算に関する演説  岡崎国務大臣の最近の外交問題の経緯等に関する報告  館俊三君の故議員田中元君に対する追悼演説     午後一時九分開議
  2. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 諸君、第十七回国会は本日をもつて召集せられました。  これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 衆議院規則第十四条によりまして、諸君の議席は、議長において、ただいま御着席の通りに指定いたします。      ――――◇―――――
  4. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第二、会期の件につきお諮りいたします。今回の臨時会会期召集日から十一月四日まで七日間といたしたいと存じ、これを発議いたします。  本件につき討論の通告があります。これを許します。島上善五郎君。     〔島上善五郎君登壇〕
  5. 島上善五郎

    ○島上善五郎君 ただいま議長発議によつて上程されました第十七臨時国会会期を七日間とする件に対しまして、私は日本社会党代表して反対の意見を表明するものであります。(拍手)  過般の西日本及び近畿地方を襲いました風水害東北北海道の冷害、虫害等は、御承知のようにわが国未曽有の大災害でございまして、直接被害を受けたる農漁村の惨状はまさに深刻をきわめ、これが復旧並びに救援対策は一日、一刻を争うものであることは申し上げるまでもございません。従いまして、わが党は、さきに野党四派と協調しまして、成規の手続をもつて、すみやかに臨時国会を開くべきことを要求したのであります。しかるに、政府は、国会召集権限政府にあることを奇貨として、本日まで荏苒日を送り、災害対策に対して何らの誠意を示さなかつたのであります。(拍手)今や、政府のこの無誠意、無策に対する怨嗟の声は、全国農村漁村から、ほうはいとして上つておるのであります。(拍手)この声に対しては、与党といえども、いかに耳をおおおうとしても聞かないわけには参らぬと思います。そして、ようやく本日国会を開き、しかもその会期をたつた一週間にしようというのであります。  災害問題はもとよりでありますが、今日国会を開きました以上は、論議しなければならぬ問題が山積しております。(拍手)あの国際公法を無視した李承晩ラインの問題だつて、政府は一体どうするつもりであるか。MSAの問題について、池田特使を派遣して、何とか再軍備を十八万か二十万程度にかんべんしてもらいたい、経済援助をもらいたい、こういう談判をしておりまするが、三十二万五千という、戦前の常備軍をはるかに上まわる大軍備計画の荷物を背負わされておる。この問題を一体国民に対してほおかむりしようとするのであるか。さらに、七月十八日、人事院は、国家公務員のベース改訂を勧告しておる。当然、このベース勧告については、前国会においてこれを審議し、予算措置を講じなければならぬのに、前国会はほおかむりし、今またこの国会でもほおかむりしようとしておる。これはまさに国家公務員法を蹂躙する行為であると言つてもさしつかえない。(拍手)国鉄、専売、全電通等に対する仲裁裁定が下されたことも諸君御承知のところである。これも一体ほおかむりしようとするのであるか。だんだんと国会会期をずらして行つて、年末手当とベース・アツプをすりかえようとする魂胆がありありと見えるではないか。私どもは、このような国民が刮目しているところの重大問題にほおかむりして、例の秘密独善外交をもつて日本の運命をとんでもないところに持つて行こうとする吉田内閣のやり方に対しては承服することができない。  しかも、国会は言うまでもなく衆参両院によつて成立する。衆議院参議院と両方で、かりに災害対策だけにしたところで、一週間で何をやろうとするのであるか。私は今から明言しておくが、国会会期延長になることは必至であります。会期延長になることは必至である。従いまして、私どもは、当初から一箇月の会期を要求し、この間に災害問題を早急に対処することはもちろんでございますが、災害問題に対する結論を早急に出すことに協力することはもとよりやぶさかではありませんが、その他の問題に対しましても当然国会において論議し、国民の負託にこたえることは、政府責任でもあり、国会議員の当然の責任でもある。会期を一週間にして逃げようとすることは、政府が政局を担当する能力がないということをみずから暴露するものであり、政府国会国民に対する責任を回避しようとするものであつて、断じて許すことはできない。  従いまして、私どもは、あくまでも会期一週間に反対し、当然今国会は一箇月要するものであるということを強く主張いたしまして、議長発議の会期の件に対して反対いたします。(拍手)
