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1949-09-13 第5回国会 衆議院 水産委員会 28号 公式Web版

  1. 昭和二十四年九月十三日(火曜日)     午前十時二十九分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 小高 熹郎君 理事 鈴木 善幸君    理事 玉置 信一君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君 理事 砂間 一良君    理事 小松 勇次君       川村善八郎君    田口長治郎君       冨永格五郎君    夏堀源三郎君       長谷川四郎君    奧村又十郎君  委員外の出席者         水産廰長官   飯山 太平君         農林事務官   久宗  高君         農林事務官   松元 威雄君         農 林 技 官 小林 世紀君         專  門  員 小安 正三君         專  門  員 齋藤 一郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  漁業法案  漁業施行法案     ―――――――――――――
  2. 石原圓吉

    ○石原委員長 これより会議を開きます。  漁業法案並びに漁業法施行法案を一括議題といたし質疑を続行いたします。  本業に入るに先立ちまして砂間君に発言を許します。
  3. 砂間一良

    ○砂間委員 施行法案の質疑をやるに先立ちまして、きのうの農林省告示第九九号の点につきまして、きよう御回答をしていただくことになつておりまして、ちようど係りの方もお見えになつておるようでありますいから、そのお説明をお伺いしたいと思います。
  4. 石原圓吉

    ○石原委員長 九九号の前日の砂間君のの質問に対する答弁を当局より願います。
  5. 小林世紀

    ○小林説明員 農林省告示第九九号は昭和二十四年五月四日付をもつて農林大臣名によつて発表されたのであります。これは以東底びき漁業の海区を六つの区域にわけておるのでございまして、高知縣、愛媛縣、大分縣、宮崎懸、鹿児島縣の沖合海面を四区と申しておるのでありますが、この海区に対しまして、二十二年四月二十三日の臨時措置令の廃止に伴い、あらためて機船底びき網漁業取締規則第九條の規定に基いて、以西底びき網漁業を禁止する区域及び期間を指定したのでございます。すなわち告示第三百七十七号を廃止し、その際戦時中の臨時措置令による以東底びき漁業の漁区の権限地方廰に移譲したのでございます。その当時は六区にわけておりまして、各ブロックごとに禁止期間、禁止区域、操業隻数の問題につきまして協議して、それを設定することになつておりましたので、各ブロックにおいては、戦時中まちまちな禁止期間、禁止区域の設定をしておつたのでございますが、臨時措置令の廃止によりまして農林省の取扱にしました際に、全国的に禁止期間の統一設定を各府縣の主務官庁及び業者の意見を徴して決定したのがこの二十二年の五月二十六日の告示第七十七号なのでございまして、第四区の禁止期間の設定は五月より九月に至る五箇月間、他の海区におきましてはおおむね七月、八月、それから日本海の第六区、すなわち石川縣より山口縣に至る海区は、六月より八月の三箇月間と設定したのでございます。しかるにその後この第四区の五箇月間の禁止期間は、底びき業者の年間の経営面において、また業者の雇用関係その他食糧事情等から見て長過ぎるというので、短縮の要望がこの設定直後から起きたのでございます。しかしこの五月より九月までの設定につきまして、六、七、八の三箇月にしてくれという要望が、第四区底びき漁業の主体となつております愛媛縣、大分懸から強くあつたのでございます。その後二縣におきましては、関係縣の同意を得るために、底びき業者その他縣当局いろいろ折衝の結果、昨年の解禁前四月にこの陳情騒動が具体的に現われたのでございます。從來五月を守つていた原因をきわめまするに、五月は内海漁業と沿岸漁業の特にしばり網漁業、たい漁業の関係があるということ、また宮崎縣、鹿兒島縣、高知縣におきましては、機船底びき網漁業のような沿岸漁業との調整や、從來消極的な水産行政を堅持していた関係上、解禁は望むところではないという意見があつたのでございます。しかし昨年五月の解禁につきましては、時期も経過いたしておりますので、まず本年度は見合せようということで、それに参加するのは大分愛媛方面においてあるだけで、高知、宮崎、鹿兒島のごときは積極的な賛意を表する情勢ではありませんために、昨年の解禁は見合せたのでございます。九月の解禁につきましては、他の漁業との関係もさほどなく、禁止区域の侵犯ということがそこに伴わなければ沿岸漁業者の反対もないという意見もありましたので、禁止区域侵犯を嚴守する限りこの漁業の正当に與えられた操業区域の経営をやらしてもいいではないかというふうなことになりまして、各業者に禁止区域を侵さないようにするという誓約もしたのでございます。九月の解禁につきましては、一般沿岸漁業者の意見も徴するというような建前で、各縣の意見をまとめたのでございます。高知縣は、九月は自分たちは操業しないから、自分たちの沖合海面は除いて臨時特例の去年一箇年の解禁を認めようということになりまして、高知縣を除く他縣の同意によりまして、昨年は九月の解禁を臨時特例として解禁いたしたのでございます。本年も昨年と同様五月の解禁が、やはり三月末から四月にかけまして、今までの沿岸漁業者、いわゆる内海の業者との関係、またたい漁業というものの科学的生態のいろいろな調査も各試験機関、文献その他によつてきわめた結果、五月の解禁においてすでにたいは内海に入り込んでいるというふうなことで、そこにたい漁業に対する利害関係はさしてないというふうな見通しのもとに、なおかつ昨年同様各府縣の意見を求めたのでございますが、それによりまして、本年は五月四日付で、農林省告示第九九号をもつて五月解禁をいたしたのでございます。それはやはり豊後水道の一部を除きまして、禁止区域を沖合に拡張いたしまして、そうして主として宮崎縣の沖合、豊後水道の沖合ということで、操業の規律を守らせる。また違反操業については、各底びき業者の禁止区域の侵犯は絶対に行わない。なおかつ業者中に、その違反操業を行う疑いのある者については、底びき組合からこれを阻止いたしまして、休業を求め、そうして規律ある操業をいたさせたのであります。その九九号の、解禁の結果は、底びき業者の自粛によりまして違反船もなく、漁獲成果におきましても、十八万角ほどを愛媛大分、宮崎、鹿児島の各底びき船が上げておるのでございます。これに伴いまして、この第四区底びき業の沿岸漁業その他に対する行為につきましてのとかくの非難があるのでございます。それは実際の調査に基づきますと、正規許可船の違反操業とりは、いわゆる内海の小型無許可底びき船の数がはるかに多うございまして、なおかつ五月のたい漁業に関係いたしまするいろいろの妨害は、ダイナマイト使用の件というようなもので、内海漁業はいろいろヒコウ・マンガンとか、底引類似の小型船の操業が相当の数に達しているということは事実なのでございます。その面と正規許可の行動との間におきますいわゆる批判というものが、底びき業の正規許可の面において、相当非難が下されていることも事実聞き及んでいる次第でございます。それにつきまして、五月四日の九九号に、五月の解禁と昨年九月の解禁とを合わせまして、本年度一箇年の臨時特例をもつて解禁した内容が九九号の告示の内容でございます。
  6. 砂間一良

    ○砂間委員 そうすると、九九号の解禁の期間は去年の九月と今年の五月の一箇年だけでありますか。
  7. 小林世紀

    ○小林説明員 昨年の九月の解禁と、それから今年の五月、九月を合わせた九九号の解禁であります。
  8. 砂間一良

    ○砂間委員 來年はないのですか。
  9. 小林世紀

    ○小林説明員 來年はまだ――一箇年の臨時特例でやつております。
  10. 砂間一良

    ○砂間委員 それで、その解禁をするにつきまして、沿岸の一般漁民の意向も徴した上で、各縣の意見を聞いた上でというように申されましたが、その各縣の意見を聞いたという中には、單に底びき業者の意見だけでなく、泊岸漁民の一般の意見もお聞きになつた上でそういうふうに御決定になつたのですか。
  11. 小林世紀

    ○小林説明員 さようでございます。
  12. 砂間一良

    ○砂間委員 そうすると、九九号の特例は、もつぱら二十二年五月二十六日に告示になりました、七七号についての特例でありますか、あるいは七六号も含まれているのでありますか。
  13. 小林世紀

    ○小林説明員 七七号の特例でございます。
  14. 砂間一良

    ○砂間委員 七七号だけですか。
  15. 小林世紀

    ○小林説明員 そうです。
  16. 砂間一良

    ○砂間委員 ところが実地におきましては、底びき業者の人が、これは七七号ばかりでなく、七六合もやはり解禁されているのだということを主張しておりまして、非常に廣範囲にわたつてその権利を行使していすようであります。そのために沿岸漁民は非常な困難に陷つている。今の御説明によりますと、この規則の侵犯をやつているのは、正規の許可を受けている大型の底びき業者より、むしろ内海の小型無許可の底びき類似の連中がやつているというように申されたのでありますが、そういう点もあるかもしれませんが、とにかく大型の業者の人でも六六号も解禁されているのだということを主張いたしまして、非常に荒しているようでありますが、その辺につきまして、どうお考えでしようか。
  17. 小林世紀

