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1949-05-16 第5回国会 衆議院 水産委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和二十四年五月十六日(月曜日)     午前十時十七分開議  出席委員    委員長 石原 圓吉君    理事 鈴木 善幸君 理事 玉置 信一君    理事 平井 義一君 理事 松田 鐵藏君    理事 林  好次君 理事 砂間 一良君    理事 小松 勇次君       川端 佳夫君    川村善八郎君       五島 秀次君    田口長治郎君       冨永格五郎君    永田  節君       夏堀源三郎君    西村 久之君       足立 梅市君    奧村又十郎君       水野彦治郎君  出席國務大臣         農 林 大 臣 森 幸太郎君  出席政府委員         総理廳事務官         (経済安定本部         生活物資局長) 東畑 四郎君         水産廳長官   飯山 太平君         運輸事務官         (海運総局長         官)      秋山  龍君  委員外の出席者         專  門  員 小安 正三君         專  門  員 齋藤 一郎君 五月十六日  松田鐵藏君及び早川崇君が理事に追加当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  理事の互選  漁業法案(内閣提出第一八六号)  漁業法施行法案(内閣提出第一八七号)  水産行政に関する件     ―――――――――――――
  2. 石原圓吉

    ○石原委員長 それではこれより会議を開きます。  水産行政を議題といたします。秋田海運総局長官が御出席になられましたので、本委員会とも重大の関係のある造船法について、御質問があれば、これを許します。
  3. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 秋田総局長官に対しまして、造船法のことについて、当局の御意見を伺いたいと思います。  ただいま衆議院に上程されておりますとこるの造船法を検討いたしまして、私どもが第二國会以來漁船行政について、当局にいろいろ要望して参りましたことと、はなはだしくその内容において違つております点を、きわめて遺憾に存じておるものであります。つきまして、まずお伺いいたしたい点は、今回の造船法の立案にあたりまして、水産廳等の関係当局とこの法案を作成するにあたつて十分な御協議が行われ、政府としての意見の一致を見た上で、この法案が上程されたものであるかどうかというような点を、お伺いしたいのであります。これは國会がかねてから漁船行政の所管の件につきまして、いろいろ論議を鬪わし、水産行政の総合一元化と関連いたしまして強く取上げて参つておる点に、速記録等を通じて、運輸当局においても十分御了知の点であつたと思うのであります。こういう、問題になつております行政の所管に直接問題いたすところの造船法を取上げるにあたりまして、おそらく直接の関係官廳である水産廳とは、十分な意見の交換、意見の一致を見た上で上程されたものと了承されるのでありますが、いろいろ水産当局に、私どもがこの法案をめぐつて、質疑をいたしましたところが、まだ運輸当局と完全にその点については意見の一致を見ていない。むしろ対立しておるということまで明らかにされておるのでございます。この点につきまして、秋山長官から、法案作成の経過を納得の行くようにご説明を願いたいと思います。
  4. 秋山龍