  6. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 小泉純也君。     〔小泉純也君登壇〕
  7. 小泉純也

    小泉純也君 私は、改進党代表いたしまして、議長発議に賛成をいたし、社会党の反対の主張に反対の意を表明するものであります。(拍手)  御承知のごとく、今回の水害、冷害は未曽有の惨害でございまして、これら罹災者はその復旧対策の樹立のすみやかならんことを渇望してやまざるものであるのでございます。この緊急を要する事態の解決のために今国会召集と相なつたのでございますので、わが党は、あくまでもこの国民の要請にこたえまして、すみやかに事態の解決をはからんと意図しているのであります。(拍手)  もちろん、今回の召集が野党四派の要請によつてなされたことも認めまするが、その主要なる原因は、わが改進党が、これら国民の要請にこたえ、また国の内外の情勢から検討いたしまして、政府の都合も慎重に勘案いたし、短期国会をもつてその緊急対策の実施をば要望いたしたことによつて、政府並びに与党がわが党の主張に同調したということから今回の召集と相なつたのでございます。ただいま、社会党の諸君は、わずか一週間で何ができるかという仰せでございましたが、今日の内外の情勢をわれわれが厳粛に認識いたし、国家的見地に立ちまして、真剣に、まじめに政治建設に努力いたしますならば、一週間をもつて十分事足りると私は信じて疑わないのでございます。(拍手)  改進党におきましては、最初の要求にかんがみましても、天下の公党としての政党の信義を貫く見解からいたしましても、議長発議に賛成をいたし、社会党の諸君の主張に反対の意を表明するものでございます。(拍手)
  8. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 池田禎治君。     〔池田禎治君登壇〕
  9. 池田禎治

    ○池田禎治君 私は、日本社会党代表いたしまして、ただいま議長の発議になりました会期一週間の件につきまして反対の討論を行わんとするものであります。(拍手)  各党におきましても、すでに、今次の災害がきわめて甚大なものであり、国民生活の上におきまして、あるいはあらゆる面におきまして深刻なる様相を呈しておることは、私の申すまでもなく御承知のところであります。されば、ただいまその救農国会を提唱されたという改進党の諸君も同調されまして、そうして早期に国会召集すべきことを、われわれは、憲法第五十三条あるいは国会法の三条に基きまして、所要の手続をいたしまして、政府に要求して参つたのであります。政府もまたこれを認めたるがゆえに、先般この国会召集する通告をなしたのでありますが、それは過ぎ去つたことでありまして、死児のよわいを数えるようなものでありますけれども、何というおそいことでありましたでしよう。今日水害が起きまして、あるいは冷害が起きまして、その災害の最も早い地点におきましては、農民は田畑を失いまして、そうして裏作さえもできない。その見通しもつかない。まさに鬼哭啾々たる現状を示しておるのが、わが国の農村の実態であり、水害地の現状であると言わなければなりません。(拍手)それにしても、おそかつたといえども、政府はお開きになつた。開こうとした。その点は私は認めます。しかしながら、なぜに、こういうふうに、早々にして一週間だけをもつてするか、もう少し全般の問題を考え、そうして誠意をもつて、ただ逃げ切ろうという考え方でなく、堂々と誠意を披瀝いたしまして、国民の前に率直なる政府の最善を尽したる努力を示しまして、もつて国民とともにほんとうにわが国の災害の実情を打開するという熱意ある態度を示さなかつたかということを、私はきわめて遺憾に思うのでございます。(拍手)  さらにまた、わが党は、今期国会一箇月間を主張し、最初におきましてこの災害対策のための第一次補正予算を提出いたしまして、そうして引続き第二次補正予算を提出いたしまして、公務員給与問題、あるいは米価問題、すべての問題を当然この国会に諮らなければならぬことを主張しておるのでございます。先ほど島上君からも申されましたけれども、李承晩ラインといい、あるいは池田特使のアメリカにおきまするところの動き、それらは、たとい私どもが善意解釈するといたしましても、新しき憲法民主主義精神が、国民とともに相談し、国会を通じて行うというところの典型的なものを、なぜお示しにならないのでありましようか。