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1952-12-25 第15回国会 衆議院 本会議 21号 公式Web版

  1. 昭和二十七年十二月二十五日(木曜日)  議事日程 第二十号     午後一時開議  第一 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)  第二 奄美大島に関する決議案(迫水久常君外四十五名提出)(委員会審査省略要求事件)  第三 道路整備費の財源等に関する臨時措置法案(田中角榮君外二十五名提出)  第四 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第五 昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案(内閣提出)     ―――――――――――――   請願     〔日程は本号の末尾に掲載〕     ――――――――――――― ●本日の会議に付した事件  日程第四 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第五 昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案(内閣提出)  日程第一 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)  日程第二 奄美大島に関する決議案(迫水久常君外四十五名提出)  国民健康保険危機突破に関する決議案(山口喜久一郎君外二十五名提出)  日程第三 道路整備費の財源等に関する臨時措置法案(田中角榮君外二十五名提出)  東北電力融資に関する緊急質問(栗田英男君提出)  名古屋東亜合成化学工業所爆発惨事に関する緊急質問(前田種男君提出)  中国抑留同胞引揚げ促進に関する緊急質問(古屋貞雄君提出)  請願日程 生野町の地域給引上げの請願外二百五十二請願     午後一時五十分開議
  2. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  第四 地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第五 昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案(内閣提出)
  3. 久野忠治

    ○久野忠治君 議事日程順序変更の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、日程第四及び第五の両案を繰上げ一括上程し、その審議を進められんことを望みます。
  4. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程の順序は変更せられました。  日程第四、地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案、日程第五、昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。委員長の報告を求めます。地方行政委員会理事雪澤千代治君。     〔雪澤千代治君登壇〕
  6. 雪澤千代治

    ○雪澤千代治君 ただいま議題となりました地方財政平衡交付金法の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  最初に、本改正案の内容の概略を御説明いたします。御承知のごとく、地方財政平衡交付金の普通交付金は、毎年度、個々の地方団体について、基準財政需要額と基準財政収入額とを算定して、後者が前者を下まわる団体、すなわち財源不足額を生ずる団体に対して交付する建前になつているのでございまするが、この財源不足額の合算額が予算に計上された普通交付金の総額と合致しない場合には、現行法では、この総額を個々の団体の財源不足額に按分して算定交付することと定めてあるのでございます。改正案では、これを改めまして、各地方団体に交付すべき普通交付金は、当該地方団体の財源不足額をそのまま交付することを原則とし、普通交付金の総額がこの財源不足額の合算額を越える場合には、その超過額はこれを当裁年度の特別交付金の総額に繰入れることと定め、反対に財源不足額の合算額が普通交付金の総額を越える場合については、個々の団体の財源不足額に比例して圧縮する現行の按分方式を排しまして、個々の個体の財政需要額の大きさに比例して圧縮する新方式をとることとしているのでありまして、そのほか二、三これに伴う所要の改正を加えてあるのであります。  本案は、去る十二月十三日、本委員会に付託せられましたので、同十六日委員会を開いて、本多自治庁長官から提案の理由及び内容に関する説明を聴取し、次いで同十九日、二十日及び二十四日の三回にわたつて、政府側に対して熱心な質疑を行つたのでありすすが、法案の趣旨おおむね妥当なものとの結論に達しましたので、二十四日、討論の後、採決を行いましたところ、多数の賛成を得て可決すべきものと決したのであります。  次に、昭和二十七年度分の地方財政平衡交付金の単位費用の特例に関する法律案につき、地方行政委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。  御承知のごとく、各地方団体に交付すべき地方財政平衡交付金の額の算定に用いまする単位費用につきましては、従来暫定的に地方財政委員会規則で定められて参つたのでありまするが、先般第十三回国会における地方財政平衡交付金法の改正によつて、初めて法律をもつて規定せられるに至つたのでありまして、本年度の平衡交付金の仮算定はこれを用いて行われたのであります。しかるに、国の補正予算との関連におきまして、本年十一月から実施される国家公務員の給与改訂に準ずる地方公務員の給与改訂に要する経費や、本年十一月から発足いたしました市町村教育委員会の設置に要する経費等を基準財政需要額に算入する関係上、これに見合う単位費用の増額を行う必要が生じて参るのであります。しこうして、補正予算による地方財政平衡交付金の増額二百億円が決定いたしましたので、ただちにこの増額された単位費用を用いて本年度分の交付金の本算定を行わなければならないのであります。本法案は、かような必要に応じて提出されたのでありまして、ほとんどすべての行政項目にわたつて給与費その他の増加を盛む込んで、単位費用の改正を行つているのであります。しこうして、来年度以降の地方財政平衡交付金に用いる単位費用につきましては、実施を予定されておりまする義務教育費国庫負担制度、児童保護措置費国庫負担制度等との関係があり、また来年度の国の予算の見通しを得た上で改正することが適当であるとの観点から、昭和二十七年度限りの特例として単独法を設けることとされたのであります。  本法案は、去る十二月十三日、本委員会に付託となり、十六日の委員会において、本多自治庁長官よりその提案の趣旨弁明を聴取し、次いで十九日、二十日及び二十四日の三回にわたつて政府委員との間に質疑応答が行われ、地方財政平衡交付金制度そのものとの関連において熱心な論議がかわされたのでありますが、本改正案については一応当然の措置と認められ、二十四日、討論の後、採決に入りましたところ、全会一致をもつて可決すべきものと決した次第であります。  右御報告いたします。(拍手)
  7. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) まず日程第四につき採決いたします。本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告の通り決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  8. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。  次に日程第五につき採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ――――◇―――――  第一 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案   (内閣提出、参議院回付)
  10. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 日程第一、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。
  11. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  12. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 起立多数。よつて参議院の修正に同意するに決しました。(拍手)      ――――◇―――――  第二 奄美大島に関する決議案(迫水久常君外四十五名提出)(委員会審査省略要求事件)
  13. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 日程第二は提出者より委員会の審査省略の申出があります。右申出の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。  日程第二、奄美大島に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。星島二郎君。     〔星島二郎君登壇〕
  15. 星島二郎