    ○秋山政府委員 造船法の問題についての御質問でございますが、この法案を作成いたしますにつきまして、実は事務当局の者をいたしまして、それぞれ各省に折衝協議させておりましたので、私といたしましては、事務当局との御連絡は十分いたしておつたと信じておるのであります。何分にもただいま御指摘の点については、從來からの非常に沿革の長い問題でございまして、水産当局におかれましては、水産行政の一環という見地から、漁船建造の監督を移管してほしいということをたび言われておるのであります。そのことに、実は大正以來の問題と申しましようか、非常に歴史の長い問題でございまして、しばしば議題に上つたのでございますが、その都度私どもとしては造船行政の一元化の必要という点から、常にどうしても御要望に應ずるわけに行かないということを申して参つて、今日に至つておるような問題なのでございます。本法の制定をたいへん急いでおりますのは、実は運輸省設置法が上程されまして、あらゆる行政がすベて法律に基いてこれを行うことを必要とするのでございますが、私どもが持つておりました造船事業というものが、占領後廃止になつております。これは当然新しい造船法を制定することを條件として廃止されておるのでございますが、いろいろ意見の一致その他の点において時間を消費いたしまして、今日までその運びに至らなかつたのでございますが、運輸省設置法の施行に伴いまして、ぜひとも行政の根拠を法律によることが必要であり、関係方面よりもこれが施行の立案を非常に要望されまして、会期その他の関係でこれが提案を急ぎました関係上、あるいは最後の段階において、農林当局の御不満があつたと存ずるのでありますが、この問題は、私どもといたしましても、やむにやまれねところがございまして、どうしても原案通りに行かなければならなかつたのでございます。その理由を二、三申し述べてみますると、漁船は一時漁具であるか、船舶であるかというような問題が、非常に爭われたのでございますが、そのときに、時の政府委員が申しますのに、白馬馬にあらずんば、漁船に船にあらざるべし、こういうことを書いて残しておりますが、まず漁船が船であることは間違いないのではないか。そういたしますると、造船所というものが船をつくります場合に、それが両船でありましようと、漁船でありましようと、多少設計その他の点について違うところはありましようが、造船事業としては、まつたく一つのものでありまして、その一つが運輸省に移管せられ、他のものが水産廳等の他の官廳で所管せられるものでありますと、造船事業に対する監督がいわゆる二元化されまして、行政機構としても複雑になりまするし、また造船事業全体の監督と申しましようか、保証というか、そういう点において責任が不明確になるというような点から、また業者としても非常に迷惑をいたすのでございまして、その点で一元化を当方は必要とすると考えたのであります。  第二の点といたしましては、たとえば漁船の建造と、一般貨物船の建造とを二元の監督にいたしますると、資材のような点にいたしましても、まつたく二元的な統制を受け、かつ現物におきましても、その二つの資材を別々にしなければならないということになるのてございますが、さようなことにいたしますると、現在の資材の非常に不足しておりまする場合に、その費材を彼此融通いたしまして、おのおの必要とする船舶の建造を促進すると言うような場合には、非常にきゆうくつになりまして、この点は貨物船の面から見でも、漁船の面から見ても、あえて好ましくないと考えるのであります。ことに資材のうちで、修繕用の資材のごときに至りましては、これはとうてい技術的にも二つにわけることは困難でございまして、船が修繕を必要として造船所に参りまするのは、たとえば人間が病氣になりまして医者にかけるのと同様でございまして、そのときの造船所といたしましては、手持ちの資材のあらゆるもを動負いたしまして、その救助に應ずる必要があるのでございます。医者に参りまして、あなたの分は割当がないからきようは診察ができないというようなことがあつては困るのであります。どうしても一元的な船舶の修繕資材という点において、資材を活用することが最も時宜に適するものと存ずるのであります。  それからまた造船所全体として見ました場合にも、運輸大臣と農林大臣の両方から造船に対する監督を受けるといたしますと、現在の造船能力は、わが國では非常な過剰な状態になつておるのでありましてこれをいかにして均等に公平に各造船所を維持統合してやつて行くかということに、一つの大きな問題になつているのであります。もし漁船の監督と貨物船の監督とを別々にいたしますると、造船注文の彼此融通というようなことも、非常に困難になるのでございまして、かくては造船業界の、それによつて利益を得る者は別といたしまして、他の者は非常な不安を受けるというようなことになるのでございまして、造船事業善体を最も有効かつ能率的に運営いたしまして、しかもこの難局を切り抜けるためには、やはり造船事業の監督は一元的でなければならないと思うのであります。また船舶の管理と申しまするか、あるいは造船に対する責任と申しまするか、そういうふうなものは、連合國関係におきましても、これを一つの責任者において所管させたいというような希望を持つておるのでありまして、たとえば船舶としての漁船の登録と言いまするか、船体としての情報と言いまするか、そういつたものは一つのエージェントを通じて握つてもらいたいというようなことも言つておる。でありまして、かような点から申しましても、責任の分割ということにはなかなか困難なように考えるのでございます。現在におきまして、しからば漁業に関する行政と漁船の建造に関する行政がわかれておりますために、非常な不便があるということにつきましては、これは立場あるいは百方によりましていろいろ問題があるかとも思うのでありますけれども、現在におきましては、漁業に関する行政監督の方は、漁業の所管廳である水産廳において御決定になるのでありまして、たとえば新たに漁船をもつて漁業をなすといようなときには、水産廳において御決定になりまして、それの船舶としての造船許可は、造船の能力あるいは造機の能力、多種船舶との需要の緊急性の比較、竣工期限、所要材料というようなものを勘案いたしまして、私どもの方で許可いたしておるのでありまして、両省の間において、事前に十分の連絡をとつておりまして、私どもの方は、船舶の建造につきましては漁業の所管廳の御判断を極力尊重するという越前に立つておるのでございまして、大した不便はないのではないかというふうに考えておるような次第でございます。さような市事情になつておりまするので、これは立場々々によりましていろいろ議論はあると思うのでありますけれども、歴史的に見ましても、長い間の数次の爭いを経まして、やはりこれがいいということに何回も落ちついて來ておるのであります。そういうよな状態にありますところに、造船法の制定をを非常に急がなければならない関係にございまして、あるいは最後の点において水産当局の御不満があつたかとも思うのでありますけれども、結局におきまして、所管問題あるいは行政機構の問題は、とりあえず現状を変更しない範囲におきまして、各省設置法を緊急に制定なされまして、そしてその後の調整の問題は、行政機構刷新委員会で審議するというような御方針のように承つておるのであります。そうゆうような意味におきまして、もしこの問題につきまして、なお検討の必要があるといたしますれば、行政機構刷新審議会等において、十分の御討議を願つたならば結構ではないか、かように考えておる次第であります。
  5. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 ただいま秋山政府委員から運輸当局のお考えを承つたのでありますが、私どもがまず第一に意外といたしますことは、大屋運輸大臣も秋山長官も、事務当局が十分水産廳との間に意見の一致を見たものと考えて、この法案を議会に出した、こういうお話のようであります。ところが実際はよさそうでない。水産当局においては、この第五回國会に突如としてこの造船法案が提出されたそのことすら、十分に事前に承知していなかつたという点から考えましても、大臣や長官が、運輸省水産廳の間で十分意見の一致を見た上でこの法案が作成され、上程されたものでないこどを御存知なく、不用意に上程されたという疑念がいまだ解けないのであります。この折衝は、船舶局長の手元において行われたものと考えるのでありますが、一体船舶局長は、この点において、水産廳との間に十分に協議に遂げ、意見の一致をみた上で秋山長官、運輸大臣の決裁を経て上程したものであるかどうか。この点を重ねてお伺いしたいと思うのであります。
  6. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ちよつと所用がございまして、船舶局長は参つておらぬのでございますが、先ほど申し上げましたように、私の判断といたしましては、相当の連絡をいたしたと存ずるのでありますけれども、すでにこの問題に事務当局及び当方としては、こういう勿々の際には解決し得ないものでございまして、從來の経過にかんがみまして、とうていお譲りすることはできない事柄だと思いまするので、先ほど申し上げましたように、造船法の制定を非常に緊急といたしましたような事情から、これを至急に、とにかくとりあえず制定し、御賛成を願いたいというふうに提案をいたしたのでございまして、もしこの問題につきまして、なおこれ以上の研究を必要とするといたしますならば、行政機構刷新審議会、運輸審議会も設けられることでありまするから、そういうところにおきまして、第三者を交えましたところにおいて十分御檢討を願いたい、かように存じておる次第でございます。
  7. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 それから先ほどの秋川長官の御説明の中で、漁船はあくまで船であるというお話でありますが、船でありますと同時に、漁業におけるところの最も有力なる生産手段である。これに秋山長官といえども絶対に否定し得ないところの事実であろうと思うのであります。この漁業における最も重要な生産手段であるところの船は、漁業の許可あるいは認可あるいは漁網桝、燃油その他の漁業用資材あるいは漁船の建造資金、あるいは漁業の生産計画、こういうような総合的な漁業生産計画との関連ににおいて、十分勘案した上で、この漁船の建造計画あるいは修理の計画が考えられなければならぬのでありまして、單なる貨物船等との関連において、ただ船をつくるという観点からのみ取り上げました場合には、わが國の漁業行政は十分なる運営を期待することはできない。あくまで漁船は生産手段であり、この漁船を度外視しては日本の漁業行政は成立たない。こういう観点にわれわれは立つものであります。あくまで漁船が有力なる生産手段であるといたしますならば、漁業の生産計画を基調としたところの総合的な漁薬行政が、まずもつて十分なる調和の上に立つて行われなければならない、こう考えるわけであります。この点に関する長官のお考えを承りたいと思うのであります。
  8. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ただいまの御意見まことにその通りでございまして、漁船には船たる面があると同時に、漁業におかれましては最も重要なる生産手段であるということは、きわめて事理の明白なことと存ずるのであります。しかしながら、この漁船たる船を使つて漁業という業を行われます業と、その船をつくる業とは、これは利害その他まつたく別個の人格が扱つておるわけでございまして、造船業というもの自体も、また一つの独立の立場から監督保護をされなければならない立場にあると思うのでございます。漁船が漁具として持つておりまする面から見まして、國家的ないろいろな資材資金その他の御計画のあることは当然でありまして、その点は水産廳においてもつぱら御努力になつておるところでございます。そうしてきまりました総合的な水産計画のうち、漁船の建造を具体的にどうするかという問題につきまして、造船業の立場からこれを調整する問題が起るのでござまして、当方としては、貨物船の建造の見地から調整するというような考え方は持つていないのでありまして、貨物船の必要、あるいはその建造計画というようなものは、私どもの方におきましても、海運局という面におきまして、ちようど水産廳がやつておられると同様な國家計画、資金資材の計画等につきまして十分の努力をいたしまして、それを資材の面におきましては、ただいまでは資材部を通じて出す。また漁船に関する分も資材においてとりまとめて、安本等におきまして、國家的全体を見ましたところの緩急の度をはかつて参りまして、そうしてきまりました方針に從いまして造船を進めるということにいたしておるわけであります。從つて私どもが漁船の建造に関する行政を、造船行政の一元化という見地から主張いたしますことは、何ら漁船の水産業における重要な生産手段であるという面を規制いたしておるものではないのでございます。
  9. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 だんだん運輸当局の真意がはつきりして参つたのでありますが、ただいままでの御答弁を通じましてはつきりわかつて参りました点は、運輸当局は造船行政の一元化、すなわち造船所のやりやすいように行政をやつて参りたい。造船所本位の立場からそういうようなお考えを持つておる点がはつきりして参つたのでありますが、全國とあります幾百かの造船業者の立場を擁護するために、それらの便益を強く考えるために、三百万の漁民諸君が行政上非常に複雑、不便な立場に追いやられるということに相なるわけであります。はたして造船所に対する監督なり、あるいはこれに対するところの諸般の行政上のせわをみる点が、確かに重要な点ではありますけれども、そのために漁業者が非常な不便と、手続上その他非常な時間を要したり、不利な立場に置かれるということは、これは單なる行政の一元化というような、機械的な考え方だけでは容認できない点であると私どもは考えるのであります。かりに造船の許可を出すにいたしましても、長官もお認めになつておりますように、漁業の許可、認可、あるいは漁業用資材、あるいは漁業の貸金その他と関連いたしまして、水産廳ではたしてこの漁船の建造を認むべきかどうかという審査を加えた上で、運輸省の方にその建設許可の申請をやるということでありまして、運輸省が直接漁船の建造許可を独自の立場で出せるということには絶対に参らないのであります。どうしても水産廳を一ぺん経由して、資材その他の面からの十分なる審査を受けた上でなければ、造船許可は出せない、こうなつて参りますと、どうしても二つの官廳を通らざるを得ない。それよりは漁業の許可、認可、あるいは資材、資金、そういう面を査定審査いたします官廳において、あわせてその行政部門において、一本に造船許可もここで結果が出せるようにすることが、一番漁船の建造を迅速的確に、しかも能率的に行うゆえんであるとわれわれは考えるのであります。今の造船法の行き方で参りますと、どうしても二つの官廳を通らなければ、この造船許可は出せない。これがそうでなく、運輸当局において独自に建設許可が出せる、こういうものでありますならば、漁業者としてに何ら不便を感じないのであります。どうしても運輸省が漁船の建設許可を握つておる限りにおいては、その前提として、漁業との関連において審査をどうしても経なければならない。この点において非常な時間的な、あるいは手続上の不便を除去することができない。造船業者の立場も重要でありましようけれども、大衆漁民の立場がさらに大きなものであるということを、当局は十分お考えになつておられるかどうかということを重ねてお伺いしたい。また造修資材の面でありますが、これは安本当局において、十分漁船の面と、貨物船その他の面とを源泉において、特定分離をしてやりますれば十分事足りることでありまして、なお造船所において貨物船と漁船との間の資材の融通というようなことは、これは資材の操作上において、時間的に一時融通し合うというようなことは、適当に配慮すればできることであるわけでありますが、安本当局において十分資材計画を立ててやれば、何らの不便がない、こう考えておるわけでありますが、その点についての長官の御意見を伺いたいと思うのであります。
  10. 秋山龍

