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1952-05-16 第13回国会 衆議院 文部委員会 23号 公式Web版

  1. 昭和二十七年五月十六日(金曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 竹尾  弌君    理事 岡延右エ門君 理事 甲木  保君    理事 若林 義孝君 理事 小林 信一君    理事 松本 七郎君       圓谷 光衞君    長野 長廣君       平島 良一君    水谷  昇君       渡部 義通君    小林  進君       浦口 鉄男君  出席国務大臣         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         総理府事務官         (地方自治庁財         政課長)    奧野 誠亮君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     田中 義男君         文部事務官         (文化財保護委         員会事務局長) 森田  孝君  委員外の出席者         文部事務官         (初等中等教育         局庶務課長)  内藤譽三郎君         專  門  員 石井  勗君        專  門  員 横田重左衞門君     ――――――――――――― 五月十六日  委員鹿野彦吉君辞任につき、その補欠として前  尾繁三郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  文化財保護法の一部を改正する法律案(内閣提  出第一八八号)  義務教育費国庫負担法案(竹尾弌君外十四名提  出、衆法第四〇号)     ―――――――――――――
  2. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 ただいまより会議を開きます。  まず義務教育費国庫負担法案を議題とし、前会に引続き質疑を続行いたします。  本日は総括質疑の残りと、逐条審査に入りたいと存じます。質疑は通告順によつてこれを許します。小林進君
  3. 小林進

    ○小林(進)委員 それでは提案者に御質問申し上げます。――その質問に先だつて、実は委員長にお伺いいたしたいのでありますが、大体この法律案の当文部委員会における審議の期間は、どれくらいを予定せられているかということが一つ。それからこの前の文部委員会で、きようは岡野国務相と池田大蔵大臣の御出席をお願いしていたはずでありますが、この問題はどうなつておるか、以上お尋ねいたしたいと思います。
  4. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 この負担法案は、大体来週中に上げたいと思つておりますが、何か突発的な事情がございますと、少し延びるかもしれないと存じております。それから第二番目のお尋ねでございますが、岡野国務相はただいま参つております。ところが、きようお帰りになるリゾー局長でございますか、あの人に吉田総理大臣と一緒にお目にかかつておるそうで、ちよつと遅れるかもしれません。それから大蔵大臣の方は、実はこの間一緒にというお話でございましたけれども、いろいろの事情で、この次にお呼びしたいと思つておりましたところ、前会前もつて委員部の方から、きよう出席するように折衝いたしておりましたそうです。そこで大蔵委員会とかち合うので、できるだけ出席したいが、あるいは出席できないかもしれない、こういうような御返答でございました。岡野国務相は間もなく参ります。
  5. 小林進

    ○小林(進)委員 委員長の御説明で了解いたしました。諸般の事情より思い合せて、この法律はなるべくすみやかにひとつ審議を終了いたしたいというわれわれの希望があるのでありますが、あわせて、一方には重大な法律でありますので、十分審議を盡したいという、そういう気持もまたございます。この両方を兼ね合せて、もし来週と予定せられているならば、委員長において十分善処せられてひとつその間にできるだけ委員会をよけい開いて、短期間に十分審議を盡すという方向に向つて努力せられんことを、あらかじめお願いいたしておきたいのです。  次いで、提案者にお願いいたしたいのでありますが、この前の御説明で、期日が切迫しているので、各党に了解を求めるひまがなかつた、もつぱら各省並びに党内調整に期日を盡したというような御説明でありましたが、これをわれわれの立場から伺つていると、国会の審議はどうでもいいのであつて、もつぱら党内調整と各省の了解さえ得れば、委員会あたりはそう期日を要しないで、どうでも簡單に処理できる、こういうようなお気持のように承りまして、はなはだどうも意に満たなかつたのであります。われわれの立場といたしましては、やはり立法府であり、最高の審議機関でありますので、党内の調整あるいは各省との関係などというようなものよりも、むしろ先んじてこの委員会に審議を請われて、ここにおいての一つのまとまつた意見が、各省あるいはその他の関係筋へ一つの強力な力となつて、反対論を押えつけるという方向に行くのが、私は正しいあり方じやないかと思うのでありますが、これに対する提案者の御真意をひとつ承つておきたいと思います。
  6. 若林義孝

    ○若林委員 小林委員のただいまの御発言、もちろん同感以上でございます。実際立法府と行政府と、しかも責任政治、政党政治の建前から申しまして、議会を中心として政治が行政府において行われますことは、これはもう筋道の通つた、これこそ民主的な行き方であろうと思うのでありまして、同感の意を表するものであります。さて実際面において、この理想が実現できないところに苦心があつたのであります。なお、これは文部関係のものばかりでなしに、地方行政委員会との関連もございまして、今御発言の中には、一応お含みがお心持の中にはあつて御発言になつたと思うのでありますが、その調整のためにてまどつたのであります。それから、委員会の方は時間がなくてもいいというのでは、毛頭ございません。これは浦口委員の御発言に対してお答えいたしましたように、この調整はどうしても委員会並びに国会の、言葉は悪いのでありますが、圧力というものをひとつ加えて行つていただきたいという気持でございますので、十分御審議を願つて、その御審議を願つた上での御協力ということが望ましいと考えております。
  7. 小林進

    ○小林(進)委員 どうかひとつ今の御返答のごとく、この委員会で十分審議を盡し、答弁を懇切にやられまして、願わくば国会の意思の決定に万遺漏なきよう御努力をお願いしたいと思うのであります。  次にお伺いいたしたいのは、これもこの前の御答弁の中に、どこか行政府の一部の中でこの義務教育費国庫負担法に意識的な反対意思を表明し――これは表明のみならばけつこうでありますが、そのために意識的なる反対の具体的な行動を起したというものがある、こういう御答弁があつたと思うのでありますが、これは私は実にゆゆしき問題である。これは行政府の立法府への重大なる干犯であります、こういうふうに考える。これはすなわち俗にいう官僚政治を具体的に示したものである。行政政治のあり方を具体的に示したものである、こういうふうに考えまして、これが私の常におそれております、国家の基本であります三権分立を、実に根底からくつがえすような問題の現われ方が強かろう、弱かろうのいかんを問わず、重大問題であるというふうに考えておるのでありまして、この問題についていま一度私は提案者から具体的な御説明を承りたいと同時に、これに対して、これは一体どういう具体的な処置をおとりになつたか。もしおとりにならないとするならば、非常に私は提案者の政治感覚を疑わざるを得ないのでありまして、御説明をひとつお願いいたしたいと思います。
  8. 若林義孝

    ○若林委員 これは前会にも御説明をいたしましたように、どうしても役所関係としてのセクシヨナリズムが、多分に私たちあると思うのであります。いかに強弁をいたしてみましても、それがうなずけると思うのでありまして、今度の事柄にいたしましても、ここにこの証拠物件とまでは行きませんけれども、こういう書類が、まだ法案もできていない先から、どういうところへ配付されたか知りませんけれども、出ておるわけであります。ここに国務大臣も見えておられますけれどもおそらく国務大臣も御存じないだろうと思います。あるいは全国の知事会議といいますか、そういう名前で出ておりますけれども、一度もこの問題を知事会議にかけたこともないにかかわらず、知事会議の全体の意思として、その事務的の衝に当つておる者がその名を使つて来ておる。直接知事に会つたりしまして、こういうことを知つておるかと言つたら、一つも知らないというようなことがあつたのでありまして、これは、もし堂々とそういう決議を知事会議で正式にやつたとするならば、これは地財委関係の役所の一部でありまして、また当面の責任者であるところのものは文部省であります。文部省の意見も聞き、そうしてまた地財委関係の意見も聞いた判断の上に立つてその決議がなされるならば、至当であろうと思うのでありますが、おそらくそういう会議があつても、文部当局は呼出しを受けてはおるまいと思う。そういうような行き方が公正を欠くのではないか、こういうように、具体的ならば、思うのであります。なお、これに対する調整に努めるのに、どのくらい努力をやつたか、こういうお話でございまするが、これはもう会議で申せば十四、五回、やはり関係者を呼んで聞いておるのであります。しかしながら文部省と地財委との関係では、どうしても事務的にはこれは片づかない。いわば、文部省からいえば、手をあげてしまつたのです。それから後、私たちが仲に立ちまして、よく腹を打割つたところを聞きまして、われわれは別に背中に文部省とも書いてございませんし、文部省から月給をもらつておるものでもない。ただ日本の国全体の行政機構、特にその間の教育関係をいかにして確保して行くかという立場から見ておるのであります。しかも文部関係の委員といたしましてのみの感覚であつてはいけない、こういうわけで、国政全般を見ております自由党の政務調査会の全般の役員の中に論議をまかせて、そうしてこの妥協案は成立した。これはわれわれだけではないのでありまして、党の主要な役員が、やはりこの折衝に当つておるわけなのであります。早晩解決の見込みがつくであろう、こういう見通しは持つてはおるのでありますが、なお、より以上の、委員会としての御協力をお願いいたしたい、こう思つております。
  9. 小林進

