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1952-04-23 第13回国会 衆議院 建設委員会 23号 公式Web版

  1. 昭和二十七年四月二十三日(水曜日)     午前十一時六分開議     ―――――――――――――  出席委員    委員長代理理事 田中 角榮君    理事 内海 安吉君 理事 鈴木 仙八君    理事 村瀬 宣親君 理事 前田榮之助君       宇田  恒君    小平 久雄君       高田 弥市君    内藤  隆君       西村 英一君    中島 茂喜君       増田 連也君    池田 峯雄君  出席国務大臣         建 設 大 臣 野田 卯一君         国 務 大 臣 岡野 清豪君  出席政府委員         特別調達庁長官 根道 廣吉君         総理府事務官         (特別調達庁管         理部長)    長岡 伊八君         建設事務官         (管理局長)  澁江 操一君  委員外の出席者         建設事務官         (管理局建設業         課長)     水野  岑君         専  門  員 西畑 正倫君         専  門  員 田中 義一君     ――――――――――――― 四月二十二日  行政協定による駐留軍の物資及び役務等調達に  関する請願(中野四郎君外二名紹介)(第二二  四七号)  同(木村公平君外一名紹介)(第二二四八号)  同(小川半次君紹介)(第二二四九号)  行政協定に伴う駐留軍要員の労務官理法制定に  関する請願(三浦寅之助君紹介)(第二二六六  号)  道路法改正案中特別負担金の條項削除の請願(  保利茂君紹介)(第二二五四号)  同(山手滿男君紹介)(第二二六七号)  同(大森玉木君紹介)(第二三三一号)  三原郡下の地盤沈下対策確立に関する請願(塩  田賀四郎君紹介)(第二二七六号)  民間住宅会社助成に関する請願(上林山榮吉君  紹介)(第二二八五号)  河川の水利使用許可権国家移管反対に関する請  願(川野芳滿君紹介)(第二二八六号)  昭和村外五箇村地内の鎌田川に改修工事施行の  請願(深澤義守君紹介)(第二三二六号)  国道十一号線中若槻村地内改修工事施行の請願  (倉石忠雄君紹介)(第二三三〇号)  真狩村地内の羊蹄山に山地崩壊防災工事施行等  の請願(小川原政信君紹介)(第二三三二号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  公共工事の前払金保証事業に関する法律案(内  閣提出第一五〇号)  日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約  第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使  用等に関する特別措置法案(内閣提出第一六四  号)     ―――――――――――――
  2. 田中角榮

    ○田中委員長代理 これより会議を開きます。  本日は委員長が不在でありますので、暫時私が委員長の職務を行います。  日程によりまして公共工事の前払金保証事業に関する法律案、内閣提出第一五〇号、及び日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障條約第三條に基く行政協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法案、内閣提出第一六四号、右二件を一括議題といたし、前会に引続き質疑を続行いたします。質疑は通告順によつてこれを許します。村瀬宣親君。
  3. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私は建設大臣にお尋ねをいたしまして、質問の各條項を片づけて進んで行きたいと思いますけれども、まだ大臣がお見えにならぬようでありますから、一応政府委員にお尋ねを始めておきます。御答弁によつては野田大臣に重ねて同じ質問を試みなければならない場合があるかもわかりません。  まず前払金保証事業に関する法律案をおつくりになつた根拠を伺つておきたいと思いまするが、日本の鉄道の方にはすでに前払金を出せる制度ができております。一体この法律案が通過いたしましたならば、何らの法的な規定をつくらないで、ただちに建設省は、ちようど鉄道のように前払いを行い得る根拠をお持ちなのでありますか、どうでありますか。
  4. 澁江操一

    ○澁江政府委員 御承知のように前払金の法的根拠は、国の場合におきましては予算決算会計令臨時特例の定めるところでございまして、現在の制度におきましては、災害による緊急の工事の場合、その他特定の場合にのみ前払金の支払いをし得る根拠がありますが、それ以外については前払金は禁ぜられておりますので、その規定の改正を行うのでなければ、現在の法規のままでは前払金はできない、こういう関係になつて参ります。
  5. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますと、これは順逆を誤つておるのでありまして、まずそういう制度はできておるけれども、しかし保証制度がないと不安で出せないというならば、こういう法律を急いで審議する必要が出て参るのであります。しかしもとの前払金を出す制度がまだ鉄道以外はきまつていない。にもかかわらず、これをあわてて保証ばかりをきめてみても、根本の制度が確立しておらない以上は、これは何ら実効を上げることはできないのでありまするが、これに対してはどういうふうにお考えになつておりますか。
  6. 澁江操一

    ○澁江政府委員 その点はもとよりこの立案の過程におきまして、ただいま村瀬委員から仰せになりましたように、根本の前払金が必ず出し得るという前提に立つて考えられた次第であります。従いましてこの法律案を立案ないしは最終的に決定いたします閣議決定の際におきましても、これと並行いたしまして、ただいま申し上げました予算決算会計令の臨時特例の改正を、あわせてこの法律の可決、制定と同時に行う、こういうことを條件にいたしまして、この決定がなされた次第であります。
  7. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 ただいまの前払い制度を設けるという方法は、法律としてお出しになる御方針でありますか、その他の処置によつて何らかの方法を講ずるという御方針で進んでおられるのでありまするか。もし法律としてお出しになるとするならば、むしろそれが先ではないか、かように考えるのでありますが、こういう法律以外の手続でそれを進めようとなさる計画があるのでありますか、伺いたい。
  8. 澁江操一

