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1953-06-26 第16回国会 衆議院 大蔵委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和二十八年六月二十六日(金曜日)     午前十時三十七分開議  出席委員    委員長 千葉 三郎君    理事 淺香 忠雄君 理事 苫米地英俊君    理事 坊  秀男君 理事 内藤 友明君    理事 佐藤觀次郎君 理事 島村 一郎君       有田 二郎君    宇都宮徳馬君       大平 正芳君    黒金 泰美君       藤枝 泉介君    宮原幸三郎君       福田 繁芳君    本名  武君       小川 豊明君    木原津與志君       久保田鶴松君    春日 一幸君       平岡忠次郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局長)  河野 通一君         大蔵事務官         (為替局長)  東條 猛猪君  委員外の出席者         日本開発銀行総         裁       小林  中君         日本開発銀行理         事       中山 素平君         専  門  員 椎木 文也君         専  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 六月二十五日  揮発油税軽減に関する請願(小峯柳多君紹介)  (第一六八九号)  同(南條徳男君紹介)(第一六九〇号)石油関  税の減免措置延期に関する請願(南條徳男君紹  介)(第一六九一号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  参考人招致に関する件  国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する  特別措置に関する法律案(内閣提出第六五号)     ―――――――――――――
  2. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより会議を開きます。有田君。
  3. 有田二郎

    ○有田(二)委員 金融関係の法案が出て参つておりますが、信用金庫法、近く相互銀行法も本委員会に提出されるやに聞いておりますが、それらの関係につきまして、日銀政策委員の議長であり、日銀総裁である一万田氏を本委員会に招致いたしまして、意見を聴取いたしたいと思います。委員長においてしかるべくおとりはからいを願いたいと思います。
  4. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ただいま有田委員より、相互銀行法その他の問題につきまして、日銀総裁を参考人として招致してほしいとの旨の申出がありましたか、本問題に対して、日銀総裁を参考人として招致することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 千葉三郎

    ○千葉委員長 異議ないようでありますから、さよう決定いたします。なお参考人招致の件につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。     ―――――――――――――
  6. 千葉三郎

    ○千葉委員長 本日は、まず日程に掲げました三十四法案中、国際復興開発駅行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律案を議題に供します。本案に関し銀行局長より、補足説明をなすために発言を求められておりますので、この際これを許します。河野君。
  7. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 この法律につきましては、先般提案理由の説明があつたのでありますが、なおやや技術的な点もございますので、補足的に説明いたしたいと思います。便宜条文に従つて申し上げたいと思います。  まず第一条でありますが、この条文は、国際復興開発銀行とか、または外国の政府金融機関、ここに括弧にございますように、「外国政府が半額以上出資して設立した金融機関であつて政令で定めるものをいう。」今考えておりますのは、ワシントンにありますアメリカの輸出入銀行等を大体予定しておりますが、これらの金融機関が、いわゆる外資の導入という形で、日本の金融機関なりその他のものに金を貸す場合において、一般の銀行の外資に関する法律によりますると、その外資を導入するものが、所定の手続によつて許可を受けたり、認可を受けなければならぬことになつておるのであります。しかしながら、こういう世界銀行とか、ワシントンの輸出入銀行等につきましては、われわれが望んで外資を入れたいという関係もありますので、この貸付者である世界銀行等が、外資に関する法律によつて申請をいたすという手続は適当でないであろうという考え方から、こういう場合におきましては、貸付を受けるものが主務大臣の認可を受けましたならば、それによつて国際復興開発銀行等が、当該貸付債権の取得について、外資に関する法律によつて認可を受けたものとみなすここにいたしたのであります。一般の原則によれば、今申し上げましたように、世界銀行がそういう手続をとらなければならぬのでありますが、こういつた特殊の事情のあるものにつきましては、金を借りる方のものが認可を受ければよろしい、こういう規定であります。  第一条の第二項は、これらの金を借りるものが認可を受けたりするその手続につきましては、外資に関する法律の十三条第一項の規定を準用して行く手続でありまして、たとえば外資審議会にかけるとか、そういう手続の規定は、この場合においても準用して行くというのが第二項の規定でありま  第二条は、こういつた世界銀行でありますとか、ワシントンの輸出入銀行等から、日本開発銀行あるいは日本の輸出入銀行等が資金の借入れをいたします場合におきましては、その債務について政府が保証する。しかもその保証は、単に円による支払いの保証だけでなくして、外貨によつて支払う債務を保証する、こういう保証契約ができるという規定を置いたのであります。この規定は、元来法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律というのがございまして、一般には政府が保証するといつたようなことは非常に制限されておるわけでありますが、その規定にかかわらず、この場合におきましては、政府が保証できるようにいたしたいというのであります。具体的な例は、後ほど関係の方からお話があると思いますが、現在話の進んでおりまする火力発電設備に関する世界銀行から日本開発銀行に対する融資の問題がありまして、大体金額は、御承知の通り四千万ドル程度でありますが、この場合におきまして、世界銀行といたしましては、国以外のものに資金の貸付をいたしました場合には、必ず原則として、その国の政府の支払い保証を要求いたしておるのが例であります。従いまして、本件のような異例の措置を円滑にしますためには、日本開発銀行に対して政府が保証をするという措置がどうしても必要になつて参つたのであります。そのためにこういう規定を入れた次第であります。  第三条は、日本開発銀行または日本輸出入銀行が、世界銀行等から外貨資金の借入れをいたしました場合において、その契約に基いて債券を引渡すということが必要になりました場合におきましては、日本開発銀行法あるいは日本輸出入銀行法では、これらの債券を発行することを認めていないのでありますが、そういう場合に限りましては、特に借入れ金額を限つて、債券を発行することができるようにいたしたいと思うのであります。従来世界銀行等が諸外国の各企業、金融機関等に融資をいたしました場合に、貸付債券を発行して、その債券の引渡しを受けるという形でこの融資が行われておつた場合が非常に多いようであります。必ずしも全部それがそうなつておるわけではありませんが、そういうことを要求されておる場合が非常に多いようでありますので、もし本件の場合におきまして、やはり世界銀行からそういう要求がありました場合には、それに応じ得るような法律の態勢だけは整えておきたいという意味で、第三条の第一項を加えたのであります。  第三条の第二項は、外資に関する法律の第三条に規定する外国投資家が、前項、つまり第三条第一項の債券を譲り受けた場合、たとえば世界銀行が日本開発銀行の発行いたしました債券の引渡しを受けて、それをニユーヨークならニユーヨークの市場でそれを売り払つた場合におきまして、それを買取つた人が、つまりここでいわれる「外国投資家が前項の債券を譲り受けたときは、」という場合に当るわけであります。その場合におきましては、当該債券にかかる貸付金債権については、外資に関する法律の第十三条の二の規定によつて、大蔵大臣の指定を受けたものとみなして同法の規定を適用する。つまりその場合におきましては、その債券について、外貨送金の保証が与えられたと同じような取扱いをする、こういうふうな意味の規定であります。  それから附則につきましては、第二項は、日本開発銀行が外国為替銀行となり得るような道を開きたいという規定であります。条文はちよつとややこしくなつておりますが、趣旨は、開発銀行が外国為替銀行になり得る道を開きたいということでありまして、今申し上げましたような世界銀行等から外資の借入れをいたしますことに関連をし、また今後別口外貨、貸付等を開発銀行等が行つて参る必要が起つて参りますので、そういう場合に処して、開発銀行が外国為替銀行となり得る道を開いた次第であります。もつとも開発銀行が外国為替銀行になつたからといいましても、一般の外国為替銀行と同じように、全般的な為替金融あるいは貿易金融を行うのではないのでありまして、開発銀行の本来の業務の遂行上必要な限度において、為替業務を行い得るような道を開きたい、こういう意味で附則の規定を置いたのであります。  以上がこの法律案の逐条の説明でもります。
  8. 千葉三郎

