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1953-07-29 第16回国会 衆議院 厚生委員会 28号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月二十九日(水曜日)     午前十時五十九分開議  出席委員    委員長 小島 徹三君    理事 青柳 一郎君 理事 中川源一郎君    理事 堤 ツルヨ君       越智  茂君    加藤鐐五郎君       助川 良平君    寺島隆太郎君       降旗 徳弥君    松永 佛骨君       中野 四郎君    福田 昌子君       柳田 秀一君    杉山元治郎君       亘  四郎君    大橋 忠一君  出席政府委員         厚生事務官         (医務局次長) 高田 浩運君         厚生事務官         (薬務局長)  高田 正己君         厚生事務官         (保険局長)  久下 勝次君         厚 生 技 官         (公衆衛生局環         境衛生部長)  楠本 正康君         厚 生 技 官         (医務局長)  曽田 長宗君  委員外の出席者         厚 生 技 官         (保険局医療課         長)      五十嵐義明君         専  門  員 川井 章知君         専  門  員 引地亮太郎君         専  門  員 山本 正世君     ――――――――――――― 七月二十七日  委員夏堀源三郎君、永田良吉君、倉石忠雄君及  び福田昌子君辞任につき、その補欠として高橋  等君、松永佛骨君、山口六郎次君及び和田博雄  君が議長の指名で委員に選任された。 回日  委員和田博雄君辞任につき、その補欠として福  田昌子君が議長の指名で委員に選任された。 同月二十八日  委員高橋等君辞任につき、その補欠として田渕  光一君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員会設置に関する件  厚生行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 小島徹三

    ○小島委員長 これより会議を開きます。  まず医薬制度に関する件について発言を求められておりますので、これを計します。大橋忠一君。
  3. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 第十国会で通りました医薬分業法律に関しまして、薬剤師方面では、この法律がはたして実行されるかどうかということについて非常に危惧を持つておるのであります。その理由は、はたから見ておると、実行に必要なる調査その他の準備が一向行われていない。ことに薬価の決定のごときも、一向行われておらぬ。そこでこの法律がいよいよ実施される昭和三十年一月一日までに所要の準備を整えて、そして予定通りはたして実行されるかどうかということについて疑いを持つておるのであります。そこで私は当局に向つて、その準備がいかなる状態において進行しておるか、また当局としては必ずこれを実行するという固い決意を持つて真剣にこれととつ組んでおられるかどうかという点について御所見をお伺いいたします。
  4. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 医薬分業の問題につきましては、前回決定を見ました方針に従いまして、政府といたしましては極力資料の収集、またその資料の検討をいたしましての医業の態勢、また薬業の態勢、また医療報酬の体系というようなももの確立ということについて、極力調査研究に努めておる段階でございまして、今日のところ、まだはつきりとした結論のようなものにはなかなか到達し得ないのでありますけれども、努力をいたしておりますことは事実でございます。
  5. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 それでは昭和三十年一月一日までにその調査研究並び細目の決定ということはできる見込みでありますか。ぜがひでも必ず細目を決定して、予定通りに一月一日から実行するという決意を持つておられるのでありますか、どうですか。
  6. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 実現いたすつもりでせいせい努力をいたしております。
  7. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 そうすると調査研究の結果、予定通りに実施ができない可能性もあるのでありますか。その点をひとつ……。
  8. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 ただいまのところは、実行できないということは考えておりませんので、一応実施するつもりで極力努力をしております。
  9. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 これは薬剤師方面において非常な期待をかけて、全国的に非常に要望をし、その要望がはげしい闘いの後ようやくここまで来たのであります。従つてこれがもし予定通りに失行できぬということになりますと、七の失望というものは非常に大きいのであります。当局においては、これが検討調査に必要なる予算ももう少しとつて、まだ時間があるのでありますかり、真剣にとつ組まれて、予定通りに失行されんことを希望いたします。なお、ついでに一つお尋ねいたしたいのでありますが、実は私の選挙区かり、しきりに助産婦の人々から請願が来るのであります。それはどういうことかと申しますと。第一には、助産婦にかけられているところの特別所得税を撤廃してもらいたい。第二には、助産婦の資格である学力を低下するという計画があるらしいが、そういうことりないようにしてもらいたい。それ旧、近来御承知の通り妊娠中絶が非常に流行いたしまして、出産の数が非常に減りつつある。それがために産婆さんは業務の不振を非常に嘆いておられる。さようなときに、もしさらに学力を低下することによつて、助産婦がどんどんふえるということになると、いよいよもつてその生活を脅かされる。現在においても生活におびえておるから、助産婦にかけられたる特別所得税を免除するように尽力してもらいたい。こういう請願がしきりに来るのでありますが、政府におかれましては、学力を低下させるというような考えんを持つておられるのでありましようか。その点をお伺いいたします。
  10. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 最初にお尋ねのありました助産婦の特別所得税の免除という問題につきましては、これもは私どの方だけでももちろん処理できない問題でございますので、関係の筋と十分にいろいろ討議をいたして進めてみたいというふうに考えます。  なお続いて助産婦の学力低下という問題でございますが、これにつきましては、今日私どもとしては、毛頭さような考えは持つておりません。その教官のやり方というようなものについては、いろいろ論議があろうかとは思いますけれども、その学力のレベルを引下げるというようなことは、全然私どもは考えておりません。また助産婦の数の問題にもお触れになりましたのですが、私どももこの点を十分に重要視いたしておりまして、今日は助産婦の新免許者はきわめて少数でございます。むしろ一部分からは、もう少しやはりつくつて行かなければならぬのではないかというような意見さえ出ているくらいなのでございますので、十分その数の問題も考慮いたしまして、今日の状況に合せて、遺漏のないように措置をいたして参りたいと考えます。
  11. 大橋忠一

