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1952-12-10 第15回国会 衆議院 決算委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十七年十二月十日(水曜日)     午後一時二十七分開議  出席委員    委員長 田中 彰治君    理事 迫水 久常君 理事 古井 喜實君    理事 吉田 賢一君       田口長治郎君    田中 萬逸君       永田 良吉君    松野 頼三君       河野 金昇君    鈴木 正吾君       松本 七郎君    八木 一男君       石野 久男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 木村篤太郎君  出席政府委員         国家地方警察本         部次長     谷口  寛君         保安庁経理局長 窪谷 直光君         総理府事務官         (自治庁財政部         長)      武岡 憲一君  委員外の出席者         会計検査院事務         官         (検査第一局         長)      池田 修蔵君         会計検査院事務         官         (検査第一局大         蔵検査課長)  志村  博君         会計検査院事務         官         (検査第二局         長)      上村 照昌君         地方裁判所判事         (最高裁判所経         理局長)    岸上 康夫君         専  門  員 大久保忠文君         専  門  員 岡林 清英君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算昭和二  十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五  年度政府関係機関収入支出決算     ―――――――――――――
  2. 田中彰治

    ○田中委員長 これより決算委員会を開きます。  昭和二十五年度一般会計歳入歳出決算、昭和二十五年度特別会計歳入歳出決算及び昭和二十五年度政府関係機関収入支出決算を議題といたします。  本日の審議の予定は前会に質疑を保留いたしました警察予備隊、国警本部と地方財政委員会及び特別調達庁関係について審議いたします。実は保安庁長官を呼んでおりましたが、閣議及び予算委員会の都合で三時ころまでに必ず出席するという通告でありますから、この保安庁長官に対する質疑の件をあとまわしにいたしまして、この際最高裁判所事務総局から五鬼上事務総長が出席いたしておりますので、吉田君の発言を許します。
  3. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私は最高裁判所当局の御答弁はあとでいただくことにいたしまして、その前にその質疑に入る準備といたしまして、なお前会に引続ま会計検査院当局に対しまして、裁判所関係における批難事項、これに関連しまして、少しくいろいろ華情を盟かにしてみたいと思うのであります。もちろんこの批難事項は昭和二十五年度一件ということになつておりますが、おそらくわれわれ常識から考えてみましても、批難事項とするに値いしなかつただろうけれども、幾多の事案が裁判所関係においても起つたであろうと思うのであります。それであるいは質問され、あるいは調査される等、いろいろ準備段階があつたろうと思いますけれども、それらの方面につきまして、検査院の方におきまして何か御準備がありましたら、少しく明らかにしていただきたいと思います。
  4. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 御答弁いたします。昭和二十五年度の裁判所関係の決算額は四十八億八千八百万円となつておりまして、これが検査にあたりましては書類検査をいたしますし、また実地検査もやりまして、検査をいたしたわけであり場ますが、四十八億のうち主要な経費を占めますのは、一品に申し上げますと、人件費と事務費が大部分を占めておるわけであります。特殊の経費といたしましては営繕関係の経費が約四、五億あるかと思うのであります。従いまして検査にあたりましても、一般の事務費、人件費について検査をいたしますはもちろん、特殊の営繕関係についても相当検査を進めて行つたわけであります。二十五年度におきまして検査いたしますと、照会というものを相手方に出すわけでありますが、検査の結果によりまして、裁判所に照今申し上げた件数が約三十件余りございます。その内訳を申し上げますと、営繕関係が二十三件で大部分を占めております。そのほか保管金の忘失とかあるいは宿泊使用料のことなどについて照会いたしております。それで営繕関係を除きましては、保管金の忘失事項等においてなお調査を要するもので、引続いて調べておるものもございます。それから営繕関係について照会その他の大体の傾向として検査院において取上げておりますのは、各裁判所などにおきまして土地を購入される場合に、購入される土地にまだ建物があるとか、あるいは接収中の建物があるとか、あるいは土地を全体としては相当いるのに、一部分買われたために、問題があとに残るというようなケースが、ございまして、照会を発しておるわけであります。そうして照会を発した結果、院内の手続といたしましては、こういう悪いことがあるということで審議して行くわけでありますが、大部分のものは二十五年度においてやむを得ないというものと、それからもう少し事態の推移を見る必要があるということで、二十六年度に未確認にして、全体の営繕関係を見て行くということで、二十六年度に参りまして引続き検査をやり、現在大体二十六年度はまとまりまして、院内の手続としましては、審議が進められておるわけであります。  それからなおつけ加えて申し上げますと、検査をいたしますのは、結局こういういろいろの不都合な時代が未然に防止されるということが最も望ましいのでありますので、検査の結果に基きまして相手方官庁に注意書というものを出しておるわけであります。それで注意書を出しましたのが二件ほどございます。一つは、山形の赤湯の簡易裁判所の庁舎を建てられる場合に、大体寄附予定でつくられておつたわけでありますが――寄附予定と申しますとちよつと語弊があるかもわかりませんが、建物をつくつて裁判所に寄附するということであつたのであります。それが寄附が十分集まらないので、結局不足分に相当するものを国費で出されて買収されたという事態についてであります。注意しました趣旨は、買われたこと自体というよりも、寄附の問題は、ほんとうに自発的に寄附になる場合でありますれば問題はありませんが、いろいろの問題を包含しておるので慎重に取扱うべきものだというふうな趣旨のもとに、注意書を差出しておるのであります。それからそのほか一件は、旭川地方裁判所でありますが、ここで裁判所の分室としてつくられたものが、実は職員の住居になつておるということで、予算の使用上がよろしくないから、今後においては注意していただきたい、こういうことを出しております。  大体以上をもつて二十五年度の検査した概要の御報告といたします。
  5. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 今伺いましたところによると、二十五年度検査の結果、注意等がございました事件が三十件あり、うち大半の二十三件が営繕関係になつておるようであります。営繕関係というものは、保管金を横領したとかいうのとは違つて、相手がある場合に大体限られるだろうと思います。つまり裁判所外の人との関連が常にあるはずであります。あるいは請負師であるとか、寄附名義による外の人とか、あるいはこれを利用するような内部の他の人とかいろいろそういつた人との関係が常に伴つております。これはやはり戦後の一つの風潮といたしまして、いろいろな機会を利用して、人と讃して公的な不法な利得をする、こういうことをなす一つの大きな顕著な現われのように思いますが、そういつたことについて、不正とか法律上の不法とかいう処置になつたものが、その次の年度にも相当あるのでありますか、それはどうなんですか。
  6. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 二十五年度から引継がれましたものにつきましては、大体その後の事故の状況を見ておちついておるといいますか、大体不当と認められないという事態になつておりますので、一応引続いてはおりません。
  7. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そこで検査院といたしましては、これは三十件の中の二十三件というと、やはり一つの傾向として注目すべきものだろうと思いますので、その傾向に対しまして、裁判所全体に向つて、あるいは国の最高部に向つて何らかの警告とか注意とか、そういうものをお発しになつた事実はないのでございましようか。
  8. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 裁判所関係に対しましては特に出してはおりませんが、土地全体のものにつきましては、今年審議しまして、傾向とかそういうものを現わして、実は国会の方にも御報告したいということで審議しております。特に裁判所の方へは現段階においては出しておりません。
  9. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 最高裁判所の五鬼院総長にお尋ねしたいのだが、今会計検査院の御説明によると、営繕関係におきまして昭和二十五年度に顕著な傾向が現われております。こういつたことは法律上不法あるいは不正ということにならないまでも、相当注目すべき傾向であつたと思うのですが、こういうことについて何か御説明を願えることがありませんでしようか。
  10. 田中彰治

    ○田中委員長 ちよつと吉田委員に申し上げますが、五鬼上事務総長が出席になつていると思いましたところ、かわりに岸上説明員がおいでになつているのですが、いかがでしよう。
  11. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 そうですが。やむを得ませんから、出席の方に答弁を願います。
  12. 田中彰治

    ○田中委員長 どうして五鬼上さんがおいでにならなかつたのですか。
  13. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 宇都宮地方裁判所の事件に関連して経理関係の説明ということでございましたので、経理局長として私が技術上の事務を全部まかされたような形でやつておりますので、その方の関係については私の方が適当じやないかということで私がまかり出たのでございますが、総長も、ぜひ総長が出ろということでございましたら出てもいい、ただしきようは前もつて約束があつて出かけておられますので、日をあらためてにお願いしたい、こういうふうに申しておりました。
  14. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 実はきようの裁判所関係の審議につきましては、前会の際に、不正事件としては一件しか上つておらぬけれども、いろいろとこれに至るまでの段階の各種の事件があろうと思うから、そういう点を究明したい、なおこのよつて来るところが人の関係にあるのか、あるいは給与等の関係にあるのか、あるいは機構の関係にあるか。そういうようなことと関連いたしまして、最近裁判事務が全国的に渋滞していることが国民の非難の的になつておりますので、最高裁判所における裁判の進行状況につきましても、あわせて十分に聞く必要がある、こういうことで適当な方の出席を委員の方からは要求しておいたのであります。そういういきさつがあるのでありますが、経理局長は前会もおいでになつたと思うのですが、そうじやなかつたのですか。
  15. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 私前会に参りました。
  16. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 前会と同じ方が来ている。そうしてほかに最高裁判所からはきようは出席がないのですか。
  17. 岸上康夫

    ○岸上最高裁判所説明員 きようは参りません。総長はきようはちよつとよんどころないさしつかえがあるので、ぜひということであれば日をあらためていただけばぜひ説明申し上げたい、こう申しております。
  18. 松本七郎

    ○松本(七)委員 関連して……。あらかじめごの問題がこういうふうになるということを予想して、委員の方で適当な総長出席を求めたのですから、それを官庁の方でかつてに、審議内容がこういうふうなものだからこの方が適当だろうというふうなことで出席されることは、これは不当だと思うのです。これはこちらが要求して、そしてその審議内容になお必要な方があるならば、その方がついて出て来られるのが当然な処置だと思うのですが、その点は委員長から厳重に今後はやつていただきたい。
  19. 田中彰治