    ○千葉委員長 次に日本開発銀行の責任者より、本案に対し御意見を伺いたいと存じます。日本開発銀行理事中山素平君。
  9. 中山素平

    ○中山説明員 私、実は昨年の十一月からアメリカに参りまして、向うの輸出入銀行と今お話のございました電力会社の四千万ドルの借款の交渉をしておりましたのですが、その経緯を御説明して、一応御参考に供したいと存じます。  私参りましたのは、昨年の十一月の末でございましたが、今度の申込みの案件は、御承知のように関西電力、九州電力、中部電力の電力三社が新たに火力発電所をつくりまして、その発電量は約三十万キロであります。その代金が約四千万ドル、その中には運賃、保険料等も含んでおります。これをアメリカの輸出入銀行から借りようということで、私参りましたのですが、当初は開発銀行が保証人になりまして、直接の借入人は電力三社というような形で交渉いたしておりました。日本側といたしましては、御承知のように現在の電力料金の立て方が原価主義でございますので、こういつた金を向うから借りました場合に、返す期限としては、減価償却分だけしか料金には織り込まれてないということから、当然相当長期のものでなければならないということになる。日本側としてまず銀行に希望いたしましたのは、期限が長期でなければ困る、できれば償却年限の二十五年に近いものということでございますが、これはやはり向うの銀行としては、問題が開発設備でございますので、二十五年ということは無理でございますが、なるべくそれに近い長期のもの。それからもう一つは、融資の形式が、最初に申し上げましたように、電力会社が借りて開発銀行が保証するという形になりますと、向うの輸出入銀行の輸出金融の形は、電力会社と普通銀行、あるいはメーカーとの交渉になる。そうすると銀行の方は、商売柄長く貸してくれるかもしれませんが、メーカーの方は長く貸すということはなかなか無理であります。それで最初申し上げましたように、日本としてはなるべく長く貸してもらわなければ困るということから、その形をかえまして、開発銀行にそつくり貸してもらうという交渉をしたわけです。これはなぜかと申しますと、開発銀行の方では、御承知のように向うの金融機関からは借入れができるのでありますが、メーカーその他商社から借りることはできないのであります。従つてもし向うの銀行が許して、そつくり開銀に貸してくれるということになると、日本の希望するなるべく長期ということが達成されるわけでありまして、そういうことをぜひしてもらいたいということをお話したのでございますが、やはり向うの銀行の建前もありますので、今度の融資については、銀行とメーカーの協調融資ということになるであろうということを言つておりました。そのうちに、向うのコンサルタントが調べておりました調査の方が済みまして、大体二月ごろからこまかい調査報告に基く検討が始まつたのでありますが、これはそれぞれ電力会社側に対しましても、あるいは開発銀行につきましても、あるいは大使館に対しても、非常に詳細な質問が出るわけであります。その質問を終りまして、四月一番はいよいよ輸出入銀行の方で諾否をきめるという段階になりましたのですが、そのときに突然に、向うの輸出入銀行を改組するという法案が国会へ出ました。これははつきりまだその法案が通つておりませんから、私ども改組の意図とか、あるいはその結果というものについて今ここで申し上げることはできないのでございますが、これは私個人の推測でございますが、大体アメリカの行き方としては、向うの輸出入銀行の機能なり今後の活動というものを、むしろ縮小して行くという方向であると思うのであります。そうした法案の提出の結果、従来交渉しておりました輸出入銀行でこの長期の融資を取上げることがいいかどうかということが、アメリカ内部の問題として起きまして、その結果、今申し上げたような私の推測が当つておるかどうかは存じませんが、輸出入銀行が取上げることをやめまして、世界銀行がこれを取上げるという方向にかわつたわけであります。現在世界銀行の方で、今度の案件についての下調査を進めております。私どもの銀行からも、先日二人の部長が再度向うへ参りまして、銀行の説明その他をいたしておりますが、私どもその結果、おそらく近日中に決定があるものと期待しております。世界銀行になりますと、先ほど申し上げましたように、輸出入銀行の場合とは違いまして、開発銀行の保証とか、あるいは開発銀行が単独で借りて行くということは非常にむずかしいのでありまして、ほとんどの場合、やはり政府の保証が必要であるということが向うの先例になつております。従つて今度の決定がございましても、おそらく開発銀行が借入人になりまして、その上に政府の保証が必要であるということになると思うのです。従つて、今度の法案につきましても、この借款も実現するためには、ぜひともこれを通していただくということが必要になつて来ると思うのであります。  それから当然御質問があると思いますが、どういつた条件になるであろうかということでございます。これは前に折衝しておりました輸出入銀行の方でも、非常に口の固い銀行でありまして、私どもにも期限とか金利についてなかなか漏らしません。ただ折衝の経過においての言葉の端々から推測いたしますと、おそらく十五年前後というのが、期限としてはせいぜいじやないか。金利につきましては、御承知のように、アメリカの金利政策が高金利政策をとつていて、ことに本年度になりましてから、金利の上昇がかなり急でございますので、これもどうも予想していたほど低利に借りることはむずかしいのではないか。この辺についても、おそらく五分前後ではないかと私ども推測しております。その辺は今後の折衝にまつわけでありまして、われわれとしては、なるべく長期に、なるべく低利に、しかもその他の条件も、日本側に有利なように交渉を進めたいと思つておりますが、目下その具体的な交渉の段階までには至つておりません。  簡単でございますが、経過等について一応申し上げました。
  10. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより質疑に入ります。質疑は通告順によつてこれを許します。内藤君。
  11. 内藤友明

    ○内藤委員 質問というのじやないのですが、この法案は簡単明瞭で、法案そのものには別に大した疑問も持たないのでありますけれども、今中山さんの方から、四千万ドルというお話がありましたが、四千万ドルだけなのか、そのほかに、こういうところにまだこれだけの金がいるというものがあつて、これが出て来るのか。そういうものを資料でお示しいただきませんと、これだけの金を入れなければならぬというのなら、なるほどこれは通さなければならぬということになるのですが、金を借りないというのなら、こんなものは必要ないのですから、そういう資料を出していただけますか。
  12. 東條猛猪