時の総理大臣改進党総裁の二人が会つて、そうして重大なものをおきめになつて、国民をつんぼさじきに置くということは、新しき憲法の精神であり、民主主義の真髄であるかということを疑わなければならないのであります。(拍手)反対論があるのは、今日当然なことであります。その反対の人々に反対の意見を堂々と述べしめ、そうしてその中に賛否両論を闘わしめて決するところに、真の民主主義の高揚があり、進展があり、新しき政治のモラルがあると言わなければならぬのであります。  かかる意味合いにおきまして、私どもは、現下内外の諸情勢に対応する政府の心構え及び国会の気持といたしまして、一週間程度の国会でなく、当然これを一箇月程度にいたしまして、そうして第一次補正、第二次補正の予算を相次いで上程されることを希望するものでございまして、議長の発議にここに反対をするものでございます。(拍手)
  10. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 会期の件につき採決いたします。会期召集日から十一月四日まで七日間とするに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  11. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 起立多数。よつて会期は七日間とするに決しました。  この際暫時休憩いたします。     午後一時二十六分休憩      ――――◇―――――     午後四時三十分開議
  12. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。      ――――◇―――――
  13. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 日程第三、特別委員会設置の件につきお諮りいたします。  海外同胞引揚げ及び遺家族援護に関する調査をなすため、委員二十五名よりなる特別委員会を設置いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。  次に、公職選挙法改正に関する調査をなすため、委員二十五名よりなる特別委員会を設置いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。  次に、今期国会においても行政監察特別委員会を設け、その委員の数を二十五人とすることとし、その権限及び次の国会召集の日までに支出し得る費用等については昭和二十六年二月六日本院で議決した通りといたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。  次に、北九州の豪雨による被害並びに西日本一帯の水害和歌山及び奈良両県を中心とする南近畿地方における豪雨による被害、長野県下における豪雨による被害、北海道における豪雨による被害、鹿児島県下における豪雨による被害、東近畿地方における豪雨による被害及び台風第十三号による被害を調査しその対策を樹立するため、委員四十名よりなる水害地緊急対策特別委員会を設置いたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。  ただいま議決せられました四特別委員会の委員は従来通りの方を指名いたします。      ――――◇―――――
  18. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) なおお諮りいたします。水害地緊急対策特別委員会の付託事件に関連する諸議案及び請願が提出された場合には今後同特別委員会にあわせ付託するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  19. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつてその通り決しました。      ――――◇―――――
  20. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 小笠原国務大臣から昭和二十八年度の補正予算に関し、岡崎国務大臣から最近の外交問題の経緯等に関し報告のため発言を求められております。順次これを許します。国務大臣小笠原三九郎君。     〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
  21. 小笠原三九郎

