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1953-02-27 第15回国会 衆議院 電気通信委員会 24号 公式Web版

  1. 昭和二十八年二月二十七日(金曜日)     午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 橋本登美三郎君    理事 中村 梅吉君 理事 有田 喜一君    理事 松前 重義君 理事 原   茂君       岩川 與助君    砂原  格君       貫井 清憲君    羽田武嗣郎君       本間 俊一君    松村 光三君       淺沼稻次郎君    阿部 五郎君       山田 長司君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 高瀬荘太郎君  出席政府委員         郵政事務官         (電波監理局         長)      長谷 慎一君  委員外の出席者         参  考  人         (日本放送協会         会長)     古垣 鉄郎君         参  考  人         (日本放送協会         理事)     岡部 重信君         専  門  員 吉田 弘苗君         専  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 二月二十六日  日本放送協会昭和二十六年度財産目録、貸借対  照表及び損益計算書 の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の  承認を求めるの件(内閣提出、承認第二号)     ―――――――――――――
  2. 橋本登美三郎

    橋本委員長 これより開会いたします。  放送法第三十七条第二項の規定に基き、国会の承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。本日の参考人として日本放送協会古垣鉄郎君及び理事岡部重信君がお見えになつておりますので、質疑は政府当局と並行して行いたいと思います。質疑の通告があります。松前重義君。
  3. 松前重義

    ○松前委員 放送協会の予算につきましては、私の御質問申し上げたいと思つておりますことは昨日松井委員より御質問申し上げて、ある程度満足な御答弁を得たというお話でありますので、その点はここで省きまして、大臣にちよつとお尋ねしたいと思います。  NHKの予算の内容を見てみますと、放送というもののすべての面において網羅した放送をやつておられる、このように見受けられます。もつとも公共性を具体化するためには、当然そのような放送が必要であろうとも思われるのでありまするけれども、民間放送もあることでありまするし、民間放送とのある程度の、何と申しますか、それぞれ特徴を持つた放送体系というものができ上らなければならないと思うのであります。NHKの予算の内容の御説明を伺つておりますと、教育放送その他をおやりになることは公共的な立場において当然であると思うのでありますが、これら両者の関係は、ただ広告を入れて料金をとるというのが民間放送の建前であるように、その辺が境目であるような感じがいたします。これらに対して根本的な放送内容の振りわけというか、あるいは使命づけといいますか、それらについて、ある程度具体的に――抽象的でなく政府のお考えを伺いたいと思います。
  4. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 ただいま御質問にありましたように、NHKの放送につきましてはその性質上、特に公共性を強調しなければならないという点においては、まつたく同感であります。しかし今までの放送におきましてNHKと民間放送との間にその点ではつきりした違いが出て、十分であるかどうかということにつきましては、私はまだ疑問を持つ点もございます。ですからNHK放送につきましては、お話のありましたような意味でもつて、民間放送とは違つた特性をはつきり出すようにして行かなければならぬと考えておるわけであります。しかし御承知のように、具体的にプログラムに対して監督官庁が干渉するということはいたしておりませんので、そういう方針を始終NHKに対しては強調いたしまして、特色を十分発揮させたいということでやつておるわけであります。
  5. 松前重義

    ○松前委員 どうも抽象的でわかりませんが、その点につきまして古垣会長にちよつとお伺いいたします。
  6. 古垣鉄郎

    ○古垣参考人 私からお答えいたします。ただいま大臣のおつしつやいましたような線に沿つてやつているわけでありますが、御承知のようにNHKの番組におきましては、公共性を強く発揮するという意味において、国内向けの放送番組におきましても五五%以上の番組を、公共的と申しますか、報道とか教養とか、そういう方面に使つております。それから娯楽、慰安というような番組、これも決して公共性がないというようなものではありませんけれども、国民全体の娯楽、慰安という面の番組に対しましては、四三%余りというような比率をもつて番組を組んでおるのでありまして、この点が商業放送の番組の比率とは大分遠うかと思います。それからまた内容におきましても、健全な娯楽、慰安ということを絶対的な条件としていたしておるのでありまして、その間どこからも干渉は受けないのであります。私どもは聴取者、国民全体と直結して、国民全体の要望するところ、必要であるもの、あるいは望むものを直接にくみとりまして、番組を組んでおりまして、その間に、中間にいろいろの制約というものは受けないでやつておる、そういう点で違うと思います。
  7. 松前重義

    ○松前委員 プログラムの公共性を保つ意味におきまして、国民と直結するというお話がありましたが、これは具体的に申せば、何か審議会のようなものでもつくつて、国民の意図を反映せしめておられるのでありましようか。その点をひとつ……。
  8. 古垣鉄郎