    ○大橋(忠)委員 終りました。
  12. 小島徹三

    ○小島委員長 他に本件についての御質疑はございませんか。――では次に社会保険行政に関し発言を求められておりますので、これを許します、柳田秀一君。
  13. 柳田秀一

    ○柳田委員 私は先般、北海道に起りました保険医四十五名の大量不当処分に関してお尋ねしたのでありますが、その節には、久下局長より、なお詳細な報告を聞いておらないというような御答弁もありました。しかしこのように国会におきまして質問もあり、大きな問題になつておりますので、もうすでに保険局長においては当然十分に無査になつておるはずでありますので、その前提のもとに、先般お尋ねして、なお残つておる点をお尋ねいたしたいと思います。  この四十五名の大量処分が行われたということは、どう考えてみても納得できない。たまたま不在の三月十五日か何日かに北海道の全道の医師大会が開かれて、いわゆる暖房料の件に関して、道の保険課長の不信任が可決された、その報復手段として、越えて二、三日後の三月十八日に、突如として社会保険医療議会が開かれたのであります。しかもその医療議会に審議された事件昭和二十六年、二十七年の監査の結果による処分決定なのであります。すなわち昭和二十六年、二十七年の監査の結果による処分決定が、かくのごとく一年何箇月か後まで遅れたということ、二年あるいは一年も遅れたというのはどういう理由によつておりますか、それがはつきりいたしませんと、どう考えてみましても三月十五日か何かに保険課長に不信任案がたたきつけられた、それに対する報復としか考えられない、いかように善意解釈してみてもさようとしかとれないのでありますが、遅れた理由を詳細に承りたいのであります。
  14. 久下勝次

    ○久下政府委員 北海道における保険医の監査及びそれに基く処分の問題につきましては、さきに本委員会におきましても御質疑がございまして、その際申し上げておきましたように、私どもといたしましては、あらためて公正な立場で各方面の実情を調査いたしてから態度を決定するということを申し上げたはずでございまして、実は五、六日前に係官を現地に派遣してございます。おそらく今晩か明日は係官が帰つて来るはずでございます。ただいまお尋ねの問題も調査の項目の一つになつておりますし、その他おそらくいろいろ具体的なお尋ねがあるのだと思いますが、私どもとしては、係官が今明日のうちに帰りますので、帰りました上で詳細に報告を聞き、検討をいたしまして御報告を申し上げるようにいたしたいと思います。今日の段階におきましてはこのような状態でありますので、ただいまお尋ねの点につきましても私は責任を持つてお答えをする材料を握つておりませんので、しばらく御猶予をいただきたいと思います。
  15. 柳田秀一

