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1952-06-12 第13回国会 衆議院 電気通信委員会 36号 公式Web版

  1. 昭和二十七年六月十二日(木曜日)     午後二時十二分開議  出席委員    委員長 田中 重彌君   理事 關内 正一君 理事 橋本登美三郎君    理事 長谷川四郎君 理事 松井 政吉君       井手 光治君    岡西 明貞君       加藤隆太郎君    庄司 一郎君       辻  寛一君    福永 一臣君       椎熊 三郎君    石川金次郎君  出席国務大臣         電気通信大臣  佐藤 榮作君  出席政府委員         電波監理委員会         委員長     網島  毅君         電波監理長官  長谷 慎一君         総理府事務官         (電波監理総局         法規経済部長) 野村 義男君         電気通信事務官         (業務局長)  田辺  正君  委員外の出席者         電気通信事務次         官       靱   勉君         專  門  員 吉田 弘苗君         專  門  員 中村 寅市君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  有線電気通信法案(内閣提出第二四五号)  公衆電気通信法案(内閣提出第二四六号)  電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第二  二三号)  参考人招致に関する件     ―――――――――――――
  2. 田中重彌

    ○田中委員長 これより開会をいたします。  有線電気通信法案及び公衆電気通信法案を一括議題とし、提案理由の説明を求めます。佐藤電気通信大臣。
  3. 佐藤榮作

    ○佐藤国務大臣 ただいま議題となりました有線電気通信法案の提案理由を御説明いたします。  御承知の通り現在の電信法は、私設電信電話の監督規定と公衆電気通信の業務規定とをあわせ定めているのでありますが、右の監督規定は、私設右線電気通信設備を設置し得る範囲を著しく制限し、その設置についても許可を要することを原則としておりまして、現在の社会経済生活の実情に沿わない点が多くありますので、その制限を大幅に緩和し、広く電気通信の利便を享受することができるようにするとともに、有線電気通信設備の設置及バ使用に関する規律を明らかに定める払要があるのであります。さらに、右の監督規定と業務規定とは、両者その神格をまつたく異にし、このたびの日本電信電話公社の設立に伴い、有線電気通信設備の監督及び規律に関する親字と公衆電気通信業務に関する規定とを、別個の法体系として整備することが妥当と考えられますので、有線電気通信設備に関する基本法としてこの法律を制定しようとするものであります。  次に、本法案に規定してあります主要な内容について申し上げますと、第一は、電気通信の利便を享受する道を広くするため、有線電気通信設備の設置及び使用については、できる限り自由にすることを建前としておりますが、公社の行う公衆電気通信業務の独占が侵されることのないようにするため、公社以外の者の有線電気通信設備の設置及び使用については次のような制限を設けております。まず有線電気通信設備の設置については、本邦と外国との間に設置するものを除き、一人の専用に供するものは自由でありますが、二人以上の者が共同して設置することは、同一構内、もしくは同一建物内に設置する場合、有線放送業務を行うための設備を設置する場合、二人以上共同して行う業務に必要な通信を行うためその業務を行う者、もしくは相互に緊密な関係を有する業務に必要な通信を行うため、これらの業務を行う者が郵政大臣の許可を受けた場合、または離島、農山漁村等であつて、公社が公衆電気通信役務を提供することが困難である地域、すなわち、特定地域に郵政大臣の許可を受けて設置する場合に限り、認めることとしておりま目す。次に他人の設置した有線電気通信設備との接続につきましても、共同設置を認める場合と同様の場合に、これを認めることとしております。また公社以外の者の設置した有線電気通信設備については、その設備を用いて他人の通信を媒介し、その他その設備を用いて他人の通信の用に供することを業とすることを制限することにしておりますが、社会経済生活の実情に即応させるようにするため、例外として前に申し上げました他人の設備と接続を認める場合において相互に使用するとき、特定地域内にある設備を使用するとき、その他公衆電気通信法、警察法、消防組織法、水防法、郵便物運送委託法等に別段の規定がある場合等において、認めることとしております。  第二としては、行政簡素化並びに有線電気通信設備の設置者の手数を簡略化する趣旨より、届出、報告等の手続は必要最小限度といたしますとともに、有線電気通信の設置及び使用に関する規律の保持についても、できる限り設置者の自律にまつ建前をとることとしたのでありますが、しかし設備の設置後において検査をし、または報告を徴する等、監督上の必要と工事の開始前に技術的基準について指導することが必要かつ便利であると認められますので、許可を要する設備を除き、原則として工事を要するものについては事前に、工事を要しないものについては事後に届出を要することとしております。  第三としては、有線電気通信設備相互間に妨害がないようにするとともに、人体または物件に損傷を與えないようにするため、設備の設置及び保存上必要な技術的條件として必要最小限度の基準を定めて、一切の有線電気通信設備に適用することとしてあります。なお右の技術基準に適合しないため他人の通信に妨害を及ぼし、または人体もしくは物件に損傷を與えると認める場合においては、郵政大臣は、その設備の使用の停止または改修を命ずることができることとしております。  第四としては、郵政大臣の行政処分の公正を期するとともに、不当な行政処分の救済をはかるため、異議の申立及び公開による聴聞の制度を設けたことであります。  以上申し上げましたほか、共同設置及び接続に関する許可手続、非常事態が発生し、または発生するおそれがある場合における緊急通信の確保、有線電気通信の秘密の保護、信号設備に対する技術基準の準用並びに所要の罰則を規定したことがこの法案のおもな條項となつております。  最後に、この法律の施行期日、この法律の施行のために必要な経過規定、その他この法律の施行のために必要な他の法律の改正等につきましては、別に有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法――これは仮称でありますがを制定することといたしております。なお国際電信電話株式会社法案の施行に伴い必要とする事項は、この法案には規定されていないので、右施行法案によつてこの法律に必要な改正を加えることといたしております。  以上本法案の趣旨及び法案の大要を申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決せられますようお願いいたします。  次に公衆電気通信法案の提案理由を御説明いたします。  現在公衆電気通信業務についての基本法としては、有線については電信法が、無線については無線電信法が、電気通信設備の建設及び保全のための土地の使用については電信電話線建設條例及び電信法が、また料金については電信電話料金法があるのでありますが、これらの法律は電信電話料金法を除き制定当初の内容のまま、長年月の間ほとんどすえ置かれていますので、これを現在の実情に沿うよう改正する必要があること、及び現在各種の電信電話の役務はほとんど電信法中に規定されておらず、規則によつて定められていますが、公衆電気通信役務中基本的のものについては、法律をもつて定めることが適当と考えられますとともに、現在の電信法は公衆電気通信業務に関する基本法である一面、私設有線電気通信設備に対する監督法である性格を持つており、両者はまつたく性格を異にし、今回の日本電信電話公社設立に伴い、これをそれぞれ別個の法体系として整備することが適当かつ必要であると認められますので、この際これら現行の法律を全面的に廃止し、新たに公衆電気通信業務に関する基本法を制定することといたした次第であります。  次に、この法律制定の基本方針について申し上げます。まず現在事業保護のために設けられております各種の特権的規定及び罰則は極力これを廃止して事業の特殊性に基き真に必要とするもののみを存続せしめること。第二に、公社の公衆電気通信設備の建設及び保存について必要な公用負担については、右と同様の趣旨により原則として土地收用法の規定によることとするが、公社の建設保守する線路については、その設備が全国に散在し、かつ厖大な数に上つている特殊性にかんがみ、土地収用法の特例を設け、その場合の手続を民主化し、かつ適正なる補償をなすようにすること。第三に、従来命令によつて規定されていた事項のうち、基本的な役務については原則としてこの法律に規定することにするが、役務の提供について弾力性を持たせるため、付属的な役務については公社が自由にその提供をなし得ることとすること。第四に、料金については、公社の行う公衆電気通信業務が独占的な公益事業であるので、その料金を公社が一方的に定めることなく、主要な料金については法律で定めることとし、その他の料金は郵政大臣の認可を受けて公社が定めることとすること。第五に、国際電気通信業務については、條約に別段の規定がない限りこの法律を適用すること。以上の諸点であります。  次に、公衆電気通信法案の内容についておもなる点を御説明申し上げます。  法案は第一章ないし第八章にわかれておりまして第一章は総則として、この法律の目的、用語の定義、利用の公平検閲の禁止、秘密の確保、公衆電気通信業務の委託、国際電気通信業務等を規定いたしております。このうち現行制度と異なる主要な改正事項としましては、日本国有鉄道、海上保安庁等の私設の電気通信設備の設置者に対し、主務大臣の供用命令により電報事務の一部を取扱わせていたのを改め、郵便局と同様事務の委託によることとし、必要と認められる場合には、その他の者にも広く電報、電話の事務の一部を委託することができることとなつております。  第二章は電報に関する規定でありまして、電報の種類、伝送及び配達の順序、電報の特殊取扱い、配達先、免責、取扱いの停止及び契約の解除等を規定いたしております。  第三章は電話に関する規定でありまして、電話の種類、加入契約、加入電話の電話機等の設置場所、加入区域、加入申込の承諾、普通加入区域外の加入電話の特別負担、加入電話の種類の変更、設置場所の変更、電話加入権の移転または承継、他人使用の制限、通話の停止、加入契約の解除、電話取扱局の種類、通話の種類、通話の接続の順序及び構内交換設備による交換取扱い等を規定いたしております。このうち現行制度と異なる重要な改正事項としましては、第一に普通加入区域外に加入電話を設置するときは、新設に要する費用を加入者に負担させることとし、この負担させた費用は、五年以内にさらにその線路を利用して加入電話の設備を希望する者があるときは、その者にも利用の割合に応じて費用を分担させ、最初の加入者にその分を返還することといたしたことであります。第二に加入電話の種類として現在の単独電話及び共同電話のほかに甲種増設電話機、いわゆるPBXを追加しましたこと、加入電話の利用関係が私法上の契約関係であることを明定しましたこと、及び電話加入権については昭和二十四年二月十四日以前の加入契約にかかるものは譲渡を認めることは現在通りでありますが、昭和二十四年二月十五日以後の加入契約にかかるものは、現在譲渡及び承継を一切認めていないのを改め、営業譲渡、相続及び法人の合併の場合に限りこれを認めることとしたことであります。  なお公社の予算の範囲内において、加入電話の申込みの全部に応ずることができないときは、現在通り公共の利益のため必要な業務を行う者の申込みを優先的に承諾することとし、その基準は公社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしました。  第四章は公衆電気通信設備の専用についての規定であります。  第五章は料金に関する規定であります。現在各種役務に対する料金は、すべて法律をもつて定められているのでありますが、これを改め、主要な料金は法律で定め、その他の料金は公社が郵政大臣の認可を受けて定めることといたしました。国際電気通信役務に対する料金につきましては、料金を設定または変更し、あるいは金フランもしくは外国通貨で定められた料金の換算割合を定めることについては、郵政大臣の認可を受けることといたしました。  なお現在料金の滞納の場合は、国税滞納処分の例によつて徴収することがでぎることとなつているのでありますが、今後はすべて一般の民事上の手続によつて取立てることに改めました。  その他この章においては、料金の減免、軽微な料金の変更、料金の公示、料金の返還等を規定いたしております。  第六章は土地の使用に関する規定でありまして、公社において公衆電気通信業務の用に供する線路、室中線及びこれらの付属設備を設置するため、他人の土地等を使用する必要があり、かつ適当であるときは、土地収用法によらないで、その土地等の利用を著しく妨げない限度において、これに対し使用権を設定することができることとし、その場合は別に政令で定めるところにより対価を支拂うこととしております。また公社は必要やむを得ないときであつて、その土地等の利用を著しく妨げない限度において、他人の土地等を一時使用し、土地等に立ち入りあるいは植物の伐採等をなし得ることといたしておりますが、これらによつて生じた損失に対しては、適正なる補償をすることといたしております。  なお土地等の使用の手続については、公社は土地等を使用しようとするときは、都道府県知事の認可を受けて、その土地等の所有者とその土地等の使用について協議し、その協議が整わないときは、都道府県知事の裁定を申請することといたしております。  第七章は雑則でありまして、現行制度と異なる主要なる事項としましては、構内交換電話の交換設備及び内線電話機または専用設備の端末機器の設置、保存については、現在原則として電気通信省の独占とし、特別の場合に限り、加入者または専用者の自営を認めていたのでありますが、利用者の要望等にかんがみ、今後は公社が行うほか、加入者または専用者が自由に建設保存を行うことを認めることといたしました。但しごの場合は、無條件に加入者または専用者の設置または保存を認めるときは、他の公衆電気通信業務に支障を及ぼすおそれがありますからその設置及び保存は公社が郵政大臣の認可を受けて定める技術基準に適合するものであることを要し、かつその工事に従事する者は郵政省令で定めるところにより、公社が認定する資格を有する者でなければならないことにいたしております。  また現行法のもとにおいては、電信電話の役務の提供を約束通り実行しなかつたため利用著に損害を生じた場合においても、一切その損害を賠償しないことになつておりますが、これを改め、今後は公社が提供すべき役務を提供しなかつたことによつて利用者に損害を加えたときは、その損害が不可抗力及び利用者の故意過失によつて生じた場合を除いて、一定の場合に当該役務に対する料金の五倍以内に相当する額を限度として、その損害を賠償することといたしました。  第八章は罰則に関する事項を規定いたしておりまして、この法律に規定する事項の違反行為に対する罰則その他この法律の実施を確保するに必要な罰則を規定いたしております。  最後に、この法律の施行期日、この法律の施行のために必要な経過規定、その他この法律の施行のために必要な他の法律の改正等につきましては、別に有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法(仮称)を制定することといたしております。  なお国際電信電話株式会社法案の施行に伴い必要とする事項は、この法案には規定されていないので、右施行法案によつて、この法律に必要な改正を加えることといたしております。  以上まことに簡單でありますが、本法案の提案理由及びその内容の概略を説明申し上げた次第でありますが、何とぞ十分御審議の上、すみやかに可決せられますようお願いいたします。
  4. 田中重彌