    ○古垣参考人 その通りでございます。まず協会で番組の基本的な編成方針を経営委員会で決定いたしまして、そうしてその基本的な方針に従いまして、今度は番組を具体的に組んで行くわけでありますが、それには東京の本部に放送番組審議会というのができております。これは部外の権威者、あらゆる方面の意向を代表するように勘案いたしまして二十名近くの委員をお願いしまして、放送番組審議会ができております。なお国際放送についても、同種の審議会ができております。それからさらに音響の点、到達の点等におきまして、放送技術の同様な審議会もございます。これが本部が中心的な審議会でありますが、なお各地方局ごとに各種の審議会があるわけでございます。それから今度は細目、各項にわたりましては、解説であるとか、学校放送であるとか、視聴覚教育であるとか、映画、読書、宗教、農事、水産、婦人の番組等々、各項目の問題ごとに非常にたくさんの委員会ができておりまして、その委員会等で、また専門の問題について番組を検討いたしております。地方におきましても、その地方の特色に応じまして農事番組とか漁業の番組、あるいは青少年の番組といつたように、その地方の地方文化の傾向から、それぞれの委員会を持つております。そういうようなたくさんの委員会、数十の委員会によつて、中央、地方等で番組を検討いたしまして、国民の要望というようなものを検討いたします。それからまた輿論調査というものがございます。放送局文化研究所におきまして、輿論調査ということをいたしておりまして、定期的に聴取者の番組に対する反応を調査いたします。それも材料にいたします。それから投書、新聞、雑誌その他の部外の出版物の反響というものも、この文化研究所で検討いたします。大体そのようなこちらの自主的なものと、外部の反響と投書――投書は毎日非常にたくさん参つております。そういう投書をも分析し検討いたしまして、国民の要望がどこにあるかということを絶えず検討して、番組を組んでおるわけであります。
  9. 松前重義

    ○松前委員 大体わかりましたが、ただいまの各種の審議会をつくつて、その意見を反映して放送番組をきめておられるという仕組みは、非常に妥当であるという気がいたします。ところがその審議会その他の諮問されます方々の選定は、何か基準をお持ちになりますか。
  10. 古垣鉄郎

    ○古垣参考人 基準といたしましては、やはり経営委員会の意向を聞き、また経営委員会の審議を経て、最終的に決定いたしますが、私どもとしましては協会の全機能を動員して、そうして協会の自分の責任においていたします。それを公表し、発表いたしております。
  11. 松前重義

    ○松前委員 しからばその経営委員会はどういう基準で御選定になつておりますか。放送協会自体の御意思で委嘱されておるのか。
  12. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 経営委員の任命は、法律によりまして総理が任命いたすことになつております。国会の承認を得まして委嘱するということになつておりまして、地域的に八地域から各業界の代表を選びまして、総理が選任をし、国会の承認を得て決定することになつております。
  13. 松前重義

    ○松前委員 大体仕組みは了解いたしましたが、民間放送の方はどういうことになつておりますか。
  14. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 私からお答え申し上げます。民間放送といたしましては、民間放送連盟という、相互の共通目的、あるいは共通問題の処理のために、連盟組織が設けられておりまして、民間放送といえども公共性を無視した放送を行うということは、ひいてはその民間放送の事業にも影響して来ることでございます。自律的に放送番組の基準をつくつておるのでございまして、いわゆるラジオ・コードが民間放送連盟を中心といたしまして制定せられて、それを基準にして各社がそれぞれ番組の編成、あるいは放送の実施を行つておる状態でございます。
  15. 松前重義

    ○松前委員 大体わかりましたけれども、先ほど大臣の御説明で伺いますると、まだ放送協会の公共性と、それから民間放送の放送いたしまするその内容、この間の差というものが、われわれ聴取者として聞いておりまして大体わかることはわかりまするが、それは広告の面だけでわかるので、大勢としてはそう大きな開きを感じない点も多いのであります。もちろん教育放送だとか、婦人の時間その他で、NHKの方が相当に努力をしておられるのでありますけれども、いずれにいたしましてももう少し明確な、具体的な基準ぐらいはあつてもさしつかえないのじやないか、そうでないならば、民間放送広告が入るから無料である。あるいは放送協会は広告が入らないから有料であるというようなことだけでは、まだその境目がはつきりしないという感じがするので、この点につきまして何らかの具体的な、その間の差別と言えば何でありますが、大体の方針を相当具体的におきめになる御意図はありませんか。
  16. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 お話のような点におきまして、十分研究しなければならないということは考えております。現在のところは御承知のように、ただいま古垣会長からお話がありました程度のことしかきまつておらないわけで、これでは具体的にあまり明確にならないというようなことで、もつとはつきりと具体的な基準というようなものをつくる必要はないか、こういう御意見でありますが、ただいままでの経験から申しますと、そういう問題もむろん研究をしてみなければならないと思つているわけであります。ただ私どもの考えでも、放送をいたしましても聞く方が聞いてくれないと何もならないわけでありまして、聞く方から申しますと、やはりある程度興味を持つて聞くというふうな内容が必要になつて来るというようなところから、教育放送にいたしましてもあまり無味乾燥な放送になりますと、ついみんなが聞かなくなつてしまうというようなところから、放送協会といたしましても非常に苦心もあるのではないかと思つております。御質問のありました点につきましては、私も聴取者の一人として聞いておりまして民間放送の特殊性をまだ十分発揮しておらないということは感じておりますので、それをどうしたらいいかということについては研究をいたしたいと思つております。
  17. 松前重義

