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1949-11-17 第6回国会 衆議院 農林委員会 6号 公式Web版

  1. 昭和二十四年十一月十七日(木曜日)     午前十時四十六分開議  出席委員    委員長 小笠原八十美君    理事 野原 正勝君 理事 松浦 東介君   理事 八木 一郎君 理事 藥師神岩太郎君    理事 山村新治郎君 理事 井上 良二君    理事 小林 運美君 理事 竹村奈良一君    理事 吉川 久衛君    足立 篤郎君       安部 俊吾吾    宇野秀次郎君       遠藤 三郎君    河野 謙三君       中村  清君    原田 雪松君       平野 三郎君    渕  通義君       守島 伍郎君    足鹿  覺君       石井 繁丸君    佐々木更三君       坂口 主税君    横田甚太郎君       寺本  齋君    小平  忠君  出席国務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         農林政務次官  坂本  實君         食糧廳長官   安孫子藤吉君  委員外の出席者         專  門  員 岩隈  博君         專  門  員 藤井  信君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  農林行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 これより会議を開きます。  それではまず農林行政に関する件を議題とし、農林大臣から主として今の食糧事情や、それに引つかかつておる米価等の経過、そういつた点に対する説明をいただきます。
  3. 森幸太郎

    ○森国務大臣 農林行政の面におきまして、取上げて皆さんに御報告申し上げたいことは目下の食糧事情であります。本年は、当初非常ないい作柄のような経過をたどつておつたのでありますが、何分春暖かつたために、稻の成育は形式的に非常によく見えたのでありますけれども、軟弱な育ちがありまして、その後低温多湿が続きまして、さらに一層稻の草の成長はよくなつたのでありますが、軟弱の度を加えたような経路をたどりました。土用入後、天候は一時回復いたしまして、非常に豊作型にかわつて來たのでありますが何分出発の当時軟弱な経過をいたしておりました結果が、局部的でありますが、非常にいもちの発生を見たのであります。そうして一面、ここに栽培法の上において一つの原因と認められますものは、肥料配給が、いつもより季節の肥料が早く農家の手元に届いたという一つのことも考えられるのであります。そういう結果、栽培しております者としては、手元に肥料が潤沢であるという関係から、誤つた施肥法をいたしたことも原因いたしたでありましようか、非常に草丈はよくなりまして、いよいよ豊作型を見て八月を経過いたしました。彼岸ごろにおきましても、非常な豊作型と考えておりましたが、九月下旬からいもちが一層発生いたしまして、時によつてはうんかの発生あるいは螟虫の発生もあつたのであります。これらのいもちの発生が、数回にわたる暴風雨により葉枯れいもちとなり、あるいはそういつたことが穂首いもちの誘因となつたことと考えるのであります。九月二十五日ごろの調査によりますと、すでに政府が発表いたしましたように、六千五百余万石の予想がされたのであります。しかるに今年は記緑を破りまして、十月に入つてもさらにいもちが出るというような異常な経過をたどつたのであります。その後十月に入りましてから、坪刈り等の調査をいたしますると、九月二十五日の調査に比較いたしまして相当の減収ではないかという予想が立てられておるのであります。各府県からもすでに九百万石ぐらいな減収であるということが申し出られておるのでありまするが、政府におきましては愼重に調査をいたしまして、適当な実収量をつかみたいと考えておるのであります。関係方面におきましては、七千万石近い収穫を予想されておりやすので、その後の実際について相当向うに折衝をいたしておるのでありまするが了解を求めることはなかなか時日を要することと存ずるのであります。場合によりましては、十二月の実収をつかみまして、補正等も交渉をせなければならぬではないかと考えておるような情勢であります。  なお輸入食糧につきましては、當初二百余万トンを予想しておつたのでありますが、世界の食糧事情から、この二十五米数年度に対しましては非常な輸入増を見る予定をされまして、今日では三百十一万トン近い輸入を予想され、すでに予算の編成も、その受け入れ態勢のもとに編成せざるを得ない情勢になつて來ております。はたしてこの予想通りの食糧が輸入されますかは今後の問題でありまするが、政府といたしましては、この三百十一万トンの食糧が輸入されるものとして、食糧計画を立てて参りたいと考えております。  なおこの主食のうちのいも類の問題につきましては、すでにたびたび皆様にも御心配をかけ、またその節たびたび政府としても、そのやり方について、答弁をいたしておつたわけでありまするが、二十四年度におきましては、当初計画しておりました通りのものを輸入いたすという方針は、今日も持続いたしておるのであります。この予定通りの買入れをいたしましたその後の処置につきましては、まだ関係方面からの指示を受けないために、決定はいたしておらないのでありまするが、今日といたしましては、当初の計画通り進行をいたす予定をいたしております。