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1949-12-21 第7回国会 衆議院 外務委員会 1号 公式Web版

  1. 十二月十六日(金曜日)委員増員の結果 議長の指名で次の委員が選任された。       石田 博英君    伊藤 郷一君       大村 清一君    佐々木秀世君       橋本 龍伍君    山本 猛夫君       西村 榮一君    水谷長三郎君       小川 半次君    聽濤 克巳君       小坂善太郎君    山本 利壽君       木村 俊夫君    小林  進君       尾崎 行雄君      ―――――・――――― 昭和二十四年十二月二十一日(水曜日)     午前十時三十三分開議  出席委員    委員長 岡崎 勝男君    理事 菊池 義郎君 理事 佐々木盛雄君    理事 竹尾  弌君 理事 仲内 憲治君    理事 戸叶 里子君 理事 並木 芳雄君    理事 聽濤 克巳君 理事 金光 義邦君    理事 松本 瀧藏君       伊藤 郷一君    大村 清一君       塩田賀四郎君    橋本 龍伍君       床次 徳二君    小坂善太郎君       山本 利壽君    木村 俊夫君  出席政府委員         外務政務次官  川村 松助君         (政務局長)         外務事務官   島津 久大君         (條約局長)         外務事務官   西村 熊雄君         (海運局長)         運輸事務官   岡田 修一君         (外資委員会事         務局長)         大蔵事務官   賀屋 正雄君  委員外の出席者         大蔵事務官   冠木 四郎君         厚生事務官   森田 武司君         専  門  員 佐藤 敏人君         専  門  員 村瀬 忠夫君 十二月二十一日  委員小川半次君及び犬養健君辞任につき、その  補欠として床次徳二君及び金光義邦君が議長の  指名で委員に選任された。 同日  理事野坂參三君及び犬養健君の補欠として聽濤  克巳君及び金光義邦君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  国政調査承認要求に関する件  国際情勢等に関する件     ―――――――――――――
  2. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 これより会議を開きます。  お諮りいたしますが、本日理事野坂參三君が理事を辞任され、また理事犬養健君が委員を辞任されましたので、理事が二名欠員になつております。これは先例によりまして委員長において指名いたすことに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 御異議なしと認め、金光義邦君及び聽濤克巳君を理事に指名いたします。     ―――――――――――――
  4. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 なおお諮りいたしますが、本委員会は第一回国会以来、国際経済に関する総合調査及び講和会議に関連する諸問題につきまして、国政調査の承認を得て、いろいろの角度からこれらの問題について研究し、報告書を提出して参つたのであります。ところが最近の海外からの諸報道は、対日講和の問題が漸次熟して参つたかに伝えておりますので、本委員会本国会におきまして、これらの諸情勢に対応する国内的準備態勢につき、政治経浩的諸問題を検討し、基本国策に資したいと考えるのであります。従つて前に述べました三項目につきまして、さらに根本的に深く研究調査を進める必要があると思いますので、本国会におきましても、本問題に対する調査研究をなすために、衆議院規則第九十四條によりまして、国政調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じます。ここに調査承認要求書案を朗読いたします。    国政調査承認要求書  一、調査する事項  (1) 国際経済に関する総合的調査  (2) 講和会議に関連する諸問題  二、調査の目的  (1) 国際経済の現状及び動向を調     査し、国民外交並びに国策の樹     立に資す。  (2) 講和問題に関連するわが国の     内外の政治的経済的動向を検討     し、基本国策樹立のための準     備研究を行う。  三、調査の方法     官民各方面より意見の聴取及     び資料の要求。  四、調査の期間     本会期中   右によつて国政に関する調査をい  たしたいから衆議院規則第九十四條  により承認を求める。   昭和二十四年十二月二十一日      外務委員長 岡崎 勝男    衆議院議長幣原喜重郎殿ただいま朗読いたしました国政調査承認要求書を議長に提出したいと思うのでありますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 御異議なしと認めまして、さようとりはからうことにいたします。
  6. 仲内憲治

    ○仲内委員 ただいま本委員会本国会において行うべき国政調査承認要求の件につきましては、可決されたのでありますが、私は講和会議の開催が案外近いであろうという外電の報道にかんがみましても、本委員会国民の準備態勢を整え、国民の心構えを確立するという立場におきまして、かつて本委員会において栗山委員の発言の趣旨のごとく、本委員会は講和会議に関する準備研究を十分にいたさねばならないと思います。それで本委員会は講和会議に関連する重要な各種案件について、徹底的な調査研究を行うために、本委員会におけるスタッフのほかに、官民各方面の専門家を招いて、その研究、意見を聞いて参考にいたすとともに、また私どもは実地に現地において検討を加えるの必要があると思うのであります。それで本委員会はその調査研究のために、特に予算的措置をとるのが適当と思うのでありますが、委員長において至急適当の措置をとられんことをを望みます。
  7. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 ただいま仲内委員の発言は、非常に適切なる御意見と思うのでありますが、もし各委員におきまして御賛成ならば、さつそく理事会を開きまして、この問題を具体的に検討して、さらに委員会にお諮りするようにいたしたいと思いますが、いかがでありましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 御異議ないようでございますから、それではさようとりはかろうことにいたします。     ―――――――――――――
  9. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 次に国際情勢等に関する件を議題といたします。質疑は通告順にこれを許します。菊池義郎君。
  10. 菊池義郎

    ○菊池委員 昨日衆参議院のわれわれの世界連邦の同志が集まりまして、プライベートな委員会をつくり上げました。これはまことにこの時節柄ふさわしいことであると考えます。またそうなければならぬと考えておるのでありますが、すでに英国、フランス、イタリア、ルクセンブルグ、スイス、スエーデン、ノールウエー、デンマークその他十七の国々の国会には、世界連邦建設のための委員会が設けられて、盛んに研究討議が続けられております。それからアメリカ四十八州のうちすでに二十三州でありますか、世界連邦賛成の決議が通過され、さらにワシントンの議会におきましても、これが盛んに論議されておりますことは、日本タイムスやあるいは昨晩の毎日新聞などでも御承知の通りであります。ソ連原子爆弾が出現して以来、この運動は欧米を中心といたしまして、燎原の火のごとく猛烈に展開されておりまする重大な運動でありますが、その目的とするところは、すなわち申すまでもなく戰争を未然に防ぐこと、同時に移民の自由、関税障壁を撤廃いたしまして、貿易の振興に資する、あらゆる人類の福祉は、これからしてもたらされるというような観点からして、全世界の有力な政治家がみな賛成し、積極的に支持しておるのであります。英国におきましては前の総理のチヤーチル、それから現在の総理のアトリー、それから外相のベヴイン、インドにおきましてはネール、蒋介石はもちろん大賛成、それから濠州のエヴアツト、フイリピンのキリノ、ロムロ、インドネシア共和国のスカルノやハツタあるいはカナダ代表、それからフイリピンの代表までも、幾たびか国際連合を利用いたしましてごの発言をいたしておるのであります。トルーマン大統領は議会におきまして、国際連合を発展せしめて、やがては世界連邦に切りかえなければ、国際連合の意義がないといつたような意味のことを、公然と言つておるのであります。そういうわけで、全世界の政治家がみな積極的に主張するに至つたのでありますが、日本の国会でもどうしてもこの委員会を設けなければなりません。プライベートな委員会でなく、国会法に基いた公の―パプリツクの委員会を設けたいと思うのであります。それにつきまして政府側におきましても、どうか積極的にこれを御支援を願いたいと思うのでありますが、これに対する政府の御思見を承りたいと思うのであります。
  11. 川村松助

    ○川村政府委員 世界の平和を建設するために菊池委員が持つておらるる熱情、努力に対しましては、満腔の敬意を表するものであります。真に世界の平和を確保するために、国際の紛争を平和手段によりまして解決して、その侵略をあるいは防止し、あるいは排除する世界の組織が確立されますことは、必要であると存じます。この意味におきまして、国際連合、国際司法裁判所に期待するところは、非常に大きいのでありますが、世界連邦の建設運動が、さらに強力な世界の組織をつくり出すために努力をしておらるることは、きわめて意義深いことと存じております。世界平和に寄與するために、日本が戦争と軍備を放棄しましたことは、この理想に通ずるものでありまして、その理想においては深く私どもも共鳴いたすものでありますが、ただ現実の国際情勢は、必ずしもあげてこの運動に有利な状態であるかと申せば、必ずしもそうでない面もありますので、各国民の一致した声となつて啓蒙運動を行うことが、まず要望されなければならないではないか、こう考えておるところであります。伝え聞くところによりますれば、米国におきましてもこの運動が強く支持されております。また日本におきましても、世界連邦国会委員会が創立総会を開かれまして、まことに喜ばしいことと存じております。政府におきましても鋭意研究をいたしまして、右国会委員会の事業にはでき得るだけ協力いたしまして、御期待に沿いたいと存じております。
  12. 菊池義郎

    ○菊池委員 来年の九月ジュネーブに世界連邦の会議が招集される。それにはイギリスでは百万人に一人という割合で国民代表を出すことになつております。日本からもどうしても出さなければならぬ。その人選をどうするか、経費をどうして捻出するかということも、今から考えておかなければならぬと思うのであります。世界にはすでに十幾つの通邦がありまして、これをまあ押し押せばいい。ソ連が反対しておりますが、ソ連の衛星国が反対いたしましても、すでに世界の大国が結束いたしまして連邦をつくり上げれば、地球上における力の均衡が破れるわけでありますから、結局その強大なる力の前には、反対するソ連といえども、ついて来ざるを得ないという結果になると考えておるのであります。われわれの同志の間では、少くともこれを三、四年のうちには、結成しようというような意気込みをもつて、熱烈に運動を続けておるのでありますから、どうかそのおつもりで、政府におきましても積極的に御支援願いたいと思うのであります。  それからもう一つお伺いしたいことは、これは前にもお伺いしましたが、調査の上という御回答であつたと思います。日本は船が至つて少い。戦前の五百六十万トンが、今日は百六十万トンしかない。政府におきましても、この船のトン数をふやすために、必ずや今まで司令部に対しまして、懇請しておらるると思うのでありますが、どういうふうになつておりますか。最近アメリカのAPの通信によりますと、日本の政府は司令部に対して、四百万トンを保有することができるように要請しておる、同時に日本の商船隊が外国航路に就航することのできるようにも、要請しておるということを伝えられておりますが、この点どういうふうになつておりますか、お伺いいたします。
  13. 川村松助

