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1952-12-22 第15回国会 衆議院 内閣委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和二十七年十二月二十二日(月曜日)     午前十一時十九分開議  出席委員    委員長 船田  中君    理事 熊谷 憲一君 理事 富田 健治君    理事 早稻田柳右エ門君       大西 禎夫君    岡田 忠彦君       田中 萬逸君    森 幸太郎君       山本 正一君    笹森 順造君       粟山  博君    吉田 賢一君       辻  政信君  出席政府委員         総理府事務官         (内閣総理大臣         官房賞勲部長) 村田八千穗君         保安庁保安局長 山田  誠君  委員外の出席者         総理府事務官         (恩給局審査課         長)      城谷 千尋君         専  門  員 亀卦川 浩君         専  門  員 小関 紹夫君     ――――――――――――― 十二月二十二日  委員上塚司君、川島正次郎君、松岡松平君、松  村光三君、明禮輝三郎君及び横川重次君辞任に  つき、その補欠として鳩山一郎君、田中萬逸君、  平塚常次郎君、内田信也君、森幸太郎君及び岡  田忠彦君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  栄典法案(内閣提出第三三号)   請願  一 軍人恩給復活に関する請願(川野芳滿君紹    介)(第二二号)  二 同(楢橋渡君紹介)(第九〇号)  三 同(森清君紹介)(第九一号)  四 同外一件(羽田武嗣郎君紹介)(第九三    号)  五 同外一件(小山長規君紹介)(第一五五    号)  六 同(田原春次君紹介)(第一五六号)  七 同(寺島隆太郎君紹介)(第二四二号)  八 同(臼井莊一君紹介)(第二四三号)  九 同(石坂繁君紹介)(第二七八号) 一〇 同(小林かなえ君紹介)(第二七九号) 一一 同(羽田武嗣郎君紹介)(第三〇七号) 一二 同(宮澤胤勇君紹介)(第三七三号) 一三 同(加藤鐐五郎君紹介)(第三七四号) 一四 同(原茂君紹介)(第三七五号) 一五 同(木下重範君紹介)(第三七六号) 一六 同(石坂繁君紹介)(第三七七号) 一七 同外二件(丹羽喬四郎君紹介)(第三七八    号) 一八 同(山下春江君紹介)(第三七九号) 一九 同(丹羽喬四郎君紹介)(第三八〇号) 二〇 同(柳原三郎君紹介)(第四五二号) 二一 同(勝俣稔君紹介)(第四五四号) 二二 同(星島二郎君紹介)(第四五五号) 二三 同(笹森順造君紹介)(第四五六号) 二四 同外十五件(小平久雄君紹介)(第四五七    号) 二五 同外十件(秋山利恭君紹介)(第四五九    号) 二六 同(楢橋渡君紹介)(第五二一号) 二七 同(井出一太郎君紹介)(第五二二号) 二八 同(小川平二君紹介)(第五八八号) 二九 同外一件(三池信君紹介)(第六八〇号) 三〇 同(千葉三郎君紹介)(第七九四号) 三一 同(新井堯爾君紹介)(第七九五号) 三二 同(三池信君紹介)(第八九三号) 三三 同(北れい吉君紹介)(第一一六六号) 三四 同外二十七件(松野頼三君紹介)(第一二    九〇号) 三五 軍人恩給復活に関する請願(後藤義隆君紹    介)(第九二号) 三六 同(重光葵君紹介)(第一五四号) 三七 同(小松幹君紹介)(第一八〇号) 三八 同(廣瀬正雄君紹介)(第一九〇号) 三九 同(村上勇君紹介)(第一九一号) 四〇 同外一件(西村英一君紹介)(第二二四    号) 四一 同(廣瀬正雄君紹介)(第二二五号) 四二 同(重光葵君紹介)(第二七七号) 四三 同外二件(後藤義隆君紹介)(第三三〇    号) 四四 同(西村英一君紹介)(第四五三号) 四五 同(重光葵君紹介)(第四六〇号) 四六 軍人恩給復活に関する請願(池田清君紹    介)(第八九二号) 四七 同(西村英一君紹介)(第九一二号) 四八 同(中馬辰猪君紹介)(第九三六号) 四九 同(川野芳滿君紹介)(第一二八九号) 五〇 軍人恩給復活に関する請願外二件(西村茂    