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1952-04-21 第13回国会 衆議院 行政監察特別委員会 18号 公式Web版

  1. 昭和二十七年四月二十一日(月曜日)     午前十一時十八分開議  出席委員    委員長 内藤  隆君    理事 大泉 寛三君 理事 鍛冶 良作君    理事 高木 松吉君 理事 田渕 光一君    理事 佐竹 新市君       天野 公義君    岡延右エ門君       岡西 明貞君    黒澤富次郎君       野村專太郎君    椎熊 三郎君       高倉 定助君    藤田 義光君       竹村奈良一君    山口 武秀君       久保田鶴松君    浦口 鉄男君  委員外の出席者         証     人         (京都市警察本         部本部長)   小川  鍛君         証     人         (京都市公安委         員会委員長)  守屋 孝蔵君         証     人         (日本労働組合         総評議会京都地         方評議会議長) 加賀田 進君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  証人出頭要求に関する件  治安警備状況に関する件(京都事件)  派遣委員の報告聴取  女子及び年少者の人身売買に関する報告書に関  する件     ―――――――――――――
  2. 内藤隆

    ○内藤委員長 会議を開きます。この際御報告いたします。聖十字学園事件につきまして、関東財務局長より売買契約を解除いたした旨の書面が参つております。これを朗読いたします。  関財業第四九〇号   昭和二十七年四月十五日  衆議院行政監察特別委員会    委員長内藤隆殿    関東財務局長井上義海   財団法人聖十字学園の処理についてかねて財団法人聖十字学園の処理のことについては、御配慮を煩わして来ましたが、今回売買契約を解除しましたから、御報告します。   なお、自後の処理については法務府と緊密な連絡の上善処致しますから何分宜しくお願い致します。  なお同局長より部下職員の監督については厳重なる通達を行い、あるいは部内に監察係を設ける等不正行為防止、能率の増進に努力しておる旨の連絡がありました。これをあわせて御報告しておきます。     ―――――――――――――
  3. 内藤隆

    ○内藤委員長 女子及び年少者の人身売買に関する件につきましては、すでに証人喚問も終了いたし、理事諸君とも御協議の結果、本日の委員会において結論を出すことに意見の一致を見ましたので、委員長においてすでに諸君のお手元に配付してある通りの報告書原案を作成した次第であります。この女子及び年少者の人身売買に関する報告書原案について御意見のある方の発言を許します。
  4. 竹村奈良一

    ○竹村委員 私はこの第三章の結論のうちに、入れてもらいたい意見を披瀝いたしたいと思います。それはこの結論の前に、原因として「敗戦後経済不安と植民地化によつて、内外独占資本による収奪の強化は国民生活の破壊にある、」こういう点を二項入れてもらわなければ、この原因としていろいろありますけれども、従来の証人に対する委員の質問の中のいろいろな形における根本原因が、明らかにされないと思うのであります。その理由はくどくどしく申しませんが、ぜひこれを入れていただきたいということを修正案として提出いたします。
  5. 内藤隆

    ○内藤委員長 池に御発議はありませんか。
  6. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 私は人身売買に関しまて、しばしば本委員会で響いたしておりますように、例の今一番問題になつておりまする人身売買に間接的に関係ありますところの、いわゆる売笑婦の問題であります。東京都におきましては、先般の警視庁の防犯部長の証言によりますと、特定の地域は既成の事実として取締りの緩和の対象とするけれども、しかし今後において相当こうした集団的な特飲街をつくる可能性がある、そういうものについては許可をしない方針である、こういうふうな証言をされておるのであります。全国的にやはりこういつたような例が各所にあるのであります。そこで結論といたしまして、本委員会におきまして、何か特飲街において、集団的な下宿営業であるとか、あるいは喫茶営業と称しておりますけれども、事実は売淫行為を目的としておるというようなことに対します取締りの一貫したものができますようなことを、国会に報告して、その一つの法的といいますか、あるいは取締りといいますか、そういうような一貫しだものをつくり上げていただくということで、今後はそういう集団的で事実上売淫行為をするものは認めないというような方向へ持つて行つてもらうようなものをぜひこの際つくつていただくようにしないと、やはりああいつた業者は背景に暴力的な力をもちまして、地方の善良な市民に対抗いたしまして、いやがおうでも土地を買い上げて、そこに待つて行つて集団的にものをつくつて行くということになりまするので、そういつたことを本委員会においても結論として挿入してもらつて、ぜひそういうことは取締りの関係方面に一貫したものによつて現われるようにいたしてもらうように、善処をお願いする次第であります。
  7. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に御発議がなければ、これより採決いたします。  まず竹村君の修正案について採決いたします。竹村君の修正案に賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成り者起立〕
  8. 内藤隆

    ○内藤委員長 起立少数。よつて竹村君の動議は否決されました。  それでは次に、女子及び年少者の人身売買に関する報告書原案を委員会の報告として決定するに賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  9. 内藤隆

    ○内藤委員長 起立多数。よつて本報告書原案は委員会の報告書と決定いたしました。  なお字句の修正等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 内藤隆

    ○内藤委員長 御異議なければさよう決定いたしました。  なお本報告書を関係当局に送付することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 内藤隆

