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1949-12-04 第7回国会 衆議院 本会議 1号 公式Web版

  1. 昭和二十四年十二月四日(日曜日)  議事日程 第一号     午前十時閣議  第一議席の指定     ――――――――――――― ●本日の会議に付した事件  日程第一議席の指定  選挙法改正に関する調査特別委員会設置の件  海外同胞引揚に関する特別委員会及び災害地対策特別委員会設置の動議(今村忠助君提出)  考査特別委員会設置の動議(今村忠助君提出)  四特別委員会委員の指名  吉田民主自由党総裁の談話に関連して政府の国会に対する認識に関する緊急質問(淺沼稻次郎君提出)  吉田声明に関する緊急質問。北村徳太郎君提出)  国会に対する総理大臣の認識に関する緊急質問(神山茂夫君提出)  吉田民主自由党総裁の談話に関する緊急質問(石田一松君提出)  吉田首相の談話に関する緊急質問(岡田春夫君提出)  国鉄仲裁裁定及び人事院の給與勧告に関する緊急質問(成田知巳君提出)  人事院勧告並びに国鉄仲裁案に関する緊急質問(土橋一吉君提出)  官公庁関係労働者の給與に関する緊急質問(石野久男君提出)  電力料金地域差に関する緊急質問(今澄勇君提出)  薪炭需要調節特別会計における債務の支拂い財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の不成立に伴う処置に関する緊急質問(河田賢治君提出)     午後三時六分開議
  2. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 諸君、第七回国会は本日をもつて召集せられました。(拍手)  これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 衆議院規則第十四條によりまして、諸君の議席は、議長において、ただいま御着席の通りに指定いたします。      ――――◇―――――
  4. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) お諮りいたします。本会期においても前会期同様、選挙法改正に関する調査特別委員会を設けることにいたし、その委員の数は三十一名とし、性質、権限等は昭和二十四年五月十四日本院で決議した通りといたし、委員会の費用については月平均二十万円を越えない範囲で支出し得ることにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。      ――――◇―――――
  6. 今村忠助

    ○今村忠助君 特別委員会設置の動議を提出いたします。すなわち、海外同胞引揚に関する調査をなすため委員三十名よりなる特別委員会、災害地対策樹立のため委員四十五名よりなる特別委員会の二特別委員会を設置されんことを望みます。
  7. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて動議のごとく決しました。      ――――◇―――――
  9. 今村忠助

    ○今村忠助君 特別委員会設置の動議を提出いたします。すなわち、本会期におきましても、前会期同様、考査特別委員会を設けることとし、その委員会の構成、性質、権限等は昭和二十四年三月二十九日本院で決議した通りといたし、委員会が費用については第八回国会召集の日まで月平均百五十万円を越えない範囲で支出し得ることとせられんことを望みます。
  10. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君から考査特別委員会設置の動議が提出されましたが、本件について討議の通告があります。これを許します。木村榮君。     〔木村榮君登壇〕
  11. 木村榮

    ○木村榮君 日本共産党は、考査特別委員会の設置については反対でございます。理由は、この考査特別委員会を設置いたしまするときに、わが党の神山茂夫議員が述べました通りでございますから、私はここで申し述べませんが、その神山君が述べましたと同じような問題が、その後の考査委員会の活動において明瞭に実証されました関係上、特に強く反対の意を表明する次第でございます。(拍手)
  12. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) これにて討論ほ終局いたしました。  採決いたします。今村君提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます     〔賛成者起立〕
  13. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 起立多数。よつて動議のごとく決しました。  ただいま議決せられました四特別委員会の委員は従来通り指名いたします。      ――――◇―――――
  14. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、淺沼稻次郎君提出、吉田民主自由党総裁の談話に関連して政府の国会に対する認識に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
  15. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  吉田民主自由党総裁の談話に関連して政府の国会に対する認識に関する緊急質問を許可いたします。淺沼稻次郎君。     〔淺沼稻次郎君登壇〕
  17. 淺沼稻次郎

    ○淺沼稻次郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、昨日吉田総理大臣が民主自主党総裁吉田茂氏の名において発表いたしました臨時国会運営に関する声明に関まして、政府の国会に対する認識についてお伺いをしたいと思うのであります。  まず第一に、本日のこの召集日にあたりましても、吉田総理大臣は出席をしておりません。昨日、第六国会は終つたのでありまするが、第六国会の最終日、いわば国会最終日というものは、衆参両院の関係において、案件が成立するかいなかについて、実に重大な意義を持つものであります。なおかつ一箇月有余にわたりてやつて参りました議事を終了するのでありますから、政府の責任者としては当然最後まで残つておられまして、案件の運命を見届けて引下ることは、私は当然ではなかろうかと思うのであります。(拍手)なおかつ、本日は召集日であります。吉田総理大臣が、談話におきまして、国会の運営に批判を加えんとするならば、まず隗より始めよでありまして、本日の召集日にも、召集に応じて出席をされまして、大いに国会運営をいかにするかという相談があつてしかるべきであると、私は考えておるのであります。(拍手)  ことに、私どもは濱口雄幸氏のことを思い出すのであります。濱口雄幸氏が凶弾に倒れまして、まだいえざるからだをもつて出て参りまして、しかもそれでも国務に盡瘁した姿を見まするならば、吉田総理大臣も、こういつたような気持において、私は出席さしれることが当然ではなかろうかと考えざるを得ません。(拍手)従いまして、いかなる理由によりまして出席が不可能であるか、この点を明確にしていただきたいと存ずるのであります。  次に、民主自由党総裁吉田茂氏の名において声明を発せられておるのでありまするが、現在、吉田民主自由党総裁は、総理大臣を兼務されておるのであります。従つて、民主自由党の総裁と総理大臣の立場というものは、現在におきましては不可分一対関係でありまして、これを区別して考うるわけには参らぬのであります。従いまして、第一には、吉田民主自由党総裁の声明なるものは、一面におきましては内閣総理大臣としての国会に対する認識の声明であり、同時に民主自由党の国会に対する認識であると言つても、断じて過言ではないと私は思うのであります。(拍手)ここに短大な意義を私ども発見するのであります。まずこの観点に立ちまして、行政府と立法府の関係、さらには政府の国会に関する認識、これらについて私は質問せんとするものであります。  声明の内容を検射してみますと、第一段は、臨時国会の意義について述べられております。第二段は民主自由党を含む各党各派の議院運営に触れておるのであります。民主肩山党を含めた各党各派に対する批判が述べられておるのでありますから、言葉をかえて申し上げますならば、総理大臣の地位にある人が、国会全体に対して一つの非難を加えておるということは、看過することのできない事実であると私は言わざるを得ません。第三点は、野党の態度を非難いたしまして、わが国民主政治の進展、経済の復興安定をしいて歪曲しておると言つております。しかも、そのこと自体が国際的に非常な影響を與えておるというようなことを言つておるのであります。  申すまでもなく、今臨時国会の持つ意義は、第五国会におきまして、総理大臣は野党の質問に対しまして、税制改革のために臨時国会を開くということを声明されたのであります。またわれわれ野党側から申し上げますならば、第五国会において、政府並びに與党が、二十四年度デフレ予算、これを強行し、さらに失業対策のなき定員法を通過せしめた結果は、中小企業の金詰まり、さらに失業者の続出、社会不安が再生産されるに至つたのであります。従いまして、政府及び與党が、多数をたのんで、憲法の規定でありまするところの人権を蹂躪し、法律を蹂躪して、そうして法律の名によつて首を切るといつたような行動が行われて参りますと、一面においては、政府がかくのごとき態度をとるならば、正当防衛の見地よりいたしまして、力をもつて対抗することもやむを得かいといつたような思想を見出すに至つたのであります。  しかし、このことは、すべて民主的に議会を通じて解決しなければならないという考えよりいたしまして、野党側においては、憲法の規定に基きまして、八月二十五日と日を切つて、臨時国会の早期開会を要求したのであります。しかるに、政府におきましては、われわれが憲法の規定に基いて四分の一の署名を求め、さらに議案まで用意して要求したにもかかわらず、これを放任しておきまして、十月の十一日になりまして、十月の二十五日に国会を召集するという態度に出られたのであります。明らかに政府の憲法無視の行為であると断せざるを得ません。(拍手)従いまして、今臨時国会の持つ意義は、一面におきましては補正予算を審議する会議であり、一面においては、われわれが要求いたしましたところの金詰まりの打開、さらには失業対策の樹立、さらには社会不安の除去という点に置かれておつたのであります。従つて、これらの目的達成のために慎重審議が行われて参りますことは当然のことであるといわなければなりません。  しかも、この審議の最大なるところの遅延の原因はどこにあるかと申し上げますならば、まず私は総理大臣の国会軽視の傾向を指摘しなければならないのであります。すなわち第一には、開会と同時に施政方針の演説もなさず、予算案の提出もなさず、與党の多数をたのんで、一方的見解のもとに国会を運営せんとしたところに大きな誤りがあるということを指摘しなければなりません。(拍手)第二には、総理大臣はあらゆる常任委員会の要求に応ぜず、たとえば、外務委員会において総理大臣の出席を求めても、なかなかこれに応ぜず、議院運営委員会におきまして、議事の運営を円満にせんために、再三再四にわたつて総理大臣の出席を要求したにもかかわらず、これに応ぜざるがごときことは、明らかに総理大臣の国会軽視の傾向であると断ぜざるを得ません。(拍手)しかも、政府が與党の多数をたのんでやりまする結果、運営委員会におきまして、多数決をもつてすべての議事の運営を決定せんとしております。運営委員会において多数決をもつてきめることは、明らかに、きまらざることをきめるということになるのでありまして、このことは、お互いが考えなければならない問題であります。すなわひ、われわれといえども、デモクラシーの原則に基づきまして、多数決の決定には従うものであります。しかし、議事の運営におきまして多数決をもつてやりまするならば、本会議においては、お互いが争う、やり合うという結果になつて来るのでありますから、その都度議会の議事の運営を混乱しておるということに気がつかなければなりません。  さらに私が議会軽視の傾向として一、二点指摘したいと思いますることは、参議院におきまするところの吉田総理大臣は、星野芳樹君の演説に対しまして、講和会議のごとき、あるいは戰争のごときものについて国会、特に参議院が論議することはいけないと言つて、行政府にある者が立法府の言論に対して制肘を加えるがごとき態度をとつておるというとを、私どもは指摘しなければなりません。またそればかりでなく、この声明書全体の中に現われております傾向の中には、外交問題のごときものを取上げて参りまして、大いにこれを論議することは日本の国に不利を與えるといつたような言論を弄して、與党はみな講和会議に対するところの言論の抑圧をやつておるということを指摘しなければならぬのであります。(拍手)従いまして、私どもは、この国会に対しますところの政府の考え方について、明快なる答弁を求めなければなりません。国会は最高の機関であります。国会の意思によつて総理大臣を選び、総理大臣は国会より負託せられたる事項をもつて政治にあずかつておるのでありまして、いわば国会が最高でありまするから、行政優先というような考え方をもつて国会に臨んでは断じてならぬのであります。(拍手)政府の臨んで参ります態度の中には、この傾向があるということを指摘しなければなりません。  第二には、政府は、野党側の論議が非常に経済不安――あるはこれを助成しておるというようなことを言つておりますけれども、現在日本に起きておりますところの社会不安、経済不安は、民主自由党並びに政府が、労働者、農民、中小企業者を犠牲にすることによつて大貸本に奉仕せんとする政策の一切が、こういつたような傾向を露呈しておるということを忘れてはなりません。(拍手)また、われわれの言論というものが対外的に悪い影響を與えておると言つておる。参議院の本会議の席上において、太田敏兄君の質問に対しまして答弁をしておる。しかも、その質問に対する答弁は、占領されておる、敗戰国であるということを忘れて講和会議において要求がいれられなかつた場合においては、席をけつ立つのみであるということを言つて、オーストラリアの外相をして一つの声明を出さしめておるという事実は、明らかに世界的輿論を悪くしておるのはこの吉田総理大臣その人であるといつても過言でないのであります。(拍手)  こういうぐあいに、あげ来りまするならば、私どもは、政府の国会に対しまするところの態度を了解するわけには参りません。従いまして、この際政府はいかなる態度をもつて国会というものを認識しておるか、これを私は伺いたいのであります。民主自由党総裁の談話であるといつて、これは逃がすわけには参らぬのであります。また民主自由党総裁は総理大臣を兼ねておる。しかも、総理大臣は内閣の長でありまするから、その言論それ自体の中には、内閣自体が当然の責任を持たなければならぬと思うのであります。かくのごとく上から押えつけ、あるいは行政優先といつたような考え方において国会に臨んで来るのであるかどうかということも、明確に御答弁あらんことを切望するものであります。答弁いかんによりましては、もう一ぺん登壇することを要求いたしまして、私の質問を終りたいと思います。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  18. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 淺沼君にお答えいたします。  先ほど総理大臣が何ゆえに欠席をいたしたか――もちろん総理大臣におきましても、議会の最終の場合、また議会の開会にあたりまして、きわめて重要なることであるということは、とくとわきまえておられるわけでありますが、しかしながら、不幸にいたしまして風邪のために休養をいたしておりまして、なお数日間の欠席を要するような実情にありますので、それで出席ができませんことを、御了承をお願いいたしたいと考えるのであります。  なお、吉田総裁の談話につきましてお尋ねの点につきましては、党の総裁の談話に関することでありまして、政府といたしましては、ここに云々すべき問題はないと、私どもは考えておるわけであります。まことに遺憾でありまするけれども、この点御了承をお願いいたしたいと思うのであります。  なお、参議院におきましての星野君などの問題につきましては、その当時吉田首相より明快なる御答弁を願つておるわけでありまするから、この点について、いまさらかわつて私が申し上げるまでの必要もないと考えます。(拍手)     〔淺沼稻次郎君登壇〕
  19. 淺沼稻次郎

