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1950-02-14 第7回国会 衆議院 通商産業委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和二十五年二月十四日(火曜日)     午後二時一分開議  出席委員    委員長代理理事 神田  博君    理事 小金 義照君 理事 澁谷雄太郎君    理事 今澄  勇君 理事 有田 喜一君    理事 風早八十二君 理事 永井 要造君       阿左美廣治君    岩川 與助君       門脇勝太郎君    小西 英雄君       關内 正一君    多武良哲三君       高木吉之助君    平井 義一君       福田 篤泰君    福田  一君       前田 正男君    高橋清治郎君       伊藤 憲一君    田代 文久君  出席国務大臣          通商産業大臣 稻垣平太郎君  出席政府委員         通商産業政務次         官       宮幡  靖君         (通商企業局         長)         通商産業事務官 石原 武夫君         (資源庁鉱山局         長)         通商産業事務官 徳永 久次君  委員外の出席者         專  門  員 谷崎  明君         專  門  員 大石 主計君         專  門  員 越田 清七君 二月九日  委員今村長太郎君及び江田斗米吉君辞任につき、  その補欠として首藤新八君及び平井義一君が議  長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 二月十日  帝国石油株式会社法を廃止する法律案(内閣提  出第二七号)(予) 同月十三日  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの  件(内閣提出、承認第一号) 同月九日  鉱石産電気銅価格差補給金廃止後の施策に関す  る請願(小西英雄君紹介)(第五四八号)  中小企業等協同組合法による信用協同組合の設  立に関する請願(塚田十一郎君紹介)(第六〇  一号)  元富山県営発電施設復元の請願(土倉宗明君外  三名紹介)(第六〇三号)  大淀川発電所及び送電線復元の請願(小金義照  君紹介)(第六〇七号)  特別鉱害復旧臨時措置法案の修正に関する請願  (關内正一君外十一名紹介)(第六一〇号) 同月十三日  関東配電株式会社佐野変電所拡充に関する請願  (石野久男君紹介)(第六四三号)  日本発送電株式会社清水発電所存続の請願(砂  間一良君外一名紹介)(第六六五号)  既設発電所設備改修の請願(風早八十二君外一  名紹介)(第六六七号)  同(川上貫一君外一名紹介)(第六六八号)  同(園田直君紹介)(第六六九号)  同(前田榮之助君紹介)(第六七〇号)  電気資源開発促進の請願(風早八十二君外一名  紹介)(第六七一号)  同(園田直君紹介)(第六七二号)  東北地方の電気事業確立に関する請願(志田義  信君紹介)(第七〇四号)  元南那珂郡営電気事業復元の請願(瀬戸山三男  君紹介)(第七二三号)  かんがい排水用電力料金に関する請願(庄司一  郎君紹介)(第七二九号)  同(江崎真澄君外七名紹介)(第七三〇号)  電気事業問題に関する請願(井之口政雄君外一  名紹介)(第七四三号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  産業復興公団法の一部を改正する法律案(内閣  提出第一五号)  帝国石油株式会社法を廃止する法律案(内閣提  出第二七号)(予)  地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、  電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの  件(内閣提出、承認第一号)     ―――――――――――――
  2. 神田博