    ○小林(進)委員 提案者が法律を提出される過程において、文部省の意向ないしは地財委の意向をしんしやくしてその提案者の中に、あるいは地財委の反対意見が開陳せられ、あるいは文部省の賛成意見が開陳せられるということは、私は政党のあり方として、決してとやかく言うのではありませんが、ただその国家意思の決定に至る過程におきまして、一つの、行政官僚あるいは行政官が、そういう立法府に対する意見開陳をあるいは軽視して、広く国民の間にその輿論といいますか、教唆といいますか、扇動といいますか、そういうまぎらわしい行為をして、国家意見の決定を阻止し、あるいは妨害するような政治活動を行つたということは、実にゆゆしき問題である。行政府というものは、立法府に対する従属機関でありまして、いやしくも立法府の意思の決定に対して、これを中正公平に実施するというのが行政府本来のあり方なのだ。それを干犯いたしましてまでも、国家意思の決定にみずからそういう扇動、教唆の行為にひとしいような行いをするということは、実に重大なる問題でありまして、もし今までこの問題に対しまして、提案者の方でそれに対する何らかの具体的な方法をお考えになつていないとするならば、これはわれわれ立法府全般のあり方として、特にその当面の関係者でありますわれわれ文部委員会としまして、公式にその行為を確かめる何らか具体的な一つの方法を、われわれは持たなければならないのではないかと思う。特にこの問題は委員長にもお願いしたいのでありますが、十分ひとつお考えおき願いたいと思う。  それから、次に提案者にお伺いしたいことは、この前の御説明で、この義務教育費国庫負担法をここに提出するに至つた理由の主たるものは、昭和十五年度義務教育費国庫負担法というものがあつたのである。それを再び文部省に返す、こういうことがこの法律の本来のねらいであるというようなお話があつたのであります。なおいろいろ不備の点があるけれども、文部省の手に返すという一つの突破口だけをまず開いておきたいのであつて、個々の問題は、やがてまたこれを部分的に改正して行けばよろしいというような御答弁であつたと思うのでありますが、この点私は、一応その言われんとする理由を認めながらも、これではどうもあまり現実に即し過ぎて、教育の理想を失つておるのではないかという考え方が一つと、いま一つの考え方は、政治は妥協といいながら、あまりにも妥協に失し過ぎているではないかという感じを深くしたのであります。話が抽象的になりますけれども、今日の日本の情勢といいますか、見ますると、再軍備並びに対外関係等をひつくるめて、非常に今、日本が反動化しつつあるというような空気が強いのであります。われわれは新しい憲法を制定して民主主義を謳欧した終戦直後からながめると、まさに隔世の感なきを得ないのであります。こういう世の中の何か反動化しているような時世に、今教育に関するこの法律が出たということは、率直に言つて、私は日本の反動化、軍国化、警察国家的なにおいを払拭して、本来の民主国家を建設するというその空気、そのにおい、その色を打出すための基本の法律である、私はこの法律は、今日の時世に実に重大なる意義のある法律である、こう思うのであります。文化日本を象徴する教育の基本問題を決定するこの義務教育費国庫負担法、この法律を理想的にりつぱに仕上げるということは、こうした今の世の中の一つの色彩というものを払拭して、文化日本の正しいあり方を海外にも知らせる重要なるポイントではないか、こういうことを考えているのでありまして、その意味からも、この法律は安易なる妥協にのみ終らないで、どうか国家の本然の姿をここに十分に打出したい、私はこう考えているのであります。その意味においても、いま少し理想的に、いま少しこれをりつぱに仕上げるという意欲が、一体提案者におありにならないのかどうか、あるいはおありになつているけれども、これで手一ぱいなのかどうか、この点を私はいま一度お伺いしておきたいと思うのであります。
  10. 若林義孝

    ○若林委員 これも同感でございます。独立国となりました日本が、これから世界の各国から、最も好ましい東洋におけるところの国として迎えられようとするときなのでありまして、いたずらに逆コースをとることもできません。世界から要求せられておりますコースを堂々と守りつつ、また日本独自の文化というるものを守り立てて行かなければならぬのでありまして、おそらく民主化された日本ということの基本はどこにあるかいえば私は経済やその他のことよりも、日本の教育がいかに民主化されて行くかということに重点があると考えるのであります。そういう意味においても、教育委員会という制度が別個に設けられ、文部省の側から言いますならば、文部大臣が各府県にできておるといわれるくらい、あるいは教育知事とまでいわれるほど強力なる権限を持つております教育委員会を主体といたしまして、地方独自の教育が行われようとするときであります。そのときに、国家といたしましても、いわゆる武力のみに専念するのじやない、教育にも国家として将来ここまで力を注いで行くのだという、ことを、事実においてこれを示しまして、世界が安心をし、好ましい日本として、民主的な日本として迎えられるよう、私は諸般の制度というものを、過去にとらわれず、根本的に改革をして行くべきときではないかと思うのでありまして、そういう意味においても、その意味の一環の重要なる部面を占める教育関係の費用を規定いたします法案である。われわれの全生命といいますか、渾身の努力をこの法案に打込んでおるわけなのでありますが、しかしながら、諸般の事情というものが――理想は今小林委員からお示しになりました通りの理想を、われわれも掲げておるのでありますが、現在の段階において、諸般の事情と照し合せまして、これがまず無理のないところで――しかもこれは退歩はいたしておりません、また現状維持でもありません。少しもの足らないのでありますけれども、少し前進を示しておることだけは事実であるのでありますから、まずこの法案の中心として、各委員諸君の御協力のもとに、将来ひとつより理想に進んで行きたい、こういうふうに考えておる次第であります。
  11. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 皆様にお願いいたしたいのですが、岡野国務相は、急用のために十二時までしか時間がございませんので、質疑の通告順によりまして、岡野国務相に対する質疑がございましたならば、その部分だけひとつ先に質疑をお願いしたいと思います。通告順は小林進君、笹森順造君、松本七郎君、鹿野彦吉君、水谷昇君、長野長廣君、渡部義通君の順序でございます。小林進君。
  12. 小林進

    ○小林(進)委員 では質問者が多いので、私は迷惑にならぬよう、ごく簡単に私の分を終りたいと思います。  第一問として、義務教育費国庫負担法に、岡野国務相の管轄関係当局で、非常に不賛意を表明していられるということでありますが、一体どことどの点がお氣に召さぬのか、その具体的な点をお示し願いたいと思うのであります。
  13. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地財委の方で、これに対して賛成をいたしかねておりますことは、地方の自治確立の意味におきまして、しかも財政的見地から、やはり平衡交付金で、こういう平衡交付金の内容を相当に検討しましてやるべきであつて、こういうふうに、今度出ましたような義務教育費国庫負担法、すなわち文部当局が直接地方の自治に介入して行くようなやり方は、これは時代に逆行して行くのではないかというような、すなわち地方の自治確立ということと、地方の財政を確立して自主性を持たせて行くという根本方針にどうも反するように見えるので、反対する次第であります。
  14. 小林進

