運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1952-05-20 第13回国会 衆議院 経済安定委員会 26号 公式Web版

  1. 昭和二十七年五月二十日(火曜日)     午前十一時五十一分開議  出席委員    委員長 前田 正男君    理事 志田 義信君 理事 多田  勇君    理事 有田 喜一君 理事 中崎  敏君       岩川 與助君   小野瀬忠兵衞君       圖司 安正君    奈良 治二君       福井  勇君    福田 喜東君       渕  通義君    細田 榮藏君  出席国務大臣         国 務 大 臣 野田 卯一君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     横田 正俊君         総理府事務官         (公正取引委員         会事務局商事部         企業課長)   竹中喜滿太君         経済安定事務官         (建設交通局次         長)     今井田研二郎君  委員外の出席者         専  門  員 圓地與四松君         専  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  国土総合開発法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一五六号)  事業者団体法の一部を改正する法律案(内閣提  出第一六七号)  私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法  律の一部を改正する法律案(内閣提出第一八五  号)  経済審議庁の機構に関する説明聽取の件     ―――――――――――――
  2. 前田正男

    ○前田委員長 これより会議を開きます。  国土総合開発法の一部を改正する法律案を議題といたします。志田義信君より本案に対する修正案が委員長の手元まで提出されております。この際提出者の説明を求めます。志田君。
  3. 志田義信

    ○志田委員 国土総合開発法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におきましても数度にわたつてそれぞれの関係する委員会との間にも協調を保ち、それぞれの意見も十分考えた末に、この国土総合開発法の一部を改正する法律案に対する修正案をこの機会に提出いたしたいと思うのであります。すなわち    国土総合開発法の一部を改正す    る法律案に対する修正案   国土総合開発法の一部を改正する  法律案の一部を次のように修正す  る。   第十條の改正規定中「を加え、同  條」を『を加え、同條第二項中「関係  各行政機関の長の意見を聞き」を「関  係各行政機関の長と協議し」に改め、  同條』に改める。   第十二條の改正規定に次の一項を  加える。  4 経済安定本部総務長官は、毎年   度、関係各行政機関の長から公共   事業関係の歳出の見積に関する書   類の提出を求め、これについて、   前項の規定により調整した事業計   画の円滑な実施を図るため、必要   な調整を行うものとする。    附則第一項中「五月一日」を「六   月一日」に改める。  かような修正案を提出いたす次第でございます。
  4. 前田正男

    ○前田委員長 以上をもつて修正案の説明は終了いたしました。  これより原案並びに修正案を一括議題として討論に入ります。有田君。
  5. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 私は改進党を代表いたしまして、ただいま上程されておりますところの国土総合開発法の一部を改正する法律案に関し、修正案に賛成し、修正部分を除く他の原案に賛成するものであります。但しこの際若干の希望條件を付してみたいと思います。  今回の改正案は国土総合開発計画の実施を促進するということが一つのねらいであります。確かにこの点は一つの進歩であると思うのでありますが、依然としてまだ絵に描いたぼたもちの感が抜けないのであります。結局これは運用の問題となると思うのでありますが、政府はよろしく国土総合開発のその重要性を強く認識されて、これが実施に邁進せられんことを特に切望するのであります。ただ実際問題として日本の国力というものによつてある程度制肘されることは、これはやむを得ないと思うが、あまり八方美人的に手を広げられると、かえつてできないと同じ結果を招来すると思います。全面的に強力に国土総合開発を推進されると同時に、日本の国力というものをよく勘案されまして、順序緩急を誤らないようにして、そうして一歩月々と総合国土計画の完遂に邁進されんことを強く要望いたしまして、賛成意見を開陳する次第であります。  なお本件と間接の関係になりまするが、今回経済安定本部の機構を廃止いたしまして、経済審議庁案が提出されておりますが、この国土開発の点を一つ見ましても、また今日の日本の置かれたる経済的の立場、ことに日米経済協力を強く推進し、また新生日本の自立経済の達成等いろいろの点を考えますと、わが国としましては、総合計画の立案並びにこれが目標に向つて邁進することが非常に大事なことと思います。私は機構が小さくなること、人員の整理ということに対しましては、もとより異論をはさむものではなく、むしろ賛成でありますけれども、従来もつておつたところの経済安定本部の使命は、今後一層重大になると思うのであります。さような点におきまして今回の修正案は、それに一指を染めたものと思つて賛成するのでありますが、経済審議庁全般の問題としまして政府は深くこの点に省察されまして、従来の安本の使命というものを誤らないように、規模は小さくなつても、経済審議庁はしつかりと日本全体の企画立案に十全を期せられるようにあわせて切望する次第であります。
  6. 前田正男

    ○前田委員長 中崎君。
  7. 中崎敏

    ○中崎委員 私は日本社会党を代表いたしまして本案の修正案に賛成し、同時にそれを除くほかの原案について賛成をするものであります。  本改正案のねらいとしております点は従前のやや計画倒れに終るような点を、さらに一指染めたという点に一つの進歩があることは、先ほど有田君からのお話の通りでありますが、さらにこれを強力に推進するためには、予算の裏づけが当然伴わなければならぬと同時に、この機構全体を通じまして、審議会等も関係するのが二つも三つもあるわけであります。それからまた各官庁間のなわ張り争いというようなものが相当複雑であることが予想されるのであります。そこでこの問題は、さらに今後の運用の上において、必然的に改正にまで行くようなおそれがあるのではないかということを心配するのでありますが、現在の段階において、まず各関係機関の間のなわ張り争いを極力避けて、強力にこの目的達成のために推進せられるように希望しておく次第であります。
  8. 前田正男