    ○秋山政府委員 漁業者のお立場を強調された御議論でございますが、漁業者のお立場にお立ちになるときにおきましては、まことに妥当適切なる御意見であると思うのであります。しかしながらその立場は、また海運業者というものもやはり同様に持つておりまして、手続といたしましても、やはり海運業におきましても同様な手続になつておるのでございまして、たまたま少し建物の距離は近いかもしれませんが、私どもが一般貨物船の建造を計画いたします場合におきましても、先ほど申しましたように、やはり海運業者の注文者側の資金計画、あるいは事業計画というようなものは、一つの別な範疇といたしまして、これを検討いたすのでございます。そうして資金の手当等をつけまして、それを造船業へ持ち込むわけでございます。その関係は海運業と水産業と何ら異なつていないのでございますが、なおしかし両方から参りますこの二つの造船の注文は、やはり別に資材としてはとりまとめまして、造船局あるいは資材部を通じて、安本と交渉してその年度の國家計画を決定し、そうしてそれを造船業のもとに集めておきまして、それを國家計画に從つて、その資材の範囲内において双方に許可を與えて、建造をいたしておるような次第でございます。なおただいまのお話にございましたような、水産業者側の方にいろいろ御不便もあると思うのでありますけれども、事態がそういうふうに海運業、造船業、水産業というふうに三つにわかれておるわけでございまして、この関係の事務の取扱いにおきまして、できるだけ御不便のないように努めるということは、またわれわれの薫当然の義務でございますので、從來とも注意して参つておるのでございます。將來とも一應注意を拂いたいと存じておる次第でございます。  なお資材の面につきまして、わくをわけたらどうかというお話でありますけれども、わくをわけるということは、なかなか実際の面において――資材の相互融通その他一本になるということは、なかなか言うに言われない妙味もあるところでありまして、これをきつぱりわけるということは、相当たくさんの前からのストツク資材も持つておる折柄、また修善に関しましては、先ほど申し上げましたごとく、とうていきつぱりわけるということは困難なことでございまして、私どもといたしましては、やはりこれは一本で持ちまして、しかもそのときの緊急状態に應じて彼此融通の上、國家的計画に從つた建設計画を、できるだけ早くまとめるように持つて行くことが必要だ、かように考えておる次第でございます。
  11. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 この造船法を通覚いたしまして、どうも戰時立法的な残滓が残つておるように感じてならないのであります。戰時中の立法でありますところの海運統制令でありますとか、あるいは臨時船舶管理法でありますとか、造船事業法でありますとか、そういうように戰時中に何でもかんでも戰争目的を達成するために、漁業者の不便もあらゆるものを犠牲にして、統制して行こうというような強権的な統制立法が、今度の造船法の中にもそのまま持ち込まれて來ておるような感じがしてならないのでありますが、この点について運輸当局は、前々からやつて來たことをそのままこの造船法の中に取入れたのであつて、何も今までとかわつたことはない。あくまで運輸当局としては、水産業者の不便をできるだけなくするために、法の運用において善処しようということで片づけておるようでありますけれども、この造船法もかような從來からのやり方、すなわち戰時中の統制立法をそのまま継承しておるような感じがいたすのでありますが、その点について当局のお考えはどうであるか、お伺いしたいと思うのであります。
  12. 秋山龍

    ○秋山政府委員 造船法に関する全般的な御批判でありまして、その御批判はある程度当つておるとに存じておるのであります。但し先ほどもやや造船法立案の経過を御説明申し上げましたごとくに、造船事業自体が戰時中非常な拡張を遂げまして、そのあとをどうするかというような問題がいまだはつきりと見通しのつけ得ない状態におきまして、運輸省設置法との関係で、われわれがやつております事柄につきまして、どうしても法律根拠を要するというような事態になりましたがために、こういうふうな体裁にならざるを得なかつたような次第でございます。しかしながらこれが事態の推移に應じまして、あるいは許可に基準を設けるとか、あるいはその他いろいろな考え方につきましては、経済情勢の緩和なり、あるいは賠償その他に関する方針を決定してもらえる時期になるといつたようなことを考え合せまして、逐次民主化と申しますか、新しいそのときの事態に即應するように改善して行きたい、かように考えておる次第でございます。
  13. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 この造船法を拜見いたしまして、從來より私どもがやや満足しております点は、二十トン未満の舟の建造は、これをこの法律では規制していないという点であります。この点はさらに、漁業の実情にかんがみまして、二十トンというような消極的な考え方ではなくて、これを五十トン程度の、トロール及び捕鯨船を除いたところの、その他の漁船にまで拡張いたしまして、そして漁業上におけるところの今の不利不便、行政事務の複雑化ということを緩和するために、さような線まで運輸当局においてこの法案を修正なされる御意思がありますかどうか、この点をお伺いしたいと思うのであります。
  14. 秋山龍

    ○秋山政府委員 まことにごもつともな御意見でございまして、私どもといたしましても、諸般の事情が許しますれば、たとえば資材あるいは関係当局の監督といつたような諸般の事情が許すに至りますならば、一日も早くそういうような事態になることを、私自身念願しておる次第でございますけれども、どうも目下のところ、ただちにそういうように修正するということは、不可能な事情にあるのでございまして、この点御了承を得たいと存じます。
  15. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 なお性能試験の問題につきまして、若干御意見を伺いたいと思うのであります。漁業の面からいたしまして、漁船の船体及びエンジンの性能を試験するということは、先ほど私が強調いたしましたように、漁船は船であると同時に、あくまで有力な生産手段であるという面からいたしまして、漁場の関係あるいは魚の習性、あるいは貨物船等と違いまして、荒天下において作業をするという特殊事情からいたしまして、漁船としての漁業に適するところの性能を保持するということに非常に大事な点でもあり、また貨物船等とは全然趣を異にしたところの特異な性能を保持することが必要であるわけであります。この船体及びエンジンの性能試験等をも運輸省において行うというように伺つておるのでありますが、この点はあくまでそうしなければならぬのであるかどうか。これを水産省において行わしめることはどうしてもぐあいが思い、こういう観点にお立ちになるのであるか。この点もお伺いしたいと思うのであります。
  16. 秋山龍

    ○秋山政府委員 漁船の持ちます特殊の性能の中で、特に漁業にプロパーなものにつきましては、ちようど貸物船におきますもの、あるいはその他のものにおけるプロパーのものと、大体同様の性質のものではないかと思うのでありますが、船自身の強度あるいは推進性能、あるいは凌波牲というようなものにつきましては、相手が水であり、船がこれに浮くものであり、これに抵抗するものであるというような見地から見まして、その技術並びに科学は大体同一なものに帰着すると存じておる次第でございます。そういたしますと、私どもの方におきましては、過去長い間の歴史を持ちまして、また長い間の先輩の努力によりまして、実は世界で四番目か五番目かと存じまするが、りつぱな試験水槽をも持つております。またこれによりまして、大小数千の船舶の試験のデーターをも持つておるのであります。この貴重な経験を生かすということが、國家的には最も考えられるべきところでありまして、これをまた新たに別におつくりになるということは、國家財政の現状から見ましても、いろいろ困難な点があるように思うのであります。むしろそういうようなお考えがございますれば、積極的に私どもの方の從來の施設、経験に合流していただいて、そうして相より相助けて、それらの最後の問題に邁進するということが、人的にも物的にも、船自体に関しますときには、最も経済的かつ有効な方法ではないか、かように考えております。
  17. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 この性能試験は、漁船の数が非常に少かつた当時においても、通信、農林両大臣の具管に相なつておつたように記憶しておるのでありますが、敗戰後漁船の数は減つて参りましたけれども、逐次復旧いたしまして百十万トンを数えるような大きな勢力に回復しております今日におきましては、この漁船の性能試驗ということは、大きなやはり分野をなすものと考えておるのでありますが、これを從前通り運輸大臣と農林大臣との共管において実施するというところまで、運輸当局としてはお考えになつていただけないものであるかどうか、この点を重ねてお伺いいたします。  なおもう一点は、造船技術審査会というものを設置することに相なつておるようでありますが、この審議会の委員に対しまして、貨物船等の現有トン数と漁船の保有トン数との比重から勘案いたしまして、同数ないしそれに近い数の委員をあげて、漁船がこの審議会においてあまり軽くならないように、漁船も貨物船と同等の此重において、十分審議研究が遂げられるような措置を講ぜられる御意志があるかどうか、この点もお伺いしたいと思うのであります。
  18. 秋山龍

    ○秋山政府委員 漁船の試験において共管というお話でございましたが、これはどういう意味か私にははつきりいたさないのでございますけれども、一般的な方針として、先ほど申し上げましたように、研究施設というふうなものは、対象あるいは原理が非常に共通なものである場合において、これを二つにすることは國家的に不経済であります。総合的に相協力いたしまして技術の向上をはかる、あるいは船自体の性能の向上をはかるということにつきましては、根本的にまつたく意見は一致しておるのでありまして、私どもできるだけその線に沿つた措置を講じて行きたい、かように存じておるのであります。  なお造技術審船議会についてのお尋ねでございましたが、実はこの造船技術審査会は、純然たる技術諮問委員会でございまして、数により、その勢力によつて政策がきまるというような問題ではないのでございます。從いまして現在としては、その造船技術というものにおける何が問題であるかという、その問題の重点に最も合うように人選をいたして行くのが一番適当ではないか、かように考えておるわけであります。從いまして漁船に関する造船技術の振興につきましても、その問題が包蔵いたしておりまする重要度と、一般貨物船その他の方に包蔵いたしております重要度等とを考え合せまして、漁船関係の御意見も十分反映するように措置いたして行きたい、かように考えておる次第でございます。
  19. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいままでの鈴木委員と政府委員との質問應答を承つておりますと、まことに不快な感じがいたします。すなわち官僚のなわ張り争い根情ということが、非常に露骨に現われておるように感じられるのです。これについて、二、三お尋ねをいたしたいと思います。ただいま政府委員のお言葉によりますと、造船法案を國会に提出するに際して、なぜ水産廳と事前に話合いをしなかつたかという質問に対しては、從來話合いはしたこともあるが、どうせこの法案に話合いをしても話合いはつかぬと思う。從つてこれは運輸省の方でまず法案として出す。つまり水産廳の方には何ら相談をかけずに出しておいて、そうして法律を通してからあとに、漁船のことについては行政審議会でしかるべく御相談をしてくれ、こういう御答弁であります。しかし造船法案――運輸大臣の專管にするという法律を通しておいて、そうしてあとは國会の方で適当に相談してくれ。まことにこれは政府としては虫のよ過ぎるお言葉であります。運輸省であろうが、水産廳であろうが、同じ政府の官廳であります。政府官廳で双方が十分な話合いを遂げずして、あとのしりに國会にまかせる。これは官僚の非常にかつてな言分である。運輸省の側としては、造船ということは運輸の方が八割、九割を占めるようなお考えかもしれませんが、それは運輸省の側のお考えであつて、われわれにとつてみれば、漁船は造船の半分以上を占める。漁船こそ漁業の中核である。それを何も水産廳に相談もなしに、また話合いを遂げずにこの法律を出す。これは政府としてははなはだ国会に対して不誠意なやり方であると考える。重ねて政府委員の御意見を承りたい。
  20. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ただいまおしかりでございますが、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、二十数年來造船事業というものをやつて來たという点からいたしますると、その監督は一元的でなければならぬということでございまして、また現在その通りの官制になつておるわけであります。現状を法律化するという上におきましては、私に何ら他省の権限を侵犯いたしておるとは存じておらないのでございます。しかし問題をいろいろ各方面から常に檢討する必要があるのでございますから、新しい問題につきましては、十分の御審議と將來の御是正を願いたい、かように考えております。
  21. 奧村又十郎