    ○澁江政府委員 その点はもちろん法律の改正を要する問題でありますればこの法律案と一体になりました法律の改正をいたします。現在の予算決算臨時特例は、これは政令でございますので、それから地方公共団体に対しましては地方自治法の施行令でその根拠がうたわれておりますので、その政令の改正を行うことによつて、この道が開かれ得る、こういうことになりますので、あえて法律案の改正をまたずして、法律案といたしましでは、この保証事業に関する法律案によつて十分な措置がとれる、こういう関係で、法律の提出の必要はないわけであります。
  9. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこで大体明らかになつて参りましたが、そういたしますると、その政令によつて前払金の道を講ずるということになりまするならば、あとは運用いかんで、あえてこの保証というものを前提としなくても行われ得るのではないか。現に鉄道方面ではそれができておることでもありまするし、その政令を至急に御決定になつて、そうしてあとは請負者の人選を誤まらないで進むならば、もうすでに去年でもおととしでも、これは始められておつた問題ではないかと思うのであります。この点に対し、どうしても保証というものがなければ前払金はやれないということであるならば、戦時中にはなぜできたか。海軍等はずいぶんやつたことでありまするし、また現に鉄道関係ではそれで進んでおる。たとい保証事業がこの法律によつて確立いたしましても、請負人の人選を誤るならば、工事は停頓をして、一向進みません。かえつてこれがあるために、損はしないのだ、政府はだれに請負わしても、保証しておるのだから、損はしないのだということになりますると、金銭の上ではあるいは損をしないことになるかもわかりませんが、工事期限というようなものは遵守されません。そこにはこういう法律ができるできぬにかかわらず、請負人の選択というものが、これは基本的な重要問題と存ずるのでありますが、あえてこれを出さねばならなかつた原因、いわゆる請負人が信用がならぬ、こういうものがないと前払金を渡せないのだ、こういうような観点に立つておられる根拠を伺つておきたい。
  10. 澁江操一

    ○澁江政府委員 前払金の制度は、ただいま村瀬委員からお話がございましたように、すでに国鉄の場合においても開かれております。しかしこの場合においても、発注者である国鉄側といたしましては、やはり業者の選定をもとよりいたしております。しかしそれのみをもつて、やはり発注者側の損害が全部カバーできるかということになりますと、これについては多少の不安なきを得ないということでありまして、現実に行われている姿は、同業者の間の保証人によつて、この最終的な損害を補償し得る建前のもとに、全責任を持たしておるような状況でございます。そこでこの保証会社によらずして、今の国鉄で実行しておられるがごとき保証人制で損害を補填するということも、事案行われているわけですから、その方法による方がいいのか、あるいはこういう保証事業会社の制度を確立して、それによらしめるのがいいのかということが問題になつて参ります。ただ現在の保証人制、ないしは法規では規定しておりませんが、国が工事を発注いたす場合に、やはり同業者の保証人制をとつておりますが、そういう制度は、必ずしもこれが最善の道であるということは言えない。個人、同業者間の保証というものは、保証人の選定自体もまたいろいろ考えなければならないのでありますが、私どもの経験いたしておりますところによりますと、必ず同業者の保証が文字通り損害補填を、工事放棄をいたしたような場合にできるかというと、実際問題として、なかなか保証人の義務を履行することがいろいろの支障が出て来る場合があり得るのであります。それをさらに一歩進めて、合理的な解決をはかろうというのが、昨日お話に出ましたが、請負保険制という制度、これがアメリカでも発達いたしておるわけでありますが、そういう危険を伴います工事放棄の事態に対処する道として、請負保険制というものが各国に考えられておる。これは現に履行保証保険ないしは入札保証保険という方法で、保険会社がこの事業を開始する段階に立ち至つております。ただその際に、一連の問題になつておりまする、アメリカでアドヴアンス・ペイメント・ボンドというシステムがありますが、これも保険会社がやつておる制度でありますが、この制度は実は保険会社においてとる段階になつておりません。そこでそういう事態を勘案いたしまして、むしろ現在の保証人等による保証方法を、さらに合理的なものにすることがいいのではないかということからスタートいたしまして、この前払金保証事業に関する法律案を考えた次第でございます。  なお保証事業に関する制度を立てるもう一つの問題といたしましては、この建設業者の金融問題は、これは提案の理由の説明の際にも大臣からございましたように、きわめて困難な状況になつております。これは必ずしも建設業界のみの問題ではございません。しかし工場生産をやつております一般企業の場合と比べまして、この土木建築に関する企業体の内容というものは、はなはだ金融機関にとつてはつかみにくいという関係もございまして、建設業者に対する金融は、必ずしも他の企業に比較して十分行われ得る段階になつておりません。そういつた点もございますので、この前払金の保証事業会社の事業の一つといたしまして、金融機関に対する債務保証をなし得る規定を置いておりますが、それらをあわせ行うことによりまして、一方には前払金の保証をいたしますと同時に、他面前払金以外の、所要資金の金融機関からの借入れに対しましての債務保証をあわせ行うことによりまして、建設業者の金融上の措置として、相当のこれによつて改善が期待し得られるのではないかという考え方に立ちまして、この法律案を御審議願うようなことになつたのであります。
  11. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 土木建設金融の問題の解決の一助として、この法案を考え出されたという点は、私は非常にこれはよいお考えと考えまするが、それについて、このできまする保証事業の株式会社の性格というものを、今度はお尋ねしなければならないのであります。一体この建設業金融解決の一つの手段にしたいという理想を達成されるためには、この会社の――これは会社とありますが、株式会社だと思うのでありますが、性格をはつきりして行かなければなりません。これは別に国策会社でもない、単に商法上の普通の株式会社として進めて行く御方針でありますか、その定款その他はまつたく商法のみに基いた、何らの特色も、何らの変つた部面もない単なる株式会社として、こういう保証事業をやらせる御方針でありますか、その点をお伺いいたします。
  12. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいまの村瀬委員のお尋ねの問題は、この立案の過程においても、非常に問題になつたことでございまして、この法律といたしましては、商法上の純然たる株式会社という建前をとつておりますが、考え方によりましては、むしろこれを特殊会社、国策会社に準ずべき特殊会社という考え方もないではございません。しかしながら信用保証業務という業態自体というものは、現在御承知のように、中小企業の場合において、信用保証協会という一種の民法上の法人という形でその業務を行つておりますが、こういつた業態のものがあるだけでございます。従いまして私どもといたしましては、国策会社にするという場合におきましては、一面において、国策会社にするだけの一つの特殊な性格というものがなければ、国策会社にするということは言い得ないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、この信用保証業務、しかもこれを建設業を対象とした信用保証業務というものを、何ゆえに国策会社にしなければならないかという点をよく検討いたして参りますと、しからば他の業態においてもこういう信用保証業務をやるものは、国策会社として成り立ち得るかというと、その点ははなはだ疑問でございまして、むしろそういう点に対しまして、これは純然たる商法上の株式会社をもつて足れりとするという考え方に立ちまして、この法律案を出したような次第でございます。あえて国策会社という方法をとらなかつた理由も、そこにあるのでございます。
  13. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 建設大臣がおいでになりましたから、これからひとつ建設大臣にお尋ねをいたします。今まで私が澁江政府委員にお尋ねしておりましたのは、実は建設大臣に伺いたいと思つたのでありますけれども、おいでがなかつたので、やむを得ず政府委員にお尋ねしておつた、こういう経過であります。まずこの法案が、前払金の保証ができても、建設省自体が前払制度を認めねば何の役にも立たないではないかというお尋ねをいたしましたところ、それは閣議でも決定しておつて、それが通ればやがて政令によつてそういう制度を設けるのだという御答弁でありました。そこでしからばそういうことになるにしてもむしろそれを先にやつて、この法案が通る通らぬは別として、そうして前払金制度をすることによつて、鉄道でやつているような制度を政令で先にきめて、そうしてあとは請負人の選択いかんによつてやるならば、この法案が出ないでも今までにすでにやれたのではないかということを質問いたしますと、それはこの会社というものは、単にそれだけではないのだ、普通の金融機関では容易に実体のつかみにくい建設金融、土木金融というものをこの会社にはだ脱がして、そうして信用保証業務、いわゆる金融機関から、いろいろ建築業者が借り受けた債務保証もやらすのであつて、これによつて一つの土木金融なり、一つの道を開かずのだという非常な遠大な任務を帯びておるという御答弁がありました。そこで私それは国策会社か何かにするのかということを聞きますと、そうではない、今大臣がお聞きになつたような御答弁であつたのでありますが、商法上の株式会社として進むのだ、ここまで進んで来ておるのであるから、建設大臣にお伺いするのでありますが、そういたしますと単なる商法上の株式会社でこの保証業務を始めようとなさるならば、これは単に公共団体のみの工事に限る必要はありません。単なる保証業務であり、商法上に基く単なる一つの株式会社あるいは私鉄会社が、鉄道を敷くために橋をかける、二千万円の工費がいる、それに対しても当然この会社は単なる商法上の株式会社でありますから、それらの私鉄会社をもその対象として保証業務を営んでけつこうだと思いますが、それはどういうふうにお考えになりますか。
  14. 野田卯一