    ○小林説明員 七六号は、これは禁止区域の告示でございます。七七号は禁止期間でございます。今の七六号を適用している云々ということは、ちよつと私了解に苦しむのでございます。
  18. 砂間一良

    ○砂間委員 それが七六号も解禁されているのだという主張をいたしまして、本來ならば入つて行くことのできない禁止区域までどんどん踏み込みましてやつているという……
  19. 小林世紀

    ○小林説明員 それは完全な違反でございます。七六号は嚴として設定されております。今後におきまする禁止区域の改廃につきまして、地方的にいろいろございますけれども、現在七六号は七六号といたしまして嚴守しております。
  20. 砂間一良

    ○砂間委員 それでは簡單に希望を申しておきます。この七六号は解禁されておらないのだ、七六号の禁止区域は依然として有効に設定されているのだということを、農林省の方から現地の方に嚴達をしていただきまして、それを業者及び一般の漁民に徹底するような御措置をお願いしたいと思います。それから第二点としましては、來年度もしこういう特例を設ける場合におきましては、どうか沿岸漁民の意見もよくひとつお求めになつた上でおとりはからい願いたい。それから第三点といたしまして、内海の方からもぐりの連中が行つておることに対しまして、これをひとつ徹底的に取締つていただきたい。そういたしませんと、あの地方沿岸零細漁民が、実に惨憺たる状態になつておるようであります。私の所にもいろいろな陳情や何かたくさん來ておりますが、こういうふうなわけでありますから、以上の三点をぜひひとつお願いいたしておきます。以上で終ります。
  21. 石原圓吉

    ○石原委員長 これより漁業法施行法案に関する質疑に入ります。川村君。
  22. 川村善八郎

    ○川村委員 昨日漁業法の施行法案につきまして、第十條の補償金の交付にからんでお尋ねしたのであります。すなわち昭和二十二年の七月一日から昭和二十三年の六月三十日までを、最も適当なる基準年度として定めて、補償金を交付するということになつており、その基準年度を基礎に、いわゆる補償料を交付すると同時にそれをまたさらに基礎として免許料、許可料をとるという建前に進んでおるようであるが、いわゆる適当なる基準年度を定めなければならないという理由といたしまして、久宗課長から同法案を提案する以上は、なたさらに交付するということになつている以上は、基準年度を定めなければ、その額がきまらないので、同法案基準年度を定めたのであるというような意味の御答弁と、さらにそれによつて、漁業者の今後起るべきところの免許料、許可料のことについて不安、その他矛盾ができないかという質問をしましたが、久宗課長は、先ほど申し上げたような意味のことと、さらに減免の制度をとつておるがゆえに、漁業者は決して支拂いができなくて困るようなことはあり得ないというような意味のことを申されたのでありますが、私はそこでさらにお尋ねしますが、今日ですら、昭和二十二年の七月一月とはまつたく漁業状態がかわつております。今問題となつておりまする漁業資材の補給金がなくなつたとすれば、これまた著しく漁業の経済に変化が來ることは予想しなければなりません。また同法案が、かりに臨時國会を通ることを予想しましても、実施までにはあと二年でありまするから、規淳仁度から足から六年にならなければ完了いたさないのであります。一年一年漁業の実体というものがかわつておるときに、六年後のことを考えますときは、大きな変革のあることを予想しなければなりません。從つて立案者のお考えとして、現在この基準年度を定めた以上は、六年後にいろいろな隘路、あるいは矛盾ができた場合にも、この法案によつてどこまでも実施して行かなければならないというお考えであるか、さらに現在かわつておるんだ、だからあるいは第五次案とでも言いましようか。これを修正して提案しなければならないといような事態も現在補給金にからんで起きることと思いますが、そうしたようなお考えを持たないか、これを要約いたしますると、もうすでにこの法案を審議しているうちに、漁業の実体といううものは、非常にかわつて來たのだ、だからこの全面的のことは第二といたしまして、補償料の交付のことについては、もうかえなければならないという段階に來たんだが、これをどこまでも補償料をこの法案に織込んだ通りで押通す氣持か、あるいはさらに六年後までの実施期間中に、大きな漁業変革が来た場合において、改正をしなければならないということもお考えになつておるか、ということを重ねて御答弁を願いたいのであります。
  23. 久宗高

    ○久宗説明員 基準年度が固定することと関連いたしまして、この漁場の切りかえというものが二年後の問題になる。その間に経済上に非常な変革があつた場合どうするか、また現に起りつつあるではないか。こういうお尋ねなのであります。この問題につきましては、補償の関係から遠洋漁業権におきましては三十年、その他の漁業権におきましては十五年というものを基準にとつておりますので、この償還も非常に長期にわたるわけでございますが、ことに漁業者の負担というものを考えますと、大事の上にも大事をとつてこの関係をきめなければならない。こういうことがあるわけでありますが、また一方補償を受ける面から申しますと、それがあまりに事をとつて長期にわたつた場合には、その補償自体にまた漁民の側から問題がある。こういうジレンマがあるわけでございます。そこで特に現在のように、経済状態が非常に変動がはげしいという時期においてこれを長期に見渡すことは非常にむずかしいわけでございますので、免許料の規定におきましては、長期の見通しに立つて、非常に経済状態がかわつて、漁業者の負担能力から見て、そういうような免許料の支拂いが非常に困難な場合という規定を置いて、またここにその年その年における減免の規定を設けたわけであります。ただ今お尋ねのお話は、むしろどういう見通しをもつておるかという御質問であろうと思います。またことに補給金の問題などと関連いたしまして、漁業経営が非常に困難になる危險性が多分にある場合、また同時に現在その事態が來ておるじやかないか。こういうお話であろうと思います。そこで私の方といたしまして、基礎計算にとりました二十二年七月一日から二十三年六月三十日までの物價の関係を申しますと、現在の物價の状態と、すでに当時におけるインフレーションの関係がありまして、相当大きな開きがあるわけでございます。從つてそれとの関係で考えて見ますと、この間御説明いたしましたような、平均といたしまして三・七%程度の負担になるだろう。こういうことを申し上げたわけであります。またこれが拂い得る基礎といたしましては、漁業権について申しますと、從來でも賃貸料を拂つて、一應そこに平均的な利潤を設けられるといことがか経済の原則でありまして、それに從つて現実の賃貸料が支拂われておる。こういう関係からいたしまして、新たな免許料負担というものが、從來の漁業権漁業を営んでおられた方々の負担というものより、実質的にもつと非常にふえるということには考えておらないわけであります。現在は、むしろ負担関係から言つたら率としては減る可能性がある。ただ問題は、先ほども御指摘のありましたような、漁業経営が生産費の方が何らかの事情で非常に逆ざやになつて來るといつた場合に、初めて問題になつて來るであろう。そこでここではこの法案の中で、この経費の増額を押えるような措置はとり得ないのでありまして、これは水産行政一般の施策として、経営の安定に関する施策をして行くよりほかはない。ただこの法案でできますことは、それによつて漁業者の負担能力が免許料支拂いを付加能にした場合の長期の見通しと、またその年その年における減免の規定を今回のこの規定の中に置く。あとは水産行政一般の問題といたしまして、今後この漁業経営の安定という問題に全面的につつ込んで行く心必要がある、こういうふうに考えておるわけでしあります。また現在の数字で申しますと、私どもといたしましては、もちろん今年の後半期において、いわゆるデフレ的な傾向というものが非常に現われております。これは日本の経済が非常に再生産の規模を破壞されたということなのでありますが、長期に觀察いたしました場合、もし経済を継続して行く以上、追加的な投資が当然行われななればならなという点からすれば、價格は絶対額は漸騰して行くだろうという見通しに立つておりますので、この補償額が絶対額として固定いたします関係で、行政費が物價によつて変動いたします関係でそこに多少の不安があるわけでありますが、長期の觀察といたしましても、これが非常なる負担になる、現実的な負担になるというふうには考えておらないわけなのであります。また償還の期限の問題につきましてもいろいろ計算いたしております。法文の上では三十年という規定にいたしておりますが、現実にお話いたしましたのは、二十五年償還の場合の数字をお話したわけであります。またこれはいよいよ今年の実施いたしますまでの間に、経済関係の見通しがもう少しはつきりいたすのであろう、その場合に私の方といたしましては、二十年に詰める計算、あるいは十五年に詰める計算をいたしております。そこでまで詰めても一應負担関係はそう大きくはかわらない。その場合にはむしろ補償を受ける方々の利益も考えまして、十五年度程度まで詰めることを考えなければいけないのではないか、こういうふうに思つておるわけでございますが、これは今の特殊な事情におきまして、もう少し経済関係の見通しを立てたところで明確にきめて行くべきではないかということで、現在のところでは一應二十五年の計画で、行政費も今年の予算單價ということを基礎にいたしまして、各般の数字を御説明いたしたわけでございます。
  24. 川村善八郎