    ○奧村委員 造船は二十何年來運輸省で專管すべきものであると考える。それに運輸省の方のお考えである。そこで水産廳に対して、事前に何の御相談もなしに、造船法案という形で一挙に造船事務を、特に漁船の監督行政の事務を運輸省に奪いとつてしまうこのやり方に対して、私は不満を持ち、疑いを持つのであります。しかしこれ以上お尋ねしても、どうも満足な御答弁は得られぬと思いますが、もう一歩進んでつつ込んで御質問いたしたいと思います。水産廳は、われわれはむしろこれを水産省にして、日本の水産行政を確立したいと思う。從つてごく最近において漁網の生産配給においても、今までは商工省と水産廳と両方で監督しておつたが、二、三日前安本長官の裁定によつて、これを水産廳一本で監督するところまで持つて來た。漁船は漁業の生命である。それを今拔き打ち的に運輸省へ拔きとられてしまう。四、五日前まで水産廳が何らこれを知らなかつた。まことに不愉快な話であります。しかしこれは議論になる。そこでつつ込んでお尋ねしたいのは、何がゆえ漁船の建造までも運輸省が一本にとらなければならないか。その理由につきまして、ただいまの政府委員の御説明では、満足はできないと思うのであります。すなわち漁船の方は、大体において百トン以上の漁船というものはごくわずかであります。総漁船の隻数あるいはトン数から行きましても、五パーセントに達しないのであります。從つて百トン以下の船が大部分を占める。運輸省の方は私は詳しく知りませんが、貨物船で運輸省の專管しておる分については、おそらく百トン以下の船はごくわずかであろうと思う。從つて一應百トン程度を区切つて大体わけられるものと思うのであります。その百トン以下の漁船の領分を、根こそぎこの造船法案によつて運輸省に持つて行かなければならぬその理由がはつきりしない。またただいま鈴木委員に対してのお話によりますと、性能試驗において、大体貨物船と同じような試驗でよろしいというような御答弁でおりますが、それは運輸省の方のかつてなお考えであつて、漁業においては年々漁法がかわつており、性能試験は漁業の立場から特殊の試驗がまたあろうはずである。それを水産廳の長官がそういうことを言われるならわかりますが、運輸省の係官が、漁船についてはそれでよろしいということを言われても、われわれは承知はでさぬのであります。この意味において、あくまでも漁船は漁船として、水産廳ではつきりわけて管轄すべきである。また資材のごときにおいても、漁船と貨物船とはおのずからそこに必要の種類、分量においてもかわりがあると思う。この意味において、あくまでも漁船は水産廳が管轄すベきであると思うが、これに対する運輸省の御答弁は満足できぬのでいまひとつつつ込んでお尋ねいたします。
  22. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ただいまのお話の中に、運輸省が漁船に関する管轄を奪つたというようなお話がございましたが、事実はそうではないのでございまして、私どもの方がずつと專管いたしておりますものを、水産関係に移してはどうかという問題が起つておるのであります。私どもは漁船に関する管轄は、ずつと艦船局時代からやつて参つておるわけでございます。なお漁船の性能試驗その他の問題についての御質問でございますが、これにつきましては、私どもが申し上げているのは、別にこしらえるということも一つの案ではございましよう。しかしながら私どもは、ただいまの船舶試驗水漕あるいは船舶試驗研究の施設をつくつて参りますのにも、実に長い間の苦心をいたしたのでございまして、しかもその苦心の結果、ご案内と思いまするが――これは貨物船の方面でありますけれども、かの太平洋において覇を争つたようなりつぱな船体をつくることができました。この点は少くとも太平洋における貨物船の一つの革命を起したのであります。そういうふうなりつぱな実績及びこれに基くデーターをもつております。また物的施設も非常に多大なものでございます。從つて一つの船、波こういうものに対する優秀な性能のものをこしらようという、科学的にみますときわめて共通的なものの上に立つておりまする場合には、その設備とその人と、その経驗とデーターとを一緒に使つて行くという方が、國家的に経済的により大きな効果があがるのではなかろうかということを、申し上げておるわけであります。
  23. 奧村又十郎

    ○奧村委員 ただいま管轄のことでお話になりましたが、私の今お話しておりますることは、この造船法案について申し上げているので、この法案によれば、二十トン以上の船舶は、漁船といわず一切の船は運輸大臣の許可なくしては建造できない、この運輸大臣の許可ということが、結局漁船の建造一切を支配する、また性能試驗においても、運輸省が行う、こういうことになつているから、それをお尋ねしたのであります。  第三に、ただいまの御答弁によりますと、船舶一切については、運輸省一本でこれを監督しろ、その方が望ましいということが、司令部の意見であるということをにおわされたのでありまするが、これについてお尋ねをいたしたいと思います。これも二、三日前からこの國会で問題になつております。ほかの省のことでありまするが、機構改革のこの際において、一部官僚がなわ張りを維持するといいますか拡張するという考えもあつてか、関係方面のお声がかりを利用して、いろいろな行政改革において工作をしておるような疑いがあるという話が、予算委員会でもあつたのであります。そういうことについては明白にしておかないと、われわれもこの問題は解決できないと思います。ただいまの関係方面云々のお話について、関係筋の方でこれに対していかなる御意見であつたか、もう少しはつきり申していただきたいと思います。
  24. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ちよつと速記をとめていただきたいと思います。
  25. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記を中止してください。     〔速記中止〕
  26. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それでは水産廳長官に以上の御答弁によつて一言お尋ねをいたしたいが、ただいまの政府委員の御答弁によりまして、この造船法案によつて、一應漁船も運輸大臣が許可するということで行く御方針が明らかになりましたが、大体今日まで、この法案提出まで、官廳間において何の話合いもなく、しかも水産行政にとつて、漁船の監督行政、これは切つても切れぬ重大なことでありますが、これらの点について長官はどう考えておられるかお伺いいたします。
  27. 玉置信一

    ○玉置委員 その前にお尋ねしたいのですが、私先ほど來、鈴木委員、奧村委員と政府委員との質疑應答を拜聽いたしておりまして、奧村委員も最初申されましたが、どうも私まだ納得できないのであります。運輸省においてこれを固執せなければならぬという理由を発見できないわけなのです。先ほどの鈴木委員の御質問に対する御答弁で、いろいろ重複いたしますが、さらに私お伺いしてみたいことは、水産廳と運輸省との間に、事務的な十分な連絡があつたと思うというように最初は答弁されましたが、後に鈴木委員の質問追及によりまして、それは從來の行政のあり方から、すなわち二十数年來やつてきましたその関係からいつて、この方法により法案化することがきわめて適当であるというような答弁をされております。そこに非常に矛盾のあることも発見されたのでございます。しかもこの閣議決定の当時におきましては、農林大臣も、所管の運輸大臣すらも、はつきりこの法文のこうした両省に関係のあるきわめて重要な問題についてのみ込んでおらずして、これが決定したというようなことも、大臣御自身の口からも承つておるのでありますが、そうしますると、先ほど奧村委員が申されたように、どうも從來の官廳の官僚間のなわ張り争いのように聞えるわけなのであります。從つて、私はここに重ねて秋山政府委員にお聞きしたいことは、どうしてもこれを固執せなければならぬ理由を、もう少し具体的にひとつ御説明を願いたい。私の考えるところによりますと、ただこの関係筋の問題と資材の関係以外においては、運輸省においてあくまでも所管せなければならぬという理由が存在しないように思うのであります。先ほど鈴木委員からも申されましたように、どうもこの法案の内容からいたしますと、戰時立法の残肴とでもいいますか、そうした氣分が濃厚にあり、また政府御自身におかれましても、ある程度そういうことを認めるとまで言つておられるのでありますが、遺憾ながら占領下にある現日本の立場、それから敗戰後の資材不足というようなことで、こうした法案を必要とするわけでございまするが、できれば自由に、しかももう少し合法性のある方式に改めて行くべきだと、かように考えるのでありますが、もちろんこれが水産廳の所管になりましても、船舶試驗のいわゆる水槽及び試驗研究所のこうしたりつぱなものを活用して、水産廳においてもやり得ることでありますし、この点はお互い協力すれば、何ら支障なくしてこうした性能試驗その他のことも完全にやり得るのでありますが、あくまでもこれを運輸省所管とせなければならぬという点には、私疑問を持つものでありまするから、もう少しひとつ具体的に御説明願いたい。これを逆に考えまして、むしろ農林省がこうした船舶を所管するというようなことがあつた場合に、運輸省といたしましても、農林省と同じような立ち場のもとに、こうした観点からいろいろと疑問を持つのではないかと私は考えるのでありまするが、立場をかえ、実際の今日の漁船が漁業生産手段の重要根幹をなすという、しかも食糧補給の面あるいは國民蛋白質の補給の面から考えてみて、とうていなおざりにすることのできない、國家経済再建の重要な役割を果すこの漁船行政の面につきましては、相当運輸省といたしましても、過去にとらわれず、新しき方式で臨むべきであろうと思いまするが、ここにこの点を特に御認識願つて改められたらどうか。これに固執されないで、改めるところは改めて行かれた方がいいのではないか、かように考えまして、御一考を促すと同時に、所見をお伺いしたいのであります。
  28. 秋山龍