    ○内藤委員長 御異議なければさようはからいます。     ―――――――――――――
  12. 内藤隆

    ○内藤委員長 次に、治安警備状況に関する件について派遣委員より報告を聴取することにいたします。田渕光一君。
  13. 田渕光一

    ○田渕委員 去る三月の二十七日、本会議におきまして、改進党の小川半次君より緊急質問があつたのであります。すなわち二月二十三日、三月二十日に関連いたしまして京都が無警察状態であるというような緊急質問が出たのであります。翌二十八日の当委員会におきまして、この問題を調査の対象に取上げまして、治安行政の監察に京都事件の調査団が決定いたしたのであります。ちようど本国会が四月四日から九日まで自然休会に入りましたので、この機会を利用いたしまして、調査団は四月五日東京を出発、六、七、八の三日間にわたしまして、このいわゆる京都事件を調査いたして参つたのであります。派遣委員は、自由党所属野村議員、押谷議員と本員、改進党の高倉議員、社会党の井上議員の一行五名をもつて調査をいたして参りました。以上大要その御報告をいたします。  第一、京都事件の事件の概要から申し上げます。一、二月二十三日再軍備反対青年婦人大会の概要であります。以下二月二十三日を二・二三事件と申し上げます。二・二三事件は、京都市華頂会館において開催を計画された再軍備反対青年婦人大会が、公安委員会より不許可となりましたにもかかわらず、当日は許可申請者とは別個の、学生、自由労働者、朝鮮人を主力とする約三百名によつて無届デモが敢行され、十一名の検挙者を出すに至つた事件であります。事前の状況は、去る一月五日より二月五日までに行われました京都市公安条例廃止運動は、総評系及び全官公系の左右二本建ての運動であつたのでありますが、各労組の青年婦人部におきましては、青年戦線の統一を痛感し、まず当面の問題である再軍備、徴兵、労働法規改悪反対をスローガンといたしまして、再軍備反対青年婦人大会を二月の二十三日華頂会館で開催することを決定、二月二十一日に京都市公安委員会に対し、新産別京都地連、全官公京都地協――地区協議会であります。黒川工業の労組、SKR(総評金属)の各青年婦人部代表者が連名で許可申請の手続をいたして参りました。しかるに全官公系の工作により、総評の意図する青年大会は次第に左派分子によりまして蚕食され、府学連、京都青年連盟、民青等広汎な青年戦線の強硬参加が、過激なビラ等によつて現われ始め、次第に反植民地闘争デー的色彩が強くなつて参つたのでありまして、全官公系以外の労組は大会不参加を申し合せました。  一方京都市公安委員会におきましては、府学連、京青連、民青は昭和二十六年十一月七日、政治的意図をもつて水谷長三郎代議士の邸宅を襲つた尖鋭的団体でありまして、日共臨時中央指導部が指令したと伝えられる「国際反植民地闘争デーに際し諸君に訴える」という文書の内容と、今次集会目的と合致しており、全文を通じて政令三二五号に抵触する容疑が濃厚であつたのであります。情報によりますと、今次集会を期して、京都市内において暴力行使を計画し、あるいは闘争を目的として、必要用具をひそかに準備しておると認められるものがあつたのであります。これらの情報によりまして、上記大会を公安委員会は不許可処分にいたし、市内においては「二十三日は実力デモを敢行する」「警察と一もみする」「目つぶしを準備せよ」というような不穏な情報がひんぴんと入つて来たので、全市警察吏員を動員いたしまして、京都市警はこれが警戒にあたつておつたのであります。  なお本事件に対する学生、朝鮮人の事前の動向を述べますと、学生の動きは洛陽高校生による大会宣伝、すなわち二月二十日午後五時三十分、上京区寺町広小路附近一帯を洛陽高校生三名が自転車にプラカード、赤旗――民青京都府委員会と書いてありますのをとりつけ、反植民地闘争デー華頂会館参加の宣伝を行い、動員ビラを撒布いたしましたが、中立売署に同行され、この際立命館大学、鴨泝高校生等約二百名が、同行した警羅隊員の職務質問に抗議して、中立売署に押しかけております。また一方立命館大学では反植民地闘争全学総蹶起大会というのをやつております。二月二十一日立命館大学校法律経済第二十三号室で、細野教授を迎え約百五十名が参集、一、再軍備徴兵絶対反対、二、二千五百億の軍事予算絶対反対、三、授業料の値上げ反対、四、全京都再軍備反対青年婦人大会に結集せよ等のスローガンを掲げ、全学総蹶起大会を行つたのであります。中立売署警備係員に対する不法事件はこれによつて起きました。二月二十三日午前十時ごろ、立命館大学第二十三号室における学内講演会にあたり、学生部長に用件があるため、所轄中立売署警備課員が同校におもむいた際、立命館大学細胞約四十名が警備課員を罵倒、脅迫した事件であります。一方朝鮮人の動きは、二月二十一日午後一時、朝鮮学生同盟京都本部において、各学校代表者が参集、二十三日の大会準備会を持ち、一、全朝鮮学生は当二十三日午後三時学同本部に集合一団となつて華頂会館に向う。二、全京都青年は梶棒を持つて大会に参加し、実力で闘いとる。三、動員方法は各地域ごとに行う。四、大会終了後は夜間デモを行い、警官と一もみする用意を持つ。二十二日午後七時、旧朝連各支部においては緊急常会を開き、二十三日大会について協議をいたしたのであります。  このような状態で、当日は午前十時から十二時にかけてSKR青年部谷内口浩二外五名、午後一時から四時にかけて府、市会議員、いずれも日本共産党党員の議員であります。この四名外五名が市警公安委員事務室を訪れまして、公安委員長に対し不許可に対する抗議を行つたが、結論を得ず帰つたのであります。ところが午後二時ごろより約二百名の前記学内集会を持つた立命館大学では午後四時三十分ごろ学内集会を終了し、そのうち約三十名が表門に出て気勢を上げ、これに鴨泝高校生約二十名がプラカードを持つて合流、さらに午後五時四十分ごろには立命館大学、同志社大学、鴨泝高校生等が参加いたしまして百五十名となり、御所清和院御門前において無届けデモを開始したので、所轄の中立売警察署から一箇小隊が出動して、解散の警告を発しましたが、これを無視して集団は河原町通に行進し始め、午後六時ごろには人員も約二百五十名に増加、プラカード二十本、赤旗等を持つて気勢を上げつつさらに南進したので、河原町蛸薬師前で警備部隊二箇中隊で実力解散せしめ、その際公務執行妨害の現行犯として二名を検挙したのであります。他方午後五時ごろ会場華頂会館前にも学生――京都大学、鴨泝高校、京都女子高校、自由労働者及び朝鮮人等を主体とする約七十名が集合し始めましたので、警備一箇中隊が実力解散せしめました。しかし午後七時二十分ごろ華頂会館前で解散した群集は、約二百五十メートル離れました祇園会館前に逐次集結いたしまして、約二百六十名ぐらいとなりデモを始めたので、警備部隊二箇中隊により実力解散せしめ、うち一名を公務執行妨害の現行犯として検挙いたしております。さらに午後七時四十分ごろには、各地で解散させた群衆が四条大橋付近に集まり、約三百名となつて再び気勢を上げ、不穏の形勢にあつたので、警備部隊が再度出動して実力解散せしめましたが、この際七名を公務執行妨害現行犯として検挙いたしております。また午後八時三十分ごろ再び各方面より約三百名が三条大橋付近に集結いたしました。これも実力解散せしめております。このとき約八十名の一団はデモを制止せんとする松原警察署三条大橋巡査派出所勤務の巡査部長以下五名に対し、投石暴行を加えて来たので、これを阻止、防衛いたしましたが、同派出所の窓ガラス四枚を破壊、この五名が負傷いたしたのであります。かくて午後九時ごろになり、群集は徐々に解散し始め、九時半ごろに至りようやく市内は平穏に復したのであります。  なお本事件中発生いたしました不法事案については次の通りであります。一、居留民団上京支部の襲撃、当日午後七時十五分ごろ、北鮮系朝鮮人十数名が管理者不在中の同支部事務所内に侵入、火鉢一個、椅子四個、謄写機一台、窓ガラス四枚を破壊、同事務所の壁に北鮮旗一枚を貼付、一枚は脱落しております。そして逃走いたしましたので、この犯人は目下捜査中であります。二、右京税務署投石事件、午後八時二十分ごろ、学生風の約十名により投石され、窓ガラス五十六枚が破壊されたのであります。二階の窓ガラスがほとんど破壊されております。二月二十七日に至り容疑者、朝鮮人学生、立命館大学の生徒であります。二名を検挙、次いで三月五日立命館大学の学生一名、六日に同じく立命館大学の学生一名を検挙いたしまして、目下他を捜査中であります。三、二条大橋巡査派出所襲撃事件、これは分散デモの状況を先ほど申し上げました、御参照願えればけつこうでありますが、とにかくその派出所前で巡査部長以下五名に暴行を加え、投石、窓ガラス四枚を破壊した、これなどは石、れんがのかけらを放つておるのであります。四、中京税務署投石事件、午後九時十分ごろ、帰途中のデモの一隊と見られる何者かによつて投石され、窓ガラス十四枚を破壊されておるのであります。五、下御霊巡査派出所襲撃事件、午後十時十分ごろ、学生約十名が派出所の三方から石、れんが等を投石、窓ガラス十枚、電球一個を破壊逃走せんといたしましたが、京都大学生、宇治分校の一名を現場において検挙し、その後捜査を進めた結果、共犯者京都大学生二名、鴨泝高校生一名、これは女子であります、これを逮捕いたしております。  本事件における対警暴力器具の使用と発見についてでありますが、本事件において対警暴力器具として使用または発見されましたものは目つぶし用の灰袋、自動車のパンクくぎ、これは自動車をパンクさせるために五寸に三尺くらいの板にくぎを数十本打ちまして、自動車の通る前にこれを敷き、自動車をパンクさせるのであります。竹槍が一本、くぎ打ちプラカード、プラカードの先に五寸くぎを刺しておつてこれでたたく、かような凶器が発見されております。  三月二十日弾圧法粉砕総蹶起大会の概要でありますが、この事件は二月二十三日ごろから関連して起つております。三・二〇事件は京都市公安委員会におきましては厳重な条件をつけた許可によつて開催されたのであります。大会の主催者は総評京都地評でありますが、総評指導者の統率力が失墜いたしたことが認められるのであります。日本共産党並びに北鮮関係朝鮮人等、極左団体のたくみな潜行、撹乱によりまして、支離滅裂化しているのであります。ジグザグデモ行進を開始し、一時京都市の中心街たる四条通り、河原町通りの交通機関を停止するのほか、投石、暴行、火焔筒を使用する等、まつたく暴徒化するに至つた事件で、二・二三事件直後、幾ばくも経ずしてかかる不祥事が発生したことは、あらゆる観点から十分に検討されねばならぬ問題であります。  すなわち事件の概要を略述いたしますと、事前の状況といたしまして、総評では三月一日、東京、大阪を初め、全国各地で弾圧法粉砕総蹶起大会を打ち、政府攻撃の一弾を投じましたが、京都地評にあつては、機熟せずと見てこれを見送つて来たところ、全官公京都地協を初め、左派系労組から二月末共闘参加の申入れを受け、一応態度を保留し来たつたのでありますが、三月三日常任幹事会を開いて、三月二十日に円山音楽堂における標記大会開催の具体的決定を見るに至つたのであります。さらに三月七日、十一日には加賀田地評議長以下総評系、全官公系各単産の代表等が多数出席、討議を重ねた結果、大会の具体案をさらに補足いたしまして計画を立てる一方、広汎な戦線統一をはかりつつ、漸次春季攻勢への雰囲気を高めて行つたのであります。かくて三月十四日総評京都地評におきましては、集会並びに集団示威運動の許可申請書を市公安委員会に提出、これに対し公案委員会では次のごとき厳重な条件を付してこれを許可いたしました。  この許可条件を申し上げますと、一、官公庁事務に支障を及ぼさないこと。二、凶器その他の危険物を携帯し、また泥酔したる者を参加せしめないこと。三、言論及び新聞の自由に関する覚書に違背するような言動をなさざること。四、許可申請書に記載した参加団体以外の団体員、学生等を、当日の集会並びに集団示威運動に参加せしめないこと。このために明瞭な標識を付せる自治的整理員を会場入口並びに行進列中に配置し、十分な措置を講ずること。五、集団示威行進の円山出発は午後五時三十分とし、解散は午後六時三十分までに終了すること。六、集団示威行進中、紙園石段下より市役所前までの途中においてはジグザグ行進を行わないこと。七、解散地点は市役所前より御池通りの寺町以西とすること。八、従来の例によれば解散後集団示威運動に参加したる者のうちの一部が新京極付近に三々五々集合し、公安条例違反の挙に出たることもあり、当日かかることを絶無ならしめるために、あらかじめ自治整理員を次のごとき地点に派遣し、条例違反の発生する事前に制止、解散等を自治的に行うこと。イ、蛸薬師河原町西入付近、ロ、松劇前付近、ハ、松竹座前付近、二、花月南付近、ホ、その他新京極付近の適当な地点九、右おのおのの条件は、集会並びに集団示威運動の参加者に漏れなく集会開会のとき、集団行進出発のとき、解散のとき、その他にわたり徹底の方法を講ずること。  しかしながら一方この間にあつて日本共産党は、この大会を期して一大闘争を展開すべく、具体的行動を打合す祕密会合を持つたもののようであります。すなわち情報によれば、日本共産党青年行動隊におきましては、対警工作の一環といたしまして、A、催涙ガスの使用、B、くぎ板戦術、くぎ板による自動車の妨害であります。C、粉こしよう、とうがらし、カンフル液等による目つぶし戦術、D、警察官に対する各個攻撃、袋だたき、つるし上げ、E、警備部隊の誘導戦、F、警察部隊の行動指令の入手と指令妨害並びに情報報告のキャッチ等を討議決定、日本共産党京都府委員会においても、三月二十日大会には対警攻撃として、青年行動隊グループで討議した戦術による方針で進めることを確認した模様であります。さらに学生、朝鮮人関係の動向も活発で、前述の日本共産党の闘争方針に沿うものと思われる宣伝活動が行われ、「二十日円山の大会に皆集まろう、日本民主青年団」、「アメ公帰れ、両条約廃棄、日本人民共和国万才」等等を内容とする多数の不穏なビラが散布、貼付されたのであります。  大会の状況を申し上げます。屋外集会の状況から申し上げますと、当日の集会は総評京都地評事務局長黒田誠一君の司会によりまして参議院議員椿繁夫君、衆議院議員赤松勇君、立命館大学教授前芝確三君、同志社大学文学部長竹中勝夫君の四氏の講演を交えまして、何ら事故もなく議事進行が続けられたのでありますが、大会終了まぎわとなりまして、すでに市公安委員会より指定されました集会予定時刻が四時三十分から五時三十分までになつておりまして、一時間を超過いたしておりますので、会場付近は薄暗くなつて参りました。議長団は予定の議案を省略いたしまして、時間が切迫いたしましたために他の団体よりの来賓メッセージも氏名紹介だけにとどめて、この内容を読んでおりません。そうしてデモ、行進に移ることを宣言いたしましたところ、会場の前方に参加しておりましたいわゆる自由労働者約百五十名は、委員長の京都府会議員である日本共産党員灘井五郎君に演説させよと議長団に迫り、これに市労連が声援同調するに至つて議場騒然となりました。灘井日共府会議員は混乱に乗じて演壇に登り、マイクを奪い取りまして、私の演説を妨害した議長団こそ最も反動者である等の演説をして、混乱と興奮のうちにデモの行進に移つたのであります。  デモ行進の状況を申し上げますと、主催者側の努力にもかかわらず、前述のごとく大会の閉会時刻はまる一時間のずれを生じております。さらに閉会まぎわにおける紛議、これは日本共産党の灘井君が主となつて、議事の引延し策をもつて薄暗くなるのを待機しておつたことは明らかであります。それと主催者側の統制力の欠如から相対的に一部尖鋭分子の乗つ取り方針が強く押し出されまして、不法デモに発展する可能性が、すでにデモ行進出発直前に危惧されておつたのであります。はたして地評議長加賀田進君を先頭に、各種ちようちんに火をともしまして、インターを高唱しつつ円山公園を出た一キロに及ぶデモ隊は、一部過激分子のリードにより禁止区域内のジグザグ行進を行い、警備部隊の警告、制止を受けながらも、予定コースを西進して参りました。やがて午後七時十分ごろ、デモ隊先頭が市内中心地、繁華街である四条河原町にさしかかるころになると、一般歩行者中に混在していた不穏分子、学生、自労の一部が、機をうかがつてデモ隊に潜入、逐次累増され、総評主催のものには決して見られないほどの気勢をあげたのであります。午後七時二十分から三十分に至り、三条大橋から四条河原町通り、四条小橋で完全にデモ隊は総評の指揮下を脱し、実質的には左翼系労組のデモ隊と化し、徹底的な蛇行、いわゆる迂回して、逆進、もどる、まるでみこしをもむような状態、交錯のジグザグを強行したのであります。ために市電、市バス、一般車輌は相並んで停車し、交通秩序は一時完全に破砕される状況でありました。この間、四条大橋巡査派出所に対する焔管投掛並びに投石事件及び河原町六角付近における京都連合タクシーに対する窓ガラス破壊事件等が発生、そのために所轄五条署より警備部隊が現場に急派されたので、デモ隊はようやく平穏となりましたが、午後七時四十分ごろ、先頭は市役所前に到着、後続の来るのを待つて、寺町御池西広場に進み、逐次解散をし始めたのであります。しかしながら、前述の予定デモ隊解散後も、一部不穏分子による分散流れデモが各所に発生いたしております。市警警備課員及び取材中の新聞記者に対する集団暴行傷害等の不法事件が発生いたしております。午後八時三十分ごろようやく平穏に復したのであります。  不法事案の発生、本事件中発生した不法事案は次の通りであります。すなわち、自由党京都府連合会事務所襲撃、午後六時十五分ごろ、自由労働者風の五名が石、れんが等をもつて投石いたしまして、二階の窓ガラスに大きなあなを四つあけております。また下の金網の入りました厳重なドアーにれんがのようなものをぶつつけて四箇所を破壊しております。目下犯人は捜査中であります。それから五条署の四条大橋巡査派出所を襲撃いたしております。午後七時十五分ころ、デモ隊のジグザグ整理のため、警備部隊一箇小隊が出動している間隙に乗じて、何者かが同派出所に投石、窓ガラス二枚を破壊、同時に鉄道用信号焔管、これは汽車などが事故を起しましたときに使う道具で、鉄道で火焔による信号用に使つておるものであります。この製作所は関東電機株式会社で、長さ六寸、直径一寸、薬品白色粉のものであります。これを一箇を投擲いたしましたが、命中せず、路上において発火、ただちに警備隊員により消火されたのであります。これも犯人を捜査中であります。それから警官に対する暴行事犯、一つは、午後七時三十分ごろ、四条河原町交叉点で交通整理中の五条署小高巡査は、京都連合タクシーに対する暴力事犯、いわゆるガラスをこわしているのを発見、被疑者を逮捕せんとしたところ、巡査をやつつけろと、十重、二十重に包囲され、なぐる、ける等の暴行を受け、全治二週間の負傷をし、しかも公用乗車券を奪取されております。三月二十二日、被疑者の日本共産党員、府会議員灘井五郎を逮捕、取調べの上送検いたしております。また午後七時三十分ごろ、市役所前広場において状況視察中の警備課勤務田中警部補は、六、七十名の包囲を受け、打つ、ける、なぐるの上に、竹ざおのようなもので左頭部に全治一週間の裂傷を負つております。私たちが会いましたときも非常に衰弱しておつたのであります。それから新聞記者に対する暴行事犯として、午後七時四十分ごろ、河原町において京都新聞社井上写真部員が撮影中、高さ一メートル三十くらいの脚立から、脚立をけられて転落、全治五日間の打撲傷を負い、写真機を破損いたしております。さらに午後八時過ぎに、寺町通り中央保健所付近で取材中の京都新聞社山形記者は、警官と間違えられ約二十名の集団暴徒によつて包囲され、ブル新聞記者をやつつけろと、踏む、打つ、けるの、もう手に負えない乱暴をされております。そうして梶棒で殴打されたために、頭部及び右大腿部に全治四週間の重傷を負い転倒、これを救出せんとした大阪新聞、朝日新聞の記者三名中、大阪新聞の藤本記者も軽傷を負つております。これも暗やみに起つたことで、犯人は捜査中であります。  本事件において使用され発見された暴力器具のうちおもなるものを申し上げますと、鉄道信号用焔管、先ほど申し上げたものであります。性能は、五分間ぐらい燃焼いたしまして、赤色の炎を発し、強い光度を持つものであります。薬品は綿薬、ニトロ・セルロースと硝酸ストロンチウム、用途は照明用、警備部隊に対する神経戦をねらつたものと思います。それから電球、廃物のマツダ電球百ワット一個、四十ワツト一個、これは投擲時音響を発することにより警備部隊を注目せしめ、その間隙に反対側からパンク針をしかけることを計画いたしております。左翼分子のデモ隊指導は、自転車連絡、懐中電燈の点滅による信号によつて行つております。  第二、治安警備対策と警備状況を申し上げまするならば、まず公安委員会の態度でありますが、二月二十三日、情勢を判断いたしまして大会を不許可にし、三月二十日の集会示威行進に対して許可条件を付したことは、これは当を得た処置であると考えられます。しかしながら三月二十日の集団示威行進の場合、許可条件にある解散は午後六時三十分であつたが、実際には大会が二時間遅れて八時三十分になつております。その六時三十分ごろに示威行進が出発、危惧していた夜間デモとなつたことは、わずか二時間のずれではありまするけれども、すべての犯罪、暴逆なる行為は、夕方薄暗いときから行われておりますから、この時間のずれが事件発生の重大な原因であつたことを知るとき、臨機応変な態度、日本共産党に対する適宜な措置をとるべきであつたと考えられるのであります。従来の諸事件がいずれも夜間に起つている関係上、当然夜間における示威行進は断固禁止されなければならないのにこの点、今回の事件は、かかる集会のあり方について、今後のために一つの警告を発するものであります。  警備対策と警備状況を申し上げますると、二・二三事件においては京都市警では、日本共産党の軍事組織並びに対警工作の積極的暴力化等、一連の情勢判断を基礎といたしまして、事前の不穏なる情勢から、二十二日緊急部課署長会議を招集して、警備実施要綱を決定、千八百九名の警官を動員して、華頂会館前を初め、市内の要所に配置して、残余の千七百名は待機の姿勢で警備に当つておつたのであります。しかしながら予想された騒乱に対しての態勢は、一応各部隊の配置によつて警備さたものの、その間隙と弱点をつかれて不法事件が惹起したのであつて、その結果といたしましては、一、日本共産党の陽動作戦、遊撃戦に対する対策が、一線警官まで徹底しておつたかどうか。二、常に受動的態度で、積極的に解散措置に出なかつたため、デモ隊をしてかえつて気勢を上げさせる結果となつたのではないか。三、集団の萌芽が現れましたならば、即時解散措置をとらなければならないのに、初動制圧が不十分であつたと思われること。四、派出所襲撃に対する連絡、後方より投石をするのが例でありまするから、その後方になぜ警備を配しなかつたかというような問題、火焔筒の投入に対する警戒の不徹底等の警備上の欠陥が見られるので、これらははなはだ遺憾であります。  三・二〇事件におきましては、二月二十三日の警備の経験を生かし、参加予定団体以外の学生、朝鮮人等の潜行参加、不法事犯の発生等を予想いたしまして、千九百六十三名と前回よりも百五十名警官を動員いたし、その余は待機の上、市内の要所々々を網羅する配置によつて、一応警備態勢は十分であつたと見ることができます。しかしながらジグザグ行進によつて混乱した交通機関の一時停止等の整理はきわめて拙劣で、市民に不安感を与えた上、さらに解散後事件が発生しているのは、警官の状況判断の誤算、この陽動作戦に裏をかかれたということになつておるのであります。それと単独行動の危険性、解散後の群衆に対する集団パトロールの不備等によるものと考えられ、その点においては的確性を欠いたものと思考されます。但し当時の警備状態が、小川半次君が緊急質問をいたしまた本会議の演説にもありますような、そのときの京都は無警察状態であつたとか、警官が暴行を目撃しながら救出しなかつたというようなことは認められなかつたのであります。  第三、京都事件に対する総合的考察であります。二・二三、三・二〇両事件の背後関係は、すでに事件の概要において明らかになりましたが、三月三日付の日本共産党の通達「徴兵反対、再軍備反対国際婦人大会を実力で闘い取れ」によれば、二・二三事件に対する自己批判といたしまして、こういうようなことを言つております。「第一に多くの人が、特に党機関でさえ二・二三反植民地デーの大会に対して敵が許してくると云う甘い考え方をもつていた事である。」敵とはいわゆる保守陣営であります。これらがわれわれの開く大会を許して来るという甘い考えを持つていたために不許可に終つたということはけしからぬ、なぜ実力でやらなかつたかということであります。「大体党が指導する大会が許可されるのは余程特殊な場合である。それは革命がもともとはじめから非合法なものであり、敵階級は自分自身を攻撃する者に対してどんな事でも必ず弾圧して来るのが当然であるという理由による」こう説いております。また「二・二三に闘われた行動隊が中核自衛隊であるというのはあやまつた思想である。何故なら中核自衛隊というのは生産点――即ち職場や学校等に於ける抵抗闘争の中から生まれる組織であり、それだからこそ、民族独立闘争を最後まで闘うことが出来るのである。二・二三闘争でいわれている中核自衛隊は、その芽があるにしてもこういつた性格をもつていない。それは同じ職場に基礎を置く組織ではなく、ただ二・二三闘争のためにのみ組織された行動隊にすぎない。二・二三闘争が一応成功したからと云つて、この経験のみをそのままおしすすめると重大なあやまりをおかすことになる」こう忠告しております。これらによつて二・二三の青年婦人大会は、党より見れば友植民地デーの闘争であつたこと、そのために逐次再軍備反対のスローガンを党の線に移行させて来たこと。大会が不許可になるのは当然のことで、革命への前進にあたり、党は党の意思によつて大会を行うのである。それゆえに行動はすべて非合法で行われるのである。とはつきり言つております。二・二三闘争に組織された行動隊は、真の意味の中核自衛隊ではない。しかし二・二三闘争のために特に行動隊が編成組織されていたこと等が明瞭になり、共産党が背後にあつて指導した計画的な騒擾事件であつたことが証明されたのであります。  一つの軍事行動としての計画性があるとき、みずから襲撃にあたつても軍事方針に従つた選定がなされる。すなわち襲撃派出所の選定には、一、最も反動的、売国的警官のいる派出所。二、党の影響力の強い地域の駐在所、派出所。三、本部、署等大権力機関の所在地は避けること。四、攻撃後、天誅下る等の宣伝を行うようビラ等を準備しておくこと。これは白鳥事件ではつきりいたしております。白鳥事件では、やると同時に「天誅遂に下る」というビラを張つております。襲撃された個所は、この選定の条件にかなつた所であり、それが計画通りに実行されて騒擾事件となつたものであります。三・二〇事件の場合は、二・二三事件が反植民地闘争を主眼としていたことよりさらに前進して、広汎な大衆動員と遊撃戦をねらつたものといえましよう。  京都においては、昨年十二月以降、越年闘争、公安条例闘争、反植民地闘争を通じて、労働者の共同闘争が打出され、それが実力行使の裏づけにより発展して来ているが、二月二十三日より三月二十日まで、三月一日の万才記念日、三月十五日の三・一五記念日、三月十八日の小林多喜二祭と記念日が相次ぎ、これらを三月二十日大会に結集し、共同闘争の一応の締めくくりを行うとともに、春季闘争を発させる突破口とし、両条約粉砕、打倒吉田内閣の統一メーデーのきつかけをつくる闘争たらしめようとしたもののようであります。  三月十七日付の日本共産党京大細胞の宣伝ビラによれば、三月一日は「京都では地評幹部が日和見で大会が開かれなかつたが」「全国的な高まりと反植民地闘争デーの闘いのあふりで、三月二十日、円山で吉田内閣打倒、悪法粉砕総ケツ起大会を開き、チョウチンデモを行うことに決定した」と言い、「越年闘争、公安条例闘争、反植民地闘争デー等と労働者の共同闘争が打出され、これが実力闘争として発展して来た。反植民地闘争デーには右京税務署、左京税務署、ポリボックスに、労働者を中心にした愛国者のいかりが直接の実力闘争である襲撃になつて敵権力をふるい上らせた」と激賞いたしておるのであります。三月二十日にすべてを結集し、団結して闘わねばならぬとし、吾々はこれらの要求が素手で出来るとは思われない――実力を以て――職制を叩き出し、最低賃銀をカクトクしよう」と結んでいるのは、京都における十二月以降の動向を物語つているものであります。  これらの動きは、総評の大会をいかに共産党が利用しようとしていたかの一つの現われであるが、同時にまた直接行動としては、次のようなことが行われるであろうと治安機関では見ておつたのであります。すなわち、一、デモ隊に特殊工作隊の指揮によつて五人組十人組の中核自衛隊を入れ大衆を扇動する。二、当日の攻撃目標は税務署、派出所、P・D工場、市内は嶋津製作所、森製本所、中日本重工、市外は日国工業、井上電気とし、特に税務署に主力を注ぐ。三、自労、学生、朝鮮人の三者で十五名を一組とする小隊三個小隊を編成、警察官の拳銃を奪取する。四、使用武器、火焔ビン、三十本くらい、十三名を一組とす。小隊を三箇小隊に編成する。特殊工作隊として一小隊に十本あて携行する。催涙弾、三十本から五十本を投擲する。目つぶし、とうがらし、灰、石灰を原料としたものを二十個使用する。くぎ、板、自由労組員によつて百個用意されている。五、大会開会と同時に労農市民、朝鮮人参加承認の動議を出し、公安委員会許可条件を默殺する。以上のごとく二・二三事件より三・二〇事件にかけて、共産党指導の闘争は逐次激化し、全国各地に見られる遊撃戦が行われるものと予想されていたのである。これらはいずれも球根裁培法第三十六号にある遊撃戦に基礎を置いたものであり、五全協の軍事方針を忠実に実行しようとした事件であります。  次に監察の結果を述べます。二・二三、三・二〇両事件の背後関係は、すでに明らかになつたごとく、いずれも日本共産党が昨年十月、第五回全国協議会で武力革命を指令して以来、東京練馬区の印藤巡査撲殺事件を初め、北海道札幌市における白鳥警部射殺事件、引続き長野県南佐久郡田口村の数名の警官に対する暴行事件、二月二十一日の全国的に起つた反植民地闘争デーの襲撃事件、さらに三・一記念日をめぐる各所の襲撃暴行事件等、全国的に続発している対警察その他の機関に対する軍事行動の現われであると考えられます。すなわち二・二三事件は京都における軍事組織の立遅れを克服しようとして強行手段に出たものであると見られるのであります。二・二三のため特別に行動隊が組織され、計画された通り警察その他を襲撃した事件であり、十二月越年闘争の失敗から大衆闘争を高めようと動員し、二・二一における全国の反植民地デーの闘争、特にその二日前の東京におけるかの蒲田事件に範をとつたものと見るのであります。三・二〇事件は、二・二三事件の遊撃戦の経験を生かし、総評の撹乱と総評に対する労働大衆の離反工作をはかり、大会を通じて主導権を奪取しようとはかつた日共系労組その他の策動によつて惹起した事件であると考えられます。  これらはいずれも京都の持つ特殊的な立場、すなわち府議、市議の中にはレッド・パージとなつた日共党員が数名おるという、いわゆる左翼勢力の強い力が反映しているものと考えられます。この全国にあまり類例のない左翼的立場の強い京都において二・二三、三・二〇両事件が起きたことは、全国的に軍事活動が行われている今日、起るべくして起きた計画的な日本共産党の指導によつたものであると断定できるのであります。すなわちこの思想的政治的背景のある事件に対しまして、われわれとして注意及び施策を立てなければならない点は、一、暴力革命を企図し、陽動作戦及び遊撃戦を展開しようとする極左分子の戦略戦術を一線警察官にまで徹底せしめ、これを未然に防止するの対策と心構えを早急に樹立すること。二、総評京都地評は事件後、三・二〇事件は日本共産党の指令によるものと思うが、世論の支持と協力があつてこそ健全な労組ができるのであつて、組織労働者のみの大会が暴力化したとの印象を市民に与えた。と加賀田議長は自己批判して語つておるのでありますが、われわれは民主的労働運動を阻害するものに対しては断固闘うとともに、その主体性の確立を期せねばならぬこと。三、日本共産党の戦術は、治安取締り当局を精神的に畏怖消極化せしめ、さらに大衆に恐怖の観念を強く与えるのが目的でありまして、両者間を離反せしめようとするに対し、現在の制度、機構、法規では、これに対しての取締の徹底を期することは困難であると思考する。よつて緊急に根本対策を樹立すべきであることであります。  以上の諸点を希求いたしまして、本員は調査団の報告を終りたいと思うのであります。  この機会に特に私は一言愛国的に一つ申し述べたい点があるのでございます。それは私は最大の愛国者は、宗教的には六百年前の日蓮上人だと思つております。当時の制度その他において、今日はかけ離れておりますが、あの二十二歳の愛国者日蓮が、ときの北条幕府に対して、首をはねられることを覚悟して訴えられた日蓮の立正安国論を見ると、「所詮天下泰平に国土安穏ならんこと君臣の楽ふ所、土民の思ふ所なり。夫れ国は法に依て昌へ」――「法に依て昌へ」とは仏法であります。仏法によつて栄え、「法は人に因りて貴し。国亡び人滅しなば仏をも誰か崇むべき、法をも誰か信ずべきや」。と言い、「汝早く信仰の寸心を改めて、速に実乗の一善に帰せよ。」――法華経の一善に帰せよと言つておる。「然らば則ち三界は皆仏国なり、」――三界とは今世、前世、来世であります。いわゆるこの三界はみな仏国である。「仏国其れ衰へんや。十方悉く宝土なり、宝土何ぞ壊れんや。国に衰微なく上に破壊無くんば、身は是安全、心は是れ禅定ならん。」こう幕府に説いておるのであります。私はかような事件の起ることは要するにわれわれ政党の責任であり、ときの政府の力の及ばない点もありましようけれども、国民ことに青年に愛国運動を起さしめなければ、国家はほんとうに憂うる事態が来るのではないかと痛感いたしまして、信仰いたしております。この立正安国論の御一文を日夜暗じて国家の安全を祈つておるものであります。まことに長くなりましたが、以上をもつて京都事件の報告といたします。
  14. 内藤隆

