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1953-03-14 第15回国会 衆議院 外務委員会 24号 公式Web版

  1. 昭和二十八年三月十四日(土曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 栗山長次郎君    理事 中山 マサ君 理事 安東 義良君    理事 戸叶 里子君 理事 帆足  計君       今村 忠助君    近藤 鶴代君       西川 貞一君    松田竹千代君       森下 國雄君    高岡 大輔君       並木 芳雄君    福田 昌子君       黒田 寿男君  出席国務大臣         外 務 大 臣 岡崎 勝男君  出席政府委員         外務政務次官  中村 幸八君         参  事  官         (外務大臣官房         審議室勤務)  島  重信君         外務事務官         (条約局長)  下田 武三君  委員外の出席者         法務事務官         (刑事局総務課         長)      津田  實君         外務事務官         (欧米局渡航課         長)      松尾 隆男君         専  門  員 佐藤 敏人君         専  門  員 村瀬 忠夫君     ――――――――――――― 三月十二日  委員富田健治君、大石武一君及び島上善五郎君  辞任につき、その補欠として大橋武夫君、西川  貞一君及び田中稔男君が議長の指名で委員に選  任された。 同月十四日  委員大橋武夫君辞任につき、その補欠として永  野護君が議長の指名で委員に選任された。 同月十四日  理事松本瀧藏君の補欠として安東義良君が理事  に当選した。 三月十四日  日本国とフィリピン共和国との間の沈没船舶引  揚に関する中間賠償協定の締結について承認を  求めるの件(条約第一三号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  旅券法の一部を改正する法律案(内閣提出第一  四五号)  国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官  の職務等に関する法律案(内閣提出第一五八  号)  航空業務に関する日本国とオランダ王国との間  の協定の締結について承認を求めるの件(条約  第九号)  航空業務に関する日本国とデンマークとの間の  協定の締結について承認を求めるの件(条約第  一〇号)  航空業務に関する日本国とノールウエーとの間  の協定の締結について承認を求めるの件(条約  第一一号)  航空業務に関する日本国とスウエーデンとの間  の協定の締結について承認を求めるの件(条約  第一二号)  国際情勢等に関する件     ―――――――――――――
  2. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 ただいまから外務委員会を開会いたします。  国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案、航空業務に関する日本国とオランダ王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とデンマークとの間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とノールウエーとの間の協定の締結について承認を求めるの件、及び、航空業務に関する日本国とスウエーデンとの間の協定の締結について承認を求めるの件を一括議題といたします。政府側から逐次提案理由の説明を求めます。下田条約局長。     ―――――――――――――
  3. 下田武三

    ○下田政府委員 まず、国の援助等を必要とする帰国者に関する領事官の職務等に関する法律案につきまして提案理由を御説明申し上げたいと存じます。  この法律案は、いわゆる引揚者の帰国のための臨時措置の対象となる在外国民を除きまして、一般に領事官の駐在しております地域に在留する在外の日本国民が、困窮のため帰国を余儀なくされ、あるいは在留する国の官憲による退去強制の処分を受ました場合におきまして、それらの者が自己の負担で帰国することができないときには、領事官がその職務の一端として帰国を援助する等の措置を定めるための法律案でございます。現に、平和条約発効後、在外国民であつて、これに対してわが政府として援助等の措置をとらなければならなかつた事例がすでに発生しております。そうして、その事例はさらに増加することが予想されるのでございます。従いまして、これらの在外日本国民につきまして、その援助等の措置をどう定めるか、また、その費用の償還をどうするか等の事項を法律で規定する必要が生じたのでございます。  以上が、この法律案を提案いたします理由でございます。何とぞ慎重御審議の上、御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 次に島参事官。
  5. 島重信

    ○島政府委員 ただ今議題となりました航空業務に関する日本国とオランダ王国間、日本国とスウエーデン間、日本国とノールウエー間及び日本国とデンマーク間の四協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  政府は、かねて、オランダ、スウエーデン、ノールウエー及びデンマークの各国との間に航空業務に関する協定締結の希望を有しておりましたが、昨年十二月に専門家をヘーグ及びストツクホルムに派遣いたしまして、協定締結の予備交渉を行わしめましたところ、当事国関係者の意見がまとまりましたので、その結果に基き、それぞれの政府との間に正式交渉が行われまして、本年二月十七日にオランダとの間の協定がへーグにおいて、同二月二十日にスウエーデンとの間の協定がストツクホルムにおいて、また同二月二十三日にノールウエーとの間の協定がオスローにおいて、さらに同二月二十六日にデンマークとの間の協定がコペンハーゲンにおいてそれぞれ署名されました。これらの協定は、昨年十二月二十二日にその締結につき国会の承認を得ました日本国とアメリカ合衆国との間の民間航空運送協定及び過日本院で可決されました航空業務に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定と同一の目的及び意義を有しておりまして、その内容も大差はございません。よつて、この協定の締結につき御承認を求める次第であります。右の事情を御了承せられ、御審議の上、本件についてすみやかに御承認あらんことを希望いたす次第であります。
  6. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 ただいま政府委員から説明がありました諸件につきましての質問は次会に譲ります。     ―――――――――――――
  7. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 次に旅券法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案に関し質疑の通告がありますから、これを許します。並木芳雄君。
  8. 並木芳雄

    ○並木委員 旅券法の改正は、一見何でもないように思われますけれども、実は非常に重要な問題を含んでおると思います。そこで、順次政府に質問をしてみたいと思いますが、どなたでもけつこうです。適当な方が御答弁に当つてほしいと思います。  まず今度の旅券法改正の動機となりましたものは、私の推定では、高良さんとか帆足さん、あるいは宮腰さんが、政府の解釈では旅券法違反の疑いを持つて中共へ渡つたということにあると思いますが、その点いかがですか。政府はしばしば、この点については、旅券法違反であるということを言明しておりましたが、その問題は裁判所に提訴されておるやにも聞いております。そこで、政府は、現行旅券法の第何条に違反をしておつたと考えるか、その点もお尋ねしたいと思います。
  9. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 今回旅券法の一部を改正する法律案を提出いたした動機と申しますものは、お説の通りであります。現在の旅券法は、たとえば旅行先の追加を必要とする場合、あるいは渡航目的、渡航先等の変更を要する場合、その他書きかえの発給を要する場合等におきまして、これが現行法におきましても義務規定でありますにもかかわらず、これを単なる手続規定のように誤解する向きがありまして、従つて渡航先の変更等の申請をしなければならないにもかかわらずこれを申請をしないで渡航する事例も再々あつたのであります。かつまた、この旅券法違反をあえて犯した場合におきまして、これに対する処罰規定がなかつたのであります。そこで渡航者におきましては、この旅券法を無視いたしまして、旅券法に記載いたしました渡航先以外の渡航先に転々として旅行したというような事例が再々ありましたので、今回の旅券法改正におきまして、この渡航先の追加、あるいは渡航目的の変更等については、これが義務規定であることを明らかにいたしまして、かつまたこれに違反した場合には、これに対する処罰の規定を設けた次第であります。
  10. 並木芳雄

    ○並木委員 政府があくまでその態度をかえないならば、今度改正するとなると変なことになると思います。結局政府としては、法の不備を認めることになるので、今まで言つておつたところの、旅券法に違反したということの主張が通らなくなると思いますが、その点はどうですか。
  11. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 不備といえば不備でありますが、現行の旅券法の趣旨によりましても明らかに規制ができたのであります。ただ、巷間誤解する向きもありましたので、そこを明瞭にしただけであります。但し、処罰規定につきましては、これを新しく追加いたしました。
  12. 並木芳雄

    ○並木委員 そうすると、先ほどあげました三氏は第何条に違反したと政府は主張されますか。
  13. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 それは第八条の渡航先の追加を受けようとする者が追加を受けないでかつてに旅行した、こういうことでございます。
  14. 並木芳雄

    ○並木委員 その場合に罰則規定を適用されないと政府は言いますけれども、第八条に違反したような場合には、第十九条のところで旅券をとりもどすという条項があるはずです。政府はそういう措置をしておれば、今度は第十九条に違反した場合に、第二十三条の罰則が適用されるという段取りになるのじやないですか。私はこの点で政府に重大な手落ちがあると思うのです。罰則がないないとおつしやいますけれども、その段取りをふんでおけば、第二十三条の適用が出て来ると思うのですが、いかがですか。よく研究して、ゆつくりでもいいですから……。
  15. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 第十九条は旅券を返納させる規定でありまして、これに違反した場合に処罰の規定はありませんです。
  16. 並木芳雄

    ○並木委員 ある、ある。次官、そんなことじやだめですよ。だから解散だとか不信任案を突きつけられるのです。第十九条に違反した場合、第二十三条の罰則を見てください。第二十三条の第四です。「第十九条第一項の規定により旅券の返納を命ぜられた場合において、同項に規定する期間内にこれを返納しなかつた者」というのがあるのじやないですか。
  17. 松尾隆男

    ○松尾説明員 第十九条は返納の規定でございます。今問題になつておりますのは、渡航先の追加申請の規定でございまして、第十九条のこの返納の規定には、渡航先追加違反の条項はございません。
  18. 並木芳雄