    ○川村委員 今久宗課長は二十二年の物價と今日の物價とは著しく変化があつて、二十二年度の物價は安定しておるといことの意味に聞こえますが、もちろんその通りであります。從つてわれわれの漁業経済というものも安定を期し得なくなつた。すなわち資材にしろあるいは資金にしろ、税金にしろ、あらゆるものがその二十二年の物價と比較して著しく大きくなつたために、大幅に上つたために、経営の困難ということは二十二年度より大幅に上つておるのであります。であるから漁業経営というものは、漁業権を買つて云々というのでなくて、いわゆる経営をして利潤から賃貸料を拂つて行くというのであれば、あなたの貰う通り何ら不安がないのでありますけれども、今日漁業経営が非常に困難になつた場合に、二十二年度の安定したところのいわゆる漁場の賃貸料とか、あるいは價格というようなものを基準にして補償を拂い、すなわち今度は漁業経営者から免許料、許可料をとるということに不安がないか、こういう意味に私は聞いておるのであります。もつとこまかく申しますと、今ですら経営が困難だと言つておるのに、補給金がなくなつたら、資材をたくさん使う定置漁業のごときを、この法案の一番重要な定置漁業のごときが一体成り立つかどうか、成り立たないということははつきりしておる。その場合に、二十二年度が一番安定しておるから、そのときのいわゆる賃貸料その他の價格に準じてそれを支拂うことは最も妥当だということは、経営の面から考えて、あなたの考えと私の考えと違う。ものを賣買するのであればいい。あなたのは漁場を轉々と賣買する、ものの賣買と同様に取扱うのであれば、結局二十二年度の價格は最も適当だからいい。けれどもその漁業権を求めて免許料許可科を拂つて行つて、そうして漁業経営を続けなければならぬというところの現在の漁業経営の状態からいつて、非常な不安があるということなんです。ですから私があなたと意見が違うことは、漁業経営の基礎の上において、いわゆる賃貸料をどのくらいとるべきか、從えたならばこのバランスがとれるかということを、再險討する必要があるのじやなかろうかということを率直にあなたに訴えておるのであつて、それをもし大きな変化変動があつた場合に、かえる意思があるかどうかということを私は率直に伺いたいのであります。
  25. 久宗高

    ○久宗説明員 最初に基準年度について私の説明が不十分なために誤解があると思いましので、これだけ先にお答えいたしたいと思います。基準年度をとりましたのは、ここが安定しておるから、將來にわたつての負担能力基準としてここがよいという意味で、基準にとつたのではないのであります。漁業権の補償の問題に対しましては、財産税の場合に三年平均というものをとつておりますので、この場合にもこの三年平均というものをとるのがほんとうだと思うのでありますが、ただ三年平均というような数字が現実的には非常につかまえにくい。そのちようど中間にありますものとして、ここに掲げましたような基準年度があり、またそれについて特に統計法に基きまして調べた基礎がありますので、これを便宜上とつたわけでございます。決してこれが安定しておるからとつた、こういう意味ではないのであります。  それから次に経営そのものが逆さやになつて來ておる。そういう意味でこのとり方をかえる必要はないか、こういう意味の御質問だろうと思うのであります。これはたしかに漁業経営というものを考えました場合には、その負担能力に應じてとるということになれば、漁獲高に対して幾らということではなしに、そのときの利益というものに対してとつて行くことがほんとうだろうと思うのであります。しかしながら私ども当初におきましては、補償の金額とは無関係に、あるいは入札制でこれを出していただけば、経済の見通しに基いて出していただける、それが結果において補償の方にまわるといつたようなやり方もとりたい、こう考えたのであります。またそれが定置漁業のような場合には、漁場漁場との相違を一番明確に現わすのではないか、こういうふうに思つたのでありますが、これはそういうとり方はできないという形になつて、ただ補償金額と行政費をまかなうだけのものを年々とつて行けというわくの中に問題となりましたので、その結果ある絶対額を割り振るかつこうになつたわけでざいます。問題は、その割り振られた絶対額が漁業経営に対して非常にきついものになるかどうか、こういう問題でございますが、それの見通しは現在の公定價格で考えまして、今の物價水準で考て、行政費その他を全部つつ込んで考えました場合に、平均三・七%くらいになるだろう、こういう話であります。これが魚價の絶対額が多少変動して行つた場合に、この率はもちろんかわるのでありまして、またこの率はその年その年の漁獲があつた場合にその三・七%をいきなりとるというのではなくして、ある何円というものがそこに行くわけでございます。問題は、その場合に、漁業経営が逆さやになつておるかどうかという問題であつて、逆さやになつた場合には、もちろんその経営が非常に困難になるわけでございますが、その点につきましては、この法案といたしましては、減免の規定と、こういうやり方をその年にするかどうかという長期の見通しの規定を、この二本しか一應は書けないわけでございます。あとは漁業経営の安定の施策をいかにするかという、これ以外の一般水産行政の問題になろうかと思うのでございます。
  26. 川村善八郎

    ○川村委員 時間もありませんので、いつまで二人で質疑應答を重ねておつたところで解決つかない問題であります。一面に補償料を高くすると免許料が高くなり、漁業経営が困難になる。あなたの言われるように、漁業経営が国難な場合においては減免をする、こうなつた場合、一体國家が補償したことが何年たつたら入つて來るかというふうなことで、いつまでたつても議論が盡きないのでありますから、いずれ私らも十分研究をして、機会を得てさらに御質問申し上げたいと思いますし、なおその機会がなければ書面で提出いたしまして、当局の反省と研究をしていただきたい希望を持つておりますので、この程度で質疑を打切ります。
  27. 砂間一良

    ○砂間委員 第一條及び第二十一條等の規定によりますと、この二箇年間の漁業権をだれが管理して行くかということについてでありますが、これは旧漁業会が漁業権管理委員会の委員というものを選出して、それが管理して行くというふうな施行法の規定になつていると思います。しかし一方におきまして、現に協同組合がどんどん設立されている。旧漁業会は十月十四日には解散されて行つて、新しい協同組合が新法の精神にのつとつてどんどんできておるわけであります。ところでこの旧漁業会は、これまでもたびたび論議されたように、非漁民の人たちが相当入つていて、漁業会の支配権を持つておるというようなところもある。他面においては漁民であつても漁業会に加入できない、そういうふうな状態になつていて、非常に漁村の民主化という点にそぐわない点がたくさんあります。だからこういう漁業会ではいけないからというので、新たに勤労漁民を中心とする、実際に漁業をやる人たちだけをもつて組織する協同組合が設立されて來たことになつたのであります。そうやつて協同組合がどんどんできて來ておるのですから、何も二箇年間旧漁業会に漁業権を管理さしておかなくたつて、漁村の民主化ということを根本精神としてつくられた新しい協同組合に、即時漁業権を讓り渡しまして、この新しい協同組合が、この二箇年の過渡期間においてもこれを管理して行くということが至当だろうと私は思います。名実そぐわない旧漁業会が二箇年間管理して行くということについては、どうしても合点が参らない。現にこのためにいろいろな弊害が起つて來ております。たとえば先日も申し上げました三重縣九鬼の漁業会を見ましても、この二箇年の間の漁業権の管理を旧漁業会でやつて行くために、いろいろな策動がなされたり……
  28. 石原圓吉

    ○石原委員長 砂間君もつと簡單に願います。
  29. 砂間一良

    ○砂間委員 承知しました。水産業團体法の十五條によつて、当然加入を認められなければならぬ漁民さえも、いまだに加入をさせていない。こういうふうな実情になつておるわけであります。  質問を簡單にするためにあとを省略しますが、私の質問したい第一点は、この漁業権の二箇年簡の管理を、新しく設立される協同組合にやらして行く。そういう意見はないかどうか。そうした方がより合理的だと私は考えるわけであります。  その次には補償の問題についてであります。これについてもいろいろ意見があつたのであります。川村委員から今いろいろ御質問されたことでありますが、私もありますけれども時間の関係もありますので、ごく簡單に申し上げます。私どもの主張としては、補償料も許可料も免許料もこれを全廃してしまつた方が、一番簡單に解決がつくというふうに考えております。それができないとするならば、この補償にしましても三十年以内の漁業権証券をもつてやるということになつておりますが、この補償の具体的な内容のやり方を、たとえば漁業会や協同組合に補償する場合には、これは現金でやる。比較的資力のあるような人たちに補償する場合には、これは凍結した証券でもかまわない。そういうふうに差等をつけて、下に厚くするというふうな方法を構ずることはできないかどうか。これが第二点であります。  第三点に、補償計画を立てる補償委員会の構成ということが非常に重要になると思うのでありますが、この施行法の規定によりますと、これはみな都道府縣知事が任命することになつておる。この点については先般も質問したのでありますが、まつたく民主化の線に沿わない。この補償委員会にも選挙によつてやるというふうに修正する意思はないかどか。  以上三点につきまして御説明を求めます。
  30. 久宗高

