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1952-04-22 第13回国会 衆議院 通商産業委員会 27号 公式Web版

  1. 昭和二十七年四月二十二日(火曜日)     午前十時五十五分開議  出席委員    委員長 中村 純一君    理事 多武良哲三君 理事 中村 幸八君    理事 今澄  勇君       江田斗米吉君    小川 平二君       神田  博君    小金 義照君       永井 要造君    福田  一君       高橋清治郎君    加藤 鐐造君       風早八十二君  出席政府委員         大蔵事務官         (銀行局総務課         長)      福田 久男君         特許庁長官   岡田 秀男君         中小企業庁長官 小笠 公韶君  委員外の出席者         専  門  員 谷崎  明君         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案  (内閣提出第一〇一号)  特許法の一部を改正する法律案(内閣提出第一  六八号)     ―――――――――――――
  2. 中村純一

    ○中村委員長 これより会議を開きます。 本日はまず特許法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますから、これを許します。風早八十二君。
  3. 風早八十二

    ○風早委員 特許法の一部改正案によりまして、相互主義で外国人に対して、特許権等に関する権利の享有を認めるという規定が出ておるのでありますが、相互主義といえば非常に聞えはいいのでありますが、実際において日本と外国といつても、事実上は航空に関する限りは、アメリカが問題になると思う。アメリカとの間にどういう実際関係があるかということは、もはやくどくどしく言うまでもなく明らかであると思います。ことに今度の平和條約、安全保障條約並びに行政協定によつて、日米のきわめて不平等な国際関係というものが、これでむしろ確立されたといつてよい実情なのであります。ことに航空機については、アメリカ航空機は日本の領空に対しても自由に、まつたく無制限に出入りできる、こういう規定が行政協定でとりきめられておる。日本の制海権も同様でありますが、制空権も事実上はないし、また法規上つまり国際的なとりきめ上、日本の制空権は、少くもアメリカ航空機に対しては放棄した、こういう実情になつておるのであります。その際実際上特許権の讓歩あるいは放棄というような事態が適用せられるのは、アメリカ空軍に対して、あるいはアメリカの航空機に対してだけでありまして、日本の側から同じような権利の放棄を要求する場合というのは、きわめて少いというよりも、現在考えられない状態であると思います。そういう際に、相互主義によつて、相互に外国人に対する特許権の放棄をやるといつても、これは事実上日本だけが権利の放棄をやつて、向うはそういう放棄の場合というものがまつたくないと言つてよい非常な不平等なものではないか、こう考えられるのであります。この点については、立案者において一体どういうお考えであるか、またどういう根拠によつてこれを出さんとしておられるのであるか、これらの点を御答弁願いたいと思います。
  4. 岡田秀男

    ○岡田(秀)政府委員 ただいまお手元に御審議をお願いいたしております特許関係の一部改正の中の航空機に関する御質問だつたと思うのでございますが、この航空機の関係につきましては、今度の平和條約の第十三條によりまして、わが国は国際民間航空條約に加入する以前におきましても、この航空條約の規定を実施せねばならぬという義務を負つておるのであります。そして最も近い機会にこの国際民間航空條約に加入することになつておるのであります。従いまして條約に加入してしまいますれば、特許法の規定によりまして、当然にこの條約の内容がわが国にも適用されるのでございまするが、その條約に加入する前の過渡的な措置といたしまして、この法律の改正を立案いたした次第でございます。  その趣旨といたしますところは、わが国に民間航空として入つて来ておりますのは、アメリカ、イギリス、オランダあるいはスエーデン等、各国の民間航空がございまするが、その飛行機あるいはその部品等につきまして、わが国の国民が特許を持つており、その特許に触れるようなことがございましても、これを差押えるというふうな措置をいたさないという趣旨でございまして、これは世界各国と申してもよろしいくらい、国際民間航空條約に加入しております国においてはすべて認めておる状態なのであります。現在のところわが国といたしましては、国外に民間航空をやつておりませんので、さしあたりわが国が他の国から同様の取扱いを受けるということはないかもしれませんが、行く行くわが国の飛行機が他の国の上空を飛ぶという事態になりますれば、同様の取扱いを受けるわけでございます。この改正を立案いたしました趣旨は、さようなことであります。
  5. 風早八十二

    ○風早委員 今の御答弁でもすでに明らかなように、事航空機の問題に関してはその前提になる実情がきわめてこれは平等対等ではない。日本の方からは一体いつ外国の空を飛行機が飛ぶかということは、これはまつたく予想できないことなんでありまして、そういう実情で相互主義というきわめて美しい名前で実質上は非常な不平等な関係になるということは、これは立案者においてもはつきり承認せられることと思いますが、この点はどうですか。
  6. 岡田秀男

    ○岡田(秀)政府委員 この法律の建前から言いますれば、決して不平等ではないのでありまして、ただわが国が事実上外国に飛行機を飛ばす組織をまだ持つておらぬという事実だけでありまして、一日も早くわが国の飛行機が外国へ飛ぶような事態になつてくれることを希望する次第であります。
  7. 風早八十二

    ○風早委員 これは一日でも早くと言われますが、そういうことが実際上の予想によつて判断されなければこれはただ名目だけのことであつて、ことに相互主義というような名前で、しかも実質上の不平等が行われるということは、これはきわめて不当な関係であろうと考える。これは平和の名において平和條約というものが、事業は安全保障條約というものを日本に押しつけるものである。またその安全保障條約が安全保障の名において事実はやはり日本をアメリカの対アジア作戦の足場にして行く、こういうふうにすべての名目は美しいのであるけれども、実質はそれとまつたく相反した関係を事実上樹立しようというところにねらいがある。結局アメリカの航空といいましても、今日ほとんど全部に近いものはアメリカの空軍なのであります。アメリカの陸海空軍が日本の空を自由に飛ぶ、それに関連するあらゆる便宜を日本に供與させようというだけの一方的なこれは利害関係を日本に押しつけるものであるとしか考えられない。こういつたような場合に、特に相互主義によつてというようなことをつけられることに対しては、はなはだこれはわれわれは解しかねるわけであります。こういうような法案の提出というものは、これはやはり日本の国民、日本の主権というものを愚弄するというか、事実上これは無視したやり方ではないか、こう考えられるわけであります。われわれはこういうふうな法案の根本的な精神が平和條約なり、また安全保障條約なり、さらに今回の行政協定、こういうものに準拠しておるということを知るに及んで、ますますその感を深くするのであります。こういう点については、われわれとしてはこの法案の提出というものは当然これは見合わして、真に日本が対等、平等な事実関係に立つた場合に、初めて名実ともに相互主義によつて、お互いにその便宜をはかるという関係を法律的にも樹立するということが正しいと思うのでありますが、そういう点は提案者はどういうお考えですか。
  8. 岡田秀男

    ○岡田(秀)政府委員 この航空機の関係につきましては、相互主義というよりは、国際民間航空條約に入る前提でございまして、わが国といたしましても、アメリカ、イギリスあるいはオランダ、スエーデン等の飛行機がわが国に来ておりますことによりまして大いに便益を得ておるわけでございますから、国際民間航空條約に加入するということも、平和條約で入らねばならぬことになつておりますし、今度御提案申し上げておりますのは、條約に加入するまでの過渡的措置でございます。相互主義の美名のもとに云々というふうな事柄ではございませんで、国際的な民間航空が円滑に行くということのために、各国でやつております事柄をわが国においても採用してやつて行こうというわけでございまするので、日本として非常に不利益をこうむるという事柄ではないように考えるのであります。
  9. 風早八十二