    ○田中委員長 引続き両案に対する補足説明を求めます。田辺政府委員。
  5. 田辺正

    ○田辺(正)政府委員 それでは有線電気通信法案要綱というものがございますが、要綱によりましてお話申し上げます。  要綱の第三ページの第三「法案の主な内容」というところを御説明申し上げます。第一はこの法律が規律する対象でありますが、第一には一切の有線電気通信設備の定義がしてございますが、それとは別に信号というものは有線電気通信設備ではないというふうに定義しているわけであります。  次は有線電気通信設備の設置に関する事項でありますが、第一に有線電気通信設備の設置は、二人以上共同して設置する場合のほかは自由といたしてありますが、次に書いてあります以外のものは、事前に技術的指導を行います必要から届出をしてもらうことになつております。届出を要しないものは第一には公社が設置するもの、第二は警察事務、消防事務、水防事務、航空保安事務、海上保安事務、気象事務、鉄道事業、軌道事業、電気事業、鉱業、その他政令で定める業務を行う者が設置するもの、第三は一構内または一建物内に終始するもの、第四はその他郵政省令で定めるもの、これが届出がありませんで、これ以外のものは設置する場合には、事前に届出してもらうということになつておるのであります。それから先ほど大臣の提案理由の御説明にもありましたように、国際電信電話株式会社法が施行されました場合には、ただいま申し上げました公社の設置するものと同様に、その場合には届出はいらないというように施行法の方で直すことにいたしております。  次は有線電気通信設備を二人以上共同して設置することができる場合であります。この場合は第一に先ほどの構内または一建物内に設備を設置する場合であります。第二は有線放送設備を設置する場合であります。第三は二人以上が共同して行う業務に必要な通信を行うため、その業務を行う者が郵政大臣の許可を受けて設置する場合であります。第四は相互に緊密な関係を有する業務に必要な通信を行うため、これらの者が郵政大臣の許可を受けて設置する場合であります。第五は都市からの距離が遠く、公社が公衆電気通信役務を提供することが困難であると認められる地域であつて、郵政省令で定める基準に該当する地域、その地域に郵政大臣の許可を受けて設置する場合であります。この場合は以上の場合に限りまして、他人と共同して設置することができる場会品でございます。  その次になおもう一つの問題として、ただいま大臣の御説明にもありましたように、本邦と外国との間を連絡する有線電気通信設備は、原則としては公社でなければ設置してはならないということにしてあります。これも国際電信電話会社が設立されました場合には、国際会社もこれに準ずるというふうに施行法案できめてございます。  その次は有線電気通信設備の使用に関する事項でありますが、第一は有線電気通信設備の接続であります。この有線電気通信設備の接続は一定の制限を設けましたが、その制限の第一は非常事態におきまして緊急の通信を行う場合であります。第二は一つの構内または一つの建物内にある二つ以上の設備を接続する場合であります。第三は有線放送設備を接続する場合であります。第四は、二人以上共同して行う業務に必要な通信を行うため、その業務を行う者が設置した有線電気通信設備を郵政大臣の許可を受けて接続する場合であります。その次に相互に緊密な関係を有する業務に必要な通信を行うため、これらの業務を行う者が設置した有線電気通信設備を郵政大臣の許可を受けて接続する場合であります。もう一つは、先ほど申し上げました特定地域でありますが、特定地域内における二以上の設備を接続する場合でありまして、この場合だけ有線電気通信設備を相互に接続でき得るというふうにしてあります。  その次は設備の他人使用に関する制限でありますが、公社を除きました有線電気通信設備は、次の場合でなければこれを公衆通信の用に供してはならないということを規定してあるのでございます。その他人に使わしてもよい場合は、第一は非常事態において緊急の通信を行う場合、それから設備を接続した者が相互に使用する場合、これは当然のことでございますが、それを規定してあります。その亥は、その設備が特定地域の設備あるいは有線放送設備の場合、この場合には他人にも使わしてよいということにいたしております。その次は公衆電気通信法、警察法、消防組織法、水防法及び郵便物運送委託法において別段に規定してある場合であります。この他人に使わせる場合は以上のような場合に限定しておるわけであります。  次は技術基準に関する事項でありますが、有線電気通信設備相互間の妨害を排除いたしますために、必要最小限度の技術基準を設けまして、これによつて規律をして行くこととしておるのであります。  その次は有線電気通信設備に関する検査の事項であります。  その次は許可の取消しでありますが、郵政大臣は共同設置、接続あるいは他人使用の許可をいたしました有線電気通信設備が、許可の條件に適合しなくなつた場合におきましては、その許可を取消すことができるということにいたしてあります。  その次は非常事態における通信の確保でありまして、非常事態が発生し、または発生するおそれのあります場合には、有線電気通信設備を設置した者に対しまして、主務大臣はその設備を利用して通信を行い、あるいはその設備を他人に使わせ、あるいは他人の設備に接続することを命令することができるとしております。  次は異議の申立てに関する事項でありますが、この法律またはこの法律に基く命令による郵政大臣の処分に不服がある者は、異議を申し立てることができるということにいたしました。  次は聴聞に関する規定でありますが、郵政大臣は行政処分の公正を期するため、許可を取消すとき、または異議の申立てを受理したときは、公用により聴聞を行わなければならないこととしております。  次は先ほど申し上げました信号設備に関する規定でございますが、信号設備につきましては、技術基準とそれに必要な事項のみを準用することといたしておるわけであります。  なお本法の施行を確保するに必要な罰則を規定しております。  大体有線電気通信法案の趣旨は以上のようなものであります。
  6. 田中重彌