    ○星島二郎君 ただいま議題となりました奄美大島に関する決議案の提案の趣旨を説明いたします。  まず決議案の全文を朗読いたします。   奄美大島に関する決議案   本院は、奄美大島、沖繩、小笠原諸島等の旧日本領土の復帰について、しばしば国民の熱望を明らかにし、政府に対し、それぞれ適切な措置を講ずべきことを要望した。   しかるところ、近時実情を調査するに、もと鹿児島県の一部であつた奄美大島は、本土との人的物的関係特に深きため、その二十余力の住民の本土復帰の熱望は殊に強く、ほとんど生活の一切をこれにかけている有様であるのみならず、向島の住民が実情において現在の鹿児島県民に比して、民生上、教育上、経済産業上、格段の差異があり、もと等しく鹿児島県民たりし事実にかんがみ、このまま看過することを得ないものと認められる。   よつて、本院は、政府に対しこの際、旧日本領土の復帰について、必要なるあらゆる措置を講ずるとともに、差し当り、鹿児島県大島郡について特段の配意をなし、その住民が、産業、交通、教育、民生、遺家族援護、恩給等生活の各般について、本土住民と同等の取扱を受けることを実現するための措置を速やかに講ずることを要望する。   右決議する。  領土に関する問題は、日本国民の最も関心を有するところであることは申すまでもございません。本院におきましても、この国民の重大なる関心を反映いたしまして、さきに講和条約の締結以前、昭和二十六年二月、まず内地と奄美大島、沖縄との経済交通の円滑化に関する決議をなしました。さらに昭和二十六年六月、領土問題に関する決議をいたしまして、政府に対して善処を要望したのでありました。しかしながら、講和条約の結果、北緯二十九度線以南の諸島は米国の信託統治の地域と予定せられまして、その措置がとられるまで、現に米国が行政、立法、司法の三権の全部を行うことになつたのでございます。爾来、この地域は、それまで有機的な一体をなしていた本土と切り離され、住民はあらゆる画において著しき苦痛を感ずるとともに、その本土復帰に対する熱望は日を追うて熾烈となつて参つたのでございます。この情勢にかんがみ本年、七月、第十三回国会におきまして、本院は領土に関する決議をなし、政府に対し国民の要望を明らかにいたしたのでございました。  しかるに、その後の情勢を見まするに、領土問題は、政府の努力にもかかわらず、ほとんどまつたく進捗を見ておりませんことは、まことに遺憾千万でございます。ことに、本土と切り離された諸島の住民は、絶望的悲嘆にくれ、その生活の全部を本土復帰にかけておるありさまでございまして、血肉をわけた私ども本土に住む同胞といたしまして、深く同情するとともに、一刻も早く現地住民が本土住民と同等の取扱いを受くることを再現いたしたいと思うのでございますが、私どもといたしましては、事がなるまでは、どこまでもこの国民の熱望を反映して、本院の意思を決定して、政府を鞭撻しなければなりません。これすなわち本決議案を提出するゆえんであります。(拍手)  しかして、本決議案が、旧日本領土の復帰について必要なるあらゆる措置を講ずることを政府に要望するとともに、特に奄美大島を抽出して書かれておりますゆえんは、奄美大島――ここに奄美大島と申しますのは、鹿児島県大島郡に属する全島嶼を意味するものでありまして、奄美大島が、その地理的関係上、太古より日本内地の一部であつて、本土に最も近く、経済的関係におきましても、鹿児島県の一部として、本土と一体関係にあつた度合いは最も深く、本来の日本民族として、その住民と本土住民との血縁的関係が最も多いからでございまして、各般の情報に照して、米国に対する交渉上、わが国の希望の実現が比較的に可能性多しとの判断から、特にこれを抽出したのでございます。  奄美大島の基幹産業は、大島つむぎ、黒糖、かつおぶし等でございますが、その顧客は、もちろん、もつぱら日本本土でございまして、戦前におきましては、大島つむぎ年産二十八万反、黒糖千六百万斤に及んでいたのでございます。これが、昭和二十一年二月の分離宣言以来まつたく衰微いたしまして、昨年一月ようやく日本本土との民間貿易が再開いたされましても、純然たる外国貿易扱いになつておりますので、製品の輸出、原料の輸入、技術導入等の上におきまして著しい隘路がありまして、本年における本土への輸出量は、わずかに大島つむぎ四万反、黒糖九百万斤にすぎないのでございます。しかも、本年四月、米国側の行政改革によりまして、不自然にも流球中央政府に統合されました結果、島民の不便は一層増大した模様でございます。  財政的に申せば、終戦前には鹿児良県の一部として諸種の国家補助や交付金があつたのでありまして、特に大島振興助成費も計上されていたのでございますが、今日においては、琉球中央政府かち、ごくわずかの補助があるのみでありまして、その財政は著しく窮乏しているのであります。すなわち、産業は衰微し、財政ははなはだしく窮乏して、一般の行政が困難であるばかりでなく、二万に近い遺家族の生活援護はまつたく放置されております。また教育の面におきまして、ほとんど言語に絶する困難に直面しているのでございます。校舎その他の設備の粗悪にして、しかも著しく不足していること等、あるいは教員の資質の低下、教科書や教材の入手困難等、あらゆる悪条件のもとに置かれておりまして、毎年一千名に近き高等学校の卒業生の上級学校進学の道はほとんどはばまれているのでございます。このため、青少年は驚くべく虚無的になつているのでございまして、この苦痛のもとにあつて、住民はひたすら本土復帰を願い、その日の近く来ることを信じ、生活意力の一切をこの希望にかけておるのでございまして、さきに米国の意図が北緯二十七度半の線をもつて区別するにあるという情報が誤り伝えられましたときのごときは、その線以南の沖永良部、与論、この二つの島の住民の悲嘆は、とうてい言葉をもつては表わすことができない状態であつたのでございます。この本土復帰の希望の熾烈なることは、さきに現地を視察した重成鹿児島県知事、また現に上京中の泉名瀬市長等、現地町村長の話を聞いて、涙なきを得ないのであります。  現地よりの報告によりますと、米国は奄美大島におきましては何ら施設をしていないということでございまして、私は、沖縄や小笠原等、もちろんこれが復帰の熱望は前回の決議の通りにいたしたいのでございまするが、一つ一つ解決するような意味から、各般の事情を総合して、さしあたり奄美大島については、わが国民の希望を実現することが比較的たやすいと信ずるのでありまして、旧領土に関する国民願望達成の第一段階として、奄美大島、すなわち鹿児島県大島郡に属するすべての島嶼について、政府は特段の配慮をなし、一日も早く現地住民が生活の各般について本土住民と同等の取扱いを受けることができるように措置をとつてほしいということを要望する次第でございます。  何とぞ各位の御賛同を得まして、全会一致お取上げあらんことをお願いする次第でございます。(拍手)
  16. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。(拍手)  この際外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣岡崎勝男君。     〔国務大臣岡崎勝男君登壇〕
  18. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 平和条約第三条に規定する奄美大島、沖縄、小笠原等の地域に関する国民一般、ことに現地住民の熱望は、よく承知しております。また、かねてより、これに関する本院の決議の次第もありますので、政府としましては、鋭意本土とこれら地域との関係の解決に努力をいたしており、現に南西諸島在住同胞の本土への渡航制限の撤廃、研究教員の受入れ、貿易及び送金に関する手続の簡易化はすでに実施中でありまして、また郵便為替の交換も近く実現の予定であります。政府といたしましては、さらに本決議の趣旨に沿いまして一層の努力を払うとともに、究極の目的達成に至るまでの間におきましても、小笠原島住民の復帰、沖繩を初め南西諸島、ことに奄美大島地域住民の経済、教育、民生等の諸問題の改善及び遺家族援護、恩給等の支払いについても、本土住民と同一の取扱いを受けるよう、必要の措置をすみやかに講ずる所存であります。(拍手)      ――――◇―――――  国民健康保険危機突破に関する決議案(山口喜久一郎君外二十五名提出)     (委員会審査省略要求事件)
  19. 久野忠治

    ○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、山口喜久一郎君外二十五名提出、国民健康保険危機突破に関する決議案は、提出者の要求の通り委員会の審議を省略してこの際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
  20. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  国民健康保険危機突破に関する決議案を議題といたします。提出者の趣旨弁明を許します。永山忠則君。     〔永山忠則君登壇〕
  22. 永山忠則