    ○野田国務大臣 一応前からのいきさつがありますから、局長から……。
  15. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいまの商法上の一つの株式会社が、信用保証業務を営む際にその対象をあえて公共団体の発注ないしは国の発注する工事に限る必要はないという点は仰せの通りでございます。ただ私どものこの法律によつて考えておりますことは、国の発注する工事あるいは公共団体の発注する工事においては、その前払金なるものは、やはり一つの国の会計といいますか、国民の租税によつて経費を支弁いたして参ります関係上、これについては相当の保証に関する監督が必要である。すなわち公共的な資金を導入する工事におきましては、その資金が不当な損害をこうむらないような措置が必要だ、従つてその保証、この事業自体についての信用の保持、公共性の保持をある程度確保して行くことが必要であるという観点に立ちまして、この法律に規定いたしておりますごとき諸般の監督規定を設けまして、事業の公正を期する建前をとつておるのでございます。従いまして、この法律で規制いたします事業会社が、他の公共工事以外の信用保証をするということをあえてこばまなければいけない、あるいはそれに限定しなければいけないという趣旨に立つているのではございません。
  16. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 昨日当委員会の委員の質問に対しましては、そういう御答弁でなかつたように思うのであります。これは公共団体の発注する土木建築の工事に限るという御答弁であつたように思うのでありますが、そうではないのでありますか。もう一般にどういう団体がやろうが、いわゆる公共事業であれば前払金に対する保証をする、そういう解釈でありますか。
  17. 澁江操一

    ○澁江政府委員 非常に私の言葉が足りなかつたと思うのでありますが、この信用保証をやるという建前においては、ここに規定しております会社でありましようとも、それ以外の会社でありましようとも、信用保証業務をやれるということは、これは営業自由の原則と申しますか、そういう建前において行われ得ると思います。ただ私が昨日申し上げましたのは、この法律案で監督を受けて、そして保証約款なり何なりについて、この一つの法律に基きます許可承認といつたものの一つの條件のもとにやる対象としての保証は公共工事を前提としておる、こういう趣旨を申し上げたのでございます。しかして今お話のございましたそういう保証会社が、それではこの法律の規制いかんにかかわらず、他の民間工事の保証をやり得るかどうか。これは私はそういう場合もあり得ると思うのでありますが、それはこの法律の対象外であるというふうに考えて申し上げたのであります。
  18. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 少しはつきりしないのでありますが、この法律ができますと、きのう最初の御答弁では、関東と関西に一つずつ、二つくらいでもという御答弁でありましたが、すぐまた続いて、いや二つでも三つでもいいのだという御答弁がありました。そこでともかくA保証株式会社とB保証株式会社ができたとしますと、そのA保証株式会社なるものは、公共団体の発注する土木建築の工事費の前渡しに対する保証はむろんでありますが、同時にあるいは小田急その他の会社が前渡金なり何なりをいたしますが、それに対する保証もやれるのであります。今の御答弁では、商法に基く株式会社であるから、それを禁止する條項はない――これは当然なんでありますが、そこは一体どうなんでありますか、もう一度はつきり伺つておきたいのであります。
  19. 澁江操一