    ○久宗説明員 お答えいたします。第一の御質問は、二年間の漁業権の管理を新しい協同組合にまかすべきではないかというご質問でございます、この点につきましては、確かにいろいろ考慮すべき問題があると思うのでございますが、現実的には專用漁業権の内客、すなわちああした入会権的な性格のものにつきまして、これの保有主体というものを今ただちに移すということが、技術的に困難であろうと思うのであります。これが最大の障害をなすものでございます。これがなければそういう方法もあるいはとれるかと思うのでありますが、それが一つの難点になつてできないということと、また漁業権の内容を組みかえます内容も、協同漁業組合といつたような関連におきましてここのところは非常な不便がございますが、一應二年間の管理というものは、旧漁業会の方に残さざるを得ないのであります。その関係を調整いたしますために、ここに漁業権管理委員会というものを旧漁業会の内部に設けまして、しかもその委員会の委員の資格は漁民と限定いたしまして、これによつて調整をはかつて行きたい。またもしこれが不備な場合には委員会の方から指示ができる、委員会と申しますのは海区調整委員会であります。これが漁業権の行使が不適当である場合においては、二箇年間においても指示できる。そういう形において補つて行きたいと思つております。  第二点は補償の問題でございますが、これを差等をつける必要はないか。特に零細なる漁民のための措置を講ずる必要はないかというお話でございますが、だれに補償するかということで、差等をつけるということはできないと思うのであります。ただこの補償全般を通じまして、たとえば專用漁業権の評價、またこれと関連いたしまして免許料をどういうふうに割りつけるかといつた問題を通じまして、御説のような一般の漁民、ことに零細漁民の利益をできるだけ擁護してゆきたいということを具体的に考えたいと思つておるわけであります。ただ補償そのものにつきまして、だれに補償するということにつきましては差等をつけることに考えておりません。  第三に、補償委員会の構成でございまして、これを選挙にしたらどうかという御意見でございます。これはわれわれもいろいろ考えて見たのでございますが、実際問題といたしましては相当技術的にむずかいしい問題でございます。しかしながら何時に、漁民のそれぞれの利益に非常に関係がございますので、委員会の構成といたしましては、こういう補償という非常にむずかしい問題の処理という意味で、選挙制をとらなかつたわけでございますが、実際問題としてこの補償の計算その他におきまして、たびたび御説明申しますように、海区單位、あるいは業種別に点数制を設けたといつたような場合に、一般漁民の御意見というものをそういう形で反映して行きたい。こう考えておるわけでありよす。またこの委員会の全体の運用につきましては、漁民がそれぞれ非常に関心をもつて見てられるわけでありますから、著しい障害は起り得ないと考えるわけであります。また特に補償の額の決定その他につきましては、農林大臣の方からも決定後に委員会が都道府縣知事に承認を求めます場合、補償しないようにという措置もとれるようにいたしておるわけであります。
  31. 小松勇次

    小松委員 私は第四條に関連してお尋ねいたしたいと思います。この第四條は漁業権の貸付契約の解除等の制限でありますが、この第四條を実際に適用するにあたりまして、いろいろの問題の起ることが予想されるのであります。そこで一應お尋ねいたしたいことは、この漁業権を貸し付けてある場合に、いろいろ漁場によつて、その年限が五年とか、あるいは十年というようなぐあいに異なつておるのでありましよう。また賃貸料によらずして、漁獲、水掲げ歩合制度による契約に締結されておるところもありましよう。しかしながらこの貸付の年限がこの新法が施行された後に滿了するものであるならば、これはあえて問題にならないと思うのでありますが、その間に漁場によりましては、実際問題といたしまして、よしんば新法後に契約期間が滿了するものでありましても、定置漁業等はいろいろ張り立て等の準備から、一年ないし二年前に新しい経営者との契約を結んでおる実例があるのであります。そうするとこの新法施行前、またさきに公布されました漁業権臨時措置法が施行されたその以前において、新しい者との契約をしてあるという場合において、現に存する契約とはいずれを指したらよいか。この点ちよつと残念を持ちますので、この際聞いておきたい。  それからいま一つは、第五條と第二十條に関連してであります。河川の漁業協同組合のことであります。河川も協同組合組織されることになつておりますが、協同組合の構成員が実際に漁業に携わつておるもの、個人であればもちろん問題はないのでありますが、河川におきましては、多くその養殖の仕事をしておる團体が多いように思うのであります。しかもその團体は町村であるとか、あるいは部落であるとかいう團体が主になつているというように思われるのであります。さような際に、養殖の事業に今まで関係しておつたような團体は、やはり根本的に河川の漁業協同組合組合員たる資格はないのでありますか、それともあるのか、そういう点も伺いたい。  いま一つは、十六條にこの償還は三十年以内に償還すべき証券で交付するということになつていますが、三十年以内とありますから、もちろん三十年以内だと思いますけれども、この補償に充当すべきその補償料、あるいはその他の費用を、免許料、許可料によつて徴收する額は二十五箇年の予想をされておるようでありますが、二十五箇年以内にそれらに充当すべき費用が徴收されるならば、それと同じような、年限の大差ない期間に、この償還を完了すべきではないかと思うのであります。これらの点についてお尋ねしたい。
  32. 松元威雄

    ○松元説明員 最初の二点にお答えいたします。  まず第一の点の御質問で、契約期間滿了の一箇年前くらいに次のものに契約を結ぶ例が多い。これは確かでございます。その場合にはここに規定してございます現に存する契約と申しますか、両方指すわけでございます。契約は幾つあつてもさしつかえないので、從つてこの場合両方が契約になる。そうしますと、どちらかを解除しなければならぬ、その解除の場合の理由といたしましては、ここに列記してございますこういう事情によりますどちらかを解除するのが正当である。こういうふうに判断しております。  それから第三の河川の協同組合組合員の資格といたしまして、從來市町村その他の團体が養殖をしていたという場合、それが協同組合加入できるかという点でありますがこれらのものはもし法人格を持つておれば、法人でございますから、協同組合加入できないわけでございます。しかし法人格を持つておりません場合には、それはその組合全部が組合加入できるわけでありまして、またかりに市町村といつたような法人が増殖の主体でありましても、実際に魚をとつておりますものは組合員でありますから、それが加入すればよろしい。かように考えております。
  33. 久宗高

    ○久宗説明員 お答えいたします。補償の方の基礎計算といたしましては、漁業権はすべて何年とその中に規定しておらないのでありまして、基礎といたしまして專用漁業権の場合は三十年、その他の漁業権においては十五年というものを見ておるわけでございます。それを償還いたします場合に、ここで年限が食い違つておりますのは、漁業者の負担能力というものを考えなければなりませんので、いろいろ計算をして見たわけでございますが、これには行政費の問題も入つて参りますので、非常に不確定な要素が入つて参ります。それも考慮に入れて、一番大事に計算をいたしまして、法文におきましては一應三十年以内といたしましたが、現実的には、現在お話できるのは、二十五年以内の償還ならば可能であろうと考えたわけでございます。それにつきましては、先ほどちよつと申し上げましたように、なおもう少し事情が確実すればもつと詰められるのではないかというふうに考えております。ただこれは同時に新しい漁民の負担とも関連いたしますので、慎重にきめなければならぬと考えておるわけでございます。
  34. 小松勇次

    小松委員 第四條に関連しての問題でありますが、今私の質問に対して、さようなものは二つの権利がここに現にあるものとみなすという場合に、ここに列挙してあるよう條件によつて一方を解除するというようなお話であるが、両方ともこういう條件を具備していない、解除すべき條件を備えておらなかつたという場合には、いずれをおとりになるのですが、その点をお伺いいたしたい。  それから河川の協同組合についてなおお伺いいたしたいことは、河川の協同組合は河川一本の協同組合になさるのか、あるいは地区的にわけて組合をつくつてもよろしいか、その点を重ねて伺いたい。
  35. 松元威雄

    ○松元説明員 最初の御質問でございますが、この場合の比重といたしましていずれの場合も解除できないことはないので、いずれももつともであるという場合ももちろんございます。しかしどちらかに優劣があるわけでございます。それによつて判断ができると考えております。
  36. 久宗高

    ○久宗説明員 河川の協同組合についての御質問でございますが、これは別に河川一本でなければいかぬとか、地域であつてはいかぬという問題はございません。しかしながら増殖の関係から申しますと、大体水系に沿つて、増殖事業との関連を特に頭に置いてつくつていただくのが、最も適当ではないかと考えておるわけでございます。ただ現在では何か專用漁業権がなくなるということで、増殖と非常に離れて河川では協同組合の問題を考えておられる場合が多いと思うのでありますが、実際問題としては、やはり増殖事業をほんとうに担当していただくのは協同組合だというように考えますので、むしろあまりつこまかく細分化されずに、相当これは大きくまとまつたものであつた方がよいのではないかと考えております。
  37. 奧村又十郎