    国務大臣小笠原三九郎君) 政府は、今回災害対策費等現下緊要と認められる需要に応ずるため、昭和二十八年度補正予算国会に提出し、御審議を煩わすことと相なりましたので、ここにその大綱を御説明いたしたいと存じます。  去る六月の西日本水害を初め、本年度の累次にわたる風水害は、広汎かつ大規模のものであり、それに加えて異常なる冷害等に伴い近年にない農作物の不作となつておりますことは、わが国としてまことに不幸なことであり、罹災者に対しましては深甚の御同情を申し上げる次第でございます。  今回補正予算を提出いたしまするのは、これらの災害に対する復旧、冷害に対する救済等のため急速に支出を要する事態に対処するものであります。  ひるがえつて今日わが国の経済情勢を観察いたしまするに、世界経済の基調と比較いたしまして、多少インフレ的な傾向を示しておるものと判断せざるを得ないと存じます。すなわち、輸出は、わが国商品の価額が割高であるがために阻害せられている面があり、他方、国内需要の増大に伴い、輸入は増加している状態であります。このような関係から、本年度の国際収支は、特需等の外貨収入を含めましても、なお相当の赤字が予想される実情にあります。現在世界各国が通貨価値維持のために懸命に努力しているのにかかわらず、ひとりわが国が安易なる経済を営み、国際収支の赤字を続けることは、経済自立の達成が不可能とならざるを得ないのであります。すなわち、この際通貨価値の安定を確保することは、ただに物価騰貴による実質的な国民生活の低下を防ぎまするのみならず、わが国独立経済基礎を確立するがためにもきわめて重要であり、これをもつて政府政策の中核とすべきものであります。この意味からも、財政の健全性を強化することは、現下のわが国の経済にとつて根本的な要請であると確信している次第であります。  今回の補正予算は、とりあえず緊急に支出を要する災害対策費等に限定し提出いたしたものでありまするが、政府は、本年度補正予算及び明年度予算の編成につきましては、右の基本的な考え方を貫き、既定の経費の節約をはかつて、財政規模の圧縮に努める所存であります。  次に、今回の補正予算の内容について概略説明いたします。  一般会計の歳入の増加額は三百四十四億円であり、これに対し歳出の追加額は五百十億円でありまして、その差額百六十六億円は歳出の節減によりまかなつたのであります。これにより、昭和二十八年度一般会計予算総額は九千九百九十九億円と相なるのであります。  まず歳出につきましては、第一は風水害対策費であります。当初予算におきましては、当年発生災害のための予備費として百億円を計上いたしておつたのでありまするが、災害が相次いで発生した上、特別措置法による国費負担分増加の関係もあり、今回さらに三百億円を追加計上することといたしました。なお、その実施にあたりましては、工事の種類、緊急度合い等により、極力重点的に工事を取上げるよう措置することといたしております。  第二は冷害等対策費であります。異例の気象条件による冷害等によりまして、凶作地帯の実情は深刻なものがありまするので、この際特に土地改良その他の救農土木事業の実施等各般の臨時救済措置を講ずるため七十億円を計上いたしました。  第三は農業保険費であります。今春の麦及び蚕繭の被害に加えて、その後の災害による水稲の被害も相当な額に達する見込みでありまするので、この際一般会計に百三十億円を計上し、基金二十五億円等と合せて、再保険金の急速かつ円滑な支払いを期することといたしました。  以上、今回の災害対策として合計五百億円を計上いたしておりまするが、このほか奄美群島の復帰も近く実現することと相なりましたので、これがため奄美群島復帰善後処理費十億円を計上いたしまして、受入れ措置の万全を期しておる次第であります。  次に、これらの歳出に対する財源について説明いたします。さきに申し述べました健全財政確保の基本方針に基き、財源調達の面におきましても、公債の発行、前年度剰余金の使用等に依存することなく、極力既定経費の節約と租税等の自然増収によることといたしたのであります。  既定経費の節約について申し述べますると、公共事業費、食糧増産対策費につき、新規事業の抑制、既定計画の重点化等により、当初予算額より五十九億円の歳出の節約を実施するほか、平和回復善後処理費において七十億円、特定道路整備事業特別会計への繰入れにおいて十五億円、住宅金融公庫の出資において二十二億円の減額を実施いたしております。なお住宅につきましては、もとより既定の建設計画には何ら支障を来さしめない所存であります。以上により、合計百六十六億円の節約をはかつた次第であります。  