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1952-02-29 第13回国会 衆議院 大蔵委員会 24号 公式Web版

  1. 昭和二十七年二月二十九日(金曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長 佐藤 重遠君    理事 奧村又十郎君 理事 小山 長規君    理事 内藤 友明君    有田 二郎君       大上  司君    三宅 則義君       宮幡  靖君    宮原幸三郎君       武藤 嘉一君    宮腰 喜助君       高田 富之君    深澤 義守君       中野 四郎君  出席政府委員         大蔵事務官         (主税局長)  平田敬一郎君         大蔵事務官         (主税局税制課         長)      泉 美之松君         国税庁長官   高橋  衛君  委員外の出席者         農林事務官         (食糧庁総務部         長)     松任谷健太郎君         專  門  員 椎木 文也君         專  門  員 黒田 久太君     ――――――――――――― 二月二十八日  台湾における外地資産補償に関する請願(大西  正男君紹介)(第九七八号)  同(川崎秀二君紹介)(第九七九号)  同(高橋等君紹介)(第九八〇号)  同(千葉三郎君紹介)(第九八一号)  同(早川崇君紹介)(第九八二号)  猟銃等に対する物品税の免税点設定に関する請  願(田嶋好文君紹介)(第九八三号)  石油関係関税の免税措置延期に関する請願外二  件(岡西明貞君紹介)(第九八四号)  同(小川半次郎君紹介)(第九八五号)  農業共済保險金に対する農業総合所得税免除の  請願(星島二郎君紹介)(第一〇三七号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  二九号)  法人税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  三〇号)  相続税法の一部を改正する法律案(内閣提出第  三一号)  砂糖消費税法の一部を改正する法律案(内閣提  出第三二号)     ―――――――――――――
  2. 佐藤重遠