    ○奧村委員 施行法の第五條の規定は経過規定ですか。
  38. 松元威雄

    ○松元説明員 御説の通り経過規定でございます。と申しますのは、ここに導いてございます漁業権といいますのは、第一條で、この法律施行の際現に存する漁業権、つまり旧漁業権を指しておるのであります。從つて旧漁業権に関する規定でありますから、経過規定であります。
  39. 奧村又十郎

    ○奧村委員 了解しました。  第六條の規定であります。第六條においては、旧法の規定に基いた許可、これは新法においてもその規定に基いて許可したものとみなすということになるのでありますが、別に命令で特別の定をすることができるという、この命令で特別の定、これはどういう御用意を持つておられますか。
  40. 松元威雄

    ○松元説明員 確かにこれは非常にわかりにくい規定でございますが、この趣旨はこうなのでございます。つまり前の許可が一應自助的に続くわけでありますが、その場合、この前申し上げたように、ある程度の許可の再整理ということも考えたわけであります。その場合に、再整理いたしますためには、許可の終期がそろつておりますれば、あえて別に法令をださなくても調整できる。それから一挙にではなくても、グループをつくりまして、この許可はあと一年、これはあと二年というふうに、グループごとに整理し得る。そういうふうにいたしまして、もし再整理を必要とすれば、やはり再整理できるということを考えて、許可の終期をある程度そろえ得るように期間を短縮しようという考えからおいた規定でございます。
  41. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それからまた別に具体的に処分の有効期間についての計画を持つておられるかどうか、それから特に許可の期限については、各府縣において非常に実情が違つております。從つてこの点明らかにしておいていただかぬと審議ができないと思います。
  42. 松元威雄

    ○松元説明員 ここでは具体的にどの漁区に手をつけて、どこを何年にしようというところまで全然考えておりません。ただやろうとすれば一應できるように根拠規定だけ置いておいたわけでございます。
  43. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 第一條但書に、「新法六十七條の規定及び同條に係る罰則の適用を妨げない、」ということについて、第六十七條を、具体的にどういう場合にこれをはつきり適用することになるのであるか、それをちよつとお伺いしたいと思います。
  44. 松元威雄

    ○松元説明員 この趣旨は漁業権の行使方法は、新漁業法になりますと、調整委員会が指示をいたしまして、行使方法を他の漁業との調整をとるようにある程度動かせるわけであります。しかるにこの二年間は、今の旧漁業権につきましては、新法は適用にならない。そうしますと、委員会の指示により調整ができないわけであります。それをある程度できるようにしたいというので、旧漁業権についても委員会が指示して漁業権の行使方法を是正できるようにしたい、こういう意味でございます。
  45. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 そうしますと、この存続期間中は從来通りの漁業経営、自己の意見通りやるということはできない。一つの制圧を加えられるということになるわけですか。
  46. 松元威雄

    ○松元説明員 これは経営に対する制約というふうにとりますと非常に大きうございますが、具体的にそこまで考えておるのでなく、行使方法につきまして、たとえば定置と小づりとの操業の調停、そういうことを考えておるわけであります。
  47. 玉置信一

    ○玉置(信)委員 第三十二條の農林中央金庫法の一部を次のように改正したということに関連しまして、委員会等においても、第五國会以來いろいろと金融問題をとり上げ、できることならば農林漁業中庸金庫というふうなものを設定したらということまで進んだのでありましたが、その後長官におかれて、こうした金融機関の設立についての見通しが何かできておりますかどうか。また幸にして漁業に対する金融の問題は、先般ああした新たな機構について生れて來たわけですが、漁業だけでありまして、加工の面に対する金融道は未だ開けておりませんが、こういうことについて、水産庁当局においてはいかなる方針を持つておられるか、將來に対する何らかの構想を練つておられるかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  48. 飯山太平

    ○飯山説明員 ただいま玉置委員から、施行法の二十二條に関連しまして、漁業金融についてのお尋ねでありますが、第五國会におきまして、この委員会において金融についての考えを申し上げたときに、できるならば農林漁業中央金庫というふうなものをつくりたい、こいうことを申し上げたのであります。その問題につきましては、その後農林当局につきましても、いろいろと関係方面に折衝いたしましたが、特殊金融機関をつくるということが根本的に意見に相違がありますので、実は興業銀行、勧業銀行のような、從來からあつた特殊銀行ですらもこれを普通銀行にする。こういうふうな考え方のために、遺憾ながら産業別の特殊金融機関をつくるということが認められないような情勢にあつたわけであります。從つて農林漁業金庫という漁業のために特に融通をはかるところの金融機関をつくることができにくいような情勢になつたのであります。この点はまことに私どもとしましては遺憾にたえないのでありますけれども、四囲の情勢上やむを得ないわけであります。なお先般の漁業共済基金積立制度に関連しまして、一連の施策がとられたのでありますが、それは御説の通り漁業関係のみであります。從つて現在といたしましては、加工方面に対して何ら具体的に金融の道は立つておりません。これは配給面、たとえば市場関係の取扱者の関係の問題もあるのであります。実はわれわれといたしましては、結局加工、市場、こういう関係のものもやはり水産全体の一環として見たときに、やはり金融がこれに伴わなければ大きな欠陷である、こういう考えのもとに、実は加工及び市場方面の業者の意向を求めて、最近におきましてもそういう会合をいたしたのでありますが、何とか御協力を得てこれが対策を立てたい、こういう考えでおります。
  49. 奧村又十郎

    ○奧村委員  第六條の松元説明員の御答弁に少し明らかでない点がありますので、重ねてお尋ねしたいと思います。私の先ほどのお尋ねの仕方がまずかつたので、もう一度質問いたします。つまる現在旧法の規定に基いた許可、これを新法の規定に基いて許可されたものとみなす、こうなつておるのですが、新法によりますと、どちらの許可――省の許可であろうが、府縣の許可であつても、一應調整委員会の議を経て許可をされることになつておるわけであります。その際一應審議を経てそれに基いたものとするのかどうか、もしその調整委員会の議を経て許可をされるものとするならば、一應この漁業法の施行と同時に、旧法の許可は全部取消して、新たにしなければならぬ解釈になると思います。重ねてお尋ねします。
  50. 松元威雄

    ○松元説明員 許可につきまして、法文自体として現行法文では、調整委員会の意見を聞いて許可をとるということは規定してございません。これは今後各縣の取締規則の中に規定して行きたいと思つておるのであります。そういたしまして、実際の許可の方法といたしましては、しばしば問題になつておるのでありますが、ただちに手をつけることはできないから、一應は新法に切りかわつたときに乗り移させて続けさせる。そのあとで委員会の意見で調査して行きたい。その場合にある程度許可の期間の終期をそろえるということで調整しようというので置いた規定でございます。
  51. 奧村又十郎

    ○奧村委員 まだ少し明らかでないと思います。この法案の規定によれば、地方長官が調整委員会の意見を聞いて、それによつて許可をするかせぬか、許可をするにしても、何統を許可をするか、こういうことをきめて、そうしてはじめて許可を決定するわけであります。今の後答弁によりますと、初めから許可をこの法によつて認めておいて、そうして調整委員会に有無を言わさずにこれを認めさせるというような御答弁になるので、これは法の建前上から言つて、一應は旧法による許可は全部一旦取消しておいて、あらためて新法によつて許可するという建前をとるべきであると思います。
  52. 久宗高

    ○久宗説明員 ただいまの御質問の中に、個々の許可について委員会の意見を聞くようなふうの御質問の趣旨であつたと思うのでありますが、これはこの規定ではそうなつておらないのでございます。つまり許可規定をつくります場合に、その縣の連合海区委員会をつくつていただいて、その御意見を聞いてつくる、こういうことになりますので、個々の許可について委員会と直接的な関連はないのであります。その移りかわりを申し上げますと、今受けておられる方々の許可をどうするかという問題は触れておらないのであります。当然漁場計画を策定いたします場合に、若干許可の種類といつたようなものを調整いたす必要が出ると思うのであります。それでその程度の調整をいたしまして、それを新法に基いた許可規則であるというふうに定めまして、個々の許可を受けている方の問題をどう調整するかという問題については、第二段として考えたい。またその場合において、現在許可している方を全部切つてしまつて、一應許可をなくして、新たに許可し直すという方法は、許可の場合には必要ないというふうに考えております。もし地方の許可規則につきましても、適格性とか優先順位というようなものが欠けるような段階になりました場合に、それに照し合せて振い落すといつた関係が出て参ると考えております。
  53. 奧村又十郎