    ○松前委員 郵政省には電波監理委員会でございますか、それから技術の方の委員会はお持ちのようでありますが、放送全体に関する何か審議会のようなものをお持ちになりまして、その意向を反映するごとによつてこれらの問題を民主的に指導と申しまするか、大体これに特徴づけて行くというような方向を持つという具体的な何かの御施策をお持ちであるかどうか伺いたいのであります。
  18. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 現在のところでは、そういう問題は放送協会の中の経営委員におまかせをして、考えてもらうというふうになつておるわけであります。郵政省の中では、御承知のような電波審議会というのがありますけれども、これはもつぱら許認可事項を審議していただくということになつておりまして、放送直接の問題は郵政省があまりこまかいところに干渉をしませんで、協会自体の自主性にまかせるという立場をとつておつて、協会の中の機構として経営委員会というものをつくつて、ここで検討をしてもらつて行くというようになつておりますので、郵政省の中にお話のような委員会をつくつて、放送協会の活動に対して相当直接的な、一種の拘束のようなものを加えることは適当ではないと私は考えておるわけであります。
  19. 橋本登美三郎

    橋本委員長 郵政大臣は十二時に余儀ない約束があつて出られますので、本日は十二時までで御了承願いたいという申出がありましたので、もし郵政大臣に緊急にお聞き願わなければならぬことがありますれば、その点時間を見て御質問願いたいと思います。
  20. 松前重義

    ○松前委員 郵政大臣には時間がないそうでありますが、私が大臣に御質問申し上げたいのは、放送だけの問題ではなく、公衆電気通信法案、有線電気通信法案にわたる問題がたくさんあるのであります。きようはそちらの係の方がお見えになりませんので、今御質問申し上げてもお気の毒な感じがいたしますが、よろしうございますか。
  21. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 実はきようの午前中は放送協会の予算についての御質問がもつぱら行われるというふうに了解をしておりましたものですから、三法案に関連する係官は見えておらないわけであります。ですからきよう午後もし御続行になるとすれば、午後それらの係官を呼びまして、私も出て御質問を受けるというふうにしていただきますと、たいへん都合がよいと思います。
  22. 松前重義

    ○松前委員 それではほかにこの問題に関して大臣に御質問のある方があつたら、ほかの方にお譲りいたします。なければ続行いたします。
  23. 橋本登美三郎

    橋本委員長 原茂君。
  24. 原茂

    ○原(茂)委員 私は昨日終りころに大臣に緊急質問を申し上げたわけです。昨日はまだ御存じなかつたわけですが、本日は新聞にあの問題が出ておりますので、おそらく御存じでありましようけれども、どんな程度の御調査があつたか、詳細については午後からの公社側の御出席があつた場合にお聞きしたいと思います。私は緊急措置として安全保障が確立されないうちに、千代田丸に出航させるようなことのないようさしとめの措置をお願いしたいと申しましたことに対して、どういう措置を講じられたかこれだけを伺いたい。
  25. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 お話を伺いましたので、委員会を終りましてからさつそく郵政省としては、監理官に命じて調査をさせているわけであります。しかし御承知のように昨日終りましたのが六時でありますので、調査をいたすとしても非常に困難なことであります。ですから調査の結果については、午後のそれまでにわかりましたことを申し上げるごとにいたしたいと思います。
  26. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣の時間がないので調査ができなかつたということは了承いたしますが、今あの水域は国際的に紛争の拠点になつている場所である。出航命令として長崎に一日までに回航せよと言われている事態に対して、半日でもあるいは一時間でもあつたら、もつと真剣に徹底的な大臣自身が乗り出しての御調査を願いたい。このくらいに国民大衆に対する愛情と申しますか、所管大臣としての責任を痛感をして、もつとやつていただきたい、このことを希望しておきます。
  27. 橋本登美三郎

    橋本委員長 山田長司君。
  28. 山田長司

    ○山田(長)委員 郵政大臣の意見書を見ますと、昭和二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画は、協会の業務運営を指導統制する経営委員会が慎重に検討をされて、経営の適正をはかつて決定したものと認めるとあります。ここにおいて放送法の規定と照し合せて、政府と協会側に一応伺いたいと思うのでございます。放送法第十四条によりますと、収支予算、事業計画及び資金計画は経営委員会議決を経なければならないことになつているが、これは同法の十三条の二項の経営委員会権限、責任中の経営の方針の決定か、または業務の運営の指導統制か、そのいずれに属するかについて、大臣の意見では業務の運営の指導統制と見ておるのでありますが、その見解についてはどうなのでありますか、伺いたいと思うのであります。
  29. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 お答え申し上げます。放送法第十三条を見ますと、「経営委員会は、協会の経営方針を決定し、且つ、その業務の運営を指導統制する権限と責任を有する。」ということになつておりまして、意見書では「経営方針を決定し」ということが抜けておるのでありますので、御質問のようなことが出て来たのではないかと思いますが、決して経営委員会が、協会の経営方針を決定するということを無視しておるわけではございませんので、御了承を願いたいと思います。
  30. 山田長司