明年度のいもの統制につきましては、私からたびたび声明いたしました通り、統制の方式を緩和いたしましても、一定の数量はどうしても日本の食糧の配給の上で必要があると考えておりますので、その貫数におきましてはあるいは三億万貫になりまするか四億万貫になりまするかわかりませんが、やはり日本の二合七勺の配給を継続して行く上におきましては、いもによつてどうしてもある一部分を食糧として補わなければならない、かように考えておるのであります。しかし予算の編成の上において特別会計の編成の上におきまして、このいもの購入は自由にして、食糧として政府は考えなてもいいではないかというような見方もされておるのでありますが、政府といたしましては、いも類はぜひともある一定量は食糧の中に入れなければならないという考え方をもつて、予算の編成方につきましても折衝を重ねておるようなわけであります。  ここで問題になりますのは、戰爭中つくれつくれと言うていも類をつくらせまして、桑園を壊してはいも類麦類にかえて行くというので、今日まで参りました。  この農業経営の形式を、手のひらをかえすように、統制からはずしてしまうということは、はなはだよろしくないということはだれしも考えることであります。しかし、統制をはずしまして、さつまいもはつくつてはならない、つくるべからざるものであるという議論ではないのでありまして、今日海外の食糧が輸入されるという段階におきましては、日本の農業経営の上において、画期的な考え方をもつて進まなければならぬと思うのであります。今日なお一層この米と麦に依存しておりましては農業経営ができない。戰爭の結果とは言いますが、とにかくいも類がここまで普及された以上は、いも類を農業経営の上に取入れて行くということでなければ、日本の農業経営はむずかしい、こういうような考えを持つておるのであります。今日まで政府は、いもの加工施設に対して相当の手を尽して参りました。全国的に見まして相当の設備ができております。いもは主要食糧以外といたしましても、これらの設備を十二分に活用するようにいたしまして、いもの加工設備、さらにその加工いたしました加工品と第二次加工ということを結ぴつけて行く。そうして農業経営をさらに多角形にして行くということに持つて行かなければならぬ。かように考えておりますので、政府は必要ないものは食糧としてこれを利用し、その他の生産はますますこれを薦めまして、いも類を農村工業の方面に持つて行くということにせなければならない。またさように指導して行く考え方を持つておることを、御承知願いたいと思うのであります。  次に米価の問題でありまするが、米価は審議会の御答申によりまして、政府はすみやかにその答申の線に沿うて決定いたしたく考えたのであります。ところが答申は御承知の通り四千七百五十円という数字が出ておつたのでありますが、この数字が出たということは、生産費から割出したものでもなく、またパリテイー指数から割出したものでもないようであります。委員会の内容等を檢討いたしましても、消費者の立場と、あるいは生産者の立場とは相当の開きがあつたのであります。もとよりこの諮問会に対しまして、政府のとつた態度は、パリテイー指数によつて行くか、行くとすればパリテイー指数はどういうふうな内容を持つものであるか、また生産費を基準として米価というものをきめるものであるかという考え方を諮問いたしたのであります。その結論といたしまして、今申しました通り四千七百五十円というものが出ました。これはパリテイー指数によつて出されたものでもなければ、あるいは生産費によつて出されたものでもなかつたのであります。しかしこれは消費者と生産者との代表者の御意見でもあり、政府といたしましては、できるだけこの線に沿いたく努力を重ねて参つたのであります。物價を定めるのは、その物価を形成いたしまする原因、素因を調べまして、それによつて物価が定まつて行くのであります。すなわちパリティー指教によつて大体物価というものがきまつて参るのであります。そのためにこれについて関係方面との交渉を重ねます上において、このパリティー指数によつて起算されますと、御承知のように四千二百五十円というものが出まして、それ以上どうしてもこれを進めることはでまなかつたのであります。ただ残されておりますものは、お約束しております超過供出に対する奨勵金でありまするが、これは本年の予算編成の上におきまして、四千四百三円という米価をきめ、そうして超過供出に対しましては、この基礎価格の二倍ということを基礎として、予算が編成されたのであります。しかしこの予算の編成の内容は、相当超過供出に対する数量が多く認められておるのであます。もしこの予算の総額において絶対動かんことができ得ないということを原則としまして考える場所において、はたしてこの予算編成において認められておるところの超過供出の石数が確保できるかできないかということが問題であるのであります。もーそれだけの数量が確保できますならばどうしても一倍より予算がはみ出すわけでありまするが、これはその予算に認められておるところの石数としましては、われわれといたしまして、どうしてもこれは自信のない石数と考えますので、しからばここにすでに発表いたしておりました通りの二倍の超過奨勵金が出し得られるということも、一応考慮されますので、また関係方面の一面におきましても、さような考え方を持つておりますので、近くいずれかに決定をいたすことと存じますが、米価の問題につきましては以上の経路をたどつておるわけであります。  当面の問題といたしましてとりあえず以上を御報告申し上げた次第でありますが、なお御質問がありましたならばお答えいたしたいと存じます。
  4. 八木一郎