生君紹介)(第一〇一八号) 五一 同外五件(西川貞一君紹介)(第一〇五一    号) 五二 同(吉武惠市君紹介)(第一〇五二号) 五三 同外八件(久原房之助君紹介)(第一〇五    三号) 五四 同外一件(受田新吉君紹介)(第一一六五    号) 五五 同(青柳一郎君紹介)(第一二〇九号) 五六 同外五件(受田新吉君紹介)(第一四〇九    号) 五七 軍人恩給復活に関する請願(岡田忠彦君紹    介)(第一一六四号) 五八 老齢軍人に対する恩給復活の請願(田中伊    三次君紹介)(第一〇五四号) 五九 元軍人遺族の扶助料復活に関する請願(田    中伊三次君紹介)(第一〇五五号) 六〇 元軍人、軍属遺族の扶助料復活等に関する    請願(柳原三郎君紹介)(第四五八号) 六一 同(關谷勝利君紹介)(第五〇二号) 六二 戦没者遺族の扶助料支給に関する請願(逢    澤寛君紹介)(第一二〇八号) 六三 軍人恩給復活に伴う加算年限等に関する請    願(西村英一君紹介)(第四六一号) 六五 軍人恩給復活に関する請願(加藤常太郎君    外一名紹介)(第三〇八号) 六六 同(加藤清三君外三省紹介)(第八九号) 六七 伊良湖岬に試砲場設置反対に関する請願(    辻寛一君紹介)(第七四号) 六八 同(加藤清二君外紹介)(第八九号) 六九 大湊町に海上警備隊大湊地方監部設置に関    する請願(山崎岩男君紹介)(第五八九    号) 七〇 高松宮翁島別邸用地の山林原    野を元地主に払下げの請願(鈴木義男君紹    介)(第七四一号) 陳情書  一 元軍関係の恩給審議に関する陳情書(島根    県周吉郡西郷町大字西町八尾ノ一村上留吉    外四十九名)(第四号)  二 元軍関係の恩給審議に関する陳情書(高知    市高知県恩給権擁護連盟委員長山岡重厚)    (第五〇三号)  三 老齢元軍人に対する恩給復元の陳情書(高    知県恩給権擁護連盟委員長山岡重厚)(第    五号)  四 老齢元軍人に対する恩給復元の陳情書(香    川県丸亀市大手町四番地高木吾市外十三    名)(第八〇一号)  五 元琉球公務員に対する恩給支給の陳情書(    首里市当蔵区四丁目九十三番地琉球恩給促    進委員会委員長山城篤男外六百七十三名)    (第三〇二号)  六 元軍関係公務員及び遺族の恩給復活に関す    る陳情書(熊本市大江町大江三十五番地千    田貞雄)(第三〇三号)  七 軍人恩給の復活に関する陳情書(長崎県軍    人恩給権擁護連盟大村、東彼連合支部福田    伊五郎)(第三〇四号)  八 軍人恩給の復活に関する陳情書(岡山県軍    人恩給復活期成連盟岡山県阿哲郡支部野馳    村分会田房仙市外二名)(第五〇二号)  九 軍人恩給の復活に関する陳情書(岐阜県武    儀郡遺族連合会会長高橋定道外四百四十六    名)(第七〇一号) 一〇 恩給法改正実施の促進に関する陳情書(東    京都議会議長齋藤清亮)(第四〇三号) 一一 元軍人恩給復活に関する陳情書(愛知県西    加茂郡高橋村大字野見成田惣五郎外四十四    名)(第四〇四号) 一二 元軍人恩給復活に関する陳情書(愛知県恩    給復活期成連盟岡崎支部橋本勇松)(第六    〇一号) 一三 軍人恩給復活審議に関する陳情書(千葉県    印旛郡佐倉町宮小路百六十五番地水谷孫太    郎外二名)(第四〇五号) 一四 元軍人関係恩給の一部即時支給の陳情書(    旧軍人関係恩給復活全国連絡会会長永持源    次)(第五〇一号) 一五 恩給法改正に関する陳情書(長野県飯田高    松高等学校教諭北原謙司)(第五〇四号) 一六 伊良湖岬試砲場設置反対に関する陳情書(    名古屋市会議長横井龜吉)(第二〇一号) 一七 伊良湖岬試砲場設置反対に関する陳情書(    鈴鹿市長杉本龍造外一名)(第三〇一号) 一八 伊良湖岬試砲場設置反対に関する陳情書(    三重県議会議長野呂顯太郎)(第四〇二    号) 一九 自治功労者に対する栄典制度の立法措置に    関する陳情書(東京都議会議長齋藤清亮)    (第四〇一号) 二〇 商船大学東京校舎返還促進に関する陳情書    (商船大学東京校舎返還促進本部長小泉秀    吉)(第八〇四号)     ―――――――――――――
  2. 船田中