    ○内藤委員長 ただいまの田淵委員の詳細なる御報告を拝聴いたし、さらに最後に御意見を拝聴して、委員長として派遣委員諸君がよく詳細にお調べになつたことを感謝いたします。  ただいまの派遣委員の報告について質疑の通告がありますから、この際これを許します。山口武秀君。
  15. 山口武秀

    ○山口(武)委員 ただいま長い報告を、私はきわめて静かに聞いておりましたが、数点について御質問をしたいと思います。  この報告書作成に当られました五名の派遣委員は、基本的にはアメリカと日本の吉田政府に対して、きわめて忠実な考え方によつてつくられたものであります。従いましてこの報告書はきわめて片寄つたものがある。問題の本質をついていないという印象を受けました。この報告書自体は、本日はこれを決定するかどうかが問題になつておるのではないのでありますから、詳細の点は省略いたしますが、二、三基本的な問題について質疑をいたしたい、かように考えるわけであります。報告を聞きまして、この京都事件の内容と申しますのは、警察あるいは公安委員会等の国家権力と、日本の国民、特に日本に居住する朝鮮人との衝突事件であります。これが事件の内容であります。従いまして、そうした国民大衆と国家権力機関の衝突という問題が起ります際に、われわれがまず第一に注目しなければならないのは、そうした事件の発生する社会的な政治的な基礎の問題であります。この問題が本報告書にいささかも盛られていないのであります。これはきわめて遺憾であります。きわめて遺憾というよりも、ことさらにこの問題に対して目をおおうたのではないか、かように考えるのであります。それは私は共産党事件――この調査が計画的に……。
  16. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君に申し上げます。質疑は報告された内容について願います。
  17. 山口武秀

    ○山口(武)委員 内容についてお尋ねしております。  そこで第一に調査員に聞きたいのは、こうした大衆の反抗というものが起つた際におきまして、この基礎条件として、日本の植民地化の進行という問題について、これが京都事件の基礎になつたのではないかということ、これは政治家として第一に注目しなければならない点でありますが、この点はどうなつておるかということなんです。さらに具体的に申しますと、外に対してはポツダム宣言に違反し、内においては日本の産業、国土、さらに日本の国民の生命までも外国の手にゆだねたこと、そのような状況がどのように国民各層に反映し、それが今回の事件においてどのように現われ出たか、この点を見なければならなかつたのではなかろうか、どうしてこの点が注目されなかつたか。(「「決議書を」よく読んで来い」と呼ぶ者あり)これが一番大事だ。
  18. 内藤隆

    ○内藤委員長 私語を禁じます。質疑を進めてください。
  19. 山口武秀

    ○山口(武)委員 さらにこの大会を見ましても、再軍備反対の大会というものが持たれておりまするが、現在日本において再軍備が進行していると国民が全部受取つておる。これは輿論調査を見ても、みな国民はそう見ておる。それにもかかわらず、日本の政府がこれを否定しておる。その陰で再軍備というものが進められておる。そういつたような状況のもとにおきまして、特に徴兵にかり出されるという危険性の一番多い青年の諸君が、正常な手段をもつてしてはこの再軍備反対の主張を貫き得ない、こうしたところからこのような問題が起り、このような手段が起り、このような反抗状態が生れたのではないかということが考えられなかつたかどうかという点、これが第一点です。  さらに第二点といたしまして、この報告書には、総合的な考察というような結論めいたものも出ていますが、どうして私はこの点が注意されなかつたかと思う。それといいますのは、この事件は警察官の行動というものがきわめて重大な問題になつております。この場合に、日本におきまして、警察国家の再現というおそれが多分にあるといわれており、国民の危惧するところである。この警察国家の再現の問題がなぜ取上げられなかつたか。たとえば再軍備反対の青年の大会、あるいは学生の大会というもの、これ自体が弾圧される。しかしながら現在再軍備に賛成する議論というものが世間に横行闊歩している。あるいは国会議員でありながら、これをしやあしやあとして言つている諸君がいる。これは憲法の精神に違反している。国民は憲法を守り、特に国会議員は憲法を守らなければならないというような規定があるにもかかわらず、再軍備賛成論は弾圧されたという話をわれわれは聞いておらない。そういうことで憲法を擁護せんとする議員としての……。
  20. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君、あなたのただいまの質疑は質疑になつていないようですな。あなたの個人的な主観の議論が入り過ぎておる。もつと具体的に、ただいま報告された報告の内容について言つてください。
  21. 山口武秀

    ○山口(武)委員 従いまして、そのような基礎の上に立つて、どういうわけで二・二三の再軍備反対の大会というものは押えられるのか。さらにここで注目すべきことは、この報告書によりますれば、二・二三の再軍備反対の大会というものを不許可にしたのは当を得ておるというような結論を、派遣委員の諸君は下しておるのでありますが、しかしその場合にわれわれが当然考えなければならないのは、憲法において集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由が保障されており、大衆の団体行動の自由が保障されておる。このような問題が制限されるというところに衝突が起る。この問題を論ぜずして、警察国家の出現という問題を論ぜずして、どうしてこの問題に対する正しい観察というものができるのか。このような点につきまして、この報告書が述べていないことはまつたく遺憾だと思う。そうした基本問題につきまして、とりあえず田渕委員の明快なる御説明をお願いいたしたい、かように考えるわけであります。
  22. 田渕光一

    ○田渕委員 山口君は多数の国民が支持しておるというように第一点で言つておりまするが、私はそう考えておりません。たとえば現在日本共産党を支持する者は、完全なる党員が十万、祕密党員が十万、こうなつておる。また最近の選挙を通じましても、国民の向うところは〇・五%の支持よりないのであります。すなわち九十数パーセント以上の者はいわゆる自由党、改進党、社会党の各派を支持する者であつて、絶対多数の論というのは、いわゆる民主陣営であります。はつきり申しておきます。  それから再軍備反対でこの大会を開こうとしたのに、これを否定して許さなかつた。いわゆる再軍備による徴兵制度によつて青年のかり出されることがこわいと言つておりますが、平和条約並びに日米安全保障両条約の審議の際に、吉田内閣総理大臣から詳細に、たといいかなる問題がありましても、日本国民は出さないということを明確に語つておることは、国民大衆の御存じの通りであります。かような意味で、徴兵にかり出される心配のないものを、再軍備だ、再軍備だ、再軍備が来れば徴兵にかり出される、という日本共産党の宣伝があるから迷うのであつて、われわれに問うよりも、彼らみずからがこのような宣伝をしなければいいのだと私は考えます。また二・二三事件の再軍備反対を押えたのは当然であるとわれわれが断定を下しましたのは、当時の情勢で、もし許したならば、その集まるところ京都にいかなる事件が起きたかわからない、こういうことを京都の公安委員会が洞察いたしまして不許可にしたのであつて、従つて、これは憲法に抵触したことでも何でもありませんことをお断りいたしておきます。
  23. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に共産党の竹村奈良一君からも発言を求められておりますが、――竹村君の発言は放棄して、山口君に集中しますか。――それでは簡単に要点だけを……。
  24. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私たちは先ほど静かに聞いていたのですから、自由党の諸君もどうかお静かにお願いいたしたいと思います。なお質問の制限ということでありますが、質問の制限ということはあり得ないだろうと思う。議会で明らかになるまで質問するのが私の職責であり、これは議員として当然のことであります。ただいま田淵君の説明があつたのでありますが、私には田淵君の説明は何のことだかわかりません。私が質問したことについて答えていないのであります。かような問題が起つたところの社会的な政治的な背景というもの、これについて御調査がなかつたのはどういうわけですか、このように言つた。第二点は、このような問題が起きまして、警察国家の再現というものが各方面で危惧されております。具体的には憲法の保障条項と幾つかの衝突する事件が起りました。この点についての調査がなかつたのです。か、かようにお尋ねいたします。お答え願います。
  25. 田渕光一

    ○田渕委員 非常に山口君は警察国家の再現を危惧しておるようでありますが、民主政治の今日のこの憲法下において、警察国家の再現することはわれわれも望まないところであります。警察国家の再現を来さないために、自治警察、国家警察あるいはまたこれらに対しますところの諸般の制度が今日行われておる。でありますから、山口君は非常に取越し苦労をされておるようでありますが、警察国家の再現というようなことは、われわれの調査においては、むしろ警察は愚弄されておる。何ゆえに警察はこういうことができないかということで歯がゆかつた。先ほど結論で言いましたように、今日の制度、機構、法律上やれない点において、まことに警察国家であるならば、もし警察国家の一端でもあつたなら、こんなものはとつくに弾圧できておる。しかるに占領治下になりまして以来、制度の改革その他で、自治警察、国家警察はほとんどもう機能を失う程度にまで愚弄されておる。たとえば白鳥事件でもその通りでありますが、今日の国家警察におきましても自治警察に編きましても、警察国家などの心配は一つもない。たとえば現行犯でなければつかまえられない。非現行ならば絶対につかまえられない。現行犯をつかまえて来ても、共産党員は黙祕権を行使して、自分は英雄であると言う、そして英雄なら英雄という名前で警察に勾置される。これがまた默祕権を行使して、警察に勾置されるのは英雄なりということで、警察をまつたく愚弄しておる。こんなことでどこに警察国家の危険性があるか。むしろ今日の制度、機構を根本的にかえなければ、日本の治安は憂うべきものだということをわれわれは痛感いたしております。
  26. 内藤隆

    ○内藤委員長 竹村君が発言を求められておりますが、竹村君に発言を許す前に御注意申し上げます。質疑はその報告の範囲を越えることは困りますから、特にこの点を注意して発言をしてください。竹村君。
  27. 竹村奈良一

    ○竹村委員 それでは委員長の注意通り、私は具体的な点について聞きますか、たとえばここに立命館大学反植民地闘争全学総理起大会、こういうようなものも、あるいはその前にあつたところの、再軍備反対青年婦人大会というようなものも、公安委員会では最初は許可していない。こういうことが一応報告されておる。しかもそれが当然の処置であるかのように、ある程度調査団長は断定せられておる。そこで私が聞いておきたいことは、日本の憲法におきましては、再軍備というものは禁止されておることがはつきりしている。そういたしますと、再軍備反対の青年婦人大会というのは、結局憲法を守るところの一つの運動である。あるいはまたもう一つの日本の植民地化反対全学総蹶起大会というものは――日本人として少くとも日本の国が植民地になることを望むものはない。しかし現実の事態は日本の植民地化が進んでおる。従つてこれに対して青年の学徒諸君が蹶起して、それに反対するところの方針を明らかにするための大会を持つということに対しまして、これが公安委員会によつて許可されないということ自体は、今日のいわゆる行政監察の面から考えましても、憲法を守る運動、あるいは植民地化反対の闘争、このための総会を許可しないということ自体が、行政上の大きな問題になるのではないかと思うのでありま丁。そのことに対してどういう調査をされたか。つまりこういう公安委員会に対して、それは許すべきではないかという建前から調査されなければならばいと思いますが、そのことに対する回答は一つも出ておらない。この点をまず第一に伺いたい。それからもう一つは、この報告書を見ておりますと、非常に推定、思考するという言葉が多いのであります。調査団というものは、少くとも完全な立場において、いろいろな角度から調査されるのでありますが、推定する、思考するという言葉を使いながら、その一方においては、あたかもわが日本共産党に対していろいろ誹謗的なことを報告しながら、そのあとには、推定であり、あるいは思考するというような書き方をされておる。このことは最も悪質な考え方ではないか。思考し、推定するということは、昔の特高警察と一つもかわらない。昔の特高警察は、少くとも思想警察は、大体推定する、思考するということにおいてあの治安維持法を拡大したことは、御承知の通りであります。従つて、このいわゆる行政監察の調査団というものは、特高的、思想的な監察の面から、治安維持法的な建前から調査されたようなにおいが、全部にあふれておる。このことについても伺つておきたい。もう一つ聞きたいのは、調査の結果書かれていることには、たとえば日本共産党が昨年何とかして、それから東京練馬、あるいは北海道札幌における白鳥警部事件、こういうようなこともあたかも日本共産党によつて行われたごとく書かれておる。しかし北海道の白鳥事件につきましても、現在これはそれ以外の者によつて行われたということはほぼはつきりしかけておる。それにこういう断定的な考え方をもつて調査されるということ自体、私は超党派的な行政監察委員会の面から考えましても、この点はいかに一方的な考え方からやられている調査であるかということがはつきりしている。この点もひとつお答え願いたい。従つてこういう一連の報告書をつくり上げるために調査をするにあたりましては、共産党の委員を加えるべきである。それを加えなかつたということ自体が、すでに調査以前から、こういう推定あるいは思考に基く、しかも当然憲法に保障された一連の行動をやるということを阻害したことの調査を抜きにしようという考えがあつたのではないかと考えるのでありますけれども、団長からこれに対して明確な御答弁をお願いいたします。
  28. 田渕光一

    ○田渕委員 お答えいたします。われわれ権威ある調査団に向つて非常に誹謗的な竹村君のお言葉でありましたが、私ども自由党、改進党、社会党のこの五名の調査団は、衆議院議員の公職を汚すことなく、あやまちなく、国家再建のために最も公平無私に監察をいたして参つたことをお答えいたしておきます。
  29. 内藤隆

    ○内藤委員長 それでは派遣委員の報告に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  30. 内藤隆

    ○内藤委員長 この際、お諮りいたします。治安警備状況に関りする件につきましては、札幌市市警白鳥警備課長射殺事件、及びいわゆる京都騒擾事件につき、すでに現地に委員を派遣して調査を行い、おのおのの派遣委員より報告を聴取いたしたのでありますが、過日の理事会において理事諸君と御協議の結果、さらに、本委員会において京都事件及び広島事件に関し、証人を喚問して調査を行うことに意見の一致を見ましたので、治安警備状況に関する件中、京都事件につき、本日京都市警察本部長小川鍛君、京都市公安委員長守屋孝蔵君、総評京都地評議長加賀田進君、広島事件につき、四月二十二日には、法務府特別審査局中国支局長検事堀川俊吉君、広島市警察本部長西村徳一君、前広島警察官区本部警備部長平井学君、四月二十四日には、広島市日雇労務者厚生会会長久米登君、広島市自由労働組合書記長吉田治平君、大韓民国居留民団広島本部団長金在賢君、以上九名の諸君にそれぞれ本委員会に出頭を求める手続をいたしておいたのでありますが、以上の諸君を本委員会の証人として決定いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 内藤隆

    ○内藤委員長 御異議なきものと認めます。それでは証人として決定いたしました。(「異議あり」と呼ぶ者あり)なお証人の出頭時日等の変更を生じたときの措置につきましては委員長に御一任を願います。     ―――――――――――――
  32. 内藤隆

    ○内藤委員長 これより治安警備状況に関する件中京都事件について調査を進めます。ただいまお見えになつておられる方は小川鍛君ですね。
  33. 小川鍛

    ○小川証人 はい。
  34. 内藤隆

    ○内藤委員長 あらかじめ文書をもつて御承知の通り、本日正式の証人として証言を求めることに決定いたしましたから、さよう御承知を願います。委員諸君にお諮りいたしますが、昼食の時間ですから、一時半まで休憩をして、一時半から再開をして証人を尋問したいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 内藤隆

    ○内藤委員長 それでは一時半まで休憩いたします。     午後零時四十二分休憩      ――――◇―――――     午後二時六分開議
  36. 内藤隆

    ○内藤委員長 休憩前に引続き会議を開きます。これより治安警備状況に関する件中、京都事件について証言を求むることになりまするが、ただいまお見えのお方は小川鍛君ですな。
  37. 小川鍛

    ○小川証人 はい。
  38. 内藤隆

    ○内藤委員長 証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者または、これらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりましてそれ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものなるときは、その旨申出を願いたいと存じます。では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。宣誓書の御朗読を願います。     〔証人小川鍛君朗読〕 宣誓書良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  39. 内藤隆

    ○内藤委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕
  40. 内藤隆

    ○内藤委員長 これより証言を求める’ことになりますが、証言は証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしうございますが、お答えの際は御起立を願います。証人小川鍛君は、現在京都市警察本部長でありますな。
  41. 小川鍛

    ○小川証人 はい、さようでございます。
  42. 内藤隆

    ○内藤委員長 現職につかれるまでの経歴を簡単に述べてください。
  43. 小川鍛

    ○小川証人 昭和六年大学を出ましてから、かつての社会局関係官庁に六箇年有余勤務いたしまして、その後内務省の警察部門に転じまして、各地の警務、警防等の課長を歴任いたしまして、昭和十九年内務省警保局に入りました。戦時、戦後内務省におきまして警備、公安の仕事をして参りまして、昭和二十一年滋賀県警察部長、二十二年茨城県警察部長を歴任いたしまして、昭和一十三年三月七日国警、自治警分離の際、京都市警察に入りまして、昨年東京都市警察本部長となつた次第であります。
  44. 内藤隆

    ○内藤委員長 今年の二月二十三日のいわゆる京都騒擾事件について御承知でございますね。その騒擾事件の事前の状況を簡単に述べてくれませんか。
  45. 小川鍛

    ○小川証人 二月二十三日の事件の事前の動向について簡単に申し上げます。ちようど昨年末から京都市公安条例廃止署名運動というものが起つておりまして、この運動に、いわゆる労組の左派と総評とが、二つの分野にわかれてこの署名運動がなされておつたのであります。こうした署名運動は一応成功いたしましたが、後こうした二本建てでおのおのの運動が続けられるということはおもしろくない。左右一本になろうという気運が相当強くなつて参りました。しかし総評系におきましては、いわゆる左派のこうした申入れに対しまして非常に警戒せられるところが多かつたのでありますが、両者の共通目的でありまする再軍備反対といつたような問題を取上げまして、両者がこの問題を中心にした大会を持ちたいということから、二月二十三日という日にやろうということが、ほぼ両者で話合いができた状態にあつたのであります。そうこういたしておりますると、いわゆる日共臨時中央指導部と申されるところから、その当時指令がありまして、いわゆる国際反植民地闘争デーに際して、諸君に訴えるという文書が各方面に配られたと伝えられておるのであります。それを中心にしての動きがいろいろ出て参りまして、全国的に二月二十一日をこの反植民地闘争デーとするというようなことがほぼきまりまして、そうした運動は京都市におきましてもあれこれ散見するようになつて参つたのであります。ちようどそのころ名古屋におきまして二月の二十日に反植民地デーの前夜としていろいろ問題が起きておりましたし、また東京におきましても二月二十一日蒲田事件のような反植デーにおきまする問題も起きておりましたし、また京都市内におきましても、二月二十一日の全国的反植民地闘争デーという日にはあまり動きはなかつたのでありますが、各地のそうしたものに刺激されてか、京都でも何らかこうした動きをせんとするものが散見されて参りました。そうして二月二十一日に京都でなし得なかつたこの運動を二月二十三日に持つて行こうじやないかという空気がいろいろな状況から判断せられるようになつておつたのであります。さようなことからいたしまして、当市警の公安委員会におきましては、各般の状況から、二十三日の大会にはそうした反植民地運動的な方向に行く、それ自体がいわゆる日共系一部の教育分子、これに利用されるおそれが相当あるというようなことから、これを不許可にせられたのであります。なおその前におきまして、大体学生等の動きを見ておりますると、高校生――洛陽高校と申しますか、こうしたものがこの二十三日を反植民地闘争デーとして、華頂会館に集まるようにというようなビラを撒布する動きもございましたし、また立命館大学におきましても、二十一日にそれぞれ学校内部におきまして、その立命館大学の学生のみにおきまする講演会のようなものも開かれておりまするし、またいろいろなそうした関係事案が動いております。なお朝鮮人の方面の動きも、二月二十一日には朝鮮学生同盟といつたようなものの一部の動きも相当あつたような次第でございます。さような全般的な事前の動きがありまして、この大会は公安委員会において不許可にされたものと了承いたしております。
  46. 内藤隆