    ○並木委員 ですからその場合に法を犯したと思つたら、この第十九条を適用して、旅券を返納すべしという命令が政府としては出せなかつたか、こういうことを私は聞いておる。出せるにかかわらず、それをやらなかつたとすれば、政府の怠慢ではなかつたか。罰則の規定がないないとおつしやるけれども、その関連において現行法で十分じやないかということを私は聞いているのです。
  19. 松尾隆男

    ○松尾説明員 第十九条の条文からは――第八条の渡航先追加申請の規定に対する違反は適用がないのでございますから、従つて第十九条の規定でもつてただちに旅券の返納を命ずることはできないと思います。
  20. 並木芳雄

    ○並木委員 私も一応それはそう思つたのです。しかしいずれにしてもその虚偽の記載あるいは何かでもつて、第二十三条の一、「前条に規定する書類に虚偽の記載をすることその他不正の行為によつて旅券の交付、渡航先の追加、書換交付又は再交付を受けた者」ということで、これが適用できないかと思うのです。それで行けば明らかに罰則に触れて来るわけなんですが、いかがですか。
  21. 松尾隆男

    ○松尾説明員 今の第二十三条の第一項第一号の規定を適用してできなかつたかという御質問でございますけれども、この旅券発給の申請書をお出しくださいましたときに、渡航先なりについてお書き込みになつたことが、はたして虚偽であるかどうかということを立証することは、はなはだ困難なのであります。たとえばAという国へ参りますと言つて旅券の発給を申請されて参りまして、それから今度はB、Cの国へ追加をされないで行こうという意思をそのとき持つておられたといたしましても、私たちにはそのことを伺つても、もし本人がいやおれは絶対にAだけにしか行かないのだとおつしやれば、もうそれつきりだと思います。
  22. 並木芳雄

    ○並木委員 旅券法の罰則が適用がないと政府が解釈されるならば、何かほかの法律にはありませんか。たとえば出入国管理に関するものとか……。私の気持は政府が法律を犯したんだというならば、これを放任しておくのはいけないので、これに対する罰則が伴つて行くのはあたりまえだという見地から聞いているわけなのです。
  23. 松尾隆男

    ○松尾説明員 第二十三条の罰則規定が適用できない場合に、ほかに何らかの法律、たとえば出入国管理令等によつてとおつしやる御意見は、不幸にして今の出入国管理令には、その適用すべき条文がございません。
  24. 並木芳雄

    ○並木委員 そこでお尋ねしたいのは、この罰則規定はないにしても、今高良さんあたりから提訴されているということですが、それに対しては政府はあくまで対抗して行けますか。どういう問題が論点になつているか、この際お尋ねしたいのです。裁判所に提訴されてあなた方が被告になつて――被告というとおかしいが、訴えられていると聞いているのですが、その点の説明を伺いたい。
  25. 松尾隆男

    ○松尾説明員 高良さんの方から提訴されておることはございません。今私どもの方が被告という立場になつておりますのは、帆足さんと宮腰さんの提訴されましたケースが一つ、それからもう一つは、松本治一郎さんの問題、この二件になつております。どういう理由でがんばつておるかという並木さんの御質問でございますが、これは最初は帆足、宮腰さん等は、旅券発給拒否行政処分無効確認の行政訴訟を提訴されました。その後モスクワにお着きになつたころ、その訴訟をお取下げになりました。そうして今度は国を相手に損害賠償の要求訴訟に切りかえられました。そしてそれが今続いておるわけでございます。それから松本治一郎さんの場合は、昨年の北京におけるアジア太平洋地域平和会議への旅券を申請された。それに対して外務省の方で拒否し、異議の申立てがありました。それはちようど旅券法通り行つております。それから外務省の方から理由を付した通知書を受取つたあとで、松本さんの方で今度は訴訟をされました。それが裁判でもつて国の方の勝ちとなりまして、それで今度は松本さんの方では五万円の損害賠償の提訴をなされました。それが現に係争中なのでございます。
  26. 並木芳雄

    ○並木委員 私はこの前旅券法をつくるときに、やや行き過ぎであるということを警告したのです。たとえば生命、財産、身体の保障ができないようなものに旅券を出さないということは、行き過ぎではないかということを警告したのですが、法律が通つてしまつた。その後こういう事件が起つた。政府はあくまでもこれは違法だと主張しておるならば、私どもは遵法精神という建前から、それを貫いてもらわなければならないと思う。従つてただいまの問題は当事者の帆足さんもおられますから、その方からまた質問があると思いますから、私は深くは追究いたしませんけれども、いやしくも岡崎外務大臣が違法であるということを天下に声明した以上は、しりぞいてはいけない。もしここで政府が負けるようなことがあるならば、違法行為を放任するようなことになるので、何とかに追銭になるのじやないか。高良女史のごときはもう肩で風を切つているような状態です。もし政府が敗れるようなことがあれば、まつたく大きな問題で、道義の高揚を主張する政府の声明にも、これは関係して来る問題ですから、そこはしつかりやつてもらいたい。そういう点だけは強く要望しておきたいと思います。  そこでこの改正案が通れば、政府としてはこの裁判に有利になるのか、あるいは法律にそういうあいまいな点があつたということで、かえつて不利になるのか、どつちだとお思いになりますか。
  27. 松尾隆男

    ○松尾説明員 もし改正案が通りますれば、その点は非常に私どもに有利というのはおかしいけれども、今並木委員が指摘なさいましたように、皆さんが遵法の精神でもつておやりになつてくださるだろうと期待いたします。
  28. 並木芳雄

    ○並木委員 ほかにこの種の、政府の主張によれば違法であつたというようなことはありませんでしたか。その実情、要するに不法出国の実情について伺つておきたいと思います。
  29. 松尾隆男

    ○松尾説明員 不法出国の実情は、これは私の所管でなくて、むしろ入国監理局の問題でございます。御承知のように出入国管理令では、日本の国民が海外へ渡航いたします場合には、旅券を持つて行かなければならないという規定がございます。私どもの方の渡航課といたしましては、ただ旅券を差上げる、それでおしまいなのでございます。けれども今御質問の通り、不法出国――旅券なしで行つたケースは、御承知のように中村翫右衛門さん、そのほかいろいろな方が相当おられるわけであります。北京に今行つていらつしやいます中村翫右衛門さん、それからあのころアジア太平洋地域会議に出席されました各労組の人たちが四、五名いたと新聞に発表されております。それから渡航先の追加申請を受けないで、中共あるいはソ連等にお入りになりましたケースは、この際に御説明申し上げておきたいと思いますが、高良さん、帆足さん、宮腰さん。それから高良さん、宮腰さんのお連れになつた秘書の方々以外に、相当たくさんございます。今私の覚えておりますだけでも、最も著しい例は参議院議員の羽仁五郎さん――羽仁五郎さんはウイーン行きであつたのですが、これは別にいたしましても、しかし世界平和会議には出席されるとは言つておられなくて、国会図書館の資料を集めに行くということで、ウイーン行きの旅券をお持ちになりました。それから西園寺公一さんは、ケー・ドルセーのアソシアーシオン・ド・デイプロマテイーク・プレス・ド・デイプロマート、フランス外務省外交記者協会というところからの招請によつて、フランスへいらつしやいましたけれども、今年の一月になりまして、読売新聞にウイーンに行くと発表された。それからプラーグへ行き、最近は北京に行つていらつしやいます。そのほか山本熊一さんが自転車の関係で香港からお入りになり、松本治一郎さんの場合もそうでありまして、松本治一郎さんはタイ、ビルマ、香港を旅券でもつてああいうふうに旅行をされておる。そのほか巴商事の桜井英雄氏、そのほかその一行四名くらいの方が一緒に去年行つております。それから鈴木一雄という人、これは宝商会だと思いますが、この人は現にまだ北京に行つております。せんだつて引揚代表の方が北京駅頭にお着きになりました場合にも、この鈴木一雄氏は歓迎のために駅頭で大いにやられたということを承つております。そういうふうにいたしまして、第八条違反をあえてなさいました方々の数は、私の記憶だけでも約三十名余りもあるのではないかと思うのであります。
  30. 並木芳雄

    ○並木委員 ずいぶんたくさんあるので驚くのほかはございません。それではまるで無法律状態だと思うのです。今度の引揚船に乗り込まれる五名の連絡員ですか、この人々はどういう資格で行くのですか、この旅券との関係をお尋ねしておきたいと思います。  それからまた例の鹿地亘氏、これも沖繩へ飛行機で行かれましたけれども、あれなんかもやはりこの旅券法にひつかかつて来るのではないかと私は思う。沖繩への渡航の状態は今どうなつておるか。  それからもう一つ、朝鮮へ行つて働いておる日本人があるということがこの間発表になつた。これは国連協力の線で行つておるのだろうという当局の答弁でございましたけれども、これも日本人の要員が向うへ行つて朝鮮で働くには、海外渡航でありますから当然旅券が必要だと思うのです。もうそうでないならば、これは大きな問題になると思うのですが、ただいまの答弁によると、三十名内外も法律違反を犯しておる者がある。その上にまた今度上塗りをするようではたいへんですから、今の三つの点、今度の引揚げの乗船の連絡員の方々の資格、鹿地氏の場合、それから国連軍、アメリカ軍に従つて朝鮮で働いておる人々の身分、これについて答弁願いたいと思います。
  31. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 今川中共在留邦人引揚げの要務を帯びまして三団体の者が参りますが、これは旅券ではないのでありまして、乗務員証明書を渡しましてあちらへ参るわけであります。  それから鹿地の問題につきましては、これは米軍があちらへ連れて参つたのでありまして、私どもといたしましては関知しないことであります。  それから朝鮮の国連に協力するための要員等につきましては、これは一般の旅券によりまして渡航いたしておるのであります。
  32. 並木芳雄

