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1952-02-04 第13回国会 衆議院 法務委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和二十七年二月四日(月曜日)     午後一時四十一分開議  出席委員    委員長 佐瀬 昌三君    理事 北川 定務君 理事 田万 廣文君       角田 幸吉君    鍛冶 良作君       金原 舜二君    近藤 鶴代君       高橋 英吉君    高橋 權六君       松木  弘君    加藤  充君       田中 堯平君    猪俣 浩三君       世耕 弘一君  出席政府委員         法務政務次官  龍野喜一郎君         検     事         (法務府法制意         見第四局長)  野木 新一君         検     事         (法務府検務局         長)      岡原 昌男君         検     事         (法務府特別審         査局長)    吉河 光貞君  委員外の出席者         検     事 平賀 健太君         專  門  員 村  教三君         專  門  員 小木 貞一君     ――――――――――――― 二月四日  委員古島義英君、山口好一君及び眞鍋勝君辞任  につき、その補欠として近藤鶴代君、金原舜二  君及び高橋權六君が議長の指名で委員に選任さ  れた。     ――――――――――――― 二月二日  足利市の検察行政に関する請願(猪俣浩三君紹  介)(第三四一号)  石川町に簡易裁判所設置の請願(圓谷光衞君紹  介)(第三四二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する  件の廃止に関する法律案内閣提出第四号)     ―――――――――――――
  2. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 これより会議を開きます。  ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案を議題といたします。質疑の通告がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
  3. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 この法案の第三項、「この法律は、勅令第五百四十二号に基く命令により法律若しくは命令を廃止し、又はこれらの一部を改正した効果に影響を及ぼすものではない。」こう書いてあるのであります。この廃止したるもの並びに改正したるものは、この間総裁から言われた言葉をかりれば、みなわれわれは知つておるべきはずのものでありますが、不敏にして存じておりませんので、大体どんなようなものであるかを、ひとつ参考資料がありましたら聞かせてもらいたい。
  4. 平賀健太

    ○平賀説明員 従来ポツダム命令の廃止あるいは変更になつたものは多々あると思いますが。法務府が若干関係いたしましたもので今思いつきますのは、廃止になりましたものでは会社の解散の制限等の件、これは勅令でございます。これが廃止になつております。それから会社の証券保有制限等に関する勅令、これは財閥の解体を目的にした勅令なのでございます。これが昨年廃止になつております。それからさらに持株会社整理委員会令、これもやはり昨年廃止になつております。まだ廃止になつたものは多多あると思うのでありますが、法務府で多少関係がありますものではこういうものがございます。  それからなお改正になりましたもの、これはずいぶんたくさんございますが、私法務府民事局の関係でございますが、このポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件に基く法務府関係諸命令の措置に関する法律案、この第一條に上つております法律として効力を存続するものの三号に「沖繩関係事務整理に伴う戸籍恩給等の特別措置に関する政令」というのがございますが、これなんかは数次にわたつて改正になつておるわけであります。そのほかにもあげますればまだずいぶんたくさんあると思うのでありますが、今私ここで思いあたりますのを二、三例示いたした次第であります。
  5. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 これはわれわれの知つておくべきものを知らないのでありますから、何か表にいたしまして、ひとつ資料としてもらつておきたいと思います。以上お願いいたします。
  6. 岡原昌男

    ○岡原政府委員 承知いたしました。
  7. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 御質疑はありませんか――他に御質疑がなければ、質疑はこれをもつて終局いたしました。  これより討論に入ります。討論の通告がありますので、これを許します。鍛冶良作君。