    ○秋山政府委員 漁船の建造、許可に関する関係を農林省へ譲つてはどうか、こういうような御意見と存ずるのでありますが、その理由等につきましては、先ほど來るる御説明申し上げましたように、泊船業というものから見ますると、現在なおこれをいわゆる自由な状態に置くことができないような状態にあるのでございまして、一面には建造能力の非常に多いという問題もございまするし、また資材その他の面から非常に注文が少い、こういうような状態になつておりまするので、これを今急に造船業全体としての監督を二分化するということは、非常に困難かと思うのであります。特に資材の面から考えました場合には、これも先ほどから繰返し御説明申し上げましたごとく、これにわくを設定しまして、一般貨客船の造修と漁船の造修とをわけてやるということは、実際においてもほとんど不可能なのであります。そういう方面から、ただいまの段階といたしましては、やはり過去すべての経済が自由でありました時代においても、自由であつたがゆえにかもしれませんが、一元的な監督行政をいたして参つたのでありまするからして、こういうような際には、そういつた事情もあつて一元的な監督をすることが、海運業から見た造船業、水産業から見た造船業というものが、まつたく健全に行かなければならぬという点においては、利害が一致した方がいいのではないか、かように考えておる次第であります。  なお試驗研究につきましては、できるだけの御協力をして行きたい。それもたまたまそれだけの試驗研究設備を運輸省が所管いたしておりまするので、これらの事務を運輸省が所管いたして行きたい、かように考えております。なお実質的な内容について、たとえば造船技術審査会の答申を通じまして、できるだけいい船をつくつて行きたいということについては、私どもとしてはあとう限りの努力をいたしたい、かように考えております。
  29. 飯山太平

    ○飯山政府委員 奧村委員の御質問にお答えいたしたいと思います。漁船行政に関する所管の問題について水産廳はどう考えておるか、こういう御尋ねと思うのであります。先ほど來秋山長官から、二十年來の問題であるということを申されたのでありますが、そのお言葉によりましても、水産当局としまして漁船行政を水産廳当局に移したいという考えのあつたことは、歴史的にもはつきりしておるのであります。從いまして、私といたしましても、ぜひともこれは水産廳に移管してほしい、こういう考えははつきり持つておるのであります。その点については、秋山長官に質問することはこの場合許されますまいが、私の見解を述べることを許してもらいたい。それは運輸省が船舶造船の工業を管理するということはどこから來ているか、工業ということであるならば、これは商工省に属する、つまり通産省に属すべきである。かように原則的に考えております。もし運輸省が造船を持つということならば、これは船舶運営という事業の面から來ている、かように考えておるのであります。從つて水産廳が漁船を管理することとはまつたく軌を一にする、私はかように考えておるのであります。從つてこの際には、ぜひとも運輸省の原則に基くならば、当然水産廳に移管すべきものである、こういう結論を私には持つております。  それからなお資材、造船所の管理についての御質問があつたのでありますが、その点については私は意見を異にします。それは資材が関係するところ、たとえばいろいろな資材が各官廳にわかれております。必ずしも造船資材のみが運輸省一本で管理しなければならぬという理由は私は見出せないのであります。たとえば農林省関係の資材が通信省関係にもありますし、あるいはその他の省においても、それぞれ同一種類の資材がわかれて配給されておるということは、これははつきりしておるのであります。ひとり造船資材の点においてのみ、これが一元でなければならぬという点についても、私は疑問をもつております。それから造船所が戰時中の政策の誤りで非常に造船能力が過剰であるという、この点を調整するがために造船を一元化しなければならぬという理由も、私には納得できません。なぜかと申しますならば、この造船業の整理を漁船の犠牲においてなされるという見解は、私ども水産の立場の者として絶対に許すことはできません。從つて造船所の処理については、これは運輸当局が漁船の犠牲においてでなくして、自己の責任においてなすべきものだ、かように私は考えております。さような点から考えまして、水産廳長官としては漁船に関する限り水産廳にこれを移すベきものなりと、かように考えておるのであります。
  30. 田口長治郎

    ○田口委員 ただいままでの各委員と政府委員の間に交換されました質疑應答及び意見の交換によりまして、大体の御意向が判明したものと思うのでございますが、私はこの間に最も大きな問題が一つ取残されておると考えるのであります。それは御承知の通り、日本では各方面ともに今すべてのことが民主化されつつあります。われわれのこの行政方面におきましても、多聞に漏れず当然民主化されなければならないと存ずるのであります。行政の民主化はとりもなおさず業者に迷惑をかけない、業者になるべく便利を與える、この点について何らか政府も、また立法府も大いに研究し、考えなければならぬと考えるのであります。漁船行政につきましては、私いろいろ考えますのに、運輸省が今專管でありますけれども、実際の仕事は運輸省ではできない。御承知の通り漁船は漁場によつて、あるいは漁師によつて、あるいは漁区によつていろいろ建造が違い、また漁業の計画生産その他によつて根本的の計画を持たなければ、漁船の計画、建造ということもできない。そういう点から言いまして、今の運輸省では漁船のほんとうな建造、許可というものはできないのであります。実際におきまして農林省から案を出して、そうしてその案に基いて運輸省が決裁をしておる、こういうような実情でございます。言いかえますと、專管でありますけれども実は共管の形でありまして、この共管で農林省と運輸省の両方でやるということにおきまして、業者に非常な迷惑を現在こうむつております。いろいろな許可出願をいたしましても、非常なる時日を要する、のみならず農林省に行かなければならない、運輸省に行かなければならない、こういうことで業者自体の不便あるいは不利というものは非常に大きいのであります。行政の民主化は、結局業者を中心といたしまして、業者がいかにすれば便利を得るか、こういうことでございます。官廳も立法府も、心を合せて何とかしなければならぬ、こういうところにわれわれは中心を置いて考えなければならぬ、こう考えます。從つて私はむろん運輸省でもよろしい、あるいは農林省でもよろしいが、とにかく一本でこの行政をやつてもらいたい、こういうことを切に業者の立場から考えます。しかしながら、この仕事がどちらの方で完全にできるかということをつつ込んで考えます場合におきまして、今日の運輸省ではどうしてもできない。もし運輸省と農林省と一本になるようなことがありますれば、これは非常にけつこうでありますけれども、またほかの理由でそういうこともできないとすれば、ほんとうに仕事のできる農林省一本にこの仕事をやるのが、業者本位の行政のやり方でないか、こういうことを考える次第でございます。秋山政府委員にお伺いいたしますが、運輸省といたしましては、この行政を業者本位にやられるお氣持はありませんか、その点についてお伺いいたしたいと存じます。
  31. 秋山龍