    ○八木委員 私は去る十日の委員会で、政府に対して、ただいま大臣から御説明のありましたような線に沿うて、質疑を行つたのでありますが、十日に知り得た――明らかになつた点は食糧の需給の点については、輸入食糧に依存しておる結果から、端境期の持越米も前年度の倍であり、また輸入食糧自体の見通しも、二百万トンが三百万トン余になり、その結果からいもをはずしても、二合七勺が維持できる、よつて來るところはこれことごとく輸入食糧に依存しておるという事実である。そこで食糧生産に従事いたします農民の気持からいたしますると、食糧再生産を約束できないというような米価にきめられては一大事であるし、また超過供出の倍率も約束の三倍が二倍に下つては、これまたたいへんであるし、また補正に関しましても、伝えられるがごとく、とんでもない線で補正されるというのでは、持ちようようにも持つことのできない生産意欲を阻害されてしまうので、これは農業、農政、農村の問題として、大きな転換をここに期待して、しかるべき農政の方針が明確にならなければならぬと考えておる矢先であります。そこでただいま大臣の御説明の中に伺うことができたのはいもをはずすけれどもいもの必要はあるのだというお説教は承るのでありますが、それならばこれをどういう予算の裏づけを伴う施策を展開して、輸入依存の食糧政策に安心することなく、食糧需給度の向上を期し、農業経営の多角化をはかり、食生活の安定を期待するような、具体的予算的内容に触れては伺うことができないのでありまして、そこを伺いたいのが一点であります。  いま一点伺いたいは、世上伝えられるところよりますと、かように世界食糧事情が大きく変転しておるにかかわらず、政府はなおかつ食糧確保臨時措置法を、政府の説明する言葉をもつてすれば、余すところなくできた食糧を集荷するという点に、權力、法制の力を用いて行こうとするようなあの立法、あの方針は、依然として再檢討し、再考慮はしておられないというこのお気持がわかりかねるのであります。伝えられるところによれば、すでに継続審議に入つた今日までの間に、関係方面との複雑なる客観的な情勢等もあり、この国会においては、ぜがひでもこれを成立させなけれげならないというようなお心構えでおられるようにも伺つておるのであります。まさかさような国会の審議権を無視したような約束を、その筋としておるとは思いませんが、その点はどうか、この二点を明らかにしていただきたいと思います。
  5. 森幸太郎

    ○森国務大臣 いもの農村工業といたしましての予算措置でありますが、これは農村工業に対しましても相当の予算を持つておるのであります。今回のいもというものと農村工業を結付け、さらにこれを第二次工業に結付けることにつきましては、相当の予算がいるとも考えるのでありますが、現在持つております農林省の予算措置において、相当移動ができるのではない、かように考えておるのであります。なおこれは唐突なる計画のもとに、これを強化いたして行うというのでありますから、なお相当予算等において要求すべきものが、将来考えられる場合におきましては、政府として考慮を拂つて行きたい、かように考えておるのであります。  なお食確法の改正法案につきましては、その当時と食糧事情ほなるほど転換いたしておるのでありますが、今日補正の前におきましても、あるいは減額補正、増額補正等も今日のままにおいてはこれを行うことができ得ないのであります。ただ事前割当をしてのみそのままに経過いたしておるという不徹底な法律でありますので、これを補正減額するにつきましても、あるいは増額補正するにつきましても、一應の理論的な法制化するということが必要であるということは、この法律案を提案いたしました理由を今変更する考えは持つておらないのであります。その氣持で法の審議をお進め願いたいと思うのであります。
  6. 八木一郎