    ○淺沼稻次郎君 ただいま林副総理よりいたしまして、民主自由党総裁吉田茂氏の談話であるから、政治としてはおのずから別である、という見解をとられたようでありまするが、これには承服ができないのであります。すなわち、現在民主自由党総裁吉田茂氏は内閣総理大臣をやつておるのでありまして、不可分一体ということを考えなければなりません。(拍手)すなわち、総裁であると同時に総理大臣でありまするから、総裁の言は、総理大臣として吉田さんが責任を負うことは当然であります。しかも、政党内閣の原則から申し上げまするならば、政党の総裁が内閣総理大臣になつておるということになまするならば、その内閣の発言は、政党それ自体、総裁それ自体が責任を負うということは、当然でありまするから、この林さんの答弁には納得が行かないのであります。さらにこの観点からいたしまして、林さんは、あくまでも民主自由党の総裁としての談話であると強弁されるか、もし強弁されて、その通りと言うならば、結果から見れば、この吉田さんの見解は、民主自由党それ自体の見解である。民主自由党の反動性がここに露骨に現われているということを指摘せざるを得ません。(拍手)すなわちこの点は、いずれの点から考えて見ましても、今のは詭弁でありまして、言つたことに対して当然政府は責任を負うべきであるということを私は考えて、さらに答弁を要求するものであります。  もう一点申し上げたいことは、吉田さんの声明の中で、われわれが断じて忘れることができないのは日本民主化の過程を、野党側の言論が遜らせておるという言説については、断じて私どには容認するわけには参らぬのであります。すなわち、憲法が制定されましてから、基本的に與えられた人権に対し制限を加えて国家公務員法を制定し、国家公務員法に基きまする人事院規則によりまして公務員の政治活動を制限し、さらには労働組合法の改惡をいたしまして、労働組合を一つの法規のわくの中に入れようとし、さらに最近現われた傾向としては、農地改革をやめんとしてマツカーサー元帥よりの書簡にあつたということは、あの吉田内閣の反動性そのものを暴露しておるものといわなければなりません。しかも、日本の民主化を遲らせておるものは、吉田内閣とその與党である民主自由党というても、断じて過言ではないと思うのであります。ここにおいて、重ねて副総理の答弁を要求いたします。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  20. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) ただいま申し上げましたように、重ねてこれを答弁するだけの必要はないと思います。さよう御了承を願います。(拍手)      ――――◇――――― 吉田声明に関る緊急質問(北村徳太郎君提出)
  21. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、北村徳太郎君提出、吉田声明に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  22. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  吉田声明に関する緊急質問を許可いたします。北村徳太郎君。     〔北村徳太郎君登壇〕
  24. 北村徳太郎

    ○北村徳太郎君 昨日発表せられました吉田民主自由党総裁談なるものは、吉田茂氏その人の本質を暴露しておるものであります。(拍手)これは本来ならば、内容が現在の政党を批判し、国会政治を批判したものでありますらら、当然内閣総理大臣の名においてて堂堂に出すべきはずのものであります。しかるに、この民主自由党総裁なる名に隠れて元来政党政治は、政党の総裁なるがゆえに内閣総理大臣である。その人格の不可分性にかんがみて、かような卑怯方法をとつたこと自体が、すでに吉田茂氏の本質を暴露したものと申さねばなりません。(拍手)まえ吉田茂氏の率いられておるところの民主自由党そのものの本質をも、ここに暴露しておると申さなければなりません。  吉田氏の率いる民主自由党が、いわゆるワン・マン・パーテイであることは、今や世間周知の事実である。そのワン・マン・パーテイの吉田茂氏及びその一党が、今や一転してワン・マソ・バーラメントになろうとしておる。すなわち、一党総裁が独裁するのみならず、国会さえも独裁せんとする意図が十分にここに現われておるのであります。(拍手)吉田氏の抱懐する思想の根底には、実に一国一党の独裁者的精神がそこに十分に流れておることを、私どもは看取するのであります。おれの気に入らぬ者はけしからね、こういう吉田一人の国会、国会独裁の精神であります。白惡の殿堂に超然たらんとする独裁者の姿そのものにほかならないのであります。  一体何が民主化であるか。党員一人一人の人格が尊重されず、自党の総意を無視して連立政権を強行し、今日犬養健氏をして気の毒な境遇に陷れておる者はたれであるか。(拍手)政界混迷の禍因をつくつたのは、吉田茂氏その人ではないか。議会政治における光栄ある反対党の存在理由を忘れてこれを無視し、擬制的絶対多数、すなわちフイクシヨンの絶対多数党横暴のそしりを受けている民主自由党総裁から、日本民主化論を説教されることは、いささか見当違いであるということを申さねばならないのであります。(拍手)このことは、私が論議しなくても、すでに国民が十分に認識しておるところであります。  吉田茂君の国会軽視は、今日に始まつたことではございません。先ほど淺沼君からも、るるお述べになつた通りであります。吉田氏が、はたしてみずから衆議院議員たる資格を持つておられるかどうか、はたして衆議員議員たる資格を持つておられるかどうかということは、今までの言動を一々指摘するまでもないのであります。一例をあげますれば、野党連盟の強硬な要望によつて、臨時国会は十月二十五日に召集されましたけれども、野党のたび重なる要求あるにもかかわらず、十一月十日に至るまで、首相の施政方針演説さえもしない。国会を二週間以上空白ならしめたその当の御本人が、審議の進行云々を言うに至つては、また何をか言わんやであります。(拍手)  また施政方針演説に対する質問におきまして、たとえば新政治協議会の井出一太郎君の御質問中に、民自党はウルトラ・コンサーヴアテイヴであると言われておるがどうかと聞かれても、それはウルトラ・コンサーヴアテイヴであるかどうか、補正予算を見てくれ、何でも補正予算を見てくれの一点張りで逃げを張つて、そして補正予算のふたをあけると、御本人は出て来ない、姿を現わさない。それで野党の憤激を買つて、国会を一日空白ならしめたもの、もつぱら吉田氏の責任といわなければなりません。(拍手)吉田首相の国会軽視の態度に基因する多くのことを、ここで一々あげる煩にたえませんが、これらの点は、国民の記憶に新たなるところであるし、だれよりも民自党の諸君が十分御承知の通りであります。(拍手)  野党が議事進行を妨害するなどと言う前に、吉田君並びに民自党の諸君は、みずからの野党時代を少しく反省する必要がある。(拍手)石炭国管の審議に際して、当時自由党のとつた醜悪をきわめた引延ばし策は、おそらく世界の議会史上にかつてない粗劣なものであつたことは、国民の印象に新たなところである。これを見て、傍聽席で涙を流して憤慨した人があることは、今もなお民主自由党の諸君の覚えているところである。これを早くも忘れ去つて、今回のごとき談話を発表するということは、まさに耳をおおうて鈴を盗むの類であります。(拍手)すなわち、野党時代のあの暴挙が、今日民主自由党多数横暴となつて現われているにすぎないのであります。  今日、国会内における言論の自由を封圧するに最も熱心なるものは、吉田氏の率いる民主自由党そのものである。参議院において、講和問題に関して討論を慎めと言つて物議をかもした人物が、口をぬぐつて国会尊重などと言うことは、むしろこつけいというほかはないのであります。(拍手)吉田首相が、参議院において内外の鋭い批判を浴びた失言は、一旦取消したものの、実は吉田氏そのものの本音であつたことは間違いないのである。再び先般の参議院の予算委員会において、その本音が明らかになつたりであります。平和会議に席をけつて帰るなどという暴論を吐くことは、これちようど、かつての軍部が空虚な強がりを言つて、そういうことによつて、ひたすら国民の人気をあおつたのと、まつたく同じ手口であると申さねばなりません。(拍手)  しかもその反面、今回の声明では、一も二もなく関係方面の意見をうのみにしておる。いまだかつて、首相みずからが、自己の政策にこれを十分消化させ、これを親切に熱意をもつて説明した形跡はごうもないのであります。これこそ、まさにとらの威を借るきつねと申すほかはないのであります。金詰まりはドツジさん、減税はシヤウブさんに聞いてくれと、ひたすら政権維持に汲々として、すでに自主性を喪失しておるオー・イエス・マンの態度をもつて国民を欺瞞するに至つては、何人も憤りを禁じ得ないところであります。(拍手)  吉田茂君は、昨日発表の談話の中で、野党各派が着々安定しつつあるところの日本経緯に対し、しいてこれを否認し、あるいは歪曲するごとき言動をなして省みず、内外にわが国経済の現状を誤解せしめてはばからない、まつたくこれは党利党略に出ずる言論であり、内外に非常な誤解を與えておる、そのようなことを申しておるのでありますが、今日日本が経済が安定したことは、どの現実面にそんな安定感があるのか、故意か無知かはわかりませんが、通貨量が一定の線に抑制せられておることをもつて経済が安定しておるという錯覚に基いておることは、だれもこれを認るにやぶさかではありません。これを安定と称しておるのは、吉田氏とその率いる一党のみである。  今や、インフレ不安定から、より惡質なデフレ不安定に飛び込んだまでのものである。国民のなまなましい生活体験によつて、身にしみて体験しておる事実を無視してはならない。事実をして事実を語らしまよ、であります。税金の滯納、不渡り手形の激増、通貨の増大、元値を割る投売りダンピング、あるいは失業者の激増、深刻な金詰まり、不景気、破産にあえぐ国民大衆の深刻な苦悩を全然御承知ない吉田首相であればこそ、今日ひとり涼しい顔で、大磯で葉巻をくゆらしておられる。(拍手)  わが国経済がすでに安定したなどという放言は、実にけしからぬものであると申さればなりません。(拍手)実にこれこそ、日本経済の今日の事実を否認し、事実を歪曲し、内外に誤解を與え、全国民を侮辱するのはなはだしいものといわなければなりません。(拍手)これにまつたく民自党政権存続のための党利党策にほかならないのであります。私は、党利党略なる暴言は、この際吉田茂氏並びにその一党の諸君に、これを確かに返上いたしたいと思うのであります。(拍手、発言する者あり)  諸君、神聖なる議場において、この光景が反動性の暴露である。(拍手)要するに、今回の吉田声明なるものは、吉田氏の国会無視の宮廷政治家的な独裁性を余すところなく暴露したものであります。吉田総理は、国会と光栄ある反対党の存在を無視して、同時に国民を侮辱するものと断ぜざるを得ないのであります。かつて東郷内閣においてさえ、かかる国会無視、国会侮辱の暴言を吐いた事例はないのであります。(拍子)実に、わが国憲政史上、かくのごとき暴言を、時の内閣総理大臣たる一党の総裁から発せられたことは、まさに今回をもつて喪失するのであろう。  時あたかも講和会議近しとの朗報に、国民はあげて民主的、平和的態勢の確立に努力を傾注するときであります。このときにおいて、吉田氏が、国会に対して、いまだかつてなき侮辱的暴言を吐いた。しかも、国民注視の中にある食確法の運命が衆議院においてどうなるかという臨時国会の最終のときに、最も重要なる段階において、その結末さえ見届けずに帰つたということは、まさに熱意も誠意もないことの証拠であると申さればなりません。     〔拍手、発言する者多し〕
  25. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 静粛に願います。言論妨害のための拍手はいけません。
  26. 北村徳太郎