    ○秋山政府委員 行政がすべて関係業者と申しますか、國民本位でやらなければならぬことにつきましては、まつたく御説の通りでありまして、われわれも常にその心がけでおるわけでございます。但し漁船の建造許可という問題でございますが、私どもはある造船所が漁船を建造することの可否を許可するだけでございまして、漁船の注文、あるいはどういう漁船をつくるとかいうような内容につきましては、これは水産廳で御決定になつておるのでございます。ただその造船所が、ある漁船なら漁船の造船の工事をいたすことについて監督をいたしておる、かような立場でございます。その点は海運総局と造船所の立場とはまつたく同一なのでございます。
  32. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 大分いろいろな意見があつたようですが、水産廳長官と水産常任委員としての意見は一致した。今日ここに議題となつておることは、造船法の修正に関する意見書というものがこの質問になつてここに現われておる、これが本委員会の希望であると私は存じておるのであります。しかし前の委員会でありましたか協議会でありましたか、農林大臣は、運輸大臣との間において、この問題を共管にするということを話合いになつたというようなこともちよつと聞いておりましたが、私の聞き違いであるかもしれませんが、もしそうであるとすれば、大臣との間において大体意見の一政を見ておるのだ、秋山政府委員がこれまでの二十年の歴史云々ということを言つておりますけれども、今はすベて行政面においても、大きな改革を行わなければならないのであつて、水産廳としては、すでに水産の部門の方々が主張しておる通り、大きくこの水産面を取上げておるようであります。漁船の行政を一元にするということは、前回の議会でも私も承つたのでありますけれども、水産の面においては特にこの漁船行政というのは非常に重要な面でありますので、この問題は一挙に一元的行政まで持つて行くことができなかつたならば、ここに意見書として見えておりますように、この運輸大臣ということを漁船については農林大臣と改めるという私どもの考えからすれば、すこぶる常識的であり、また簡單なことであると思いまするので、こうした方法で修正することを、委員長において政治的にこの問題をとりますればいいのではないか、ここでいつまで議論しても限りがないと思います。ただこの議案は今審議中でありますから、この点を委員長にちよつと伺います。
  33. 石原圓吉

    ○石原委員長 他に質問はありませんか。
  34. 砂間一良

    ○砂間委員 秋山海運総局長官と水産廳の飯山長官の政府委員が二人そこに並んで所管争いをやつておる、こういうことは実に醜態だと思うのですが、しかし漁船の建設や許可の点についてどつちの所管にした方が正しいかという点につきましては、これはこれまで各委員が申された通り、農林省の所管にするのが正しいということはわかりきつておることだと思うのであります。ただしかし、私はこれまでの漁船の建造の許可やあるいは金融の面なんかについてずつと見て参りますと、先ほど田口委員は業者を中心にして業者の意見を聞いてやつてもらいたいというような発言がありましたけれども、その業者というのが主としてやはり大きい資本家的な業者の声が強く反映しておりまして、零細漁民の漁船建造というふうな点については非常に軽視されて來た、これは終戰後の漁船の建造の経過を見ればはつきりしている。いずれの官廳でその所管を持つにせよ、この建造の許可や、いろいろな手続などにつきまして、もつと民主化した方法によつて、これまでの官僚主義的なやり方を根本的にかえて行く必要があると思うのです。たとえば今瀬戸内海やあるいは沿岸の漁業におきまして、小さい船ではどうしようもない、やつて行けない、できれば十隻、二十隻の小型の船を持つておる人たちが、それを協同組合でもつくつて出し合つて、そうして一ぱいか二はいの大きな船をつくりたいというふうな計画もあるのですが、そういう方法では、資金の点についても非常に困難なような実情に置かれている。ですから小さいやつではなく、大きいやつをつくるについて、そういう場合にやはりもつとそういう意見を聞いてやつて行くような必要があると思う。運輸省所管においては、これは農林省がやるというのが正しいということは、私もそう考えておるのですが、今後の運営については、これまでの官僚独裁的なやり方をかえまして、もつと民主的な方法でやつて行く意思はあるかどうかという点をお伺いしたいと思うのであります。
  35. 石原圓吉

    ○石原委員長 砂間君、水産廳への質問ですか、運輸省への質問ですか、それとも両省への質問ですか。
  36. 砂間一良

    ○砂間委員 さしあたり運輸省の所管でありますから、秋山長官にお尋ねいたしたいと思います。
  37. 秋山龍

    ○秋山政府委員 ただいまの御質問は、水産業者の漁船の建造を許可するについて、民主的な方法でやつてくれということに私は了解するのでありますが、そうすると私のお答えする範囲に属さないのであります。私どもは水産廳の方において漁船の建造を許して、そうして漁業を新たになさしめることがよろしいときまつたものにつきましては、それをある造船所が建造することがはたしてその造船所でいいかどうかということを檢討する、こういう立場に立つておるわけであります。
  38. 砂間一良

    ○砂間委員 事実上そういう形になつでおつたら、何もこれを運輸省に持つて行く必要はないのではないですか。
  39. 秋山龍

    ○秋山政府委員 それをそういうふうにするということを、そこに規定するわけです。
  40. 石原圓吉

    ○石原委員長 お諮りします。この問題はもう質問は盡きたように思うのであります。一言私の所感を述べて、そうしてこの質問を打切りたいと思います。元來この造船に関することは、日本の政府としては通信省が所管しておつたものであります。それがたまたま行政機構の改革によつて、通信省と鉄道省が合併になつたときに、この問題に今の運輸省の所管ということになつたのでありますが、それは今通信省がわかれ出た今日から見れば、通信省の遺産が運輸省に残つておるというのにとどまるのであつて、運輸省が二十何年も苦心したということを秋山政府委員が言われるけれども、それは通信省時代のことであつて、運輸省当時にそういう苦心のあとはないはずであります。從つてまたこの遺産を争うのには資格もないと私は心得るのであります。当然これはこの際水産廳に少くも捕鯨船を除いた以下の船舶は移管すべきであると信ずるものであります。この所感を述べて、この漁船に関する委員会はこれで終わります。  次に経済安定本部生活物資局長並びに生鮮食品課長の御臨席がありますから、この際水産物の統制の問題について質疑を行います。御発言を願います。
  41. 西村久之

    ○西村(久)委員 議事進行について発言を求めます。ただいまの造船法関係の一部修正は、これは急を要する問題でありますので、この意見書を運輸委員長並びに内閣委員長に出すことはよろしいのでありますが、われわれ水産を代表する議員といたしましては、一部修正の修正案を出して争うようにならぬとも限らぬのであります。從いまして、修正案をすみやかに整備いたしまして、関係方面との折衝を重ねる必要があるのではないかと思うのであります。この点に対して委員各位の御意見を拜聽して、遅れをとらないようにしたいという考えを持つのであります。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
  42. 石原圓吉

    ○石原委員長 ちよつとお諮りします。実はこの問題につきましては、運輸委員長より連合審議の申し入れに対して、その時間がない。よつてそれぞれ意見を書面で出してもらいたいということで、そのとりはからいをいたしたわけであります。ただいま西村君の御発言によつて、修正案を出すということに全員御同意があれば、そのとりはからいをいたしたいと思います。
  43. 西村久之

    ○西村(久)委員 委員会からは修正案は出されないのでありますから、委員各位個々の意見として、全員の署名を願つて、常任委員会の決議でなしに提出する運びを、私ども委員としてとらなければならぬのではないかと思うのです。從いまして皆さんの御賛同を得ますれば、そういうふうな形で私は進んで行く方がいいのではないかと考えます。取扱いはいかようになりましようとも、いずれになつても会期が短い今日でありますから、目的達成のために遅れをとらないだけの処置を、委員長としてお考えおきを願つて、お運び願いたいと存じます。希望を述べておきます。
  44. 石原圓吉

    ○石原委員長 これは本会議へ修正案として出そうという御意見ですか。
  45. 西村久之

    ○西村(久)委員 もちろんその通りであります。これが私どもの意をむかえて、運輸委員会の方で修正をして参りますれば、もちろん異論はないのであります。ところが会期切迫いたしまして、どさくさまぎれにこの案が出ますし、私どもは委員会で審議しておる間に通らぬとも限らぬのであります。そういう危險に差迫つております今日でありますから、その運びをいたしますのに手落ちのない方法をとつておきますれば、提案者が修正をし、――もし原案をそのまま運輸委員会がのんで出ましても、私どもの修正の意見がはつきりそこへ対抗して参りますから、提案者の説明等を願います時期を與えてもらう。そうして私どもに提案者の意見を極力主張をいたしまして修正の目的を達成する、こういうことになつて來るのではないかと思うのであります。手違いのないようにしたい、かように考えております。
  46. 奧村又十郎

    ○奧村委員 それに関連して――ただいま西村委員も言われますごとく、まごまごしておりますと手遅れになるやもしれぬと思います。それで各委員は各所属の党を動かして、この修正案の貫徹に努力しなければならぬと思いますが、この所管大臣として、農林大臣のこれに体する意見を承り、なおまた農林大臣としても閣議に出ておられることでありますから、農林大臣の方からも努力していただかなければならぬ。この意味において農林大臣の御出席を求めて、大臣の御意見を承りたいと思います。
  47. 石原圓吉