    ○小林(進)委員 この地方自治の確立と財政の問題に関するという二点については、私どもは、教育が国家の基本問題である、あるいは教育の機会均等という教育の基本原則からながめて、まつたく承服できないのでありますが、この問題を論争いたしておりますと、他の委員の御迷惑になりますのでこれはまた他の委員から御追究願うことにいたしまして、次に私がお伺いいたしたい点は、この義務教育費国庫負担法の提出に至る過程において、大臣の管轄しておられる行政府において、先ほども提案者に申し上げましたように、非常に政治的な行為をあえてしたという具体的な例証が示されているのであります。これは私は先ほども申し上げましたように、国家の成立そのものに関する非常に重大な行き過ぎの、誤つたる行為である。行政の立法への干犯である、こういうふうに考えておるのであります。言うまでもないことでありますが、昨日破防法が衆議院を通過いたしました。その中には政治的意向に反対する、あるいは自分の政治的意向を貫徹するために扇動、教唆した者はこれを罰する、こういうことになつておるのであります。今行政府の役人あるいは一部の者が、自分の政治的意思に沿わぬからという、その法律の提出に対して、かく末端のいろいろな自治体その他の関係方面へ、あるいは文書を流し、あるいは妨害工作をすることは、これはすなわち教唆であり、扇動でないか、破防法第一条に該当する行為ではないか、こういうふうにも私は考えておるのでありまして、これは私は重大なる一つの行き過ぎ行為である、こう思うのでありますが、この具体的な例についてこれは岡野国務相に、ないという御答弁、あるいはこれから研究してとか、調査をしてとかいうような御答弁で、私はごまかされる問題じやないと思う。これは確かに具体的におわかりになつていると思う。おわかりになつているその具体的問題に対して一体どうお考えになつておるか、どう処置せられたか、今後どう処置する御意向であるか、最も懇切丁寧にこの問題を御答弁願いたいと思うのであります。
  15. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答えを申し上げます。ただいま途中から入つて参りまして、十分お説の要領を得ておらぬかとも存じますが、私が了解します点におきましては、こういう法案が出るについて、政府の役人がそれを阻止するためにいろいろ動く、そういうことがあることははなはだいけないことだ。だから、それに対してお前はどう考えておるか、こういう御質問のようであります。それは御説その通りでありま参す。ただ問題といたしまして、私の関する限りにおきましては、地方財政委員会におきまして地方の意見を聞くことは、これは地方の財政行政をやつて行く上に瞬いて、非常に重大なことでありますから、知事会議もしくは市長会とかなんとかいう方面に、その意見を徴するということはあり得ると思います。決して、これは阻止するとかいうことではありません。同時に、そういうような意見を――それでは地方財政を総合的に担当しておられるところの地方財政委員会というものが、どういうような考えをもつて地方の財政を確立して行くことにしておるかという意思も、やはり地方団体にはこれを教えてやらなければならぬ。その意味にまして、今平衡交付金でこういうふうになつておるものが、文部省におけるところの義務教育費国庫負担法ができればこういう結果になる、そうすれば、地方の財政に対してはかようしかじかの結果になる、こういうことはむろん知事会議なんかで教えておるはずでございます。おそらくその教えたことが結局阻止運動になつたように受取られておると私は考えます。でございますから、その点におきましては、お説はその通りでございます。とにかく行政官である者が、国家の法律ができることに対して反対運動を起すということはよくない。しかし、これは反対運動ではなくて、当面の財政委員会の責任を盡す意味におきまして、事理を明白にさせ、そうして同時に、地方団体の意向をくみとるべく努力したという点は、当然の行政措置と思いますから、御心配のようなことはなかつたと私は思います。
  16. 小林進

    ○小林(進)委員 今の御説明のように、單なる一つの技術的あり方を秘術的に説明され、指示されるということに対しましては、私は行政府の固有性から見て至当であると思いますが、それはあくまでも中正でなければならぬ、公正でなければならぬという行政本来のあり方から見て、それがはたして妥当、公正、中正であつたかどうか、この点が一つ疑問がある。自己に有利な非常に不公平なる説明、不中立性の説明の仕方、議論、これはあくまでも大臣に沸いて御究明を願いたいということが一点。  それから、いま一つの扇動教唆の行為でありますが、これについては、私はそれはいま一歩行き過ぎている、確かに扇動教唆をしておられるという具体的な例を持つている。今ここで大臣を裸にして恥をかかせるということも私の目的ではございませんので、一応私は御遠慮して申し上げたのでありますが、それは某市長、某県知事――決して一人ではございません。この方々がはつきり言つておられる。私どもは、教育本来のあり方から、また地方自治体の長として、確かにこの義務教育費国庫負担法のあり方が正しいと思つている。それを、一方あなたの関係しておられる陣営の方々に、その方がいいということを申し上げると、他の平衡交付金、他の補助金をもらう場合に、間接にいろいろ不利な問題が出て来る。いわば心理的に具体的に事実の上において間接的な圧迫をこうむるおそれがある。だから、私どもは表面賛意を表しておきますけれども、真意はそうでない、こういうことを言われている。地財委というものは、御承知のようにいろいろの地方財政に対して非常に発言権を持つておられるので、みんな恐れている。そこで自由意思の発言ぞ相当拘束せられている問題があ  る。これが一つ。  それから、確かに心理的な強圧を加えて賛成を慫慂されたという、これも具体的な例がある。積極的な動きがある。確かにあります。單なる技術上の説明にとどまらずして、積極的にこれを妨害する具体的な運動を自治体に対して行われたという具体的な例がある。ないとは私は岡野国務相に言わせない。どうか今日ここでぐあいが悪いならば、いま一度再調査の上に、ひとつ十分な処置を講じていただきたい。きようは保留いたします。あらためて私はこの問題を、いま一応責任ある調査をお願いしておきます。
  17. 平島良一

    ○平島委員 関連して一言。今の小林委員の話ですが、そのことについて、私は岡野国務相に一言御追究くださるようにお願いをしておきたいと思うのであります。これは古い話でありますが、前に義務教育標準費の法律が出るというたときに、すでに閣議で決定したにもかかわらず、これを憲法違反なりとして、怪文書をまいた地財委の役人があつたのであります。これは名前をあげてもいいのでありますが、私はまことに不届きな者である、こういう者は懲戒免にまで付すべきものであるとまで、そのとき言うたのでありますが、事実地財委においては往々そういう行き過ぎた行為をする者のあるということを、どうぞお忘れなく今後やつていただきたいということをお願い申し上げます。
  18. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 少くとも中立性ということを尊重することは、むろんお説の通りでございます。そうすべきものであり、同時に、そういうふうにしておりますが、ただこれだけは御了解願いたい。と申しますことは、地財委の役人は、これは具体的に申し上げますれば、地方財政というものに対して、非常に強い信念を持つておりまして、この自分自身の考えていることについては、これが一番いいことだ、こういうように考えているわけであります。でございますから、ついそれを地方公共団体の人に言う場合には、やはりその意思が非常に明白に現われるものでありますから、外の第三者からごらんになれば、中立じやなくて、自分のことばかり言つていると、こういうふうに見える点がないとも限りません。しかし、これは私は自分の職務に忠実なるゆえんであつて、そこまで信念を持つて地方財政を保護して行く、こういうようなことをやつて行かれることは、私は責めることではないと思うのです。  それから、その次に妨害行為の問題でございます。この前のことは私は存じませんが、少くとも私が地方財政委員会を担当しておりまして、そうしていろいろやつていることを見ております点におきましては、私は妨害行為をしているという感じは持つておりません。しかしながら、これはまたこういう公開の席上で個人の名前をおあげになつたりすることは、お互いに迷惑いたしますから、いずれゆつくり御懇談申し上げまして、そうしてどういう市長がどういうことを言つたか、それに対して、地財委の当局の役人がどういうことを言つたというようなことは、やはり速記に残らないで、そうしてあとを政治をよくして行くという方向に向つて御懇談申し上げまして、事実を知り、同時にまた、非常に妨害行為というものがほんとうにはつきりいたしましたならば、断固たる処分をいたすつもりでございます。御了承願います。
  19. 松本七郎

    ○松本(七)委員 私も簡単に一点だけ岡野国務大臣に伺つておきます。今の問題に関連する問題であります。先ほど岡野国務大臣は、非常に強い信念を持つていると言われた。これは当然のことだ。それに反対の意見を持つている人も、やはり確固たる信念を持つてこれに臨んでいるわけなんです。だから、この点はお互いさまですが、問題は、今の岡野国務大臣の御答弁にもありましたように、地方自治の確立と、それからそれを確立するために必要な地方財政の確立、そういう面と、一方には教育の機会均等と、どうやつてその点に調和をとつて確保するか、ここに根本の問題があるわけなんです。この問題をこの機会にはつきり割切つて結論を出すということは、この法案が出て来るまでの政府内部の状態、あるいは與党である自由党内、自由党と政府との関係等を考えると、私は無理だろうと思うのです。その点をここで国務大臣と論議するつもりはございません。ただ問題は、今小林さんなり平島さんからもちよつと触れましたように、今まで一部にそういうような誤解を起すような、とにかく強い反対意見があつたというところに、今後の、かりにこの法律ができましてから運営して行く場合に、私は心配がある。もちろんいろいろな問題について信念を持つて反対意見を述べるということは、われわれとやかく言うものじやないのですが、一旦反対であつても、そういう法律ができた場合には、極力これが円満に運営されるように努力していただかなければならぬ。その点が私は心配なんです。最近一部では、これをつくるまでの過程において反対意見があつたのだから、かりにこれができても、予算その他の面で押えられたり、あるいは実施面にいろいろな妨害が起つて来るのじやないか、サボタージュが起るのじやないか、こういうことを心配されている。そこで、私は岡野国務大臣にお伺いしたいのは、今までのいろいろな反対意見、根本原則についてのいろいろな意見というものはとにかくとして、これは将来この原則についての解決もわれわれははかりたいと思つておりますが、一応この法律がかりにできたといたしますならば、極力この法律の趣旨に沿つて円満な教育費の確保ができるように積極的な御努力をしていただきたい。その御決意を承つておきたいと思います。
  20. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 われわれは執行機関でございますから、その点におきましては、御心配はいらぬと考えます。と申しますことは、国会において、すなわち国家の最高機関たる国会が法律をお出しになる、そうして御制定になる。われわれはその法律に従つて、法治国でございますから、行政機関として執行いたす次第でございまして、たといこれができ上るまでに、お互いに信念上の争いによつて白熱的の議論を鬪わすことがありましても、一旦国会が最高機関としてこの法律で国政をやつて行くのだということをおきめになれば、釈然としてわれわれは今後は行政機関を、その国家意思の通りに動かして行くということは、もう申し上げるまでもないことでございます。ただいま私が御答弁する意味におきまして、私の決意を申し上げます。
  21. 長野長廣