    ○北村徳太郎君(続) 私どもは、わが国人口の半分を占める農民のために、超過供出を法制化して、あくまでこれを法の強権によつて供出させようとする、こういう惡法を阻止せんがために、全力をあげてこれと鬪つたのであります。三千数百万人の農民のために、かかる憲法からこれを擁護しなければならねがゆえに、これと鬪つたのでございます。これをしも野党の党利党略などと言うに至つては、これはまさに政府の苦しまぎれの悲鳴といわざるを得ないのであります。(拍手)供出後の自由販売という公約とはまつたく正反対食確法、これを撤回するだけの良心さえも失つた民主自由党の吉田内閣が、みずから招いた苦境にあつて、みずから追い込まれた苦境にあつて、あげたところの悲鳴にほかならない。  今回の吉田氏のこの声明は、実に自己の良心を欺瞞し、農民を欺瞞し、国民を欺瞞するもはなはだしいものといわなければならない。(拍手)かくりごとき非良心的なる吉田氏の、独裁的な欺瞞的な態度に対して、国民はいつまで信頼を続けるであろうか。すでに国民は、吉田内閣への忍従の限界点に達しておるのみならず、その怒りはまさに沸騰点に達しておるのであります。封建的保守党の独裁制を端的に表現する、一党の独裁者たる、いわゆるワン・マン・パーテイなる言葉が、今やさらに国会の独裁者たるワン・マン・バーラメントに飛躍せんとしておる。議会主義政治が否認、跳躍せられんとしておる。この危機に直面しておるのであります。私は、健全にして良識ある国民にかわりして、この声明の底に流れる書誌だ茂君の反駁会主義思想を一日もすみやかに拂拭され、追放されんことを要望せざるを得ないのである。(拍手)  この際、内外に深刻重大なる誤解を與え、日本の進路に大量な障害を與へる今回の声明を、潔く撤回すべきものであると思うのであります。(拍手)真に吉田茂君が民主主義を信奉せられるのであるならば、当然国会を通じて、国民に対し、国の最高機関を侮辱したことをここに陳謝すべきであると思うのであります。(拍手)しかすることが、吉田茂翁をしてその晩節を全うせしむるゆえんであり、またわが国議会政治を正道に引きもどすゆえんのものであこと信ずるのであります。はたして吉田氏にその用意ありやいなや。  私は、以上の諸点を通じて、吉田氏の反動性を暴露しつつ、これに対して責任ある答弁を求めるものであります。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  27. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 先ほど来北村君から、種種吉田内閣並びに民主自由党に対するところの御批判があつたわけですけれども、この御批判は、どうか御自由に――御自由であろうと考えます。  なお総理大臣――ではありません、吉田総裁の談話の点につきまして、これを撤回するようにとの御忠告もあつたようでありますけれども、これは内閣からお答えすべき問題でなくして、党が何分のことをお答えすることと考えるわけであります。      ――――◇―――――  国会に対する総理大臣の認識に関  する緊急質問(神山茂夫君提出)
  28. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、神山茂夫君提出、国会に対する総理大臣の認識に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  29. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕。
  30. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。国会に対する総理大臣の認識に関する緊急質問を許可いたします。神山茂夫君。     〔神山茂夫君登壇〕
  31. 神山茂夫

    ○神山茂夫君 民自党の総裁であり、同時に内閣総理大臣である吉田茂君に対して、私は共産党を代表して若干の質問をせんとするものであります。ただ、私が聞かんとする大綱の点につきましては、すでに淺沼議員並びに北村議員からの質問がありまして、これに対して、まことにご親切な回答が副総理からあつたのでありますが、この点についての私の質問はあとでいたすといたしまして、この根本的な点につきましては私は繰返すことをいたしません。  私たちが、ここでむしろ問題にしたいのは、なぜ吉田総理がこういうふうな発言をせざるを得なかつたかという、まことに同情すべき点について、一言触れておきたいのであります。この点は、すでに北村君によつて指摘されておりますように、前国会における議事の運営が思うにまかせなかつた。ことに食確法の処理にあたつては非常に窮地に追い込まれた。これは單に野党各派の構成が強かつたということの結果ではなくして――これもありましよう。しかし、ここに並んでおられる民自党の同僚議員の諸君の腹の底にも、あの食確法を持つては農村に帰れないという、まことに痛切、正直なものがあつた。(拍手)この点が、古田君をして日ごろ悩ませておつたのではないかと思うのであります。しかも、この問題をとらえて、全国民、ことに農民諸君の意思を代表しての野党各派、これが一致結束した攻撃は、非常に大きな痛手であつた。  皆様も御承知のように、平清盛は、わが世のことは何でもままならないことはないと言つた。あり誇つた平清盛に、ままにならないものがあつた。加茂川の水と山法師だ。われわれは断じて山法師ではない。われわれは、ちようど加茂川の水のように、自然に流れるものだ。しかし、この吉田君が思うにまかせなかつたところの、国民の批判と、それから野党の一致結束した反撃こそ、あの気の弱い吉田君をして、遂に――これは悲鳴と北村君は言いましたが、これはヒステリー性の叫び声かもしれない。とにかく自分の本心を吐露したのが昨日の談話であります。もしもこれが單なる一井の個人の談話であるならば、私たちは、これを笑つて過ごしてよいのでありますが、残念なことには、吉田君は民自党の総裁である。ワン・マノ・パーティのワンマノである。しかも内閣総理大臣である。このことが、私たちをして、あえてここで問題をを問題として取上げざるを得なくした最大の原因なのであります。(拍手)  さて、この話の内容をよく私たちが見てみますと――今日ここに尾崎先生がおられないことは、まことに遺憾なのでありますが、かつてあの日本の軍閥と藩閥が横行して、天皇の名をかたり、天皇の袖に隠れ、袞龍の袖に隠れ、詔勅をたてとして国民の批判を押えたことを、私たちは思い出さざるを得ない。いま皆さんの目の前で、あの吉田総理は、文字通りこれと同じことをやろうとしておられる。  彼の声明のまつ先にあるものは何であるか。いわく九原則である。その次にあるものは何であるか。いわくドツジ・ラインである。その次には、恐れ多くもマツカーサー元帥の名前をひつぱり出しておるではないか。(拍手)これこそ、かつてあの藩閥どもが天皇の名をかたり、その袞龍の袖に隠れて国民の輿論を抑圧したのと、まつたく軌を一にしておる。違つておるところは、ただ一つある。かつて日本の天皇の名を使つて、藩閥があの凶暴なる政治を行つたとするならば、あの吉田君は、まさに外国の人間の名前だけを使つておる。ここが特徴である。  さらに彼の談話の内容を見ますと、彼は国民の厳格なる批判、国民の希望、国民の熱情、国民の感情を反映しておる野党各派の意思を押えつけようとしておる。これは、かつて東條たちが――あの、われわれが背負つた帝国議会、この帝国議会を翼賛議会とした。真に勇敢に反対意見を述べる人は、指を折つて数えるような、そういう議会である。そういう議会を吉田君が望んでおるのであります。吉田君の頭の中にあり、胸の中にあるものは、あの東條がそこへのさばつておつたように、あれと同じ議会にしたいのである。  彼は、口を開けば民主主義と誓う。しかし、その本質は、彼の哀れな悲鳴の中にはつきりと現れておることとを、われわれは冷静に見抜き、また見抜かざるを得ないのであります。従つて、世界の目が、この吉田君をさして極右――いやでもありましようが、聞いてもらいたい――極右と言う。また日本人の中の一部の人は、彼を目ざしてファシスト的と言う。――的をつけておきます。――的という彼が、まさにかつてのムソリーニ、ヒトラー、そしてあの東條が昔ここにいたと同じことを望んでいるということを今度の談話は、はしなくも暴露しているのであります。  彼は、今度の談話の中で、大きなことを言つている。われわれの尊厳と責任の自覚云々という、もつともらしいことを言つているのでありますが、(「その通り」)一体その責任をサボリ、そうしてその尊厳を汚したものはだれであつたか。(「共産党だ」)と呼ぶ者あり)  諸君、そこらで共産党という声がかかつている。よろしい、事実を見よう。第六国会におきまして、予算案が問題になりましたときに、ここに増田君がおられますが、増田君は、まず十日には大体上程できる、こう言つた。それが十二日に延びました。そり次には十四日に何とかしますと言つた。十四日にはやつと上がつて来ました。さらにこの十五日には財政演説がありまして、諸君も御承知のように、十六日から野党各派からの質問が行われるようになつておつた。ところが、その場合に、総理の出席を野党各党が求めたばかりではなくて、賢明な民自党の議員諸君の中にも、それが当然とお考えになつたに違いない。  ところが、私たちがこの問題を問題にしました場合に、吉田総理は一体どこに行つたのであるか日ごろから――すでに北村議員によつても指摘されましたように、参議院その他における失言問題、さらには国会の構成そのものに対する失言、こういうふうなものに対しまして、われわれは衆議院の議院運営委員会に出席を頼みました場合に、彼は一度も出て来たことがない。しかも、この十六日に始まろうする財政演説に関連する質問におきましては、ぜひ吉田君の出席を必要とする。ところが、私たちがこれを求めた場合に、彼は出て来なかつた。理由は何であるか渉外関係である。またしても渉外関係。(「その通り」)  私たちは、物事の道理がわかる。私たちは、話の筋道をよく知つている。ですから、十六日、あるいは十七日、真にだれとどういう事情でございますと、せめて増田君を通じてでも言つて来たならば、私たちはそれを了承るに決してやぶさかではない。ところが、どうしても古田君は出られない、彼は渉外関係の重大な要務がある、こう言う。そうして総理をあくまでも出席させなかつたのであります。気の毒なことに、十一月十七日の読売新聞には、こういう記事が出ておつた。吉田首相に、十一月十六日、衆議院本会議に出席せず、二時半から外相官邸で、三時間にわたつて、米太平洋沿岸の有力な土建業者アツキンソン氏と会談したと、読売新聞に報道されている。(拍手)しかもアツキンソン氏は、会見後、INSの記者に対して次のように語つているのであります。(「そこまで言つてはだめじやないか」と呼ぶ者あり)そこまで言つちやだめだという話がありますが、もう少し言わなければならない。「私ほ個人の資格で單に視察に来たたけである。今度の訪日は二度目だが、そのときに吉田総理と会見した」、諸君、この個人的なとも思われる渉外関係を、国権の代表者であり、国民の信託に基いて国権を運用している国会に向つて報告できないのである。こういう現実がある限リ、だれが何と言おうとも、この問題の責任は政府側にあることに古田君にあると言われて、何がおかしいだろうかそこでやじつた諸君、どうだ、これは(拍手)  さらに彼は、昨日も、すでに他の議。員諸君によつて指摘されましたように、確かに病気であるらしい。この病気の内容について、私はあえてここで云々しようとはしない。しかし、もし副総理にして良心が一片だに残つているならば、一応病気の実情を話してみたがよろしい。ただ問題になるのは、諸君、かつてこの帝国議会に、この演壇の上に、凶漢によつて狙撃されて、生命の危機を憂えられていた、あの濱口雄幸君を連れ出した人さえある。われわれは、そのひそみにならおうとするものではない。しかし、その生命の危機さえ冒して、自己の責任を果すために演壇に立つ総理と、ちよつとかぜを引いて大磯へ行つて、そうしてゆつくりしている総理と、どちらが諸君、更に国民に対して責任を負う総理だ。(拍手)  しかも濱口君は、かつて日本の主権は天皇の軍閥のもとにあり、国会は單なるその装飾物にすぎなかつた、そういう時代の総理であつた。今日においては、お互い国会議員が代表するところの国会こそは、真に国民の主権を代表するものである。しかも、その多数党によつて総理に選ばれている吉田君がかの濱口君に劣ること何等ぞや。これを聞きたい。(拍手)これが民主政治家なのか。これが民主主義者なのか。これこそ民主自由党にはふさわしいが、日本の民主化を語るには最もさわしくない人物なのであります。(拍手)  さらに、こまかなことに省きますが、昨日の運営委員会において、今名前をあげることはいたしません。おさしさわりがあるから申し上げません。申し上げませんが、十一時を過ぎた、きのうの運営委員会におきまして、吉田君がこういう談話を発表したということを、民自党の委員諸君の大部分が御存じなかつた。極端な表現をすれば、だれ一人知らなかつたのであります。さらに夜開かれました委員会におきまして、この談話の経緯その他をついても、だれ一人責任ある回答ができなかつたではないか。こういう事実を見る限り、皆さんが望もうと望むまいと、吉田君がワン・マン・パーティであると言われ、ウルトラ・コンサーヴアテイヴであると言われるのはあたりまえであつて、何もふしぎはない。(拍手)従いまして(発言する者あり)従いまして、全世界の前に日本を誤解させる、こういうふうに彼は言つておりますが、しかし、日本のことを誤解させるのは、われわれ野党はなくて、まさに諸君、こういう実情を演ずるところの吉田君その人にあるということが問題なのであります。(拍手)  彼はみずから、今の北村君の表現に寄れば、耳をおおうて鈴を盗むと言つた。彼は、おろかにも毛を吹いて傷を求めている。こういう形によつて野党を批判したと思つている。だが、まさに批判されているのは、われわれを含む全野党ではなく、吉田君こそ全世界の前に批判されているのであります。(拍手)  彼は、口を開けば、日本は民主化していると言う。だが、日本の民主化の現状は、この総理をいただき、このワン・マン・パーテイのもとに、二百六十六名の民自党の諸君が、胸に一ぱいの悩みと叱りと憤激を抱きながら、ここにすわつていなければならぬという、こういう現状なのであります。(拍手)(「そこまで心配してもらわなくてもいい」と呼び、その他発言するものあり)しかし、もしも諸君が冷静に国民の声を聞かれるならば、諸君の地盤における農民の声を聞かれるならば、また学校を求めている子供たちの希望を聞かれるならば、中小業者の希望を聞かれるならば、必ずや、こんなワン・マン・パーテイありがたがつているのではなくて、もつと別個な方向と道と努力があるに違いないことを私たちは信じ、また必ずやそうなることを疑わない。  さて……(質問しろと呼ぶ者であり)ただいまから質問いたします。(笑声)ことにこの点は、林副総理にお尋ねしたいのであります。私は、すでに今までの話の中でも、皆さんが御承知のように、吉田君に対して、すでに淺沼君及び北村君の真正面の批判があつた今、あえて君が吉田君と四つに組むの忙少しおかしい。ちやんちやらおかしいそこで私は、副総理にちよつと聞いておきたい  先ほどからの各議員の質問に対して、副総理がのこのこ来て回答されたこの場合、私は一言しておきたいのでありますが、もしもここで副総裁が答えてておりますように、真に彼は政府の代表者としてだけ、ここに立つておるのであつて、與党としての民自党の代表者でないから、今のような問題に答えられない、そう考えておるのであるとしますると、私は、この質問に対して、一体だれが答えるのか。ここにすわつておるのは副総理ではなくて、廣川弘禪君あたりで適当なのではないか、こういう皮肉さえ言いたくなるのであります。そうではなくて、彼はほんとうにまじめに、今行われております野党各派からの質問に対して、言葉を盡し、誠意を盡し、真に国民の批判に訴えるために、その見解を述べるべきだ。それを一言も言わずに、ああいう逃げ方をするのを、日本語では卑怯者と申します。(拍手)従つて、この点について、副総理からはつきりした回答を求めたい。なぜならば、われわれが述べたようなことについて答える度胸もなければ、趣旨もなければ、腹もない、何もないのだ。(拍手)  こういうときにあたりまして、こういう談話を発表したことによつて、私たちが憂えるのは、まさに今日本は、全面講和か、それとも単独講和かの、大きなわかれ道に立つておる。ことに国民の中では、自分の生活を守るだけではなくて、日本の独立のために生涯をささげようと考えておる。こういう重大な時機にあたつて、この世界の目の見ておる前で、日本の最大の党の首相であり――この首相という言葉は吉田君の言葉であります。――首相であり、そうして総理である吉田君が、各党の批判にこたえないような、こういう笑うべき見解を述べることは、まさに全世界の前に日本をさらしものにし、わが国会をさらしものにし、さらには民自党をさらしものにすることにたりはしないかこれをおそれる。(拍手)  私たちは、この重大な時機でありますから、すべてこの点を、総理そのものがここに立つて所信を述べ、自分の失言はわび、撤回すべきは撤回し、そして自分の無知を国民の前にわびるべきではないか。そういう腹があるかないか、これを聞きたい。これをもつて質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  32. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) いろいろお話を伺つたわけでありますが、私の立場といたしましては、政府を代表いたしましての答弁なので、先ほど淺沼君その他の方に申し上げましたように、これは党の問題であるので、政府としてはかく申し上げてるおるわけでありますから、さようご了承をお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――
  33. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、石田一松君提出、吉田民主自由党総裁の談話に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  34. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  吉田民主自由党総裁の談話に関する緊急質問を許可いたします。石田一松君。     〔石田一松君登壇〕
  36. 石田一松

