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1952-04-26 第13回国会 衆議院 建設委員会 25号 公式Web版

  1. 昭和二十七年四月二十六日(土曜日)     午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 松本 一郎君    理事 鈴木 仙八君 理事 田中 角榮君    理事 村瀬 宣親君 理事 前田榮之助君       淺利 三朗君    宇田  恒君       小平 久雄君    内藤  隆君       西村 英一君    三池  信君       福田 繁芳君    増田 連也君       池田 峯雄君    田中織之進君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君  出席政府委員         特別調達庁長官 根道 広吉君         建設事務官         (管理局長)  澁江 操一君         建設事務官         (住宅局長)  師岡健四郎君  委員外の出席者         建 設 技 官         (住宅局建築防         災課長)    村井  進君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 四月二十五日  道路法改正案中特別負担金の條項削除請願外  一件(笹山茂太郎紹介)(第二三七〇号)  同(山本猛夫君紹介)(第二三七一号)  同(河野謙三紹介)(第二三七二号)  同(圖司安正君紹介)(第二三七三号)  同(河原伊三郎君紹介)(第二三九八号)  同(西村英一君紹介)(第二四二三号)  同(石原圓吉君紹介)(第二四二四号)  同外三件(坪川信三君紹介)(第二四二五号)  鍋田川に国直轄改修工事施行請願江崎真澄  君紹介)(第二三七四号)  木曽川下流改修工事促進の請願江崎真澄君紹  介)(第二三七五号)  秋法、放森間産業道路開設の請願大石武一君  外一名紹介)(第二三七六号)  河川の水利使用許可権国家移管反対等に関する  請願(小澤佐重喜君紹介)(第二四二六号)  下田より下河津、上河津を経て天城、湯ヶ島温  泉及び修善寺に至る間を産業観光道路として改  修工事施行請願(畠山鶴吉君紹介)(第二四  二七号)  下田、南崎間を産業観光道路として改修工事施  行の請願(畠山鶴吉君紹介)(第二四二八号)  伊豆半島一周観光循環道路開設の請願(畠山鶴  吉君紹介)(第二四二九号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公共工事の前拂金保証事業に関する法律案(内  閣提出第一五〇号)  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使  用等に関する別措置法案(内閣提出第一六四  号)  耐火建築促進法案(鈴木仙八君外十三名提出、  衆法第三四号)     ―――――――――――――
  2. 田中角榮

    ○田中委員長代理 これより建設委員会を開会いたします。  本日は委員長不在でありますので、私がかわつて暫時委員長の職務を行います。  日程に従い日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案、内閣提出第一六四号を議題といたします。  本案につきましては昨日質疑を終了いたしております。これより本案につき討論に入ります。討論は通告順によつてこれを許します。前田榮之助君。
  3. 前田榮之助

    ○前田(榮)委員 私は日本社会党を代表いたしまし、本案に反対するものであります。詳細は本会議で説明申し上げますが、大体簡単に申し上げますと、日米安全保障條約そのものの締結については、日本が独立をした後に対等の立場でやるべきものであつたものを、取急いでこういうようなことをやつて、日本を隷属的な立場に置いて、国内におけるいろいろな法規が今制定されようとしておるのでありますが、農地その他土地、建物等を強制的に取上げる、こういう案については、日本社会党は反対であることを表明いたします。     〔田中委員長代理退席、委員長着席〕
  4. 松本一郎

    ○松本委員長 池田峯雄君。
  5. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 私は日本共産党を代表いたしまして、反対の意思を表明するものであります。この法律は名目だけとはいいながら、日本が独立し、その独立後に施行される法律であります。しかるにこの法律は日本国民のための法律ではなくして、明らかにアメリカ軍のための法律なのであります。すなわち駐留軍の用に供するために、日本の農民の土地を無制限に、無期限に使用せしめ、収用するという、そういう法律なのであります。そもそも日本国とアメリカ合衆国との間に結ばれた行政協定なるものは、これは明らかに條約でありまして、国会の承認を経るべきものであるのでありますが、国会の承認なくして政府がかつてにきめた行政協定は、明らかに無効であります。そういう無効な行政協定にのつとりまして出て来ましたところの、土地等の使用等に関する特別措置法案、これはまつたく憲法上提出すべからざる法律を提出して来たのでありまして、そういう意味からいつて、まず反対をしなければならない法律であるのであります。この内容を見まするに、政府の答弁によりますと、占領軍が今まで収用した土地をあらためて使用、収用する、そういう措置であつて、新たに農地等を収用することはまずないであろう、こういうような答弁でありますけれども、この法律の中にはそういうことがないということを保証する何ものもないのであります。アメリカアジアにおいて非常な野望を持つておるということは周知の事実でありまして、吉田内閣が共産主義国に対抗してアメリカと一体となつてアジア共産主義勢力に立ち向かおうという政治的、軍事的意図は、もはやこれは明らかなところでありまして、日本はアメリカアジア征服の第一線基地であるのであります。従いまして、その第一線基地としての役割を日本が果すためには、日本が沈まざる航空母艦になるのでありまして、そのためには今後幾多の農地、莫大な農地が飛行場その他の軍事基地に接収されるであろうということは、これはもう言うをまたないところなのであります。そうしてそういう基地があるために、日本国民は再び空襲等によつて莫大な被害をこうむらなければならないであろうこともまた言うをまたないのであります。しかしてこれら基地の周辺においてはどういうことが起つておるかというと、アメリカの兵隊のために日本の娘さんたちが春を売つている。そういうみじめな姿が至るところに見られるのであります。さらにまたこの基地内に働いている日本の労務者たちは、王者のようにふるまつているアメリカ兵に奴隷のごとくこき使われている。そういうみじめな姿であります。こういつた姿が日本の各所につくられて行く。そういう基地をどんどんつくつて行こうというこの法律に対しまして、われわれは絶対反対するものであります。なおまた政府の一部においては、土地等を収用される農民に対しては補償をするというようなことを宣伝されておりますけれども、そういう補償をするという政府の熱意の一かけらもわれわれはこの審議の途上において発見することができなかつたのであります。農林省では標準一町一反の農家に対して二百万の補償をするというようなことを言つておりますけれども、昨日の私の質問に対して岡野国務大臣は、さようなことは私は聞いたことがない、閣議においても問題になつたことがない、こういう答弁でございました。この一事をもつていたしましても、従来とまつたくかわるとなく無慈悲に土地を取上げられ、そうしてまつたく目くされ金で土地をとられた農民は、こじきのようにその土地から追い出されて、みじめな生活をしなければならないのであろうということは、当然考えられることなのであります。そういう意味合いにおきまして、私どもはこの法律に絶対反対するものであります。
  6. 松本一郎