    ○澁江政府委員 ただいまの設例としてお出しになりました私鉄の会社の建設、これもこの規定に盛り込んでございまして、一応公共工事の対象にいたしております。これは建設大臣が指定するという建前になつておりますが、規定の字句の上では、「資源の開発等についての重要な土木建築に関する工事」をいうふうな規定をいたしておりますが、その中に私鉄の鉄道株式会社の建設、こういつたような工事ももちろん規制する建前で考えておるのでございます。
  20. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そういたしますると、ともかくもAなる保証株式会社がここに登記を完了してできたといたします。それは商法に基く普通の株式会社であります。そういたしますると、それが何をしようが制限する方法はありません。自分の責任において、定款の定めるところによつて保証をやるのに、その対象物をこれに限るということを制限することはできないわけであります。もつとも定款にそういうことを書けばともかくでありますが。でありまするから、昨日来の御答弁によりますと、そこに何か国策会社的なにおいがして、そのかわりに、対象として取扱うものはこれこれだという一つの制限があるかのごとき感じを持たせられたのでありますが、そういうことはない、これはいわゆる国策会社でも何でもないのであるから、またこの会社には資金的な国家の保護も何もないのであるから、単なる商法に基く株式会社として、定款にも自由であり、従つてその業務もいわゆる公共事業の保証に関する限り自由である、こういうすつぱりした御答弁はいただけませんか。
  21. 澁江操一

    ○澁江政府委員 どうも前後のいきさつからいたしまして、はなはだお聞き取りにくいことにおとりになつたかもしれぬと思いますが、昨日来のお話から、この会社の性格としては商法上の純然たる株式会社であること、これについてははつきりその通りであると申し上げておりますが、そういう考えでございます。しからば一般論として、商法上の一つの株式会社が信用保証をやり得るか、やり得ないかという問題と、それからこの法律で登録をし、あるいは登録の拒否を受けるがごとき制限を受けるこの信用保証業務を営む会社が、その他の公共工事以外の工事の保証をし得るか、こういう問題に具体的につつ込んで参りますと、それは実はできないという関係になつておるのでございます。この規定から申しますと、十九條にその規定をうたつておるのでございます。すなわち「兼業の制限」という規定を置いておりまして、前払金の保証事業に付随する事業、ないしは公共工事の請負者が、先ほど申しましたように、金融機関から貸付を受けるに関連いたしまして債務を保証する事業、これ以外の事業を兼業してやることはできないという制限をつけております。そういう関係からいたしまして、ただいま御指摘になりましたような場合においては、これは保証はいたさない、こういう関係になります。
  22. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 少しくはつきりして来ましたが、そこでこの十九條に書いてありますることは、必ずしも十九條のみに限定しませんけれども、こういう御答弁がありましたから、この十九條に書いてある公共事業というものの内容を、ひとつこの際はつきりしておいていただきたい。
  23. 水野岑

    ○水野説明員 私からお答え申し上げます。十九條でまず第一号として規定いたしておりますことは、公共工事の請負者が、銀行その他の金融機関から運転資金を当該公共工事の遂行に関して融通を受ける場合におきまして、その債務を金融機関に対して保証する、いわゆる金融保証事業、それから二号で「前払金保証事業に附随する事業」というふうに規定しておりますが、この二号におきましては、ただいまのところまだ具体的には考えておりませんが、会社ができまして、事業を営むことが予想されますのは、経理指導のための出版、そういうようなことが附帯事業として行われ得るかもわからないということで、二号の規定を設けたのでございまして、この兼業制限の規定は、御承知の通り銀行法、保険業法に規定がございます。そういうような立法例を参考といたしまして、堅実な経営を営ましめるために、このような規定を設けたものでございます。
  24. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 私のお聞きいたしたいのは、ここにいう公共工事というものの内容――いまさらお尋ねするのも変なものであるかもわかりませんが、もう一度この際前後の御説明の連絡上、ここでここにいう公共事業というのはこういうものだということを、はつきり定義的に御説明が願いたい。
  25. 澁江操一

    ○澁江政府委員 公共工事の内容につきましては、第二條にこの定義を掲げておりますが、この前段の、発注機関が国とか国鉄ないし専売公社というふうにきまつておるものは、これは明らかであると存じます。そのほかの資源の開発等についての重要な土木建築工事、これが今後建設大臣の指定によつてはつきりきめられるという種類でございまして、この点がはつきりしない、こういうことになるかと思いますが、これにつきましては、大体考えておりますことは、電力会社の発注いたします電源開発工事、それから先ほど説明に出ました、私鉄のいたします鉄道の建設工事、それからもう一つは軍要産業の施設ないしは設備の建設に関する工事、こういうものをおおむね指定するというつもりでおります。
  26. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこでよく聞いておかぬと、あとで運用にまた人民が困ることになるのでありますが、重要産業ということになりますと、これは時代によつても違うのであります。戦争でも始めようという国であれば、軍要産業は片方に片寄りますし、また日本のように絶対にこれから平和で行かねばならない国は、また重要産業の問題もいろいろかわつて来る。あるいは行政協定によつて、これまた重要産業がどこに重点が移るかという点も、問題になつて参るわけでありまするが、今日の段階において主としてどういう点をお考えになつておるか、建設大臣から伺つておきたい。
  27. 澁江操一