    ○石田一松君 私は、昨日吉田総理大臣が民主自由党の総裁として発表なさいましたあの談話について、新政治協議会を代表して、ここに質問をするものであります。  まず最初に、副総理がお答えくださるそうでありますから、特に私が聞きたいと思う重点的な問題を一つ申し上げておきます。それは、昨三日、第六国会閉会日の当日、吉田総裁談話を発表された、その談話を発表したところの真意、及びその発表を行つてどうしようという目的でこれがなされたのであるか。発表の真意とその目的とを重点的にお伺いしたい、こう思うのであります。談話の内容の中に、第六臨時国会の審議の遅滞したということが野党各派全責任であるかのごとく、しかも政府並びに與党のみが真に民主的で、党利党略的な行為にはまつたく出なかつたかのごとく、そらうそぶいていらつしやることは、野党各派に対するところの重大なる侮辱でありまして、吉田首相は、民主政治家としての素質と要件とを欠く政治的なな無知を、みずからここに暴露しておるものと考えるのであります。(拍子)  われわれ野党といえども、第六回会における政治活動につきましては、幾多反省を要する問題があることを、決して否定するものではございません。しかし、吉田総理大臣が、事ごとに国会を軽視するかのごとき非民主的なる、独善的不遜なる言動をしばしば繰返しておりますることは、すでにこれは周知の事実であります。にもかかわらず、みずからこれを改めようとする一片の誠意すらも示さず、それのみか、野党を誹謗してはばからないこの厚顔なる態度に対しましては、われわれは絶対にこれを黙過することができないのであります。(拍手)  総裁の談話として発表し、ことさらに総理大臣の名前を避けまして、特に民主自由党の総裁の名前によつてこの談話を発表されております。しかも、ただいま副総理の各議員の質問に対しての御答弁は、あれは総理大臣としてではなく、民主自由党の総数としてなした党の問題である、私は、ただいまここで内閣としてお答えしておるので、その点についてはお答えができないとおつしやつておるのでありますが、私は、その副総理の答弁こそ実に幼稚きわまる答弁であると申し上げたいのであります(拍手)なぜかならば、総理大臣がすなわち民主自由党の吉田総裁であるという事実は、三歳の児童といえどもこれを知つておるのであります。(拍手、「三歳の児童は知らぬ」と呼ぶ者あり)もしこの事実を知らないという事実があるとすれば、それは今やじつていらつしやる方と吉田総理大臣のみであります。  要するに、私がここに申し上げたいことは、総裁の名前によつてこの談話を発表されたというこの事実は、総理大臣として発表するには、その談話の内容に何らかはばかるところがある。さすがの吉田さんも、総理大臣として発表することをためらつたという事実がある。すなわち、もし吉田さん自身がためらつたのでなければ、総理大臣を取巻くところろの側近の、いわゆる坊主ともいうべきものがいたとすれば、この茶坊主どもの運営によつて、総理の名前を避けて総裁の名前を使つたのである。(拍手、「茶坊主とはだれだ」と呼ぶ者あり)  いずれにしても、公務に関する吉田茂君の言動は、それがたとい総裁の名によつてなされても(「茶坊主とはだれだ」と呼ぶ者あり)速記録をよく見たらわかる。――総裁の名によつてなされても(「茶坊主とは何だ」と呼ぶ者あり)速記録をよく見たらわかる。(「速記録に茶坊主なんて書いてあるか」と呼ぶ者あり)――総裁の名によつてなされたといたしましても、いくら総裁の名前によつてなしたといわれても、事公務に関する発言、行為は、絶対に総理大臣としての責任を免れることはできないということであります。(拍手)その総裁談として発表した、陰險にして卑劣なる手段を選んだというこの事実こそが、この談話の政治的陰謀性を暴露し、みずから墓穴を掘る証拠になつておるのであります。(拍手)  すなわち、総理大臣の名前を使わず、ことさらに総裁の名前をもつて談話を発表いたしたということから、われわれが当前に明らかに察知し門ることは、この談話の内容が、吉田総理大臣の談話として発表するにはふさわしくないものであるということだけは、われわれは察知できるのであります。少くとも、総裁の談話であると発表し、総理大臣の名前をこの際避けたこと自体が、絶対に吉田さんの談話の発表の陰謀性を暴露する、その内容と発表する真意の目的において公明ならざるある何ものかがこの中に包蔵されているということであります。すなわち、各職員がただいまこの壇上から追究し、質問いたしましたところの一つつの事実というものが、この談話の中に含まれているということを、すでに吉田総理大臣は、発表前におのずからこれを自覚していたということであります。この発表によつて野党を極度に刺激するであろうということ、もう一つは、異常であるところの民主自由党の代議士会にもこの問題を諮りませんで、総裁談という名のもとにこれを発表した。すなわち、この行為によつて、自分の與党である民主自由党の議員をまで昨日議会において狼狽させるであろうということも、吉田総理大臣はすでに事前にこれを察知していた。その結果として、昨日の国会にある種の混乱が生じ、重要法案いわゆる食確法の改正案を審議中の国会、特に参議院の各派に與える心理上の惡影響というものを、吉田総理大臣は事前に知つていたから、総理大臣の名前を用いずして、総裁の名前にかえたということであります。  もしかかる談話を発表することによつて、ただいま申し上げたような結果を惹起するということを全然予知しなかつたと言われるならば、これはまつたく、かかる單純なる見通しさえつかぬ、ことに政治的には早発性痴呆症にひとしいものかと言わなければなりません。(拍手)おそらく、総理大臣の名前を用いず、総裁の名前を用いたことによつて、この早発性痴呆症の名前だけは私も撤回してよいと思います。すなわち、昨日の第六臨時国会の最後の審議されつつあつた重要法案は、この談話の発表によつて、おそらく審議未了に終るかもしれないということさえ、吉田総理大臣は予測しておつたのであります。これが、この談話の発表を、あえてみずから総裁の名前にかえた大きな理由であります。すなわち、この談話の発表によつて惹起するであろうところの結果を、この責任を、総理大臣として回避しようとしたからこそ総裁の名前を用いられたのであります。すなわち、昨三日の国会のいわゆる審議の経過を、責任を、そつくり野党各派にこれを転嫁しようとする陰謀であります。  しかも、まことに私が遺憾に思いますことは、この発表の結果によつて、いかなる影響を與えるかということを察知し、その結果がどうなるかということを予知してこれをなして、しかも大磯に引上げ、その結果にほくそえんでおるのではないかということであります。すなわち、あの食確法の通過をみずから好まないがために、審議未了の責任を野党に転嫁して、しかもこれが審議魅了に終るような手段ををとつたのがこの発表であります。私は、この実に卑劣きわまるところの陰謀的な談話のを発表に対して、民主国会において、今後日本の歴史の続く間、一大汚点を残したものであると思うのであります。(拍手)  さて私は、ここに特に注意を喚起したいことは、来るべき休会中に與党の議院諸君が農村にお帰りになつて、この食確法の審議未了になつたという事実に対して、いかなる議会報告を選挙民に対してなさるかということは、実に興味ある問題であるとして私は刮目するものであります。  私は、今回の談話に含まれておるすべての事実こそ、吉田首相並びにその與党である民主自由党の諸君が、常に多数をたのんで強引に行いつつある事実そのものであるということを、ここに私は再確認したいと思うのであります。  吉田総理大臣の出席を国会が要求しましたときに、吉田総理大臣が欠席をなさる理由として、先ほど共産党の神山君も申し上げておりましたが、たえず、常用語のように、渉外関係である、ある場合には風邪で寢ている。この理由を用いられているのであります。昨日も、正午ごろこの総裁談を発表なさいまして、しかも、この発表の結果がいかなる影響を国会に與えたか、おもむろに打診をして、相当の影響力を與えたと二時間、三時間観察し、取巻きの者どもの、もうあとは大丈夫ですから、総理は御安心なすつて大磯に帰つて、おかぜをお引きになつたらいかがですかという言上によつて、それではかぜでも引くことにしようと大磯にいらつしやつたに相違ない。  しかも、ふしぎなことに、おかぜをお召しになつたときに、総理大臣はたえず大磯にいらつしやるということ、も一つは、総理大臣がかぜを引くときは、土曜日と日曜日と祭日が特に多いこと、(拍手)しかも週末旅行、静養とほとんどその時期が同じであるということ、これは私は、なぜかぜを引いたのだと、やぼなことを言うのではありませんが、おそらく吉田総理にとつては、大磯は鬼門に当るのじやございませんか。十分注意あそばして、御年配のことでもありまするし、今後も土曜日、日曜日、祭日は特に健康に留意をなさるのが、総理大臣として最も大切なことだと私は思います。  私は、このことを特に追究しようというのではありませんが、とにかくこの発表の真意が、結論的にいえば、昨日参議院で審議未了に終つたところの食確法の不通過を目ざして、食確法の通過を円滑に表面活画によつて、しかも一方において国民と連合軍との間に立つては、さながらこの通過を欲するがごとき態度をとりつつも、他方において、この陰險なる手段を用いて野党を刺激し、国会を混乱に導くその態度と、野党がとつた正々堂々と所信を述べてこれ反対の態度をとつておるその態度と、いずれが正しき政治家の行為であるかは、おそらく世界の常識ある万人が認めることであると私は考えるのであります。この点におきまして、はつきり最初に申し上げました、あの談話の発表の真意がいずれにあつたかということ、その目的は何であつたかということ、あの談話を発表して何を企もうとしたかということ、私はこの点を特に強調して、副総理にお尋ねする次第であります。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  37. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) ただいま、三日の吉田総裁の談話に関しての真意につきしての御質問であつたのでありますが、私、また不幸にいたしして、吉田総理にその後お目にかかつておりません。従いまして、その真意が那辺にあつたかということについては、まだ伺つておりませんのみならず、これは党の方の総裁としての御談話であつたのでありますから、私は存じておらことを申し上げます。従つて、その目的が那辺にあつたかということに、つきましては、私は申し上げることはできません
  38. 石田一松

