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1953-07-18 第16回国会 衆議院 大蔵委員会 25号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月十八日(土曜日)     午前十時五十分開議  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 苫米地英俊君 理事 坊  秀男君    理事 内藤 友明君 理事 佐藤觀次郎君    理事 井上 良二君 理事 島村 一郎君       有田 二郎君    大上  司君       大平 正芳君    黒金 泰美君       藤枝 泉介君    福田 繁芳君       小川 豊明君    久保田鶴松君       春日 一幸君    平岡忠次郎君       福田 赳夫君  出席国務大臣         農 林 大 臣 保利  茂君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局法規課         長)      白石 正雄君         大蔵事務官         (主税局長)  渡辺喜久造君         大蔵事務官         (管財局長)  阪田 泰二君         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         食糧庁長官   前谷 重夫君  委員外の出席者         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 七月十七日  果実エッセンスに対する物品税撤廃の請願(三  和精一君紹介)(第四五二八号)  揮発油税軽減に関する請願(西村直己君紹介)  (第四五四〇号)  同(小川豊明君紹介)(第四五四一号)  同(小笠公韶君紹介)(第四五四二号)  同(早稻田柳右エ門君紹介)(第四六五九号)  同(大野伴睦君紹介)(第四六六〇号)  同外二件(塚田十一郎君紹介)(第四六六一  号)  同(藤枝泉介君紹介)(第四六六二号)  石油関税の減免措置延期に関する請願(小川豊  明君紹介)(第四五四三号)  同(小笠公韶君紹介)(第四五四四号)  同(西村直己君紹介)(第四五四五号)  同(早稻田柳右エ門君紹介)(第四六一七号)  同(大野伴睦君紹介)(第四六六三号)  同外二件(塚田十一郎君紹介)(第四六六四  号)  同(藤枝泉介君紹介)(第四六六五号)  十八インチ以下子供自転車に対する物品税撤廃  の請願(柳原三郎君紹介)(第四五四六号)  織物消費税廃止に伴う業者手持品の既納税額返  還に関する請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第  四六二六号)  旧第三海軍燃料廠跡地開放に関する請願(田中  龍夫君紹介)(第四六五七号)  所得税法並びに法人税法改正案の撤回に関する  請願(早稻田柳右エ門君紹介)(第四六五八  号)  国家買収による土地、家屋移転補償料免税に関  する請願(川島正次郎君外一名紹介)(第四六  九六号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  小委員の追加選任  国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決  を求めるの件(正倉院の件)(内閣提出、議決  第一号)  国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決  を求めるの件(皇居の件)(内閣提出、議決第  二号)  積雪寒冷単作地帯における麦類又は菜種の収穫  に因る農業所得に対する所得税の臨時特例に関  する法律案(竹谷源太郎君外二十四名提出、衆  法第二一号)  有価証券取引税法案(内閣提出第二七号)  砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提  出第三二号)  富裕税法を廃止する法律案(内閣提出第三三  号)  法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  六二号)  所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  六三号)  相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  六四号)  特別減税国債法案(内閣提出第九八号)  資産再評価法の一部を改正する法律案(内閣提  出第一一〇号)  関税定率法等の一部を改正する等の法律案(内  閣提出第一一六号)  租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一四三号)  塩業組合法案(内閣提出第一二号)  信用金庫法の一部を改正する法律案(内閣提出  第一三号)  食糧管理特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第八三号)  国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣  提出第八四号)  閉鎖機関令の一部を改正する法律案(内閣提出  第九四号)  鉄道債券及び電信電話債券等に係る債務の保証  に関する法律案(内閣提出第九五号)  国家公務員等に対する退職手当の臨時措置に関  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第  一〇三号)  産業投資特別会計法案(内閣提出第一一三号)  厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案(  内閣提出第一一五号)  相互銀行法の一部を改正する法律案(内閣提出  第一二四号)  信用保証協会法案(内閣提出第一二五号)  日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一五九号)  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約  第三条に基く行政協定の実施に伴う国有の財産  の管理に関する法律の一部を改正する法律案(  岡良一君外二十六名提出、衆法第二〇号)  国有財産法等の一部を改正する法律案(内閣提  出第四五号)(予)  証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出  第四九号)(予)  証券投資信託法の一部を改正する法律案(内閣  提出第七八号)(予)     ―――――――――――――
  2. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより会議を開きます。  議案の審査に入る前に、ちよつと小安員の追加選任に関する件についてお諮りをいたします。  本委員会におきましては、去る五月三十日四つの小委員会を設置し、小委員の選任につきましては、委員長に御一任を願つた次第でありますが、その中で金融に関する小委員会の小委員を一名追加指名したいと存じます。この点御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 千葉三郎

    ○千葉委員長 御異議がないようでありますから、春日一幸君を金融に関する小委員会の小委員に追加指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 千葉三郎

    ○千葉委員長 次に、去る七日本委員会に付託されました本院議員提案の積雪寒冷単作地帯における麦類又は菜種の収穫に因る農業所得に対する所得税の臨時特例に関する法律案を議題として、提出者より提案趣旨の説明を聴取いたします。提出者井上良二君。     ―――――――――――――
  5. 井上良二

    ○井上委員 ただいま議題となりました積雪寒冷単作地帯における麦類又は菜種の収穫に因る農業所得に対する所得税の臨時特例に関する法律案の提案の理由を御説明申し上げます。  経済自立の達成が唱えられ、食糧自給が唱えられながら、今なお三百万トンに上る外国食糧の輸入をやむなくされているわが国といたしましては、一日も早く食糧の自給を行わなければならないのであります。このときにあたり、積雪寒冷地帯における農業の振興は、わが国の食糧自給にとつて緊急に必要となつております。この意味において、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法に基く農業振興計画による土地改良事業の実施後、その事業の実施に伴う水田に初めて水稲の後作として植えつけた麦類、または菜種類の収穫にかかる所得に対しては、三年間その所得税を課さないこととするのがこの法律案の趣旨であります。  何とぞ皆様慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたす次第であります。
  6. 千葉三郎

    ○千葉委員長 次に、一昨日十六日本委員会に付託されました国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件二件、すなわち正倉院の件及び皇居の件の両件を一括議題として、政府当局より提案理由の説明を聴取いたします。阪田政府委員。
  7. 阪田泰二

    ○阪田政府委員 ただいま議題となりました国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件、正倉院の件及び同じく皇居の件につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。  御承知の通り正倉院は、千二百余年にわたつて貴重な宝物を保存して来たのでありますが、今後さらにこれを永久、かつ完全に収蔵保存するためには、従来の本庫及び仮宝庫では、保存設備が不十分でありますので、これらの宝物を整頓、整備いたしまして、災害、盗難から防止するほか、換気、通風を適度に保ち、温湿度からの変質を保護する必要から、昭和二十六年度及び昭和二十七年度の二箇年計画により、新宝庫を新築いたしましたものであります。その構造は、以上申し述べました目的に応ずるよう諸材料及び設計のあらゆる点に綿密な注意が払われているのでありまして、外観は付近の環境にふさわしい現在の本庫の校舎式の構造を模したものであります。  この新宝庫を皇室用財産として管理するため、昭和二十八年六月四日皇室経済会議の議決を得ましたので、国有財産法第十三条の規定により提案した次第であります。  次に、皇居の件について申し上げます。  皇居内の吹上御文庫は、現在天皇、皇后両陛下が常時住居の用に供されており、皇室用財産として宮内庁が管理しているものであります。この建物は、戦時中、両陛下の空襲時の待避所として建設された鉄筋コンクリートづくり地下二階、地上一階の防空壕でありまして、建物の構造上、衛生管理の面等から、常時の住居としては不向きであり、かつ手狭でもあるので、空気調和装置を設置して温湿度の調整をはかるとともに、内部を改装し、かつ一部を増築して、さしあたり常時の住居としてさしつかえのないものにしようとするものでありまして、この改装に伴う増築建物及び工作物を皇室用財産として取得することについて、国有財産法第十三条の規定により提案した次第であります。  何とぞ御審議の上、すみやかに御承認下さるよう御願いいたします。     ―――――――――――――
  8. 千葉三郎