    ○石原委員長 とりあえず大臣は出席を求めておきます。ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止〕
  48. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記を始めて。それでは集出荷統制の問題について質疑を継続いたします。
  49. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 水産食料品の配給統制の問題につきまして、安本当局に若干の質疑を行いたいと思います。水産物の統制が技術的にきわめて困難であり、その技術的に不可能に近い統制を、むりに戰時中からやつて参つておりますために、生産及び消費の両面に対して、非常な矛盾といろいろな支障を來しておることは、当局も今日までの統制の体驗を通じて、御承知のことと思うのであります。しかるに今日魚の生産は逐次生産力が増大いたしまして、相当の出まわりがよくなつた。他面消費の面におきましては、國民購買力の枯渇とも関連いたしまして、また主要食糧その他野菜等の配給確保の問題とも関連いたしまして、消費者の面からは今日機械的、一律的な悪平等な水産物の配給は、その必要を認めないという声が出て來ているのでありまして、事実出荷されましたところの水産物が、東京初め六大都市等におきまして、相当量拒否されている。しかもそれは、魚の鮮度が低下をして、配給に不向きなためではなくて、消費者に直結するところの小売業者が、毎日の配給で、配給を受けない者がある等のために拒否品として、それを正規のルートからはずしている、こういう状態に相なつているのであります。政府は先般野菜の統制をはずしているのでありますが、水産物の統制も、野菜と同じように、これを全面的に統制を撤廃する御意思があるかどうか。まずこの点からお伺いしたいと思います。
  50. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 政府は水産物の統制を撤廃する意思はないかという御質問の趣旨と伺います。水産物の統制は長く継続しているが、その実効がなかなか上つていない。これが生産者に対しても消費者に対しても、相当不満を買つているという御意見につきましては、われわれとしてもまこととに遺憾にたえない次第でありまして、安定本部といたしましても、水産物の配給統制が、決して成功であるということをここに申し上げるだけの自信のないことをお断りするのであります。しからばわれわれが配給統制を撤廃するかどうかという問題につきましては、安定本部といたしましては、こういうものの基準を考えます際に、いわゆる〇・P・Sと言いますか、消費者統計という総理廳がやつている一つの統計資料が、家庭面を見ます最も信憑に足るデーターとしてありますが、このデーターに基いていろいろな施策を行い、関係方面とも実は折衝いたしているのであります。消費者の價格調査の統計を分析いたしますと、皆様御存じのように、実は最近の傾向として三つの型が現われているのであります。その一つは、主要食糧あるいは生鮮食料品として現われている形であります。もう一つは、いもであるとかいうものが現わしている形で、もう一つは先ごろ撤廃いたしました野菜であるとか、れんたんというものの現わしている形であります。野菜、れんたん等におきましては、いわゆる配給價格――これはマル公でなく、マル公以上に高いものも多いのでありますが、現実に消費者の統計から見ました配給を受けている價格というものとやみ價格、要するにやみで購入している價格というものと、量的にウエートをとつて平均しましたいわゆる実効價格、これらの大体マル公に近い配給價格の線も、やみ價格のカーブも、実効價格のカーブも大体同じところへ來ている、こういうものにつきましては、それらの商品の種類にもよるでしようが、生産が回復しているとか、回復する見込みがある、もちろん先ほど申しました消費者の需要の面もあると思いますが、いろいろな需給の関係が非常に緩和しているという商品であろうかと思います。野菜の統制を撤廃いたしましたのは、まさしくそういう一つの趨勢を考えて、実は統制を撤廃いたした次第であります。飜つて生鮮食料品の趨勢を見ますと、私の申し上げるのは、生鮮食料品全体の一つの達観でありますが、達観的資料から申しますと、配給價格と、いわゆるやみ價格、実効價格、この三つの線というものは、必ずしも実はまだ一致いたしておりません。主要食糧のごとき、配給量が総購入量の大体七五%程度のものであるにかかわらず、やみ價格というものは非常に高い。要するにわずかの量が消費者の絶対的な需要を満たさないために、これも非常に高くものは、割合に配給價格の方に近いのでありますけれども、なおやみ價格が非常に高い。水産物につきましては、実効價格は配給價格及びやみ價格の大体中間の線にあるというのが、現在のC・P・Sの分析であります。  こう考えますと、われわれとしましては、こういうような統制資料というものの現実がうそであるということでありますれば、われわれとしては別でありますが、現在利用し得るに足るデーターとしては、それ以外のものが実はないわけであります。そういうものを根拠にいたしますと、生鮮食料品は、野菜と同じく統制の技術は非常に困難なものであるにかかわらず、現実的にこれを手放した場合に、消費者の價格は高くなるのでありまして、家計費の圧迫がひどくなるじやないか。現在家計費の分析におきましては、生鮮食料品というものは非常に重要な地位を占めているのでありまして、主食に次ぐだけのウエートをわれわれは置いているわけであります。そういうウエートを置いた水産物價格が、品質がよくなり、出まわりが一應よくなりましても、これが消費者の末端において、はたして野菜と同じように價格が安定し、低下し、配給價格に近くなるという実は資料的な確信がないために、ただいまのところは統制を撤廃するという段階に入り得ない商品であろうかと考えている次第であります。もちろん漁にはいろいろな種類がございまして、ものによつてはすでに需給が緩和しているものとか、あるいは非常に貴重なもので、あまり必要でないものというようなものがございます。そういうものにつきましては、これを撤廃するなりすることはもちろんさしつかえないのでありますが、大衆漁的な性質のものにつきましては、これを撤廃するというだけの段階にないというような認識のもとに、実は水産廳その他ともいろいろ連絡をいたしまして、今日は水産物の配給統制の非合理的な面もずいぶんあるのでありますが、こういう点をいかに改善するかという改善の方法で、実はこの統制面を考えている次第であります。野菜と同じような結論をただいまのところは考えている次第であります。
  51. 松田鐵藏

    ○松田委員 ただいまの御委員を伺いまして、こうした委員会や役所でいろいろとお話するよりも、あなた方の考えられている点が、現在の実情とどういうふうに違つているかということを、委員と役所の者と同道して、実際を調査して見る必要があるじやなかろうかと私は考えるのであります。私ども水産委員といたしまして、ただいまの御意見を聞きまして、現在の情勢とまつたく相反している点は、むしろ苦笑を禁じ得ないような状態にあるのであります。つまり北海道や九州のように、大量にとれる所においては、もはやこの公定價格をいかに維持しようか、維持し得るかいなやということに悩んでおるような状態であります。また現場のあの東京の市中を見るとき、また市場を見るときにおいて、あの高級魚においては、統制が撤廃されたればこそ、あのりつぱなしかも鮮度のいい、人の非常に希望する鮮度のりつぱなものが出ておるのでありますが、この魚においても、あの統制下にあつた公定價格よりいくら上まわつておるか、おそらく同様な價格であるということを、現在でははつきり立証されるのであります。しかもその他の一般大衆魚においては、去る市場の休日の翌日の入荷というものは約百車の入荷があつたのであります。その百車の入荷がほとんど拒否であつた。そういう事実を見て――私も昨日も行つて参りました、きように行つて來ませんが、昨日も行つて現場を見ております。おそらく配給が拒否になつていないのは一車もないというような現状になつておるのであります。こうした実情がいかに役所のお考えになつておることと違つておるか、まだ生産地においての実情がどれだけ違つておるか、こういうことはもはや議論の余地がないので、実際を見学して調べてみたときにおいて、初めてその結論が生れるのではなかろうか、しかも拒否された魚はどうなつているか、拒否という理由は私はないものと思う。実際において鮮度のいい、りつぱなものが來ておるのに、その魚が拒否されるという理由はどこにあるか。公定價格によつて統制配給がりつぱに行つておるのに、拒否されるというのは、魚があり余つておるのに、購買力がないということに原因するのである。その購買力のないということも、現在は小売業者に登録制を持つておるがために、その登録店舗は一日に二時間か三時間のあきないでやつて行けるのであります。しかも拒否された魚はどうしているか。市販はその拒否された魚でも公定價格に売られているという現状であります。この点を役所の方々は、小売商人から買うときに、いまだに公定價格より安い魚を買つたことがないために、今日まだそういうようにお考えがなつているのだ。しかるに小売業者に市場から拒否品を買つて行つて、公定價格によつて売つている、こういうことであるのであります。その点をはつきりと現場を調査して、見て行つたならば、私はこの委員会でもまた役所においても、もう議論をする必要がないのじやなかろうか、こういう考えをするのであります。この場合において委員会は委員会の決議を経て、役所と同道して市場の実際の状態を研究してみる必要があるのではなかろうか、こう考えられるのであります。
  52. 石原圓吉

    ○石原委員長 ちよつと、農林大臣が今見えましたから、今の答弁を保留して……。ちよつと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  53. 石原圓吉