    ○東條政府委員 便宜私から申し上げます。  全般的な産業開発、あるいは重点的な産業開発計画と外資との問題になりますと、私から申し上ぐべきことではないと思いますが、今政府といたしまして、国際復興開発銀行等に、日本の重点的な産業を開発するために、資金的な援助がほしいということで、いろいろ説明ないし交渉をしておりまする事柄といたしましては、今銀行局長なり中山理事から御説明がありました火力発電機械四千万ドル。ほかにぜひとも日本としては、水力電気の関係について急速な開発をいたしたいと、これについても、相当まとまつた金がほしいということで、いろいろと全国の水力電気の開発の対象になつております地点をも個別的に調査いたしまして、先方と話合いをいたしておるわけであります。火力発電の問題におきましても、実は今中山理事から御説明があつたような段階にありまして、水力電気の問題につきましても、先方からまだ確たる意思表示はないわけでありますが、日本側といたしましては、火力発電の問題のみならず、水力電気の関係につきましても、相当まとまつた金がほしいということで、たとえば一億二千万ドル見当の資金があれば、重点的に考えておる水力電気の開発が急速に進捗するということで、話合いもいたしております。なおこれは、先般世界銀行の日本経済の調査団が参りましたときには、この水力発電のほかに、たとえば日本の持つておりますところの農業施設、灌漑施設、あるいは排水施設についてはこういう計画を持つておる、あるいは鉄道の電化計画についてはこういう計画を持つておる、借款を要請するというよりは、むしろ日本の持つておりまするそういう開発の重点的な事業計画につきましては、先方に資料を提出しております。右申し上げました水力の約一億二千万ドルというのは、その一部であるというふうに御承知をいただ襲いと存じます。
  13. 内藤友明

    ○内藤委員 そうしますと、この法律は、さしあたりの火力発電の四千万ドル、それに今いろいろ御交渉中の水力発電の一億二千万ドルくらいが、この法律の対象になるものと心得てよろしゆうございましようか。そのほかにまた何かいろいろあるのでございましようか。
  14. 東條猛猪

    ○東條政府委員 御承知のように、産業開発のためには多額の資金がいりますので、できますことならば、先方と話合いをつけまして、さらに多額の外資の導入がほしいことはもとよりでありまするが、ただいま比較的具体的な説明をし、話がお互いの間で検討せられておるといたしましては、四千万ドルと一億二千万ドル、しかもそのうち一億二千万ドルの方は、まだ確たる見通しがあると申し上げる段階には立ち至つておりませんが、火力発電の四千万ドルにつきましては、先ほど中山理事から説明がありましたように、私どもとしては、交渉が順調に運び、比較的近い将来に実現の見込みがあるのではないか、かように考えておる次第であります。
  15. 内藤友明

    ○内藤委員 そうしますとこの第二条に政府保証のことが書いてありますが、「予算の定めるところにより、」ということは、さしあたり四千万ドルを考えておるのでありますか。
  16. 東條猛猪

    ○東條政府委員 御承知のように、ただいま本予算の御審議をいただきますとともに、七月の暫定予算の御審議をいただいておりますが、七月の暫定予算におきましては、四千万ドルをいわゆる予算の総則におきましてお願いしたいということで、予算総則の条項が入つております。本予算におきましては、今申し上げました四千万ドルのほかに、水力関係の部分も、これは日本政府の希望――あるいは一方的な希望と言われるかもしれませんが、一億二千万ドルも織り込みまして、予算総則に計上しております。かような関係になります。
  17. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 この法律のことについて、きのう理事会でちよつと話を聞いたのですが、非常に急がれるというので、できるだけ早く、七月の暫定予算と関係があるからということで、そういうお話もございまして、妻はわれわれもたくさん法律があるものですから、一々そういうことを何するわけでもございませんが、先ほど中山理事からいろいろ話がございましたが、アメリカの方の事情と、今の借款の問題について、これがいつ効力が発生するかという問題につきまして、もう少し御説明をお願いしたい。
  18. 中山素平