    ○長野委員 先般来、対地財委の問題につきまして、いろいろ御質問もありましたが、私はその根本問題に触れた問題として、岡野国務相の御見解を承りたい。あわせて提案代表者の御意見を承れれば承つておきたい。そこで「義務教育無償の原則に則り」と第一条にありますが、憲法第二十六条にいう無償の限界はどうか、この点を明らかにせられたいと思います。
  22. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。憲法に保障した無償というものが、はなはだ私はあいまいであつて、ただいま私が責任ある御答弁を申し上げることはできませんが、いずれそういう御質問でございますれば、一応閣内にはかりまして、御答弁申し上げたいと存じます。しかし、今まで私たちが聞かされております点は、義務教育を受けるについて、月謝を免除してやる、こういうぐらいな程度に私は聞いおつたわけです。しかしながら、これを何から何まで全部国家がこれを無償でやるというところまで行くかどうかという点については、ただいま御答弁をいたしかねますから、いずれ閣内で十分よくはかりまして、それから御答弁いたすことにいたします。
  23. 長野長廣

    ○長野委員 ごもつともな御答弁とも思いますけれども、すでに大本でありますところの憲法において、無償と明らかに示されておる以上、これを狹義に解釈するというような解釈に、今のお言葉で言われると、あいまいというような感じで行政を運営せられるということは、寸刻といえども私は放置することのできぬことじやないかと思う。つきましては、すみやかにひとつ御決心のほどを固めるような方途に出られたいと思います。それで内容的に見ますれば、最狹義と仰せられる授業料の面、それから最も広義に解釈すれば、一切の費用の国費支弁、それの中間を行けば具体的に教科書とか、あるいは学用品の無償支給、こういうことになると思います。しかし私の見解では、国家再建の当初に際会しておる日本としまして、この広義をただちに実現するということは困難であります。それはすなわち予算問題における実際問題であります。しかし、これの解釈を狹義に解釈しておくということは、はたしてどんなものでありましようか。これ以上は私は申し上げませんが、すみやかに御決定の上で、本委員会に御答弁くださらんことをお願いいたします。  それからもう一つは、地財委が各都道府県の基準財政需要額を算定する場合には、あらかじめ文部大臣に協議しなければならぬと、法案附則第七項にあるのでありますが、両者の意見の相違したときはどうなるのでありますか。この条文では、地財委の方に最終の決定権があるように見られるのでありますが、それでは文部大臣としての教育財政における責任の明確さを欠くうらみがあるのではないか。提案者の一人として質問して、妙に考えられるかもしれませんけれども、この点について、代表者並びにこれに対する岡野国務大臣の御感想といいますか、御意見を承りたいと思いまする
  24. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 これはひとつ提案者から御意思を聞いていただきたいのであります。
  25. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 それはあとにしてください。  渡部君、何かありますか。――渡部君に申し上げますが、時間がもうないですから、あまり長くやられないように特にお願いいたします。
  26. 渡部義通

    ○渡部委員 直截に聞きますが、平衡交付金制度のもとで、現実の問題として、教員補充の状態が、それ以前に比して低下しておるということ、第二には、教員の給料の地方的な差異が大きくなつて来ておる。このことは何を意味するかというと、第一には、地方財政が非常に困難であり、かつ地方の財政源というものが不均等な状態にあるということに関連して、それが教員とか職員の給料の問題に現われて来ておるのだと思う。ところで、そのことはさらに、地方の義務教育が不均等な状態で行われる、言いかえれば、教育の機会均等というものが、このことによつて現実に阻害されておるのじやないか、これが第一。その点をどういうふうに理解されますか。  それから第二は、国庫負担によりますと、教育の中央集権化を来す憂いがある。地方の自主性を重んずる上から、これは平衡交付金制度によつた方がいいんだという御意見のようでしたが、確かに文部省に教育の規模、内容あるいは財政一切が完全に握られるという形がとられるならば、これは明らかに中央集権化の可能性と必然性を予想されると思うが、しかしながら、これは他の方法によつて解決される道は幾らもあり得る。たとえば、民主的な教育委員会が、教育上の規模、内容、財政を考え、さらに中央においてもそういう機構ができるならば、地方の自主性というものを阻害することにもならないし、また教育の中央集権化を来す憂いもないわけであつて、制度の改革いかんによつては、全額国庫負担、あるいはそれに類似したような方法がとられても、決して地方の財政的あるいはその他の自主性というものを阻害しないということになりはしないか。この二つの点について大臣の見解を聞いておきます。
  27. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。地方の教員の待遇が低下しつつあるということが第一点でございますが、この点は、いずれ財政委員会の方の事務当局から申し上げさせますが、私は低下しておらぬという信念を持つております。  それから第二点としまして、教育というものの行政が、どういう性質のものであるか。むろん憲法で保障しておる通りに、われわれは教育を受ける権利を持ち、同時に、国家がそれのめんどうを見なければならぬということは事実でございますけれども、しかし、教育行政というものは、私の見解から申しますれば、国家が憲法上義務は負つておりますが、しかし行政の本体は、やはり地方の行政に主眼を置くものだと考えております。でございますから、でき得るならば国家が十分援助はする、しかしながら、その行政の主体はどこに置くかといえば、やはり地方の自主性にまかす。同時に、地方の行政のおもなる権限であるから、地方で相当なことをやるということが本体であります。それで、ただいま全額国庫負担というお言葉が出ましたが、私は、こんななまぬるいことでは、教育は国家的に見てどうしてもまかせておけない、こういうようなお考えがあるならば、むしろ全額国庫負担でやつて行かれるということは一つの考え方だと思います。でございますから、義務教育に対しては、国は全額を負担して、そうして、ほんとうに憲法に言われた通りのことを十分やつて行くのだということになれば、これはまた、われわれとしても考えていいと思いますけれども、しかし今回出ましたような法案では、はたして現状を打開して、そうしてこの法律の理想とせられるようなことが実際やつて行けるかどうかということに、私は財政的見地から非常に心配しておるのであります。なるほど中央政府において、ある程度の負担金は出される。しかしながら、ただいまの社会情勢におきましては、それだけではなかなか行かないので、あとはどんどん地方財政でしわ寄せいたしまして、地方の財源を教育一方にでもつぎ込まなければやつて行けぬというようなことができはせぬかと心配するのでありまして、やはり地方の財政が均衡のとれた状態でやつて行かなければならぬ。それには平衡交付金がいい。むろん平衡交付金はできまして二年にしかなりませんから、いろいろ欠陷もございましよう、あちらこちらで言われておりますが、これはかすに時日をもつてすれば、まだまだりつぱに完成して行くものと思います。その完成を待たずして、どうも平衡交付金ではうまく行かぬから国が乘り出して行く。しかし乘り出して行くにしても、全額国庫負担ではなくして、一部だけにしておいて、たとえば国庫で半分出し、あとはやはり地方がめんどうを見るということになりますれば、地方財政の立場からいいますと、地方財政にしわ寄せされて、ほかの行政をやつて行くのに非常に不都合が起きはしないかということを心配いたしますので、われわれといたしましては、まだ検討を続けておるような次第であります。
  28. 奧野誠亮