    ○風早委員 国際民間航空條約に加入するということ自身も、その前提になる日本の民間航空が発達し、また外国にも自由に飛べるという実情が出て来た場合に初めて條約加入という問題も具体的に起るべき問題であつて、條約加入までと言われますが、その條約加入ということがはなはだそれ自身問題であると考えるわけです。しかしここでなお念を押しておきたいのですが、民間航空條約に加入するまでの過渡的な措置と言われますが、実際上今日本の空を飛んでおる航空機というのはアメリカの空軍なのです。この空軍に対しては無條件で、これらの特許も何もない。その空軍がいろいろな故障を起す、あるいは部品の修理をやる、しかも日本の修理工場において修理をやる。そういう場合にその部品につきましても、日本の側で特許権を持つておるにもかかわらず、これを主張することは全然できない。これに対して特許権の侵害を訴えることもできない。この点は、空軍に対しては無條件に日本が負わされておる一方的な非常な犠牲であると考えられるわけです。その点は明らかであると思いますがどうですか。
  10. 岡田秀男

    ○岡田(秀)政府委員 アメリカの軍用機につきましては、行政協定等別途のとりきめに基くものでございまして、ただいま御審議をお願いいたしておりますのは、民間航空機の関係でございます。
  11. 風早八十二

    ○風早委員 つまり今のお答えは、実質上今日本の空を飛んでおる大多数の外国航空機、言いかえれば米空軍に対しては、無條件に日本の特許権の主張というものを放棄しなければならぬという点は明らかであるということを別の言葉で言われたものだと思います。なおその他のアメリカ民間航空についても同様な特権をこれに與えるということがこの法案の趣旨であるというように私は理解して、この質問はこの一点で終りたいと思います。
  12. 中村純一

    ○中村委員長 他に御質疑はありませんか。――他に御質疑がなければ、これより討論に入りたいと存じますが、討論はこれを省略いたし、ただちに採決に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 中村純一

    ○中村委員長 御異議なければ討論を省略いたし採決に入ります。本案に賛成の方の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  14. 中村純一

    ○中村委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なおこの際お諮りいたします。ただいま議決いたしました議案に関する委員会報告書作成の件につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 中村純一

    ○中村委員長 御異議なければさようとりはからいます。     ―――――――――――――
  16. 中村純一

    ○中村委員長 次に中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたし、質疑に入ります。質疑の通告がありますからこれを許します。今澄勇君。
  17. 今澄勇

    ○今澄委員 この中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案について、この前の国会においても一部を直し、今度の国会においても、今まで非常に問題となつておりました数々の点が修正せられ、これによつて中小業者が非常に便益を受けるであろうということを私は率直に喜ぶものであります。しかしながら、この中小企業等協同組合法という法律を通ずる大きな問題が常にないがしろになつているということについてはまことに残念であります。当初中小企業等協同組合法を中小企業庁が立案いたして第五国会へ提案したときには、この中小企業等協働組合法の中で、事業協同組合に預金のいわゆる信用業務を許し、それからもう一つは、保険協同組合を結成せしめていわゆる保険事業をもこれにやらせるというような基本的な構想がこの中小企業等協同組合法に盛られておつたことは御承知の通りであります。しかるにこれらの基本的な構想はときの国会においていろいろな方面から反撃を受け、遂にこれが修正をせられ、保險協同組合の削除となり、あるいは事業協同組合の信用業務をやらせないで、いうところの信用協同組合に市街地信用組合を含める等の結果となつて今日に及んでおるのであります。これらの中小企業等協同組合法を貫く根本的なものの考え方、そうして、それらの根本的なものの考え方が今度の改正案に織り込まれなかつた理由、並びに、将来に対する中小企業庁長官の見通しなり抱負をこの際まず承つておきたいと思います。
  18. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。お尋ねの、三年ほど前の国会で御審議願いましたときに、事業協同組合の事業の一つとして預金の受入れの問題が規定されておつたというお話でございますが、その点は当初の原案にも実はなかつたのであります。第二の保險協同組合につきましては、御指摘の通りの経緯で今日まで及んでおるのであります。中小企業の現状から申し上げますと、中小企業ができるだけ多数集まつて、そこに相互扶助の精神をとり、強い力をつくつて行く。こういう必要がございますから、そういうことが協同組合の一つの大きなねらいだと実は思うのであります。そういたしますれば、そのなし得る事業の範囲というものをあまり制限しない方が実際上効果が出て来ると率直に言えると思うのであります。当初信用事業の中で貸付だけを認めて預金の受入れを認めなかつたというのは、今になつて申し上げることは恐縮でありますが、当時関係筋との折衝におきまして、預金の受入れ、貸付もやり、一方において共同事業をやる。たとえば共同購入をやり、共同保管をやるという場合に、組合の運営を不健全にしやしないかということを考えまして、われわれの考え方が実は通らなかつたのであります。こういうような事情に相なつておるのであります。ところがその後組合法が施行いたされましてからの経験から考えますと、私どもの考え方としては、現状の中小企業の実態から見ますると、大きな金融的な預金をし得る余地はあまりないのであります。しかとながら預金を小さな範囲において認めることによつていろいろな事業の補強策になるということは、明らかに私は言い得ると思うのであります。そういう考え方から事業協同組合の金融事業の中に預金の受入れをできるようにしたいというのが私の念願であります。しかしながらどの程度に預金の受入れを認めるかという点につきましては、政府部内におきまして意見の一致を見ておりませんので、実は結論を出すのを  延ばしておる状況であるのでありますが、私はできるだけすみやかに結論を得て、そういうふうな制度の立案を希望する一人であります。  第二の保險協同組合の問題につきましては、これは個人的な意見になるかと思うのでありますが、今日の中小企業の付保の状況から考えまして、保險協同組合という制度はあつた方がいいんじやないかという考え方を実は持つておるのであります。しかしながらこの問題につきましては、現在の保險業法との関係その他の調整を要して相当問題がありますほかに、いろいろ今後の研究にまたなければならぬところがありますので、その結論を出すのが容易でなかつたというような事情で問題を特に残しておるのが現状の姿でございます。しかしこれはできるだけ早い機会に解決した方がいいんじやないかと考えておる次第でございます。今回の改正は、御指摘の通り組合法施行以来約三年の間におきましていろいろ問題のあつた点、特に不便であつた点をできるだけ改正するということに重点を置いて改正いたしましたが、組合制度特に日本の中小企業の実態に即してより便利な組合法の改正という問題は、なお検討を要するところがたくさんあると考えておるわけであります。
  19. 今澄勇