    ○田中委員長 この前にも皆さんに申し上げた通り、今まで決算委員会を非常に軽視された。決算委員会は政府委員及び説明員の手習い場所というように、簡単に考えられているような傾向を私たちは調査の結果知つております。しかもそれのみでなく、八千万国民から、ないときは差押えしたり、あるいはこれを持つて行かれては困ると言つて泣くやつをひつぱがして、それを競売したり、あるいは売つたりして税金をとつている。その大切な血税が国家のためにどういうぐあいに使われているかということを、われわれは調べて国民に報告する義務を持つております。あなた方に言わせると、何回言つても皆さんがおわかりにならないなら――やつた人たちのこつぱ役人を処分したとか何とか言つてここで誇られますが、そんな誇られること自体が間違つている。もしそういうことが間違つておれば、少くとも大臣までもその責任を負わして、それがために内閣がひつくり返つてもしかたがない。あなた方を呼び出したときにもし出られなければ、少くとも委員長のところへこういうわけで出られないからとおつしやれば、私の方はあらかじめ呼び出された委員に対して申し上げておく。それをそういうぐあいに軽視されるならば、私の方は昭和二十五年度だけでも百四億からのものがある。それのみではありません。会計検査院の方がお調べになつてここへ出されているものは、われわれが想像して調べをしているのから見ると三分の一しか出ておらない。三分の二は、会計検査院の方においても、それを猶予するなり、出さないなり、やみにほうむられているものがあるということを私どもは思料している。こういうものを全部出して徹底的にやります。そういうことをわれわれはしないで、決算委員会は調べてある程度までちやんとものを知つておいて、許すべきものは許し、それが国家のためになるものはそれを知つて知らぬふりをして、そして今後こういうむだがないように防止するのが、われわれ委員会の任務だと思つておりますから、もし皆さんがそういうぐあいに軽視されるということでありますならば、私は委員長として考えて、委員諸君と相談して、われわれは断固たる態度に出ますから、これだけ申し上げておきます。  委員の方には非常に申訳ありません。委員長の不徳のいたすところと申しましようか、手落ちと申しましようか、おわびしておきます。
  20. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 委員長を通じて適当におはからい願いたい件があります。昭和二十五年度裁判所関係におきまして、ただいま会計検査院当局の御説明がありました三十件の事件について、詳細なる資料の提出を次回までに願います。  それからその資料は、事件の内容、経過、人の関係、それからどういう処置を裁判所としてはとつたか、現在どうなつているか、それを全部調べて御記載の上、本委員会に提出方をひとつおとりはからい願いたい。  それから裁判所の係りの当局の事情を、事前に十分に委員会に向つて説明なり了解なり連絡なりすることなくして、当然前会に引続いて出なければならぬ最高裁判所のなにがしが出ないということにつきましては、そのためにまた委員会は時間を空費しなくてはなりませんので、今後そういうことがないように、適当な方法で、これも委員長によつて措置せられんことをお願いしておきます。
  21. 田中彰治

    ○田中委員長 承知いたしました。
  22. 松本七郎

    ○松本(七)委員 先ほどの検査院の方からの御答弁についてですが、さつきの裁判所の問題で、検査院の方としては、建てることそのことは必ずしも不当ではない、むしろ寄附に仰ぐということからいろいろの弊害が起こるので、その点を警告したということでしたが、これは、予算を組む場合に、そういう寄附でやるということを予想して予算を組まれておつたものか、そうでなしに、予算では一応営繕費としてそれも含まつたものが通過して、それの後に寄附によつてやろうということが問題になつたものか、その点をはつきりしておいてもらいたい。
  23. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの御質問の点でありますが、実はその点資料を持つておりませんので、明確にお答えできませんので、調査した上でお答えしたいと思います。
  24. 松本七郎

    ○松本(七)委員 その点はつきりしてもらいたい。営繕費として含まつておらないで、あらかじめこれは寄附に仰ぐということを予想して予算が組んであるものとすれば、これは寄附がいろいろな弊害があるからいかんのじやなしに、今度は予算の趣旨と違つたやり方でこれをやつたこと自体が問題になるわけなのですが、そこは明確にしていただきたい。  もう一つ、ついでに検査院に御答弁願いたいことは、二十五年度において審査の要求が何件あつたか、その点をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  25. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 実ははなはだ申訳ありませんが、明確なお答えはできません。実はその方の係でありませんが、大体記憶しておるところを申し上げますと、おそらくなかつたと考えております。しかし記憶違いがあるかもしれませんので、その点はよく調査した上で、はつきりしたことを申し上げたいと思います。
  26. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうすると、二十五年度だけでなしに、審査制度が開始されてから一体何件ぐらいあつたか。
  27. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 実は御趣旨がのみ込めないのですが、審査とおつしやいましたので、会計職員の方に不当な事項があつた場合には、会計検査院に審査の要求ができるということだと実は考えて御答弁申し上げたのでございますが……。
  28. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうです。新しい会計検査院法ができてから審査制度というものが確立されておるわけです。それで、審査要求というものが、外国ではずいぶんたくさん出て来ておる。日本でこれが開始されて、どのくらいの案件が今まであつたかということがわれわれの関心の的なのです。
  29. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 実は審査の制度ができまして、相当活用されることと考えておつたわけでありますが、件数ははつきり記憶いたしませんが、現在までのところ五、六件ぐらいの程度出て来ておるだろうかと思つております。
  30. 松本七郎

    ○松本(七)委員 一般にはなかなか審査要求ができるということは知れてないと思うのです。せつかくそういういい制度があつても知らないたあに、不当な損害をこうむつてそのままになるということがあり得るわけです。むしろこういう制度があることを周知徹底させる努力が必要だと思うのですが、そういう方面の努力はどのようにされておりますか。
  31. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 御説明いたします。実は審査制度が当初できましたとき、たしかラジオで放送したかと思います。それからその後機関雑誌、その他機関雑誌類似の会計制度その他に関する雑誌に多少載せておりますが、今お話のように、あるいは周知徹底するまでに行つていないかと思います。その御趣旨を体して帰りまして相談したいと思つております。
  32. 永田良吉

    ○永田(良)委員 私もこの問題に関連してお尋ねしたいと思います。先ほど寄附金のことについて会計検査院の答弁が、私どもにはどうしても了解できない。私はいなかものだから法律のことは何も知らぬけれども、多年地方政治や中央の政治問題において、何か国家の施設か県の施設をする際に、政府当局や県当局が地元に対して、悪くいえば寄附の強要ぐらいなことをやつて、お前のところで土地か建物を寄附するならば、裁判所もつくつてやろう、学校がほしいというならば、よし、敷地か建物の一部を寄附でもすればつくつてやる、そういう無理な交渉の結果、日本全国至るところに寄附金のあとがふしまつになつた例がたくさんあるのであります。それらは会計検査院としては、過去の多年の御経験で十分に御承知だろうと思うのです。なおまた終戦後新しい会計検査院法が設けられて、皆さんはたいへん人数もおふえになつたそうであります。しかし私はいなかにおつたからよくわかりませんけれども、たくさん人がふえたにかかわらず、この皆さんは――今の世相はどうです、至るところに官公吏の不正事実が日に増しふえている。それを皆さんは、こんな訓告をしたり、長官の人が注意をしておる。今文書を送るとおつしやいましたが、その文書をお送りになつて、官庁の長官が庁員を集めて御訓戒をなさつたからといつて、幾ばくの効果があるでしようか。その結果について、会計検査院としてはその効果があつたかなかつたか、詳細に御調査なさる必要があると思う。昔は会計検査は権威があつたものです、地方なんかふるえ上つたものなんです。このごろは私が見るところでは――私は大隅の方なのですが、会計検査院の人が地方に会計検査に来ておつて、そこの官庁の旅館にはとまらんで、温泉旅館にとまつた例がある。そういうだらしのない検査なんかしておつて、地方の官庁が皆さんの権威を重んじますか。こういうことから、皆さんがいくらたくさん人がふえられても、効果的にはあまりおもしろからぬことに陥りはせぬかと思うのです。しからば寄附金のあとしまつは皆さんどうですか。寄附は任意であるが、絶対的に会計検査院としてはその責任を、地元の町村や県に、われわれ個人の場合に財産の差押えまでしてとるように、徹底的におとりになつているかどうか。今までの例を示していただきたい。そうでなければ、寄附をして学校をつくるとか何とか運動をしておつて、あとではごまかしてしまう。そうなるとずるい政治家は勝つのです。私はいつも申し上げておるように、政治というものは新しくなくちやいけない。日本再建の立場から見て、今後運動によるとか、ごちそうによるとか、変なことをしていては、日本の政治がますます紊乱して行くことは明瞭なのです。それを正して行くには会計検査院の検査が一番効果があると思う。さつきも委員長がおつしやつたように、われわれ決算委員会は徹底的に不在は摘発します、徹夜してもやります。そうして日本の会計検査が確立されぬならば、官紀の紊乱というものは日に増しふえて行くと思う。この官紀が紊乱して犯罪人がふえるということは、日本の政治界が腐敗堕落した証拠ではありませんか。ことに最高裁判所のごとき、最高裁判所のされた仕事において、そういう世間の疑惑を招くようなことがあつたら、日本の将来はやみである。徹底的にそういう不正があつたらわれわれはこの機会に立ち上つて、日本の再建の門出において、今度選ばれたわれわれ議員としては、命をささげてもこの問題に正しく進んで行きたいと思います。これについてはもう少し熱意をもつて報告してください。人もかえないでいいかげんなことを答弁されても、われわれは承知しません。しつかりどうぞ御答弁を願いたいと思います。
  33. 松本七郎

    松本(七)委員 それに関連して、委員長にお願いしておきたいのですが、委員長は決算委員の重責を非常に認識されて、委員会の運営に当つて行かれる、この点非常にわれわれは心強く思いますが、今までどうかすると、国の予算の面には国民一般の関心も非常に深かつたわけですが、その使い方その他については無関心である。それが幸いに検査院法自体が根本的に改革されて、今日に来ておるのですが、この機会にこそわれわれは、国民一般の関心を高める絶好のときであろうと思います。そこでただ厳密な意味のいわゆる検査報告書、過去のものを審議するというばかりではなしに、せつかく検査院でも、常時継続検査の建前ができておるのですから、国会委員会においても、現在の予算の使い方、そういうことも並行してひとつ審議をやつていただきたいと思います。そのためにはさつそくながら、本年度の検査院における常時継続検査の経過、今までのものをひとつ至急に御報告願つて、それをあわせて審議するというような方法をとつていただきたい。ひとつ委員長の方で特にこの点御考慮願いたいと思います。
  34. 田中彰治