    ○佐藤委員長 これより会議を開きます。  所得税法の一部を改正する法律案外三税法案を一括議題といたしまして、前会に引続き質疑を継続いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。内藤友明君。
  3. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 ただいま提案になつております税法四件につきまして、少しばかりお尋ね申し上げたいと思います。平田さんがお見えになつておりますので、平田さんにお尋ねいたしたいのであります。それはいつも私どもが申し上げることでありますが、税全体からながめまして、直接税と間接税との問題でありますが、実は今日直接税の方が非常に比重が重いために、税の問題は非常に大きな問題となつて考えられておるのでありまして、将来直接税と間接税というものに対して、大蔵当局は現状より少し方向をかえられて、何とか今日の税に対する不平不満をなくすようなお考えがおありかどうかということを、お尋ねしたいのであります。と申しますのは、実はこの直接税――もちろんそれはそれぞれいいところ、悪いところはあるのでありますけれども、今日これはひとり農業界だけではございません。一般産業界をながめてみますと、この税というものが増産をはばんでおる非常に大きな一つの要素になつておるのでありまして、こういうことは、これから日本の国が独立して行く上におきまして、まことに残念なことであります。日本の国は一日も早く何とか底力が少しでもつくようにして行かなければならぬときに、税の問題でそういうことができないようなことになることはこれは政府も国民一様に考えなければならぬ大きな問題ではないかと思うのであります。これは平田さんにお尋ねするのも少し御無理かと思うのでありますが、やがて平田さんは事務次官になられ、また将来大蔵大臣にもなられる方でありますから、どうかひとつ今のうちから御抱負がおありになりますれば、お聞かせいただきたいと思うのであります。
  4. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 直接税か間接税かという問題は、税制におきましていつも問題になるのでございますが、私どもも現在の日本の実際の所得水準、並びに所得の大中小の分布状況等から見まして、あまり直接税を重視するのはどうであろうかという気持は、確かに持つておるのでございます。先般も奧村さんと大分議論したのですが、公平原則という点から行きますと、どうしてもやはり直接税がいい。間接税はやはり大衆課税に陥りやすくて、負担の公平を欠くきらいがありますので、例のシヤウプ勧告では、所得税を中心にする直接税主義を強調しておるわけであります。税の一般論といたしましては、やはり直接税の方で行くのがいいという議論は、確かに正しいと思う次第でございますが、その点は別といたしまして、しかし日本の場合において今考えてどうかということになりますと、あまり所得税を重視するのはどうであろうか。やはり相当程度間接税でまかなつて行くという行き方の方が、実際に即する点が多分にあるのではないかというふうに考えております。しからば間接税の代表的なものは何であるかということになりますと、実は酒、タバコがございますが、酒は千三百億、タバコは千二百億、これは相当なものでございまして、密造酒等を発見することによつて若干増收の余地はあると思いますけれども、税收にそう影響するほどのものではないと考えております。貨幣価値の変動ということを考慮に入れても、なお戦前に比べまして相当大きな酒、タバコの收入を得ておるということは言えるのであります。その他におきましては物品税、砂糖消費税、織物消費税等が特別消費税になつておりますが、織物は非常に大衆課税的性質が強いというのでやめたのでございますが、これを復活したらどうかという議論は確かにございます。それから物品税につきましては、奢侈品課税はいいが、必需品課税はいけないという具体的な問題になりますれば、税收を上げるということになると、なかなかまた摩擦が多い。ただそれにいたしましても、物品税の收入をもう少し上げたらどうかという考え方もあるかもしれませんが、かりに紙に課税し、あめに課税し、マツチに課税するのはどうかといつた議論も尊重するということになりますと、これまた物品税としては大した收入にならぬわけです。砂糖におきましても、そうむちやくちやに高くするというわけにもいかぬ事情にありまして、間接税に依存するとしても、何人も間接税として異論の少いような間接税收入というものは、現在よりもそう多く期待できない。一番代表的な間接税は実は取引高税、売上税でございまして、ヨーロツパの大陸はおおむね売上税によつて所得税と同額くらいの税收入を得ておるのでございますが、これにつきましても、日本におきましては、すでに過去においてはあまりうまく行かなかつた例もございますので、そこへ行くのもどうかと考えます。抽象的に日本の現状から見て、間接税の方がいいじやないかという議論はございますが、しからば大幅に移行するかどうか、あるいは移行できるかという問題になつて来ますと、これまたいろいろ問題がありますことを、われわれとしましては考えざるを得ないというのが現状かと思います。しかし今御指摘の所得税はどうも少し重過ぎるということは、私も感じておりまして、従つて所得税の減税たけは他の諸税に比べて、財政需要額等で相当犠牲が出ても、できるだけやりたいという趣旨で、二十五年、二十六年、二十七年の三回にわたりまして、相当の減税を実行して参つた次第であります。  はなはだ一般的なお答えで、不満足でございましようが、なおお尋ねがございますれば、お答えすることといたしまして、一応これだけをお答えいたします。
  5. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 いろいろお聞かせいただきましてありがたいのでありますが、そこで今日この税に対する不平不満を除くために、大蔵省でも国税庁でもいろいろとお考えになつておられるのであります。実はこの問題はいろいろ御心配なさつておられますけれども、まだ不十分な点があるのではないかと思つております。多少税金が重いということは少し語弊がありますけれども、どうしてもそれだけ納めなければならぬというものでありますれば、よく納税者が納得すれば、決してこれは不平となるものではないと思いますので、その点何とか考えてもらわなければならぬことを、ずいぶん長らく政府にこの委員会でもお頼みしているのでありますが、非常に不十分のような気がしてならぬのであります。従つて今日でもなお経営の合理化をはかろうとするならば、それはまず脱税を巧妙にやることだというふうに考えられていることは、まことに残念なのでありまして、以前大蔵委員会が音頭をとりまして、租税完納運動などもやつて、あの終戦後の税金に対していろいろ議論のありましたときに、多少なりとも大蔵委員としては、国のいろいろな施策に協力いたしておつたのでありますが、そういうことが今日はなくなつてしまつているということになつているのであります。そういうことで、今月は脱税のやり方が非常に巧妙になつて来ていると考えられるのであります。こういうことにつきまして、何か政府は新しい、今日の時勢に応ずるような施策をお考えになつておられるのかどうか。相かわらず昔の税務官吏のような態度で、ぴしぴしやられるのであるかどうか。こういうこともひとつわれわれは、まじめに考えてみなければならぬと思うのでありますが、今日政府が考えておりまする、国民の納税思想を高めるために、どういう手を打つておられるか、おられようとせられるのであるか、それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  6. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 なかなか重要な問題だと思いますが、私ども、御指摘のように、ほんとうに納税思想が健全に発達するためには、税金が、何と申しますか、納税者の納税力に応じまして、公平なものでなければならない。負担が過重であるということは、これはできるだけ避けなければ、そういう点の根本問題が解決できないというので、租税の軽減につきましていろいろ努めて参つております。また一旦税の執行にあたりましては、よく国民に納得の行くように説明いたしまして、そして税法を正しく運用して行くということが必要と考えられまして、この方面におきましては、国税庁は特に最近そういう態度で、熱心に管下の税務官吏を指導して参つておるのでございまして、その実績も確かに漸次上りつつあるように、私ども見受けられるのでございます。そういう点につきましては、今後なお一層努めて参りたいと考えておる次第でございます。  いま一つは、やはり納めた税金がどのように使われているか。これが納税者の納税思想に重要な関係があるようでございまして、そういう点につきましても、よく啓蒙宣伝等を行いまして、納めるべき税金は納めるという方向に持つて行くべく努力して行きたい。この問題は一朝にして、非常に飛躍的な手というものは、なかなかむずかしいのじやないか。お互い大いに努力いたしまして、そのようにいたしたい。それにつきましては、おそらく国会議員の方々のお話等が、最も私は有効な役目を果し得る場合が多いと存じまずので、そういう点につきましては、特に御協力のほどをお願いいたしたいと思う次第でございます。
  7. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 税に対して不平の起きますのは、実は端的に申しますと、甲乙の間の不均衡なことから起きて来るのであります。どうせこの国のこれからのあり方は、そんな安い税金では行けないのでありまして、どうしても相当なものをお互いに負担しなければならぬことは、これは今日の日本の国情を見ればわかるのであります。ただ不平の起きますのは、甲と乙との間の不均衡、こういう問題が根本になろうかと思うのであります。そこで私は、ただいま提案になつておりまする、今度の改正案の中味をながめてみましても、やはり不均衡の点が実はあるのであります。こういう問題があるから、税に対する不平が起きて来るのではないか。たとえて申しますと、所得税につきまして青色申告を提出した者につきましては、五万円を限度として、事業上の必要経費に認めるということがあります。これはなるほど以前から見ますると、一歩前進であるかは存じませんけれども、農村の立場から考えますと、これは不均衡になるのであります。と申しますのは、青色申告をいたしております者は、これはこの間の公聴会で、私どもの友人の藤井君もここで述べたと思うのでありますが、現在農村で青色申告いたしている者は、三万戸ほどしかありません。実に少いのであります。と申しますのは、日本の農業というのは、これは主税局長も御承知の通りでありまして、平均して所得が十五万円、普通の中小企業者の平均所得は三十万円、ごく小さなものであります。ことに農業というのは、細かい仕事を丹念にやるのが本質なのでありまして、なかなか記帳なんというようなことはできない。それで記帳する者に対しては、五万円を限度として控除するということがありましても、農村ではこれは適用されぬというふうなことになるのであります。だからこういうふうな新しい改正法案をながめてみましても、やはり小さな者をいじめる、いわゆる租税の不公正がここに存しているということになるのでありまして、私どもから見て申しますならば、青色申告書を提出したなんというようなことは、ひとつ省いていただきたいのであります。どういう者でも、事業に従事する親族については、年間五万円を限度として、それを必要経費に認めるということまで行けば、私は租税の公平というものがちやんとそこに行われる。こういうふうに考えるのであります。主税局長はいろいろお話になりますけれども、どうもこうして出て来ます具体案が、租税の公正ということに対してはちやんと行つておらない、こういうことがあるのでありますが、こういう事柄は、将来御改正なさる御意思がありますかどうか。できるだけ甲乙お互いに公正なようにして行くのが、これが不平のないことなのであります。とにかく重税はしかたがありません。今日の日本の国を何とかして行くには、税金は安くて、なんというようなことは考えられないのであります。そういうときには、農村であろうが、大工業であろうが、みなお互いに公正なものにして行かなければならぬのではないかと思うのでありますが、こういう改正案は公正を欠いておらぬということでありますか、ひとつお伺いしたいと思うのであります。     〔委員長退席、小山委員長代理着席〕
  8. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 内藤さんも御承知の通り、現在農民の方々は、あまり帳面をつけていないという場合が多いことは、私ども十分承知しております。また、農家の経営と家計の内容がごつちやになつておりまして、非常にはつきりしない形で運営されている。従いまして、農家の経済を見ますと、どうも合理的なものさしで、税法がなかなか当てはめにくいという事情がありますことは、御承知の通りでございまして、それあるがゆえに、今までの税法におきましては、家族従業者の所得は世帯主の所得と見まして、ごつちやにして課税する。そのかわり軍純に扶養控除の額と同額の控除だけを、専従者に対して認めよう、給料とかなんとか言わないで、とにかく機械的に認めよう、こういうことにいたしておるのでございますが、どうもやはりこれは将来のことを考えますと、合理的な行き方ではない。農家の場合といえども、現在はそうでございますが、私は農民の方方の努力、あるいは各方面の親切な指導等によりますれば、やはり農家の経営といえども漸次合理化されて行く可能性は多分にあるのじやないか。これを捨てますと、おそらくお話のような見解になると思うのでありますが、私どもは農家につきましても、ある程度の記帳はしていただき、それによつてある程度の、経営と家計との区分等もはつきりしてもらつて、農家の経営も漸次よくして行く。また課税の見地から行きましても、はつきりした合理的なものさしを当てはめて行く、というようなことができるようにしたい。それがまた、私は将来のことを考えますと不可能ではない。これが不可能であるかどうかが判断の境目になると思いますが、私は漸次そういうふうに行くべきでありますし、また行き得るのじやないか、こういうふうに考えております。そういう見地から行きますと、もともとはつきりしないものをこの際はつきりしてもらいたい。いわゆる給料等も実際問題としては、今まで多く支払つていないと思いますが、ちやんと帳面をつけまして、幾ら払うか計算を明らかにしてもらいますれば、これは今までのもやもやしてわからぬような状態がはつきりいたしますので、それに応じまして、税法の上におきましても合理的にやつて行こうというのが、今回青色申告に対しまして、給料の控除を認めることにいたした根本の趣旨でございます。ことに家族専従者がいる場合でございますので、どちらかと申しますと、比較的人手の多い場合だと考えますが、そういう方々の場合におきましては、若干めんどうでもやはり記帳していただきますと、ひとりそれは課税だけでなく、農業経営の上から行きましても、いい結果を生ずるのじやないか。そういう点に対しまして、税法もできるだけ合理的な扱いをして行こう、こういう趣旨で設けたのでありまして、今少くても、来年は相当ふえるのではないか、また再来年はもつとふえるということに、漸次なり得ると考える次第でございますので、こういう制度の方がより合理的ではないか、かように考えておる次第でございます。
  9. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 日本の農家は、このごろ平均耕作反別七反ほどになつてしまつたのであります。従つて農家所得というものは、中には記帳してわかるということもありますけれども、その面積だとか、飼育している家畜の数だとか、そういう外形標準によりまして、所得の把握必ずしも困難ではないのでありまして、むしろ外形標準から把握した所得の方が、真相に近いものが出ることもあるというのが、今日の日本の農家の真相だと思うのであります。そういう農家が非常に日本の農村に多いのでありますから、必ずしも私は記帳という問題は、日本の農村ではそう大したものではないのじやないかと思うのであります。そういうことから、今日は各税務署におきましては、外形標準で所得を把握しておられるというのでありますが、これは自然発生的でそうだろうと思うのであります。従つて農業というものは商工業と違いますので、そういうふうな本質を持つておるものに対して、新しくつくられる制度が恩典がないというところに、やはり農村が不満を感ずるのでありまして、これは今日の日本の農村をよく見ていただきまして、将来御改正願いたいと思うのであります。  それから次にお尋ね申し上げたいのは、実は昨日行政協定のほんとうの文書をもらつたのでありますが、これによりますと、第十二條並びに第十三條に税のことが規定されておるのでありまして、政府はこの十二條並びに十三條の行政協定の規定によりまして、どういう税の法律をこれから国会にお出しなさるのであるか。それをひとつお尋ねいたしたいと思うのです。もしできますれば、おおよそその法律の輪郭をお聞かせいただきたいと思うのであります。
  10. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 お尋ねの点は、この協定の最後にも載つておりますように、立法措置を大分要する点がありますので、近くその案をまとめまして、国会に提出して御審議を煩わす考えであります。税に関する協定の大部分は、税法の課税の特例に関するものでございますので、ここに記載されてありますことの大部分の事項を法律案として提出する。ごく技術的な細目の点につきましては、施行命令等で規定するという場合もあろうと思いますが、基本的なおもな事項につきましては、法律案として提案いたしまして、御審議を煩わすことに相なるかと存じます。
  11. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 その法律案はいつごろ国会にお出しなさるのですか。
  12. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 現在のところ、まだいつごろという、はつきりしたことを申し上げる段階には至つておりませんが、なるべく本協定の発効前に成立し得るように、できるだけすみやかにいたしたいと考えておる次第であります。
  13. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 それでは今まだ中味もわからぬのでありますから、今ここで論議いたしましてもいかがかと思いますので、いずれ法律案が出ましてから、またいろいろお尋ねしたいと思います。  食糧庁の総務部長がお見えでございますので、砂糖のことについてひとつお尋ねしたいと思うのであります。今度砂糖消費税が大分大幅に上ることになつたのでありますが、これによりまして農林省は四月一日から砂糖の統制をはずすということを、方針としておきめになつておられるようでありますが、砂糖に関する今日のいろいろな状態、ことに消費税を大幅に上げられることに関連したことの内容を、ひとつお聞かせいただきたいと思うのであります。
  14. 松任谷健太郎