    ○神田委員長代理 これより通商産業委員会を開会いたします。前会に引続き、私が委員長の職務を行います。  ただいまより、去る十日に予備審査のために付託されました、内閣提出の帝国石油株式会社法を廃止する法律案、及び昨十三日に付託されました、内閣提出の地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの件を一括議題として、それぞれ政府の説明を求めます。稻垣国務大臣。     ―――――――――――――    地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、電気試験所熊本支所設置に関し承認を求めるの件   地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、電気試験所熊本支所設置に関し承認をめるの件   電気計器検定業務を円滑に処理するため、電気試験所熊本支所を熊本市に設置する必要を生じたので、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第百五十六條第四項の規定による国会の承認を求める。     ―――――――――――――
  3. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 ただいま議題となりました帝国石油株式会社法を廃止する法律について、その提案理由を御説明いたします。  帝国石油株式会社法は、石油資源の開発を振興するため、政府が帝国石油株式会社の資本金の半額に当る五千万円を出資し、その直接の監督と助成のもとに、必要な事業を営ましめる目的をもちまして、昭和十六年三月十五日法律第七十三号で公布されましたいわゆる特殊会社法であります。その後同社は、情勢に応じて資本金も四億六千万円に増加し、そこで終戰を迎えましたが、企業再建整備法による特別損失が約三億円に達しましたので、特別経理会社の指定を受け、昭和二十四年五月十四日に持株会社整理委員会の決定指令に基くところの保有株式の処分及び未利用鉱区の処分案を織りこみました整理計画を提出いたしました。これは同年八月三十一日に無條件に許可になりまして、同社はそのまま存続することとなりました。  さて持株会社整理委員の指令に基く保有株式の処分につきましては、引続き必要な手続を経てこれが実行に当つておりましたが、昭和二十五年二月に至りまして、これらにかかる措置が全く終り、持株会社整理委員会から終結指令の通達を受ける段階に至りました。この間におきまして、政府はさきに財政收入の確保をはかるために、同社に対する政府の出資義務を解除し、政府所有の株式を処分することができるように、帝国石油株式会社法の一部改正を行つたのでありますが、以上申上げましたごとく過度経済力集中排除法に基く諸般の措置が終りましたので、帝国石油株式会社の特殊会社としの性格を変更いたしまして、商法による会社として存続させる必要がありますので、同社を、商法に適合していない事項を同法に適合させるため必要な定款の変更の決議をすることができるようにし、かつ、帝国石油株式会社法を廃止するためこの法律案を提案する次第であります。何とぞ愼重御審議の上、すみやかに可決されんことを希望いたします。  次に電気試験所熊本支所措置について、国会の承認を求める件について提案理由を御説明申し上げます。  本件は国の地方行政機関を設置する場合として、地方自治法第百五十六條第四項の規定によりまして、国会の承認を必要とするのであります。  電気試験所の行う電気計器の検定見込箇数は昭和二十四年度百八十万箇、二十五年度二百三十万箇、二十六年度二百四十七万箇、二十七年度二百五十五万箇と、年々増加の傾向にありまして、現存の設備能力では処理困難の状態であります。ことに九州地方においては、この傾向がはなはだしく、要検定箇数は二十五万七千箇と見込まれるのでありますが、これは現在設置されている福岡支所の処理能力を著しく越えるものでありますので、この際熊本市に支所を設置して、電気計器の分布状態より見て、その検定に不便を感じている南九州地方における電気計器の検定を、とりあえず年間六万箇の予定で、取り扱わせようとするものであります。  また当支所においては、電気計器の検定のみでなく、電気計測器の試験を合せて電気に関する研究、調査および技術指導をも行つて、当該地方の電気事業の進歩発達に寄與しようとするものであります。  以上の理由によりまして、熊本支所を設置する必要があるのでありますが、なお二十五年度予算におきましては、その設置に必要な経費千八百五十六万六千四百四十円を組んでおります。何とぞ愼重御審議の上、御承認下さるようお願いいたします。
  4. 神田博

    ○神田委員長代理 これにて両案の説明は終りました。     ―――――――――――――
  5. 神田博

    ○神田委員長代理 次に産業復興公団法の一部を改正する法律案を議題として、審査を進めます。  この際お諮りいたします。本案に対する質疑は一応終了いたしたことに相なつておるのでありますが、その後政府より要求資料の配付がありましたので、この際なお若干の質疑を継続いたしたいとの通告がありますが、質疑を継続するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 神田博