    ○内藤委員長 さように不許可になつたにもかかわらず事件が起きておるのでありますが、その事件の概要を簡単に述べてくれませんか。
  47. 小川鍛

    ○小川証人 公安委員会で不許可にいたされましたので、私ども執行面をあずかつておるものにおきましては、事前におきまする東京蒲田におきまする事件、名古屋の事件、あるいは当市内における各般の状況からして、警備態勢を整えたのであります。その起きました事柄は、大体二十三日には当市の円山公園近くの華頂会館でやることになつておりました。従つてこれが不許可になりましたにもかかわらず、そこへ集まれというビラが相当撒布されておりますので、一部の学生、一部の自由労組、一部の朝鮮人等は不許可にもかかわらずその方面に集まつて参つたのであります。警察といたしましては、そこの大会は許さないのでありますから、そこに集まりました者に対しましては、同方面を担当しておる警備部隊をして解散せしめたのであります。その際に警備隊に石を投げた者が一人おりましたので、これを公務執行妨害で検挙いたしております。もう一つの隊は、いわゆる学生層として特に日ごろからこうした問題に一番強く関与をいたしております立命館大学、ここにちようど午後二時ごろから二百名ばかりの生徒が集まりまして、そこで鴨添高校なり、同志社なり、京大なりの一部の学生が集まりまして、そこからすぐ近くに御所がありますが、御所に集まりまして、そこから無届のデモの気勢をあげんといたしましたので、その方面を担当いたしております部隊をしてこれを解散せしめました。その当初において若干こちらの部隊が少かつたので、そのデモはある程度そこから続きましたが、ただちに増員いたしましてこれも解散せしめたのであります。円山公園のものは、解散せられましたものがさらにあちらこちらとまた集まりまして、小さなデモを行わんと数度繰返しましたが、これは警察の警備員がただちに解散せしめました。解散いたしますと一応歩道その他の民衆の方へ溶け込んで、警察が引きますとまたどこからともなく集まりまして、また若干気勢をあげる、ただちにそれを解散させる。また立命館大学の学生を中心といたしましたものも、一旦解散を命ぜられますと、歩道の方へ入つて来て、一般の人たちと同じような形で散歩しながら、またあるところの地点へ警備力が引きますと、また現われるというような状況で、そうした状況に応じて警察はただちにこれを解散せしめて参つたのであります。その間におきまして公務執行妨害で四名を検挙するという若干のトラブルがあつたのであります。その間におきまして二条大橋付近の派出所に対しまして――当時は夕方近くになつておりまするので、一般の人も相当見物人が多いのでありまするが、こうした人と気勢をあげる者とが相混合いたしまして、どれがどれやらわからぬ状態を一時顕現いたしました。そうした中から石を派出所に投げてガラスを割つたという事件がちよつと起つたのであります。それから朝鮮の居留民団上京支部というところ、ここは大体事はないだろうと思つておりましたので、この居留民団は自由警備のつもりで警備しておつたのでありますが、もういいだろうと思つて自由警備の方が手を引いた瞬間に、そこへ一部の者が――むろん北鮮系と見られる者が十名ばかり入りまして、いすやテーブルをこわしたという事件、それから右京税務署の方面、これはずつと離れたいなかの方にある税務署でありますが、こうした中心とは離れましたところで学生風の約十名ばかりが投石をいたした。これはあとで四名検挙いたしております。その他中京税務署にも、このデモを終つた連中が帰る途次二、三名が石を遠くから投げた。また警察署の派出所にも一、二名が帰る途次石を投げたといつたような事件が散見いたしております。大体以上のような状況でこの事件は終つておるような次第であります。
  48. 内藤隆

    ○内藤委員長 その事件に使用されておる暴力の器具等が発見されておりまするが、それはどういうものがありましたか。
  49. 小川鍛

    ○小川証人 このとき非常に特異なものは、自動車をパンクさせる意味合いにおきまして、板に五寸くぎのような大きなくぎを打ちつけたものを一個、ちようど警察の自動車が運行しようとする前においてあつたのをあとで発見したのが一つ。それから学生風の者が竹やりを若干持つておつたのを発見しまして、これはすぐ取上げてしまいました。それから目つぶし用の灰袋も若干持つておりました。これも別に使用はいたしておりません。ちよつと持つておつたのをあとで取上げたという状況でございます。それからプラカードを非常に短かくいたしまして、その先の方にくぎをつけておるというようなことで、昔のような大きなプラカードではありませんで、プラカードですぐたたくことができるような、使用しやすい小さなプラカードにしておりました。それからその当時郵便ポストの中に――これは用いたといつても普通のいたずらと思いますが、ガーゼに揮発油を入れて郵便ポストの中に入れておつた。この中の郵便物が三通ばがり焼けたというような状況であります。
  50. 内藤隆

    ○内藤委員長 大体当委員会の委員諸公が京都に行つて調査してあるので、詳細なことは報告を最初承つておりまするが、警備状況から見て、私らも若い時分には普選運動に参加いたしましたが、さような際に目ぼしい者あるいは暴力器具を持つておるような者に対しては、たとえば白墨でうしろからぎゆうつとしるしをつけたりして、そういう者が暴力を使用できないように、あばれられないようにやつておつたが、あなたの方はどういう手段をとりましたか。
  51. 小川鍛

    ○小川証人 当日は不許可でありますので、あらゆる行動はすべて公安条例に基いて、その行為が違法である場合は当然取締り得る状態にあつたのであります。従いましてプラカードその他を持つておる者を見つけ次第それを取上げるということで、大体やつて参つたのであります。しかしそれを隠し持つたりしておりまして、見つからなかつたのもございました。今委員長のおつしやるように、そうしたものを持つておる者を白墨でしるしをつけるというところまでは当時は配慮はいたしておりませんでしたが、デモその他でそういうようなことがあれば、デモ隊の中にまぎれ込んでそういうことをするということを考えてはおる次第であります。
  52. 内藤隆

    ○内藤委員長 二月二十三日の事件において、さいぜんの証言にもありましたが、事前に一部不穏分子によつて計画された暴行事犯の対策等は、あなたの方でつくつておられましたか。
  53. 小川鍛

    ○小川証人 これにつきましては、東京、名古屋、各方面にいろいろな事件が発生しておりましたので、かつまた不許可ということで、かれらのいろいろなビラ等を散見いたしますと、若干非合法ながらも強行するというけはいがございましたので、警備配置といたしましてはその辺のことを考えて実はやつて参つたのであります。ただ非常にこの事件は陽動作戦とでも申しますか、今までのように集まつて大会をやつてデモを起したのと違いまして、相当事前にかれらが仕組みまして、ある地点へ行つたらみんなで集まろうじやないか、もし警察が重圧を加えたら散つてしまつて、またどこかで集まろうじやないかということを事前に打合せておりまして、いわゆる陽動作戦的な行為というものを事前に明確に私ども察知し得なかつたのであります。これは私どもとしては大きな戦訓であつたろうと考えておる次第であります。しかしかれらが派出所なり税務署なりに石を投げたりするということは各方面にございましたので、事前にさような点は十分配慮いたしまして警備配置をいたしております。かつまたそういう非合法な集まりに対しては、相当な部隊をもつて解散の実力行使をいたして参りました。かような方法を講じて参つたのであります。新しい戦訓として、私どもとして非常に参考になつた次第であります。
  54. 内藤隆

    ○内藤委員長 そういう対策は第一線に働いておつた警官等には徹底しておりましたか。
  55. 小川鍛

    ○小川証人 警備のやり方は相手がありまして、相手の出方が時々刻々いろいろかわつて参ります。さような意味で最近例の球根栽培法なりああしたものがばらまかれ、それを私ども入手いたしましたので、そのような事柄をいろいろ研究して参りますと、なるほどそうした者たちが軍事委員会なりいろいろなものを設けて、あるいは中核自衛隊なるものを考えて、何とか警察の力を弱めようというような方法を講ずるといつたようなことが、あの文書を通じて察知できておりますので、かような面からいろいろ教養をして参つておるのでありますが、向うの具体的の出方によりますこまかい戦術と申しますか、そうした点についての教養の配慮が、結果から申しますと、私どもとして不十分であつた点もないではないと実は考えております。
  56. 内藤隆

    ○内藤委員長 警察としては常に受動的な態度で、積極的に解散させるという措置に出なかつたために、かえつてデモ隊になめられたような感じはございませんか。
  57. 小川鍛

    ○小川証人 二十三日のときは不許可でありますので、もう見当り次第こちらはプラカードその他を取上げる、集まればこれを解散するという方法を積極的にとつて参りました。ただ急にばあつと、何百人ぼつと現われたような場合に、こちらの数が若干少なかつたりしたような場合、徹底的に全部をやり得ないで、第二陣の増員を得てやつたという時間的なずれのあつたことは認めざるを得ない。しかし私どもの意図としては、積極的に解散をさせる意図で望んでやつて来たのであります。
  58. 内藤隆

    ○内藤委員長 次いで三月二十日の騒擾事件でありまするが、この事件の事前の状況をひとつ簡単に述べてください。
  59. 小川鍛

    ○小川証人 三月二十日の事件につきまして、総評側のあり方というものを若干申し述べないと実はその様子がわかりません。実は総評系といたしまして、三月二十日を選ばれるにつきましては、相当苦心をされておられる。三月一日は萬歳事件、三月八日は国際婦人デー、三月十五日は例の共産党大検挙の三・一五記念日といつたそういう記念日が続いておる。さような意味で総評側として、春季闘争というものについて全国的に三月一日を期してやることになつておりましたが、地元の総評としては、こうした萬歳事件のような日にこれをやるということは、自分たちが利用されるといつたようなことからこれは避けられた。また三月八日、三月十五日も避けて、二十日にやるというような状況があつたのであります。従いまして最初その名目は、特別保安法案反対の態勢を固めた労働戦線といつたようなことで出発をされて来ておりましたが、表面のこうした動きに対しまして、学生なり朝鮮人等の一部のものが、三月一日、八日、十五日になし得なかつた事柄を二十日に全部結集いたしまして、総評のやつておりまする運動を自分たちの手で取上げて、別の形へこの運動を持つて行こうといつたような状況が若干見受けられておつたのであります。むしろこれは結果論からしてそういう点が強くあとでわかつた点であるのであります。そうしたことに関連いたしまして、この総評が申し入れられました苦衷というものは、昨年総評がやはり同じような秋季にこうしたデモをやられました。非常に静かにやられた。しかし今回におきましても総評としては実はまじめにやるということでありましたが、昨年と今年とは客観条件が非常に違う。二月二十三日におきましても、ああいうふうな状況になつておりますし、また各地にいろいろな事件が起きておりますので、かりに総評側としてそう言われても、今回は若干違つた考え方でなくちやならぬということを、実はこちらとして考えておつたのでありますが、総評側の強い要望、そしてかつそうした過激分子なり暴力行為は絶対させないというような強いあれがあつたのでありまして、かつまたその事前におきまして、若干一部学生なり朝鮮人なり自由労組が、この団体にわれわれも参加して、われわれの手でこれをやるようにという若干のビラはありましたが、かつてのような強いいろいろな事柄がその表面に強く現われて参つておりませんでしたので、従いまして応これが許可されましたにつきまして、後ほどまた委員長からの御質問にお答えすることになると思いますが、実はそれに即応する態勢をとつた次第であります。
  60. 内藤隆

    ○内藤委員長 この事件の概要等も大体派遣委員諸君の調査によりまして明らかになつておりまするが、その警備の状況等をひとつ述べてくれませんか。
  61. 小川鍛

    ○小川証人 これは先般の二月二十三日と違いまして、一応許可をいたしました大会並びにデモ行進でありましたがために、先般の警備のごときやり方と若干違いましたが、二月二十三日のあの警備の戦訓を相当私どもも警戒して取入れて参つたのであります。大会場は総評主催でありまして、出入りに対しましても総評側として一々相手を確認して入れるという厳重さであつた。そこに警察官を若干立ち会わせまして、もし大会場に何か事犯か起きるならば、いつでも出動し得る大部隊を近くに待機せしめておいて、そのほか円山公園から市役所前までのデモ行進におきまして、これは長い間デモ行進というものにつきまして交通整理を主体として来ました。その交通が乱れた場合に警備力が出て、これを平常に復し、民衆の迷惑にならないようにこれを是正するという考えでやつたのであります。従いまして途中そうしたデモが一部の者にかき乱されるおそれありということも考慮いたしまして、沿道の要所々々に警備部隊を配置いたさせまして、解散いたしまする市役所前の広場、ここにも警備部隊を待機させておいたのであります。  なお二月二十三日の事件を契機といたしまして、彼らがデモをやりまして、警察力をそういう方面に引つけておいて、派出所なり税務署等を襲撃するというかつての戦訓を頭に入れまして、派出所なりそうした方面を警戒しており、そういう行為をやりました者は断固として検挙するという態勢を整えて、実は警備配置をしておつた次第  であります。
  62. 内藤隆

    ○内藤委員長 二月二十三日の経験を生かして、三月二十日の事件には警備上に相当な事前の対策を講じておつた、にもかかわらず相当な騒擾を起しておりますね。たとえば自由党の府の連合事務所を襲撃するとか、あるいは四条大橋の巡査派出所の襲撃、警官個人に対する暴行、あるいは新聞記者に対する暴行事犯、こういうことをお認めになりますね。――この三月二十日事件について当時の京都はわれわれまつたく無警察状態であつたと聞いたこともあります、また警察官がその暴行を目撃しながら、その被害者を救出しなかつたというようなこともあつたということを聞いておつた。これはまつたく京都市警というものは、デモの前には無力化しておつたというふうに聞いておつたのでありますが、さような事実はありましたか。
  63. 小川鍛

    ○小川証人 ただいま御指摘の二、三の点につきまして、実はそういう事件の起きましたことについて、警備を担当するわれわれといたしましては、実に申訳なく考えておるような次第でございます。しかし京都が無警察状態である、かような、そこまでの状況は決してなかつたということは申し上げたいと存ずるのであります。この自由党府連事務所の問題、これは先ほどの三月二十三日の戦訓に基きましてやはり配置しておいて、襲撃すると同時に二人の者を追つかけましたがつい逃がしてしまつたというふ手ぎわもありましたが、実は配置をいたしておりまして、これをすぐ追跡いたしました。また四条の派出所に例の鉄道用信号焔管を投げつけた。これは警備員のうしろから投げつけた。これは前の方にデモをジクザクやつておつて、派出所の方に行こうとする、それを整理に当つておつた者のうしろの方におりまして、うしろから投げました。従つて前も警備するとともに、うしろにも目を配らなければならないというひとつの戦訓を得たわけであります。これは若干のゆだんであつたということを認めざるを得ない。それから市役所前広場におきまして、解散時に警察官が一名負傷しておりまするし、新聞記者が一名なぐられまして、相当の傷を負わされている者もある、また新聞社の写真班が脚立をひつくり返された、それである程度のけがをいたしている者もございます。こうした問題につきましては、実はこの大会場におきまして、当初はスムースに参りましたが、あとで左派系の者が強引に大会を引延ばし、また乱すような行為に出まして、デモ行進が一時間半遅れて来ましたので、暗くなつておりました。解散いたしますときには、七時半から八時、八時半という間でありまして、ことに市役所は全部明りを消しておりますので、前の広場は真暗であります。そこで解散するということになつたのでありますが、警察はその解散にあたりまして、円滑にこれを他の道路に誘導解散せしむる。またあばれる者に対しましては、実力をもつてこれを解散せしめるという方法をとつて行つたのであります。そうした間におきまして、実は警備警察官が、そうしたあばれるようなものを見つけましたので――これは警部補でありますが、非常に有能な警備警官であつたのでありまして、どうしてもそのあとをつけて行つて確認しようという勇気を出して行つたのであります。勇気を出したのはいいけれども、ああいう混乱期に一人で行くのは冒険であつたということは、あとで注意しております。やはり二人ないし三人で行をともにすることがいいのではないか。また新聞記者がけがをされたことにつきましては、私ども非常にお気の毒に思い、かかる事案が起きて、それを未然に防止し得なかつたことにつきましては、私どもも実は申訳なく考えておるのでありますが、しかし御指摘のような、その場に警察官が傍観しておつて何もしなかつたということはないのでございます。むろんああいう混乱時でありますので、警察官が混乱せるいろいろなデモ隊を解散せしむべく方々で尽力中に、そうした混乱期の最中に偶発的にその地点に起つたのでありまして、決して傍観ということではないのであります。なおそのほかいろいろジクザク行進で若干交通が乱れたのでありますが、これは交通整理官が主体としてそこに出ておりまして、そういう場合には待機せる警官が出てすぐ直すのであります、その出動するまでの若干の時間ちよつと乱れましたが、警察官がその現場に到着するとともに、これは平常通りに復せしめておるわけであります。総括的に一、二そうした事案を起しましたことについて、実は私どもとして、かかることを起さしめないように、事前に十分配慮すべきであつたということは、十分考えておるのでありますが、この事案を通じまして、京都市民が不安に思うような無警察状態を顕現したとは、実は私どもその衝に当る者として考えていない次第であります。
  64. 内藤隆

    ○内藤委員長 ただいまの証言によると、京都市は一時も無警察状態に陥つたということはない。ことに第一線の警察官が精神的にデモ隊に畏怖したというような事実もないとおつしやるのですね。そこでこの種の集団暴行事犯に対しまして、現行の機構あるいは法規で不備な点を、実際に当つておられるあなたとしてよくお考えだろうと思いますが、その点を率直に述べてくれませんか。
  65. 小川鍛

    ○小川証人 こうした諸問題を通じまして常に感じさせられるものは、相手方の動きというものが、どういう形で動くかということにりきまして、私どもそれを十分に察知する方法等を講じ得るにはなかなか困難な条件にある。ことにいろいろそうした情報と申しますか、そうした諸問題の原因の探求とでも申しますか、その出どころを解剖するということになりますと、こうした問題については、自治体警察はむろん、国警なり特審局なり各方面との連絡はございますものの、自治体警察そのものの行き方としまして、そうした面に対しましての力強い推進ということは、現状においてはなかなか困難な状況にあると考えます。さような意味から、こうした暴力行為のような状況が出ているこの事案は、徹底的に粉砕しなければならぬと思つております。粉砕する方法は、こうした事案を発生するその元に対しまして、十分な検討が深くなされなければならぬ。しかしそれが現段階において十分に行い得ない状態にあるということを、実は機構上におきましても痛感せざるを得ないのであります。  法規上におきましては、これは現在公安条例というものがありまするので、一応これに基いて現段階はある程度やつて行ける状況にあるのでありますが、これも講和発効後においてどういう運命をたどるものか存じませんが、一応京都市警といたしましては、もし地方的な公安条例がなくなるとするならば、こうした事案に対処するにつきましての根拠法規というものがなくなりまするので、そういたしますと、こうした暴行なり騒擾的な行為が伴うとわかつておりながらも、その行為を許さなければならぬような状況になつてはたいへんな問題であるというので、さような根拠法規が厳としてできますことを強く要望しておる次第であります。
  66. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に御質問はありませんか。
  67. 山口武秀