    ○石田一松君 簡單でありますから、自席から発言をお許し願います。  ただいまの副総理の御答弁は、そういう答弁があると思いましたから、総理大臣と総裁の区別をしても、総理大臣としての責任は免れないということを君は前置きして質問したのでございます。にもかかわらず、総理と副経理が昨日来会つていないから、真意がわからぬ、目的がわからぬとおつしやるのでありますから、次の機会でけつこうでございますから、総理大臣に副総理がお会いになつて、その目的並びに真意をわれわれにお答えくださるか、さもなくば、後日の機会を期して、総理大臣みずからがこの談話発表の目的と真意とをこの国会に発表なさいますか、その要求を保留いたしまして、私の発言を終ります。      ――――◇―――――  吉田首相の談話に関する緊急質問  (岡田春夫君提出)
  39. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、岡田春夫君提出、吉田首相の談話に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  40. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  41. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  吉田首相の談話に関する緊急質問を許可いたします。岡田春夫君。     〔岡田春夫君登壇〕
  42. 岡田春夫

    ○岡田春夫君 労働党を代表いたしまして簡單に緊急質問いたします。先ほど林副総理の御答弁によりますと、吉田民自党総裁が答弁をされたのであるから、政府としては答弁の限りではないと、かようにおはないかと、かようにお話であります。そうなつて参りますと、どうもこの内閣は民自党内閣ではないらしいようである。これは別な政党の内閣あるらしいのであります。大体、かような答弁をされなければならないほど、吉田内閣の中で、副総理の林さんに、この事情を御存じなかつたらしい。ここに吉田総理がワン・マン・パーテイの、先ほどお話のあつたようにワン・マンたるゆえんであることが明らかに立証されたと思うのであります。(拍手)私は、このような事実から考えましても、今度の問題の中で、吉田民自党総裁の談話の中で重要な点を簡單に申し上げるならば、国会の審議が遅延したのは野党並びに国会各派の責任であるという点が第一点、第二の点は、民主化、安定化を歪曲、否定して、野党各派は党利党略のためにこれを利用して講和会議に惡影響を及ぼしつつるという、この二つの点が最も重要な問題であります。  まず第一の、国会の審議遅延の問題につきましては、これはあらためて申し上げるまでもありません。先ほど質問の諸君が申しました通りに政府が国会に対して法案を提出する時期がはなはだ遅れておる。予算の問題は言わずもがな、その他の問題に対しましても、十二月一日から自由貿易になるというのに、この自由貿易の基本法である外国為替管理法は、国会閉会の直前にこれを提出して、十二月一日から自由貿易にいたしますから、審議の期間は二日間にしてもらいたい、こういう民自党の諸君の申入れである。極端な場合は、貨物運賃の法案の提出においては、午後二時に法案の説明を政府から聞いて、午後九時には、質問も終了しないうちに、多数の力をもつて審議を打切つて、しやにむに貨物運賃の八割価上げを強行しておるのであります。こういう点から見しても、国会の審議が遅延し、国会が紛糾したとするならば、これは明らかに吉田民自党内閣並びに民主自由党の責任であるということは、あらためて申し上げるまでもないわけであります。(拍手)  この点は、昨日幣原議長の言葉によつても明らかに立証されている。すなわち、昨日の閉会のときにおける職長のごあいさつによりましても、臨時国会の閉会のあいさつとして、この国会において国会議員の諸君が十分審議を盡されたことを多とするものであるという意味の議長の御発言があつた。この点を見て同じ民自党の中で、特に吉田さんの常に尊敬おくあたわざる幣原さんから、違う意味の御発言があつた点を見ても、民自党の内部事情がいかに混乱をしているかということが明らかに暴露れていると思います。(拍手)  ここで林副総理に一言だけお伺いをしておたいと思いますが、吉田民自党総裁がいかに談話を発表されようとも、政府の立場として林副総理は、吉田氏の言われた、各党は議案に入らずして、いかに政争を事とし、特に野党各派はすべてこれを党利党略に使つていると吉田さんはおつしやつておりますが、今度の臨時国会において、林さん御自身の見解として、このようにお考えになるかどうかということを、まず第一にお伺いしたい。  あとは簡單に申し上げますが、第二の問題は、先ほどの談話の要旨として、野党各派は民主化あるいは経済の安定化を妨害しつつあるという意味の談話が書かれております。ところが、経済の安定化の問題については、日本の国内の状態が、明らかに吉田さんの意見とは正反対に、労働者、農民、中小商人の生活が、年の瀬を控えていかに窮乏しつつあるかということは、言うまでもありません。ただ、この窮乏しつつある日本経済の中で、吉田さんの言われる安定しておる人々は、一部の独占資本家と、その一部独占資本家につながる吉田さんたちの一党だけが安定しておるのでありましよう。われわれは、このような一部独占資本家の安定をもつて日本経済が安定しておるとは断じて言い得ない点は言までもないのであります。  第二の民主化の問題にいたしましても、吉田さんは、民主化を妨害しつつあることについては、すでに札つきである。この点は、第二次吉田内閣以来、すでに定評のあることであります。外国の新聞にも明確に書いてある。昨年の十一月十六日のニユーヨーク・ヘラルド・トリビユーンによると、吉田さんの第二次吉田内閣成立について、日本の保守勢力の指導者吉田茂が総理に選ばれたことは、アメリカが後押しした日本の改革が、実際にはまだまだ不十分で、旧時代の政界ボスを弱めるまでには至つていないことを示すものだ、と言つている。続いて、吉田は太平洋戰争前に高位高官の地位を占めた多数の日本人と同類である、民主主義の土台を日本にすえようと努力して来たアメリカ人は吉田を喜ばない、とまで書いてある。こういう一点を見ても、いかに吉田さんが日本を民主化しつつあるかということは、国際的にも明確であります。  講和会議の問題につきましても、わが党の参議院議員星野芳樹君、太田敏兄君に対して、再三にわたつて失言を吉田さんが行われ、この失言によつて、オーストラリアのエヴアツト外相は、先月の十一日付をもつて、このように吉田さんの態度を非難しておる。古田さんの言明はは、英連邦とアメリカとが至急協議する必要のあることを示している、吉田首相は明らかに、日本がかつて侵略者であり、連合国に筆舌に盡せない損害を與えたことを忘れている、と言つている、この事柄をもつてしても、講和問題に対して国際的な惡い影響を與えつつあるのは、国会内の野党各派ではなくて、まさに吉田総理時代が惡影響を與えつつあるのである。現実に、講和会議の問題についても、全面講和、單独講和かの答弁すらできない。あるいはまた、講和会議の具体的な問題については、失言と取消しとを繰返しているばかりである。これでは、いかにワン・マン・パーテイのワン・マンであつても、これは民主化の妨害をしておるとしか言えないのです。最後に、吉田さんは談話の中で、私は多数党の首領として、諸君とともに、まじめな反省をしたい思う、と書いてある。この中で、先ほども神山君の言つたように、首領という言葉でお話になつておりますが、首領というのを、このような談話の中でお使いになつたのは、きわめて珍らしい。これは山賊か何かが使う場合に首領という言葉が使われるのでありますが、この点はともかくとして、大いに吉田さんは御反省になるそうでから、古田さんは、この際、今まで民主化を妨害して来たことを、まず吉田さん御自身と、その率いる民主自由党の諸君が大いに自己反省をされて、進んで自己反省の具体的な現われとして、吉田さんは内閣を総辞職された方がよろしいと思いますが、林さんはいかにお考えになりますか、この点をお伺いいたしたいと思います。(拍手)     〔国務大臣林讓治君登壇〕
  43. 林讓治

    ○国務大臣(林讓治君) 先ほど来、総裁の問題につきましては幾たびかお答えをいたしておりますので、総裁は総裁としての所信を述べられておるのでありますから、政府といたしましては答弁外であると考えます。  なお、私の立場でどうであるかということの御質問でありましたが、非常は御協力を願つて、政府の一員の私といたしまして感謝いたしておる点もありますが、ときによりして、あるいは御指摘になりましにような点もあつたのではなかろうか、またこれが非常に強く感ぜれるような点もあつたのではなかろうかと、私どもは考えておるわけであります。  なお、吉田内閣の辞職などという問題につきましては、毛頭私ども今日考えておりません。あしからず御了承を願います。      ――――◇―――――
  44. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、成田知巳君提出、国鉄仲裁裁定及び人事院の給與勧告に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  45. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 幣原喜重郎

    ○議長(幣原喜重郎君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  国鉄仲裁裁定及び人事院の給與勧告に関する緊急質問を許可いたします。成田知巳君。     〔成田知巳君登壇〕
  47. 成田知巳