    ○神田委員長代理 御異議なしと認めます。質疑を継続いたします。風早八十二君。
  7. 風早八十二

    ○風早委員 産業復興公団法の一部改正は、その文面だけでは別に大した問題もなさそうに見えるのでございますけれども、問題は産業復興公団の果して参りました、またこれから果すべきその役割にあるのでありましてこの点に対して、われわれは重大な疑問を持つておるのであります。大体いろいろな業務があるのでありますが、特にこの際に滞貨処理に関して、政府の根本的な政策、方針というものを承つておきたい。今滞貨が大体六、七億の莫大な額に上つておる。これは特別調達庁の方の分を除いても、なおかつ非常に莫大なものになつておると言われておるのでありますが、この滞貨処理というものが、ただ順調に進んである、進んでおると言われるだけでは、われわれは全然納得が行かない。この滞貨処理というものが、まず第一に滞貨の今まで生じたことに対して、政府の貿易政策なり、あるいはまた政府の国内産業政策において、明らかにこれは失敗しておるということの証左でないかと考えておるのであります。この点では、今日幸いに通産大臣が列席されております。また通産大臣については、いろいろ新聞紙上のうわさもありまして、もう今日限りということがないとも限らぬのであります。そういう意味におきまして、この際に通産大臣から、ただ大臣をやめられるとか、やめられんとかいうだけで、問題は済むのではないのでありまして、滞貨処理政策について、はつきりした方針を示していただきたいと思うのであります。
  8. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 今風早議員からお尋ねがありましたその中に、やめるとかやめないとかいうことをひつかけてお話がありましたが、これは私自身も一体やめるかやめないかということと、ここでのお答えとの間に何ら関連はないことだと思うのであります。これを問題にされることは、今日は審議会だと存じまするので、あらかじめお断りしておきます。それから今のお話でありますが、どうして滞貨ができたかということであります。これはいろいろな事情がある。一概に一本の筋ではこれを私は申すことはできないと存じます。たとえば輸入滞貨につきましては、終戰後入つて来たもの、当時の日本はどういつたものが必要か不必要かといつた混沌たる状態でありましたので、中にはその後日本の国内情勢がかわつた、ところが来たときにはもう時間がずれておつた、こういつたような品物もあります。それからまた品種の上において、いろいろ予定されておつたものの違つたものもありましよう。あるいはまた輸出滞貨につきましても時期的のずれ、あるいは当時におきましては俗に極端な盲貿易であつたために、戰前と戰後との情勢が海外において違つておつたにもかかわらず、その点がはつきりしなかつたために、できたものもあると思うのであります。また向うの市場の状況によつてたまたま話ができ合つたものも、これが出にくくなつたというようないろいろな情勢があると思うのであります。従つて滞貨の情勢がどうこうという問題については、これは一括してどうだということは言えなかつたと思うのであります。それではお前失敗じやないか、こういうお話をここへ持つて来られるのだろうと思いますので、先に持つて来られる前にお断りしておきますが、これは当時の何代かにわたつて滞貨はできておると思います。その何代かにわたつた人たちも、実際この問題についてそれでは直接責任があるかないかという問題になると、それはどうとも申せない。ある意味において先ほども申し上げましたように時間的のずれ、あるいは実際の不可抗力的な問題、その他の問題があると私は思うのであります。従つてその滞貨ができた理由その他については、個々の問題についてのお答えは別として、全般的には今申し上げたこと以上にはお答えできないと思います。
  9. 風早八十二