    ○前田委員長 志田君。
  9. 志田義信

    ○志田委員 ただいま議題となりました政府提出の国土総合開発法の一部を改正する法律案及び議員より修正案が提出されております点に関しましては、自由党を代表いたしましていずれも賛成の意見を申し上げたいと思います。  まず政府提出案につきましては、これを内容的に見ますれば、本改正案の根幹をなすものと思われるのでありまして、少くとも国土総合開発法が生れて以来今日まで、それの実施に関する法律案に不備な点がありましたことは、国土の総合開発のためにもまことに遺憾しごくに存じておつたのでありますが、ここにさらにその実施法を兼ねた国土総合開発法の一部を改正する法律案が誕生いたしますことは、私は総合開発の使命からまことに仕合せだと思わなければならぬと存ずるのであります。ただ政府提出案につきましても、一、二の点においてさらに明確にしておくべき点がないわけでもございませんが、これらは議員提出の修正案におきまして、大体その要望を盡し得たものではないかと思われますので、われわれは議員提出の修正案とともに賛成したのであります。すなわちその第一点は、特定地域の指定につきまして、経済安定本部長官が、関係各行政機関の長と協議しまして、総合開発計画の実施上、経済安定本部及び各関係行政機関のそれぞれが事務上まとまつて行くことが、特に必要ではなかろうかと思うのであります。  第二点は国土総合開発計画と、公共事業計画の関係におきまして、特に予算関係でありますが、経済安定本部総務長官が、毎年度関係各行政機関の長から公共事業関係の歳出の見積りに関する書類の提出を求め、これについて十二條三項の規定によりまして調整した事業計画の円滑な実施をはかることができるためにも、ぜひともこの十二條の四の修正を私たちは必要であると存じましたので、議員修正して提出した次第であります。これらを勘案いたしまして、国土総合開発法の一部を改正する法律案に対して賛成する次第であります。
  10. 前田正男

    ○前田委員長 これにて討論は終局いたしました。  これより採決いたします。志田義信君提出の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  11. 前田正男

    ○前田委員長 起立総員。よつて提案のごとく決しました。  次にただいま議決いたしました修正部分を除く原案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔総員起立〕
  12. 前田正男

    ○前田委員長 起立総員。よつて本案は志田義信君提出の修正案のごとく修正議決いたしました。  なお報告書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じます。     ―――――――――――――
  13. 前田正男

    ○前田委員長 次に事業者団体法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。有田喜一君。
  14. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 今回の事業者団体法の改正は、従来不必要に諸般の活動が制限されておつたものが一部緩和されたのでありまして、まことにけつこうなことであります。しかしこの法律は相当むずかしい法律であつてこれが適用の上に多少の疑義が存する点がありますので、この際具体的の例をあげまして二、三質問を試み、その疑点を明らかにしていただきたいと思います。  御承知のことかと思いますが、たとえば財団法人で日本海事協会というものがあります。これは船舶の船級検査、いわゆるイギリスのロイドのような役割をなしておるのでありますが、その理事者は船主、あるいは造船主あるいは官庁、あるいは学識経験者というような方で構成しておるのであります。その本来の船級検査の行為につきましては、従来からも事業者団体法の七條の五号で、船舶安全法第八條の行為は適用を除外されておる。これは御承知の通りであります。ところがこの日本海事協会が付帶的にちよいちよい仕事をやつておる。たとえば業者の依頼によりまして、船舶の損傷の程度あるいは船価の鑑定などに当ることがあるのであります。従来といえどもあまり問題はなかつたのでありますから、緩和された今回の法律では、まさかそういうことは問題ないと私は思いますが、それに対する公取委の御見解をひとつこの際明らかにしていただきたいと思います。
  15. 竹中喜滿太

    ○竹中政府委員 御質問に対してお答えいたします。ただいまお述べのように財団法人日本海事協会は、船舶安全法第八條に基いて、主務大臣の認定した日本の船級協会でありまして、その行います正当な行為につきましては、事業者団体法第七條五号におきまして事業者団体法の適用を除外されております。そこで海事協会が行います行為が、正当な行為がどうかということが問題になるのでございますが、それがたとい正当な行為でなくとも、現行法におきましては、五條各号に該当しない限りは、公正取引委員会の認可を受けてこれを行うことができるようになつております。これが今回改正になりますと、認可行為が削除されることになりますので、今後は先ほどお尋ねのような、依頼者の依頼によつて船舶の損傷あるいは船価の鑑定というような行為は、公正取引委員会の認可を待たずとも自由にできると考えております。
  16. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 非常に明快な御答弁で、海事協会が船舶の損傷あるいは船価の鑑定をやることは、この改正法律によつて認可も要せずしてやれる、非常にけつこうなことと思います。そうしますと、同時に海事協会がやつておる溶接工の技術の試験であるとか、あるいは輸出するエンジン――機関、鋼材の検査というようなこともやつておるのですが、これももちろん問題はないことと思いますが、念のために明らかにしておきたいと思う。これも同断に解していいか御答弁を願いたい。
  17. 竹中喜滿太

    ○竹中政府委員 お答えいたします。ただいまお尋ねの溶接工の技術の試験あるいは輸出機関、あるいは鋼材の強度試験も、依頼者の依頼による任意検査であれば全然問題なくできることになつております。
  18. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 非常に明確になつてけつこうだと思いますが、この団体法によりますと、事務所なんかの賃貸は禁止されておつたように思うのですが、海事協会では、自分の事務所を持つておるか、ただいま部屋かあいておるのでそれを他人に貸す場合がある。ちようどわれわれの家で余裕住宅があると他人に貸して住まわすということがある。そういうような意味で、事務所の賃貸をしたりあるいは海事協会が船名録をつくつて発行するということをやつている。これも違反にならないと思いますが、念のためこの点も明らかにしておきたいと思います。
  19. 竹中喜滿太

    ○竹中政府委員 ただいまのお尋ねのような点も、営業行為にならない限りは、事業者団体法上一切問題はないことになつております。なおつけ加えますれば、日本海事協会は財団法人でありまして、民法上営業行為はできないことになつておりますが、そういう点も問題はないと思います。
  20. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 もちろん営業行為ではないと思います。ただ事務所を貸すと修繕費的なものとして、家賃というか、その対価をもらう。また船名録を発行すると、それに対する実費手数料をもらう、こういうことは営業行為でないことは明らかだが、ある程度のその対価をもらうことは、問題ないと解してよろしゆうございますか。
  21. 竹中喜滿太

    ○竹中政府委員 問題ないと考えます。
  22. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 非常に明確になつて、この点はけつこうだと思います。  なおお聞きしたいことがありますが、きようは時間もないので、この点だけを明らかにして、また他日に質問を留保したいと思います。     ―――――――――――――
  23. 前田正男