    ○山田(長)委員 放送法第十四条に言うところの業務の運営の範囲と、この事業計画中の三に掲げられておる事業運営計画のラジオの1のハの業務と、テレビジョンのハというところの業務関係の業務運営の範囲とは、必ずしも一致していないと思われる点があるのですが、さように解していいかどうか。
  31. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 お答え申し上げます。ただいま御指摘になりました二十八年度の放送協会の事業計画のうちで、事業運営計画という項のうちのラジオの国内放送の項につきまして、要員関係、放送関係、業務関係、管理関係、技術研究関係その他にわかれておりますが、その業務関係というのは、放送法でいう日本放送協会の行う業務ということと一政していないのではないか。こういう御質問のようにお聞きいたしますが、その点は確かにお話の通りで、ございまして、法律で申します放送協会の行う業務というのは、放送を行うために放送局を設置しましたり、あるいはこれを運用しましたり、プログラムの編成、要員関係、すべてが放送協会の行う事業に伴う業務でございますが、ここで今御審議をいただいております来年度の事業計画の中で、今申し上げましたように、細分してございますところの第三項の1のハに申しております業務関係と申しますのは、協会で便宜しただいま申し上げましたように、人件費に要する要員関係、あるいはプログラム関係その他の放送関係、それから管理関係、技術研究関係、その他減価償却費のものと、それ以外の点を従来から業務関係と俗称申しておりましたので、そういう名前をとつたのでございますが、これは受信の契約関係、それから料金の徴収関係、いわゆる加入及び料金関係を、協会内部で前々から業務関係の仕事と申しておりましたので、従来からその言葉を踏襲しております関係上、今御指摘になつたような、その間の字句の上での不一致が出たように思いますが、そういう関係になりますので、御了承願いたいと思います。
  32. 山田長司

    ○山田(長)委員 収支予算、事業計画及び資金計画に対する議決は、委員会の指導統制の責任に属するものと見られますが、放送法の第十四条の業務の運営、それから運営計画の業務とは一致しないと言われる。そうするとこの収支予算、事業計画、資金計画をここまで運ばれるに至つたことについて、それから業務運営の一面に属するものである、さつき松前委員が言われた経営委員会ですが、これらの問題について委員会が指導し、あるいは統制の役割をしていると思いますが、非常に広汎な分野にわかれていて、くふうの労は容易でないし、練達堪能の士がたくさんおられておりますることはよくわかるのでありますが、これははたして委員会も何もなくうまく運営ができているものかどうか。  それから放送法が施行されて三年余になつておるそうでありますが、委員会の実情を相当こまかく知りたいのはわれわれなのですが、そういう点についてこまかく御説明ができますならば、されたいと思うのです。三年たつと委員の任期が切れるというようなことがありますが、私残念でありますが今までこの練達堪能の士の八人の名前も知らないので、ついでに教えていただきたいと思います。
  33. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。なお放送協会自体のことに関連する事柄もあつたように存じますが、それらの点につきましては、放送協会の会長からも追加してお答えをいただきたいと思います。御質問に対しまして順序が不同になるかと存じますが、はなはだ恐縮でございますが、その点御了承願いたいと存じます。  まず放送協会の経営委員の方々でございますが、東京地区から選出されておられますところの矢野一郎氏、中京地区から神野金之助氏、近畿地方から西彦太郎氏、中国地域から大原総一郎氏、四国地域から則内ウラ氏、九州から福田虎亀氏、東北地区から遠藤後一氏、北海道から宇野親美氏、それらの方々が委員として任命されておるわけであります。なお法律に基きまして放送協会の会長も委員の一名に加えられております。今申し上げた方々の中で、西彦太郎氏は、前に本野享氏が委員でありましたのが、おなくなりになりましたので、後任として西さんが選任されております。また遠藤後一氏は、昨年前任の古宇田氏の後任として選定されておられます。追加して申し上げます。近く任期が満了されまして、改選期に到達される方を御参考までに申し上げますと、矢野一郎委員と福田虎亀氏でございます。
  34. 古垣鉄郎

    ○古垣参考人 ただいまの長谷局長の御説明に追加いたしまして、経営委員会の現在までにおける仕事ぐあいというようなことについて申し上げます。ただいまもお話がありました通りに、経営委員会の委員八名は、協会の会長とともに経営委員会を組織いたしまして、昭和二十五年六月、日本放送協会が新法人として発足いたしまして以来、国民的な立場から協会の経営方針の決定、業務運営の指導統制に当つております。現在までにすでに三十三回の会議が行われておりますが、大体月に一回の会議を開いております。全国八地区から集まつて来られる委員が、毎月一回の会議にはほどんど全部出席して、欠席なくこの三年間熱心に審議をかわしておられます。その他必要がある場合には、臨時の会合も開いたことがございます。そういたしまして、先ほど御指摘の放送法第十四条に定められております議決事項につきましての熱心な審議はもちろんでありますが、協会業務執行につきましても、有効な指導的な意見を提案され、その提案を審議して、その結論に基いて、協会の業務運営が進められておるのであります。またこの経営委員会の各委員に対しては、調査その他の事務機関をつけまして、東京には専任の職員を置いております。地方の委員に対しましても担当者を配置いたしております。さらに東京の委員であられる矢野一郎氏は、同時に委員長の地位についておられますが、委員長は毎週一回放送協会に出勤されて責任を果しておられます。また必要があつて当方よりは協会の事務当局、役員等、毎日のように連絡いたしておるのであります。  委員会におきまして決定されましたおもな事項を今申し上げますと、一、昭和二十六年、二十七年、二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画、二、昭和二十五年、二十六年度の収支決算、三、放送網の計画、四、放送局の新増設及び廃止、五、放送番組編成方針、六、放送準則、七、定款の改正、八、受信規約及び受信料免除基準の制定並びに改正、九、放送債券の発行、十、借入金、十一、役員の報酬、十二、職制及び業務組織の改正、十三、昭和二十六年、二十七年、二十八年度事業運営方針、十四、テレビジョン放送実施計画、十五、職員の給与基準、十六、経営規程、十七、経営委員会運営規程等がございます。この間に先ほど長谷局長からも申し述べられましたが、経営委員会の委員八名が、最初は一年、二年、三年の任期で、八名のうちの二名が三年、三名が二年、三名が一年ということで任命されたのでありますが、一年委員の本野さんが任期まぎわにおなくなりになりまして、その後任に西彦太郎さんが三年の任期で就任されました。また二年任期の古宇田さんが任期を終られまして、そのあとに遠藤委員が就任されたというようなことがありますが、神野金之助さん、大原総一郎さん、則内ウラさんは、それぞれ再任されまして現在の状態であります。そういたしまして今年任期満了される委員は、先ほど長谷局長からお話がありました矢野委員長と福田委員でございます。
  35. 山田長司