    ○風早委員 今通産大臣のお答えでは、これはいろいろな原因があるのだ、一概に言えないというだけのお答えでありましたが、われわれが稻垣通産大臣に特に聞きたいという点は、稻垣通産大臣になりましてから、持に採用されておるいわゆるローガン方式なるものによる協定貿易の方式が、根本的な原因ではないかということを、私はさらにただしたいのであります。今までの責任の問題についても、やがて出て来るでありましようが、とにかく日本に必要であるものが入つて来ても、日本の経済再建に役に立つものに使われておらない。また多くのものは日本に必要でない、あるいは競争的な産業をつぶす危険のある品物が、どんどん入つて来ておる。これによつて結局売りさばこうにも売りさばけない。でありますから鉱工品の滞貨のごときは、輸出の滞貨に対して輸入の滞貨は三倍ぐらいになつている。非常に多額に上つておる。輸入の滞貨の方がたくさんだということは、明らかにこの貿易方式の性格を物語つておるものだと思う。そういう点についてさらに反省せられるところがなければ、これはただいたずらにその責任を他へ――一般的な諸原因といつたようなものに、転嫁するだけのことであると考えるのでありますが、新しく稻垣通産大臣になつて採用せられた貿易方式と、今度の厖大な滞貨とは密接に関係があるという点について、大臣の所見を伺いたいと思います。
  10. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 何か私風早さんは少しお考え違いされているんじやないかと思います。鉱工品公団に厖大な滞貨があるという今お言葉でしたが、特に厖大な滞貨があるのか私不審に思うのですが、先ほど私いわゆるローガン構想をやりましたというのは、輸出は十二月一日からであり、それから輸入は一月一日からであります。それからは一つもふえてもなんにもしていないのでありまして、その点は間違いないようにひとつはつきり申し上げておきます。  それから鉱工品公団で持つておりますところの滞貨は、九十一億だと私記憶いたしますが、その中で実際に先ほど申し上げました終戰直後に入つた薬品であるとか、あるいは化学薬品であるとか、そういつたものについて処分のできないものが、大体十億だと私存じております。それで滞貨の大部分というもの、いわゆる輸入滞貨の食糧その他のものは、これは過渡的なものはあります。過渡的なものはありますが、これはただちに食糧公団や、それぞれの方へ行くべき性質のものであつて、ほんとうのいわゆる鉱工品公団の滞貨は、今数字を調べますが、たしか九十一億であつたと私は記憶しております。その中で実際に問題になるものはそのうちの半分以下である、こういうことであります。それから輸出品の滞貨は、大体政府委託のものが百九十八億でありますが、その中に対しては、綿布その他は御承知のように国内放出を済ませまして、ほとんど問題になつていません。それ以外に九十三種目でありましたかのものはあります。これにつきましては先般絹は大体処理が済みまして、あと大体人絹、スフのものについての処理が残つておる程度でありまして、一体貿易公団の滞貨処理と言いますけれども、滞貨処理というほどのものでない数字に、今はつづまつて来ております。それは何もローガン構想とは一つも関連はないので、どうも風早さんの、ローガン構想のためにいらぬものを買う、いわゆる自由な輸入でいらぬものが入つて来るのだというお考え方が、この前にもあつたと思いますが、その考え方自身が根本的に間違つておるのではないかと私は思います。一体この前もゴムを入れる、あるいは鉄鉱を入れる、はなはだけしからぬというお話が予算委員会でおありになつたと思うのでありますが、そういつた考え方に私ははなはだあいまいなるものがある。必要なもの以外に、それ以上に輸入品が入つて来るわけはないので、一体おのずからこれが必要だ、たとえば指定で鉄鉱石を幾らの割当がある、あるいはゴムは幾らの割当がある、これに対して需要が多い面はむろんこれは品物を取寄せて、自由貿易になればそれを持つていたら、その持つていた貿易業者が損をするにきまつているから、そんなものは入れるわけはない。当然必要な材料しか入つて来ないと思います。だから不必要なものを入れるとか、必要なものを入れぬとかいう考え方は、管理貿易時代にはあつたかもしれませんが、ローガン構想によつては起り得ないと、私は思うのであります。管理貿易時代には政府の当事者の一つの見当が違つておつた、計画が違つておつたということが、そこに狂いが生じたことはあり得ると思う。それがさつき言つた終戰直後の混乱時代には、鉱工品貿易公団において薬品であるとか、化学製品というものの多少の食い違いがあつたということだろうと、私は思うのであります。
  11. 風早八十二