    ○成田知巳君 日本社会党を代表いたしまして、ただいま議長の言われた通り、今日人事院から勧告されましたところの国家公務員給與ベース改訂に関する勧告と、国鉄仲裁委員会の裁定案について緊急質問をいたしたいと存じます。  第一にお尋ねしたいことは、現在の国家公務員の六千三百七円ベースは、昨年七月の物価を基準といたしまして、昨年十二月一日より実施されておるものでありますが、国家公務員法第二十八條によりますと、給與に百分の五以上増減を必要とするという場合には、人事院は政府並びに国会に勧告をすることになつております。とすれば、当然人事院は十二月一日以前に勧告をなしまして、十二月一日より新給與の実施が行われるところの措置を構ずべきであつたにもかかわらず、ようやく本日勧告がなされたということについて、私どもは質問なきを得ないのでありまして、この点に対する人事院総裁の御見解を承りたいと思います。このことは、裏から申しますと、今回の勧告案七千八百七十七円ペースは、当然十二月一日から遡及して実施することになると考えるのでありますが、これに関する人事院総裁の御意見を承りたい。  次に七千八百七十七円の金額の問題でありますが、最近示されましたところの国鉄の裁定によりましても八千五十八円が妥当とされ、同じく專売公社の調停案によりましても八千百三十八円となつておりまして、この両者を比較して、今回の勧告案はあまりにも低きに失するという感じを受けるものであります。ましてや民間企業と比較すると、その差はますます大でございます。特に今回の勧告案によりますと、実質的給與でありますところの福利厚生施設については何らの勧告がなされていない。まことに遺憾と存ずるものでありまして、人事院総裁は、これについていかなる御見解をお持ちになつておるかを承りたい。  次に政府の関係閣僚にお尋ねしたいのでありますが、今まで政府はしばしば給與改定の意見なきことを表明しておられますが、国家公務員の給與に関するところの、少くとも政府部内における最高の権威ある機関とされておる人事院から、今回の給與ペース改訂に対する勧告案がなされた今日においても、なお政府は給與ベース改訂の意思をお持ちにならないかどうか、この点について、政府のはつきりした御答弁を承りたいのであります。  二日の大蔵大臣談として新聞紙上に報道されたところを見ますと、ベースは将来とも絶対かえないというのではないが、しかしながら、明年度予算は六千三百七円ベースで組んであるというような表現をなさつておるのでありますが、今回の勧告が出た以上、当然十二月一日より実施するために、補正予算を至急提出すべきだと考えるのであります。これに対する政府の御見解を承りたい。さらにまた、明年、昭和二十五年度予算の基準を六千三百七円ベースに置いておるということは、今回の勧告によつて当然七千八百七十七円ベースに切りかえて予算提出をされるべきだと思うのでありますが、これにする政府の見解を承りたい。  次に国鉄の裁定案について御質問いたしたいのでありますが、第一に運輸大臣に伺いたい。裁定によりますと、経理の都合により職員が受けた待遇の切下げは、ぜひとも是正さるべきでる、こうありまして、     〔議長退席、副議長着席〕 公社は本年度において四十五億円を支給して、これを十二月に三十億円、一月以降ベース改訂のあるまで毎月五億円を支給すると述べておるのでありますが、この趣旨によりますと、当然公社は趣旨に合致するがごとき万全の措置を講じまして、国鉄五十万職員の生活の安定に資すべきであると思うのでありますが、運輸大臣の御意見を承りたい。  さらに、この裁定は、公共企業体労働関係法第十六條及び第三十五條の規定によつて、両当事者を拘束することになつておりますから、公社は現在の経理能力で自主的に処理できる部分については早急に準備して、所定の時日までにこれを続行すべきであり、経理能力を越える部分については、すみやかに予算を作成して、所定の手続をとるべきであります。すなわち、裁定に述べておりますところの四十五億円のうち、現在の公社の経理能力のわく内で処理できるものは、ただちに両者を拘束し、わく外の予算上の措置を必要とするものについては、法律の命ずるところによつて、当然運輸大臣はすみやかにこの手続をとるべきだと思うのでありますが、運輸大臣の御意見を承りたいのであります。  次に労働大臣にお伺いしたいのでありますが、今回の裁定は、公共企業体労働関係法実施後の最初の適用でありまして、わが国の民主的労働組合が合法的方法によつて賃金改訂を要求した最初の場合でございます。公共企業体労働関係法の精神及び民主的労働組合保護の見地からいつても、この裁定は政府において十分尊重されなければならないと感ずるのであります。かかる控え目の、しかも合法的要求が、もし政府によつて拒否された場合においては、せつかく芽ばえて参りましたところのわが国労働組合運動の民主的な方向は、これがために大きなる阻害を受けまして、合法闘争から暴力闘争に迫いやることになり、労働組合運動の前途に決定的な影響を投ずるものといわなければなりません。これに対する労働大臣の明確な御知見を承りたいのであります。  なお、仲裁委員会裁定は協定と同一効力を有しておるのでありますから、予算上の手続を必要とする組合には、裁定があつてから十日以内にこれを国会に付議いたしまして、その承認を求めなければならないことになつておるのであります。三日に裁定があつたといたしましたならば、政府は、この手続を当然十二日までに施行すべきだと思いますが、これに対する労働大臣の意見を承りまして、私の緊急質問を終える次第であります。
  48. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) ただいまの成田君の御質問でありますが、本日は運輸大臣及び大蔵大臣が欠席しておりますので、両大臣からは後日適当の機会に答弁していただきますが、それに関連いたしまして増田国務大臣より答弁をいたすことにいたします。     〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
  49. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 人事院より、本日午前十時少し前に、給與ベースに関する勧告がございました。よつて政府は、全体の問題として取上げまして、まず人事院総裁に出頭を求めまして、勧告の内容についての説明を聴取いたしました。この聴取したことを皮切りといたしまして、給與ベースそのものにつきまして慎重に勧告の内容を検討中でございます。     〔国務大臣鈴木正文君登壇〕
  50. 鈴木正文

    ○国務大臣(鈴木正文君) 国鉄の仲裁案は、公共企業体労働関係法の施行以来最初の提出でありまして、きわめて慎重に、しかも労働立法の精神を尊重して、その方向において処理して行かなければならないという考え方におきましては、成田委員と同様でございます。  それから、十二日までに出すという考え方においても同様でございます。どういうふうな部分を出すかという詳細な検討は、目下政府がいたしておりますけれども、十二日までに出すべきである。――出すべきものは出すべきであるという見解においては同様でございます。     〔政府委員浅井清君登壇〕
  51. 浅井清

    ○政府委員(浅井清君) 成田さんにお答えを申上げます。  人事院は、七月の各種のデータを入手し、利用し得るに至りまして、俸給額を百分の五以上引上げる必要を認めたものでございます。但し、民間の給與の調査、あるいは三百八十一の都市における生計費の調査等に意外の時間をとりまして、ようやく今日勧告するに至りましてのでありまして、決して故意に勧告を遅延いたした意思はございません。  なお、この勧告書に実施の時期について何もしるしてございませんのは、国会の予算審議権との関係でございまして、人事院といたしましては、この勧告が一日も早く実現することを希望いたすものでございます。  なお、国鉄の調停案との関係をお聞きになりましたが、人事院といたしましては、国鉄の調停案を批判すべき立場にはございません。これより低過ぎるという点におきましては、各種の資料によりまして、委員会等において詳しく重ねて御説明を申し上げたいと存じます。(拍手)      ――――◇―――――
  52. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、土橋一古君提出、人事院勧告並びに国定仲裁案に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  53. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  54. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) ご異議なしと認めます。よつて日程は追加らせれます。  人事院勧告並びに国鉄仲裁案に関する緊急質問を許可いたししす。土橋一吉君。     〔土橋一吉君登壇〕
  55. 土橋一吉

    ○土橋一吉君 私は、日本共産党を代表いたしまして、本日人事院が勧告をいたしましたこの内容、及び一昨二日に国鉄仲裁委員会おいて出しました仲裁案に関しまして質問をいたすものであります。  ただいま官房長官及び労働大臣から御答弁がありましたような、きわめて不誠意な答弁では、私は満足はできなのであります。  御承知のように、国家公務員に対しましては、また各種公共企業体の労働者諸君、あるいは民間における労働者諸君の窮状は、今や言語に絶するものがあるのであります。特に吉田内閣の低賃金政策並びに低米価政策は、今や勤労段階を餓死寸前においておるのであります。なおかつ人事院におきましては、国家公務員法が委任をいたしておりまするあらゆる内容を、人事院規則等によりまして非常に制限いたしまして、特に公務員諸君の登録に関する問題、あるいは政治活動の制限に関する問題、さらに職階法の制定ないしは公務員の試験制度をも、ただいま実施計画中でありまするが、このように、働いておりまする勤労階級に対しましては、あくまでも抑圧し、低賃金政策に遇進をしておりまする日本の現状におきましては、明らかに、公務員諸君の例をとりましても、民間給與の平均七六%の下まわりを呈しておるりであります。また超過勤務手当等にいたしましても、平均三〇%程度しか支給をいたしていないのであります。  このような現状におきまして、本日はからずも人事院から国家公務員の給與に関する勧告が出されたのでありまするが、その内容を見ますと、七千八百七十七円ベースであります。このような、きわめて謙譲の美徳を発揮し、公務員諸君がほとんど食えないような賃金ペースを人事院は勧告いたしておるのでありまするが、政府は誠意をもつて、現下の情勢上、ただちにこの勧告を検討し、この勧告に応ずる意思があるかどうか、この点を明確に御答弁願いたいと思うのであります。  なお、総裁も常々各委員会等において申されておりまするが、浅井総裁は、本来ならば十一月の三日には内閣総理大臣と会談をせられておつたりであります。翌四日の新聞は、一齊にただいまの七千八百七十円程度の人事院の勧告が出ることを報道しておつたのでありまするが、今日の勧告の内容を拜見いたしますると、この問題は火急に処理しなければならないので勧告をするから、ということが書いてもありまするけれども、もし人事院総裁が、真に公務員諸君の利益を守り、働いておりまする者の生活の擁護を考えまするならば、政府が予算案を編成する以前において当然勧告すべきであつたと思うのでありまするが、なぜ行わなかつたか。私は、国鉄労働組合が調停案を受諾し、さらに国有鉄道公社におきましてこれを拒否し、なお一昨々日の仲裁案が出るまで、人事院が政治的に政府とともにこの給與ベース改定についてサポタージユを行つておつたということを申し上げるのでありまするが、これに対して、人事院総裁の責任ある御答弁を願いたいと思うのであります。  なお、公労法によりまする仲裁案は四十五億の予算を要求し、今年におきましては三十億を使うことによつて、一人平均六千円の賞與なるものを出し、来年の一月から三月まで千円あて、毎月五億円を出す、合計四十五億でありまするが、この内容をつぶさに検討して参りますると、平均一人九千円であります。従いまして、四箇月をもつてこれを割つて参りますると、現在の六千三百七円ペースに加うることり二千二百五十円、合計八千五百五十七円に相なるのでありまするが、人事院の勧告によりますると、七千八百七十七円でありまするので、そこに六百八十円の差があるのであります。この点におきまして、人事院は、政府とともに、この国家公務員の給與標準については、きわめて讃譲の美徳を発揮しておるのでありまするが、この美徳では、公務員諸君は絶対に食えないのであります。従いまして、国鉄の仲裁委員会の仲裁案と人事院の勧告との間には六百八十円も差があるようなこの勧告案、あるいは仲裁案が出ておりまする内容については、人事院総裁はいかに答弁をせられるか、明確なる御答弁を願いたいと思うのであります。  なお運輸大臣に対しましては――少くとも国鉄六十万の同志諸君が、今日まで非常な苦労をせられまして、約九万数千の領首を見まして、非常な整理を断行し、超過勤務手当あるいはその他の諸手当が今日非常に削減をせられておりますが、このような状態において――なるほど公労法の三十五條の規定によりまするならば、当然国有鉄道公社はこの仲裁案に服従しなければならぬのであります。ところが十六條の規定によりますると、予算上、あるいは資金の運転不可能なような場合には、国会が承認をする場合においてこれが可能となるのであります。こういう措置に対しましては、運輸大臣はいかなる誠意をもつてもの問題に当てられるか。民主自由党が絶対多数を占めておりまする国会でありまするので、誠心誠意善処する熱意がありまするならば、この仲裁案は、国鉄五十数万の諸君に、ただちに給與せられるのでありまするが、これについて、どのような確信と新年と努力を持たれておりまするか、明確な御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)  なお人事院総裁に重ねて御質問をいたしまするが、人事院総裁は、去る人事委員会におきましても、私の質問に対しまして、それは国会で決定することであつて、人事院は勧告すればよろしい、その結果は人事院の感知するところではないと、このようなことを仰せになつたのでありますが、私がさらに質問をいたしますると、この時の六千三百七円ベースは人事院がやつたのだ、人事院がこれをつくらしたのだ、このような暴言を吐いておるのであります。従いまして、このたびの七千八百七十七円の勧告についましても、民主自由党を絶対多数とするこの吉田政府が、あるいは民主自由党内閣が、もしこれをのまないというような場合には、真剣に、この改訂ベースをあくまでも再勧告して、これを要請する熱意を特つておるかどうか、この点を明確に聞きたいと思うのであります。(拍手)とかく人事院は、政府となれ合いまして、公務員諸君が人事院に参りまするならば、それは政府である、それは国会で御決定になることであると、このようなことを申しまするが、最後に詰めて行くと、人事院が勧告するからできるのであると、こういうような暴言を吐いておられるのであります。この点につきまして、人事院総裁の明快なる御答弁を願いたいと思うのであります。(拍手)     〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
  56. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 土橋君にお答え申し上げます。  政府におきましては、本日人事院から勧告を受けましたから、この勧告そのものの内容を、国家財政全体との関係において、また給與ペースそのものの内容等を慎重に検討中であります。以上のほかの特定の意思表示は、ただいまのところ、できかねる次第でございます。(拍手)     〔政府委員浅井清君登壇〕
  57. 浅井清

    ○政府委員(浅井清君) 土橋さんにお答えをいたします。  勧告の時期を故意に遅らすというような政治的な意味は絶対にございません。本日ようやく勧告の運びに至りましたものでございまして、この点に対し事前に吉田総理と談合したようなことは断じてございません。吉田総裁とお話をいたしましたことは、国家公務員法二十八條の存在することについて強く注意を喚起したにとどまるものでございます。  七千八百円が低いか高いかということは、結局は国会の御判断にまちたいと存じております。なおこの点は、詳細に申し述べる機会があろうと存じております。  このペースを貫徹する決意があうかとの仰せでございまするけれども、その決意がなければ、あえて勧告はいたさぬつもりでございます。(拍手)      ――――◇―――――
  58. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、石野久男君提出、官公庁関係労働者の給與に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  59. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  60. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) ご異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  感知用関係労働者の給與に関する緊急質問を許可いたします。石野久男君。     〔石野久男君登壇〕
  61. 石野久男