    ○前田委員長 次に私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたし、まず政府の説明を求めます。横田政府委員。
  24. 横田正俊

    ○横田政府委員 ただいま上程されました私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由を説明いたします。  行政機構の簡素化、合理化の線に沿いまして、公正取引委員会の組織、権限を規定する私的独占禁止法第八章の規定に所要の改正を加える必要が生じたのでありますが、その主要な改正点は次の五点であります。  第一は、委員の定数を七人から五人に減少せしめ、それに伴いまして委員會の議事定足数を、委員長を含めて四人でありましたのを、委員長を含めて三人にいたしたことであります。このために第二十九條第一項及び第三十四條第一項を修正いたしました。  第二は、事務局に事務局長を置くとともに部の改廃を行つたことであります。すなわち、現在は、総務部、調査部、商事部及び審査部の四部が並立して委員会に属し、事務局長を欠いておるのでありますが、このような機構は委員会としては当委員会のみであり、事務の統一がとりがたく、支障も多々ありますので、新たに事務局長を置きますとともに、従来の総務部を官房とし、さらに、他の三部の所掌事務を整理いたしまして、経済部及び審査部の二部に縮小いたしました。第三十五條第一項及び第三十五條の二の改正がそれであります。  以上の二点が今次改正の主眼点でありますが、このほかに、委員長及び委員の任命方法、審判官の法律的地位の明確化並びに部の所掌事務の法定化等、この際必要と考えられます組織法上の改正をいたしました。すなわち、第三点といたしまして、従来国会閉会の場合または衆議院解散の場合に、委員長または委員の任期が満了し、または欠員が生じたときの措置は、政令に任ぜられておりました。すなわち内閣総理大臣が臨時に、委員の職務を行うものを命じ、事後に最初の国会で衆議院のみの同意を得て任命することになつており、正式に任命されるまでは委員としての地位が不明確である等の不備があつたのであります。従いまして、他の諸委員会の例にならい、国会閉会または衆議院解散の場合におきましては、総理大臣は、一まず、委員長または委員を任命し、事後に両議院の同意を得ればよいように改めますとともに、従来、任命一般につきまして、單に衆議院の同意のみで足りておりましたのを、両議院の同意を必要とするように改めることにいたしました。このため、第二十九條第二項、第三十條第四項、第三十一條及び第三十二條に所要の改正を加えました。  第四点は、審判官の法定化でありますが、従来、違反事件の審判を主宰する審判官につきましては、特に専門の知識と経験を必要とするにもかかはらず、事件ごとに指定されるという形をとり、その名称も、公正取引委員会の審判規則に規定されるにとどまつておりました。法律上の地位が不明確でありますため、審判を受ける当事者の側から、ややもすれば、公平なる争訟制度の保護下に置かれていないのではないかという疑問も往々にしてあり、また最近におきましては、特定の職員に委任する事例が恒常化して来ております実情にかんがみましても、これを第三十五條第二項及び同條第三項として、新たに規定して、審判官の地位の向上をはかることが望ましいと考えられるのであります。そこで実際の審判を主宰する審判官を、五人以内置くことにいたしまして、迅速、公平なる事件処理を期することにいたしました。これに伴いまして、審判手続の一部委任を規定しております第五十一條の二を修正いたしました。  第五点は、部の所掌事務の法定化であります。国家行政組織法上は、部の所掌事務は、法律に規定しなければならないことになつておりますが、御承知のように、独占禁止法は、国家行政組織法成立前にできておりますことと、公正取引委員会の組織権限が設置法の法体裁をとつておらない関係等で、法律に規定されておりませんでしたので、これもこの機会に第三十五條の二以下第三十五條の五までとして法定化することにいたしました。第三十五條の六以下は、接地法の体裁に従つて、従来項であつたのを、それぞれ一條に書き改めただけであります。  以上、本改正法律案の目的及び要旨につきまして、御説明いたしました。何とぞ、御審議の上すみやかに、御協賛あらんことをお願いいたします。     ―――――――――――――
  25. 前田正男

    ○前田委員長 次に経済審議庁の機構に関し政府の説明を求めます。野田行政管理庁長官。
  26. 野田卯一

    ○野田国務大臣 今次の行政機構改革の一環といたしまして、来る六月末日をもつて経済安定本部を廃止することに相なつたのでありますが、これに伴い新たに総理府の外局として、経済審議庁を設置し、国民経済の総合的運営に資せしめることといたしたのであります。  経済安定本部は、昭和二十一年八月、戰後の荒廃した国土と経済の復興と再建のための総合的な経済企画官庁として設置せられ、わが国経済の安定のために大きな役割を果し、ほぼその任務を果したと申せると思うのであります。  しかしながら、講和後のわが国の経済の現状は、なお幾多の困難な課題を存しているのであります。  まず国民生活につきましては、鉱工業生産の著しい回復にもかかわらずいまだ戰前の水準に達するに至らず、国際収支につきましては、今のところ特需等のいわば臨時的ドル収入にささえられて均衡を保持しておりますが、これを長期的に見るとドル不足の傾向は否定できないのであります。さらに今後自衛力の漸増、賠償、外債の支払い等の新たな経済上の諸負担が増加して参るのであります。これらの困難な事態を打開し、国民経済の健全な発展と国民生活の向上をはかるには、なお一層生産及び貿易規模の拡大に努めて行かなければならないのでありますが、このためには、総合的見地に立つた目標を樹立し、これに基いて総合的経済政策を計画的に推進して行く必要があると考えるのであります。  今次の経済安定本部の廃止に際しまして、右の趣旨に基き、経済に関する重要な政策及び計画の企画立案及び総合調整を行う行政機関として、新たに経済審議庁を設置いたすこととし、この法律案を提出いたしました次第であります。
  27. 前田正男

    ○前田委員長 この際質疑があれば、これを許します。志田義信君。
  28. 志田義信

    ○志田委員 大臣は御多忙のところおいでくださいましたので、できるだけ簡單に要点だけについてお尋ねを申し上げたいと思います。経済審議庁設置法の中にあります第三條の第一号に、「経済に関する基本的な政策の総合調整」という項があるのでありますが、これに企画立案ということが抜けておるのではないかと思いますけれども、それに対する大臣の御見解はいかがでありましようか。
  29. 野田卯一