    ○並木委員 そうすると、引揚げの場合の乗務員証明書、それは船に乗るだけであつて向うへ行つて上陸はできないわけですか。すれば旅券法その他の違反になつて来る。私が聞きたいのは、あの中に北海道で事件を起した某氏がおる。しかもそれは保釈中ですか、要するに訴追中である。今度の旅券法の改正では、旅券法違反の訴追中の者は旅券を出さないのだというような条項が入つております。従つてその精神から言えば、現に訴追中の者を船に乗せることすら問題がある。しかも向うへ行つてもし上陸でもするようなことがあつたらたいへんです。それはできないと思うが、もしやつた場合にはどういう処置をとるか。まずこれを、三つのうちの第一として伺つておきたい。
  33. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 乗務員証明書を持つて参るのでありまして、その代表が中国本土に上陸する場合におきまして、中共側が国内法によつてこれを認めれば支障ない、かように考えております。
  34. 並木芳雄

    ○並木委員 それでいいのですか。乗務員証明書というものはどういうものだか、私その性質がわかりませんが、そういう性質のものなのですか。向こうで上陸を許せばどんどん中共の奥地へも入つてしまい、北京まで行つてしまつてもいいということになるが、そんな答弁でいいのですか。
  35. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 それは船員として参りますので、向うの許可があれば一時上陸するのはさしつかえないと思います。
  36. 並木芳雄

    ○並木委員 そうすると船員なら船員手帳とか、船員に必要な書類というものはちやんとそろえて、労働関係の身分なんかも整備して乗るわけですか。
  37. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 正式な船員ではありませんから、船員手帳等は持ちませんが、船員に準ずる船の乗務員としての証明書を持つて参るのであります。船員に準じて取扱つております。
  38. 並木芳雄

    ○並木委員 その点は私、単につつ込むような質問というのではなくて、お互いに今研究を要する問題だと思うのです。それだけで行つて、向うへ上陸した場合に、日本の政府として抗議は申し込めない。上陸して病気になつちやつたなんというと、現に訴追中の者でしよう、国際問題が起ると思うのです。次官はだめなんでしようが、だれか専門家はいませんか。その点をもう少し的確にしてください。
  39. 松尾隆男

    ○松尾説明員 船員の碇泊中におきまする上陸でありますが、これは各国とも、その者が乗つております船が港に碇泊中は、それぞれ一時上陸の切符を出しております。シヨート・アワー・パスと申しまして、どこの国でもそれをやつております。その国の入国管理官あるいは移民官が、船長の要請に基きまして、船員これこれというリストを出してそれに基いて移民官がシヨート・アワー・パスを出します。そして午前何時より午後何時とか時間を制限いたしまして、その碇泊地――ポートの町に上陸することを認める、これが一般の国際慣行になつております。今度の引揚船に乗つていらつしやる方々についても、船員でないから船員手帳は出さないけれども、船の事務官、事務員と申しますか、乗務員証明書というものを出して、もし向うの港に着いたときに、この人たちの上陸を認めるか認めないか、これは中共側の法律により、中共側の裁量でやる問題であります。今お話がありましたように病気と称して上つたり、あるいは奥地までずらかる心配があるんじやないかと言われれば、それはその御本人の常識と良心にお訴えするより手がないと私は考えます。
  40. 並木芳雄

    ○並木委員 乗務員証明書というものは、準船員というわけですか。
  41. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 さようであります。
  42. 並木芳雄

    ○並木委員 船員に準ずるというようなことは実際上行われておりますか。大丈夫ですか。
  43. 松尾隆男

    ○松尾説明員 私の承知している限りでは、従来も水産学校の生徒とか商船学校の生徒が、卒業の前に出ます遠洋航海に際しましては、乗船証明書というものを持つてやつて行つたということを聞いております。
  44. 中山マサ

    ○中山(マ)委員 関連してお尋ねいたしますが、これまでたとえば海外へ出る人あるいはそういうふうにして船員になる人、あるいはこれにこのたびだけが準ずる場合であるかどうか存じませんけれども、私が聞いておるところでは、北海道で白鳥事件に関係しておる人でまだその判決も確定してない保釈中の人が、過去におきましてそういうふうにして出たことがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。
  45. 松尾隆男

    ○松尾説明員 そういうふうな訴追中の人で国外へ出かけたという人は、旅券に関する限り、ないのでございます。ただ一件こういうことがございました。昨年の四月ごろであつたと思いますけれども、沖繩から遺骨の問題で、何か東京都のどこかの方でその床の下に遺骨をたくさんしまつておいて、そして遺族の方には十分職責を尽し、責任を果さなかつたその人が、たまたま沖繩へ渡航したいと言つて沖繩渡航の証明書を申請して参りましたときに、私たちはその新聞がありましたので、よく警察を通して調べてみたわけでありますが、それは調査の結果もう出してもよろしいということになつたので、別にそのときは訴追はまだされていなかつたけれども、そういうどつちかというと私は不徳義な人だと思うのですが、そういうケースがございました。
  46. 中山マサ

    ○中山(マ)委員 外務政務次官にお尋ねをいたしますが、このたびのこの重大なる使命を帯びて船に乗つて、しかも向う側から帰つて来た人の話を聞きますと、いわゆる帰つて来る日本人の名簿の作成ができていない。それで届出をしたその小さな紙きれでございますか、帰る許可証によりまして、乗つて行つた人が上陸をして名簿を作成してそれを持つて来るのだという話を、この間引揚げの交渉に行つて帰つた代表団の人から直接聞いたのでありますが、こういうふうな重大使命を持つておるその仕事につけるのなら、日本も相当広うございますし、人も八千万幾らというようなたいへんな人間がおりまするのに、なぜによりによつて、そういうふうな問題のある人を送らなければならなかつたか、そのわけをお話願いたいと思います。
  47. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 御意見ごもつともと思いますが、実は御承知の通り、中共引揚船の出帆の時刻も迫つております今になつて、とやかくいろいろと交渉いたしておりますと、せつかくの大事な引揚船の出帆が遅れまして、今後の引揚げに非常な支障を来すのではないかということを心配いたしたのであります。まず大事の前には小事を捨てまして、団体側の要求の通りの人選を確認いたしたような次第であります。
  48. 中山マサ