    ○千葉委員長 次に、本日の日程に掲げました二十九法案中、ただいま説明を聴取いたしました三法案を除いた二十六法案を一括議題として質疑を続行いたします。  なおこの際委員長より政府当局に一言御質問申し上げたいのでありますが、新聞紙の報ずるところによりますと、過般の水害地の中心である福岡県福岡市に本店を有する福岡銀行にストが起つているそうであります。これは、ただいま水害で悩んでおる罹災民を前にいたしまして、非常に不幸なできごとでありますが、これらのことにつきまして、なるべく詳細に政府当局より今までの経過、また現在の状況につきまして御報告を願いたいと存じます。河野銀行局長。
  9. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 ただいまお尋ねの福岡銀行のストライキ問題について、経過を御説明申し上げます。  福岡銀行におきましては、六月の初めから給与の引上げの問題について、組合側と経営者側との間にいろいろ折衝を続けて参つておつたのであります。しかるに、両者の間で話合いがつきませんままに、一月ばかりを経過いたしたのであります。さらに七月八日におきまして、本店の非営業部、営業部以外のものが一齊ストライキに入りました。その間各方面でいろいろあつせん、あるいは当事者間の話合いが続けられて参つたのでありますが、解決に至りませんで、七月十四日には、本店の非営業部が無期限ストライキに入ることになつたのであります。これがため、銀行におきましては組合員以外の者、つまり部課長以上の者が全員窓口に出まして、業務にできるだけ支障のないような配慮をいたして参つておるのであります。窓口は一応平静に推移をいたしておるように聞いております。しかるに七月十四日におきまして組合大会が開かれまして、十五日十一時から全店のストを断行するようにという指令を決定いたしまして、これを各店に流したのであります。この間銀行といたしましては、裁判所に対しまして仮処分の執行を要請いたしまして、そういつたふうな事態になつて参りましたが、地方労働委員会におきましては、事態の紛糾を憂慮いたしまして、あつせんに乗り出すことになつたのであります。このあつせん案が七月十五日にでき上りまして、当事者に示されたのであります。その案につきまして、もし御質問がありますれば内容を御説明申し上げたいと思いますが、一応内容を省略いたします。そのあつせん案に対して、銀行側は、これを組合側がのむことを条件として承諾いたしました。しかるに組合側は、これを拒否いたしたのであります。従いまして、地方委のあつせんも成功することができなかつたような次第であります。爾来、ますます事態は両当事者間で紛糾をいたして参つております。裁判所は、先ほど申し上げました銀行からの要請に基きまして、七月十六日の午前七時以降、無期限スト実施中の組合幹部三十二名に対して仮処分を執行し、建物全部から退去して、同建物を裁判所が指定する第三者に管理せしめるということを決定いたしまして、その通りの処置がとられたのであります。同日夕刻になりまして、組合側より上記の仮処分の解除を条件として、スト中止の申入れがあつたのであります。銀行側はこれに対して、さらに事態の真相を把握する必要がありましたために、この申出を拒否いたしております。組合は大会によりまして、先ほど申し上げましたような全店ストを指令いたしました結果、四箇支店において無期限ストに入り、他の四箇支店において九時から十時まで一時間のストをやりました。これは七月十七日であります。先ほど申し上げましたように、七月十五日の地労委の調停が失敗に終りましたが、事態の紛糾を憂慮いたしまして、昨日の夕刻から地労委において再びあつせんに垂り出すことにきまつたように聞いております。以上がこの争議関係の経過の大要であります。  業務はどういうふうになつておるかと申しますと、何分にも組合員以外の者、つまり部課長以上の者だけで仕事をいたしておりますし、店の前にはピケ・ライン等がしかれておるような状況になつております。従いまして、実際には仕事はなかなかはかどらないという点はありますけれども、現在のところまで、一般の預金の取付とか、預金の引出しが非常に殺到するといつたような事態はないようであります。まずまず平静とは申しかねますが、窓口において取付の状況が起るといつたようなことは、今のところ認められない状況になつております。業務は今申し上げましたように、部課長以上でやつておりますので、扱いが非常にむずかしい。現在では手形の交換は、富士銀行の福岡支店において代行をいたしております。それから現在、いろいろ預金者の方々が引出しができないためにお困りの方も出て来ておるようでありますので、これらの問題に対して臨機の処置をとらなければならぬというようなことで、現地の財務局長及び日本銀行支店長等が中心になりまして、いろいろこれらの問題の取扱いについて応急措置を検討いたしておりますが、今検討されております事柄は、たとえば小口の預金の払いもどし、さしあたり生計資金その他に必要といたします小口の預金の払いもどしを、何らかの形で他の銀行において代払いをする方法を考慮いたしております。  それから第二は、大口の預金の払いもどしにつきましては、本店または支店長が窓口でその預金者を確認した上で、自己あての小切手を振出して、これを他の銀行で支払う、そういうような便宜の方法をとるように具体的に研究を進めております。それから貸出しにつきましても、福岡銀行に対する預金者の預金を担保として、他の銀行で貸出しを行う方法等も研究を進めております。手形関係は、先ほど申しましたように、富士銀行において代行いたすという措置をとつておるのであります。  以上が経過及びこれに対するさしあたりの応急措置として、私どもが研究をさせておる概要でございますが、先ほど委員長からもお話がございましたように、水害のまつ最中、その被害が非常に大きく出ておりました中で、しかも公共の使命を持つております金融機関が、原因のいかんを問わず、こういう長い間にわたつてストライキの状況に入り、業務が事実上十分に行えないという事態に立ち至りましたことは、まことに私どもとしては遺憾しごくに存じております。しかしながら、金融行政当局といたしましては、これが一つの労働問題として提起されております関係もありまして、私どもとしてこの問題について具体的にどういう対策をとつて行くことができるかという点につきましては、なかなかむずかしい問題であります。現在のところでは、いろいろ研究はいたしておりますが、事柄が非常に遺憾なことであつて、結果が非常に遺憾な結果であることは、これは申すまでもないことでありますので、今後の推移を十分慎重に注意しながら、一日も早くこういつた遺憾の状態が解消いたしますことを念願する次第でございます。現地の方からは、時々刻々電話、電報その他で報告をとつております。さらに今申し上げました以上に詳しい事情もわかつておりますが、とりあえず概要及び私どもの今後の対策について、御説明申し上げた次第であります。
  10. 千葉三郎

    ○千葉委員長 関連して、井上君。
  11. 井上良二

    ○井上委員 ただいまの福銀のストの問題でございますが、問題は、待遇条件が問題になつて、ストライキをやることになつた。その待遇の内容については、われわれとやかく干渉すべき問題ではありませんが、あなたが今お話になりましたように、銀行という一つの公共的使命を持つたものが、ああいう災害で、非常に危急にあります事態に際会をいたしておることをよく知つておりながら、災害復旧の一つの動脈となる金融機関がストをやるというようなことは、道義的に許すべきことじやありません。やるならやる時期がもつと他にあるわけです。こういうときは、あらゆる困難を克服して、業務に全力をあげるということが、その機関に負わされた当然の任務であろうとわれわれは考える。そういう点から、単にストライキをやつておる当事者の責任を追究するというよりも、ストライキをやらすに至つた銀行当局に対して、一体あなた方はどういう警告を発しておりますか。そういうような変なことをやらなければならぬような銀行なら、閉鎖を命じて、そこにある一切のものは他の銀行にかわらす、そのくらいの腹をきめてかからなければ、この問題は片がつきませんぞ。あなた方は、この銀行に対して、監督官庁として何か必要な指示及び監督命令を発しましたか、それを伺いたい。
  12. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 ただいま申し上げました通り、私どもといたしましては、銀行に対して、監督上の立場から、公式に命令、処置等をとつたことはございません。今これらの問題につきましては研究いたしております。ただ、今お話のように、このストライキが起つたことによつて、その銀行がけしからぬから閉鎖してしまえというようなことは、私の責任においてはできませんので、この点は御了承願いたいと思います。
  13. 井上良二

    ○井上委員 問題は、その預金者の権利を保護することが、銀行局としては非常に重要に考えられなければならぬと思います。それが今のお話によると、何か小口のものだけは、他の銀行で何とか肩がわりしても払つてやるという非常措置をとらすようにしておるようだが、それにしても、預金者の不安は、非常に大きなものがあることは事実です。そういう預金者を保護する立場から、この争議のすみやかなる解決に対し、一応積極的に言うたら、頭取なり支配人なりを、あなたの方の財務局の方に呼ぶなり、あるいは日銀支店の方で話をするなりして、何か別途の方法で、これら預金者に迷惑をかけぬように、業務行為の行われるような措置を講ずべきじやないかと思うのですが、これもどうもしかたがないといつて、今のお天気みたいに、じつと明るくなるのを待てということでおりますのか。そういうことではどうもたいへんなことになります。さきに国民金融公庫がストライキをやり、また市中銀行がストライキをやるというようなことは、なかなか容易ならぬ問題がありますから、銀行局としては――われわれは待遇条件の内部に関して立ち至るものではありませんが、預金者、一般金融に不安を与えるという点を考えたときに、この問題については、相当検討を要すると考えますから、ただちに必要な指示をどんどん発して、従わなければ従わぬで、業務停止を命令する権限をあなたは持つているんだから、現に預金者への支払いが十分行われていないというのは、銀行業務が正常に行われていないことを明らかに物語つておりますから、ストライキをやつているからそれはできぬということはいけない、そんなりくつは立ちません。そこをあなたはどうお考えになつておるか。それはやれませんか。私にそういう権限がないというので、やりほうだいにやらせておきますか。
  14. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 先ほど申し上げましたように、現地におきまして、財務局長及び日本銀行支店長に対しては、累次にわたりまして、頭取その他銀行の幹部と話合いをさせ、ただいま申し上げましたような預金者に迷惑にならないような措置を、小品に限らず、大口預金についてもとるように、目下研究をさせておるのであります。大口につきましては、大体事業資金が多いのでありますから、これらについては、自己あて小切手を出させて、他店でそれを支払うという措置まで講じさせるように、具体的にやつているわけであります。ただ問題は、いくら頭取をしかりつけて、けしからぬと言つたつて、問題は解決しない。私どもは、経営者に対していくらも言いますが、それを言つたからといつて、問題は解決しないのです。問題はそこにあると私は思うから、この問題の取扱いについては、さらに根本的に考えなければならぬ点があるのじやないか。  なお、今井上さんから、業務停止命令をしたらどうかというお話でありますが、業務停止命令も、私ども必要によつてやります。しかし、それをやることが何を意味するか。業務停止命令というのは、御承知のように預金者に対る保護が欠けるから、その場合に預金者を保護するために、業務停止命令をして、整理をやらせるのが本来の目的である。しかるに、今細々とでもいろいろな措置をやつておるのを、業務をとめてしまつたら、かえつて預金者が困つてしまう。そういつた観点もありますので、ただ業務停止をしたら解決するといつたような問題でない。これらの点もよく御賢察をいただきたいと思います。
  15. 井上良二

    ○井上委員 大体ストライキを起さすような頭取、支配人がけしからぬと思う。そういう頭取、支配人がおれば、今後何べんでも問題が起つて来ますよ。そういうものはかえさせなさい。その責任を負わずに、ただやつておるものだけ悪いと言つたつて、それはいかぬです。いかに重大な責任を持つておるかということを考えたときに、頭取、支配人の責任は大きい。その点を考えなければいけません。同時に、業務停止の問題は、私が言うのは、そういうような不法行為をやるような銀行に対しては、戒飭の意味からでもやるべきだ、そうするのが、他の銀行に対しても、下手をすればこうなるぞという一つのみせしめにもなる。できぬことはない。他のいわゆる金融機関がいろいろなことをやつたら、あなたの方は業務停止命令をやる、そういう点を考えたらいい。やる、やらぬはあなたの権限ですから、私はそこまで立ち入りませんけれども、少くともこれが非常に大きな金融不安を与えておる事実に立つて、監督官庁としては、もつと真剣に検討すべきだと私は思う。  なお委員長に申し上げますが、この問題は、災害地における非常に重要な問題を巻き起しておりますから、後ほど金融小委員会が開かれるそうでありますので、委員会として、この問題に関して、一定の結論をつけて、政府に必要な申入れをするように、委員長でおとりはからいを願いたいと思う。
  16. 千葉三郎

    ○千葉委員長 承知しました。
  17. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 福岡銀行のストについていろいろ議論がありますが、一体銀行局長、あるいは大蔵当局の地方銀行に対する監督権は、こういう新しい事態ができてきたのですが、どこまで権限があると解釈されておるのか、そのことをまず承りたい。
  18. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 監督権は、銀行法に基いて監督いたします。行政措置といたしましては、その条文を持つて参りませんでしたが、二十一条から二十四条あたりにございますが、免許の取消、業務の停止、その他財産等の保全のために必要な命令ができる。そうして預金者を保護し、金融機関の経営が国民経済に寄与するところに持つて行く。この二つの観点から、監督規定ができておるのであります。しかし、今度の争議行為のような場合、そういつたことに対して、私どもがどういう立場をとり得るかということは、実は初めての例でもありますし、これは慎重に考えなければならぬ問題ではないか、一歩誤ると、かえつて私どもが越権になる点もありやせんかと思います。これらの点も十分に今研究はいたしておりますけれども、初めての事例でもありますので、もう少し研究して見なければならぬと考えております。
  19. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 先日銀行局長の監督下にある国民金融公庫がストライキを起しましたが、その処置はどういうふうになつたかということが一つと、それから御承知のように、福岡は今度の水害で今非常に困つており、国会においても、特別委員会までも設けてやつておるときにこういうことが行われるということに対して、一般的な反響が非常に大きいが、こういう点について、銀行局長はどういう対策があるか、その点をひとつ承つておきたいと思います。
  20. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 国民金融公庫のストライキは、ちよつと日にちは忘れましたが、一日だけで終りました。その後別に問題はないようであります。  それから先ほども井上さんの御質問にお答え申し上げました通り、公の性質を持つておる金融機関、ことに銀行においてストライキというような事態が起つたことは、私は非常に遺憾しごくだと思います。しかもこういうことがだんだんに広がつて行くということになりますと、金融全体に対して非常に悪い影響を及ぼすというように考えられますので、この問題については、私どもはどういう態度で臨んだらいいかということも慎重に研究しなければならぬということで、今研究はいたしております。しかし、とりあえずの問題といたしまして、ストライキの起つた銀行の個々の預金者等が非常に迷惑を受けることがないように、また金融がそれでとまつてしまうということもないように、先ほど来申し上げましたような応急の措置を今研究させております。これが軌道に乗つて参りますれば、さしあたり福岡銀行の預金者の方方には、御迷惑には違いありませんけれども、非常に大きな迷惑なしに預金の支払い等が行われるのじやないか、そういうふうにしたいということで、今具体的な案を練らしておるようなわけであります。
  21. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 至急善処方をお願いしたいと思います。
  22. 有田二郎