    ○野田国務大臣 今回設置を予定いたされております経済審議庁におきましては、経済に関する基本的な政策自体を自分でやるということは、他の行政機関の所掌に属しておらない場合はやりますが、他の行政機関の所掌に属しておる基本政策につきましては、まずその役所にやらせる。たとえば金融政策であれば、これは大蔵省で企画立案をさせる。食糧政策であれば、農林省で企画立案をさせる、そういうような考え方をいたしておるのであります。そういう問題につきましても、もちろん農林省が食糧政策を立てますについても、関係のいろいろな役所があるのであります。そういう場合には農林省が他の官庁と相談をして食糧政策を立てるのでありますが、その協議がまとまらないという場合が考えられるのであります。そういう場合におきましては、それのとりまとめ、あつせん役をこの経済審議庁でやる、こういう意味でありまして、他の行政官庁の所掌に属しておる基本政策は、経済審議庁で企画立案しないで、当該官庁でやる、こういう建前をとつた次第であります。
  30. 志田義信

    ○志田委員 私たちは、経済安定本部が廃止になるに伴いまして、経済審議庁を新たに設置するという処置が講ぜられたことは、当然であると思つておるのでありますが、今後における日本の経済のあり方、あるいは総合的な経済政策を立てるという意味から言いましても、経済を自立して、それに基いて経済の各般の施策をし、計画的に推進して行くということがきわめて必要ではないか。そういう必要な時代にあるにかかわらず、経済審議庁が総合的な計画官庁としての任務と権限とを持つておるとするならば、その設置法におきまして、企画立案という問題を特に取除いた「経済に関する基本的な政策の総合調整」、こういう言葉では、私は非常に権限が狹小であるのではないか。さらにそういうことでは計画立案して行くという総合調整の仕事もできないということになりはしないかと思うのですが、重ねて御意見を承りたいのであります。
  31. 野田卯一

    ○野田国務大臣 いろいろな計画を各方面からよく見て立てて、それを計画的に実施して行くということは全官庁がやらねばならぬことだと思います。あらゆる政策についてそのことが言えると思います。その基本政策は役所役所があつて分担しておるのでありまして、国務大臣がそれぞれの所管を持つてやつておる以上は、やはり食糧の問題は農林大臣、金融の問題は大蔵大臣、中小企業の問題は通商大臣がまず第一に責任を持つて、それが中心になつて関係各省あるいは民間、あるいはその他のものと連絡をとりまして政策を立てて行くということにするのが、現在の役所というものを、最も能率的に各省大臣が全力を盡して働かせる方法であろう、こういうふうに考えておるわけであります。
  32. 志田義信

    ○志田委員 各行政機関の所掌に属しておるそれらのことに対して、各省が企画立案をすることは当然なんであります。しかし他省の行政機関の所掌に属しない総合的な経済政策を、広く基本的な政策の企画立案の立場からやるということもきわめて必要ではないか。今農林省の食糧の問題あるいはその他を例にとられておりましたが、それを総括して考える基本的なものの企画立案の権限を企画官庁が持つという  ことはきわめて必要じやないか。そうしなければかえつて能率的じやないのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでございましようか。
  33. 野田卯一

    ○野田国務大臣 ただいまの御質問の趣旨が私十分のみ込めておらないおそれがありますので、あるいは当らないかもしれませんが、私は各主管のある仕事については、主管庁がたくさんの人員を擁し、最良のブレーンを持つておるのでありますから、そこでやるのが一番いいのではないか。ところが関係各省との間の話合いがまとまらぬという場合には、ここに持ち出してやるということの方が、国家的に能率が上るのではないか。もし各省で自分のところの所管の基本政策を企画立案しないということになつたら、これはどつかに厖大な役所をつくらなければならないことになつて、それは完全な官庁の重複になる。でありますから今度の行政機構の改革におきましてもできるだけ仕事を簡素化する、重複を避ける、そしてみんな能率が百パーセント発揮できるようにということを考えているのでありまして、各省それぞれの所管事項は、当然第一次の企画立案の責任者であるという建前は貫きたい、私はこういうふうに考えているのであります。そのほかに第二号でありますが、「他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策の企画立案」こういうものにつきましては、もちろん各省に関係があるのでありますが、それがどの役所の所管であるかというふうにもはつきり言えないような問題が現在でもありますし、また将来もそういうものが起つて来る可能性が多いのであります。そういうものにつきましては、経済審議庁におきまして、積極的に各省と連絡をとりまして企画立案するということが必要である。こういうふうに考えているわけであります。なおもつとさかのぼつた基本的問題といたしまして総合国力の問題であるとか、いろいろな国民所得の問題であるとかいうことになりますと、これは経済審議庁においてもちろん所掌してやつていただくということは、ここに書いてある通りでありまして、そういうような一連の構想によつて、最も能率的に推進して行きたいというふうに考えているわけであります。
  34. 志田義信

    ○志田委員 そういうことをやるにしても、やはり基本的な政策の企画をやらなければ、そういう問題はそろばんが出て来ないのだという気がするのでありますが、しかし大臣は、その点は十分やれるのだというお話でありますから、その大臣のお言葉を承つておきます。  それはそれとして、それ以上のことは申し上げようとは思いませんが、第四條、第十三号の「経済に関する基本的な政策及び計画について、関係行政機関の事務の総合調整を行うこと。」ということにも、やはり企画立案という点が抜けているのでありますが、それは今までの御説明のごとき状態において、それを特に必要としないというお考えでありましようか。
  35. 野田卯一

    ○野田国務大臣 第四條の第十三号は、第三條第一号を受けて来た規定ではないかというように考えるのであります。
  36. 志田義信

    ○志田委員 それから第七條の中の十一号に「貿易及び国際収支に関する基本的な政策及び計画の総合調整に関すること。」とありますが、これに特に外国為替予算案についてのことが拔けているのであります。それはいかがでありましようか。
  37. 野田卯一