    ○澁江政府委員 この重要産業の設備ないしは施設の建設、それに関連いたしまして、軍要産業はどういうものを一応考えておるかというお尋ねでありますが、私どもの一応腹案として考えておりますことは、石炭、鉄鋼、そのほかに造船、この程度のものを重要産業の範囲というふうに大体考えておるのでございます。なおこの点につきましては検討を重ねて、重要産業のただいま申し上げましたものに匹敵すべきものがあれば、もちろんこれは十分検討の上、指定の手続をとる、こういうつもりでおるのでございます。
  28. 西村英一

    ○西村(英)委員 ちよつと関連して質問いたしますが、そういたしますと、第十九條の公共事業というものの中に、重要産業も何も全部含んで、公共事業とこう言つておるのですか。あるいは公共事業という下に、何か字句が抜けておるのですか。公共事業及び資源の開発、大臣の指定したものということが抜けておるのですか。第二條と第十九條は、資源の開発等についての重要な土木工事というのは、公共事業の中に入つておるのですか。
  29. 澁江操一

    ○澁江政府委員 第二條は公共工事の定義をあげておるわけでありますが、「資源の開発等についての重要な土木建築に関する工事であつて、建設大臣の指定するものを含むものとする。」というふうにうたつてありますから、そういう資源の開発等についての重要な土木建築に関する工事を、公共事業の中に含む、こういうことでございます
  30. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 もうそろそろ大臣に質問したいのでありますが、ただいま重要産業の中に、石炭、鉄鋼、造船というような腹案があると言われましたが、私は現在の日本の立場から航空事業等は当然重要産業の中に含まれなければならぬと思うのであります。その点もひとつ御考慮願いたいのでありますが、これはまた別の問題でありますから、次に続けて参ります。  では野田大臣にこれから質問いたします。そこで手続上の問題はやや明らかになり、この保証事業株式会社の性格もほぼ明らかになつて参りました。第二段としてお尋ねをいたしたいことは、そういう株式会社であるといたしますならば、これは重要産業は別でありましようが、主として国費をもつて工事を進めておる、その前渡金であつて、非常に大事であるから、保証の制度を設けて、そして国費の損失を防ごうという目的であることが明らかになつたのでありますが、ほんとうにそういう目的を果そうといたします場合に、この会社の性格は今までの御答弁で足りるとするかどうか、私はそう思わぬのであります。なぜならば、ここに一億円の工事を請負わして前渡金を二千万円渡す、それの保証をする、こういうのおりまするが、そもそも建設工事というものは、金銭だけで債務の収支目的を果すものではありません。そこに鉄道が敷かれ、道路が建設され、りつぱな建物が建ち上ることが、目的なんであります。ところが実際の建設工事の現状からいたしまして、二千万円の前渡金をもらつた、それをそのままとつて逃げるというような会社は、おそらくありません。これは工事指名のときにおよそわかるのであります。この保証の必要となります場合は、実際本人は工事をやりかけた、ある程度やつてみた、しかしいろいろな見込み違いや、経済界の変動で、その工事が途中で挫折するという場合に、この保証の問題が起つて来るのであります。そういたしますると、これは金銭だけを押えたから目的を達するというものではありません。金銭よりも、そのやりかけた工事をいかにして完成さすかという点に重点がなくてはならぬと思うのであります。そういたしますると、この保証会社なるものは、ただに資本的な、資本金が幾らであるとか、金銭を償うということよりも、やりかけた工事を仕上げる性能を持つたものが、最も理想的である。二千万円の前渡金で、半分やりかけた、それで本請負人がどうももうやらぬようになつた、その場合にそれを査定をして、千万円できておるとか、九百万円とか、ごてごていろいろなことをするよりも、その二千万円だけの工事をやり上げる会社であるならば、それが一番国家にとつても、また社会情勢からいつても、有効なんであります。それをただ金銭だけをそのときに清算をして、じや出来高がちようど九百五十万円であるから、前渡金二千万円出しておるから、千五十万円をその会社で無理にとつて来る、それで能事終れりとしたものではありません。私はさように感ずるのでありまするが、この会社の性格というものについて、そういう点までお考えになつておるかどうか。ただ金銭だけの処置で終ろうとなさつておるのであるかどうか。実際の運用についての御意見を承りたいのであります。
  31. 澁江操一

    ○澁江政府委員 昨日もこの点につきましていろいろお話がございましたので、それと関連いたしますので、便宜私からお答えさしていただきたいのでありますが、つまり工事の完成を保証するということが、こういう建設工事の保証の上では最も理想的であるというお考えは、まさしくその通りであろうと思います。ただ発注者といたしましては、やはりその完成せられることを期待して選んだ業者が、その完成の責めを全うしないということでありますから、こういう場合におきましては、やはりいずれにいたしましても、その所期の目的を達する工事をやり得るもの、すなわち建設業者を工事解約後においてあらためて選定をするという関係が出て参るのであります。これはその業態から申しますれば、保証会社にあらずして、やはり建設業者そのものでなければならぬわけであります。ただその際におきますこの金銭上と申しますか、損害になりますものを補填するという仕組みが、前払金に関しましてはその保証会社でございますし、それからさらに昨日申し上げましたように、工事の完成に必要な、つまり前払金を支払つた後においても、さらに工事を放棄するという場合が考えられますが、そういう場合に対する手当として考えられておるものが、履行保証保険制度6あります。両者相まつて、発注者に対する問題としては、そういう金銭保証をもつてカバーするわけでございますが、それによつてさらにあらためて業者の選択をし、工事の完成を期するという建前において、一つの條件というものは、大体解消し得るではないか、こういう観点に立つておるのでございます。
  32. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 今の御答弁では私は満足ができませんか、それではこういう点をひとつお尋ねしてみましよう。一体今政令で考えられておる前払金というものは、工事ができ上るまで、なしくずしにずつと前払いをして行く御方針でありますか。普通今までの慣例としての前払いというのは、一億円の工事を請負わし、とりあえず三千万円なら三千万円の前払いをする、あとは出来高計算、こういうものでありました。ところが今の御答弁等から私たちが考えられて参りまするものは、どうも何回でも前払いを順々にして行く、二千万円前払いをする、二千万円の工事ができた、そうするともう二千万円また前払いをして行く、工事ができるたびに、五回前払いをして、ずつと最後まで前払いをして行くという御方針でありますか、どうなんでありますか。
  33. 水野岑