    ○有田(二)委員 今井上委員が言われた通りに、これは、ストライキをやつたことについては職員ももちろん悪いのですけれども、事ここに至らせた銀行の首脳部にも、当然責任があると私は考える。こういう事態になるについては、起しました銀行の職員諸君もまことにけしからぬことは論をまたないのですが、やはり経営者の方においては、少くともこういう事態であるからどうかしんぼうしてくれ、この事態が何とかなつてからまたあらためてやるとも、今ここでストライキをやることは、西日本のいわゆる福岡銀行のお得意先に対してもまことに申訳ないということをなすべきであつたと私は思うのでありますが、これらの点が十分尽されておつたかどうか、この点、銀行局長のお知りになる範囲内の情報を聞かしていただきたい。
  23. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 私どもが報告を受けておるところによりますと、先ほど井上さんの御質問にお答え申し上げました通り、この問題は六月の初めから交渉に入つておるわけです。累次にわたりまして、ストライキというような事態にならないように、銀行当局者としては最善を尽して参つたと私は思います。ただ遺憾ながら、妥結に至るまでには両者の間に相当な開きがあつた。私に言わせるならば、銀行の当局者は、ストを回避するためにできるだけの努力をやつて来たものと私は信じております。またこの経過から見ましても、六月五日から始まつて、七月の十四日に本店のストがあつたのでありまして、その一月ばかりの間に、何回にもわたつて、ほとんど徹夜々々と続けて行つて、あの頭取を御承知かどうか知りませんが、あの老人がまつたく疲労困憊して、病気になつて倒れたという状態まで交渉を続けて参つた。そういうようなことで、その結果しついては遺憾でありますけれども、銀行の当局者としては、最善を尽して参つて来たことと私は確信しております。
  24. 有田二郎

    ○有田(二)委員 あの交渉状況を見ますと、銀行員の方の要求の方が少し常識的に考えて無理がある。金額の要求にしましても、少し無理があるであろうとは常識的に見て考えられるのです。また一面きようの新聞を見ますと、十一支店全体に波及するということが出ておりますし、またそういう指令を職員組合の方から出しておるというような情報を聞いておるのですけれども、もしも十一支店がさらにストに突入するということになりましたならば、この災害地全体に及ぼす影響は非常に甚大である。従つてこれに対しては、むしろ私は、他の銀行から応援を求めるなり、あるいは財務局から人を派して銀行業務を代行するなり、同とかして災害地のこれらの人たちに対する応急の措置をとらなければならぬと思います。これが平時でありますならば別でありますが、特に今日のように西日本の災害で、さらに先般もまた水が出まして、ようやく昨日水勢が衰えたそうでありますが、被害が重なつて来ておるというような状態を勘案いたしまして、少くとも銀行業務に対しては、他の銀行から応援を求めるとか、あるいはそれができなければ、全国の財務局、あるいは大蔵省の職員を派遣して、これらの罹災者に対して万遺漏なき措置をとらるべきだと私考えるのでありますが、銀行局長の御所見を伺いたいと思います。
  25. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 御説はまことにごもつともであります。この点も先ほどの井上さんの御質問のときお答え申し上げたのでありますが、昨日四店がストに人り、それから他の四店が九時から十時まで一時間のストライキに入り、さらにこれが広がるおそれもあるようであります。他の銀行の行員を手伝いに出すということにつきましては、福岡銀行と割合濃い関係にある某銀行の首脳者は、手伝おうという腹をきめたのでありますが、その某銀行の福岡支店の組合は、これを拒否いたしました。こういうような状態になつておりますので、そういう手がないのは非常に遺憾だと思いますが、お手伝いをすることができなかつたのであります。それから財務局の人たちを派遣する問題でありますが、これらの点もいろいろ考えてみたのでありますが、こういう緊急の事態だから、建前論なんか言つておつては間に合わないではないかというようなおしかりを受けるかもしれませんが、一体公務員がそういう銀行の仕事をやることがよいのか悪いのか、この点も私どもとしては考えなければなりません。国家公務員として、そういうことは本質からいつても適当ではないのじやないかというような意見もございますので、今のところはそういうところへ使うことはまずいのじやないかというように私ども考えております。
  26. 有田二郎

    ○有田(二)委員 銀行局長のおつしやることは、一応正しいのでありますが、少くとも大野国務大臣が吉田総理から指令を受けて九州に行かれたのは、今日は非常事態だから、官僚の考えるような常識的な考えを逸脱して、実情に即してやれということで九州に行かれたように私は承つておるのであります、特にこういうような事態、しかも重ねて水害に見舞われておるというような今日の事態をあわせ考えましても――これは平時ならば別であります。平時ならば、国家公務員としてそういうことは妥当でないということは、よく了承するのでありますが、九州、西日本のこの非常事態を考えますときには、むしろ国家公務員がそういう方向に向つて出て行つて、銀行業務も、罹災者に必要な資金を貸し出す業務にのみ限定してやるようにすれば、国民から何らおしかりを受けるようなことはないのみならず、むしろ国民から歓迎され得ることではないか。もちろん労働者諸君のストライキは、労働者の権利でありますから、従つてストライキをやつたことについては、私ども必ずしも遺憾だとは考えていないのでありますが、ただ事態がこういう事態でありますがゆえに、ストライキをなさつておられる組合員諸君のことよりも、罹災者の非常に困られておる事態をあわせ考えまして、この際むしろ抜本的な方向で、これは異例に属することであろうとは存じますが、そういうような御処置をもう一ぺんおとりになるように御検討願いたい。必ずしもそうしてくれとは私は申しませんが、ひとつ大臣ともよく御相談願つて、あるいは大野国務大臣とも御相談願つて、そうしてこれらの処置を講じて、罹災者に迷惑のかからない最小限度の処置だけはおとりになることが正しいのではないかと私見を申し上げて、銀行局長の御所見を承りたい。
  27. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 お言葉の通り、問題を検討いたします。ただ、今のところ預金老の方に御迷惑をかけないように、先ほど御説明申し上げたのでありますが、他の銀行で預金の代払いをする、あるいは大口の預金につきましては、福岡銀行が自己あて小切手を出して、これを他店で支払うというような具体的な手を打つて、預金者に迷惑をかけないような処置を具体的に研究させておりますから、そういう手を打てば、それは預金者の方には御迷惑には違いありませんが、最小限度の迷惑にとどまるのじやないかというように考えております。そういう手を急速に具体化したいと考えております。
  28. 春日一幸

    ○春日委員 私はやはり福岡銀行のストライキに関連しまして、別の角度から大蔵当局の所見を伺いたいと思つておりますが、この福岡銀行のストライキは、金融事業に携わる労働者のスト権のテストーケースにも相なるものと私は考えるのでありまして、従つて当局のこれに対する対策というものは、きわめて慎重なお取扱いがなければならぬと思うのであります。私は今にして思い起すことは、昨年秋行われた電産、炭労のストライキでありますが、われわれが当時批判をいたしましたことは、当然早期解決の道があつたかと思われる一面、われわれが見受けました傾向は、このストライキを長期に構引かせることによつて、その被害を十衆に大きく与えるといつて、大衆の非難を高まらしめ、このことがスト禁法制定の基礎となる輿論喚起の方向に面けられたきらいをなしとしなかつたのでございます。本日の新聞報道によりますと、この福岡銀行のストライキは、全支店に波及するというようなことでありまして、もしそういうような方向にこれが動いて参りますると、これは当然輿論が巻き起つて参ります。従つてこの輿論の方向は、やがてかつて電産、炭労のストライキに対して考えられたように、金融業務に携わる労働者のスト権を禁止すべきた、こういうような誤つた考え方がやがて持ち上る場合がなしとはしないのであります。  そこで私が申し上げたいことは、当時私どもが政府に対して、昨年の暮れでありましたか、炭労、それから電産の争議に際して、政府がこれが早期解決のために、内閣総理大臣みずから乗り出して、早くこれを解決しろということを強く要望したのでありますが、政府は、故意にか、とにかく拱手傍観をいたしまして、事態の推移にこれをゆだねた、こういうことであります。ただいまあなたの御答弁によりますと、日銀の支店長、その他の機関を通じてそれぞれ乗り出されておるようでありますが、そういうような人に委嘱して問題の解決をはかろうとするのではなくて、やはりこれは大蔵省の監督下にあるならば、銀行局長がみずからその地におもむいて、そうして労働者と経営者との間に対立するところの諸問題の解決のために、やはりあなたが善処されるだけの責任と義務があると私は思うのであります。そこで私はお伺いをしたいのでありますが、現実に金融機関というものは、非常な利潤をいろいろな面においてこうむつております。たとえて申しますと、貸倒れのための損失補償も、現実には千分の七というようなものが、損失もないのに大体において認められておつて、これが課税の対象から除外されておる、その他幾多の社内の保有金が積み立てられておつて、銀行の利潤というものは非常に厖大なものであります。こういう銀行の中身を一番よく知つているものは銀行の従業員であります。従つて彼らが一万八千円ベースからあるいは二万三千円の賃金要求をするということは、その企業の利潤がそれだけたくさん上つて来れば、その利潤の配分を労働者が要求するということは、これは当然考えられることであつて、必ずしもそれを外部から過大であるとかいう一方的な批判は、当らない場合があろうかと存じます。そういう意味において、金融機関が現実にネット・プロフイットを社内にたくさん確保しておるという事実を労働者が指摘して、その配分を要求するということは、あるいはこれは現行賃金ベースよりも相当上まわるベース要求ではあるけれども、しかしその業務に携わつてその利潤をもたらさしめた当事者としては、要求することがやはり当然のことであろうと私は考えるのであります。こういうような意味合いにおいて、これが過大な要求だという単なる外部的な、常識的な批判によつてこれを律することなくして、実際に利潤があつて、それだけのベースを確保してやつてもこれを支出するだけの財源があれば、これは当然支出することによつて労働者の要求を満たしてやつて、しこうして業務に精励できるという態勢をつくり上げるべきだと思う。こういうような観点に立つて、今福岡銀行のストライキが全支店にまで、しかもそのことが罹災地において預金者の大きな負担になろうとしておるとき、銀行局長が、人に頼んでこれに対してそれぞれの措置を講じておるというような態度は、あたかも昨年暮れにおける電産、炭労に対して政府がとつた態度と非常に似通うものであります。このことは、ただ輿論をアジつて、その結果ストライキに対するいろいろな規制を行うというような野心があるかとも考えられるわけであります。どうかそういう意味合いにおいて、一つには預金者が非常に困つておるし、労働者の要求というものも、われわれがいろいろの決算報告書によつて検討しますとき、これは必ずしも過大な要求であるとは断じがたい。そういう意味において、これを早期に解決して、誤れる非難が労働者に向けられるようなことのないように、公正なる処置をなされて必要があると思いますが、これに対して銀行局長はどうお考えになつておるか、御答弁願いたい。
  29. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 お話のように、私どもは公正な立場で、この問題の一日も早く解決することを望んでおります。故意に長引かして特別な考えを持つてやつておるといつたことは毛頭ございません。ただ私が直接現地まで参りまして、この問題の処理に当るという点につきましては、これはいろいろ私としても考えなければならない、目下国会の方にも私どうしても出なければならぬという問題もございますし、かつ現地におります財務局長は、私最もよく知つておるりつぱな人でありまして、彼の善処を私どもは十分期待してさしつかえないものと確信しております。ただいまのところ、私ただちに現地におもむくつもりはございません。  それから銀行の収益が多い少いの問題については、これには考え方はいろいろ立とうと思います。ことに銀行というものが貸倒れに対する準備金を備えて、預金者の保護に欠けるところがないようにしなければならぬということは、これは程度の問題ではありますが、私は必要だろうと思います。またもしかりに不当な利益が上つて来ておるとすれば、これは取引者に対するサービスに充てるべきだし、貸出し金利を引下げるというような努力は、今後一層具体的に進めて行きたいと思います。そういう観点で、一方銀行というものが非常に公共的な性質を持つておる、金利等がすべて政府によつてきめられておる。従つてこれらの問題は、その収益の出て来る結果というものが普通の企業とは相当違うと思います。これらの問題については、銀行については、私はやはり違つた観点から考えなければならぬ問題があるということだけを申し上げさせていただきます。
  30. 千葉三郎