    ○奧村委員 松元説明員にお尋ねします。一應府縣の許可については調整委員会の議を経て――今までの許可規定は別として、今度新法を施行になれば、調整委員会の議を経て許可規則を初めて出すのでしよう。
  54. 松元威雄

    ○松元説明員 そうです。
  55. 奧村又十郎

    ○奧村委員 その規則によつてあらためて許可をするのだから、今までの許可は一旦これは解消しなければその仕事はできぬはずである。
  56. 松元威雄

    ○松元説明員 おつしやる通り、許可規則は連合委員会の意見を聞いてきめることになつております。ただ先ほど説明しましたように、それを新法切かえと同時にやることはできない。実際その許可の規則をもう一回新法の趣旨によつてやり直すには、漁業権の整理が二年かかると同じように、それとバランスを見ております。從つてこれは縣の取締規則によりまして、今ある縣の取締規則は旧法ではなくて、新憲法に基いて制定されたと見なす、これは個々の縣においてかく見なすという規定を置いて、継がせようという氣持でございます。一應つなげておいて、準備を整えてから新しい取締規定をつくる。それに基いて許可のやり直しをしようという考えでございます。
  57. 川村善八郎

    ○川村委員 漁業法案並びに漁業法施行法案に関して、去る五日から八日間連続に、しかも午前午後長時間にわたつて、慎重に慎重を重ねて審議あるいは質疑應答をかわして参つたのであります。この間におきまして、私ども常任委員と政府当局の間にいろいろな意見の相違もあるようであります。のみならず常任委員会といたしましては、休会中に四班にわかれて、それぞれ各地方の眞の漁民の声を聞いて参つたのであります。また内水面の問題につきましては、いろいろと矛盾があるというので、それぞれ内水面関係から陳情、請願等もあるのであります。そのほかにも各地方の漁民から、いろいろ請願、陳情がありますので、これらをわれわれが整理べきものは整理して、さらに委員会を開くべき場合には委員会を開いて、質疑應答をしなければならぬでありましようし、あるいは修正の意見も展開をしなければならないと考えております。從つて本日ここに終結を告げることは当然でき得ないのでありますから、一應本日を持ちまして両法案に対する逐條審議を終了いたしますが、後刻必要に應じて委員会を開会して、さらに本問題を取上げるということに含みを残して、ここに本日審議を一應終りたいと思いますから、皆さんにお諮りを願います。
  58. 石原圓吉

    ○石原委員長 ただいま川村委員の御発言のように、一應漁業法案並びに漁業法施行法の逐條審議は、さらに審議をすることがあるかもしれない、あり得るということを記録に残して、一應これで終了としたものと御了解を願いたいのでありますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  59. 石原圓吉

    ○石原委員長 それではさようとりはからいます。
  60. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 これは法案以外でありますが、私日本の漁業の現在及び將來に対して、非常な危機に襲われておる、こう考えております。長官はこれに対してどういうようなお考えがあるか。もし私と同じような意見であれば、これに対する何か対策をお考えになつておるか。先ほど漁業経済の安定云々と言つて、いろいろ御答弁があつたようでありますけれども、漁業経済の安定などというよなことは、どこを突いても少しも見出すこととはできない、こう私は考えております。長官は、この点について安定を期することができるかどうか、まずその点をお伺いしたいと思います。
  61. 飯山太平

    ○飯山委員 ただいまの夏堀委員の御質問はあまりに重大であり、また総括的でありますので、これに対して御滿足を得られるような御回答はできかねると思いますけれども、しかしお説の通り、現在の日本は決してひとり水産業において最も困難なる状態に置かれておるのであります。從つてわれわれ当局といたしましては、これに対してわれわれのできるだけの努力を拂わなければならぬ立場に置かれておるのであります。ただいま経済安定についていかなる方策ありや、こういうお尋ねでありますが、この経済の安定を期することに努力をいたしますけれども、はたしてわれわれの策によつてのみこの換え材の安定ができるとは考えにくいのであります。しかし今日現在の問題として、特に本委員会におきましても、日々取上げられておりまするような資材、補給金、あるいは災害対策、あるいは金融等、現実の問題として山積しておる問題があるのであります。まずわれわれといたしましては、これらの現実に解決されなければならない山積している問題を解決するとともに、今後におきましては、この新漁業法の改正をわれわれとしては期待しておるのでありまするが、これによつて日本の新しい経済の行き方をここに確立しなければならぬ、かように考えておるのであります。この漁業法を中心といたしまして、さらにこの漁業法の内容について、將來日本の漁業を進める上において、支障のある点はできるだけこれを是正、改正をいたして行く。たとえば先般來問題になつておりまする許可漁業のごとき、これはどうしてもこの漁業法の中に取上げなければならぬ重大な問題であるのであります。また先ほども金融の問題が出ましたが、この金融も國家の施策にのによることは、日本の現状において容易に実現することは困難と思うのでありますけれども、われわれ漁民の手においても、これを自主的に解決して行くというような対策を確立しなければならない。その確立については必ずしも道がないのではない。たとえば災害補償法――漁業の一番本質であるところの危險性から漁業を救うということが、まずこの漁業を安定させる根本の問題だ、かように考えておるのであります。從つてわれわれは二十五年度におきましては、これが基本的の調査をするために、相当の経費の計上を現在いたしておるようなわけであります。この漁業災害補償の制度が確立いたしまするならば、これはただちに金融の解決にも役立つのであります。これが金融の資に役立つということになりますれば、金融面においての一つの方策に相なり得る。それからさらに半面におきましては、今日まで沿岸漁業は、技術的に見まして必ずしも十分とは考えられないのであります。たとえば科学的にこれを経営するというような面におきましては、遺憾ながら今日までの漁村は滿足ではないのであります。協同組合発達、助長、促進によつて、ここに科学を取入れるようなことにいたすことは、どうしてもやらなければならぬことだと考えるのであります。かように、將來におきましては、科学的に経済を合理化して行くという面を零細なる漁民にまで加えなければ、日本の水産は決して確立できないことだと私は考えているのであります。かような意味におきまして、協同組合法の実施の促進によつて、この日を近からしめて行くということも一つの方策であると考えるのであります。  なおその他資源の問題であります。日本の水産の現状は、濫獲によりまつたくその資源が枯渇の状態に瀕しているのであります。各地においていろいろな漁業問題の起つているのもその例証であります。從つてこれらの問題の解決には、どうしても資源の調査と、しかもこれが完全なる保護を加えなければならない。そのためにはどうしても相当の國費を投じなければならないということで、私どもといたしましては、十分ではありませんけれども、相当の費用を計上いたしております。これによつて、一面資源保護の基本的調査をここに遂行いたしまして、それに基いて日本の永遠の漁利を確保して行くというような策を講じ、また私どもが最も衷心から望み、またこれが実現に努力をいたさたければならねのは、現在の漁区の問題でもあります。資源の確保がいかに完全に参りましても、現在の限られたる漁区においては、とうてい現在の多数の漁業者を收容して行くことは不可能であります。從つてできるだけ近い機会においてこれが拡張の実現に努力する、これが私どもに與えられている最も緊急かつ重大な問題だと考えているのであります。これら簡單であしますけれども、一連の施策を実施遂行することによつて、日本の水産、漁業の経済の確立が期待できるのではないか、かように私は考えているのであります。
  62. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 長官の構想として承つたのでありますけれども、はたしてただいま長官が申し述べられましたことが実現できるかどうか。漁区の拡張は希望としてはそのようでありましようけれども、取締り強化は当然これにやらなければならないでありましよう。その結果において、おそらく遠洋漁業あるいは底びき漁業にしても、ここ半年内において、このままであれば、これは全然採算がとれず、壊滅状態になる、こういうことは明らかであります。これは対外的な問題でありますが、國内の問題であつて、行政面において、財政面において、國内的にでき得ること、政府の意見が対立し、過般來問題になつておつた補給金のような問題も、國内措置によつてできることも政府の手によつてこれを破壊し、そして漁業経済をいかんともいたし方のない、いわゆるどん底に追いやるというようなことになつているのであります。これは一体何に基因するか。私の考えでは、政治力の欠如である、こう断定さざるを得ないのであります。遺憾ながら水産方面は独立した省を持つておりません。水産廳としての立場においては、水産庁長官ただいまお述べになつたような構想を実現し得るお力は持つておらぬのであります。ここに私どもは政治力の結集をはかつて、ただいま長官がお述べになつたこと、そして日本の水産を將來立ち行くような方法に持つて行くにはどうすればいいか。これは現実の問題として、今日ただいまからその行動を起さなければならぬ段階に入つておると私は考えております。この方法はただ一つ、水産常任委員会の意見の一致を見、そして政治力の結果をはかつて、水産長官との十分なあらかじめの意見のとりまとめにより、意見の一致を見て、この政治力の結集いよつて、強力に目的に向つて邁進する一遂にあると私は考えております。そのうちに、あるいは昇格して省の独立になるかもしれませんけれども、これはただちに望めないことである。そこで現実の問題を解決づけることであります。もしそれなくしてこのままにしておきましたならば、昨日も私申し上げました通り、閣僚の間には水産に知識を持つておる方がおらぬのであつて、いわゆる問題とされないのだということであります。このままであつたならば、おそらく対外的に対内的に、いかんともいたし方のないどん底に落ちるということははつきりしておりまするので、非常に熱心に各委員が本委員会において御討論なさつたこの最後の日において、一應私の感想として、研重大危機に直面しているわが日本の水産の前途に対して、政治的にどう持つて行くべきであるかということについては、やはりこれはただいま申し上げた通り、いやでもおうでも政治力の結集をはかつて、わが水産業の維持発展のために努力すべきである。こう考えるのであります、この点は水産長官のただいま申されました構想を実現する上において、ただ一つ残された問題であると思いますので、この点私の感想を申し述べまして、また委員長におかれましても、重大な問題のあるたびごとに、ただちに委員会を召集して、その政治力の結集によつて、政府に、あるいはもつと大きく対外的にわれわれの意見を十分に吐露し、そして漁区の拡張問題もあります。一層の自粛態勢をとることが当然でありましよう。けれども、これに対する將來の見通しをつけて、大きな力をもつてこの折衝に当る。たとえば水産長官が二人三人かわることも、あるいはまたやむを得ないでありましよう。その目的のために必ず今後は生きた政治、そして日本の漁業の立ちゆくような方向に持つて行くがために、強力ないわゆる施策を断行するための政治力の結集によつて、今後の明るい漁業の展開をはかつて行きたいということを、私希望として申し上げる次第であります。
  63. 石原圓吉

