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1953-07-28 第16回国会 衆議院 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 9号 公式Web版

  1. 昭和二十八年七月二十八日(火曜日)     午後四時二十五分開議  出席委員    委員長 山下 春江君    理事 青柳 一郎君 理事 庄司 一郎君    理事 高橋  等君 理事 臼井 莊一君    理事 柳田 秀一君 理事 受田 新吉君       逢澤  寛君    佐藤洋之助君       田中 龍夫君    中川源一郎君       福田 喜東君    帆足  計君  出席政府委員         法務事務官         (入国管理局         長)      鈴木  一君         引揚援護庁長官 木村忠二郎君  委員外の出席者         総理府事務官         (恩給局審査課         長)      城谷 千尋君         外務事務官         (アジア局第五         課長)     鶴見 清彦君         大蔵事務官         (主計官)   大村 筆雄君     ――――――――――――― 七月二十八日  委員安井大吉君辞任につき、その補欠として高  橋等君が議長の指名で委員に選任された。 同日  高橋等君及び受田新吉君が理事に補欠当選し  た。     ――――――――――――― 七月二十七日  戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案  (山下春江君外二十四名提出、決議第一二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事互選  戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案  (山下春江君外二十四名提出、決議第一二号)  ソ連及び中共地区残留同胞引揚に関する件     ―――――――――――――
  2. 山下春江

    ○山下委員長 これより会議を開きます。  この際お諮りいたします。去る七月六日理事高橋等君が、また七月十日に理事受田新吉君が、委員を辞任せられておりますので、理事の補欠貞やを行いたいと思いますが、これについては、従来の例によりまして、委員長において指名いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山下春江

    ○山下委員長 御異議なきもの、と認め、それでは高橋等君、受田新吉君を理事に指名いたします。
  4. 山下春江

    ○山下委員長 本日は、ソ連及び中共地区残留同胞引揚げに関する件について議事を進めます。ただちに本件についての質疑を許します。佐藤委員。
  5. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 先回の委員会において、各派の方々の意向をとりまとめまして、私が委員長まで申出た問題があるのですが、その問題に対して、どの程度に経過が及んでいるか、一応委員長からお話を願いたい、それは、三団体及び二団体諸君をここに参考人としてお呼びして、そして一応第四次引揚船に対するいきさつめ問題について詳細なることを委員会でお開きしよう、こういうふうな問題があつたのでありますが、それに対する答えについて、その後何らわれわれの方にお話がないのでありますが、それについて委員長としていかなることをとられたか、一応お話を願いたいと思います。
  6. 山下春江