    ○田中委員長 研究して御返答いたします。
  35. 河野金昇

    ○河野(金)委員 関連して……。先ほど寄附によつて裁判所をつくつたり何かしたことがあつたということでありますが、私の知つている範囲でも大分あるのでありますが、二十五年度に国の予算のみでお建てになつた裁判所は幾つあつて、それがどことどこ、それから寄附によつて――全部寄附じやないでしようけれども、大部分を寄附によつてお建てになつたのも相当あろうと思うのでありますが、そういうのを一度、二十五年度分をひとつ資料として出していただきたいと思います。  それから国の予算はどれだけ組んで、全部国の予算でやつたのはどこか、その場所と、それから寄附を仰いだ分は、国の予算がどれだけで、寄附はどうというふうな資料。これは非常に悪い傾向があるのでありますが、大体警察とか裁判所を建てるときに、寄附を出せというと、当時二十四年、二十五年ごろでありますと、悪いことをやつた者が金をもうけている。そういう者が結局よけい出しておるのであります。まさかそれによつて罪に手心が加えられるとは思いませんけれども、そういういまわしい傾向が地方にはたくさんにあるわけでありますから、その寄附によつてお建てになつた場所なんかは、特に内容も詳しくひとつ知らしていただきたいと思います。
  36. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 関連して……。会計検査は、今どういうふうな方法でやつておるか。つまり現地調査、実地調査というようなことが大分ありますけれども、私の知り合いで、会計検査院で相当いい地位まで行つて、今やめている人から私が聞いている話だと、会計検査で現地調査にいつ出張するということを大分以前に通知して、そして検査される方から、それでは検査をする場所は、東北ならば花巻温泉のような温泉場とか料理屋を指定する。そこへ検査官が出て行つて、向うの持つて来た帳面か何かを検査をして、そして帰りの汽車賃は向うで買つてもらつて帰つて来るというような検査の仕方をやつておるということを、くろうと筋から聞いておるのですが、現在現地調査をするときにも、あらかじめいつ何日に行つて検査をするから、抜け目のないように帳騨を整理しておけという余裕を与えるようにして検査に行つて、間違いなしというのでは、何にもならぬと思うのですが、現在会計検査院が現地調査をする場合の手続、実態というようなことを、どういうふうにやつておるかを御説明願いたいと思います。
  37. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 検査の大体のやり方を御説明いたします。先ほど書面検査と申しましたが、国費を使う場合に、支出の方でありますれば、大体一箇月分をまとめて全体でどれだけ使つたか、これは科目別にわかるわけでありますが、計算書も、それに対応する証拠書類も、原則として翌月末に出て来るというような仕組みになつております。それを常時見ておりまして、実地検査にそれを元にし、あるいは全般的に検査に行くということをやつておるのでありますが、先ほどお話のありましたように、実地検査に行きます場合には、おおむねいつ何日に行くからということで、向うへ通知して参つております。しかし全部そういうやり方であつては、ただいまお話のように、穏当でないということで、抜打ちに検査をするということも併用しております。検査に参りました場合には、相手方の官庁の建物の中で検査をいたしております。ただいま温泉地でやつておるというようなお話がありましたが、これはないと私は確信しておりますが、場合によれば、こういうことはあるということを御承知願いたいと思います。執務時間中やりまして、非常に時間がたつた場合に、宿へ書類を持つて行つて、夜説明しようということはあるかとも思いますが、これはそのときの場合で、別にそれがためにどうこう飲み食いするとか、そういう趣旨ではございません。そういう場合もあるかとも思いますが、原則としてその庁舎内でやつておるはずだと思います。
  38. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 原則としてそうあるのがあたりまえで、原則として料理屋や待合いや温泉場で検査するなんて、べらぼうなことがあろうはずはないのです。あなたはそう言うけれども、実際の場合はそういう原則があまり守られていないじやないかという疑いを持つている人がたくさんある。そこで会計検査院を権威あらしむるためにも、会計検査院は一切そういうところへ足踏みしないで、官庁の建物の中で検査するというような、つまり検査に出かける人に対する行き届いた訓令というか、そういうことをやつておられるのですか。私の聞くところでは、これはくろうとの言うことなんですが、大体あらかじめ通知を出しておくと、それでは検査場所はどこにしましようということで、そこでオーケーという返事をして出かけるということが往々にしてある。こういうのです。しよつちゆうみなそればかりではないでしようけれども、往々にしてそういうことがあるというのですけれども、その点について、そういうことがあつたんじや検査の権威が疑われるわけですから、会計検査院としては、そういう検査せられる者からの酒食饗応は一切受けぬ。帰りの旅費は、往復の旅費をもらつて行くのだから、必ず自分で買つて帰るのだという節度が保たれているのかどうか。そうだろうと思うというのではなしに、実際そうあつてほしいと私は思つておるものですから、その点について、たとえば検査官が出て行くときに何か注意を与えるとか、会計検査院の全体の空気として、厳粛な、こういうような綱紀粛正をはかつておるという事実があれば、それをお示し願いたい。ただ抽象的に、原則としてはそんなことはないと言つても、ないのがあたり前なんですから、そういうことの疑いを受けぬために、会計検査院はこういう注意を払つておるのだ、具体的にこういうことを訓戒をしておるのだという事実があれば、それを伺いたい。
  39. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまのお話の点、たしかにもつともだと思います。それで検査院といたしましては、検査の権威をあらしめるために、そういうふうに検査に行つた場合には、厳格にやつて、そして他から非難なからしむるようにやることが最も適切であると思うわけであります。それで終戦直後、実は検査に参りまして、刑事上の問題になつた事件があつたこともございます。それで検査院といたしましても、そのときはもちろんでありますが、首脳部の方におきましても、出張先において問題を起してはいかぬ。というのは、酒食の饗応を受けてもいかぬし、検査をする態度も厳正でなければならぬいうことで、内部の訓示もやりましたし、それから相手方の官庁にも、これは協力を得なければなかなか実施困難な場合もあるかと思いまして、検査院の総長名をもちまして、各官庁に十分そういう点は注意してもらいたいということを、文書をもつて依頼いたしました。それも数回にわたつておるかと思います。  それから検査に行きます都度においても、酒食の饗応とか、そういうものは絶対にないようにということを、文書で依頼してやつておるのであります。そして検査に参ります者に対しても、そういうことのないように、検査は厳重にやつて、人から批判されるようなことのないようにということを、出張する場合に、申しておるわけであります。実際問題といたしまして、酒食の饗応を受けることはありませんと言い切りたいのでありますが、やはり官庁の関係で、夕食をともにしてくれということで、夕食をともにした事例もあると思います。しかしそういうこともいろいろ問題を起すから、そういうことのないようにということで、絶えず注意はして参つておる次第であります。  それから先ほど原則と申し上げましたのは、実は温泉地でやるとかそういうことはありません。ただその宿に帰つて一緒にやることがあるということの意味でそう申し上げたのでありまして、そう私の方で自信を持つておるという趣旨ではありません。
  40. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ただいま鈴木委員の御指摘になつた点で、実地検査をする方法その他のこまかいことは、事務総局できめるのか、それとも検査官会議もそれについては何らかタツチして、いろいろ決定をするのか、その点を承りたいのであります。
  41. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの点でありますが、実地検査をし、あるいは書面検査をする場合に、検査の事務は事務局で担当しておりますが、やはり検査官の指示を受けてやつております。そのやり方は当該年度の予算あるいは社会情勢等いろいろの傾向を見まして、今年はそういう点を重点的に見るとか――重点的に見ると申し上げますのは、やはり全部を見ることは、人員あるいは予算の関係でできぬものもありますので、一応全体を見るのではあるが、現在の予算あるいは社会情勢から、こういうものを主として見ようということが示されまして、それにのつとりまして、事務局は細部をどういうふうに検査しようということをさらに考えまして、検査を施行しておるわけであります。
  42. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうすると、大綱は検査官会議できめて、その方針にのつとつて事務総局がやるということですが、そうすると先ほど鈴木委員の御指摘になつたような点についての責任は、事務総局にあるということになりますか。饗応だとかそれからそのとまる場所だとか、そういうこまかい点にまでは、検査官会議の方では何も指図をしない、こう解釈してよろしいですか。
  43. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 お答え申し上げます。検査上の実施の面については事務局がやつておりますし、それから具体的のいろいろの注意も事務局でやつておりますが、検査院が権威ある検査をするかどうかということは、これは検査官会議の方でも至大な関心があるわけでありますから、絶えず事務局の方からも連絡して、指示も受けてやつておるはずであります。
  44. 石野久男

    ○石野委員 ただいまの問題に関連いたしまして、出張検査とかいつて現地に出張する場合のやり方でございますが、それは大体あらかじめ日程をきめて出すのでありますか。それとも現地での必要に応じてそれが伸縮できるのであるかどうか。これをひとつ。それから出張して現地でいろいろと仕事をされる場合の手当の問題とか何かが、当然問題になつて来るのだろうと思います。おそらく出て行けば出て行つただけの仕事はしなくちやいけない。その間にいろいろつき合いの関係なんかもあつて、手当が十分でないためにいろいろなことが出て来るということもあり得るのではなかろうか。こういうふうに思うのですが、そういう点については、皆さんの方では実質的に、現在の出張手当とかいう問題についての考え方をどのようなふうに見ておるか。そういう点をひとつ承りたい。その二つをお答え願いたい。
  45. 田中彰治

    ○田中委員長 ちよつと石野委員にお諮りしたいのですが、実は保安庁長官が予算委員会に行かれるところを、決算委員会の皆様の非常なる御熱意のため、こちらへ先においでになつたので、その間の短い時間でひとつやつてくれというわけでありますから、済みませんが、答弁を保安庁長官の方が終つてからにしていただけませんか。
  46. 石野久男

    ○石野委員 簡単でよろしいですから……。
  47. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの点でございますが、出張します場合には原則として日程をつくつて、向うへ渡しております。それから抜打ち検査をする必要がある場合には、日程を渡しておりません。それから検査します場合に、向うでいろいろの事件があつて、さらに調査を要するというような場合には、指示を受けて日程を変更してやります。  それから手当の関係でございますが、手当としましては、出張に際しては、宿泊費と日当と旅費が出るわけで、それをひつくるめて旅費と申しますが、旅費も最近改正されまして、ほぼ何とかできるような状況だと私は思います。それと検査院といたしましては、いろいろな問題が起らないように、指定旅館というものをつくつております。これは全部には行きわたつておりませんが、主要都市には指定旅館をつくりまして、それを利用するというような方法を講じております。
  48. 田中彰治