    ○山田(長)委員 第十五条によつて、委員会は、委員のほかに会長をもつて組織されることはわかりますが、その会務の総理は委員長であつて会長ではない。それから第二十六条に「会長は、協会を代表し、経営委員会の定めるところに従い、その業務を総理する。」とありますが、重要業務を執行するにあたつて、第二十六条による理事会の審議を経ることになるが、従つて統制機関と実務機関の責任の区分が、何か明らかでないような感じがするのであります。かりに委員会の指導統制の権限が、委員会の構成員たる会長の献策に基いて左右されたり、あるいはこれによつて調査や、あるいは検討や、立案、指導というような面が実務機関において行われるということになれば、明らかにこの責任の区分を乱すものではないかと思うのですが、これについて経営委員会は、その権限と責任の完全なる実践をはかるために、実務機関と分離した相当の補助機関を必要とするのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、これについての御所見を伺いたいのでございます。
  36. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 経営委員会の機能を十分発揮するにつきましては、お話のような手足になる補助機関を持つということも望ましいと考えられるわけであります。しかし経営委員会は、御承知のようにその主たる仕事が監督の任務でありまして、実行の機関ではないわけであります。従いまして経営委員会と協会の方とやはり協力をいたしまして、経営委員会として必要な事務方面のことも協会の方の手足を使つてやるということにいたせば、適当にやれるのではないかと思つているわけで、その方が経費の節約という点からいえば最も望ましいわけであります。御承知のように政府にあります行政委員会でも、委員のスタッフは設けてないようなわけで、事務局がこれをやつておるというような関係もございますので、そういうような方針でできている次第であります。
  37. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 関連して……。経営委員の氏名を発表していただいた際に、地域代表の意味で出されたのですが、私は法文を読んでおりませんから、法文で地域代表と規定してあれば、法律を改正しなければならぬと思うのですが、やはり聴取者の立場あるいはラジオの公共性というようなことを考えてみれば、一面において地域代表を選ぶこともけつこうであるけれども、やはり国民の階級構成というものも考える必要があるのではなかろうかと思うのであります。そういう立場から考えれば、今あげられた人たちの中には、中立的な人があるけれども、資本家的な人が多くて、勤労者の代表は入つておらぬようですが、案外利用者の方からいえば、勤労者がよけい利用しておると思う。そこでそういう階級層を代表した者を入れて経営に当らせる、私はそう考えるのが至当だろうと思うのです。かりに法律にそういうような地域代表という規定がありますれば、妥当ではないと思うのでありますが、要するに各階層の代表を加えて運営委員に充てる。ことに勤労者の代表は加うべきであると考えるのでありますが、大臣の御見解を伺いたいと思います。
  38. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 委員の任命につきましては、放送法第十六条によつて任命をいたすわけでありますが、地域につきましては十六条の2に「前項の任命に当つては、別表に定める地区に住所を有する者のうちから、各一人を任命しなければならない。」ということが書いてあります。それからその地区に住所を持つ者から選ぶ基準といたしましては、十六条の一項で、広い経験と知識を有する者のうちから、教育、文化科学産業その他各分野が公平に代表されることを考慮しなければならない、こういうことが書いてありまして、この基準によりまして任命しておる次第であります。
  39. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 その条文によつて任命されるということですから、地域代表であることもあり得ると思うのであります。しかし私はこれは妥当ではないと思うのであります。一人で国民のすべての階層を代表するという人はあり得ないと思うのであります。たとえば矢野一郎氏を考えてみますならば、これは資本代表であることには間違いないのであります。従いまして他の部面においては、これにかわるべき勤労者の代表を入れる。しかも東京なら東京を地区として考えてみれば、東京の方は案外勤労者の方が代表的に人が多いかもしれません。そういう意味からいえば、少くとも中立的な人を選ぶということが一番妥当性が多いと思うのでありますが、公共企業体の経営委員長には、すぐ資本家の代表的な人が現われて来る。そうすると、案外われわれ利用者から見れば、これはもう少し中立性があつていいのじやないかという考えが出て来るのですが、そういう考え方はどうでしようか。
  40. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 お話のような点も、放送を民主化して公平にやるという点からいえば、考慮しなければならぬ点もあるかと思います。条文の方では、別にそうしなければならぬとか、それを制限するとかいう意味はありませんですが、まあ経営委員の任命につきましては、十分そういう点も考慮して考える必要があると思います。
  41. 淺沼稻次郎