    ○川村政府委員 お答えいたします。ただいまのことにつきましては、主管が運輸省の方に属しておると思います。外務省といたしましても、もちろんこれに対しましては十分に調査と協力を心がけております。数字上につきましてはあやまちがあつてもいけませんから、またあらためて調べた上でお答えいたします。
  14. 菊池義郎

    ○菊池委員 どうかお調べを願いたい。百六十万トンしかないのに、何ら向こうに要請せぬということはないはずだ。そういう間の抜けた外交はあり得ない。リバテイー・シツプをドイツでは盛んに借りております。日本では最初百隻とかを借りておつたということでありますが、それがどういうふうになつておるか、調べていただきたい。それからこの前にお伺いいたしたことでありますが、米国とパキスタンに派遣する商務官を、民間からもとつてもらいたいということをわれわれは申し入れておるのでありますが、その後その人選はどういうふうになつておりますか、お伺いいたします。
  15. 川村松助

    ○川村政府委員 お答えいたします。あの問題につきましては、まだ司令部の方から正式の了解を得ておりませんので、決定し得ないのであります。
  16. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから朝鮮、台湾からの密輸入が非常に頻繁でありまして、それがために日本といたしましては、非常な迷惑を受けておるのでありますが、これに対して外務省は、どういう対策を講じておられますか。
  17. 川村松助

    ○川村政府委員 その問題につきましては、お話のように政府におきましても非常に心配いたしております。法務府と十分に連絡をとりまして、その被害といいますか、拡大しないように、一刻も早く整備するように努力いたしております。
  18. 菊池義郎

    ○菊池委員 これがために非常に悩まされておるのであります。日本の保安隊はほとんどかかし同然であつて無力である。先日スナイダー蔵相がアメリカから来られたときにもこれに言及されまして、もし日本からの要望があるならば、技術的方面において協力するということを言つておるのでありますから、どうかひとつ積極的にこの問と題について、手を打つていただきたい思うのであります。
  19. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 佐々木盛雄君。
  20. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 先般来当委員会におきまして、問題になりました自衛権と憲法第九條の解釈をめぐる問題に関連してのことでありますが、このことはきわめて私は基本的なことであると考えますので、この際これに関連する問題をもう一応質問しておきたいと思います。  新憲法の第九條によりますと「国権の発動たる戰争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戰力は、これを保持しない。国の交戰権は、これを認めない。」ということを明記しておるのであります。これは国際紛争を解決するために、国際法上の戰争であるとか、あるいは武力による威嚇であるとか、あるいはその行使ということを絶対に行わないことを、明らかに規定したものでありますが、これがはたして自衛戰争までをも放棄したかどうかということは、今後とも私は大きな疑問と論議が残されておると考えるのでありますけれども、これにつきましては政府当局が先般来の当外務委員会におきまして、自衛戰争まで放棄したものであるということを反覆説明されておりますので、この点一応政府の言明をそのままに聞きとどめておくことにいたします。政府当局の考え方は、国際紛争を解決する手段として、戦争や武力に訴えることができないようにするために、陸海空軍その他一切の軍備を保持しないのであるから、日本は自衛能力すら持たない、すなわち自衛戰争をも放棄したことになるというのであろうと考えます。しかしながら自衛権の放棄ということと、自衛戰争の放棄とは、私は決して同一ではないと考えるのであります。自衛権は国家が自存し自立する当然の権利と、不可分の関係において存在するものでありまして、これはすべての国家が持つ当然の権利であろうと考えます。従つて国家の本来固有の権利であるところの自衛権までをも、新憲法において放棄したものではない。ただ一切の軍備を持たないから、自衛権の発動たる戰争や武力の行使は放棄したものである、こういう自衛権と自衛戰争というように区別して考えたいと思うのでありますが、政府はこれに対してどのようにお考えになつているか承りたい。
  21. 川村松助

    ○川村政府委員 ただいまの憲法第九條における自衛権の問題につきましての解釈は、ただいま佐々木委員の言われました通りであります。いわゆる軍備を基礎にしました戰争は、今日放棄いたしておりますけれども、自衛権というものに対しましては放棄いたしておりません。
  22. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 それでは、日本はすでに国際連合への参加意思を表明しているわけでありますから、従つて日本が国際連合に参加するということは、日本の自衛権を国際連合に委任したものである、かように考えてよろしいかどうか。
  23. 川村松助

    ○川村政府委員 そうしたことにつきましては、講和條約の結果を見なければはつきりしたことは決定でき得ないと思います。
  24. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 それでは次に講和條約の成立によりまして、かりに軍事基地協定や集団保障体制等が日本に適用されました際に、それらの條項が日本憲法の條項や、あるいは少くとも憲法の精神に相反するような場合におきましては、平和條約はもとよりわが国の憲法に優先するものであると考えますがどうか。またその場合には当然日本憲法というものを改正しなければならぬと考えるのでありますがどうか。
  25. 川村松助

    ○川村政府委員 平和條約の定めます。安全保障方式と憲法との関係は、その條約が具体化しなければ、具体的に申し上げることはできないと思います。
  26. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 もとより実際的には、平和條約の内容いかんと不可分の関係にあるわけでありますけれども、先ほどの仲内委員からの提案によりましても、講和に臨むわが国の万全の態勢を整えるために、ここに当委員会がさらに積極的な活動をしなければならぬことを、われわれは申合せをしたような次第でございます。あらゆる想定される場合を考えまして、これに対する対策を講ずるということが、講和に臨む外務当局やわれわれのやるべきことだと思います。これを、すべてのことを架空のことである、仮定のことであるからというようなことによりまして、当局の意思を明らかにされないということは、まことに国際的にも、また国内的にも遺憾なことであると私は考えます。従つて私が先ほど申しましたことは、かりにそういうことになつたときには、どうかということを言つているのでありまして、現実に日本との講和会議の場合にどうかということを言つているわけではありません。従つてこれは国際法上の解釈、あるいは法理論上の解釈からいたしましてもけつこうでありますから、もし政務次官が適当でなければ、條約局長でもけつこうでありますから、御答弁を願います。
  27. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 政務次官から御答弁があつた通りでございます。
  28. 川村松助

    ○川村政府委員 佐々木委員のお話の御主張の前段は、私は全然同感であります。ただ具体的になつたならばどういうふうにということを、今はつきりと言えないのではないかと思います。それは懇談に移りましているくと検討してみることはさしつかえありませんけれども、全然仮定の上にあらゆることを決定するということはどうかと思います。
  29. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 この際特に政府委員諸公の注意を喚起しておきたいと思うのでありますけれども、今私は、連合国側におきましても、日本の国論であるとかあるいは日本の外務当局の考え方ということに対しては、非常な関心を持つて見ていると思う。むしろ日本国内から一つの世論が沸き上り、国論が統一されるというようなことを望んでいるのではないかと私は考える。このときにあたりまして、先ほど来政府委員のおつしやることを聞いておりますと、今度のたつとい戰争の結果、祖国の山河がまつたく改まつて、今ここに新しい民主日本の誕生を見ようというこのときにあたりまして、ひとり外務省の官僚諸公たちだけは、旧態依然たる独善的な、官僚的な、祕密的な外交のからの中にとじこもつているという感じを私は深くするのであります。従つて私は、もつと率直に、われわれの日本の国論というものを、こういう国会などを通じて、世界に向つて明らかにするということが、とりもなおさず講和外交の一つであろうと考えます。従いまして、もしそのように、すべてのものが仮定であるから、仮定であるからというならば、講和会議が終つて條約ができた後でなければ、討論ができないということになり、それではナンセンスだ。従つてわれわれがあらゆる場合を想定し、これに対し質問する。これに対して外務当局が積極的に誠意をもつて答えるということは、国際的にも、また国内的にも当然やるべきであると私は考える。従つてもう少しものの考え方というものを改めていただきたいと思うのであります。しかし今のにお答えにならなければ私は次の問題に移ります。  次はヤルタ協定日本との関係の問、題でありますが、日本ポツダム宣言に対しましては、無條件受諾を誓つたのでありますから、ポツダム宣言の第八項に規定されておりますカイロ宣言の條項は、日本が受諾すべき義務があることは申すまでもおりません。しかしヤルタ協定に関しては何らポツダム宣言には規定がないわけであります。従つてヤルタ協定協定当事国であるところのアメリカ、イギリス、ソ連のみを拘束するものでありまして、日本は何ら條約上、法律上の義務を負つたものではないと私は考えるのでありますが、その点はどうか。従つて南樺太、千島等については、日本の領土権をも主張し得るとわれわれは考えるのでありますが、これに対してもどういうようにお考えであるか。
  30. 川村松助

    ○川村政府委員 ヤルタ協定につきましての解釈は、佐々木委員と同感であります。千島はヤルタ協定によりましてソ連に引渡すというように定められてはおりますけれども、ヤルタ協定は米国、英国、ソ連三国間の取扱いでありまして、日本といたしましてはこれについて意見を申し上げることは、差控えておく方がいいのではないか。解釈につきましては、佐々木委員と全然同一意見を持つております。
  31. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 それでは次にこの千島列島についての問題でありますが、政府委員の御説明のように、ヤルタ協定は法理論上は日本を拘束するものでないとのことでありますから、われわれは当然これに対して領土権を主張し得ると考えるのでありますが、今ここで問題になつております千島列島についての定義につきまして、大きな疑問があるわけであります。すなわち千島列島中のエトロフ、クナシリ、シコタン、ハボマイの諸島は過去三百年来日本の領土であつて、安政年間の下田條約におきましても、「今より後日本国とロシアとの境は、エトロフとウルツプ島との間に在るべし」というようなことが明記されているのであります。また明治八年の條約におきましても、エトロフ水道以東の千島諸島が樺太交換日本領域となつたのであります。このように、歴史的にむ明らかにエトロフやクナシリ、シコタンというような島々は、北海道に付属している。根室からまつたく指呼の間にあつて、一万五千の住民はすべて四代、五代の昔から、これらの島々に居住する日本人であつたのであります。このようなことから見ましても、ヤルタ協定の中にうたわれております千島列島というものの定義について、今疑問が起つている際でありますから、外務当局はどのようにお考えになつているか。この点をひとつ明らかにしていただきたいのであります。
  32. 島津久大