    ○八木委員 第点の輸入食糧に依存するというようなあまい考えでなく、農政自体として食糧の需給度向上のために、まずいもをとらえて、いもに食糧国策の重点を指向して、大いにやつてみたいという御熱意のあるところは了承いたしました。しかしそれを具体的に進めて行く段になると、まだ明快なる御答弁もないようであります。実際問題といたしまして農村には、すでにいもははずれて来るということになれば、これはいもは不要であるというように、いらなくなつたんだということに早合点いたしまして、実際落花生の特産地は落花生に、蔬菜の特産地は蔬菜に、その他転作に右往左往しておるような実情が見られるのであります。国民の食生活安定のためには、具体的な問題としては、大臣の言われた通りに、緊迫した戰時、戦後を通じて、せつかく増産かんしよの維持向上があるのだから、この増産かんしよの維持向上を期することが、ただ食生活安定に寄与するだけでなくて、私が申し上げるまでもなく、農業經営の多角化のために必要な有畜農業農業経営改善のために、必要な農業機械化、ことごとく私はこのいもを中心として、日本の良案の生命線は維持できるのではないかというくらいに思うのであります。そこで質疑はこれ以上重ねませんが、気体的な施策、たとえば安定した価格をもつて、二次加工品である長期保管のできるいも類加工品の買上げを、政府の特別会計に大きく開いて、何ぼでも持つて来いというような態勢を整えるとか、あるいは第二次加工品をつくる。全国千数百のいも類澱粉加工場の施設を科学的に改善させる点に、農村工業の一環として力をいたす、この予算的措置を考えるとか、もつと具体的な施策をひとつ広げていただきたいということを、強く要求して質疑は打切ます。  第二点は、食糧の問題が議題になつた際に、続けて御質疑申し上げることにいたしまして、この際は打切ります。
  7. 井上良二