    ○淺沼委員 そこで希望を申し上げますが、そういうことをやるとすれば、やはり地域代表を一名というところに矛盾があろうと思うのでありまして、こういう地域と階層をどういうぐあいに調和するか、そういう点をお考えになつて、将来別表をかえる場合において法律をかえなければならぬということがありますならば、そういう点を考慮の上お考えを願いたいと思うのであります。というのは、放送局の仕事は、国の耳を扱つておると思うのであります。またテレビジョンができてからは加えて国の目を扱つておるものだろうと思うのであります。国家の目を扱い、国家の耳を扱つておる者は、階級的に見て、一部の階級に寄つた人たちによつて運営されておるということは、当を得たものではないと思うのであります。またここで働いておる人たちは――これはあとで給与の問題等がございますが、非常な文化的施設ではあるけれども、国の目と耳を扱つておるという上においては、重大な仕事をやつておるのでありますから、目がとまり耳がとまるというときを想像いたしますならば、世の中がかわつたときであろうと思うのであります。よく変革が国内にあつた場合において、放送局の占拠というようなことが行われることを私どもは歴史の上において見るのでありますが、そういうことを考えてみればみるほど、従業員の待遇については、他の産業に比して私は相当考慮すべきではなかろうかと思うのであります。一万五千八百四十七円、こう聞いておりますが、これは必ずしも妥当ではないと思うのであります。今申し上げました与えられた使命の重大性にかんがみまして、この人たちのサラリーの問題についてはもつと私は考慮すべきだと思うのであります。一割の引上げ程度で妥当であるとお考えになつておるものであるかどうか、これもお考え願いたいと思うのです。しかもそのことは国の目と耳を扱つておる従業員であるということにお考えを願いたいと思うのです。
  42. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 地域性につきましてお話がありましたが、この問題はなお研究してみたいと思つております。なお職業についての、あるいは作業についての階層の問題でありますが、これもむろん選定の場合考えるべき要素と思います。しかし国会の承認を求めなければならないということにもなつておりますから、国会の方でも、そういう点はお考えになるというようにいたして行きたいという考えでおります。
  43. 山田長司

    ○山田(長)委員 最近次々に民間放送が生れて来ておるようでありますが、さらにまた最近中央放送とか、教育放送とか、あるいはラジオ経済とかいうような放送会社ができるそうでありますが、こういうものを考えてみまするときに、はたして民間の会社が次々にできて経営がうまく行くものかどうかという懸念が一つ、それからもう一つは、こう次々と会社ができることによつて――現在の会社の状態では非常に経営がうまく行つておるそうでありますが、スポンサーがこういう放送に一応みなつくことによつて、われわれの立場から考えてみますると、大資本を持つているスポンサーは一応息をつくであろうけれども、中小企業家というものは、これによつてだんだん貧して行くのではないか、こういうことが考えられるのでありますが、一体これから先、民間放送を東京地区を中心として次々とお許しになられるものかどうか、一応これを伺いたいと思います。
  44. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 お話のように各地方からローカル放送開設の希題がずいぶんだくさん出ておるということは事実であります。それをどんどん許すかどうかという問題でありますが、これはやはりそう軽率に簡単には決定できないと思つております。第一経営の方面から申しましても、民間放送としては広告収入によつてまかなつて行かなければならない。日本として広告収入の負担力というものは、どの程度であるかという限度もありまして、それも参考に考えて行かなければなりませんし、電波の周波数の問題もありますし、いろいろな面から慎重に考慮して決定して行かなければならないと考えておる次第であります。
  45. 山田長司

    ○山田(長)委員 こういう問題について民間会社でもし実施をしたいというものがあるとするならば、はたして許されるものかどうかということに、私は一応疑念を持つておりますので、これについて当局の御意見を承りたいと思うのであります。聞くところによると、ラジオ東京に生長の家という宗教団体が、料金は今までの料金でさしつかえないから、どうしても時間をとつてくれといつて交渉をしておるそうであります。それでその放送の内容は、この宗教を信じて拝みますと、原爆でやけどをした人でも平常の形になる、とにかく医学でなおらないものが、この宗教を信ずることによつてなおるのだという、こういう原稿がラジオ東京に持ち込まれたそうであります。ラジオ東京の方としては、お得意さんでありますから、それを扱うか扱わないか、目下審議中だそうでありますが、こういうちよつと考えられないような原稿が民間放送に持ち込まれて、次々と放送会社ができた場合には、経営難からあるいはこういうものでも扱うようなことが考えられないことはないと思うのです。ラジオ東京の場合には、現在これについての研究がなされておるそうでありますけれども、少くとも文化的の使命の先端を行かなければならない大きな役割をする放送事業というものが、経営難に陥るような事態があつて、こういうものでもなおかつ扱つて放送するような事態を考慮いたしまするときに、私たちとしては、少くともどういう形においてか、やはり指導育成する面があつていいのではないかという感じがするのでありますが、これらについて大臣はどういうお考えでありますか、伺いたいと思うのでございます。
  46. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 民間放送の放送内容につきましては、放送法第四十四条に協会の放送内容についての制約が書いてありまして、これがやはり適用されることになつております。それによりますと、公安を害しないこと、政治的に公平であること、報道は事実をまげないですることというようないろいろの制約がありましてこの制約を民間放送も守らなければならないという義務が規定されております。そうしてそれに反する場合はもちろん処置しなければならないわけでありますが、思想統制とか信仰の統制とかいうようなことは、民主主義から申しまして、慎まなければならないという立場から申しますと、郵政省監督官庁として内容につきまして、あまり統制的なことはしない方がいい、こう考えておりまして、こういうような制約によつて義務づけること、そのほかは刑法の規定等によりまして、これを取締つて行くというようなことでよいのではないかと思つております。
  47. 山田長司