    ○千葉委員長 この問題は非常に重要な問題でありますから、午後二時から開かれる金融小委員会におきましても取上げて、十分審議したいと思いますから、さよう御了承願います。  なおこの際農林大臣並びに食糧庁長官が出席になりましたので、農林大臣に対する質疑を許します。小川君。
  31. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 前会からずつと食糧庁長官に対して、食糧管理法に関する問題が出て来ておるわけです。本日農林大臣の御出席を願いましたが、大臣は就任後きわめて日が浅い。従つていろいろな先入観を私は持たないと思う。また大臣は農林官僚の出でもないがゆえに、義理合いも情実もないはずだと思うのであります。しかも総理の信頼きわめて厚い人であるということを聞いておる。こういう点から、この食糧庁の問題について、今日世間でいろいろ流布されておる疑惑をひとつ一掃してもらいたい、こう思つて農林大臣にお尋ねするわけであります。今日農民は、生産費に償わないきわめて低い価格で米を供出しておることは、御承知の通りであります。従つて農家の経済は、きわめて困難な状態になつて、農業手形の債務返済にも四苦八苦しておる、こういう状況である。しかるに外米は、一石当り一万二千円も出して輸入しておる。こういう点は農民のきわめて不満としておるところであります。しかも一方、配給を受ける立場になつて考えると、米の配給は一箇月に十五日くらいしかもらえない。しかも配給所へ行つてやみで買うならば、いくらでも買える。こういう状態が今日の食糧行政の中に行われておる。これは食糧事務所の問題でない、配給所の問題であるといつてこれを葬り去つておくことはできないと思う。今日食糧庁の米なり麦に対する取扱いま、きわめて慎重でなければならないわけである。一点の疑惑も残さないように、綿密な注意をしてかからなければならぬにもかかわらず、巷間に伝わる食糧庁をめぐる不明朗なうわさ、あるいは疑惑に包まれた話は、食糧庁関係の仕事をしている業者にとつては、もう常識のようになつておる。私も農業団体で長い間仕事をしておつて、何十回となくこういう話を聞かされ、また見せられてもおるのであります。こういうことではいけない。一般から信頼されないで、こういう供出とか配給とかいう食糧行政ができるはずがない。こういう点を非常に遺憾に思つて今日に至つたのでありますけれども、この問題は、個人の名誉や信用にも関することなので、私も慎重にして来たわけであります。ところが食糧庁のこれらの食糧の取扱い、ことに払下げ、あるいは売渡し等に対する方法は、どうしても私どもには納得が行かない。あまりにも情実が伏在しておるのではないかという疑惑が深まるばかりである。食糧庁としては、食糧管理法があり、あるいはその付属法規があつて、それを守りながら払下げなり売却なりをやつておるのであつて、決してかつてにやつておるとは思いませんが、その管理法なりあるいは付属法規なりをかつてに拡大解釈をして、売渡しをしておるのではないか、払下げをしておるのではないかと思われる点が多々ある。私が自分で調査したところでも、食糧庁の取扱いでやつておつた米なり、麦なり、あるいは大豆なり、砂糖なり、これは統制がとけたから、今取扱つていないものもありますけれども、こういうものが大量に民間に払い下げられておるわけであります。この払い下げたものは、食糧管理法によつて、実需者に一般競争入札で払い下げるということが原則になつているわけです。ところがこれを見ますと、一般競争入札によつて実需者に払い下げているのではなくて、随意契約によつて、しかも特定の会社にきわめて安く払い下げられておる。しかもこの特定の会社が、何らか工場を持つているとか、一応ほかの仕事をやつておるものならば、実需者を拡大解釈してもいいと思いますけれども、こういう何も仕事を持たない、まつたくの中継ぎ会社にしかすぎない会社に払い下げる、しかもこの会社の首脳部が、そろいもそろつて農林省出の高官である。かつそれが参議院等にみな席を置いている有力者であるということは、この点について私どもはどうしても疑惑を持たなければいけない。瓜田にくつを入れずということがありますけれども、初めからはだしで瓜田に入つているというような見方ができる、こういう点に一つの問題がある。今後もこういうような中継ぎ会社や、工場も何も持たない単なるトンネル会社に対してこういう払下げを続けて行くおつもりか、あるいは実需者に対して、一般競争入札によつて、食糧管理法並びにその付属法規を必らず守つてやるつもりか、この点をまず第一点としてお尋ねしたいと思います。
  32. 保利茂

    ○保利国務大臣 お答え申します。食糧会計の中において、お話のような疑惑を持たれるような点があるのではないかということは、私は就任前に、どうもあの辺が臭いのではないかという話は耳にいたしておつたのであります。今日恵まれざる条件の中で、食糧庁の職員諸君がこの大事な行政に携わつているのに、このような話のあることは、まことに気の毒な、不名誉なことだと思います。しかも会計の形はどうありましようとも、国民の直接負担、あるいは消費者負担にかかつて来る大きな面でございますから、従つて私といたしましては、そういう不名誉な疑惑が持たれないように、細心の注意を実は払つて行くつもりで、いろいろ聞き及んでおります問題等につきましても、特に私自身として検討もいたしております。しかし今日まで説明を受けておりますところでは、疑惑を持たれるような事実はないというように私は確信をしております。ただまあなんせ大量の、しかも多額の金額に上るものを取扱うものでございますから、さらに細心の注意と検討を払つて行かなければならぬ。そういう気持でこれからやつて行こう、こういうふうに考えておりますから、もしそういうことで特段の処置をした方がよろしいという資料でもございましたら、御遠慮なしに、どこでもよろしゆうございますから、お聞かせをいただきたいということをお願いしておきます。
  33. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 農林大臣のお考えはわかつたのですが、この問題を先般来から私は食糧庁長官にお聞きしておる。食糧庁長官から、私の質問に対して、それは適法であり、適正であり、何ら手落ちはないのだ、こういう御答弁を私はいただいている。そうすると食糧庁のやつたことに対して、私の方で言いいがかりをつけたようになつて来るわけです。そこで今大臣も、そういうことはないと聞いていると、こうおつしやつたが、ここに食糧庁の方からもらつた書類があるわけであります。私の資料よりもこの資料によつて言つた方が、あなたの方から出た書類だから間違いないと思う。これによると、二十七年度に輸入米の中から相当大量の黄変米、事故米が出ているのです。その中で四千百八十一トンというものは、去年の四月二十八日に通産省の官営アルコール工場に払い下げているわけです。ところが、これは通産省のアルコール工場へは払い下げすに、人の名前は省きますけれども、農林省のきわめて高官であつた方が経営している日本糧穀株式会社という会社へ払い下げて、通産省のアルコール工場は、払い下げられた価格よりもトン当り七千円高くここから買つている。この会社は、別に工場も持つていなければ何にもありません。ただ中継ぎ会社であり、トンネル会社だ。このトンネル会社にトン七千円ずつもうけさして、官営のアルコール工場へ食糧庁の米を払い下げなければならない理由がどこにあるかということを、私は疑わざるを得ない。これについて、大臣にひとつお答えを願いたい。
  34. 保利茂