    ○中山(マ)委員 それは少し御態度がお弱いのではないかと私は思うのでございます。なぜならば、ああいう事件を引起した人は、どうやら赤いとか桃色とかいわれておりますが、そういうグループの中でも、ぜひその人でなければならないと私は限定はしないと思うのであります。だれかこれにかわり得る同じ思想の傾向を持つた人もあつたでございましようのに、外務省がもう少し腰をすえてくださいましたならば、必ずや私は、向うからかわるべき人を立てたのではないかと思うのです。聞き及びますと、まだ国内に共産党員は八十九万人もあるという話を聞いておりますので、この中から何とかそれにかわるべき人があつたであるということを考えるのでありますが、いつもいつもそういうふうにして、まるで中共一辺倒の人に押されてそのかわりを探せないということは、あまりにも私は受取りかねるのでございます。どうしてそういうふうにいつも同じ御答弁をいただくか。これはやむを得ない、家族のことを思うてという、ただそれだけでありますが、国民の名において、そういう犯罪の懸念のかかつている人はもつとしつかり取調べて、もう少し強い態度になぜ出ていただけなかつたかと、私はどうも不足をいわざるを得ないのであります。国民がこういうことを知りましたならば、確かに私と同じ意見を持つてくれるのではなかろうかと考えますが、外務省はその国民の考えについて、ただ留守家族というだけでなく、まだほかに多くおりますところの国民の感情のことはお考えにならなかつたのでございましようか、ひとつお話を願います。
  49. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 お説まことにごもつともであります。中共一辺倒でわれわれは決してこの問題を扱つておるわけではないのであります。ただ何万という引揚者並びにその留守家族の身の上を考えまして、大事の前の小事として、円滑に物事を運びたいという念願からいたしまして、今回の政府の態度をきめたようなわけであります。もちろん引揚げ後における各般の手配につきましては、万全を期しておりますので、この点は御安心を願いたいと思います。     ―――――――――――――
  50. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 この際委員各位の御承認を得て、外務大臣に発言を許したく存じます。岡崎外務大臣。
  51. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 私はつい先般フイリピンとの間に沈船の引揚げに関する協定をつくりましたので、これについて本委員会で報告をいたしたいと考えております。御異議がなければさよう御了承願いたいと思います。
  52. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 御承認くださいますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  53. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 委員会は異議がありません。岡崎外務大臣。
  54. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 すでに一部は新聞で発表しておりますが、一昨々日十二日に、日本とフイリピン共和国との間の沈没船舶引揚に関する中間賠償協定、これを調印いたしたのであります。御承知のように政府は、すでにフイリピンのマニラ湾及びセブ湾等の領海中にありまする沈船についての調査をいたして、これを完了いたしたのであります。そこでさらに進んでこの沈船の引揚げについてフイリピンとの間に交渉をいたしておりました。ようやく話合いがまとまりましたので、去る十二日マニラににおいてこの中間賠償協定を調印いたしました。そこでこの要旨を御説明いたしたいのでありますが、この協定は非常に簡潔にできておりまして、本文が四箇条、それに前文がついております。これは昨日閣議において国会にこれを承認を求めるの件を決定いたしまして、ただいま手続中でありますが、昨日の決定でありますので、まだお手元には協定文等は参つておりませんから、ここでとりあえず口頭をもつて御説明いたします、本日の午後三時正式に国会に提出する予定になつております。  この協定文は、前文におきましては、サンフランシスコ対日平和条約の第十四条の賠償規定とほとんど同じ表現を用いて、わが方においてはサンフランシスコ条約における賠償義務を負担するということを、またいわばそれ以外のことはしないのであるという趣旨のことを、実質的に明らかにいたしております。  第一条は、沈船引揚げ作業における役務提供の原則を規定いたしております。沈船引揚げの役務は特殊のものでありますから、わが方としては必要なる設備と需品等を用意してこれに当るという点で、必ずしも他の種類の役務賠償と同様でありません点があります。つまり副資材その他のものが普通の役務協定にはあるのでありますが、引揚げの場合にはそういうものがほとんどないので、わが方としてはこの引揚に必要な設備と需品、これを用意する。そうしてこの引揚げの役務を提供する、こういうことが第一条になつております。  第二条は、フイリピン側では、わが方に対する便宜供与その他の協力事項及び作業に従事する人たちの生命、財産の保護等をいたすことを規定いたしております。  それから第三条は、実施細目の協議をいたすということを規定いたしております。  第四条は、この協定の効力発生に関する規定を設けておりまして、フイリピン側は行政協定として扱い得る由でありますが、わが方は国会の承認を必要とする点を考慮して特にその規定を設けております。非常に簡単な協定でありますが、これによつてもし国会の承認を得れば、引揚げを実施いたしたいと思つておるのであります。なおこの実施にはいろいろ細目の規定が必要でありますが、これは今協議をいたしておりますので、この協定の範囲内で実際にいかなる細目によつて実施をはかるかということは不日決定いたすつもりでおります。  この協定でわれわれが特に重要視いたしましたのは、元来賠償というものは平和条約を批准しますと、平和条約にいわゆる連合国の一員になりまして、これによつて第十四条に基く賠償を受ける権利が出て来るわけであります。従つて平和条約批准前に、この未批准国との間に賠償の実施を行うというのは異例である。異例でありまするが、従来の交渉の経過をたどりますと、フイリピン側ではとかくまだ日本側の真意について誤解を持つている向きがありまして、それが賠償の話合いの上にもいろいろ支障を起しますし、また平和条約の批准の上にも支障を起しております。さらに日本とフイリピンとの間の貿易であるとか、通商であるとか、その他資源の開発等に対するいわゆる経済協力という面につきましても、いろいろの支障を起しておりますので、政府としては、この際日本政府が国民の支持を得て、フイリピンとの間に誠意をもつて賠償の実施に当るということを、事実をもつて示したいと考えまして、この賠償の中間協定をつくつたのであります。これができましてもし実施するように至りますれば、先方も日本側の真意を了解して、いろいろの点で従来の誤解が氷解するであろうと思いますので、日本とフイリピンとの間の友好親善関係に裨益するところは、非常に大きいと考えておるのであります。ただかかる異例の協定でありますので、この費用としては、一応平和関係処理の経費の中に組まれておりまして支出できないことはないと考えますけれども、まずもつてこの協定に対する国会の承認を得まして、その承認を得たあかつきにおいてのみこれを実施するということに特に重点を置いて協定をつくりました。フイリピン側は、先ほど申した通り、大統領の権限で国会の承認を経ずして行われるようでありますが、日本側としては、これは必ず国会の承認を得べきものである、こういう主張をして協定をつくつたのであります。  政府としては、今までもまた今後も同じでありますが、平和条約の規定に基いて、まじめに賠償問題の解決をはかり、これについて決してこの義務を回避するような気持は持つておりませんが、この政府の考え方はだんだんフイリピン側でも了解しつつあるようでありまして、前の沈船調査の協定及び今度の引揚げの協定等について、お互いに話合いが円満に行われておりますのは、やはりフイリピン側でも日本との国交調整を強く考えている証拠と思つておるのであります。と申しますのは、この協定はなるほど日本側の役務提供によつてフイリピン沈船を引揚げるのでありますから、もつぱらフイリピンの利益のみのようでありますけれども、実際協定を行い、また今実施についてもいろいろ話合いをいたしておりますが、この場合にはフイリピン側としては従来からの立場がありまして、いろいろ協定締結に困難を感ずる点もあつたようであります。しかしこれらの困難をフイリピン側としても克服して、平和条約の規定に基いて賠償を実施するということについて原則的な了解をつけたことは、やはり先方でも大いにこの問題を推進したいと考えているからと思うのであります。  以上のような理由によりましで協定を締結して、本日国会にこれを提出することになつておりますので、提出のあかつきには、ぜひすみやかに審議の上、御承認を得たいと思うのでありますが、とりあえず本日の委員会において以上のことを報告いたしまして御了承を得たい、こう考えておる次第であります。     ―――――――――――――
  55. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 委員会はただいま旅券法の一部を改正する法律案を審議中でございます。ただいま日比間の沈船引揚協定に関して、外務大臣から発言を求められたのでこれを許しましたが、この件につきましては印刷物が整いました後に質問を許すことにいたします。  外務大臣は十一時半まで出席可能であります。あと十分間旅券法に関し、特に外務大臣に質問を申し出ております黒田寿男君に並木君の御了解を得て質問を許します。黒田寿男君。
  56. 黒田寿男

    ○黒田委員 私の質問は十分間ではちよつと無理だと思いますが、せつかくの機会ですから、外務大臣に十分間だけお尋ねいたします。  旅券法改正案の提出されました理由について、政府が旅券法の一部を改正する法律案の提案理由と称する書面に基いて御説明になりましたのは、私どもから見ると、あまりにも技術的な説明にとどまり、旅券法を今回政府が改正されようとする根本の理由がそれだけではよくわかりません。そこでこのような一片の事務的な文書の提出だけでなくて、もう少しこの改正案を提出されました根拠について承りたいと思うのです。この改正案の内容を一口に申しますれば、海外旅行の自由を制限するという点にあると思います。そういうように私どもは解釈いたします。なぜこのように日本人の海外旅行について、従来よりもさらに制限を加えるような改正の提案をなさるのか、その提案の基礎には、いろいろと国際情勢に関する政府の見通しなり認識が横たわつておるのではなかろうか、こう考えますので、その点をお尋ねしてみたいと思うのであります。一体「生命、身体又は財産の保護が得られないと認められる渡航先」というのは、それはわかつておるようにも思いますけれども、一応どのような国であるとお考えになつておいでになりますか、ちよつとそれをお尋ねしてみます。それから次の質問に入りたいと思います。
  57. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは情勢によつて時々異なると思いますが、主として国交が回復していないばかりではなくて、その国のやり方が非常に鎖国的であるとか、あるいは通信その他が自由でないとか、また治安状況が心配であるとか、いろいろの理由によつて実際上にこれは判断して行くよりほか、しかたがないと考えております。
  58. 黒田寿男

    ○黒田委員 私が質問いたしましたのは、ただいま外務大臣が申されましたような事情を勘案した上で、現在ではそういう条件に該当するような渡航先がどこであると具体的にお考えになつておるか、そういうふうな地域をお認めになつておるといたしますれば、具体的には大体どういう地域をさすものであるか、それを先ほどお尋ねしたつもりでございますが、もう少し国の名をあげて、あるいは地方の名をあげて、外務省でお考えになつているところを承らせていただきますれば、次の質問をいたしますのに非常に便利である、こう思うのです。ただ漠然と抽象的におつしやられずに、具体的に……。
  59. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 これは無理に外国側の感情を悪くする必要もないと思いますので、なるべくそういう国の名前を実際にあげたくないのでありますが、しいて御要求でありますから、一つの例をあげてみればソ連邦などはその一つではないか、こう考えております。
  60. 黒田寿男

    ○黒田委員 中国などは、外務大臣はどういうふうにお考えになつておりますか。
  61. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 中国というのは漠然としておりますが、中共政権の治下においてもまあ同様のように思いますが、今引揚げの最中でもありますので、あまりこれは私深く論じたくないのです。
  62. 黒田寿男