    ○風早委員 通産大臣のお答えは、われわれは非常に憤激せざるを得ないのです。このローガン構想と関係がないなどと言われますが、名前はとにかくとして向うから入つて来る協定貿易による品物は、これは日本に全然必要のないものは入つて来ない。必要があるから入つて来るのだというようなお話でありますが、たとえばマガジ灰のごときはどうです。業者が全部反対しておるのに、多量のマガジ灰が入つて来て、結局滞貨になつておる。これは今通産大臣が言われることを反駁しておることを示しておる。こういつた実例はいくらもあるのでありまして、今現に滞貨になつておる。これから先一体何箇月でもつて、これの処理ができるかということをあなた方はお調べになつておると思う。その中に無期限にいつまで経つても処理ができない品物がたくさんあるはずですが、それを一体どういうふうに説明をするか。
  12. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 それだから私はさつきから、ローガン構想になればそれがなくなる。それ以前にはそういうことがあつたということを申し上げておる。ローガン構想のとつている方式のために云々とおつしやるから、それは間違つておるということを申し上げた。ローガン構想の考え方は、必要な品物でなければ、たとえば通商協定によつて品種の協定がしてあつても、これは民間業者が輸入するのですから、民間の需要がなければそういうものに対して輸入手続をとるはずがない。今マガジ灰のお話がありましたけれども、これはローガン構想以前の話である。ローガン構想以前にはそういうことがあつた……
  13. 風早八十二

    ○風早委員 以前じやないですよ。去年の暮れですよ。
  14. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 政府が輸入するのじやないのです。民間が全部輸入するのです。民間が全部反対しておつたら輸入するはずはない。この点はひとつはつきりしておいていただきたいと思います。
  15. 風早八十二

    ○風早委員 いろいろお説もあるようでありますが、とにかく政府が今やつておる協定貿易というものは、これは民間で必要なものだから入れると言いますが、その民間というのがいつも問題なのです。ゴムの場合も同様です。一部の大きなゴム会社は別です。しかしながら、現に神戸あたりの中小のゴム会社が、ばたばた倒れておるのは何で倒れておるか。やはりこれは、この前の予算委員会でも質問したのでありますが、結局ゴムの性質にもよるわけでありまして、向うからほんとうに業者の必要なものが入つて来るというのならば問題はないのですが、必要でないものが入つて来るから滞貨になる。業者といつても業者は明らかに一部特定の業者と、多数の中小業者とにわかれておるのでありまして、利害関係がまたわかれておる。私が今マガジ灰についても反対だというのは、やはりこういう多数の業者でありまして、この根本的な点をただ業者一般ですりかえることはできないのです。いつでもわれわれは多数の業者の利害関係の立場に立つておる。一部の大きな資本家だけが、自分が欲しいと言えば入つて来るような仕組みでは、滯貨ができるにきまつておる。また中小の業者をつぶすにきまつておる。その点を私は指摘しておるのです。従つて今言われるローガン構想に関係がないというようなことは、全然当らない答弁であると考えるのであります。  さらに、この貿易にあたりまして、ドル建ての取引があるのであります。これは一応為替管理委員会で扱つておるというのでありますけれども、やはり通産大臣としては、これを絶えず把握しておられるはずだと思うのです。このドル建ての取引の問題は、やはり脱税その他にも非常に関係があるので、この点についてもこの際通産大臣に向つておきたいと思います。
  16. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 今風早さんのおつしやつたことで、私の言つたことがますます確かめられたことを非常に満足に思います。まず第一にマガジ灰の問題ですが、これは時間をあなたがお間違えになつておると思うのです。輸入は一月一日からであります。これからは自由に業者の意思で入つて来ますから、そういうことは起き得ません。それから、ゴムの業者にも中小いろいろな企業があるのだから、お前の言つているようにも、自分のすきな品種ばかり入つて来ないとおつしやいますが、従来ならそういうことがあり得た。しかしローガン構想では、中小の業者でもそれぞれの貿易業者に頼んで輸入するのであります。そうしたならば当然自分のすきな品種を輸入するので、ローガン構想になつて初めて自分のすきな品種が入つて来て、自分のすきなように輸入ができるのであります。この点は、あなた自身の言つていることをあなた自身でお壊しになつていると思います。ゴムが余計入つて来て、今度は自由になつて統制のわくがはずされると、技術その他が優秀でなく、俗に言う三日タイヤとか、あるいは三日長ぐつのようなものしかつくつていなかつた人たちが、統制のために食つて行けた、あるいは裏でやみができたが、それができなくなるからいけないというのでは、国民大衆のために不都合千万だと私は思うのであります。この点ははつきりしていただきたいと思います。  第二に、ドル建について云々というお話がありましたが、これでいろいろな何が行われるというお説は一向わからない。
  17. 風早八十二