    ○船田委員長 これより内閣委員会を開きます。  まず栄典法案を議題として質疑を行います。質疑の通告があります。辻政信君。
  3. 辻政信

    ○辻(政)委員 この法案の第八條の第三項に、「自己の危難を顧みずに勇敢な行動をなし、功労のある者に対しては、前項の規定にかかわらず、特別の功労章を授与する。」と書いてあります。これは具体的にどういう功労章になるのですか。昔の金鶏勲章のようなことを考えておられるのですか。その点について承りたい。
  4. 村田八千穗

    ○村田政府委員 この特別の功労章と申しますのは、現在のところ火災、風水害、工場、鉱山等における災害、それから治安の維持、こういう方面に関しまして勇敢な行動をして、自己の生命の危険を顧みず立てた功労というものを対象にしたい、こう考えております。
  5. 辻政信

    ○辻(政)委員 そうしますと、現在の保安隊あたりが大規模な内乱のときに任務のために身命を賭して戦う人に対してはどういうものが適用されますか。旭日章ですか。
  6. 村田八千穗

    ○村田政府委員 今のお尋ねでございますが、功労が非常に大きい場合には普通の勲章の旭日章、その功労が勲章を授与するほどでないという場合には特別功労章、こういうふうに考えております。
  7. 辻政信

    ○辻(政)委員 この文字の上では、著しい功労のある者には旭日章となつており、次に特別功労章は、自己の危険を顧みずに勇敢な行動をなしたという戦場行動のような表現になつておりますが、これはどういうわけですか。
  8. 村田八千穗

    ○村田政府委員 特別功労章は、必ずしもおつしやるような内乱とかいうものを予定しているわけではございませんので、要するに勇敢な行動で立てた功労に対しては特別功労章を授与しよう、こういう考えであります。お話のように何か特別な大きな事件がございまして、勇敢な行動で功労を立てたという場合には、それが非常に大きければ勲章を授与する、その功労が勲章を授与する程度でなければ特別功労章にする、こういう考えでおるのであります。それから元来功労章と申しますのは、勲章を授与する程度に達しない功労に授与するという考えなんでありますが、そのうちで特別に勇敢な行動によつて立てた功労には特別の功労章を授与する、こういたしました理由は、元来火災、風水害あろいは治安の維持、こうような方面に関する功労、しかも勇敢な行動で立てた功労というようなものは同一人が重ねて立てろ場合が予想される。それで普通の功労章は一般の功労でございますから、同一人がそうそう、重ねることもないので二等級くらいで大体まかなえるのではないか。特別の場合、三回重なつたような場合は杯とか何か別の方法でやつて行く、こういうふうに考えたのでありますが、特別の功労章の対象になるような功労は同一人が重ねる場合が多いのであります。それで普通功労章と別のものにして、飾版の制度で、重ねて何度立てても表彰の道があるようにした方が適当ではないか、これだけの趣旨で設けたのであります。それから今特定の職業に従事している人に多いと予想されると申し上げましたが、これはもちろんそういう職業に従事している人だけに絶対に限るというものではございませんで、一般民衆が火災、風水害等に非常に勇敢な行動で功労を立てたという場合ももちろん授与する、こういう考えでおるのであります。
  9. 辻政信

    ○辻(政)委員 ロシヤの勲章制度、アメリカの勲章制度を見ても、勲章の大部分が戦場においての武功というものを表彰するようになつているようでありますが、戦争を放棄した日本、軍備を持たない日本においてはそういうものは持てないというのでおとりやめになつたホけですか。もしくは将来保安隊等が内乱鎮定に際して、いわゆる戦場の武功に匹敵すべきものを立てるということを予想されて、それに対する表彰は旭日勲章によつて行なおうとする意思か、あるいは別個につくるお考えかどうか、あらためてお伺いしたい。
  10. 村田八千穗

    ○村田政府委員 ただいまの御質問につきまして、この法案では一応現状についての対策、こういうふうにお考えいただきたいのでございます。非常の場合についてまた何か特別な必要があるかないかということまでごごで検討して提案したわけではございません。
  11. 辻政信