    ○松本委員長 四村英一君。
  7. 西村英一

    ○西村(英)委員 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま上程されておりまする日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案に対して賛成の意を表するものであります。行政協定の実施に伴いましてアメリカ軍がわが国に進駐いたしますときに、わが国の安全と平和とを確保いたしまするために、わが国がこれに積極的協力をするのは当然であります。その場合に、土地、家屋等の使用につきまして、政府もたびたび説明がありましたように、国民の自由意思によつて、随意契約をもつて大部分のものは処理するけれども、万やむを得ない事情が起りましたときには現在の収用法並びに本法律案によりまして処置をいたしたいというのでありまして、私はかような意味におきまして、私権を十分重んじまして、やむを得ない事情の起りましたときにはこの法律案によることが適当と思いまするために、賛成の意を表するものであります。
  8. 松本一郎

    ○松本委員長 村瀬宣親君。
  9. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私はただいま上程せられましたこの法律案に対し、改進党を代表いたしまして反対の意を表明せんとするものであります。  連合国による日本の占領は、明後二十八日平和條約の効力発生とともに終了し、徴発に基く施設及び区域の合衆国軍隊による使用もまた同時に終了し、従つてその後は合衆国軍隊による施設及び区域の使用は、それぞれの政府が平和條約、安全保障條約及び行政協定に基いて有する権利を條件として両政府間の合意に基いて新たに発足すべきものであることは、行政協定第二條に明記せられたところであつて、日米安全保障條約は集団安全保障という両国の共通の利益のために互いに相手方を信頼して、その基礎の上に結ばれたものである以上、この安全保障條約を実施するための行政協定も、当然このような日米両国民間の関係を助長するものでなければならない。しかるにこの法律案は、鬼面人を驚かすがごとき伝家の宝刀としての効用を期待してつくられたものであつて、その意図するところは駐留軍の威圧によつて、土地、建物等の使用または収用を暗黙のうちに強制する結果となるのでありますから、むしろ私は條約上の業務をわが国が履行するには、土地については現行の在地收用法により、建物その他の施設については簡単穏健なる便法を講ずることが、日米両国民間の和解と信頼を深めるゆえんなりと信じ、本法案に反対をするものであります。
  10. 松本一郎

    ○松本委員長 田中織之進君。
  11. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私は日本社会党第二十三控室を代表して、日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案に対し、反対の意思を表明するものであります。  元来この法案の提出自体が、われわれ憲法違反の疑いがあるという見解を持つております。と申しますのは、憲法第七十三條の規定によりまして、安保條約に基く行政協定は当然国会議決を経なければならないものであるにもかかわらず、今回行政協定が実施の段階に入ろうとしておるにもかかわらず、この基本である行政協定国会の審議に上つておらない。従いましてこの行政協定に基きまして提案せられた本特別措置法案の提出自体に、われわれが憲法違反の疑いを持つておるものだ、かように考えるのが反対の第一点であります。  さらに本案の内容を見ますると、総理大臣権限によりまして、強制的に土地、建物の使用または収用が行われるのでありまして、これに対する確実なる補償が何ら約束されておらない。この点は憲法第二十九條において嚴として保護せられておりますところの国民の財産権に対する不当な侵害といわなければならないと思うのであります。これが反対の第二点であります。  さらに第三点といたしましては、今回の安保條約及び行政協定は、吉田政府の説明によりますと、信頼と和解のきわめて寛大なる講和條約に立脚するものであるというにもかかわりませず、また占領状態から脱却して、独立の段階に入るにもかかわりませず、かかる強権的な形で国民の財産権でありますところの土地の使用及び収用が行われるということは、その根底になつておりますところの和解と信頼という点において、われわれ多大の疑いを持たざるを得なくなるわけであります。  かかる観点から、すでに現在において駐留軍関係の土地収用は一億四千五百坪の厖大な地域に上つており、建物が百三十六万坪、開拓地関係三千町歩、既耕地千三百町歩に及んでおるものが、さらに行政協定の実施段階に入りますと、いよいよこの地域が拡大せられる危険を包蔵いたしていると、われわれはかように思います。しかも一方において日本政府が、警察予備隊の増強によりまして実質的な再軍備を強行いたしております関係から、ことに演習地その他駐留軍用のものとして確保されたものが、駐留軍のみならず警察予備隊においてもともに使用するというような関係からいたしますならば、今後日本の再軍備による土地、建物等の国民の権利の収奪が、この法律によつて駐留軍用の名において行われる、きわめて危険なる状態を包蔵しておるのであります。しかもこの補償が国民の血税によりましてまかなわれるという点から考えまして、憲法を無視して、外国のための軍事基地を国民の負担において行おうとする底意の明白なる本法律案に対しましては、わが党といたしましては断固として反対するものであります。
  12. 松本一郎

    ○松本委員長 これにて討論は終局いたしました。  ただいまより日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案、内閣提出第一六四号について採決いたします。本法案を原案の通り決するに賛成の諸君の御起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  13. 松本一郎

    ○松本委員長 起立多数。よつて本案は原案の通り可決いたしました。  なおお諮りいたします。本案に関しまする委員会の報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 松本一郎