    ○柳田委員 ただいまの局長の御答弁は、局長の人格を善意解釈すれば解釈できます。私もあまり悪意解釈することは、私みずからの人格を傷つけることになりますから、なるたけ善意解釈したいと思いますが、しかしながら事件はすでに三月の事件であり、その処分決定をする前には厚生省には一応お打合せがあつたはずであります。すでに参議院でも改進党の有馬英二君からの質問があつたのは七月十六日であります。それをいまだに現地へ派遣しておる者が帰つて来ぬから局長としては資料がないので責任ある答弁ができない、こういうことは悪意解釈するならば、そろそろ国会も葉切れる、その間をぬらりくらりと答弁しておけば、われわれの鬼問の国会が終幕すれば、人のうわさも七十五日でますます何とかほとぼりがさめるだろう、こういうふうに悪意解釈できぬこともないのであります。実際にいかにスローモーシヨンな日本官庁のこととはいえ、四十五名も大量処分をされるぐらいに勇断果敢な保険行政の担当者が、この調査に関してははなはだ優柔不断であるのはわれわれにははなはだ解せぬのであります。しかしながら私は局長の今の御答弁を善意解釈して、それならば係官が帰つて来られたならばすべて十分調査をされて、責任ある御答弁がいただけることと信じ、期待し、それに対してはきようはさらに十分お尋ねをしたがつたのでありますが、その点は留保いたしますが、それならば方角をかえて、現在現地へ係官を調査に行かしておられますから、そのこととは直接関連がないことで、局長に今ここで御答弁願える可能性のある問題をお尋ねいたします。  本年の三月十四日に参議院で、これはどなたでしたかの質問でありますが、厚生大臣が被監査保険医に弁明の機会を与えなければならぬというような答弁をしておるのであります。そうして四月二十日付保険局長は通達を出しておられますが、これには間違いありませんか。その通達の内容等をひとつお聞かせ願いたい。
  16. 久下勝次

    ○久下政府委員 まず前段のは御意見でございましたのでお答えをする必要がないのかもしれませんが、私は国会会期中を何とか糊塗する意図でございますれば、今明日に帰らせるような日程で出さないはずでございます。それから四月二十日ごろに通知を出しましたことは事実でございます。これは実はこういう意図で出したのでございます。厚生大臣参議院厚生委員会におきまして、保険医の処分につきましては、そのことに関して本人に対し弁明の機会を与えるようにいたしますというお約束をいたしました。これは制度的に申しますと、従来の慣例から、一応社会保険医療議会に諮問をして、その監査要網というものは決定することになつております。当時はそういうことにいたしますということをお約束申し上げ社会保険医療議会の招集等準備をいたしたのであります。それにいたしましてもこれは法律の根拠に基くものでございませんで行政の運用としてやることでもありますので、すでに厚生大臣国会において言明をいたしました関係もありますので、従来の慣例からは、正式には中央社会保険医療協議会の諮問の決定を待たなければならないのでございますが、それより前に少しでも早くそういう措置が行政上とれるようにしたいというので出したのであります。
  17. 柳田秀一

    ○柳田委員 ただいまの趣旨は非常に了とし、またそれによつてとられた処置をわれわれとしてはたいへん了とするのでありますが、今次の北海道の処分に関して、道の方から厚生省に対して報告があつたことは想像もでき、またあつたと信ずるのでありますが、処分の前に厚生省で内議を受けておられるというように聞知しておりますが、いかがでありますかつ
  18. 久下勝次

    ○久下政府委員 内議を受けております。
  19. 柳田秀一

    ○柳田委員 しからば内議を受けられたとするならば、局長は被監査保険医に弁明の機会を与えるというような趣旨の通達を出しておられるのでありますから、従つてこのたびの北海道事件は、その処分を受けた非監査保険医は弁明の機会を与えられておらない。従つてこの処分に関しては一応決定は留保されるのが当然であり、そのような通達をわざわざ出しておられる以上、北海道の方においても被監査保険医に弁明の機会を与えたかどうか、これは今のような御趣旨ならば当然お尋ねになり、弁明の機会を与えておらぬというなら、この処分決定は少し待つた方がよかろうというふうにせられるのなら通達を出された趣旨が一貫するのでありますが、そういう処置をとつておられぬのはいかようなことでありますか。
  20. 久下勝次

    ○久下政府委員 北海道知事から処分の内議を受けました時期、並びにそれに基いて北海道地方医療議会が開かれました時期は、ただいまお答え申し上げました私の通牒の時期とは若干ずれがございますので、従いましてその点につきましては、具体的には担当の医療課長が来ておりますから、詳しいことはかわつて申し上げさせていただきたいと思いますが、私からはそういうふうな時間的なずれのありましたことだけを申し上げます。
  21. 柳田秀一

    ○柳田委員 それでは担当の課長から御答弁願います前に、こういう点に重点を置いて御答弁願いたいのであります。処分決定が五月二十三日であります。局長通達は四月二十日であります。従いまして、その間に一箇月と三日以上の間を置いております。時間のずれというのはどういう意味であるか。局長通達は四月の二十日に出ておる。処分決定は五月二十三日である。この間の時間的関係を念頭において納得の行くような御答弁を願いたいと思います。
  22. 久下勝次