    ○今澄委員 ただいまの長官の御説明で、この中小企業等協同組合法の一部改正法律案のねらつておる趣旨の点はよくわかりました。今の信用協同組合と事業協同組合の預金取扱いの問題に関連して、今当面する中小企業の一番大きな問題は、なるほど政府の預託金を五十億中小企業へまわすというても、国民金融公庫という大蔵省所管の国家機関がある。半官半民の協会になつている商工組合中央金庫、コマーシヤル・ベースに乘る相互銀行あるいは信用金庫法による信用金庫の設立、府県知事の認可によるところの中小企業等協同組合法に認められた信用協同組合がある。このような中小企業金融機関の雑然たる並び方では私は中小企業と国家資金との間をつなぐところの毛細血管の整然とした役割を果していないと思うのであります。中小企業庁においては、これらの中小企業金融機関の整備、統合、強化というか、あるいはこれを体系別にどういうふうに整えるか、あるいは国民金融公庫と商工中金との職能的な差異をつけるとか、あるいはその他のコマーシヤル・ベースに乘るものはこういうふうにするとか、何か中小企業庁としての抱負がおありであるならば、この際一言御説明をしていただきたいと思います。
  20. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 中小企業金融の系統化と申しますか、組織の整備についての考え方でございますが、私はまだ系統的な考え方を熟して持つておらないのであります。しかしながら現在の中小企業金融の問題は、御指摘の通りいろいろな制度が雑然といたしておるのでありまするが、中小企業金融の中で今日最も要請されておりまするのは、中小企業にできるだけ安定した資金を供給してやることだと思うのであります。短期の資金では金融機関としても非常に扱いにくいし、借りた方といたしましてもまた利用価値が少いということは、偽らざる事実と思うのであります。従いまして中小企業に対する金融問題は、量の問題のほかに質の問題が非常に大事であると考えておるのであります。今日長期の安定いした資金が得られないために、中小企業の店主というものは、銀行その他の手形の書きかえにほとんど寧日ないというのも、これまた事実であると思うのであります。そこで安定した資金を供給して行くということ、できればその量をふやして行くということに中小企業金融の重点は指向されなければならないと思うのであります。そういうふうな見地から考えますと、今日の制度はまだ非常に不十分であるということが言えるのであります。そこで中小企業の立場からのみ考えますと、中小企業に安定した資金源をどうして確保するかという問題になつて来るのであります。これには債券の問題もございましよう。いろいろの問題もございましようが、大きくいつてやはり財政的な性質を持つた資金に依存せざるを得ないと思うのであります。そういたしまして商工中金であるとかあるいは別に何らかの中小企業金融の特別の組織機関をつくつてもけつこうでありまするが、ともかくもそういう組織を通じて流して行くという形をどうしてもとらなければいかぬと思うのであります。特に今日の中小企業の金融の大部分は、市中金融機関によつて行われておるのでありまするが、金融機関、特に銀行の協力を得ることが非常に緊要でありまするが、今申し上げましたように長期の資金を出して行くという上におきまして、政策的にその点を強く推進して参らなければならぬと考えておるわけであります。その一つの方法として先ほど申し上げましたように現在商工中金という制度がございまするが、この制度をもう少し長期資金供給の一つのセンターとして行くという方向で検討を加えることによつて、実際上新しい組織をつくらずに行けるのではないかと考えておる次第であります。特に商工中金と国民金融公庫の関係におきましては、いろいろ御意見もあるようでありまするが、日本の今日の状況から申しますると、零細金融――十万、五万というふうな少額金融をやるには、どうしても採算ベースでなしに、政府の経費においてやつて行く、こういうような意味において国民金融公庫のような全額政府で持つておる組織は、零細金融に専念させ、そうしていわゆる事業金融は商工中金のような組織をもう少し整備して行つた方が、より分野がはつきりしていいのではないかと考えておるわけでございます。
  21. 今澄勇

    ○今澄委員 大体今度の行政機構改革の原案を見ても、中小企業庁を内局に入れるというその案の骨子なるものは、まことに現下の日本の中小企業行政の上から見ても時代錯誤もはなはだしいものである。私どもは中小企業庁の拡充強化を希望し、できれば中小企業庁が、いわゆるその管下に収めておるところの金融機関というものを認め、そして将来もし再び発券制度のごとき統制が復活する際においては、物資の発券権限をも中小企業庁にある程度與えて行くというような方式によつて、現実に中小企業者を守らなければなるまい、こういうような考え方を持つておるのでありますが、これらの中小企業庁の機構整備その他の問題について、長官として何か御意見がございましたならばひとつ承つておきたいと思います。
  22. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。ただいまの御質問の問題は、私、政府の一職員でありますので、非常にお答えしにくいのでありますが、率直に申し上げまして、中小企業行政というものを預かつた経験から申しますると、ともすれば弱くなるといいますか、あとまわしになるという感を私、は禁じ得ないのであります。そこでこれは、一つは中小企業者の側におきまする力が弱い、まとまりが悪いということが、私は一つの原因だと思うのであります。このまとまりにくいというのは、中小企業の一つの性格でもあると実は思うのであります。そういうような点から見て、これを代弁するより刀の強いものが、中小企業の立場を少しずつでも向上させる一つの方便だというふうに、実は私は考えておるわけであります。
  23. 今澄勇