    ○松本委員長 御異議なきものと認めます。さようとりはからいます。     ―――――――――――――
  15. 松本一郎

    ○松本委員長 次に耐火建築促進法案、鈴木仙八君外十三名提出、衆法第三四号を議題といたし、これより質疑に入ります。質疑は通告順にこれを許します。池田峯雄君。
  16. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 耐火建築を促進するという法律を出すに至りましたいろいろの客観條件があろうかと思うのですが、これをまず承りたいと存じます。第二條に「防火建築帶は、都市の枢要地帯にあつて、」こうなつております。しからば都市の枢要地帯とはどういうものでありますか。各官庁などはいずれも鉄筋コンクリートの耐火建築になつております。従つて官庁の所在地が枢要地帯であるといいましても、ここはすでに耐火建築になつておる。しからば銀座通りとか、田村町の通りとか、こういうところが枢要地帶であるのかどうか。枢要地帯とするならば、何が基準でここが枢要地帯であるのか、こういう点を承りたい。
  17. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 御質問にお答えいたします。これは別に官庁街というものではありません。都市の構成上、経済上あるいは建築密度関係で十分に枢要と考えるところが多々あると思います。
  18. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 つまり枢要地帯というのは、たとえば電車通りのようなところが枢要地帯になるのか。それとも貧民の住宅が密集している。従つて防火上どうしてもここを耐火建築にしなければならぬというような観点に立つのか。その点がはなはだあいまいなのでありますが、たとえば銀座通りを枢要地帯だとすると、それでは銀座通りにはどういう建物が並んでおるかというと、洋品屋であるとか、食堂とか、あるいはキヤバレー、あるいはパチンコ屋、こういうものがずつと並んでおる。最近では銀座の一流店がパチンコ屋を始めた。新橋辺でも相当優秀な建物がパチンコ屋をやつておる、こういうパチンコ屋などの密集している地帯が、都市における枢要地帯になるのか、それとも三河島近辺の非常に小さな家屋の密集している地帯が枢要地帯であるのか、ひとつこの点をお伺いしたいと思う。
  19. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お答えいたします。ただいま池田さんがおつしやつたような、言いかえれば銀座街などの都心はこの法の精神として大体省くようになつております。あなたのおつしやる三河島のように、家屋の密集しているところが、やはり勤労大衆も多いし、いろいろ不燃性でないものがある。万が一火災を起した場合には、一挙にしてその辺が焼け野原になつてしまう。そういうふうなものを防火の関係上努めて取入れるというのがこの法律の精神でありまして、最初からそれは論議になつておりましたが、大体銀座方面の大きな建物のあるところは、火災の度合いも少くなるのだろうという考えで、あまりそこには防火帯をつくらないということを考えております。
  20. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 そういたしますと、都市の枢要地帯というのは一般に言われる政治的、経済的、社会的中心である所というのじやなくて、むしろ住宅が密集しておる、しかも燃焼しやすい材料によつてつくられた住宅が非常に密集しておる地帯、これが都市の枢要地帯というふうに理解するのでしようか。そういうことになりますと、従来の枢要地帯という概念から申しますと、言葉の使い方が少し不正確なのではあるまいかというふうに考えられるわけです。社会通念からいつて都市の枢要地帶といいますと、たとえば東京都においては丸の内とかあるいは霞ケ関とか、こういうところが都市の枢要地帯になるのであつて、浅草とか三河島とか、こういうところは都市の枢要地帯というものにはならないのじやないだろうか。あるいはまた工業都市の枢要地帯とは工場が密集し、その工場の周囲に工場労働者の住宅が密集している地帯ということが考えられるのでありまして、枢要地帯なるものの定義をもう少し明確にお示しを願つた方が将来のためにもいいのじやなかろうか、こう考えますので、この点もう一ぺん御説明願いたいと思います。
  21. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お答えいたします。もちろん銀座丸の内も都市の枢要地帯であります。同時に都市の構成上、あなたのおつしやる浅草だとか三河島方面ももちろん枢要地帯にこの法律の精神からは考えて行きたいと思いますから、御了承願います。
  22. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 従つてこの第二條を実際に行つて行く場合に、「都市の枢要地帯にあつて、地上階数三以上の耐火建築物が帯状に建築された防火帯となるように造成されなければならない」ということになりますと、東京とか大阪とか名古屋とかいうところは、全部そういうものにならなければならない。そうしますとこれは莫大な金がいるわけですが、それに対して予算はわずか二億円出すという。二億円の予算で少しばかりの補助金をもらつて、しかもこれが防火建築をやらなければならない地帯だということになると、個人の負担ははかりしれないほど大きなものになるのであります。従つてそういつた問題を解決する方途は那辺にありや、この点に対して提案者の抱負の一端でも承つておきたいと思うのであります。
  23. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お答えいたします。なるほど御説のように予算とにらみ合しまして、きわめてこれが問題になつたのでございますが、これはやはり重要なところから一つずつでも片をつけて行きたいというのが精神でございます。
  24. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 そういたしますと、具体的に鈴木さんがこの法律を執行するとして、東京ではまずどこに第一番に目をつけて事業を始めようとお考えになりますか。
  25. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 私たちの考え方は東京なら大体中心部は火災の発生をするおそれが少いと思います。それより中心を少し離れて、周囲の密集地帯から片をつけて行きたい、一つずつでも火災を防ぐように持つて行きたい、かように考えております。
  26. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 そういたしますと、具体的に三河島には非常に小さなみじめな棟割長屋、背割長屋が密集しておるところがありますが、ああいうところを防火建築帯というふうに指定するといたしますと、ここに鉄筋コンクリートのアパートのようなものをつくる場合の個人の負担はどういうことになり、区、都の負担はどういうことになり、国はどれだけの補助をすることになるのか、そういう点を一つの例によつてお示し願えればはなはだ好都合だと思いますので、この点を御質問いたします。
  27. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お答えいたします。ただいま池田さんのおつしやる三河島方面の棟割長屋というようなところは、不良住宅の改良事業で措置が講じられると思うのでございますが、これは不燃性のものを建てられる人に、まずその重要な度合いから補助をするということにすれば、幾らか違うのじやないかと思うのです。またそういうことで補助をしたことによつて棟割長屋などが火災をよけることには十分なりますから、それはいろいろな点をにらみ合せてやつて行つた方がいいと考えております。
  28. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 とにかく国の予算が非常に少いのでありますから、それを全国に実施するということははなはだむずかしいことであろうと思うのでありますが、さしあたつてあの二億円の金を東京、大阪、名古屋その他にどの程度に配付する予定でございますか、政府の方にこの点をお聞きしたいと思います。
  29. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 まだ地方からの希望も出そろいませんので、その希望が出そろいました上で、最も効果的な地点から、この初年度としましてはまことに予算も少額でありますので、最も効果的な使い方をして指定して行きたいと考えます。
  30. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 最近政府の施策一般を考えますと、非常に戦争を予期し、それに対する対策を種々講じているように考えられる。警察予備隊しかり、また今この委員会を通つた日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法というようなもの、これも明らかにアメリカが日本をアジアにおける侵略戦争の第一線基地として装備しようという建前から出ているように考えられる。また政府が北海道等に対して非常な予算的措置を講じておる。たとえば道路にいたしましても北海道の道路はほとんど全額国庫負担でやる。こういう点から考えてみましても、一旦緩急ある場合は、たとえば焼夷彈や爆彈などが落ちたときに家が焼けないようにしたいという建前から、予算を重点的に重要都市、重要箇所に配付して行く、焼夷彈や爆彈等を予想して配付して行く、そういうことになると、鈴木さんの意図はあるいは三河島の住宅地帯かもしれないけれども、しかしながら実際に配付する場合においては、あるいは防火地帯を指定する場合においては、そうではないところの重要地帯、枢要地帯に予算を配付するようなことに結果としては相なるのではあるまいか、こう考えられるのでありまして、この点についての政府の意見を聞いておきたいと思います。
  31. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 ただいま御指摘のようなことは、政府側といたしても毛頭ないつもりでございます。この耐火建築促進法の趣旨にのつとりまして、その都市の防火上最も必要であるというその必要性を十分に勘案しまして、必要な地点を指定して行きたいと考えております。
  32. 池田峯雄