    ○保利国務大臣 ただいまの小川委員の御疑点とせられるところ、実は私も話を聞きまして、これはどういうわけでこういうことをしなければならぬのかという疑問を抱きました。しかし通産省の方としては、各アルコール工場に配分をする、そこで、一括して代理者を求めて、その代理者によつて配分等をやる、そのために所要の経費が入つて行く、これは、実際の便宜が私は実需者の方にあつたろうと思うのです。そういう意味で、この点は説明を聞げば一応了解ができるように私は――小川さんはどうでありますか知りませんが、話を聞いてみますと、もつともだというように私は感じているわけであります。同様の疑点は私は実は持ちました。
  35. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これは、もちろん通産省の官営工場が九工場あるのですから、九工場の分をまとめてどつかで引取つてくれたら便利だという話も、一応納得が行くのですが、それは、通産省自身がアルコール工場を九つも自分の経営でやつているのだから、そこでまとめてとればいいことであつて、ここヘトン当り七千円ずつもの経費をよけいかけて払い下げる必要は毛頭ない。しかもこの会社は、農林省の高官が出ている、何の会社でもない、まつたくこの業務をやる会社だ。そういうところへ払い下げる必要は毛頭ないと思う。  次にもう一点、あとで五月三十日に、蒸溜酒用として――先ほど申し上げた米は、これは人間が食つては悪い米だ、こういうことでアルコール工場へまわした。今度は、これも黄変米です、人間に食わしてはいけない、人に配給してはいけないというので、蒸溜酒用として三千七百三十九トンを三つの会社に払い下げている。ここの場合には、指名競争契約ということになつているのです。この場合は、ここには書いてありませんが、この五月三十日の少し前に一回入札をやつているのです。一回入札をやつて、それが農林省の予定価格に達しないというのでさらに値段を引下げて、五月三十日にこれを払い下げておるわけです。これは食糧庁が悪いというのではなくて、それに対する監督の責任はあると思うのだが、おそらく業者が悪いのだと思う。この業者は話合いをして、この価格でとつてはつまらないから、もう一回再入札をやつて安くとろうという話合いができて、みんな相談して安く入れた。そうして三万二千円あるいは三万三千円というような価格でとつておる。このとつたのはまだいい。この中にある三千七百三十九トンのうち、最も大口にとつておるのは東洋醸造という会社で、この東洋醸造の工場は、私は知りませんが、静岡の大仁というところにあるそうです。この払下げを受けた東洋醸造は、この食糧については使途目的等をはつきりし、その使途目的を変更する場合には、農林大臣の許可を受けなければならないことになつているのに、どういうことか、これを協和発酵という会社へ千二百トン横流ししている。さらにもつとひどいのは、この東洋醸造から和歌山県にまわされて、食糧として配給されておるのです。百トンほどと思いますけれども、これはあなたが検察庁に聞いたらよくわかるでしよう。そうすると、配給を受けたものを用途目的を変更して他に流し、さらにまた一口は和歌山県へ持つて行つて食糧にして配給されてしまつた。たとえば一斗、二斗かつぎ出しても取締るのに、この場合百トンというものが、オーダーもなければ輸送証明もなくして、どうしてこういうように和歌山県の方に運べるのか、これは食糧庁の関係したことではなくて、払い下げを受けた会社、あるいは横流しを受けた会社が、かつてに法律に違反してそういうことをやつたんだろうと答弁すればそれまでです。今までの食糧庁長官の答弁では、そういうことがあつたことは聞いておるが、それは業者がやつたので、私の方はよく知らないということであるが、それでは監督の責任は果せないと思う。この点について、大臣はそういうことは実際に聞いておる、こういう話であつたが、私は、こういう事実を知つておる、知つておるが、それでも決してまずいことはないのだとおつしやるのか、これはまずかつたから今後気をつけるとおつしやるのか、ひとつはつきりしていただきたい。
  36. 保利茂

    ○保利国務大臣 蒸溜酒用に今お話の三千七百トンからの払下げをした。それのやり方は、やり方としてはよかつたのだろうと思います。つまり実需者である醸造家に、大蔵省の推薦により、そして推薦された人たちの指名競争入札でやつておるわけですから、このやり方はよかつたろうと思います。  それから東洋醸造という会社が協和発酵という会社に転売をした、それはお話のように、転売をする場合、同一の用途に供する場合には転売ができることになつているそうですが、そのことがいいか悪いかは別といたしまして、その転売をするについては、成規の手続はとつている、そこにも間違いはないと思います。しかし、それから先にとんでもないところにこれが動いておるということが問題になるわけでございましよう。そうしますれば、問題は、食糧として配給し得る、あるいは実際これを食糧として扱つたとしますならば、まだ食べられるものを事故米として払い下げたかどうかという点が、第一点にきわめられなければならぬ。それから、そういうことを今後も起り得る形で放置しておいていいかどうかという点が第二点だろうと思います。ともかくも非常に高い外貨をもつて買つて来た米、それが事故米になつている。これはできるだけ国民経済の上からいつて、最高の効率を上げる方に始末をして行かなければならぬことは申すまでもないことであります。私はそういう点で、もし大蔵省が御推薦になつても、どうもこの人に渡したんじやどうやられるかわからぬというような人に対しては、入札に参加さすべきものじやないというように考えるわけであります。そういう点は、ひとつよく細心の注意を払つて行きたいと思います。この点については、とにかく最終においてそういうように食糧として、配給用にあるいはやみに流したとかなんということがあれば、これはもうどこまでも突きとめて行かなければならぬというように思つております。
  37. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 日本の食糧事情からいつて、外米を輸入しなければならないということは、これは当分長く続く、従つて、この取扱いにいうものはきわめて慎重でなければならぬということは、先ほど私が申し上げた通りであります。ところが、こういうふうに食糧庁が、人間に食わしてはいけないんだ、人が食つてはいけないんだといつて払い下げておるものが、ほかへ行くと食糧として使われておる、そういうずさんなことがあつていいものか悪いものか。それから次には、オーダーもなく、輸送証明もなくてこういうものがどんどん運ばれており、日本国中かけまわつているとすれば、この点でも――これは業者がやつているんだから、おれの方の知つたことじやないというならそれつきりかしりませんが、少くともこういう高い金を出して買い入れた米の取扱いというものは、もつと慎重でなければならないにもかかわらず、それに対する監督が十分に尽されていないということを、私はきわめて遺憾とするものであります。  それから次に、また八月二十二日にもあつて、それがここに書いてある。これも食糧庁から報告されておるが、千四百四十八トンのものが、幾つかのものに払い下げられておる。ここでその表にある三つを対照して見てください。四月二十八日に通産省へ払い下げた、そのうち日本糧穀株式会社とあるか、この日本糧穀株式会社は随意契約です。それから今言つた東洋醸造、これについては指名競争入札の形をとつている。またその次の第三表になつて来ると、これまた千四百四十八トンを日本糧穀株式会社というところへこれも随意契約している。それならば私はお聞きしたい。なぜ日本糧穀株式会社というところだけ随意契約しているのか、なぜここだけ随意契約しなければならないのか。これだけのものかあるなら、これに対して競争入札をやつたらいい。競争入札をしないで、ここだけ随意契約しているというその考え方が私にはわからぬ。この点もお聞きしたい。
  38. 保利茂

    ○保利国務大臣 食管の業務運営の関係もございましようし、かつまた、今御指摘のお話につきましては、国税庁長官の方へ申入れもあつて、そういうふうな取扱いをしておるようでございます。なおその上に必要であれば、食糧庁長官からお答え申し上げます。
  39. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 私は、こういうような規則や法規の中でやつてもさしつかえないのかということをお聞きしているのではない。そういう規則なり規定なりは、それをやれるように初めからつくつてしまつている。規則に反していないからこれはやつてもいいとか、反しているから悪いとかではなく、こういう規則をつくつてしまつている。つくつているからといつて、どんどんこういうことをやられていたのではわれわれ国民はたまらないので、こういうものをおやめになるつもりがあるか、もつと公正にやるつもりがあるかということをお聞きしているのであります。
  40. 保利茂

    ○保利国務大臣 それはごもつともでございます。これをやつた、ここまでのところは規則に従つて、そうして誠実に業務をやつて来たが、結果がはたして多数の方の納得を得るか得ないか、納得を得なければ、これは規則ですからかえればいいわけであります。納得を得るようにかえるようにしなければならぬ。私は十分検討していただきたいと思います。
  41. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 これはちよつと納得行くか行かないかという御答弁ですが、こんなばかなことを納得する人はおそらくないと私は思う。だから、これは当然こういうことをしないで、国民がもつとこの食糧行政に対して信頼できるような形でやつてもらわなければならない。私つい先般も、野田の醤油会社の方に会つたのですが、大豆も問題でしようが、あなたの方も払下げをやつたらいいじやないかと言つたら、やはりあれは会社が別にあつて、あそこへ頼みに行かなければだめだ、農林省へ行つてもだめだということを言つている。こういうことを私は言いたくないが、そういうことが幾つかある。そういうことは、例をあげればもつと出て来るけれども、そういうことは別として、次に、二十七年の砕米の事故米というのがここにあるが、三千二十八トン、これはまあ都道府県知事の申請で各味噌醤油協同組合というようなところへ配給しているもので、これもその配給の仕方は悪いとは私は思わないが、ここにも日本農林通商株式会社というものか介在して来ている。これをみなそこへやらなければいけないというようなこと――しかもここで一ぺんお聞きしたいのは、この値引きした理由というものがどういうことになつているかというと、これは当初より品質が悪く、買付辞退、割当辞退のために約二年の長期保管をし、それによつて品質が低下し、原材料用価格では売却が困難であつたから値引きしたと、こういうことを理由としているのですが、一体、自分の金で輸入して、自分の資本で商売しているなら、輸入したものが品質が悪ければ、早く売つて早く処分をすべきだ。ところがこれを二年間も倉庫へ置いて、保管管理料を払つておいて、値段が下つたからこれを安く売りました、これが国の米を扱つている責任のある人のなされ方かどうかということを、私はお聞きしたい。
  42. 保利茂

    ○保利国務大臣 事態をよくきわめてみなければわかりませんけれども、ただいまの小川さんのお話のようなことは、まことに不穏当の処置であると私は考えます。
  43. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 二年もこれを保存しておいて、しかもそのために安くこれを売つておる。資本を自分で出した会社ならばつぶれてしまいます。国だから平気でやつているが、こういうことをやられてはまことにもつてたまらない。そのほかに砂糖の問題は、これは課長が自殺しておることだからやめますけれども、大豆の問題でも、大豆がたくさん払下げをされている。これは食糧庁の方では、競争入札で払い下げるのだからさしつかえない。これは米とは取扱いが違うのだと言つておるけれども、少くとも国が買いつけて、政府手持ちになつているものを、実需者に払い下げるということが、私は建前でなければならぬと思う。しかるにこれが一つも――一つもとは言いません。実需者にも払い下げておりますけれども、実需者でないところにたくさん払い下げられておる。この点では、ただそういう抽象論ではいけないから、一点申し上げますが、私の知つているあるところへ、農林省は相当の大豆を払い下げて来た。これを引取つてくれ、そしてここへ渡してくれということを言つて来る。ここ、ここへやつてくれ、この二千何百トンかは、あなたの方の名前をかりて、あなたの万でやつてもらうけれども、これはここへまわしてもらいたいということで、受けまいか受くべきかということを、私も相談を受けておる。そういうことをやつてはいけないといつて、断つているわけですけれども、そういうことかないというなら、私は名前まであげて言えます。それがどこか、どこが引取つたか、これも人の名前まであげてもけつこうですが、そういう事実があるのです。なぜこういう不明朗なことをなさるか。何も時価六万円もするものを、三万円に払い下げるのは、当、不当は別として、じかにやればいい。それを、そういうところを通して、そつちへまわしてくれというところに、米のすべての立て方が、さしつかえない、さしつかえないとおつしやつておりますけれども、書面上でさしつかえないように出ているけれども、全部トンネルになつて、そつちへ行つている。こういうことをやつては困る。今後は、こういうことをやらないような措置をとつてもらいたいというのが、私の質問の焦点になつて来るわけです。この点について農林大臣、これからも外米はどんどん扱うことですから、どうかあなたの口から、この点についての御回答を私は承つておきたいと思います。
  44. 保利茂