    ○田中委員長 両案に対する質疑は次会より行うことといたします。
  7. 田中重彌

    ○田中委員長 次に電波法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。橋本登美三郎君。
  8. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 前会高塩委員からも質疑がありましたが、それを除いて私から三、四の点について質疑を続行いたします。無線従事者の従事範囲内についてお尋ねいたします。第一点は第二級無線通信士の従事範囲でありますが、技術操作の関係は別といたしまして、第四十條の改正で航空局及び航空機局の公衆通信以外の国際通信が加えられたのでありますが、海岸局及び船舶局の国際通信の操作は、公衆通信以外といえども依然として一級通信士の指揮下に行う場合に限られているのであります。そこで伺いたいのは、現在第二級通信士は、條約に規定する二級通信士と同等の資格を認められているものと思うが、はたしてどうであろうか。もう一つは、第四十條の第二級通信士の従事範囲は、條約の規定するところよりも狭いのか、あるいは広いのかということであります。
  9. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいま御質問になりました点につきましてお答え申し上げます。第四十條の第二級無線通信士は、国際條約の付属書に規定されておりますところの第二級無線通信士に相当する資格でございますが、仰せの通りにごのたびの改正で加えられましたところの航空局やあるいは航空機局の公衆通信以外の国際通信を除いて、海岸局及び船舶局の国際通信の通信操作は、すべて第一級無線通信士の指揮のもとでなければ単独には行えないことになつておるのでございます。この単独に行えないという点では、第四十條の第二級無線通信士の従事範囲は、條約の規定するところよりも狭いということになりますが、国際通信についてこのように制限をいたしておる理由と申しますと、先般参考人の方からの御意見の際もいろいろ御質疑等も、ございましたことく、いろいろ理由がございますが、その一つの理由は、国際通信を円滑に疏通いたしますためには、国内通信に比較いたしてみますと、電気通信術のいわゆる送信、受信の技能も一層すぐれていなければならないことは申すまでもないのでありますが、さらに外国語にも堪能でなければならず、また無線のいろいろの設備の理論、これの運用等にも通じていなければならないので、このような程度の高い知識やあるいは技能、経験等を現在の二級通信士に要求いたしますことは、この資格を與えます場合の試験の程度から見ましても、やや無理であるように考えておるためであります。
  10. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 第二点は、現在附則あ第九項に期間と区域を限定してこの四十條の規定にかかわらず、第二級通信士が独自で船舶局の国際通信操作を行うことができるという経済規定があるのであります。その区域は近海第一区、すなわち支那海、日本海、オホーツク海、及びカムチャツカ沖、硫黄島、小笠原島、台湾、香港等を含む北太平洋でありますが、これについて限定された期間は昨年五月をもつて満了することになつております。改正案はこの経過規定に全然触れておらないのでありますが、占領下における電波法制定当時の事情を顧みますとともに、独立後の現下の情勢に照しまして、今日ではむしろこの附則の期限を除いた趣旨を第四十條の本則に移すべきではないかと考えますが、この点についての政府の御意見を伺います。
  11. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいまお尋ねの点についてお答えいたします。お示しになりましたように電波法附則の第九項の規定は、一第二級無線通信士の従事範囲は、国際通信については第一級無線通信士の指揮のもとでなければ、単独には行えないことになつておりますので、わが国が朝鮮、台湾、樺太等の領土を失つた結果、それらの地域も外国ということになりまして、いわゆる近海第一区を航行する船舶の船舶局も国際通信を行うこととなりまして、しかも第一級無線通信士でこのような船舶局の通信長となつておる者も相当数ありますから、それらの方々の地位を保持するためと、正式に資格のある通信士をただちに補充することの困難な点を救済するための経過的な措置としまして、三年間の猶予を規定したものであります、当時はそれらの地域もわが国から離脱したばかりでありまして、国際通信と申しましても、国内通信とほとんどかわりがなかつたので、第二級無線通信士が独立に通信操作を行つても別段さしつかえがなかつたのでありますが、その後御案内のように年数もたつております。また現在独立国となりました結果、一方国際條約にも加入いたしておりますし、通信の内容も名実ともに国際通信となつて来ておりまして、先ほども申し上げましたように第二級無線通信士単独では、いろいろな点で困難になつて来ておるようにも見受けられますので、政府といたしまして、将来はいろいろ研究してみたいと思つておりますが、ただいまのところただちにこの附則の第九項の規定を、本法の四十條に移すということは考えていない次第であります。その点は、先般の委員会のときに申し上げましたように、なお政府といたしましても実情を調査いたしましてできるだけ近い機会に考究してみたいと思つております。
  12. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 今の点ですが、実際上からいえば、この近海区域は日本が戦いに負けるまでは日本の領海であつた。領海というよりは近海第一区として二級通信士が行つても、国際條約においても何らさしつかえない。事実上現在でも二級通信士がこれをやつて、実際上の影響はなかろうと思うのです。こういうように実際上の影響がない地域が、無理に一級通信士でなければいけないということになるためには、いろいろな事情があると思うのです。ここでお聞きいしたいのは、国際條約その他から見て、二級通信士をこれに充てることが実際上できないのかどうか。実際はやつておりますし、われわれは国際條約の上から見てもさしつかえないのではないかと思うのです。ただ形式上、国際條約上から見て、二級通信士を使用することができないという他の関係法律があつて制約されておるかどうか。もしされておらず、実際上の問題としてさしつかえないのであれば、政府積極的にいろいろ日本の事情を勘案して、改正の措置をとるべきであろうと思います。その点の御意見を伺いたい。
  13. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 この問題は、先般の当委員会での参考人等の意見を聴取されました場合に、政府の所見を申し上げた点でございますが、国際條約上は、国際條約でいう第二級無線通信士は国際通信も単独で行い得るがごとくに解釈できるのであります。従つてただいま御指摘の点は、條約について支障はないのでございますが、従来日本の国内で第二級無線通信士の資格を與えますための国家試験等の関係から見まして、国際通信を單独にやることを考慮すると、試験の問題の程度から申しましてやや無理がある、こういうふうに見まして、現行のような形に進んで参つております。なお第九項の規定は来年の五月まで有効でございますので、政府といたしましては今回の電波法の改正は、先般も申し上げましたように、航空法の制定並びに海上における人命の安全條約に加入するがため、言葉をかえますと、船舶安全法の改正に伴う分だけを御審議願う、こういう考えからスタートしておりますので、今回の改正案には積極的に拾い上げていなかつたわけでありますが、幸いまだ期間もございますし、この次の機会に十分考慮いたしまして、御趣旨に沿うようにいたしたいと存じます。
  14. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 政府の電波法の取扱い方についての態度は、技術を中心にして、国際関係を考慮に入れての非常に厳格な規定を相当とつておるようであります。この点ばかわでなくて、他の点においても相当に最高度を要求しておる。技術の上から言えばまことにけつこうなのでありますが、ただ現在の日本の国清から考えて、また国内情勢その他から考えても、現在の日本に最高度の技術を要求するのはどうかと思うのです。ことに経済的な事情から考えても、われわれは経済的の負担能力がないのであるから、現在の日本の国情に沿うように実際上け運用をはかつてもらいたい、こう考えておるのです。こういう点においてこれの改正については特にお考えおきを願いたい。  第三点は、第四十條で無線従事者の資格の区分中から聽守員級無線通信士を削り、一方附則第二項においてこの改正法律施行の際、現にその資格を有している者は、その免許有効期間内は、なお従前の例によることにしようとしておるのでありますが、とすると、これらの者は実際上昭和三十年までは、第三十九條によつて第四十條の現行規定通り遭難信号、緊急信号及び安全信号の聽守に限る船舶無線電信の通信操作ができることとなると思われますが、さように了解してさしつかえないか、伺いたいのであります。
  15. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいまお尋ねの聽守員級無線通信士の資格は、新しい條約におきましては認められないことになりましたので、従つて今回の改正では、第四十條から聽守員級無線通信士の項を削除する、結局そういう制度がなくなることになりますが、現実にこの資格を持つておられる方がございますから、そういう方々の権利を奪うということにはならないようにこの規定を設けたのでございまして、お話の通りその有効期間の満了するまでその資格を持つておる。つまり昭和三十一年の秋ごろまでは、現行の規定通りに遭難信号、緊急信号及び安全信号の聽守に限りますけれども、そういう船舶無線電信の通信操作に従事できることになるわけであります。なおこの際御参考に申し上げてみますと、現在この資格を取得しておりますものは二百七十七名ございますが、実際はこの資格に相当する職に従事しておられる方はない状態でございます。