    ○久下政府委員 まず私からお答えいたしますが、厚生省北海道知事から内議を受けましたのは昨年の十一月でございます。十一月に内議に対する回答をいたしておりまして、その後の処置は申すまでもなく北海道限りの措置になつております。医療議会は先ほどもお話になつたように三月十八日でございます。さような関係上すでに処分としては、医療議会の所定の手続を経まして、医療議会の諮問によつて決定をいたしておつたものであると私は解釈しておるのであります。
  23. 柳田秀一

    ○柳田委員 昨年の十一月に北海道知事から何か内議が出ておるというのは、どういうことなんですか。本年のこの処分の医療議会が開かれたのは三月十八日である。それ以前に昨年の十一月に内議したというのはどういうことですか。
  24. 久下勝次

    ○久下政府委員 この処分の前提となりました監査は、先ほどお話がありましたように、昨年の八月でございます。その結果に基いて一応の案をつくつて、私どもに内議して参りまして、それに対する回答をいたしたのが今申し上げましたように十一月でございます。それからさらに四箇月ほどおいて医療議会が開催されておるということであります。この間の時間的な推移につきましては、私も最初のときに申し上げましたように、こういうふうに延び延びになりますことは適当と考えておりませんということを申し上げたはずであります。しかしながらその間に私どもとしては、監査並びにそれに基く処分につきましては、その前後を通じて医師会あるいは歯科医師会等関係の団体との連絡を十分にとれということを言つております。従いまして単純にその期間が何もせずにむだに費されておつたとも考えられないのでありますが、それにしてもあまりに時間がたち過ぎているということは、私も認めるものでございます。その間どういうようなことがありましたか、時間的にそういうずれが生ぜざるを得なかつた理由等につきましては、これは先ほども申し上げた現地調査官の調査の重要な項目として、私自身が調査官に命じてございます。従いましてこの間の事情につきましては、さらに調査官の報告を待ちたいと思います。
  25. 柳田秀一

    ○柳田委員 その点は最初に私申し上げましたように、一昨年及び昨年の件でございまして、現地へ行つておられる方が帰られてから詳しくお尋ねします。しかしながら三月十八日に医療議会が催されて、こういうような一応の知事に対する答申案が出たことは、すでに十一月にこういうような監査の結果何らかの措置をとるということを、今のお話では多少におわしておるのでありますから、当然北海道の担当課長からはすぐに厚生省に御報告があつたと思いますが、その御報告を受取られたのはいつですか。これは課長からお答え願います。
  26. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 ただいまの御質問の趣旨はちよつとわかりかねますので……。
  27. 柳田秀一

    ○柳田委員 それではもう一度申します。日にちだけお答え願つたらけつこうです。三月十八日に北海道医療議会が四十五名の大量処分をすることを決定した。これは知事に対する答申案であります。従つて道知事が最後の決定をするのだろうと思いますがそういう一応の線を出したということ厚生は、知事の決定前に道の保険課長から省に当然報告があり、なければ、私は怠慢だと思うのです。あなたがそれを受取られたのはいつですか。日にちだけをお答え願います。
  28. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 監査の結果の処分の報告につきましては、監査要綱に基きまして、年二回上半期、下半期の年度末に報告を受けることになつております。従いまして定期の報告でありますと、年度末にこれを受けることになつております。私はこの報告を年度末の総合的な報告としては確認しておりません。三月十八日の医療議会の議事録を受取つております。その日付は、本日持つて来ておりませんので、ただいま申し上げかねます。
  29. 柳田秀一

    ○柳田委員 大体いつごろでございますか。
  30. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 四月の終りごろでないかと思つております。
  31. 柳田秀一

    ○柳田委員 その報告が四月の終りごろであるということは、はなはだおかしい。かりに一件、二件のそういうものを一々御報告するとしても、とても目にとまらなかつたと思いますが、こういう四十五名の大量処分をやるということは、人権の侵犯であり、また生活権の侵犯である。保険課長が四十五名も処分をするような原案をつくりながら、本省の所官課長にそれを速達で出さないということ自体が怠慢で、そのこと自体、北海道保険課長資格がない。保険医の生命の綱であるところのものを不当処分した。四十五名もそういうような不当処分をしながら、それを上司にその後何ら連絡しない。速達で出せば二、三日で着くのに、それを連絡しないということは、保険医の生活に対して何ら理解のない証拠である。そのこと自体、保険課長が現在の日本社会保険行政の第一線に立つておる資格がないことである。またあなたも三月十八日のことが四月二十日過ぎになつてやつとわかつたということは、あなた自身が怠慢なんだ。いかに北海道が遠いからといつて、そんなたとで済まされる問題じやないんだ。そういうようなことをやられるから、いかに保険局長の通達を出しても、その通達が一片のほごになつてしまう。またかりに年度末に報告を受けるならば、年度末は三月三十一日であるから、当然報告を受けるはずである。そういうばかなことがありますか。四十九名の大量処分を受けた者が、指定を取消されたら、どうして生活ができまりか。社会保険を担当する保険医あるいはその行政官が円満に行つてこそ、社会保険がうまく行くのである。このような当然予想される大きな社会問題を、しかも二年後において、処分してねかれながら、本省にも通達しない、小省の課長も知らぬ。こんなことで日小の社会保険行政が伸びますか。そういう見地から御答弁願いたい。
  32. 久下勝次