    ○今澄委員 そこで私は、それらの資材と金融を通ずる中小企業行政の面から見て、当面する中小企業等協同組合の改正よりも、われわれがねらいとするところのものは、現在銀行が行つておる中小企業の貸出しは、その総貸出しの中の大体二割七、八分になつておりますが、これらの銀行貸出しというものは非常に峻烈なる引揚げあるいは嚴重なる審査等々の考え方から、とても将来不安を持つておる中小企業の金融を救うことはできません。そこで吉田内閣は、かつて過ぐる昭和二十二年の総選挙において、中小企業の当面の金融打開の、国民への大きな公約として、まず第一番は、国家的な中小企業金融金庫の設立と、第二番は、中小企業の危險を保障するところの中小信用保險制度の確立を叫んで選挙を終り、今日に至るまで約四年に近い日子を経過しておるのであります。その間においてできておるものは、中小企業金融機関については約束は全然これを無視せられまして、いわゆる中小企業金融金庫というものについては、計画はされたけれども、実行は何ら見なかつた。信用保証制度については、現在の市中でやつておりまするいわゆる信用保証協会等の任意措置を含めても、現在の信用保險制度というものが中小業者の危険を救うてこれが金融を円滑にする大きな力になつておるとは思われないのであります。そこで私は、少くとも中小企業のこういうような新しい国家機関をつくつて、そのもとに国民金融公庫の仕事の分野は、これは損失をも国家が補償するような意味合いにおいて、この国民金融公庫というものは、零細金融並びに不動産的なものの取扱いもいたしまして、この国民金融公庫というものが一つの分野を持つ、あるいは商工組合中央金庫は、直接の貸出しは事業協同組合なり、その他中小企業等協同組合に認められた組合並びにその組合員とするけれども、その他の金融の部面については新分野をひとつ広げて、あるいはトンネル機関その他を通じて、信用協同組合をその窓口に並列するとか、あるいは相互銀行、信用金庫については別途の手段を講じて、それらのものを新しくできた中小企業金融金庫が統括をして、その全般的な危険についてはこれが保障の責任的な機関になるというような体系を整備せしめ、そうして今言つた資材の面においても、その他の面においても、大きく中小企業庁の機能を増進せしめて、行政的な面から、自覚の乏しい、団結の弱い中小業者のこれらの問題を解決して行くという方向へ進まなければならぬのであるけれども、そういう根本的な中小企業対策への熱情というものが、現在の政府において欠けておるということは、まことに私は遺憾に思うのであります。  そうしてもう一つの質問は、この中小企業金融というものを、今私が述べたような考え方も一つの考え方であるが、そういう新しい中小企業金融金庫的な、かつて自由党が公約したごとき金融機関を設立する必要があるかどうか。もしその設立の必要がなければ、何をもつてこれに充てるのか。しからば設立をするとすれば、その下に並べるべき金融機関の配列等と銀行の貸出しとの関係、いわゆる銀行の中小企業窓口をどのように整備すべきものであるかという点について、大蔵省には別の機会に承つておるのでありまするが、中小企業庁長官としてのひとつ率直なる御見解を承つておきたいと思います。
  24. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。ただいまお話の中小企業の金融制度の整備の問題でございますが、まず第一に中小企業の金融のうちで運転資金的な短期の資金の問題は、どういうところから流して行くか、こういうことが一つ考えられねばならぬと思うのであります。私から申し上げるまでもなく、量的には市中金融機関から圧倒的な多額が中小企業へ流れておるわけであります。従いまして短期資金につきましては、なるべく既存の金融機関を中心に動かして行くという方向がいいのではなかろうかと思うのであります。ただ、短期資金の中でも特別の場合、特に中小企業の実態から見て採算ベースに乘りにくいというふうな場合が実は起り得るのであります。そういうふうな場合に、政策的に流さなければならぬ短期資金も当然予想されるのであります。そういうふうなものにつきましては、何かそのときどきの実情に応じて流させるということを考えていいのではないかと私は思うのであります。長期の資金、特に設備資金というふうなものに相なりますと、これをどういうふうなトンネルといいますか、といをつくつて流して行くかということに相なるのでありますが、この点につきましては、先ほどちよつとお答え申し上げましたように、資金源がどういうところから来るかということに関連してまた考えなければならぬと思うのであります。新しい組織、新しい金融機関をつくるということは、なるべく避けた方がいいのではないかと思うのでありますが、その点から申しますと、中小企業の長期資金を重点的に考えて行く一つの組織として商工中金の整備強化の問題が一つあると思うのであります。  もう一つは、零細金融というふうな特殊金融部門、特に少額な金融で割賦弁済することを適当とするようなものにつきましては、国民金融公庫的なものを中心に扱つて行くという方が適当ではないかと思うのであります。特に不動産金融、動産担保金融、中小金融の問題につきましては、これはどういう形で持つて行くのがいいのか。最近よく言われておりますような長期信用金庫というふうな形を別につくつた方がいいのか、あるいは既存の金融機関にそういう業務をあわせ行わせた方がいいのか、これは検討を要する問題があると思うのであります。ただ、みずから貸付融通の衝に当らないといつても、資金源を確保して行く一つのプールをつくつて行く、たとえば中小企業の金融金庫あるいは中小企業の特別会計等をつくつて行くというふうなことも、資金源の確保の方法と関連させて今後十分に検討をして行くべき問題であるというふうに考えておる次第であります。
  25. 今澄勇

    ○今澄委員 もつと具体的な御方針があれば聞きたいと思いましたけれども、大体金融機関の問題については、この程度にいたしましよう。  そこで私はもう一つ長官にお聞きしなければならないことは、昨年来中小企業の全国的な統合を中小企業庁においていろいろと企画、検討せられて、あるいはそういう全国的中小企業者の団体にするような法律も出そうという雲行きにまでなつていたように私どもは伺つておるのでありますが、その後これらの問題が急にすつかり声がなくなつたのであるが、そういう全国的な中小業者の一つの団体をつくり、さらに国家がこれにある程度の援助をするというような考え方、そういう全国的団体、これは官製になるきらいがあるが、努力をされておつたのを急にやめられたというのは、その間にどういう事情があるのか、これをひとつお聞きをしたいと思います。
  26. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。その問題は実は私どもの考え方といたしましては、中小企業の団体のまとまりをつくりたいという希望を持ちまして、若干考えたことがあるのであります。ところが地域的な割拠主義が出て参りまして、東京は東京で、大阪は大阪でということが出まして、なかなかそれらのまとまりがつかないというか、わずらわしさが出て参つたのであります。そこで冷却期間として、しばらく見送るということで今日まで至つておるというのが真相でございます。考え方といたしまして、まとめた一つの大きな力をつくりたい、こういうふうな考え方を相かわらず持つておる次第であります。
  27. 今澄勇

    ○今澄委員 この問題もあまり深く追究をしますまい。私は将来やはりこれは議員立法でわれわれの方が出すべきだと思つておりまするが、中小企業者の全国的な一つの団体、あるいは都道府県を中心とする団体、それらの一定の規格の條件のものについては、財政的な国家援助あるいは地方財政からの援助というような公共社会的な色彩を含めて、これらの中小企業団体の啓蒙、啓発、宣伝にひとつ努力をするとともに、大きく中小業者が団結して行くような一つの気風をつくりたい、かように考えておりますが、そういつたような問題に対する企業庁長官の今後の御見解について、われわれと同感であるか、あるいは別途また法律の提出の用意でもあるのか、ひとつ確実なところをお聞きしておきたいと思います。
  28. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。考え方といたしまして、私は同じような線を実は考えております。問題の一つは今日の各団体の状況から考えまして、どうしても予算的に援助する必要があると思います。可能な範囲において予算的援助をしながら、中小企業のまとまりを促進するという方向へ持つて参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
  29. 今澄勇

    ○今澄委員 これは大蔵省に聞きたいのですが、中小企業庁長官にもお伺いしましよう。それはやみ金融であります。私は中小企業等協同組合法審議の中で、例のいうところの保險協同組合あるいはいうところの信用協同組合等の預金者保護の建前から、大蔵省は口を開けば、預金者保護の意味においてはどうしても員外貯蓄の制限をやらなければならぬ。あるいは預金者保護の建前からするならば、ということでしきりと中小企業の信用機関というものに対する認可を嚴重にし、これが取締りばかりに狂奔しておるが、現実にはやみ金融会社というものが横行して、光クラブを最初スタートとする全国のやみ金融会社は次から次から発生して、これが国民大衆に與えた被害というものは莫大なものである。こういうかびがはえるということは、じめじめとした、中小企業金融態勢が整備されない、資金源の確保ができない、国家の政治の熱情がないという、このじめじめしたところにかびがはえるのは当然なのであります。しかるにこのかびに対して大蔵省は今度これらのやみ金融機関を合法化するような法律をつくるということを言うておるのであるが、中小企業庁長官はこのやみ金融に対して一体どのように思われるか、そのやみ金融を放任しておる大蔵省と、しかも中小企業金融機関を、預金者保護の名によつて常にこれを押えつけておるところの大蔵省の態度を一体どう思われるか、これは私は委員長にも大蔵省からこの方の係官を至急ここにひとつ――これは大蔵省は局長もおれば課長もおるのであるから、参議院で局長が答弁をしていたら、課長をこちらにまわす、課長が答弁をしていたら、局長をこちらにまわすくらいのことは、委員長としては手配をして、まず中小企業庁長官の答弁を要求したいと思います。
  30. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。御指摘のように、中小企業の今日の資金詰まりをカバーしておるのは、私はある程度やみ金融によつて補いをつけておるということは事実だと思います。これは御指摘のように正規の金融の量が足りないところから来ておるわけでございます。従いまして中小企業金融の正規な量をできるだけふやして行く制度を整備して行くという方向に努力を続けなければならぬと思います。また一面から申しますと、中小企業者の中には銀行にも縁がなく、信用協同組合にも縁がなく金融は何か近所から借りてまわして行くというのが普通のような考え方になつておるというのは、そういう知識の足りない面も実は多々あるのでございます。これはどうしても啓蒙して、高利な金利に走らないような方向に私どもしなければならぬと思うのであります。やみ金融をどうするこうするということになりますと、実際の経済的効果につきましては、先ほど申し上げた通りでありまして、従つてこれは中小企業が再建できない足かせになつて来るのでありますから、これを下げて行きたいということは当然でありまするが、下げるだけでは明日の日から困るのでありますから、正規の金融の方法、また金融のあることを教えて行くというふうな方向に努力を続けなければならぬというふうに考えておるわけであります。
  31. 今澄勇