    ○島津政府委員 領土問題につきましては、ポツダム宣言の第八項に「カイロ宣言の條項は履行せらるべく、また日本国の主権は本州、北海道、九州、四国及びわれらの決定する諸小島に局限せらるべし」ときまつておりますので、決定につきましては、連合国のきめるところに従うほかはない事情になつております。ただ千島の問題につきましては、ただいま御指摘になりましたような事情は、連合国の方にも十分わかつておることと期待しておりますし、またそのように努力をいたしておる次第でございます。
  33. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 ただいま政府委員の指摘されたことく、ポツダム宣言第八條におきまして、日本国の主権は本州、北海道、九州、四国並びに連合国の決定するもろもろの小島に局限せらるべきことが明らかにされております。そういたしますと、カイロ協定ポツダム宣言によりまして、朝鮮が独立する、日清戦争以後日本が獲得しておつた満洲、台湾、澎湖島が中国に返還されて、第一次欧州戰争後獲得した太平洋上の諸島を放棄するということになりますと、本州、北海道、九州及び四国のほかに、連合国の決定するもろもろの小さな島というのは、結局小笠原や沖繩並びに硫黄島などその他の日本本土に近い島々であろうと思うのでありますが、それらの島々は決して日本が侵略や貪欲によつて奪略したものではなく、また連合国側におきましても、カイロ宣言やその他によりまして、決して領土の拡張を意図するものではないということをしばしば言明しておるのでありますから、日本は大いにこれらの島々に対する領土権を主張し得ると考えます。また当然主張しなければならぬと考えますが、政府はどのようにお考えになつておりますか。
  34. 川村松助

    ○川村政府委員 領土権につきましては、佐々木委員の御主張の通り全然同感であります。
  35. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 それでは次でありますが、平和條約によりまして、かりに台湾が中国に返還され、帆鮮が独立したというような場合に、またこれら以外にかりに割譲地域ができた場合に、それらの地域に残留します日本人の国籍というものはどうなるのか。すなわち国籍の選択権というものは認められるのかどうかということが第一点。また台湾人や朝鮮人等の日本にいる者の国籍はどうなるのであるかということが第二点。さらにもう一つには、かつて日本の領土であつた台湾、朝鮮等にある日本の公有もしくは私有の財産というものはどうなるのか。以上三点を承りたいと思います。
  36. 川村松助

    ○川村政府委員 第一の国籍につきましては、平和條約が具体化しなければ決定をなしかねると思いますが、大体において本人の希望次第決定されるということになるのではないかという見通しを持つております。財産につきましては、ただいままだ見通しを持つておりません。
  37. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 日本におる台湾人はどうなりますか。
  38. 川村松助

    ○川村政府委員 それは講和條約が決定しなければきまらぬと思いますが、国籍はめいめいの希望に沿うだろうとは思いますが、まだこれは平和條約が決定しなければ、はつきりした見通しがついておりません。
  39. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 次に平和條約が成立いたしますと同時に、当然私は軍事占領というものが廃止され、外交権は復活をする、連合国人の治外法権的な地位も廃止され、統治権は完全に独立するということを、われわれは期待をしておるわけでありますが、政府はこれらの條項に対しまして、どのようにお考えになつておりますか。
  40. 島津久大

    ○島津政府委員 軍事占領につきましては、当然に終了するものと考えております。その次の外交権の問題、治外法権的の地位の問題、統治権の問題、これらにつきましては、平和條約が具体化して参りませんと、何ともお答え申し上げかねる次第でございます。
  41. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 次に平和條約の成立後、一定の期間、條約履行の保障のために連合国軍が日本に駐屯するとか、または條約履行の監視機関を置くとかの報道が、一般に常識化されておるようでありますが、平和條約成立後は軍事占領が廃止されると期待されますので、條約履行の保障のための駐兵は、その兵力におきましても、また行動におきましても、きわめて小乗的な、局限されたものになると思うのでありますけれども、その場合における日本安全保障と、国内治安確保ということをどういうようにするか、非武装国である日本の特殊事情よりして、これは保障する條項を平和條約の中において要求しておくべきであると私は考えますが、政府はどのようにお考えになりますか。
  42. 島津久大

    ○島津政府委員 この問題は連合国の方で、当然に考慮されるものと考えております。
  43. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 先ほど申しました平和條約履行のための監視機関を設けるといたしますと、その監督機関というものは、どのような性格を持つたものか。すなわちイタリア平和條約の場合などを見ますと、英、米、フランス、ソ連、四国のイタリア駐在の大使が連合国を代表することになつておるようでありますが、そうすると、條約履行に関する交渉というものは、通常の外交機関を通じて行われるようになるのか。たとえば極東委員会のごとき現存する機関が解消するというようなことになるのかどうか。またイダリアの場合などは、條約の発効の日から十八箇月を越えない期間と定めておりますけれども、それでは日本の場合、所定の監督する期間が終了した後の平和條約履行に関する紛争というものは、どこにおいて処理するのか、たとえば国際司法裁判所に付託するというようなことにでもなるのか。監督期間終了後の條約履行に関する紛争の処理はどこがやるのか。
  44. 島津久大

    ○島津政府委員 イタリアの例を詳細御承知でございますが、それ以上のことは日本関係の案がまだ具体化しておりませんので、見当がつかないと申し上げるほかないのであります。
  45. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 私はイタリアの場合に監督期間満了後に、どこで国際條約履行に関する紛争処理を解決するのかということを不幸にして知らないのでありますが、ひとつお知らせ願いたいと思います。
  46. 島津久大

    ○島津政府委員 その場合は当然外交交渉になるわけであります。
  47. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 それではもう一点承つておきます。平和條約が成立した後、戰争犯罪人の容疑者の逮捕、また裁判というようなものは、連合国が引続いて実施することができるのかどうか。また追放令というようなものは依然として有効なものかどうか。さらに日本占領のために、連合軍司令部が発しました各各種の指令は、平和條約の成立した後におきましても有効であるかどうか。また連合軍司令部から日本政府に発せられた指令に基いて、日本国において発しました国内法も有効なのか、無効になるのか。この点を承つておきたいと思います。
  48. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいま御指摘のような問題も、平和條約が具体化して参りませんと、予測が困難であります。
  49. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 私はこれで質問を打切りたいと考えますが、最後に一点、平和條約が成立するならば、貿易の制限は撤廃されるかどうか承りたい。
  50. 島津久大

    ○島津政府委員 貿易の制限はもちろん廃止されることを希望するのでありますが、この点もまたどういうふうに決定せられますか、ただいま何とも申し上げかねるのでございます。
  51. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 戸叶里子君。
  52. 戸叶里子

    ○戸叶委員 講和條約の問題として、領土の問題が考えられますが、この問題につきましてはすでに佐々木委員から御質問がありましたが、私も少し伺つてみたいと思います。  日本の国はポツダム宣言を受諾すると同時に、このポツダム宣言を忠実に履行しなければならないと思いますが、この中にはヤルタ秘密協定のようなものには何ら触れていないことは、先ほど佐々木委員の御指摘の通りであります。そういう意味におきまして、このヤルタ秘密協定の中に書かれてあるようなことは、もちろん法律的には日本に何ら関係がないと解釈していいと、政府当局からも御答弁があつたように思われますけれども、根本的な問題といたしまして、私は秘密協定というものが国際間の條約として、どの程度の価値があるかということに対して、まずお聞きしてみたいと思います。戰争中における秘密協定は、第一次欧州大戰のときにイタリアをドイツ、オーストリーの同盟軍から引離して、連合国側につけて参戰させる目的で、英、仏、ロシヤが一九一五年にロンドンの秘密協定で、イタリアの要求する領土をイタリアに與えるという協定によつてイタリアを参識せしめた例があります。このことは第一次欧州大戰後ベルサイユの講和條約の際に、米国の大統領ウイルソン及び世界の輿論から非難をこうむつて、遂にこの秘密協定が実行されることができなかつたのであります。この第一次大戰後のベルサイユ講和会議というものは、敗戰国に対して苛酷なベルサイユ体制をつくつたとまで非難されておりますが、このベルサイユ会議においてさえロンドン秘密協定は破棄せられておるのであります。従つて次に今後来る講和條約というものは、べルサイユの講和会議よりも、もう一歩前進した講和会議でなければならない以上は、当然ヤルタ秘密協定というものは、世界の輿論によつてその破棄が要請せられるものであろうと私は考えるものであります。これに関連いたしまして、政府当局はソ連みずからが進歩的外交を示すためにヤルタ協定を解消するとか、あるいは米国その他の連合国において、これに対する何らかの批判が起きていやしないか、そういうことに関する情報なりあるいは材料を入手していたらば、それをお示し願いたい。まずその二点についてお伺いしたいと思います。
  53. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 ヤルタ協定につきましては、締結後しばらくは公表をされておりませんでしたが、その後公表いたされて、秘密協定でなくなつておることを御了承願いたいと思います。今戸叶委員から秘密協定の意義ということについての意見をお尋ねになりました。秘密協定がないということが、国際政治の上において好ましいという議論は、第一次大戰中から盛んに行われまして、その結果国際連盟規約の中にはたしか第十八條でございましたか、連盟国が締結する條約は全部連盟に登録しなければならない、登録しない間は効力を生じないという規定を設けられました。しかしその実際はほとんど文字通りの実効を収めませんで、連盟規約の規定は一種の死文化してしまつたといわれております。今度の戰争によりまして、戰後できました国際連合におきましても、やはりその第百二條に、同じく加盟国が加盟後締結する條約は、連合事務局に登録しなければならないという規定を設けられております。しかし登録の効果につきましては、連盟規約の経験にかんがみまして、登録しなかつた條約は、加盟国は国際連合の前にそれを援用することができないという明文を置きまして、連盟規約のような経験を繰返さないようにしております。これなども確かに世界から秘密協定というものをなくしたいという一つの思想の現われだと思います。しかし今申し上げましたように、国際連合憲章の規定を見ましても、やはりそれは国際連合の前に援用できないというだけの効力を與えておりまして、理想の点から見ればまだ遠いと言えると思います。簡単に申し上げますれば、秘密協定がいかなる意味を持つかということは、結局その締約国間の信義の問題であろうと思います。  なお、最後の御質問の点、ヤルタ協定が公表になつたのに、外国でその協定に対して何か批評的な意見が出たことがあるのではないか、それについて何か情報を持合せはないかという御質問でありますが、私はただそういう趣旨の新聞報道を読んだことが二、三回あることが漠と頭に残つておる程度でございまして、今これこれと申し上げるほどの資料を持ち合せていないことを残念に思います。
  54. 戸叶里子