  16. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 次に船舶局の運用義務時間及び聽守義務についてお尋ねいたします。  第一点は、第六十三條の改正によつて、船舶無線電信局に新たに第三種局甲及び第三種局乙の二つの区分を加え、航行中一日の運用義務時間を第一種局は常時、第二種局甲は十六時間、第二種局乙は八時間、第三種局甲は四時間とすることになるのでありますが、この運用義務時間については、第一項の但書で、電波監理委員会規則で定める場合はこの限りでないとされているのであります。電波監理委員会においては、この除外例としてどんな場合について定めようとするものでありましようか。その点をお尋ねいたします。
  17. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいまの御質問の点についてお答え申し上げます。お言葉にもございました通り、今回の第六十三條の改正によりまして、結論的に申し上げますと、第一種局では常時、第二種局甲では一日十六時間、第二種局乙では八時間、第三種局甲では四時間、それぞれ運用しなければならないことに規定されることになるのでございます。しかしこの運用義務時間を強制いたしますことが実情に合わないと考えられますところの以下述べるような場合は、電波監理委員会規則でその除外例を定めるということに考えておるのでございます。その例として申し上げますと、船舶が臨時に航行区域を変更した場合であるとか、その他これに類する運用義務時間を、その時間割の時間通りに運用することが不適当の場合でありまして、特に第二種甲について申しますと、一日十六時間以下、第二種局乙については一日八時間以下、また第三種局甲については一日四時間以下の時間で、適当な時間を運用義務時間として指定する場合があるわけであります。
  18. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 第二点は、船舶局の聽守義務についてであります。第六十五條の改正で五百キロサイクルの指定を受けている第一種局及び第二種局は常時、五百キロサイクルの指定を受けている第三種局甲は運用義務時間中、いずれもその周波数をもつて聽守し、第三種局乙では二時間以内で電波監理委員会規則で定める時間中、電波監理委員会規則で定める波長をもつて聽守しなければならないこととなるのでありますが、一方においてこの聽守については、現に通信を行つている場合と運用義務時間外の場合には、警急自動受信機の施設によつて行うことができるものとされているのでありまして、その結果第二種局甲では一日八時間、第二種局乙では一日十六時間はこれにたよることができることになるのであります。そこ4伺いたいことは、だんだんと電波の複雑な交錯を来すであろうと思われる空中状態や、遭難通信の実際の取扱い状況を考え合せてみますときに、この警急自動受信機の性能、動作、確率等に、はたして安心できるような聽守の効果を期待できるか、こういうことでございます。
  19. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 お尋ねの今回の改正によりまして「五百キロサイクルの周波数の指定を受けている第一種局及び第二種局は、五百キロサイクルの周波数で常時聽守しなければならない。」あるいは四時間聽守しなければならないことになつておるのでありますが、これは咋Hも申し上げましたように、安全條約によるところの聽守を時間的に評価されましたので、それを取入れたわけでございます。この聽守を全部耳でやるかあるいは機械でやるかというようなことを、安全條約では選択性を與えておるわけでございます。そして新たにこの電波法の改正案の中では、今度ふえた時間だけを場合によつては警急自動受信機でやつてもよいこういうことにしているわけであります。この警急自動受信機につきましては、昨日も申し上げたように、一九二九年の安全條約とその後十数年を経ました四八年の安全條約とは、オート・アラームというものの性能に非常な変化を認めておりまして、強く全面的にそれを出して来ておるわけてございます。これは国際間におけるところのオート・アラームに対する利用価値を強く認識したことになりましてそれについてはだんだんとそういうような傾向を見て行かなければならないと考えているわけでございます。これにつきましては安全條約あるいは電気通信條約等の技術的な要件をこまかく規定しておりますが、こういうものはだんだんにそういうような條約に規定したような有効な性能を持つたオート・アラームが出て来るということを考えているのであります。現在はある社のものはすでに電波監理委員会の検定を受けているものもあるわけでございます。将来においてはそういうものができることによつて、十分時間外の聽守の目的は達し得ると考えます。
  20. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 かくりごときものが機械化されたことはけつこうですが、機械化されたことによつて無線従事者の失業問題が起りはしないか、こういう点もよほど考えてもらわなければならぬと思います。これによれば、増加せられる時間だけをオート・アラームによつてやつて行くので、現在よりは無線従事者の勤務時間を削ることにはならないだろうと思うのでありますけれども、少くともオート・アラームを義務づけてはいないようでありますから、積極的な弊害はないであろうと思うのでありますが、ただこういう問題がややもすれば失業問題を伴う危険性がある、こういう点については特に当局においてもお考えおき願いたいと思うのであります。  第三点としては、船舶無線通信士の配置と警急自動受信機の施設との関係でありますが、警急自動受信機の施設によつて、八時間あるいは十六時間の聴覚による聽守をしなくてもよいことになりますと、おそらく無線通信士の配置も自然一人なり二人なり減員してもよいことになるだろうと思うのです。この場合に警急自動受信機による聴守効果いかんは、まことに海上人命の安全に重大な関係を持つことになるのであります。もしこの効果の危ぶまれます警急自動受信機施設をもつて通信士の配置にかえるということは、ただ目先の経済比較のみで行われるということであれば、これは結局大なる不経済に帰し、ゆゆしい人権ないし人道上の問題を惹起するであろうと憂えられるのでありますが、これについて政府の所見を伺いたいのであります。  続いてなお少しく船舶局の聽守の規定について必要性の度合い、その他均衡の面からお尋ねしてみたいのであります。第一点は、第六十五條の改正によつて、第二種局は甲乙の区別なしに常時聽守の義務が課せられるのでありますが、第二種局甲は別として、第二種局乙について見ますと、その中には総トン数五千五百トン以下の貨物船及び三千トン未満の旅客船の曲線電信並びに千六百トン未満の貨物船の公衆通信を取扱う無線電信などで、航行の範囲が沿海、平水区域にとどまるものも入ることになるのでありますが、これらのものに航行範囲が近海、遠洋区域にも及ぶ船舶の無線電信と同様の義務を課するのははたしてどんなものであろうか。安全條約の規定においてもここまでは強制していないのであります。この点についての政府のお考えを伺いたいのであります。
  21. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 お尋ねの聽守時間との関係でございますが、三千トン未満の旅客船に対しまして無休の執務を要求しておりますのは、人命保全の見地から、旅客船でございますからたとい沿海区域を航行するものでありましても、航行の安全に必要であろうと思われまする上に、大体こういうような旅客船は、そう長い区域を長い時間航海することがないというふうに考えまして、従つて大した負担にはならぬということで立案をした次第でございます。また総トン数千六百トン未満の貨物船とかあるいは沿海、平水区域を航行する五千五百トン以下の貨物艦の無線電信局であつて乗組員が多いことの理由で公衆通信業務を取扱うものについては、安全を確保しますために無休聽守を行うようにすることが適当であると考えて立案したわけであります。
  22. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 第二点は聴守義務時間と運用義務時間との関係であります。もちろん聽守を長時間にすることは、航行安全確保の上にきわめて望ましいことではありますが、私は運用義務時間を国際電気通信條約の規定に合せて定めたことに照しまして、聽守義務時間につきましても、海上人命安全條約の区分規定するところに照して、第二種局乙の聽守義務時間は、国際航海の旅客船の無線電信だけを常時とし、他は運用義務時間中、すなわち八時間程度とするのが妥当であろうと思うのでありますが、政府の御意見はいかがでありましようか。
  23. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 御質問の点に関連いたしまして、先ほど私が答弁申し上げたことを熟考いたしてみますると、今橋本委員からお話がございましたように、国際電気通信條約の規定ともあわせて考えますと、お説のように聽守義務時間につきましても、海上人命安全條約でいつておりまする通り、第二種局乙のうち、国際航海に従事する旅客船の無線電信だけを常時として他は一日八時間とすることが現在の事情にかんがみて適当であろうと考えます。
  24. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 第三点は、第二種局の聽守義務の猶予について伺いたいのであります。第六十五條の改正で、運用義務時間外は警急自動受信機の施設をもつて聽守できるのでありますが、宿時聽守ということは、少くとも第二種局については現状に対して急激な負廻の変革であります。これは必ずしもわが国のみの問題でないと思われるのぐありまして、現に海上人命安全條約の規定において、第二種局の常時聽守義務は、條約執行後二年間は緩和できるようになつているのであります。この改正案はそこには全然触れておらないのでありますが、この際これについて経過的猶予規定を設くべきでないかと思われるのであります。政府のお考えをお聞きいたします。
  25. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 この点については、昨日も本委員会において私から申し上げましたように、三千トン未満の旅客船及び五千五百トン未満の貨物船の現存船舶につきましては、御説のように猶予期間があり、本法の附則等をもつて経過期間が二箇年という期間がありますので、そのようにした方が便利かと思います。
  26. 橋本登美三郎