    ○今澄委員 そこで大蔵省が見えるまでもう一問つないでおきますが、中小企業庁のそういう指導、啓蒙の予算というものは、私は国家予算の中で相当な犠牲を拂つて中小企業の指導、啓蒙の機関を全国に配置して、中小企業庁があらゆる宣伝活動をいたし、あるいは指導的な役割を持つということが必要であるが、国家予算の中において中小企業庁に與えられたものが非常に少いということはまことに残念だと思います。だがしかしながらわれわれは全国のそういう指導が非常にこの際行き届いておらない。たとえば中小企業庁がつくるパンフレツトも有料で流さなければならぬというようなことは、まことに私は中小企業対策を云々するけれども、その根底がまず全然取上げられておらないというふうに見なければならぬと思います。そこで今言つたやみ金融の問題、それから中小企業金融機関を整備して、このやみ金融にかわる中小企業金融を担当せしめるという意味においても、話は前にもどるが、私ども先ほど申し上げた中小企業金融機関の整備、体系の整え方と、それから国家財政、あるいはその他預金の吸収を、新しく発券制度でも考えて、財源の確保を求めなければならない。しかるにこれらの問題は、せんずるところ中小企業庁の国家予算――実に小さな国家予算が中小企業庁に割当てられておるので、これらの活動が意にまかせないということになるのであります。これは通産大臣に質問しなければならぬことになつて参りますが、そういうわくの中で、中小企業庁長官はまことに苦しいだろうと思いますけれども、中小企業庁のこれらの問題に対する啓蒙宣伝指導の方針について、ひとつこの際御見解を承りたい。  なおもう一つは、商工組合中央金庫においても、先般の静岡のごとくいわゆる涜職的な事件が司直の手に移つております。国民金融公庫においても、そういつた事件が一、二われわれの耳に入つておるが、そういう国家的ないわゆる半官半民の金融機関の責任者が、その地位を利用して、こういう問題が次から次に起きるということになりますと、将来中小企業金融というものへの大きな打撃を與えるものである。私はこのような一つの間違いによつて、中小企業金融というものの根底がくずれてはならぬと思うのであるが、そういうおそれなきにしもあらずである。これらの監督の衝にあるところの中小企業庁の、こういつた問題に対するこれまでの監督、並びに今後の方針もひとつあわせてこの際お伺いいたしておきたいと思います。
  32. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。中小企業庁の指導宣伝といいますか、広報活動的な考え方でありまするが、私は中小企業の問題が進展しにくい理由の根拠は、中小企業の実態が十分につかみにくいということが大きな原因であるというふうに見ておるのであります。また中小企業者の側におきましても、情報宣伝というふうなもの――平たく申しますと、ものを読む、読んで新しい知識を得るというふうな熱意がそれほど強くないというところに困難さがあると思うのであります。そこでまず私どものやつておりまする考え方の基礎は、中小企業のできるだけ新しい実態をつかまえて行くということが一つであります。それにはいろいろな調査をいたしたり、ヒヤリングをいたしておるわけであります。もう一つは、その得た知識をさらに中小企業者の側に伝達するという方法として、いろいろな方法で中小企業者に知らせる措置を講じておるのであります。それは印刷物もございまするが、またラジオを利用するというふうなこともございます。そういうふうな方法で、中小企業の実態、特に最近の日本におきまして最も大事なことは、日本の経済の大勢がどつちに向いておるかということを知らせることが、経営上非常に大事だと思いますので、そこらにも意を配りましてやつておるわけであります。そういうふうな仕事をだれがやるかということに相なりますると、非常に予算的にはとりにくいのでありまするが、やはり各地の中小企業者は汽車に乘つてはなかなか聞きに行かないのであります。手近なところですぐ用が足せるということでないとなかなか利用しないという形になりますので、各地に中小企業相談所というものを設けていただくようにいたしておるのでありまして、これで来た人になるべく簡單に受答えができるというふうな態勢をしいているのであります。これに対しまして、私どもは予算的には一千万円という少額でありますが、昨年から実は補助金を出しております。この補助金は、予算をとる技術からいうと非常にむずかしいのでありますが、実際の効果から申しますと、見えないが相当あると実は私ども考えておるのでありまして、これをもう少しふやして行くということになりますれば、そういう点にいろいろな進歩が見られるのではないかというふうに考えておるわけであります。それからもう一つは、府県の職員の方々に対しましても、その点につきましては十分な配慮を煩わしておるという実情でございます。以上簡單に申し上げましたように、中小企業者に対する広報活動につきましては、私どもとして最も大事な、まずイロハのイになるのでありまするので、可能な範囲で重点を置いて努力いたしておる、こういう状況でございます。  第二のお尋ねの商工中金の問題でございまするが、ああいう事件が出ましてまことに遺憾に存じておるのでありまして、私ども監督の衝にある者といたしましても申訳のない次第であると考えておるのであります。こういうことは、実態がどの程度であるかということは、世間の人はあまりわからないのであります。ただ新聞記事が大きく出ますと、中小企業金融に対する影響というものが、私は非常に大きいものだということを実は憂慮いたしておるのであります。こういうことが起らないようにするために、私どもといたしましては、商工中金当局者に対しては、いつも職員の訓練、特に窓口における職員の態度、訓練というものに十分な意を用いるよう注意を促しておるのであります。また制度的には商工中金の自主性というものを認めながらも、実は内面的な指導をいたしておるのであります。特に一組合五千万円という限度を越えます場合には、中小企業庁、大蔵省の承認を得さしめるというふうな形をとらしておるのであります。いずれにいたしましても、この問題は、多数の職員の中でありますので、ともすれば起りがちでありますが、職員の精神的な指導訓練に重点を置いて、そのあやまちが起らないようにということを、私どもは中金当事者にもお願いしておるし、私どももそういうことを念願いたしておる、こういう状況であるのであります。先ごろの点につきましては、まことに申訳ない次第でありまするが、私どもといたしましては、そういうふうな、実態よりもその影響が大きく出るということを心配いたしまして、できるだけそういうことの起らぬように努めたい、こういうふうに考えております。
  33. 今澄勇

    ○今澄委員 中小企業庁長官のいろいろな話を一応これをもつて私は了承することにいたしましよう。最後に、将来この中小企業等協同組合法というもののあり方については、冒頭長官の御答弁にあつたような、いわゆる事業協同組合に預金の預け入れをさせるという点については早急努力いたしたい、さらにもう一点は、保險協同組合についても、そのあり方については、中小企業庁としてやはり当然考うべきであるという二つの御答弁を承つて、そういう中小企業庁の良心的な中小企業機関への一つの熱意というものが、やはり中小企業等協同組合法改正の裏づけにあるということでなければ、私はこの法律の改正は意味がない。これはいろいろな小さな不便な問題を取除いてはおるけれども、近き将来において必ずこれらの大きな問題をも解決するという熱意を、この委員会において確約いたしたことは、まことにささやかなる喜びであるけれども、満足するものであります。どうか来る次の機会においては、これらの問題を中小企業庁が誠意をもつて解決されるよう切望いたして、私の質問を終る次第であります。
  34. 中村純一