    ○中山説明員 先ほどちよつと申し上げましたように、アメリカ側で輸出入銀行の機能を改組するという問題でございますが、これはもう法案が四月の三十日に出ておりまして、おそらく近く通るのだと思います。それと私直接的な結びつきがあるように申し上げたのでありますが、一応私の推測ということでお断りしておきます。アメリカ内部の方では、従来輸出入銀行でこの案件を交渉しておつたのでありますが、今後世界銀行の方でやることをはつきりきめておりますから、法案の通過とか否決とかいうことに関係なく、世界銀行で四千万ドルの火力の借款は取上げ、諾否をきめるということになつております。
  19. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 その法案と別に今銀行局長にお尋ねしたいのですが、為替の銀行について、特別な単行銀行をつくれということが大分問題になつて来ておりますが、大蔵大臣が見えませんから、銀行局長にお尋ねするのですが、これは今どういうような方向に進んでおるのか。日銀の方から非常に反対があると聞いておりますが、どういうようないきさつがあつて反対があるのか、そのいきさつをひとつ御説明願いたい。
  20. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 いわゆる為替銀行の育成強化と申しますか、問題は実は大分前からの話であります。私どもは、こういう経済の状態になり、ますます輸出を伸ばして行くというために、これらのバツクをいたしております為替銀行の機能を強化し、制度も整えて行くことが必要であるということをますます痛感して参つおります。先般来、この問題につきましてはいろいろな観点から研究をいたして参つております。今お話のように、日本銀行に意見があるようなお話でありますが、日本銀行総裁の意見については、直接お聞き取り願つてけつこうだと思いますが、為替銀行、特に為替専門銀行を育成強化して行かなければならぬという基本的な考え方については、一万田総裁も異論はないはずであります。ただ問題は、これをどういう形で進めて行くか、つまり方法としてはいろいろあるのであつて、これを何か特別な法律措置でもつて、そういうふうな制度を打立てて行くのがいいか、あるいは自然にそういう方向へ行政措置と申しますか、そういつたことで自然にそういつた専門銀行が強化育成されて行くような方途を講じて行くのがいいか、この議論としていろいろ議論があると思います。私どもは現在の段階におきましては、何かここでそういつたものに対して法律的措置をとつて、制度としてはつきり打立てることが適当であろうというふうに事務的には考えております。ただその場合にも、どういう方法がいいか、いろいろまた方法があるわけであります。昔ありましたような特別銀行法、つまりある一つの銀行を予定した特別銀行法がいいか、あるいは先般当委員会で御審議いただきまして成立いたしております長期信用銀行の方式、つまりある一つのカテゴリーの銀行法をつくつて、その銀行法によつて必ずしも一行じやない、二行でも、必要があれば三行でもそういう一つのカテゴリーの銀行として、為替銀行というものを認めて行くといつたような意味の法律措置もあろうかと思います。これらの点につきましては、具体的にはさらに検討を要すると思いますが、今の段階では、私どもの方としては、何かここで法律的措置をとつた方がやはりいいんじやないかというような考えに今来ております。ただ問題は、各金融界の意向等も十分聞かなければなりませんので、金融界のみならず、各貿易関係、あるいは産業界の方々の意向ももちろんでありますが、そういつた方々の意向も、まだ十分に私ども具体的には聞いておりませんので、今後そういつた各方面の意向を聞きながら、でき得ればそういつた形で問題を処理して行きたいと考えております。
  21. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 大蔵省は、戦前にあつた横浜正金銀行というようなものをつくられて、それでやつて行かれるというような方針であると解していいのかどうか、これをひとつ伺いたい。
  22. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 私どもは、旧横浜正金銀行の復活といつたようなことは考えておりません。ことに正金銀行は一種の特殊銀行であり、政治的色彩が非常に強かつた銀行であります。できるだけ対外関係等も考えますならば、私は一つのカテゴリーの銀行とはいたしたいけれども、あまり政治的色彩の強くない方が、こういつた為替銀行としては適当ではないかと考えております。従いまして現在のところでは、そういつた政治的色彩の強い特殊銀行を為替の面においてつくることは、必ずしも適当ではないのじやないかと考えております。
  23. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 われわれは、今の銀行局長の意見とその点については反対でありまして、日本のような経済の非常に弱い国では、やはり国家の大きな機関でやらなければいけないというような意見を持つておるわけであります。きのうも、やはり一万田総裁が日本の金融政策についていろいろ述べられておりましたが、昨日有田君がそのことについていろいろ質問しました。これはむろん新聞記者の興味でもつて、談話筆記をやるので、一万田総裁がわざわざそんな意見を言つたのではないと思いますが、どうも日本では、大蔵大臣よりも日銀総裁の方が金融界に発言力を持つているかのような錯覚を起す面が非常に多いのです。そういう点について、実際は大蔵省は、日銀その他の銀行に対して統制力が非常に弱くなつたのじやないかということがいわれておるわけなんです。戦前のナチズムが銀行を支配したような考え方は、これは今の自由主義経済のもとにおいては無理かもしれませんけれども、しかし実際の今の日本の銀行というものは、一部の大きな大資本家や、あるいは一部の独占資本家、そういうものの傀儡のような傾向がある。特に政府がいわゆる民主主義の名のもとに、アメリカ式のやり方でやつて行くということは、長い間の占領政策の結果やむを得ないと思うけれども、少くともやはり日本には日本の特殊事情があるのじやないか。こういう経済力の弱い、国の狭い日本では、アメリカと同じような考え方で銀行なんかやつて行くと、いろいろな弊害が起きやしないかというような考え方を持つておるわけなんです。これはむしろ銀行局長の意見では――そういうことは、大蔵大臣と違つて、むずかしいかもしれませんけれども、もう少し銀行に対して、大蔵省がある程度まで統制力なり、あるいは指導力を持つ必要があるのじやないかというような考えを持つておるわけですが、そういう点についての河野銀行局長の御意見をひとつ承りたいと思います。
  24. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 はなはだ微力で、御期待に沿わない点がありますことは、まことに申訳ないのでありますが、御趣旨の点はよくわかりますし、私どもとしては、できるだけやつておるつもりであります。日本銀行との関係につきましては、これは日本銀行としての仕事の範囲はいろいろございますから、その範囲のこととしては、日本銀行としていろいろなことを総裁が言うということも、これは私は必ずしも悪いことはないと思う。政府は政府として新聞にいろいろなことを言うというのが、必ずしもその政策が強く浸透していることでもないと私は思う。日本銀行との関係につきましては、世間ではいろいろお話があるかもしれませんが、私どもは、お互いにその分を守りつつ、別に意見の相違とか、あるいは権限を侵すとかいつたようなことはなく、調整はとれてやつて参つております。今後も、そういう心配はないと私は考えております。
  25. 佐藤觀次郎

    ○佐藤(觀)委員 これは小さい問題ですが、相互銀行に為替業務をやらせるかやらせぬかという問題についての、その後の経過はどうなつておるのですか、その点をお尋ねしたしと思います。
  26. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 相互銀行に内国為替の業務を認めることがいいか悪いかの問題につきましては、前国会以来いろいろ議論があつたところであります。政府といたしましては、先般閣議で、ある一定の制限のもとに、相互銀行に為替業務を認める方針が決定いたしました。数日中に国会に提出をいたす運びになつております。
  27. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 今の開発銀行のことですが、電気料金の値上げというようなことが最近盛んに新聞等に出ておりますが、開発銀行はたいへん骨を折つて、日本の電力の開発のために四千万ドルも借りて来るということは、これはまあ別として、これは何か電気料金の値上げと関係がありますか。
  28. 中山素平

    ○中山説明員 先ほども御説明いたしましたように、日本の電力料金の立て方は、原価主義でやつております。たとえば利息なら利息、それから償却なら償却というものを大体予定しまして、それを料金の決定の基礎に織り込んでおります。従つて長期でなるべく低利なものが入りますれば、それだけ料金の上にはいい影響があるということは、申し上げてもいいのじやないかと思います。
  29. 小川豊明

    ○小川(豊)委員 そうすると、長期の低利の金がアメリカから借りられると、電気料金は上げなくてもいいということになるわけですね。
  30. 中山素平

    ○中山説明員 私上げなくてもいいということは申し上げないのでございまして、今の料金の立て方から、いろいろ現在、たとえば水力なら水力というものの発電をいたしますと、設備をつくりますのに大きな金がいりますものですから、その中に占めます、たとえば金利でございますとか、いろいろな要素は相当料金に響いて来るわけであります。でありますから、今度もしアメリカから比較的長期で、しかも低利な金が入つて参りますれば、その面ではいい影響がある。その結果上げなくていいかどうか、それは私はわかりません。
  31. 春日一幸

    ○春日委員 この四千万ドルの開発銀行から借りる金の用途としては、何なんですか。
  32. 中山素平

    ○中山説明員 これは関西が十五万キロ、七万五千キロ、それから九州電力が七万五千キロ一基、中部電力が六万六千キロ一基という火力の発電機を向うから購入する資金でございます。それを基礎にいたしまして、今申し上げましたような能力の発電所をつくることになるわけであります。
  33. 春日一幸

    ○春日委員 それからあとの一億二千万ドルは何になるのでございますか。
  34. 東條猛猪

    ○東條政府委員 それは水力発電の開発をやりますために必要な資金をいろいろ計算いたしまして、それが全部水力発電のための外貨払いになる。と言いますよりは、むしろ一部分が円払いになる意味を含めまして、ただいまのところ一億二千万ドルを計上いたしております。
  35. 春日一幸