    ○山下委員長 佐藤委員の御質問にお答えをいたします。三団体及び船長、乗組船員等関係者の方々を委員会に招致して、いろいろ御事情をただすということは、私もごもつともと思いまして、折衝を重ねて参りましたが、船員の方及び船長の方は、引揚げ問題をスムーズに完了するために、今私どもが委員会に出席して、あたかも二団体と対立するかのごとき言辞を用いることは、結果をうまくしないのではないかという非常な御配慮がありまして、その点では、運輸省の船員局長の武田さんあたりからも、ぜひこの際呼ばないで委員会の方を進めてもらえないかという申出がありましたので、やむを得ないことと存じまして、これを了承いたしました。日赤の方は、いつでも招請に応ずるということでございましたが、二団体の方は、出席を拒否されるのではないのでありますけれども、いろいろな理由を構えて出席を得られなかつたのであります。この点まことに委員長といたしましては皆様の御期待に沿うことのできない運び方であつたことをおわび申し上げる次第でありますが、いろいろな用事を構えて出席をせられなかつたのであります。そこで、委員会にお諮りする機会を持ちませんでしたが、要するに、顔がここにそろわないということの結論でございました。この段、まことに委員長としてその点の扱い方に対して腕がなかつた点を佐藤委員におわびを申し上げますが、そういうことであります。
  7. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 ただいまの委員長のお話で大体了承いたしましたから、これはまた適当な機会を見てそういうふうな運びに行きたいと思いますから、この点はお含みを願いたいと思います。  次いで、木村援護庁長官が見えておりまするから、木村援護庁長官にお聞きしたいのでございますが、それは、第五次引揚げの問題でございます。第四次船で打切りというようなうわさがあつたのでありますが、今回第五次船の問題が出て参りました。現に三十六日、中国の紅十字会からは、三団体の事務所あてに、第五次配船の日程の電報も来ておるようであります。興安丸が八月三日から五日の間に天津に、これは千三百名、高砂丸及び白山丸が八月六日と八日に上海に、これは二千名ということで指定をして来ておりますが、政府は、この配船の準備についてどういうふうな準備をなさつておるか、また、この中国紅十字会から育つて参りました指定通りに、はたして出発できるかどうか、政府の準備やら何やらをお伺いしたいと思います。
  8. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 第四次引揚船のこちらに帰還いたしましてから後に、援護庁といたしましては、第五次の配船の問題につきまして重大なる関心を持つて対処いたして参つたのであります。御承知の通りに、そのころから、一つはフィリピンのモンテンルパから釈放される、あるいはこちらに送還される方の輸送の問題があり、それに引続きまして、マヌス島からこちらへの送還問題がございましたので、これが離船につきまして、一つは引揚船の白山丸をこれに使い、もう一つは引揚船の白龍丸をこれに使うことにいたしまして、大体白山丸の方は、その次のこちらから中国の方に配船をいたしますまでに聞に合うという一つの確信をもつていたしたのでありまするが、白龍丸につきましては、これは中国側からの配船の請求にはおそらく間に合わないであろうというような考えで、これに対します準備をいたしたのであります。先般工藤日赤外事部長が中国から帰つて参りまして、そのときの御報告によりますと、この次の第五次には秦皇島は使わない、従つて使う港は天津と上海である、現在集結中であるから、いつ配船になるか、何人ぐらいになるかということははつきりしないが――おおむね三千ないし五千である、――工藤外事部長の感じといたしましては、三十前後であるというようなお話であつたのであります。従いまして、一応第五次配船は四隻、船がなくても三隻でも何とか間に合うのではないかというところでもつて、白龍丸をマヌス島の方に派遣をいたすことにいたしまして、万一五千人という指定がありました場合については、前に制定されました就航命令を発することができる法律によりまして、適当なる船を運輸省において準備するという手配を全部いたしまして、マヌス島に白龍丸を出すことにいたしたわけであります。その間におきまして通常の、最初の第一次から第三次までの状態によりますと、先方からの配船の指示は、大体最終の船が帰ります前後にあるのが従来の状態であつたのであります。これは、当方におきまして配船をいたしまする都合上、相当の余裕をもつて配船の通知をしてもらいたいという先方に対します要求に応じておつたものなのでありまして、第四次の配船になりましてそれが非常に遅れました。第五次につきましても、こちらの方には何らの通知がない一つまり一次から三次までの間にありましたような時期に通知がないという状態でございましたので、当方といたしましては、華人の送還の問題がございましたので、できるだけすみやかな機会に、これの予想を早く知らせてもらいたいというふうに考えまして、配船の状況、計画等につきまして、先方にこれを問い合せ、あるいは依頼をいたしますように、日赤を通じまして申し入れたのでございますけれども、これに対します照会等の電報は遂に出されずに終りまして、今回の配船通知となつたのであります。二十六日の配船通知は、中国紅十字会から三団体連絡事務局にあてまして、第五次日本人帰国船の到着港及び到着時間次の通り通知いたします、興安丸は八月三日から五日の間に天津に到済、乗船人員は約千二百名、高砂丸及び白山丸あるいは白龍丸の二隻は八月六日から八日までの間に上海に到着、乗船人員約二千名、以上帰国者総数三千二百名という通知が参つたのであります。従いまして、この通知は非常に遅れまして、当方といたしましては、これによりまして、従来華僑を向うに送還をいたしますにつきましての第一次の華僑送還の際とは違いまして、非常にその間の余裕がない。従つて華人送還につきましては、非常な困難を来すということが予想されましたので、実は、昨日午前中、関係者が集まりまして、この際に華人を向うに送還しないということは、向うに対しまする信義に反するのではなかろうかというふうに考えましたので、従来のいきさつを全部一掃いたしまして、新たに、この無理な期間にもかかわらず、何とかして華人を幾らかでも希望する者を向うに送り返すようにいたしたいと考えまして、興安丸を横浜並びに神戸に回航いたしまして、少くとも横浜あるいは神戸近在におります者で、希望いたしまして手続をいたしております者が、これに乗りまして向うに帰ることができますようにいたしたい、かように考えまして、その手配を全部了し、特に興安丸におきまして、石炭の積み込みに二日ばかりかかりますというものを、運輸省のはからいをもちまして、一日でこれを全部積み込んで、船をこちらの方にまわすという手配までいたしたのでございますが、昨日の午後三団体におきまして、華僑総会も集まりました席上におきまして、これは私も、出ていないので、わかりませんが、本日承るところによりますと、華僑総会におきましては、帰国希望者の中の一部の者を今回向うに帰すということについては、第一次の際にも同じような状態になつておつたために、東京及び大阪から離れた地域にあります華僑に及ぼします影響等を考えて、この際出ます興安丸には乗せないで、別にそのあとで仕立てて向うに帰すようにしてもらいたいという希望を申し入れて来たようでございます。つまり、向うで指定して参りました八月三日から五日までの間に、向うに到着いたしまする興安丸に乗せることはできないというふうな話だつたのであります。  そこで、昨日三団体が集まりまして、申合せをいたしまして、本日私の方に参りまして説明いたしました事項を申し上げますと、昨日三団体が集まりまして、華僑総会をその中に入れまして御相談になり、こちらに申し入れて参りました事項は、次のことでございます。これは三団体の申合せでございまして、この申合せによりまして、こちらに申入れをするということでございます。第一が、第五次邦人帰国については、中国紅十字会七月二十五日付電報の趣旨により、三船を先方指定の港に送る、うち興安丸は往航を空船とし、八月三日天津に入港する、高砂、白山の二隻は八月六日上海に入港する、第三は、右興安丸は、天津から帰国の後、第五次船の一部として折返し華僑及び遺骨を乗せて天津に向う、入港予定期日は八月十八日ないし十九日とする、右興安丸はなるべく多数の日本人を乗船帰国せしめるよう中国紅十字会に依頼する、三、別紙華僑総会の要望事項については、政府において適宜の措置を講じなければ、華僑総会としては財政上はたまた帰国者の集結及び組織上実際業務を開始できない実情を了承した、右は明日午前十時政府に申入れることとするということで、本日これについての申入れがあつたのであります。  これによりますと、三団体の申合せとしては、第五次の帰国の配船については、先方の指示通りに船を出す、そうしてその際に華人を乗せて帰る予定である、興安丸はからで向うへ参りまして、つまり、先ほど申しましたような事情で、華僑総会の方で乗せることができないという事情のもとに、からでもつて向うへ行く。しかし、それでは、第四次と同じような状態でもつて、向うから乗せて帰さないというような事態が起るかもしれないから、輿安丸は向うから邦人を乗せてこちらに帰りましたら、折返しもう一回華人を乗せて向うに行くことを約束する、こういうことなのでございます。華人を乗せて向うに帰すについて、現在われわれの考えるところによりますれば、非常の手段を用いますれば、先ほど申したように、興安丸を横浜並びに神戸に回航して、一日の間でもつて大体の手続を全部終えて、これに乗船させるという措置を講じましたならば、大体三十一日及び一日の二日において横浜及び神戸で華僑を乗せて向うに行くことができる、大体五日までに向うに行くことができるという手配ができたのでありますけれども、そうした場合には遠隔の地の者が乗れないということになりますので、それでは困るということで、先方はこれを断つたのであります。そういたしまして、われわれとしては、ここに書いてあります通りに、華人を乗せて向うに第二回目に行つた興安丸に、ある程度の日本人か乗つて帰ることができますれば、早期の引揚げができるということになりますので、われわれとしてはこれに対して異存はございません。運輸省と相談した結果、運輸省としては、この方法によつてやることについてさしつかえないというお話でございましたので、われわれとしては、その旨先方に返答いたしたのであります。但し、この配船の日でございますが、興安丸は八月三日天津ということになつております。これはよろしい。しかし、高砂丸、白山丸の八月六日上海入港は八月七日にしてもらいたいということ、並びに第二回目の興安丸が向うに参りますのは、配船のいろいろな準備等のことも考えますと、運輸省において八月二十四日以降にしてもらわなければ無理であるということでありますので、その旨あわせて三団体の方へ申入れをいたすということにいたしております。すでに申入れを終つたことと思つておりますが、そういうことにしております。  なお、華僑総会の要望事項は、いろいろ項目があるのでありますが、第一に、華僑総会が華僑を向うに送還するについて立てかえた金を払つてもらいたいということと、それから、今後の事務費その他についての経費を日本政府において負担してもらいたいということ、並びに華僑総会等で赤十字社とともに送還事務の手続をいたします人間の処遇とか、特別輸送列車に乗せる添乗人員とか、それから船に乗せて向うに帰る場合に一緒に乗つて行く世黄の勢あるとか、いろいろな点についての要望が入つておるのでありますが、これと配船の問題とは別個の問題でございますので、われわれとしては、事務的にこの点については今後折衝いたしたい、われわれとしては、必要なる経費を惜しむものではありません。しかし、そのかわり不必要なる経案われわれ負担するわけにいかぬ。筋の通るものには出すように努めるし、筋の通らぬ金を出すわけにいかぬ。たとえば、これについてはどの程度の人を乗せるか、これをどういうふうに処遇するかという点については、日本政府として十分考えて、今後日本赤十字社と折衝した上できめるようにしたいということで、先方の了解を得たのであります。なお、これについては、今日の夕方までに返事をもらいたいと申し薫りましたが、われわれとしては、こういう事務的な問題については今日の夕方までに返事をすることはできない、なお、これと前の配船の問題とは直接関係のないことであるということで、この点については爾後の問題にいたしたのであります。  最後の遺骨の送還の問題でございますが、これについては、私のほうの所管ではございませんので、この直接の所管であるところの外務省に行つて御相談になるように、われわれの方では何らこれについて意見は述べられないということを申しました。これによつて、大体三団体としてはわれわれの意向を了といたしまして、向うに帰つたわけでございます。先ほど申し上げました日の変更については、上海を八月七日にするということは、その場で申しました。それから興安丸の二回目に向うに参りますのを八月二十四日にしなければならぬということは、その後運輸省と連絡して明らかになつたことでございますので、これはたしか今少し前に向うに連絡いたしたと考えております。  大体そういうことで、現在では向うの申します通りの配船ができる状態になつておると考えておるのであります。
  9. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 大体長官の御説明でわかりましたが、第四次船後華僑問題がからみまして、三団体の手配が非常に遅れた、そこで三団体がまだ電報を打つてないようですが、これはどういういきさつで打つてないのでありますか。
  10. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 三団体においても、できるだけ早く電報を打ちたいという希望のように私の方には申し入れてございます。申合事項についての政府の回答によつて、向うは電報を打つというふうに申しておりましたので、先ほど申し上げたように大体話がついたのでございますし、ただ遺骨問題については、私は直接存じておりませんが、外務省に行つて話合いをして、了解して帰つたということでございましたから、おそらく今日の夕方には、向うに電報を打つのではなかろうかと思つております。
  11. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 三団体の案ですか、新聞に来たものを拝見すると、十六日ごろに興安丸で折返しするというような案があつたのですが、今長官から、都合によつては別に新たに船を出してもよいというお話がありますが、華僑総会に対する船賃はだれが負担するわけですか。
  12. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 従来こちらから向うにまわしました船は、日本人を乗せて帰すために船をまわすわけでございますので、運輸省の意向としては、華僑を乗せて帰す第二回目の興安丸の回航に対して、向うに集結しております日本人が相当数乗つて帰ることが予想されますならば、配船してよろしいということでございますので、これについては、日本政府が負担することに一応なるのではなかろうかと思つております。
  13. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 実は、私もさきに委員長とともに舞鶴を視察して参つたのですが、第四次船が入ることを期待して行つたところ、不幸にして遅れまして、ただ施設を拝見して来たのでございますが、その際に、華僑送還と遺骨の送還についてのいきさつをいろいろ聞いてみました。いきさつを聞いてみると、舞鶴援護局の四百人の人ではとても手まわりかねる、かつまた華僑総会に対して幾多のトラブルが起きて、暴行事件やら何やら、皆さん御承知の通りです。そこで、援護庁の方々にしても、舞鶴の方々にしても、どうもこういうことをおもんぱかつて、華僑送還は舞鶴でなしにほかで扱う方がいいのではないか――非常に混乱を予想されておるのでありますから、そういうことを考えて、華僑送還には、舞鶴港を使用しないで、ほかの方法を講じたらいいのではないかと考えるのでありますが、これに対する長官の見解を伺つておきます。
  14. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 実は、ただい御指摘がございましたように、必ずしも舞鶴を使わなくてもいいのじやないか、これはその通りだろうと思います。日本人の入国の場合と違いまして、外国人がその国に帰る場合でありますので、手続等につきましても税関の問題が主であります。その他のことにつきましては、あらかじめその手締をとつておくべきものをとつておきましたならば、そう大きな手続はいらないのではないか。従つて、滞在日数等も少くて済むようなやり方も考えられるのじやないか。そうすれば、必ずしも舞鶴を使わなくてもできるということは一応考えられるのです。今般第五次の配船につきまして、一応昨日考えまして、日本赤十字社の方へ申入れをいたしましたやり方といたしましては、一応船を横浜あるいは神戸、または東京港、大阪港にまわしまして、そこへ集まつた者を乗せて回航するという方法をとりますれば、集まりました者を即時に船に乗せるという手続をとつて、税関検査等はその前にこれを行う、こういうことができるのじやないかというので、緊急の方法としてこれをやつてみて、もしこれがうまく行きましたならば、今後こういうことにしたらどうだろうかというふうに考えておるのでございます。一応そういうことでおつたのでありますけれども、この案につきましては、華僑総会は、各種の理由を並べまして、これについては反対をされたようであります。私は、この問題について華僑総会から直接聞いたのではなく、日本赤十字社を通して聞いたのでありますが、各種の理由をあげて反対せられたようであります。従いまして、今後どうするかという点につきましては、第二次の華僑の帰国の船が出まするとき、及びそれに必要な準備期間の前に、これについては十分検討いたしまして、案を立てたいと思つております。今お話がございました通りに、必ずしも舞鶴に集めなければならないということはないと思います。ただ、もし宿泊するとすれば、ほかに適当なる施設があるかどうかという点が問題でございまして、先般舞鶴であのような事件があつたあとでありますから、一般の旅館等でこれを宿泊せしめるということは相当困難もあろうか思います。そういういろいろなことがございますので、十分検討いたしまして、一両日中にこの問題についての態度をきめるようにいたしたいと考えております。
  15. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 引揚げ問題について、三団体と中共の紅十字会との交渉の結果、約三万の引揚げができることになつたことは、一日千秋の思いで偉つておるわが在留同胞にしては、まことに当然なことだと思います。しかし、船中あるいは援護局におけるこれまでの行動を見ますると、あたかも三団体の力によつてのみ引揚げて来た、また引揚者も、私どもが会つてみると、三団体のおかげだ、口々にそういうことを叫んでおるのであります。しかし、今お話を承つても、ことごとくがこれは日本政府の支出なんです。中共からの帰国に対しても、あるいは華僑総会に対しても、この費用は今まで申しました通り政府が負担する。そこで、われわれといたしましては、やはり国民代表として、国の金を使うのであるから、これを明らかにしてもらうとともに、国会の委員会としても態度を明らかにして、卑屈な考えでなしに、打つべき手は打つていただく。三団体と紅十字会との交渉は交渉として、一旦国内に入つた以上は、援護庁はあくまでも主体性を持つて処理していただきたい。これまでの情勢を見ると、ややともするとそういう点において欠けるところがないとも言えないのでありまして、ことしの予算を拝見いたしましても、十七億もこれに要するのでありますから、きわめて重大でありまして、こういう点につきましても、政府は十分に考えていただきたい。われわれの委員会としても、春意のあるところを申し上げておかなくちやならぬと思うのであります。どうぞ、そういう意味において、今後の処置に万全を期していただきたいと思います。
  16. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 ただいまの佐藤委員の御説、まことにその通りでございまして、現在、引揚者の援護という仕事は、一切をあげて国費でやつておるのであります。むろん、国民全体の精神的、物質的な援護というものもございますけれども、直接の援護というものは大体国費でこれをくめんいたしておるというのが現状であります。従いまして、この実情については、十分これを明らかにするとともに、この経費の使途その他について誤りがあつてはならぬことはその通りであります。われわれといたしましては、歪にこれを使いまして、しかも効果があがるようにいたしたいと考えておる次第であります。  なお、これにつきまして、いささか誤解があるようなお話が今あつたのでございますが、これにつきましては、先方においてもいろいろな宣伝等があるようであります。すなわち、彼の地における宣伝もあるようでありますし、また船中におけるいろいろな宣伝もあるようであります。しかし、実際にわれわれと折衝しておる三団体の諸君は、これが国費をもつてしかも国の責任でなされておるということにつきましては、十分納得されておるようにわれわれには申しおるのであります。これにつきまして、さような宣伝をいたします者は、三団体それぞれの本部の意図ではないということを申しておるのでありまして、その点については十分徹底するようにということを、私どもの方から三団体の方にも申入れをしております。なお、実際に帰つた方々のその後の状況から見ますと、お帰りになつて大体半月もたてば、その実相は明らかになるのであります。実は私、先般帰還者の方々のところ募りまして、いろいろお話を伺つたのでありまけれども、それらの方々全部が口をそろえて、われわれはだまされておつたということを言われるのであります。そういうふうに、大体実相というものは日ならずして明らかになると考えておりますが、われわれといたしましては、それが明らかになりますように、できるだけ努力したい。なお、三団体の方に対しましても、そういう誤解を招くようなことは言わない、しないようにということは、随時申しておるのでございます。これにつきましては三団体において正式に異議を申立てたことは何らないわけであります。
  17. 佐藤洋之助