    ○中村委員長 次は小川平二君。
  35. 小川平二

    ○小川(平)委員 一点だけ簡單にお尋ねをいたしておきます。 この事業協同組合に受信業務をも行わせるべきであるということは、中小企業等協同組合法制定の当初から要望の存した点であります。組合を資金的に強化する、組合員の結束の強化をはかる、こういう観点からいたしまして、今回の改正に際してもその実現が期待をされておつたことは、先刻今澄委員が指摘された通りであると思うのであります。これについてはもちろんいろいろな観点からする反対の意見もあるのでありますが、いずれも十分首肯せしむるに足る論拠を持つておるものとは思われない。これを実現する上におきまして決定的な障害となるような事情は想像できないと思うのであります。これらの反対の意見を一々列挙いたしまして批判をする、反駁をするということは、ただいま差控えたいと思いますけれども、たとえば預金者保護の観点からする反対があります。もちろん預金者保護という見地はこれを放棄してはならない、ゆるがせにすべからざることではありましようけれども、事業協同組合の預金は一般大衆の預金ではない、特定人の集団である組合の自己金融であるわけでありまして、実際の問題といたしましては組合の運営に対して疑惑を持つておる、あるいは幹部に信を置けないというようなところに金を預けるはずはないのであります。こういう点をあまりに強調し過ぎることは、むしろ杞憂に属するのではないか。また現に農業協同組合においては受信業務を行つておるのであります。この点につきましても、農業協同組合が非常な巨額な赤字を出して、経理面がはなはだ不健全になつているという事実が指摘されておるのでありますけれども、これは実際は統制時代に非常にふなれな専門以外の衣料品等を扱つたがためにほかならないのであつて、必ず前者の轍をふむと断定することはできない。こういう点に関しましては経理面の監督を嚴格に行う――帳簿等についても事業組合の資金の貸借対照表、組合員の預金の貸借は全然別個にしておくという措置をとることによつて、運営の健全を期待することができるべき道理であると思うのであります。あるいはまた資金的に組合を強化しようというならば、信用協同組合で行けばいいじやないかという議論もあるようであります。現にかような二枚看板の組合も事例は少いようですが存在しておる。しかしかような場合にも、言うまでもなく資金的にあるいは能率の面で多大な不便を感じておるというのが実情のようであります。かような点からいたしまして、私はこの点について政府は深甚な考慮を拂つていただきたいものであると考えておつたのでありますが、先ほどの今澄委員に対する御答弁は、小笠長官においてはこの問題に深甚な考慮を拂つて近い将来に実現すべく努力をしたい、かような御趣旨の御答弁のように聞えたのでありますが、重ねてお答えをいただきたいと思います。
  36. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 私は中小企業問題の扱い方としては、社会的、経済的に日本の置かれておる立場を十分考えて、できるだけ無理のない範囲においてこういうような便利な政策をしいてやることでなければ、中小企業問題は進展しないという考え方を実は最近持つておるのであります。そういうような考え方から申し上げまして、中小企業の協同組合に対する預金の受入れの問題は、諸般のいろいろな御意見を調整してできるだけ早い機会にこれの実現をはかるように努力したいということを重ねて申し上げたいと思います。
  37. 今澄勇

    ○今澄委員 大蔵省から関係の係官の方が見えたので、私はさつき大蔵省に対して留保した質問をやりたいと思います。  まず第一点は、信用協同組合に対する員外貯蓄の制限の問題その他で、私は信用協同組合法の一部改正法律案を大蔵委員会に提出して、同法提出者として説明したのであるが、そのときに大蔵省は預金者保護ということに名をかりて、これらの信用協同組合に対する員外貯蓄の撤廃あるいはその他の問題を強硬に反対されたのであります。しかるに現下の金融状態を見ると、やみ金融が中小企業者の実際の金融部面の大部分を占め、しかもその高利が中小企業を破産、倒壊に導く最も大きな原因の一つになつておるのである。われわれは光クラブをスタートとするそれらのやみ金融が国民に與えた大きな損害にかんがみるとき、この際どうしてもやみ金融にかわる中小企業金融体系の整備をやらなければならないのではないか。しかるにやみ金融会社のそのようなやみ金融を今度合法化するような法律を出そうとか何とかしようという考え方があるということであるが、やみ金融と中小企業金融についての大蔵省の係官の方の見通しと御見解をこの際率直にここでお述べを願いたいと思います。
  38. 福田久男

    ○福田説明員 まず第一に中小企業金融に対する考え方の点でございますが、中小企業金融のみならず、一般の金融におきましても非常に金融が楽でないということは御承知の通りでありまして、特に中小企業につきましては、いろいろな受信能力という点等からも悪條件があつて、これに対しては特別ないろいろな措置をいたさなければならないという趣旨に基きまして、たとえば商工組合中央金庫における資力の充実、最近におきましては指定預金――ちよつと横道になりますが、従来指定預金につきましては、一般の金融機関につきましては、昨年の秋いたしました指定預金は全部引揚げたのですが、商工組合中央金庫につきましては十三億をそのまま残し、さらに二月、三月にわたりまして九億の指定預金を追加し、四月になりまして六億を追加して現在二十数億に上つておるのでございますが、こういつたことも今申しました中小企業に対する資金的な応援ということの一つの現われではないかと思うのでございます。さらにまた国民金融公庫につきましても、毎回国会の御承認を得まして増資等によりまして資力の充実をはかつて参つておるのでありますが、さらに相互銀行あるいは信用金庫等におきましても預金の増強に非常に努力されつつあり、資金量も他の金融機関に比べまして経済が逐次安定に向うに従つて増加の割合が高くなりつつあり、その融資活動に多大の期待をかけておる次第であります。そういつた意味合いにおきまして、中小企業に対する金融の面に対しては、先ほどお話のありましたやみ金融以外の、いわゆる表通りといいま  すか、正規のルートの金融についても、中小企業庁といたしましても御努力になつておりますが、われわれとしてもできるだけの応援をいたしたいと考え、またやつて参つたつもりでございますが、何分にも全体の資金というものがあまり楽でございません関係上、とかくまた弱点を持つております面におきましては、その及ぼす影響が他よりも深刻という言葉は少し語弊があるかもしれませんが、強いということは御想像いただける通りだと思います。不十分ながらできるだけの努力を拂いつつあるということを、御了承いただきたいと思うのであります。  それからやみ金融の弊害につきまして、るるお話もございましたが、そういつた事例のあることをわれわれも聞くのでありますが、しかしながらやみ金融を合法化するような立法を何か考えておるそうではないかという御質問でございますが、そういつたものは毛頭考えておりません。ただあまりにも高い金利をとるということについて、一種の、何と申しますか、刑事罰というものを科すべきではないかというような考え方から、高金利について検察、警察方面における取締りということに重点を置きまして、高金利の取締りに関する何らかの立法的措置を講ずることが必要であろうという意味から、そういつた法案を準備いたしておることは事実であります。しかしやみ金融を合法化しようというような新たな立法は、何ら考えておらないのであります。
  39. 今澄勇