    ○山田(長)委員 四十四条の規定にそういうことがあると大臣はおつしやられますが、これは現在民間放送会社には適用されていると感じていないのでございますが、そういう点を一応伺いたいと思います。
  48. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 私から補足して御説明申し上げます。ただいま大臣から答弁が、ございましたように、放送法の四十四条に放送番組の編成の方針、規制が掲げてございますが、なお一般放送事業者、これはいわゆる民間放送と申すものに属するわけでございますが、この一般放送事業につきましては、同法第五十三条に同じく放送番組の編成につきまして「第四十四条第三項の規定は、一般放送事業者準用する。」という規定がございます。この規定によつて、先ほど大臣から申し上げましたような基準が、一般放送にも当てはめられておることになつております。
  49. 山田長司

    ○山田(長)委員 テレビの発達については昨日も問題になりましたが、何といつても受像機の問題だと思うのでございます。この受像機の問題について政府は何か特別な考慮を払われて、開発銀行などを通しての融資が考えられておるというような話がありましたが、この問題について私は一応こういう案を持つておるのですが、これについて何か考慮されるものかどうか、こう思う。最初つくりますときには、相当な金額がかさむけれども、数をたくさんつくるようになつて来た場合においては、これがおそらく廉価で販売することができるようになると思われるのですが、多くの会社テレビの機械をつくるためには、最初思い切つて安くこれが需要者に使用できるようにして、そしてその分だけをどういう形でか一応融資をしてやつて、これを普及するというような方向にはできないものかどうか、こういうことでございます。その点について方法を伺いたいと思います。
  50. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 その問題につきましては、昨日の委員会でお答えいたしましたように、通産省と十分連絡をいたしまして、できるだけ開発銀行からの融資のあつせんをするということはやつているわけであります。ただいまの御質問の要点は、そういうような方法でもつと巨額のものを融資して、早く受像機が一ぺんに多くできるような法法を講じたらどうか、こういうような御質問ではないかと思います。聞くところによりますと、ただいままだ特許権の問題等もはつきり解決をしておらないようでありまして、これはいずれ近く解決するという話でありますけれども、解決のはつきりしない点もあるそうであります。しかしこれを早く促進いたしまして、資金的に製作に支障を生ずるというようなことがあるとすれば、むろん現在のような程度の開発銀行融資では間に合わないでありましようが、できるだけのそういう援助はしなければならないと考えているわけであります。
  51. 原茂

    ○原(茂)委員 大臣が十二時にお帰りだというので、先ほど遠慮して途中でやめたのでありますが、大分御勉強してくださるので、一問だけ追加をしたいと思います。  今の放送協会の従業員の給料でございますが、この収支予算を見ますと一〇%の値上げということがございます。この一〇%というのはどこから出したのか、その計算といいますか、何か根拠がありましたら、簡単でいいですが説明をしていただきたい。
  52. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 給与につきましては、予算を協会の方で編成いたしまして、郵政省に出して参つたわけでありますから、その点は協会の方から申し上げることにいたしたいと思います。
  53. 岡部重信

    ○岡部参考人 協会の明年度の給与その他物価の値上りあるいは施設の増につきまして、一応今年度と比較して考えますと、受信料の来年度の増収の見込額が五億二千万円でございます。それでそれをどうわけて行くかという問題につきまして、使命達成に遺憾なきを期するように各事項についてそれぞれ検討し、給与については約二億円の増額をいたしたのであります。三八%ほどこの増収分から給与に持つて行つた次第でございます。  そこで一〇%の根拠はどういうところから来ているかというお話でございます。昨日も御質疑がございましたが、消費物価の水準の向上、他の産業との比較、それから協会財政というような観点からもこれを見なければならぬと存ずるのでございます。消費物価の水準から申しますと、大体二三%ほどこれを上げてもいいという一つの見方ができるわけでございます。それから他の産業代表的給与の統計の例から見ますと、他の代表産業はこの間に二七・九まで上つておるような次第であります。それで昨年度国会の御承認を得まして一八%の給与の引上げをいたしまして本年度また一〇%をお願いするわけでございますが、ただいまの協会財政から申しまして、言いかえますと、五十円の受信料の範囲におきまして、経費をできるだけ節約いたしましても、諸物価の高騰、業務の拡充等の増などもございますので、全般的の予算の関係から、これをやむを得ず一〇%にとどめた次第でございます。
  54. 羽田武嗣郎