    ○佐藤(洋)委員 三団体の最近におけるいろいろな問題、並びに第3次引揚者の就職の状況とか、あるいは住宅の問題等についてお聞きしたいのでありますが、これは他日の機会に譲りまして、私の質問はこの程度にとどめておきます。
  18. 山下春江

    ○山下委員長 受田新吉君。
  19. 受田新吉

    ○受田委員 恩給局の方がお急ぎのようですから、留守家族に対する関係の未帰還公務員の普通恩給のことについてお尋ねいたしたいと思います。  今度、恩給法によりまして、未帰還政府職員が普通恩給を支給されるように規定されたのでありますが、未帰還政府職員及び地方公務員は、その給与が、一般職の職員の給与に関する法律の附則第三項で、未帰還公務員の給与はなお従前の例によるとして、三七ベースのときにおいて押えられておりまして、期末手当その他一切の手当が支給されておりません。この未帰還公務員の給与が非常に低いところで今日押えられておる不合理は、われわれたびたびこれを指摘したのでありますが、政府はそれを改めようともしなかつたし、人事院もそれに対して勧告をしておりません。今回の人事院勧告にも、その公務員に対する給与改善の措置がとられておりません。しかし、いよいよ二十八年八月から恩給法によつて夫帰還公務員の普通恩給支給規定をつくることになると、当然その恩給金額というものが問題になるので、その恩給金額に対する仮定俸給をどこへ置くか、算定の基礎をどこに置くかという問題になると、三七ベースの安い七、八千円程度のわずかな給与でその恩給をつけてもらつたのでは、たいへんなことになる。これは、三七ベースの当時にすえ置かれておる給与を早急に是正する用意があるのかどうか。ことに今日の一万二千八百円ベースに換算をするならば、少くとも現在のあの押えられておる給与は、五、六倍ないしは七、八倍まで引上げられるはずでありますが、その引上げられるときは、今国内で俸給を受けておる同一学歴の同一職種における最低の給与まで支給されるような措置をとろうとしておるのかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
  20. 城谷千尋

    ○城谷説明員 ただいま御質問の点でございますが、これについては未帰還者の俸給が非常に低いというお話でございますが、恩給の基礎としましては、未帰還者の俸給をいわゆるベース・アップした額で恩給を計算することになつております。御了承願いたいと思います。
  21. 受田新吉

    ○受田委員 ベース・アップをされるものとしますと、三七ベースのときから現在の給与に是正されて恩給をつけることになりますね。そうすると、そのベース・アップされる人の数が、政府職員及び地方職員でどの級におよそ何人おるという調査を政府はしていらつしやると思いますので、その国内及び外地別国家公務員並びに地方公務員別の資料をお出しいただきまして、その普通恩給の当該者数をわれわれに周知せしめていただきたいと思います。その資料を近いうちにわれわれのところへ出していただきたいと思います。  もう一つ、ついでにお聞きします。留守家族援護法によりまして、普通恩給に達せざる未帰還政府職員は、従来の通り援護法によるところの給与を支給されることになつておる。ところが、恩給法によると、ベース・アップされた恩給がもらえる。そこで、留守家族援護法による政府職員は、従前の例によるずつと押えられたベースで支給されることになると、非常に不合理になる。留守家族援護法に該当する政府職員に対する給与は、しからば恩給法の該当者と同様に支給の率をベース・アップして支給されるのかどうか、援護庁長官のお答えを願いたい。
  22. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 留守家族援護法に統一されました場合におきましては、従来の未帰還政府職員の給与の規定はなくなりまして、従つて今後後ベース・アップの問題は起つて来ないのでございます。つまり、これは従来則人であつた人、あるいは政府職員であつた人を問わず、未帰還者の留守家族に対して援護をするということで、それは全部平等に援護するという立場をとりますので、今後におきましては、未帰還者の留守家族の援護においては、それでもつて一本でやる。ただ、従来の実績は保障するということでございます。従いまして、その立場からいたしますと、今後のベース・アップというものは、未帰還者の政府職員については、その留守家族にはないということになるわけであります。これは全部留守家族援護法の援護金の額による。ただ、従来のよけいもらつておる者については、そのよけいなだけの差額を実績保障をするということになるわけであります。
  23. 城谷千尋

    ○城谷説明員 先ほど、未帰還政府職員の数というお話でございましたが、それは、実は調査が困難でありまして、できるだけのことをやつてみますが、その点、あらかじめ、詳しいことはわからぬかもしれないということを御了承願いたいと思います。
  24. 受田新吉

    ○受田委員 これは、普通恩給をもらう未帰還公務員であるならば、急にベース・アップされた基準で三分の一が支給されることになる。恩給法に達せざる十六年ぐらいの公務員は、従来の実績で、ベース・アップしない三七ベースのときの給与でもらうということになると、七、八倍上つた人で三分の一の給与をもらう場合と、全然ベース・アップしないで、十六年勤務した人が依然として三千円、五千円、六千円ぐらいの給与をもらう場合と、非常な差が生ずると思うのであります。この点の不平等はそのままにしてよろしゆうございましようか。いかがでしよう。
  25. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 この点につきましては、援護庁として考えておりますのは、留守家族の援護という一つの立場をもつてものを考えておるわけでございます。すべて留守家族の援護という立場でものを考えますれば、それでもつて平等に扱うということにしなければならぬ。つまり、未帰還者の留守家族に援護を与えるという立場からは、その面における平等を考えなければならぬ。先ほど御指摘になつたようなことは、軍人についても同様なことがあると思うのであります。軍人については、今回恩給法の適用によりまして、恩給の方に転換する。恩給法によつて高いものをもらうことになる。しかし、恩給法に転換しない者は、留守家族援護法の援護を受けるという形になります。従いまして、どちらが有利かということにつきましては、それぞれの人々の選択が許されておるということになりますので、結局そういうことでもつてそういう点の平等は保たれることになると思います。援護法の方は、もうすでに給与を出すということは打切つた際におきまして、その際に給与ベースの引上げということは、ちよつと困難ではないか――単なる実績として留守家族の方に残つております。その点につきましては、そちらの方の平等ということで御了承願いたいと思います。
  26. 受田新吉