    ○橋本(登)委員 大体これで電波法に関する質疑を終ります。
  27. 田中重彌

    ○田中委員長 石川君。
  28. 石川金次郎

    ○石川委員 この国際電気通信條約附属無線通信規則の五一一について伺います。まず最初に伺いたいのは、これは電波法に関する條約なのでしようか。
  29. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 お答えいたします。結論から先に申し上げますと、條羽と同じでございます。これは国際電気通信條約第十三條におきまして、「この條約の規定は、次の業務規則をもつ補充する。」と書きまして、その次に電信規則、電話規則、無線通信規則、追加無線通信規則という四つのものが書いてございますが、その中の無線通情規則というものがこれでございます。
  30. 石川金次郎

    ○石川委員 これは日本で見れば、電波に関する條約の一つと見てよろしいですか。
  31. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 さようでありま
  32. 石川金次郎

    ○石川委員 ここに「第一級又は第二級無線電信通信士証明書を有する者は、船舶又は航空機の無線電話局の業務を行うことができる。」とありますが、この査第一級又は第二級」の意味は、日本における第一級、第二級というものを意味するのでありますか。
  33. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 この無線通信規則で言つておることは、第一級または第二級無線電信通信士証明書というものが他の條項におきまして、第一級無線通信士はこれこれ、第一級無線通信士はこれこれということを書いておりますので、それを引用しているわけであります。直接に日本のこれに当るかということは、この上からはすぐには出て来ないのであります。
  34. 石川金次郎

    ○石川委員 その場合に、日本の国家試験でやつている一級、二級というのは、この條約にのつとらずにきめられたか。この條約に適合せしめるために試験をやつておりますか。またこの條約に日本の一級、二級が該当しないというならば、日本はこの條約をどう見ておりますか。
  35. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 現在この一級、二級と申しますのは、国際電気通信條約の無線通信規則の中で、一級についてはかくくの試験をやるべし、二級についてはかくくの試験をやるべしといつて項目をあげております。それにのつとりまして、国内でもそれを標準として試験を課しております。先ほど他の政府委員より答弁いたしたように、第二級につきましては、日本の無線電信運用上の伝統的な建前から見れば、国際削には第二級として通用しておりますけれども、国内的にはやや試験の程度が楽である。従つて資格の運用の上でもつて、独立しては長い航海の船には乗せない、伝統的に二級は独立して通信を国際的にはやれないのだ、こういう建前を電波法あるいはその前の無線電信法において伝統的にとつておるということは、きのうから申し上げておるところであります。
  36. 石川金次郎