    ○池田(峯)委員 私の質問は終りました。
  33. 松本一郎

    ○松本委員長 村瀬宣親君。
  34. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は将来の運用についてお伺いいたしておきたいのであります。当委員会でいろいろ熱心に審議をして参りました点は、いずれも国土の再建に最も重要な法案ばかりであることは自他ともに認めているところでありますが、これをまた別の見方からいたしますと、ひとり都市偏重の法案ばかりを建設委員会は取上げているのでないかという見方をする者もあるのであります。たとえば先般通過いたしました十五億円の道路整備特別措置法、いわゆる関門トンネル等をつくろうという法案も、それがたとい預金部資金から出ようとどこから出ようと、国の資金計画の一環であつて、その十五億は将来は百億にもなるでありましようが、それが潤うところは都市であつて、農村にはほとんどこれらの均霑は期待されないという状態であります。この防火法案も、金額はわずかに二億でありますが、きわめて大事なものである。将来の運営にあたつてむろん防火は都市を中心にすべきではありますが、提案者におかれてはいわゆる地方への防火施設の均霑という点にどういう構想を持つておられるか、この際伺つておきたいと思います。
  35. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 お答えいたします。大体この法案を作成いたしますについて、私自体も公平な分布という観点から考えておりまして、東京、大阪あるいは今までの大都市にこれを重点的にやるという考えは毛頭持つておりません。地方の中小都市にどんどんこれをやりたいという精神でやつております。
  36. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 提案者のお考えは私非常に満足であります。  そこで次に伺つておきたいことは、はからずも鳥取の大火がありまして、百七十数億の損害といわれておるのであります。今提案になつております法案の審議の途中において突発した大火でありますが、この鳥取火災に対する本法案の適用が最初の計画とどういうふうになつておるか、さらに砕いて申しますならば、二億円の予算のうち鳥取へどのくらいさかねばならない結果になる予定でありますか、この際伺つておきたいのであります。
  37. 鈴木仙八

    ○鈴木(仙)委員 鳥取の火災の問題に対する予算の配分ということは、この法案と離れて別に考究するかどうか、まだ研究中だそうであります。
  38. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 この際政府委員に伺つておきたいのでありますが、別と申しますのは、いわゆる公共事業費のわくはことし大体きまつておるはずでありますが、あるいは八月ごろの通常国会における優先的な補正予算の了解ができたという意味でありますか、それとも先般通過いたしました二十七年度予算のうち、どの部面を充てるということになつているか、政府側の御答弁を願います。
  39. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 鳥取の復興につきましてもこの法律案が通りますれば、もちろんこの法律によりまして防火建築帯の指定をしまして助成をして行くことに相なろうと思います。二億円の使用の問題になりまするが、これは一応はもちろんこの二億円から助成金を出して行かなければならぬということを考えます。ただ当初におきましての計画としましては、この鳥取の方には初め希望がありませんでしたので、入つておりませんですが、こういう災害が突発しましたので、二億円からやはり一部をさいて出さなければならぬのではないかと考えております。
  40. 淺利三朗

    ○淺利委員 ちよつと今の質問応答に関連して当局に確かめておきたいと思います。ただいまの予算は二億円でありますが、これは過去の災害なり、あるいは現状を基礎として最小限度の予算を見ておる。もしこれが将来鳥取のごとき突発事件が次々に起るということで、その都度既定予算をさいて出すということになりますれば、せつかく計画をしたことが画餅に帰してしまうおそれがあります。でありまするから、むしろ鳥取の場合のごときは、法案の適用は当然でありまするけれども、予算措置としては別個に新たなる予算を追加でとるとか何とかしてやるのが適当じやないか、そうしなければ何年たつても、このりつぱな法案ができても、この目的が達成せられないということになると思います。  それと同時にもう一つ当局の意見をお聞きしておきたいことは、洪水の場合の災害に対してはある程度の予備費が認められておる。過年度災害のほかに当年度の災害に対する予備費というものが計上されておる。日本の現状を見ますれば、年々火災のために焼失する家屋が非常に多いのであります。一方において住宅政策として公営住宅なり、あるいは住宅金融公庫によつてこの緩和をはかつているにかかわらず、毎年の災害が非常に多い、こういうもの見込んで、いろいろの施設をしたと申しまするけれども、しかし鳥取のごとく突発的に非常な災害が起つて来るということになると、この既定計画というものはくずれて来る。でありまするから、住宅政策の一環としても、この年々起るところの新たなる災害統計というものはわかつております。大体これを目安として、住宅に関する予備的の予算を獲得しておくという必要はないか、そういうことについて政府はお考えになつておるかどうか、この点をひとつお聞きしておきたいのであります。  なおついででありまするから、もう一つ政府当局にお尋ねしておきたいことは、この現在の予算はわずかに二億円程度でありまするが、せつかく防火地帯として指定されておつても、その額が少いためにかえつて住宅の建築を阻害するという結果になると思うのであります。これは先刻池田委員からもその意見があつたようであります。この際において政府、ことに住宅局長は新たにその職責につかれたのでありますから、この法案成立後におきましては、政府が真にこの防火建築を普及するように格段の熱意を持つて、予算獲得に絶大の力を注いでいただかなければ、この法律ができたために、かえつてこの防火地帯における建築の新築を阻害するという結果になると思います。予算の補助をもらえるならばもらつてからやりたいということで、今年建てようとした者でも来年に見送るというようなことになれば、かえつてこの住宅の建設なり、あるいは事務所の建設その他の建設を阻害するということになりまするから、そういうことになつたならば、この法律ができて、かえつて日本の発展を阻害するということになりまするから、真にこの法律の精神を生かすならば、ぜひとも政府当局におきましては予算措置について格段の努力を願わなければならぬと思うのであります。これに対する政府の御決意のほどをあわせて伺つておきたいと思います。
  41. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 防火建築帯の指定がその都度災害等によりまして変更をされるというようなことがありましてはならぬことは御指摘の通りでございまして、防火建築帯の指定は全国にわたりまして、また将来を予見いたしまして、一貫した方針でやつて行きたい、かように考えております。災害が出ました場合に、その災害地域に防火建築帯が指定されておりません場合の措置が問題になると思うのでありますが、これはちようど会今度の鳥取の災害がまさに適例なのでありますが、かような場合には急速に防火建築帯を指定いたしまして、再び災害を繰返さないようにいたしたいと考えておりますが、その場合の予算措置といたしましては、先ほど御説明しました通り、一応はすでにきまりました予算の中できめて行かなければなりませんが、さらにそういう災害の場合には、この法案にも四分の一を三分の一とするという規定もございますから、さらに予算の必要が生ずると思いますので、さらに予算の獲得につきましては、その都度関係方面と折衝いたしまして、一層防火建築帯の充実ということに努力して行きたい、かように考えております。
  42. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は本法案の重要性を認めるものでありまして、これで質問は打切りますが、最後にこの法案と最も関係の深い問題として、今回新たに就任されました師岡住宅局長の本委員会の初出席に対し御方針を伺つておくことが、本法案の運営の上にきわめて大切であると思うのであります。これは日本が火災亡国にもなりかねないということは、今度の空襲でも体験をしたことであり、マツチ箱のような日本家屋の構造からしてやむを得ない点とはいいながら、局にあるものはこれをどうやつて防ぐかという根本的な施策がなければならないと思うのであります。これに対し本法案のごときは第一歩を踏み出したのでありますが、新任の住宅局長にはどういう御抱負を持つておられるか、たとえばいわゆる防火鉄筋の建物を日本に充満さすということは理想でありますが、資金資材の面で容易に短日月でできることではありません。そのほかにどういう方法があるか、あるいはこの一定の建物に対しては法律をもつて一つの火災報知機というものを必ずつけさす。建築と同時にそれを十分監督するというような、一つの効果ある方法を法制化するというようなことも、一つの施策であると思うのであります。その他いろいろあると思うのであります。あるいは都市計画において非常に幅の広い道路をつくつて、その市街をブロツク別にして、かりに大火があつても一ブロツクでその火事をとめてしまうというようなことも一つの方法であります。それから全般を通じて有機的な計画を、新任住宅局長はどのようにお持ちであるか、この際御抱負を伺つておきたいと思うのであります。
  43. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 日本の都市の大部分は木造でできておりますために、一たび火災が発生いたしますと非常な大火に陥るので、日本都市の不燃化ということはすでに戦争前からも叫ばれておりましたし、またこの戦争による災害に基いて、一層その必要性を痛感されるに至つたわけであります。さような必要からこの耐火建築促進法案が提案になつたものと考えるのであります。もちろんただいま御指摘の通り、この耐火建築促進法案では、不燃化の真に十分な手段とはまだ言いがたいと思います。もちろん都市の不燃化のためには、この耐火建築促進法案をさらに一段と拡充し、押し進めるとともに、他面現在の消防施設その他の防災施設を充実する。また都市計画の面におきましても、防災的な見地におきましていろいろな施設が講ぜられるわけでありますので、かような諸般の施設を総合いたしまして、真の都市の不燃化を実現しなければなるまいと考えます。私が前に住宅局におりました当時から、この問題が取上げられておつたわけでありますが、局長といたしましてはまだ就任日が浅いので、これをどういう具体的な手段によりまして総合し、充実して行くかということについては、まだ申し上げる程度に至つておりませんが、大きく申し上げまして、ただいま申し上げましたように都市の不燃化の総合、充実という点につきましては、ぜひとも今後一層の努力をもつてこれに向つて行かなければならない、かように考えております。
  44. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 火災報知機の法制化は考えておりませんか。
  45. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 これは消防法の規定に基きまして、條例をもつて設置が規定されております。
  46. 松本一郎