    ○永山忠則君 ただいま議題となりました決議案の趣旨を、各党を代表して弁明いたします。  まず決議案を朗読いたします。   国民健康保険危機突破に関する決議案   国民健康保険の医療給付費に対し、少くとも二割の国庫負担を行うべきことは、既に社会保障制度審議会より両回に亘り勧告があり、又第十二回国会において衆参両院が同趣旨の決議をおこなつたにもかかわらず、未だこれが実現をみない。ために国民健康保険事業は今や重大なる難関にたたされている。   よつて政府は、その医療給付費に対し速やかに万全の措置を講ずべきである。   右決議する。     〔拍手〕  御承知のごとく、国民健康保険は社会保障制度の一環であり、またその基盤となるべき重要なる制度であります。その対象は、農山漁村民、中小商工業の自営者、日雇い労働者等、国民の各階層にわたる広範囲の庶民大衆であります。その数実に五千七百万人を算するのであります。それに比べまして、健康保険の対象は、家族を入れて二千五十一万人であり、国家並びに地方公務員共済組合は六百六十四万人、船員保険は三十五万九千人でありまして、国民健康保険の対象とは比ぶべくもないのであります。しかも、この大衆層に対する社会保障制度は、ただこれのみでありまして、他に何らの施策もないのであります。  本制度は昭和十三年七月から実施されたのでありますが、施行当初から昭和二十年度までは、国庫の補助金は被保険者一人当りを基準として交付されたのでありまして、その補助額は、保険者の事務費、会議費、経営費等の全額のみならず、医療給付費の平均二割を支弁していたのであります。ために、本事業の経営が安定して漸次普及いたし、昭和十九年度には、保険者たる市町村数は一万四百七十四、この被保険者数は四千百九十五万人を越え、その普及率は全国町村の九八%、六大都市を除く全市の六八%を示したのであります。しかるに、終戦後は、本事業に対する国庫補助が事務費のみに限定されるようになりまして、その補助額が漸次に低下し、加うるに戦後の社会混乱と経済界の窮乏とに直面して、本事業は漸次休止または廃止のやむなきに至るものが続出したのであります。昭和二十六年末には、保険者数が五千百二十六となり、その被保険者数は二千四百五十九万人となつて、半減するに至つたのであります。ために、政府は、昭和二十三年法律を改正して、市町村公営を原則とするに至りましたが、その裏づけである国庫補助が伴わないために、再建の実があがらないのであります。保険者たる市町村は、やむなく、これが応急措置として、一般会計より保険経済へ繰入れを強行し、昭和二十七年度にはその繰入額十六億八千八百万円に達しました。さらに一面には、都道府県の補助をも強く要請いたしまして、昭和二十七年度には三億四千万円を都道府県費より支出せしめているのであります。その両者の総額は実に医療給付費の約一割に相当するのであります。この地方費負担は平衡交付金の対象となつていないのでありますから、これ以上都道府県並びに市町村費より一般会計へ繰入金を増額することは望み得ないのであります。かくのごとく、保険者たる市町村は、保険経済の破綻を防止するために非常なる努力を傾注しておるにもかかわりませず、現下においては、これが経営に耐え得ない実情に立ち至つておるのであります。  そもそも国民健康保険は、国民の相互扶助を建前とする自営社会保険でありまして、被保険者の保険料または保険税が唯一の経営財源であります。しかも、国民健康保険の経営主体が一般に財政力の弱い市町村であることと、地域保険でありますから、多くの低額収入者または収入のない者を多数包含しておりまして、また他の社会保険の家族構成が二・七人であるのに対しまして、国民健康保険の家族構成は五・三人であります。被扶養者が多いため、勢い全般的に保険料の負担が多くなつておるのであります。ために、その負担額は、昭和二十七年度一世帯当り平均千八百五十円でありまして、もし昭和二十八年度の保険財政の支出を保険料だけでまかなうとしますれば、一世帯当り一年約二千八百円を徴収せなければならないのであります。すでに負担過重にあえいでおる今日、これ以上の負担はとうてい耐え忍ぶことができないのであります。  しかるに、健康保険、船員保険においては、これが経営財源たる保険料または保険税は、その半分以上を雇用事業主がその経営費中から負担しておりまして、本人の負担は半分以下であるのであります。国家公務員共済組合においても、保険給付費の半額は国庫が負担をいたし、その国庫補助金額は昭和二十七年度は六十九億でございます。地方公務員共済組合においても、保険給付費の半分は地方費負担であります。健康保険の対象となる被用者には、さらに失業保険及び厚生年金保険の制度がありまして、その失業保険につきましては、国家は給付費の三分の一の補助をなし、その補助金額は、昭和二十七年度は四十九億九千万円になつておるのであります。厚生年金保険についても、給付費の一割は国庫負担であります。また船員保険においては、失業給付費はその三分の一、その年金給付費は一割が国庫負担であります。これを昭和二十七年度一人当りの国庫負担額で申しませば、共済組合の適用を受けている公務員については、医療関係だけでも、国庫の補助は一人当り千九百七十一円であります。ほかになお恩給、退職手当金一人当り一万円を越す給付費の国庫負担があるのであります。健康保険の適用されている労働者については一人当り千七円、船員については千九百十八円の国庫補助となつておるのでありますが、国民健康保険は、事務費のみの補助で、一人当り百二円の補助しかありません。かくのごとく、他の社会保険においては、保険料または保険給付費に対して国家の補助を多額に受けておるにかかわらず、国民健康保険においては、給付費はもちろん、保険料についても、何ら国庫の補助を受けていないのであります。  その医療給付の内容について比較してみましても、はなはだ貧弱なものがあるのでありまして、他の保険におきましては、療療、助産、葬祭の給付のほかに、傷病手当金、保育手当金等の給付が法律上の制度として定められており、医療内容も非常に向上いたしておるのであります。ちなみに、昭和二十六年度の医療給付費の実績を、被保険者一人当りの金額について比較いたしますれば、健康保険においては、政府管掌分が千七百円、組合管掌分が千九百円、船員保険においては二千五百円であるのに対しまして、国民健康保険は、被保険者の一部負担金を除けば、わずかに二百九十円という、まことに貧弱きわまりないものであります。このような貧弱な給付内容であるにもかかわりませず、国民健康保険の被保険者は、保険料のほか、おおむね五割の一部負担金をさらに納めているのであります。本員らは、この国家の施策の不均衡を是正するとともに、社会保険のうちで最も恵まれていない国民健康保険の給付補助をなすことの急なることを、いまさらながら痛感するものでございます。(拍手)  さらにまた、国民健康保険は、生活保護法第四条によりまして、生活保護法の医療扶助については国民健康保険が優先するのでありますから、生活保護法の医療扶助として国庫の負担すべき部分を、国民健康保険において肩がわりをしているという部面も相当にあるのであります。国民健康保険を施行していない市町村と、施行している市町村との医療扶助費を比較いたしますれば、国民健康保険を施行していない市町村の医療扶助費総額をその総人口で割つてみますれば、一人当りの費用は三十八円五銭で、施行している市町村の一人当りの費用は二十四円五十三銭でありまして、その比率は一〇〇に対して六五の割合であります。この比率をもつて、現在国が負担している医療扶助の昭和二十七年度八十八億円を基準として換算いたしますれば、国民健康保険は約十五億円程度の国費を国にかわつて負担していると言い得るのであります。さらに、国民健康保険実施のために、生活保護法の保護を受くる階層に転落せんとする者を未然に防止する力は実に大なるものがあるのであります。  現時経済界の不況は、日々国民健康保険の受診率を上昇せしめ、かつ医療報酬単価の引上げは、昭和二十七年度は二十八億円の負担を増加したために、決定的に国保の保険経済は悪化いたしまして、今や全面崩壊の寸前に立たされているのであります。しかるに、保険者たる市町村は、本制度の国家的重大性を自覚いたし、かつ決議案の文面にあるごとく、社会保障制度審議会の勧告並びに国会の決議を政府が尊重してすみやかに給付費の国庫補助について万全の方途を講ずるものと信じて、これが経営に涙ぐましき健闘をいたしておるのであります。(拍手)  国民健康保険の赤字は、昭和二十七年度末約三十億円を越えるものと言われておるのでありますが、医療給付費の二割補助を受ければ、昨年決定をいたしました再建整備法の改正による適用範囲の拡張と相まつて、将来必ず赤字を克服し、かつ国民健康保険経済は漸次立ち直るものと信ずるのであります。政府当局が今にしてあたたかい援助の手を差向けなければ、もはや国民健康保険は全面的に崩壊して、社会保障制度の橋頭堡はまつたく失われるでありましよう。当局はよろしく国民健康保険の現状を達観し、社会良識に訴え、国民健康保険事業の危機突破に関しすみやかに万全の措置を講じ、庶民大衆の医療問題を解決し、民生安定、社会福祉の増進に努むるよう強く要請するものであります。  以上をもつて本決議案の説明を終ります。何とぞこの趣旨に御賛同くださいまして、満場一致の御賛成あらんことを希望いたすものでございます。(拍手)
  23. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) これより討論に入ります。佐藤芳男君。     〔佐藤芳男君登壇〕
  24. 佐藤芳男

    ○佐藤芳男君 私は、ただいや議題となつておりまする、各党共同提案にかかる国民健康保険危機突破に関する決議案に対し、改進党を代表してこれに賛成し、きわめて簡潔にその理由を明らかにしたいと思うのであります。  思うに、今日の窮迫せる国民生活の不安を除いて民生の安定をはかりますることは急務中の急務であり、これの抜本的な解決が社会保障制度の確立にありますることは申し上げるまでもないところでございます。国民健康保険は、実に社会保障の中核でありまして、これが振うといなとは、とりもなおさず社会保障制度の運命を左右すると言つても過言では、ございません。しかるに、これが現状は実に暗澹たるものがございまして、ただいま永山君の弁明によつても明らかでありますが、昭和二十六年度末の赤字総額は二十億円でありますけれども、昨年十二月に行われた一点単価の引上げと受診率の上昇により、昭和二十七年度末の赤字総額は三十億円を突破するであろうと私は推定するのでありまして、真に国保の危機といわねばなりません。  しからば、何ゆえに国民健康保険のみが他の社会保険と異なつて危機を招来したか。その理由はきわめて簡単であります。すなわち、本制度そのものに内在する弱点がしからしめたものでありまして、その第一は、地の社会保険が、政府、または規模が大きく財政力の強固な組合が経営主体であるのに反して、国保の経営主体が財政力の弱い市町であること、その第二は、被用者保険と異なり、地域保険の性質上、被保険者がおおむね低額収入者であり、無収入者をも含んでいること、並びに被用者の家族構成が二・七人であるのに、一般国民のそれは五・三人であつて、被扶養者数が多く、ために保険料の負担が多くなること、その第三は、被用者保険では、事業主が保険料の半額を負担するが、国保はすべて被保険者の負担であること。その第四は、給付内容が法律上他の社会保険に比し貧弱であること、それにもかかわらず、国保の被保険者は、保険料のほかにおおむね医療費の五割を一部負担として納入しているから、被用者保険に比べて過重な負担をしていること、その第五は、国保事業を行つておる市町村の財政力が貧弱なことであります。市町村の財政の貧弱なことは多言を要しませんが、特にドツジ方式による国家財政偏重政策によつて、ますます貧弱度を増して来ているのは、きわめて遺憾にたえないところでございます。(拍手)それにもかかわらず、市町村の本事業に対する熱意はいよいよ旺盛でありまして、苦しい中から、二十六年度においても、二十七年度においても、十六億円以上の特別会計への繰入れをいたしております。しかも、気の毒なことには、これらの繰入金は地方財政平衡交付金の対象にもされていないのでございます。このような状態がこの上継続することは、市町村財政を破滅に導くものでありまして、決してこれは可能なことではないのでございます。  終りに、各社会保険に対する国庫補助額を見ますれば、ただいま永山君が申されましたから、比較数字は省きますけれども、国民健康保険に対してだけが、その補助額わずかに被保険者一人当り百円そこそこという、二けたも違つた悲惨な数字であることを考えますときに、同じく社会保険の被保険者に対する政府の態度といたしましては、重大なる片手落ちといわざるを得ないのであります。(拍手)  時間がございませんから結論に入りますが、今や生死の関頭に立つ国民健康保険に対する救済は実に焦眉の急でございます。これをもしも拒む者がありといたしますならば、国民熱望の社会保障制度そのものを否定するということに相なるのでございます。国保に対する医療給付費二割の国庫補助は、窮迫せる国保に対するカンフル注射でもあり、またビタミン注射でもあるのございすが、社会保障制度審議会におかれましても、すでに二回にわたつて、政府にこれが実現方を要請いたしておる。しかるに、政府がいまだこれに耳をかされないことは、私のきわめて遺憾とするところでございます。(拍手)特に大蔵省の諸君の理解を私はこの際求めなければならぬのでございます。  私は、本案が満場一致皆さんの御理解のもと可決されまするとともに、可決されました上は、政府はおそくも新年度の予算にこれを計上してそのことによつて、今日の政治から不合理と冷酷と無情とをすみやかに追放されんことを政府に要求して、私の賛成演説を終る次第でございます。(拍手)
  25. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 堤ツルヨ君。     〔堤ツルヨ君登壇〕
  26. 堤ツルヨ