  8. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 私は自由党を代表いたしまして本法原案に賛成いたすものであります。理由は申し上げるまでもないと思いますが、平和條約の効力が発生いたしますれば、この勅令五百四十二号というものは廃止になるということは当然のことでありますので、これを廃止することを前提として今後の措置をとられるためにつくられた法律案でありますから、その意味においてまず原則として非常に喜ぶものであります。しこうしてこのあとの百八十日間法律として効力を有するということは、これは実際上の取扱いでありますから、何らかの措置が実際行われるまで、残しておかなければならぬ法律がたくさんあります以上、かような措置は必要かと存じます。ただ期間の百八十日ということがいいか、悪いかは相当問題でもありましようけれども、別に長いから短くしなければならぬという理由も見出せませんから、あえて原案を改正する必要もなかろうかと存ずるものであります。その他につきましては今申し上げたことで盡きておることと思いますから、原案に賛成いたす次第であります。
  9. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 田万廣文君。
  10. 田万廣文

    ○田万委員 私は日本社会党を代表いたしまして本法案に反対の意思を表明するものであります。本法案において処理されようとしておるポツダム緊急勅令及びこれに基くポツダム命令というようなものは、申すまでもなく、敗戰に伴う占領期間中に制定されたいわゆる変態時における所産でありまして、国会において国民の自主的自由の意思に基いてつくられたものではありません。今や平和條約が調印され、その発効を目前に控えて、国民はひとしく占領のきずなから解放される日の一日も早からんことを希望いたしておるのであります。すなわち新日本の再出発に多大の希望をつないでおるのであります。かかる切実な実情をわれわれは無視することはできません。占領中に着せられた被占領的衣服は一たびすつぽりと脱ぎ去りまして、新しくわれわれの手による衣服を求めておるのでございます。この国民的要望に対し、われわれはその率直な国民の気持ちを取上げ、その意思に従つて進むことが、ほんとうの民主主義国家の姿でなければならぬと思うのであります。この線に反するすべてのものは反対されなければならぬのであります。その意味からいつてポツダム緊急勅令といわゆるポツダム命令というものは、すべて平和條約発効と同時に消え去らなければならない運命にあると思うのであります。本法案中、ポツダム緊急勅令が平和條約の効力発生と同時に廃止されるということは、これは容認できるところでございますが、第二項の点はとうてい納得できないものがあるのであります。何となればそれは民主主義のルールに反するものでございます。ポツダム命令はポツダム緊急勅令を根幹としてつくられたものでありまして、幹が枯れてなくなるのにかかわらず、それについておるところの枝葉のみが生き伸びるというりくつはございません。これは社会常識であろうと思います。提案の理由によれば、別に法律で廃止または存続に関する措置がなされない場合には、平和條約発効後百八十日間は法律としての効力を有するものであるといわれておりますが、これはたとえて言うならば、死亡した人間を、なお六十日間生きておるというのと同じでございまして、とうてい筋の通らないお話と申さねばなりません。この無理を立法化せんとする政府のほんとうの腹は、この百八十日間の期間有効に利用いたしまして、団体等規正令その他一連の関係のものを反動的なものに切りかえんとする意図のあることを痛感することができるのでございます。かくのごとき意味を含む第二項は、とうていわれわれは容認でき得ません。第三項の点に至りましても、もともと廃止さるべき運命のものを生かしてこれを処理しようとする底意が見えるのでございまして、ただいま申し上げましたと同じような理由においてこれを排撃しなければならぬと思うのであります。これを要するに、国民の声としては、新日本の再出発は、民主主義の徹底と、敗戰感すなわち被占領感の拂拭であり、自由な独立国としての法律の誕生でございます。かかる意味から申し上げまして、本法案には遺憾ながら強く反対を表明せざるを得ないのでございます。
  11. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 田中堯平君。
  12. 田中堯平