    ○石原委員長 ただいまの夏堀委員の御発言はしごくもつともで、同感であります。善処いたしたいと思います。  次にこの場合委員長より飯山長官に説明を求めます。法案第三章第五十八條の末項に、「前五項の規定は、大型捕鯨業には、適用しない。」こういう規定がありまして、それに対して松元説明員は、これは特別扱いをするという説明があつたのであります。これは一般的にいわゆる資本漁業者に対して特権を與え、特別保護を加えるもののごとき誤解を漁業者全般に招くおそれがあるのであります。ゆえにこの場合特別扱いの内容を明快に御説明あらんことを希望いたします。
  64. 飯山太平

    ○飯山説明員 ただいま委員長から、過日の法案説明にあたりまして、松元説明員の大型捕鯨業に関する取扱いについての言辞に対しまして、明快なる答弁をせよ、こういうお言葉であります。現在の大型捕鯨業者と申しまするのは、日水、太洋、極洋と、この三社なんでありますが、この三社を特別に扱うというような意味に御解釈であつたかと思うのであります。松元説明員の説明は、決して三社を特別に法案において扱うという説明ではなくして、捕鯨業は特に現在の経営者が三社にすぎないので、抽籤によつて適格者をきめるというような行き方については、これを特別に扱う、こういう意味であつたのであります。もしその意味で委員長が御了承を得られますならば、まことに幸いと思うのでありまするけれども、この際にあわせてこの指定遠洋漁業の將來の取扱いについて説明を加えておきたいと思うのであります。水産廳といたしましては、決して資本漁業のみを助ける。あるいはこれを特別に扱うというような考えがあつてはならないし、また持つておりません。むしろ現在は日本の漁業の大半を占める――いわゆる八、九割の生産を占めておるところの、沿岸の漁業者が日本漁業の中心であります。從つて漁業の根本の精神も、これら大多数の漁業者の発展、安定を主としなければならないことは申すまでもないのでありまして、そういう精神に基いて、この漁業法の制定もいたそうとしておるのであります。從つて大型捕鯨業に対しまして、今後これらの三社を特別に抜つて行くというような考えはありません。ただ現在において、これらの三社が制限されたる捕鯨船を所有しておるというような実情にあるのでありまするが、これは四囲の情勢の変化に伴い、また漁業法の精神にのつとつて、今後は処して行きたい。かように考えております。
  65. 石原圓吉

    ○石原委員長 委員長は一應飯山長官の説明を承つておきます。委員長といたしましては、日本の漁業の今後の強化拡大は、資本漁業と沿岸漁業者、零細漁民が相剋摩擦を起してはいけない、あくまでも強調の精神をもつて、円滿なる発達を遂げなければならぬと考えておるのでありまして、かかる場合に、万一にも政府が大資本漁業等を特別に擁護するとか、特権を與えるとかの誤解を生ずる場合には、零細なる多数の漁民をまどわすことになり、その結果の影響するところ莫大であると思いまするから、今後政府において、水産庁においては特別の御考慮あらんことを強くこの場合に要望いたしておきます。
  66. 砂間一良

    ○砂間委員 私はこの機会に、二、三の点につきまして飯山長官に御質問申し上げたいと思います。  第一は、政府は八月二十八日政令を発布いたしまして、漁船操業区域制限に関する取締規則を実施されておるのでありますが、これによりますと、五十トン以上の漁船は毎日正午その出漁船の位置を、無電によつて監視船に報告するという義務を負わされておるのでありまして、もしこの報告を怠つた場合におきましては、その漁船の船長は三年以下の懲役、二十万以下の罰金というような重い刑罰を受けることになつておるのであります。ところがこの無電装置をやるということがなかなかたいへんでありまして、少くとも一隻につきまして八十万円ないし百万円くらいの費用がかかるそうであります。すでに以西その他の底びきにおいて、一たん許可しておきながら、今突如として中間でこういう政令を発布いたしまして、そうしてこの報告を怠ればそういう罰金に処せられるということになつたのでありますが、特に小型の漁船の中には、この装置がなかなか今の金詰まりの時代におきましてできないものが多々あるのであります。少くとも以西底びきだけをもつて見ましても、百三十隻ぐらいの漁船は現在無電装置がないのでありまして、それを新たにとりつけるということがなかなかたいへんであります。ところがそれをとりつけて毎日その報告をやらなければ出漁ができないということになれば、事実上許可を取消されることにひとしい、こういうことになつておるのであります。大体こういう重大な内容を持つておる規則を、單なる政令によつて政府が発布するということ自体が、少くとも新憲法の精神に違反しておる憲法違反の疑いが多分にあると思うのでありますが、この政令を発布した根拠について第一にお伺いしたい。  第二には、無電装置をやるということについて、現在でも操業が非常に困難になるような漁船に対する救済措置をいかにするかということであります。  それから第三にお伺いしておきたい点は、第五國会の終了以後、この六月以後からでありますが、以西底びきの三割五分減船について、新聞紙上をの他にしばしばいろいろな報道がなされておりまして、私どもはまだその詳細な内容について、何らの報告も説明も正式には聞いておらないのでありますが、その内容について、この機会に御説明願いたい。もし農林省がこの減船を上から押しつけるということになりますならば、現在の漁業の法規をもつてしましても、一たん許可したものを政府が一方的に取消すというふうな規定は、私は現在の漁業法規にはないように見受けるのであります。從つてこの点につきましても、もしこれを強行するならば、憲法違反の疑いが多分にあると思うのであります。しかしまたもし民間の業者が自発的にそういうことをやるとするならば、これは事業者團体法違反の疑いが多分にある。事業者團体法の第五條五号には、一一定の事業分野における現在若しくは將來の事業者の数を制限し、又はその制限に着手すること。」という規定があります。またその八号には、「構成事業者の機能若しくは活動を制限し、又はその制限に着手すること。」というふうな規定がありまして、こういうことはできないことになつておる。從つてもし業者が自発的にやるとするならば、事業者團体法違反の疑いが多分にあるのであります。現在この以西底びきの三割五分減船問題はどういう状態になつておるかということにつきまして、実情の御説明をお願いしたいと思います。  それから次に第四の点につきましては、先般來いろいろ問題になつております。漁業手形、あるいはつなぎ資金、あるいは共済基金制度についてでありますが、この案の内容につきましてはいろいろ意見もありますが、時間の関係もありますので、きようは省略しますけれども、しかしこれを各地で実施しておる業者のいろいろの意見を聞いてみますると、危險負担を業者の弁済基金によつてやるというが非常な負担になる。これをぜひひとつ國の方で肩かわりしてもらいたいという要望が非常に強いのであります。私はその点について、もう一ぺん水産庁の方で案を練り直して、場合によつたら次の臨時議会に提案いたしまして、もつと改善するような意思はないかどうか。ことにあの資金の使用につきましては、資材調整事務所の扱つておる資材とか何かに限られておりまして、あるいは漁船の建造という点に限られておりまして、運轉資金その他の金詰まりの打開ということには、あまり直接には役立たない形になつておる。たとえば使途の場合におきましても、あのがわに使う浮き、竹なんかを購入するということは直接には該当しない、あるいはわら工品という点があるのでありますが、こういう点を改善しまして、そうして單に任意に、自発的にやらせるというのでなくして、もう少し政府がめんどうをみてやるというふうに改善しまして、あらためて提案する意思はないかどうかという点であります。  その次に第五点としてお伺いしておきたい点は、先般來いろいろときどき断片的に言われております水産資源枯渇防止法案についてであります。これは新聞紙なんかによりますると、次の臨時国会に提出するということになつておりますが、その概貌と、実際提出する御意思があるかどうかという点についてお伺いしたい。以上五点について御質問いたします。
  67. 飯山太平