    ○黒田委員 まあ以心伝心で大体外務大臣のおつしやるところはわかるように思います。そうしますと、そういう国々のことを頭に置きながら、海外旅行の自由を制限するというような方針のもとに、政府が改正案を提出せられるということになつて参りますと、これは不講和国との国交関係の回復について、政府の態度が非常に消極的であるというだけではなく、さらに両者の関係を阻害するような方向へあえて導こうという、そういうような外交上の方針であるように私どもは観測しないわけに行かない。一体こういう国との国交関係の将来について、もし私どもが親善関係を回復することに努力するという方針をとるとすれば、私はこのような旅券法の改正などはなさるべきではない、その必要はないと思います。この旅券法の改正案の内容を通じて見ると、こういう不講和国に対して政府は国交関係の改善のために努力する方針が見えないだけでなしに、その逆のことを考えておいでになるような気がいたします。こういう問題は、これは私は基本的な問題だと思います。旅券法の改正の基礎に横たわる政府の国際情勢の認識、あるいはこれらの不講和国との国交関係の回復についての対策の問題、このような問題に関する根本的な考え方が、この旅券法の改正と結びついておると思います。どうも私は政府のお考えが非常に消極的である、というよりか、むしろ国交阻害的な考え方であるように思われる。こういう点は外務大臣はどのようにお考えになりますか。
  63. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 旅券法は私から説明するまでもなく、何も特定の国を目当にしてつくつているものじやありません。たまたまあるそのときの事情によつて、その規定の適用を受けそうな国があるかもしれませんが、また事情が異なればほかの国にそういう適用があるかもしれない。どの国を目ざしてやつているということはないのであります。また現に国の名前までは言わずとも、そういう一種のイデオロギー的な違いのある国でなくて、治安が非常にあぶないといつたようなところとか、あるいは無警察みたいな国であつて、言葉もまるで違うというような非常に未開な国に対しても、これは事実上適用がある場合もあるのでありまして、決して特定の国を目ざしてこういうことをやつているのじやないのであります。またこういう旅券法のごとき一般的に適用される、しかも非常に義務的な規定と、そういう国交回復とかいうような政治的考慮とは、別問題にお考え願いたいと思います。
  64. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 あと一問だけ、もう時間が来ましたから簡単に願います。
  65. 黒田寿男

    ○黒田委員 旅券法の改正と、先ほど具体的に名前をあげましたような国との国交回復問題とは、関連がないというようにおつしやいましたけれども、そこが外務大臣と私どもの考え方の非常に隔たりのあるところでありまして、私どもはこういう不講和国に関する一定の外交方針が基礎にあつて、このような旅券法の改正がなされたものであるというように考えざるを得ません。単に一般的、抽象的に、旅券法に規定されましたような条件に当てはまるような国があれば、そこには渡航することを許さないのだという、そのような抽象論に私どもは満足することはできないのであります。旅券法の改正案と国交回復問題とは別である、そうおつしやるのならば、それは外務大臣のお考えとしてそう聞いておきましよう。それではかりに旅券法の改正問題と離れまして――離れてと言つてはちよつと語弊がありますが、私どもは離れぬと思いますけれども、外務大臣のようなお立場に立つといたしましても、一体こういう国との国交関係の回復について、将来どういう努力をなさる方針であるか、アメリカの新大統領の就任に伴いまして、何かそういう国に対するわが国の国交回復の方針について、変化を生ずるようなことがあるかどうか、こういう点についてお尋ねしてみたいと思います。まだいろいろ根本的な問題についてお尋ねしたいことがありますけれども、委員長から時間の制限の御注意がございましたので、きようはそれだけを承つておきたいと思います。
  66. 岡崎勝男

    ○岡崎国務大臣 その前にちよつと、誤解はないと思いますが、お言葉が十分でなかつたのでそういう意味だろうと思いますけれども、この旅券法の改正は渡航を禁止するとかなんとかいう意味ではないのであります。ただ渡航先を追加するような場合には、あらかじめ領事館なりあるいは外務省なりに追加の認定を受けろ、こういうことなのであつて、追加を禁止するということをいつているのじやない。つまり渡航の自由の制限ということは、一般的に言えば、旅券がなければ行かれないということも制限でありましよう。それから入国の査証がなければいかぬというのも制限でありましようけれども、そういう意味のことであつて、どこの国に行つちやいかぬということを別に法律に書いてないことは御承知の通りであります。  それからただいまは旅券法の質疑であろうと思うのでありますが、もし旅券法と別のことで一般的な外交方針の審議をというならば、これは別の委員会の場合に十分申し上げた方が適当だと思います。それで本日はこれに対して詳しくお答えする時間もありませんし、また旅券法の審議だけに、むしろ支障になるかもしれませんから、ごく簡単に申しますが、別にアメリカの新大統領に基く新政策等にこれは何ら関係ないものであつて、私は昨年も旅券法は適当に改正いたしたいのだということを申しておるのでありまして、それがようやく成案を得て今回提出した、こういうことで、外国の事情等に何ら関係がないことであります。
  67. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 岡崎外務大臣の退席を認めます。  発言権を並木芳雄君にもどします。並木芳雄君に御相談でありますが、あと帆足計君、戸叶里子君の質問の申込みがありますので、お含みおきを願います。並木芳雄君。
  68. 並木芳雄

    ○並木委員 今の大臣の答弁は、おそらく今度の旅券法改正のしつぽを出したものだと私どもは見ます。これはやはり非常に危険な思想なんです。法律を犯してはいけない、犯した者は大いに追究すべきだと思いますけれども、その原因はやはりこういう無理な制限をするところから出て来ておると思うのです。生命、財産、身体が危険だと言うならば、朝鮮に行つて働くのは一番危険じやないですか。それに対して先ほど朝鮮で働いておる者には旅券を出しておるというお話でありましたが、その通りですか。もしこういう者に危険が起つたり、財産を失つた場合に政府は賠償するのですか。この反対解釈はぼくは相当重要だと思うのです。生命、財産、身体を保障できるという前提に反対解釈が成り立ちますから、そうするとそこでもし被害が起つた場合には、政府が損害を賠償するという責任が出て参ります。その点いかがですか。
  69. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 朝鮮へ参ります要員につきましては、国連軍の要員として参るのであります。もしその場合にけがをしたとか、あるいはその他財産の損害をこうむつたというのであれば、これは国連軍との関係でありまして、政府との関係ではないように考えます。
  70. 並木芳雄

    ○並木委員 さつき旅券を出しておるという答弁をされたから私は聞いておるのです。日本政府が出しておるわけではないのでしようけれども、旅券を出しておればこれにひつかかるわけです。旅券は出しておるのでしよう。
  71. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 旅券は出しておるようですが、損害賠償ということは考えていません。
  72. 並木芳雄

    ○並木委員 ですからその場合に生命、身体、財産の危険というこの条項をうたうことは非常にまずいと思うのです。もう少し別の方法で――政府に裁量権があるのならいいけれども、こうはつきり割切つてしまうと、さつき黒田さんからつつかれたような問題が出て来るわけです。
  73. 松尾隆男

    ○松尾説明員 朝鮮へ国連軍に協力するために行く者に対して、旅券を出しておるかという先ほどの御質問でございました。国連軍に協力するというのはどういう形態なのか私よく存じませんけれども、私の知つておりますのは、たとえば釜山にあります製氷会社の修理のために、日本のある会社の者が国連軍と契約を締結いたしまして、その製氷工場の修理のために行くということに対しては旅券を出しておるわけであります。前線に行つておるということは私は存じませんけれども、ただ私が申し上げるのは、その範囲の旅券でございます。
  74. 並木芳雄

    ○並木委員 さつき大臣の答弁ですと、たとえばソ連邦あるいは中共政権下にある地域などは、今度のこの制限に入つて来るだろうということでした。そういう一つの地域がきまりますと、いかなる人間でも行けないということになりますけれども、そう了解してよろしゆうございますか。今度は行く先ということになるのですから、行く人間の性格とか思想とかいうものにはおかまいなく、その地域にはだれも行けないということになりますが、よろしゆうございますか。
  75. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 一般旅券につきましては、特殊の公用を帯びて参ります場合はこれは別でございます。それから先ほど外務大臣がお答えいたしましたように、地域を指定するということではない。
  76. 並木芳雄

    ○並木委員 今度の改正案では、者から行く先にかわつておりますよ。
  77. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 渡航しようとする者でありますから……。
  78. 並木芳雄

    ○並木委員 今度の改正案は行く先ですよ。
  79. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 渡航先の追加というのは前からそういうふうになつております。
  80. 並木芳雄

    ○並木委員 なおその点は委員長から時間の注意がありますから、こちらも研究いたします。  もう一つ私のさつきの質問で、鹿地亘氏、これは少くとも旅券法違反か、不法出国だと思うのですが、これに対して政府は、どうしてすぐに訴追の手続をとらないのですか。
  81. 松尾隆男

    ○松尾説明員 鹿地氏が沖繩に連れて行かれたということは新聞で拝見いたしました。沖繩への渡航は、旅券法の適用はないのであります。旅券法は日本から外国に行く方に対して出す文書であり、沖繩は日本の行政権がたとい今潜在的に眠つているといたしましても、日本の領土として扱つております。従つて沖繩へは旅券を出しておりませんから、旅券法の適用はないのであります。
  82. 並木芳雄

    ○並木委員 そうすると沖繩、小笠原、奄美大島などの渡航の手続は、どういうふうにしてやればいいのでしよう。自由に行けるというわけではないのでしよう。
  83. 松尾隆男