    ○田中(堯)委員 日本共産党を代表しまして、本法案に反対の意思を表明いたします。  本法案について審議のときに、一体ポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件、すなわち昭和二十年勅令第五百四十二号なるものは、講和発効のときから、生きて存続するのか、死ぬのかということを政府当局に質問をしておるのであります。ところが木村法務総裁は、これは法律論上、生きているという解釈も、また死ぬという解釈も成り立つが、そのことは一応別として本法案を出したのであるという趣旨の答弁があつたのであります。ところが、たしか佐藤政府委員の答弁によれば、純理上はと断つて、たとい占領治下の、いわゆるポツダム政令のもとであるこの緊急勅令も、やはり旧憲法によつて国会の事後承認を経ておるのであるから、法律として存続するのであるというような趣旨の答弁が行われております。すなわち政府態度は、この勅令五百四十二号が死んでいるのか、生きているのか、はつきりした態度がないのであります。従つてそのようなあやふやな態度から、この法案の内容を見ますと、実に支離滅裂、矛盾撞着もはなはだしいものが現われて来ているのであります。二、三の例を示せば、第一項には廃止するということになつておる。廃止するのであるならば、これに基いた一切のいわゆるポツダム政令なるものは一齊に効力を失つて、もしぜひ必要ならば別個の法案をもつて国会に問うという措置が必要になるのでありますが、そういうことはいたさないで、第二項のごときは、百八十日間に限り、やはり別に法律で廃止または存続に関する措置が行われない部分、これは大部分でありますが、大部分の政令は百八十日間生きているということになる。第三項に至つてはもつと驚くべきことである。これはすでに死んだはずのものが、すなわち旧法の中で、勅令第五百四十二号によつて廃止され、あるいは修正されたものが、その効果をそのまま存続するというように規定されている。また附則の第二項を見ますと、政令そのものを廃止するというのに、政令をもつて経過規定や、この法律の施行に関する必要なる事項を規定する、こういうふうになつておるわけです。そこで深く洞察いたしますと、第一項にいうポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件はこれを廃止するというのは、実は形式上の問題であつて、廃止をしないという腹であることが読みとれる。と申しますのは、具体的にどれが存続し、どれが廃止され、どれが百八十日の間に立法措置がとられるであろうかということをいろいろ検討してみますと、結局は現吉田政府に都合のよいもの、すなわち非常に反動的な制度に対しては、存続を企図していることが明らかであります。不利益なる分は、この際廃止してしまう。一例を申してみるならば、たとえば漁業関係のマッカーサー・ラインに関する政令、これは廃止する。ところが、これは廃止しましたところで、なるほど講和條約に調印をしておる国々の間はそれで済むかもしれぬが、日本の漁業にとつて一番重大な中国やソ同盟などに対しては、一方的にこちらがマッカーサー・ラインの撤廃を宣言してみたところで、何にもなりはしない。結局は、定められたるマッカーサー・ラインを越えて盗賊的なる漁撈をせざるを得ないことになる。そうすれば、そこにいまわしい一つの挑戰が行われたりして、不測の災害を招かないとは保証がつかない。そういうようなものも、現吉田政府には不利益なるがゆえに、こんなものは一方的に廃止してしまうという手段がとられておる。あるいは輸出入管理令という政令につきましても、これは廃止、存続だけの問題ではありません。実は廃止するという中にも、別個に立法措置をとり、ますます従来の悪法を強化して行こうという方針が立てられるのでありますが、この輸出入管理令のごときはそのまま存続せしめる。あるいは同じ廃止の中にあります占領目的阻害行為処罰令、こういうものは廃止することになつておるが、もう万人が承知をしておるように、これにかわる、まつたく極端なる取締り法規であろうといわれる、団体等規正法というものを早急に、おそらくは今国会に上程されるでありましようが、そういうような措置が待つておるといつたわけでありまして、ともかくも吉田政府にとつて都合のいい反動的な部分は生かしておく。たとい名目が廃止ということであつても、別の法律をもつて生かしておる。都合の悪いものだけはみな廃止してしまうという便宜主義が支配をしておるのであつて、総じて言うならば、結局五百四十二号なるものは生かしておくというのが、実はこの法案のほんとうの趣旨であるのであります。まず国民感情から申しますならば、過去七年にわたつて、占領治下なるがゆえに万やむを得ずこの五百四十二号に基く国民の基本権に対する多くの制限を甘受して参つた。占領治下でなければこういうことじやなかろうと思われる不便をも忍び、不利をも泣き泣きがまんをして来た。もし今度吉田政府の主張するように、かりにも独立日本が回復するというならば、このようなまつたく頭の重たい憂欝なる思いのする法規は、一ぺんにきれいさつぱりとぬぐい去つてもらいたい、これは偽らざる国民感情であります。しかるに実際上は今言つたように存続する措置が、実は本法案の立法の趣旨であります。われわれは国民感情からしてもこのようなものはきれいさつぱりとやめてしまつて、そうしてこれを廃棄した後に、どうしてもやはり継続しなければならぬような事項がある場合には、別個に法案を出して国会に聞く。