    ○堤ツルヨ君 私は、ただいま議題となつております国民健康保険の危機突破に関する決議案に対しまして、日本社会党を代表して賛成するものでございますが、ただいま提案者の代表趣旨弁明にもございましたし、なおかつ重ねて改進党の賛成討論の中にもありました点は重複を避けて、賛成の意を表したいと存ずるのでございます。(拍手)  私は、本決議案を議決するにあたつて、特に政府当局に二、三点強い要求をいたしたいと存ずるのでございます。山縣厚生大臣にくれぐれも念を押しておきたいのは、医療給付費の国庫補助は断じて二割以下であつてはならぬということでございす。(拍車)去る二十日の参議院予算委員会における大臣のこの問題に対する答弁で、できるならば二十八年度は医療給付費の国庫負担を実現したいと思つておるから、大蔵大臣と話合いをしたい、と答えておられるのでございますが、しかし、この答弁だけで二割国庫負担を期待できるかどうかは、はなはだ疑問であると私は存ずるのでございます。  私が調査したところによりますれば、昭和二十八年度の大蔵省に対する厚生省の本問題に対する予算の要求は、二割国庫負担として四十六億七千万円、なお国民健康保険再建整備資金貸付に対するところの金を十五億四千万円、さらに奨励交付金制度のために十二億二千万円、合せて七十四億近くなすつておられるのでございますが、常に厚生省予算、ことに国民健康保険の医療給付の問題に対しましては、ここ数年来白い目を向けて参りました大蔵当局は、この厚生省の予算に対していかほどの裁定をくだすか、私は非常に懸念するものでございます。仄聞するところによりますれば、一緒にこの決議案をお出しになつておる自由党の方々の中では、ひよつとすれば来年は医療給付の国庫負担は実現するけれども、あるいは五分くらいに終るのではないかという御懸念をお持ちであると承つておるのであります。私は、本決議が、いろいろと論ぜられました通り、もはや破局に近いところの地方財政を侵してまで、あえて当局者が国民保険のために悪戦苦闘いたしておりまする現状を見まするときに、焼け石に水のごとき救済策であつてはならないのでございまして、この点、十分大臣は腹を締めて、二十八年度予算ととつ組まれたいと思うのでございます。(拍手)  委員会におけるわが党の国保に関する主張は、その速記録を御検討になればわかりますが、本年の五月二十日実施されました――たれかが舌のまわらぬような法律だと申しましたが、国民健康保険再建整備資金貸付法というのが実施されました。これは、本年度においてわずか四億五百四十三万円の金しか使つておりません。気息えんえんたる国民健康保険の救済策としては、まつたく弥縫策でございまして、一枚の、ささやかなこうやくを張つたにすぎないのでございます。私たちは、大乗的な見地から、医療給付には断じて国庫負担の建前をとらなければならないということを、ずいぶん当時の大臣に御忠告を申し上げ、今日あることを知つて、ここ致年来、自由党の方々にも同調を求めて、善処方の実現を要求して来たのでございますが、遂に危機突破に関する決議案という悲壮なる決議題目をつけなければならないようなところにまで国保を追い込んでしまつたのでございます。(拍手)  皆さん方も御存じの通り、先進国の保険制度をごらんになれば、その社会保障制度の中に完全なる国民保険制度が打立てられているのでございまして、これはまさに、ここ四年間政局を担当する吉田自由党内閣の貧困な政治の一端を物語る一つのケースであろうと存ずるのでありまして、まことに国際的にもおはずかしき限りであると私は存ずるのでございます。(拍手)どうか厚生大臣におかれましては、閣議に臨んで、二十八年度予算はどうしても二割確保ができないならば、職を辞しても五千五百万の国民大衆を守る立場において閣議で闘われんことを、私は要求いたしたいと存ずるのであります。(拍手)  なお最後に、まことに申し上げにくいことでございますが、自由党の議員諸公に一言念を押しておきます。(拍手)大体、きようは第十五……(発言する者多し)黙つて聞きなさい。(拍手)第十五特別国会の今年最終の日でございますが、この決議案を最終の日に出すにあたりまして、私は申し上げなければならないことは、皆さんに、この決議案を出すあの永山委員の良識と熱意があるのならば、昨日通りました補正予算の中で、われわれが要求いたしました野党三派の十九億何がしのものに、なぜ自由党は同調して国保を救わなかつたかということでございます。(拍手)これをなさずして、皆さん方は、きよう決議案をお出しになつたのでございますが、地元へ帰るに及んで、その地元の窮状を十分御承知の自由党の議員諸公は、どうしてもこれでは帰れないので、申訳に決議案で野党に同調したものと存ずるのであります。(拍手)私は、皆様方に、今趣旨弁明をされました自由党の永山委員のあの論旨を皆様方がよく体得されまして、二十八年度予算審議にあたつては、お忘れなくこの決議を実現されるようお願いいたします。(拍手)今までの前例によりますと、決議は決議でとにかく同調をして置くが、責任ある予算案を組んだときには、これに同調しないで、ごまかすのが、自由党の手である。(拍手)私は、せつかくの共同提案でございますから、こうした憎まれ口を言わないでおこうと思つたのでございますが、どうやら今までの実績によりますれば、自由党はこの手が多かつたのでございます。選挙民の前を決議案で糊塗するだけでは済まないということを、国会議員として御認識願いたいと存ずるのでございます。(拍手)
  27. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 柳田秀一君。     〔柳田秀一君登壇〕
  28. 柳田秀一

    ○柳田秀一君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本決議案に賛意を表せんとするものであります。  時間の関係上きわめて簡単にとどめますが、今日の国民健康保険は、これを被保険者の側から見まするならば、大幅な一部負担及び給付内容の制限によつて、利益するところが漸次少くなつて来ておる。これを医療担当者の側から見るならば、医療費の支払い遅延、制限診療等によつて、漸次敬遠されて来ておる。これを事業運営者であるところの市町村長の側から見るならば、赤字財政のやりくりで、市町村長の命取りとすらいわれて来ている。いわば三者三すくみの状態でありまして、今日の国民健康保険はまさに崩壊の寸前にありと申すも過言ではありません。(拍手)またすでに崩壊し去つたものもあります。あるいは崩壊寸前であつて、自然休会に入つておるものもあるのであります。(「自然休会とは何のことだ」と呼ぶ者あり)自然休会とは開店休業のことであります。――わが国人口の過半数を占めておるところの農漁民、中小企業者等に対する唯一の社会保険であります国民健康保険がこの現状では、日本の社会保障制度をさらに押し進めて行くことなどはとうてい考えることができぬのであります。  ことに、社会保障制度審議会が二回にわたつて政府に勧告して募る。国会においても、第十二国会において、衆参両院が本決議案と同様の趣旨を決議しておるのであります。にもかかわらず、今日またまたこのような議案を提出せざるを得ないということは、私はまことに遺憾に思うと同時に、政府の怠慢を深く責めたいと思うのであります。(拍手)ことわざに、三度目の正直と申すことがあります。いかに頑迷な政府といえども、いかに社会保障制度に理解乏しき大蔵当局といえども、今度という今度こそは、本決議案の趣旨を忠実に履行するよう、国会の権威においても要求せんとするものであります。(拍手)  以上、本決議案に賛成いたします。
  29. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) これにて討論は終局いたしました。  採決いたします。本案を可決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  30. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は可決いたしました。  この際政府から発言を求められております。これを許します。厚生大臣山縣勝見君。     〔国務大臣山縣勝見君登壇〕
  31. 山縣勝見

    ○国務大臣(山縣勝見君) ただいま国民健康保険の危機突破に関しまする決議案が御採決に相なつたのでありますが、国民健康保険が、社会保険、ことに国民医療に占めまする重要性につきましては、政府といたしましては、かねて了承いたしておるのであります。ことに、ただいまの御趣旨にございました通り、保険単価の上昇あるいは受診率の上昇等によりまして、ただいま国民健康保険がきわめて困難な状態に相なつておりますことも了承いたしております。従つて、従来事務費等に対してのみ国庫が負担いたしておりました現状をもつていたしましては、この重要な社会保険あるいは国民医療のこの面に対しまして万全を期することができないと考えまするので、今後財政ともにらみ合せまして最善の努力をいたしたいと考えておるのであります。(拍手)
  32. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 大蔵大臣が病気欠席のため、大蔵政務次官愛知揆一君。     〔政府委員愛知揆一君登壇〕
  33. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) 大蔵大臣にかわりまして、ただいまの御決議の趣旨について所信を申し上げたいと存じます。  国民健康保険の医療給付費に対する国庫の負担につきましては、政府は誠意と理解とを持ちまして、御決議の趣旨が実現できまするように努力いたす所存でございます。(拍手)      ――――◇―――――  第三 道路整備費の財源等に関する臨時措置法案(田中角榮君外二十五名提出)
  34. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 日程第三、道路整備費の財源等に関する臨時措置法案を議題といたします。委員長の報告を求めます。建設委員会理事田中角榮君。     〔田中角榮君登壇〕
  35. 田中角榮