    ○水野説明員 お答え申し上げます。国の工事の場合におきましても、民間の主要な発注者の場合の工事にいたしましても、通例の場合におきましては、前渡金は着工当初に一回限り出すものでございますが、今度その出されました前渡金を、第一回の出来高払いのときに全部償却せしめるという方法をとらないのが普通でございまして、一回出しました前渡金は、工期に比例して出来高払いの際に逐次これを償却せしめて行く、そして建設業者が残工事を仕上げる上におきまして、資金の手当に不自由をしないように配慮しているのが、普通の例でございます。従いまして、前渡金の償却ということは、全工事期間にわたるというのが普通の例でございます。
  34. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 普通の例はそうなんですが、今度やろうというのはどうなんでありますか。またその何割を一体前渡するつもりなんでありますか。戦時中海軍などは八割出したこともあります。しかし、今政令できめようとなされておるものは、何割をお出しになつて、もう一回限り出さないのか。先ほどからの澁江政府委員の御答弁では、何回でも出すのじやないかというような感じを催すようなところもあつたのでありますが、一工事については一回限りで、それは何割を出すというような御方針があればお尋ねしたい。
  35. 水野岑

    ○水野説明員 政府の場合におきまして、予算決算及び会計令臨時特例、地方公共団体の場合におきましては、地方自治法の施行令をそれぞれ改正する予定にいたしておりますが、そういう工事におきましては、一回限り、着工当初において、全工事費の三割以内を支給するということで、ただいま準備を進めておるような次第でございます。
  36. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこで建設大臣にひとつお尋ねいたしますが、せつかくおいでを願つても、厳として黙して語られないのでありまするが、ここらでひとつ全般的な御答弁を伺いたいと思うのであります。今前渡金は約二、三割を出そうという御計画を伺つたのでありますが、そういたしますと、政府の予算の運用面から考えまして、一つの資金繰りというような面、いわゆる年間通じての資金計画に、どういう影響があるかという点であります。結局こういう前払金制度ができたからといつて、政府の予算がふえるわけでも、減るわけでもありません。たとえば公共事業費二十七年度は特に災害復旧の関係で五百億円、そのうち八十億円は、当年度の災害に充てておるのでありまするから、四百二十億円というわけであります。これは工事の契約の時期と査定その他によつて一度に全部が運ぶわけではないでありましようが、ここに前渡金制度また保証制度というものができまするならば、着工の時期も自然早まつて参ると思うのであります。四百二十億円のまあ全部とは行かぬにいたしましても、かりに一つの例として、それの三割を出すということになりますると、四百億としても百二十億円を一応お出しになるわけであります。それらによつてこれは時期か今までより早くなるというだけであつて、政府は損も得もいたしませんが、そういう一般の資金計画と前渡金との一つの計画はどういうふうになつておりますか。そういう制度はできたけれども、まだ国に金がないとかあるいは地方におけるいわゆる余裕金の貸出し先というものが、いろいろこのごろの金融の一つの滑車弁となつて、府県等の余裕金の出し方によつて、いろいろな金融操作の措置を今考えておるような状態でありますが、同様な意味においてこれが預金部資金の貸出し等とどういうような影響を持つて来るか、あるいは大蔵省の資金計画との、どのような見通しのもとに今後この前渡金が大幅に払い出される計画があるのでありますか、そういう国全体としての計画を一応お聞きしておきたいと思います。
  37. 野田卯一

    ○野田国務大臣 まことに大切な点だと思いますが、この点につきましては、予算できまりました支出をどういう時期にやるか、時期的にどう決定するかということは、その実情に沿つてやりたいと考えておりますが、その実情は、財政の収入が十分でないから遅らそうとかいうような、そういうふうには現在は来ておらないと思います。でありますから、むしろ公共工事が実際にどういうふうに進むかということに応じて、金を出すということになると思います。従いましてこういう新しい制度ができまして、前金払いができるようになりますと、大体第一回はこのくらい出さなければならぬ。第二回にはこのくらい金が出るだろうという見積りをされまして、その見積りが基礎になりまして、政府の収支計画が立てられる。そういうふうに行きますと、年間金額としてはかわらない、と申しますか、むしろ今までの実例で申しますと、支払いが遅れまして、相当繰越しをするということが今まで起つておるのでありますが、今回の制度によりまして、そういう点が相当矯正されて、予算の金額がその年度内に繰越しをしないで、ほとんど全部が支出せられる、こういうことになつて行くと私は見通しておるわけであります。
  38. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 そこでいわゆる過年度災害に対する工事費と、この法律案との関係でありますが、普通地方の府県または市町村におきましては、まだ二十三年債から残つております。四年債、五年債と残つておるのでありますが、それを待ち切れないで、いろいろな方法で先に工事をして、そうして金の来るのを待ちかねておるという実情であります。市町村によりましては、農業協同組合の有り金を全部これら災害工事に注ぎ込んでおる、そうして政府のいろいろな補助金の下つて来るのを待ちかねておるという状態にあるのでありますが、そういう当該年度の予算を越えたいわゆる災害復旧事業費等に対する工事費と、この前払金保証法案が通過いたしました後の関係は、どういうようにお考えになつておりまするか。
  39. 野田卯一