    ○松尾説明員 沖繩への渡航は、もつぱら南方連絡事務局の所管事項でございます。沖繩渡航の身分証明書というものを、渡航なさろうとする方から、それぞれの府県庁を通じて、総理府の南方連絡事務局へ出すことになつております。それから極東軍の司令部にその申請書も全部送るわけであります。極東軍の司令部は、沖繩にあります軍政部と打合せをいたしまして、軍政部の方からこれこれのものはよろしい、これは来ちやいけませんという、許可と不許可の通知が参るわけであります。その許可不許可に基いて、南方連絡事務局で沖繩渡航の身分証明書を出しているわけであります。
  84. 並木芳雄

    ○並木委員 それでは旅券法違反で訴追中の者に対しては、今度はその旅券を発給しないというのが改正案の一つであります。ただ問題は、訴追中の者を制限するということが、憲法に保障された基本的人権に触れるのではないかという多少の疑いがある。たとえば選挙法の場合には、選挙違反を犯して現に訴追中の者は拘束がない、自由だ。そういうものとの均衡がとれていないのじやないかと思うのです。その点の解釈はどうなりますか。この旅券法の違反だけが特に酷で、選挙法違反なんかの場合には緩に過ぎる、こういう法のふつり合いという点はどうか。場合によると、基本人権に触れるおそれもある。法務省から津田さんが見えているそうですが、もし何でしたら法務省関係の方に答弁してもらつてもいいのです。私はこれは少し行き過ぎではないかと思うのです。ほかとのつり合い上……。
  85. 津田實

    ○津田説明員 その点についてお答え申し上げますが、第二十三条各号の一にございますような罪を犯して訴追中の者につきましては、前にすでにそういう事実があつたということが、訴追機関によつてある程度認定されておりますから、再びさようなおそれがあるという点につきましては、一般の人とは非常に違うと思うのであります。従いまして、ほかの人と区別いたしまして訴追中の者を除外することは、別に憲法には違反しないというふうに考えております。     〔「もういいかげんにして、倒閣に邁進しようじやないか」と呼ぶ者あり〕
  86. 並木芳雄

    ○並木委員 自分の同僚から、早く倒閣に邁進しようという声が起りましたから、もう一点だけ質問することにしておきます。  旅券法実施以来の旅券申請者の数、これに許可した数、それから行く先別とかそういうものの詳報と、それから外貨の割当状態についてお伺いしておきたいのです。二十八年度、つまり来月から始まる渡航のための外貨の見通しは、明るいか暗いか、それに対して、外務省としてもいろいろ注文があると思いますが、そういう点もこの際あわせて聞いておきたいと思います。
  87. 松尾隆男

    ○松尾説明員 簡単に申し上げます。昨二十七年一月一日から十二月三十一日までの旅券発給総数は、一万二千三百幾つであります。大体月平均千二十と御了承願います。それに対して旅券発給を申請されて拒否された件数二百二十件、多いのは中共メーデーに参加のために、昨年五月一日に八十名の方が旅券発給を申請されて、ことごとく拒否された。それから北京で行われたアジア太平洋地域平和会議に出席のための方が百一名、こちらの方が多うございます。その他合計二百二十名。  それから外貨の割当は、まず昨年七月から運賃、渡航費のうちの円払い制度が実施されましたので、一応今のところは支障ないと思うのであります。けれども海外渡航を希望なさる方の数がふえておりますことと、その旅程が延び、従つて日数がふえております。この現実の情勢から見まして、二十八年度においては、私はもつとたくさん一般外貨によつて海外へ渡航される方のためのわくをふやしていただきたいと思います。
  88. 並木芳雄

    ○並木委員 額は……。
  89. 松尾隆男

    ○松尾説明員 額は二十八年度どのくらいありますか、今ちよつとはつきり覚えておりません。
  90. 並木芳雄

    ○並木委員 昨年中の額は……。
  91. 松尾隆男

    ○松尾説明員 昨年のトータルはよく存じませんが。
  92. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 帆足計君。
  93. 帆足計

    ○帆足委員 時間もございませんので、許された時間はわずかでございますから、緒論の緒論だけを本日は申し上げます。特にこの問題は島国日本といたしましては、日本は貿易によつて生きねばならぬ国でございますし、世界を理解し、世界から理解されなければ生きて行けない国でございますから、海外渡航の自由という問題は、国民の基本的人権に関し、また国のあり方に関し、祖国日本の生存権に関する問題でもございますから、同僚各位とともに慎重な審議をいたしたいと存ずるのでございます。従いまして委員長にもお願いしたいことでございますが、この論議を慎重にしていただきまするために、第一には、諸外国の旅券法の規定をいただきたいのでございます。  第二は、旅券法をめぐる法曹界並びは法律学者たちの論議を事務当局において、また政府当局において集めていただきまして、そして十分なる参考資料をもつて国民の期待に沿うように、この論議判断を公正にいたしたいと存じます。  第三には、各界の学問的並びに実際的権威の方々から、この問題についての意見を承りまする公聴会のごときものを、ぜひ開いていただかなければならぬと存じますが、これは委員長においてお諮りの上、適当に御採決を願いたいと存じます。このことをお諮り申し上げます。
  94. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 今準備しておりますから、質問を進めてください。
  95. 帆足計

    ○帆足委員 それでは、まず第一に、海外旅行の自由というものは、基本的人権として憲法に明記されておるものでありまして、この規定を闘い取るまでには、実に長い間の国民の苦労並びに民族の進歩の結晶として得られたものでございます。御承知のように、日本は三百年にわたりまして鎖国のうき目を見ました。その間において日本人の身長は、戦国時代に六尺ゆたかでありましたのが五尺二、三寸に縮まつてしまいました。そしてその生命は五十歳ぐらいで隠居するというふうになつてしまいました。そして同時に、島国は海の国、おおらかな国、自由の国であるべきはずのものが、島国根性、泣く子と地頭には勝てないというような卑属の国になり、まさに国を滅ぼさんとしたときに、明治の世が明けて、この国を救つたことは御承知の通りでございます。海の国、貿易の国日本といたしましては、自由、平等、博愛のこの言葉を、もう一度旅券法の審議のときに思い起す必要があるのでございます。そこでお尋ねいたしたいのは、憲法できめております居住の自由というものは、社会公共の福祉から、法律によつて多少の制限を受けねばならぬということは当然のことでございます。従いまして、今日の旅券法におきましては、その多少の制限は、刑に処せられた者と、それから国益、公安に非常な著大な打撃を与えるような人物、これは並木委員が申されたように、会議とか国とかいう無生物ではなくて、生物すなわち者、人物の審査でございます。従いまして今日の旅券法におきまして好ましからざる人物を海外に派遣することを禁止することはできるのであります。その禁止の要件につきましては、前の外務委員会におきまして詳細に論議せられ、速記録にとどめられていることでございまして、政府はこれを励行すれば、今日社会通念より申しまして、必要なる社会公共福祉上の制約は、これをもつて明瞭になし得るようになつておるのでございます。従いまして、別にいまさら改正を必要としないのでありますけれども、しかも改正法規が出ました以上は、いかなる理由で出たかということを、よく同僚諸兄とともに検討する必要があるのでございます。そこで外務省当局にお尋ねいたしますが、この旅券法というものは、海外旅行の自由に対して、政治問題としてこれを取扱つてよいのかどうか。外務大臣は前の国会におきまして、参議院、並びに衆議院の外務委員、会におきまして、渡航の問題は政治問題であるからということを申しました。これは私は失言であろうと存じますが、旅券課長または次官はどのようにお考えでございましようか。また井口前外務次官は、海外の特定地域に行かすか行かせぬかは力と力との関係である、政党と政党との争い問題であるから、君らは多数党をとつて来ればよいじやないかと申しました。しかしながら法律というものは、野党、与党の論なく共通のルールでありまして、この共通のルールを守るというところに憲法の保障があり、そして法規の神聖があるのでございます。政府当局は、みずから法をお破りになつて、ただいま被告として私どもに追訴されておるというような、遺憾な状況でございますが、私はかくのごときことをなからしむるために、ただいまの旅券法をまず検討いたしまして、どこに欠陥があるか、またどこにおいて政府が旅券法違反をなされておるかということをよく検討いたしまして、その上においてその非違をただしまして、なおかつ現在の旅券法を改めねばならぬ点がありとするならば、その点を改めればよいのでありまして、ことさらに今日旅券法が論議の対象になるばかりでなくて、政府当局が被告として裁判所に呼ばれているという状況はまことに遺憾なことでございます。私は政府当局に被告として呼ばれたことは一度もございません。しかるに政府はそれを私どもの人権並びに名誉に関するような形において、いかにも私たちが旅券法に違反したかのごとく世間に宣伝いたしておりますることは、まことに遺憾なことでございます。しかるがゆえに私はお伺いしたいのでありますが、旅券法の運用を政治的解釈によつて左右したり、政党政派によつて、力と力の関係によつてこれを解釈するということが許されてよいものであるかどうか、次官の御答弁をお願いしたいと思います。
  96. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 旅券法第十三条が憲法第二十二条の居住の自由に抵触するかどうかという問題につきましては、すでにさる第十二国会におきまして十分審議を尽されたいのでございます。その結果、抵触しないということが確認せられまして、旅券法が成立したような次第であります。従つて当時の速記録を十分お読みくだされば、憲法と旅券法第十三条の関係がよくわかると存じます。なおこの旅券法は手続規定を定めたものでありまして、われわれの解釈としては、政治的にこれが左右されるということはないと考えております。
  97. 帆足計