    ○春日委員 そうすると、この五千万ドルに満たない四千万ドルというものは、これは全部その機械はアメリカから買うことになつておるわけでございますね。
  36. 東條猛猪

    ○東條政府委員 さようです。
  37. 春日一幸

    ○春日委員 もう一つ伺いますが、この二つの外資の導入は、だれが、どういうコースをたどつて、どういう交渉をした結果もたらされたものか。その交渉の経過を伺いたい。
  38. 中山素平

    ○中山説明員 先ほどもその経過は御説明したのでございますが、実は火力発電所の方の四千万ドルは、私が総裁の命を受けまして、開発銀行の方は代表として行つて参りました。そのほかに、各電力会社の方々も副社長あるいは常務というような方が行かれました。それから大使館の方ももちろんこれに参加されて、御一緒に向うと交渉したわけでございます。それから水力の関係は、一応申込みはしておりますが、まだそういつた具体的な交渉の段階にまで行つておりません。だから、主として現在は大使館がやられているわけでございます。
  39. 千葉三郎

    ○千葉委員長 ほかに御質疑はございませんか。――なければ暫時休憩いたします。     午前十一時十八分休憩      ――――◇―――――     午前十一時十九分開議
  40. 千葉三郎

    ○千葉委員長 これより開会いたします。春日君。
  41. 春日一幸

    ○春日委員 開発銀行の総裁にお伺いをいたしますが、開発銀行は、かつての復金を全部そのまま継承されておるのでありまするが、あの前後、中小商工業着初め大企業に復金の金が相当融資をされております。たとえば、その当時基幹産業であるとか、生活必需産業とか、国家的使命を帯びる産業に対しては、この復金の金が相当融資されております。ところがその融資を受けた企業体の中で、一応当面の目的を達した、使命を果したそれらの企業体が、一応生活必需産業なり、あるいは基幹産業なりの復興は終つたが、しかしその後負債というものは依然として現在残つておる。その後事業がいろいろな面を通じて経営困難に陥つて参つて、しこうしてかつて借りたその金を返済するという能力もないままに今日に至つている面が相当ございます。従いましてこれらの企業体は、当時国の融資を受け、しかも国家的な一つの使命を帯びて、その復興のために携わつたのであるが、一応復興の使命を果して、それぞれの需要を満たした後において、企業体がその借財を背負つて、今日非常にそれが大きな経営の負担に相なつております。そこでお伺いしたいのは、これらのうち、なかんずく中小企業者、たとえば融資のマキシマムが三百万円以下であるとか、しかもそういうようなものを将来とうてい返すことができないのではないか、もし返すとすれば、それらの生産設備の担保に入つているものを換価処分しなければ返済能力がないと思われる、しかも今まで、その当時はなかつたところの稀少物資を生産することによつて、一応国家融資の使命を果たしたと思われるような企業体、こういうような企業体がなお背負つておるところの復金融資の分に対して、当面彼らが金融梗塞と重税で非常に悩んでおる、これが大きな負担になつておるという実情にかんがみまして、これを一定年間、たとえば五年とか十年とか一応たな上げして、その利子を何らか国家補償するか、あるいは免除するか、そういうような方法によつて、当面返すことのできないところの中小企業に対する復金融資の負担を、何らか救済する方法を講ずる意思はないかどうか、この点についてひとつお伺いをいたします。
  42. 小林中

    ○小林説明員 ただいま御質問のように、現在の中小企業の一部には、まさにさような状態が起つておるのであります。御承知のように、開発銀行が復興金融を引受けましたその後の整理状態は、復興金融当時にはとかくのうわさがあつたのでありますが、事実私どもの手元で整理回収をしております実績は、予想外に順調に現在運びつつあるのであります。但しただいま御質問のありましたような中小企業のうちには、相当現在の状態は苦しいように見受けられるのでありまして、これは、その当時におきまして国家が必要とした産業に融資をしたのでありまして、開発銀行といたしましては、産業自体が国の必要産業であるというものに対しましては、それ自体を整理するとか、あるいはつぶして行こうというような考え方は毛頭持つておりません。そういうものに対しましては、事業の実態に即しまして、個々に業者とともに何とか整理案を立てて行きたいというふうに考えて、そういうふうな方向で進行をいたしておるのであります。さよう御了承を願います。
  43. 春日一幸

    ○春日委員 問題は二つにも三つにもわかれると思うのでありますが、たとえば今から五、六年前のあの復金制度ができた当時には、これは生活必需物資として、当時まだその生活物資が非常に稀少であつて、急速に生産を振興することによつてその需要を満たさなければならなかつた。従つて、その当時そういう融資が行われて、その当時における使命を果し、その目的を達したと思われる。ところが今や生産が非常に復興いたしまして、その企業体そのものは今つぶしたところで、国家の経済にも国民生活にもそんなに動揺もショツクも与えない。あなたの今の答弁によると、そういう産業は取立てて換価処分をしても、公共の福祉にそう危害を与えないということになるわけなんである。そこで私が申し上げたいのは、これらの中小企業者が当時融資を受ける資格の中には、生活必需産業であり、同時に基幹産業である。そうでなければ、そういう融資がされるはずはない。従つてその融資を受けたものは当時の有資格者であり、しかもその融資を受けることによつて一応の使命を果したものと考えられるわけである。従つて彼らが今そういうものを返還する能力がない。あたかもそれは廃兵のように、一時戦争に行つて大いに戦地で戦つたのだが、もうすでに戦争も済んで、御用を達したというような場合、そういうような立場にある彼らに対して、今復金が取立てて行くということは、現実に彼らが償還能力がない、しかもあなた方は、ほうつておけば延滞日歩という重加算的なもので取立つて行く。負担はだんだん大きくなつて行つて、負担が加重して行く。こういうものに対する救済措置は、当然一つの政治的な角度から――これは金融的な立場ではなくして、政治的な配慮から、何らかの救済が講ぜられてしかるべきだと思います。そういう意味合いにおいて、こういうものに対してどうするかということを、ひとつお伺いしたい。  それからもう一つは、一般的な中小企業問題として考えて、みますとき、これらの諸君が、現実には経営そのものですら困難だから、利潤の中から、そういうような旧債を償還して行くだけのエキストラ・プロフイツトをそこで生み出して行くということは、現実に困難である。従つて、こういうようなものは、やはり中小企業を育成して行くという立場において、彼らの旧債を一応何らかの形でたな上げをする。そうして延滞日歩を発生して行かない状態にこれを阻止するということは、私は必要だろうと思います。これは個々のケースに従つて処理をして行くと言われますが、それは当然ケース・バイ・ケースの問題でありましようけれども、これは大まかな線において、かつてこういう復金の制度が施行された場合における考え方にさかのぼつて、今この問題を処理するという立場に立つてお考えになる場合においては、ケース・バイ・ケースでなくして、一般的な問題として取扱い得ると思います。従いまして、その最大公約数の上に立つて、彼らがかつて使命を果したこと、しかもそれらが今や困窮に陥つている、こういうものを一般的にいかに救済するか。この問題に対して、当然開発銀行総裁として何らかのお考えがあるべきものだと思います。そうしてこれを処理される上において、実際的な立場において何らかの具体案があるはずだと思います。これについて、腹蔵なく御所見をお漏らし願いたい。
  44. 小林中