    ○野田国務大臣 過年度災害におきまして、予算を越えまして、予算はないけれども、地方団体が自分の金を立てかえるなりあるいは他から金の算段をして、工事を進めてしまう、後年度になつて政府から予算をもらう、こういう問題は私は前金払いの制度とは直接の関係はないのじやないかと思うのであります。工事の施行予算とそれから自分のやる工事という関係でありまして、公共工事であれば、地方団体が行えば、災害復旧の、たとえば災害で橋が流れた、それを公共団体がやるという場合には、その金は自分の手金でやる場合もありましようし、借入金でやる場合もありましようし、そういうものはやはり公共工事だと思うのであります。そうして出した金の跡始末が過年度災害の金が十分来なくて苦しむということにつきましては、これは予算全体の幅が狭くて十分行かぬこともありましようが、できるだけそういうことを考慮して、過年度災害復旧費の割振りをやつて行く。そういうふうに考えたわけであります。
  40. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 大臣の御答弁のように、なるほど表面から見ますると、過年度災害と保証業務とは何らの関係もないというのは、これは表面はその通りであります。ところが実際こういう法律をなぜ出さねばならないかということを考えてみますると、もし自己資金ですべての建設工事をやつておるといたしますならば、こういうことができても、この保証料を余分に出さなければならぬのでありますから、これを利用するものはないわけであります。現在こういう法律が必要となりますのも、皆建設業者は借入金でやつておる。金を借入れてそうしていろいろな算段をして高い金を借入れてやつておるから、こういう方法で前渡金がもらえるならば、そこに少々の保証料を出しても、利子よりは安いだろうという場合にのみこの法律の効果があるのであります。もし借りた利子よりこの保証料が高いならば、これを利用する者は一人もないということにも相なつて参るのであります。そこにこの過年度災害の工事費等もこの法律と多少関係を持つて来る部面があるではないかと思うのでありますが、昨日もこの保証料については一応の答弁があつたようでありまするが、この保証料金のきめ方、並びにこれは最初から私が質問申し上げております通り、商法上の単なる株式会社だとは言つておられますけれども、そこに何かひとつ――必ずしも商法上の単なる株式会社ならば、そうこういう法律でいろいろなむずかしい條項をきめる必要もない部面があるのでありまして、普通の株式会社とは、社会通念上思いかねるわけでありますが、一体この保証料金というものの算定については、どういう御方針でありますか、大臣の御説明を承りたい。
  41. 野田卯一

    ○野田国務大臣 数字のことですから、局長からひとつ……。
  42. 澁江操一

    ○澁江政府委員 保証料の算定の方法でございますが、まず第一に考えなければなりません点は、かかる公共工事に対しまして、どの程度の損害の補填をするような事態が出て来るか、すなわちこの発注いたしました工事について、どの程度の事故率があるかということが一つの問題になるわけでございます。これは昨日も申し上げたかと思いますが、二十五年度の実績を一応調査して参りますと、〇・六八%という率に相なつております。そこでこの保証会社の事業運営の上におきましては、事故率を一%というふうにむしろ〇・六八%の率を引上げて考えることが堅実性を増すゆえんであるということからいたしまして、事故率を一%というふうに見ております。そうしますとこの前払金がおおむね工事量の三割でございますから、かりに二十七年度について考えますれば、二十七年度の公共工事に該当すべき工事量の推定か立つわけでございます。それから前払金に相当すべき金額が、これも推定でございますけれどもおおむね概数は出て参ります。それからそれに対応しての事故率から来る保証債務額、これがはじき出される結果になつて参るわけでありますが、それを一応基礎といたしましてこの会社運常に要する諸経費を除いてそれに事業会社運営に必要な経費というものをプラスいたしまして、これによつてカバーできるものであればおおむね会社の運営というものは成り立つわけであります。そういう計算をいたしましてはじき出しましたものか保証料として日歩一銭ということになつておるのでございます。  なお昨日も申し上げましたか、保険会社の場合におきましても異常の経済変動の場合を想定いたしまして保険会社の堅実性を増すためにいろいろの措置が講ぜられておりますが、その際の務額というものと自己資本、それからただいま申し上げました保証料から諸経費を除いたいわゆる債務に補填すべき資金繰り、それから今の保証基金、これと保証債務額との比率、これがおおむね二十倍という線を保つてマキシマムと考えておりまして、そういう点から別途保証基金としてこれは業者の預かり金という扱いをいたしておりますが、同様これも日歩一銭ということにいたしております。通計いたしまして日歩二銭をこの保証契約を結ぶことによつて事業会社としてはそれだけの手数料ないし基金料といたしましてとる、こういうことに一応計算を立てておるのでございます。
  43. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 最後にそれじやちよつとお尋ねしておきますが、この保証法案ができますると、請負人の立場から申しまするならば、自分の会社がどのように堅実なりつぱな会社であつても、必ずこの保証料を出さねば当然前渡金はもらえないという性質のものだと思うのでありますが、その根拠はどういうふうにお考えになつておりますか。むろん銀行で借りるよりも安いのでありますからそれは必ずしも――そうしてもよいとも考えられるのでありまするが、もともと前渡金を出すというのは何もそれで国は損も得もしないのであります。工事が早く済めばそれでよいわけであります。保証があろうがなかろうが、日歩一銭、二銭というものをとろうがとるまいが、とにかく相手さえ信用があれば前渡金は出していい性質のものであります。りつぱに工事か完成すればいい。ところが工事請負人は前渡金をもらおうとすれば日歩二銭を保証料として出さなければならないことになると、それはこの会社をもうけさすだけじやないかという感じもするのであります。そこを強制する方針であるか。またその根拠はどこにあるかという点、それからこの事故率から割出しまして、この会社は見方によれば絶対損をしないというふうにもとれるのであります。またかりに損をした、いわゆる保証をせねばならなくなつたときも、資本金は三千万円以上でありまするから、それは何十億になるかもわからないけれども、大体三千万円以上としてあるのでありますから、その近辺でとどまるとすると、一つの工事でも一億円、二億円というものはあるはずでありますから、たとい保証をさせておつても、資本金が三千万円の限度でしか国は保証をしてもらえない。もうけるのは幾らでももうけていい会社になつている。そういう点に対してどのようなおもんばかりがこの法律につくられておるか、この会社になされているか。なるほど過去の二十五年の事故率が〇・六八%、それを一%として出そうというのでありますが、政府の側から、いわゆる公共企業体の側から考えてみますと、資本金三千万円の会社に保証してもらつても二百億も三百億もの工事をやらしているのでありますから、その限度の保証しかこの会社は保証能力かないわけであります。それで五千万円の保証があるから何百億の前渡金を出そうというようなことは根本的に亜取りかねる点もあるのであります。単なる気休めにすぎないという見方も生じて来る。同時にいや絶対に損はしない、三千万円でも二千万円でもいわゆる前渡金を出した人は損をすることはないというようなことが確実であるとするならば、この会社にまるもうけであります。まるもうけの場合に限りそういう根拠が成り立つ。これは絶対損をすることはないのだということになるのでありますが、その調節はどういうふうにしてやりますか。
  44. 澁江操一