    ○帆足委員 ただいまの次官の御答弁では、旅券法を政治的に解釈して左右することはよろしくないという御答弁でありましたが、まことにかくあるべきものでございます。しかるがゆえにまず第一にお尋ねいたしますが、ただいま旅券法の中で行く先変更という問題につきましては、これは手続ということになつておりまして、たとえばパリからスイスの方にまわろうと申しますような例は多々あるのでございます。従いましてその場合には渡航先の追加の申請しをなければならないということになつているのでございます。この程度のことに対して一々罰則をいたしますならば、極端に申せば、戸籍の手続をいたしまして、一字字が違つたくらいですぐ罰則を受けねばならぬというようなことで、これに罰則規定がないのは当然のことでございます。一たび国を出国いたしますときは厳重なる資格審査を経まして、外国に行つてさしつかえのない人間という審査を経ているのでございます。その人間が今度は他国に参りますときは、参りまする国のヒザをもらつて参らねばなりませんから、他国側からまた厳重なる資格審査を経るのでございます。この二つの資格審査をすでに経た者が多少手続上において、たとえば従来は領事館なども少うございましたので、それで目的地変更をいたしまするときに、そこの領事館まで参れなかつた事情もありましようし、また外務省本省に一々通告して御返事をいただきますまでには、二週間も三週間もかかるというようなこともございましよう。従いまして旅費の関係等の都合から、簡単に届出をいたしまして、次の目的地に入れるような例は従来多々あつたのでございまして、何も今日だけの例ではございません。おそらく何百という例が過去にございます。その例をあげろと申しますれば、私は幾つも存じております。たとえば香港から厦門に入りまする場合に、一々行く先変更を今まで得ておりませんことは、香港の新聞記者からずいぶん聞きました。またベルリンから学者がモスクワに参りまして、再びベルリンに帰つたという例もわれわれ多々存じております。東條政権のもとにおいてすらかくのごときは別に取上げられず、ただ政府としては、連絡の便宜上届出だけはしておいてもらいたいという好意ある言葉でございました。しかるがゆえに当然これに対して苛酷なる刑を科す、パリからスイスにまわつたからといつて苛酷な刑を科す。二度と再び海外渡航のできないようなことにし、その上に刑を科すというような苛酷な罪刑に処していないことは、これは当然のことでありまして、今日のこの旅券法は、外務省当局が非常に苦心しておつくりになり、新憲法と照し合せておつくりになり、あわせて当時は進駐軍当局もおりました関係上、世界各国の旅券法も参考にしてつくつたものでありまして、相当よくできておるということは、当時立案の衝に当りました外務省当局の事務官諸君の方が、私よりよく御存じではなかろうかと思うのであります。しかるがゆえにパリからスイスへの目的変更をして、その手続に違法があつたからといつて、これを刑に処するというようなことが、貿易国日本としてふさわしいものであるかどうか。ふさわしいものであれば、この旅券法審議のときに、すでに刑に処すということを入れたに違いありません。しかるにふさわしいものでないから諸君は入れなかつたのでございましようし、外務委員会もこれを承認しなかつたのであります。しかるに今や全然別途の政治的観点から、何とかしてひつかけるために、こういう条文をおつくりになるというなれば、ひつかけることをお考えになるよりも、むしろ卒直にこの問題は原案のままにしておいて、そしてソ連、中国に行かせたくないならば、今日の憲法、国際関係その他からいつて、行かせたくないというならば、行かせたくない法規を別につくればよいのであつて、かくのごとき小手先細工をもつて、商業の国、貿易の国の日本の海外渡航及び行く先変更の自由を、はなはだしく束縛するということは、私は当を得ないものであり、ことさらに罪人をつくるものであると思いますが、外務省当局は何ゆえに、先般の旅券法を最初におつくりになりましたときに、これに刑を科さなかつたか。おそらく御存じなくて科さなかつたのではないと思います。従いましてそのときのことを承りたいと存じます。
  98. 松尾隆男

    ○松尾説明員 この現行旅券法制定の当時の経緯を聞いてみますと、私も当時はまだ渡航課長でなかつたのでありますけれども、聞いてみますと、日本の国民の方々は、各位ともに十分遵法精神に立脚せられて行動されるということを期待したそうであります。従つて別にこの義務規定、第八条の渡航先違反に対しまして、罰則を設けることはなかつたと言つております。必ず渡航先の追加申請をお受けくだいまして、届出くださるものと期待したそうであります。
  99. 帆足計

    ○帆足委員 法律というものは、国民はすべて法律を守らぬものという前提のもとにどの法律もできておりません。国民だれ一人として、すりやかつぱらいを正しいと思う者はなくだれ一人としてその子をすり、かつぱらいをしてよいと教育する者はありません。しかしながらすりやかつぱらいに対しては大きな刑罰があり、その他の小さなささたる問題については、手続法というものがたくさんございまして、その手続法に違反したところで処罰しないという、軽犯罪以下の小さな問題は、世の中にたくさんあるのでございます。しかるがゆえに、パリからスイスに参りますのに急いで、ホテル代も足らない、ハリの領事官へ参るのに時間も足らない、飛行機の時間の打合せもすでに済んでおるというようなことから、スイスに参りましたのに対して、届出をしなかつたからといつて、一々刑に処するということは、妥当でないからこそ刑に処さなかつたのであつて、私はその問題をただいまお尋ねしているのであつて、一般的にただ遵法精神に期待して刑罰を科さなかつたということなら、刑というものは成立しないと思うのであります。刑というものは、その中で特に悪質の者に対して刑を科する、これが刑の本質でございますので、そのことをお尋ねしたわけでございます。
  100. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 旅券法違反につきましては、単なる行為手続規定違反ということではなく、相当重要な義務的手続規定に違反する、こういうふうにわれわれは考えるのであります。それは旅券名義人の生命、身体、財産の保護ということにつきましては、国として当然の措置として、これの保護に万全を期さなければならない、こういう責務があるのでありまして、この責務を遂行するために設けた規定に反する、あるいはまた日本国に直接かつ著しく不利益を与える、また日本国の公安を害するというようなおそれがある行為と認めるような場合には、これはどうしても渡航先の地域というものは制限しなければならない。この制限しなければならない場合に、制限規定に従わないで、かつてに行く先を変更して行くというようなことにつきましては、これは国として放任するわけには行かないのであります。従来ともお話のように、行く先変更をずいぶんかつてにしておつたような事例もあるのであります。このためにこの旅券法制度というものをまつたく破壊してしまうというおそれもあるのであります。そこで今回旅券法制度を維持し守るために、政府といたしましては旅券法の改正を提案いたしたような次第であります。
  101. 帆足計

    ○帆足委員 ただいまの御答弁、法律の条文を一体次官はお読みになつてお答えなさつたのかどうか。私のお尋ねしたのは、パリからスイスに参りますのに、届出をしないで目的地変更をした場合のことを申したわけでございます。従いまして今般の改正案には、何も危険な地域に参る方の行く先変更を処罰するということは書いていないのでございまして、行く先変更をかつてにした者は、全部一律に処罰するように法案はなつておるのでございます。御承知のように地球は円形でございますから、行く先をかりにパリにとりましたところで、帰りがけはいろいろな角度から国に帰るのでございまして、その中間で途中下車いたしたくなるような場合の起ることも、また人情のしからしむるところでございます。そのようなときに、行く先変更の届を出せというわけでございまして、別に危険な地域とか、または思想上好ましからざる地域とか地域でないとかいう区別は、この条文にはないのでございますから、次官の御答弁はちよつと的はずれではないでございましようか。
  102. 中村幸八

    ○中村(幸)政府委員 行く先変更の場合には、たとえばお話のように、パリからスイス国に行くという場合もありましようし、またさらにパリからソ連へ飛ぶというよう場合も、いろいろの場合があります。それらの行く先変更については、一応すべて義務規定として、行く先変更についての許可を得て行かなければならぬ、こういうことであります。
  103. 帆足計