    ○松任谷説明員 ただいま内藤委員からの御質問は、砂糖の統制廃止の問題と消費税、ことにいも、澱粉との関係に関する御質問だと思うのでありますが、御承知の通り砂糖消費税の問題は、関税その他の措置と相まちまして、国内におきまする水あめ、澱粉といつたような問題に対しまして、影響を極力少からしめるというようなことに考えておるわけでありまして、関税につきましては、現行の精糖二〇%を三五%に、それから粗糖につきましては一〇%を二〇%に引上げるというようなことでございますので、消費税につきまして、現行百斤当り千円を千七百円に引上げるというような措置をとることによりまして、農家のかんしよ、並びにその製品である澱粉というようなものとの価格の調整を考えておるのでございます。これに関する法案を、実は大蔵当局にお願い申し上げておる次第でございます。なおその場合におきまして、四月以降統制廃止になりました場合に、砂糖の価格の関係が、現在考えております価格との間におきまして、急激に変動を生ずるというようなことになりますると、いろいろ心配しました点がなかなか功を奏しないというような点も考えられますので、三月末の政府手持ちを推定いたしますと、約十万トン程度の砂糖の政府手持ちになるのでございますが、その十万トン程度の砂糖の手持ちにつきまして、これをいかに売却して参るかというようなことにつきましても愼重に考えまして、これは一般競争入札というのが建前でございますが、その数量の出し方等につきまして、計画的に処置するということを考えておりますのと、さらに砂糖の需給から考えまして、本年度の砂糖の需給は、大体消費が全体としまして五十万トン程度になつておるのでございます。平年の消費は、戦前について考えますと百万トンに達したような状態もあるわけでございますが、かような大きな消費にはならぬと思います。来年度の砂糖の輸入の点を考えてみますと、大体六十万トン程度の手当ができるような状況に考えられます。その六十万トン程度の砂糖の輸入というような問題につきまして、これは外貨を要するわけでありまするが、その輸入の時期、外貨の関係といつたようなことにつきましても、なるべく国内的な価格に影響のないようなことで考慮して参りたい、かように考えておるのでございます。  以上が大体砂糖の統制の廃止後の価格の関係及び数量の関係につきまして、国内的に影響のないような処置を考えて参りたいという点でございます。
  15. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 実は総務部長も御承知の通り、あなたのところの砂糖を外へ出されるということが、澱粉に影響しておるということはよく御承知であろうと思います。そこで部長にお尋ねしたいのは、農林省が砂糖を払い下げられるときのさし値の問題でありますが、今のような安いさし値ではこれは澱粉業者がたいへん困るのでありまして、今日の澱粉並びにいもに影響のないようなさし値にして行かれる御方針であるかどうか、その点が今日あめ業者、澱粉業者並びにいも産地の農家が非常に心配しておるところなのであります。それについて何か今までとかわつたお考えをお持ちでありますかどうか。それをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  16. 松任谷健太郎

    ○松任谷説明員 お尋ねの点につきましては、ただいま御説明申し上げました通り、関税並びに消費税の改訂が行われますると、現行公定価格の一斤六十八円というものが、大体七十五円から七十八円程度の関係になるのではないかと計算しておるのであります。そういつたようなことでございまするが、それが統制解除の場合におきまして、輸入糖との価格の関係を考えて参りますると、現在の状況で推定してみますと、大体粗糖百四十ドル程度になつておりますので、これを精製糖の百七十ドル程度に考え、関税並びに消費税の関係からいも製品の澱粉に換算をしてみますと、これが百五六十円程度になつて参るというようなことからいたしまして、その点自由になつた場合に、いかような価格に考えられるかということになりますと、問題はただいま御質問のありました政府の売り方の問題にも関連して参るのでございます。従いまして自由になりました場合の政府の売払いの形といたしましては、御承知の通り一般の競争入札というような形になるのでございまして、その場合に予定価格をいかに決定するかといつたような問題につきましては、需給の関係なり、そのときの市価の問題なりをいろいろ勘案しまして、なるべく御心配のごとき影響の少いようなことで、考えて行かなければならないと存ずるのでありまして、予定価格の決定につきましては、現在今ただちにどの程度という御説明ができないのでございますが、御趣旨の点は十分検討して参りたいと考える次第であります。
  17. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 それではもう一度お尋ねしたいのですが、今政府は十万トン手持ちになつておられますが、これはどうしても三月一ぱいで、政府は売つてしまわなければならないものでありますかどうですか。
  18. 松任谷健太郎

    ○松任谷説明員 ただいまの御説明がはなはだ不十分でありまして申訳なかつたのでありますが、政府手持ちの十万トンというものは、これは一般の価格の関係並びに需給の関係等を考慮しまして、月平均に計画的に売つて参りたいというふうに、現在のところは考えておるのでございまして、大体九月か十月ごろまで、その売却が続くだろうというふうに考えておるのでございます。
  19. 内藤友明

    ○内藤(友)委員 十万トンを十月までに売られるということは、わかつたのであります。ところがこれは松任谷さんにお願い申し上げたいのでありますが、今まで政府が手持ちしておられました砂糖の売却のことが問題になりまして、あめだとか澱粉だとかいもだとかに影響いたしたのであります。もし今日澱粉、いも類に対していろいろな問題が起きておるのを、何とか緩和するために、十万トンをしばらく売らないということ――ことに今日いもの産地におきましては、苗床をやつて行かなければならぬときでありますが、ことしの秋のいもの価格はどうなるのだろうか。おそらくまた安くなるのではなかろうかということから、苗床なんかに対しても少し手心を加えるのじやないかと思うのであります。そうなりますと、これは日本の食糧問題に対しまして、非常に大きな問題が起きて来るのでありますから、もしできますならば、十万トンの今政府の手持ちのものをしばらく売らぬで、非常に砂糖が暴騰したときにこれを出すということで、何とか砂糖行政というものを、今日のいも類あるいは澱粉の問題に対応して、もう少しお考えなさるということが、できないものだろうかと思うのでありますが、いかがでありましようか。十万トンはどうしても十月までに売らなければならぬものでありますか。もし売らなければならぬものでありますならば、少くとも六百円以上に予定価格をきめていただきたいということを、私はお願い申し上げるのであります。お返事を承りたいのですが、できなければひとつ私の希望を、あなた方の方において尊重していただきたいと思うのであります。
  20. 松任谷健太郎

    ○松任谷説明員 お尋ねの点につきましては、政府の保有しておる砂糖の問題の処理を、いかなるところまで持つて行けるかといつたようなことになると思いまするが、御承知の通り統制廃止の際に、持つておりまする政府の砂糖の数量のいかんによりまして、これは保存の関係もございましようし、また市場における市価の問題も出て参りましよう。また需給の関係も出て参りましようし、これを手持ちしているということには参らぬだろう。当分の間わくにして、それを売らないというわけには行かぬだろうと考えておるのでございまするが、内藤委員が非常に御心配になつておられまする農家のかんしよ、澱粉等に対する影響といつたものにつきましては、その売却を通じまして考えて参りたいということで、目下のところ方針を立てておるのでございます。
  21. 有田二郎