    ○受田委員 恩給の方で支給される恩給金額には、四十才以下の文官には停止、四十五才までは半額、それから五十才までは三割引きということになつております。四十才に達せざる十七年の国家公務員は、恩給に対しても全額停止をされる。これではさつぱり困るのであります。その措置はどうなりますか。
  27. 城谷千尋

    ○城谷説明員 これは、一般原則で見るべきものだろうと思います。つまり、停止すべきものは停止するという措置を講ぜざるをひないだろうと思います。
  28. 受田新吉

    ○受田委員 それは、一般の原則は四十才未満は恩給停止によつて支給されないということで、今までもらつておつた人が、普通恩給に達したからもらえないというのでは、たいへんだと思います。そういうものの措置はいかがでしようか。普通恩給に達した者は、恩給法によつて当然恩給を支給することが法律に規定されておる。援護法の適用者でないことははつきりしておる。そういう四十才未満の普通恩給を支給さるべき人々は、結局国家が保護して当然出すべき俸給を受ける権利をなくすることになる。これはいかがなさいますか。
  29. 城谷千尋

    ○城谷説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。恩給が停止になりましても、留守家族援護法の給与は受けられることになると思います。
  30. 受田新吉

    ○受田委員 そうなると、法律の不備だと思います。留守家族援護法の適用を受ける資格はありません。普通恩給の支給は恩給法で支給することになつておつて、普通恩給を受けるに達せざる者は援護法に行くのですから、結局二十八年の八月から、普通恩給を受ける人は当然恩給法の適用を受けることになる。従つて、その恩給法の適用を受ける四十才未満の公務員がそれから除外されることに対する何かの規定をつくらぬと、これが援護法の適用を受けるなどというそんなおかしなことはありません。これは恩給法の不備ではありませんか。
  31. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 私、記憶違いで、あるいは間違つたことを申し上げるかもしれませんが、私が今覚えておることによりますれば、留守家族援護法による権利は、恩給法の手続さえしなければ、これはあるはずであります。恩給法でもつて申請をして、恩給の方の手続をして、恩給をとりますれば、こちらが落ちることになります。ですから、恩給の方の不利な方は、恩給の方の手続をせずにおけば、留守家族援護法の方はそのまま残つておる。もしも恩給の方が有利だと見られれば、その際に恩給の方にかえることができるというふうになつておつたのだと私は記憶しておりまするが、もし間違つておれば、あとで訂正いたします。
  32. 受田新吉

    ○受田委員 これは重大な法律の欠陥です。それは、なぜかというと、恩給を請求することは、これは不備であるから、その方が損だから請求しないとかなんとかいう問題ではなくて、もう二十八年八月になつて満十七年に達した者は普通恩給を支給すると国法で規定されたのですから、それによつて当然請求しなければならぬ。請求すると、請求した結果もらえなくなる。もらえなくなれば、やはり援護法の方に行くのだということで、それなら請求は取消す。こういうことでもつて、政府職員の家族をして非常に困らすことになるのであります。法律で当然に支給すべき給与、恩給というものは、またそれを受くべき権利のある者に対しては、それをはつきりと保護する規定をこの際法律で設けておかなければ、この点非常にあいまいになつておると思うのです。必ず問題が起るのです。普通恩給を請求しないで置いておけばいいということを一々指導するわけに行きません。法律に書いてある以上は、家族は喜んで恩給がもらえると思つて請求するでしよう。請求したら、お前は四十才に達しないから全然払えない一のだということになつて来る。これは非常に微妙なもので、ちようど四十才前後の公務員がこの該当者には非常に多いのです。一番微妙な問題になる。援護法の適用を受けるか、恩給法の適用を受けるか、そうしてどつちを請求するか。請求したら大失敗になつたということでは大問題になると思います。三十八年の九月、十月ごろになると、今度は恩給がつく者は、すぐそれに切りかえてもらえるわけですから、ぱつとふえる。その前の人はずつと減るということで、その辺の調節をもう少しはつきりしておく必要がなかつたか。恩給法審議の際に質問したところ、恩給局長は十分研擁するということで、結果は報告されておりませんが、不明のままで恩給法を通されたならば大問題でありますので、今当局の御回答を願いたいと思います。
  33. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 これは、私の方の関係の法律でこういう答弁をいたしますと、まことに相済まぬのでございますけれども、私は、さつき申し上げたようなふうに立法するものと聞いておつたのであります。実は、その詳細の内容につきましては、帰りまして、もう一ぺんよく調べまして、この次の機会にお答えするようにいたしたいと思います。私の方で間違つたことを答えますといけませんので、よく詳しい者に聞きましてお答えするようにいたします。
  34. 受田新吉

    ○受田委員 恩給局の審査課長さんは、この点、審査の方の監督官でありまして、そういう裁定のときに一番大事な問題にぶつかると思いますが、今度の恩給法の中に未帰還政府職員を入れるということについて、留守家族援護法では、あるいは三年たつても生存が七年間確認されない場合には支給を停止するということになつておつて、実にややこしいことになつておるのですが、こういう法律をつくる際に、十一分用意して、そういう四十才未満の場合には停止されるのはどうするか、四十才から四十五才の場合には半額停止されるのはどうするかというふうな、ちやんとその適用される人々を保護してこの法律案をお出しにならないと、急に未帰還公務員を恩給法に入れようという思いつきで入れるということになつて、法律を軽視する傾向が非常に強いと思う。いかなる場合にも、いかにして一人の不仕合せな人もつくらないように国家が保護するかということについて考えなければならぬ。ベース・アツフされたということに対しても、当時恩給局長は、そのへ治ス・アツフに対しての確信がなかつたり、人事院との連絡もつけてない。人事院が勧告した今度の一般職の国家公務員の給与準則等を定める法律の案再四十八条の「未帰還職員」というあの規定とも関係して、十分人事院、恩給局並びに援護庁の間の連絡によつて、この未帰還公務員が絶対に不利な立場にならぬように御研究をいただいて、この次の委員会までにひとつ詳細な政府の用意ある態度をお示しいただきたいと思います。これで恩給関俵は終ります。  次に、木村援護庁長官にお尋ねいたしたいのであります。未帰還者留守家族等援護法の第三章に、調査究明に関する事項が掲げてありますが、これに対する予算的措置、調査究明をするための費用並びにその機構、こういうものを援護庁としては御用意されていると思いますが、この点をお伺いしたいのであります。
  35. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 現在におきまして、未帰還者の調査究明の仕事につきましては、元の軍人、軍属につきましては引揚援護庁がいたすことにたつております。これにつきましては、それに対する組織を持つております、そうしてこれに対する人員を持つております。その他の一般邦人の未帰還者の調査究明につきましては、現在では外務省がこれを所管しておりまして、外務省におきましてその機構を持つておられるのでございます。将来これをどうしたら最も合理的になるかということにつきましては、十分研究いたしまして、措置いたすようにいたしたいと考えております。
  36. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 関連してお尋ねしますが、本日は外務省の方がどなたかお見えでございましようか。外務大臣はお見えになるというお話だつたのですが、そうですが。
  37. 山下春江

    ○山下委員長 外務大臣は、参議院の予算委員会に出席中だそうでございまして、そちらの方に連絡に行つておられますから、報告があると思いますが、ただいまはアジア第五課長の鶴見さんが見えております。
  38. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 調査の問題でお尋ねいたします。政府の発表によりますと、今回の三万人の帰国が完了してもなお多くの邦人が残つているということで、政府は残留状況の調査については責任があるわけですが、今回の引揚者からの調査は、どういう程度の実績をあげておるか、外務省御所管の一般邦人について、その状況を承りたいと思います。
  39. 鶴見清彦

    ○鶴見説明員 今回中共から引揚げて来られました邦人につきましては、第三次までの結果、御承知のように上陸地において移動経路票を配付して、これに記入していただき、それを資料にして、さらに定着された以後の調査も続行いたしておりますが、遺憾ながら移動経路票の記入状況というものが従来ほど十分に行つておりません。これは、御承知かと思いますが、政府の方でそういう方法によつてあるいは思想調査でもするのではないかという疑いを持つておられるようでありますが、その点につきましては、毎々繰返して申しておりますように、移動経路票による調査は、全然思想調査とは関係がないわけでありまして、もつぱら残留者の状況究明というために実行している方法であります、それで、第三次までの中共地区からの引揚者に対しましては、移動経路末の記入状況は大体五割ないし六割程度になつております。目下その移動経路票に従いまして、外務省の引揚調査室の方でもつて残留者の状況を基礎調査いたしております。そのほかに、残留者の方から、いわゆる一般調査といたしまして、その土地に何名くらいまだ残留している模様だという情報をとつております。それを目下整理している段階でございます。
  40. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 引揚者の調査でございますが、それにつきましては、実情にそぐわぬような調査が行われて、往往いろいろなトラブルを起しておるということを私たちはちよいちよい耳にするので。ございます。日中友好とか平和連絡という二団体から、政府はスパイ活動をしているというようなことを言われていることも聞きまするし、あるいは軍事調査と疑わしいような調査をしておるということを聞くのであります。私たちは、こういうことはないと確信しておりますが、今までの御答弁をさらに明らかにしていただきたいというのが第一点であります。  それから、引物者によるところのその点の調査でございまするが、これは、納得して引揚者の協力を得るような調査のやり方といいますか、方法をもう少しお考えになつて、いかにすればその目的を達成するかということについて、もう少し御研究を煩わしたらどうかと思うのであります。  第二点は、地方における個別調査でございまするが、一般邦人と軍人の方とは所管が違うようでございますが、末端におきましては、世話課で一本でやつておる。今後軍人恩給というような問題が出て来ると、限られた世話課では、ほとんどこういうふうな調査は不可能になつて来る。この点について、この機構の整備と申しますか、この点の調査の整備と申しますか、この点について外務当局はいかなる御見解を持つておりますか、承りたいと思います。
  41. 鶴見清彦