    ○奧野政府委員 義務教育費国庫負担制度のしかれておりました最後の年は昭和二十四年度でありますが、その当時全国の教員数をどの程度にするかということは、文部省から各府県別の定員が示されておつたのであります。その総数は、小学校にありましては兒童数を五十人で除して、かりに定めました学級一に対しまして一・三五人、中学校は一・七人であつたわけであります。しかしながら、それまでには、これら教員数を充実するために順次高められて参つております。一・五、一・八であつた時代もあります。しかしながら、最後の年度におきましては、一・三五と一・七であつたわけであります。実績はどうなつておるかと申しますと、二十一年度は一・一四、二十二年度が一・二八、二十三年度が一・三二、二十四年度が一・三九であります。この数字が二十六年度におきましてもやはり一・三九であります。低下いたしておりません。しかも一学級当りの児童数は、二十四年度は四四・二人であります。それが二十六年度は四四人に向上いたして参つております。  第二に、待遇の問題でありますが、昨年旧ベース時代におきまして、文部省が、教員の給與が国家公務員に比較して、あるべき給與を考えた場合には、三百七十五円だけ高いと認められておつたわけであります。ことに不均衡になつて来たということをお話になつておるのでありますが、二十四年度におきましては、文部省から各府県別の平均給與額が示されておつたわけであります。おのずからこの数字にくぎづけにされて参つて来ておつたわけであります。二十五年度からは、そういう指示がなくなつて参りましたので、各府県の間がかなり違つた金額になつて来ておるわけであります。青森県と東京都とを比べました場合には、勤務地手当の二割五分の差だけで行くかどうか、やはり問題があるのでありますが、私たちとしては、地方公務員である限りは、多少違つてもいいのじやないか。水準さえ――水準としては国家公務員より高過ぎると言われておるのでありますから、それで何ら不都合はないのじやないか。もし画一的にしなければならないとなると、地方教育職員を、全部国家公務員に切りかえるべきではないかという議論が生れて来るのではないかと思うのであります。
  29. 内藤譽三郎

    ○内藤説明員 ただいま奥野課長から御説明があつた点について、私ども文部省側の見解を、この際明らかにしておきたいと思います。誤解もあるようですから、この点を明らかにいたしておきたいと思います。  教員数の問題ですが、教員数が昭和二十四年度において一・三五と一・七になつた、こういうお話があつたのですが、これは例のドツジ予算のときに、前年度まで一・五、一・八であつたのが、ドツジ予算のために一割の削減を受けたのですが、それと教員の整理ができかねたのであります。その後大蔵当局と折衝の結果、約半年は見ようということで、あとで補整を見ることにいたしたのであります。従いまして、その数字について私は異論があるのであります。  それからもう一つ、実際の数でございますが、これも二十四年度と六年度と同じだという御意見がありましたが、各府県別に見ますと、実際学級になりますと、各府県別はほとんど低下しておるのであります。若干の県においては増加しております。しかしながら、大部分の県においては減つておりますので、その不均衡の差が大きくなつたということは事実でございますので、私はこれに関するこまかい資料を差上げたいと思つております。  それからもう一つ、教員の給與の問題ですが、三百七十五円国立学校の教員よりは高いというお話がありましたが、これは地方公務員全体が高いのでありまして、当時の大蔵省の資料によりますと、府県吏員四百六十二円、市町村吏員五百七十六円高いということになつております。これは教員だけが高いという問題ではないのでありまして、教員はそのうち学歴、勤務年限から見まして、最も高い地位にあるべきものが、地方公務員の中では最も低いという実情になつておるのであります。それ以来、以前の給與、ある意味では非常によかつたのでありますが、それがだんだん低下して、三百七十五円におちついた。もちろん国家公務員との間の不均衡というものはありますが、これは單に教員だけでなく、国家公務員と地方公務員全体の問題だ、かように私どもは考えておるのであります。
  30. 渡部義通

    ○渡部委員 国務相にさらにお尋ねいたしますが、平衡交付金制度の方が教育の機会均等も可能である、また全額国庫負担でなければ、地方財政の今日の状態からいつて、教育の行政はむしろ困難になつて来るというような御答辯でありましたけれども、この場合考えてみなければならぬことは、地方財政の非常な窮乏を根底として、平衡交付金が今日のような状態、つまり増額の可能性がない、いくら増額を要求された場合にも、増額が実現されないというような状態のもとでは、これが地方にまわつた場合に、教育費に対する他の費目の伸縮が起つて来て、結局地方財政の現状からいえば、教育費というものが――憲法に保障するところの義務教育すら受けることのできない人がどんどん増加して行くというこの現状を、防ぐことができない。たとえば青森県の中津軽郡のある村に、われわれは調査に行つて来たのでありますが、この場合には、ある中学校では、長期欠席者、すなわち三十日以上の連続欠席者が約半数に達して照る。このような状態を、どうしてあなたは平衡交付金によつて打開しようとするか。この点をひとつ聞いておきたいと思います。
  31. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 教育を受けられないで休むのは、その家庭が貧困であるから受けられないというのですか、国の出し方が少いから受けられないというのですか、どちらですか。
  32. 渡部義通

    ○渡部委員 もちろん貧困であるがゆえです。これは国家なり地方の財力なりによつて、十分に義務教育の完全な負担がなされるならば、そこに長期欠席者というものは、それほど多くは出ないと思います。なれないというところから、出ておるわけであります。
  33. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 ちよつと私には、それが受取りかねるのでございます。学校へ行く人が行けなくなつたということは、――学校は設備もし、同時に教員がおれば、国家としては、それで義務を果しているわけであります。そして、それが長期欠席をしなけれでならぬというのは、おそらく家庭の状況で行けないのではないかと思います。
  34. 渡部義通

    ○渡部委員 もちろん家庭の事情です。しかし家庭の事情であるが、どのような貧困者であろうとも、教育を受ける諸条件を與えるということが、国家の義務であり憲法上の義務である。従つて、もしPTAの寄付もなければ、また学用品、交通費その他一切のものが負担されるというような条件が確保されるならば、出る可能性のある者が、欠席せざるを得ないというところに問題があるわけであります。
  35. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 ただいまのPTAの問題で、御趣旨はわかりました。PTAの会費が出せないために、学校へ行けないというようなことがもしありとしますれば、会費をとることは悪いことと思います。ただ問題は、一般の地方財政としましては、ただいまのところ、教育に関する費用の平衡交付金の内部に占めるところの地位は、相当高いものでございまして、ただいま平衡交付金が千二百五十億ございますが、財政需要を算定いたします場合には、やはり九百億ぐらいの義務教育費を見ております。むろん、それは平衡交付金一本で行くわけじやございませんで、税収なんかもありますから、貧困な地方におきましては、あるいは非常に困難を感じておるかもしれませんが、しかしそういう方面に対しては、財政委員会の方で適当に処置しまして、これを穴埋めして行くという方法を講じている次第でございますから――一般的に非常に財政が困つているときに、教育といわず、ほかの行政といわず、十分なるお手当をして差上げるというところまでは行かぬと思いますけれども、少くとも教育だけが非常に虐待されて、そして資金が足りない、こういうようなことは私は考えられないと思います。  それから、もう一つ考えたいことは、今いろいろ御説がございましたが、今回こういう御提案の法律が出るにつきましても、やはり国家の根本法規というものをかえるわけじやないわけです。教員の給與を一例にとりましても、やはり給與というものは、中央、地方を通じて均衡をとるということが原則になつております。そういたしますと、文部省の方でこの負担金を算出なさるにつきましても、やはり中央、地方の公務員の基準というものと、大体一致してはじき出されると思います。ところがあにはからんや、ただいまの実際の給與は、先ほども文部省のお役人のおつしやつた通りに、四百六十何円高いとか、三百七十五円高いとか、こういう事実が出て来ておる。そういたしますと、この負担金がどのようになつて山て来るか、まだそこまでは決定していないのでございますが、文部省でおはじき出しになる基礎というものは、三百七十五円低い結果としてそろばんが出て、それでそれが負担金の半分として地方に行く。そういたしますと、地方といたしましては、文部省でお出しになつた国庫負担金というものは、その三百七十五円低いものの半分ということになりますけれども、現実は三百七十五円高いもので地方は払つています。そういたしますと、今後地方の財政といたしましては、半分にプラス三百七十五円の現実の高いものをはじき出してやつて行かなければならぬのですから、地方財政としては、今まで通りでございまして、少くとも何ら改善をした結果は出て来ないじやないか、こう考えます。
  36. 圓谷光衞