    ○野田国務大臣 外貨予算の問題につきましては、政府の方針といたしましてはこれを貿易と貿易外にわかちまして、貿易の関係におきましては通商産業省においてとりまとめる。貿易外の関係におきましては大蔵省でとりまとめる。そしてそれを閣僚の会議にかけてきめて行くという構想を持つているのであります。
  38. 志田義信

    ○志田委員 この外国為替予算は、大臣も十分御承知の通りに、産業貿易に通ずる基本的な政策と表裏一体をなすものである。こういう場合に外国為替予算の編成に関する権限を、特に企画官庁である経済審議庁に置かないということは、先に大臣が申し述べられた第四條の審議庁の権限の中におきましても、基本的な政策の総合調整をやるのだということを言われているのでありまして、この点がわれわれはなかなか納得しがたいものがあるのでありますが、ひとつ御意見を拝聴いたしたいと思います。
  39. 野田卯一

    ○野田国務大臣 これは重要な問題でありますけれども、大体におきまして資金の一元化で、大蔵省が外貨資金全体を所轄しておりますので、そのうちの貿易面につきましては通商産業省が中心になつて各省間をとりまとめる。貿易外につきましては、大蔵省がとりまとめるということによりまして十分やつて行ける、こういうような考え方を持つております。
  40. 志田義信

    ○志田委員 第八條の「計画部においては、左の事務をつかさどる。」ということがございます。その中の四号に「国土総合開発及び国土調査に関すること。」という一面がございますけれども、これに対しまして公共事業がこれに要する資金に関する基本的な政策、及び計画の企画立案、総合調整という点が何らうたわれておらないのでありますが、その点はいかがでしようか。
  41. 野田卯一

    ○野田国務大臣 国土総合開発に関連いたします具体的な事業計画というようなものにつきましては、国土総合開発法の改正案におきまして、その事業計画を安定本部――今度審議庁になると思いますが、そこに出しまして、十分検討するということになつておるのでありまして、それによつて事業計画がどういうふうにできておるか、これは各省から出るのでありますが、各省から出るのを十分検討いたして、その間の調整をはかられて行けばそれで十分ではないかと思います。具体的な予算になりますと、御承知のように非常にこまかいうるさいものでありますし、またこういうものを一々出すということは、前にもすでに事業計画が出ておりますので、それの執行みたいな手続をさらに審議庁に持つて来るというようなことは、かえつて煩雑になり、二重行政になるだけだというような感じを持つておるのでありまして、事業計画の審議調整をもつて目的は達せられるのではないか、こういうふうに考えております。
  42. 志田義信

    ○志田委員 そこが問題だと思うのです。事業計画だけの調整で資金の調整もできる、公共事業のうち特に国土の総合開発であるとか、あるいは電源開発というものと密接な関係を持つものなのでありますが、そういう公共事業の計画のそれに要する資金に関する必要な総合調整をやる、これは今大臣もいろいろ申されておるようでありますが、必ずしも資金の総合調整をやるということがそこにうたわれておらない。そうすると絵に描いたもちになるという非難が非常に出て来る。いくら計画が総合調整されても、その資金の裏づけがない総合開発は、それではどの資金で、どの面で、どういう総合的な調整において行われるのであるか。川の面においてはどうである、あるいは農林関係においてはどうなるか、運輸関係においてはどうなるか、産業道路においてはどうなるか、そういう資金の面の総合調整ということはきわめて重大なことじやないかと思うのでありますが、これを特に経済審議庁の設置法案の中に入れないで、一体ここはだれがやるということになる、またどこでやるのかその点をお伺いしたい。單に計画の総合調整だけでは、国土の総合開発は完全に推進できるものじやないと思いますが、その点いかがでしようか。
  43. 野田卯一

    ○野田国務大臣 資金計画につきましては、資金を管理しております大蔵省におきまして、当然資金計画を立てると考えておりますが、その際に各省と十分なる連絡をとり、もちろん経済審議庁とも十分連絡をとつて、大蔵省で資金計画を立てる。なお資金計画につきまして、たとえば大蔵省と農林省と意見が合わぬ、あるいは通産省と大蔵省が意見が合わぬということがあり得ると思います。そういうことになりますと、これは結局経済審議庁でその調整役を引受けるというようなことになつて来るのではないかと思います。
  44. 志田義信

    ○志田委員 調整をとるというのは、最後にはどこで取扱いますか。
  45. 野田卯一

    ○野田国務大臣 大蔵省と各省がどうしても話がつかないということになりますれば、その争いといいますか、調整のつかぬところの最後の調整をするのは経済審議庁であろうと思います。
  46. 志田義信

    ○志田委員 大臣はそこまで御認識があるのでありますから、そこで百尺竿頭一歩を進めて資金の総合調整をやるという項目を入れる必要があるのではないか、調整がどうしてもつかないところは最後は経済審議庁でやられるというのでありますから、それはあとでやられるのでなく、最初からタッチして、資金の総合調整をやる必要が十分あると思いますが、これはひとり国の資金調整の問題のみにとどまるものではないと思う。御承知の通り総合国土開発をやる上におきましては、府県負担問題もあり、それぞれの主管官庁においてこれだけの事業分量に対しこれだけの県負担、中央においてはこれだけやるということの調整されたものが出て来るのではなかろうか。これを企画の面で総合調整をやつて行つて、同時に資金の面においてもこの企画官庁が総合調整をやる。これが非常に合理的なことであつて、最後になつてから最後の決はこの法案の経済審議庁がやるということでは、非常に拔き差しのならないものが出て来るような感じがするのでありますが、その点はいかがでしようか。
  47. 野田卯一

    ○野田国務大臣 たとえば電源開発の問題でありますと、今後の電源開発に関します仕事は、御承知のように公益事業委員会が廃止になりまして、主として通産省に移るわけでありますが、そこで火力、水力を通じましたいろいろな事業計画ができると思います。それに関連した資金計画は、大蔵省と通産省で相談してきめるということに主としてなると思います。それが話がつかないというときには経済審議庁の世話になるかと思いますが、それで話がついて、しかも事業計画などについてはすでに審議庁としてタッチしておられるわけでありますから、その事業計画に基いて通産省でいろいろな事業計画を立てる。そうして資金の面を大蔵省で世話をするということになつて来ると思います。その体制で進み得るならば一番いいのではないか、なるべくものを簡素化するという点において、それで十分ではないかというふうに考えるのです。
  48. 志田義信