    ○石川委員 今伝統的にという御説明でわかつたといたしまして、私はただ條文を見てまずきめて行きたいと思つております。何といつても話のできますのは條文でなければなりません。そういたしますと、この国際電気通信條約附属無線通信規則の第一級、第二級というのは、日本でやつておる第一級、第二級も同一なんだと読んで行かなければならぬのじやないですか。この国際條約そのものを見ますと、そう見なければ、何か日本における特例というものがこの條約の中に入つておらなければならないはずである。入つておらないところを見ると、やはわ国際條約にいうところの一級、二級というのは、日本における一級、二級である。そうして一級、二級である限り、日本も国際的に準ずるものだ、こう読まなければ、條約の方も読めないことになりはしませんか。
  37. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 お説の通りでございまして、現在国際的な免状の中には、日本では1免許状の内容を読み上げますと、附属通信規則に規定する第二級の無線電信通信士に該当することを証明する、こういう証明書を出しておるわけであります。しかし国内的の従事範囲については、各国が自国のオペレーターをどんなことにどういうふうに使うかということは各国の自由でありまして、そこまでは條約によつて拘束されない、こういうことであります。
  38. 石川金次郎

    ○石川委員 それでわかりました。ところで今度は電波法の第三條をごらん願いたいと思います。電波に関する條約だとおつしやいましたから、電波法の第三條によつて「電波に関し條約に別段の定があるときは、その規定による。」この規定が出て参ります。だから電波法を読みますにはこの條約が入つて来なければならぬ。この條約が入つて来ると、第二級というものは、この電波法できちんときまつて来る。そうなりはしませんか。そうなつて参りますと、あなた方が第二級でこうだというこの條文をこしらえることは、通るかというと、ちやんと国際的なもので二級がきまつて、その免状を出してしまつた。この国際條約の規約によつてきまつてしまつておるのでありますから、あなた方が何とこしらえようとも、三條によつて、條約に別段の定めがあるときにはその規定によるということになると、国際條約によつて二級というものは当然法的に資格を與えなければならぬということになりはしないか、こういうふうに解釈しないでよろしいのかということをお聞きしたい。
  39. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 ただいまのお話は、先ほど御指摘になりました五一一に書いております第一級または第二級無線電信通信士の証明書を持つております者は、船舶または航空機の無線電話局の業務を行うことができるということは、無線電信をやつておる者は無線電話もやることができる、こういうことを書いておるのでございます。それはともかくといたしまして、電波嵐第三條の、條約に別段の定めがあるときはこれによるという、今の御質問の趣旨は、別段の規定があればどうかということを読むことかと思いますが、電波法では、この中で二級のオペレーターについては一人では国際通信はやつてはいかぬのだ、こういうことを書いておりますことは、條約がそういう従事範囲をも指定するものではない。條約では二級のオペレーターについてはこういう試験をするということだけを書いておりまして、御指摘の点は無線電話のことで、上級の免状を持つた者はその下級の通信もできる。第一級、第二級の無線電信ができるくらいであるから、無線電話もできるのだ、こういうことを書いたものであります。従つてわれわれ解釈いたしますのに、條約に別段の規定があるといつても、これは電波法の中で従事範囲をきめたことまでも條約が左右するものではない、かように考えておるのであります。
  40. 石川金次郎

    ○石川委員 そこで五二の読み方でありますが、これは第一級または第二級無線電信通信士は船舶及び航空機の無線電話の業務を行うことができるとなつておりまして、一級も二級も電話の業務を行うことができるということでありますから、むろん電信の方も独立して行えるということを前提として書いておるのじやないですか。国際條約にそうあるのじやないですか。電信をやれる、従つて電話も独立してやれるのだ、こう書いてあるのだろうと思うのです。そう読んで行くほかない。特別規定があればそれを示していただきたい。そうするとこの三條の読み方は、何としても国際電波規約から二級も独立してやれるのだというふうに出て来るように見える。それでこの條約に加入しておる外国の二級通信士は、国際的にやつておるのですか、やつておらぬのですか、日本だけ制限しておるのですか、それをお伺いしておきたい。
  41. 野村義男

    ○野村(義)政府委員 お尋ねの外国でそういう制限をしておるかということは、今のところ判明しておりません。これはきのうも松井委員の御質問に対してお答えいたしましたが、日本のオペレーターは多くの外国のオペレーターと違いまして、ローマ字だけの通信ではなくて、アイウエオのかたかなの通信まで行わなければならない。多くの外国ではABCのモールス信号だけを覚えてそれを通信す為ばいい。ところが日本のオペーLターはかたかなの通信もしなければならない。さらに横文字の通信もしなければならないというので、外国のオペレーターよりも非常な負担の過重を来しておるわけであります。従つてかたかなの通信については相当熟達し得るわけでありますが、横文字の通信についてはそう熟達し得ない。従つてたとえばインド洋、アメリカ方面へ行きまして単独で外国を相手にして横文字の通信をすることはなかなかむずかしいことである。こういうことで無線電信ができて以来、日本では伝統的にそういうやり方をしておつて、伝統の上にそういうことを書いておるのです。これは国際條約の中でも従事範囲を制限するものではない。ただ二級の試験はこういうことをするの、だ。よそへ行つたときには、二級の資格は当然持つておるが、日本の国内事情において、日本の法律において制限をしておるのだ。この條件をやかましくするとかいうようなことは各国の随意で、ございましてこれ以上にもつと試験科目を課してもよろしいし、これは各国の随意であろう、こういうふうに考えておるわけであります。
  42. 石川金次郎

    ○石川委員 電波法の三條を読んで参りますと、「電波に関し條約に別段の定があるときは、その規定による。」といつておるのでありますから、日本の法律は條約をここに借りて来たのですね。ですからこのおつしやる規約もここに入つておる。規約が入りますと、今言つた五一一のきのう参考人が指摘しておられた、まだほかの條項もありますが、それらが入つて来て、二級も国際通信を行い得るということになつておる。そうするとこの国際通信を行うことができるという規定がやはり三條において入つて来なければならないのじやないか。もしもあなたのおつしやるようなことをやろうとするならば、この電波法の三條が生きておる限り困難ではないか。御改正にならないか。法律をどういうようにおやりになるか。これを生かしておいて、国際條約を否定して行くということは、この法律の行き方としてどうか。最近あなたの方から御提案になつた法律で、私どもに読めないものがたくさん出て参ります。それから今度の電波法ですか、これはずいぶんお聞きしなければならぬことが出て来ると思いますが、その点はどういうものでしようか。私が常識で読めないようなことがありますから、お教え願いたい。そういう意味でな、というならば、そういう意味でないということを御説明願いたい。
  43. 網島毅

    ○網島政府委員 現行電波法の第四十條におきまして、第二無線通信士の資格を「第一級無線通信士の指揮の下に行う国際通信のための無線設備の通信操作」ということになつております。この現行法は第三條の書き方を見ましても、現在の條約に違反するものではないというようにわれわれは思つております。
  44. 石川金次郎

    ○石川委員 そう来られると思つた。それをこしらえることが三條とどうかということを聞いておる。四十條があるから三條が生きるんだということでなくて、三條があるのにどうして四十條の第二級のところをこしらえ得るのかということをお聞きしたい。それが私にはわかりません。これを御説明くださいませんと、あとで裁判でも起りましたときに解釈に非常に困ると思います。
  45. 網島毅

    ○網島政府委員 その点私どもの解釈を申し上げます。ただいま御指摘になりました電波法の第三條は、電波法に記載してない部分及び電波法に記載してありましても、條約に特にその点に関しまして別段の定めがある場合には、その規定によるということでありまして、條約違反はやらないんだ、いわゆる憲法にいう條約優先の精神をここに生かしたわけであります。従いまして電波法におきましても、また私ども実際仕事をやる上におきましても、條約にきめたことに違反して仕事をしようということは考えておりません。  ところで条約にはいろいろな規定がございまするが、その條約の規定は、国際電気通信及び人命保全のための無線通信というものを、有効かつ的確にやつて行こうという精神でできておるわけであります。従つてこれら條約にきめられた條項は、各国が守らなければならない最低限の條項を書いておるわけであります。この無線通信士の問題に関しましては、先ほど来いろいろ御説明申し上げましたように、わが国の特殊事情がいろいろございます。従いまして二級通信士は国際通信をやつてもいいんだというように條約には書いてございますが、わが国ではそれに條件を付しまして、国際通信をやつてもいいのですが、わが国に関する限り、単独ではやらせないという原則をつくつたわけであります。すなわち言いかえますならば、国際條約より少し上まわつたきめ方をしているということでありまして、これは條約の違反はやつておらない、もう少しよけいな負担を国民にかけておるということになるかもしれませんけれども、これは先ほど申し上げておりますように、わが国の特殊事情に基くことでありまして、従来からいろいろ伝統がありまして、そういうやり方をやつておるのであります。決して條約違反をやつているのではない。従つて第三條の規定に違反しているのではない、こういうように御了承願いたいと思います。
  46. 石川金次郎