    ○圓谷委員 関連して……。この法案を提案するときにおいては、自由党の政調会においても、何回となく論議されましたが、なかなかまとまらないので、結局地財委、文部省その他大蔵省等と協議した結果、いわゆる政調会案というものをつくつたのであります。その政調会案を、さらに総務会においても、ほとんどそれに反対なく通つたのですが、今岡野国務大臣が言う通り、これは結局財政というものと関連する法案でありますために、閣内というか、大蔵大臣、地財委と、政調会案がうまく意見が合わなかつた。自由党としては、この法案に二百一名の賛成議員があり、それから文部委員は、この法案は、どうしても国家再建の基礎であり、憲法第二十六条でも、半額の負担をしなければいけないということになつているから、当然成立させなければならぬという考えですが、これで問題になつたのは、教材費が今までより大体六十億ふえている点です。かりにこの法案が委員会において通過した場合において、政党政治の本質からいつて、どうなるのですか。閣僚というものは、極端な言葉でいえば出店のようなものであります。だから、決定したものは実行されなければならぬと大臣もおつしやつておるのですが、今後の問題として、この法案が多数の意思によつて決定された場合、つまり問題は財政問題です。予算措置において実施できないというようなことが、もし閣内で問題になつた場合には――これは岡野さんのお考えをお聞きするのですが、国家財政上できないということで、それを閣議において拒むことができるかどうか、あなたの御見解を承りたいのです。
  37. 岡野清豪

    ○岡野国務大臣 お答え申し上げます。それは原則として異論のないところでありまして、もし法案が国会で通りまして、実行すべきものだということになれば、閣内で反対することはないと思います。これはどうしても法律に追従して、それを執行して行かなければならぬので、できなければ、われわれはとても責任を持てないということで、総辞職するよりほかない、こういうことだと思います。
  38. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 岡野国務大臣に対する質疑はこの程度にとどめまして、提案者並びに文部当局に対する質疑を続行いたします。
  39. 小林進

    ○小林(進)委員 提案者に対して、先ほどの質問を続行させていただきますが、この義務教育費国庫負担法案の、少くともねらいといたしましては、どうしても、前々から御質問のありましたように、やはり教育の機会均等、これをひとつこの法案の中に盛つてもらいたい、こういう意向が強いのと、それからいま一つは、義務教育の内容そのものについて、現在でもなお約三十万人近くの長期不就学の児童がある。こういうような切実な問題を、何とかこの法律で救済したいという、二つの強い意見を私は持つているのであります。そのほかに、第三点におきましては、もちろん教職員の定数、あるいは給與の問題、いろいろなことがございますが、まずさしあたつて、この二つの問題からながめても、どうも義務教育費国庫負担法というものは、われわれの満足する域に、はなはだ遠いという感じを強めておるのであります。第一の問題について、私は教育の機会均等という観点から見て、どうしてもこの義務教育費国庫負担法という法律の義務をとつて、そして教育費国庫負担法というふうに改め、ここへ前から言われておる高等学校、幼稚園というものも、並立的にひとつ考えてもらえないかという気持が強いのであります。特に高等学校が、この教育費国庫負担法から除かれているということは、どうしても私ども承服し得ないのであります。この高等学校の教育というものは、今後地方の自治体の完成という面からながめましても、よくよくこの法律によつて、さらに現状維持を続けられなく、むしろ退歩するという懸念が非常に考えられるのであります。どうしても、わが日本の教育の機会均等からながめまして、教育の中心が中央に移つて、地方に人材が残らないということが、私は日本の文化国家として立つ上において、重大なる欠点じやないかと思つておるのであります。ようやく高等学校ができ上りましたけれども、その内容というものは、実に貧弱なんです。この貧弱な高等学校だけが、いわばこの法律から除かれて、依然として平衡交付金といいますか、地財委関係の、地方自治体の関係に残されておる。小学校、中学校あるいは国立の大学等は、一貫して文部省の手に残つて、その一貫した教育の中の高等学校だけが、文部省関係を離れて、地方自治体にまかされておる。地財委といいますか、地財委の予算的処置の中に置き去りを食つている。予算関係から見ると、教育は二本建になるわけです。これは私はどうしても教育の機会均等や、本来教育の一貫性からながめて、一つの矛盾じやないかということを痛感するのであります。あるいはまた地方の事情からながめて、高等学校に対する平衡交付金がおりたといたしましても、実際面は、この方面に対する地方の熱意というものは、他の費目に追われて、だんだんこれが縮小されて行くということをおそれるのでありまして、この際どうしてもこの高等学校をこの中に含めておくことが最も重要じやないかということを、私は痛切に感ずるのでありますが、この問題について、ひとつ提案者の御意向を私は承つておきたいと思うのであります。  それから第二問として、今申し上げました長期不就学児童、義務教育の内容であります。これがこの法律で少しも解決せられていない。やはり平衡交付金の中から別個にして、そして義務教育費の国庫負担を確立するというからには、現在の平衡交付金制度よりは、幾らか進歩して、いやしくも義務教育に関する限り、不就学兒童などというものはない、そういう方へ一歩前進していなければならぬと私は思うのでありますが、この問題に関する限り、平衡交付金であろうと、国家が負担して文部省の管轄になろうとも、ちつとも解決の方向へ行つていない。これを一体どんなぐあいにお考えになるか。以上二点をまずお伺いしておきたいと思います。
  40. 若林義孝

    ○若林委員 不就学児童に関しましては、現在最小限度、生活保護法の適用によりまして、欠陥を補つておるようでありますが、お説の通り、不就学兒童防止法案といいますか、單独法でも設けるか、あるいはこの法案成立のあかつきは、これもこの中に含めてもいいと思いますが、やはり小林委員のお持ちになつておると同じような熱意を、私も有しておるのであります。  なお高等学校の費用、あるいは幼稚園ということも含んで来ると思うのでありますが、私たち文部省の今の機構におきましても、事務的のことを考えましても、高等学校に関するところの課もないというような現状でありますから、今小林委員の御発言にあるように、文部省としても、どうも置き去りにしておるのじやないかというように、第三者から思われるような現状であると思うのであります。しかしながら、高等学校に関しましては、地方の自主性ということに中心を置いてありまして、義務教育とも切り離されておるわけでありますが、おそらく教育の機会均等ということから考えますと、高等学校に対しましても、国家として、財政が許すならば、できるだけ厚い協力、援助をなすべきではないかという気持は持つておりますことを、表明いたしておきます。
  41. 小林進

    ○小林(進)委員 現在の高等学校の実情でありますが、PTAの高等学校に対する負担だけでも、四十億前後じやないかといわれておるのであります。この四十億の金をPTAが負担しているということ。いま一つは、高等学校の授業料でありますが、この授業料も、本来文部省がお示しになつておる基本は、たしか三百円というふうに承知しておりますが、それがどうもやつて行けないで、実情は三百五十円、あるいは三百六十円、一番高い高等学校では四百円の授業料をとつておる学校がある。こういう実情でありまして、これは実に父兄としては、耐え得られないのであります。そういうのを耐え忍んでなお出している。その高等学校の実情はどうかといえば、実に地方によつては、もう維持ができなくて、放任せられているというような形で、さつきの岡野国務相じやありませんか、いろいろな面で、みな不十分でございましようが、特に全部の地方のありさまを見た中でも、この高等学校というものが、一番悲惨な状態に置かれているといつても過言ではないと存じます。この平和国家あるいは教育という問題を論じている文部委員会で、これだけを置き去りにして行くということは、どうしても私は国家として正しいあり方じやないということが感ぜられるのであります。もしそれができないとしても、高等学校の場合、費用の問題は別にいたしましても、私は教育の一貫性から見て、どうしても高等学校だけを、平衡交付金の対象として地財委の手にまかせておいて、あとの学校だけを文部省の管轄にするというこれだけでも、私はこの際どうしても是正して行きたいと思います。これは私はやはり予算関係、高等学校の関係は、文部省で持たなくちやならぬというふうに考えているのでありまして、この点いま少しく私は提案者の確固たる信念を承つておきたいと思います。  それから、今の義務教育の問題と、不就学児童の問題とあわせての問題でありますが、これは実に今おつしやいますように、単なる教職員の給與あるいは運営維持費と、それから教材費でありますか、三つだけが含まれておりますけれども、やはり教育の無償促進という憲法の基本に関する問題が、どうしても徹底していないと思うのであります。だからさつき渡部君が言つたように、やはり家庭の事情だけでなく、PTAの関係や、あるいは教材費の関係、そういう問題で負担ができないで、就学兒童が休んでいる。当然この義務教育の無償促進費というものがこの法案の中に画然と含まれなければならないと私は思うのでありまして、この問題もひとつ私は提案者にお聞したいと思ひます。
  42. 若林義孝