    ○志田委員 そこなんですが、簡素化するという建前から行けば、最初から資金の総合調整に参画させておいて、そうして最後まで総合的に考えて行くようにさせる方がいいのではないか。電源開発の問題を今大臣はおとりになりましたが、もちろん電源開発でそういう問題も多く出ることが考えられますし、そういう点についてはそれぞれの官庁がそれぞれの主張と目的があるわけであります。ことにこれは電源開発に関する限りは、府県におきましてもいろいろな要望が出て来る。たとえば只見川におきましても、直接水路を利用する三十数点の発電所をつくつた方がいいという案に対しまして、新潟では流域変更案というものを出して争うということになる。これはいずれも最後において総合調整をしなければならぬものなのでありましようが、私たちから考えれば、いつまでも総合調整の面を残しておくというのでなく、早く政府が国と地方の総合調整という立場に立つことが必要なのであります。しかるにこれを最後まで持つて行くことになると、非常に政治問題化するおそれがあると思う。これは事業の方法の面においても同様でありますと同時に、資金の面においてはさらにいろいろな問題が出て来るように思う。それを最初に総合調整をしないで、あとになつてから必要があれば総合調整をするということでは、何か資金計画が十分に連絡がとれないままに、大蔵省の裁定によつてきめられるというような考えが私たちには浮んで来るのでありますが、その点はいかがでありましようか。
  49. 野田卯一

    ○野田国務大臣 電源開発の問題は、御承知のように今度の電源開発促進法案にありますように、電源開発調整審議会などもできまして、各地の発電施設等につきまして詳しい審議がなされるわけであります。そういうところへたしか六人くらい、大臣が入るかと思いますが、経済審議庁所管大臣も入られますし、それぞれそこでよく審議して国家的な全体の計画が立つて、それに従つて事業計画が立てられ、資金計画を立てて行くのでありますから、元で総合的に集つてきめて行けば、それに従つて起つて来るこまかい問題は一一タッチしなくてもいいと思います。そうでなければ情勢が複雑多岐になつて困るだろうと思います。ですから、大もとのところを審議会などでぐつと押えて行けば、その線に沿つて資金計画、事業計画を主管庁できめて行くということが、簡素化の線にも沿うのではないかと思います。
  50. 志田義信

    ○志田委員 最後にお尋ねしますが、大臣は公共事業の資金に関する限りにおきましては、その基本的な企画立案は、最後の経済審議庁で調整する事前において、特に大蔵省の資金計画やその他によつて圧力を受けるものではないとお考えになつているのか、その点を伺いたい。
  51. 野田卯一

    ○野田国務大臣 予算編成の問題は大蔵大臣が所管しておりますので、予算編成の問題につきましては、建設大臣なりあるいは農林大臣なり、あるいは港湾に関係あれば運輸大臣によく相談して参りますから、話はつくと考えます。もちろんまとまらなければ、御承知のように予算の場合であれば、予算閣議というものがございまして、あそこで非常に討論が展開されるのでありまして、大きな問題になれば当然予算閣議の問題になる。それまでに事務当局が十分大蔵省と折衝して片づけて行く、こういうことになると思います。事務当局が大蔵省と相談する基礎になるものは、特定地域等につきましては事業計画が立つわけでありますから、それに従つて主張をして行くということになると思います。
  52. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 ちよつと関連して……。野田大臣に伺いたいのですが、先ほど志田委員からの質問に対しまして、たとえば金融は大蔵省でやる、あるいは貿易は通産省、あるいは食糧は農林省、あるいは造船は運輸省、こういうように各省大臣が責任を持つてやる、これは非常にけつこうだと私は思います。しかしただ一点疑問に思うのは、おそらく一つの貿易計画、貿易政策を立てられても、これは外務省も加わつて来ると思うが、経済関係省のほかにいろいろなものが加わつて行くのであつて、一つの電力政策を立てても、経済関係の各省が五つも六つも加わつて来る。また海運政策しかり、造船政策しかり、そういう一つのことをやつて行くのに、今日は運輸省、今日は通産省だということで、各省がてんてこまいで翻弄されるのではないか、そういうことよりもむしろ経済審議庁なり一室に集つて、そうして日本の国力もおのずから限度があるのだから、日本の国力に相応した限度で行こうじやないかという基本政策がきまるのでありますから、それをまた各省がそれぞれの責任において、輸送問題は輸送問題で運輸省、貿易問題はこうというふうにやられた方が、むしろ簡素化して、しかも円滑に行くのではないか。まとまらぬものをまた審議して最後の調整をやられるということはいいことだが、あまり各省に責任があるといつても、各省ばかりにやらせていると、あつちにも頭をつつ込み、こつちにもつつ込み翻弄されてしまつて、日本の国力というものを各省がよくにらんで行けばいいけれども、これは実際問題としては、農林省は食糧のことばかり考え、運輸省は輸送の面ばかりを考えるというようなことにどうしてもなりがちになつて、自分のところが一番大事な仕事だと思い詰める。つい全体の国力ということを忘れてしまつてその方に走りがちになると私は思う。少くとも基本的なものはやはり経済審議庁に集めてやつて行かなければならぬ。各省がそれぞれ責任を持つて、関係省で打合せてまとまらないものは、また審議庁でやるということが一番実際的であり、しかも行政を円滑ならしめ、かえつてこれが行政の簡素化になると思います。先ほどの点ちよつとはつきりしなかつた点があるかもしれませんが、私はさような気持を持つておるのですが、いかがでしようか。
  53. 野田卯一