    ○戸叶委員 ヤルタ協定の中に、一九〇四年日本国の背信的攻撃により侵害せられたロシヤ国の旧権利は、左のごとく回復せらるべしと記されまして、樺太の南部及び千島列島はソビエトに返還または引渡さるべしということが書かれてあります。ただ單に、樺太もしくは千島だけでなしに、満蒙の権益問題まで議せられておりますけれども、満州その他の問題は、中国との関連において、ソ連邦と中国の間において解決されるべきであろうと思います。それで、さきごろ毛沢東氏がソ連を訪問いたしておりますので、そこにおいてなされた、あるいは議論せられた問題について、何らかの情報が入つておりましたら、お聞かせ願いたいと思います。
  55. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいま御指摘のような情報は、何にも入つておりません。
  56. 戸叶里子

    ○戸叶委員 南樺太なり千島が、今後日本に帰属すべきものであるというような考え方は、大体政府当局もお持ちになつているようでございますが、私どもは、これを主張することによつて、敗戰国として誤解を招くかもしれないという説もございますけれども、今日講和をして理想的な成果をあげしむるためには、民族としての正しい要望は世界に訴え、あるいは連合国に承認してもらいたい、そう考えるものでございます。もしも樺太及び千島がソ連に帰属し、ソ連領として武装化されるようなことがありました場合には、沖繩あるいは小笠原が軍事的な基地になるかもしれない。そうすると、日本国の憲法の精神に非常に反するものになることを懸念しますゆえに、私どもはこの帰属問題をはつきりさしておきたい、こう考えるのでございます。従つて政府当局におきましては、この問題に対して、公開の席上でははつきり言われないかもしれませんけれども、それに対する腹案なるものは持つていていただきたい。あるいは腹案なるものは持つているが、今はそれに対して議論はできない、それは講和後の問題であるとお考えになつていられるかどうかを伺つておきたいと思います。
  57. 島津久大

    ○島津政府委員 この種の問題につきましては、十分調査研究をしている段階にあることだけを申し上げておきます。
  58. 戸叶里子

    ○戸叶委員 こうした問題は非常に重要でございますから、もしも公開の席でおつしやることができませんでしたら、非公開の席で今後の日本のためにいろいろ議論をしておくことが、非常に必要であろうと考えるのでございます。私はこの問題については本日はこれで打切りますが、この前の委員会で、外資の導入に関しまして、日本国としての受入れ態勢というようなことを承つたときに、タバコの民営が行われるのではないかとタバコ耕作者が非常に心配をしておるが、これに対してどう考えているかという質問には、この前何らのお答えをいただけませんでしたので、この際はつきりとお答えをいただきたい。さきごろから、たとえば英米トラスト的な外国資本と、何らかの契約がすでにあつたかのように伝えられておりますが、こういうことはなかつたかどうか、あるいはまた、今後においてタバコに関してそういうことがあり得ないかどうかということに対して、伺つておきたいと思います。
  59. 冠木四郎

    ○冠木説明員 ただいまお尋ねの点でございますが、今までそういうBATとの契約というようなことは全然ございません。ただ前に、日本に進出したいというような話がちよつとあつたことは聞いております。最近新聞にもちよつと出ましたが、BATの人が来ました際の話では、必ずしもそういうような強い希望は持つておらないということでありました。詳しいことは存じませんが、大体そういうふうなことは聞いております。
  60. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 並木芳雄君。
  61. 並木芳雄

    ○並木委員 あれほど、もみにもんでようやく拡大強化された外務委員会、第七国会の第一回の外務委員会に、例によつて専任外相が出て来ないということを、私ははなはだ遺憾とするものであります。先ほど佐々木委員が政府委員の方に注意されましたが、これはむしろ兼任外相である吉田さんが、自分は専任できないのだからと反対に皆さんを激励して、おれは出ないけれども大いにやつてくれというのがほんとうであるにもかかわらず、かえつて緘口令をしくような、独裁的な行き方をとつておる。そのために皆さんが神経過敏になつて、せつかくわれわれがまじめに真剣に討議しようとするのにうまく行かない、こういうふうに感ずるのであります。そういう点については、政務次官は兼任外務大臣にかわるべきであり、専任外相のない場合は、官界におけるみなし子とも言うべきものだと思うのですが、みなし子であつても、そういう点において兼任外相はいなくても、とつてかわるようなつもりでぜひ御答弁願いたいと思います。  そういう見地から私は最初に次官にお尋ねしたいのですが、最近各方面からかなり大勢の要人が日本を訪問しておるのでございます。これを私たち国民としてながめるときに、やはり何か対日政策といつたようなものに、変更があるのではないかというような点がうかがわれますので、その点について政府当局の御見解をお伺いいたします。
  62. 川村松助

    ○川村政府委員 お答えいたします。九月のワシントン会議におきまして、極東問題が大きく取上げられまして、しかもその意見も一致してない。米国の極東に対する態度が非常に積極化して来たことは、私たちも十分認めていいと思います。ただ日本をたずねて来るその人々の一人々々が、どういう具体的なことを持つて来ておられるかということにつきましては、まだはつきりいたしておりません。今後具体的に表面化するかもしれませんが今日のところにおきましてはそういう状態であります。
  63. 並木芳雄

    ○並木委員 それに関連してというわけではありませんけれども、各地を歩いてみますと、国民の間から意外に多い質問が出るわけです。それは最近ソ連原子力を保持する、こういうような報道が伝えられまして、今まではアメリカだけに原子力があつたと思われておつたにかかわらず、ソ連がこれを保有するようになつたということで、原子力が二大国間に持たれるようになつた場合においては、片方だけに保有されて、一方になかつたときと比較して、戰争の起る可能性が濃くなつたのか、薄くなつたのか、こういうことであります。吉田外務大臣はこの前菊池さんでしたかの御質問に答えて、第三次世界大戰は起らないと思うという御答弁をしておりました。それはまことにけつこうでございます。しかし戰争が起らないということと、今度の場合ういうふうに理解してよろしいですか。
  64. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 九十條によりますと、ちようど中間に効力発生の規定がありますが、これによりますと、この平和條約は、ソ連と英国とアメリカとフランスの四国の批准書が寄託したときに、ただちに実施されるということになつております。イタリアの批准ということは、効力発生の要件になつておりません。
  65. 並木芳雄

    ○並木委員 この機会にちよつとお伺いしておきたいのですが、條約を締結する―調印と批准ですが、これはいずれも総理大臣がやるように理解してよろしいのでしようかどうか。内閣締結をするとして、日本憲法批准をするというあれはないのです。ただ批准書というものは憲法に出て来ております。しかし調印と批准ということが全然出ておらずに、ただ條約を締結するということだけですが、その実際の手続、方法をどういうふうにお考えになりますか。
  66. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 憲法七十三條の明文によりまして、日本で條約の締結権を持つておるものは内閣でございます。内閣に條約の締結権がある。條約の締結と申しますのは、條約の交渉から、調印から、批准の一連の行為を総括して締結と申しますので、むろん批准権利内閣にあると思います。また調印する場合につきましては、御承知の通り、交渉にあたつて全権委員を任命し、全権委員に対して、いわゆる署名調印の権限を付與されますから、その関係において調印いたされます。
  67. 並木芳雄

    ○並木委員 次の質問をいたします。外務大臣は、もちろん全面講和を望む、しかし万やむを得ないときには、部分講和になるかもしれないというような御意向でございましたが、その場合に、條約に加わらなかつた国が、あとから別途に單独講和を結びたいと言つて来たときには、どういうふうな関係になるのでしようか。第一次大戦のときには、アメリカはベルサイユ條約に入らないで、あとから別にドイツと條約を結んだというふうに聞いておりますが、そういつた場合に、たとえばこれを拒むようなことができるのかどうか、そういつたような点を知りたいと思います。
  68. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいまの御質問に対しましては、この際答弁を差控えさせていただきたいと思います。
  69. 並木芳雄

    ○並木委員 ベルサイユ條約のときに、アメリカがあとからやつた條約の場合には、前の條約との間に別段大きな矛盾といつたものは起らなかつたのでしようか。そのとき何もトラブルが起らずに済んだのでございましようかどうか、その点を伺います。
  70. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 ベルサイユ條約は、一九一九年の六月に締結いたされましたが、その條約は、結局アメリカにおきましては上院が承認いたさなかつた関係上、アメリカ批准いたしませんので、これに参加いたしませんでした。その後約二箇年を経まして、一九二一年の八月でございますか、アメリカドイツとの間に平和條約が締結されております。その平和條約を見ますと、わずか三箇條からなるきわめて簡單な條約でございます。しかも第三條は批准実施に関する規定でございますから、内容はわずかに一條と二條だけでございます。第一條は、大体ベルサイユ平和條約によりましてアメリカが取得した権限、特権、利益その他を、ドイツ国はそのままアメリカに対してこれを認めるという趣旨の規定でございます。第二條は、この第一條に関連いたしまして、さらにベルサイユ平和條約によつてアメリカが取得しております権限、利益その他についての内容を、さらに詳細に規定するという趣旨の前文を置いて、数箇條の條項があるということなのでありまして、簡単に申し上げますれば、ベルサイユ平和條約によつてアメリカが得べかりし利益を、そのまま單独の二国間の平和條約によつて受継いだ、こういう趣旨のものでございます。だから、前後のこの二つの平和條約の間に、むろん何ら矛盾しておるところはございません。
  71. 並木芳雄

    ○並木委員 それでは次をお伺いします。先ほど佐々木委員から、自衛権というものを国際連合に委任したというふうに解釈できるかというふうな御質問がありましたが、この点について私もお伺いしておきたかつたのです。その点は、はつきりしたお答えができなかつたようでしたが、日本において、日本人以外の者は、やはり火急の場合、突発的事故が起つたとか、そういう例の自衛権発動の場合に遭遇したときには、やはり日本人と同様に自衛権の行使ができるものと解釈すべきものでありますかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
  72. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 私どもは、自衛権というものは委任できないものと考えております。たとえば国際連合憲章の五十一條でございましたか、五十條でございましたか、これに自衛権関係の規定がございますが、それにも固右の自衛権―インヒアレント・ライト・オフ・セルフ・デイフエンスとありますし、仏文にも、ドロワ・ナチユレルという言葉を使つております。そういうふうに固有の、国家が生れながらにして持つておる権利、こういうふうな表現を使つております。そうしてサンフランシスコ会議のアメリカ団の報告書―そこで国際連合憲章が作成されましたが、その中に、固有の自衛権という意味は、自衞権というものは、いわゆる讓渡すべからざる権利の意味であるというようなことが書いてあつたように私は記憶しております。自衞権というものは国家の基本権利でございまして、これを委任することができるというような性質のものではないと観念いたしております。
  73. 並木芳雄