    ○田中委員長 ただいま保安庁長官が出席されましたから、この報告の第二号ないし第六号につきまして、鈴木君、吉田君、大矢君、――大矢君は本日は欠席されておりますが、発言をお願いいたします。
  49. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 この会計検査院の方の二から六の項目について、派生的な問題として起つた問題について、長官の御答弁を得たい。それは一昨日のこの委員会で、あなたの方と国家警察の方の答弁の食い違いがあつたと思つたのです。というのは、保安庁の経理局長のお話によると、警察予備隊ができるときに、人員募集の事務国家警察に頼んだ。その必要上国家警察の手によつて、金は警察予備隊の金でいろいろの庁舎をつくつた。そしてこの人員募集の必要な事務国家警察委託して、ここに掲げられたようないろいろの建物をつくつた。そこでこの建物は当然警察予備隊の費用で建てたのだから、その延長である保安庁財産であるべきである。それを今国家警察が使つておる。その間に国家財産の移管の手続もなし、ずるずるべつたりに使つておるというふうなお話があつた。それで本来ならば、それはいらなくなつたら一ぺん大蔵省に移して、大蔵省から国家警察使用を許すとか何とか、そういう手続があるべきはずなのに、そういうことなしにやつておるというふうな解釈で、つまりこの建物は、結局警察予備隊の費用でつくつた建物だから、その財産権というか、そういう帰属は保安庁のものだという解釈をなされておりました。それに対して国家警察の方の御解釈では、いやそうじやないのだ、これは予備隊の金でつくつたに違いないけれども、しかしながらそれは国家警察の建物としてつくつたんだから、初めから国家警察に属しておるのだ、こういう意味の御答弁であつたのです。私ども聞いておつて何もわかりませんけれども、どうもこの答弁は食い違つておる。出席された人はみなそれぞれのエキスパートでしようけれども、そういう大事な国家財産の帰属問題について統一した答弁が得られないということは、はなはだ残念だと思います。そこで当面の大臣であるあなたに出てもらつて、その解釈を統一してもらいたい。はつきりした統一解釈を得さえすれば、私どもそれで満足なんですから、行き届いた御答弁をお願いいたしたい。
  50. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 ただいまの御質問はまことにごもつともであります。御承知の通り、警察予備隊の当初の募集七万五千人でありますが、これは唐突の際でありますから、国家警察において一時その事務を取扱つたのであります。そこで御承知の通り、これらの多数の隊員を募集するにつきましては、国家警察の施設の一部を使つたのであります。いろいろの事務はそこでやりました。従いましてその間に合わない部分については、警察予備隊の費用から支出いたしまして、建物をつくつたりあるいは補修いたしたりしたのであります。しかしこれはもとより国家警察の所有でありますから、一時便宜上さような施設をしたにすぎないので、これは区分することもしない。何と申しましようか、普通の家であれば一つの造作をしたような状態であるのであります。従つてその建物の付属部分につきましては、今申し上げましたように、警察予備隊費の方から出しておりますが、その所有権については国家警察にあるものとわれわれは考えております。台帳においても国家警察のものとして記載されております。さような次第で、一部の費用は警察予備隊費から出ておりますが、これは一括して国家警察の所有ということになつておるのであります。
  51. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 造作のようなものだというが、ただ畳や障子を入れたというようなことではなく、国の経費が八百万円もかかつておる大分大きな造作なんです。私どものわからぬのは、警察予備隊の費用で国家警察の建物を建てるということができるものかどうか、これは何かその当時の法律的な根拠がおありだろうと思うのですけれども、何かそういう法律的の根拠があつて警察予備隊の建物を建てることができたわけなんですか、それをひとつお伺いしたい。
  52. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 よく調べなければわかりませんけれども、私の記憶しておるところではさような法律的の根拠はないと思います。しかし事実上国家警察で使つておる建物を警察予備隊員の募集のために使用いたしたのであります。そして一切必要な付属物を、これはどうしても必要なんでありますから建てたが、これは国家警察の方から支出させることはできませんから、警察予備隊費の方から支出いたしたわけであります。従つてその建物に付属したものでありますから、国家警察の所有にするが適当なりと考えてやつたものと了承しておるのであります。
  53. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ただいまの問題は、ただ渡り廊下をつくるとかそういうことだけならそれでいいかもしれないが、大阪の場合なんか倉庫を新築しておる。そういう限界をどこで引くかということになると、これは必ずしも今長官の言われるようなことで済まないじやないか。ちよつとした付属のものを増築するとか渡り廊下をつけるとか、そういうことなら趣旨はわかりますが、倉庫の新築のごときは、その跡始末はきちんと締めくくりをやつて行かなければならないじやないか、その点いかがですか。
  54. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 ごもつともでありますが、その倉庫も、それを警察予備隊の所有財産として警察予備隊で将来使えるものならよろしゆうございますが、これは全然警察予備隊としては使うに不適当であります。それだけのものを切り離して警察予備隊で使うということは不可能であります。従つてその募集のために必要なりとしてつくつたものであつて、しかも国家警察の建物に付属したものでありますから、国家警察の所有としたものと考えております。
  55. 松本七郎

    ○松本(七)委員 私の言うのは、それは使うことが不可能ならばしいて使う必要もなし、使わない方がいいでしようが、新設したものを一部分の改修と同じように、ただいらないからといつて、当然これは国家警察のものだといつてそのままにしておいていいものか、やはりある程度の手続を経て、これは国警のものだという締めくくりが必要じやないかということを私は聞いておるわけです。
  56. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 仰せの通り、一時これを警察予備隊の所有にいたしまして、何らかの手続でさらにそれを国家警察の所有に移転することが、これが合理的であろうと思います。その間の手続を省略したということについては、あるいは問題はあるかもわかりませんが、しかし実質においてこれは国家のものでありますから、そういう手続を省略してただちに国家警察の所有物として台帳に登録したのだと私は考えます。
  57. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 どうも今の長官のお話を聞くと話がこんがらがつて来るのです。つまりこれが初めから国家警察のものだということになりさえすれば、問題の解釈は簡単でまぎれることがないのですけれども、今の御説明ですと、本来ならば警察予備隊のものであるけれども、同じ国家のものだから、片一方で使わなければ途中の譲り渡しの手続をふまなくてもやつてもいいんだということになる。この中には学校の校舎が幾むねとか、それから自動車の車庫とか――私どもから言えば、新しい人員を募集するのに、何も自動車の車庫を新築してかからなければ人員を募集できぬとは思えぬのですけれども、そういうものがたくさんあるのです。それで私が大事だと思つておることは、一体予算をかつてに流用していいのかということなんです。予算の性格からいうと、予備隊の予算としてとつたもので国家警察の建物を建てるというようなむちやくちやな流用が許されていいかどうか。今日日本の会計が乱れ、こういう会計検査院の指摘するようなことが年々歳々ある。元をただせばやはり根本に、役人が便宜に応じて、りくつがつきさえすれば何でも予算をかつてに使つておる、そこに私はこういう検査院が指摘するがごとき、経理の不始末が年々歳々ある根源だと思うものですから、そこをただしておきたい。それをただすことが根本でなければならぬと思つて今の御質問を申し上げたわけなのですが、大分そこがこんがらがつて来ている。初めから国家警察のものだというならこれはもう問題じやありません。そういうことがいずれ法律的手続でそう言われると思いますから、後にその法律的手続は聞いてみるつもりでおつたのですけれども、もし、同じ国家の建物だから、予備隊の方で使わなくなつたから片方で使つてもいいのじやないかということになると、ちよつとそこがおかしいと思うのですが、ひとつもう一ぺん御説明願いたい。
  58. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 御説ごもつともであります。私の言葉が足りなかつたかもしれませんが、これはもとより国家警察の所有として初めから建てたものだろうと私は思います。しかし私の今申し上げたのは、まあ仮定論と言えば語弊がありますが、かりにこれは法律的に予備隊の所有に属するものといたしましても、さような手続でいわゆる国警の方に移転するような手続をただちにとつてやるということも、あるいは可能じやなかろうかということを申し上げたわけでありまして、その間のことについては将来十分に私は注意いたすつもりでおります。
  59. 石野久男

    ○石野委員 ただいまの長官の答弁を聞きますと、本来国家警察の所有として建てるものであつたのだが、結局警察予備隊の経費を使つたのだ、こういうことになるわけです。ここがやはりわれわれとしては問題の点なのです。それで、所有目的がはつきり国家警察のものであるというにもかかわらず、その経費の出どころが警察予備隊の経費だということは、これはわれわれ予算総則の上から行きましても、またこれを実際にわれわれが論議しましたときから、あるいはそれが結果としてこういうように決算のいろいろな検査をするに至るまで、一貫した問題として、やはり使途の明確な趣旨が通つていなくてはならないというふうに存じます。ところが今の長官の言葉では、とにかくあとで何とかできるのじやなかろうかという非常に安易な考え方で予算が使用されている。それをまた是認されているかのごとき感を受けるのであります。これではとても会計上の紊乱した方途を是正することはできないと思います。長官は何か思い違いをしたのじやなかろうかと思うのですが、もう一度その点をはつきり伺いたい。
  60. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 私は是認したわけでも何でもありません。さような点につきましては、私将来において十分法律的にこれを処理して行きたい、こう考えております。まだ就任目浅くして、こういう点についても十分研究していないことはまことに残念でございますが、私は将来は法律的にこういうことは指摘してやつて行きたいと考えております。
  61. 石野久男

    ○石野委員 今の長官のお話は、結局やはり会計検査院の方でも指摘しておるように、これは警察予備隊の経費で特に必要ない施設をしたものという断定はそのままやはり長官はお認めになるということなのですか。
  62. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 それにつきましては、実は私は露骨に言いますと研究していないのであります。はなはだ残念でありますが、今倉卒の際ではつきりした答弁のできないことをまことに遺憾と思います。
  63. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 問題の起つたのは実際長官が御存じないときに起つたことでありますけれども、きよう答弁に出て来てくださいというまでには、おとといのこの委員会での空気はあなたの方に反映して、十分確信のある答弁をしていただけるものだと思つたのですが、まるでその連絡がなかつたようなのですね。そこで私は、この上長官にそのことを迫るつもりはありませんが、警察予備隊の費用で国家警察の建物を建てるということが法的措置として合理的なりやいなやということについて、当時からの事情を最もよく知つているだれか責任のある人の答弁を得たい。そうして、こういう問題についての権威ある答弁をこしらえておいてもらいたいと思います。私が今聞きたいところは、国家警察の建物を予備隊の経費でつくることができるということの法的根拠で、それがあるならばお示しを願いたい。
  64. 田中彰治

    ○田中委員長 鈴木委員に申し上げますが、長官はもう十分ばかりしかおられませんから、長官に対して皆さんの質問をしまして、あとでその質問をやつていただきたいと思いますが、いかかでしようか。
  65. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 あとでけつこうでございます。
  66. 永田良吉