どうしてもこれは続けなければならぬということならば、存続ではなしに新立法の手続をとり單行法なりを出して国民に聞く、国会に聞くということが正しい行き方であつて、多くのこの親法を一ぺんになくすることによつてこれから出ておる――かつては三百という政令が出ておつたが、今はそれが減つて大体二百前後のようでありますが、この二百前後というほどのあまたのポツダム政令を一ぺんになくしてしまう。その後にどうしても必要なものも單行立法によつて国民に聞かないで、一緒くたにいたしまして、とにかく今度は占領制度が解けるのであるから、政令第何号々々というものは生かすのだ殺すのだというようなことを言われても、国民は納得が行きません。だから一々こういう趣旨でこういう法律をつくらなければならぬということを国会及び国民に訴えなければならない。まつたく今度のような十ぱ一からげ式な立法をやるならば、国民はただあいた口がふさがらない。どういうわけか内容もわからぬうちに、がさがさと多数をもつて国会を通してしまう。あとになつて依然として占領治下と同じであるということでは、国民はまつたく恨むのであります。  もう一つつけ加えたいことは、まだ占領治下であります。しかも占領軍は優勢なる勢力をもつて日本を占領しておる。そういうときに今これを廃止するとか存続するとかいうようなことを申しましても、これはとても民主的なる自主的なる日本の立法にはなりかねる。やはり今日の実情はオーケーをいただかなければならぬということになつておる。そういうときにこれを持つて行つて、存続いたします、あるいは廃止いたしますなどといつてみたところで、どうしても民主的な立法にはならぬのであります。だからこれは何も今急ぐことはない。政府は存続というような見解でありましても、これはやはり独立が完成した後に、講和発効後にやればよろしいことであつて、今急ぎあわててこういうものをここに上程される必要はないのであります。  最後にいま一つつけ加えたいことは、私は国民感情からこういうものはきれいさつぱりと廃止してもらいたいということを言いましたが、しかし法律上の問題としましても、実はあの五百四十二号が憲法に反するものであるということは、当時もう喧々囂々の論議が行われておつた。もちろん反対論もありましたけれども、その反対論たるや單なる三百代言式な法律形式論にすぎなかつた。一般としては、これは旧憲法に基いた緊急勅令であつて、旧憲法に基いて法律になつたにすぎない。そういうものは違憲であるという議論非常に強かつた。われわれももちろんこれは違憲であるという見解を持つておるのであります。今日講和になつて日本が一本立ちになるというならば、そのような過去の違憲論の対象になつたようなものがきれいさつぱりとなくなることは当然であつて、ただ国民感情上ではない。法律上も十分われわれは自信を持つて主張し得るところであります。  以上のような理由によりまして、日本共産党はこの法案には絶対に反対をいたすのであります。
  13. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 猪俣浩三君。
  14. 猪俣浩三

    ○猪俣委員 私は前後三回政府委員に質問いたしましたときに、私の考えは大体言つたと思いますので、結論的にごく簡單に反対の意見を申し上げたいと思います。  第一は、今本案の対象になつておりまする勅令第五百四十二号、これは緊急勅令国会の事後承諾を得たのでありまして、法律と同じ効力あるものとされておるのでありますが、これはいかなる方向から見ましても、日本国憲法の趣旨に反する緊急命令であつたのであります。法令であるのであります。この理由は先般も申し上げましたからくどくど申し上げませんけれども、字の数が四十字しかない実に簡單な法令である。このくらい包括的、一般的の白紙委任状的な法令というものは、おそらく日本の法令史上にも例を見ないでありましよう。日本の現行憲法が委任命令を一体出せるかどうかも異論がある。憲法に明記しておりません。旧憲法時代のような独立命令、委任命令、執行命令、緊急命令というような、国会を素通りいたしますところの法令が、政府の権能において出ましたのを根本的に改革いたしまして、一切さようなものは御破算になりまして、立法については国会が唯一の最高機関としてあるのであります。そういう精神から見ますと、この五百四十二号になるものははなはだ違憲です。これは法令であつたけれども、占領治下におきましてマッカーサー司令部の威令が憲法以上の威力のあつたときでありますから、これは異論がありましたけれども、まあいたしかたがないということに相なつておつたのであります。かようなこの法令自身にわれわれ不愉快なる印象を受けているものでありまして、今日独立に際しましてこれを廃止することは当然過ぎるほど当然のことであります。そこで本案の第一項のこれを廃止するということに対してはわれわれ異論がないのであります。一日も早く廃止してもらいたいのであります。しかしこの内閣のやり方は、このあとに控えます法案のごとく、この違憲とわれわれが認めますところの勅令第五百四十二号から数百の政令が出ておるが、この処置につきましては私どもはまことに納得が行かない。