    ○松本委員長 田中織之進君。
  47. 田中織之進

    ○田中(織)委員 小委員会で相当練られた結論でありますから、多くをお伺いしなくてもよいと思いますが、関連して主として政府委員に一、二お伺いしてみたいと思います。これはいわば耐火建築促進法と銘打つた法律ではありまするけれども、耐火建築促進のほんの一歩を踏み出すだけの意味しかないことは、出発点でありますからやむを得ないとは思いますが、一つのモデル・タイプをつくつて行くという意味合いにおきまして、防火建築帯をつくつて行くという考え方にはわが党としても賛意を表するのであります。しからばその防火建築帯に建築されますところの耐火建築の資材の問題、その他の関係が出て参るのでありますけれども、いわゆる耐火ブロツクその他鉄骨、鉄筋コンクリート、いろいろの耐火建築の方法があると思うのですが、そういう方面の耐火建築資材の認定の問題を、建設省としても従来からやつておられると思うのでありますが、この法律の制定に伴いましてそういう方面の施設を一段と拡充しなければならないと私は思うのであります、都市の枢要の地帯だけに防火建築幣がこしらえられるということだけでは、この法律の名称にもなつておりますところの耐火建築促進ということのほんの一部分にしかすぎないのでありまして、私は耐火建築促進という観点から申しますと、むしろ耐火建築資材の生産の拡充の問題であるとか、あるいはその資材が確実に耐火の目的を達するかどうかというようなことについての厳重な検査、あるいはそういうものを生産するための指導という方面に力を入れなければならないと思うのであります。現在建設省としてそういう面においてどういう御処置をとつておられるか。また今後この法律の制定と関連をいたしまして、その面を強化せられる御方針であるか。この点を伺つておきたいと思います。
  48. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 建築物を耐火的にするために耐火建築資材の研究をする必要があることは御指摘の通りであります。これにつきましては、従来建設省では建築研究所におきまして相当研究をいたしておるわけでございます。だんだんといいものもできております。またこれは資材的に構造的に検討いたしておるわけであります。
  49. 田中織之進

    ○田中(織)委員 私はこの法律が制定される機会に、むしろそういう方面についての耐火建築資材の生産の確保、その他の面に重点を置かなければいかぬ。それは同時に、建設省において先年から進めております住宅金融公庫関係において建設されるものにおきましても、この法律がねらつておりますところの――ことに第一條にある火災防止、耐火という点を生かして行くために、国としての政策をやはり講じて行かなければならないのではないかと私はかように考えておるのであります。最近は市営住宅あるいは県営住宅等の建設も相当進められております。しかしわれわれの見受けるところ、なかなか耐火という点についての力の入れ方、またそういう方面への指導が欠けておる。今度の鳥取の大火のような場合においても、都市の一区画に防火建築帯をつくることによりまして、その範囲を局限する効果のあることも、われわれは十分認められるのでありますけれども、住宅政策の見地から見ますならば、私はこれから建設せられて行きます公共の建物、あるいは公営の住宅あるいは民間人の立てる住宅におきましても、十分その趣旨が盛り込まれなければいけないと思うのであります。その面においては今後どういうように処置されて行く考えであるか。特に住宅金融公庫の関係において、耐火的な設備というより耐火建築の趣旨をどこまで織り込んで行く御方針であるか、その点だけ重ねて伺つておきたいと思います。
  50. 師岡健四郎