    ○保利国務大臣 私は、この九千トンあまりの黄変米の扱い方は、一応聞いてみましたが、その他の問題は、まだ十分承知しておりません。いずれにいたしましても、この厖大な食糧事業を営んで参ります上に、効率的に事業を運営して参ります上に、あるいは無用と見られるような仲介機関が必要である場合も、実際はあるだろうと思いますけれども、しかし、この食管事業によつて不当に利得を生ずるようなものがあるということは、これは断じて許されぬことだと思う。従いまして、その点につきましては、私の努力がどこまで及び得ますか、とにかく最善の努力を払うつもりでおります。
  45. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 それでは最後に一点申し上げますが、米はだれだれ、大豆はだれだれ、砂糖はだれ、麦はだれと、農林省では、払下げる人は大体きまつておる。そうしてそこへみんな頼みに行くのです。これだけほしいからと、農林省へ行つたつてもらえないのです。そこへ行きなさいということを言われる。そこへ行つて、コミッシヨンを払つてもらつて来るというのが、今日の払下げの麦や、大豆や、砂糖や米の実情なんです。それでこういうことを――砂糖のようなものはもうないかもしれませんが、当時は五、六万トンの砂糖を手持ちなさつておつたはずです。この砂糖を一つ取上げて見ても、トン当り八千何百円かのもうけを、中継会社にちやんとやれるように、払い下げておる。こういうことがなされておつたのでは、しまいにはたいへんな問題になつて来るから、農林大臣はよくこの点を検討をされて、そういう不明朗なことのないようにされたい。そしてなお特につけ加えたいのは、農林省出の高官が、すべてこれらの会社の社長である。これが不明朗でない、何のまずいこともないといつても、自分のところから出ているかつての次官や、かつての食糧庁の長官が、会社をこさえて、そこへどんどん払い下げて、そこからほかの人がみんなもらつて行くというなら、かりにその中に、何らの利益がなかつた、何らの不正はなかつたといつても、これは人様は承知しませんから、今後、この点についての御注意を十分願いたい。
  46. 島村一郎

    ○島村委員 私どもは、食管の特別会計の財政を扱うことは、今まで何回かあつたはずです。しかも現在提案されておりますような法案の内容に接することが多いのであります。たとえて申しますれば、この法案のごときは、小学校の給食用に特別価格で払い下げる、その損害を補填するために一般会計から繰り入れるというようなことは、正面から解釈すれば何でもない。もうすぐにでも通つてしまう法案でなければなりません。しかしながら、これと同じような性格を持つた法案が出る、そのたびごとに、何か発言者に疑念があつて発言していられるようなことがある。ただいままでずつと、こういう法案が出ますと、そういう状況で進行を見ておるのであります。これは今、御就任日の浅い保利大臣を責めようとしているのではない。しかしながら、この私の発言がほんとうか、うそかということは、速記録がはつきり立証してくれると思います。ことに食糧庁の長官はよく御存じである。どうかこういう点につきましては、私どもがこういう法案を扱います場合に、平々淡々たる気持で、正面解釈で行かれるように、ひとつ監督を厳重にしていただきたいという要望を申したいのであります。ただいままでの大臣に対する各方面からの要望に対しまして、大臣は、必ず善処いたしますというお答えがあつたのでありますが、いかにも無責任な御答弁に経過いたしております。今度はぜひ保利大臣によつて、私どもにそういう疑念を抱かせずに、こうした性格の法案であつたら、うのみにしてオーケーが出せるように御監督をいただきたいという要望を強く申しておきます。
  47. 井上良二

    ○井上委員 ただいま小川さんから、具体的な事実について、食糧庁の持つております事故品の払下げについての疑惑の点を質問をしておりましたのです下、これに対して大臣は、疑惑を持たれる事実はない、こういう答弁をされておりますが、今小川さんが申し上げましたいろいろな質問に対して、疑惑を持たれる事実はないとお考えになつておりますか、明確にされたい。
  48. 保利茂

    ○保利国務大臣 それは、小川さんが御指摘になりました黄変米の取扱いについて疑惑があるかないか。私が先ほど申しまするように、小川さんも御指摘になりましたように、東洋醸造から協和醗酵に転売した。それは今日の規則をもつてすれば、少しもとがめることはない。ただその協和醗酵からまた妙なところへ流れ、それが事故米として処分されたのにかかわらず、食糧として供給せられたという事実が、かりにありとしますならば、それが協和醗酵と、その最終の取扱つた人との関係であるか、あるいはずつとさかのぼつて、東洋醸造との関係に及ぶか、あるいは東洋醸造に払い下げた食糧庁に及ぶのかというところに、疑惑といえば疑惑でしようけれども、そういう意味におきまして、食糧庁の職員に関しまする限り、この問題に関して疑惑をかける事実はないように説明を受けております。またそう了解をし、そう信じておるわけでございます。
  49. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 ただいま井上さんの関連質問に対して、大臣の答弁がありましたが、これは誤解ないように願いたい。東洋醸造から協和醗酵へ行つたのは千二百トン、それから東洋醸造から和歌山県にまわつたのが、数はわからぬが、食糧になつたのは百トン程度だ、こう思うのです。これはそういう事実があるかないかわからない、こういう御答弁でしたが、そういう事実があつたから検察当局に検挙されて問題になつたわけであつて、この点は食糧庁の長官はよく知つているはずだ。だから大臣は知らないかもしれないけれども、和歌山県で検挙されて、裁判の問題になつている、それを長官はよく御承知のはずだから、その点私が言いがかりをつけているのじやない。あるかないかということをここではつきりさせてもらいたい。
  50. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お話の点は、御承知のように和歌山県で問題になつておりますが、ただいま大臣が仰せられたのは、東洋醸造と食糧庁との関係において、そういう問題はないということを大臣がお話になつたのであります。東洋醸造か和歌山県にどうしたとかいう問題とは、大臣のお話は別じやないかというふうに私は了解しております。
  51. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 東洋醸造とあなたの方の関係に対しては、大臣の答弁はそれでいいのですよ。けれども、和歌山県へ行つて黄変米が食糧に配給されたという、この事実があるのかないのか、あつたとすれば、それはどういうふうに処理されているかということであなたから答弁を聞きたい。これはあなたは知らないはずはない。
  52. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げますが、和歌山県で、東洋醸造が和歌山県の卸業者を対象として、そこへ引渡した、それが配給されておるということで、現在事件が取調べられておるわけであります。私が聞いておりますところによりますと、東洋醸造のそれを取扱つた個人がそういうふうにしたのだということに、現在の取調べはなつておるというふうに聞いておりますか……。
  53. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、それではあなたの方から東洋醸造へ配給されたものが、和歌山県へ行つて食糧に配給されたということだけは認めるわけですね。
  54. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 その点が現在取調べ中で、そういう疑いを持つてやられておるということはお話の通りでございます。
  55. 井上良二

    ○井上委員 問題は食糧として配給不適であるものが、食糧として配給されておる。食糧として配給不適なるがゆえに、工業用品その他の用途に、食糧庁から払下げの条件を明確にして払い下げたものであります。それが食糧にかわつておる。その事実が具体的に出て来た。これに対して何らおれの方は責任もない、そのやつた行為に疑惑を持たれることはない、一体これで事が済みますか。食糧行政をあずかるものが、しかもこれに対して何らの責任の追究も明らかにされてないのです。それで一体事が済みますか。それで一体食糧行政の主管者としての大臣の任務が果されるとお思いになりますか。あなたは就任早々でありますから、事情の内容は報告も受けていないし、調査もされてない。しかし政治的にこの問題を考えた場合に、貴重な外貨を使つて、そうして国内にはわずかに内地米は十日か十二日くらいしか配給されてない現状において、血の一滴にもひとしい外米を配給不適品として払い下げておりながら、これが食糧にまわつておるということを聞いたときに、その配給を受けておりますところの国民が一体どういう感がいたしますか。食糧行政に対して国民が満足に了解をしますか。問題は、その政治的責任について私は聞いているのである。その点大臣はどうお考えになりますか。
  56. 保利茂

    ○保利国務大臣 私の不行届きによつて生じたことについては、私が政治的に責任をとらなければならぬことは申すまでもないことでございます。さればとて、食糧庁の職員が誠実、精励に職務を行つて、そうしてたまたまあやまちを生ずるというような場合もあろうかとは存じますけれども、黄変米の問題のごときは、食糧問題に悩みぬいておる国民としては、だれしもがこれは最大の関心を払つているわけでございますから、この取扱いの面において多少とも不当な点がございますならば、たといいつの時代でありましようとも、それは責任を見のがすというわけには参らぬと思います。ただ今日まで私が承知いたしておりますところでは、食糧庁の職員に過誤があつたということを突きとめる何にも根拠はない。しかしそのために、何か食糧庁の職員連中が不名誉な疑惑を受けるというようなことはまことにしのびない。そういうためにも、今後の取扱いについては、私は細心の注意を払つて行きたい、そういうことを申し上げておるわけであります。決して国民に対して、責任を回避するというような気持は毛頭ございません。
  57. 井上良二

    ○井上委員 この黄変米の問題につきましては、本年の春農林委員会におきまして、当面の責任者でありまする東畑食糧庁長官に対して、これが払下げについては慎重を要するということを私どもは警告を発したことを記憶しております。と申しますのは、一万二千トンに上ります黄変米は――実際は一万二千トンと推定をされておるが、それが払い下げられるというと、この黄変米が積んである周辺のものも黄変米だとして払い下げる危険がある。その倉庫を管理しております当該の食糧事務所の管理官、あるいは倉庫番、これらにうまく話をいたしますならば、その周辺の良質の米を事故米として払い下げる危険がありますぞ、そこはよほど注意をせぬといけませんぞ、こういうことを事実について私は警告を発したことがあります。ところが今日、ここで黄変米として払い下げたものが食用として販売されておるということが摘発されて来た。これは、まさに私どもがそのことを予想して警告したことについて、政府は何ら具体的に監督してないということを裏書きしているのです。監督しておるなら、こんなことは起つて来ません。これを食べれば肝臓癌になつて死んでしまうというような米を、いかに金もうけのためといえども、業者が第三者に売り渡すことはあり得ません。知つてやれば殺人罪を構成するのです。そういう危険な米を食用として売るやつはありません。そういうものは工業用として使われるから、少くとも市販をされておる米、正当に食用として供されるという米が事故米として払い下げられたものであるということは明確であると思います。そうすると、われわれが国会を通して政府の行政に対して必要な注意を与えても、その注意が何ら具体的に取入れられて実行されていないということが、ここに明確になつて来ている。一体、これを業務を扱つている者に対してどういう警告を発しましたか、一体あなたはどういう勧告をやりましたか、重大な責任です。それは業者がやつたことだから、政府は一々そんなことまで干渉していられぬということかは存じませんけれども、国民に与える影響というものは大きいものであります。だから、少くともわれわれはこの問題を契機にして、再び今後かかることが起らぬように、あなたの一段の監督を行政上に及ぼしていただきたいと考えますとともに、この問題について議論をしておりましても、お互いが責任追究になつて来ますから、これ以上私はこの問題を掘り下げてとやかく申しませんが、さきに小川さんからいろいろ具体的事実を述べられている点を素直に承つておりますと、まつたく一方的な感じがいたします。これもやはり何とかもつと公正な、だれが見てもあたり前だというやり方に改める必要があろう、これはあたり前であろうと思う。そういう点で、大臣は今後新しい一つの対策をお考えを願いたいのでありますが、この際、特に私はこの法案を審議して行く上において重要な疑点が起つて参りましたから、ここで二、三伺つておく問題がございます。  特に大臣の出席をたびたび求めるわけに行かぬ、大臣はお忙しい身体でございますので、多少時間に制限がございますけれども、伺つておきたいのは、昨日衆議院の本会議で予算修正案が通過いたしました。この修正案のうちで一番大きな問題は、本年度供出米に対して奨励金の名目で、石当りで八百円生産農民に渡すということがきめられております。これを予算的処置をやろうといたしますためには、あの説明によると、どうしても約二百億ほど所要資金が必要である、このために新しく食管の特別会計内の食糧証券の発行限度をふやさなければいかぬ、そういうことになつて来るようであります。これに関連をしまして、当面の責任者である農林大臣は、この衆議院で議決いたしました二十八年度産米の価格について、この修正をそのまま実行される意思があろうと思うが、またしなければならぬという責任が起つて参りますが、この場合は、あなたは自由党の政策を代表される農林大臣でもあるわけでございます。これは当然であります。そうすると、自由党は自由販売を主張し、そうして二重価格制度には反対をして参りました。ところが改進党さんの主張されておる、われわれ両派社会党の主張しております二重価格制度というものが一部この改正案の中に採用されておるという説明を、昨日賛成討論においてされております。そうしますと、農林大臣は党の政策は二重価格には反対だけれども、国会で可決されたこの修正案は、国会の意思を尊重する立場から、これを否定するわけには行かぬ、こういう立場をおとりになりますか。この点を明確にされたいと思う。
  58. 保利茂