    ○井上(良)委員 時間があまりありませんから、特に重要と思われる点だけを確かめておきたいと思いますが、私この前の本委員会で食糧管理局長官に伺いましたが、いもの統制を撤廃するといううわさがあるが、撤廃するかどうかということに対する明確な御答弁がございません。する方向のように聞える答弁はされておりますが、統制をはずすということは明確でありません。同時に、いもをはすした場合における基準配給量二合七勺を何によつてやろうとするか。政府は米麦で二合七勺を堅持しようとする方針らしいが、これに対しても、はつきり米麦で二合七勺を実行するということは、明確に答弁をされておりませんが、しかし最近出て参つておりますこの食糧行政と言いますが、わが国農業全般に大きな影響をもたらします。ところの諸問題を、われわれが檢討いたしますると、われわれの心配し、予想する方向に向いているような機運が非常に強い。特にこの点農林大臣にお考えを願いたいのは、この二十四年度の補正予算それから二十五年度の通常予算の編成にあたりまして、わが国農業政策なり食糧政策は、農林大臣にあまり責任を持つた交渉が行われずに、大蔵大臣が国の食糧政策なり農業政策に対して、非常に干渉がましい行動をとつておるという点であります。たとえて申し上げますと、米価問題においてしかり、あるいはまた超過供出の三倍買上げを二倍に押えつける案がしかり、あるいはまた外米輸入の問題においてしかり、ことごとく大蔵大臣のさしがねによつて、わが国の食糧政策なり農業政策が行われているような印象を国民に与えておることは、われわれ非常に遺憾に存じます。また農林大臣自身の責任においても、さだめし心中うつぷんが爆発しておるのじやないかと私は考える。すでにこの点は、少くとも政治家として、特に当路の内閣の閣僚として、政黨出身の大臣であります森農林大臣は、政治家としての責任と大臣としての責任を、私はもつと感ぜられなければいかぬ。大臣は本委員会において、先般米価審議会の設定にあたり、米価審議会を單なる農林、安本兩大臣の諮問機関として、政府の米価決定参考案をつくらす委員会として運用するのか、それともこれを相当権威ある委員会として、この決定は、政府はあらゆる障害を排除して、大体委員会の決定されました案を採用するかどうかということを私は質問した。そのときに大臣は、断固としていろいろな問題があろうけれど、委員会の決定の線に沿うて実行する方針であるということを言明されておる。しかるに最近出て参りました政府発表の米価決定というものは、米価審議会の決定をはるかに下つている。生産農民全般の要求します生産者価格を、米価審議会は諸般の事情を考慮して、いろいろの見地から四千七百円案をきめている。それからまた政府は、かんじんの農業生産の増進と、国内食糧の自給に重大な責任のある農林省の意見をほとんど聞くことなしに、まるきりたな上げのような形において四千二百五十円案というものがきめられて来ている。このことは、今八木さんからもお話がありました通り、全国の農民にどれだけ大きな深刻な影響を与えておるか。せつかく自分たちの代表者が米価審議会に出て、われわれはしんぼうできないけれども、今日わが国の占領下におけるいろいろの情勢から、この程度でがまんしなければならぬと、涙をのんでこの案にがまんしているのに、さらに一層それを押えつけるような案を発表している。單にそれだけならいいのです。一方今八木さんからお話のあります通り、先般本委員会において坂本政務次官は、食確法の説明において何言うておるのです。あの説明文をも一ぺん読んでごらんなさい。わが国国内食糧の需給の必要上から食確法の改正が絶対必要であるということを政府は言明しておるのである。それにかかわらず一方においてはいも類の統制を撤廃しようとしているじやないか、今日いも類は主食です。このいもがわが国の食糧の需給にどれだけ大きな役を果し、どれだけこれがために政府はいろいろな犠牲を拂つて今日までいもの生産増強に努力をして来たか、現にわれわれは政府みずからが御説明をしております通り、わが国一箇年現配給食を続けるためには、年間二割五分、約千二百万石以上の米を外国の人の働いた金で、われわれは惠みを受け、援助を受けておる。自分が足らぬ米を買う金がなくて、外国の人の働いた金で援助を受けておるのですよ。援助を受けている者が、重要な主食の一つであるいも類の統制を撤廃するということは一体どういうことなのですか。それで援助してくれている国に対して義理が果されますか。そういう考え方というものは、これは国際的な道義の上からも私は許されないじやないかと思う。われわれが一人前になつて、われわれの働いた金でわれわれの必要なものが自由に買える時代になりました場合は、それはできるだけ人間らしい幸福な生活をする必要がありますから、食生活その他文化生活の改善に万端の対策を講じ、その方向に推し進めることは、当然政府としてやらなければなりませんが、しかし当面としては、火のつくような食糧事情によつて、その必要からわざわざ食確法というものを改正しようと政府はしておるでしよう。いも類の統制を撤廃し、米価を低米価で押え、さらに三倍買上げを二倍買上げの線で行こうとしているのでしよう。農林大臣はどうですか、その三倍買上げは実現できるという確信がありますか、三倍に買上げるというところに食確法の改正が生きて来るのです。しかしこれを二倍に押えつけておいて、それで追加供出せいといつたところで、一体そういうことは農民にどういう影響を与えるかということは、農林大臣よく御承知のことである。三倍から四倍に農民の努力を報いようという方策をせずに、逆にこれを押さえつけて、それをもつて食確法を改正するということは、どうしても納得はできません。当然政府は第一に低米価、それから超過供出を二倍の線で押えるのと、それからいま一つはいも類の統制の問題、この三つから食確法の改正というものは絶対必要ない時代になつておる。しかも政府は予想もし得ないような、べらぼうな大きな外米にたよらうとしておる。このためにわざわざ一般会計から莫大な金を食管の特別会計に繰入れてまで、外米を買い入れる必要がどこにありますか。ここなんです。それはいろいろ賃金の値上げの問題、あるいは物価を上げないというようないろいろな関係からおやりになつておる点も、われわれは了承しないでもありませんけれども、しかしそういう全般的ないろいろの問題を考えて、私共は今日この食確法の改正を政府みずからが撤回すべきではないか、そういうような方向で、はたしてわが国の農業の生産を確保し、ほんとに国内需給の体制が確立できると、農林大臣責任を持つてお考えになつておりますか、この点を私はまず伺いたいと思う。
  8. 森幸太郎