    ○風早委員 ローガン構想になつたら中小企業者はみずから希望できると言われるが、実際はどうです。中小企業者に対する貿易がはたしてできておるか。そういうふうに手足を全然奪つておいて、すきなものを入れたらよいじやないかと言つても、そんなことは始まらない。滯貨金融にしても同様であります。結局滯貨金融は、見返り資金の運営を助けるというだけの話でありまして、中小企業者自身に何らの恩典を與えておらない。貿易金融に至つては、例の外国貿易管理法によりまして、結局金融の道がつかない。中小企業者にはまつたく高ねの花である。そういつたような実情を全然おおい隠して、大臣は勝手にローガン構想ならばうまく行くと言つておられるが、現にうまく行つておらないではありませんか。現につぶれておるではありませんか。そういつた点を完全におおい隠す強弁にすぎないと思う。この貿易問題については、近江の豪商も、輸出滯貨のうち大体一億ドルというものは、これは中共と貿易をやれば、はける見通しがあると言つております。現在のように滯貨のダンピングをやつて、民間業者にかえつて圧迫を加えるといつたような姿で行われるのではなくして、これが正当な値段で出て行くというような見通しもあると言つておられますので、この中共貿易について、大臣の見通しは一体どうであるか。今までの通りにただ放任しておかれるつもりであるか、この点も伺つておきたい。
  18. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員長代理 ちよつと委員長から御注意申し上げます。議題外にわたらないように願います。
  19. 風早八十二

    ○風早委員 滯貨処理に関する政府の政策、方針を今聞いておるのであります。滯貨をどうしたらよいか。ダンピングをやれば済むと言つているが済まない。どんなにダンピングをやつても、たとえ繊維製品一反一円でもかまわないからこれを卸せと言われても、それでもまだ残つておる。繊維の場合にはまさか実際一円で拂い下げることはないのでありますが、しかしどんな値段をつけてもやはりだめなんです。だから通産省の一部の人たちは、もうこの際こういうとうていはけない、またはかせるために費用のかかるような滯貨は、水の中に捨ててしまおう、捨ててしまつた方がましだといつたような意見を出している人さえある。それくらいでありまして、永久にはく見通しがないと言われている物もある。でありますから、このわれわれは広く貿易の前途を見なければならぬ。今豪商の連中がこうやつて一億ドルはけるというようなことを言つておるのでありますが、一体中共との貿易の前途に対して、どういう確信を持つておられるか、この点を伺いたい。
  20. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 この中共貿易の問題については、本会議でも御質問があり、予算委員会でも御質問があり、実は私同じことを何度もお答することになるのですが、せつかくの御質問でありますからお答えいたします。これはたびたび申し上げましたよに、対中国貿易ということは、戰前においても非常に重要な部分を占めておつたのであるし、今日でもこれがおそらく今後貿易を進める上においては、対象として十分われわれが関心を持たなければならぬことであるということ、これは皆さんだれも意見の相違、はないと私は思うのであります。また実際問題におきましても、今日において、いわゆる政治的な問題は別といたしまして、経済的にはとにかくいろいろな形において貿易が行われております。順次ふえて参つております。ことにエスクロー・バーター方式による方法によつて、たとえば一月も一日から二十日までの間に、すでに七十万ドルも取引ができておる。このように毎月ふえて行つております。これはエスクロー方式によつて、たとえば向うの開平炭をこつちに入れる、あるいは大豆を入れる、落花生を入れる、日本側から機械の部分品を入れるあるいは繊維品を入れる。こういうことで実際に取引が行われておりまして、今後とも機会があるごとに、この方面の取引については促進して行きたいと思つておるのであります。私はおそらく今後この方面の貿易は、増加の道をたどつて行くものと考えております。
  21. 風早八十二