    ○山口(武)委員 時間がありませんので、簡単に一、二点ほどお聞きしたいと思います。  小川証人は京都市警本部長と伺いましたが、京都市警察の本部長と公安委員会の関係がどういうことになつているかをお尋ねしたかつたのです。もつとわかりやすく申しますと、二月二十三日の大会に対して公安委員会が不許可をなされたが、公安委員会の中でそういう状況判断をする場合に、あなたの意見というものがどの程度入られたか、あるいはあなたの認定というものが公安委員会の考え方にどんな役割を果されたのか、この関係をお尋ねしたいと思います。
  68. 小川鍛

    ○小川証人 ただいま御指摘の公安委員会と本部長との関係は、警察法に明記されておりまして、公安委員会が管理をされておりまして、私どもは執行官であります。こうした諸問題につきましては公安委員会が許可、不許可の権限を持つておられます。公安委員会と申しましても、そうした管理をして行く上おいてのいろいろな助言は、執行方面に求められるのは現制度としてやむを得ないと存じます。従いまして、こうした大会の届出等のありまする場合、公安委員会は、各般の情勢とか、またビラとか、そういうふうな事前に起きました個々の問題の調査を命ぜられまして、私どもそれに基いていろいろの資料を差上げます。その資料に基いて公安委員会が判断されることと思います。なおまた私どもにこれをどういうふうにしたらいいかという意見を求められた場合におきましては、私ども執行官として治安の責任を負つておりますので、私どもとしての見解は率直に意見として申し上げるということであります。この認定がどういう役割を果すかという問題でありますが、これは公安委員会そのものが私どもの意見をどう採用なさるかということになるのでありまして、それは百パーセントに、あるいはそうでない場合というようにいろいろあろう患いますが、さような状況になつております。
  69. 山口武秀

    ○山口(武)委員 あなたが事実の問題について言われましたことは特にお聞きすることはないと思う。ただ一つだけ多少不審に思つたことがありますのでお尋ねしたいと思うのですが、それは先般当委員会から五名の委員が京都市に派遣されまして、この事件について調査をいたした。その調査の報告書をわれわれはきよう読んで聞かせていただいたのでありまするが、その中にこういう言葉入つている。いろいろなことを言われておりましたが、京都事件に対する総合的な考察という中におきまして――全文は略しますが、こう書いてある。襲撃派出所の選定には、第一に最も反動的、売国的警察官などのいる派出所をねらう、そのほかにいろいろ条件が書いてありますが、全部で四つ上つております。そして襲撃された箇所はこの選定の条件にかなつたところであると書いてある。そうすると京都の市警の中のある派出所には、最も反動的な売国的なる警察官というものが存在しているように、この五名の派遣委員の報告かつ推定されるわけですが、京都市警の中には、最も反動的な売国的な警察官などというものがいるという派出所があるのでしようか。
  70. 小川鍛

    ○小川証人 ただいま御指摘になりましたのは、初めてここで承りますので、私もちよつと判定に苦しむのでありますが、私ども警察官は、ある一部の諸公から反動的とか売国奴とかしよつちゆう言われつけておりますので、おそらくそういうふうな意味合いでお書きになられたものじやないかと実は軽く考えておるのであります。
  71. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 この調査団の報告書によりますると、総評の主催で京都で大会を持たれて、この大会がデモ行進に移つたときに、非常に不穏と称するデモをやつたということになつておりますが、この総評の大会の集会届を出すときに、この中に報告されているように、朝鮮の人であるとかあるいは学生であるとかいうような人は――団体かあるいは個人か知りませんが、何か総評と同じような集会届を当時出されたことがあるのかどうか、その点をお聞きしておきます。
  72. 小川鍛

    ○小川証人 三月二十日の大会並びにデモは総評主催の関係団体のみに許可が出されておりまするので、その他のものは一切この大会並びにデモに参加しないというきつい条件がついておるのであります。従いましてこうしたものが非合法にデモまたは集会をやりますれば、これは公安条例違反として私どもは解散させる、またはその行為自体を取締るのであります。このデモに一部学生なり一部朝鮮人なり一部の自由労働者が加わつておりますが、これは個々人が、学生のとうにかつこうをはつきりしておればわかるのでありますけれども、そうでない者、また朝鮮人も、そうでないような者がここに混つて参りますると、ここではちよつと判定がつかないという状況で混つたものと思います。従いましてこうした者が集団的に加わつて許可されたということではないのであります。
  73. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど政治の機構、現行法律などの欠点は伺つたのであります。もちろん法は運用の妙にもありまするけれども、私は今回の調査を終りまして帰つて参りますと、この四月十八日に、当国会の議員面会所におきまして、朝鮮の、つまり北鮮系の――宣伝ビラ等を見ましてもはつきりわかるが――学生が二百名、議員に面会を求めた。そこで各党の議員が面会をいたしましたけれども、自由党は出ないからということで、あそこにすわり込み戦術をとつた。私はたまたま通り合せたものでありますから、そこでまず陳情を聞こうというわけで、いわゆる院内の警察及び秩序に関する調査小委員会において、衆議院あるいは参議院の構内において大衆的な演説をやつてはいかぬというとりきめがありまするので、当時われわれは院外ではやれないから室内に入れ、こう言つて入れたのであります。入れますると、最初の陳情の目的は、破壊活動防止法案の撤回を要求するということで、それが陳情の趣旨であつたが、しかしながら道中において警察官に検束された者を奪還しなければならぬ、これをどうしてくれるかというような話で、いろいろ話しましたが、われわれは、それは警察を調べなければわからぬ、一方的なことではわからないと言つておるうちに、学生以外の者が入つておれば退去してもらいたいということを、共産党の林君がその学生たちに提議をいたしますと、ただちに、ここに一匹おつたという声がはつきり聞えた。われわれから見れば、自治警、国警等の警察当局の諸君が、ほんとうに身命を賭してわれわれの生命財産を守つてくれるからこそ、われわれはまくらを高くして寝られ、また国家再建に尽せるのであります。それなのに、こういうような方々に対する侮辱行為というものは実にはなはだしい。一匹おつたというようなことを言つて、ただちに五十人くらいの学生がとり囲んで、打つ、ける等のことをして、約二週間の傷を警視庁の警部補に負わしておるのであります。これは十八日である。こういうようなことははなはだしい学生の行き過ぎである。朝鮮は少くともポツダム宣言によつて独立をいたしておるのであります。それは三十八度線によつて区切られておるが、南北にわかれるということはわれわれの関するところではありません。ともかくポツダム宣言によつて独立したところの他国の第三国人が、独立を目前に控えているところのわが日本国に来て、日本国が必要としてつくるところの法律に対して、その法案の撤回を要求するなど、しかも学生の身分で要求するなどまつたくおこがましいことだと思つて、よく説いて聞かそうと思つたのです。ところが話がそこに入ろうとすると、一匹おつたというようなことを言つて、ただちにその警部補をとり囲んでしまつて、打つ、ける、なぐるで非常な重傷を負わした。こういうようなことを考えますると、制度、機構の欠陥や法律を直す前にまず考えなければならぬことは、共産党の暴れるのを正当と認め、こんなものを支持する者は日本では十万かせいぜい十五万である。それよりも、覆面で共産党の陰についているものが、在日六十万と称する朝鮮人の七五%を占める北鮮系朝鮮人たちで、この四十万ないし五十万に近い北鮮人が陰に隠れて警察当局を威嚇しているということは、あらゆることについてみても明らかである。これに対して警察当局としては、またねらわれるでありましようから明確なお答はできないか意いますが、しかしながらわれわれ議員といたしましても、たとえば八千四百万人日本の人口があるとするならば、共産党員以外の八千三百九十万人というわれわれ日本民族の同胞の生命財産を守らなければならぬ。それがためには、他国の、北鮮の四十万ないし五十万の人間が、しかも学生が、わが国の立法にまでくちばしを入れ、その上警察に対してテロ行為までやるというような者に対して、これは強制送還というようななまやさしいことではいかぬと私は思う。ほんとうに同士が結合してこれらに対抗するところの愛国者が現われることをわれわれは望んでおるのであります。われわれはああしようこうしようという立法措置をとらなければならぬのはもちろんでありますが、現在の法律、制度、機構その他を考えてみても、日本の再建を妨害する在日北鮮人四十五万ないし五十万の不邊のやからが裏にある限りは、現在の自治警察や国家警察の力によつては共産党の弾圧もできないし、取締りもできないと思うのであるが、もしこれに対して警察当局として、たとえば北鮮今を三万でも五万でもよろしい、南鮮の釜山へ送りつけてやれば、必ず南鮮でやられるでありましよう。それがために彼らはおとなしくなつて、日本の治安が保たれるというなら、これはわれわれは断固として、生命をかけてやらなければならぬと思うのであるが、この点に対して警察当局としては、もし証言ができなければできないでよろしい、考える余地があるならあるという程度でよろしいが、どう考えておられるかということを、憂国のほとばしりから、私はほんとうに願うものであります。
  74. 小川鍛

    ○小川証人 ただいまの御意見につきましては、私としても深く心中決するところがございます。しかし私ども政治的分野に言動の及ぶことを避けなければならぬ立場にございますので、御心境に対しまして、私も深く意を決するところありという答弁でお許し願いたいと思います。
  75. 田渕光一

    ○田渕委員 今回われわれ調査団が、京都国警の資料及び写真で見たのでありますが、宇治市の近郊に四百人近い朝鮮人の集団部落があります。それをウトロ部隊と称して、「ポリ公、犬立入り禁止」という看板をかけておる、われわれの生命財産を保護してくれ、まことに薄給において彼らは生命をなげうち、しかも妻子の恐怖にある中において、国家の再建をにない、われわれの生命財産を守つてくれていることを無視して、「ポリ公、犬立入り禁止」というような看板をかけて、しかも密造いたしておる。しかもこれに対して京都市の市当局の労働部か、民生委員といいましようか、この密造してなまけているところのやからに対して、一家族一箇月二千円という生活保護法による生活扶助を与えおる。われわれ国民は、ほんとうに働いて疲労しておる。私の声がかれているのは疲労しているからだ。ここまで国家再建にほんとうに血と汗をもつて熱心に闘つている、その歳費から、二万何千円という所得税をわれわれは払つおる。そういう税金の一部が平衡交付金にもなつて行くでありましよう。そういうものが、この日本の法律の禁止しておる密造を専業とし、やみ、ばくち、あらゆる暴行脅迫をやるこの不逞のやからに与えられている。そうしてウトロ部隊という名前をつけて、しかも「ポリ公犬立入り禁止」というような文字を出しておる。かようなことは増長するにも増長し切つておるのである。これに対しまして、いかなる対策を立てたらいいかということについては、大阪の高等検察庁において会議を開いて、諸君は中央がどういう態度をとれば治安が維持できると考えるかと言つたときに、まず鶴橋その他におきまして、近畿におけるところの朝鮮人は三十万、この四五%といえば約二十二万という北鮮人に対して、たとい二千人でも送還してくれるならばぴたつとなりましようということを彼らは見通しをつけておる。そういたしますと、われわれは八千三百九十万の日本の民族を愛するためには、二千や三千の不逞のやからは、これは釜山に送りつけてやるだけの決意を持たなければならぬ。これにおいて治安が確立すれば、これはまことに世界人類の上からいつても、人道上からいつても、相済まぬことではあるが、彼らが反省しない限りは、そこまで強硬手段をとらなければならぬと思うが、これに対して、もし中央あるいは国会がそこまでやることにきめたら、執行面におけるところの諸君がそれを執行するだけのほんとうの決意があるかどうかということを承つておきたいのであります。
  76. 内藤隆

    ○内藤委員長 ただいまの田渕委員の発言はすこぶる重大でありますので、ただいまの小川証人の決するところがあるという悲壮な証言に重ねて、ひとつあなたの決意をお伺いできれば幸いです。
  77. 小川鍛

    ○小川証人 執行いたします私どもは、きまつた法律並びに国の方針に基きまして、その方向がきまりますならば、法に与えられた権限を最高度に運用いたしまして、執行いたすのが、私どもの義務であり責任であろうと考えております。さような意味におきまして、ただいまの御発言のお言葉に対しましては、ただいまの決意を申し上げまして、かつ決意のみならず私どもの義務、責任でありますることを明確に申し上げまして、お答えにかえたいと思います。
  78. 竹村奈良一

    ○竹村委員 先ほど委員長の質問されたときに、詳細に述べられた一点でありますが、それは二月二十三日の事件の事前の状況につきまして、相当詳細にその状況をお述べになつた、従つてそういう事前における状況の調査というものは、常にやられておりまして、いわゆる査察とかそういうような形において警察では十分事前の状況というものを、いろいろな形において情報をとつておられる、しかもそれがどういう形でとつておられるのか、それを伺つておきたい。
  79. 内藤隆

    ○内藤委員長 ちよつと注意申し上げますが、職務上聞かれて秘密に関するものであるときは答える必要はありませんから、その点よく考えて……。
  80. 小川鍛

    ○小川証人 ただいまの御質問は、私どもよく質問を受けるのでありますが、私ども実際の仕事に当つておりますと、先ほども制度法律云々の問題のときにお答えしましたように、非常にその点私どもとして査察調査というものは困難な問題である、こうした事案におきましては、ここにもありますように、具体的にビラなり、また壁新聞が張られますし、また学生――と申すばかりじやありませんが、町の人もこういうことを言つておる、ああいうことを言つておるというような、いわゆるデマもありましようし、真実もありましよう。そうした声というものがいろいろ現われて参りますし、また新聞紙上各地におきますいろいろな事件の報道もございます。さようなことをあれこれ、私ども常に事件を経験しておりますと、そこに現われたものからいろいろ判断いたしまして、やつて参るのが現状でございます。
  81. 竹村奈良一

    ○竹村委員 先ほど田渕委員は、去る十八日の国会におけるいろいろな問題を問題にしましたが、私はこういうことは本件と関係ないので、あまり申し上げませんが、しかしこの間十八日のこの国会内におきますところのいろいろな取締り、これはあなたの方と違いまして警視庁の方でとられました取締りの状況を見ておりますと、全然デモに関係ない歩道を通行しておる者に対しても、こうもりがさを奪い、そうしてみぞの中にたたき込んでおる実情を、私はこの目で見て来たのであります。これは私一人じやなしに、ずいぶん多くの人が見ております。また国会の面会所におきますところの騒擾事件は、初め私はおりませんでしたが、とにかくあのガラス戸をぶち割つたのは、そこにおつた警備の警官が大挙して侵入して参つて、結局ガラス戸がこわれていることを見ておる。取締りに当つて、こういうふうに――もちろんその当事者にされるということは別問題でありますけれども、そういうような混乱を起す原因が、あまりにも神経過敏になつて、特に突入されるというところに起つているような実情を、われわれはこの間の十八日においても見ているわけでありますが、こういう点は、京都の取締りにおいてはなかつたかあつたか、こういう点をひとつ伺つておきたい。
  82. 内藤隆

    ○内藤委員長 要するに京都にはさような警官から刺激をしたようなことがあつたかどうかということです。その点をお答え願います。
  83. 小川鍛

    ○小川証人 常に警察官側から積極的に刺激するような行為を考えてやつておるようなことはございません。
  84. 田渕光一

    ○田渕委員 先ほど竹村委員から私の名前が出ましたので、一応御参考までに申し上げておきたい。議員面会所というものは、あらゆる日本国民の陳情を受ける神聖なる面会所であります。たとえ警察官といえどもだれでも、私たち議員に用事があるならば出入りは自由であります。そこで私がその面会所に入りましたときに、社会党の赤松勇君と田中織之進君が、労働組合の諸君と相談をしておつたが、二百人近い学生が来て、ここで面会をしなければ話さぬというので、諸君済まぬけれども、上つてくれというわけで、私たちはそれを見守つておつた自由に入るべき、最も神聖であるべき国会の構内の議員面会所、だれが入ろうが自由であります。その自由な場所に入つて来た警察官を、犬が一匹おつたというような侮辱の言葉、侮蔑の言葉、これが一つ。これがスパイであるか私服であるかしらぬが、われわれ日本人民であります。それがおつても、ここで会議をしておるから出てもらいたいということならば、これは民主的である。ただちにつかまえて暴行を加える。これが北鮮系統の学生諸君であるということも私は申し上げたい。そしてこの被害を受けている警察官か、あるいは議員の秘書か、あるいは地方から上京して陳情に来た者かわからぬものを、学生の身分をもつて大勢の者が取囲んで、踏んだりけつたりする。この救済をするのがいかぬというならば、警察官は一人たりとも構内に入れない方がいいと思う。
  85. 内藤隆

    ○内藤委員長 田渕委員の御発言は、本問題とちよつと関連性がございませんから、他に御発言がなければ、小川証人に対する訊問はこれにて終了いたしました。証人には長時間御苦労様でした。     ―――――――――――――
  86. 内藤隆

    ○内藤委員長 引続き守屋孝蔵君より証言を求めることにいたします。ただいまお見えになつている方は守屋孝蔵君ですな。
  87. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 そうです。
  88. 内藤隆

    ○内藤委員長 あらかじめ文書をもつて御承知のことと存じますが、本日委員会において正式に証人として決定いたしましたから、さよう御了承願います。  ただいまより治安警備状況に関する件中、京都事件について証言を求めることになりますが、証言を求むる前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求むる場合には、その前に宣誓をされなければならぬことと相なつております。  宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた者、及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて、黙祕すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  なお証人が公務員として知り得た事実が職務上の秘密に関するものなるときは、その旨申出を願いたいと存じます。  では法律の定めるところによりまして、証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人守屋孝蔵君朗読〕    宣誓書   良心に従つて、真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  89. 内藤隆

    ○内藤委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕
  90. 内藤隆

    ○内藤委員長 とれより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしゆうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人守屋孝蔵君は現在京都市公安委員長をしておいでになりますね。
  91. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 さようでございます。
  92. 内藤隆

    ○内藤委員長 公安委員長になられるまでの経歴を簡単に述べてください。
  93. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 私は原籍は仙台市土橋通り六十六番地、明治九年八月一日生れ、明治三十五年七月東京帝国大学校科大学卒業の上、同年九月弁護士として京都市に開業をいたしまして、以来今日まで弁護士としてその職務に従事しております。昭和二十五年四月一日京都市公安委員に任命されまして、翌五月十二日であつたと思いますが、公安委員長に選任されまして、爾来今日まで京都市の公安委員長として奉職しております。
  94. 内藤隆

    ○内藤委員長 京都市公安委員会の構成、運営等の状況について簡単に御説明を願います。
  95. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 京都市の公安委員会は、公安委員五名をもつて成立しており、現在私を公安委員長とし、他の公安委員二名は、一名は大下角一、同志社大学教授、もう一名は湯浅佑一、湯浅蓄電池株式会社社長でございます。その三名をもつて公安委員会を組織いたしまして、毎週一回定例日として会合しておりまするし、また臨時要件がありますれば、その都度会合いたしまして、公安委員会を開催いたしております。その他書類等に対して検閲し、それに向つて調印する場合は私の私宅においてやることもございます。そういつたようなぐあいで公安委員会の任務を遂行しております。
  96. 内藤隆