    ○辻(政)委員 次はこの附則の第三項ですが、「この法律の施行の際現に授与されている従前の旭日章、宝冠章、瑞宝章及び記章は、この法律の施行後もへなお効力を有するものとし、これらに関しては、第十四條、第十五條第一項、第十六條から第十八條まで及び第二十二條の規定を準用する。」こうなつておりますが、金鵄章を除いた以外の従来の勲章はみな生きることになるのですか。
  12. 村田八千穗

    ○村田政府委員 お話の通り金鵄勲章以外の勲章は、すべて将来も国の栄典として認めるという考えでございます。
  13. 辻政信

    ○辻(政)委員 そうしますと、この金鵄勲章を禁止されたのは、憲法の施行とともに廃止されたとなつておりますが、憲法のどこによつて廃止されたのですか。
  14. 村田八千穗

    ○村田政府委員 憲法の條文に華族制度の廃止がございまして廃止されたというのと、金鵄勲章とは事情を異にしておりまして、憲法の趣旨にかんがみまして、戦争を放棄した以上、戦争を予定しての勲章は必要がないのではないか、こういうような考えで廃止したのであります。
  15. 辻政信

    ○辻(政)委員 憲法施行とともにその精神をくんで金鵄勲章をやめたということですね。間違いありませんか。
  16. 村田八千穗

    ○村田政府委員 憲法の趣旨にかんがみてやめたのであります。
  17. 辻政信

    ○辻(政)委員 戦場において働いた軍人は、武功の最も著しい者が金鵄勲章、その程度に至らない者が旭日章、サボつて、御苦労さまというのが瑞宝章、そういう制度になつておるわけです。そうすると、一般の兵隊は国家の命令においてたまの中に身をさらして、最も勇敢にやつて金鵄勲章をもらつておる者が除外をされて、さほど勇敢でない、またあぶらを売つたような、単に御苦労さまであつたという者だけが瑞宝章と旭日章によつてさらにその名誉を表彰ざれるという理由はどこにありますか。
  18. 村田八千穗

    ○村田政府委員 金鵄勲章を廃止いたしました理由は、先ほど申しましたように、これを授与した功労の問題ではございませんで、戦争を放棄した憲法のもとにおいて戦争の際の功労の勲章を持つ必要はない、こういう意味で廃止したのであります。そこでお話のような問題でございますが、金鵄勲章と申しますのは、すべて旭日勲章と同時に授与しております。従いまして、金鶏勲章を廃止しても、それと一緒にいただいておる旭日章の着用は認めておるので、授与をした功労は必ずしも否定しておる意味ではない、こういうふうに考えております。
  19. 辻政信

    ○辻(政)委員 そうすると、金鵄勲章をもらわなかつた人は今度もその名誉を表彰されているし、もらつた人はそれを取上げる。ことにごの問題では、生きている者よりも遺族の人に非常な影響を持つております。あなたの方の世論調査にも書いてありますように、遺族の中の人たちはこういうことを言つている。「まず戦争でもらつた勲章を持つている人たちのことですが、戦争にまけたのだから今後一切無効にした方がよいと思いますか、それとも功績は功績だから認めた方がよいと思いますか。」こういう問いに対しまして、「今後も認めた方がよい」というのが六六%、「その他著しい傾向としては、「認めよ」というのは当然のことながら勲章のある者に、また一般の人(六四%)より遺族(七二%)に多くなつている。この遺族の中で、自分の子供を戦場で失つて国家から金鵄勲章をちようだいしたという人たちは非常に名誉を感じている。その最高の名誉を奪つて、その次等の名誉を残そうという気持がわからない。同じ戦死した者でも、金鵄勲章をもらわないで瑞宝章もしくは旭日章で死んだ人もあるのであります。それをどういうふうに考えておられるかはつきりしてください。
  20. 村田八千穗

    ○村田政府委員 今の遺族の中に、お話のようなお考えの方も相当おありだろうと思うのでございます。しかし戦争を放棄した憲法のもとに、戦争に関する功労を表彰する制度を置いておくのはいかがか、こういう理由で廃止したのでございまして、そのほかに他意がないのでございます。
  21. 辻政信

    ○辻(政)委員 それならば旭日章をもらつたのも、戦争に関係した一つの勲章なんでございます。それもなぜ放棄しないか。それだけを生かした理由はどこにありますか。
  22. 村田八千穗