    ○田中角榮君 ただいま議題となりました、田中角榮君外二十五名提出の道路整備費の財源等に関する臨時措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。  まず、本法案の提案の理由並びに内容について申し上げます。  現下わが国における道路の状況は、国鉄、府県道を合せまして延長約十三万五千四百キロに達しておるのであります。このうち、一応改良せられたものは、その約二二彩にすぎないのでありまして、残る八七%、すなわち延長にいたしまして十一万七千四百キロは未改良の状況にあります。しかも、そのうち約一万六千キロの自動車交通不能の区間を含んでおる現状であります。しかるに、戦後日ざましく発達した自動車は、現在ついに戦前最高の約三倍に達し、六十五万台を数えるに至つたのであります。のみならず、これらの車両は大型化し、重量化し、高速度化されているのでありまして、現状のごとき道路状況では、とうていこれに殖えることはでき得ざる状態であります。  しかるに、わが国道路整備の進捗状況を見まするに、昨今のごとき道路予算をもつてしては、その整備にはなお数十年の年月を要することになりまして、これが緊急整備と、これに要する財源の確保は、現下の急務であります。諸外国の例を見まするに、米国においてはガソリン税を道路の目的税となし、道路は画期的に改善されております。また目的税制度をとらない国でありましても、わが国のごとく、道路費がガソリン税収入を下まわるというような国はちよつと見当らないのであります。わが国におきましても、昭和二十四年度以来、揮発油税法によつてガソリン税を徴収しておりまして、しかもその約九〇%以上は道路関係より徴収せられておるのであります。しかるにもかかわらず、わが国の道路予算は年々ガソリン税の半ばにも達しておらぬのが現況であります。ガソリン税収入を道路の目的税とするか、あるいは少くともガソリン税収入に見合える金額は当然に道路財源に繰入れらるベしとの世論は、道路利用者を初め、国民の声として、ほうはいとして起つて参つたわけであります。従いまして、わが国の道路の現況にかんがみ、緊急にこれを整備すべく、本法案を提案いたした次第であります。  次に、本法案の内容といたしましては、第一に、道路整備五箇年計画を確立いたし、揮発油税収入額に相当する額をこの道路整備計画の実施に要する資金の財源に充てること。第二には、地方公共団体に対する負担金の割合または補助率につきましては、道路法及び道路の修繕に関する法律の施行に関する政令にかかわらず、政令によつて特別の定めをすることができること等が、そのおもなるものであります。  本法案は、十二月二十三日、本委員会に付託され、提案者より提案理由の説明を聴取いたし、続いて質疑に入つたのでありますが、その詳細は速記録に譲ることといたします。かくて、質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由党を代表し西村英一君、改進党を代表し武部英治君、社会党を代表し前田榮之助君より、それぞれ、道路整備の急はもはや論議の余地なく、前国会において抜本的に道路法を改正し、あわせて道路整備特別措置法の成立公布を見、道路整備ようやく緒につかんとするとき、多年懸案であつた本法の制定を見ることは、日本経済再建に一大拍車をかけるものとし、賛成の意見が述べられ、採決の結果、全会一致をもつて原案通り可決いたした次第であります。  以上、簡単に御報告いたします。(拍手)
  36. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 採決いたします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  37. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。(拍手)      ――――◇―――――  東北電力融資に関する緊急質問(栗田英男君提出)
  38. 久野忠治

    ○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、栗田英男君提出、東北電力融資に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  39. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 久野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  40. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  東北電力融資に関する緊急質問を許可いたします。栗田英男君。     〔副議長退席、議長着席〕     〔栗田英男君登壇〕
  41. 栗田英男

    ○栗田英男君 私は、日本最大の利権闘争の河川として国民から多大の疑惑を抱かれている只見川の電源開発に対し、政府が東北電力にとりたる見返り資金の融資措置について、その所信をたださんとするものであります。  只見川事件は、上田、本名の水利権について、去る七月二十五日の秘密閣議において、行政処分という強権をもつて東京電力の水利権を取消し、新たに東北電力に許可するという不当措置に端を発したものであります。本水利権を東北電力に許可するについては、当時電力行政を担当する公益事業委員会は絶対反対の態度であつたので、本年三月以来しばしば吉田側近において強権措置を計画されていたが、これが実現を見るに至らなかつたのであります。しかるに、七月末日公益事業委員会の廃止を好機として、吉田、白洲の陰謀によつて福島県知事を買収し、当時の野田建設大臣を威嚇し、総理大臣の強権を濫用して、極秘のうちに水利権強奪の閣議を開き、一夜にして東京電力の水利権を奪い去つたという、前代未聞の怪事件であります。(拍手)  かくのごとく強権と謀略によつて水利権を東北電力が獲得するや、国会解散の直前、当時の池田大蔵大臣は、上田、本名の両地点に対し、見返り資金十二億円を早急に融資するように、大蔵省事務当局に厳命をしたのであります。しかるに、右二地点は、昭和二十七年度経済安定本部緊急電源開発計画及び昭和二十七年度公益事業委員会電源開発計画に、予定地点として全然計画されてなかつたのであります。電源開発融資に対し、いかに大蔵大臣の厳命といえども、工事計画なき地点に――さらに公益事業委員会廃止後、電力行政をつかさどる通産大臣の許可なき発電所建設に融資することはできません。そこで、大蔵大臣は、吉田総理の威をかりて、またまた通産大臣を威嚇し、臨時にこの二地点を本年度開発計画に新たに加え、さらに通産大臣をして、早期開発上必要であるから、すみやかに十二億円を東北電力に融資するよう見返り資金放出依頼の要請書簡を大蔵大臣あてに提出せしめたのであります。  一方、本水利権認可に関連して、公共事業令第五十九条によれば、建設大臣が福島県知事に認可するにあたつては、当然公益事業委員会の同意を得るとともに、同委員会もまた福島県知事に対し、建設大臣と協議して認可を与えなければならないのであります。しかるに、建設大臣は、公益事業委員会の反対をおそれて、最後まで意見を求めず、七月二十五日、閣議において秘密裡に決定し、越えて八月四日、公益事業委員会の廃止を待つて福島県知事に認可を与え、福島県知事は、右認可に基き、八月五日、東北電力に水利使用を許可したのであります。ここにおいて、公益事業委員会は七月末日をもつて廃止となり、同委員会に福島県知事より稟伺中の書類一切は、八月十九日に通産大臣に引継がれたのであります。しかしながら、すでに本件に関しては、建設大臣が八月四日付をもつて一方的に認可を与えておりまするので、これを合法化するため、通産大臣もまたすみやかに認可するよう吉田総理の至上命令が発せられまして、あわてた通産大臣は、建設大臣の認可と日付を一致せしむるために、驚くべきことには、公文書を偽造し、鉛筆をもつてメモ程度の案文をつくり、起案者不明の課長、次長、局長、政務次官、大臣の印鑑等なき、でたらめきわまる書類を作成し、これを原本として、この重大なる水利権処分に対する同意を建設大臣に与えるとともに、福島県知事に対しては、これが水利使用を許可したのであります。  私は、この乱暴きわまる事務処理を目のあたりに見て、しばし暗然といたしまして、後日の証拠として、一件書類を、このように写真に撮影いたして参つたのであります。(拍手)通産大臣は、かくのごとき数々の不当手続を前提として、九月二十六日、両発電所の新設を東北電力に許可し、この許可と同時に、大蔵大臣は、別わくより十二億円を本年度分として東北電力に融資決定をいたしたのであります。  以上が今日までの見返り資金融資経過の概要でありまして、私は、以下三点に関し、関係大臣の明確にして率直なる答弁を求むるものであります。  質問の第一点は大蔵大臣にお尋ねいたしますが、大蔵大臣は病気で欠席という連絡がありましたので、愛知政務次官に対してお尋ねをいたします。  本年度電源開発見返り資金の総額は、当初三百億円と決定いたしておつたのであります。しかも、この三百億円は、本年度新規事業に融資せず、前年度の継続工事にのみ当てるということが原則であつたのであります。しかるに、大蔵大臣は、みずからつくつたこの原則をまつたく無視し、特に通産大臣より上田、本名二地点に対する見返り資金放出要請書簡を提出せしめ、大蔵省の手持資金より十二億円を特別に開発銀行に預託し、本年度分としてこの十二億円を融資するという、東北電力に対してのみ特段の政治的考慮が払われたのであります。これを他の電力会社の融資状態に比較するとき格段の差があり、この露骨にして強引なるやり品には、まさに唖然たらざるを得ないのであります。(拍手)  たとえば、現に工事中であり、本年度新規計画として当局より認められている関西電力打保発電所、北陸電力神通川第二発電所、中部電力井川奥泉発電所、中国電力柴木川発電所、四国電力伊尾木川発電所、北海道電力層雲峡発電所等、鋭意自己資金を苦心して調達し、これによつてようやく開発を続けているのであります。関係業者は、これがためしばしば見返り資金の融資を懇請しているにかかわらず、これらに対しては、今日まで、本年度新規計画分には見近り資金のわくなしとした、大蔵、通産両省ともに耳を傾けなかつたのであります。(拍手)しかるに、大蔵大臣は、この上田、本名の二地点は、本年度計画中になきはもちろん、水利権はさきに建設大臣が行政処分によつて強奪し、ために福島県知事と東京電力は裁判をもつて抗争し、通産大臣は公文書を偽造してこれに許可を与え、新潟、福島両県は本許可によつていよいよ対立を深めたという、いわくつきの本発電所の新設工事に、いまだかつてない異例の措置をもつて、しかも別わくより十二億円を融資するとはいかなる理由によるか、断じて了解し得ないところであり、この点に関し、大蔵大臣の明確なる答弁を求むるものであります。(拍手)  質問の第二点は通産大臣にお尋ねいたします。本発電所の水利権を建設大臣が八月四日付で認可するにあたり、通産大臣もまた同日付で認可を与えているが、本件書類は、八月十九日付公益第三十九号をもつて、公益事業委員会より通産省公益事業局が受付けており、とうてい八月四日の事務処理は時間的に不可能であります。しかるに、通産大臣は、行政最高の長たる身をも忘れて、公文書を偽造し、無責任きわまる怪文書を作成して、八月四日付で認可したるは、いかなる理由によるか。(拍手)さらにまた、九電力会社の均衡を全然無視し、東北電力に対してのみ見返り資金放出依頼の要請書簡を大蔵大臣に提出したるは、これまたいかなる理由に基くか。通産大臣の明確なる答弁を求めるものであります。(拍手)  第三点は吉田総理にお尋ねをいたします。吉田総理は欠席のようでありますので、官房長官にお尋ねをいたします。只見川の電源開発にからみ、かくのごとく不明朗きわまる政治的陰謀を顧みて痛感する点は、昭和二十五年に公益事業委員会なる新しき行政委員会制度が設けられたゆえんは、実に政党と官僚の支配から公共事業を守る点にあつたのであります。しかるに、同委員会廃止と同時に、かくのごとき不明朗なる政治的措置がとられ、巨額の財政資金を投入する電源開発が吉田政府の手によつて行われるということは、国民のためまことに不幸であるといわざるを得ないのであります。(拍手)すなわち、只見川開発資金は実に一千六百億円の巨額を要するので、白洲東北電力会長就任以来まさに垂涎の地であり、政治資金獲得のため絶好の河川として、白洲をこの地に就任せしめたる吉田総理の配慮は、実にこの点にあつたのであります。(拍手)以来、宮下、柳津、片門の三発電所、十二万キロの工事を施行中にして、間組、前田建設その他数社の請負金額は、早くも七十五億円に達しているのであります。さらに、本工事現場に近き上田、本名の二地点を陰謀によつて強奪し、右二地点の発電所建設費八十億円の工事契約、見返り資金融資等にからみ、吉田側近は巨額の政治資金を獲得し、得たる資金はあげて総選挙並びに吉田、鳩山首班抗争にばらまかれたと伝えているのであります。(拍手)  これを要するに、本件にからみ政府のとりたる一連の強引きまわる工作は、只見川の開発によつて政治資金を獲得せんとする吉田、白洲側近閣僚等の画策せる最も悪質なる政治的陰謀であり、白洲のアメリカ行きは実に本件の国会における糾明を恐れて逃避したものであり、(拍手)今や吉田政府は、只見川をめぐり、戦後最大の疑獄事件の様相を呈するに至つたのであります。(拍手)  吉田総理は、これに対し、国民の疑惑を一掃する良心と誠意があるならば、今回の紛糾の原因となりたる只見川二地点の開発許可を白紙に返し、電源開発促進法の定むるところにより、電源開発調整審議会において、技術的、経済的見地から十分検討を加えるか、あるいは上田、本名の開発工事を電源開発株式会社に当らしむるか、この二点のいずれかを選び、電気事業の健全なる発展のために、公正にして明朗なる電源開発の態度を明らかにすべきであります。(拍手)この点に関し、吉田総理の明確なる答弁を求めるものでありまして、その答弁いかんによりましては再質問の権利を留保いたしまして、私の緊急質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
  42. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 栗田君にお答え申し上げます。  只見川の水利権の変更その他電源開発に関しまして政府のとつた措置につきましては、東北電力、東京電力両会社の実情につき慎重に検討を加えた結果、現下の急迫した電力事情を考えると、電源の早期開発は一日もゆるがせにできない事情にあるので、電源の早期かつ経済的開発をはかるため、東北電力をして急速にこの工事に着手せしむることとし、また所要の開発資金の融資をいたした次第であります。通産省といたしましては、本名、上田両地点につき公共事業令に基く許可を行うにあたりまして、工事所要資金調達ができるかいなかを確かめる必要上、大蔵大臣に対して、両地点開発の本年度所要資金約二十億円を要するうち、十二億円程度を見返り資金より融通し得るやいなやを照会したのであります。これに対しまして、大蔵大臣より、両地点を開発する上において見返り資金より融資を必要とする額については融資を考慮する旨の回答が通産省にあつた次第であります。  公文書偽造の事実については、さような事実はまつたくございません。八月一日付書類の引継ぎを受けており、通産省としては成規手続による書類に基いているのでありまして、ただいま申し上げた通り、公文書偽造等の事実はまつたくございません。  さらに、政府においては、二十七年度の見返り資金対象工事としての新規開発地点は、各地区一箇所、全国九箇所と決定し、それぞれ政府資金の融資を行うことといたしているのであります。政府資金の総工事費に対する割合は六割を確保すべく、目下関係省、開発銀行等と協議中であり、まだ最終的決定までには参りませんが、おおむねその目標の確保は可能と考えておるのでありまして、東北電力の場合と同様、他の会社の場合にも行うのであつて、何らふつり合いを生ずるがごときことはないものと信じております。(拍手)     〔政府委員愛知揆一君登壇〕
  43. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。本名、上田開発資金の昭和二一十七年度融資見込額は十二億円という計画になつておりまするが、これは、本年度の見返り資金投資計画額の三百億円のうちに、未計画分が五十三億円ございましたので、そのうちから充当することが適当と考えたわけでございます。なお、この十二億円の計画の内訳は、第三・四半期分が九億円、第四・四半期分が三億円と見込まれておるのでありまして、今日までに現実に貸し付けられました額は六億円でございます。なお残りの六億円につきましては、先ほど申しました未計画分から充当することが可能であると考えられるのでありますが、なお充当ができません場合におきましては、予備費のうちから支出することが可能であるのでございます。従つて、本件の実施のために他の計画に支障を来すというようなおそれは絶対にございません。(拍手)また本名、上田に対する十二億円の計画は、新規工事に対しましては工事費の六〇%を出すということが一般の基準でございまして、その基準通りにいたしておるのでありまするから、本名、上田につきましても、他の計画に比較いたしまして、不正、不純というようなことは絶対にございません。(拍手)     〔栗田英男君「議長」と呼ぶ〕
  44. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 再質問ですか――。栗田君からの再質問は、すでに申合せ時間を数分間過ぎておりますので、許可することはできません。      ――――◇―――――  名古屋東亜合成化学工業所爆発惨事に関する緊急質問(前田種男君提出)
  45. 久野忠治