    ○内藤委員長 二月の二十三日の京都市における騒擾事件を御承知だと思いまするが、この大会を不許可にした理由をひとつ述べてくれませんか。
  97. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 二月二十三日申請責任者といたしまして新産別の中島茂、SKRの谷口浩二、全官公坂口和男、黒川工業労組岩崎弘雄、この四名より二十三日の午後五時三十分から午後十時に至る間に、第一会場として華頂会館、第二会場として円山公園音楽堂において再軍備、徴兵制度反対青年婦人労力戦線の統一ということに集会の目的をおきまして参加人員七千名、これに対して参加者といたしまして、新産別京都地方連合会青年婦人部、SKR青年婦人部、全官公京都地協青年婦人部、黒川工業労組青年婦人部、かように申請書を提出いたしまして、公安委員会としてそれを受領いたしましたのは、二月の二十日だつたと思います。これよりさき事前の状況といたしまして、公安委員会から警察に対しまして情報を求めておつたのでありますが、いわゆる京都の青年婦人会の統一懇談会というものがやや成立するの見込みがあつて、その方面からそういう集会を申請するということに相なつたのでありまするけれども、その事前にいろいろなるビラが学生層によつて方々に張られてあるということを発見したのであります。そのビラと申しますのは、第三回反植民地闘争、再軍備反対、青年婦人大会、二十三日華頂会館に集まれとか、あるいは徴兵反対、平和と独立を闘い取る実力行動に立て、大会に結集しよう、などのビラが二月二十日ごろから市内随所に散布または掲載されておるということであつたのであります。そうしてこういうビラを張つたり散布することが主として学生層によつてやつておられたということであつたのであります。さらにまた他の一面におきましては、大会入場整理券という名前で、たしか一枚十円でその入場券を各労組において発売しておるということの報告もあつたのでございます。ところがこの主催者の団体の中に、公安委員会で見て穏当の団体とみなしております総評の意図するところの青年大会というものが、次第に左派分子によつて蚕食せられる傾向にあるという情報を得ましたので、はなはだゆゆしいことと思つておつたのであります。これと同時に三月二十日及び二十一日には、東京におきまして同様の騒動があつたようでございますし、また名古屋におきましても、そういつたような集団的な公務執行妨害事件が発生したということの情報も入手したのでございます。そこでかねて私どもの心配しておりますある思想団体といいますか、それがし団体で出されたといううわさがありますいわゆる「国際反植民地闘争デーに際」諸君に訴える」というその文書内容と大体同様の傾向をもつて進むような傾向がございましたから、東京及び名古屋における事件なんかを相照合いたしましてこれはもつて公共の平和を維持するに直接に危険あるものと認めましたから、公安委員会の方では慎重審議の上、二十二日に至りまして、遂にこの不許可の決定をしたような次第であります。
  98. 内藤隆

    ○内藤委員長 その届出の人の中には、政治的な意図をもつて先般水谷長三郎代議士たちを襲つた、そういう危険な尖鋭分子などもありたということも原因の一つでございますか。
  99. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 さようでございます。それは二十六年の十一月の七日に交通労働組合及び京大同学会、立命館大学同学会、こういう三団体から集会の申請がありまして、これを許可したのでありますが、このうちたしか学生だと思いますが、水谷代議士の家に闖入しまして、邸宅を毀損したという暴挙のあつたことがわかりました。しかもこのたびの青年婦人団体のうちには、それらの者もいわゆる共催団体として加わるという傾向がありましたから、これをもつて不許可にいたしたような次第であります。
  100. 内藤隆

    ○内藤委員長 二十三日の大会を不許可にした理由は、大体それで判明いたしました。続いて、三月二十日の大会を許可した理由を簡単に述べてください。
  101. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 三月一十日の申請は、弾圧法粉砕総蹶起大会という名のもとに申請いたしたのでありまするが、この主催者は、先ほど申しました京都市の公安委員会の方で穏健なる団体と思つております総評でございますので、しかも開催する以前、三月一日ごろよりしばしば警察当局の方へ参つて、三月二十日ごろに開催するという大体のプラン等を説明して、了解を求めつつあつたということの報告も得たのでございます。それで事前の報告といたしましては、多少ビラ等も張つてあつたようでございますけれども、主として総評が全部責任をもつてやるし、他の団体はこれに加入せしめないということを、固く誓つておるというような話があつたので、いたずらにこれを制限して、かえつて彼らを激発せしめることの不可なることも思つたものでございますから、それでとにかく厳重なる条件を付して許可する方が、むしろわれわれの行政的観点から見て、穏当なりと信じまして、九つの厳重な条件を付して、遂に許可することに決した次第であります。
  102. 内藤隆

    ○内藤委員長 要するに公安委員会としては、京都の総評の性格を信じておるから、これが主体となる以上は、そうデモ等も暴行などに及ばぬだろうということで、なお念のために九つの条件を付してこれを許した、こういうのでございますね。
  103. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 さようでございます。
  104. 内藤隆

    ○内藤委員長 しかるに事実は騒擾事件となつておる。これは要するに他の暴力団体がこれを機会として便乗したので、かような不祥事が起つた、こういうわけでございますね。
  105. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 さようでございます。
  106. 内藤隆

    ○内藤委員長 当委員会といたしましては、調査委員団を派遣いたしまして、この事件の内容等は午前中詳細に報告があつたわけでございます。ただその報告等をお伺いしておりますと、夜間デモが許可条件に反して強行された、そうしてまた田淵委員の御説明では、時間的に二時間のずれが出ておつた、二時間というとたいへんなことですが、そういう場合、これを強硬に禁止すべきであつたと思いますが、その点いかがですか。
  107. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 許可の条件には、集団示威行進の円山出発つば午後五時三十分、解散は六時三十分までに終了するということにいたしておつたのでありますが、当夜私は自宅におりまして、刻々の報告を受けておつたのであります。現地より公安委員会本部の方へ報告がございまして、そこからまた私の自宅の方へ電話で報告するということに相なつておつたのでございますが、六時三十分ごろ、それより少し前であつたかと思いまするが、だんだん開催時間が三十分、四十分と遅れたので、予定の時間が少し延びる模様であり、そこで主催者といたしましては、なるたけ時間の励行をはかるがためにやつつたのであるけれども、プログラムのうちで残つたものがある、それはある団体のメッセージを朗読するということでしたが、時間がなくなつたので、主催者としてはこれを禁止したのであるけれども、それらの団体が議長席に迫つて、一種の紛擾を来して、遂にそれを遂行せしめてからデモ行進に移るようになつたのである。こういうことでございまして、大体主催者も非常に心配して、無事に公安委員会に届けた通りの条件を履行するという誠意があると認められたものでございますから、多少の時間のずれがあつたことは、私といたしましても認めたのでありますけれども、ただこれが六時三十分から一分でも遅れたからとか、あるいは十分でも遅れたからといつて、ただちにこれをさしとめるということは事実上不可能なことであります。のみならず、もちろんその間に行進を始めたのでありますけれども、行列は二千名ないし三千名くらいでございまするから、当夜ほとんど二キロにわたつてその行進が続いて、先頭が京都市役所に到達いたしましても、後尾の者はまだ円山公園におるというような、たいへん長い行列であつたらしいのであります。そういう状態でございまして、だんだん時間のずれがあるということに対して私ども憂慮しておつたのでありますけれども、これをもしとどめて、解散を命ずるとか、あるいは禁止するということでもあれば、いきり立つたあの若い人々の気分からいいますと、かえつて禁止したよりも、さらに大きく平和を脅かすというような行動がないとも限らないということを私どもは心配いたしましたから、十分なる注意のもとに、多少のずれを看過して、それらを進めさした次第であります。
  108. 内藤隆

    ○内藤委員長 これは見方にもよるでしようが、要するに日本共産党の府会議員をしておる灘井五郎という人のごときは、ともかくも時間のずれができるように、暗くなるようにという一種の目的をもつてやつておつたというようなことも、ここで大体考え得るのですが、しかしあなたの今おつしやつたことく、かえつて禁止した場合の騒擾等も想像できるので、単に時間がずれたということがこの騒擾の原因だということは考えられない。むしろ計画的にこれに便乗して行つたというところに問題があると私は考えます。どうでしよう、さようなことに考えられますると、今後労働団体の大会に対しては、京都市の公安委員会としてはどういう態度をもつてお臨みになるお考えですか。
  109. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 個々別々の申請書がございますれば、その申請書によりましてもちろん検討することは言うをまたないのでございますが、われわれといたしましては、警察当局に対していろいろなる情報を収集せしめ、はたして公安を害するおそれがあるかないかということを検討いたしましてから、もちろん許可、不許可を決定する次第でありますが、私個人の考えといたしましては、今後は夕暮れ以後のデモ行進というものは絶対に許すべきものでないという決意を持つておる次第でございます。従いましてそういう線におきましてこの運営をいたして行きたい、こういう考えを持つておる次第でございます。
  110. 内藤隆

    ○内藤委員長 将来やはり時間的によく御検討にならないと、暗夜に乗じて何事が起つて来るか、これはたいへんなことになるから、ひとつ特に御注意を願います。  他に御質問はありませんか。
  111. 田渕光一

    ○田渕委員 大体公安委員会としては、公安を管理されておるのであるから、こういうデモなどはなるべく昼間に終らせたい、こういうような御方針で京都の公安委員会はおられるかどうか、あるいはまた全国的にそういうような傾向にあるかどうかということを伺いたいのであります。
  112. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 実はわれわれといたしましては、白昼の間に終ることをもちろん希望いたしておるのでありますが、実はこの三月二十日の申請につきましても、何とかしてこの午後四時三十分ということは遅過ぎるから、もつと繰上げてもらえぬかということを要望しておつたのでありますが、彼らはおのおのその職場々々にあつて、その職場の自分の職務を終了した後に始めるのであるから、これ以上時間を進めることはできない、こういうことであつたので、やむを得ずともかく許しました。しかも主催者というものは、私ども平常見ておつて穏健団体とする総評でございます。たしか昨年の十月半ばにも総評の夜間のデモ行進を許したことがあつたのでありまするが、その際には何ら不詳事がなく、支障がなく遂行した例もあつたのでございます。私どもにおきましては、よもやそういう混雑が生ずるおそれなしと実は信じたような次第であります。
  113. 田渕光一

    ○田渕委員 なるべく居間にやりたい御趣旨と伺いましたが、公安委員会としては、原則として昼間にやるというふうに決定されておるかどうかということをわれわれ確認しておきたいのであります。  それからこの昼間とは日の出から日没までを昼間といい、日没から翌日の目の出までを夜間ということは、旧民事訴訟法の規定においても、財産権の執行に対して、裁判所の判決を執行する執達吏の執行時間というものは、夜間と昼間の区別ははつきり日没をもつて区別されておる。こういう観念で現在もおられるかどうか、重ねて申し上げますが、主として昼間にやるという原則が確立しておるかどうか、昼間と夜間との区別は日没、日の出をもつて区別しておるかどうか、こういうような点を伺いたいのであります。
  114. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 京都市の公安委員会といたしましては、必ずしも昼間でなければならぬというような原則はまだ立てておりません。個々別々にその事案によりまして、公安に害ありやいなやを検討いたしまして、そうして許可、不許可を決定するという態度をとつております。
  115. 田渕光一

    ○田渕委員 もう一つ昼間と夜間の区別……。
  116. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 それは法律の解釈でございまして、私一個人の意見をもつて申し上げるのはいかがかと思いますが、通常われわれの方で日没と言いますのは、いわゆる太陽の存在する限りはどうも日没じやない、こう見ますので、この当時私といたしましては、六時三十分でございますれば、まだ暗くてそう人の面を見てわからない時刻じやない、ことに六時三十分くらいなればまだ明るいから、これまでに解散するということになれば、こちらの方が警備するについても容易であり、事なきを期することができる。こういうふうに信じましたから、六時三十分に固く解散終了するということを許可条件といたした次第であります。
  117. 田渕光一

    ○田渕委員 まずこれで京部市会安委員会は昼間にやるという原則はきまつておらないということが再確認されましたので、先ほど委員長の御忠告のありました通り、努めて昼間にやつていただくこと、また職場に働いておる事務能率を考えて、曜日にやるから四時半とか、退庁時間少し前ということになるので、努めてこれは日曜とか、祭日のような日にされることも時間的の点で考慮する余地があるのじやないか、こう考えるのであります。ところで三月二十日といえば春彼岸であります。六時三十分ごろといえば、日も暮れましてもう暗いのであります。おそらく五時四十分ごろが太陽暦上日没になるのじやないかと思つております。もう日が暮れる。ことに京都のあのしとやかな環境であります、共産党の府会議員の灘井五郎君が演壇のマイクを握つて、デモへ移ろうと言つたときは、すでに六時三十分過ぎておる、この許可条件は四時半から五時半までということであるから、それよりも一時間時間がずれておる、ことにその大会の閉会まぎわにメッセージを読ませろとか、あるいは反動的な団体であるとかどうとかいうことで、円山公園の演壇が紛争を来しておるという刻々の情報が入れば、これから二千人、三千人のデモが行けば、順次解散するころには八時になる。これは容易ならぬ時間であるということを察知されて、公安を管理する委員会としては、すでにこの許可条件に違反したのだから、その許可したものを取消し、同時に治安の執行面をあずかつておる警察当局に対して、円山公園において解散を命じたならば、私はこういう問題は起らなかつたと思う。こういうような点において、時々刻々御自宅で報告を受けておりれたと今証言されましたが、総評の加賀田君自身がちようちんを用意して行つておる。これは加賀田君がやつたのかだれがやつたのか知らぬが、ちようちんに点火して、インターを歌いながら、六時三十分円山を出て、八時三十分まで京都をあばれまわつた。ちようちんを用意して行くということは、日没を利用するということになつておる。この許可条件ではちようちんの用意はいらぬ。四時三十分から五時三十分に終らせるというのだから……。こういうような点を考えますが、こういうような点は後刻加賀田君の証言を求めますが、ちようちんを用意して行くというようなことに対して、公安委員会に何かお話はございませんでしたか、いかがでございましたか。
  118. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 私どもは、ちようちんをもつて、暗きを照す意味のちようちんとは実は解しておりませんので、むしろこれを一種のデモの一つとしてちようちんをやつたのじやないかと思つております。それはその前の、先ほど申し上げました十月半ばのデモのときにも、やはりちようちんを用いております。その時分にもたしか参加人員三千名であつたのでありますが、何らの支障なく過した例がございます。それで私は、主催者が事のないようにはかろうということを固く誓つて、警察当局に対してもそういうことの意思表示をしておりますから、もちろん私どもといたしましても、公安に害あるような行動に出るようなことはなかろうということを確信しておつた次第でございます。
  119. 田渕光一

    ○田渕委員 公安委員長はたいへん法律をわきまえ、また人格も高潔なりつばな方でありますし、ことに明治の末期から大正、昭和と約四十年から五十年京都にお住まいになつておられますので、環境からもそういうふうになられたと思いますが、私どもが考えまするならば、公安委員長は少しお人がよすぎたのじやないかと思います。デモのためにちようちんを持つて行かれたと言われまするが、ちようちんというものは夜ともしてこそ効果があるのであつて、昼間にちようちんを飾るような、売店の大売出しのちようちんのようなものではないということは、はつきり将来お考えになつていただかぬと、ちようちんを持つて行くということは、すでに赤いちようちんにこれをつけて、わつと気勢を上げて行くという、一つの革命の前夜にひとしいようなことをやろうという計画があつたから、こういうことをやる。ちようちんというものは昼いるものではない、夜使うへきものがちようちんである。これは昼の街頭広告に使うちようちんなら別である。こういうような点において、私は公安委員長にひとつさらに将来のために申し上げたいことは、先ほど委員長の御忠告の通り、あらゆる点にひとつこういう時代でありますから御検討を願わなければならぬが、さらにちようちんを使用するようなデモというものを許されるということは、夜間のデモを利用し、犯罪はすべて夜間において――悪事犯罪は暗いところから生ずる、こういうような点をよく御勘考願い、われわれもまつたく委員長と一緒でありまして、普選運動あるいはまたその他の護憲運動に、青年時代あばれまわつた時代には、ちようど夕方の最も人の帰りたい、殺気のある時間をもつて、私たちみずからが闘争して来た経験があるから申し上げるのであります。どうかひとつこの点をよくお考え願つて、やはりちようちんなどを持つということは御注意願いたいと思います。これは希望であります。
  120. 内藤隆

    ○内藤委員長 佐竹君。
  121. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 証人に一点伺いたいのでありますが、京都市は全国の各都市より比較的この種の事件が多く起きておるように思うのでありますが、これには何か原因があるのであるか、どういうような理由があるのであるかという点について、公安委員長として知つておられる範囲において御説明願いたい。
  122. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 御承知の通り、京都市は思想団体が非常に多いのであります。大学の教授、学生等を初めとし、各種労働団体に至るまで、今日のいわゆる左傾的な思想が非常に盛んであることは、われわれも平生認めるところでございます。しかしながら左傾であるから集会その他を不許可にするという理由はもちろんないのであります。いわゆる主催団体の性格、閲歴等を参酌し、それからその開催前後の事情等を重大な資料といたしまして、それらの点を総合いたしまして、はたして公共の平和、安寧に直接の危害を及ぼすおそれがないかということを判断いたしまして、許可、不許可を私ども決定しておるような次第であります。
  123. 内藤隆

    ○内藤委員長 守屋証人に申し上げますが、佐竹委員のお尋ねの趣旨はそうじやないのです。いわば古典的な京都が、全国に比較してかような事件が多いのは、どこに原因があるとあなたは思われるか、こういうことです。
  124. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 あそこの土地柄といいますか、京都は非常に平穏なところでございまするが、ああいう平穏なところに何がゆえにそういうものが多く存在するかということは、実はわれわれといたしましても平生考えるところでありますけれども、その原因というものはやはり思想団体より来ている結果だと私は思つておるのです。
  125. 内藤隆

    ○内藤委員長 大学と思想団体がたくさんあつて、それが日常講演会やいろいろなことをやつておる、そういうことが一つの原因じやないかと思う……。
  126. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 そうであります。
  127. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 思想自由はわが国の憲法によつて保障されておるのでありますが、問題はその思想に基いて特殊な行動を起す、いわゆる騒擾によつて他人に迷惑を及ぼす、こういうことが悪いのであります。そこで公安委員長は京都市の公安を受持つておられる立場におきまして、大学の教授であるとか、あるいは在日鮮人団体の中堅の人々であるとか、あるいはいわゆる騒擾事件を起しやすいような労働組合の人々であるとか、こういうような人と一堂に会されて、京都の治安を守ることについていろいろ懇談や協議やらをせられたことはありますかどうですか。
  128. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 ありません。ありませんが、われわれの知友に相当の人がございますから、私的に意見の交換をするということはしぱしばありました。今御質問の通りのような、何か一堂に会してそういうことを公式に検討したという事例はありません。ただ今申しました私雲昌よつて、いろいろ意見を交換するようなことは絶えずございます。
  129. 内藤隆

    ○内藤委員長 ちよつとお伺いしますが、大体京都のあなたの公安委員会の管内で、朝鮮人はどれほどおりますか。
  130. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 南北合併いたしまして、二万数千名おると思います。
  131. 内藤隆