    ○保利国務大臣 石八百円の奨励金を出すことによつて二重米価になるかならぬか、これはきのうの御発言を承つおりましても、いろいろ見解が違つておるようでございます。要は、国会の予算が成立しますれば、議決に従つて行くよりほかにない。と申しますのは、それはなるほど自由党内閣でありますから、自由党の政策を中心として行かなければならぬことは申し上げるまでもございませんけれども、しかし今日の実際の政治勢力の分野から申しまして、自由党の政策をより多く実施し、推進して参りますためにも、他の政治勢力の御協力を得なければならぬ実情になつておるわけでありますから、そういう上に立つて行われて参ります国会の意思、これには当然従つて行くべきである、それが二重価格であるかないか、これは見解のわかれるところで、いろいろ解釈の仕方があるようでございます。ただ私は、国会の議決に従つて行くということを申し上げるほかはございません。
  59. 井上良二

    ○井上委員 どうもそこのところがはつきりしないのですが、たとえばこの修正案に基いて新しく食糧証券の発行のわくを二百億増額する修正案が出て来なければなりませんが、その法案を審議する場合、修正案を出した提案者と、これを受入れて実行に移す政府との解釈がまちまちだというようなことでは、法案の審議はできません。提案者側と政府との間において、少くとも政府がこれに同意をする以上は、解釈は統一すべきであります。そうして統一成つた後に正規な法案を提出すべきであります。どうもいろいろ考えが違う、解釈が違う、見解の相違だということでやられたのでは、一体われわれはそんなむちやくちやな議論に基いた法案は審議できませんぞ。そこは非常に大事ですから、私はさらにあなたの考え方を具体的に表明願いたいのですが、この二重価格制度であるというのと、いやそうではないのだと言うてごまかすのとの間に、一つは奨励金が、昨日の委員長報告では完遂奨励金と言つておる、ところが一方この案に賛成をした、修正を主張しておりました改進党の河野金昇君の本会議の討論では、これは完遂奨励金ではない、供出奨励金だ、こう言つておる。だから完遂しなくても供出に応じて石当り八百円づつもらえる、こういう解釈であります。この解釈は非常に違つて来ます。また供出の上にも非常に影響をして来ます。米価それ自体の生産費を償うか償わぬかという問題は別にいたしまして、予算の上において、あるいは供出の全般の上において、この二つの解釈は重大な食い違いを持つて来るのでありますから、一体政府はどつちとお考えになつておるか、供出奨励金として八百円石当り出すというのか、完遂後に全完遂量に対して石当り八百円を比そうというのが、その点を明確にされたい。  同時に、いま一つは、今年の十一月の新米穀年度に入るにあたつて、消費者価格を引上げると言うておる、そうしてこの価格差をできるだけ接近さそうという意図が与党側にあるということをたびたび新聞で報道されました。大臣のお考えはどういうお考えでありますか。十キロ六百八十円の現行価格を維持しなければ、二重米価制度を主張する改進党の主張は通りません。改進党の主張を通そうとすれば、十一月における新米穀年度を中心にする新しい消費者価格の改訂をせなければいかぬし、一体どちらをお考えになつていますか。これは食糧証券の発行限度に重大な関係を持つて来るのでありますから、この際その点を明確にされたいと思うのであります。
  60. 保利茂

    ○保利国務大臣 これは、修正をせられました国会で御提案になるか、あるいは修正せられましたものを、成立すれば執行しなければならない責任を持つ政府が提案するか、いずれにいたしましても、食糧証券の限度発行ということは、必要なる措置としてとられなければならぬ。そこでその限界をどつちかにまとめろといわれましても、私は、この問題は今日の食糧事情の上から行きまして、国内食糧供出を確保して行くためにとられている政治的配慮であると思います。従つて、この出来秋の供出を、必要量をどう確保して行くかというところから、政府の責任において、国会の盛られている意思に従つて処置して行かなければならぬ。従つて出来秋につきまして、十分に万全の措置を講じて参りたい。消費者価格につきましては、承つておりますところでは、今回奨励金として附加せられる八百円については、今年産米の消費者価格には盛り込まないというお話合いは、昨日の御発言を承つておりましても、そうであるように承知をいたしております。従つて消費者米価の決定の時期にあたりまして、――消費者価格でありますから、その消費者価格をどう決定することが、消費者の家計負担の上からいつて、また国の財政の上からいつて妥当であるかということをよく検討して決定しなければならぬと思いますから、その際に慎重に検討いたして決定をいたすつもりであります。今日は、これ以上は消費者価格については何も申し上げることはございません。
  61. 井上良二

    ○井上委員 ただいま大臣は、非常に慎重な答弁をされまして、私の問いましたかんじんな点は答弁をされておりません。と申しますのは、昨日の本会議における予算委員長の報告では、ただいま申しました八百円は、完遂奨励金だという報告をされておる。ところが河野金昇君は、供出奨励金だというように言つておる。私がこの点を何ではつきりせなければならぬかと申しますと、完遂奨励金にするか、それとも供出奨励金にするかということによつて、この予算に盛られておりますところの二千五百万石の集荷の上に重大な影響を来し、またそのことが食糧証券の発行にも、やはり一応の限度の基礎になつて来ます。だから政府は、一体完遂奨励金と考えておるか、供出奨励金と考えておるのか、どちらかということを明確にされなければなりません。同時に予算でありますから、今年の秋の米の消費者価格を何ぼにせなければならぬということは、まだこれから二、三箇月もあることでございますので、そのときの物価その他の状況も勘案をされてきめることでありますから、およそ今日予想してこれにきめるということは困難でありましても、当然今年の秋になりますならば、正規な生産者価格というものが算定をされて、実際の基本価格というものは上つて行く、われわれがこういう一つの推定を持ちますときに、消費者価格を現状ですえ置くか置かないかという問題は、二重米価を主張する者とせぬ者との上において、非常に重要な政治的な問題になつて来ます。そういう点を割切つた上に立つて、はつきりこの食糧証券に対する発行限度というものが算定されなければならぬと私は考えております。そういう点について、秋の消費者米価については、今から考えておかなくとも、まだ時間があるといえばそれまででありますが、政治家の心構えというものはおよそできていなければならぬ。同時にまた、今申しました完納奨励金か供出奨励金かということが、これまた米価決定の上に重大な影響を持つて来るので、そういう点をひとつ明らかにしてもらいたい。
  62. 保利茂

    ○保利国務大臣 先ほど申し上げたところで尽きておると思いますけれども、昨日修正議決せられました予算には、供出完遂奨励金というように出ております。そうして、この奨励金の大体の見込み予算は、二千五百万石の供出を確保する上から、二百億円というのが出て来ていると思います。そういう点は、判断の材料になろうかと存じます。従いまして、出来秋の供出をできるだけ確保して行くというところに三党の政治的配慮があると存じます。それ以上は、政府の責任において供出を確保して行くという上から、この予算執行に当らなければならない、こういうふうに考えております。
  63. 井上良二

    ○井上委員 わかりました。わかりましたが、大臣はまだ大臣になりたてですから、実際の供出の事情というものを、食糧庁長官とともに、もつとよく御検討をされる必要があろうと思う。と申しますのは、食糧、特に米に対する集荷についての緊急処置令は今ありません。まつたく納得ずくの供出割当になります。そうなつて参りますと、あなたの方では最低二千五百万石を必要とするとかりに押えて、二千五百万石を供出するならば、完遂奨励金は石当り八百円やろう、こうなつたときに、一体当該県の知事が民選知事として、自分を支持してくれておる農民の供出割当をできるだけ安くする、しかも義務供出以外の米は石一万円以上で買われる、しかもこの奨励金には税金はかからぬ、こういう有利な条件が後にありますときに、義務供出量はできるだけ少くして、早く県内の供出が完遂するように処置を講ずるのは人情であります。またこの完遂奨励金が石当り八百円もあるということになれば、この完遂奨励金を目当にして、できるだけ当該県の供出割当を少く政府と交渉して闘い取つて、そして早くその供出を完納することによつて、石当り八百円の奨励金をもらおうということになつて来て、実際は、予想割当の二千五百万石をはるかに下まわる義務供出割当に事実上なるのです。去年のわずか石当り百円の供出完遂奨励金においてさえ、後に控えているところの超過供出一万五百円という大きな懸賞か、いかに関東その他の地方の米産地の知事をして、政府に対してねばらしたことでしよう。そしてその県とは結局話合いがつかぬじやないか。最初に公表したところの割当数字よりもはるかに下に、秘密裡に折衝しているじやありませんか。もし県側ががんばつて政府側の言うところの割当に応じないで、もつと低くなかつたらよう引受けませんと言うた場合、あなたはどういたします。何の法律でそれをとろうとするのです。現実にとる法律がないでしよう。国の食糧の重要性を考え、農村に対する政府の手厚いいろいろの対策を農民がよく理解して、協力してやらなければいかぬという気持にならなかつたら、供出は出ません。そうした場合、そういう供出の完納金があるということが、逆に供出量を減らすという逆現象を生んで来ますよ。そして押しの強い県知事や農業委員会に押しまくられて、とうとう泣寝入りしなければしようがないということに事実なつて来ますよ。私はきようこれをあなた方に予告しておきます。はつきりそうなります。逆にこれが供出奨励金八百円ということになつたら、かわつて来ますよ。供出さえすれば石当り八百円もらえるということになれば、これは大分かわつて来ます。しかしそう言つたのでは、あなたの方は二重米価を認めることになるから、そこは言いたいけれども言えぬというのがほんとうじやありませんか。どうもそうじやないかと私らは見ているのです。ここがつらいところだ。つらいところだけれども、食糧確保のため、また後に控えております食糧証券のわくを拡大して二百億をこの委員会で通さなければならぬためには、率直に農林大臣の心境を申してもらわぬと、事実上秋の供出の上に重大な問題をはらんで来ますよ。その点に対して十分御検討を願いたい。これに対する大臣の御所見を伺いたいと思います。
  64. 保利茂