    ○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、前田種男君提出、名古屋東亜合成化学工業所爆発惨事に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  46. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 久野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  47. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  名古屋東亜合成化学工業所爆発惨事に関する緊急質問を許可いたします。前田種男君。     〔前田種男君登壇〕
  48. 前田種男

    ○前田種男君 私は、ただいま上程されました名古屋東亜合成化学工業所の爆発惨事に関する緊急質問をいたします。  十二月二十二日午後一時五十分ごろ、名古屋東亜合成化学工業所の爆発事件があつたのでございますが、この事件に対しましては、政府は、あるいは出先の官憲は、当局は、一体いかなる緊急措置をなしたかというのが、私の質問の第一点でございます。聞くところによりますと、爆発事件でございますので、非常な惨害があつたにもかかわらず、さらに余震があるということのために、相当の救済措置が遅れていたといわれておるのでございます。そのことのために、死者二十一名、重軽傷者合せまして、報ずる新聞によつては違いますが、二百五十ないしは三百名、民家の被害が百六戸に及んでおると言われております。こうした大きな突発事件に対しまして、政府当局は、急速なる対策として、一体いかなる対策をなしたかという点につきまして、厚生大臣、あるいは通産大臣、あるいは労働大臣――私が重要な点としてお聞きしたいところの、この原因がいずこにあつたかという点につきまして、いまだに政府当局からの発表が、ございません。当然、国会開会中でございますから、政府が進んでこの原因に対して発表すべきであることは言うまでもないのでございます。私は、そうした観点から、この原因の真相を――通産大臣なり、あるいは検察を担当しておりますところの法務大臣から、今日までの経過を明細に御報告願いたいと考えます。  私の聞くところによりますと、この会社は、本年になりましてから四回の事故を引起しております。三月十三日、七月十五日、八月十三日、九月十三日の四回にわたつてそれぞれ事故を起しまして、その都度死傷者を出しておるのでございます。本年になりまして四回にわたるところの事故を引起しながら、当局からは注意をされたといわれつつも、なおかつ今度の大事故を引起しておるのでございます。こうした点等を勘案いたしますならば、設備の安全の問題、あるいはその他の製造工程の過程におきまして、監督行政の任に当るべき、それぞれの立場におる通産、労働両省といたしましては、十分責任を持たなければならない案件であらうと私は考えます。私は、こうした点から、出先官憲が大会社との間に、なれ合いその他の関係によつて、こうした設備その他監督上十分の注意をせなくてはならない案件がおろそかにされておるきらいが多分にあるということを、この際指摘せなくてはならぬのでございます。(拍手)  そればかりではございません。こうした化学工業は、全国に相当ございます。しかも、最近におきましては、こうした化学工業は、特需の一部でございますところの爆弾並びに火薬の製造をやつておるのでございます。爆弾の製造の問題は、わが国におきましては、憲法上その他関係法規の問題におきまして相当疑義がございます。その疑義のことをここで確めようとはいたしませんが、いずれにいたしましても、そうした工場によつて危険な物件を製造しておるということには間違いないのでございます。そういたしますならば、そうした製造工場に対する設備安全の保障ということにつきまして、当局はいかなる監督行政をやつておるか、通産大臣の明確なる答弁を要求しておきたいと考えるものでございます。(拍手)  さらにもう一つ、この事件と相関連いたしまして、政府が十分に注意せなくてはならない案件として、過日解決いたしました炭労ストの結果、六十数日間、炭坑の坑内が荒廃に瀕しております。炭坑の坑内が荒廃に瀕するということは、おのずからガス爆発その他の問題等が思い出されるのでございます。一体、炭坑の今日の状態のもとにおいて、そうした危険な、荒廃に瀕しておりますところの坑内の実情等に対しまして、通産大臣は厳重なる指示を出して、そういう事件が起きないような対策をとつているかどうかという点を、この事件とあわせて、われわれは未然にこれを防止する意味から注意を促す次第でございます。戦後の企業は、いろいろな点で崩壊に瀕しております。その企業の整備をするためには、十分の資金がなければ設備の安全が保障されない。それが資金難のためにおろそかになつておることは、いろいろ問題になつております。しかし、そうした安全般備が確保されないところに人命の危険がございます。私たちは、今日の日本の現状におきましては、労働者の人命が軽んぜられておるのでないかということを心配いたします。われわれは、現場の第一線に働く人たちが、真に安全が保障されて、能率増進のために協力でき得るような設備の改善が画然として確保されなくてはならないと思いますが、そうした問題等に対する当局の指示――あるいは労働行政の面から、あるいは通産行政の面から、この事件とあわせまして、今後のそうしたことに対する見解を明らかにしていただきたいということを申し添えまして、簡単な私の質問にかえる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣小笠原三九郎君登壇〕
  49. 小笠原三九郎