    ○並木委員 それと、私がただいまお伺いしました日本における日本人以外の者は、そういう場合に、やつたときにはどうなるのでございましようか。当然やはりそういう権利が発生するものですかどうですか、お伺いします。それをなぜお伺いするかというと、いつか局長からカロライン号事件というのを御説明いただきましたそのときに、カナダの方では、カナダのボートがアメリカの島へ入つたときに、友好国家としてどうしてアメリカではこれを撃退ですか、防禦ですか、してくれなかつたかという抗議を申し込んだ、こういうことだつたのではないですか。そうしますと、たとえば日本人以外の者が日本におつて、そうして当然自衞権を発動してもらいたかつたというようにわれわれが考える場合があり得る。だから従つて日本人以外の者でも自衞権というものは日本の領土の中で行使し得る、こういうふうに私ごぐナイーヴに考えたのですが、この点お伺いしたい。
  74. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 私もその点は非常に何といいましようか、自信のある答弁ができないのです。一国の自衞権を他国がその国において行使するというわけでございますか。
  75. 並木芳雄

    ○並木委員 たとえば日本においてです。
  76. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 そういう設問もちよつと私起り得ないように思います。
  77. 並木芳雄

    ○並木委員 他国人ではどうですか。
  78. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 他国の個人が国家の自衞権を行使するということは考えられません。これはあり得ないと思います。ただ一つ新しい現象といたしましては、国際連合憲章の今申し上げました第五十條か五十一條かに、国家の單独の固有の自衞権という観念のほかに、集団的の自衞権というものを認めておりまして、そういう文字を使つております。この集団的自衞権というものが国際法上認められるかどうかと、いうことは、今日国際法の学者の方々の間に非常に議論が多い点でございまして、私ども実はその條文の解釈にはまつたく自信を持つておりません。大多数の先生方は、大体自衞権というものは、国家がそれ自身本来の権利として持つものであつて、何もそれは集団的の国家群としてあるような性質のものではないので、否定的に考える向きが多うございます。国際連合解説に関する各先生の御本を読みましても、集団的自衞権ということの解釈にはさすがに苦しんでおられます。並木委員の御指摘になつたような、日本の自衛権を日本において他国人が云々というこはあり得ない。他国が行使するということはちよつと私想像いたしかねます。
  79. 並木芳雄

    ○並木委員 ただいま私が言わんとしたのはその集団の意味だつたのです。なおこの点は政府においても御研究になり、結論が出た場合には御指摘願いたいと思います。  それから先を急ぎまして、その次に保障占領のこともさつきちよつと出ましたが、これは今まで行われたどれか例をとつて、どういう形で保障占領が行われたか、参考までにお伺いしたい。
  80. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 保障占領と申しますと、これは末延先生の戰時国際法講義という本に定義を下してありますが、條約上の特定義務を相手国をして履行せしめる保障として、特定期間該條約の規定するところによつて、相手国の領土の一部を占領することである、こう定義してございます。実例といたしましては、一八七〇年の普仏戰争後、パリ及びフランクフルト平和條約が結ばれましたが、あの平和條約によりましてフランスが五十億フランの賠償金を支拂う義務を負いました。その賠償支拂いの担保といたしまして、特定地域ドイツ軍が占領いたすことに規定されております。そうして賠償金の支拂い完了と同時にこれを撤退する、こういう規定になつております。御承知の通りチエール内閣が非常な努力をいたしまして、五十億の賠償金を非常に早く拂つて、ドイツ軍の撤退をきわめて早く実現したということは、外交史上有名な事実であります。その次は明治二十七、八年の日清戰争の下関平和條約、これにおきまして清国がこの條約の規定を誠実に履行する担保といたしまして、日本軍隊が威海衞を占領するということを規定いたしております。これまた保障占領の一例として国際法に書かれておるものであります。それから最後の一番大きな例は、前々回でありますか御説明申し上げましたベルサイユ條約の規定に基きます連合国のライン地域の十五箇年保障占領、これであります。
  81. 並木芳雄

    ○並木委員 次に永世中立の場合のことですが、よく永世中立といつてもむずかしい。まわりの国と一々條約を結んで行かなければならないので、そうおいそれとはできないということは、われわれも聞いておるのですが、日本が永世中立を具体化するといたしますと、どういうようなまわりの国々と、どのような條約を結んで行つて完成されるのであるか。それをひとつ御説明願いたい。
  82. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 これこそまつたく架室の問題でございますから、ひとつ御答弁を差控えたいと思うのであります。返事いたしかねるのです。
  83. 並木芳雄

    ○並木委員 それではその点は打切ります。  その次に、たとえ国際連合に加入されなくても、つまり非加盟国としても、もし国際紛争が起つた場合には、国際連合がこの解決に乗り出すということがあり得るのではないかと思いますが、その点はどうなつておるのでしようか。つまり日本が現実に国際連合に加盟を許されなくても、もし何らかの紛争が起つた場合には、国際連合は日本保障してくれるというか、救つてくれるというか、そういうことがあり得るのではないかと思いますが(その点どうなつておりますでしようか。
  84. 島津久大

    ○島津政府委員 国際連合憲章の第二條第六号によりますと、こういうことが誓いであります。「この機構は、国際連合の加盟国でない国が、国際的平和及び安全の維持に必要な限り、これらの原則に従つて行動することを確保しなければならない。」また三十五條によりますと、「国際連合の加盟国でない国は、自己が当事国であるいかなる紛争についても、この憲章に規定された平和的解決の義務をあらかじめ受諾すれば、右の紛争について安全保障理事会または総会の注意を促すことができる。」こういう規定があるのでありまして、国際連合に加盟しないでも、国際連合の介入を受ける道は開かれておると解釈しておるわけであります。
  85. 並木芳雄

    ○並木委員 そうすると、私たちがときどき質問申し上げた軍事制裁の義務を負わないでも、実質上には国際連合の保障を受けるということが行われ得るというふうに了解できないでしようか。
  86. 島津久大

    ○島津政府委員 その点は、非加盟国でありますと、程度があるのであります。この点は程度問題と申し上げるよりほかはないのであります。
  87. 並木芳雄

    ○並木委員 次の問題はジエサップ氏の淡でしたか、アメリカは中共の承認について国際連合で収上げて、その決定したところに従うというような報道が伝えられているのですが、そういうような事柄は、国際連合というものが自主的に取上げるような問題なんですか。それとも当事者から提案があつて、そうして議題となるものでありますか。実際に本件に関してだけでなく、ある国の承認といつたような問題が取扱われる手続、取扱いのやり方といつたようなものを御説明願いたい。
  88. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいまお話のジエサップ大使の談話につきましては、まだ正確な情報は得ておりません。実際にどういう意味であるか判明いたしておりません。またこのようなことが国際連合で問題になりました前例もないようでありますので、ちよつと御答弁申し上げかねるわけであります。
  89. 並木芳雄

    ○並木委員 それでは條約関係の質問を終ります。あとは、大分時間をいただいて申訳ありませんので、簡單に行きますが、外資の導入についてさつき戸叶さんからも触れられたのですが、タバコがこのごろちつともうまくならない。かえつてまずくなつているのではないかと思います。これは今の内閣が、官営ではまずくてしようがないから、タバコの民営をやるのだという声を国民の間に起させるからではないか。銀紙ばかりくつつけて、かんじんの中身をうまくしないような非難があるのですけれども、実際そういう意図が織り込まれているのではないか。実際またタバコの民営ということ、が真劍に考えられているかどうか。外資の導入の問題については、先ほど何にも問題になつておらぬということの御答弁があつたのですけれども、そうだとすると、今の政府が国民に印象づけているのはかなり違つた、ポイントはずれになつていると思う。そういう点はどりでございますか。御答弁を願います。
  90. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 関係の政府委員が帰りましたから……。
  91. 並木芳雄

    ○並木委員 ではもう一つ石油の問題について、外資との関係をちよつとお伺いしたいと思います。石油の状態ということが私たちにはどうもよくわからないのでありますけれども、ほかのものはだんだん潤沢になつて来るにかかわらず、石油に関してはかえつて規制が厳重になつて来るというような点もあります。しかし最近太平洋岸の精油所の操業の禁止解除された、また原油の輸入が許可になつたというようなこと聞いて、私たちはだんだん、ガソリン、石油の使用量がふえて、文化生活を楽しめるのだと思つているので、すが、実際にどういう状態になつているのでしようか。  それからまた石油も、ドル地域の石油とポンド地域の石油と二つあつて、その間で競争が行われている。あるいはまたそれが日本で、どんなふうに日本市場において発展しているか。こういうこともぜひ知つておきたいと思うのです。実際にまた先ほどのタバコの問題と同じように外資というものが、この石油に結びついて今発展しつつあるのかどうか。  それから将来石油に対する統制というものは、やはり今の内閣の方針のごとく撤廃して行くものであるかどうか。そういうようなもろもろの点についてお伺いいたします。
  92. 賀屋正雄