    ○永田(良)委員 ただいま問題になつている点から考えて、保安庁でも、自分の所管の財産の帰属は今のうちに明瞭にしておかれた方がいいのじやないかと思う。ことに長官は尊敬するに足るまじめな方であるということは、いなかにおいてもかねて私は信じていたのであります。しかし、そういうりつぱな方でも、あなたの陰に使われている経理官とかいろいろの者には、しつかりした国家財産の管理権ということはわからないような、ただ通り一ぺんの主計官がおりはしないかと思うのであります。こういう問題はまだ次々と起りますから、失礼でありますけれども警告を発しておきます。一例を申し上げますと、私のいなかの大隅の海軍航空隊の跡が、今あなたの方の保安隊になつております。私もあそこの者で、元あそこの市長をやつておつて、追放になつて、七年目にこちらへ来たのであります。あのりつぱな海軍の跡の建物に今保安隊が入つている。あれは元大蔵省の関係にあつたと思うが、ああいうものを今おつくりになれば、それこそ何千万円、何億円である。またあの工場は元海軍の工廠であつた、工廠の機械の七、八億円のものがあそこの倉庫に入つている。それらを今あなたの保安隊が監視しているのであります。そこで、通産省の方から今飛行機の発注があるのですが、これを東京辺のずるい実業家あたりに払下げをしたならば、あなたはりつぱな財産をみすみすとられてしまう。ところが、そういう保安隊ばかりではなく、日本治安の必要から将来空軍がいる。今は連絡ばかりであるけれども、もしも北海道あたりに大事が起つた場合に、空中輸送で九州から兵隊を送る。飛行機で輸送するという場合に飛行場が必要だ。そういう場合に、あそこに元の工廠のりつぱな機械が残つているが、はたしてあれは大蔵省の所管か、あなたの保安庁の所管かということを明瞭にきめておかないと、あとで取返しがつかないことが起る。その他、土地も飛行場も、保安隊のものをアメリカ側に一部貸してあるが、どうも規則が明瞭でありません。今度民間航空が始まるとまたほかの方にも関連を持つだろう。こういう点から、あの国家財産の所管については、今のうちに明瞭に御研究をなさつておいていただいた方がけつこうではないか。これはよけいな老婆心かもしれませんが、今大臣が来られたついでに私はお願いをしておく次第であります。これについて大臣の御所見があればけつこうであります。
  67. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 まことに適切な御注意がございました。それらの点につきましては、私は、十分に検討して行くようにとりはからいたいと考えております。
  68. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 第十二号につきまして、ひとつ長官の御答弁を煩わしたいのです。これはさつき申しましたように、法律家である長官の御答弁が一番適切かと思うのですが、要するにこの間出られた保安庁の方の御答弁と会計検査院の答弁が食い違つておるのです。これもあなたの方においては、それは別に不法、不正ではない。検査院の方は、不当な措置であつた、こういう認定なんです。どういうことかと申しますと、これは予備隊に使う倉庫に倉庫業者が品物を入れておりまして、その倉庫を明け渡す必要が起りましたので、そこで倉庫業者に品物を移転する経費を支払つております。この最初の要求は都商事という側は、この間の御説明によりますと、業者の要求が百八十五万円あまり、これを予備隊の方で査定しましたのが百八十二万円あまり、ところが移転のために実際に使つておつたのが八万二千円です。品物を移転さす庫移しの経費として、百八十二万円支払つておりますが、実際八万円しか使つておりません。どうしたかというと、から伝票をつくつて、予備隊の係官に百万円ばかり贈賄した。これが目下なんでも起訴されて公判中らしいです。こういう案件に一つはなつておる。ところが、この間出席された政府委員の説明では、幾ら倉庫業者の方へ払つても、それから先の契約には関与しませんので、何でもいいんだ、八万円実費がかかつておるのを百八万円払おうと、そういうことはこちらでは関与しないんだから、別に不正だと思わない、こういうことなんであります。ところがあにはからんや、予備隊の人と倉庫業者の方とが組みまして、八万円しか実費がいつていないのを、百八十二万円金を払つておる。それで百万円贈賄したという事案なんです。そこで不当であるということで、架空の庫移補償費を支払つたものという認定を検査院はやつたのです。われわれが法律的に考えましても、明らかにこれは不正だと思うのでございます。ところが、それは別に不正であると思いません、予備隊の方において、そこまで関与すべきものでないからという弁明なんであります。やはりこういうことも、いろんな機会を利用しまして、国の金をとつて、係官が収賄して、そしてそれが格別とがめらるべきものでないという弁明をして通るという、こういう一つの事例になると思うのです。でありますので、悪ければ悪いとして率直にお認めになつて、そして全国のたくさんの保安庁管下の今後の多くの財産を管理される上におきましても、相当御注意あつてしかるべきものだろうと思うのでございます。前会のいきさつを御承知でなかつたと思いますから、一応概略御説明しまして、長官の御意見をひとつ伺つておきたいと思います。
  69. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 ただいま意外なことをお聞きいたしました。まことに不始末で相済まぬと思つております。これは法律的にどうあろうと、さようなことは許さるべきことじやないと考えております。ことにこの国家財政窮乏の際に、いやしくも役人がさような不正のことがあつては断じて許すことのできないことと私は考えます。ことにただいま、保安隊の隊員の志気をいかにして高揚しなくちやならぬかということを、われわれは日夜苦心しております。それにさような不正がありますと、隊員の志気にも関します。十分に私は取調べたいと考えております。
  70. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それからなおもう一点。同じ項目で同じ場所です。別の倉庫におきまして、今度は蔵前倉庫会社、これに向つては庫移しの経費として二百八十二万六千円払つております。これも、から伝票ばかりつくつて、事実庫移しは一銭もかからなかつたという検査院の認定であります。でありますから、これはひとつ現在及び将来のため、さつきの問題と同様に、一層の御戒心を願いたいと思います。
  71. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 どうかそういう不正なことがありましたら、これからどんどん御指摘を私は願いたいと思います。そうして初めていい保安隊ができ上る、こう考えております。はなはだ就任日浅く、まだそこまで取調べることのできないことを、まことに遺憾と思いますが、今後十分勉強いたしまして、いやしくもさような不正行為のないように努力して行きたいと考えております。
  72. 永田良吉

    ○永田(良)委員 ただいまの保安庁の問題について、私もこの間二、三べん行つたのですが、越中島の、元水産講習所であつた、それが清水にかえられたというようなことで、文部省からあそこをもとしてくれというようなことがあつて、お困りのようなことを聞いておるのです。これらも私は、あそこに予備隊の方が巣食う前に、国家の財産であれば、早く自分の官庁に名前を登録してかえてしまえば、いまさら文部省が文句を言えるはずがないのです。そういう点を予備隊の人は気のついている人がいらつしやいませんよ。軍隊式な小さい点ばかり見ておつて、大局を見る目がないのじやないか。これは早く処置をなさらぬと、またぞろ困つた事態が到来する。この事件の会計検査のあとを見ても、すべてこういうその支出をして、そして罪をつくつておるのです。今の教育は、知識はえらいりつぱなことを教えるけれども、やはり悪意なのが多い。こういう点から考えまして、越中島のあの場所を、文部省が何と言つても、大蔵省とけんかなさつてもはつきりさせた方がいい。どうですか、すみやかに御決心をなさるようにひとつお願いしたいと思います。
  73. 松本七郎

    ○松本(七)委員 ただいまの問題、非常に重要な問題と思うのですが、長官は予算の少いときに、なかなか御苦労の多いことだろうと思うのですが、この前も、例の新発田の分校問題で長官の御答弁を煩わしたことがありました。極力予算を節約して、保安隊の充実をはかろうとしておられるようでありますが、しかも金銭的に予算執行で節約しても、その反面に金銭的に節約したために、大きな悪影響というものを与える場合もあるわけです。今の越中島の問題にしても、新発田分校とは違つて、もともと学校の施設なんです。それを米軍に接収されたり、その他の経過をたどつて、現在では保安庁の本部になつておるわけです。そういうふうな学校施設を、できるだけ今まであるものを利用して予算を節約されようという御苦心はわかるのですが、現在のような情勢下に、学校施設を保安隊の方で使うということを今後進められることが、非常に大きな悪影響を与えるということを私は申し上げたいのです。そういう点についても、長官の方で十分御考慮くださつて、ただ金銭的な節約ということばかりにとらわれないで、もう少し大きな立場からその影響というものを考えられないと、長官の望まれるような保安隊というものの誕生は私はむずかしいと思う。そういう点は今後予算執行面について、十分考慮していただきたいということを、ひとつお願いしておくと同時に、新発田の分校もこの間問題になつて、長官がその場におられて御存じのように、衆議院あるいは参議院で調査団を派遣する、文部省自体ももう一度調査すると言いながら、現在すでにどんどん移転を開始しているような状態です。われわれはこれはまた別の機会に問題として取上げたい。あれほど国会で問題にしておきながら、また役所では再び調査しようということをあれほど言明しておきながら、実際には移転を強行しつつあるのです。そういうことになりますと、長官が考えられるような、信頼され、愛される保安隊というものと、だんだん遠ざかる危険がある。この点をひとつ十分に御考慮を煩わしたいと思います。
  74. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 新発田の問題については、十分われわれは考慮いたしおります。決して私は無理をしてはいかぬと、この前も申し上げたのであります。ことに今仰せのごとき、学校の施設なんかを使うというようなことは、私はよほど考えなくてはならぬと考える。新発田の問題については、いろいろいきさつかありましよう。ここで申し上げることは私としてはできませんが、将来の方針としては、できるだけそういう方面との摩擦を避け、ことに学校の施設を強制的に使うなんていうような意図は毛頭ありません。十分今後注意して行くつもりであります。
  75. 石野久男

    ○石野委員 長官にいま一度、先ほどの問題に関連してお聞きしておきたいのですが、この委員会で今問題になつているのは、決して保安隊の志気を増強するために、こういう論議をしているのではないと私は思う。むしろ保安隊は、われわれ国民の血税をしぼりとつて、その税金が出されておる。その税金が不当に使われているというところが問題なのでありて、われわれはそういう点から、予算の使途というものを、明確にしておかなくてはならないと思う。そこで保安隊の長官であるあなたに、その使途について、こういうふしだらな使い方をしているということはだらしがないじやないかということを、われわれは聞いておる。ところが先ほどの答弁では、まだどうもはつきりわからないとか、調査をしますというようなことで、これは非常にもつてのほかだといわざるを得ない。ところがやはり保安庁長官としての立場からも、ことに前の法務総裁をしておられたのですから、特にこういう問題については、非常に関心をあなた自身が持つていなければならぬと思うのに、ひと事のような返事をここで聞くことは非常に心外です。そこで、ここでわれわれの聞きたい趣旨がそういう点にあるのだということに対する明確な答弁をしておいてもらいたい。あとでこれに対するわれわれの対策が出ると思う。
  76. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 ごもつともです。私が先ほど申し上げたのも、その点なんです。国民の血税から出している金銭を、われわれは使うのであります。これはもつともなことであります。一銭たりとも不正なことに使つては相ならぬ。これはもう私さつき申し上げたように、国家財政の急迫しておる際に、こういう不正なことがあつてはいけない、これが本旨なんであります。従いまして、われわれ今後保安隊を育成するについて、もつと国家資金の使途については留意しなければならぬ。これがまた私は一面において、隊員の志気を鼓舞するゆえんである。しかも隊員の一部の者についてそのような不正があるということについて、世の中の指弾を受けますれば、たちまち隊員の志気に関するのであります。この点からも私は注意したい、こういう趣旨であります。今不勉強ではないかという御意見がありましたが、まさにその通りであります。申訳ありません。率直に申し上げて、私は勉強がまだ足りません。どうぞ勉強する機会を与えていただきたいと私は思つております。今後大いに勉強いたします。
  77. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 私はかれこれ同じことを言うのではないけれども、いかにも説明に出て来ている政府委員と大臣との連絡がついておらぬと思う。今会計検査院の指摘した十二項については、政府の経理局長は不正ではない、こう言つておる。大臣はこれは不正だ、こうお答えになつておる。こういう問題が出ておるのに、経理局長との間の話合いがついておらぬ。それから、きようあなたに出てもらつたのも、突然ひつぱつて来たのではない。ちやんと問題点がわかつているはずなんです。それなのに、まだ政府の一致した答弁がここに出て来ない。いかにもあなたの下僚もしくは政府全体の委員の間の連絡がない。そんなことではわれわれをそう簡単に納得させるわけには行かぬのだから、もしこの決算審議をすみやかならしめんとするならば、そのときどきに起つた問題について、あらかじめ政府の幕僚の間で統一解釈を立てて、大臣と政府委員との説明が食い違わぬようにされたい。きようなどは大分食い違つておるのです。これは追究すればずいぶんめんどうな問題になると思いますけれども、ぼくは大臣の率直な態度を非常に嬉しいと思いますから、追究するつもりはありませんが、もう少し政府の間の連絡をよくしておかなければ、議事がうまく行かぬと思いますから、その点だけを御注意申し上げておきます。
  78. 木村篤太郎