    ○石川委員 どうもなかなかちよつと了解しにくい点がございますが、せつかくの御説明ですからまずよいとして、これを実際にやらせておるなら、これはやはりいろいろ要望もございますから、そのように修正するようになるかどうかわかりませんが、やつてもさしつかえないのじやないでしようか、それをお聞きしたい。実際やらせておるのですから、私は法律概念についてあなた方と遊戯的に議論を闘わせるというのではなくして、それをやらせたらどうかということをお願いしたいからお聞きしているのです。
  47. 網島毅

    ○網島政府委員 ただいまのお尋ねの点に対しましては、私どもも過去二年間やつてみまして、第二級通信士にやらせてさしつかえないと現在考えております。従いまして今年の秋なり次の国会なりの機会に、御趣旨に沿うようにこれを改正した方がよいのじやないかと考えておるわけでございますが、今回は航空法案とか船舶安全法とかいう問題に限定したものですから、一応ここにはそういたしませんでした。次の機会にはぜひ御趣旨に沿うように改正したいと考えております。
  48. 松井政吉

    ○松井(政)委員 昨日からお伺いしておるのですがそれは法文の読み方です。専門家の読み方については石川さんが再度指摘したのですが、一点お聞きしておきたい点は、これをなぜあなた方の方で固執するかということです。またあなた方の方ではなぜわれわれがしつこく固執して質問するか、こういうことになるのですが、それは両方とも明瞭にならないからだと思うのです。これはひとつ明らかにしておいていただきたい。というのは、どうしてもわからない。電波法の第三條は石川さんとの間の質疑応答があつたのでございますが、国際電気通信條約付属の無線通信規則も一種の條約である。條約の一部である。そうすれば、憲法自体の規定からいつても、條約は優先するという規定が出て来る。條約に違反して国内法をつくることがよいか悪いかという議論にまで発展する問題になりはしませんか。そこで日本の場合は伝統的特殊事情があるというが、これがわからない。日本の第二級通信士の場合は、伝統で国際條約の條文の読み方通りの扱いができないのだ、こういうようにわれわれは答案解釈されてならない。その伝統的という伝統の内容、それからもし悪いものがあるなら、悪い伝統はこれを破らなければならぬ。しかも電波というものは日本の文化の最先端を行くべきものだ。だから悪い伝統なら破らなければならない。なぜその伝統というところに固執するか、一体伝統とは何をさしてお言いになるか。これをひとつ明らかにしておいていただきたい。
  49. 網島毅

    ○網島政府委員 先ほども申し上げましたように、電波法の第三條との関連は、重ねて御答弁申し上げますならば、條約は各国が守らなければならない最低限の規定である。従つてこの無線通信士の第上級の問題に関する限り、日本は條約を少し上まわつて規定している。従つて條約を上まわつて押えることは條約違反ではない。こう私どもは考えておるのであります。ところで、伝統的にどうしてそういうことをする必要があるのかという松井委員の御質問だと思いますが、御指摘のように伝統であつても、悪い伝統は逐次改正して行く方がよいと思います。しかしこういう考え方を何がゆえに日本がやつて来たかといいますと、日本は海難に対して過去数十年、昔から神経質であつたわけです。従つてより技術の優秀な者を遠洋航海に乗せる。少しでも船舶の安全が阻害されないようにという精神がありまして、熟練者を乗せる。すなわち程度の低い、国際條約の上からいえばやれるのだけれども、しかしまだ熟練脚十分ではないと思われるような第二級通信士には、独立してはやらせない方がよいという考え方から出た次第であります。しかしながら過去の経験をいろいろ調べてみまして、いや、もう日本の二級通信士でもりつぱに独立してやらせてよろしいということが明らかになりましたならば、そういう伝統的な考え方を改めることはさしつかえないと私どもは考えております。
  50. 石川金次郎

    ○石川委員 ちよつと委員長にお伺いしておきたいのですが、この條約は最低限なんです。だから国内法に持つて来て、最低限の條約の線さえ守れば、もつときびしくしたつていいのじやないか。この電波法の場合には、技術者がよければ安全であるからと言われるが、なるほどごもつともに聞えるのです。そこで私は考える。條約を守つて行かなければならないということ及び憲法であの規定をこしらえましたことが、逆に今度の技術者の方の権利という問題になる。ここから考えてみますと、国際條約できまつて来る、憲法もそれを認めるときまつた、第三條でもそれを認めることがきまつた、こうなりますと国民の方から言えば、権利が狭められて行くのです。この狭められて行くということは、やはりどうしても御注意をなさつてしかるべきでないか。委員長のおつしやいました御趣旨はよくわかる。わけるけれども、これからの立法の場合には、すでに世界的に獲得し得たところの人としての権利を狭めるということは、やはりお考えになつてしかるべきかと思われる。もつともお考えになるから、直すとおつしやつておりますから何ですが、考え方は少しどうかと思いますので、私も考えますから、委員長も立法の場合はお考えを願いたい。
  51. 網島毅

    ○網島政府委員 その御説はまことにごもつともだと私も思います。いわゆる基本的な人権と申しますか、人間の権利というものは、あくまでも守らなければいかぬ。従いまして今後改正の際にはそういう点は十分愼重に考慮して行きたいと思います。ただただいままでは船主協会あるいは船舶通信士方面から、この点に関して改正してほしいという希望は、表明されておりませんでした。しかし表明がなかつたからといつて、ほつたらかすことはよくないのでありまして、十分その点は考慮しております。
  52. 松井政吉

    ○松井(政)委員 大体時期の問題等について、多少の食い違いがあるだけで、考え方は同じ方向をたどつておると思うのです。そういうことは研究する必要がある。さらに考え方を同じゆうする必要があるという方向に向つて、お互いに研究しようということですから、いいと思うのですが、一番重要なことは、ここに一つの矛盾が出て来た。それはそれでよろしうございます。ところが警急自動受信機の設置をめぐつて一つの心配が出て来た。要は、今おつしやつたように、国際條約並びに日本の憲法、電波法の三條、こういう形で守られて行かなければならない。それについてはやはり人権等を守らなければならない。一方においては、まだ二級通信士には、日本の伝統から見まして、やはり無理なような面があるので、これは先ほど長谷政府委員も試験制度等も十分勘案研究してみたい、こうはつきりおつしやつた。ところがその考え方と逆なものが出て来た。警動受信機をつけることによつて、人権を重んじ、通信士の技術をより練磨させて取上げようということとは逆に、二級通信士はいらなくなる。これはあなた方の考え方じやない。これは法律からよつて起つて来る船舶経営者と従業員との関係になるかもしれませんが、そこにこの法律から今後起つて来るであろう考え方とは反する行動が出て来るのです。そこでわれわれは、人権を重んずるならば、二級通信士の資格を厳格にするごとについては反対するものではない。反対するものじやないけれども、人権尊重の建前から行けば、身分の保障と生活の安定は確保してやらなければいかぬ。この法律を改正するたびに身分が保障されなかつたり、一々首を切られたりしておつたんでは、これはとてもたまつたものではない。そこに相反する矛盾が出て来ている。それを御考慮になつたかということをきのう私も質問したんですが、考慮したが、その点については次の段階において電波法全体の改正のときに考えてみたいという御答弁もあつたように聞いているんです。聞いているんですが、今この改正をやると、すぐそういうものが出て来る。この点については矛盾な現象が起きないという自信をお持ちですか。
  53. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 この点につきましては、先ほど橋本委員から御指摘があつたのでありますが、今回の電波法の改正によりまして従来の聽守時間よりも聽守しなければいかぬ時間がふえることになりました。これは海上における人命の安全の條約の趣旨に基いて、聽守時間がふえることになりました。このふえた部分は警急自動受信機を使つてもよろしい。もちろん通信士をふやして聽守をされてもかまわないということは、国際條約によつてもはつきりうたつておりますが、やはり警急自動受信機も使用できるという道を開く、こういうことでございます。従つて結果的に申し上げますと、現在の船舶局における通信士の配置員数が減るというようなことは起らないわけであります。従つて現在義務づけられている聽守時間なり運用時間を、完全に履行するために必要とする人数の通信士が乗せられております。その時間は減るということはないわけであります。言葉をかえて申しますと、警急自動受信機によつてその時間が食われるということはないと存じます。プラスの部分の時間を警急自動受信機で聽守してもよろしいし人間を増加して、そこをカバーしてもよろしい、こういうことでございますので、ただいま御心配のような減員というようなことは起らないと思います。
  54. 松井政吉