歳入の増加について申し述べますと、まず租税収入におきましては、最近までの収入実績等を勘案いたしますると、所得税、法人税、消費税等の増収により、当初の見積りに比し三百億円の増加が見込まれるのであります。これと雑収入の増収を合せ、今回の補正予算におきましては、歳入において三百四十四億円の増加と相なるのであります。  以上、昭和二十八年度補正予算の大綱について説明いたしたのでありますが、政府といたしましては、今後も財政面からのインフレ要因を厳に排除することはもちろん、金融の面においても、すでに日本銀行高率適用制度の改訂、国庫指定預金の操作、輸入金融面の方策、生活必需物資、重要原材料等の輸入確保等の措置を実施いたしており、今後ともインフレの傾向を抑制するため万全の配慮を加えて参る考えであります。  何とぞ政府の方針を了とせられ、本補正予算案に対し、すみやかに御賛成あらんことをお願いいたします。(拍手)
  22. 堤康次郎

    議長堤康次郎君) 国務大臣岡崎勝男君。     〔国務大臣岡崎勝男君登壇〕
  23. 岡崎勝男

    国務大臣岡崎勝男君) 最近の外交案件につきまして、その経緯を御報告いたします。  まず、私は、過般東南アジア諸国を訪問いたしましたので、これにつき御報告いたします。  私は、九月二十九日より今月十五日まで約二週間、いまだわが国と正式に国交関係の回復を見るに至つておりませんフイリピン、インドネシア及びビルマの三国を訪問いたしました。私の目的は、すみやかに正式の国交回復をはかることを主眼といたし、そのため各国要路の人々と腹蔵なき意見を交換するとともに、あわせて各国の実情を視察するにありました。国交回復については、当然賠償の問題も出て参りましたが、フイリピンにおきましては、政府当局者並びに野党首脳者といろいろ話合いを行い、賠償問題についても、先方の考え方を十分確かめることができたのでありまして、将来の問題解決につき、ややめどをつけ得たと考えております。  ジヤカルタにおきましては、日本の与えた損害額として、非常に大きな数字が、いまだに新聞紙等に伝えられているありさまでありましたが、もとよりわが方の支払い能力に限りのあることは、先方も認識しておるところであります。また、インドネシア政府よりは、さきに、桑港平和条約のかわりに、二国間平和条約締結したい旨正式に通告して来ておりましたので、事情やむを得ずと考え、私としても、二国間平和条約の方針には異議のない旨を述べ、賠償問題も右条約の一環として解決をはかることに話合いを行つたのであります。私のジヤカルタにおける話合いに基き、今朝インドネシア政府の賠償調査団が来朝いたしましたが、同調査団の調査の結果に基き、さらに実際的な話合いを進めることができ、また、あるいは沈船引揚げに関する話合いまで進むかと思つております。  ビルマにおきましては、国交回復についても、賠償問題についても、非常に実際的な考え方を有しております。また、日本との経済提携にかなりに積極的であるように見受けられたのであります。もつとも、ビルマにおきましても、戦争被害が他国に劣らざるものだとする考えのようでありまして、将来さらに具体的な話合いを重ねる必要があると思うのであります。また、わが方より二国間平和条約案を提示いたしましたところ、大綱におきましては意見の相違はないようでありました。  これら各国におきましては、いずれも新興の意気に燃えて、国家建設に非常な熱意を傾倒しているよう認められまして、まことに頼もしく感じたのであります。また、日本に対する感情も逐年良好となりつつあるようであります。さらに、いずれの国におきましても、日本を含めた東南アジア諸国間に密接なる連繋を保つことが平和と繁栄のため特に必要なるゆえんを強調せられましたが、これも私としてはまつたく同感でありました。結局、私の旅行は、はなはだ短時日ではありましたが、相互の理解を深め、友好関係を増進する上において相当役立つたものと信じております。  最後に、これらの諸国において、私に対し特に懇篤なる待遇を与えられたことは、日本国民及び日本政府に対する敬意と友情の証左として、深くこれに謝意を表する次第であります。(拍手)  次に、日韓会談につきましては、十月六日会談を再開しまして以来、わが方は誠意をもつて本会談における妥結に努めましたが、韓国側の高圧的な態度により、十月二十一日会談が継続不能となりましたことは、すでに御承知の通りであります。  今回の会談は、九月初め以来、韓国側の国際法を無視した、いわゆる李承晩ラインの強行措置にもかかわらず、日韓両国の友好関係維持の大局的見地から、わが方から進んで会談の再開を申し入れたものであります。