    ○有田(二)委員 今内藤委員から局長にお話があつた青色申告の近親者の五万円の免税の問題であります。私は帳簿という問題について、もう一ぺん検討すべきであると思う。今農村の話が出ましたが、もちろん農村もそうでありますが、都会にあつても、職人というような方々に帳面をつけさせるということは、日本では無理だと思う。全部帳簿でやるという考え方は、私は主税局から一掃すべきではないかと思う。実際第一線で税務署が税金をとつておられるのは、今内藤委員のお話の通りに、帳面を見ないで大体このくらいだという見当で、更正決定を、この程度でひとつあなたの方で判を押してくれというようなやり方が、非常に多いのであります。過去においても三年くらい前までは、話合いで税金をきめておられたことは局長もよく御存じのことと思います。どこまでも帳簿がなければいけないという考え方を――現在は占領下でありますからいたし方ないのでありますけれども、三月われわれが待望する独立国家になりました以後においては、帳簿がなくとも税金がきめられるというような考え方をして行かなければならない。また実際の問題として山奥の農村の方に、税務署が要求するような帳簿をつけろ、また毎日朝から晩まで一つの仕事をやつておる職人さんに、帳簿をつけろというようなことは、私は不可能だと断言しても過言でないと思う。あるいはこれに対して農村の村の一つの機構において、帳面をつける指導をする、また税務署において帳簿をつける指導をする、というような方法のものがあれば別でありますが、現状の段階ではそういうものがない。従つて現状のままで行くならば、帳簿をつけなくても、一つの方法によつてきめて行かれるラインというような、日本独特の、日本の現状に即した税のきめ方の研究について、御検討になられたことがあるかどうかそれをひとつ承りたいと思います。
  22. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 今の有田さんのお話は、過去並びに現状から行きますると、もつともなところがございまするが、私どもは若干将来の問題を実は考えておるのでございまして、今有田さんは、将来におきましても見込みがないという御結論のようですが、この点は私はやはり問題にする余地が残つておるのではないかと思います。もちろん現状におきましてなかなか帳面をつけるということは、たいへんなことであるということも、確かに考えられるのでございます。しかしだんだん経済も社会も進歩して複雑になつて来ると思いますが、小企業の場合におきましても、ある程度やはり合理化と申しますか、合理的な経営と申しますか、今後の向上発達をはかるというようなことを考えます場合におきましては、程度の差はございまするが、いやしくも企業らしいものにつきましては、何らか記帳をするという方向に持つて行くということは、これはひとり税の見地だけでなく、社会の進歩の一つの通則といたしまして、そういうような方向になり得ないものかということを、一つは考えておるのでございます。税の見地から行きますと、これは有田さんも御承知でございましようが、やはり所得の査定等におきまして、何らかの基礎があるかないかということは、非常に大事な問題でありまして、基礎がないところでお互いに適当にきめるということになりますと、どうしても適正な課税をすることにいろいろな問題が出て来る。従いまして今すぐそれでは全部帳簿にできるかということは、現状では不可能ということが言い得るのでございますが、今後におきましてはでき得る限りそういう方向に持つて行けないものか。持つて行けないこととなりますと、実は所得税等におきましても、いろいろむずかしい制度をつくつておりますが、そういう制度はやめて、今何でもかんでも課税する方法がいいのではないかというようなことにもなるのでございますが、それは今後における社会の進歩から行きまして、少しどうだろうか。あまり税だけ先走りしても私はよくないと思いますけれども、その点を考えまして若干先走りして行けば、それによつて社会のいい傾向を助長して行くという結果になるのでありますならば、これは望ましいことではないか。そういう点を前提と申しますか、総括的に頭に入れておるのでございます。もちろん記帳の方法あるいはその程度等につきましては、一ぺんにいきなり完全なものを要求しないで、ある程度簡單なものから徐々に複雑なものにやつて行く、そういうのが正しいということにつきましては、私どもまつたく同感でございまするが、大きな傾向といたしましては、将来もやはりそういう方向に、所得税の行政全体が行けるようにした方がいいのじやないか。しかしもちろんそれは一つの将来の方向でございますので、そういうことを前提にして現状の問題を解決できないということは、これはまたお察しの通りであります。従いましてそういう点につきましては、所得税法におきましても、いわゆる收入支出の状況、財産の移動状況などからいたしまして、所得を推定して計算することができるという規定も設けておりまするし、実際問題といたしましては、中小の納税者の場合におきましては、その規定の適用される場合が大部分でございまして、それに関連いたしまして、所得標準率の問題をどうするか、そういう問題が先般も問題になりましたし、また役所におきましても、でき得る限り合理化するということに、努めておる次第でございますが、両方並行して行くことによりまして、徐徐に理想化すると申しますか、将来長い目で、行くべき方向に行き得るのではないか。今のところ実は私どもそのように考えておる次第でございます。ただ推定でありまするので、例の所得調査委員会の制度をやつたらどうかという問題、これは実は今日に結びついて来る。従いましてそういう問題につきましても、私どもは検討したいと思うのであります。そういう際におきまして、どちらかといいますと、望ましい方向、何か後退しないようなうまい仕組みを考えて行きたいというのが念願でございまして、そこに実際問題としましては、現状と若干のギヤツプと申しますか、差が出て来るのでございますが、それをできるだけ少くしつつ漸次理想の方向に持つて行く、こういう考え方でございます。非常にどうも地道な考えでございますが、今のところ一応そういう考え方でおりますことを、御了承願いたいと思います。
  23. 有田二郎

    ○有田(二)委員 ごもつともと思うのでありますが、私としては将来は別といたしまして、現状は私は青色申告すればこうだ、青色申告しないものはこうだという広さがひど過ぎる。しかも現状は青色申告するということが非常にむずかしい。特に私の選挙区では農村を持たないので、農村の事情はよくわかりませんけれども、推測でありまするが、内藤委員の申されることには納得できる。これでひとつ私は国税庁長官もお越しになつておられますから、ともにお聞き願いたい点は、帳簿指導というものを国税庁において、大蔵省においてやつていただきたい。青色申告をすると税務署員はどういう態度に出るか、国税局の調査官の人はどういう態度に出るかというと、青色申告の出たところはよけいきつく調べる。これはもちろん青色申告をしておるのですから、正しい申告をしなければならないのでありますけれども、今までの長い習慣と、国民性と申しますとおしかりをこうむるかもしれませんが、非常に税金が、税率がひどかつたというために、脱税をするという一つの習慣が戦後生れて参つて来ておる。従つてどうしても帳面から落して青色申告を出す。そうすると今度は調査官の人は、青色申告しているものはよけいそれを強く調べるというようなあり方で、青色申告の成績が芳ばしくないので、青色申告なんかやらぬ方がいい、青色申告をやると損だ、こういううわさをよく聞くのであります。これは結局私どもしろうとが考えての話でありますが、一つの管内において全部調査ができましたならば、私は青色申告をした方が得だと思う。しかしおそらく三割程度より税務署の調査ができないのであります。あるいは三割程度まで行かない。従つてあとの七割なり八割というものは調査されない。調査漏れのところはうまいぐあいに行く。国税局なり税務署の方では、五箇年間税金を調べる権利があるのですから、ことし調べなくても来年やる、こういう考えを持つておられる向きもあるかもしれませんけれども、とにかく完全な調査ができれば青色申告をした方が私はいいじやないか。しかし完全な調査ができない現段階においては、青色申告は損だ、こういう納税者の一つの考え方、さらに国税局なり税務署においては、青色申告をしたところにはよけい力を入れて調べなければならぬけれども、さらにもう一つ突き進んでやるというところに、青色申告をしては損だという考え方が出て来る。私は現段階においては、税制においても税率においても、まだまだ考慮しなければならない段階であるので、青色申告者に対してももう少し指導的である、協力的であるような、赤ん坊が立つて歩いて来る、その赤ん坊の手を引いて導いてやる。青色申告といえども現状の青色申告は、まあ赤ん坊からようやく立つことができる段階の青色申告である。それを手を引いて導いてやつて、将来はりつぱに独立独歩で青色申告ができるような方向に導いて行かなければならない。これは本人だけが悪いのではなくして、税率とかあるいは諸般の事情が、そういうことになつておるのでありますから、私としては青色申告者に対する指導方針は、いかなる指導方針をもつて行かなければならぬか。これはすでに国税局でもおきまりになつておられる点だろうと思うのでありますが、これについてひとつ主税局長と国税庁長官の、あわせてのお考えを伺いたいと思います。
  24. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 ただいまの御意見の親切な指導を要するということは、まことにもつともであると思います。私どもも国税庁の方には、極力そういうことに平素からお願いしておる次第であります。それから今お答え申し上げましたが、特に家族の給与を今回引くことにいたしましたのは、一つには青色申告者に対しまして、所得が非常にはつきりなると、そうした結果どうも他の所得者との間にどうかという議論がありまして、何か青色申告者に特例を認めるべきだ、その特例の方法としまして所得の何割引かしてくれ、こういう要望がありますが、実は何割引かすることは、所得税法の公平の原則に反するので、これはどうもとりにくい。しかしながら経理がはつきりなつた場合におきまして、現実家族従業者に給料を払つて、その支払いが帳簿によつて確認できる、それは継続的に記帳されますので、そうでたらめなこともできない、こういうことになりますれば、私はやはり青色申告者に納得できる――ある意味から行けば当然でありますが、ある意味から行けば相当の特例、この特例を認めることによりまして、極力青色申告の助長をはかることにしたらどうか。それは従いまして、青色申告者に対しましては、できる限り――先ほど私が申し上げました根本の趣旨と青色申告の制度とは、まつたく合致するのでありますが、できる限り親切に懇切に指導いたしまして漸次この制度を普及いたしまして、理想は逆に私は青色申告が原則になることを理想にしておるのでありますが、これは将来のことと思いますけれども、そういう方向の頭で、だんだん運用並びに制度におきまして、両面考えまして、お互いに努力することにしたらどうか、このように考えておる次第でございます。
  25. 高橋衛