    ○澁江政府委員 お尋ねの点は非常に重要な問題でございますが、まず第一点のこの前金払いを受けるについての保証会社のやる役割として、確実にこの保証がなければ前金払いはもらえないという点でございますが、これは先ほど申し上げましたように、予算決算及び会計令臨時特例という規定によりまして、保証会社の保証を受ける場合でなければ前渡金を受けられないと規定したということを考えられているわけでございます。そこで問題は保証事業会社が損をすることはないか、また三千万円等の資本金をもつて厖大な工事量の前金払いの保証がはたして可能であるかどうかという問題になつて来るのでございます。そこで先ほど申し上げましたように、三千万円あるいは二千万円でもつて保証する限度はどういう限度にとどめるかということがまず問題になつて参りますが、先ほど申し上げました通りに、事故率をおおむね一%というふうに考えておるわけでありますから、保証債務額のピークに対しまして二十分の一の資金的な手当があれば、その保証債務額はまずもつて十分カバーして行けるという計算が成り立ち得ると思うのであります。その用意といたしまして、三千万円なら三千万円の自己資本は、もちろんその保証債務額の二十分の一の資金手当の一部になります。それから先ほど申し上げました保証基金――これは業者の預かり金でございますが、これもここに規定してございますように、そういう保証債務額の資金的な手当として支出するという建前にしておいたわけであります。そういうことによりまして、二十分の一の資金的な手当がはたして可能であるかどうかという点にまた問題があるのでありますが、そのために、先ほど申し上げましたように、保証基金料日歩一銭、保証料一銭、さらに自己資本というものをプラスしたものをもつてカバーし得るという観点に立ちまして、保証料の算定ないしは保証基金料の算定をいたしておるわけであります。
  45. 村瀬宣親

    ○村瀬委員 今の御答弁を伺いまして、疑問に思う点が一つあるのであります。結局事故率は一%ということなんですが、三千万円の会社がかりにできますと、一、二年の間は積立金もなければ、資産はまず三千万円であります。いろいろ預かり金というお話もありましたが、そういうことは私ははつきりわかりませんけれども、かりに三千万円が一%では、三十億円しかこの会社は保証ができぬということになります。大体政府は前渡金々々々と大騒ぎしておるが、このくらいの工事費しか前渡金は出さないという限度がきまるわけでありますが、そういうふうな状態なのでありますか。
  46. 澁江操一

    ○澁江政府委員 まずその点の御心配でございますが、三十億円という保証限度というものが仮定されました場合においても、年度当初に年間を通じての工事が全部発注されるという仮定に立ちました場合には、そこに相当不安があるということは考えられます。しかし工事の発注は、従来までの実績によりましても、年度当初から逐次発注されて参ります工事の発注量、ない上はそれによつて前払金の保証をいたすべき債務のピークは、大体七月から十月の間ということになつて参ると思います。しかもそれは月々によつてある程度かわつて参ります。それに対応するこちらの資金手当が二十分の一であれば、三十億という推定ではありますけれども、ピークの場合の三十億をカバーできれば、それによつて保証の目的は達し得るという関係になつて参りますので、年間の工事量を全部一時に三十億でカバーするという考え方にはなりませんで、発注の月々の量がピークになつた場合を一応想定いたしまして、それに対する資金手当がどれだけあるか、これが二十分の一に達し得る計算になり得るか、なり得ないか、これによつて会社の保証能力という保証限度がきまつて来ると思います。そういう点から計算いたしました保証料ないしは保証基金というものによつて十分成り立ち得るという研究をいたしまして、こういう法律を考えた次第であります。
  47. 田中角榮

    ○田中委員長代理 本日はこの程度にいたして散会いたします。次会は公報をもつてお知らせいたします。     午後零時二十七分散会