    ○国務大臣(小笠原三九郎君) 本月二十二日、名古屋の東亜合成工業において爆発事故を起し、死傷者百八十五名を出し、また附近の家屋等に損害を与えましたことは、まことに遺憾千万に存ずるところでございます。政府といたしましては、即刻係官を現地に派遣し、これを慰問いたしまするとともに、状況を調査中で、今明日中に詳細判明することと存じております。  同工場は、本年七月にも、アンモニア分離機の破裂の事故を起すなどのこともあり、高圧ガス取締法の規定により、政府はこれに対し厳重な警告を発し、事故の再発なきを期したのであります。今回の事故は、硫安工場のアミラン廃液蒸溜工場の回収硫安蒸留罐の爆発であり、高圧ガス取締法または火薬類取締法の対象となるものではなく、労働基準法によつて危険防止を行つているのみであり、特にこの装置は、新しい技術によるわが国唯一の設備でもございまする関係上、法的取締りの盲点であつたことはまことに遺憾千万でありまして、この際十分に真相を究明いたしまして、今後これら爆発物等の危害防止について適当な処置をいたしたいと存じております。  事故の原因につきましては、まだ調査中で、正確なことは判明いたしませんが、不純物の混入による爆発ではないかと考えられるのであります。会社といたしましても、安全装置については極力遺憾なきを期したものとは思われますが、新技術による製造工場でもあり、この事故の発生が予想されなかつたことでもあつたのじやないかと思うのであります。  次に炭鉱保安の関係についてお尋ねがございましたが、先般の炭労争議の結果、坑内が荒廃し、争議中にもしばしば数炭坑において発火の危険が生じましたが、いずれも防災に成功し、事なきを得たのであります。ただ三菱鉱業高島炭坑においては、遂に二つの坑道が発火し、水没するのやむなきに至りましたが、人命には何ら異状がなかつたのであります。争議後は、各炭鉱とも鉱員が入坑し、坑内の整備に努めており、まだ事故は一つも発生しておりません。しかしながら、坑内の荒廃状況等より見て、事故発生の危険も皆無とは申しがたいので、政府は争議中及び争議後に炭鉱業者に特に通牒して、万全の策をとるよう厳重注意をいたしております。  爆発その他の事故の発生のおそれある企業は、火薬類、ガス類、石油類、染料その他化学工業があり、この事故防止のために、火薬類取締法、高圧ガス取締法、消防法、労働基準法等によつて取締りを行つておるのでありますが、この際、法の不備もありますので、これを補うとともに、関係者の自戒を促したいと存じております。金が足らぬために危険防止設備がないがしろにされるということが万一にもありましては、これはたいへんなことでございますので、何よりも人名のたつときことに思いをいたし、あらゆるものに優先して人命の安全を確保することを、業界に対してこの際特に強調、要請する考えでございます。(拍手)     〔政府委員福田一君登壇〕
  50. 福田一

    ○政府委員(福田一君) 労働大臣にかわつてお答えを申し上げます。  労働省といたしましては、事件が発生いたしますと同時に、係官を現地に派遣いたしまして、原因の探究と災害の補償について万遺憾なき措置を講ずるよういたした次第であります。ただいま通産大臣から御説明がありました通り、まだ原因は明らかになつておりません。しかしながら、罹災者は、死亡二十一名、重傷三十六名を含めまして二百三十七名でございます。これらの人々に対しまして、災害の補償をすみやかにいたしますために、予算より二千万円を示達いたしまして、なるべくすみやかにこれを完了せしめるように措置をいたしておる次第であります。  なお先ほど通産大臣も申されました通り、今回の事件は実は日本でも初めてのことでございまして、この例がないのでございますが、今後においては、かようなことがないように、厳重に関係者に通牒をいたしたいと考えております。しかしながら、日本においては、労働基準法によつて、労働者の安全と衛生は特に強調されておるのでありまして、これは非常に重大なことでございます。私たちといたしましては、日本全国において、火薬類の二十二工場を含めまして六十二工場を、安全を特に強調しなければならない工場と指定いたしまして、労働基準局をしていろいろと厳重な監督をさせておるのであります。これまでも、労働基準法の見地から考えてみまして、実は資金とか資材がないからそういう措置ができない、安全とか衛生の措置ができないというようなことを言つて参りましても、私たちは一件もこれを認めた例がございませんし、今後におきましても、私たちは、労働者の安全と衛生のために、御説の通り万全の措置をとりたいと考えておる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣犬養健君登壇〕
  51. 犬養健

    ○国務大臣(犬養健君) お答えをいたします。お話のように、工場で勤労しておりまする工場労働者が安心して働くような装置ができておりませんならば、これはゆゆしいことだと存じております。事件発生後、さつそく電報、長距離電話等で問い合せておりますが、現場から報告を求めております点では、たびたび――四回にわたつてやつておるというので、これは労働基準法を遵法する観念の薄い点があるのじやないか、また近隣に対しても責任感が欠けておるのではないか、また安全装置というものをどのくらいやつていたのであるか、新式の機械であるにかかわらず、用意周到な心やりが欠けていたのではないかというような点で、厳重に問い合せております。事柄によりましては――私の得た印象では、単なる過失を越えておるような印象を受けておりますので、厳重な問合せをいたしております。まことに申訳ないのでありますが、ただいままで、まだ回答が来ておりません。(「怠慢だぞ」と呼ぶ者あり」)その点は相済まぬ。いずれ回答が参り次第、事柄をはつきりいたしまして、厳正な処置に出たいと考えております。(拍手)      ――――◇―――――  中国抑留同胞引揚げ促進に関する緊急質問(古屋貞雄君提出)
  52. 久野忠治

    ○久野忠治君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、古屋貞雄君提出、中国抑留同胞引揚げ促進に関する緊急質問を許可されんことを望みます。
  53. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 久野君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  中国抑留同胞引揚げ促進に関する緊急質問を許可いたします。古屋貞雄君。     〔古屋貞雄君登壇〕
  55. 古屋貞雄