    ○小林説明員 ただいまの御意見でありますが、御承知の通り、開発銀行は金融機関という建前を堅持しておりまして、金融機関の角度から、そういうものに対して判断をして行かなければならないのであります。さような立場になりますと、どうしても個々の問題個々の状態を十分に審査をいたしまして、それに適合した整理なり、あるいは話合いなりをいたしまして、解決をして参らなければならないと思います。たとえば同種産業におきましても、その後の経営よろしきを得たものは、すでに融資金は返済をしているというような事情のものもありますし、また全然その経営よろしきを得なんだために、その状態が非常に悪くなつているというふうな、理由は必ずしも同一でないのでありまして、こういうものはその理由によつて、現在開発銀行は個々の問題として処理をして参つております。また事実、そういうふうに個々の問題として処理をして参りますと、実際は実情に沿つた整理の方法もでき得るのだと現在考えておりますけれども、しかしながら、そういう問題を一括して政府が何とか考えるべきだという点になりますと、われわれは、政府のお考えにまつよりほかはないので、開発銀行の建前といたしましては、ただいま私が申し上げましたような方向に、無理をしない程度に、実情に即して業者と話合いをして行きたい、こういうふうに考えております。
  45. 春日一幸

    ○春日委員 私は今開発銀行の総裁に、金をいかにして取立てるんだ、このことをお伺いしているのではない。返せない諸君の実態に即して、これを処理することのためには、どういうふうな方法を立てるのが適切だと思われるか、こういう御意見を求めておるわけであります。あなたが、金融機関の責任者であることはわかるんだが、しかしその金融機関たるや、その資金源はすべて国家資金です。従いまして、あなたがそれを執行される立場において、貸した金を取立てるのだ、取立てる方法をケース・バイ・ケースで考えて行くのだというような考え方では、問題にならない。すなわち国家資金がそれに貸し与えられておるというこの金融は、公共性の金融的な考え方の上に立つて貸し出されておるのだから、従つてこれの回収にあたつても、その考え方はやはり踏襲されなければならぬ。現在あなたが資料によつて申されておるように、中小企業者が復金の金を借りて、返し得ない状況下にある件数、これは相当の数に上つておるだろうと思う。しかも彼らが金を借りてから本日まですでに五年、六年、多いのは七年ぐらいになるだろうと思うのでありますが、こういう長期間にわたる彼らの延滞日歩たるや、厖大なものだろうと思う。彼らに復金の金を貸し与えて、彼らに当時の一応の使命を果させて、しかも八箇年にわたる延滞日歩とかその他の日歩を徴収することは、非常に苛酷だと思われる。またこういう状態では、これらの業者はとうてい借金を返せないばかりでなく、この借金によつて、逐次事業体は経営困難の度を加えるばかりだから、これを救済するための方途いかんということを申し上げておる。従つてあなたから当事者として、何か適切な御意見が拝聴できるものだと考えておるから、どうしたらいいかという御意見をあなたに伺つて、その御意見によつて、われわれは議員立法をするなり、あるいは政府に要請するなりしたい。そういうことをあなたに参考人として御意見を伺つておるのです。そのとり方について、あなたの御意見を伺つておるのではなく、救済方途についての参考意見を求めているのだから、もう一ぺん御意見を伺いたい。
  46. 小林中

    ○小林説明員 大分むずかしい御質問だと思いますが、御承知のように開発銀行におきましては、法律の建前におきまして、どこまでも金融機関であるということで、産業の救済にあたるというふうな建前は、とらぬことになつておるのであります。それで、過去に起つた問題をどういうふうに処理して行かなければならぬかということは、銀行といたしましては、全般的にこれを救済するというふうな考え方は、どうしてもとりにくいのであります。これは政府の特殊な立法とか、そういうことによらなければ、全般的な救済というふうなことは、私はできないと思います。銀行とすれば、やはりその実情に応じて、個々の問題として、その当時の状況も勘案をいたしまして、業者をなるべく生かして行つて、そして返済ができるような話合いをつけて行く。そして銀行自体も、その業者に対していろいろなしり押しをして参りたい、こういうふうに考えざるを得ないのであります。
  47. 春日一幸

    ○春日委員 依然として私がお伺いした点についての御答弁がないのであります。私はこういうふうに考えるが、いかがでしよう。開発銀行総裁をも含めて、大蔵当局に申し述べたいのであります。たとえば、その当時金を借りたのだから、生産を復興することのために、いろいろな生産設備が行われておると思う。ところが今日金が返せない諸君は、不況だから金が返せない。不況である限りにおいては、その生産設備が百パーセント稼働していないと思う。しこうして、近い将来にその人たちは、それをフルに回転させるだけの見通しもないだろうと思う。こういう債権債務の処理は、どうしたらいいかということになりますと、すなわち貸した金にそれぞれの延滞日歩を加算したものを、その不動産なり動産なりを換価処分して取立てるという方法ではなくして、その当時彼らが借りて拡充した設備で、しかも事業体にはいらないという遊休設備があるだろうから、そういうものを貸金の代償として、かつて財産税を物納でとつたように、この延滞されておるところの債務に対して、そういう遊休設備であり、彼らにとつてはもはや必要でないところの設備を、その見返り債務として納めさせるとか償還させる。そうしてその金額については、政治的な配慮を加えて、時価にして三十万しかないものでも、これを五十万に見るとか、百万ぐらいしかないものでも、いろいろな紆余曲折、功罪を勘案して、適当に評価するなり、そういうふうにして政治的に処理して行かないと、ほうつておけば、結局日歩はどんどん重なつて来るし、しかも設備はだんだん老朽化して行くだろう。私ども中小企業のいろいろな調整の結果によりますと、返還でき得ないところの企業体の中の大多数がそういう状態にあります。そこでそういうようなことを一つの私案として申し上げます。  そこで開発銀行総裁にお願いしたいのは、ひとつこういう資料を御提出願いたい。それは復金の金を借りて、しかも今日これが返還できないところの企業体の数――三百万円以下といたしまして、その数、それから大企業、三百万円以上で、ここから融資を受けて、なお今日これが返還できないもの、その二つにわけまして、一ぺんその件数とその金額というものを、資料として御提出を願いたい。その実際の資料によつて、私どもはもう少し比較研究して行きたいと考えております。石炭をも含めて、ひとつその資料を御提出を願いたいと思います。  なおこの機会に申し上げておきますが、金融機関として、そういうもののと救済措置ができるかできないとか言われたけれども、昨年問題になつておりました炭住資金の利子の払いもどしの二十一億何千万円、そういうような問題もある。だからあなた方は、大企業は大いに積極的に救済している。炭鉱はずいぶんもうけておる。これらの諸君が、結局当時炭鉱労務者の住宅を建てた。その資金を政府から借りた。七の利子が高過ぎる。だからこれを三箇年、四箇年さかのぼつて利子を返還してやろうというのが、二十一億何千々円、こういうことも問題になつております。従つてあなた方は、そういう大企業の救済のためには、ずいぶん積極的だ。ところが、私が指摘しておるような中小企業に対しては、ケース・バイ・ケースで、できるだけとるのが自分の使命だ、こういうようなことを言つておられるならば、炭鉱住宅の二十一億円をもう一ぺんとりもどしなさいということも言い得る。従つて一ぺん資料を出していただいて、その現実の資料の上に立つて、深く掘り下げて研究したい。かつて国家的使命を果した中小企業が、今重荷を背負つて歩いておる粒々辛苦の姿は、これはやはり救済してやる必要があると思う。どうかあなたもその気持ちなつて、その対策を立てて政府に伝達すると同時に、私どもにも耳打ちしてもらいたい。
  48. 大平正芳