    ○森国務大臣 井上委員は裏の裏の裏の裏までよく御承知の上の御質問と思うのであります。今日本の国がどういうところに置かれておるかということも、よく御承知と存じます。今アメリカから食糧を輸入されておるのは、アメリカの軍事費のうちから援助をされておるのであります。われわれはただもらえるからといつて、甘んじてこれをもらつておつてはいけないと思う。できるだけ自給度を高めて、もしアメリカが日本再建のために軍事費から援助してやれというこの行為が続くならば食糧の不足をできるだけわれわれは少くして、それだけ自給の立場からこれを少くして、それだけ工業原料を輸入してもらつて、日本の輸出力を高めて行きたいというのがかわらざる私の考え方であります。食確法のできましたことも、経済九原則の第九項に示されたに事によつて、先方から指令が参りまして、この法の改正もこれを実現せざるを得ないような情勢に立至つておるのであります。しかるに本年の食糧事情は、御承知のアメリカが非常な豊作であるのと、また南方諸国の米の輸出自由になつた立場もありましようが、当初二百三十万トンの予定をいたしまして、そしてその他は日本の生産力を強化して、自給自足と申しますか、それによつて二合七勺の配給の計画を立てて行つたのであります。しかしまたこの食確法を改正いたしまして、なおそれ以上日本の生産力を高めて、この二百三十万トンの食糧もこれを減らして、アメリカに迷惑をかけないようにいたしたいという気持で参つたのであります。しかるに今申しましたような世界の食糧事情から、援助の行為の増加と申しますか、三百十一万トンを輸入してやろう、こういうことになつて来たのであります。もとよりいもの統制につきましても、九月に、日本の食糧事情からさつまいも類を除外してもいいようになつたではないか、こういう覚書が出たのであります。しかしその覚書の末論には、いもは主要食糧からはずしてもいい事情になつたということは、米麦の確保を一層強化するということにあるのであります。われわれは今日の日本の農業経営の状況から見まして、いも類を自由にして、それだけ米と麦との供出を強化するということはとうていでき得ないのでありまして、やはりいもというものが今井上委員のお話のように、日本の食糧としての重大な一環を占めておるのでありますから、いも類もできるだけ主要食糧の中に取入れて行きたい、こういう考え方を持つて来ておるのであります。しかし先ほど申しました二百三十万トンを要請しておつたのを、三百十一万トンでやろう、こういうことになりましたので、日本の食糧事情はだぶついて來たような形勢になつて来たのであります。しかしこれも予定の数量で、はたしてこれだけが輸入されるかということは、来年の七月までの問題であるので、これは必ずしも確定的とは存ぜられませんが、しかしその予定によつて日本の食糧事情をまかなつて行かなければならぬのだ。もしもこの輸入食糧が予定通り入りますならば、あるいは二合七勺というものが、いも類をはずして、米麦等輸入食糧によつて補われ、いもというものはさらにそれをカバーということになるかと存じますが、しかもお話の百七十億円を特別会計に入れましたことは、この輸入食糧に対する見返り資金としての積立てで、これは井上委員も御承知の通りでありますが、こういう事態に日本の食糧事情がありますことは、決して日本が自主的にやつておるのではないと思う。今日貿易におきしても、あるいは予算の編成の上におきましても、これはいまだ自主的にやつておるのではない。こういうことから考えていただきますならば、この日本の食糧事情が今日かように置かれておるということもおのずからこれは了解していただけることと存じます。井上委員としては何もかも内容をよく御承知のわけでありますから、あまり公開の席上で、さらに打割つて私から申し上げることもどうかと存じますので御了察を願いたいと思います。
  9. 井上良二

    ○井上(良)委員 もう一点はつきりいたしておきたい点があります。大臣は先般本会議において、いも類統制の問題について答弁をされておるのを、速記録によつて読んで見ますと、大体はずさない。いもは主食の中に取入て行くという線を、明確に答弁されてるように承わるのであります。しかしその後に情勢変化が来ておりますから、さらに政府として、一体政府が予定しておる本年度のいも八億何万貫は買上げて行くつもりか。それから明年度いもに対してはどういう方針をとつて行くか。  次に二倍買上げの問題は、あくまで三倍に。従来通りの買上げを強行してもらいたいと思いますが、これに対する大臣としての責任のある御言明を願いたい。  それから補正の問題でありますが、御承知の通り、全国の知事から要求して来ておりますのは一千万石を超えております。ところが最近傳えるところによりますと、補正の額はその一割にも達しない額の、非常に低い補正が傳えられております。もしかくのごとき補正でありました場合は、とうてい政府の予定します。供出を完遂することは、農民としてでき得ない悲惨な現状に追い込まれて参りますが、この補正に対して、政府は一体どういう見通しを持たれておるか、農林大臣は地方へ参りまして、三百万石とか五百万石とかいうものが、被害を受けておるということを発表しておりますが、そうしますと、ここに三百万石なり五百万石の補正は大体可能であるかどうか。これは現実にもう供出が始まつておりますから、至急にこの問題は解決しなければならぬのであります。この三点に対して、明確に御答弁をいただきたいと思います。
  10. 森幸太郎