    ○野田国務大臣 有田委員のお説の点でありますが、これはものの見方の問題であると思います。何にもなしにやるというわけではなしに、ここにありますように、総合国力の測定であるとかいうようなものもありますし、長期経済計画というものも策定されましようし、また国民所得の計算などに関する貴重な資料も経済審議庁から出て来るわけであります。そういうものが目の前にあつて、そうして各省がそれとにらみ合せながら自分の計画を立てるということでございますから、全然何もなしにやるのではなくて、大きなわくというものは、当然この審議庁が長い間の大きな計画経済に基いてお立てになつておるでしようし、国民所得という問題も大きな計画の中に入らなければならない。そういうものからまつたく離れたものを各省がつくるということになると、各省官僚の常識を疑わざるを得ないということになるわけであります。今まではだれかまん中で調整してくれる人がおりまして、その人に頼つて各省がどんどん予算を要求するというつもりで計画を立てるということが、著しく強かつたのでありますが、今度は自分の方が責任を持つて、何とかまとめて行かなければならないということになりますと、すべてが地について来て各省がまじめに検討するようになる。自分の方でまじめにまとめなければならないということになりますと、たとえば海運政策にいたしましても、十分に実行性のある責任のとれる計画をお立てになると思います。そこにやはり責任と実行というものが伴つて参りますから、初めからでたらめに大きな計画を立てたりすると物笑いの種になります。たとえば今の運輸大臣にしても、物資の点も資金の点も、十二分に大きな点をサウンドされまして、業界の意見もお聞きになつて、実行性のある計画をお立てになるというように、各省大臣がまじめに地についてものを考えられるようになるというところに、責任内閣制の特色が発揮されるのじやないかと思うのでありまして、やはり役所というものと大臣というものとは、少し気持が違うのじやないかと思います。大臣は役所のことに責任をとられて、閣議でもつて十分責任をもつて主張するような案を立てられるというようなところまで持つて行きたい。戰争中企画院ができたころから各省の企画力が衰え、自分が自主的に責任を持つて企画し事に処すという点が少しゆるんで来ておると思います。この点は有田さんもよく御存じのことと思いますが、昔の各省の役人というものは、企画をすることに真剣に取組んでいない。企画の方は企画院がするのだからお前たちは企画をせぬでもよいという空気があつたために、各省の計画を締めたことがありますが、それがためにかえつて全体の能率が下つたのではないか。各省が第一に責任をもつておやりになり、それでどうしても調整がうまく行かないときでも最後の調整はつくことになつておりますが、まず各省で十全を盡して、それぞれ計画を立てて行けばよいのではないか、そういう形でやつて行たいと考えております。
  54. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 これは野田さんも御経験があると思うのですが、国民所得とか日本の全体のことは、もちろん各省でもわかつておりますが、各省がそれぞれ責任を重んじ、自分の職責が一番大事だと思えばこそ、どうしてもその方に熱中して、そうしていわゆるセクシヨナリズムというものが出て来る。それは悪いと言えば悪いが、熱心のあまり出て来る場合があるのです。各大臣が責任を持つてとおつしやるが、閣議一つを見ましても、予算のぶんどり合いが始まるというようなことになつて参るから、各大臣が集まつてもなかなかそれはうまく行かない場合があるわけであります。また大臣が何ぼよくても事務官僚を使わなければならない。事務官僚というものが寄りかけると、その間にすつたもんだが起り、トラブルが起つて、時間を費し、むだが非常に多いと思います。やはり基本的なものは、むしろ各省にとらわれないところの経済審議庁でつくつて、それを大体の標準として、それをもつて各省が責任を持ち、いろいろな実際的の企画、政策を実行する、こういうふうに行つた方が私は円滑に行くと思う。初めから国民所得全体、日本の国力全体を知らないものが各省に集まるということがあつても、それは全部が全部をとつてしまうというわけではなしに、その中の一割、二割あるいは五割、八%とるかというような、その間の問題になつて参りますから、かえつてそういうことをやるということは、簡素化じやなくてむしろ複雑化せしめることになりまして、行政の円滑を欠くことになるのじやないかと思います。もちろん各省が責任を持つてやるということは私も非常に賛成ですが、基本的なものは、やはりとらわれないところの審議庁でやるということが実際的じやないとか思います。その点ひとつお考え直していただきたいと思います。
  55. 野田卯一

    ○野田国務大臣 私はお考えの点もむろんわかるのでありますが、その点につきましては、やはり海運政策は運輸省で責任を持つてやつて行く、それを一々どこかよその局でやつて行く、あるいはその席を借りるというふうにしないで、多少は各省とも関連はいたしますが、それと連絡をとつて運輸省で自主的にやるということは、日本の海運政策を推進するのにはよいと私は思います。  もう一つはセクシヨナリズムの点でありますが、役所というものはどうしてもセクシヨナリズムに陥りやすいと思います。それを調節して行くのが政治家の務めではないかと思います。ほんとうに政治が生きて来れば、役人にセクシヨナリズムから離れてしまえと言うことは無理だと思います。役人というのは当然ある程度のセクシヨナリズムを持つており、その上に政治家がおつてセクシヨナリズムを調節して行つて、そうしてそれがために国政を澁滯せしめることのないように政治家が働いて行く、閣議を中心とし、あるいは政党の政調会とも関連いたしましてやつて行く必要があるのではないかというふうな感じを持つておるのであります。これは政治全体の動かし方とも関連して来ると思います。
  56. 有田喜一

    ○有田(喜)委員 同じことを繰返してもしかたがないのでありますが、私は各省が責任を持つてやるということはよいと言うんですよ。大蔵省が金融に責任を持ち、運輸省が輸送に責任を持ち、農林省が食糧に責任を持つてやられるということはけつこうだが、その食糧なり、動力、輸送、金融というものは、互いに相関連して来ておるのです。その関連するところの基本的のものを、まずこういう経済審議庁で立てて、そうして各省が責任を持つてやることが必要です。日本の国力はお前たち知つておるだろう、それで道路の計画、電力の計画をつくつてやれ、輸送計画は運輸省でやれということになつて、初めから野放しになつて来ると、無用の手数とトラブルを引起すことになつて来るので、かえつて実際的ではない。やはり最初の基本的のもの、荒削りのものは審議庁でやつて、そうして各省に責任を持たせる、もちろん海運政策は運輸省がやり、金融政策は大蔵省、貿易政策は通産省でやるということは当然のことでございますから、その地ならしをどこにもとらわれないところの審議庁でやらせるのが、一番実際的じやないかと思います。あとはやらせてみて、なかなかまとまらないものだけ削つて審議庁でやらせるのだと言いましても、これは実際的でなく、かえつて無用の摩擦を起すことになるということを申し上げておるわけであります。これ以上同じことを繰返してもしかたがありませんが、私はそれが実際的だと思います。ことに日本が物も十分だ、金も十分にある、何もかも十分にあるというならば、多少無理があつても各省でやらせてもけつこうだが、今日の実情というものは何もかも足らぬがちで、日本の経済は実に底が浅いのだから、やはり相関連する基本的なものはここで考えるということが必要だと思います。これ以上は見解の相違になりましようが、私はそういうふうに考えております。野田国務大臣もゆつくりした気持で考え直してくだされば私は幸いだと思います。
  57. 志田義信