    ○久下政府委員 私どもの責任の問題に対してのお尋ねでありますので、私から申し上げさせていただきたいと思います。先ほど医療課長が申し上げましたように、監査要綱によりまして、刈分の結果の報告には一定の時期がきめられております。期末報告になければならないはずではないかと言われることは、これはまだ正式の処分の日から期末が来ておりません。従いましてむしろ報告を受けないのが当然であると思います。問題となりますのは、四十五名――四十四名の大量処分をするのに報告をしなかつたのはけしからんと言われれば、あるいはそうかもしれません。しかしながら一般の取扱いはさようにいたしておりますので、それだけのことでは私は責める必要もないかと思つております。ただそういう処分をする場合には、事柄を慎重にせよという御注意でありますればごもつともでありまして、私どもとしても十分注意をいたさなければならぬと思うのであります。
  33. 柳田秀一

    ○柳田委員 まことに驚き入つた御答弁であります。なるほど官僚として仕事をやられる上において、四十四名の大量処分をせられようとも、あるいは一名の戒告処分をせられようとも、それは事務処理の都合上、年度末あるいは定期的に報告をすればそれで事が済むのである、こういうふうにお答えになるかもしれませんが、これはいわば保険医にとつては死刑なんです。四十四名の大量の者を死刑あるいはその他の重刑に処しながら、それをすぐに報告しなかつた、それでいてそのことをとやこう言われる、そういうばかなことがありますか。とにかく私がくどく言うように、今のようなあなた方厚生当局と、厚生当局の出先機関であるところの府県の保険課と、そして保険を担当する医師歯科医師等がこう対立しておつて、ほんとうの社会保険がうまく行きますか。これるやるのがあなた方の役目である。繁文褥礼の厚生行政法規を忠実にこうこうだというそういう御答弁を聞いているのじやない。こういうような大量の処分をしたことを何ゆえにすぐ報告しないのか、報告せぬということは、社会保険を円満にやるという、そのこと自体において意欲に欠けていると言われてもしかたがないじやないか、また本省の課長もそれを知らぬで済ませられるか、そしてわれわれは日本社会保険を今から向上させますと言えるか、そういうことを私は言つている。もつと虚心に、率直に御答弁なさい。そういうような事務上の手続のことを問うているのじやない。   そこで四月何日に通達を受けられた、そこから出発しましよう。四月二十日には保険局通達で、被監査保険医に弁明の機会を与えるようにいつている。それも今の局長の御答弁では、一応形式上はさらに会議にかけてから出すべきであるけれども、厚生大臣の答弁もあり、その趣旨を了として、なるたけ早く通達したいというので、局長通達を出している。ところがその報告を受けられたときに、被監査保険医の弁明の機会も与えておらぬ。それならばこの処分を道知事において決定されるときに、もう少し慎重にやられるように、何ゆえに追いかけて通牒を出されないのか、その点を重ねて伺いたい。そうしなければ保険局長の通達が生きて来ない。保険局長の通達が出されているにかかわらず、被監査保険医に何ら弁明の機会が与えられておらない。およそ世の中で、処分せられる者に弁明の機会を与えられない処分がどこにありますか。そしてこの処分決定はすこぶる慎重にするように、あるいは厚生省と会議をして、その上で道知事から処分をするようにというような指示を何ゆえに与えなかつたか、この点を課長からはつきり伺いたい。
  34. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 この弁明の機会につきましては、先ほど局長からも時間的なずれがあるということを御答弁になりました。大臣参議院厚生委員会で御答弁になりましたのは、三月十四日と記憶しております。四日ほど遅れまして、北海道地方社会保険医療議会において行政処分の結果が決定いたして、答申されたわけであります。その後において局長通達が出まして、弁明の機会等について都道府県知事がすることに相なつたわけであります。従いましてこの件につきましては医療議会が終了した後に弁明の機会についての通牒が道知事の手に入つた、こういう順序になります。従いましてその経過において時間的なずれが出まして、すでに医療議会が終つた後にこういう監査要綱に対する改正の動きがあつた、こういうことでございます。これはもちろん公正妥当なる運用上、弁明の機会というものは与えられる方が適当であると考えますが、事務的に見ましてはそういう時間的なずれがございましたので、一応前の監査要綱に基いて今回の処分がなされた、こういうふうに了承したわけでございます。
  35. 柳田秀一