    ○大平委員 ただいま問題になつておる外資導入の法律案につきまして、大蔵当局に伺つておきたいと思います。第二条によりますと、日本開発銀行または日本輸出入銀行が当事者である場合には、政府が保証契約をすることができる。そうするとほかの場合にはできない。ところが開発銀行は、しろうとから見ても、政府保証をするということは、大して意味がないといえば意味がない。問題は、そういつた政府の信用をバツクにした銀行以外のものに、むしろ政府保証の必要があるのじやないか。外資導入という問題が今大問題になつて、旱天に慈雨のように渇望しておるわけでございますが、そういつた当事者が政府機関でない場合にも、政府は今後こういつた保証契約を考えて行こうというのか。またそういつた政府保証ということに対して、一体われわれが受ける感じと、アメリカにおける感じと違うのではないか。一般的な政府保証という問題を、外資導入の場合におきまして非常にウエートを置いて考えておるか。政府保証をすることによつて外資導入が相当促進されるのかどうか、そういつた点についてお尋ねいたします。
  49. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 お尋ねの点でありますが、第一点の開発銀行及び輸出入銀行以外のものが外資を入れた場合に、それに政府が保証するのがいいか悪いか、この点は実はこの法案をつくりますまでにもいろいろ内部でも議論がありました。私どもは、やはりこの法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律の趣旨からいつてやはり民間の私的な事業会社等に対して政府がその損失を補償するというのは、どうもその法律の趣旨からいつて適当でないのではないか。従つて私どもは、ここに政府機関についてだけ政府の保証をして行くことがいいのじやないかと考えております。ただ問題は、御承知のように電源開発会社につきましては、外資の導入について政府の保証のできるような法律になつております。この電源開発会社は、御承知のように政府機関ではございませんけれども、大部分政府出資であり、いろいろな特殊性を持つておる会社でありますので、これは一般の私的な普通の株式会社とはおのずから趣を異にしておるという意味で、その点は筋が貫けるのではないかというふうに考えております。なお実際問題といたしましても、私的な会社が政府保証を受けて向うから外資の導入をするということよりも、政府機関たる開発銀行なり輸出入銀行なりを使つて外資を入れて行くという道によつて、大体問題は支障なく片づくのではないか。かたがたもつて今申し上げました財産援助の制限に関する法律の趣旨からいつても、実際上の支障もないという点からいつても、この際としては開発銀行、輸出入銀行に限つておいていいのじやないかと考えております。  それから第二点のアメリカ側の政府保証に対する考え方という点でありますが、世界銀行は、御承知のように実はアメリカの銀行ではないので、これは国際連合の関係でできている世界銀行でありますが、これはその融資、投資の方針は、大体外国の政府、国に貸すというのが大体の原則のようであります。従つてもし国以外のものに貸す場合には、やはり国が保証をするという原則を立てておるわけであります。私どもは、この法律ができますまでにいろいろ考えまして、日本開発銀行は大体政府機関である、政府とほとんど違いのないのものであるから、政府が保証しなくても、日本開発銀行が保証すればそれでいいのではないかという議論をいろいろしてみたのでありますが、今までの例等から見まして、やはり国が直接に保証しなければ、どうも世界銀行から資金の受入れができないような状態になつておりますので、やむを得ずこういう法律を出した次第であります。  なおこれはアメリカの銀行でありますが、ワシントン輸出入銀行等につきましては、必ずしも政府が保証しなくても金を出すというようであります。現に御承知の四千万ドルの綿花借款等につきましては、これは政府の保証なしで、ワシントンの輸出入銀行から入つておる。こういうことでありますので、この世界銀行とワシントンの輸出入銀行と若干そこが考え方が違うようであります。御参考までに申し上げたのであります。
  50. 大平正芳

    ○大平委員 そうすると、国際復興開発銀行等は、結局そういう外資導入及び資金源については、公のというか、そういう性格を持つた場合に限るわけですか。日本側の受入れ機関は開発銀行、輸出入銀行であつても、向う側の資金源がそういうものでないという場合、つまり世界銀行とか、あるいは国際復興開発銀行とかいうようなものでないプライヴエートなもの、向うのシテイ・バンクとかいう場合にも、この法律は適用になるのですか、ならないのですか。
  51. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 相手方につきましては、今のところはここに法律にございます通り、世界銀行またはワシントン輸出入銀行、その他政府の息のかかつた金融機関を相手にした場合に限つております。元来シテイ・バンク等からの外資導入も、もちろん好ましいものがあると思いますけれども、これらのものにつきましては、コマーシヤル・ベースで入ることを期待すべきものではないか。ということは、つまり政府が保証までしないで済むような形で行くべきではないか、私どもとしてはかように考えております。もつとも電源開発会社につきましては、相手方が世界銀行であろうと、あるいはシテイ・バンクであろうと、政府が保証できるような建前になつておりますけれども、少くとも当面の問題といたしましては、開発銀行なり輸出入銀行が相手方とするものにつきましては、こういう政府機関ないしは政府の機関的色彩の強い金融機関を相手方とする場合に限つて保証するということで、実際問題としては支障はないというふうに考えております。
  52. 大平正芳

    ○大平委員 そうしますと、政府の考えは、今後の外資導入の大筋は、開発銀行とか、あるいは輸出入銀行とかいうパイプを通つて、向うの比較的ガバメンタルな色彩があるところから受入れるのが大筋である、受ける場合に開発銀行とか輸出入銀行をパイプにしよう、そういうふうにして行こうという考えですか。
  53. 河野通一