    ○村田政府委員 御承知のように、旭日章は戦争というものと直接の関連はないのでございます。それで金鵄勲章は、制度上戦争と関連があるわけであります。戦争に関連があるものは、一応日本国憲法のもとにおいては、存続するのは適当じやないじやないか、こういうふうに考えた次第であります。
  23. 辻政信

    ○辻(政)委員 日清、日露戦争もやはり侵略戦争という意味で、その当時の殊勲者も抹殺する意味ですか。
  24. 村田八千穗

    ○村田政府委員 先ほども申し上げましたように、金鵄勲章を廃止しましたのは、これを授与した功労が、今から見て功労と認められないとかいうような問題じやないのでございまして、単に日本国憲法のもとにおいて、この種の勲章を存続しておくことが適当でない、当時そういう情勢判断のもとに廃止したのであります。
  25. 辻政信

    ○辻(政)委員 戦争放棄の憲法をつくつた以後においては、お説の通りでありますが、日本においてはそれ以前のものは、国家から与えられた正式なものであり、既得の名誉であり権利である。それをさかのぼつて、戦争放棄の憲法をつくつたから、以前のものも全部とれということは、意味が違うのではありませんか。
  26. 村田八千穗

    ○村田政府委員 お話のようなことにもなると思うのでございますけれども、少くとも憲法施行当時の情勢では、金鵄勲章制度は廃止した方が適当だ、こういうふうに考えて廃止しました。
  27. 辻政信

    ○辻(政)委員 デモクラシーの本場におけるアメリカにおいては、勲章の主体が戦場の功労ということになつておる。またソビエトの勲章も同様に、戦場における武功こいうものを最高に考えておる。将来保安隊ができて、武力を持つて、命を投げ出して日本の生命財産を保護しようというときに、日本だけが命を投げ出した人に対する褒賞というものを無視していいものかどうか。そういう状態で保安隊の志気炉あがりますか。政府はどうお考えになりますか。
  28. 船田中

    ○船田委員長 委員長からちよつと辻君に申し上げますが、きわめて重要な問題であり、栄典制度についての非常な重大な点だと思いますが、今日これの審議を終るわけではありませんので、十分そういうことは慎重にやつてもらいたいと思います。他の委員からもその問題に関連して御質疑があるようでありますが、これは事務当局にだけ御質問になつたのではらちがあかぬと思います。いずれ国務大臣に御出席を願つて、十分御審議願いたいと思います。
  29. 辻政信

    ○辻(政)委員 それでけつこうでございます。あとの質問は保留しておきます。
  30. 笹森順造

    ○笹森委員 実はただいまの委員長のお話で、お気持はわかつたのでありますが、重ねて委員長にお尋ねしておきたいと思いますことは、この栄典制度の問題は、現内閣ばかりでなくて、その以前から、これは重大な問題として、ずいぶん私ども審議を重ねて参つた問題でありますので、この御提案のものの取扱い方法を案は伺いたかつたのでありますが、今のお話では、事務当局ばかりでなく、関係の大臣が来て、いろいろと根本の問題についてお話をするということでありましたが、それはこの今期中に、少くともこの二、三日中に休む前にそういう機会をお考えになつているのですかどうですか。その点をまずお尋ねしておきます。
  31. 船田中

    ○船田委員長 委員長といたしましては、後に曲諮り申し上げようと思つておつたのでありますが、今国会も会期が切迫しておりますから、会期が終るものといたしまして、この法案については、継続審議をお願いするような手続をとりたい、こう思つておりまして、それをいずれお諮りをしようと思つておつたところです。従つてそうなりますれば、この一両日中に国務大臣に出てもらつて、今の問題について説明を願うということが、あるいはできかねるかもしれませんが、その点は、いずれお諮り申し上げた上で、委員長としてとりはからうようにいたしたいと思います。
  32. 笹森順造

    ○笹森委員 ごの問題は、単にごの委員会の問題であるばかりでなく、あるいはまた国会全体として考える以上に、国民全体の大きな関心のあろ問題として、特に慎重に取扱う必要があると思いますので、従つてこの問題に対して適当だと考えられる参考人を呼んで、意見を聞くというようなことを委員長がお考えになつておるかどうか。それもお尋ねをしておき、もしあればけつこうですが、ないとするなら、それを私の方から要望申し上げたいと思いますので、その点のお答えを願います。
  33. 船田中

    ○船田委員長 ごもつともでございます。けさほど理事会で御相談した結果におきましても、公聴会を開きたい。しかし公聴会を開くのには、一週間ないし十日の余裕がなければいかぬということで、どうしても年内に公聴会を開くというわけにも行きませんから、来春になつて公聴会を開くように手続をしたいと考えております。
  34. 笹森順造