    ○師岡政府委員 住宅金融公庫の個人の分につきましては、現在のところは個人の意思を尊重いたしまして、必ずしも鉄筋でなくともさしつかえないということにいたしております。しかし住宅金融公庫法全体の建前といたしましては、貸付資金の三〇%以内までは耐火建築の賃貸住宅ができるようになつておりますので、全体としまして、耐火建築の促進という見地が盛り込まれておるように考えております。
  51. 村井進

    ○村井説明員 ただいまの局長の御説明に少し補足して参ります。田中委員のおつしやいましたことは、まことにごもつともなのでございまして、私ども技術を担当いたしております者といたしましては、極力資材を使わないように、またできるだけ安い耐火建築ができるようにということに努めているわけであります。最近研究が進められまして、私の方の技術研究所におきましても、実物大の建築の震動実験をいたしまして、その耐震性につきましても、相当自信を持つて参りました。いわゆる組立て鉄筋コンクリート、あるいはコンクリート・ブロツク造あるいは軽量コンクリートを使いました鉄筋コンクリート、こういつたものを極力押し進めて参りたい。ただいままで普通鉄筋コンクリートといわれておりましたものは、鉄にいたしまして坪当り三百キロ内外、セメントにいたしまして六百キロから八百キロ内外を使つておりましたが、かような工事をいたしますと、鉄の方は百五十キロ内外で、約半減いたします。それからセメントの方も大体四百キロ内外で、これも約半減いたすわけであります。かようなことで、従つて建築費の方も安くなつて参りまして、私の方でいろいろ見積りました結果から申し上げますと、大体五万五千円内外である程度のものはできるのじやないか、そういうところまでこぎ着けて参りました。さらに一歩進めまして、さらに安くなるように努力して参りたいと思います。なおまた御指摘のございました材料の品質につきましては、日本の工業標準化法によります工業標準の制定をできるだけ行いますようにつとめておるのでありますが、この方は通産省とわれわれの方と密接に連絡いたしまして、優良品の選定をいたすようにいたしております。かようにいたしまして、私どもといたしましては、できるだけ耐火建築が普及して参りますように、要するに安くていいものが手に入るように、だんだんに進めて参りたい、かように考えまして、それに努めている次第であります。
  52. 田中織之進

    ○田中(織)委員 先ほど淺利委員からも、政府に対しての予算的な処置についての要望があつたわけですが、私も、この防火帯建築の希望というよりは、むしろ建設しなければならない必要のあるところはどんどんこれを進めて行くということにいたしまして、必要な予算が刻々に増額されて行くような方向に向いて進んで行くために、この法律ができた以上、政府の方で、特に事務当局の方で、そういう方面の準備を進めていただきたいと思います。  さらに私がお伺いした点によつてややはつきりして参つたのでありますけれども、防火建築帯以外の部面に、いかにして耐火建築を普及せしめて行くかという観点から来るところの資材の生産あるいは品質の向上、価格の引下げというような面について、やはり国としての適切なる財政的な援助がなければならないと私は思います。そういう点について、事務当局の方、また技術研究所の方で、そういう方面の準備が整えば、この法律にそういう面を織り込むことによつて、政府は、財務当局において当然必要な予算的措置を講ずるような方向にこの法律をよりよく発展せしめて行くということも可能だと思います。事務当局においては、この法律ができたことだけで満足せずに、やはりそういう方面の準備も進めていただきたい。幸い住宅局長も新しく就任せられたのでありますから、ひとつそういう建設的な面に積極的な努力を拂つていただきたい。そうでなければ先ほど池田委員が指摘いたしましたように、日本が再び職場化することに対してそれに対応する一種の何か局部的な措置のような印象を、池田委員のみならず私らとしても受けざるを得ない。もしこれだけでとどまるならば、そういう印象を拂拭することは不可能だと思う。そういうことのないことを私も確信いたしますけれども、この法律の第一條においては、やはり耐火建築を促進するという二とがねらいのようでありますし、それを促進する一つの方法をこの法律は具体的に規定したものであるということをひとつ十分認識せられまして、今申し上げた点についてせつかくの努力をせられんことを強く要望いたしまして、私の質問を終ります。
  53. 田中角榮

    ○田中(角)委員 動議を提出いたします。本法律案は、当委員会において小委員会を設けて十分審議の上、結論を得て立法せられたものでありますから、以上をもつて質疑を終了し、討論を省略して、採決せられんことを望みます。
  54. 松本一郎

    ○松本委員長 ただいま田中角榮委員より、質疑を終了し、討論省略の上、採決に入るべしとの動議が提出されましたが、田中君の動議に御賛成の諸君の起立を願います。     〔賛成者起立〕
  55. 松本一郎

    ○松本委員長 起立多数。よつて田中角榮君の動議は成立いたしました。  これより耐火建築促進法案につき採決いたします。本案を原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  56. 松本一郎

    ○松本委員長 起立多数、よつて本案は、原案の通り可決すべきものと決しました。  なおお諮りいたします。本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  57. 松本一郎

    ○松本委員長 御異議なしと認め、さようとりはからいます。     ―――――――――――――
  58. 松本一郎

    ○松本委員長 この際お諮りいたします。日程を追加して公共工事の前拂金保証事業に関する法律案、内閣提出、第一五〇号を議題といたしたいと思いますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 松本一郎

    ○松本委員長 御異議なしと認め、日程は追加されました。  公共工事の前拂金保証事業に関する法律案につき、前会に引続き質疑を続行いたします。村瀬宣親君。
  60. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は、建設大臣に本案の骨子についてもう一度お尋ねをいたしたいのであります。前回もいろいろお尋ねいたしましたが、本田は特に建設大臣から御答弁を得ておきたいのであります。公共工事に前拂金を出して、請負業者をして工事をしやすくさせて、それによつて必要な再建の工事を進めようという立法の趣旨には、何人も反対するものではありません。ただ第十七條を見ますと、保証料のほかに保証基金を設けなければならないということになつておりまするが、この考えがどうもはつきりいたさないのであります。聞くところによりますと、請負業者は、銀行があまり正確にその内容を調査してくれないので、金融に非常に困る。それで高利の金を借りて、請負工事をやつておる。従つてこの法律案が通るならば、政府は一億円の工事は三千万円前拂いをただちにいたそう。そのかわりに保証料と保証基金を出せというのでありまするが、なるほど保証料というものはわかります。日歩一銭という政府の答弁でありますが、保証基金というのは一体保証料とどう違うのであるか。積み立てておいて、返すのであるか、返さないものであるか。これもまた日歩一銭だというのでありますが、この保証基金の本質はどういうものであるか。これをまず明らかにしていただきたいのであります。
  61. 野田卯一