    ○石野久男君 私は、労働者農民党を代表いたしまして、官公庁労働者の給與に関する件についての御質問をいたします。  社会党の成田議員、共産党の土橋議員からそれぞれ、今回国鉄に対してなされました仲裁書についての件、あるいは本日出されました人事院の勧告に関するいろいろな角度からの質問をなされたのでありまするが、政府はこれに対して何ら真剣な答弁をしていないのであります。国鉄の給與につきましては、すでに労働組合が九千七百円を要求いたしましたのは、統計局の資料に基いた最低生活を保障する、ほんとうに食うための賃金の要求をしたのであります。しかし、それに対する調停委員会の八千五十八円の調停に対しては、労働組合は、合法的な立場からという意味で、不満足であつたけれども、これを受けるということの態度の表明をしたのでありまするが、政府は、それをむげによもけづたのである。吉田内閣は、ほとんど労働者の立場を考えていないのである。どのように労働者が今日塗炭の苦しみにあるかということがわかつていない。  今日この仲裁案が出ましてから、さきに成田君から言つておりまするように、法に従えば、十日以内に当然これらに対する処置をしなければならない問題に関して、先ほど鈴木労働大臣は、十二旧までには出したい、出せるものなら出すのだというようなことだけで、はつきりとした政府の所信を伺うことができないのであります。どのような決意も持つてその責任を果すかということについての確信のある答弁がなされていないのであります。政府は、はたして労働者の今日の窮状に対して、はつきりした、それぞれの事情がわかつているのか、いないのか。もし、わかつているならば、法に従つて、これに対する処置を、明確にこの壇場から全国の労働者に対して表明すべきである。私は、あえて重複いたすのでありますけれども、この仲裁に対する政府の所信を明確に示されんことを第一点として要望するもりであります。  この仲裁に対しては、さきに土橋君からも言つておりましたように、公労法の第三十五條とか十六條の関係から、巧みにこの三十五條の但書を用いて、拘束するその法の力から抜けて出ようというずるい考え方が政府にあるものと私は考えるのでありますが、はたして政府は、当初からそのような考え方でこの問題を見ておつたりであるかどうか。私は、これだけの重大な全国の官公庁労働者に影響する賃金の問題に対して、政府に誠意があり、ほんとうに労働者を見てやろうという親心があるならば、今日卒然としてこれらの仲裁案を喜んで受けなければならないはずであるし、またそれを與えなければならないはずであると思います。はたして政府は、この三十五條によつて法が拘束する仲裁を受ける意思があるのかどうかということを、はつきりとここで言明していただきたい。それは政府の責任であり義務であると私は感じておるのでございます。  勧告案につきましては、浅井人事院総裁は、この勧告は貫徹する意思があるから勧告したのだということを今言われました。もし政府にして、この勧告を拒否するようなことがありました場合には、浅井人事院総裁はどのような態度をとられるか。その決意を、はつきりとここで、われわれに聞かしてもらいたいのである。これは同時に労働者の聞きたいところでありますから、明確に御答弁いだきたと思うのであります。  勧告がなされまして、政府はこの勧告に従つて、さきの調停になりましたところの八千五十八円はこれをけつたのでありますけれども、今度勧告になつているこの七千八百七十七円は、非常に労働者にとつて苛酷なものでありますが、この勧告をはたして政府は受ける決意があるかどうか。もしそれを受けるならば、いつからそれを実施する意思ありや。この点について、はつきりと御答弁願いたいのでありますし、また同時に、先ほど成田議員からの質問にもありましたが、十二月の一日にさかのぼつてこれを実施する意思があるかどうかという点について、はつきりと政府の御答弁をいただきたいのであります。  増田官房長官の御答弁は、さきの同僚諸君に対して、常に研究中であるということを言われております。私は、研究中であるという答弁を聞いて、あえてここで増田官房長官の責任ある御答弁をお願いしたいのであります。もしそれ増田官房長官が研究中であるという答弁を私にするならば、私はここではつきりと申し上げる。増田官房長官は、研究中ということに故意に籍口して、全国の労働者を撒くものである、全国の労働者に対して何らの誠意もないものであるということを、はつきりとここで申し上げるのでございます。どうか誠意ある御答弁をくださらんことを私は説に要望いたしまして、私の本件に対する質問を終ります。(拍手)     〔国務大臣増田甲子七君登壇〕
  62. 増田甲子七

    ○国務大臣(増田甲子七君) 石野君にお答え申し上げます。たびたび私が御答弁申し上げております通り、勧告の内容は目下検討中でございます。もとより、わが国財政経済全体との関係においても勘案をいたさなければなりません。というのは、われわれ国民生活を安定し向上いたしたいからでありま」す。この国民生活の内容には、もとより労働者諸君の生活も入つておる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣鈴木正文君登壇〕
  63. 鈴木正文

    ○国務大臣(鈴木正文君) 仲裁案の検討につきましては、公労法の定むるところによつて公正に運んで参りたいと考えております。     〔政府委員浅井清君登壇〕
  64. 浅井清

    ○政府委員(浅井清君) お答えをいたします。人事院はこの勧告を貫徹いたしますについて最前の努力をいたすことは申すまでもないことでございます。しかしながら、人事院の持つておりまする権限は、何が適正なる給與であるかを勧告するにとどまるものでございますからして、これを経済問題、政治問題として、より高い立場から御決定になるのは、国会及び内閣、ことに最後の決定が国会にあることは、これは国会公務員法に照して明らかなることでございます。      ――――◇―――――
  65. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、今澄勇君提出、電力料金地域差に関する緊急質問をこの際許可されんことを望みます。
  66. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 今村君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  67. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  電力料金地域差に関する緊急質問を許可いたします。今澄勇君。     〔今澄勇君登壇〕
  68. 今澄勇

    ○今澄勇君 私は、日本社会党を代表して、電気料金値上げと地域差の問題に関し、通産、大蔵、安本各大臣に、以下数項目にわたつて緊急質問をするものであります。この問題は、近く値上げを前にして種々の疑問に満ちておる国民の要望するところでございまして、まじめな御答弁を願いたいと存ずるのであります。  第一点は、鉄道運賃は従来運輸省で立案し、物価庁で総合的に検討の上決定するという方式をとつていたが、運賃の社会、経済に及ぼす重大性にかんがみて、国会での討論にまつことといたしました。もとより現在の財政法においては、このような民間企業が持つておるところの電気料金の値上げを、一一国会に諮ることはできないでありましよう。しかしながら、電気料金は運賃以上に社会的影響が甚大であるにもかかわらず、国民の代表である国会の討議を経ずして一方的にきめるといポことには、大きな矛盾があるわけでございます。政府は、財政法を改正し、将来においては、この電気料金の値上げ等の問題について国会に諮られる意思がおありであるかどうか、御見解を承りたいのであります。  第二点は、一昨日の新聞記事によりますると、総司令部より電気料金値上げについて勧告案が示されておりまするが、これを総合して考えるのに、社会的な負担の均衡が適正に日本の実情に即して考慮されているとは考えられない面が多々あるのであります。わが国の行政は、日本の実情に応じ、わが国の経済に適切なものでなければならぬのであるが、政府は、これらの点について政府独自の見解を持つて、実情に即応するよう料金体系を修正される意思があるかどうかということが第二点であります。  第三点は、勧告案の料金体系においては、地域差がはつきりとつけられまして、中国、九州は、電力の低料金地区に比べて、一三〇%というような高い料金となつておるのであります。このような高い地域差をつけたことは、これは電気事業の分断を前提として考えられたものであるかどうか。もし電気事業の再編成を前提として考えられたものであるならば、電気事業の再編成に関しては政府はいかなる所見を持つておるものであるかを御答弁願いたい。なおまた、この地域さは該地域の電力原価から割出されたものであるか。もし電力原価から劇出されたもりであるたらば、今の日本発送電の電力原価について、政府はいかにこれを考えておるかということを伺いたいのであります。  第四点は、電気料金は電力原価のほかに需用密度、経常能率等の問題から十二分に検討されなければならないのであるが、この大幅な地域差を見ると、これらのものは考慮されていないように思うが、なぜ考慮されなかつたのか。なおまた、火力、水力の別建となつておりますが、火力料金の算定にあたつて最も重大な石炭は、トン当り幾ばくにはじいて原価計算されているものか、あわせて伺いたいのであります。  第五点は、地域原価の建前であるとすれば、中国、九州のように、特に地域差をつけられた上に、大量の電気に火力料金を課せられることになる地方は重大な影響をこうむるが、この結果、いかなる事態が生じ、また政府は、その事態に対して、どのような方策によつて対処するつもりであるかということを伺いたい。  第六点は、重要なところでございますが、現在の重要産業の中で、電力を従来木曽資材とする化学工業、すなわち原価公正要素の七〇%から八〇%は電力が占めているところの肥料、ソーダ、アルミナ、カーバイド等の産業は、電力の立地条件とは無関係に、全国に均一に配置されておることは、御承知の通りであります。そうして、それはまた長期にわたる国家の方針でもあつたのであるが、それに今日ただちに、かくのごとき地域差料金を適用するとすれば、これらの産業は決定的打撃を受ける結果、すでにできておる産業については、地域差料金と火力料金の重圧のもとに崩壊せざるを得ないものが現われて来る。もちろん、他の産業においても漸次その影響を受けまして、企業整理、首切りが必然的に起されて来ふと考えるが、政府は、これに対しては、いかなる見通しを持ち、かつまたこの不景気のまつただ中において、いかなる対策をもつてこれを救済せんとしておるのか、詳細に承りたい。なおまた、電気を原料とするこれら重要産業に対しては、全国的な時別料金制、あるいはその他の特別措置を設けて保護するの意思ありやなしや。もし意思ありとすれば、具体策が聞きたいのであります。  第七点としては、電気料金の値上げは、他方に当然サービスの業務を伴うものでなければならない。この値上げによりて、政府は豊富にして停電しない電力を国民に送らなければならないのであるが、その自信があるかどうか。しかるに、勧告案を詳細に見ると、定額電灯のこと身零細な需要家の値上げが大幅に考えられておつて、電気事業自信の努力もいたさないで、一般大衆に大幅の値上げを推しつけている傾向があるのであるが、この点については納得できないところであります。政府の見解を承るとともに、本年の渇水期においては、この値上げをもつて停電は絶対にやらないということを、国民の前に約束できる自信があるかどうか。家庭用電力については、最低の国民生活を確保する、すなわち文化生活の最低を確保する電力の送電を行い、しかして、それは国民生計費の上に重大な影響をもたらさない程度のものでなければならぬのであります。しかも、そのために最も重大な水力電気の開発については、全国に三十八地点、百数十億の見返り資金がこれに充てられることになつておるにもかかわらず、いまだ一文の見返り資金もこれに投入しておらない。半歳をむだに過した大蔵大臣の責任と、しかして、もはや雪も降ろうとしておるのであるが、これに対しては、どういう措置がとられているか。しかも、来年度の見返り資金運営の中で、水力の発電に関しては、どのような具体案を持つておられるか。これは後日でけつこうでございますから、大蔵大臣の答弁を要求いたします。  最後に、政府が三割二分を上まわるこのたびのこの勧告案の値上げを断行するならば、物価体系に重大な影響を與えないで九州されることは困難であるということは、何人も認めるところであります。政府の言う安定政策それ自体が矛盾に満ちている証拠には、さきに貨物運賃の八割値上げ、今また電気料金の値上げとなり、しかも、これらの値上げを行うことなしには、独立の採算制がとれなくて、経済の運営が不可能であるという嚴然たる事実こそは、すでに安定政策が、その崩壊しておるいろいろな要素の中で矛盾を暴露し、その一角がくずれておることを雄弁に物語るものであると存じます。これに対する政府の見解は一体どうか。  政府は、賃金だけはいつまでも現ペースに置いて、かわらざる基準の上に経済の安定を計画しながら、次々と値上げをされる。これらのものは、一体どうしてこれをカバーするか。すなわち、政府は実施賃金を向上せしめると、常に約束をいたしておりまするが、一般大衆の生活費の高騰は、ここに人事院の勧告においても明らかでございます。われわれは、しかもなおそれらの一般大衆の賃金ペースをくぎつけしようとする政府の政策の理解に苦しむものであります。運賃の値上げ、補給金の撤廃、その他数々の国民生活にほね返るところのこれらのものとにらみ合せて、電気料金の値上げの大衆負担は、労働者の賃金べースを引上げるという政策の転換をいたして、これをカバーするか。もしそうでないとすれば、現在の賃金ベースにおいては、いかなる方策でもつて具体的にこれらの電気料金の値上げの負担をカバーする方式があるかどうか。これは安永長官から、理論的にわれわれの納得の行く御答弁を求めたいのであります。  以上九点にわたつて御答弁を要求し、私り質問を終る次第でございます。(拍手)     〔国務大臣稻垣平太郎君登壇〕
  69. 稻垣平太郎