    ○木村国務大臣 御注意ありがとうございます。実は御承知の通り、外務委員会、予算委員会いろいろな方面にひつぱり出されまして、連絡が十分にとれておりませんことを申し上げます。今後連絡をとるようにいたします。
  79. 石野久男

    ○石野委員 今長官は不勉強で相済まぬと言つておるのですが、この問題はこれで済んだと私は思つておらないのであります。今も同僚委員から言われましたように、政府部内の答弁が統一されておらない。全然われわれは何を聞いているのかわからないということにつきましては、私やはりこれはいま一度長官に来てもらい、統一的な考えを十分聞かしてもらいたい。委員長にはそういう方面に力を尽していただきたいということを希望いたしておきます。
  80. 田中彰治

    ○田中委員長 それでは、本日の保安庁長官に対する質疑は、この程度で一応終りたいと存じます。松本委員。
  81. 松本七郎

    松本(七)委員 ただいま保安庁長官の答弁がありましたように、こういう不正事件は徹底的に指摘してもらいたいというようなことでした。委員長もおそらく感じられたと思うのですが、重ねて私はここで要望しておきたいのは、こういう大切な事案というものが次々にありますので、ただ過去のものだけでなしに、いかにこれが常時継続検査というものが必要であるかということをよく物語つておると思う。そこでたとえば、二十七年度の予算執行についても、常時われわれが報告を受けて、それを検討して、そしてただちに一刻も早くこれが是正できるような態勢に努力するということが必要だと思いますが、この点重ねて委員長に要望しておきたいと思います。
  82. 田中彰治

    ○田中委員長 松本君の御趣旨に沿うように、法律的によく研究いたし、また皆さんとも御相談いたしまして、ぜひともその趣旨に沿いたいと委員長も考えております。
  83. 松本七郎

    松本(七)委員 そこでさつきの問題に返るわけですが、警察予備隊の経費で、特に必要のない施設をしたものの件ですが、会計検査院側では必要がないと、こう言われる。ところが国家警察側では必要があつたのだ、こういう水かけ論になるわけです。少くとも検査院側で必要がないと言われるならば、一体募集人員がどのくらいあつて、設備はどれくらいあるんだから、従つて必要がない、この程度の設備でこれだけの募集ができるはずだ、そういう具体的な説明がなければ――あつてもなかなか、国警側ではやはり必要だという水かけ論になる可能性が多分にあるのですが、せめて具体的に、これだけのものでやれるはずだということの御説明がなければ、われわれとしては納得できない、その点の御説明をお願いしたい。
  84. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの点でありますが、ちよつと資料がありませんので、そこの点明確にお答えすることができませんが、私の方で申しておる趣旨をもう一回繰返させていただきたいと思います。募集業務のために必要であるならば、必要な範囲においてはよろしい、こういうふうに考えております。それでただいまお話にあつたように、これは募集業務には必要がない、こういう断定をしておるのであります。人員関係その他はわかりませんが、とにかく募集関係でありまして、そう長くは続かない、一定の期間で済むものであります。だから極端に申し上げますれば、この中の本建築のようなものも、かりにこれが倉庫として必要だと仮定いたしましても、仮設物的なものをつくつても予算執行においては一応間に合うというところに、やはり私の申し上げておりますように、警察予備隊に名をかり警察学校施設をしたものだ、こういうように考えております。ただいまの御質問に詳細お答えできませんが、あとで調べてお答えいたします。
  85. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 今の警察予備隊の金で国警のあれをつくつたということで、国警側はそういう予算の流用は違法ではないという、何か根拠をお持ちのように聞いておるのですけれども、そこをはつきり御説明を願い、その解釈と保安庁の経理部の解釈と一致するかどうか、そこをひとつはつきりさせておきたいと思うのです。
  86. 谷口寛

    ○谷口政府委員 御説明申し上げます。警察予備隊が創設せられました当初、その創設業務につきましては、募集その他各般にわたりまして国家地方警察の業務とせられましたことは、先般御説明を申し上げた通りであります。この法令的な根拠といたしましては、警察予備隊令の附則第四項に、今申し上げましたような仕事を、当分の間国家地方警察をして行わしめるということが書かれておるわけでございます。その附則に基きまして、昭和二十五年八月二十五日に、総理府訓令号外一号というのが出ておるのでございます。その号外一号によりまして、附則の四項の規定に基く国家地方警察の機関において行う警察予備隊の事務の範囲等を具体的にめきておるのであります。その一号は、警察予備隊の警察官の募集、第二号が警察官区学校における警察予備隊の警察官の管理以下輸送、予算の支出等につきまして国家地方警察の機関でやるという、こまかい訓令が出ておるのであります。その根拠等に基きまして、先般来御説明を申し上げておりますように、国家地方警察においてこの募集の業務、さらにそれの編成、被服、小規模の武器の貸与、さらに予定キヤンプヘの輸送等の業務に当つたわけでありますが、総体の募集人員が七万五千名でありましたことは、皆様も御承知の通りでありましてこの七万五千名をどのくらいの期間内にやるかということにつきましては、当初といたしましては確たる見通しがつかなかつたのであります。特に率直に申し上げまして、最後に収容されるキヤンプがどういうふうなところにきまつて、そこへ国警としては引継ぐのかというキヤンプの設定の事情というものが、当時としてははつきりいたさなかつたのであります。そのために管区学校という全国六管区にあります学校が、当時の国警の持つております施設といたしましては、さような大規模の募集をやり、また募集した合格者を一時収容して管理いたして行く場合に、一応適当な施設である、かように考えまして、まず管区学校というものを選択いたしたのであります。しかるにその管区学校は、これも御案内の通りと思いますけれども、最大の収容余力を持ちましても、当時の管区学校の収容施設からは約四千名という見当がつく程度の施設であつたのであります。しかるに七万五千名を募集いたしまして、当時の関係当局との連絡の結果といたしましては、少くとも一時にその管医学校に収容いたします数は、最小限度六、七千名を要するような事情であつたのであります。そこらの点も勘案いたしまして、先の見通しも確とつきませんし、いろいろと施設の整備、拡充をしなければならなくなつたのでありますが、その整備、拡充をいたしまする予算の関係は、これは先般来申します通り、警察予備隊の経費でありますが、それを支出いたします根拠は、先ほど申し上げましたように、国家地方警察で支出をいたすことができるようになつておるのであります。そこで予算の具体的な書き方といたしましては、警察予備隊の募集に要する経費―中管区学校の施設の改修費となつておるのであります。すなわち予算の支出目的といたしましては、管区学校の改修の目的ということに相なつておるのであります。従いまして、それによりまして改修をいたしましたものは、法律上の解釈といたしましても、当然国家地方警察の所有に属するものでございまして、従つて事後の引継ぎということも一応当初から予定をしていないものであつたとわれわれは考えておるのであります。なおそれらの場合に、会計検査院の側において、支出目的がやや不当ではないかという意味において、この不当事項に引上げられたのでありますが、この中に生徒寮の若干の改修がある、渡り廊下もある、あるいは倉庫も若干増改築、あるいは新築をしておるというような事情も、個々の事項は御質疑によりまして詳細お答え申し上げる資料も持つておりますが、一応達観といたしましては、一時七千名程度も収容しなければならぬ、その現有の施設の実力が四千名程度であるというようなことから、若干の増設をしなければならないというやむを得ざる事情にあつたのでございます。また渡り廊下等の問題もございますが、これまた雨の日でも、風の日でも、天気の日でも同じ状況で、募集並びにそれの装備をつけて行くプロセスを進行せしめなければならぬような事情もありまして、収容施設と収容施設の倉庫の間に渡り廊下がないので、その間に雨が降る、そうすると、みなそれぞれ背広なり、あるいは和服の連中もあつたと思いますが、そのままのかつこうで入つて来ている連中のいろいろな場合に不便が相当多くあつた。それでやむを得ず渡り廊下をつくつてやつたというような事情もあります。また塗装等におきましても、これは少しこまかい説明になりますけれども、元の軍施設等をそのままに使つておつたところが、あまり好ましくない落書等も若干あるというようなことで、それじやついでに消しておいた方がよかろうというような意味合いのものもあつたのでありまして、全体といたしましては、その当時の事情から申しますればやむを得なかつた、かようにわれわれは考えております。但し会計検査院の御指摘になりましたように、結果の見方からいたしますれば、塗装等につきましては必ずしもその当時やらなくてもよかつたかというような点につきましては、会計検査院の御指摘の点もわれわれとしては納得できる点がございまして、この点ははなはだ遺憾であるとは考えておりますが、その前後の事情は今申し述べましたような事情でございます。以上不十分でございますが、御説明申し上げます。
  87. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 御説明を聞いて、一応法的根拠によつてそういうことをなすつたということはわかりました。これは占領下におけるごたごたの最中で、一つの過渡的な措置であつたとぼくは思うのですけれども、全然性格の違う予算の支出を法律的根拠によつてやつたにしても、この法律そのものが何か過渡的なやり方で、国家の会計を非常に紊乱させる要素が含まれておるものと私は考えておるのです。私がこのことをしつこく言うのは、何もこの指摘せられたことだけじやなしに、今日日本の金使いが非常にむだになつたり、違法に使われたりするという根拠が、予算の流用といいますか、りくつさえつけばその目的の違う方へ金を持つて行つて使つてもいいという根性の中にある、こう思つてその点をただしたいというのが私のほんとうの気持なのです。  そこで国家警察の方の御意見はそれでわかりました。国家警察の方では、あの施設は予備隊の金でつくつたけれども、所有は国家警察に属しておるという解釈、これははつきりしておる。そこでおとといの答弁によりますと、保安庁の方では、保安庁の財産に属するけれども、必要でもない。――今も木村長官は同じようなことを言つたので、これはわれわれの方で使うのに不適当だし、国家の財産だから片一方へ使わしているというようなことを言つたが、片一方はやはり自分の方の金でつくつたのだから、もともと本来の所有権というか、その所属は保安庁の所属であるべきものという解釈をおとといはとつておいでになつたようです。今の国警の方の御説明によつて、保安庁の方ではその解釈を改めることになるのですか。その点保安庁の方の解釈を伺いたいと思います。
  88. 窪谷直光

    ○窪谷政府委員 一昨日の私の答えに非常にあいまいな点がございましたことをおわび申し上げます。言葉も足りませんでしたし、また私自体の考え方も少し混雑をいたしておりました。その後研究をいたしました結果、結論的に申しますと、今谷品次長からお話を申し上げました通りに考えております。警察予備隊の経費を国家地方警察で使用するということは非常に変則な事例ではございますが、これに対しましては、警察予備隊令の附則第四項によりまして明瞭に正当な権限が与えられております。第四項を読んでみますと、「内閣総理大臣は、当分の間、国家地方警察の機関をして、警察予備隊の事務の一部を取り扱わせることができる。」、こういう条文になつております。それに基きまして、先ほど谷口次長からお答えを申し上げました総理大臣の訓令が出ておるわけであります。これは正当に国家地方警察において予備隊員の募集その他の事務を当分の間扱う、それに伴います経費の支出も正当に国家地方警察の方においてできるということに相なつておりますので、問題になつております当該経費につきましては、募集のための経費ではございますが、それは国家地方警察の施設の不足を補うための経費でございます。従つてその経費は、募集が完了いたしましても、保安庁の方に引継ぐことを予定しておらないものと考えるのが適当だろうというふうに考えておるのでございます。そういう意味におきまして、国家地方警察の方の御意見と同様に今日においては考えております。一昨日私が申し上げました点は訂正をいたしたいと存じます。
  89. 鈴木正吾