わが方としましては、漁業問題の緊急性にかんがみ、これが先議を提案したのでありますが、先方は、請求権の問題、船舶問題等、日韓両国間の他の懸案をも同時に討議することを固執したので、わが方もこれに応じたのであります。会談は、当初おおむね抽象的な原則論に終始しておりましたが、いよいよ漁業問題につきわが方より現実的な具体案を提出せんとしておりましたその前日に、韓国側が、請求権部会におきますわが方代表の発言を口実に、会談を不調に陥らしめたのは、まことに遺憾と言わざるを得ないのであります。  このように、会談が不調に終つた結果、当面二つの問題が緊急解決を要するものとして残つたのであります。すなわち、現に韓国側に拿捕、抑留されている船員並びに船舶の返還問題及び朝鮮近海に対する出漁の問題であります。ことに、前者につきましては、緊急を要する人道問題でありますので、政府としましては、引続きその帰還につき強く交渉しておりますが、とりあえずの措置として、抑留船員に対する差入れに関する交渉をいたしておりますほか、抑留船員の保護の見地からも、韓国にわが国代表部の設置方を申し入れた次第であります。また近海出漁の問題は、もとより、わが国の食糧問題からも、また漁業者の生活上からも、最も重要な問題でありますので、李承晩ライン内の操業を確保する見地から、強行出漁の案もあるのであります。かかる場合、いかなる保護を与うべきや等、慎重に検討すべきものと存じます。いずれにしましても、政府としては、この二つの問題の緊急性にかんがみ、直接または間接の方法及びその他国際輿論に訴うる等、当面あらゆる手段を尽して、その解決に努力を傾注いたしておるのであります。  第三に、米国の相互安全保障法、いわゆるMSAに基く援助につきましては、その後も引続き交渉を続けております。協定案文につきまして、双方の間におおむね意見の一致を見るに至つたのでありますが、いわゆる軍事顧問団の性格とその取扱い、相互安全保障法第五百十一条(a)項の取扱い方及びMSA援助と日本経済との関連性等の諸点につきましては、いまだ結論を得るの段階に至つておりません。またこの間、安全保障法第五百五十条によつて、アメリカ農産物を相当量確保して、わが国内の不作を補う一助とする交渉をも行つております。この協定による援助の内容は、初年度は結局いわゆる軍事的援助でありましようが、その実施にあたつては、わが国にできるだけ多くの経済効果をもたらすように運用して行きたいと考えており、また域外買付の増加、技術的援助の供与などにつきましても交渉をいたしております。  次に、日米行政協定刑事裁判権条項の改正でありますが、これをNATO方式に改めるための交渉は去る八月下旬から行われ、条文については特に問題はありませんでしたが、これを円滑に運用されるようにするため、実施上の諸問題について十分な打合せを必要といたしました。そのため、ややひまどりましたが、交渉は終始友好的に進められ、新協定は九月二十九日に署名を了し、本二十九日をもつて効力を発生いたしました。  改正の主眼点は、第一に裁判権自体についてであります。すなわち、従来は、原則として米軍当局が軍人、軍属、家族に対して専属的裁判権を持つておりましたのを、NATO方式に改め、公務執行中の犯罪及びもつぱら米国の安全、財産、または米軍に属する他の軍人、軍属、家族の身体、財産に対する犯罪以外のすべての犯罪に対して、わが国が第一次の裁判権を有することになつたのであります。  第二は司法警察権についてであります。すなわち、従来は、米軍の施設区域内においては原則として米軍当局だけが司法警察権を持つておりましたのを改め、わが官憲もこれを行使し得ることとなつたのであります。また、その間に無用の摩擦や紛糾を生ずることのないように、運用について十分の考慮が払われております。  右の行政協定の改正によりまして、国連軍に対する刑事裁判権問題も解決の運びに至りました。  国連軍に対する協定は、国連軍側が米軍との均等待遇を要求しておりましたため、従来交渉が停頓状況になつておりましたが、行政協定刑事裁判権条項の改訂につれ、国連軍についても、他の懸案とは一応切り離して、刑事裁判権についてNATO方式による議定書締結し、これを行政協定の改正議定書と同日、すなわち本二十九日に発効せしむることに双方意見の一致を見、去る二十六日、国連軍に対する刑事裁判権の行使に関する議定書署名を了した次第であります。政府がこの議定書署名と発効とを急ぎました理由は、日本にとつて有利な協定を国連車についても一日も早く結ぶことが適当であると考えましたのと、この議定書を日米議定書と同時に発効せしめなければ、米軍に対する取扱いと国連軍に対する取扱いとの間に不均衡を生ずるからであります。