    ○笹森委員 ただいま辻委員から、根本の問題に触れてのお尋ねに対して、事務当局では、なかなかこの問題に対て、終局的な政府の態度を明確化しがたいので、いずれそういう機会をつくるというお話でありましたので、もちろんそうお願いしなければならぬのでありますが、事務当局で、取扱い上その根本の問題に触れてお答えできることがあり得るかと思う点、二、三お尋ねしたいと思います。  これはいずれ所管大臣に尋ねたとい思いますが、事務当局で知つておるごとについてお尋ねしたい一点は、ただいま辻委員からも、急所に触れてのお尋ねがあつたのでありますが、ある内閣のある時代においては、旧来のものは全部廃止とまで申せませんでも、その勲章を持つておいでなさることは、別に禁止はしないけれども、これを国家的に有効なものとしての取扱いからはずすというような意見があつたことを、私は一記憶しておるのでありますが、これを偏用することを禁止することはしないのであるが、しかしそれを新しい制度をりくつた以上は、別個の古いものとして、そこに存在は禁止しないにしても、同じ取扱いの範噴に置かないで、一つのけじめをつけるのだというような意見が相当あつたのですが、事務当局において、それらのことをどう聞いて、一体どう処理されたか。今わかつていることをお答え願います。
  35. 村田八千穗

    ○村田政府委員 お話の通り、この前栄典法を国会に出しまして、御審議を願いました際には、旧勲章は一応栄典としての効力は認めないが、持つている方がこれを着用することは妨げない。栄典に準ずるものとするという考え方であつたのであります。この点につきまして、今回いろいろな方面の御意見を伺い、なお事務的にいろいろ検討したのでございますが、これにつきまして、今度提案のような結論になりましたのは、第一に従来のをすべて無効にするというのは酷なものがあるのではないか。たとえば純平和的な学術方面とか、そういう方面の功労者に授与した勲章も、着用はかまわないが、これを無効とする、これでは少くとも酷ではないか。そこですべてを無効とするという従来の考え方は改めて、どこかで区別の線を引くという考え方の方が正しいのではないか。そこでその区別の線をいろいろ検討したのでございますが、しかし結局においては、適当な線を引くのが非常に困難である。そこで今後授与する勲章を改めて別種のものとして、従来のものはすべて一応有効としておいた方が実情に沿うのではないか、こういうふうに考える説が有力になりまして、その説を採用したわけであります。
  36. 笹森順造

    ○笹森委員 今のような説は前からもあつた説でありますが、そういう事務取扱い上のことが非常にむずかしいからということがおもなる理由であつたかと考えられます。ところが、それをやりますと、今、辻委員が指摘されましたような理論の矛盾というものを来して、根本祖な錯誤がそこに暴露されて来ることになるのであります。結局そういうことから今の辻委員のような議論が起る。従つてその場合に文化勲章というものだけは残しておいて、そのほかのものは一切省いた方がいいのではないかという意見も相当有力であつたように私どもは仄聞しており、また多少知つておるのでありますが、その場合に、今、辻委員が指摘されたようなそういう矛盾も克服し得るのだという理由のもとに、古いものを残すというような強い理論的な根拠のお話をあなた方の事務当局は聞かされておるかどうか。そういうことは考えずに。ただ事務上の問題がむずかしいから、たとえば全部もう一ぺん個用者に過去の功労の記録を出させて、そうして賞勲の取扱いの局でこれをもう一ぺん適当なものだけに出して新しいものに切りかえるというような事務が非常にむずかしいということだけで、そういうことになつたのか。あるいはまた今のような理論は全然考えずに、ただそう思つてやつたのか。そこを事務当局はどの辺に理解しておるか。事務当局の理解の程度を聞いておきたいと思います。
  37. 村田八千穗

    ○村田政府委員 文化勲章については、これが授与の方針について今後変更の必要もない、こう考えまして、これはすべて有効とする、これは事務の方にさしつかえがあるというわけでも、もちろんないわけであります。お話の旭日、瑞宝というような普通勲章につきましては、事務上の困難もさることながら、主として従来の勲章は、一ぺん授与したものはこの際有効という方針で進んだ方がいいという政治的判断のように私どもは属つております。ただ、そういたしますと、金鵄勲章の問題に関連するのでございますが、これは戦争を放棄しておる憲法下においてはやむを得ないのではないか。それで従来の旭日等の普通勲章は有効とする。さらにこの際金鵄勲章につきましても同じようなはからいをするというのは政治的に適当なふうに認められない、こういうような考えのもとに、金鵄勲章は従来通り廃止したままの方がいい旭日、瑞宝は有効とする、こういうふうになつております。
  38. 笹森順造