    ○賀屋政府委員 お答えいたします。私は石油につきましての専門的な知識を持つておりませんので、御質問の全部を満足させるかどうか疑問でございますが、ただ外資の導入とわが国の石油業との点につきましては担当でございますから、この際お答えいたしたいと思います。外資の導入が非常に要望せられておりますことは御承知の通りでありますが、ただいままでの実績はたびたび、言われておりますように、結論的には目ぼしいものがないのであります。その寥々たる間におきまして、石油業における外資の導入は、比較的異彩を放つているということは御指摘の通りでございます。わが国の石油の状態はどういうふうに進んで来たかということは、御承知の通り戰前におきましては、わが国の石油業は大部分輸入の原油でもつて、これを精製いたしておつたのでございます。従いまして太平洋岸の精油所が、国内産の原油を処理いたします日本海岸側の精油所の稼働状況に比較しますと、約その倍、二対一というような割合になつておつたのでございます。ところが戰争中はもとより、職後も原油が入つて参らないことになりまして、わずかながら国内産の原油を処理しておつたのでございますが、これとてもだんだん荒廃して参りまして、わが国は多大の未稼働の設備を擁するというような状態になつておつたのでございます。戰争が終了いたしましても、司令部の方策でございますが、日本の潜在的な戰争能力を除去するという方針の一環といたしまして、昭和三十一年の十一月には精油設備の休止命令が出まして、ごくわずか裏日本の一部分、それから北海道の一部の精油所を除きましては、これを閉鎖するという命令を受けたのであります。だんだんそういうような状態で進んで参つたのであります。それから一方におきまして精油所の設備の賠償というような問題がございまして、これもいつ撤去されるかわからないというような状態であつたのであります。ところが賠償の問題につきましては御承知のように、ストライク報告によりまして、相当緩和されて参ります。それから精油事業の方につきましても、今のような休止命令を受けまして、わが国の必要とします石油は全部ガリオア資金によりまして、精製されました、製品を貴重な外貨を使つて輸入しておつた次第であります。ところが特に今年に入りまして九原則の実行、ドツジ氏の来朝に伴いまして、外貨を節約して参るという方針の一環として、精製されたものをそのまま輸入するということよりも、一部分日本原油の輸入を認めまして、これによつて外貨の節約をはかることが得策ではないかというような事態に転換されまして、ことしの七月にごく一部分ではありますが、太平洋岸の精油所の再開をしてもいいという指令があつたのであります。それに伴いまして準備を進めておつたのでありますが、また今月の六日に新しい指令が出まして、工場を指定して一部分再開が実現することになつたのであります。それに先だちまして御承知のような原油の輸入六十三万五千トンでございますが、ポンド地域からの輸入も認められるということになつて、これは入札制によりまして、ごく最近入札が行われるということを聞いおりますが、だんだんそういつた原油の輸入の道も開けて参つている状況であります。こういつた一般的な状況に対応いたしまして、外資とわが国の石油会社との提携の話合いも順次活発に進められつつありまして、冒頭に申し上げましたように、外資導入のケースといたしましては、石油における外資が非常に異彩を放つておるわけであります。新聞にも出まして御承知のように、日本石油とカルテツクスとの提携及び東亜燃料とスタンダード、三菱石油とタイド・ウオーター、こういつたものがその顯著な例でございます。その提携の内容は種々ございますが、株式を取得いたしまして経営に参加して参ります場合、それから原油を輸入いたしましてこの委託加工をさせます場合、それから委託加工いたしました部分の販売までもこちらで受持ちまして、その販売によつて上げた収益の一部分を向うへ拂うというような契約の例もあります。そのほか一般的に技術の援助を受けるというような内容になつておるのでございます。こういつたぐあいにだんだん外資とわが国の石油業との提携も進んで参つておるのでありますが、アメリカのこういつた石油資本の海外進出が非常に活発化しておるということは、統計といたしましては、一九四七年のアメリカの民間の対外資本め投資額が、直接投資といたしまして七億四千四百万ドルと言われておりますが、そのうちでも石油資本の占める部分の割合が非常に多いのでありまして、四億五千四百万ドルは石油資本が占めておるという数字があります通り、約七十パーセントは石油業が占めておるという状況になつておるのであります。これを反映いたしまして、日本に対する投資の中でも、石油の進出が非常に多いという結果になつて現われて来ておるのではないかと考えるのであります。大体以上御答弁申し上げます。
  93. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 竹尾弌君。
  94. 竹尾弌

    ○竹尾委員 時間が非常に過ぎましたので御迷惑と思いますから、きわめて簡單に二、三の点をお伺い申し上げます。  先ほど菊池委員が世界連邦政府の樹立についてお尋ねになつたようであります。この世界連邦政府というものは、将来世界に恒久的な平和をもたらすということを目ざしておると思われます。ところが昨日でありましたか、UP電報によりますと、明年早々アメリカ上院外交委員会で、これに関していろいろ審議をする、ここに六箇條かの題目がありますけれども、これらの題目の一々を考えてみますと、たとえば共通の防衞軍を擁し、かつ共通の外交政策を持つところの大西洋同盟の強化問題とか、あるいは国際警察軍をこしらえるとか、あるいはまた安全保障理事会が、動きがとれなくなつた場合には、その侵略国に対して制裁の手段をとるとか、こういうようなことを考えているようでありますが、これは菊池委員の先ほど言われたように、カの関係からすれば、一方を圧伏して、一方が力が強まるということで、世界の平和をもたららすというようなことが考えられるかもしれませんが、これは私が前国会で吉田首相にお尋ね申し上げましたときに、戰争の危機が切迫しておるかどうかという問題で吉田首相はここ当分戰争は絶対にないというような御答弁でございましたけれども、これは並木委員もわれわれも同感であつて、非常にこの問題に対しては国民は関心を持つておる。そこでこれらの條項と世界連邦樹立のアメリカの考え方が、世界危機を弱めるものであるか、強めるものであるか、解消せしめるものであるか、あるいはその反対のものであるか、世界危機はこのためにあるいは激化されるものではないかどうか、この点につきまして政府委員にお尋ねしたいのですが、川村政務次官がどつかに行つてしまいましたので、適当な方にひとつ御回答願いたいと思います。
  95. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいまの御質問の、アメリカ上院で世界連邦政府の樹立に関して、具体的に取上げられたということになつておりますが、これらの点はまだ正確な情報を得ておりませんし、御意見の点は十分考慮いたしまして、これから研究することにいたしたいと思います。
  96. 竹尾弌

    ○竹尾委員 確実な情報が入つておられない、こういうことでございますが、いやしくもUP電報がこういうことを打つて来る以上は、何かそこに確実性があると考えられる。そこでこれは仮定の問題でもよろしゆうございますから、もしこういうことが実際論議されるとなつたならば、それは世界危機を醸成するか、あるいは緩和するかという点をひとつ…。
  97. 島津久大

    ○島津政府委員 ただいま申し上げますように、もう少し研究をさせていただきたいと考えるのであります。一概に危機になるかならぬかということは、抽象的にはきまらぬように考えます。
  98. 竹尾弌

    ○竹尾委員 島津政務局長、きわめて巧みに逃げられましたが、これはこの程度でおきますけれども、私の考えをもつてしますれば、もしこういうことが論議される場合には、これは大ざつばに申し上げまして、世界に危機をもたらすものでないかということを私は真劍に憂えております。  そこで問題は講和條約になりますけれども、全面講和は非常に理想的である。しかしもしもこうした題目の論議が重ねられるときには、全面講和ということは非常にむずかしく、むしろ不可能ではないかと思う。そこで多数講和あるいは單独講和という形になるかもしれませんが、そうした場合に多数講和、單独講和というものは全面講和への道である、こう考えられておりましたが、もしこういう問題が具体化すれば、そういうふうに考えられないのだと思うけれども、その点はいかがでありますか。
  99. 島津久大

    ○島津政府委員 多数講和があくまで全面講和の前提であるという考え方をしておるのでございます。ただいま問題になりました上院の取上げようで、その考え方がすぐにかわつて来るとは、ただいまのところ考えていないのであります。
  100. 竹尾弌

    ○竹尾委員 大分苦しい御答弁のようですから、これ以上私は追究いたしません。  そこで最後にこれは岡崎委員長にお尋ねしたいのですが、吉田首相が言われました通り、われわれが講和を受諾するのには、その前提として大いに国民外交の実をあげなくちやならぬ、こういうことを言われたようであります。まさにその通りでありまして、われわれもこれについては全面的に賛意を表したいと思います。ところでそうした国民外交の実をあげるというのは、具体的にどういうことをすればいいかということが問題になる私は前会、一番最終の外務委員会と思いましたが、岡崎委員長にお尋ねした。ところが何だかあまり御熱心な御答弁でないと思いましたけれども、これが非常に問題であつて、私どもは国民代表としてここに出て参つておる。しかも外務委員会は三十五人に増員された。こういう点について、私どもは国民の先頭に立つて大いに国民外交の実を上げなくちやならぬと私は思う。そういう点でこれは外務委員会の運営の問題になるかもしれませんが、今後私どもは率先して、その国民外交の最先端に行かなければならないと思われる。その場合岡崎委員長は、この点についてどういう具体的な考えを持つておられるか。もし私が委員長であれば、大いに国民外交の実を全国にやるのだけれども、これはただ單に党派的に民自党であるとか、民主党がなんとか、そういうことじやなく、全体の政党と申しましようか、全国民を打つて一丸とした大運動でなければならない。これはほらでも何でもありません。これはわれわれは憲法保障された最後の―絶対にいかなる戰争をも放棄する、こういうことを憲法でうたつている以上は、われわれが率先して永世中立を主張するとか、あるいは安全保障の仲間に入れてもらうとか、そんなことではなく、私どもが大いに世界に声を大にして戰争をやめろと叫ばなければならない。これこそ国民外交の一つの具体的な現われだと思う。これは私どもがやらなくちやならぬ、こう思われるのですが、岡崎委員長のお考えをひとつ……。
  101. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 時間もありませんから、ごく簡單に申し上げますと、私はこういうふうに考えております。たとえば最近暮でもつて勤労者が賃金を上げてくれということをしきりに言う場合に、家族が五人あつて食えないから賃金を上げてくれ、こういうのはまことに同情すべき理由でありますけれども、上げる方の会社側から言うと、家族が五人あつて食えないからというのは、すぐに賃金を上げる理由にならないと思う。その人が会社のために非常に役に立つという点で上げるか、上げないかという点が大体きまるのじやないか。われわれの講和條約の問題でも同じでありまして、どうしてもこの八千万人の人間を養つて、独立を回復して、生活を立てて行くのは、もちろんそうでありますけれども、それだけでは列国の共鳴を得るということは、私は少い思うので、われわれが国際社会にもどつた場合に、国際社会にとつてそれがプラスであつて、決してマイナスでないという点が、国民の一人一人の考え方からにじみ出たときに、ほんとうに講和が実現されるのであろう、そう考えております。その意味においては竹尾委員のおつしやるような国民外交といいますか、言葉はどうかわかりませんが、国民からそういう気持がにじみ出るということについては、私は非常に必要だと考えて、竹尾さんの御意見に同意なわけであります。
  102. 竹尾弌