よつて、署名を先に行い、しかる後に憲法第七十三条の規定によつて国会の御承認を求める措置をとることといたしました事情を御了承願いたいと思うのであります。なお、刑事裁判権以外の問題につきましては、引続き交渉を行い、でき得る限りすみやかに全般的協定締結するように努める所存であります。  次に、ガツト仮加入の問題でありまするが、政府といたしましては、国際通商上の平等地位を確保することにより、わが国の通商拡大をはかることを念願としまして、早くより関税及び貿易に関する一般協定、いわゆるガツトへの加入希望しておりましたところ、今般わが国がこれに仮加入することを承認されるに至りましたのは、まことに御同慶にたえないのであります。すなわち、ジユネーヴにおいて開かれましたガツトの第八回締約国団会議は、十月二十三日、わが国の仮加入に関する決議を、賛成二十六、反対ゼロ、棄権七票をもつて採択いたしたのであります。今次仮加入は、現在のところガツトの一般関税交渉が行い得ないため、これを行い得る時期まで日本にガツト加盟国としての権利義務を認めるものであります。仮加入による関税上の利益について見ますると、ガツト加盟国では各国が引下げたガツト税率を供与し合うことになつておりますが、わが国の場合は、今般仮加入決議と同時に作成されましたわが国との通商関係をガツトの規定によつて律する趣旨の宣言に署名した諸国からは、ガツト税率条約上の権利として確保し得る次第でありまして、すでに十二箇国が右宣言に署名し、本年内には署名国は二十箇国くらいに達するものと予想されております。なお、右宣言はわが国の署名を発効の条件といたしております。わが国といたしましては、すみやかに、かつなるべく多数諸国の署名を得るためにも、率先署名することが適当であると考えましたので、十月二十四日、松本代表をして署名を行わしめたのであります。  私は、この機会に、わが国のガツト仮加入に対し終始援助を惜しまなかつたアメリカ合衆国パキスタンインド、セイロン、チリー等の各国に対し、またさらに仮加入の決定に賛意を表されました各国に対し、ここに深甚なる謝意を表する次第であります。(拍手)特に、当初はまだ条約関係がないため棄権を予想されておりましたインドネシア及びビルマを含めまして東南アジアの諸国が全部賛成されたことは、まことに喜びにたえないところであります。(拍手)  最後に、奄美大島群島の返還についてでありまするが、政府といたしましては、従来より、国民の強き要望にこたえまして、米国政府交渉を進めておりましたが、奄美群島に関しましては、去る八月八日のダレス国務長官の声命の通り、今般日米間に必要なとりきめができ次第その返還が実現することとなつたのであります。政府は目下米国側と返還に関する具体的措置について非公式に話合いを進めております。この引継ぎには、種々複雑な問題がありまして、時日を要すると見られまするが、政府といたしましては、でき得る限りすみやかに返還を実現する所存でありまして、これに要する予算及び法制上の措置についても今国会に提案をいたしておりますので、すみやかに御審議を願いたいと考えております。(拍手)      ――――◇―――――
  24. 堤康次郎

    ○議長(堤康次郎君) 御報告いたすことがあります。議員田中元君は去る八月二十八日逝去せられました。まことに痛惜哀悼の至りにたえません。田中君に対する弔詞は、議長において先例によりすでに贈呈いたしました。  この際、同君に対し弔意を表するため、館俊三君から発言を求められております。これを許します。館俊三君。     〔館俊三君登壇〕
  25. 館俊三

    ○館俊三君 ただいま議長から御報告のありました通り、本院議員田中元君は去る八月二十八日にわかに逝去せられました。  前会期中きわめて元気旺盛に活躍せられました同君の訃報は、まことに思いがけない驚きであるとともに、切々胸に迫る感慨を覚えるのであります。この際、私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表いたし、つつしんで哀悼の辞を述べたいと存じます。  君は、大正元年、北海道函館市に出生せられました。昭和十四年東京歯科医学専門学校を卒業後、同年夏、興亜院事務嘱託として華北連絡部に勤務せられ、次いで日本大使館に転じ、終戦に至るまで大陸に活躍せられました。内地帰還後、実業界に身を置かれましたが、君は、静かに敗戦後の日本を直視して、祖国の再建はまず民主政治の確立にあることを痛感し、志を政界に伸べんと決意されたのであります。