    ○柳田委員 そんなことは御答弁されなくてもわかつているのです。少くともこういう事件を一応調査すれば、それくらいのことはわかる。私の言うのはそうじやないのだ。要するに四月二十日には今の通牒を出しておられるから、すべての案件はそういう精神に沿つて処理さるべきものである。ところが、なるほど厚生大臣の答弁したときと、北海道医療議会が審議して知事に答申案を出されたのが、ほとんど時間的に一緒であります。従つて前の監査委員会でやることはいたし方がない。しかしその決定は、厚産大臣の御答弁の精神から言うならば、明らかに被監査保険医に弁明の機会を与えられておらないから、従つてその答申は必ずしもそのまま決定になるとは限らない。従つてその答申に基くところの処分決定は、その後の情勢の変化においては参議院厚生大臣はこういうような答弁されているし、局長から四月二十日にはこういう通牒が出ておるから、道知事の処分決定においても、もう一度慎重に考え直さなければならないという通牒を何ゆえにあなたは道の保険課長を通じて知事に向つて意見具申をされなかつたか。そういう事務的な答弁を聞いているのではない。保険行政を円滑に推進して行くのがあなたのお役目であるならば、なるほど道の医療議会で一応の答申案を出している以上は、それをくつがえすことは協議会の面子もあるだろうけれども、もう一度再考させて弁明の機会を与えられて、なおかつ処分する者は処分する、弁明の機会を与えないでこちらが一方的に判断したということは、弁明の機会を与えたら、事実がもつと明らかになつて来て刑を減刑することもあるだろうし、あるいはもつと刑が加重されるようなことがあるかもしれない、そういう機会をお持ちになることをなぜ意見具申しなかつたか。そうでなければ局長の通牒が生きて来ないし、そうするのが行政をやる者のほんとうの心構えである。何ゆえにそういう措置をとられなかつたかということを聞いている。
  36. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 今回の経緯につきましては、非常に多数の保険医の方が議題に上つたという特別な意味から、私がこの問題について先生のおつしやるような措置をとらなかつたことが怠慢であるというようなおしかりを受けますならば、あるいはこれを私の怠慢であるかもしれません。これは私率直におわびをいたしたいと思います。ただ行政的な取扱いとしましては、行政処分は都道府県知事権限でありまして、内議は全国的な調整をはかり、その処分の公正妥当を期するという意味で、取扱いの運用上実施をいたしておるわけであります。しかも公式の通牒として局長から四月二十日付で今後も監査の取扱いについてはこういう趣旨でやれという通牒を用しておるのでありまして、それに私から特につけ加えて押して行くということは、私はいかがかと考えまして、そういう処置をとらなかつたわけであります。
  37. 柳田秀一

    ○柳田委員 これ以上五十嵐課長を追究してもしかたがありませんが、局長はそれならば、この北海道事件の四十四名もの大量の処分があつたということを初めてお聞きになつたのはいつでありますか。決定は五月二十三日でありますが、協議会でこういうような答申案の線を出したということをお聞きになつたのはいつでありますか。
  38. 久下勝次

    ○久下政府委員 内議に対して厚生省が回答いたします際には、書類として私の方にまわることになつております。私はいつもそれに対とては内容を見て決裁をいたしております。ただ申訳ありませんが、今記憶に残つておりません。その後は先ほど来申し上げておるような関係であります。
  39. 柳田秀一

    ○柳田委員 それじやもう一度課長にお尋ねします。こういうような大量処分の答申案の線が出た。あなたはそれを四月何日に受取つて、これはたいへんなことをしてくれた、なるほど不正な者があれば大量処分をするのもやむを得ぬと思いますが、これはえらいことだ、たいへんなことだと思われた。あなたの立場としてはそう思われるのは当然だと思うが、それならばあなたはその旨を局長に伝えなければならぬ。北海道はえらいことをやつてくれました。当然これは局長に、報告事項の中に入ると思うのだが、報告されたかどうか、報告されたとすればいつごろ報告されたか。
  40. 五十嵐義明