    ○鈴木(正)委員 初めて政府の解釈が一致したので、私一応これで満足します。ただ予備隊令の附則第四項そのこと自体はああいう忽忙の際の変則的なやり方であつて、国家の金の使い方の原則にはどうしたつて沿わない。こういうことが一つの事例としてあるから、ほかの場合にもそういうように流用ができるというようなことは私は認めたくない。この際は政府の解釈に私は満足いたします。
  90. 松本七郎

    ○松本(七)委員 先ほど谷口さんの御答弁によりますと、警察学校の改修費ということにはつきりうたわれておるから、それは当然国警の方のあれと考えられるという法的根拠を述べられたわけですが、そうすると、新築の場合はどうなんですか。たとえば倉庫新築というような場合は……。
  91. 谷口寛

    ○谷口政府委員 お答え申し上げます。管区学校の施設を改修す――管区学校の施設には本館、校舎、運動場等いろいろな施設がございますが、その中の一部として倉庫が足らないという意味から、その倉庫にそのままくつつけて増設をするというような事情のところもございます。これはその言葉の通り増改築という性格になろうと思います。それから場所を離してつくる方がその場所柄適切であるというような場合に、そこへつくりましたものも、広い意味で管区学校の施設に関する経費ということになります。私先ほど改修費と申し上げたと思いますが、この点は正確には施設費となつているようでございますので、その点御了承いただきたいと思います。
  92. 松本七郎

    ○松本(七)委員 こういう事項に対する善後処分というのはどういうふうなことになるのですか。
  93. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 ただいまの二号から六号の問題でありますが、予算の面と財産管理の面と二つあると思います。検査院の批難しておりますのは、予算の使用が、平たく申しますと、少し行き過ぎまして、予備隊の業務としてはこれほど必要でなかつたから、予算の使用としては不適当であるという予算の面をここで申しているわけであります。それから次は財産管理の面でありますが、財産管理の面から申しますと、先ほど来保安庁及び国警の方から説明された結論と大体同一になりますが、私の方の見解といたしましては、予算を国警において執行し、財産を取得した場合には、その財産を管理しなければならぬと思います。管理する場合には、これを台帳に登載して、その帰属を明確にして管理するという筋合いになろうかと思います。従つて国家地方警察の台帳面に載つて管理されることは一向さしつかえないというふうに考えております。  その後の処理の問題でありますが、財産が予備隊の方でいらない、国警の方でいるという場合に、普通でありますれば、あるいは総理府の所管の中で所属がえとか、いろいろ問題がありますが、今のような事情でありますから、引続き国警の方でお使いになつて、しかも財産にはそのまま登載されておつても別に支障はない、こういうふうに考えております。それから善後措置の問題でありますが、ただいま申し上げました観点から財産管理としてはしかたがない。予算の執行面としては済んだことではありますが、執行は適当でないということに御了承願いたい。
  94. 松本七郎

    ○松本(七)委員 そうすると善後措置は不当なことであるというように申すのですか。処置なしということですか。
  95. 上村照昌

    ○上村会計検査院説明員 はい。
  96. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちよつとその点につきまして議論が済んで検査院とそれから国警本部との解釈が大体一致したようですが、これは私の聞き漏しかもしれませんが、予備隊令附則四項は事務の一部、事務の規定……。さようでございますね。それからこれに基く総理府令は事務に関する予算の流用ではないのですか。今ちよつとその条文がはつきりしませんので……。事務に関する流用ですか。
  97. 谷口寛

    ○谷口政府委員 訓令の方は国家地方警察機関に行わせる警察予備隊事務の範囲をきめておる。その事務とはどういうものであるか……。
  98. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 それはわかります。訓令の方は事務の範囲の規定なんですね。
  99. 谷口寛

    ○谷口政府委員 さようでございます。
  100. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 予備隊令の附則第四項は、国家警察をして予備隊事務の一部を取扱わせる事務を規定し、訓令はその事務の範囲の規定です。そしてそれによつて予備隊の予算国家地方警察で使うことは支障なし、こういう趣旨なんですか。――そこでそれはわかりました。そうすると事務に使う予算は流用してよいが、事務にあらざる物件、建物の建設をした場合には、その帰属管理とはおのずから別問題とは違いますか。
  101. 谷口寛

    ○谷口政府委員 お答え申し上げます。管区警察学校施設をいろいろ増改築その他施設をいたしましたのは、警察予備隊の募集に関する事務として行つたものであります。予算の内容も募集に関する事務の内訳といたしまして、管区警察学校施設費というものをきめられておるわけであります。
  102. 田中彰治

    ○田中委員長 それでは次は報告書三十四ページ、その他、報告番号十五号、本件の説明を自治庁当局より聴取します。自治庁財政部長武岡政府委員の説明を求めます。
  103. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 昭和二十五年度の道府県分地方財政平衡交付金の交付にあたりまして、当時これは地方財政委員会が交付をいたしたのでございますが、法律によりまして算定をいたしました基準財政需要額及び基準財政収入額の差額を交付基準額といたしまして平衡交付金を配分することになつておつたのでございまするが、その算定に若干の誤りがありまして、そのために各団体に交付いたしました交付金の額があるべき数字よりも若干不均衡、誤つておつたという御指摘をいただいたのでございます。御承知の通り、地方財政平衡交付金法は昭和二十五年に施行せられまして、この年初めてわが国でこの新しい制度を実施いたしたのでございます。何分にも非常に計算方法が複雑でありまして、基準財政需要額の算定につきましては、二十数項目の各測定単位につきまして需要額を算定いたさなければなりませんし、また基準財政収入額の算定におきましても各法律に規定してありまする各項目ごとに非常に複雑な計算をいたすことになつておつたのでございます。事務的に相当ふなれであるという点が一つございましたのと、いま一つは算定の基礎になります各測定単位の基準となるべき数値、たとえて申しますれば、河川の延長でございますとか、あるいは道路の面積でございますとか、あるいはまた港湾に出入する船舶のトン数でございますとか、そういうような基準の数値につきましての資料等も若干不備な点がございました。そういうような事情から計算の間違いが生じたものでございます。もちろん全国一万有余の地方団体につきましてこの計算をいたすのでございますので、なかなか絶対に間違いのない算定をするということはよほど注意をいたしましても困難であるというふうに考えられる点もあるわけでございます。しかしながら平衡交付金は、申し上げるまでもなく各地方団体にとりましては非常に重要な財源でございますので、その配分にいやしくも誤りがあるということは許されないのでございます。そういうような事情がございましたので、昨年地方財政平衡交付金法の一部を改正していただきまして、万一このような錯誤があつた場合には、その錯誤を発見したその年あるいはその翌年度におきまして、基準財政需要額なり、あるいは収入額の算定に調整を加えまして、各地方団体に交付せらるべき交付金の額の均衡をはかり、財源配分の公正を期して行くという趣旨でそういう法律改正をいたしたのでございます。これが現行平衡交付金法の第十九条でございまして、お示しの昭和二十五年度の平衡寄付金の算定におきまして錯誤のございました点も、右の法律に従いまして昭和二十六年度の平衡交付金の配分にあたりまして調整是正をいたした次第でございます。  概略以上のような事情でございますので御了承いただきたいと思います。
  104. 田中彰治

    ○田中委員長 ただいまの説明に対し、会計検査院側に発言があればこれを許します。
  105. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 ただいま自治庁から御説明のございましたことについて特に異議はございません。
  106. 田中彰治

    ○田中委員長 本件に対して質疑をお願いいたします。
  107. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 質疑に入ります前に、検査院の方でお調べになりました今の測定の単位の数値とか、あるいは計算の誤りとか、そういつたことについて何か具体的なものをいろいろお持ちであろうと思いますが、一応御説明願いたいと思います。
  108. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 たとえば愛知県の問題で申し上げますと、厚生労働費、社会福祉費の測定単位について誤りがあつたのでございまして、その測定単位を調べますのは、児童福祉施設の入所者数を基準としてまず計算いたすのでございます。それでその一単位当りの金額は九千四百八十二円となつておりますが、ただいまのこの愛知県の例をとつてみますと、その基準の数値は千六百五十九人でございます。ところがこれが基準の数値でございますが、いろいろ各県によつて事情青いますので、この基準の数値を若干補正をいたしまして修正いたしたのでございます。それを修正いたしますと、七千二百九十五人となります。それに単位費用のさつきの九千四百八十二円をかけますと、こういう児童福祉施設に要する需要額は六千九百十七万一千円と算出されるのでありますが、検査院で実際に検査をしましたところが、その基本となる数値は先刻千六百五十九人と言いましたのが、ほんとうの検査院の見方からしますと、千四百五十七人であるべきでありまして、これをさつきの修正の要素で修正いたしますと、六千三百六人となります。これにさつきの単位費用の九千四百八十二円をかけますと、五千九百七十九万三千円となりまして、差引九百三十七万八千円は需要額として多額に計算されておつたということになりまして、それだけ経費がよけいかかるというように計算されておりましたが、実はそれだけは経費はかからぬものであるということなのであります。
  109. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 実はお尋ねをし、知りたい点は、これは増額をすべきもの約五千万円、それから減額をすべきもの一億二千六百万円、相当厖大になりますので、やはり愛知県一つのその例というのじやなしに、この数字を府県を通じまして相当共通的に御指摘になつて全体を批判する資料が出るだろうかという、これなのでございます。一つの愛知県がどう、静岡県がどうとこまかくお聞きしましても、少し煩瑣になりますし、数十府県にわたつておりますので、全体を体系的に御指摘願つた方が質問の上に私の方も便宜に思うのでございます。
  110. 志村博