    ○高橋(衛)政府委員 ただいま有田さんから御指摘になりました通り、青色申告の制度は生れたての赤ん坊でございますので、私ども何とかしてこれをうまく育てて行きたいという考えを持つておるのであります。従いまして、二十六年度の際におきましても、税務官吏に対しましては、年度途中においても帳簿を見て差上げております。そして記帳の方法その他について、何か遺憾な点があればそれを直して行く、指導して行く、お世話をして行くという指示をいたしておるのであります。あるいは政府にときどきお伺いすることが、かえつて何か非常に苛酷な調べを受けるというふうな感じを、与えているのではないかという気もいたしますし、そういう点は絶えず十分に指導いたしたいと思いますが、特にある程度できるところの官吏が当初から、申告前と申しますよりも、むしろ年度途中においてお伺いをして指導申し上げる、そういう態度で行きたいと考えておるのであります。なお先ほど内藤委員からも御質問がございましたように、私どもはどうしても現在の陣容をもつて全部を調査し、全部を公平に確実に間違いなくやることは、なかなか困難でございます。従いまして、私どもの考え方といたしましては、調査する相手方を選択して行くということに、非常に意を用いておるのであります。その際に、まず十分に信頼できる人は、なるべくならば申告にもつぱら信頼して行くという考え方を持つておるのであります。そういう際に、青色申告の方がやはり最も信頼される部分に入ることは当然でございます。しかしながらただ青色申告をなさる方の中には、青色申告を仮装して、相当な脱税と申しますか、そういうふうな傾向を持つ人もないことはないのでありますから、そんな人については私どもの方で、御承知の通りいろいろな監察資料を集めておりますので、それらとその人の帳簿とを、ある程度引比べることによつて見当がつきますので、そういう人のみについては、ある程度調査を決定せざるを得ないという状況であるのであります。
  26. 有田二郎

    ○有田(二)委員 年間に調査されることはけつこうでございます。ぜひそういう方向で行つていただきたいと思いますが、その青色申告がまだ赤ん坊であるということはどういうことかというと、青色申告は正しく申告するという建前なんで、青色申告をなされた方は、ただいま長官のおつしやつた通りに、全部正しく報告するのが青色申告の建前でありますが、まだ終戦後今日までの一つの惰性と税率の無理、また現在置かれておる日本の状態から考えて、まだ抜けたら抜きたいという考え方があるわけであります。それを頭からぽんとたたいてしまつたのでは、これは赤ん坊をたたいてひつくり返してしまうと同じことです。ですから青色申告をお出しになる方が、アメリカのように全部正しく申告できるようになれば、これは全体の税率を引下げることもできる。非常に合法的な税制を当てはめることもできる。しかしまだ日本の段階においては、とうてい私はそういう状態にならぬと思います。従つて青色申告者といえども、大体ごまかして出そうというのが大半であります。それを、青色申告しておるのにかかわらず、ごまかすとは何事であるか、われわれはこういう資料を持つて、こういうようにやつておるのに、青色申告を利用して、脱税するというような考え方はけしからぬという見方が、末端の機構まで及んでおるのです。ですから青色申告をしようとしている気持を一層伸ばしてやつて、そうしていけない点を、実はあなたはこういうふうにお出しになつておられるが、実際はこういうようなものが出ておる、これはお改めになつた方がいいでしようというように、親切に指導して行つてもらいたい。かようなことを申し上げておるのであつて、年のさ中に調べた来るというようなことは、これはけつこうなことであります。しかしそういうように青色申告をしておるのにかかわらず、こういう脱税的なものが出て来るのはけしからぬじやないかという考え方でなくて、そういうものを示して、これはこういうものが出ておる、青色申告の建前から言つてもよくないことだから、どうかひとつこういうように改めてもらいたいと、言葉やわらかに指導して行かなくては、せつかくの主税局長なり国税庁長官のお考えが、末端の局の調査課の課員なり、あるいは税務署の署員に徹底していないということを、私は申し上げておるのであります。従つて青色申告が赤ん坊であるということは、全部が正しく納税の帳簿ができないということです。だからそれが赤ん坊なんです。ただできたての赤ん坊だという意味じやないのです。納税者の心構えが、まだそこまでなかなか行つていないわけであります。その行つていない青色申告に対する納税者の赤ん坊的な気持を、だんだん成長させて、ひいては税率もだんだん低くなつて行くという、両々相まつて将来の正しいあり方があり得るのではないか。これに対してひとつ国税庁長官の御所見を承りたい。
  27. 高橋衛

    ○高橋(衛)政府委員 私がただいまお答え申し上げました趣旨も、ただいま有田さんのおつしやつたと同じ気持で申し上げたつもりでございます。第一線において、その気分に反したような行動が、間々あつたかと存ずるのでありますが、そういう点は今後あらゆる機会に注意をいたしまして、是正して行きたい、そういうふうに考えております。
  28. 高田富之

    ○高田(富)委員 関連して……。青色申告の問題でありますが、いろいろと特典を設けられまして、そしてこれを奨励しておるわけでありますが、ただいまも議論がありましたように、これが急速に一般に広がつて行く性質のものであるか、また本質的にある程度しか広がつて行かない性質のものではないかということが、第一に問題になるのであります。これは私の数字が間違つていたら、御訂正を願いたいと思いますが、大体法人で青色申告をしているのが三割か四割、それから個人の場合は五%前後ではないかと思います。それで個人の場合でいいますと、青色申告というものは、ごく一部の者に限られている。これがいかに奨励ざれましても、やはり帳簿の技術であるとか、いろいろ煩瑣な手間も食うことでありますので、個人の零細な業者にとりましては、初めからとうていこれは問題にならないような性格があるのじやないか、というふうに考えられるわけであります。そういたしますと、青色申告者に対して、特に減税、免税の措置を講じましても、今のようにパーセンテージが少い場合には、全体の税收入には関係がありません。従つてやれますか、急速にこれが一般化して参りまして、青色申告者が多いということになれば、減税、免税の措置をみなやらなくちやならないということになる。そうすれば、結局そういう方面からの税收入が、うんと減つてしまうわけでありますから、これは全体に及ぼす間、一時の初めのうちだけは、いわゆる先覚者に対する褒美みたいな意味で、若干の減税はできるかもしれません。これによつて所得を相当たくさん、ほじくり出すと言つては語弊があるかもしれませんが、洗いざらい出させるようになる。しかも出しても減税があるからよろしいということになるわけでありますけれども、これが一般化して来れば、全体に減税しなければならなくなつてしまう。今は少数の青色申告者によつてつかまれる所得によつて、あとの九五%の青色申告のできない人の所得を認定する、一つの有力な材料をつかむことができるわけでありまして、そういう意味からいいましても、全体としての税收入を、申告所得者から確保するところの有力な手がかり、手段として、青色申告の意味があるわけであります。これが半分以上青色申告になつてしまつたときには、もはや減税なんかしていられなくなつてしまう。もしそういうことをしておるならば、所得を申告によらないで、上から見積つて課税しないと、税收の確保がむずかしくなつて来る、こういう矛盾を持つている制度じやないかと思います。そこで先ほど言いましたように、青色申告がはたして一般化して行くものであるか、して行つた場合には、そういう特典がなくなるのじやないかということについて、ひとつお考えをお伺いしたい。
  29. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 高田さんの御質問は、もつともらしいところがあると思いますが、今の御議論は、税收確保のために青色申告の問題を、関連してお考えになつておられるようであります。しかし私どもはそういう考えは全然持つておらないのであります。あくまでも所得税法に従つた合理的な所得の申告及び査定、これができまして、それによつてのみ所得税の負担は最終的に相互に公平なものになる。こういうことが青色申告自体のねらいでありまして、もつぱらそういうものとして実は青色申告の制度は考えておるのであります。その結果所得税が減ることになれば、これはもちろん別にどうということはございません。それからまた課税見積りがふえて来れば、ふえて来たのに応じて、これは税率改正という問題も出て来ます。結果としていろいろな問題が出て来るかと思いますが、決してそういうことを頭から、独断的に、あるいは色目で見て、こういう制度に対処すべきでは絶対にない。この制度の本来のあり方を考えまして、できるだけ助長して行きたい。さしあたりといたしましても、今年は現実に青色申告をしている方がそれほど多くないので、それほど大きい影響はありませんが、来年、再来年と、もちろんこれによる影響は相当出て来るかと思いますが、出て来ても、それは当然のことであると考えておる次第でございます。なお法人の方は、大体五〇%をちよつと越えております。個人の方は、あなたがお話の通りぐらいのところであります。
  30. 有田二郎