    ○飯山説明員 ただいまの砂間委員の五項目にわたる御質問にお答えいたしたいと思います。  第一の政令の問題でありまするが、これは御承知の通りポツダム勅令に基いて出しておるのであります。これで根拠は御了承願いたい。それからなおその政令の中で正午にラジオをもつて各船の所在を監視船に報告せよ、こういう條項がある、またその罰則が非常に重いというよな御見解のようでありまするが、これは御承知の通り各省にも関連したところの重大なる問題であります。從つてかくのごとき政令をもしわれわれが守り得ないのであるならば、それでは漁区の拡張は望み得ないのであります。この点において御了承願いたい。  それから漁船のラジオ設備のないものの救済をどうするかということでありまするが、これらの点につきましては、実は少くも五十トン以上というような遠洋漁船になれば、ラジオをつけるということは、遭難を防止する意味におきましても、また漁獲能率をあげる上におきましても重要なることなんであります。從つてわれわれはできるだけこれを融資によつてラジオ設備をするように、すでに一億数千万円のラジオ融資のめに折衝しておるような実情であります。これで御了承願いたい。  第三に、以西底びきの整理の問題でありまするが、これは先ほど申し上げましたように、最も現在漁区の問題として重要かつ緊急なのは以西底びきの漁業であります。從つてこの以西底びきの漁区を將來拡大するためには、どうして現在の漁船の制限を遺憾ながらしなければならぬ。これは過日御報告申したのでございまするが、天然資減局長のシェンク中佐が森大臣にあてられた書簡によつても明らかであります。從つてその指示に基いて減船を実施しつつあのるのであります。その際にこの許可の取消し憲法違反でないかという御意見があつたようでありまするが、これはもちろん許可したものを、これを理由なくして取消すということはできないのでります。從つて今度の減船の行き方は業者の自主的による、こういう立場をとつておるのでありまして、決して水産庁がこれを強制的に取消すという手段はとつておらないのであります。なおこの点を、しかしながら自主的とは言いますけれども、いろいろな事情の変化でこれが実施されない場合には、非常に重大な結果を将來しまするので、これを確実に実施するためには特別法を必要とするのでありまして先ほどお話の、資源枯渇防止法というものを來る臨時國会に提出いたそうとしておるのにそこにあるのであります。從つて枯渇防止法につきましては、これは現在第五と関連しますので、関連でお答えしますが、この枯渇法は目下関係当局に相談中でありまするので、実はまだ原案を発表するに至つておりません。折衝の結果いずれ明らかになりますれば、これは当然当委員会にもお諮りする必要があるとかように考えております。それから漁業手形の問題でありますが、これは少し砂間委員にも、その運用の範囲について誤解があるように思います。それは大体漁手形は運轉資金を主として融通しようという根本的目的で、あれが立てられたのであります。從つて竹のようなものについては御説の通りできませんけれども、大半の漁業仕込み資金としての用には役に立つのであります。しかしながら漁船の建造その他設備に関することについては、もちろん漁業手形の融通はできないようになつておりますので、この点については別個の処置を必要とするのでありますが、しかし昨日もここでお話がありましたように、この手形が、青森縣のごときは夏堀委員が非常なる御熱意と御努力の結果、すでに相当額の融資が決定しておるように伺います。長崎におきましても、相当の額の数千万円の融資が底びき、定置に融資されるということに相なつておるようであります。これはひとつこの災害にあたりましても皆様のご協力指導を仰ぎまして、迅速に取運ぶように相なりますならば、災害対策の一助に相なることは間違いないのでありまして、この点はひとつどうか砂間委員におきましても、静岡縣に対して特段の御指導を仰ぎたいのであります。もちろん私どもといたしましては、できるだけ努力はいたしておるのであります。大体ただいまの五つの項目に対してはこの程度であります。
  68. 石原圓吉

    ○石原委員長 御報告します。  水産用資材補給金の打切りはわれら運搬全組合員の操業不能となり、資材の人手保証なし、よつて打切り絶対反対す。あくまで御盡力願う。         青森船團青森支部   水産常任委員会  水産用資材補給金打切りと聞く、漁業壊滅し、業者の死活問題につき絶対反対す、あくまでも御盡力を乞う。         青森全漁民大会  以上であります。     ―――――――――――――
  69. 石原圓吉

    ○石原委員長 次に水産物の統制撤廃に関する昨日の決議に関して、お手元へまわしましたような書簡を関係各大臣、内閣総理大臣等に提出いたしたいと思います。一應朗読いたします。  水産物の統制撤廃に関する件   昭和十四年九月十二日  衆議院水産常任委員長 石原團吉   第五國会において、水産物の統制に関し慎重審議したものを、本委員会の改善案として政府当局に提出したが、政府当局に提出したが、政府当局は現在に至るも何等改善をしていない。   いまや日本の自立再建と食糧事情の諸点からみて、水産物の統制は撤廃すべきが妥当と認められる。   それから水産物の統制撤廃は、水産用資材の補給金問題とは何等関連なく、最近における水産物の生産、消費両面の立場と、集荷配給の現況とに鑑み、これが統制に撤廃すベき段階に到達したものと認め、本委員会は、九月十二日別紙の通り水産物の統制撤廃に関する決議をしたので、速に、これが全国的撤廃を断行するよう要望する。   水産物の統制撤廃に関する決議水産食糧の最近における生産、消費の現況に鑑み、政府は連にこれが全面的統制撤廃を断行すべし   右決議する。   昭和二十四年九月十二日       衆議院水産常任委員会
  70. 奧村又十郎

    ○奧村委員 この前文の初めの、第五國会云々のことはいらぬのじやないですか。入れるとかえつて全体をあいまいにすると思いますが、どうですか。
  71. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕
  72. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記を始めてください。  それでは前文の最初の項、「第五國会に於て」から「何等改善をしていかない」までを削除することにいたします。     ―――――――――――――
  73. 石原圓吉

    ○石原委員長 次に御報告申します。静岡縣仮野川の排水問題につきまして、静浦方面一帶の漁村より現地視察の要求がありましたので、常任委員会の八名の者は一昨日の土曜日を利用いたしまして親しく河川の沿道並びに海岸等を視察して、なお岡者の農業関係者または漁村関係者、静岡縣知事等よりそれぞれ意見を聴取して参つた次第であります。これに対しましては後日説明をいたし、その善処の方法をとりはからいたいと思います。この点御報告申し上げます。  次に漁業法案並びに漁業法施行法案が一應の審議を終りましたので、この際今後の方法につきましてお諮りいたします。御承知のように、瀬戸内海のうち和歌山縣、徳島縣より淡路島の外側に関する海面を除外せよという請願があり、かつ現地を視察せよという要求があるのでありまして、これは本委員会は当然現地の実情を調査する必要があると感ずるのであります。よつて來る十五日より十八日の間に実地を視察したいと思うのであります。なお佐渡より、佐波の漁業権並びに現地の漁獲状況に対して要求をされております。これも二十四日より二十七日までの間に調査をしたいと思うのであります。  それから二十八日、二十九日の二日間、委員会を開きまして内水面の懇談会を二十八日、二十九日は委員会、こういう予定を持つておる次第であります。  なお法案修正点と今後の方針を定めるにつきましては、現地懇談会の案はすでにでき上つて、お手元にまわつておるわけであります。本月五日以來逐條審議をいたしましたところの質疑應答は、親しく皆様がこの衝に当られて、なおこれが会議録は國会よりそれぞれでき次第配付があると思うのであります。そのほかに陳情、請願等が委員長の手元に相当まわつておりまするから、これはその要領の骨子だけを害き抜いて、そうして皆様のお手元へ配りたいと思うのであります。そういう方法をとつて來る二十八日、二十九日の委員会まで、でき得る現りおのおのその修正点に対する意見をまとめて、それを持ちよつて今後の対策をきめる、こういうことにしたならばいいかと思うのであります。この点をお諮りいたします。御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕     〔速記中止〕
  74. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記を始めてください。  それではただいま委員長より申し述べた案によつて進行することを御了承願います。  なお紀伊水道、佐渡等へ出向くにつきましては、なるべく御同行を願いたいのでありまして、それにつきましては志願するという人もないかもしれませんけれども、ぜひお繰合せのつく方は御同行をお願いいたします。  それでは本委員会はこれをもつて終了をいたします。連日長時間熱心に御審議くださつたことをここに感謝いたします。これをもつて散会します。     午後零時四十六分散会