    ○若林委員 教育財政あるいは教育目標と申しますものに関します大理想の御開陳でございまして、私たちも先ほど申しましたように同感でございます。高等学校の事柄も、文部省では、今一つの課で――中等教育課というのですか、設けておりましようけれども、今すぐ私たちも高等教育課と申しますか、あるいは高等という文字ではないかもしれません、上級中学、下級中学ということになつておるかもしれぬと思うのでありますが、義務教育とは切つても切り離すことのできないものだと思うのであります。それからその現状も、今小林委員から言われました通り、われわれも寒心にたえないところでございます。ただこの寒心にたえない一部を補つて行くということが、過般各委員一致の御協力のもとにでき上りました産業教育振興法でございますが、これもまだ満足なものではございません。あるいは不就学兒童のことにつきましても、教科書の問題も、先般の委員会において問題になつたのでありますが、これも理想としてただ一歩というよりも、まだ半歩も踏み出していない、ただ一年生の国語、算数の二冊にすぎないのであります。これもこの教科書問題というものを、根本的にひとつ国家の教育政策として取上げて行かなければならぬのじやないかと思います。そうしていい、りつぱなものができれば、学校の備品として備えつけておいて、年々五%ぐらいずつを補充して行くことによつて、進学の都度新しい教科書を買わずに役に立てる。ところが、今のものでは一年辛うじて持つだけである。よく教会などに備品としてバイブルが備えつけてありますが、ああいうような設備になるまでいいものにするには、相当これは国家として、国策としてこれを取上げて行かなければならぬのじやないか。あるいは不就学児童についての勧奨ということについては、学校での給食問題もあるのです。これも相当重要な問題でありまして、私たちの気持といたしましては、この法案の中に入れるのは相当困難だと思いますから、あるいは別の單独法とでもいたしまして、学校給食法というようなもので、ひとつ早急に考慮すべきではないかという気持を持つております。すべて先ほど御発言になりましたことは、まずこの義務教育費国庫負担法というものが中心になりまして、これを改正することによつて行ける部分は、ひとつ改正することによつて除々に拡大をして行く、それから單独法でやるべきことは單独法でやる。そうして最後にはやはり義校教育費国庫負担という義務をとつて、教育費国庫負担法というようなものにまで改正して行く。こういう一つの礎石が持ち出されたというにすぎないのであります。御開陳になりましたその大理想、大目的というものについては、将来一層御協力を得て、ともどもにひとつ邁進いたしたい、かく考えております。
  43. 小林進

    ○小林(進)委員 これは委員長にお伺いいたしたいのでありますが、これから各条文の個々に入りまして、いろいろ御質問したい、私の質問時間だけでも、少くとも私は三時間ぐらいいただきたいと思つておるのであります。委員長がこの委員会の運営をされる上において、私だけに三時間の時間を與えられるということも、私は困難だと思つておりますが、これをお許し願えるかどうかを、まず伺つておきたいと思うのでございます。いかがなものでございましようか。ほかの委員の振当て上よくないから、あらためてお前にまた時間を與えるというのなら、私は一応私の質問時間を保留して終りますか、それができなければ、続いてやりたいと思います。
  44. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 できるだけ多くの時間を、この次にあなたにお與えしたいという考えは持つております。  そこで皆さんにお諮りしたいのでございますけれども、この室は午後一時からまた他の委員会で使うそうでございます。そこでなお文化財の一部改正案をちよつと質疑したいと思いますので、その点御了解を願いまして、それでは松本七郎君。
  45. 松本七郎

    ○松本(七)委員 岡野大臣の答弁に関連して、提案者にひとつお伺いしておきたいと思います。提案者の説明にもありましたように、この法律を橋頭堡としてさらに前進したいということは、その点はわれわれも同感で、よくわかるのであります。教育の機会均等という点で、考え方は提案者とわれわれはもちろん同じだと思いますが、あれがあるのではないかという気がするのです。それは今の地方の自治を確立するという線、それと地方財政の確立、特に教育費の確立ということに関連して、地方の学校であるから、費用も一切地方で持つて行つたらいい、この単純な考え方が、私は地方自治法なんかに一貫した考え方じやないかと思うのです。その場合の、それでは教育の機会均等はどうなるのだということになつて参りますと、それは金があつての機会均等であつて、金がない地方はしかたがないのだ、金ができれば均等に教育を受ける機会が得られるのだという、その可能性にすぎない、そういう機会均等というようなものを普通考えられているように思う。われわれはそれを克服して、実質的な教育の機会均等を早く確立したい、こういう考えでおるところに、私は現在の貧困な地方財政のもとにおいて、一体教育の機会均等を確保するために、その費用をどういうところで負担するかというところの考えに相違が出て来るだろうと思います。それについて、先ほど渡部委員の質問に対して、岡野国務大臣は、全額国庫負担ということならば、またこれは一つの案として考えられる。しかし、半額国庫負担は、現状からおもしろくない、こういう話があつた。もしも地方自治庁なり、地方財政委員会なりが、岡野国務大臣のような考え方であるとすれば、これはほんとうにこの法律案というものは橋頭堡になつて、将来全額国庫負担という線も出しやすくなるであろうが、これはおそらく私は地方自治庁なり地財委の考え方は、あの岡野国務大臣のような考え方じやないと思う。全額国庫負担という線が出て来れば、ますます反対するだろう。それは先ほど申しましたように、とにかく地方の学校なんだから、費用も地方で持つべきだ、この考え方で一貫して来ていると私は思う。その点に対して、私は岡野国務大臣の答弁はずいぶん甘いと思つて聞いておつたのですが、提案者は、地方自治庁なり地財委の考え方は、この点に対してどういうふうなものであると判断されておるのか、そこをひとつ承つておきたい。
  46. 若林義孝

    ○若林委員 先ほどの岡野国務大臣の答辯は、だれかの言う入れ知恵をそのままうのみにせられまして、ただ一応の反対の根拠のように利用せられたのじやないかという気持がするのでありまして、岡野国務大臣のうしろに――やはり共産党のうしろに秘書が控えておるように、控えておつた人があつたのであります。それで相当の御遠慮をなさつて答辯をしておつたようであります。だから、岡野国務大臣の答辯そのものを、あの方の真意であるというような気持で私たちは聞かずにおつたわけでありますが、これはあくまでも地方行政の一環の事務として執行に当つておりますのが地方団体である、こう私は考えます。しかしながら財政的の措置としての最終的の補償責任者はだれかといえば、いわゆる中央政府である。こういう気持で、国庫でやるという気持で、私たちは進んで行こうと考えるのであります。  それから全額国庫負担あるいは半額あるいは今のような平衡交付金制度の配分方法というようなもので――配分方法はいろいろあると思うのでありますけれども、これはいわゆる地方税制とのかみ合せと申しますか、にらみ合せによつてきめられるべきものでありまして、現在の地方税制というものは、平衡交付金というものをまず是認し、打立てて行く建前の税制であります。もしこれが全額国庫負担ということになるならば、相当地方税制を改革して行かなければならない。あるいは全部地方にまかせるのだというならば、もう少し地方財政の強化確立という意味からいつて、いま少し根拠のある安定性のあるところの税種目を地方に與えなければならない。とりやすいところの税目、筋道の通つた安定せるところのものは、今全部国家が持つております。きわめて不安定なところに立つておる税制に根拠を持つ地方財政であります。これは現在の税制を基礎にして、今半額国庫負担という線を出したわけであります。だから大蔵省あたりは、半額国庫補助の形式をとつたらどうかという意見も、大蔵大臣は持つておるようでありますが、これは均等に二分の一。だから平衡交付金で渡らない府県に対しては、いわゆる十を與えて、税制改革によつて二十で行くという行き方になるわけであります。だから今は税制というものは、大体現状のままに置いておいた場合の負担配分ということを構想いたしております。ところが、岡野国務大臣の全額国庫負担は、そこまで考えて発言せられたかどうかは疑問に思うのであります。しかし全体の目的というものは、いわゆる地方財政というものをそう気をもまずに、安定せる地方財政とするために、まずこの教育費に関しましては、この方法をとるべきであるという考え方で、ただいまの義務教育費国庫負担という法案として提出したわけでございます。
  47. 松本七郎

    ○松本(七)委員 提案者の気持はよくわかつておるのです。ただ岡野国務大臣が全額国庫負担ならまた一つの案として考えられると言われるが、地方自治庁あたりでは、そう簡単に、一つの案として考えてくれる可能性はないのじやないかと私は思う。提案者のそこの判断はどうかということが一つ。それからもう一つは、先ほど小林さんから質問が出て、いろいろ反対運動をやつたというようなことなんですが、立法府がきめたものを行政府が執行するというのは、これは当然の義務であるのですが、この当然なことがサボタージユされるおそれがあるので、私はわざわざ岡野さんに聞いたわけです。今後われわれとしても、立法府としては、立法するばかりでなしに、行政府の監督の任も持つておるわけですから、そういう点を監督して行きますけれども、提案者は、その責任上特に重大だと思うのです。今後、そういう今までの不当な動きがあつたものに対して、十分監視し、匡正していただく決意があるかどうか、これを伺つておきたい。
  48. 若林義孝