    ○鶴見説明員 第一の点でございまするが、先ほど申し上げました通り、移動経路、の記入というものをお願いしておりまするが、先ほど申し上げました通り、全然それはスパイの関係だとかあるいは思想の調査といつたような性質のものではございません。明らかに、向うに残つておる残留者の状況あるいは氏名その消息というものを調査するためにやつておるのでございます。  それから、第一の点のうちの調査の方法を改善したらどうかという問題でございまするが、私どもの方といたしましては、何らかよい方法があればということで、常に研究はいたしておりまして、さらに研究を続けまして、いい方法でもありましたら採用するにやぶさかではないのでございます。  筋二の点につきましては、末端の世話課に依願しまして、個別調査をやつていただいているわけでございますが、外務省といたしましては、できるだけ予算的な裏づけも十分にできますように考慮いたしておりまするが、何分その点は必ずしも満足の行くように行つていない。また、組織の改善という問題につきましては、さらに援護庁その他とも御相談申し上げなければならないかと思つております。
  42. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 末端の個別調査につきましては、世話課でやつておる現在のやり方というものは必ずしも満足する状態ではない、なお改善すべき点が多々残つておるという御意見でございまするが、予算的にどのような措置をしたらいいかということについて魅なたの御意見を承りたいというのが次に起つて来る問題でございます。それからまた、調査のやり方でございまするが、民間団体、たとえば家族団体でございまするとか、国民運動のああいう団体もございまするが、それらのものにも協力してもらつて強力な調査を行う意思があるかないか。ことに、この予算関係につままして、どういうふうな構想をお持ちか、外務当局の意見として、あなたのお考えを聞かしていただきたい。
  43. 鶴見清彦

    ○鶴見説明員 予算関係といたしましては、府県にその調査を委託する関係――末端では世話課でありますが、府県に調査を委託するという形で、外務省の予算を、大蔵省と折衝いたしまして、一旦配布を受けたものをさらに府県に交付するわけでありますが、さらに、最近の新しい中共地区からの邦人引揚げの事例もありますので、調査究明をそういう人々についてもさらに強化したいという考え方から、来年度につきましては従来よりも余分に府県に委託費を差上げられるように折衝いたしたいと存じております。  それから、留守家族団体の方面からの協力の点でございまするが、政府自身で究明することは、政府の義務でもありまして、専心その調査究明に努力いたしておるのでございまするが、留守家族団体の方から協力をいただければ、それに越したことはないのであります。ただ、その方面に対する予算の裏づけはどうするかという点になりますると、未だ具体的には現れたものはございませんが、寄り寄り研究はいたしております。
  44. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 ただいまの御答弁によりますると、現在の地方における個別調査につきましては、世話課で行つておるやり方について必ずしも現在の状況は満足すべきものではない、なお改善すべき余地もあり、予算についても相当考慮しなければならぬ、こういう御意見でございまするが、あなたの結論につきましては、私いささか疑問となるのでございます。外務省当局は一般邦人の調査をやつておるが、その点につきましては大して予算もなく、しかもその人数は一般邦人の方が軍人の方よりか多いわけでございます。そこで、民間団体に協力を求める点につきましても、今のあなたの御答弁によりますと、求めるのが理想であるけれども、予算その他の点でいろいろな困難が伴つておるというお話でございますが、国内における民間団体の調査を用いる、と言つたら語弊があるかもしれませんが、それに協力を求めるという点につきましては、私は、現在の調査機構というものを改めまして、一元化して強力に行わしめる方がいいと思います。これは外交交渉の問題でもないし、援護庁等に一本にまとめて、そうしてこういうふうなわけた、煩瑣なやり方をしない方がいいと思いまするが、この点につきまして、あなたの御意見はどうでございましようか。
  45. 鶴見清彦

    ○鶴見説明員 その点につきましては、いつでございましたか、六月末の引揚委員会、あるいは衆議院でありましたか参議院でありましたか、ちよつと忘れましたが、その際に、調査究明をさらに徹底的に、そうして一元化してやつたらどうかという御質問がありましたが、それに対して、アジア局長が、その点は十分考えておる、援護庁の方とも御連絡をしてさらに研究をしたいということを答弁いたされたのでありまして、現実にわれわれ事務当局といたしましても、そういう一元化の問題は慎重に検討いたしております。
  46. 福田喜東

    ○福田(喜)委員 世話課は、御承知のように復員局の系統でありまして、そうして系統の違うところからいろいろ金を流したり指揮命今をするというようなことよりも、これは一本にまとめてやつた方が、引揚げの調査という点から言つても、今後の対策という点から言つても、民間の団体に協力を求めるという点から言つても、これが理想の姿ではないかと思いますが、その点について、とくと御考慮を煩わして、そうして引揚げの仕事を一元化して、強力に推進するというようにしていた、たきたいと思います。
  47. 山下春江

    ○山下委員長 福田委員に申し上げますが、外務大臣は、いま少し前に、議長招待の外交官その他の高官のレセプシヨンに参りましたそうであります。迎えに行つておりますが、委員会軽視の段はなはだ許しがたいのでございますが、そういう事情でありますので、その問題については外務大臣の答弁が必要かと思いますが、本日はそういうわけですから、御了承願います。
  48. 受田新吉

    ○受田委員 援護庁長官がこの中共地区引揚げ並びに外地から帰つて来られる戦犯、遺骨等に対して、献身的な努力をされておることに対しては、心から敬百付を払つているのでありますが、この中共の第五次船を迎えるにあたり心すべきことは、舞鶴における受入れ態勢、ことに宇野次長を中心とするところの第一線の機構並びにその陣容というようなものに、いささか完璧を期する二とができないというような風評をちらほら聞いております。ことに臨時職員の募集等にあたつて、非常に日当が少いというようなことで、遠くからは人材が得られないし、地元からつい二百円か三日円の手当をもらつて出て来るというので、そこに統制ある受入れ態勢ができない、能率発揮ができないということを聞いておるのでありますが、こういう点について、臨時職員の採用等にあたつて、思い切つて予算的措置をとつて、有能な人を遠くからでも汽車で運ぶとか、いろいろな方法をとつて、受入れ態勢に完璧を期するという御用意はないか。  次は、この引揚費がいつも予算に計上されているのですか、昭和二十八年の同胞の引揚費はどのくらい用意されているのか、残された人々をどれだけに数えて、その算定基礎をどこに置いて、現存幾ら計上しておるのか、大よそでけつこうでありますが、こういうところもひとつお伺いしたい。
  49. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 現在の舞鶴援護局の陣容の問題でございますが、これは、御承知の通りに、当初の舞鶴援護局の状況から比べますると、きわめて貧弱であるということは御指摘の通りでございす。御承知の通りに、舞鶴援護局は逐次縮小して参りまして、非常に機構としては小さな状況になつておつたときに、この引揚げが始まつたという不幸な状態でありますので、その点につきましては、まことに残念に存じておるわけでございます。ただ、この引揚けがいつ終るかと申しますると、大体最初の予定では八月中に終るような話であつたわけでございまして、そういうような状況のもとで、いかに有能な人を集めようといたしましても、こういう段階では、現在以上有能な人を集めるということについては相当困難なのではないか、相当奉仕的な人が出て来れば別でございますけれども、非常な不便な場所で、しかも住宅その他の問題につきましてもいろいろ問題があるということになりますると、給与を上げたというだけの程度では、普通に給与を上げることで可能な限度でもつてそういうことを考えただけでは、とうてい困難なのであります。ことに、臨時職員を入れるということにつきましては、相当地元のことをよくわかつておる方をやりませんと、なかなか困難な点もございますので、現在のところでは、われわれといたしましては、一応最善な手を尽しておるというふうに考えております。その職員の今後の充実の問題、あるいはこれに対しまする本省からの補強の問題といつたような問題につきましては、十分考慮いたしまして、適当な人を向うに出しまして補強をいたしまして、御期待に沿うように努力いたしたい。現在も引揚げごとに相当人を派遣いたしまして、補強をいたしておるのでありまするけれども、なお今後のことにつきましては十分考慮いたしたいと考えております。  予算的にこれをどうするかという点でございますが、現在の予算においてなおこれを改善して運営できるものにつきましては、十分改善してみたい、ただ、現在の予算の建前からいたしまして、そう簡単に非常に多額の経費を今の臨時職員に対して組みますことについては、相当困難があるのではないか。そういう方法がとれるならばやつてみたいと思いますけれども、十分そういう点については研究してみたいと思います。現在私の方で事務的に考えてみましたところでは、現在のところは非常に努力いたして参つておりますが、今後なお研究すべきものにつきましては、十分御指摘の点につきまして研究いたしてみたい、かように考えております。  それから、引揚げの予算につきましては、大体予算をとつておりまするのは、中共地区からの引揚げが三万人という予想をもちまして、その三万人に対しまする経費が組んでおるのであります。その他に個別引揚げのものが若子名分組んでありますが――それ以外に、中共引揚げのものといたしまして、集団引揚げ人員三万名ということで組んでいるのであります。これをオーバーすることがあるのではないかということも一応考えられます。中共地区からは約三万人ということになつておりますけれども、三万人ちようどではないのでありますから、あるいはこれを若干オーバーすることもあり得るかと思いますか、もしこれをオーバーする分につきましては、必要な経費は財政当局はいつでも出すということを申しておりますので、これにつきましては、人数の点についての心配はないというふうに考えております。
  50. 受田新吉