    ○内藤委員長 それは南北にわけてどつちが多いですか。
  132. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 北鮮系が多いだろうと思います。
  133. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 私が質問いたしたいと思いますのは、こうしたいわゆる不詳事件で騒擾が起きたときに、警察をもつて取締るということではもうすでに遅いのでありまして、その事前においてこういう問題の起らないようにやることも、京都の公安を受持たれるあなたのお役目ではないかと思う。これは全国的に公安委員の方々は、ただ警察との関係のみを考えて、他のいわゆる思想団体とかいろいろそういう問題を起しやすい団体との近づきということに、非常に迂遠ではないかと私は考える。明日は広島の問題で証人を呼びますし、今日は京都の問題がこうして行政監察委員会で問題になつておるのでありますが、いわゆる騒擾が起きたときに警察官を出動さすということでなくして、事前に公安を受持たれる人がその団体の人々と、今後の京都の治安を守つて行くということを会談することに対して、どういうお考えを持つておられますか、御所見を伺いたいと思います。
  134. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 お答えします。ただいまの御質問はごもつともだと思うのでありますが、これは区々たる一地方の問題ではなくして、おそらく全国的な問題ではないかと思います。ごういつたような問題は、あるいは政治的にあるいは教育的な方面より解決せらるべき問題であつて、一地方のあえてよくするところではないと私は思うのであります。われわれとしてはそういう二との起らぬように、今後もできる限りの努力はするつもりでおりますが、あるいは朝鮮人問題といい、これはなかなか容易ならざる問題でございまして、とうてい地方の公安委員会のみによつて処理し得る問題ではないと思います。
  135. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 そこであなたは法律家であつて公安を受持つておられる方でありますから、お伺いしたいと思うのであります。こういう騒擾事件に端を発しておるのでありますが、現在国会には破壊活動防止法という法律が制定されようとして上程されております。今のあなたの御説をもつてするならば、これは一地方の問題でなしに中央の問題である、いわば政治的な問題である、かようにおつしやつたのでありますが、あなたは法律家としてこういう破壊活動防止法といつたような、広範囲にいわゆる民主的なものを取締るような法律をつくつた方がいいとお考えになるか、それともこういう法律をつくるよりは、むしろ基本的な何か別な問題があるとお考えになるか、その点をお伺いしたい。
  136. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 それはたいへんむずかしい問題でございます。全国の自治体公安委員会におきましては、今日の公安条例というものを、いわゆる集会にまで及ぼして制限するということをきめておるのは、きわめて少いのでございます。プリアム大佐とかGHQの方の命令によつて、そういうことを処理しておる公安委員会が多いのであります。それでは困るので、今日東京都もしくは京都において制定いたしましたいわゆる公安条例というようなものを、何とか全国的に画一にする法律をつくつてもらいたいということを、昨年か一昨年か、全国自治体公安委員会連合会の総会においてきめまして、それは連合会長より当局の方へ申し上げておると思つております。全国的にただいま申し上げました画一的の公安条例の制定を希望しておる実情でございます。
  137. 山口武秀

    ○山口(武)委員 時間がありませんから、簡単に二、三点お尋ねいたします。  京都市でこれまでいろいろな集会が持たれて来たと思いますが、不許可になつたのはその二月二十三日の大会が始まりでしようか。
  138. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 昭和二十六年度におきましては許可いたしましたのが三十七件で、不許可四件でございます。
  139. 山口武秀

    ○山口(武)委員 京都市において再軍備を促進するというような意見の大会というものは、これまで開かれておりましたか、それが許可されておりますかどうか、この点をお聞きします。
  140. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 その点は、この前年度の分は、私今ここではお答えできません。ちよつとわかりません。
  141. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私どもの推定によりますと、再軍備を促進するような大会というものが京都においてこの事件以前において開かれている、かように考えているわけでありますが、再軍備促進ということになると――再軍備という問題はもちろん戦争を予想しての問題でありますし、戦争こそ最も大きな破壊行為であり、最も大きな治安撹乱行為なのであります。しかもなお日本憲法の禁止しておるところでありますが、このような大会が申請されました場合に、あなたたちはこれに対しましてはあまり関心を持つて来られなかつたのかどうか。ただいまのお話によりますと、よく承知してないということでありますが、これは関心がないという一つの証左であるのか、それともさらに言葉を明白にするためにお尋ねするならば、再軍備を促進するようなものはあなたの公安委員会におきましては許可の方針であるのかどうか、これをお尋ねしたい。
  142. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 私の方におきましては、目的自体がすでにそれのみによつて非常に公安に害があるものであればともかくでありますけれども、そうでない限りは、単にこの目的のみについて許可、不許可の決定をするわけじやないのであります。許可、不許可の私どもの方針というものは先ほど申し上げました次第でございます。再軍備云々であるがために不許可にするという方針をきめておるわけではもちろんないのであります。
  143. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私はそれが許可になつていたかどうかの事例をお伺いしたがつたのです。ところがあなたにはおわかりにならないという答弁だつた。そこで明らかになつたことは、その再軍備促進の大会というものについては、あるいは演説会というものについては、おそらくあなたはあまり神経質になつていない、これだけはわかつたと思う。ただ一般的にそれが受入れられる場合に、再軍備促進の大会というものは自由になされている。徴兵反対、再軍備反対というような大会は弾圧される。このような印象を与えているとすれば、今回の問題発生の一つの重要な原因たり得る、こう考えてお伺いしたのです。  それはわからないならわからないでよろしいのですが、その次にお尋ねしたいのは、先ほどの二月二十三日の大会を不許可にした理由につきまして、あなたはこの点をあげたのです。それは平和と独立というようなビラをまいた、再軍備、徴兵反対というようなどラをまいた、こういうことを言われたのです。(「それは共産党だけだよ」と呼ぶ者あり)このビラがなぜ悪い。まさにこれは日本人として大いに歓迎し、賛成する。(「君らだけだよ」と呼ぶ者あり)これこそ公安委員会において守らなければならない運動もある。たとえば今田淵君の言うように、再軍備、徴兵反対が共産党だけの主張だとするならば、こういう人はまず論外で、日本の憲法におきましてもこれが禁止されておる。田淵君自体が憲法を無視しているという態度をここで明らかにしたことだと思う。
  144. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君に御注意します。田淵委員の不規則発言をとらえて議論をしておつては困る。なおもう一人証人がおりますから、簡単に要点を述べてください。
  145. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それでは今の点になるのですが、平和と独立、再軍備、徴兵反対とかいうようなビラがどうして悪い。これがどうして不許可の原因の一つになるのか、これをお尋ねしたい。
  146. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 それは先ほど申し上げました通り、主催者にあらざる学生層によつてそういうことがやられておる。いわゆる主催者にあらざるものが不法にそういうことをやつておつて、しかもそれらは十一月七日に水谷代議士を襲撃した部類に属する連中がそういうことをやつているから、はなはだ不稔なりと信じた次第であります。
  147. 山口武秀

    ○山口(武)委員 主催者がやつておるというならば、その問題を重視して問題にするというのはわかりますが、主催者以外がやつておるとすれば、それはその大会そのものにおける責任の地位が軽いのだ、そういうものの影響力が軽いのだ、こういう認定をすべきものと思う。しかし私が先ほどお尋ねいたしましたのは、そういうことではない、再軍備反対、徴兵反対、平和と独立を守れというようなビラがいいと思つておるのか、悪いと思つておるのか、この点をお聞きしたい。
  148. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 御質問の範囲は議論になると思います。議論に対してお答えする必要はないと思います。
  149. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君どうです、もう一人証人がおりますから…。
  150. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そう言われちや困る。
  151. 内藤隆

    ○内藤委員長 それではもう一点だけ簡単に……。
  152. 山口武秀

    ○山口(武)委員 今の証人の等弁は証言拒否だと思う。
  153. 内藤隆

    ○内藤委員長 私はそう思つておりません。
  154. 山口武秀

    ○山口(武)委員 私の尋ねておるのは……(「山口ワン・マンだよ」と呼ぶ者あり)当委員会の権限を削限するのか、それならそれでよろしい、あとでそのことをとやかく言わないように……。たとえばこういうことが大会を不許可にした原因であるので、このようなことがどうして不許可の原因になるのか、この問題に対する問題の考え方を聞いておるのがなぜ議論になるのか、無礼な話じやないか。
  155. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君に申しますが、その点は守屋孝蔵証人は詳細に述べておりまするから、速記録についてよく御研究を願います。     〔「学生がやるからいかぬというのじやないか」「しかも水谷代議士を、襲撃しておる」と呼ぶ者あり〕
  156. 山口武秀

    ○山口(武)委員 そんな問題を聞いておるのじやない、默つていろ。
  157. 内藤隆

    ○内藤委員長 山口君に申し上げます、証人は詳細に申し述べておりますから、速記録についてごらんになつて御研究を願いたい。
  158. 山口武秀

    ○山口(武)委員 それではよろしいですが、その問題については私は議論じやないと思う。証人がかつてにこれを議論だと断定するがごときは不届き千万だ、これは証言拒否の問題としてあらためて取上げていただきたい。このことは一応おいて、次の質問をいたします。証人にお尋ねしますが、あなたは世界人権宣言を御承知でしようか。
  159. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 それは読んだことがあります。
  160. 山口武秀

    ○山口(武)委員 読んだことがあるとすればきわめて幸いだと思います。その中にこう書いてある。「人間が専制と圧迫とに対する最後の手段として反逆に訴えざるを得ないものであつてはならないならば、人権は法の支配によつて保護されなければならないことが、肝要であるので、」世界人権宣言の中におきましても、一般の国民というもの、一般の人類というものが、反乱に訴える場合の一つの状態を書いているのです。問題は京都市におきまして、そのような国民あるいは日本国土に住む朝鮮人が、国家権力の末端機関に対して反抗したという場合、はたしてこのような問題がありはしなかつたか、このことを公安委員会は当然考えるべきであつたと思うので、もしも大会の寸前に不許可にしておるようなことがあれば、これがこういうような実力行動にかり立てばしないかどうか、あるいは官憲のこれまでの態度におきまして、自由は許されなかつた、そういうものがあるとすれば、やはり国民をそういうふうにかり立てばしなかつたかどうか、さらに申しますならば、あなたの立場において一つの矛盾を感じなかつたかどうか、たとえば憲法において再軍備が禁止されておるにもかかわらず、実際上国民の認める再軍備が進行されている。こういう状況において法の尊厳というものが否定されつつあるという事実の中において、このような問題が発生したと考えられないかどうか、この点をお尋ねしたい。
  161. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 御質問の範囲が非常に長くなつたので、私一々記憶しておりませんが、記憶する範囲だけをお答え申し上げます。われわれの方で御質問者のおつしやるような弾圧というようなことは決してないのであります。もしその結果があなた方が見てもつて弾圧なりとおしやるならば、それはどうも見解の相違でありまして、われわれの方で見ればすべて一視同仁であります。何人に対してもそういう差別観を持つて待遇するというような態度は絶対にございません。従つてわれわれとしましては、申請しまする内容その他環境等を考察しまして許可、不許可を決定いたしますので、すべて治安に妨害なしと信じますならば、みなたいがい許すことにいたしております。さような次第ございまて、われわれの方で――第一、弾圧をもつて迎えるということの御推察は相当じやないと私は信ずるのであります。なおまた国家の現状から見て、われわれの方針と何か矛盾するようなことを感じないかとの仰せでありますけれども、私どもは自分の平生信ずるところに向つて進行しておりますから、決して自分の方で矛盾ありとは感じておりません。
  162. 山口武秀

    ○山口(武)委員 弾圧をどうという立場を感じていないということを言われましたが、あなたの先ほどの言葉の中もに、三月二十日の大会を許可した理由について、これを行政的な観点から許可した、こういうことを言われた。この場合における行政的観点というものは、私はきわめて狭い意味での、あなたたちの仕事のやりいいようにという意味での行政的観点である、かように受取つたわけです。これはどなたが考えてもそう受取られたと思う。しかし元来このような大会を許可されるのは、これは人権を尊重する立場であり、日本の憲法の保障に基く立場であり、さらに世界人権宣言の生み出した精神に基く立場でなければならない。あなたたちはこのような大会を許可するのに、狭いあなたたちの都合のための行政的観点というような立場から許可するという考え方自体に問題がおる。このような考え方自体が国民を支配しようという態度そのものの現われである、こう思う。
  163. 内藤隆

    ○内藤委員長 議論のようですからどうでしよう。あまり議論にはそうこだわらないで、ひとつ率直にやつてください。
  164. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 はあ。
  165. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に二人まだ申込みがあるのですが、ひとつ簡単に願います。竹村君。
  166. 竹村奈良一

    ○竹村委員 私は先ほど山口君の質問いたしました点でわからない点がある、というのは、証人は先ほど委員長や山口君の質問に対していろいろ答弁しておられる中で、こういうことを言つておられる。たとえば二月二十三日に許可しなかつたのは左翼系であるからだとか、次の三月三十日は、総評は最も穏健ないわゆる右翼的な考えを持つておられる、従つて許可した、こういうようなことをたびたび繰返して言つておられる、従つて問題は、左翼だから不穏当であるとか、あるいは右翼であるから穏当であるとかいうことを言われること自体が、私がこういうことを言うのはおかしいと思いますけれども、しかし憲法においては、思想その他によつて差別できないことははつきりしている。それが許可条件の最大の原因になつているということにつきまして、われわれはどうしても考えられないのでございますが、こういう点はどういう観点で穏健であるとか、あるいは左翼系がどうだというような観点に立たれるのか、この点をお尋ねいたします。
  167. 内藤隆

    ○内藤委員長 竹村君に申し上げますが、速記録を調べなければわからぬけれども、その左翼とか極右とかという言葉は、証人は用いてはいません。
  168. 竹村奈良一

    ○竹村委員 いや言つていますよ。何回も言つています。
  169. 内藤隆

    ○内藤委員長 いずれ議事録を見ればわかりますから……。
  170. 竹村奈良一

    ○竹村委員 いやそれはおかしいよ。何回も言つておるんだ。
  171. 内藤隆

    ○内藤委員長 それは速記録を見てからにいたしましようか。さような言葉は用いておいでにならぬと私は聞いております。
  172. 竹村奈良一

    ○竹村委員 それは委員長が答える必要はない。
  173. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 私の方じや先ほど申し上げました通り、政治とか、政党政派とか、そうしたものについて差別いたしておりません。というのは、われわれ公安委員の一人もどの政党にも入つておりません。ただいま申しました通り不肖私も弁護士のみをやつておりまして、政党政派に関係ございません。もう二人ももちろん政党政派に関係ございませんから、政党によつて色づけするとか、あるいはあなたのおつしやる左翼であるからどうとか、右翼であるからどうとかいうことについて決して取扱いを区切りしておりませんし、将来もそういうことについて差別するような考えはもちろんございません。これは要するに、ただいま申し上げました申請自体の事案を見まして、事件の内容を見まして、そうして当時の環境を参酌して許可不許可を決定するのみであるということを、繰返し繰返し言つておるような次第であります。
  174. 竹村奈良一

    ○竹村委員 もう一点だけ伺つておきたいのでございます。たとえば二月二十三日の大会を不許可にしたという理由を述べておられる中で、大会の開催の要求を申請をした者の中に、前に水谷長二郎氏の家を襲つた者があるというように言つておられる。
  175. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 申請者じやありません。参加する団体としてそういう者が現われつつあるということを申し上げたのであります。だから申請者には学生はなかつたのです。ところが三月三十三日には、それらが参加しようというような傾向が十分に見えましたから、われわれの方で、はなはだしくこれはどうも困るという考えを持つたというのであります。
  176. 竹村奈良一

    ○竹村委員 従つてその申請者には全然関係がなかつた。
  177. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 そうです。
  178. 内藤隆

    ○内藤委員長 浦口君。
  179. 浦口鉄男

    ○浦口委員 簡単に二点ほどお尋ねしておきます。第一点は先ほど他の委員からも御質問があつたわけでありますが、公安委員会といたしましては、もちろんこうした現実の事態が起きないようにふだんから公安を維持するためにあるということが相当大きな役目だと私は思つております。そこで先ほど証人の御証言の中に、情報は警察から刻々と取入れて、それによつて判断をして行動した、こういうお話がございました。これはもちろんこうした現実の事態が進行中はそれでよろしいと思いますが、ふだんにおける公安委員会の職責から申しまして、こういう事態を予防する意味合いにおいて、京都市全体の公安についての情報を収集される必要があると思います。そこで警察の情報、もちろんこれは専門的な情報でありますので、われわれ敬意を表するのは当然でありますが、しかし警察には、やはり警察の一つの型がある。そこに必ずしも正当でない情報もあるということをわれわれは現実に承知しております。そこで公安委員会といたしましてはあくまで公平な立場に立つてあらゆる情報を収集する、こういうことが必要と思いますので、平常においてそうした情報の収集について、どうした具体的な方法をおとりになつておられるか、この点をお尋ねしたい。
  180. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 御承知のように、今日つの公安委員会の地位は、警察機関の一つとしてただ運営、管理する、こういうことに相なつておりまして、これが独立の官庁のように、その下に独立の機関でも持てば仰せの通りのようなことができる。実はわれわれもまたそういうことをしたい希望でありますけれども、今日はそうじやないのです。単に警察の一つの機関として公安委員会というものがあつて、そしてその下には独立の機関がございませんから、今日においては何事も自分の配下であるいわゆる管理しておる警察を使うよりほかに道がないのであります。でございますから、たとえば公安委員会の権限のもとにただ管理するという空漠たる二字によつてやつておりますから、管理というものは、具体的に言えばどこまでが管理であるかということにつきまして、たえずわれわれは頭を悩ましておる問題なんであります。管理とは何ぞや、また運営とは何ぞやということを具体的に法令において例示するとか、それからまた公安委員会に付属している一つの独立の機関を認めてくれるとか、あるいは公安委員長は――私は公安委員長として証言台に立つておりますけれども、私一人では何事もできないのであります。もちろん多数決できまりますけれども、三人の公安委員のうち少くとも二人の同意がなければ公安委員会としての意思表示はできないのであります。さような法制のもとにありますから、御質問のように私ども平生したいとは思つておりますけれども、遺憾ながらそれができないことになつておるということを御了承いただきたいと思います。
  181. 浦口鉄男

    ○浦口委員 今後の公安委員会のあり方に、たいんわれわれとして参考になる御意見でありますので、今後検討したいと思いまして、この質問はこれで終つておきます。その次に、もう一つお尋ねしておきたいことは、やはり他の委員から先ほど御質問がありましたデモの時間の問題でございます。このたびのデモ行進につきましては、先ほど証人も御証言になりましたように、総評そのものの計画を検討になり、しかもなお念には念を入れて、厳重なる制限事項をおつけになつて許可されたということを承知しました。そこで総評自体としても、もちろんこうした事態が起きないまうに十分な用意をし、またこうした事態の起きることを全然予想しなかつたと私は思うのでありますが、たまたま最初がら計画されたこととは思いますが、他の団体の潜行、撹乱によつてこうした事態が起きた。しかもそうした事態が起きるについては、やはり暗さということに非常に大きな原因があると思います。そこで先ほど田淵委員の御質問に対して、京都市の公安委員会として、夜間のデモ行進は許さないという原則は確立していない、こういうお話がございましたが、これももちろん委員長お一人の意見ではきまらないと思いますが、こうした街頭デモ行進について、夜間のものは、特別のものを除いては許すべからざるものである。危険を予防する意味においても、われわれはそう考えます。そうした原則を立てることがふさわしい、あるいは考えるべきであるというふうにお考えにならないかどうか。その点をもう一度念を押しておきたいと思います。
  182. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 有益な御意見を拝承しまして、われわれこの後公安委員会におきまして、大いに検討いたしまして善処したいと思います。
  183. 内藤隆