    ○竹尾委員 もうあんまり質問いたしませんけれども、そういうことをひとつ具体化してみたらどうかと私は思うのです。われわれは外務委員といいますが、なかなか外交のことは実はあまり完全に知つているといつたわけにはいかぬと思いますけれども、国民全体としても外交には無関心のような点が非常に強い。こういうことを大いにひとつ啓発して、そうしてその点からも私はたびたび要求いたしますが、やはり専任外相をここに置いて、そうしてこの外交陣を強化しなければいかぬと私は思います。吉田総理は、それは外交の長老かもしれませんが、長老必ずしも現在の外交のセンスにマツチしているかどうかと私は憂うるのでありすす。たとえば私は―自党のことを申し上げてはどうかと思いますが、いつか菊池委員が現在世界政治の日程に上つておる世界連邦政府のことをお尋ねしたときに、何か国際連合のこととお間違いになつたかどうか、そういうことを御答弁になつた。どうも私変だと思つて拝聴いたしたのでありますが、とにかく非常にテンポの早い将来の外交に処するためにも、がつちりした専任外相を置いて、そうして難局に処することが私は目下の非常な必要事だと思います。これは大いに外務当局の方々も肝に銘じていただきたい。  そこでもう一つ、この間吉田総理の一喝に会つたと言うと非常に恐縮かもしれませんが、専任外相の問題で、あんなことで私は外務当局がどういうお考えかと言つたら、それは答弁の限りにあらずというようなお答えでありましたが、ここにおられる皆さんこそは、日本外交陣営を背負つて立つ方々でありますから、もう少し元気を出して大いにやつていただきたい。もう資料でも、答弁でも、何か箝口令をしかれているがごときもので私はきわめて不満足であります。ほかの委員の方もおそらく不満足だと思います。もう少しフランクに堂々とやつていただきたいことを要求いたしまして、質問を打切ります。
  103. 菊池義郎

    ○菊池委員 海運局長が見えておられるようですから、ちよつとお伺いしたい。米英仏西欧諸国は西ドイツに対しまして、二十四日に遠洋商船隊の建造を許しております。先ほども申しましたが、戰前の日本のトン数が五百六十万トンから今日百六十万トンに激減している。たいへん運賃が高くて、われわれのごとき八丈島に生れた者は、ほとんど死活の線をたどつている。たとえばアメリカで一トン五ドルで買える鉄鋼が日本まで来ると二十ドルに高騰する。主として運賃にとられる。船がないくらいみじめなものはない。そこで日本政府としても連合国に対しまして、少くとも四、五百万トンぐらい船の保有について要講せんければならぬはずであるし、また遠洋航路の就航についても要請せんければならぬことであると思う。向うからAP通信がそういつたようなことを日本に言つて来ている。新聞に出ているのですが、どういうふうになつておりますか、それをお伺いいたします。
  104. 岡田修一

    ○岡田政府委員 ただいまのアメリカから船を用船すること並びに日本の保有船舶を四百万トン程度にふやすこと、これにつきましてはドレーパー氏が陸軍次官当時に来朝し、あるいはその後アメリカ本国から要人が参りましたときに、日本側の希望としてその都度要請しているのでございます。しかしそれに対して具体的にどういうふうになつているかということを今ここで申し上げる段階に立至つていないのであります。今お話のAP通信にどういうことが載つているか私は存じませんが、まだ具体的な動きがないものと承知しております。
  105. 菊池義郎

    ○菊池委員 まだ回答が来ておりませんか。四百万トンこちらから要請していることは御存じありませんか。日本の遠洋商船像の許可を要請している……。
  106. 岡田修一

    ○岡田政府委員 ただいま申しましたように、前からそういう希望を申述べているのでございます。
  107. 菊池義郎

    ○菊池委員 それから最近日本の海運業者とアメリカの海運業者との間に、合弁の汽船会社ができ上るように協議されているようであるが、それについて伺いたい。
  108. 岡田修一

    ○岡田政府委員 アメリカのダウントリー・カンパニーが日本の船会社と提携して日本法人をこしらえて、それにアメリカからリバテイー型その他の船を五十隻余り用船して運航しよう、こういう計画があることを間接に聞いております。しかし具体的にまだ直接的には聞いておりません。
  109. 菊池義郎

    ○菊池委員 終戰後日本アメリカから一万トン級のリバテイー・シップを百隻ばかり借りておる。ドイツも七十隻借りておる。それは今どうなつておりますか。
  110. 岡田修一

    ○岡田政府委員 終戰当時主として帰還輸送に用いますために、アメリカからリバテイ一型の船百六隻、それからLSTが百隻、それからCワン型が九隻、合計二百十五隻を借りております。ところが帰還輸送が支那方面、南方方面のものが一段落つくと同時に、そのうち百四十八隻を返しまして、現在六十七隻が残つております。
  111. 菊池義郎

    ○菊池委員 トン数はどれくらいですか。
  112. 岡田修一

    ○岡田政府委員 この内訳はリバテイー型が、一万重量トンの船ですが、十隻、それからCワン、これは五千トンですが、これが八隻、LST、これは四千七百トンですが、これが四十九隻、これだけ残つております。これらの船は昭和二十一年、あるいは二十二年ごろに、日本の船腹が非常に不足しておりますときには、内地の貨物輸送、あるいはアンガウルの燐鉱石輸送、こういうものに使用されておつたのであります。ところが現在におきましては、日本の国内の輸送事情としては、船腹に相当の余裕がございますので、それらの船腹はもつばら関係方面の物資の輸送に従事しております。
  113. 菊池義郎

    ○菊池委員 現在日本の保有量は、トン数にしてどのくらいですか。
  114. 岡田修一

    ○岡田政府委員 現在総トン数百六十万総トン余ございます。そのうちたいへん遺憾な点は、皆さんも御承知の通り戰時中につくりました船が七割、それから従来の船で船齢二十五年以上の船が残りの半分を占めておるような現状であります。これに対しましては目下新造船、あるいはそれらの戰標船の改造によりまして、外航適格船の整備に努めておるような次第であります。
  115. 菊池義郎

    ○菊池委員 日本軍艦が終戰当時六百八十隻、百八万トン、そのうちの二百隻は解体しておるそうですが、あとはどうなつておりますか。
  116. 岡田修一

    ○岡田政府委員 ただいまの軍艦の処理につきましては、私所管外でございますから、ここで正確な数字は申し上げられません。
  117. 竹尾弌

    ○竹尾委員 きようの対日理事会で引揚げ同胞に関する問題が議論になつておるようでありますが、これにつきまして、外務省当局ではどうのこうのというようなことは知られない筋合いかもしれませんが、何かこれに対して受入れ的な考えを持つておられるかどうか、どういうお考えであるか、ちよつと承りたいと思います。
  118. 川村松助

    ○川村政府委員 今日の対日理事会はきわめて短時間のうちに終了いたしました。ソ連代表は引揚げ問題はここで論ずべき筋合いじやないということを言われ、議論を継続するならばむしろ席をけつて帰るというような状態で帰られたそうであります。その後シーボルト氏は一場のスピーチを行いまして、理事会の経過を発表するという程度であります。
  119. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 先ほど並木委員が質問されておりましたのに対して、政府当局の答弁と私に対する答弁と非常に食い違つておりましたので、その席で関連質問をいたしたいと思つておりましたけれども、並木委員の発言を妨害してはと考えましたので保留しておいたのでありますが、簡単に申し上げますと、私は先ほどの質問におきまして、日本は国家固有の権利として自衛権はある。しかしながらその自衞権を発動する武力を持たないから、自衞権を国際連合に委任するとわれわれは解釈するがどうかという質問に対して、川村政府委員は、私の考え方と同じであるという意味の御答弁があつたことを記憶いたしております。ところが先ほどの西村條約局長の話によりますと、自衞権は国家固有のものであつて、これは決して他に委任することのできない性格のものであるということをおつしやつております。もししかりとするならば、日本が国際連合へ参加して、国際連合の力によつて日本安全保障を求めようということと、自衞権との関係はどうなるか、非常に大きな矛盾があるじやないかと私は考えるのでありますが、この点ほどういうふうに解釈されておるか。
  120. 川村松助

    ○川村政府委員 先ほどお答えいたしました佐々木委員の御意見に大体同感であると申したことは、私も記憶しておりますが、ただいまお話になりました国際連合に委任するということにつきましては、私全然頭にありません。つきましては速記録を見ましてよく検討してみたいと思います。
  121. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 先ほどの答弁とは別個に、それでは西村政府委員に承ります。自衞権を委任することができないならば、国際連台に参加することによつて日本安全保障を求めようということは、理論的に大きな矛盾があるんじやないかと考えるが、この点をどういうふうに解釈されておるか伺いたい。
  122. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 国際連合憲章によります安全保障というものは、主として第六章、第七章に規定してあります。安全保障理事会が中心になりまして、国際紛争を第一段階において平和的に解決する。平和的に解決できない場合には、第二として強制的措置に入る、こういう段階になつておるわけであります。それが主としてわれわれの言う国際連合に参加して、国際連合加盟国として安全保障を保有するという観念でございます。それと関連して第五十一條には、国際連合加盟国に対する武力攻撃が行われた場合には、加盟国は固有の自衞権を発動することができるという規定が設けられてあります。すなわち国際連合憲章によりまする安全保障措置がとられるまでには、具体的の事変が突発してから相当の時間がかかるということが予想されるわけであります。ところが武力攻撃という突発的な事件が起りました場合には、安全保障理事会に取上げて、安全保障理事会よつて、これに対する対抗措置をとつてもらうまでには、相当の時日がありますから、それに至るまではどうしても各加盟国は、いわゆる固有の自衞権を発動することを許すという規定がございます。そしてこの自衞権を発動した場合には、ただちに安全保障理事会に通告する。そして安全保障理事命会が措置をとつたときには、その自衞権の発動はそこで停止しなければならぬ、こういう規定になつております。それから見ましても、国際連合憲章による安全保障というものと、各加盟国が持つております自衞権による、いわゆる突発事故が起つたときの緊急なる措置は、両立し得るわけです。憲章それ自身がそれを認めておる。わけであります。決して矛盾の関係はないわけです。国際連合憲章による安全保障というものは、すなわち言葉をかえて言えば、各加盟国が固有の自衞権を国際連合に委譲するものではないということは、国際連合憲章の明文それ自身からはつきりわかると思います。
  123. 佐々木盛雄

    ○佐々木(盛)委員 そういたしますと、国際連合憲章第五十一條の規定によると、火急の、そして不正な侵害が加えられたような場合には、個別的または集団的な自衞権を発動することができるということになつておるわけであります。もしそれでは加盟国であるところの日本が不正に侵害を受けたというような場合において、それではどうして日本をその侵害から守るのか。先ほどのお話によると、集団的な自衞権すらも国際法上疑問であるというお話であつた。であるとするならば、一体いかなる権利をもつてそういう火急の立場を救うことができるのか。私は自衞権というものを委任することができるから、集団的な力によつてそういう場合において国家を守ることができるのではないか、私はかように考えるのですが、どうも委任ができなくて、集団的な力によつて火急の場合に防衞するということは、非常に理論的な矛盾でないかと考えるのであります。その点重ねてもう一度承りたいと思います。
  124. 西村熊雄