    ○五十嵐説明員 報告いたしておりません。
  41. 柳田秀一

    ○柳田委員 おりません。これははなはだもつてけしからぬ。こういう問題は、それじやあなたは日常茶飯事だとお考えになつておるんですね。局長に報告をしない、これはあたりまえのことだ、そういうふうに考えておるとしますと、大体あなたは社会保険に対して、事務をおやりになることには熱心かしらぬが、保険医と相ともに提携して社会保険を伸ばして行こうというような意欲は全然ないと判断せざるを得ない。それじやあなたは血も涙もない冷血漢だ。このためにどれくらい保険医が苦しむか。生活権を脅かされ、はなはだしきは基本的人権が侵害されておるのですが、それに対してあなたに一片の理解さえあるならば、こんなものはあなた自身に納めておくべき問題ではない。当然局長にすぐ報告しなければならぬ問題だ。あなたはこの事件に対して、この報告を受けたときにどういうふうにお考えになつたか。日本社会保険行政全体から考えて、さらにいろいろな点から考えて、どういうふうにお考えになつたか、この際率直に御見解を述べていただきたい。
  42. 久下勝次

    ○久下政府委員 私からその問題をお答え申し上げます。先ほども申しましたように、厚生省対県の正式な関係は、処分に対する内議の関係で一応切れるのでございます。しかもその内議は、私も先ほど申し上げたように記憶にございませんけれども、決裁をいたしております。従いましてその後においては当然私は承知いたしておらなければならないはずでありまして、むしろそういうことを記憶にとどめないほど無関心で1私はそう思わないのでありますが、そうでありました私の方に責任があると思つております。なお私は、医療課長のことでたいへん強いおしかりがありましたが、私の立場からあえて弁明をさしていただきたいと思います。実は私は毎日仕事を一緒にいたしておりまして、五十嵐課長ほど保険医のことをよく考えて仕事をしておる人はないと私はあえて申し上げたいと思うのであります。ただいまのお言葉は、私は五十嵐課長のためにはそういうはげしいお言葉をただいまの問題でいただくことははなはだ残念に思います。
  43. 柳田秀一

    ○柳田委員 私も局長のその言を信じたいのです。少くとも局長が最も信頼され、自分の側近に置いておかれる五十嵐課長は、当然社会保険行政に対しては最も熱心であり、また保険医の立場も十分理解される方であると私は信じたい。信じたいがゆえに私はこういうような苦言を呈しておるのであります。またおそらくそうであるからこそ、あなたはいろいろな保険行政をやつておるたくさんの技術官、事務官の中で中枢の衝にあられると私は思います。しかし本件に関する限り今明らかになつたところでは、私はあるいは極端な言を吐いたかもしれませんが、私は本件に関して明らかになつた限りにおいては、私の結論が正しいと思う。私は何も議員づらをして官僚をしかりつけようとか、解決つけようというさもしい考えを持つておるのではありません。私も理事者の苦しみということをよく知つておる。私は自分が議員になる前に理事者をやつていたので、理事者の気持をよく知つておる。しかしこの問題に関する限りは、私は今のあなたの答弁では納得できない。単に局長が自分の部下をかばい、あるいはその場を糊塗さされるような答弁としか私には思えない。局長の答弁は何ら迫力がない。何ら心に迫る真実性がない。大体これで明らかになりましたので、それ以上詳しいことは、いずれ現地に派遣されておる方がお帰りになつてからまた尋ねることといたしまして、私は質問を保留いたします。さらにこの問題は当然大臣が一三月二十四日、参議院で御答弁になつておられる関係もありますので、私は厚生大臣に真接質問する権利を保留いたしまして、きようは一応この程度でとどめておきます。
  44. 中川源一郎

    中川(源)委員 ちよつと一言お尋ねしたいのです。助産婦の学校に就学中の者は宿舎に入らなければならないというような規定があるのでございますが、いかがでございますか。
  45. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 助産婦の教育は半年、六箇月以上ということになつておりまして、実際は一年くらいのものが多いと思うのであります。こういうような事情もございますので、短期間に十分な教育をするという必要から、大体寄宿舎に入つて教育を受けるということが原則になつておると承知いたしております。
  46. 中川源一郎

    中川(源)委員 そういうふうに原則となつておるようでございますが、ごく近くに、五分とか十分以内で帰れる所に自宅を持つておるというような場合、または家の用事も手伝わなければならないような者に対しまして、これもぜひ寄宿舎に入らなければならないということは、かえつて不便なことです。寄宿舎がその学校の中にあればよろしいが、府県によりましては寄宿舎は別に離れたところにある。しかもそこへ帰るまで相当時間がかかる。それよりもつと近いところに住まつておる者までわざわざ寄宿舎に入らなければならないということはおかしいじやないか。ですから他府県から通うとか、あるいは一時間を要する場所に生活をしておるという者は別といたしまして、五分とか十分で通えるような近くにおる者は、わざわざ寄宿舎に入らなくても勉強ができるという便法ははかり得ないものであるかどうか。
  47. 曽田長宗