    ○河野(通)政府委員 相手方が今申し上げた世界銀行とかワシントン輸出入銀行とか、政府機関でありますものについては、少くとも長期の投資においては、そういう方とつながりの方がよいのではないかと考えております。しかし私どもは、コマーシヤル・べースで市中からこちらの企業が外資を受入れるということは、大いに進めて行つてさしつかえないことである、必ずこれを開発銀行のパイプで入れなければならないということはないと思います。ただその場合でも、政府が保証してまでやるかどうか、つまり民間と民間との外資導入について政府が保証してまでやるかどうかについては、まだ現在のところではそこまで踏み切る段階ではないというふうに考えております。
  54. 千葉三郎

    ○千葉委員長 木原委員。
  55. 木原津與志

    ○木原委員 今日まで入つて来た外資は、大体二億二千四百万ドルだと承知していたのですが、これらの入つて来た径路は、国際復興開発銀行から日本開発銀行または輸出入銀行を通じて来た外資ですか。
  56. 東條猛猪

    ○東條政府委員 お答え申し上げます。大平委員からのお尋ねに対して銀行局長からお答え申し上げました通り、外資導入のパイプは、相手方が外国の政府関係機関、こちら側が開発銀行なり日本輸出入銀行とか申しますいわば公的な色彩を帯びておりますパイプと、それからもう一つ純然たる民間のいわばビジネス・ベーシスに立つた外資導入との二つの筋道があるわけであります。前者の相手方がワシントン輸出入銀行でありますとか、あるいは世界開発銀行でありますとか、そういう径路の外資導入につきましては、現在までに成立して現在生きているものとしては、先ほどちよつと銀行局長から申し上げました四千万ドルの綿花借款、これがただいま動いております。それから世界復興開発銀行につきましては、今御審議をいただいておりますところの火力発電については四千万ドル、これは初めてのケースでもありますけれども、成立に至つておらないのであります。  それから民間の径路によりますところの外資導入であります。これはやや詳しくなりますが、いわば技術導入、技術提供の形、それから株式とか、あるいはそういう持分とか、そういう資本の参加の形態、社債とか貸付金というようないわば金銭債権という形があるわけでありますが、現在までのこの民間ベーシスの外資導入の実績を申し上げますと、技術の提携のできております件数は約二百七十件、それから株式、あるいは持分のいわば資本的な参加の形になつておりますものが現在まで約百九億円、それから社債とか貸付金というような金銭債権のものが大体現在までに百三十九億円というのが、現在までの外資導入の実績なのであります。
  57. 木原津與志

    ○木原委員 今日まで導入された外資は、大体われわれが聞いているところでは重電機、石油ということを聞いておりますが、大体その通りですか。
  58. 東條猛猪

    ○東條政府委員 これは業種は非常にたくさんになつております。技術提携をいたしましたものは、今申し上げました株式、あるいは社債等の資金的な参加にいたしましても、非常にたくさんの業種に上つておりまして、ただいまお話のございましたものがその大部分とは、ちよつと申しかねると思つております、
  59. 木原津與志

    ○木原委員 そうすると石油だとか重電機方面に、株式支払いの形で入つた外資はどれくらいありますか
  60. 東條猛猪

    ○東條政府委員 非常にこまかい御質問でございますから、もしお許しをいただけますならば、適当な資料の形で御提出いたしたいと思います。
  61. 木原津與志

    ○木原委員 承知しました。それではもう一点、そうすると、これから将来入つて来る外資というのは、大体どういう産業方面に投入される予定なのでしようか。
  62. 東條猛猪

    ○東條政府委員 先ほど来申し上げております点とも関連があるのでありますが、いわゆる公的な部面につきましては、ただいま政府ないし開発銀行といたしましては、やはり当面火力発電の四千万ドルの借款はぜひ早期に実現いたしたい。これは開発銀行方面の御努力によりまして、私どもは遠からず成立を見ることと期待しております。それからなお世界開発銀行の方につきましては、水力発電に重点を置きまして、いろいろと今サウンドいたしている階段であることも、先ほど申し上げた通りであります。なお先般世界開発銀行の調査団が参りましたときにも、水力、火力の電気以外の部門につきましても、たとえば農業の灌漑施設でありますとか、あるいは鉄道の電化でありますとか、そういう日本として現在持つておりますところの重点的な開発計画は、先方に資料として提出して、いろいろ考えるということになつておりますので、できますれば、世界開発銀行につきましては、そういう日本の全体の観点から見た重点的な産業部門の資金を導入したい。それからワシントン輸出入銀行につきましては、これは比較的短期の商業資金、貿易資金の輸入でありまして、その一例は綿花借款のごときものでありますが、これもそういう貿易面につきまして、できますことならば、今後とも引続いていろいろ話合いを進めて参りたい。それから民間関係の外資導入につきましては、これは民間のビジネス・ベーシスの問題でありまして、技術提携の内容で適当なものであり、日本経済全体の観点から見ましても、その技術の導入が望ましいものでありますならば、個個の案件を審査いたしまして、日本の技術水準を十分向上せしめるという面から好意的に扱つて参りたい。それから資本なり、あるいは貸付金債権というような資金的な面につきましては、これも一概に議論ができないわけでありますが、そういう資金の導入によりまして、当該業種の産業に与える影響、あるいは当該会社に与える影響、そういういろいろな影響――それはもちろん非常に大事な産業でありますれば、ひいては日本産業全体の問題でありますから、そういう個々の案件に応じまして、支障なければできるだけ外資の導入をやつて参りたいと思います。それから民間の外資導入につきましては、全般的ないろいろの見地からいたしまして、支障のないものにつきましては、できるだけ外資の導入をはかつて参りたい、かような方針でいるわけであります。
  63. 木原津與志

    ○木原委員 今後どうなりますかわかりませんが、MSA問題が問題になつておりますが、一応MSA援助を受けるというようなことになる場合に、この国際復興開発銀行と日本開発銀行とのパイプ、この外資というものに何らか直接もしくは間接の連絡ができて来ますか。
  64. 東條猛猪

    ○東條政府委員 いわゆるMSAの内容につきましては、政府といたしましても、おそらく各省ともまだ研究中の段階でございます。従いまして、外資導入との関係についてどのような関係を持つて参るか、ただいま責任をもつて私としてお答えいたしかねますが、私個人の気持から申し上げますれば、世界開発銀行は、先ほど銀行局長から申し上げましたようにこれはアメリカの銀行でなくして、いわゆる世界各国が資本金を持ち寄つた国際的な銀行であります。そういう銀行と日本の開発銀行との資金の関係におきまして、かりにMSAの問題が研究の結果いろいろ事態がわかりましても、そう直接的な影響を持つということはないのではなかろうかというふうに私としては考えております。
  65. 千葉三郎

    ○千葉委員長 次会は明二十七日午前十時から開会することといたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午前十一時五十六分散会