    ○笹森委員 今の答弁は辻委員に答弁されたことと同じで、問題の根本に触れておらぬので、これ以上にはお尋ねいたしません。  その次の問題は位の制度でありますが、ある内閣の時代においては、位というものは今後設けない。つまり宮中席次というものを今後考えないという有力な説が一時あつたのでありますが、またこの制度は存置するということに、ここにあるようでありますが、その存置説と廃止説との間に事務当局はどう理解しておかる、お尋ねします。
  39. 村田八千穗

    ○村田政府委員 前の栄典法提案のときには、お話のように位の制度廃止の法案でございました。当時は位というものが、いろいろの沿革もございますけれども、一つの称号として、栄典の一種に加えて運用する必要がない、こういうような意味が強かつたように思つております。もちろん、従来の宮中席次との関連におきましても、その必要はない。こういうような意見であつたと思つております。今回の位というものは、宮中席次との関連においては、従来と同じように必要はない、こういう意見でございましたけれども、一つの称号として栄典の一種に加えて存置する必要は、前のときと違いまして、あろという結論だつたのでございます。それは、普通勲章が簡単になつておりますので、位というものも存置しまして、両方相並べて運用することが、栄典の運用として潤いがあろのじやないかということがその一つでございます。それからもう一つ、従来贈位という制度がございましたが、これは今後も行うことが適当じやないか、そのために位を存置しておきたい、こういう結論でありました。
  40. 笹森順造

    ○笹森委員 詳しいことはまた所管大臣にお尋ねしますが、もう一つ、事務当局で答えられると思うので聞いておきたいことは、特に軍人の特別な功労のあつた者に与えられた金鵄勲章は廃止になつた。ところがその際にやはり位も与えられている。つまり金鵄勲章とともに、金鵄勲章の功労ゆえに位の上つておるものは、金鵄勲章は取上げられるけれども、位だけは残して置く、しかもその位の陰には、金鵄勲章において表彰せられたる栄典というものは二つが一つであるというのだが、そういう位もやはり栄典として残して置くという取扱いのようにごの考えでは理解してよろしゆうございますか。
  41. 村田八千穗

    ○村田政府委員 位と金鵄勲章との関係は、直接はないのではないかと思います。ただ非常な武功を立てられまして階級が進む、その階級が進んだことによつて位も進んだというようなことはあるかと思います。そしてまたその武功について別の見地から金鵄勲章と旭日章が授与された、こういうふうなことはございますけれども、直接は位と金鵄勲章との関係はないように思つております。しかし大きな目で見て関係があるといわれれば、その通りだと思います。そこで位と金鵄勲章の今の御質問の問題は、結局旭日章と金鵄勲章との関係と同じことでござい、前の功労を否定するという問題ではございませんで、ただ金鵄勲章は戦争の勲章なるがゆえに、これは着用しないことにした方が適当じやないかということで、金鵄勲章の廃止はそのままにしてあるわけでございます。
  42. 笹森順造

    ○笹森委員 大体事務当局の取扱いの点ではその程度にしおきますが、なお根本の問題に触れては、いずれ所管大臣から詳しくお尋ねしたいと思いますので、そのほかの質問は保留させていただきます。
  43. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ごの法案の審議の取扱い方について発言を許していただきたい。今日の質疑はこの程度で打切つていただきまして、次に所管大臣によつて立法の理由とか趣旨とか根本の問題になつておる重大な点についてまず御説明を願つて、さつき御意見がありましたような、外部の重要な参考意見も聞いた上で質疑に入ることにいたしたいと思いますので、今日はこの程度で打切つていただくことにしたらいかがですか。
  44. 船田中

    ○船田委員長 ただいまの吉田君の御意見のようにとりはからつて行きたいと思いますが、御異議ごいませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     ―――――――――――――
  45. 船田中