    ○羽田委員 ただいま淺沼委員から経営委員会の問題について御意見がありました。傾聴すべきことでありましたが、私は階級的な立場をこういうふうな公共放送においてあまり主張することはどうかと実は思つているのです。先ほどのお名前を聞いてみると、私どういう職責についておる人かも知らぬ人がたくさんいるのです。実業家だから、会社等の社長だからというが、会社の社長で社会党の左派に属している人もある。現にこの席にもおられる次第でありまして、そういう階級的な意味でなくて、やはり広く国民全体の立場で、労働者のためにも、また一般国民全体の立場を考えるような適材を、階級的な人から出てもかまいませんけれども、階級的な意味を持たずに、もつと広い視野に立つて経営委員会の委員として御選考があつてしかるべきではないか、大臣はお約束なさつたわけではありませんが、そういうことにとらわれないで全体をにらんで行く。この委員はこの公共放送事業を、ほんとうに国民全体の視野に立つて、また国家興隆のために指導し、かつまた統制をして行くという委員でありますから、そういうことにとらわれないでお考えをいただきたいということを希望いたします。  それからどうせこれは議会でもつて承認を与えるわけでありますが、先般の人事官の選考にあたりまして、社会党の方の御希望もありましたし、もう少し技術家を尊重したらいいのではないか。技術家が一人も、三人の人事官の中に入つていないが、技術家というものを尊重すべしという主張が議院運営委員会でなされたのであります。私は実はこれはごもつともだと思つております。ことに放送事業のごとく技術が六〇%も占めているような事業においては、やはり大局に立つた技術家を委員の中に御選考になるということが必要ではないかと考えるのでありますが、この点大臣の御所見をあらためて承りたいと存じます。
  55. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 ただいまの御意見大体ごもつともだと思います。しかしこの委員会の任務から申しまして片寄つた選任はすべきでないというわけであります。そうしてまた階級的な代表を選ぶのだという趣旨でもございませんので、階級のいかんを問わず、技術者であろうとそうでなかろうとを問わず、とにかく全体としてながめまして、最も公平に、適正な放送が行われるような方針を決定するについての人選を、十分慎重に考えて行くというつもりでおるわけであります。
  56. 松前重義

    ○松前委員 先ほどの山田委員のお話に関連してちよつとお尋ねします。テレビジョンの問題でありますが、テレビジョンの普及というものはいろいろな意味で、放送文化あるいは国民文化の立場から重要な問題でありますが、今のようなことではテレビジョン、テレビジョンといいながら、受像機の関係からほとんど普及しないと私は思います。これを普及させる必要に迫られておりますが、将来このまま放置いたしますときに、受像機をすえつけたいと考えている人たちは、アメリカからいいものをどんどん買う傾向にあるのであります。値段が十五万円も三十万円もするというのでは、これはとうてい普及できません。まず第一に規格を統一すると申しますか、全部一色にするというのではなくして、しかるべき基準を定めるということが必要かと思われます。  第二はこれらの基準に従つて、国産品でできるだけやるということを考えなくてはならない。ただいまお話がありましたように外国から特許権を買うから、どうもその辺のところはまだはつきりしないということで、ございましたけれども、ある部分を外国の特許に仰がなければならぬということは私どももよくわかるけれども、日本の今までの工業政策並びにこういういわゆる後進国家としての姿から見ますと、その特許権を争うて、たとえば東芝はGEから買つて来る、あるいは日本電機はウエスタンから買つて来る、あるいはその他の会社はまたしかるべき別のところから買つて来る。どれが一番いいかという問題を検討しないで、おのおの自分の技術の親会社から買つて来る。こういうことで、同じテレビを見るのにいたしましても、大して特長のないそれぞれの特許を二重三重に買つて、外貨を支払つておるというような状態にあつたのが過去の日本の状況であり、また今日の姿であるのであります。このまま放置されますならば、日本はいくら国民がかせいでも、外国にどんどんお金を払うばがりで、いわゆる実業家のお互いの国内市場における競争だけで、こういう非常な大きな損失をこうむつておる。これらの根本問題がこの裏にひそんでおるのであります。少くとも今の政府は、日本経済の再建を多少考えておられるとするならば、これらの問題について根本的な問題として、ただいまの特許権を通じ、あるいはまた規格の統制、あるいは国民に対するテレビジョンの普及、こういう見地から大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
  57. 高瀬荘太郎

    ○高瀬国務大臣 規格の問題につきましては、昨日も委員会で問題になりまして、むろんある程度の統制を考えることは必要であるということで、その問題は昨日御答弁申し上げましたように、工業技術院を中心にして電波監理局、放送局等が検討をしておるわけであります。日本技術の問題につきましては私も松前委員と同意見でありまして、根本の問題としてはやはり日本での技術研究を、もつと思い切つて発達させるような方策をとることが最も必要だと思つております。しかしそれでできない間は、外国技術の導入もやむを得ないわけで、当分はそれもしかたがないのではないか。それでは外国技術の導入につきまして、外貨をむやみに使うこともむだになると考えられるわけでありますから、その点はただいまは外貨割当というような点で考究する点もありますので、そうむやみに、むだに外貨を使つて同じような、必要でない技術を持つて来るというようなことは、もちろん避けて行かなければならないという考えております。
  58. 松前重義

    ○松前委員 ただいまの御答弁簡単で私には完全には了解できません。私の希望を申し添えておきますが、特許権については日本権威者を集めて委員会をおつくりになりまして、その種類についてどれが一番いいかということをきめて、そうしてその特許権の一つについて外国より輸入することを許可する、こういう態勢をお願いしたいと思います。それから技術研究はもちろんでありますけれども、普及の問題といたしましてコストをこれによつてうんと下げる、このようなことについて大いに努力を払つていただきたい。
  59. 橋本登美三郎

    橋本委員長 本日はこの程度にとどめ、明日午前十時から公衆電気通信法外二案について審議を続行いたします。なお参考人は明日は招致いたしません。必要があればあらためて参考人の御出席を願つて審議いたしたいと思います。右御了承願います。  本日はこれをもつて散会いたします。     午後零時四十八分散会