    ○志村会計検査院説明員 それでは各府県に共通いたしましたおもな誤りの点を申し上げたいと思います。社会福祉施設におきまして第一に多くの間違いましたのは、生活扶助者の数を載せることになつております。ところが生活保護法によりまして対象になりますものは、生活扶助のほかに医療扶助でありますとか、生業扶助とか、そういうものが入つておりますから、そうしたものを除きまして、生活扶助を受けましたものだけを載せればよろしいのに、そうしたものまであわせて基準財政需要額のうちに加えておつたということが共通的な例でありました。そのほか保健衛生費におきまして、伝染病の患者の数でございますが、これは真性の伝染病と、それから疑似の伝染病とございますが、疑似の伝染病は除くことにしまして、真性の患者数だけ出せばよろしいのに、疑似の患者も加えておつた。そうしたものも割合に共通的なものでございました。それから小学校、中学校、高等学校の費用を算出いたしますときには、児童数、学級数、学校数を調べなければならないのですが、その場合に文部省に報告しであります統計の数字と、それから実際に行つて参りましたときに、各県庁で調べました統計課の資料というようなものとが実際に合致しておらなかつた。そういうようなために間違いを起したというような点、そのほか商工業者の数でありますとか、あるいは失業者の数でありますとか、そうしたものが統計と実際に検査に行きまして調べました場合におきまして食い違つておつた。そうしたことが比較的共通の間違いのように思いました。大体以上であります。
  111. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 私のこの平衡交付金についての質問はひとつ保留させていただきたいと思います。従つてこの次まで今おつしやつたようなことで、数字を並べていただいてけつこうでございますから、参考資料として出していただきたいと思います。
  112. 松本七郎

    松本(七)委員 この平衡交付金制度はなかなか複雑でありますから、測定単位の数値、計算等に誤りが多少あるのはやむを得ませんが、今の検査院の報告によりますと、基準財政需要額に当然含むへからざるものが含んでおつたというようなことは、これは重要なことであると思います。そういうことがどうして起るのでありますか。
  113. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 財政需要額の測定をいたす際に、法律で規定をいたしております測定単位について、たとえば今例の出ました学校学級数というようなのが測定単位になつておりますが、その測定単位の数値というものをどういうふうにしてとるかということは、総理府令で規定をしておるわけであります。その場合にいろいろ測定単位の種類によりまして、数値のとり方もいろいろございます。たとえば何月何日現在における生徒の数、あるいは学校の数とか、あるいはいつ幾日官報発表とか、どこどこの調査の人口数とか、そういうような数値のとり方をいたしておりますが、その場合に、何ほども申しましたように、その基準数値に関しまするいろいろな統計資料でございますとか、あるいは台帳のごときに至りましても、ことに昭和二十五年当時におきましては初めてこれを行いました関係で、資料が非常に不整備でございましたために、各府県で、たとえば統計課で調べた数値と、当該主管課であります学務課とか、土木課で調べた数値との間に食違いがあつた、そういうような事案が指摘されたわけであります。その場合にどつちが正しいかというような問題も起るわけでございますが、これは法律総理府令で――、その当時の地方財政委員会規則でございますが、それによつて規定をしてありますその法令の規定によつてとらなければならない。その数値に違いと申しまするか、ぴつたりそれに該当するような資料のないような場合もございましたために、ただいまのような、結果から見ますと入れてはならないような数字が誤つて入つておつたというような結果も、あるいは生じたのかと存じます。要するに基礎となりますそういう資料、数値のとり方の問題で聞違えたという点が一つございますし、いま一つはその基準となります数値にいわゆる補正係数をかけて需要額を出すのでありますが、その補正係数なども法律で規定いたしております五種類の補正係数につきまして、またそれぞれの係数ごとに非常に複雑な数値をとることになつておりますため、算定に当りまする係員の勘違いで、結果から見ると入れるべからざるものがつい入つておつた、こういうような点が多いんだと思います。
  114. 松本七郎

    松本(七)委員 たとえば生活扶助の適用を受けているものの例を、さつき検査院から言われておつたのですが、医療扶助で当然入らないものを入れておつた。これなどは単なる計算違いとかそういうものでなしに、初めから明確なんじやないですか。
  115. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 今、御指摘の医療扶助の場合の問題は、具体的に私存じませんが、これもやはりただ生活扶助者というような単位のとり方になつておりますために、医療扶助のものも、あるいは生活扶助のものも、団体によつては間違えてそれを一緒に取入れた、こういうこともあるいは生じたのかと存じます。
  116. 迫水久常

    ○迫水委員 技術的なことですけれども、表を見ると、減額すべき方が圧倒的場に多くて、増額すべき方が少いというようになつておる。これは邪推すると、府県などがなるべく多く申告しようという気持で、わざと間違えたというようなことがあるんじやないでしようか。
  117. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 悪意があつたり、特に懇意を加えたというようには私ども考えておりませんけれども、かりに規定由身があまりはつきりしなかつたということで、統計課の数字と主管課の数字が二つ出て来た場合には、人情として大きい方の数字をとつたというようなことは、あるいはあるかと思います。これは法令の解釈等が必ずしも明確でなかつたために、これはどちらをとつてもいいんだというふうな任意的な考え方から、多い方をとることがあるいはあつたかもしれませんが、特に悪意をもつて数字に作為を加えたり、あるいは算定上懇意を加えたというようなことはないものと考えております。
  118. 迫水久常

    ○迫水委員 地方長官などは、平衡交付金をよけいとつて来る方が手柄になるということは事実なんですから、そういうことからいつて、何かそこにそういうことがあるんじやないかという感じがするのですけれども、平衡交付金の配分がそういうことでされると、知事さんがうまくやればよけいとれるというかつこうになるのは、非常にいけないことだと思いますから、気をつけていただきたいと思います。  もう一つ、会計検査院に伺いたいのは、先ほど実地調査をした結果間遠いを発見したというお話があつた。その前に文部省に出している数字と、県の数字とが違つたとか、あるいは統計課の数字とそのほかの数字と違つた。どつちが正しいというふうに、どういうふうにして実地調査をされるのか、技術的なことですけれども、そこのところを聞いておきたいと思います。
  119. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 文部省なり、あるいは建設省なりに、正規の統計資料として出しておりますもの、もしくは県において台帳として持つておりますものを、正しいものとして検査院は計算しておるのであります。県の持つております資料は正しいものであると思うのでございますが、それを誤るというのは、同じ統計資料を係が違つたり、あるいはその台帳の整備が完全でなかつたために台帳そのものが不完全であつた。たとえば道路なら道路の延長を見てみますと、三メートル幅の道路が各県に比較して少し長過ぎるじやないかというふうな観点から、台帳そのものに誤りはないかというようなことを考えまして、だんだん調べてみると、やはり台帳そのものが少し違つておつた。それから統計資料を係が違つたりしまして、検査院がとります正規と思うもの以外の資料をあるいは誤つて採用したというふうな場合があるのであります。
  120. 迫水久常

    ○迫水委員 武岡政府委員の説明によれば、二十五年度は実施早々であつたというお話でしたが、二十六年度は大体どういう傾向ですか。非常に減つておるのですか、やはり依然としてこういう傾向があるのですか。
  121. 武岡憲一

    ○武岡政府委員 二十五年度の問題につきましては、特にその年、初めてでありましたので、ことさら誤りが多かつた。ところがその後におきまして、これは平衡交付金制度自身が初めての制度でございましたために、二十六年度、それから今やつております二十七年度の算定におきましても、法律自身も改正を要する点もありまして、改正した点もございまするし、またその算定のための地方財政委員会規則、あるいはことしやつております総理府令というような規則にも、相当改変を要する必要がございまして、かえたものがございます。測定単位自身も変更になるし、また測定単位の中でとるべき数値のとり方でありますとか、あるいは補正係数であるとかいうようなものが、実は二十五年、二十六年、二十七年と年々かわつておるような状況でありまして、遺憾ながらただいままでのところ、交付金制度がすつかり固まつて軌道に乗つたというようには言えない段階でございます。そのため二十五年度初めてやつたときのことほどはないと思いますが、なお二十六年度におきましても、あるいは二十七度度におきましても、多少の錯誤は免れないのではないかと考えております。
  122. 田中彰治

    ○田中委員長 ちよつと松本君と吉田君に御回答いたします。五鬼上事務総長に今連絡いたさせましたところ、まだ連絡がつきませんから、電話で連絡をいたしまして、わかり次第私の方へ返答をすることになつております。委員の方々がお呼出しになつた以上は、たとえ総理といえども断じてここへ来ていただいて皆さんの御趣旨に沿うようにいたしますから、どうぞ御安心ください。
  123. 松本七郎

    ○松本(七)委員 平衡交付金は大体全国にわたつた需要額、それから支出額を算定して、その基礎の上に立つてきめられて来るのでありますから、全体の平衡交付金の総額が幾らであつて、わくがあつて、それから各地方の実情に応じて按分するというのと違うのですね。すでに予算を組むときに、それぞれの地方の実情に応じた法律に定められた基準に従つて出して、それから予算額が出て来る。ですからきまつた予算の執行の問題というよりも、むしろ予算をきめるときにすでにそういう大きな問題が含まつておると思うのです。この点、検査する立場からいつて、普通の場合の予算執行を検査する場合と平衡交付金の場合とはいささか違いはしないか。ほんとうにこれをやろうとするならば、事前に平衡交付金の計算方法その他についてのあり方というものを積極的に示すというところまで行かなければ、そういう錯誤を未然に防止することは、はなはだむずかしいのではないか。実際に検査する検査上の立場から、そういう点をどのようにお考えでありますか。
  124. 池田修蔵

    ○池田会計検査院説明員 ただいまの問題は非常に大きな問題でございまして、検査院として断定的なことはあるいは申し上、げにくいかと思いますが、大体この予算の総額は、たとえば千億なら千億というもの――これはもう政府の予算提出によつて国会で承認を得たものでございますが、大体その計数の出ます根拠は、やはりこの基準額等から積算されておると思いますが、大体はそれに一致しておる、非常に近い金額が予算としても計上されておるようでございます。さらにそれを各府県に按分するわけでございますが、この按分の基準は、実績によりませんで、ある客観的な基準をとりまして、大体この府県では収入がこれくらい、需要がこれだけ、その差額が――これは観念上のものではありますけれども、これだけの赤字が出る計算になる。たとえばここで――これはあくまでも観念的なものでありますけれども、青森県なら青森県では三千万円なら三千万円の赤字が出る、北海道は五千万円の赤字が出るというように、それは各府県ごとに出ますから、それで初めの千億なら千億の全体の金額をその府県別の金額によつて按分して配るわけであります。そこでたとえば青森県では三千万円の赤字が出る計算であるけれども、もしその赤字を全部合計したものが、たとえば千二百億なら千二百億になれば、予算は千億しかありませんから、十二分の十、つまり三千六百万円の赤字が出る計算になれば三千万円しかもらえぬというふうになりまして、按分するわけでありますが、その金額を実際の赤字になるべく近寄せるような努力は払われておると思つております。
  125. 吉田賢一

    ○吉田(賢)委員 ちよつと進行につきまして。きようはこの程度で一応よしていただきまして、なおこの次平衡交付金で終始するなら、ひとつ答弁のできる最適当な方に来ていただくこと。なお次の終戦処理の分にまで進むなら、おとといからきようへの経過にかんがみまして、やはりこれも、だれでも行つて説明したらいいというのじやなしに、答弁のできるくらいの方が来て説明をする。たとえばこれは特調関係らしいから、長官とか、次長とか、適当にその辺御配慮を願いたいと思います。
  126. 田中彰治

    ○田中委員長 それでは本日はこの程度といたしまして、次会は来る十二日、金曜日の午後一時より開会いたします。  これにて散会いたします。     午後三時五十四分散会