    ○受田委員 三団体にあてた華僑総会会長からの書簡について、援護庁がこれを受取りになつて、いまさつき報告になつたわけですが、われわれすでに、この三団体の北京交渉の際の報告によると、中共側は、日本から帰る華僑は、経費は少々かかつても、経費はこちらで負担するのだから、とにかく引揚げの船で帰してくれということを言うたということのように記憶しているのですが、その線から、華僑総会側も趣旨はそういうふうに述べてはいるのですけれども、実際に援護庁の方に御報告があつたというさつきの要請書によると、経費を早急に出してもらいたい、いろいろな方面の費用を出してもらいたいという要請があつたということで、これは、三団体の代表が中共で交渉の結果話されたこととはちよつと違うように思います。費用は中共側から出すから引揚船で帰してくれと言うたことと違うように思いますが、その間の見解は、援護庁長官としていかがお考えでしようか。
  51. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 こちらから向うに送り帰します華僑の送還についての援護の経費につきましては、われわれといたしましては、おおむね向うで日本人がこちらに帰ります際に受けております待遇にひとしい待遇をいたすようにいたしたい。これにつきましては、人道的な見地からそういうふうにいたしたいと考えまして、現在までわれわれの方でいたしておりますことは、おおむねその状態と――若干でこぼこはございますけれども、私は同じようなものであろうというふうに考えております。もちろん、鉄筋のビルディングと木造の建物という違い等はあると思いますが、たとえば寝具を支給する場合と支給しない場合、われわれの方は寝具を支給しておりますが、先方では必ずしも寝具を支給していないという点もございます。そういうようないろいろな差異はあろうと思いますけれども、大体同じような待遇をしようと思います。それから、華僑総会から申して参つておりますのは、援護に伴う事務の経費だというように考えております。これについては、政府が直接みずからやる場合と、他の団体に対して委託する場合とございますが、政府におきましては、この仕事については、前々から申しております通り、日本赤十字社にあげてこれを委託しております。日本赤十字社が華僑総会会を下に使いましてこれをやつている。もちろん、華僑総会は華僑総会として本来の仕事としてやつていることもありましよう。われわれといたしましては、華僑総会本来の仕事としてやつておりますことにつきましては、何ら関知するところでない。援護に必要なる事務手続としてやつていることにつきましては、日本赤十字社の、そのために使つております諸経費と合せまして、日本赤十字社と話合いでもつてきめなければならぬというふうに考えております。これについては、従来財政当局と話合いをして、一応予算を組みまして、これによつて赤十字社の方には通知いたしてあるのでございますが、その金額で足りなくて、それ以上かかつたということを申しておられるようでございます。まだその詳細なる内訳については承つておらないので、ただ、大ざつぱな、五十万とか六十万という金額で話を承つているのでありまして、これにつきましては、まだごれをどうるかという段階に至つておりません。赤十字社の方で正式に、どういうふうにして扱つたかということを細目にわたつて明らかにいたしました上でもつて、もしこれが日本政府で出すべきものであるということになりましたならば、出すのにやぶさかでない、これについて財政当局と折衝するにやぶさかでないと考えておるのでありまして、これにつきましては、われわれといたしましては、出すべきものは出すように努める、しかし、出すべからざるものについては出そうと思つておらないのであります。こにつきましては、そういうような考えでもつて当つております。ただ、これによりまして中国側にその費用を負担させるということについては、百吉本政府としては考えておりません。もちろん華僑総会等におきましても、華僑総会本来の事務についての経費が足りないために、これを中国側から求めるということはあり得るかもしれません。しかし、われわれといたしまして、今のところ、特別にある何かの事故によつて出た経費につきましては今何ともわかりませんが、普通今送還に要します経費については、われわれが出そうと思つておりますものについてはわれわれが出す、それ以外にかかつた経費についてはわれわれの方で関知すべきものでないというふうに考えております。
  52. 受田新吉

    ○受田委員 最後に、引揚者の帰還手当の支給の問題ですが、援護庁長官からの六月の通牒で、先般の日本帰国者について帰還手当を出すことを明記されておるわけであります。これは、この間のように比島から故国へ上陸されてすぐ釈放された方は当然該当されます。また巣鴨へ入つて御苦労される方方が将来釈放された場合にも該当すると私は解釈しておるのでありますが、一方、今まで巣鴨におられた方々が今後釈放される場合の帰還手当の支給はどういうふうになさるのか、あるいはマヌス島から今度帰られる方々の中で巣鴨へ行かれる方もあるし、また、中には台湾人もいると聞いておりますが、台湾へ帰られるが一応、日本へ帰られたという場合には、台湾の籍を持つ者も同時に帰還手当を支給するかどうか、こういうことについて政府としての御意向をお伺いしておきたいと思います。
  53. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 外地からこちらに帰還いたしました戦犯の方々につきましては、御指摘の通りに帰還手当を出すことに話合いがついておりまして、そういうことにいたすことに相なつております。内地に服役いたしております者が釈放されました場合には、現在のところ帰還手当を出すことになつておりません。これはそういうような話合いがまだついておらないのであります。従いまして、現在出すことになつておりません。それから、台湾籍の人等につきましては、内地に定住するということになりました場合には支給することにいたしております。そうでない者については、いたしておりません。
  54. 受田新吉

    ○受田委員 巣鴨におられる従来の方方と、今度比島から帰られて巣鴨へ入られた方々と、同じ牢獄の中で御苦労をされる方々の一刻もすみやかな釈放をわれわれは心から念願し、この運動を強力に展開しておるのでありますが、一方フィリピンから巣鴨に入られて、巣鴨から出られるときには帰還手当が出る。同じ立場から御苦労され、比島からおそく帰つた人とある意味では同じ苦労をされた巣鴨の人々が出るときに帰還手当が出ない、こういうことは、今後の問題としてわれわれは非常に不平等の感じを与えると思うのです。同じ巣鴨を出るときに、一方が帰還手当をもらう、一方がもらわぬということになると、われわれとしては、同胞愛に燃えた立場から、非常に不合理だと思うのでありますが、これをいかがお取扱いになるか、特に政府として何か努力しようとする意思があるのか、あるいは現状ではもうだめだということになつておるのか、いずれ大蔵省との予算折衝などもあるでありましようが、政府のこの方面の当面の事務責任者である長官としての御意向を伺いたいと思います。
  55. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 この点につきましては、私の方といたしましては、できる限り御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えておりますが、現在のところ、先ほども申しましたように、まだその話合いがついておらないわけであります。
  56. 受田新吉

    ○受田委員 大蔵省の方にお尋ねいたします。今私が申し上げたような趣旨で、フィリピンから帰られた方で、やがて釈放されるときは帰還手当が出るが、巣鴨で同じように苦労しておられた方は帰還手当が出ない、こういうことについて、財政の元締めをなさつておられる大蔵省当局として、当然これを平等に支給すべきであるという観点に立つておられるか、あるいは、たつた数百名のことであつて、数百万円のわずかな金であるが、それには出すことができぬというような考えを持つておられるのか、お伺いしたいと思います。
  57. 大村筆雄

    ○大村説明員 まず帰還手当を出す趣旨でございますが、これは、今回の中共からの三万への引揚げに際しまして、特に内地へ帰られて、すぐさま内地のかわつた生活に適応しにくいであろう、その間の生活資金といたしまして、またそれに多少御苦労さまというような意味も込めまして、今回初めて支給した次第でございまして、その趣旨から考えますと、外地から帰られた戦犯の方にも、すぐ内地で釈放される方には当然同じように差上げるわけでございますが、巣鴨に収容される方は、今後特別未帰還者給与法の積立金もございますし、巣鴨の中での待遇も相当考えて待遇しておる現状でございますので、そういう点から考えまして、すぐ釈放された方と同じように出すことは、帰還手当を支給する趣旨から言つてどうであろうかというふうに考えております。
  58. 受田新吉

    ○受田委員 この間、五名が、釈放されると思つてもどつて来たところが、釈放されないで、巣鴨に連れて行かれて、二、三日で釈放されたのであります。この方は、帰還してすぐ釈放されたものとして取扱うか、巣鴨に入つて釈放されたのでありまするから、もう巣鴨組と大蔵省はお考えになりますか、また援護庁はどういうふうにお考えになりますか。
  59. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 これにつきましては、当方といたしましては、巣鴨に入りまして出ましたものでありましても、向うから帰りましたときに当然支給すべきものであつたというふうに考えまして、支給いたしました。
  60. 受田新吉

    ○受田委員 そうすると、巣鴨に一ぺん入られたのですから、これは即時釈放で故国に帰られた人と違つて、巣鴨組と取扱われた方であります。それには出されたとなると、今後フィリピンから帰られて巣鴨に入られた人は、当然これに準じて出されることになつておりますか。それも政府としてははつきりしておるのかどうか。
  61. 木村忠二郎

    ○木村(忠)政府委員 ただいま御指摘の者につきましは、やはり出すことにいたしております。ただ、今渡しまするより、出たときに渡す方がよろしいと思いまして、出たときに渡したいと思います。
  62. 受田新吉