    ○今澄委員 それで私はもう一つ質問をしなければならぬのは、信用協同組合の員外貯蓄の制限の撤廃ということをやれば、大蔵省としては何かこれに対して、それはどういう弊害を伴うというような御意見があるかどうか。それから信用協同組合、中小企業等協同組合法の中の事業協同組合が預金の預かり業務を行うということにすれば、これについては、何か大蔵省の側から見て、いろいろな障害があるかどうか。この二点をちよつとここで御見解を承りたい。なおこれらの事業協同組合の預金の取扱いと、信用協同組合の員外貯蓄の撤廃をやると同時に、現在の中小企業金融というものの体系を整備して、国家機関としての国民金融公庫、半官半民としての商工中金、コマーシヤル・ベースに乘つておる相互銀行、あるいは信用金庫等があるが、今度全国的に府県知事の認可でできる協同組合を含めて、中小企業全体を流れる何か金融機関の整備についての見解が、大蔵省の中にあるかどうか。やみ金融の発生するそのもとは、もとをただせばこういう中小企業金融機関に活力を加えて、短期資金、長期資金あるいは危険のある金、安定のある金というようないろいろのものにわけた体系的な一つの毛細血管が、いまだ不整備であるというところに国家資金並びに国民の余剰資金が、中小企業へ流れない根本原因であると思う。大蔵省としてのあなたの担当の範囲でけつこうですが、これらの問題に対する見解をここで表明していただきたいと思います。
  40. 福田久男

    ○福田説明員 お答えいたします。第一は信用協同組合の員外貯金問題でありますが、信用協同組合というものは、御承知のように組合組織、つまり組合員がそれを利用するという制度に基いておるわけでありまして、同様の事例を考えますと、農業協同組合というものがございますが、農業協同組合におきましても、組合員を対象といたしまして、預金の受入れ、貸付を行うということになつておる。金融事業の面においてはそういうことになつておるのであります。そういつた相互の隣保共助の精神に基いた組織でございますので、その建前上、やはり組合員を対象にし、それに重点を置くということが、制度の本旨ではなかろうか。また組合の実態から申しましても、員外貯金を一般的にとることになりますと、一般の金融事業と何ら異なるところがなく、組合組織というものの本質からいいまして横にそれてしまうのではないかというふうに考えられるので、あまり好ましくないというように考えます。  第二点の事業協同組合が金融事業を行うという点でありますが、この点につきましては、二つの見方があるのであります。一つは農業協同組合が、現に事業と金融と両方行つているじやないかという点と、もう一つは一般の金融機関が他業の兼営を禁止しておるという立場、この二つの立場をいかに理解するかという問題であろうと思います。そこでもともと金融事業というものは、預金者保護ということに相当頭を悩ましており、また制度的にもあるいはその経営ないしは経営の監督の立場から見ましても、預金者の保護ということに最重点を置くことによつて一般の世間の信用を得ておると思うのであります。従いまして、金融機関が事業を兼営いたしました場合に、その事業による影響、たとえば事業の方において損失を出したという場合に、かりに経理を区分いたしましても、法人格としては同じものでありますから、その影響はただちに金融事業に波及し、あるいは預金者の迷惑ということにかかつて来るので、銀行その他一般の金融機関におきましては、経済事業と金融事業とをあわせ営むことはかたく禁止しておるのでございます。それが本来の金融事業のあり方であろうし、また監督のあり方ではないかというふうに思います。ただ問題となるのは、その際に農業協同組合において、経済事業と金融事業とをあわせ営ん  でおるのはどういうわけだということになると思いますが、これも趣旨といたしましては、経済事業と金融事業とは区分することが望ましいのでありますし、また現に連合会の段階とか、あ  るいは中央金庫の段階においては、御承知のようにはつきりわかれております。ただ地域的に農村におきましては、広く分散いたしております関係上、これを二つに区分することが必ずしも実情に合わない。現にそれをわけるべきだという議論も少くなかつたようでありますが、農業協同組合法制定の際、そういう意見も関係方面等でも強かつたようでありますけれども、しかし日本の実情から見て、農村が分散しております立場から考えれば、むしろやむを得ざる必要と申しますか、やむを得ざる事態として、両者を兼営することを認めることが、実情に合うのではなかろうかというような趣旨から、農業協同組合については、両者を兼営いたしておるわけであります。しかしその結果、皆さんも御承知のように、事業の方の影響が金融に波及して、再建整備等について国会方面をも煩わした事例がありましたことは、御承知の通りであります。つまり国の損失補償というようなことで、いろいろと国民の負担にもなり、また国会をも煩わしたという事例は、御承知の通りであります。そういつた観点から見ますと、主として都市における組合事業という立場から見ますならば、都市には農村と違つてほかの金融機関もあるわけでございますし、諸般の事情を考えれば農村における農業協同組合と都市における協同組合とは、その間区分して考えてもいいのではなかろうかと思うのであります。  それから第三点でございますが、中小企業金融に関する制度的な整備をどう考えるかという御質問だと思います。金融制度全般についていろいろと再検討の余地があろうかと思います。今後どういうあり方が適当であるかということについては、まだ最終的結論を得るに至つておりませんけれども、私個人の考えを申し上げさせていただくならば、まず先ほどもお話がありましたように、できるだけコマーシヤル・ベースと申しますか、プライベートな民間金融機関を活用するということが、第一点であろうと思います。その意味においては、相互銀行とか信用金庫、そういつたような民間金融機関として活躍しておるものの活動を一層助長する。そしてその足りないところを他の金融機関によつて補うということが筋道ではないか。そこで他の金融機関というものの中には、特殊法人である商工組合中央金庫、もう一歩進んで政府機関であるもの、ただいまでは国民金融公庫でありますとか、あるいは直接財政資金によつて供給している見返り資金中小企業融資というようなものがございますが、第二段階としての商工組合中央金庫は、組合金融の中核体として、少くとも最近においては、非常な業務の伸張を示し、十倍近くここ一、二年の間に事業量もふえたのではないかと思いますが、そういつた商工組合中央金庫による組合金融の充実、それからさらに政府機関として国民金融公庫が、これは零細な面が中心でありましたが、先般の改正で多少その限度を引上げるという方向に進んで参つたのでありますが、国民金融公庫の活動をなお一層促進する。それで見返り資金による中小企業融資も引続き今年度は行われることになつているわけであります。それらの面をいかに調整し、措置するかということにつきましては、今しばらく――急を要するとは思いますが、なお検討をいたして参りたいと考えております。
  41. 今澄勇