    ○保利国務大臣 供出が強権供出の時代を過ぎて、この両三年来非常に困難を来しつつあるということは、もう御承知の通りであります。従つて、私どもとしましては、食糧事情に不安なからしめる状態に置き得ますならば、できるだけ早くこの統制撤廃を行つて行くということは、そこにも理由があるわけなんです。それができないという現状のもとにおきましては、どうしても必要量の供出は確保しなければならぬ。これは最も農村の理解者である井上さんあたりの御協力をいただかなければできやしません。それをできないのだと頭から言われたのでは、これは初めから話にならないわけでございます。ほんとうに今日の国民最大の問題は、食糧にかかつているわけでありまして、食糧の問題に悩んでいる今日の事情からいたしまして、政府としても、議会としても供出を確保すべく努力をいたしておりますから、従つて農村側におきましても、この事情をよく御理解をいただき、深い同胞愛も加えていただいて、あらゆる手段を講じて供出に協力を願うように、これはひとつぜひ国会側の御協力をいただかなければでき得ない。もとより政府の責任でございますから、政府としては最善の努力を払つて行くつもりでおります。
  65. 千葉三郎

    ○千葉委員長 時間が大分経過して去りますから、そのお含みでお願いいたします。
  66. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 時間がありませんから、二、三点についてお伺いしたいと思います。この供出金の八百円の問題につきまして、米価審議会とはどういう関係になりますか。今度の米価値上げの問題について、どういうようなお考えを持つておられるのか、大臣から伺いたい。
  67. 保利茂

    ○保利国務大臣 これは奨励金でございますから、米価審議会とは直接の問題はないと思つております。もし間違いがありましたら、食糧庁長官から訂正させます。
  68. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 おそらく今度の新来の米価について、これが相当いろいろな問題を与えると思う。先ほど井上さんから、その問題についていろいろ言われましたが、われわれ農村におりますから、地方におりましても相当質問があると思う。これをどういうように解釈していいかという問題について、議員として農村をまわる場合に、そういう問題についての政府のはつきりした観点を知らしておかれないと、われわれ自身が不安でございますから、食糧庁長官でもけつこうでありますから、ひとつお明示を願いたい。
  69. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。昨年度におきましても、超過供出奨励金を三千円付したわけでございますが、米価審議会におきまして御決定を願うのは、基本価格としての米価で、それを御審議願うわけであります。もちろんその際に、そういう奨励金等の具体的内容について十分御説明申し上げることは、申すまでもないことであります。
  70. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 食糧管理法でいろいろ問題がありますが、外米の問題であります。今年度の外米の確保について、農林大臣はどういうふうにお考えになつておるか、その一点を伺いたい。
  71. 前谷重夫

    ○前谷政府委員 お答え申し上げます。本会計年度といたしましては、御承知のように九十万トンの輸入を計画いたしておるわけでございます。現実には、米の需給の問題といたしましては、十月末までの本米穀年度の問題かと思いますが、本米穀年度におきましては、大体予定量の買付をいたしております。そのうち二十万トンがまだ到着をいたしておりませんが、本米穀年度といたしましては、予定通りの買付を了しまして、二十万トンは今後十月までの間に到着し得るということで、この計画は遂行できると考えております。
  72. 井上良二

    ○井上委員 ちよつと最後に……。私ただいま大臣の御答弁を承りまして、実はこの委員会としても非常に重大な段階に来ると思うのです。そこで私は委員長に伺うのですが、委員長は、多分改進党から提案しましたあの予算修正案に賛成をされておることであろうと思います。そうして大蔵委員長として、この食糧管理法の改正案を後ほど審議にかけるであろうと思う。そうなつて来ますと、大臣は完遂奨励金八百円ということを言つておる。ところがあなたの方の昨日の本会議における河野金昇君の賛成討論を聞いておると、あれは供出奨励金と言うておる。これは非常に違う。そこで大蔵委員会に、食糧証券発行額の限度を引上げる法案をどうせ提案をされて参りましようから、それまでにひとつ政府側とも、また与党側とも十分お話をされて、大臣の言ういわゆる見解の相違という点を明確にして、本委員会に委員長から言明を願うように、議事進行の上において要求いたしておきます。
  73. 千葉三郎

    ○千葉委員長 承知いたしました。
  74. 春日一幸

    ○春日委員 ただいま同僚委員の方から、黄変米、あるいは砕米、大豆、砂糖というようなものの払下げを中心とする食管行政に対して、大分幾多の疑義が投げかけられたのでありますが、これに対する大臣並びに長官の御答弁によつては、疑義がますます深まるばかりで、何一つ解明されてはいないと私は思うのであります。保利農林大臣の御答弁の中に、困難な条件下において職務に精励している農林省の役人が、そういうような疑惑を受けるということは非常に忍びがたいというようなお言葉もございましたが、これがただ単に疑惑であるならば、御説の通りであり、またわれわれ国会議員においても、何らかかることのないところに疑惑を投げるということはよろしくないことでございましよう。しかしながら、われわれが本日までいろいろ見聞して参りましたその中には、たとえば砂糖の払下げ問題をめぐつて、食糧庁の課長が熱海で自殺したというような事件もある。こういうような問題は、何らやましいところがない、背任し、あるいは涜職したというような事犯が何らないならば、あたら若々しい命をそういうようなところで捨てるというような結果になることはないであろうと私は考えるのであります。いずれにしましても、そういうトンネル会社を通じて、しかもそのトンネル会社の社長は、すべて次官てあつたとか、食糧庁長官であつたとかいうような人たちである。こういうような人が主宰している会社に対して、一払下米にして何千万円、砂糖のごときは何億という利益を与えておつたということは、断じて私どもは納得することができないのであります。本委員会の質発応答を通じてこれを知る国民は、これに対してさらに新たなる憤激を感ずるであろうと私は思うのであります。ただいま同僚議員によつて示されたことは、わずか数点であるけれども、歴年にわたつて吉田内閣が、この食管行政を通じてこういうようなことをどれだけ行つておるかということは、私どもがこれを推定するのに、非常に恐るべき内容がそこにひそめられているのではないかというふうな疑惑すら抱かざるを得ないのであります。  そこで私は委員長にお伺いをしたいが、ただいまの大臣並びに長官の御答弁によると、大体そういうようなことがあるが、現行法規の建前においては、そういうような払下げの事柄は別に違法ではない、法内の処理が行われたものであるという御答弁でございました。このことは、立法の府にあられるところの当事者たちと、それから、かつて立法の府におつて、今はしりぞいてそれらの営利会社の社長になつておる諸君とが相結託をいたしまして、そうしてこの農林食管の法律を、そういう利潤が獲得できるような体系にしておいていろいろと運営されているというような疑念すら、私どもは抱かざるを得ないのであります。そこで、こういうような状況下において、そういう不当な厖大な利潤を彼らが得ており、なおかつそれか法規に照らして何ら違法でもないとするならば、今後こういう事態が跡を絶たないであろうし、しかもこれが国会の本委員会の論議を通じて何ら問題にならないとすれば、これは重大なことであり、私どもはその責任を果すゆえんではないと思うのであります。私はこの機会に、小川君の提起をいたしましたこの問題を契機として、本委員会の責任においてさらに具体的事象をつかみとつて、かりに食糧行政粛正決議案とか、あるいは何らかの形において、こういうような不当な処理の行われることの禍根を今後抜本塞源的に絶つ必要があると思うが、委員長は本問題の結末をいかにつけられるつもりであるか、ひとつ委員長の御所信を承りたいのであります。
  75. 千葉三郎

    ○千葉委員長 春日君にお答えいたします。この問題は、国有財産払下げの問題と類似の事象でありまするから、本委員会に取上げまして、そうして二十一日にはこの問題のために理事会を開きまして、十分に協議したいと思いますから、さよう御了承を願います。
  76. 春日一幸

    ○春日委員 了解しました。
  77. 千葉三郎

    ○千葉委員長 坊秀男君。
  78. 坊秀男

    ○坊委員 ただいま議題となつております二十六法案中、相互銀行法の一部を改正する法律案、並びに先ほど提案趣旨の説明を聴取いたしました国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件及び国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件の三案につきましては、質疑も大体尽されたと思われますので、この際質疑を打切られんことを望みます。
  79. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ただいまの坊秀男君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 千葉三郎

    ○千葉委員長 御異議ないようですから、右三案に対する質疑は以上をもつて打切ることといたします。これより順次討論採決に入ります。まず国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件二件、すなわち正倉院の件及び皇居の件の両件を一括議題として討論に入ります。
  81. 坊秀男

    ○坊委員 ただいま議題となりました国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件及び国有財産法第十三条の規定に基き、国会の議決を求めるの件の両案につきましては、いずれも討論を省略して、ただちに採決に入られんことを望みます。
  82. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ただいまの坊君の動議のごとく決定するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  83. 千葉三郎

    ○千葉委員長 御異議ないようですから、右両案につきましては、討論を省略してこれよりただちに採決に入ります。  右両件を、いずれも原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  84. 千葉三郎

    ○千葉委員長 起立総員。よつて右両件はいずれも原案の通り可決せられました。  次に、相互銀行法の一部を改正する法律案を議題として討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。苫米地英俊君。
  85. 苫米地英俊

    ○苫米地委員 私は、本案に対しまして賛成の意を表すると同時に、本案につきましては、次のごとき附帯決議を付して議決されんことを提議いたすものであります。まずその案文を朗読いたします。   政府は、なるべく速やかに、相互銀行に対し、内国為替取引を認可するよう善処されたい。こういう案文であります。  次に提案趣旨を簡単に申し上げます。  本法案におきましては、相互銀行が内国為替取引の業務を営もうといたします場合には、大蔵大臣が個別的にその業況等を総合勘案して認否を決定することになつておりますが、金融を一層円滑にし、取引者の利便をはかろうとする立法の趣旨にかんがみまして、政府はなるべくすみやかに認可を与えるように善処されたいというのが提案の趣旨でございます。
  86. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ほかに討論の通告もありませんので、以上をもつて討論は打切ることといたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  87. 千葉三郎

    ○千葉委員長 御異議なしと認めます。  よつてこれより採決に入ります。右案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  88. 千葉三郎

    ○千葉委員長 起立総員。よつて本案は原案の通り可決せられました。  次にただいま苫米地委員より提出せられた附帯決議の採決をいたします。本附帯決議に賛成の諸君の御起立を願います。     〔総員起立〕
  89. 千葉三郎

    ○千葉委員長 起立総員。よつて本附帯決議は決定いたしました。  次会は二十一日午前十時から開くことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後一時十分散会      ――――◇―――――