    ○松井(政)委員 もう一点だけ明らかにしておいていただきたいのですが、もちろんそういうような身分上の問題、職務上の問題、それから雇用関係の問題は、電波監理委員会の行政の範囲ではないのです。ないのですが、昨日の参考人の意見でも、近海第一区の問題は、船主協会も通信士協会の方も大体において一致している。内容は多少違いますが、区域の問題については一致している。ところが真正面から食い違つている問題は、これが食い違つているのです。船主協会の方は、アメリカの場合はやはり一名だ、アメリカの一に対して日本は通信士は三だ、こう言つている。従つて警急自動受信機をつければ、アメリカのような形になる。しかもアメリカはそれで日本の船舶ほど警急自動受信機をつけた船は事故が起きない、こうおつしやる。ところが逆に今度は通信士協会の方の参考意見は、要するに近海航路の場合は、特に警急自動受信機のみにたよることは最も危険である、しかも警急自働受信機が――私は直門的なことはわかりませんよ。わかりませんが、それが活動しているときには、他の通信は停止される場合もある。従つて機械にたよるか、耳にたよるかということになれば、近海航路こそ伝統的特殊事情から、通信士は必要である、こういう御意見も出ている。ここが国際條約とまつたく真正面から食い違つて来るのです。そこで私はきのうの質問の冒頭に言いましたが、法律的技術としての考え方もさることながら、船の安全と人命の安全を確保するためにどうしたらいいかということが、現実の問題としてこの法律に出て来るということを前提としてきのうお伺いをしたのです。従つてそういう問題についてすでにこの法律をめぐつて両者の食い違つた意見が出て来ている。だからそういう点を考えれば、労働問題は管轄ではないけれども、そういう問題の起らないような方法だけは講じておくことが国家のためだと思います。そこできのうの船主協会の方の参考意見にも、警急自動受信機をつける、それから設置した場合、設置しない場合等を勘案しての経過措置がないという二とを指摘しております。経過措置の点を十分勘案しても、要するにあなた方が理想とする資格と、理想とする技術とを二級通信士が確保するまでの間は、立法的に措置できるもだのと思います。そうすれば船主側の考え方と、通信士協会の考え方とを取入れて、電波監理委員会の方が認められ得る資格、安心でき得る試験経過、それまでの間の経過措置でも牧拾できる問題が立法的に出て来るというふうにわれわれは考えるのです。そういうこともお考えになつてこの改正がなされたのであるかどうか、そういうことは参考意見を聞いて初めて起つた問題だから、今後そういうことも十分研究してみようというお考えであるか、そうでなくすでに研究をして、これをさしつかえないとしてつくつたのであるか、この点をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
  55. 長谷慎一

    ○長谷政府委員 ただいま御質問の点は一々ごもつともの点で、ございまして昨日でしたか私どもの方から御説明申し上げましたように、直接あるいは関接に船主側の御意見あるいは通信上側の御意見も聞き、あるいはこの方面の主管庁である運輸省とも密接に連絡をとつているく研究して参りました結果、現在のところでは当分この線で行くのは無理ではなかろうというところにおちついた線でございます。もちろん昨日の参考人の方々の御意見にもございましたように、船主側がら見ればいろいろ御覧もりましようし、また通信士協会としての立場から見られると、昨日の御発言のような御希望なり御意見もあるようでございます。私どももその点を承知いたしております。この問題は警急自動信号機がはたしてどれだけの性能を持ち、どれだけの安全性、確実性があるかという問題にかかつて行く。しかも従来通信士がかかつておつたのを、一気に警急自動信号機で代替していいのかということにかかるわけであります。御説明申し上げる機会がなかつたかと存じますが現在のところでは日本において電波監理委員会が厳重な技術的な試験をいたしまして、型式検定の済んだものでなければ載せてはいかぬということにいたしております。しかもその型式検定に合格いたしましたのは現在一件しかございません。しかもそれの実用の結果はまだわからない状態でございますから、警急自動信号機とオペレーターの人の数との関係は、将来実績を見、各方面の御意見を聞いて考慮して行きたいと考えております。なお現在におきましては警急自動受信機については問題がございますので、新しい條約に基いてプラスになる部分だけを当分はとりあえず人を望まれるかと思いますが、條約の線に沿うて機械によつてその間聽守してもよろしいというような二本建の形をとつたわけであります。
  56. 松井政吉

    ○松井(政)委員 これは直接法律には関係ございませんが、今度の行政機構改革では電波監理委員会は、国会を通過すればなくなつて郵政省に移る。従つてこの法律は直接行政機構改革には関連がないと思いまするが、関連があるならばある、ないならばないとおつしやつていただきたい。もう一つお答え願いたいのは、要するに船主側の御意見、それから通信士協会側の御意見並びに與党、野党からただいままで質問をした内容、これらを要約すれば、大体條文にして四つ、内容にして六つだと思います。これをなぜこうわれわれがしつこく言うかというと、やはりどうしても機構改革と関連して来る。あなた方のところで今国会における改正とともに処理して行つてもらえば、内容は来年の五月までの期間のものもあるけれども、われわれは安心だ、これははつきり言う。あなた方は、全般的に考えなければいかぬから、その時期でもよろしいのじやないか、その間に十分研究して御趣旨に沿うようにしたい、こうおつしやるのだが、一体責任事項は機構改革になつてあなた自身が引継ぐわけのものであるかどうかということは、われわれもわからない。あなた方もあるいはおわかりになつている人もあるかもしれないが、おわかりにならない人もあるでしよう。だから今国会に改正案を出したついでに、やはり論議の焦点になつているところは、今国会において修正なり、国会の扱いによつては改正案をあなた方の方で付して来てもよろしいし、われわれの方で修正してもよろしいが、そうやつておきたいという希望を持つから論議をしている。この点についてひとつお答え願いたい。
  57. 網島毅

    ○網島政府委員 ただいま御審議願つている改正の内容につきましては、設置法の改正と関係ございません。但し形式的には、これは先般御説明申し上げたと思いまするが、海上の安全に関する部分は今年の秋の、條約に日本が加入してからの問題になりますので、その部分について出る規則は郵政省令というような形をとるかと思います。従つて形式的には多少関係がありますが、内容的には関係ありません。  それから今御指摘の第二の問題でございますが、私どもはかりに今次の行政機構改革によりまして委員会がなくなりましても、亥にあとを引継いだ郵政省の方ではやはり公正な立場から各方面の意見を聞いて、その点は万遺漏ない解決をしてくださるものと考えている次第であります。そういう意味合いから私どもは不安を持つておらない次第であります。     ―――――――――――――
  58. 田中重彌

    ○田中委員長 お諮りをいたします。ただいま審査中の有線電気通信法案及び公衆電気通信法案は、ともにわが国電気通信事業の最も基本的な法大系でありまして、いわゆる一般的な関心を有する重大な法案であります。従いまして来る十九日午前十時より両案について参考人の意見を聽取いたし、その審査の参考に資したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 田中重彌

    ○田中委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  なお参考人の選定につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 田中重彌

    ○田中委員長 御異議なければさように決します。  本日はこの程度にとどめ、次会は明十三日午後一時より開会をすることとし、これにて散会いたします。     午後四時一分散会