    ○国務大臣(稻垣平太郎君) 御質問の点についてお答え申し上げます。  まず、電気料金値上げを国会の審議に付する考えはないかどうかということでございますが、これは今澄さん自身のお話のように、私企業に適用されるものでありますので、国会の審議を要するといいう考え方自身に少しく間違いがないか、かように存ずるのであります。  その次に、この合同発表の勧告案について、どういう見解を通産省は持つておるかということでありますが、なおこれは検討いたしておる最中でありますので、ただいま通産省の御意見を申し上げるべき時期に達していないと申し上げたいのであります。  第三に、地域別電力料金は電気事業分割の前提ではないか、こういう御質問であつたのであります。しかしながら、この電気料金の地域差と、それから電気事業の分割というものとの間には、必ずしも因果関係はございません。  第四に、水力料金の日発の経理についてのお尋ねがあつたのでありますが、これは多分御承知だと思うのでありますが、今日日発に対する会計規則がございまして、これによつて通産省は日発の原価計算その他を調査いたしておりますので、この点についての不適当はないとわれわれは考えております。  その次は、火力料金に見込んだ炭代は一体幾らだ、こういうお話であつたと思うのでありますが、これはトン三千三百円、もとより六千カロリー標準であります。  それから電気料金の地域差に対する、ことに産業の中でも、たとえば化学とか肥料とかいつたような面に対するところの影響をどう考えるかとい御質問であつたのであります。御承知のように、日発になりまする以前におきましては、私は、こういつたよな化学工場は、電気料金のコストが安くつく方面にみな行われておつたと思うのであります。まだ同時に、こういつたような化学肥料工場なり、あるいは電気が原料として使用されるところは、身みずから自分の発電所を持つておつたのであります。そうでなければ、実際は採算はちかないのであります。これを例の日発法によりまして日発に吸収してしまつたというところに、私はすでに禍根があつたと存ずるのであります。私は、この再編成の問題に関連いたしまして、原料は、いわゆる原料を持つておるところの会社に返すべきものだという考え方を持つております。そこで根本的には、原料は原料会社に返す、原料としての電力はその原料会社へ返すべきものである。またその電力について、原料会社がこれを持つていないという面につきましては、おそらくは、これによつて原料会社身みずからが電力を開発するということを促進することに相なると思うのであります。これが当然であります。そしてまた実際におきましても、産業というものは結局電力の安いところへ行く、こういうのが実態であります。ただ、現在あるところのものについては、原料としての電力を返すというひとつの大きい問題を別にいたしまして、たとえば補給金、おそらく肥料が一番問題になると思うのでありますが、肥料が今日三つの段階の価格を持つておることに対して、いわゆる電力料の差金を考慮に入れた、いわゆる補給金の操作ということも必要に相なると存じておるのであります。  それから、値上げをしたら、この多は停電させないという責任を持てるか、こういうお話でありますが、しかし、これは今澄さんも十分御承知と思うのでありますが、火力を全部動かしましても、いくら料金を上げましても、料金と水の量、降る量との間には何ら因果関係はございませんので、いくら私どもり方で料金を上げた責任を持てとおつしやつても、これは責任は持てないのであります。責任は持てません。火力を全部たいてしまつても、日本の水力の設備がなければしかたがないじやありませんか。  これをもつてお答えといたします。(拍手)     〔政府委員西村久之君登壇〕
  70. 西村久之

    ○政府委員(西村久之君) 特に経済安定本部を名ざしてのお尋ねに対してお答えを申し上げます。  電力料金の地域差等の関係、料金値上げ、あるいは米の値上り、鉄道料金の値上げ、こういうふうなことは賃金ベースに影響するではないか、この関係を知りたいというお話があつたのでありまするが、この件は、今まで再々大蔵大臣がお述べになつておられるのであります。間接税と所得税の軽減によりまして、価格調整費の撤廃並びに鉄道料金の値上げ及び米価の値上り、ただいま申されました電力料金の値上げ等は吸收し得られるという見通しを政府は立てておるということを御了承置き願いたいのであります。(拍手)      ――――◇―――――
  71. 今村忠助

    ○今村忠助君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわち、河田賢治君提出、薪炭需給調節特別会計における債務の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案の不成立に伴う処置に関する緊急質問をこの際許可せられんことを望みます。
  72. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 今村君り動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」「反対」と呼ぶ者あり〕
  73. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  薪炭需給調節特別会計における債務の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する決律案の不成立に伴う処置に関する緊急質問を許可いたします。河田賢治君。     〔河田賢治君登壇〕
  74. 河田賢治

    ○河田賢治君 去る十一月二十八日、本院を通過して、参議院において審議未了となつた、いわゆる薪炭需給調節特別会計における債務の支拂財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案、これに伴う政府の処置に関しで、特に森農林大臣に明確な御答弁を承りたいと思うのであります。  この法案が衆議院に提出されましたときにも、精算がまだできていない、あるいは不正の追究もまだやつていない、あるいは取立ても十分努力していない、こういうことを政府みずから答弁し、従つて委員会においても、会期の切迫上、この問題について詳しくわれわれは追及する時間と余裕がなかつたのでありまするが、これが五十四億七千万円の、すなわちわれわれの国税によつてこの赤字を埋めるというのが本案の趣旨であつたわけであります。従つて、これが本院においては、御承知のごとく民主自由党の絶対多数をもつて押し切られた。全野党の反対のうちに押し切られた。しかしながら、参議院におきましては、食糧法とともに、これが審議未了になつておるわけであります。  これについて政府は、特に今日の場合、第一点は、この一般会計からする繰入れふできないために、四月以降停止されております大よそ十五億に上るこの薪炭の生産者に対する支拂いが握れるわけであります。従つて、年末を控えまして、今日まで非常に生産者として困つておるこの薪炭の末端生産者に対しまして、いかなる方法をもつて、そうしていつごろこれをお支拂いになるか。いつと申しましても、日にちをはつきり言えというのではない、大よそ十一月、あるいは十二月、こういうふうに言つてもらいたい。(「君らはなぜ反対した」と呼び、その他発言する者多し)黙りなさい。われわれが反対したのは、こういう正しい借金を拂うということに反対したのではない。あとを聞けばわかります。  第二には、今日卸売業者から二十億に上る取立てがまだできていない。しかも今日、この卸売業者たちは、政府に金を拂うなという指令を出しまして、巷聞伝えるところによれば、政府には遅らせて、これをもつて現地の山へ行つて買いたたきをしておる、こう’いう事実が今日あるのであります。従つて政府は、こういう卸売業者から当然の債権として二十億に上る額をできる限り急速に取立てて、そうしてこの薪炭の生産者の方に拂うべきだと考えるのであります。この点について、卸売業者たちに対して、いつごろこの取立てを終了するか、この点を第二点としてお聞きしたいのであります。  第三は、今日、本院においても討論の最中暴露されましたことく、からす木炭、あるいは空気木炭、こういう不正が幾多あるのであります。われわれ、この赤字に対するはつきりした政府の責任を問うためには、この赤字の原因をはつきりさせないわけには行かぬのであります。従つて、この現物不足十七項目にわたるところのあの内容について、この第七国会において、いつごろ報告されるか、この点を第三にお聞きするわけであります。  弟四には、先日労農党の松谷代議士も言われましたように、この冬を迎えて、消費者は今日本炭の配給が少い、あるいはやみで買わなければならぬ、こういうふうに困つておる。ところが政府自体も、大蔵委員会に提出しました報告の中には、薪炭の需給状態は大体においてこれまではよかつたけれども、この冬においては悪化するであろうということを申し述べておるのであります。政府は、今日このような赤字をみずから出しながら、そうして急速に薪炭業者の買上げを停止する、こういうことをやつて、未拂いを残しておる。こういうむちやなことをやつて、一方また消費者に対しては、この冬の寒さにふるえさせる、こういうことに対して、農林大臣はいかにこの冬の薪炭需給に対する処置をなされる考えがあるか、この点を明確にお述べ願いたいと思うのであります。  第五には、前の第六回国会におきまして、森農政の二つの大きな問題といたしまして食確法があつた。それからこの薪炭需給のいわゆる赤字繰入れの問題があつた。これが前の国会における森農政の一番大きな問題であつたとわれわれは思惟するのであります。ところが、これがこの衆議院でこそ、民主自由党がいわゆる道理を引込めで無理を通して(「何を言うか」と呼び、その他発言する者多し)これを押し切りましたけれども参議員においては、この二つの法案が、すなわち森農政の中心的な問題が審議未了になつておる。すなわち本院におきましても、森農相に対して、不信任案が全野党の結束のもとに出されました。これも皆さんは御承知の通りである。  ところが、なるほど不信任案は当議院においては否決されましたけれども、実質的に、参議院において、この森農政の重要な法案二つが否決されたということは、言うまでもなく、これは森農政に対する不信であるということ言わざるを得ないのであります。(拍手、「君らの同僚の妨害じやないか」と呼び、その他発言する者多し)これは事実上の不信任案である。従つて森農相は、(「早くやめろ」と呼び、その他発言する者多し)昨日の吉田首相のいわゆる総裁談にありますように、今日反省をされて、自分の職責の果されていないことに対して十分な責任をとり、従つて、これに対して森農林大臣は、自分でここで明確にこの罪を天下に謝して、ここに辞職をされる用意があろかどうか。(「何を言うか」と呼び、その他発言する者あり)  同時に、昨日までの国会に提出されたこの法案が、再び本日この第七国会に提出されておるそうであります。昨日否決されたものを、そのまま、おおむ返しに本日この衆議院に提出されておる。一体政府は、どこにこの国会の審議に対して忠実な反省を加えたことがあるか。吉田総理大臣が反省を加えろと言つているじやないか。これに対して、何一つ反省を加えていないじやないか。きのう否決されたもりを、そのまま、おおむ返しにまたこの国会に出すというようなことは、まつたく反省の色のないものである。これは同時に、この国会の権威、また国会の尊厳を冒潰するものと言わざるを得ないのであります。(拍手)私たちは、この点に関しても、森農林大臣の明確なこの点に関する御所見を承りたいのであります。  以上をもつて私の質問を終るわけであります。(拍手)     〔国務大臣森幸太郎君登壇〕
  75. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君) お答えいたします。一番しまいの御質問から答えた方が順序だろうと思います。薪炭特別会計の不成立になりました法案をまた再提出したことは国会に対する冒潰だとおつしやつたのでありますが、(「その通り」と呼び、その他発言する者あり)どういうお考えで、かような御議論が出るりかしりませんが、今回の薪炭特別会計への一般会計よりの繰入れの問題は、政府が特別会計を閉鎖しますにあたりまして、何をおいても生産者に早く炭代を拂わなければならぬ金であります。(「卸売業者からとつたものを拂えばいい」、「売掛金の代金をとつたらいいじやないか」と呼び、その他発言する者多し)お聞きなさい。答弁であります。政府は一日も早くこの政府の債務を弁償いたしたいがために、特別会計に繰入れることにいたしまして、審議をお願いいたしたのであります。いろいろ御反対がありましたが、衆議院は通過いたしましたが、参議院におきましては、昨夜の委員会において、時間りために、とうとうこれが成立に――作為的か不作為的か知らないが、通過できなかつたのであります。われわれは、製炭者に、この年末に際して、年を迎えるために、二十億近い金を一日も早く拂てあげたい、拂わなければならぬという信念を持つている。(拍手)諸君にこの気持があるならば、なぜこの法律案を通さなかつたのか。(拍手、発言する者多し)なぜこの法立案を通さなかつたか。     〔発言する者多し)
  76. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。
  77. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君)(続) われわれは、どうかして一日も早く年度内に拂いたいという気持で、この法案の促進をいたしたのでありますが、昨日参議院の委員会の進捗状態を見ましても、故意的にでもこれを落したのは、野党諸君、君らの仲間じやないか。(発言する者多し)この処置に対しましては、本日この議案を再提出して、一日も早くこの年末内に拂いたいということを考えておるのであります。(発言する者多し)あなた方は、この法案の成立を妨害しておる。そうして政府の責任とは何だ。われわれは、この債権の取立ては、この会計年度に必ずやります。この会計年度においてこの特別会計が閉鎖されるのでありますから、来年の三月までには、債権債務をりつぱに弁償いたします。(拍手)     〔「赤字を出すな」と呼び、その他発言する者多し〕
  78. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 御静粛に願います。
  79. 森幸太郎

    ○国務大臣(森幸太郎君)(続) 今回再提出いたしたのでありますから、あなた方は製炭者の気持をよくお考えなすつて、この法案を一日も早く通過させるようにお願いいたします。(拍手)
  80. 岩本信行

    ○副議長(岩本信行君) 本日はこれにて散会いたします。     午後五時三十三分散会