昭和二十四年一月、時至つて北海道第三区より出馬し、初陣にしてよく最高点をもつて当選の栄誉をになわれたのであります。今春の総選挙にもまた再び本院に議席を占め、日夜励精してその職務に尽瘁せられました。  君は、資性闊達、責任のあるところきわめて誠実熱心に馳駆奔走して、いささかも労をいとうところなく、在職中、君が議院運営委員としての縦横の活躍ぶりは、いまなおわれわれの眼前にほうふつするのであります。(拍手)前国会は後半炎暑の候にあたつて多忙をきわめ、おそらくは会期中の過労が君の死期を早めたかと察せられ、まことに残念に存ずるのであります。  君はなお幾春秋に富み、われわれの期待はむしろ君の今後にあつたのでありまして、なおかすに年をもつてし、君の宿志を大成させたかつたと存ずるのは、ひとりわれわれ僚友のみの念願だつたでありましようか。国家多事のときにあたり、若くしてゆける君を惜しむこと、ひとしお切なるを覚えるのであります。  ここに、つつしんで哀悼の微衷を披瀝し、幽魂とわにしずまりまさんことをお祈りする次第であります。(拍手)     ―――――――――――――
  26. 荒舩清十郎

    ○荒舩清十郎君 国務大臣の演説に対する質疑は延期し、明三十日午前十時より本会議を開きこれを行うこととし、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  27. 堤康次郎

    ○議長(堤康次郎君) 荒船君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 堤康次郎

    ○議長(堤康次郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後五時六分散会      ――――◇――――― 昭和二十八年十月二十九日(木曜日)     開 会 式 午後一時五十七分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、議員、内閣総理大臣その他の国務大臣、最高裁判所長官及び会計検査院長は、式場である参議院議場に入り、所定の位置に着いた。 午後一時五十九分 天皇陛下は、衆議院議長の前行で式場に出御され、玉座に着かれた。 衆議院議長は、左の式辞を述べた。     ―――――――――――――   天皇陛下の御臨席を仰ぎ、ここに第十七回国会の開会式を挙げるにあたり、衆議院及び参議院を代表して式辞を申し述べます。   既にわが国は独立して以来二年有余、自主日本の建設に不断の努力を続けて来たのであります。   然るに本年の数次に亘る豪雨と台風は、各地に未曽有の災害をもたらし、加うるに今夏の季候不順は、農家の収穫に甚大なる影響を与えるに至りました。われわれはこの際、急速に災害対策を講じてその万全を期さなければなりません。   ここに開会式を行うにあたり、われわれに負荷された重大な使命に鑑み、日本国憲法の精神を体し、おのおのその最善をつくして任務を遂行し、もつて国民の委託に応えようとするものであります。     ――――――――――――― 次いで、天皇陛下から左の御言葉を賜わつた。     ―――――――――――――   本日、第十七回国会の開会式に臨み、全国民を代表する諸君とともに、親しく一堂に会することは、わたくしの深く喜びとするところであります。   わが国が、近時ますます多くの友邦諸国との交わりを厚くし、着々世界にその地歩を築きつつあるることは、諸君とともにまことに喜びに堪えません。また、内にあつては、国民諸君が、よく、近年まれな累次の災害に耐え、困苦を忍んで、生業の安定と経済の発展とに絶えざる努力をはらいつつあることは、わたくしの深く多とするところであります。   しかしながら、今後なお、わが国運の前途に予想される幾多の困難を乗りこえて、永遠の平和を念願する日本国憲法の精神を堅持し、国運を隆盛に導いていくためには、さらに多くの努力を要します。   わたくしは、ここに、全国民諸君がいつそうの決意をもつて、文化的、民主的国家の建設に努力し、また国際間の平和と、民主主義の発展とに寄与することを望むものであります。   このときにあたり、国会が、国権の最高機関としての使命を遺憾なく果し、また全国民が憲法の諸原則をよく守り、互に協力して各自の最善を尽すことを切に望みます。     ――――――――――――― 衆議院議長は、御前に参進して、御言葉書を拝受した。 午後二時七分、天皇陛下は、参議院議長の前行で入御された。 次いで、諸員は式場を出た。     午後二時八分式を終る