    ○船田委員長 御異議なければ、さようにいたします。
  46. 船田中

    ○船田委員長 なお本日の議題であります請願及び陳情書日程の審査をこの際行いたいと思います。同一趣旨のもの及び関係の深いものは、適宜一括議題として審査を進めます。紹介議員の見えておらないものは、配付済みの文書表によつて趣旨は御承知のことと存じますので、文書表の朗読は省略し、必要に応じて関係当局より参考意見を求めることにいたしました。  それでは、日程第一ないし六三及び六五、軍人恩給復活関係の各請願を一括議題といたします。発言の通告がありますから、これを許します。吉田賢一君。
  47. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私はこの請願は御採択になるように希望したいのでございます。ただ軍人恩給復活につきましては、一般の恩給制度の根本の問題、あるいは財政その他の関連におきまして、広く検討をする必要がありという意見が残つておりまするので、次の二、三の希望條件を申し述べまして、これが実現する際には、これらの諸点に対する十分なる考慮を払う必要がありと信ずるのであります。  第一は社会保障制度の観点からであります。社会保障制度の広い視野に立ちまして、公の職務とあるいは業務、仕事といつたものに従事しました人々に対しまして、その功労に報いる、あるいは生活を保障するというような目的を考える必要があろうと思います。古い文官に対する恩給制度、あるいは旧軍人に限定する考え方は、やはり広い視野から考えますると、一方に偏向しておるというきらいがあろうと考えますので、この点を深く留意する必要があろうと考えます。  第二には国家財政とのにらみ合せを厳になす必要があろうと思います。そうでなくても、一兆を越えるような現下の財政の国家負担の状態にかんがみまして、相当多額な給与、従つて財源を必要とすべき恩給制度になりますことを考えますと、日本の国家財政の状態をよくにらみ合せまして、これらの制度に対して処理をしなければならぬと考えます。さらにつけ加えまして、戦犯者及びその死没者の遺族並びに傷病者などを除外して参りました在来の考え方につきまして、これを除外しないということが、やはり国内法的な、また国民感情等から考えましても至当なことと考えまするので、これらにつきましても十分考慮すべきであろうと思うのであります。以上三つの点に十分留意して、これは採択すべきものと考えます。
  48. 船田中

    ○船田委員長 他に御発言はありませんかなければ、これらの軍人恩給復活に関する各請願は、本委員会において国政調査事項として従来主張して参つたところでありますが、これらの各請願は相当具体的な事項を含んでおりますけれども、その趣旨としてはこれを了とし、国家財政等の許す範囲内において、可能な限り実現させて行きたいという意味において、採択の上内閣に送付すべきものといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 船田中

    ○船田委員長 御異議がなければ、さよういたします。     ―――――――――――――
  50. 船田中

    ○船田委員長 次に日程第六七及び六八の伊良湖岬に試砲場設置反対に関する請願、並びに日程第六九大湊町に海上警備隊大湊地方監部設置に関する請願を議題といたします。御質疑はございませんか。――御質疑がなければ、ただいまの請願は採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  51. 船田中

    ○船田委員長 御異議なければさように決します。     ―――――――――――――
  52. 船田中

    ○船田委員長 次に日程第七〇の高松宮翁島別邸用地の山林原野を元地主に払下げの請願を議題といたしますが、これは先般日本国憲法第八條による議決案に対し本委員会の態度を決定いたし、本院においてすでに議決されたものでありますので、議院の議決を要しないものと決したいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 船田中

    ○船田委員長 御異議なければさようにいたします。     ―――――――――――――
  54. 船田中

    ○船田委員長 次に各陳情書を議題といたしますが、日程第一ないし一五軍人恩給復活に関するものは、同種請願と同様な意味合いにおいて委員会において了承いたしておきたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 船田中

    ○船田委員長 御異議なければ、さよう決します。     ―――――――――――――
  56. 船田中

    ○船田委員長 次に日程第一六ないし一八、伊良湖岬試砲場設置反対に関する陳情は、採択の上内閣送付と決定した請願と同趣旨でありますので、委員会において了承ということにいたします。     ―――――――――――――
  57. 船田中

    ○船田委員長 次に日程第一九自治功労者に対する栄典制度の立法措置に関する陳情を議題といたします。委員会において了承ということに決定しておきたいと思います。     ―――――――――――――
  58. 船田中

    ○船田委員長 次に日程第二〇商船大学東京校舎返還促進に関する陳情を議題といたします。これも委員会において了承ということにいたしておきます。  これにて本日の請願及び陳情書日程の審査は終りますが、本委員会において態度を決定いたしました請願については、委員長に御一任を願います。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二分散会