    ○野田国務大臣 今の御指摘の金は、返す建前になつておるのであります。なお詳しいことは局長より補足させたいと思います。
  62. 澁江操一

    ○澁江政府委員 保証基金を保証料のほかに保証会社が徴収いたしまして、これを積み立てておくということにつきましては、先般来お話申し上げました通り、要するに、この保証会社の資本蓄積というものがただちに自己資本だけではいたし得ない、こういう関係になつて参りますので、その資本のほかに、蓄積されます保証基金を保証債務に対応します一つの積立ての基金といたしておりまして、いざ事ある場合資金源にするという建前でありまして、これはあくまでこの保証契約の当事者であります業者からの預かり金といたして、おおむね三年を経過すれば、十分な蓄積が行われる。それによりまして保証基金というものをそれ以上蓄み立てる必要のない段階が来るのではないかというふうに考えております。そうすることによりまして、保証基金の徴収というものも、将来においては保証料だけでもつて足りる状況に相なるのではないかというふうに考えておりますが、これはあくまで預かり金といたしまして、業者に対して将来、大臣がただいま申されました通り、返済されるべき資金、こういうことに考えておるわけでございます。
  63. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 いつ返すのですか。
  64. 澁江操一

    ○澁江政府委員 返済されるべき時期は、事業計画書ないしは事業報告書等によつて計画が立てられるわけでございますが、ただいま申し上げました通り、さらに先般も申し上げました通り、保証債務との関係においてその二十分の一の基金として蓄積されるならば、その後におきましては逐次これは返済される、こういうことになつて参るわけであります。
  65. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 その性質がはつきりしないのであります。二十分の一になれば、逐次返済されるというのでありますが、また預かり金だというのでありますが、しかし三年間は次々にとる、一種の保険会社によく似ておると思うのであります。そうすると保険料にたとえて申しますならば、実は日歩一銭でない、二銭だ。但し事故がなかつたら、そのうち半額は拂いもどすのだ、こういう性質のものでありまするか。そうであれば、三年間ずつと強制的に、預かり金であるがとめ置いておくのだというのは、随意契約で任意の契約ならどういう契約もできるわけでありますが、保証料の一つの変形のような感じが非常に深いのです。これはどういうところからこういう考えを持たれたわけでありますか。
  66. 澁江操一

    ○澁江政府委員 保証料は通例の事態においては、まず保証料を自己資本でもつてカバーし得るという計算の上に立つて、保証料の算定を日歩一銭ということにはじき出したのであります。しかして保証基金の方は、これも何回か申し上げておるかと思いますが、要するに、財界のパニツクでございますとか、あるいは経済界の非常な異変があつた場合の信用力の保持という観点から、この積立金制を、保険会社の運営等をも参酌いたしましてとりたい、こういう考えに立つておるのでございます。
  67. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 何回かお話になつたか知りませんが、何度聞いてもわからぬのであります。はつきりわかる御答弁ならば、何回も聞きはいたしません。積立金のように金を残しておくというのですが、これは保証料を適当にきめて、その中で利益があれば、積み立てて行けば、それでいいわけであります。別に保証料でもないが、人のものをそこへ置いておいパニツクのときにそれを充てる預かり金ではありません。預けた人間はたまつたものではありません。かつてに使われるかもしれません。そんな金ではないのであります。預かり金である以上は、パニツクがあろうが、何があろうが、返してもらう。こつちのものであります。何回かお答えがあつたかしれませんが、はつきりしないのでありますから、はつきり御答弁願います。
  68. 澁江操一

    ○澁江政府委員 保証料でこの保証基金に相当するものを合せてとるということになりますれば、保証料は当然会社のものでございます。これは将来契約者に返済される性質のものでない、こういう建前になります。この保証基金を今の積立金の性質という取扱いにいたしますならば、これは積立金として充実される場合には、業者に返済し得るものでありまして、その点において保証料を二倍に増額する場合と、保証基金で積み立てる場合とでは相当の相違があるのであります。これは預かり金ということによつて逐次そういう保証基金というものを積み立てて参りますれば、これは充実して参りますから、その後においてはこれを返済する、こういう建前にいたしておるのであります。その点は保証料は会社のとりつぱなしという点と違うのであります。こういうふうに考えております。
  69. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこで大臣はお聞きでありますが、どう思いますか。どうも官僚の方はとかく答弁をぼやかすのでありますが、私の言うのは、保証料を倍とればとかいうのではないのであります。保証料と保証基金とはどう違うのか、それは預かり金ですか。それでは通帳でも出しますか。そうしてこれは一ぺんだけで保証してもらう会社もあるでありましようし、ずつと三年間も五年間も続けて保証してもらう会社もあるでありましようし、その保証基金というのは、いわゆる強制されるものであるし、あなたの会社は何ぼ保証基金を預かつておりますと、通帳でも出すのでありますか。そうしてパニツクに使つても――使う使わぬは、預けたものだからかつてでありましようが、必ず返してもらえるものでありますか。その会社に利益がない場合には、返してもらえぬ場合もあるのでありますか。あるいは利子がつくか。三年といつても、いつ返してもらえるのか。要求によつて返すのか。どうなりますか。
  70. 澁江操一

    ○澁江政府委員 契約者に対しては預かり証を出すことにいたしております。それからなおこの基金に対しましてはこの法律の上でも税法上の特例を認めております。この会社の積立金に対しましては、税法上はこれを預かり金という取扱いからします特例を認めてもらう建前になつておるのでございます。そういつた点が保証基金の性格上資本蓄積の上に役に立つ、こういう考えに立つておるのでございます。
  71. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 何度もお聞きするようでありますが、そうするとそれは会社にとつて借入金でありますか、貸借対照表にどう出ますか、借入金として出るのでありますか。またそういうようなものが他に日本にありますか。
  72. 澁江操一

    ○澁江政府委員 他の例といたしましては、現在中小企業の信用保証制度がございますが、その信用保証協会の運営の上に、やはり同様の預かり金制度を認めております。それから貸借対照表の関係においては、預かり金というがごとき形でこれは整理されるというふうに考えておるのであります。
  73. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 次第に明らかになつて参りました。バランス・シートに預かり金で出る以上は、もつと早く言つていただけばそれではつきりしたわけであります。ほんとうの單純なパニツクに使うとかなんとかいうことになりますから、いかにも会社のもので使つてしまうという感じがしたわけであります。単純な預かり金ならそれでけつこうであります。但し利子がつくとかつかぬとかいう問題が残りますが、それはこの程度にとどめておきましよう。  そこで建設大臣にお尋ねをいたすのでありますが、この保証契約はいわゆる前拂金を受けようとするものには強制されるということになると私は思うのであります。その会社が絶対損害を與えることはないというような、何人が考えてもこの会社ならば絶対確実であるというようなものでも、なお日歩一銭の保証料と保証金とを納めなければ前拂いはしない、こういうことになるというのでありますか、はたしてそうでありますか。それからそうなりますと、一つの会社は、二つ以上つくりたいという御答弁ではありましたが、独占禁止法に抵触するような性格のにおいがして来るのでありますが、それらについてはどのように大臣はお考えでありますか。
  74. 野田卯一