    ○有田(二)委員 さらにお尋ねしたいのでありますが、とにかく敗戦後の今日の税法につきましては、アメリカの税法が入つて参りまして、非常に私は進歩している、かように考えておるのであります。しかし日本の現状にそぐわない面も幾分あるのじやないか。もちろんこの間におきましても、大分よくはなつて来ておりますけれども、近く独立国家になつた場合において、どういう点が改められるべきであるか。もちろんわれわれも現状を検討いたしておりますが、間近に独立も迫つて参りました。現状では関係方面の御了解を受けなければできない点も、これからはその必要がなくなつて来る。われわれ国会議員としては、この税法については、アメリカのよさはでき得る限り残して行きたい。しかしながら日本の国情に合わないもの、これは当然改めなければならない、かように考えておりまするし、また過去における日本の長い税の歴史から行きましても、当然かように改むべきものであるというような御見解がありましたならば、その御見解を承りたいのであります。
  31. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 お話の問題につきましては、今後私どももさらに一層勉強いたしまして、よく検討してみたいと考えております。率直に申し上げまして、私も先般各国をまわつて来たのでありますけれども、二十五年度で改正をしました国税、地方税を通ずる制度というものは、これは相当進歩した経済と社会の税制としましては、率直に言いまして、私は非常にいい税制というふうに考えるのであります。ただ今の青色申告の問題につきましても、そういう問題で悩みがあるわけでありますが、日本の現状から比べると、はたしてどうかという問題はあるので、その点は相当やはり再検討すべき余地が残つている。そういう問題につきましては、相当根本的な点にわたる点につきましても、この際勉強し直しまして考えてみたい。ただ将来行くべき方向は、やはり見誤りのないようにして行きたいと思います。そういうことを頭にしまして、少し問題として検討したいことは、一つは富裕税の問題、それに関連しまして所得税の最高税率等の問題、それから譲渡所得の問題、それからあとは申告納税制度自体に対しましても、先般も議論がありましたが、協議団に民間の委員を入れるか、あるいはさらに一歩進んで、委員会制度みたいなものを考えるか考えないか、こういう問題が、国税についてはさしあたりあろうかと思います。地方税におきましても、相当いろいろな問題があるようでございますし、ことに国税と地方税を通じまして考えますと、課税標準の調査ということにつきましては、どうも各団体ばらばらにやるのはいかがであろうか、これはやはりどこかで統一するという方向に、少くとも行くべきではないかという意見がございますが、そういうような問題等をよく考えてみたい。なお事業税、附加価値税等の問題が残つて参つておりますが、府県税、市町村税、国税、こういう全体を通じまして、財源の配分等につきましても、実態に即するかいなかにつきましてよく検討しまして、正しい結論を下すようにして行きたいと思います。
  32. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 関連して……。青色申告の問題でありますが、今度の改正で、専従者の控除を認めたのでありますが、私はざらに事業主に対しても給与を与えて、給与の源泉徴收をする必要があるのではないか。今日の経営の状態は、家計と企業会計と分離するその点は、法人と個人の場合は、現在の法律ではあまり明確にしていない。こういう意味合いから、事業主に対しても源泉徴收をする方がいい。すなわち事業経費と認めることが妥当だ。こういう考えと、もし事業主に源泉徴收ができないというならば、所得の一五%くらいの控除を認めることが妥当だと思うのであります。これに対しては、シヤウプの第二次勧告の中には、これを否定しておられますが、青色申告の実際の状態が悪いという点から考えまして、このくらいの程度のことは認めた方がよろしいように考えられますが、いかなるお考えを持つておられましようか。
  33. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 今のお尋ねは、業種に対して源泉課税をするということは、私はよく問題がわからないのでございます。事業所得の中には勤労所得的要素が相当多い。ことに少額の事業所得者の場合はそうだ。従つて何か勤労控除みたいなものを、少額事業所得者に給与所得者と同じく認めたらどうか、こういうお尋ねかと存じますが、そういう問題につきましては、先般当委員会におきましても、相当いろいろ申し上げたのでございますが、これは確かに一つの考え方でございます。ただそうなりますと、現在でも給与所得者の一五%がどうも差が少い、もつと課税の現状からすると、大幅に引上ぐべきだ、こういう議論があります。そうするとそれをどうするか。これはなかなか問題は簡單なようで簡單ではございません。理論的には、私ども確かにそういう問題がなお残存しているということは、考えておるのでございますが、もう少し将来の問題として、この問題は研究することにいたしたい、かように考えておる次第でございます。
  34. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 それから青色申告者に対して、現金主義の会計処理をやつた方がよさそうに思うのでありますが、結論としては損益計算書をつくる程度にしてもらいたい。たとえば現金出納だとか、仕入れ、売上げ、それから経費、たなおろしに関するものの簡略記帳によりまして、貸借対照表を省略さぜる方法が、非常に合理的だと考える問題が一点と、それから自家消費の場合は、その価格を仕入れ価格によつて記帳きせる方が妥当に思うのでありますが、その問題が一点と、それから青色申告の届出期限が前期末の年末でありますから、非常に繁忙であるため、これを記帳することは非常に困難でありますが、確定申告の期限と並行させた方が合理的だと考えるのでありますが、この三点についてお伺いしたいと思います。     〔小山委員長代理退席、委員長着席〕
  35. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 少しお尋ねの趣旨を聞きそこねた点がありますので、御了承願いたいと思うのでありますが、第一の問題の現金主義をある程度導入するかどうか、この問題は私どもも若干問題があると思うのでありまして、小売業その他でありまして、必ずしも徹底した簿記の原則で記帳しなくても、毎年継続してやりますれば、正しい所得がほぼ出て来る。こういうものにつきましては、若干現金主義を導入する特例を認めるようなことにつきまして、よく研究してみたいと考えております。ただ理想はやはり今合理的と宮腰さんが仰せられましたが、合理的にはやはり複式簿記、貸借対照表、これは非常に企業経理の場合に合理的な方法でございまして、これは疑う余地がないのでございますが、そこまで行かなくても、正しい結果がほぼ見得るという場合におきまして、若干の例外を事情に応じて認めるか、こういう問題として研究してみたいと思います。  それから第二の問題は、たとえば農民が米を消費する場合におきまして、その所得もやはり所得として課税いたしておるわけでありますが、この際は農民などの庭渡し価格、生産者価格、これで目積るのが、私どもとしてはいいのじやないかと思うのでございますが、何か特別の理由がございますれば、よくお聞きしました上でお答えしていいかと思います。それにしましても、消費者の消費する値段と差がついて来ますけれども、その程度が妥当じやないかというので、長く従来からそういう方法でやつておる次第でございます。
  36. 宮腰喜助

    ○宮腰委員 青色申告の申告の期限を確定申告の二月末日と並行させた方が合理的だと思うのでありますが……。
  37. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 御承知の通り、記帳はやはりその年の初めから記帳しなくては意味がございませんので、やはり時期は青色申告の時期と差があつても、十分理由があるのではないかと思います。ことしから青色申告者としまして、記帳するということを申し出るわけでございますので、特に変更するという必要があるかどうか、これも私ども了解いたしかねる次第でございます。
  38. 有田二郎