    ○曽田政府委員 先ほど一応御説明申し上げましたが、そのほかに分娩が多くの場合夜に起るということも考えられますので、先ほど申し上げました通り、原則としては寄宿舎に入所しておりますことが望ましいのであります。ただ、ただいま御意見がございましたように、非常に特殊な事情でございまして、寄宿舎にいるほとんど同様な条件にあるというときに、許可してもいいのではないかという御意見、これにつきましては今後とも十分に研究してみたいと考えております。
  48. 中川源一郎

    中川(源)委員 それではぜひひとつ……。あまり近くにおる者まで制限を加えるということでなしに、そういうものは便宜を与えて自宅から通える、また電話があります者とか、実習上必要な分娩の際にはすぐに出かけて行くことができるような条件にある者は、特に許されるようにせられた方が両方の便宜であると考えますので、ぜひそういうことにお願いしたいと思います。     ―――――――――――――
  49. 小島徹三

    ○小島委員長 次に医療金融に関する件について発言を求められておりますので、これを許可いたします。福田昌子君。
  50. 福田昌子

    ○福田(昌)委員 ただいま柳田委員の御質問を伺つておりまして、つくつく考えさせられたのでありますが、今日私ども医療担当者はもちろん、日本国民の全般が社会保険の完備の上に立ちまして、国民全般の医療が貴賤貧富を問わず滲透いたしまして、国民の全部が医療の恩恵を受けますことを医療担当者も、国民の全般もまた施政者もこれを望んでおることと思うのであります。ところが今日におきましては、医療の担当者にあらゆる場合におきまして圧力が加わつておるという情勢にございます。保険医の問題を取上げましても、今柳田委員の御質問にもありましたように、きわめて一方的な立場におきまして保険医の処分がなされるというような法の不備、またこれは取扱います行政当局のあたたか味のない、温情のない措置がとられておるのであります。このことに対しましては、私ども法の立場の上からいたしましても、他日改正案を考えましてこういつた保健医に関する金融措置を考えてもらいたいと思つておりますが、これとは別個に、今日日本の医療体系の基礎になつております開業医に対する金融の問題、課税の問題というようなものを考えてみましても、開業医に対する生活上の圧迫というものが非常に加えられつつあるのでございまして、今日金融機関におきましては、主として大企業に集中された形でありますが、それでも中小企業に対する金融対策というものは幾らかは考えられておる、ところが医療に対しましては残念ながら中小企業の対象にさえもまた入り得られないことが多い状態に置かれておるのであります。しかしながら御承知の通り医療というものは、貧乏であるから低い医学的な知識で処置をしてよろしいというものでは決してないのでございまして、医学というものは貴賎貧富を問わず、やはり一つの学問の分野におきまして世界の医学水準に劣らない高い治療医学の水準を勉強し学びとつて設備を持つて参らなければならぬのであります。かようなことを考えますと、今日零細な開業医におきましては学問の上から必要と思います設備も十分あがなうことができませんし、また今日の不当に待遇されております保健医の立場からいたしますれば、その収入の上からいたします余裕をもちまして、今日十分な医療設備をするということもはなはだ心もとない状態にあります。従いまして今日の医療体系というものは、私どもの方から申しますと、全般的に不都合な点が多くございまするが、その中でもことに本人が体得いたしております医学の、その学問的な見地を現実の治療の上において生かす、そのためにぜひ必要なものといたしましての設備関係の金融措置、学問的に必要な金融措置をぜひ開業医のためにとつていただかなければならないと考えるのでございます。従いまして今日この委員会におきまして、ぜひ医療担当者、ことに個人開業の医療担当者に対しまする金融対策を何らかの形においてお考えいただき、法律的の形にして生み出して行くような委員あるいはまた研究機関を構成していただきたいと考えましてお願い申し上げる次第であります。
  51. 小島徹三

    ○小島委員長 他に本件につき御発言はございませんか。――この際本件に関する小委員会の設置及び小委員会選任の件につきお諮りいたします。医療金融問題について精密に検討するため委員諸君の要望がありまするので、小委員若干名より成る医療金融に関する小委員会を設置することとし、小委員及びその数、小委員長の選任に関しましては委員長より指名するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  52. 小島徹三

    ○小島委員長 御異議なしと認めます。よつて小委員会を設置することとし、小委員、その員数及び小委員長は追つてこれを委員長において指名し、公報をもつて発表することといたします。  次会は明日午後一時より開会し、当委員会に付託になつております請願及び陳情書全部を日程に上す予定であります。本日はこれをもつて散会いたします。     午後十一時五十四分散会