今申しました母法そのものが日本国憲法の趣旨にはなはだ合致しない。いかなる学者といえども学問的良心をもつて判断するならば、こんなべらぼうな法令はできる道理はないのであるから、こういう母法から出ましたところの数百に及びます政令、これは元来国会を通過しなければならぬものが、政府の都合によりましてほおかむりしたような法令がたくさんある。ちようど五百四十二号というようなこういう法令がありますることを奇貨といたしまして、国会の審議をみずからのがれんとする脱法的な意図のもとに政令として出されたものが多々あるのであります。これは実に不愉快なる印象で、民主政治の完成の上からは実に汚点と申すべき印象を残すやり方が過去においてもたくさんあつた。食確法令もその一つであります。食糧確保臨時措置法国会において通過しないという見通しがつきますると、これを食確法令として、政令として政府は出してしまつた。みんなこの五百四十二号に便乗したのであります。電気事業再編成令でもそうであります。これを数回法案として国会に出しましても、これが通過しないということになりますと、この五百四十二号に便乗いたしまして政令で出しておる。警察予備隊令でもそうであります。これも先般申しましたが、今なお私は腹が立つてたまらぬ。第八国会の七月二十八日に私が質問しているのに対して、まだ何ら考案いたしておりませんという答弁をして、この警察予備隊の機構その他についてまるで答弁を避けておつた。しかるに国会が七月一ぱいで閉会になりますと、八月幾日でありますか、たちまち政令として予備隊令なるものが出たことは記憶に新たなことである。まつたく国会を侮辱しております。嘲弄しているがごとき態度をとつて、この五百四十二号に便乗いたしまして、こういう政令がたくさん出て来た。これが今清算さるべき時期なんでありまして、かような不都合なやり方で、ほおかむりをして、国会をないがしろにして、それで一体憲法政治だ、民主政治だということができるか。これを今また十ぱ一からげにして、内容も何もわからずに、これとこれは存続する、これとこれは廃止するというような一本の法律でもつて処置しようとする、さようなことは私どもとして理解できません。何べんこの点を質問しても明確な答弁をしていない。ますますもつて国会の審議を軽蔑している。事務官僚がいいかげんにつくつたような法律を名前だけ並べて、これでもつて法律という効力を與えるというようなことを出すということは傲慢不遜であります。さようなばかげたことで国会の尊重になる道理はない。もし存続しなければならぬものがありましたならば、あらためて法律案として国会の審議に付すべきである。この五百四十二号を廃止するとそれ自体については、われわれは決して反対ではないけれども、これから出ましたるおびただしい国会無視の政令――しかも政治問題になつているものを回避せんとして、五百四十二号に便乗して出ましたるところの幾多の政令、それを今ここでわれわれがいろいろ内容に入つて首実験しなければならぬときに到達している。ところが、名前だけ出して中身は何もわからない。さようなことでは審議はできません。そこでこのポツダム宣言の受諾に伴い発する命令に関する件の廃止に関する法律案の一項はよろしうございますが、二項以下はいらない。廃止しておけばそれでよろしい。それで二項を出すとするならば、この五百四十二号から出たすべての勅令政令は、この母法が廃止されるとともに廃止するということの方がすつきりしてよろしいのであります。もしその幾多の政令の中において、どうしても必要なものがあつたならば法律案として出していただく。そうすれば私どもは可は可とし否は否として審議を盡したいと思うのであります。かような五百四十二号それ自体についてははなはだ疑惑がある法令であるのみならず、これを母法として出ましたるところの幾多の政令の中には、はなはだ国会を軽視し、この審議をわざとのがれんとして、この五百四十二号に便乗して出されたと思われるところの政令が多々あるのでありますがゆえに、これを十ぱ一からげで審議するということには反対であります。さような道を開くこの法律案にも、かような意味におきまして私どもは反対するものであります。
  15. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 これにて討論は終了いたしました。よつてこれより採決いたします。本案に賛成の方の御起立を望みます。     〔賛成者起立〕
  16. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 起立多数。よつて本案は原案通り可決いたしました。  ただいま議決いたしました議案に関する委員会報告書の作成に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 佐瀬昌三

    ○佐瀬委員長 異議がなければさようにとりはからいます。  本日はこの程度にとどめ、明後日、すなわち六日午前十一時より会議を開きます。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時十六分散会