    ○有田(二)委員 まだゆつくりひとつ御質問申し上げたいと思いますが、ただ一点、これは主税局長にも国税庁長官にも聞いていただきたいことでありますが、近く独立国家になる。今まで関係方面がおられましたので、われわれも御遠慮申し上げておつたのでありますが、予算の面におきましても、大蔵関係の税の問題にしましても、これからわれわれはもつと積極的にいろいろなことをやりたい。その場合にあなた方と手を握つてやりたいと考えておる。あなた方の方で手を握つていただかなくてもいいというお考えなら、われわれはわれわれの力をもつてやつて行きたい、かように考えております。一例をあげますと、この税制の問題もさることながら、国税庁の運営の上における問題で、もつと直税部長がわれわれと話合いをして、そうして旅館の税金のとり方についてはどうだ。農村の税金のとり方についてはどうだ。その他あらゆる万般の運営の仕方について、相当国税庁側では調査なり検討ができておる。しかしながらわれわれは大蔵委員会として、専門調査員制度が設けられておりますけれども、わずかに五、六人しかいない。こういう手足では実際において十分な調査ができていない。あなたの方ではある程度十分な調査ができておるけれども、国税庁あるいは大蔵省という建前からすべて物事を見ておる。納税者側の気持は、われわれ大蔵委員の国民代表である国会議員の方がよくわかつておる。ですからわれわれとしては、国税庁また大蔵省として、税をとる建前から行くところの考え方もとうとい、決してわれわれは無視すべきものではないと考えておる。しかしながら納税者側の立場に立つての物の考え方というものも、十分なされなければならない、かように私は考えておるのでありますけれども、占領下でありますからわれわれは今日まで黙つておる。近く独立国家になりましたならば、われわれとしてはこの点でぴしぴしやりたい、かように考えておる。従つて一つの業態に対しても、税法をどういうように運営して行くかというような事態につきましても、十分われわれの意見をわれわれとともに検討して、税のあり方が無理でないような方向に進めて行く。また税法もかように改むべきものであるという場合には、法律もただちに大蔵委員会に提出して、政府あるいは議員提出として、是正さるべきものである、かような考えを持つておるものであります。  さらに報償の問題でありますが、これだけ多額の税金をとる。たとえば酒税の問題でも、一千三百億というような非常に多額な税金がとられておる。それからまた一般の税金にしましても、間接税、直接税を通じて相当な金額になつて来ておる。これらの金額の税金に対する報償制度、一つの歩もどしで行くという考え方があるが、私は歩もどしは絶対反対です。しかしながら税金を喜んで正直に出して来ておられる人がある場合には、国がこれを報償すべきである。先般私が池田大蔵大臣に質問しましたときに、池田君はどういうことを言われたかというと、憲法で納税の義務というものがあるから、国民の義務であるから税金を納めるのはあたりまえである。彼はこういう暴言を吐いておる。これはもちろんそうであります。しかしながら日本の国民性というものは、アメリカの方々とはちよつと違うのであります。いいか悪いかは別として、日本人の気持というものはアメリカ人とは違う。過去における大東亜戦争のために、日本の国民性が非常な誤解を受けておりますけれども、日本人は昔からとうとい気持があることは、われわれの誇りとして来たところであります。独立国家後においては、私はやはり日本のよさは誇りとして行きたい。特に日本人の気持にアピールするような報償制度を設けることによつて、われわれが進んで税金を納めて国を救つてやるのだ、国のためにわれわれは喜んで税金を出すのだというところの、日本人の弱点といいますか、また長所といいますか、そういう点にアピールした税金のとり方でなければならぬ。池田君のような冷酷きわまる、当然の国民の義務だ――アメリカなら別でありまするが、日本人の心情をよく察知しないところの彼の考え方であります。私はこれに対しては相当額の報償の金額を設けてそうしてあらゆる角度において、国民が喜んで税金を納めるという方向に向けて行くべきである、かように考えるのであります。従つて私のただいま申しました点は、税法はもちろん、税の運営の面においても、これは今度国会でわれわれ大蔵委員会においてやれる問題でありますが、衆参両院の大蔵委員の方々と、主税局は税法の面で、国税庁はその税法の運営の面で十分われわれと協力してやる。今までの占領軍に対する気苦労や考え方を一掃して、われわれ国会にはからなければならぬ。アメリカの方はごまかしがつくが、ちよつとわれわれはごまかしがつかない。この点を十分覚悟していただいて、将来そういう点で御協力あるものかどうか。それからまた報償制度においても十分将来において御研究があるものか。われわれはただいま申しましたように、大蔵専門調査員の数がわずか五、六名しかいない。手足が非常に少い。従つてわれわれのところには、十分な資料は持ち合せませんが、国民八千万の手足がある。しかも各地の税務署においては税務署長が民間人にごちそうになる、署長がよく料理屋に行く、あるいは調査官のおえら方が料理屋に行つておるという例が、枚挙にいとまなくあつた。これは見ようによつては涜職罪になるのであります。私は先般も会計検査院をやかましくしかりつけた。会計検査院の方々が地方でごちそうになるということをやめさせるようにいたしましたけれども、国税庁においてもその点において十分御指導願つて、地方において業者からごちそうにならないような指導をさらにやつていただきたい。この三点について主税局長と国税庁長官の所見を伺いたい。
  39. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 税制の改正の問題に関しましてまずお答え申し上げますが、これはもちろん私ども原案をつくるという仕事は持つておりまするが、結局は国会でおきめを願うことでありまして、少くともこの問題に関する限りにおきましては、私どもは政府国会ということでなくて、今後におきましても十分御意見を承り、御要望も聞き、また資料も提供いたしまして、相互に勉強しましていい案ができ上るように、私どもとしましては十分運営に努めて参りたいと考えております。税制調査会等過去の例におきましても、そのようなことを当時やつていたのであります。ただいささか御指摘の通り、シヤウプ勧告といつたような特別な勧告によつてやるような場合は、なかなかそれがうまく行かぬ場合もございますが、今後におきましてはそういう点につきまして、昔でも非常にやつていたことでございますし、いわんや新憲法下におきましては、さらに特にその点努めまして、できる限りお互いにいい税制ができるように努力したいと、このように考えております。  それから報償金の問題、これは確かに国民感情から行きますと、一つの考えだと思います。しからば具体的にどうするかということになりますと、なかなか問題がありまして私ども一々取上げてみたこともあるのでございますが、納税者に個別的に何か報償するということになりますと、問題がいろいろ出て来るのでございます。昨年から、あるいは前もやつておりましたし、団体、村といつたようなものに対しまして、代表する意味で、若干の何かしれませんが表彰をやるということでございますれば、これは例もございますし、そういうのは必要に応じまして、私はやはり今後相当考えて行つたらどうかと思う次第でございますが、納税者の個人に対します問題になりますと、これはやはりよほど私どもといたしましても、検討してみる必要があるかと思います。なおしかしこれは確かに一つの問題でございます。よく検討してみたいと思います。
  40. 高橋衛

    ○高橋(衛)政府委員 税務行政をどうしたらよくできるかという問題につきましては、私どもも絶えず非常な苦心をして苦労もしておるところでございまして、自己の一個の意見にこだわるというようなことではなしに、虚心に常に反省をいたしまして、これを改善の方向に向けて行きたいというふうに、努力しておる次第であります。特に国会の皆さんは非常に多くの資料を持つていらつしやいますし、税務行政の改善の上に非常にお力になつていただけるというふうに考えておりますので、今後そういうふうな方向にぜひ努力をして行きたいというふうに考えております。なお税務職員の汚職の防止と申しますか、これが一掃ということに関しましては、有田さんも御承知の通り、一昨年来監察官という直属の役人を設けまして、これは理論上はいかがかと思いましたが、特に警察権を与えて、相当厳格に取締りをやつて参つたのであります。幸いにしてその成果が最近は相当上つて来たように思つておるのであります。しかしながら、何分多数の者でもあり、また若い者も相当ありまして、特に税務官吏につきましては、何と申しましても誘惑される機会が多いというふうなこともございまして、根絶ということがなかなかむずかしいことは、お察しくださるかと思うのでございますが、とにかくあらゆる方途を講じて、まず上の方からそういうような考え方を徹底して行くということについて、特に力をいたしたい、そういうふうに考えておる次第であります。
  41. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は、国税庁長官に二点と、主税局長に二点伺います。一点ずつ伺います。  私は本日二月二十九日は、いわゆる確定申告の最終日であると考えております。確定申告は各所において提出せられるわけでございますが、この点につきまして、将来も参考になると思いまするから、国税庁長官に所見を伺つておきたいと思うのでございます。というのは、確定申告いたしまするが、もちろん本年におきましても、大体におきまして適正なる申告をしておるものと思いまするが、場合によりましては更正決定しなければならぬものがある、こういう点が考えられます。つきましては、従来昭和二十二年、三年は政府の方で割当てをいたしまして、各国税局にどれくらいとれという指令があつたわけでございますが、今の段階におきましては、これを一掃いたしまして、自主的に各税務署が各国税局に申告をいたし、各国税局から国税庁に申告いたし、国税庁から大蔵省主税局にこれが申達される、こう考えておるのでありまするが、この場合におきまして、更正決定は昨年は割合に少かつたというわけで国民も安心をしておるわけでございまするが、本年はおそらく昨年よりもむしろ更正決定はふえるのじやないか、こういうことを考えておるのでございます。特に今朝も私の選挙区から手紙が参りまして、税務署の署員が来まして、本年はやはり五割増しであるということを言つておる、ないしは十割、十五割ということを育つておりまするから、みな非常に心配しておる。三宅さんは大蔵委員として検討しておるというが、実際ほんとうかどうか、こういう話を聞いたわけでございまするが、おそらく高橋国税庁長官は、うそをおつしやられませんから、明確なる御答弁をいただきたい。
  42. 高橋衛