    ○帆足委員 そこで、そのようにパリからスイスに飛んだ程度のことに、一々罰則を加えるという国が、世界中どこにございますか。これは同じことを繰返して御質問しても何でございまして、皆さんのお聞き及びの通りでございますが、そういう例は世界中どこにございましようか。私どもはこれから世界の旅券法をよく調べて見たいと存じます。  第二に、これと並びまして、生命、財産の保護ということを盛んに申されますが、一体これは善意の、好意によるところの生命の保護規定であるべきでございます。政府がほんとうにその人間をいとしいと思つて、お前はその地域に行くのに、あそこはコレラがはやつたり内乱状況じやないか、行けはあぶないじやないかという御好意による生命保護法ならば、行こうとする人ととめようとする政府の間に対立が起つて、訴訟ざたが起るというようないまわしいことは、あるはずがございません。また人は自分の命はだれよりも守りたいというのが本能でございますから、ほんとうに命の危ういところへは当人も参りません。当人が参ろうとしても妻や子供が引きとめましよう。妻や子供が引きとめなくても、友人、知己、先輩が引きとめるでありましよう。何も外務省がのこのこお世話なさるまでのことはないのであります。しかるに衆目の見るがごとく、政府は別な政治的意図をもつて、生命のあぶないというところにそれをこじつけて、そしてとめようとしておるのでございますから、そこに無理があるのでございます。従いまして、鉄のカーテンのかなたに行かせない、そういう地域に対して行かせないというお考えがあるならば、生命、財産の安定というようなことではなくて、はつきりもう少し正々堂々たる理由をつけて一条をおつくりになるか、またはそれがわれわれによつて不当であると判断を下されたならば、好ましからざる人物をやらないように第十三条の規定をもつと明確になさればよいことであつて、人の命を保護するという仏様のような美名に隠れて、実際はその政治的意図を貫こうとする態度は、まことに私はけしからぬことであると存じます。これは非常にまずいことでございます。もちろん今日旅券の返納令命というのがございます。返納命令というのがなぜあるかということは、法律をつくられた外務省は胸に手を当てて良心に問えばおわかりになるはずであります。人は命のあぶないところには行くものではございません。汚物の中に足をつつ込むなという法律をつくらなくても、どぶの中にわざわざ足を入れるものはないのであります。しかるがゆえに行く先が命があぶないからといつて旅券を出せないと教えておる法律は世界中どこにもありません。しかるがゆえにだれにも旅券は出す、出したけれども行く先に内乱が起り、戦争が起り、あるいは疫病が蔓延しておる国民――は長距離のラジオを持つておりません、三橋のようなもの以外は持つておりませんので情報がわかりませんから、政府がいち早くキヤツチして、あそこでは内乱が起つておる、あるいは疫病が蔓延しておるから行かない方がよくはないか、何十人かの人が行つたならば路頭に迷う、そのために跡始末を国家がしなければならないというので帰還命令を発し、旅券の返納を命じ得るというのがその手順でございます。しかるがゆえに今日の旅券法の規定は別に欠陥あがるのではなくして、そういう場合には返納を命じ得るという返納規定になつておる、これは当然のことでございまして、この法案をつくつた諸君が私どもよりよく事情を知つておるのであります。それを政治的理由のためにこじつけて、命があぶないから帆足君はモスクワへ行つてはならない、こういう言い方はちよつと卑怯である、私がデンマークのあるサロンへ参りましたところが、並居る実業家が腹をかかえて笑いころげて、カールスバードのビールがこぼれるような始末でありました。かくのごときは国辱といわねばなりません。そのデンマークの実業家が申しましたのは、日本の長野県から寒天が輸出されていた、しかるに諸君はそれを輸出しないから、すでにわれわれは北海からわかめをとつて寒天をつくるようになつた、このデンマークの寒天でつくつたようかんだが食べてくれ、これはソ連にも中国にも輸出されておる、こういうことでありまして、私はたいへん面目を失墜いたしました。外務省をお恨みするほど精神的痛手を受けました。従いまして法規の遵守はしなければなりません。しかし法規の遵守のためには泣く子と地頭には勝てないということであつてはならないのであります。長いものには巻かれろと申しますけれども、そういうことは民主国民の道義としてはなりません。長いものは適当な長さにはさみで切つて、整理整頓すべしというのが今日のPTAの教えでなくてはなりません。従いまして私たちは遺憾ながら訴訟を起しまして、外務省当局を被告として、海野晋吉弁護士、猪俣浩三氏とか、その他法曹界の権威と相談いたしまして、理非曲直を今明らかにしつつあるような次第であります。  そこでこの問題について、生命、財産の安全という意味は、われわれの命を守るという意味でございます。命を守るという意味で申しますならば、ただそれだけを抽象的に申しますと、たとえばヒマラヤ山に登るようなことはあなたのお説だと今後できなくなつてしまう、北極探検に行くことはできなくなつてしまう、それからどちらがあぶないかといえば、南朝鮮に行くのは相当危険であります。ソ連のモスクワ経済会議に参ろうとして――地球は円形でありますから、最短距離を通じて幸い帰国いたしましたが、その途中で非常な御馳走になりまして、私の病気も大分そこでなおりました。体重も一貫以上もふえましたけれども、あぶないというだけからいえば、南朝鮮の方があぶないでありましよう。従いましてこのような人身保護の規定を、政府が国民に対して善意による手厚い保護の規定を、政治目的に悪用するというようなことは、私は心がけがよろしくないと思います。従いまして生命の安全という意味を、今日の旅券法の改正案においてどういう意味に解釈されているか、ひとつ念のためにもう一度承つておきたいと存じます。
  104. 松尾隆男

    ○松尾説明員 帆足さんがカールスバードのビールの量を少し減らされたというお話は、まことにお気の毒に存じますけれども、ソ連をお通りになつて一貫五百匁もふやして堂々とお帰りになつたことはおめでたかつたと思います。ただ身体、生命、財産の安全保護の問題でございますが、これは帆足さんもよく御承知の通りでありますが、今帆足さんがヒマラヤがあぶないとか、新宿の夜を歩く方がシベリアよりもつとあぶないというお話、昨年私るるお話を伺つたところでございまして、それには何も申し上げることはないのであります。けれどもあの当時に私たちが帆足さんと宮腰さんによく申し上げましたように、ただ単に一帆足さんや宮腰さんの身体生命、財産の保護問題でなくて、政府としては八千万国民諸君の身体、生命、財産の安全保護に当然の義務があるということなのであります。第十三条の規定の中にわざわざ「生命、身体又は財産の保護が得られないと認められる渡航先に渡航しようとする者」と入れましたのは、そういうような第十九条の返納の規定を援用しなくてもちやんとそういうふうにうたつておけば問題はなくなる。これはまつたく国民に対して政府が身体、生命、財産を保護をしなければならないというところから出たわけであります。
  105. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 ちよつと御相談でございますが、この問題に対する帆足さんの論点は多々あろうと御推察申し上げますが、次の機会にせいぜい蘊蓄を傾けて御論議願いたいのでありますが、これくらいのところでちよつとお切りをいただきまして戸叶さんが一問ということですから……。
  106. 帆足計

    ○帆足委員 けつこうです。それでは委員長にお願い申し上ますが、私はこれを裁判法廷的に申し上げたいのではなく、論点を明らかにして法理的に問題を明確にいたしたいという趣旨でございますので、委員長の御好意もございますから、これは十分に野党、与党ともに論議していただくことにして、戸叶さんに譲ります。
  107. 戸叶里子

    ○戸叶委員 委員長の先ほどの御注意がありましたので、私は一点だけ伺いたいと思います。この旅券の中に一般旅券と公用旅券とあるようでありますが、公用旅券というのはどういう種類のものがあるか伺いたい。
  108. 松尾隆男

    ○松尾説明員 公用旅券は国の用務を帯びて海外に渡航なさる方に対して出す旅券であります。一般旅券は普通一般の旅券ということになります。
  109. 戸叶里子

    ○戸叶委員 その種類はどんなものがあつたでしようか、一応教えていただきたいと思います。
  110. 松尾隆男

    ○松尾説明員 今の日本の旅券法で、公用旅券に外交旅券と公用旅券とこの二種類があります。
  111. 戸叶里子

    ○戸叶委員 公用旅券というものの中にはどういうようなものがあるか伺いたいのですが。
  112. 松尾隆男

    ○松尾政府委員 ただいま申し上げました公用旅券というものの中に公用旅券と外交旅券とございます。いわゆる外交旅券と申しますのはデイプロマテイツク・パスポートと申しまして、各国とも自国の外務省の勤務員の、ある一定の職を持つている者、それから国際会議、大公使はもちろん平和条約締結会議、ああいうふうな大きな、政府間の国際会議に出られますところの全権とか代表、随員、顧問その他もお持ちになります。公用旅券は外交旅券ではなくて、たとえばほかの外務省以外の方で国家公務員の方がお出かけになるのであつて、あるいは民間の方でも特に国の職務を帯びて国家公務員の資格を取得されて、そうしてお出かけになりますときは差上げております。
  113. 戸叶里子

    ○戸叶委員 そうすると外交旅券でなくて公用旅券の中には、都道府県などの地方公務員あるいは都道府県の議員というような人も含まれているわけですか。
  114. 松尾隆男

    ○松尾説明員 含んでおりません。
  115. 戸叶里子

    ○戸叶委員 そうすると、どういうような公務員の人たちが含まれているわけでありますか。
  116. 松尾隆男

    ○松尾説明員 国家公務員だけでございます。
  117. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 帆足計君から申出の旅券に関する諸外国の立法例を資料として外務当局に要求をいたします。  なお学界、法曹界における旅券法の論議などで本委員会の資料とするに足るものがございましたら、それもとりまとめて御提出を願います。  さらに旅券法改正案について公聴会を開くかどうかの協議は、理事会に移していたしますことを御了承をお願いいたします。     ―――――――――――――
  118. 栗山長次郎

    ○栗山委員長 お諮りいたします理事松本瀧藏君が去る三月十日委員を辞任されましたので、理事が一名欠員となつております。それゆえこの際補欠選任を行いたいと存じますが、これは慣例により、委員長から指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 栗山長次郎

    ○栗山委員 御異議がなければさように決定いたしまして安東義良君を理事に指名いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時二十二分散会