    ○受田委員 フィリピンから帰られた方にはみな出されるということがはつきりして、けつこうだと思います。ところが、今大蔵省の方の御説明では、巣鴨に従来からおられた方について、巣鴨は非常に待遇がいい――非常にとは言わなかつたけれども、相当待遇もいいし、いろいろ未復員者としての取扱いも受けておられるということですが、巣鴨におる人々が待遇がいいと思つておる人は、日本国民におらぬと思います。相当の待遇を受けておるというお言葉は非常に遺憾に思うのですが、あそこの独房で多年苦労しておられる人々がいかに苦痛であるか、これは、今度フィリピンから帰られて、あの巣鴨の刑務所の特殊バスで行かれる人を見送る家族の悲痛な面影が今思い出されますが、まことに言語に絶する苦痛です。この苦痛ある巣鴨拘置所で御苦労なさる戦犯の方々に、相当の待遇をしてあるので、出るときには帰還手当は出さなくともいいのだという考え方は、はなはだ妥当性を欠くと思うのですが、これから一緒に出られる人々は、フィリピンから帰られたる人々と、従来おられた人々と、みな巣鴨での御苦労は同じです。従つて今後、この帰還手当の支給されるようになつた六月二十日、引揚援護庁長官通牒以後の巣鴨釈放者に対しては、同等の帰還手当を支給して、多年の御苦痛にむくいる――おうちへ帰る帰還手当ですから、結局今までは外地で服務しておろうと国内で服務しておろうと、結局は国際的な責任における戦犯です。従つて、この服務の場所がたまたま外国にあり国内にあつただけの話であつて、自由な身分を彼らは受けていないのです。その受けていない人が初めて今度釈放されて故国へ帰るときには、当然帰還手当というものの性格、性質に該当すると思うのでありますが、この解釈はいかがでありましようか。巣鴨は、これはもう故国であり、相当待遇を受けておるので、結局今申されたような線で最後までがんばられようとするのか、あるいは、この際、今私が申し上げたことが妥当であるというお考えで、それは何とかひとつ考えたいというふうにお考えいただくか、その点、もう一度御意向を伺いたいと思います。
  63. 大村筆雄

    ○大村説明員 私どもの考えておりますのは、先ほど相当と申したのが非常にまた受田委員の誤解を受けたように思うのですが、私の考えておる気持も受田委員と同じ気持だと思うのです。ただ、その場合、私どもその処遇を考えておりますのは、ある程度拘置所でやつております社会保障の線に沿つた処遇というものを考えております関係上、ただいま考えておるような帰還手当の支給でいいんじやないかというふうに私ども考えております。
  64. 受田新吉

    ○受田委員 いいんでなかろうかと考えておられるわけですね。だから、これはまだどちらか曖昧模糊としておるわけで、そうしてはならないという意味ではない。内地の方の待遇がある程度社会保障の線に沿うておる、――これは、この考え方をぜひ切りかえていただきたいのです。これは、今ここにおる委員の皆さんも同等の意見を持つておると思うのですが、ぜひひとつ、この次に出る人がいつ出られるかわからぬ、近く出られる人もあるようですが、この際大急ぎで――総額はわずかなものですから、一万円ですから、七、八百人一齊に出たつて一千万円に足りません。この帰還手当を出されることによつて、いかに帰られる方々に光と希望を与え、その再起を促すことでありましようか。この一千万円に足らぬ金で祖国日本が明るく立ち上るということだつたら、たいへんな効果です。この点について、大蔵省として、ひとつお帰りになつて十分お考え願つて、御検討くださつて、早急に朗報をお聞かせ願うように要望しておきます。  それから、もう一つの問題は、これは委員長に要請し、またさらに外務省関係の方にもお尋ねしておきたいと思うことですが、フィリピン、マヌス島等から相次いで同胞の戦犯がお帰りになられたが、これは、われわれにとつては、長くこもつた憂さが一ぺんに晴れたような喜びです。ともにあの横浜にお迎えに行かれた政府の代表者も委員長も長官も、皆この点同様の喜びを感じておられると思う。ところが、この方々に対する釈放の喜びを国会で決議はいたしましたけれども、外国へ直接炉、の意思表示をしていない。従つて、われわれ特別委員会は、この戦犯者の問題を担当した立場からも、また引揚げる方々を担当する委員会の性格からも、この際フィリピン、濠州あるいは中共、またできればソ連の戦犯等の釈放に対する懇請を兼ねて、国民を代表する国会の代表者として、手わけして、これらの関係国に、戦犯の引揚げの感謝と、さらに今後の厚き御協力を懇請することを早急に実施したらどうかと考えます。庄司さんからも、先般予算委員会で、ソ連地区への代表派遣の御発言がありましたが、私も、九州の水害地においてあの新聞記事を読んで、非常に喜びを感じたものでありますが、もう躊躇なく――大山郁夫氏のあの発言が正鵠を得ておるかどうか、疑義はありましようが、しかし、ああいう空気の中にあるソ連に対しても、この際働きかけるときが来たんじやないか、中共へも勇敢に行くときが来たんじやないか、中共には特に感謝をしに行かなければならぬ、フィリピンと濠州にも感謝をしなければならぬ、こういう意味から、ひとつ委員長において早急にこの問題の取扱いをされ、委員各位にお諮りの上、閉会と同時にこれに手をつけるように、――間髪を入れずにやらなければいかぬと思います。また、政府としても、旅券の交付等に遺憾なきを期さねばいかぬと思いますし、また同時に、政府としても、政府側を代表して感謝の代表を差向けるべきでないかと思いますが、こうした代表を送る点に対して、援護庁長官はその担当者でありますので、援護庁長官としての政治的な立場よりも、そうした事務的な立場からの御見解、並びに外務省としてこういう際には旅券を交付するかどうか、課長の御発言をいただいて、私は質問を終りたいと思います。
  65. 庄司一郎

    ○庄司委員 議事進行……。ただいま受田委員よりの最後の御発言は、まことに、本委員会としても、また大にしてはわが国会としても、きわめて時宜を得たる、かつ公正妥当な御発言であろうと思うのであります。ただいま受田委員の発言中にもあられたように、去る本月八日予算総会において、私、予算委員の立場から質問申し上げたことですが、濠州あるいはフィリピンあるいはフランス等々において戦犯者を帰還させてくださいましたるその御好意に深く感謝すると同時に、また一方中共におかれては逐次在華同胞を帰還させておられる、しかるに、ソ連だけは何の音さたもない、あらゆる方法において、あらゆる手を通して、ソ連に抑留されておるわが同胞のすみやかな帰還をソ連当局にも要請して参つたのであるが、何らのお答えもない、たまたま、昨年でございましたか、病人あるいは戦犯受刑者等千四百何十名がおるいは戦犯受刑者等千四百何十名がおるというようなことがタス通信の紙上に表現されただけである、ソ連とは、もとより平和克復はなつておらないけれども、死亡者の氏名も発表されておらない、あるいは同名抑留しておるか、あるいは彼らの言うところのいわゆる戦犯者が同名おるか等々のことは、何発表されておらない、そこで、この際外務大臣におかれては、国会等より代表者が旅行券の交付を要請した場合に、あなたはパスポートを交付する御意思があるか、かような本員の質問に対して、外務大臣は、すでに九日の新聞紙上において発表せられました通り、旅行券は交付すると、はつきり明言されておるのであります。予算委員会の速記録に現われておりますので、間違いがございません。その際に、なお外務大臣は、幸いにも来月は国連の総会もあり、国連内の捕虜調査特別三人委員会等もあるので、わが同胞はもとより、同様に抑留されていまだ帰されませんところのドイツあるいはイタリーの軍人諸君もソ連よりすみやかに帰還させてもらえるよう、ドイツやイタリーの当局と連繋を保つて、提携して善処したい、かような旨の答弁があつたのであります。そこで、私は非常にうれしく思いました。ただ、その際、外務大臣は、わが政府は旅行券は発給するけれども、相手のソ連が入国関係に関するオーケーを与えるかどうか、それは必ずしも保証できないという、その面における悲観的な言辞がありましたけれども、旅券を交付するということは断言せられたのであります。でき得るならば、院議に諮り、本委員会よりすみやかに若干の委員をあげまして、ソ連抑留のわれわれの同胞を慰問することはむろん、また病院等に収容されておる同胞の慰問等はもちろんのこと、日本で言えば外務大臣にあたるモロトフ氏その他の要人に会いまして、すみやかに帰還さしてもらうよう――また十日ほど前の新聞には、ハバロフスク附近に約一千名以上のわれわれの同胞がおる旨の発表がありました。その真偽のほどはわかりませんが、たまたま大山郁夫氏とモロトフ氏との会見において、われわれの同胞を帰還させる用意があるような意味のお話があつた旨の報道もありました。まことに欣快にたえない次第と考えております。どうか、委員長におかれては、ただいま受田委員の発言せられた通り、中共に対しては感謝の意を十分に含めたるところのわが国会からの代表者をあげまして、また濠州あるいはフィリピン等々に対しては、感謝並びに巣鴨抑留のまだ刑期の残つておる人に対するところの刑の特赦赦免等に関する懇請をし、また国連の総会等にも、先般本委員会の委員長であつた中山マサ女史が行つてくださいました先例もあることでありまするから、ぜひひとつ若干各の代表者をあげて、それらの国々につかわされることができ得るよう、理事会あるいは本委員会にお諮りの上、善処をお願いいたしたい。同時に、外務大臣においては、すでにソ連に対してさえも旅券を発給する旨予算総会において述べられておるのでありますから、中共、アメリカ、濠州、フィリピン等々に対しても当然発給されるであろうことを本員は確信してやまないのであります。ただいまたまたま受田委員の御発言がありましたから、これに対して満腔の賛成の意を表しますので、委員長並びに外務省あるいは援護関係の厚生省等においても好意をもつてこの目的達成のために御高配を願いたい。
  66. 山下春江