    ○森国務大臣 いもの統制は、本年は、先ほど申しました通り計画通り進捗いたします。明年度のいもにつきましては、まだ予算措置について相当の紆余曲折を経なければならぬと存じます。主要食糧の補給のその一環といたしまして、相当の量を食糧特別会計で確保いたしたい、かように考えております。  米の超過供出に対する二倍あるいは三倍の問題でありますが、これも先ほど申しました現在の予算編成の基礎といたしましては、四千二百二十円という基礎数字に対して、二倍ということによつて予算が編成されておるのであります。しかしながらその二倍という予算を編成いたしました基礎が、三百万石の超過供出ということが考えられて、さような数字が出ておるのであります。しかしわれわれとしましては、三百万石に対しましてははなはだ自信が持てないということも考えられますので、この点において、予算の定められましたわく内において三倍というものを確保いたしたい、かように折衝を続けておるようなわけであります。現在の予算編成の基礎といたしましては二倍ということが基礎となつておるわけでありますが、しかし今申しましたように、われわれの考え方とそこに多少の相違がありますので、これはもとより予想でありまして、すべてが二百万石の数字で、三百万石といい、二百万石といい、あるいは百五十万石といい得るのでありますから、われわれはこの点においてなお努力の余地ありと考えておるわけであります。  なお補正の問題につきましては、何分関係方面の調査によりますと、今年は相当の豊作型と見ておるようであります。今井上さんのお話のように、知事の要求しておるものの割程度のようなことを向うは考えておるようであります。しかしその後政府の調査によりましても、相当の減額を承認せざるを得ないようにわれわれは考えておりますので、補正の点については、なかなか折衝困難と存じますが、努力を続けまして、実情に合うようにいたしたいと考えておるわけであります。
  11. 横田甚太郎

    ○横田委員 第に、簡單な事務的なことでは、外國食糧が日本に入つて來るうちに、インチキがあると思う。私たちが数字だけを見てもわからぬのです。この点におきまして、この輸入件数ごとに、数量、單価、輸入先、それの生産地、それの年月日、金額、各品目等、全部知らせていただきたい。この中にこそ何かからくりがあると思うのです。はつきり申しおきますが、井上さんと大臣との質疑応答を聞いておりますと、非常に不透明なんです。裏に裏があるようで、議会の裏に何かがあるような答弁で滿足できない。なぜならば、農山村は今非常に困つておる。井上さんは事情通でございましようが、私は事情を知らぬから、至つてぶしつけな質問をいたしますが、この点は御了承願います。第一に農村の金詰まりの問題であります。農村におきましては、昭和二十二年十二月の通貨総量に対しまして二九・五%、金額に直しまして六百四十二億、二十三年の六月には、通過総量に対しまして、四百六十三億で二〇%です。二十四年六月には五百十七億、これが一七・二%になつておるのであります。こういたしますと、二十三年六月から二十四年六月には、農村に持つておるところの紙幣がふえておるのであります。ふえておるにもかかわらず、しかも貧乏になつておるのです。こういうのは金詰まりだと思うのです。しかも農村の生産は、いろいろの雑誌、年鑑を総合いたしてみますと、その中にこういうことを言われておる。昭和十八年に六千二百八十八万石とれておる。昭和二十年に三千九百十四万石とれておるのであります。昭和二十三年には六千二百三十四万石、二十年から二十三年までには米の生産が上つておるのにかかわらず、農村は貧乏している。働いて貧乏しておる日本の政治の実体はどこにあるかを聞きたい。これを名づけて農村の金詰まりと世間では言つておる。この金詰まりの状況を見て、農林大臣は滿足に思つておられるか。不滿足に思つておられるか。不滿足に思つておられるのならば、一体どういう対策をお立てになつておるのか。この点をはつきり承りたい。その点について池田蔵相は、財政演説においてこういうことを言われております。「価格調整費については、内外の経済の推移にも照らし、国民経済に対する国の干与を極力排除し、企業の自主性を尊重し、あわせて政府の歳出を節減いたしますため鉄鋼、肥料輸入食糧等、眞にやむを得ないものについて最小限度の必要額を存続するにとどめ、その他の物資についてはこの際大巾に整理する」これを見ても、百姓がつくつた米を、政府が値段をきめ、しかも裏の政府がきめるらしいのであります。そういたしますと、農民が勝手につくつた米を、値段を農民がきめて、農民が納得ずくで売つて、それで金詰まりになり、貧乏になつて行くのであれば、農民の責任でありましよう。しかし百姓のつくつた唯一の収入である米を出さして、その米価は政府できめられ、そうして貧乏になつて行く。これに対して政府はここにも言つておられるように、やむを得ない事情があると言つておられる。眞にやむを得ない事情とは一体どんなものか。この二つをまず聞かしていただきたい。
  12. 森幸太郎