    ○古屋貞雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして中共地区にある同胞の引揚げ促進について政府の所見を承りたいと存ずるのであります。  終戦以来八回の春を迎えようとしておりますが、いまだ中共地区には、帰ることができずに、望郷の念にかられ、あたたかい引揚げの手のすみやかに差延べられる日の一日も早からんことを千秋の思いで待つておりまする数方の同胞があるのでございます。かかる同胞の苦悩に思いをいたしますときに、留守家族の御心中は申すまでもなく、われわれ国民といたしましては、断じて忍び得ないところであるのであります。従いまして、政府におかれましては、あらゆる手段を講じましてすみやかにこれが引揚げ実現に万全の策を講ずべき重大な責任があるのであります。(拍手)  しかるに、民間におきまする各種団体あるいは個人は、中共におけるあらゆる援護関係などに関係をつけまして、直接中共に対して、これらの同胞引揚げに努力いたして参つて来たのでありますが、政府におきましては、かかる留守家族の切なる要望や、われわれ国民の意思を無視いたしまして、誠意を持つてこれが実現に努力しなかつたのであります。すなわち、吉田内閣は、中共を否認いたしまして、中共を相手にしないと声明を発表いたしており、中共と日本の間に鉄のとびらをおろして参つておるのであります。従いまして、両国間においては、これら引揚げに対する交渉が円滑に行われないのであります。そのために、遂に七年の長い月日を経過いたしたのにもかかわらず、いまだに引揚げが完了せず、ことさらに多数の同胞を苦しめるに至つたのでありまして、その原因はあげて、政府の無誠意と、方針の誤まれる点にあると申し上げても過言でないと存じます。(拍手)  今回中共からの同胞引揚げに関する申出に対しましても、政府は、直接中共と交渉することをいたさずに、遠いインドにこれがあつせん方を依頼しておる。しかも、インドにおきましては、これにこたえて、あつせんをしない、という状況に置かれておるのでございます。政府は、かかる従来の不誠意並びに態度を改めて、中共の申出に従つて直後交渉をいたしまして、同胞引揚げを促進するお考えがあるのかどうか、政府の所信を承りたいのであります。  以上のような政府の失態は、究極するところ、吉田内閣のアメリカ依存の追随外交の失敗であつて、その責任は重大であり、断じて見のがすわけには参りません。(拍手)総理大臣並びに外務大臣は、これに対していかなる責任を痛感しておるか。もしそれ、総理大臣並びに外務大臣において一片の国民的愛情がありまするならば、その政治責任を痛感するならば、従来の誤まれるところのアメリカ一辺倒の追随外交を自主外交に切りかえまして、日本民族の幸福と、これら同胞の引揚げの重大なる案件をインド等の国々にお願いするような愚劣な手段を捨てて、政府みずから中共を相手として交渉をなし、すみやかにこれが引揚げを完了いたしまして、同胞を祖国のあたたかい家庭に迎えるべきであると私は信じます。(拍手)総理大臣、外務大臣のこれに対する所見を承りたいのであります。もしそれ、政府におきまして、従来のアメリカ依存政策を切りかえることができないならば、中共から今回申出ておりまするところの、いわゆる中共が帰してやろうと言つておりまするところのこの誠意にこたえるべく、日本赤十字社、日本平和連絡委員会、日中友好協会の三団体の代表を派遣して中共と交渉せしめ、引揚げに当らせるというようなことは当然だと信じまするがゆえに、政府のこれに対する所見を承りたいのであります。(拍手)われわれ同胞はあげて中共の態度を懸念しており、中共側から帰すというような申し出があつて、特に前述の団体を指示いたしまして、帰してやると言うて来たのでありますから、当然にその意思を尊重して引揚げを進むべきであります。しかるに、新聞等によりますと、政府においては、右団体の一、二について反対があります。旅券の交付に難色があるやに見受けられますが、はたしてさような意思を政府が持つておるかどうか。帰す側の意思を尊重せなければ引揚げはできないのであります。政府は真に同胞引揚げを促進する考えがあるかどうか。それとも、中共の申出に反対いたしまして、引揚げを不能に陥れられても責任を感じないという考えであるかどうか、外務大臣の方針を承りたいのであります。  重ねてお伺いいたします。政府は、右三団体の代表を派遣し、積極的に引揚げに協力すべきであると思うが、はたしていかなる考えを持つているか。特に右代表に対し旅券を交付する考えがあるかどうか。政府は、従来、政府の好ましからざる人物に対しましては、ことさらに、へりくつをつけて、旅券の交付を拒否して参りましたが、今回はいかなる態度をとるか、外務大臣の御答弁を求むる次第であります。  なお、中共側が日本政府を相手にしないので、政府もおめおめ出かけるわけにも行かない。また政府から代表を派遣いたしましても、中共から相手にされないだろうと存じます。ゆえに、引揚げを促進するためには、国会の代表を国民代表として中共に派遣し、前記三団体と協力して、これが促進に当らしめることが必要だと考えるが、外務大臣の答弁を承りたい。(拍手)  さらに、中共側より在留邦人は三万人であると発表しておりまするけれども、政府の五万九千人の発表と大きな食い違いがあるのであります。政府は、何を根拠として、かかる数字を発表したのであるか。これは留守家族今後の処世に甚大なる影響があるので、納得の行くような数字的根拠を示して、その点を明確にされたい。  今回の引揚げは、短時日に相当多数の引揚げをいたしまするのみならず、特殊事情下に行わんとしておるのでありますから、これが引揚げに対し、いかなる受入れ態勢を用意しておるか。従来のような失敗を繰返さないような受入れ態勢ができておるかどうかの政府の確信を承りたい。特に結氷期に入つておるので、配船等について、かかる事情をも考慮して準備を行われておるかどうか。なお、引揚げ後の援護対策に万遺憾なきを期しておるかどうか。その具体的方途いかん。特に引揚者の住宅の問題、就職問題、子弟の教育問題等に対する対策について、厚生大臣から納得の行くような御説明を承りたい。  今回の引揚げは、従来の引揚げと異なりまして、特殊事情下にあるのでありまするから、相当引揚げ費用並びに引揚げ後の援護費用が必要だと考えまするので、この費用に対して大蔵大臣は準備がなされておるかどうか。新聞によりますると、厚生大臣はこの援護費用を捻出するために飛び歩いておるというようなことを承つておるのでありまするが、さような、どろぼうをつかまえてなわをなうような愚かな態度で、われわれはこの大切な同胞引揚げの援護を完備することはできないと考えるが、これに対する大臣の明確な答弁を承りたい。  以上、総理大臣、外務大臣、大蔵大臣、厚生大臣の御答弁を承る次第であります。(拍手)     〔国務大臣岡崎勝男君登壇〕
  56. 岡崎勝男

    ○国務大臣(岡崎勝男君) 抑留者を帰還させることは、政治や外交に先行しまして、イデオロギーを超越した人道問題であり、かつ抑留国の義務でもあります。中共政府とわが国との国交がないために引揚げ問題が遅れたと称するのは、本末を転倒しておるものと考えます。(拍手)ジユネーヴ条約の精神も、現実の交戦が終息し次第捕虜の交換を行うようになつているのであります。わが国は、占領中も、また独立後も、すでに再三、国連やら、あるいは国際赤十字、第三国等を通じまして、中共側に引揚げ問題の解決促進につき要請をいたしたのでありまするが、今回ようやく北京放送で意思表示があつた次第であります。  なおインド政府に対しましては、われわれはあつせんを依頼いたしましたが、インド政府においては、これを快諾いたしております。但し、これは、北京放送が真に中共政府の意図に出ておるかどうか、またもししかりとすれば、いかなる手続で話合いを進めるかの二点を確かめるためでありまして、インド政府に引揚げの交渉そのものを依頼したのではありません。  政府が直接代表を出して話合う意向であることは、すでに一昨二十三日の政府発表の通りでありまして、これは放送をもつて中国にも発表いたしております。  なお、この引揚げは国費をもつてまかなうものでありまするから、その手続その他につきましては、原則として政府代表が行きまして、その打合せを行うのが当然でありまするけれども、これにこだわつて引揚げが遅れるようなことがあるのは本意であり1せんので、このような場合には、国民の代表たるに足る者を送ることももちろん考えております。しかし、この楊台にも、引揚げ問題に従来から努力して来た団体の代表者が行くことが筋道であろうと考えております。これに対しましては、話がつき次第、旅券等はいつでも出すつもりでおります。  なお、中共地区の生存者五万九千名という数字は、国内に残つている関係資料とか、引揚者のもたらした報告とか、あるいは現地からの通信等を資料といたしまして、終戦以来今日までの間に、とにかくそのある時期に生存していたことが確かであるという証拠のある者のみを集めた数字であります。  なお、今申しました通り、二十三日に政府の代表をも派遣したい意向を発表したのでありまして、政府としては、これに対する回答を待つておるのでありまするが、それはともかくといたしまして、国会の代表はもちろん国民の代表でありまするから、先方が受諾すれば、喜んでその派遣方に努力するつもりでおります。(拍手)     〔国務大臣山縣勝見君登壇〕
  57. 山縣勝見

    ○国務大臣(山縣勝見君) お答え申し上げます。  中共からの引揚げは多年の懸案でありまするから、ただいま外務大臣の御答弁にありました通り、もしも引揚げが実現いたす際におきましては、この受入れ態勢につきましては、万全の措置をとりたいと考えておるのであります。すなわち、まず輸送でありまするが、輸送に対しましては、御承知の通り、ただいま舞鶴には高砂丸が待機いたしておるのであります。約九千トンであります。大体一回二千五百人ぐらい、あるいは三千人ぐらいが輸送できます。なお、ただいま結氷についてのお話がございましたが、ナホトカと違いまして、中共から引揚げて参りまするにつきましては、結氷の懸念は通常の年におきましてはないと考えております。但し、万一さような異常の際におきましては万全の措置をとりたいと考えておるのであります。  なお、これらの方々が今回日本にお帰りになつた後における措置につきましては、まず舞鶴の援護庁には、一時大体二千五百人程度、一箇月延べ一万人の収容に対して、物資あるいはその他の万全の措置をととのえておるのであります。なお問題は、定着された後における、あるいは定着までの措置であろうと思いますが、それに対する旅費あるいは雑費、あるいは食糧に対しましては、予算をとつておるのであります。もしも予算が足りませんときには、予備費その他の財政措置は、これは大蔵省と御相談いたしまして、必ず万全の措置をとりたいと思つております。なお定着後における措置であります。すなわち、ただいまのお尋ねの住宅の問題、あるいは教育の問題、あるいは更生資金の問題、あるいはその他でありますが、たとえば更生資金につきましては、昭和二十一年以来三十六億を支出いたしておりまするが、今後これらの問題につきましては、ただいま申し上げました通り、財政措置の面におきましても万全の措置をとりたいと考えております。     〔政府委員愛知揆一君登壇〕
  58. 愛知揆一

    ○政府委員(愛知揆一君) お答えいたします。帰還の具体的の方法が未決定でございまするから、幾ら幾らとここに数字を明確にしてお答えすることはできません。しかしながら、経費の問題で帰還が阻害されるというようなことは絶対にございませんように、文字通り万全の措置を講じております。      ――――◇―――――  請願日程 生野町の地域給引上げの請願外二百五十二請願
  59. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 本日の日程に掲載された請願を一括して議題といたします。
  60. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 各請願は委員長の報告を省略して採択するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  61. 大野伴睦

    ○議長(大野伴睦君) 御異議なしと認めます。よつて各請願はいずれも採択するに決しました。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時一分散会