    ○西村(熊)政府委員 別に矛盾しておると私は考えないのでございまして、実は佐々木委員の御意見を了解するに苦しんでおるのであります。
  125. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 ちよつとお断りしますが、ごらんの通り時間が非常に追つておりますので、簡単にひとつ願います。床次徳二君。
  126. 床次徳二

    ○床次委員 簡単に御質問申し上げますが、第五国会に衆議院におきまして人口問題に関する決議をいたしたのでございますが、その要旨の第一は、国内でできるだけ人口を養うように努力する。第二はある程度まで人口増加を抑制する。第三は従来の海外移民に関しまして、その研究調査準備を行うとともに、関係方面に対してあらかじめその援助を懇請する、こういうことになつておるのでありますが、政府はこの問題に対しまして、いかなる処置をとられるかということについてお尋ねしたい。また来年度の予算等において考慮しておられることがありますれば、この機会にお話を願いたいと思います。  第二の問題といたしまして近時講和問題と同時に移民の問題が論ぜられておりますが、移民問題は国際的に申しましても非常に微妙なものでありまして、われわれはこれに対しまして愼重な態度をもつて臨むべきでありますが、人口問題といたしましても、またわれわれ国民社会的問題といたしましても、この移民の問題を解決することは、きわめて重要なのでありまして、この点諸外国から移民に対する悪い意味の批判を受けないように、われわれはこの問題を論じて参りたいと存じます。従つて将来の移民というものは、今までの移民とは違つた形の移民であるべきであると思いますが、この点に対しまして政府はいかように考えておるか。われわれは将来に出すべき移民という問題につきましては、過去にありましたことく欠陥のある移民は改めなければならぬ。新しい反省を加えられた移民が出るべきであると思いますが、こういうことに対して、政府は十分に国民とともにこれを論じていただきたいと思うのであります。なおこの移民問題というものは、もちろん言論の自由でありますから、国民がその希望を述べることについては、さしつかえないのでありますが、あやまつて一部の過激な移民論が海外に出て参るというようなことがありましては、これは世界の輿論を刺激することが多いのでありまして、百害あつて一利がないということもあり得るのでありますが、この点政府といたしまして移民に対する所見を、さしつかえない限度において自由に発表していただきたいと思います。  第三に近ごろ日本人にして海外渡航を認められる者が相当多いのでありますが、これらの海外渡航者が海外に参りましたときに、非常に好評を得るということになりますと、将来日本人が引続いて多数渡航して働くことができるようになる、一つの大きな契機になるものと思います。現在海外渡航をなす場合に、出発前にいかようなる準備をさせておるか。遺憾のない準備をして海外渡航をしておるかどうかということについて、この機会にお尋ねいたしたいのであります。  次に私は留学生の問題について、この機会にお尋ねいたしたいと思います。昨日新聞に発表せられておりますが、百四十何名の留学生が今日アメリカに派遣せられることを得ますことは、われわれ国民としてまこと感謝にたえず、喜ばしく考えておるところでありますが、この留学生は来年度におきましても相当認められるものかどうか。現状とその将来についてお話をいただきたいと思います。  なお今日アメリカにおきまして、日本留学生に対してかかる待遇をしておるので、われわれとして喜びにたえないのでありますが、反面現在日本には戰時中に日本に招致いたしました外国の留学生がなおおりまして、今日まで勉学を継続しておるのでありますが、この勉字状況を見て参りますと、学資に非常に苦しんでおるばかりでありませんで、衣食住の生活そのものに対しても、非常に困難を感じておるように認められるのでありまして、私どもまことに同情にたえないものがあるのであります。これらの留学生は一日も早く学業を終え、あるいは目的といたしました技術を習得して、それぞれ母国に帰るということになりますと、これは本人並びに家族が喜ぶばかりでなく、将来かの母国の人たちの間におきましても、非常に親善関係を予想するものであり、われわれ国民外交という立場から申しましても、われわれはこれらの留学生は放置しておけないものと思うのであります。もとより日本は敗戰によりまして非常に状況がかわつて参りました。しかしながら日本の政府がこれらの留学生に対して、責任がないということは言えないのではないかと思うのでありまして、今日アメリカ日本留学生に対して、非常に好意を持つてこれを遇しておられるのと思いあわせますと、私どもはこの日本に来ておりまするこれらの外国留学生に対しては、十分なことはできないながらも、最善の努力は盡さなければならないと思つております。政府のこれに対するお考えはどうか。公私の機関を通じまして、できる限りその対策を講じていただきたいと思うのでありますが、政府の御所見をさしつかえない限り伺いたいと思います。
  127. 島津久大

    ○島津政府委員 御質問の第一の点の人口問題に関する決議の中の第三の移民問題、これにつきましては、調査の重点を、連合国その他諸外国の日本人の移民問題に関する態度に置きまして、絶えず検討しておるのでありますが、一般的にはまだ必ずしも好転する域に達しておりません。また占領下にあるわが国といたしましては、この問題につきまして、連合国その他に対して積極的に懇請するのは、なお困難な状況にございます。予算的措置につきましては、一般的にはまだこれを具体化することができなかつたのでありますけれども、総司令部からその制限の一部が緩和されまして、日本人技術者海外渡航が実現するごとになりましたので、とりあえず本年度から若干の経費が計上せられまして、その事務の効果的な運営をはかるように努力をいたしております。  第二点の移民の問題につきましての御意見、まことに御同感であります。結局わが国の戰後における最近の努力が諸外国から認められまして、日本が民主的な平和国民として信用されるということになれば、漸次その道が開けて来ると思うのであります。ただ目下のところは一面には日本に対する危惧がまだ去らないという状況もございますので、この上とも日本の国情を十分に理解してもらい、そして日本の移民が自然に歓迎されるような状態がへ早く来るということを期待しておるのであります。ただ実現は結局平和條約の締結後となるのではないかと考えられます。また最近技術者海外渡航が許されまして、この人たちが世界の平和建設に寄與することを期待しておるのであります。  第三点の、海外渡航以前の訓練その他についての御意見がございましたが、目下のところは渡航者の数が非常に制限されておりますので、戰前のような集団的な訓練というようなことは行つておりません。  第四点の、外国の留学生をどういうふうに扱うかという点でございますが、これは従来政府で財政的援助を行つて参つたのでありますけれども、終戰後すでに四箇年以上を経過しておりますし、希望者の多くはそれぞれ母国に帰還しておりまして、また卒業した関係もございまして、そういうようなことから、政府の財政的の援助は、本年度の経費をもつて終了したいと考えております。もちろんまじめな学生につきまして、御意見のようにできる限りの援助を與えたいという考えにかわりはないのでございますけれども、経費の面からの援助は、予算の関係でなかなか思うように行かぬという実情でございます。
  128. 床次徳二

    ○床次委員 予算面におきまして援助ができない場合は、でき得る限りその他の手段において政府の御援助をお願いしたい。特にその点を希望申し上げます。
  129. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 聽濤克巳君。
  130. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 私も、時間がありませんので二、三のことだけお聞きして本日はとどめたいと思います。  本日の質疑の中でヤルタ協定の問題が出て参りまして、これは非常に重大な問題であります。もちろん短時間でほとても論議されない問題でありますが、それで出たついでにというだけの意味で、ただ一点だけ最初にお聞きしたいと思います。先ほど佐々木委員の質問に対しまして政務次官から、ヤルダ協定については、日本は拘束されるものでないという意味のことを御返答になつたのでありますが、そのことは結局当委員会におきまする各委員の質問の内容から見ましても、直接南樺太及び千島列島の帰属の問題に関連していることでありまして、非常に重要な問題であります。またそういう観点から質問も行われておる状態であります。ところで政府の御回答によりますと、結局ポツダム宣言にはカイロのことは書いてあるけれども、いわばヤルタ協定のことは明記されてないからというのが、御趣旨であろうかと思うのでありますが、そういう理由でもつて、連合国間ではすでに協定した帰属の問題について、つまり具体的に言えば、南樺太及び千島列島の帰属の問題について、すでに連合国間では協定した事柄に対して、日本はそれを承認しなくてもいいのだ、こういう端的な意味でありますかどうか、はつきり御回答を願いたい。
  131. 川村松助

    ○川村政府委員 この問題につきましては、答弁を愼重を期したいと思つておりましたが、ただしいて言いますれば、日本に対しまして何ら連絡なくきめられたものでありますので、日本側におきましては、これを基本的観念において認めなくてはならないということはないだろう、こう考えているわけであります。  それからポツダム宣言の條項につきましては、ポツダム宣言に明らかに示された範囲内のことだけ日本が忠実に守るべきである。従いましてポツダム宣言以外のわくにおいてきめられたことに対してまでは、責任を持つ必要はないじやないかというような考えを持つているわけであります。
  132. 聽濤克巳

    ○聽濤委員 時間がありませんから、これ以上質問いたしませんが、今の御答弁で政府の意思は非常にはつきりしていると思います。たとい連合国間で協定したものがあつても、ポツダム宣言文字が出て来ていないから、これは認める必要がないということを御明言なさつたものと思いまして、事柄は非常に重大でありはすからあとに問題を保留しておきます。  もう一つお聞きしたいのは、講和問題が議会でも論議されるようになりまたが、それは外務政務次官の趣旨でない、西村條約局長が言われたことが趣旨であるということを確認しておいていただきたいと思います。
  133. 岡崎勝男

    ○岡崎委員長 ちよつとつけ加えますが、ただいま政府委員の答弁を承つておりますと、ポツダム宣言において、日本の領土は本州、四国、九州、北海道及び連合国のきめる諸島嶼に限る、こういうことになつておるのでありまして、日本の領土をいかにきめるかということは、ポツダム宣言で連合国が本州、四国、九州、北海道以外はきめるのであります。きめて日本から取上げたものをどういうふうに分配するかという、その分配方法の一つがヤルタできまつておるのであつてそれは連合国間の問題で日本の関係することでないのだ、こういう答弁だろうと私は考えております。  これで御質問も終つたようでありますから、本日はこの程度にいたします。次会は公報をもつて御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後一時十六分散会