    ○今澄委員 私はこれで質問を終りますが、今のあなたの所論を聞いていると、たしかに表面上流れているところの理論形態については、理路整然としております。しかしながら私はその理路整然と整えられたあなたの言葉の中には、たとえばコマーシヤル・ベースに乘つた相互銀行なり信用金庫を充実して、その足らざるところを国民金融公庫や商工中金に取扱わせるというようなものの考え方は、今日の中小企業が望んでいる深刻な金融難というものに対しては、まつたくの冷血漢である、かように評さざるを得ないのであります。  それからもう一点は、事業協同組合に金融事業をやらせるというような問題については、農業協同組合との比較対象を引き出し、あるいは信用協同組合の員外貯蓄の制限撤廃については、  これは協同組合の精神に反するというような、一連の理論構成というものは、既存の金融機関だけを重視して、その既存の金融機関の既得権の上に、他に新しく金融をもつて臨もうとするものを押えようとする、一貫的な大蔵省の流れを、あなたはくんでおられるというふうに私は解釈せざるを得ない。そこで中小企業庁がるる努力をして、中小企業の振興策に努めている当面の一番大きな障害は、大蔵省であります。私は大蔵省に対する国民の怨嗟の声、たとえば政府預金の二十億や三十億を引揚げなかつたというようなことを、この委員会に来てとうとうと述べるというようなことでは、これはもう時代感覚の喪失以外の何ものでもない。政府は大きく、政府の余剰財政資金を、国民のこの経済の不況乘り切り策に多額に使おうといつているときに、少くとも大蔵省が、中小企業の現状について、二十億やそこらの金を引揚げなかつたというようなことでは、私は現状は打開されないと思います。しかし信用協同組合の員外貯蓄の制限撤廃については、大体国会における自由党を含めた全党派の一致した見解として、一年間現在の規定を延長して、この員外貯蓄の制限撤廃ということは、現実の上においては、これを撤廃せしめて制限をさせないということで進むべく、大体各党の態度はきまりました。そこで私はあなたに、少くとも総選挙の後において新しくできる国会においては、これらの員外貯蓄を制限するといつた今度の信用協同組合法のごときは、われわれは完全に立法府においてこれを撤回して、一般金融機関と同じ業務をやらせるべきものであると思う。それから今言つた事業協同組合の金融事業の兼務は、われわれはこの国会において、中小企業庁長官より、この信用協同組合の金融事業の併置ということは当然やるべきものであつて、これを推進するという言明を聞いたばかりのところへ、今あなたのそういう御見解である。これまた中小企業庁の中小業者への思いやりを踏みにじるものといわなければならない。  最後にもう一つ、保險協同組合というものが、中小企業協同組合法の原案にあつて、過ぐる第五国会において出たのであるが、このときも大蔵省の反対で、要すれば保險金融財閥のバツクにおける大蔵省の反対で、これは遂に大きな問題になつて、今日日の目を見ておらぬのであるが、中小企業庁長官は、これまた趣旨においては同感であつて、保険協同組合をもやらせなくてはならぬということを説明したばかりである。だから政府部内における中小企業庁長官と、大蔵省の一課長であるあなたの見解の対立を、私は取上げて論じようと思いません。ただその考え方の中には、大蔵省というものが、いかに一つの既成事実の上に蟠居して、そして象牙の塔に立てこもつて、困つている中小業者を救うてやろうという熱意において欠けておるかということの雄弁な証拠であつて、私はこれらの点については、ひとつ性根を入れかえてもらわなければならないと思う。これまでの審議の経過から見て、われわれの印象は、あなたはひよつこり来て、これをまつたく根底からくつがえして、中小企業庁の方針をも、その前面に立ちはだかつて、あなたが一人で妨害しようという印象を、與野党ともここにいる者は受けている。こういう審議の経過をもう一度申し上げて、あなたのこれに対する御見解をもう一度承つて、これで私の質問を終ることにいたします。
  42. 福田久男

    ○福田説明員 私前の審議の状況を存じなかつたのでありますが、なお先ほど申し上げましたことで、大体私の考え方は御了解いただいたと思います。(「了解できない」と呼ぶ者あり)中小企業庁とも御相談いたしまして、その上で政府としての結論が出されることだろうと思います。それで一応お許しを願いたいと思います。
  43. 多武良哲三

    ○多武良委員 長期信用銀行法権基く興業銀行並びに勧銀第二会社案なるものが、現在俎上に上つております。設立されたとしましても、おそらく従来の政府のやり方から見ますと、都会中心主義と申しますか、大企業に偏しまして、中小企業の中でも、地方の中の上の部類だけしかこれが対象にならない。そしてこれらを対象にして、その設備あるいは不動産に金融がされる、こういうことは大体明らかに察せられるのでありますが、こういうことに対しまして、大蔵当局は、小企業に対しどういう考えを持つておるか。もし設立された場合には、小企業に関連して、あるいは勧銀、興銀の窓口をふやして、地方的に金融をしてやるかどうか、こういうことを承わたいと思います。ついでにまた、先ほど小笠長官が、やはり小企業者に対しましては中金の整備拡充、それ以外にないというようなお話だつたのですが、私もこれは同感なんです。しかし中金が長期の信用、二年あるいは三年の信用金融をしたということもあまり聞いておらない。そこで今度設立されるようなこの銀行に対して、どういう考えを持つておるか、大蔵当局と長官二人にひとつお伺いしたいと思います。
  44. 福田久男

    ○福田説明員 長期信用銀行につきましては、たとえば興業銀行のごときは、おそらく長期信用銀行になると思いますが、そのほかに、建前上複数でございますし、一行だけではとうてい日本の長期の産業資金の供給には困難といいますか、容易でないと思いますので、多分複数になるであろうと思います。その際に長期信用銀行は、大企業だけで、中小企業には行かないのではないかという点でございますが、おそらくお話のように、中小企業に対しては、融資をしないという建前ではありませんが、大分多くの部分が大企業に行くことに現状でもなつておりますので、そういつたことになるであろうと思います。もちろん中小企業につきましても、たとえば興業銀行では中小工業部という独立の部をつくつておりまして、中小企業にも応分の努力をしておる跡は見受けられるのでありますが、資金量全体から見ますれば、大きい方へやらざるを得ないと思います。しかし店舗の数等においても、非常にコストの高い資金を扱う関係上、また原則として預金を扱わない関係上、そう多くはならないのではないかと思います。従いまして長期信用銀行も中小企業に対して融資を行う建前ではありますけれども、他のそういつた中小企業金融の専門的な機関の活動ということはどうしても必要になるわけであります。そこで、たとえば商工組合中央金庫のお話も出ましたが、あるいは国民金融公庫の拡充とかいつたような措置が見返り資金の中小企業融資と関連をして、当然問題として取上げられなければならないのではないかというふうに考えております。ただいませつかく検討中でございまして、まだ決定の段階に至つておらないのであります。
  45. 小笠公韶

    ○小笠政府委員 お答えいたします。中小企業の長期資金の供給の問題は、先ほど福田総務課長からお話になりましたように、ちようど現在の開発銀行が大もやれる、小もやれるということになつておりますが、実際は大に傾いておるということと同じように、また店舗の数その他から考えましても、なかなかやりにくいのではないかというふうに見ております。そこで中小企業に対する長期金融をどうするかという問題になりますと、新しくこれに対して別の組織をつくつた方がいいのか、既存の機関、たとえば商工中金とか国民金融公庫というものに若干の補強、整備をしてやつた方がいいかということになると思います。ただ問題はそのときに長期金融をやる資金源をどういうふうに集めて来るか、どこから持つて来るかという問題も関連して考えなければならぬのでありますが、窓口等の関係もございますので、既存の二つの機関を活用して行つた方が実際的ではないかというふうに実は考えておるわけであります。もちろん結論的な意見にまだ到達いたしておりませんが、何と申しましても、今中小企業に対する長期の安定した資金の供給面を早く、より多く見つけ出してやるということが先決問題になつておると私は考えておるのであります。
  46. 中村純一

    ○中村委員長 本日はこの程度にいたし、明日午前十時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十四分散会