    ○風早委員 この政府の貿易の政策方針が、ただ今まで通りマンネリでやられるということである限りは、これは結局足をさらわれてしまうと思う。現にタイ米なんかも、政府は今三角貿易だか四角貿易だか、とにかく非常にめんどうな手続でもつて貿易をやろうとしておるのでありますが、そういうことがなぜ失敗するか、なぜこう滯貨をますます厖大にさすかといいますと、結局できない所とやつておる。東南アジアというような所とやつておる。もつと中共に対して貿易を促進する必要があることは、政府も腹の中では十分にこれを認めておると思う。タイ米なんかも今、日本にはたいへん高い値段で入つて来るわけですが、これをソ連は一月三十日に無制限に買いつけるということを声明しておる。どんどん買いつけて、結局また中国にそのタイ米が流れておる。こういうことになつて来ておる。そういう点を考えてみましても、やはりうかうかしておると、今のような貿易のやり方では、日本はますます行詰つてしまう。産業方面にしてもまた実際軍事基地からしましても、ある特定の国の日本に対するいろいろな戰略的な都合があつて、その下働き、下請をするような形で貿易というものが役割を持ち、品物もまた選択せられておるというふうな実情になつて来ますと、これはもうますます行き詰まる一方であるということを考えますので、われわれは政府の今答弁されたような貿易方針に対しては、絶対に反対せざるを得ないのであります。ゴムにしましても、蘭印からのゴムの買付をどんどんとソビエトが始めておるというふうに、貿易の面でも東南アジアまでも、すつかりソビエトに引つ掻きまわされておるような現状です。そういう点を考えてみれば、われわれの目をもう少し広く中共やソ連に向けて、これらと融和できるような貿易態勢に、根本的に切りかえて行かなければならぬところまで来ておると思いますが、政府は相かわらずこれをやろうとしておらない。そういう点で現在の吉田内閣、稻垣貿易政策は、もう自滅の一途を辿つておるとしか考えられない。これ以上貿易政策について幾ら聞いても同じようなことを答えられるだけでありますから、私はこれで質問を打切ろうと思います。
  22. 稻垣平太郎

    ○稻垣国務大臣 今のやり方をやつておると、自滅一途だというお言葉がありましたが、日本が占領下に置かれておるという條件以外には、貿易の面は経済的な見地からやつて行かなければならぬことは、私ははつきり申し上げておる。従つて私は広い範囲において貿易のできる国とはできるだけどこの国とでも、やるべきだということでやつておる。それだからソ連に対しても二百何十万ドル貸方になつておる、ソ連に対してもぜひ向うから物をもらいたい、この間東ドイツからポタッシュを持つて来たらどうだということのお話がありましたが、とても値段が高くて問題になりませんでした。それから三十万トンの撫順炭の問題が起つております、これも値段が高いので交渉中であります。占領下に置かれておるという條件を受けておることだけは、いたし方がないのでありまして、その面だけの制約を除けまして、貿易は政治的に考えるべきでなくて、経済的に発展さすべきものは伸ばしております。
  23. 風早八十二

    ○風早委員 占領下に置かれておる條件以外には、経済的な立場からやつておると言われますが、その経済的な立場でやつておられるにかかわらず、非常な経済的な不利益を招いているというのは、どういうわけであるか、これは結局政府が完全にその無能力を現わしているのか、あるいはまたこの占領下ということが、特別にわが国の経済に対して非常な不利益を與えているのか、どつちかでしかないと思う。またどことでも貿易をやりたいと言われますが、しかし事実やられておらない。非常にへんぱな貿易をやつておられる。不利益な貿易をやつておられる。この点についてもやりたいということは、主観的なお考えであつて、ちつともそれが実行に移されておらないというところは、やはり政府の完全な政策の失敗、無能力を現わしているとしか考えられない。
  24. 澁谷雄太郎

    ○澁谷委員長代理 これにて通告のありました質疑は終りました。本案の質疑はこれにて終了いたしました。なお本案の討論採決は、次会に行うことといたします。  次会は明十五日午後一時より開会いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後二時四十一分散会