    ○内藤委員長 大泉君ありますか。
  184. 大泉寛三

    ○大泉委員 ごく簡単に――証人の御意見は、現在の日本における警察制度の改善等に資するためにきわめて重要だと思いますので、特に私は地方行政常任委員として警察制度の方を担任しておりますから、この際一点だけお聞きしておきます。今日とかく地方自治体警察の弱り体ぶりは、国民の批判を受けているように考えられる点があるのであります。この自治体警察に対して、国警とのつり合い上何らか欠陥を見出すようなところがあるかどうか。それからもう一つは、防備に対し装備上の改善が必要であるかどうかという点。警察官の必要なる装備、車とかその他護身用のものとか……。
  185. 守屋孝蔵

    ○守屋証人 私どもといたしましては、今日われわれ京都市の警察が弱体なりとは一向信じておりません。これが国警にかわつたからといつて、今日よりも強力な警察になるとは信じておりません。われわれといたしましては、今日やはり自治体警察として進歩発達改良ということを願いつつあるような次第でございます。第二の御質問であります装備の点におきましてはいわゆる装備、機械的なもの、たとえば鑑識に関するものとかそういつたようなものにつきましては、まだまだどうも不十分であるということを感じております。京都市警におきましては、パトロールカーなども三台でありましたけれども、今日においてはさらに数台を増加いたしまして、まず大体現在の状況におきましては、そういつたものは大した不自由はないと思つておりますけれども、なおこの上にいわゆる無軍その他いろいろなる装備が完全であることを希望しておるのであります、しかし京都市の経済といたしましては、そういつたようなことはとうてい許されないことでございまから、われわれとしては、京都市の経済の範囲内において、最小限度にそういうことをすべて設備しておる、こういう現状でございます。
  186. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に御発言がなければ、守屋証人に対する尋問はこれにて終了いたしました。証人には長時間御苦労さまでした。     ―――――――――――――
  187. 内藤隆

    ○内藤委員長 引続き加賀田進君より証言を求むることにいたします。ただいまお見えになつている方は加賀田進君ですね。
  188. 加賀田進

    加賀田証人 そうです。
  189. 内藤隆

    ○内藤委員長 あらかじめ文書をもつて御承知のことと存じまするが、本日委員会において正式に証人として決定いたしましたから、さよう御了承願います。ただいまより治安警備状況に関する事件中、京都事件について証言を求めることになりまするが、証言を求むる前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前に宣誓をさせなければならぬことと相なつております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係のあつた考及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱に帰すべき事項に関するとき、及び医師、歯科医師薬剤師、薬種商、産婆、弁護士弁理士弁護人公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあつた者がその職務上知つた事実であつて黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒む、とはできないことになつております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは、一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の懲役に処せられることとなつておるのであります。一応このことを御承知になつておいていただきたいと思います。  では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。  宣誓書の御朗読を願います。     〔証人加賀田進君朗読〕     宣誓書    良心に従つて真実を述べ、何事もかくさず、又何事もつけ加えないことを誓います
  190. 内藤隆

    ○内藤委員長 それでは宣誓書に署名捺印してください。     〔証人宣誓書に署名捺印〕
  191. 内藤隆

    ○内藤委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を超えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得て答えるようお願いいたします。なおこちらから証言を求めるときはおかけになつていてよろしうございますが、お答えの際は御起立を願います。  証人加賀田進君は現在総評京都地評議長を勤めておいでになるようですね。
  192. 加賀田進

    加賀田証人 そうです。
  193. 内藤隆

    ○内藤委員長 あなたの経歴を簡単に述べてくれませんか。
  194. 加賀田進

    加賀田証人 現在京都地方評議会議長並びに各単組は日本電気労働組合の委員長を兼ねております。経歴といたしましては、昭和二十三年に日本電気労働組合の委員長に任命されて現在に至つております。それから前の総同盟京都府連会長に二十四年の八月に選出され、二十五年総同盟解散と同時に解任いたしております。引続いて一昨年の五月二十七日京都地方評議会が結成され、初代議長として現在まで至つております。
  195. 内藤隆

    ○内藤委員長 日本労働組合総評議会京都地方評議会というのを略して総評京都地評と言つておるのですね。
  196. 加賀田進

    加賀田証人 そうです。
  197. 内藤隆

    ○内藤委員長 この組織を簡単に述べてくれませんか。
  198. 加賀田進

    加賀田証人 京都地評だけの組織を申しますと、全国の産業別組織の地方組織であつて、大体中央の産業別地区として、中央の総評に加入しておる地方組織が京都総評の中に加入しておるという原則でありまするが、その中でこれ三中央の総評に加入しているにもかかわらず、まだ京都地評に加入していない地方組織があります。主要単産といたしましては全国化学、新産別、全国金属、なお京都教組、電産、全専売、日通等の各組織を擁しております。総人員約四万三千ございます。
  199. 内藤隆

    ○内藤委員長 今年二月の二十三日に再軍備反対青年婦人大会開催を決定するに至りました経過を御承知ならば述べてもらいたい。
  200. 加賀田進

    加賀田証人 これは総評としての組織の決議あるいは指導のもとに結成されたのではなくして、議長として個人的にそういう京都における青年婦人の組織をつくりたいという相談を受けただけであります。従つてそれは京都地評としての何らの組織的関連性のないものであります。
  201. 内藤隆

    ○内藤委員長 あなた個人として相談を受けたけれども、地評としては相談を受けなかつたというわけですね。
  202. 加賀田進

    加賀田証人 そうです。
  203. 内藤隆

    ○内藤委員長 そうすると二月二十三日の大会には総評系労組が不参加をしておつたわけですね。その不参加の理由はどういうことですか。
  204. 加賀田進

    加賀田証人 不許可という決定を見ましたので、その決定に従つて参加しないことを青年部の方から申入れがありました。その後各組織に通達するように申しておりましたので、通達は十分通つておると思います。
  205. 内藤隆

    ○内藤委員長 公安委員会から不許可ということになつたから地評の青年部が参加しないということに決定して、それを申し込んで来たのですね。
  206. 加賀田進

    加賀田証人 そうです。
  207. 内藤隆

    ○内藤委員長 三月の一口に総評の労働戦術会議において計画したといわれておる弾圧去反対総蹶起大会を、京都地評として延期したのはどういう理由ですか。
  208. 加賀田進

    加賀田証人 特に大きな理由といたしましては、この問題は春季の各地方における賃上げ闘争とからんで行うという基本方針が、京都地評では、各組織の状況が賃上げ要求の時機が熟していなかつたために、ほとんどの組織はまだ賃上げ要求を行つておりませんでした。そういう意味も含めて、賃上げ闘争並びにわれわれが案を提出しておりました公安条例の撤廃の問題も、とうとう時機が熟していなかつたので、少しは時期を延期するということが幹部において決定されたわけでございます。
  209. 内藤隆

    ○内藤委員長 ついで三月二十日、弾圧法粉砕総蹶起大会を開催するに至つた経過を述べてください。
  210. 加賀田進

    ○加賀田証人 今申し上げました三月一日の時期的なずれが、三月中旬以降にちようど賃上げもほぼ出そろつたのと、公安条例の署名も完了いたしまして、市会の審議にゆだねる段階になつたという二つの点、並びに京都におきましては、春季闘争共闘委員会というものを総評以外の参加とともに組織いたしました。もちろんこの組織は、春季闘争という一つのカンパ二ア組織として結成したわけでありますが、その組織のまず第一行事として、三月二十日という日をきめて労働者大会を開催しなうという決定を見たわけであります。従つて、三月一日の時期的な延期が京都においては三月二十日ということになつたのであります。
  211. 内藤隆

    ○内藤委員長 それが弾圧法粉砕総蹶起大会という名称なんですね。
  212. 加賀田進

    ○加賀田証人 そうです。
  213. 内藤隆

    ○内藤委員長 この名称から見ると、政治ストのように見えるがどうですか。
  214. 加賀田進

    ○加賀田証人 ストライキを打つという理由でこれを行つたのではなく、大会を行うということで、ストライキは決議しておりません。
  215. 内藤隆

    ○内藤委員長 要するに、別に政治ストの前提ではなかつたということですね。
  216. 加賀田進

    ○加賀田証人 そうではありませんでした。
  217. 内藤隆

    ○内藤委員長 大会当日の議事の進行等、その他デモ行進の状況等につきましては、委員が派遣されておりまして、派遣された委員団の各位から詳細に報告がありました。さいぜんの公安委員長ならびに本部長等の陳述によりますると、あなたの方では時間のずれがあつたので、残つた行事、各種団体のメッセージ等は省略してやろうとしたが、それにもかかわらず、灘井五郎とかいう共産党の府会議員が壇上に立ち上つて、何か発言を求めておられたようですが、その間の事情を少し述べてくれませんか。
  218. 加賀田進

    ○加賀田証人 簡単に申し上げますが、この大会、いわゆる共闘委員会の準備会におきまして、本日の大会は時間的に相当延びるおそれがあるので、当日の緊急動議は取上げないということと、メヅセージは各自の紹介にとどめるという二つの事項を了解事項として、大会を開催したわけであります。従つて、当日別途の緊急動議は取上げない原則と、今のメッセージも受けないという二つの原則のもとに、議長団、執行委員がその議事の進行に当つたわけであります。開催後三十分して、今申し上げた共産党灘井五郎としての大会のメッセージを申出て来ました。これは議長団としては、準備会の申入れ事項に沿うて拒否いたしました。引続いて議事進行、終了少し前に、統一メーデーを闘いとれということと、電力料金値上げ反対の二つの緊急動議を取上げてもらいたいということを、また再び灘井五郎から申出がありました。この件も、時間的の問題を考慮するとともに、準備会における約束を守つて、議長団において拒否したのであります。それが原因となつて、一部会場にトラブルが起りまして、時間が若干延びるという事態もそのために起つたわけであります。いわゆる自由労組を中心とした十五、六名の組合員が壇上に上つて参りまして、灘井五郎氏のあいさつを議長に要求したわけであります。しかし議長といたしましては極力申合せ事項を完遂するために拒否したのでありますが、一部暴力的な沙汰もありましたので、ただメッセージの自己紹介という形において、議長団で相談いたしまして了解するということで、灘井五郎が――当初に紹介いたしましたが、発言許可もなくして、即時そこでかえつて議長団を冒涜するような発言がその中にあつた。約五分ほどありました。そこで他の二、三のあいさつを求めていた総評本部の柳本氏等も、灘井五郎氏と同じく発言を許さなくてはならぬという事態を考えましたので、同じ条件ということで二、三の者の発言を許しました。そうしてそのメッセージ終了後デモに移つたということであります。
  219. 内藤隆

    ○内藤委員長 守屋公安委員長の、三月二十日大会を許可した理由を聞いておりますると、京都地評というものを非常に信じておるようです。で何といいますか、穏健な京都地評であるがゆえにこれを許したということが大きな理由のように聞いておりましたが、かような信頼を受けておりながら、大会そのものは暴力化して行つた。これに対してあなたは何か責任を感じておられますか。
  220. 加賀田進

    ○加賀田証人 総評を信じてもらつていたということに対しては、二月の下旬にも同じように、これは総評だけの大会でありまするが、われわれで大会を開きまして、同じく九時ごろまで提灯デモを行つたわけであります。そのときには総評傘下のみの大会でありましたので、何らトラブルも起さずに盛大に終了したという事実もありまするので、われわれとしても総評自体を信じていてもらつていいんじやないかという自負心を持つていたわけです。しかし今度の事件に対しましては、もちろんわれわれは事前に、他の組織も入つているので、そういうことのないように、青年部等を動員いたしまして、万全を尽したつもりでありましたが、総評傘下、特に労働組合の組合員にはそうした原因を起した人はないのではないかと私は信じておりまするが、残念ながら他から侵入して来た二、三の尖鋭分子によつて大衆行動が攪乱されたということに対しては、われわれは非常に残念に考えております。なお市民に対しても、労働組合が、特に民主的労働組合としてわれわれ自体が自負しておる組織が主催しておるにもかかわらず、労働組合自体にこういう暴力的な分子がいるという錯覚を市民に起させるような行動に出たということは、われわれとしても、今後の労働組合運動に大きなマイナスになるのではないかというふうに考えまして、今後十分気をつけて行きたいと考えております。
  221. 内藤隆

    ○内藤委員長 暴力を使用して大会をいたずらに紛糾させ、あるいはまたデモ行進を騒擾のような形に持つて行つた者は、大体こちらでも調べがついておりますが、その中に最も尖鋭的であつたと思われるのはどういう者どもでしたか、たとえば学生であつたとか……。
  222. 加賀田進

    ○加賀田証人 デモ中の事件に対しては、私もデモ隊の先頭にいましたので、事件を知つたのは翌朝の新聞で初めて知つたというような状態で、実際は深く、どういう層であり、どの人がどういう行動を起したかということははつきりわからないわけであります。われわれとしては、新聞並びに警察の発表を信ずる以外にないのではないかと思います。
  223. 内藤隆

    ○内藤委員長 検挙された者も拾い上げてみると、学生が多いようですな。京都の高校生あるいは立命館大学の学生等が多いようです。朝鮮人はどうでした。
  224. 加賀田進

    ○加賀田証人 会場の場内にはほとんどいなかつただろうと思うのです。しかし会場の外――網か張つてありますが、その網の外には、やはり少し朝鮮人並びに学生団体の者がいたんではないかと思います。
  225. 内藤隆

    ○内藤委員長 そうすると会場ではそうではなかつたが、示威行進に移つてからそういう尖鋭分子が割込んで来たわけですな。
  226. 加賀田進

    ○加賀田証人 われわれとしてはそう考えているわけであります。
  227. 内藤隆

    ○内藤委員長 どうです。今後のあなたとしては、京都地評などはいろいろな大会等を開かねばならぬと思いますが、今後の集会に対してどういうような処置をとられるお考えですか。
  228. 加賀田進

    ○加賀田証人 今度の場合も、事前に各単産、単組の責任者に十分含めて、組織以外の人間が入つた場合には注意して出すようにという注意を与えていたのです。二十日の日にも二、三入ろうとして阻害されたという実例を私は聞いております。しかし実際問題として、それが今後どういう方法で列の中に入つて来るか、あるいは列に入つて、その組織自体が何か問題を起すような姿にどうかえて行くかということに対して何とか講じなければいけないと思うのですが、行進中のジクザクとかあるいは行進中に起るいろいろな問題に対しては、その単位のデモ行進の隊の先頭が最も注意しなくてはいけない問題だと思います。各単組、単産単位のデモ隊の先頭が乱れて参りますと、下部が自然と乱れて参りますので、先頭に十分われわれの意図を含んだ同志を配置しなくてはいけない、こういうように考えております。
  229. 内藤隆

    ○内藤委員長 どうです。このデモ行進に移つてから、たとい少数のさような尖鋭分子が入りましても、市警の警備力がある以上はさしたる騒擾にならぬというような気持でおつたんではないんですか。市警に対してどういうようなお考えを持つておりましたか。
  230. 加賀田進

    ○加賀田証人 今までの例からいたしますると、じつと隊列を見守るような形で――警官が表面に出て参りますと、かえつてトラブルを起しやすいんじやないかという考え方で、できるだけ表面に現われないようにと、われわれは市警の方に要望しておりました。しかし、だからといつて、警備の問題に対して全然手薄にしてもらいたいとか、あるいは隠れて他の方法で警備の万全を期してもらいたいというような希望は、われわれとしては持つておりません。ただ非常に隊の乱れたような場合には当然出動してもらわなくちやならぬ場合も起るだろうが、行進中はあまり表面に出てもらわない方が、かえつて双方の摩擦を避ける一つの手段になるのではないかと考えております。
  231. 内藤隆

    ○内藤委員長 別に市警の警備力を過信しておつたがために、かような不祥事が起つたというようなことは考えておりません。
  232. 加賀田進

    ○加賀田証人 われわれとしては市警の警備力そのものを過信するというよりも、みずからの力でみずからを守つて行くという方針をずつと堅持しておりましたので、市警の警備を今後とも信頼し、あるいはその力に頼つて措置をしたいというような考え方は持つておりません。
  233. 内藤隆

    ○内藤委員長 そうすると市警の側からいうと、京都地評の統帥力を信じて、自主的にやつて行くものだと思つておつた、ここに食い違いが出て来るようですね。  他に御質問はありませんか。
  234. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 二、三点お尋ねしたいと思いますが、総評が大会を開きましたときに、この大会にメッセージを送るといつて出て参りました京都府会議員の灘井五郎君の所属の団体はどこですか。
  235. 加賀田進

    ○加賀田証人 自由労働組合であります。
  236. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 そうしますと自由労働組合はさつきのあなたの御証言によりますると、当日の総評の大会の集会届の中の団体には入つていなかつたと解していいのですね。
  237. 加賀田進

    ○加賀田証人 総評主催でありますが、さいぜん申し上げた通り特別カンパニア組織として、春季闘争共闘委員会という全労働組織が京都において結成されて、今度の大会を持つたわけであります。自由労組も当然その共闘の中に加わつております。
  238. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 当日の大会の中にそういうものが加わつて総評の大会をやつて、今回行政監察委員会で問題になつておる騒擾事件を惹起したのでありますが、あなたは当日の主催者としまして、この騒擾が起きるというようなことは京都地方の日ごろの左翼団体の動き方によつて察知されていたのでありますかどうか。
  239. 加賀田進

    ○加賀田証人 全然起らないという確信は私は持つておりませんでしたが、しかしこの三月二十日の問題で、統一ーメーデーとか爾後の戦線統一の可能度が明確になるので、労働戦線の統一を願うならば三月二十日には毅然とした態度でわれわれの指導に従つてもらいたいということをるる申し上げまして、それは口頭ではありますが、了解の上に開催したという状態であります。それから灘井五郎氏は自由労組の委員長でありまするが、メッセージを申し出たのは共産党としてであります。
  240. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 われわれも労働組合の戦線統一ということは多年叫んで来ておつて、そのことには異論はありませんが、こういうようなものを破壊し、市民に非常な迷惑をかけるような騒擾事件が実際にあつたといたしますれば、こういう団体との統一に対して総評はどういう考え方を持つておいでになりますか。
  241. 加賀田進

    ○加賀田証人 もちろん総評として、暴力の否定の上に立つて行動を行う基本を堅持しおりますので、われわれとしてはそれを排除する最大の努力をいたしたいと考えております。
  242. 佐竹新市

    ○佐竹(新)委員 今後のデモ行進にあたり、こういう問題を起さないということに対して、さつきあなたは、デモの先頭にデモの内容を知つた同志を配置する必要があると証言をされたのでありますが、外部からデモ行進の中に入つて来る場合に、そのデモの統率を乱さないということに対して、具体的にはどういうようにしたらいいとあなたは思つておられますか。
  243. 加賀田進

    ○加賀田証人 もちろん先頭にそういう内容を十分に知つたわれわれの同志を配置すると同時に、やはり四名の隊列をくずさないように隊列そのものの整備を完全に行つて行かなければならないと思います。なお隊をくずしますと、そのすきに乗じて尖鋭分子が潜入するおそれがありますので、隊の前後の同志を十分知つた上で、隊をくずさずに進行して行きたいと思つております。
  244. 内藤隆

    ○内藤委員長 他に御発言はありませんか――他に御発言がなければ、加賀田証人に対する質問はこれにて終了いたしました。証人には長時間御苦労でありました。  本日はこの程度にいたしまして、明二十三日は午前十時より委員会を開き、治安警備状況に関する事件中広島事件について証人尋問を行います。なお午後一時より理事会を開催いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後四時五十五分散会