    ○志田委員 先ほど企画院のお話がございましたが、私は企画院のやり方の一番悪かつた点は、企画官庁としてよりも、実施官庁としての仕事をしたがつたというところにあつたと思います。従つて企画院が企画官庁の姿でほんとうにやつたならば、あれは非常に成功であつたと思う。今の経済審議庁におきましても、そういうような経済関係の企画官庁としての経済審議庁を設ける方向に持つて行くことの方が大事だと思います。その根本的な問題において、大臣の御意見とわれわれの考えておることが違うと思いますが、いかがでございましよう。
  58. 野田卯一

    ○野田国務大臣 今のお話は昔の話ですが、私は企画院ができた当時に大蔵省におりまして、省議をやつたときの空気を今でも覚えておりまして、それを申し上げたのであります。企画院ができてどうなるのだ、重要国策はみな企画院で企画立案する。そういたしますとそれまでは金融政策とかいうものは、大蔵省が自分の全知全能をしぼつて、もちろん各省と相談しながら立てた。ところが企画院ができた以上は主として企画院にやらせるということで、それではわれわれはまつたく事務をやるだけで、政策はやらないのだということになりまして、役人全体がデイプレツシヨンになる。これは事実なのです。そのことを取上げたわけでありまして、私はやはり食糧政策なら農林省がやるのだという責任と自負を持たして、そうして能率を上げた方がよいのではないかと思うのです。お前は政策をやらずに実施だけをやればよいのだ、政策はこつちでやるのだということになると、役人はくさらざるを得ない。やはり役人の一番おもしろいところは企画ということにあるのでありまして、その企画をやつて行くところに熱意が入るのでありますから、各省の所管事項に企画が入るということが、全体の役人を生かして使うゆえんではないかと思います。
  59. 前田正男

    ○前田委員長 本日の質疑はこの程度にとどめたいと思います。  本設置法は内閣委員会に付託されておりますが、当経済安定委員会といたしましても、これに対して修正の意見を議決して申出たいと思つておりますが、自由党の志田委員から修正の案が提出されておりますので、この際志田君からその説明を求めたいと思います。
  60. 志田義信

    ○志田委員 経済安定本部の廃止に伴いまして、経済審議庁を新たに設置するという措置が講ぜられましたのは、思うに今後におけるわが国経済の運営にあたりまして、総合的な経済政策及びその計画を樹立し、これに基いて諸般の経済施策を計画的に推進して行く必要があると認められたためであると思うのであります。それにもかかわらず、経済審議庁の総合的経済企画官庁としての任務及び権限は、現に提案されております設置法においては、著しく狹小であり、その課せられた本来の使命を果すことはとうてい不可能ではないかと思うのであります。よつて本委員会は、経済審議庁に課せられた使命を有効に遂行させるために、左のような修正を申入れていただきたいと思うのであります。  第一は、第三條第一号中「政策の」下に「企画立案及び」を加えていただくということであります。第二は、第四條第十三号中の「計画について、」の下に「企画立案し、及び」を加えていただくということであります。第三は、第七條第十一号中「総合調整」の下に「並びに外国為替予算案の準備」を加え、同條第十八号中「計画の」の下に「企画立案及び」を加えていただきたいのであります。さらに第四には、第八條第四号の次に、次の一号を加えていただきたいのであります。すなわち、第五としまして、「公共事業の計画及びこれに要する資金に関する必要な総合調整に関すること。」でございます。  これらはいずれも当面しておる経済審議庁の使命を達成するには、きわめて必要ではないかと存ずるのでありまして、他の行政機関の所掌に属さない総合的経済政策のみならず、広く経済に関する基本的な政策の企画立案の権限を持たしめることを、まず第一に私たちは要望いたしたいのであります。外国為替予算につきましては、産業及び貿易を通ずる基本的政策と表裏一体をなすものであるから、外国為替予算の編成に関する権限を持たしめたいという点を意図しておるのであります。公共事業の点でございますが、国土の総合開発、電源開発と密接な関連を有するものでありますから、公共事業の計画及びこれに要する資金に関する必要な総合調整を行わしめることがぜひとも必要である、かように存じますので、経済審議庁設置法案に関する修正申入れを、以上のごとくいたしたいと存ずるのであります。
  61. 前田正男

    ○前田委員長 次に、この修正を行います場合には、同じく内閣委員会に提案になつております行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対しまして、やはり修正をしなければならないということに相なると思うのでありますが、その修正意見の説明を志田委員よりお願いいたします。
  62. 志田義信

    ○志田委員 行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の一部修正の意見を申し述べます。さきに経済審議庁設置法案の一部修正意見を申し述べましたが、さらに行政機関職員定員法の一部を改正する法律案の一部修正意見として、第二條第一項の表の総理府経済審議庁の項中「三七四人」を「四一二人」に改めていただきたいということであります。すなわち為替において二十五、公共事業関係十三、合計三十八人を増員することにいたしまして、四百十二人に改めるということであります。
  63. 前田正男

    ○前田委員長 この修正申入れにつきましては、できれば、次回の委員会において議決して内閣委員会に申し入れたいと思いますので、各党派において御研究のほどをお願いいたしたいと思います。  本日の会議はこの程度にとどめまして、次会は二十四日午前十時より開会することといたします。  これにて散会いたします。     午後一時十四分散会