    ○若林委員 同感でありまして、御指摘の通りの気持で行きたいと思つております。大いに決意を持つておるわけであります。なお、先ほど申しましたように、地方自治庁のあの意見をそのままうのみにして、安心をして行くというような行き方は、大いに戒心を要すべきことだと心得ております。
  49. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 本法案に対しまする質疑は、本日はこの程度にとどめておきます。     ―――――――――――――
  50. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 次に、日程の順序を変更いたしまして、時間が非常に切迫はしておりますが、文化財保護法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を許します。質疑は通告順によつてこれを許します。浦口鉄男君――。非常に時間がございませんので、簡單に願います。
  51. 浦口鉄男

    ○浦口委員 時間がないそうでございますから、簡單にお尋ねしておきます。実はこの文化財保護法の一部を改正する法律案をよく見ますと、これはんどうも非常に不備なところがたくさある法律案だということを、まず私は感ずる。一つ一つの条文の改正についても、大いに異論があるのでありますが、まずその根底になる非常に重大な点について一つ二つだけ、時間もございませんのでお尋ねしておきます。と申しますことは、この文化財保護委員会の性格は、申すまでもなく、これは第五条の二項によりまして「委員会の委員は独立してその職権を行う。」――われわれの承知するところでは、文部大臣の直接指令を受けるとか、監督を受けろということではなしに、独自の立場、独立した立場、あらゆるものに煩わされず、大きな権限を持つて日本の文化財に対してその職責を果して行くというところに、この委員会の非常に重大性がある、こう私は思つているのであります。これは改正案の提案理由においても、特にそのことはここにうたつてあります。文化財保護委員会という行政委員会をして、その行政上の責任を負わしめているというところに、やはりこの法律の特殊性があるのだ。ところが今度これを改正するについては、政府全般の行政機構の改革にあたつて、文化財保護委員会の機構の簡素化を行う、こういう理由が書いてありますが、その簡素化を行う根底になる非常に重大な点については、提案理由で全然触れておりません。そこに私は非常に疑問を持つのであります。そこで伺いたいのは、第五条の、おそらくこの文化財保護委員会全体の大きな意味を持つ第二項の、「委員会の委員は、独立してその職権を行う。」というこの重大なる一項を創られた意味が、一体どこにあるのか。それをまずお聞きしておきたい。
  52. 森田孝

    ○森田政府委員 ただいま浦口委員の御質問の第五条の第二項を削除するという点でありますが、本来行政委員会は独立して職権を行うがために、行政委員会制度というものがとられるのでありまして、従いまして、行政委員会というものは、行政を行つて行くことにせられております機関の行政につきましては、第五条第二項のような規定のあるなしにかかわらず、これは独立して職権を行うべきものであります。従いまして、第五条第二項を特に規定を設けなくても、本質上、行政委員会という制度にせられておる限りにおきましては、独立して職権を行い得るものであります。ただ第五条第二項のような規定を特に設けてあるというのは、念のために特にその点を注意して設けられておるものでありまして、これは特に今回削らなければならないという、特殊の非常に強い積極的な理由というものはないのでありますが、ただこれは、あつてもなくても、行政委員会制度である限りにおいては、同じであるという意味において、なくてもいいじやないかという簡単な理由によつて削られたのであります。
  53. 浦口鉄男

    ○浦口委員 そうですか。これは法制当局に聞かなければ、私もそれ以上自信はないのですが、局長が言われるように、あつてもなくてもいいのをつけたので、目ざわりだから削つた方がいいだろう、こういうふうにはちよつと考えられないのであります。文化財保護委員会というものはおそらく政党政派とか、あらゆる利害とか、時の政治力というようなものを超越して、日本の文化財というものを独自な純粋な立場で保護し、育成して行くということで、この行政委員会の権限がここにうたわれておる、こういうふうに思うのであります。私の知るところでは、他にも行政委員会の性格を持つたものかあると思う。おそらく教育委員会などはそうではないかと思うのです。その法律をちよつと調べておりませんが、この文化財保護委員会の第二項を削つたということは、単なる体裁ではないと思うのですが、その点もう一度念を押してお尋ねしておきます。
  54. 森田孝

    ○森田政府委員 裏の理由を申せというようにちよつと受取れますが、裏の理由と申し上げられるかどうかわかりませんけれども、独立して職権を行うという特殊の規定がありますと、事務上の連絡といたしましては、文部本省とはいろいろな点において事務の連絡をとつて行かなければならないし、また文部本省におきましても、その職権を行うにあたりましては、文化財保護委員会と緊密な連絡をとつて行かなければならないのでありますが、ややもいたしますと、この行政委員会制度をとつたという法の趣旨を誤解いたしまして、一切の連絡をとらなくてもいいというような誤解をする場合が起りはしないかという懸念から、こういう念のための規定は、むしろそういう弊害の方もあるから落しておいて、行政委員会制度の本質は、もちろん委員会制度をとる限りにおきましては、存するのであるから、本質的にはさしつかえない。そういう弊害を除く意味において、これを除いた方がよいのではないかという意味であります。
  55. 浦口鉄男

    ○浦口委員 局長はたいへん遠慮して答弁しているように感ずるのですが、どうも弊害ということを理由にして、文化財保護委員会の権限を縮少し、文部省の権限を拡大するのではないか、結局実質はそこに行くのではないかと思いますが、どうですか。
  56. 森田孝

    ○森田政府委員 これは文化財保護委員会の事務局長としては申し上げられないのでありますが、行政を行う上におきましては、両者それぞれ緊密な事務連絡をとつた上で行わなければならぬという、その趣旨におきましては、われわれもまつたく同様に考えております。
  57. 浦口鉄男

    ○浦口委員 局長としては、それ以上お答えにくいということはわかりますので、このことはそれ以上は追究いたしません。
  58. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 御発言中ですが、もう一人残つておりまして、あとの委員会が待つておりますから、次会に…。
  59. 浦口鉄男

    ○浦口委員 それでは、各条文につきましても、非常に重要な点がありますが、これは次に譲りまして、そのことだけをお尋ねしておきます。
  60. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 若林義孝君。
  61. 若林義孝

    ○若林委員 率直簡明に伺いますが、この改正案で、委員数を三人に減じておりますが、その理由を承りたい。
  62. 森田孝

    ○森田政府委員 委員会制度はとつておりますが、今回の政府の行政の簡素化並びに経費の節減という、一般行政機構改革の方針に基きまして、五人を三人にいたしたのであります。
  63. 若林義孝

    ○若林委員 文化財の種類というものは、非常に多岐多様であろうと思うのであります。その価値判断もきわめて微妙であると思うのでありますが、いかなる優秀なる委員でありましても、もしそれが小人数である場合には、正確な判断を失するおそれが非常に多いと思うのでありまして、ことに三人となると、もし一人が事故、病気等で欠席いたしましたならば、二人で、どうも会議らしいかつこうにはならぬと思うのであります。正しい判断をなし得ないのではないかと思うのであります。委員数の最小限度は、どうしても五人であるというふうに考えられるのでありますが、御見解を承りたい。
  64. 森田孝

    ○森田政府委員 会議の事務の運営といたしましては、三人委員会におきましては、一人欠員になりました場合においては、多数決がとられないのでありますので、二人の意見が反した場合におきましては事務が進まないという欠点が出て来るのでありますが、しかしながら、政府の行政の事務簡素化と経費の節減ということは、より大きな命題であるようでありますので、不便を忍びまして、二人の方の意見が調整されるように努力することによつて、事務の不便をカバーして行くよりほか方法がないと思います。
  65. 若林義孝

    ○若林委員 もう一点だけ行政整理、経費節約の目的を果す必要があるならば、三人の常勤制というものを改めて、一人の常勤制度にいたしまして、他の四人を非常勤の実費弁償制度というようなことにすることがよいと思うのであります。これは局長の御答弁は、あるいはむずかしいかと思うのでありますが、どうお考えになりますか。
  66. 森田孝

    ○森田政府委員 ただいまの若林委員の御提案は、新しい御提案でありまして、これに対しましては一政府委員だけの意見としては、ここで申し上げにくいと思います。他日に期していただきたいと思います。
  67. 竹尾弌

    ○竹尾委員長 本日はこれにて散会いたします。     午後一時八分散会