    ○山下委員長 ただいまの庄司委員の御発言はまことに委員長も同感でございまして、時宜を得たるものと存ずるのであります。従いまして、次回の委員会におきまして、委員会の総意をもちましてこの問題を決定いたしたいと存じます。関係政府諸官庁におかれましても、全面的な御協力を賜わらんことを、前もつて委員長からお願いを申しておく次第であります。
  67. 臼井莊一

    ○臼井委員 私も、実は外務大臣に質問を行いたいことがあるのですが、本日はおいでにならないようでありますから、もし国会が延長にでもなりましたならば、すみやかに次の機会に外務大臣をお呼びいただいて、質問のできる機会をおつくり願いたいと思います。  ただ、一点お伺いしたいことは、先般の第四次の引揚げのときに、入国手続が済まないのに、陳情のため上京した者がある。これは、日本人であり、あちらに抑留されていた方でありますから、問題はないといたしまして、在日華僑があちらに送還される際には、出入国管理令というものがあるはずでございますが、どういう手続でこれが向うへ出て行くのか、その点をちよつとお伺いしたいと思います。
  68. 鈴木一

    ○鈴木(一)政府委員 ただいまお尋ねの、外国人が国外に出ます場合には、出入国管理令の適用を受けるわけですが、今回の華僑が中共に入ります際にも、やはり同様に適用を受けるわけであります。外国人が帰ります際には、外国人が日本におりましたときには外国人登録証明書をみな持つておるわけでございまして、それを日本に残して出ますときには出国の承認をいたしまして、本人が確かに日本を出るということを確認いたしまして出させるのであります。これを扱いますには、入国審査官を舞鶴に差出しておりまして、万遺漏のないように、その扱いにつきましては公正妥当を期しておるわけであります。
  69. 臼井莊一

    ○臼井委員 一応手続はやつておるように今の御説明では伺いますが、何か華僑総会が在日華僑であるという証明書を出してやつておるというようなことを聞きますが、そういうことはありませんか。
  70. 鈴木一

    ○鈴木(一)政府委員 元来は、普通の外国人でございますれば、パスポートを持つておるのでございますが、ところが、中国人の中には、戦争前から日本におつた者もあり、また必ずしも現在の中華民国、台湾政府に賛意を表しておらない者がある。そういう者で現在パスポートを持つていない連中もおるのであります。パスポートを持つておりません関係で、普通の正規の外国人が出ます場合と多少違つた手続があるわけでございます。特に、中共に帰ります際には、はたして中共に入るかどうか、それから、その人がはたして日本におつだその人物であるかどうかということにつきまして、さらに確かめる必要もございますので、たまたま華僑総会が間に立ちまして、そのあつせんをしてくれた。要するに、中共と日本との間に正式な国交がございません関係で、普通でございますれば、その国が出しましたパスポーを持つて自分の国に帰るのでございますが、パスポートを持つておらないような人が中共に帰るのでございますので、はたして中共でその人を受入れてくれるかどうかということが、われわれとしましては一番心配なのであります。従いまして、日本から出て必ず中共に入るということが確実でありますれば、われわれといたしましては、喜んで、希望に従つて一日も早く帰したい、こういう気持でございますが、向う側の受入れがどうできておるかということで、華僑総会が間に立ちまして、この人は必ず中共で受取つてくれるという一種の保証をいたしておりますので、そういう意味で華僑総会が間に立ちましてあつせんをしておるわけでございます。
  71. 臼井莊一

    ○臼井委員 そうすると、向うの方で確実に受入れてもらう、その一つの証拠といいますか、それがために華僑総会が証明を出す、その証明を出したのは確実に受入れてもらう、こういうことになつておるわけなんでありますが、私たち常識的に考えると、一つの国家としての慣例があり、そういう一つの法規的なあれがあるのに、華僑総会にあまりにも、一つの権力と言いますか、そういうものを持たせるということが、はたして妥当であるかどいうかということ、さらに、これが将来一体いつまで続くかという問題、これを実は外務大臣にただしてみたいのですが、国交が回復すれば、もう問題ないことになるのですが、そういう点について、引揚者たちとのにらみ合せがありますので、伺つてみたいと思つておつたのです。大体事情はわかりましたが、それは、その土地の市町村長の証明なんというものは別にとつていないのですか。以前からいた者であるというような市町村長の証明などとつておらないのでありますか。
  72. 鈴木一

    ○鈴木(一)政府委員 外国人でありますれば、外国人登録法によりまして、外国人登録証明書を持つております。外国人登録証明書は各市町村で発行いたしますので、一応身分がはつきりいたしております。ただ、問題は、中共に帰すということが問題なんでございまして、これをアメリカのパスポートを持つている者がアメリカにそのまま帰るということであれば、われわれの方は何ら引きとめる必要はないのでありますが、中共に関しましては、まだ国交ができておらない。従つて、帰す方法がないというのが現状でございます。そこで、ただいまのように、中共側の方との連絡がどういうふうにしてつくかということが問題になるわけでありますが、それは、華僑総会が間に立ちまして、中共側と話をして、この者は必ず向うで受取るということがはつきりいたしました者については、こちらは喜んで出してやるということになつております。ただ、このたびの引揚船以外に、従来も、大きい数ではございませんけれども、たとえばイギリス船で、天津でございましたか、数十名帰した例がございます。これなども、やはりわれわれの方から中共側に、こういう者が帰るのだという通知をする方法がございませんので、向うとは連絡できないというような、妙なかつこうになつておりますが、たまたま華僑総会が向う側に話まして、この者は必ず向うが受取るということがはつきりいたしましたので、それではということで帰してやつたというような例もございまして、今後外交が正規にもどりますれば問題ないのでございますが、もどらない場合には、便宜な方法で、希望があれば帰したいということでございます。
  73. 臼井莊一

    ○臼井委員 ただ、向うで受入れる証明なんですが、向うへの送還も、日赤に政府が委託し、向うの紅十字会がやつている。従つて、政府がいかぬということなら、日赤あたりから証明を出すという交渉をしなかつたのでしようか。あるいは向うで、華僑総会の証明なら入れということになつたのですか。この間もいろいろトラブルがあつて、この間の委員会にも証人が来ますと、いかにも日本政府の不当なことばかり鳴らしている。何も私は政府のちようちんを持つわけではないけれども、好意を示し、また費用も使つてやつているにかかわらず、ああいうふうに不平に思つているということは、われわれとしてもまことに遺憾でありまして、その意味において、むしろ日赤あたりにそういう証明などを出させるようなことができなかつたのか、あるいは交渉しなかつたのか、その点について伺いたい。
  74. 鈴木一

    ○鈴木(一)政府委員 表向きは日赤がやることになつておりまして、日赤の下請を華僑総会がやるということで、私は実情の方を先に申し上げたのでありますが、一応そういうことになつております。
  75. 臼井莊一

    ○臼井委員 そうすると、日赤の証明ということでは、向うで納得しなかつたのですか。その交渉をしなかつたのですか。先ほどのお言葉だと、受入れないと困るから華僑総会に証明をしてもらつたというふうなお話だつたのですが、日赤から証明を出すからというような交渉はなさらなかつたのですか。
  76. 鈴木一

    ○鈴木(一)政府委員 実は、私も現地に行つて交渉いたした者でありませんので、また聞きでありますが、あちら側で、団体が交渉をいたします際に、華僑総会で証明した者はうのみにするという申合せがあつたのであります。
  77. 臼井莊一

    ○臼井委員 これで終ります。     ―――――――――――――
  78. 山下春江

    ○山下委員長 この際、昨日本委員会に付託されました戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案を議題といたします。本決議案は、本委員会の委員全員が提出したものであります、お手元にある印刷物のうち正誤の部分がありますので、この際全文を朗読いたします。   戦争犯罪による受刑者の赦免に   関する決議案  八月十五日九度目の終戦記念日を迎えんとする今日、しかも独立後すでに十五箇月を経過したが、国民の悲願である戦争犯罪による受刑者の全面赦免を見るに至らないことは、もはや国民の感情に堪えがたいものがあり、国際友好の上より誠に遺憾とするところである。しかしながら、講和条約発効以来戦犯処理の推移を顧みるに、中国は昨年八月日華条約発効と同時に全員赦免を断行し、フランスは本年六月初め大減刑を実行してほとんど全員を釈放し、次いで今回フィリピンはキリノ大統領の英断によつて、去る二十二日朝横浜ふ頭に全員を迎え得たことは、同慶の至りである。且又、来る八月八日には濠州マヌス島より百六十五名全部を迎えることは衷心欣快に堪えないと同時に、濠州政府に対して深甚の謝意を表するものである、かくて戦犯問題解決の途上に横たわつていた日取大の障害が完全に取り除かれ、事態は、最終段階に突入したものと認められる秋に際会したので、この機を逸することなく、この際有効適切な処置が講じられなければ、受刑者の心境は憂慮すべき事態に立ち至るやも計りがたきを憂えるものである。われわれは、この際関係各国に対して、わが国の完全独立のためにも、将又世界平和、国際親交のためにも、すみやかに問題の全面的解決を計るべきことを喫緊の要事と確信するものである。  よつて政府は、全面赦免の実施を促進するため、強力にして適切且つ急速な措置を要望する。  右決議する。  これに対して御発言があれば承ることにいたします。――他に御発言がなければ、本決議案について採決いたします。戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議案を議決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 山下春江

    ○山下委員長 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  次会は公報をもつてお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時二十一分散会