    ○森国務大臣 輸入雑貨の内容についてこまかしい御要求でありましたが、いずれ書類をもつて答弁いたしましよう。農村の金融は、お話しの通り非常に緊迫をいたしておりますということは、あのインフレ時代において農村が思わざる収入があつたので、極端に申しますと、今日農村では金を使うことを覚えて、金はなくなつてしまつたというような情勢であります。このままで推移いたしますならば、農村は非常に窮地に追いこまれることになるのであります。ことに今日農村においては擔保力がなくなつておるのでありますから、政府といたしましては、できるだけ長期の融資をいたしたい。いわゆる農業の事業に対して、長期の融資をいたしたいという考えを持つておるわけでありす。なお大蔵大臣の本会議における演説に対しての御質問でありましたが、これは大蔵大臣がまたの機会にお答えすることと存じます。
  13. 安孫子藤吉

    ○安孫子政府委員 最初のお話のございました資料の点でございますが、ただいままで日本に入つて来ております食糧は、ほとんど全部がガリオア・フアンドによつて入つて来ております。これはアメリカの方で陸軍省が買い付けて送つておりますので、私どもの方には買付先、單価その他の点はわかつておりませんので、この点は御容赦願いたい。今後コンマーシヤル・フアンドがふえて参りますれば、その点はこちらの方で順次判明して来ると思います。従来の輸入食糧は、今のような事情にありますから御了承願いたいと思います。
  14. 横田甚太郎

    ○横田委員 国籍不明の米なんかあんまり買わぬようにしてほしい。そんなことをしておるから小麦協定においてソ連とかアルゼンチンとかいうような世界の小麦の生産地で有名なところを除外したところの、小麦を高く売る国ばかりと協定をすることになる。それからもう一つ木炭の問題について……
  15. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 それは明日やつたらどうですか。あす最初に許しますから……。
  16. 横田甚太郎

    ○横田委員 ちよつと一言だけ……きようの毎日新聞を見ると、十四万俵の炭が雨ざらしになつておる。これはやみの炭でない。農林省が買い上げられた炭である。世間でも薪炭の赤字問題が非常にやかましく言われておるこのときに、しかも現物として行方不明を傳えられておるところの炭があるらしい。だから今度薪炭の問題について、農林省委員会が考査委員会のような事をやられるのであれば、その前に二、三日のうちにでも大体農林省において、この炭はどこの炭であつて、どういうふうに処分いたし、こんなもつたいないことしないやうにしてもらたい。そのために農林委員会では、滿場一致で炭の問題については早くやつてくれるということを希望してもらいたい。
  17. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 もうこれでやめましよう。
  18. 小平忠

    ○小平(忠)委員 ちよつと議事進行について。こういつた問題について紛爭しますのは、委員長が、本日は農林行政について、時間は十一時半なら十一時半に打切るというような予告を一応するか、あるいは諮つておられるならば紛争しないはずである。
  19. 小笠原八十美

    ○小笠原委員長 それは理事会に諮つて、理事から連絡をとることになつております。そういうことをよく覚えて御出席願います。  本日はこの程度にとどめて、次会は明十八日午前十時より開会いたします。本日はこの程度で散会いたします。     午前十一時四十分散会