    ○高橋(衛)政府委員 かつて目標制度を置きました時代におきましては、それぞれ各税務署に対して責任額を指示したことがございます。しかしながら昭和二十四年度からは、目標制度も撤廃いたしました。なおその後昨年度ごろまでは、ただいま三宅さんがお話の、税務署からどれくらい徴收できるかという見込額というものを、提出してもらつたことがございます。しかしながら二十六年度当初からは、そういう数字を出していただくこと自体が、その後のいろいろの決定等に、何らかの心理的影響を与えてはならない、どこまでも所得の調査は厳正に、何らの先入主なしに行われることが必要であるという見地からいたしまして、そういうふうな見込額をとるということ自体、私ども今年はほとんどいたしておりません。従つて本庁においては、どの税務署においてはどの程度とれるというふうな見当を持つておりません。その点をはつきりお答え申し上げておきます。従いまして、全国的に五割増であるとか、またはどの税務署は十割だというふうな考え方も、全然持つておりません。むしろ各納税者の所得額の調査をした結果を、事後において集計した場合に、どの程度の増になるということは、結果として現われることはあるのでございますが、事前にそういうふうな頭をもつて臨むということは、絶対に考えておりませんから、その点をはつきりお答え申し上げておきます。  なお今年度更正決定が非常に多いのじやないかという御質問でありますが、昨年は御承知の通り更正決定の件数が納税者に対して約二・七%の、非常に低い率で終つたのであります。本年度も昨年と同じような方法でもつて、各納税者においでを願つて、それぞれ御説明申し上げ、いい申告を出していただくように努力いたしておるのでございますが、ただ去年と違いまして、去年は実は期限が過ぎましても、三月一ぱい、署によりましては四月に入つても、なおかついろいろ納税者のお宅に臨んだり、または税務署においでを願つたりして、何とかして申告書を出していただくというふうな努力を続けておつたのでありますが、そういたしますると、期限内に正直に出された方と、しからざる人との間に、不公平になるというふうな観点もございますので、本年はあまりだらだらした仕事のやり方をやらないで、一定の期間まで何回か御説明申し上げて、しかもなおかつ過少申告であつたり、無申告であつた場合には、これを更正決定するよりしようがないという考え方を持つております。しかしながらこれも結果についてみなければわからないのでございますが、東京都の大体の実績を見てみますと、一昨日の二十七日までの数字で、東京都の税務署の申告の出方は、五二%まで是認できる非常にいい申告が出ております。これは昨年の成績よりもずつと上まわつておるのでございまして、おそらくは本年も、それほど三宅さん御心配になるような程度の更正決定を行わなくて行けるのではないか、その程度に納税者の方々が非常に御協力願つておることを感謝しております。
  43. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今の国税庁長官のお話は、率直に受入れておきます。私は今年の二月十四日に大蔵大臣に質問いたした際に、今お話のように地方においては十割、十五割、とんでもないことを言つておりますから、それは間違いであるという答弁を得て、その速記録を持つておるわけでございますが、どうか今お話になりました線を堅持するために、今問答いたしました事柄等は、各国税局、税務署等にこれを通達せられたい、かように思います。  次にもう一点国税庁にお伺いいたしたい事柄は、負担の公平という事柄は、お互い同士が正直に申告し納税するということにあるわけです。私は従来から本委員会において言うておるのでありますが、各個人々々のほんとうの税を納める税籍簿を完全にいたしますならば、もつと、私の算定では一割ないし二割ぐらいは減額せられる、こういう線を持つておるわけでございましてしばしば国税庁長官並びに平田主税局長に申し上げたのでございますが、本年はシヤウプ税制の改訂時期でもありまするし、また今後は独立いたします関係上、国税庁も大幅にそういうような線を出していただきたいと思いますが、いかがでしようか承りたい。
  44. 高橋衛

    ○高橋(衛)政府委員 三宅さんの平素の御主張であられる税籍簿については、私どもは非常に傾聽しておるのであります。幸いにして税務署の仕事もだんだん改善せられて参りまして、各納税者に対するところの記録が漸次整備して参りました。單に税籍簿といわず、その人についての過去の税に関するところの歴史までもある程度整理をいたしまして、今後の税務行政に資して行く、こういうふうに考えております。
  45. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 今度は平田主税局長に、先ほど来各委員も質問いたしましたが、二点だけ残つておりますが、一点ずつ伺います。私は農村選出の議員でございますから、農村のことをよく知つておるわけでございまするが、農村は労働が八割五分その他の所得が一割五分、こういう算定になるわけでございますからして、相続の場合等においても、一人当り三十万円という線を堅持されて控除になるわけでありますが、これを兄弟二人なり三人ということになりますと、三分の一にこれを分散いたしましては、その田畑等も耕作できない、こういう実情でございます。でありますから、従つて三分の一、三十万円を三人でございますと九十万円ということになるわけでございます。そういうように分割ができませんために、次男、三男は従つてこれは辞退するという段階が出るわけでございます。こういうものにつきましては何らか便法を講じまして、三十万円という線ではなくして、何とか折衷案をお出しなさいまして免税してやる。いわゆる五反百姓で相続税を相当納めることになりますと困るわけでありますから、農村に対しましてはそういうような特別の控除、あるいは算定をすべき御用意があるかどうか。この三十万円の線をもう少し延長する、あるいは値上げするということを考えていただいたらどうかと思いますが、いかがでしよう。
  46. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 先般も申し上げましたように、三十万円にいたしましたのは、三宅さんのお話になりました五反百姓と称せられるような方々が、分割しなくても相続税はかからぬようにしようというので、三十万円にいたしたのでございます。九十万、百万、となりますと、一般の農家ではない、ある程度田畑、家屋敷のほかに自分が耕していない田畑を持つたり、あるいは山林を持つたり、あるいはその他の資産を持つている方の場合だろうと思いまして、そういう方の場合はお子さんが二、三人おられれば、やはり新民法の精神に従つて、ある程度分割してやられるのが当然の行き方でもありますし、この相続税法を三十万円に上げますれば、大体におきまして通常の農家、自作農家の場合におきましては、まず所得税の問題は考えなくてもいいことになることを考えましてこのようにきめた次第でございますので、その点御了承願いたいと思います。
  47. 三宅則義

    ○三宅(則)委員 私は平田主税局長が年来の税制を担当し、立案せられたことは多といたしております。先ほど有田委員も質問されたのでございますが、シヤウプ勧告を参考としての段階は過ぎて、講和後におきましては純日本式に適するような税法を編み出したい、こういうのは私も同感でありまして、平田主税局長も多年の経験を生かしまして、そうしたような案をお持合せであると思います。少くとも今日の段階におきまして、税負担の公平を期するためには、基礎控除等については、ある程度まで今後は改革する余地があると思います。主税局長は今の段階といたしましては、ただちに同意しかねるとおつしやるかと思いますが、将来は最低基準を確保いたしまして、憲法に規定せられたような平和的にして自由なわれわれの人権を尊重し、かつまた国策の線に沿うような案を税制にも出していただきたい、かように思いますが、主税局長の心構えを承つてわれわれ大蔵委員といたしましても、大いに勉強いたし、国民の信頼にこたえたい、こう考える次第であります。
  48. 平田敬一郎

    ○平田政府委員 所得税の基礎控除の問題は、あまりシヤウプ勧告とそれほど強い関係はないので、これはやはり財政事情と申しますか、それに一番関係が深いわけでございます。財政事情が許し、所得税の收入が少くていいという事情が生じますれば、まず基礎控除、家族控除を上げるのがまつ先きだと感じますが、そういう点は今後の財政事情とにらみ合せまして、よく検討して行きたい。これをうんと上げてさつき申しましたように間接税に依存するかということになりますと、間接税といえば、取引高税といいますと、三宅さんは反対されるでしようし、そう簡單にこういう問題は講和後になつたらすぐ改変できるという問題ではないことを、一つ御了承願いたいと思う次第でございます。
  49. 佐藤重遠

    ○佐藤委員長 大分時間も経過いたしましたので、午前中の分はこの程度にとどめ、午後二時より再開の上、質疑を続行いたしたいと存じます。  これにて休憩いたします。     午後零時五十四分休憩      ――――◇―――――     〔休憩後は開会に至らなかつた〕