    ○野田国務大臣 ただいまお話の絶対にこれは安全であるということ、それがむずかしいと思うのです。たとえば村瀬さんの会社なら村瀬さんは絶対だと言つても、われわれは絶対であるという解釈が実際問題としてつけられるかどうか。これは実際問題として困難ではないかと思います。名前をあげますとかえつて誤解を来しますが、そこに非常にむずかしいいろいろな問題があると思います。われわれはこの人までは絶対だ、この人からはあやしいということは実際官庁としてできない。そこに一つの制約があるような気がします。
  75. 澁江操一

    ○澁江政府委員 独禁法との関係におきましては、これはこの法案の立案の過程におきましても非常にその点を注意いたしまして、公正取引委員会等とも打合せをいたしまして、この制度は独禁法には抵触しないということの了解を得ておる次第でございます。
  76. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 この会社は配当制限を法律でしておりますか。
  77. 澁江操一

    ○澁江政府委員 配当制限はしておりません。
  78. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 どこかに保証料の拂いもどしが書いてあつたと思うのでありますが、配当制限をしないということになると保証料を拂いもとしてもらえる気づかいはありません。保証料をもらえるよりも、配当をふやす方がいいというのが株主の通念であります。その関係はどのようにお考えになつておりますか。
  79. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この保証料の拙いもどし、従つて爾後における保証料を底廉にするという関係と、それから一方における会社の配当を高率にするという関係と、しかも両面の会社運営上の問題が出て来るということは、これはあるいは考えられるかと存じます。会社に対します監督と申しますか、運営の上において私どもが考えておりますこと、できるだけ保証料は低廉にいたしたい。従つて高率な配当を確保するために保証の金額、保証料そのものが低廉に、また余地があるにかかわらず高率の配当が行われるというような点については、十分会社の監督の上について注意して参りたい、かように考えておるのでございます。
  80. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 その御答弁は完全ではありませんが、また質疑は続行するそうでありますから私は保留いたしまして次に進みます。  今までの御答弁から想像いたしますのに、この会社は数には制限がありませんが、大体関東に一つ、関西に一つというようなお答えがあつたのでありますが、相当国策会社的なにおいがし、政府に生殺與奪の権を持つた会社であります。同時に保証料や保証基金が日歩一銭とは言うものの、相当な掛金になるものでありますが、これらが積り積つてはある種のドル箱にならないとも限らない。聞くところによりますと、この保証会社の社長が元日産の某氏にすでに就任が大体きまつたということでありますが、それはまあ単なるうわさでありましようが、ともかくこれはあまり損をしない。やり方次第によつては、いわゆる建設大臣その他の手心いかんによつては相当もうかる会社だという感じがいたすのであります。その意味におきまして、しかも配当制限は全然していない。ただ監督の運用だけでやるのだというような点、また預かり金として強制的に保証基金を今後三年間はずつととめて行く。これは相当のものになるでありましよう。そこで保証料の日歩一銭の問題でありますが、これは一億円の工事を請負うと三千万円すぐ貸してもらえる。そういたしますと普通に四期にわたつて内拂いがありますが、もし工期が一年といたしますならば、三十万円のうち二千五百万円の工事ができたときに、二千五百万円は分割拂いをしないで、三千万円の四分の一を差引いたいわゆる七百五十万円を差引いた千六百何ぼを拂おう、こういうわけです。そういたしますると、前拂いの三千万円は、三箇月目には二千二百五十万円になる。その場合の保証料は、そのたびごとに期間と日歩一銭を区切つて出されるのでありますか、あるいわ最初から三千万円であるから、三千万円として日歩一銭を計算されるのでありますか。
  81. 澁江操一

    ○澁江政府委員 お尋ねの点はまことにごもつともな問題でございます。そこで結論的に申しますと、この保証料は日歩一銭、しかしその保証料の算定の基礎になる保証の期間と申しますか、日歩計算をいたします日数をどの程度に認めておくかという問題になるわけでございます。御説のように、三千万円というものを逐次出来高拂いによつて償却されるに従つて、その率を軽減して行くという方法も考えておるわけでございます。そこで私どもの考えておりますことは、要するにその日歩一銭を算定いたします期間というものをある程度制限をして行く、こういう考え方を取入れて行つたならばどうかというふうに考えておりますので、日歩一銭をこれは五箇月以内ということによりまして、それ以上を越しての日歩の計算をいたします保証料を取立てることをその程度に制限する、こういう建前を一応とつておるのでございます。
  82. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 次会に讓りますけれども、ついでにこれだけ聞いておきます。工事によつては、突貫工事で六箇月ぐらいで仕上げなければならぬ工事もあります。それも五箇月分はとられ、二年かかる工事も五箇月分とられるということは、まことに公正でない。大体その竣工の半分ごとにするとか、あるいは五分の二の日数とか、そういうふうにきめるべきではないかと思うのでありますが、どうですか。
  83. 澁江操一

    ○澁江政府委員 御質問の点はごもつともでございます。最長の期間を五箇月というふうに押えておきます場合におきましても、工事期間の長短によりましてその五箇月以内のどれだけの期間にするか、これはなお問題が残ると思います。大体御説の趣旨によりまして、工期に比例して五箇月以内において、あるいは二箇月にするとかあるいは三箇月にするとかいう考慮を拂い、またそれに応じた保証をやるという方法をとるべきではないかというふうに考えておるのであります。
  84. 野田卯一

    ○野田国務大臣 この前の会議におきまして上林山委員から御質問がありました点につきまして、私から答弁を保留してあつたところがありますので、それをただいま申し上げたいと思います。すなわち経済関係罰則の整備に関する法律につきまして御質問でありましたが、それにつきましては、法務総裁の所管でありますが、私どもの聞いておりまするところでは、これを廃するような意向はないようであります。なお本法律案は、この保証事業会社の業務の公共性とその運営が発注者及び建設業者に及ぼす重大性にかんがみまして、その役職員に対す收賄罪の規定の必要を認めて、かかる規定を設けたのであります。
  85. 松本一郎

    ○松本委員長 本法案に関する質疑は次会に続行することといたします。  本日はこの程度で散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時二十五分散会