    ○石原委員長 速記を始めてください。  東畑政府委員の御説明を願います。
  54. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 先ほどの御質問にお答えいたします。統計数字を問われますと、現実がそうであるということは私どもも重々承知いたしております。また最近東京その他の都市に対する魚の人荷の多いことも承知いたしております。また人荷の多いために、場合によつては問屋等におきましてマル公を割つておるということも承知いたしておるのであります。そして非常に拒否が多い。拒否が多いということは事実でありますが、何ゆえに拒否をするかという問題につきましても、いろいろ研究をしておるのでありますが、場合によつてはこれを自由購買にするために拒否する例もあつたようであります。また場合によつては、小売の末端において有効需要がないために、いろいろの魚の種類がほしい。末端でいろいろな魚が売れないから、有効需要が足りない。そのためにいろいろ他の三種なり四種なりの魚がほしいが、魚の入荷ができないために、一應拒否をして持ち帰つて來るというような事実もあるのであります。私が先ほど申し上げましたのは、末端の消費者の統計数字を申し上げたのですが、先ほどの御意見のごとく、末端においても確かにマル公を割つておるということが、現実においても、また数字面においてもはつきり現われて参りますれば、これに生鮮食料品の統制を撤廃する時期が参るわけでありまして、何ゆえに末端においては実効價格であつて、中途の段階においてはマル公なのかという件につきましては、いろいろ御意見があるように聞いております。     〔委員長退席、鈴木(善)委員長代理着席〕 あるいは登録別人員によるということをおやりになつたために、小売が特権化しておるのじやないか、それを撤廃したらよいのじやないか。また野菜のごときはやはり同じ制度でありましても、現実にマル公配給なりマル公に近い実効價格というものに消費者統計というものが現われて來ておるわけでありますが、遺憾ながら水産物は、これは三月よりはわかりませんが、そういう趨勢がまだ今のところはつきりされていない。関係方面等における折衝におきましても、現実を知らぬじやないかということですが、実は私個人も現実を知らないではありませんが、それを言うわけにも参りませんし、結局そういう客観的なデーターというものによつて考える必要があるのでありまして、都市の消費者統計に、今お話になりましたようなことが事実でありますれば、四月、五月ごろににおそらくそういう数字が現われて來るのではないか、そうすればこれは野菜と同じく統制を撤廃いたしましても、消費者價格というものは上らないし、また魚價、鮮度等もよくなるという事実があると思うのであります。われわれはそういう時期が一日も早く來ることを実は願つておる次第であります。
  55. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 ただいまの松田委員に対する答弁は当つておりません。生産物の鮮魚並びに加工品の公定價格を維持してあるかのような答弁であります。私はここに資料を持つて來ておるのです。何かあなたの方で統計に基いてのお答でありまするが、そうであればそれは当らないと思います。私ここに加工品としての販売の状況――これは五月の統計であります。四、五日前のものでありますが、いわしの製品、これはどうにかマル公を維持しております。にしん製品、これはまだ全部の出荷が終つておらぬではありましようが、マル公の大体八〇%の見込みということであります。いかの製品、ほしするめ、塩蔵いか。ほしするめに大体九〇%、塩藏いかは八〇%、それからたら製品、これは九〇%、焼ちくわ極上品は一部分マル公、その他は八〇%、こんぶは一等品がマル公、二等品九五%以下、その他の加工品を施した生産品であつて農林大臣の指定したもの、たとえば塩藏さば、ほつけ、さんまというようなものは大体マル公の八〇%になつております。鮮魚の場合でも加工品の場合でも、東京の人荷は大体毎日五百トンぐらいの人荷になておると思うのです。そうして東京から地方に逆送しております。東北の方へまた貨車に積んで送つております。そうしたような状況であるために、いわゆる拒否品と称して配給業者が安く買おうという機会をねらつておるのであります。安本の方では何かこうしたような事情を御調査になつておりますか。これは私の調査ですが、違つておるかどうか、その点をお伺いします。
  56. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 私先ほど申し上げましたのは、生鮮食料品の問題の三月までにおける総理廳の消費者統計を分析したものをお話したのでありますが、加工品につきましては、たとえばこんぶ、焼ちくわ、いか製品というものにつきましては、よほど実情に申し上げたのと違うと思います。最近の消費統計は出ておりませんので持つておりませんが、われわれとしましては、関係方面に公認されておりますものは消費者統計数字の問題であります。この統計数字によつて実はいつも論議をしております。加工水産物等につきましては、おつしやるような現象があるいは出ておるということは申し上げられるかと思います。ことに表面としましては、むしろマル公を割つておるというような現象がある。こういうものにつきましては、われわれとしましては統制をはずすという努力はいたしておるのです。水産物全体を達観して、野菜のごとくはずすかということにつきましては、そえだけの自信を持つてやる時期にまだ到達していない、こう申し上げたのであります。
  57. 玉置信一

    ○玉置委員 私この機会に農林大臣にお伺いいたします。その第一点は、鮮魚の統制の見通しいかんであります。     〔鈴木委員長代理退席、委員長着席〕  先だつて物價廳、安本の方も御出席でしたが、その際にお伺いをしたところ、関係筋では、まだこの消費統計の面から見て十分鮮魚が出まわつていない。そうした理由で、今にわかに統制をはずすというまでには至つていないというようなことを申されておるということでありますが、ただいま松田委員並びに夏堀委員からお話がありましたように、相当拒否品というものがありまして、実際の配給面の統計が表面的には少いのでありまするが、実際は國民の家庭には相当な量が配給されておる現状であります。從いまして農林大臣として、その後関係筋と折衝されたことがありますかどうか。また將來どの程度に統制をはずす御意志でありますか。このことをまずお伺いいたします。  それから第二点は、肥料の價格と統制の解除の問題でありまするが、これも先般の委員会におきまして、私の質問に対して大臣から、肥料、飼料の統制なんかは、公國で統制するということ自体が間違つておる。こういうものは將來はずすべきだという御意見がありまして、委員一同非常に共鳴しておりましたが、その後水産廳当局の御意見によりますると、大臣の答弁されたことは実情とは違つておりまして、実は関係筋からはむしろ強く統制せいという指示を受けているのだ。こういうような御意見でありましたが、しかし実際問題として、すでに魚肥が相当つくられております。この魚肥を今日の價格形成によつて押えて行くということになりますと、生産者は莫大な損失を來すばかりでなく、肥料として供給するということにとうてい不可能である。といつて需要者側の要望にこたえてこれを出荷せんとすれば、そこに取締り面において違反をかもすというような、非常に痛しかゆしの状態に置かれておるのであります。当然これは強化というよりも、統制をはずす方がいいのじやないか。もちろんこの前もお話がありましたように、リンク米との操作による肥料の面におきましては、もうこのままでもよろしいのでありますが、リンク米以外の肥料に対しては、当然統制をはずすべきである。かように思うわけでありますが、これに対する農林大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
  58. 森幸太郎

    ○森國務大臣 御承知の通り、水産の最も大事な資材が油、漁網等にあるわけでありますが、この資材が連合國の特別なる好意によつて配給されておるというような情勢であります。連合軍といたしまして、なぜ水産に対してやかましくいろいろな統制を強化されるかと言いますと、日本の食糧を総合的にやらなければならない。それについては水産物の生産を興し、そのできた水産物は公正に國民の食糧として供して、一部に偏在してはいけない。こういう考え方が基礎になつておるわけであります。先般も天然資源局に相談に参りまして、どうかして漁区の拡張をしてもらいたいと、政府といたしましては正式に懇請いたしたのであります。なお捕鯨船隊の増加等も懇請いたしておるのであります。そういうふうな事情に置かれておるために、從つて魚介類の統制がある程度強要されることもやむを得ないのであります。しかし今日の事情は、先ほど安本からも説明されたことと思いまするが、國民の経済事情もありますのと、また前とは食生活がいくらか緩和された点もあるのでありますが、水産面の配給が拒否されるという事実があるのであります。どれだけのものが拒否されるか、統制によりますと、八〇%以上が拒否されているということも言われるのでありますが、これが現実に拒否されたのか、拒否されたとしてさように取扱つているのか、その点についても多少の疑いがあるのであります。事実において末端配給をいたさんといたしましても、消費者がいりませんということがはつきりいたしておりますことは事実であります。しかしいずれの家庭におきましても、相当の魚肉の供給は必要でありますが、魚肉の供給を規則的にこちらの考え方のみによつて配給するよりも、むしろ消費者の意思によつて配給を受けるというふうにしたらどうかと考えるのであります。これはいつかも申しましたが、一箇月なら一箇月の配給期間のクーポン制にしまして、消費者がほしいときに登録店でそのときにある魚類をそれと引きかえにもらうというようにすることが、消費者の便宜ではないか、こういうことも考えているのであります。なお連合軍は、そういう立場でありますので、今日のように八〇%以上も拒否されるのではいかぬでないか、これは違法の取扱いをしておるのではないか、さらに一層強化せいという趣旨もあるのであります。今日の情勢では、消費者がそれだけ要求しないという現実面もあるのでありますが、しかし統制の面におきましては、大衆の必要といたさざるものはできるだけ統制から除いて行つたらよかろうではないかということを考えておるのであります。今一々これこれというものを例示するわけには参りませんが、漸次実情に即しまして統制を緩和する、あるいは統制の方式を変更するということも、関係方面と協議を進めて行きたい、かように考えておるのであります。この面につきまして、日本の食生活の実情をよく関係方面にも話しまして、現実に沿うように、漁業者も迷惑を少くし、消費者も希望は満足できるように、統制方式を是正して行きたい、努力をいたしたいと考えておるわけであります。  なお魚肥の問題でありますが、これは御承知の通り、一時飼料として取扱いをしたのでありますが、飼料として魚肥を取扱うことははなはだ不自然でありまして、日本の肥料事情から見ましても、当然これは肥料として取扱うべきであります。ところが魚肥の價格の問題でありますが、魚肥の價格をある程度抑制しておることは、肥料の欠乏のために、非常に魚肥が農業者から要求されて、りつばに食料にまわるべき魚類が、ことさらに肥料として生産されるという面がありましたので、食用の魚の價格と肥料の價格との関係から、比較的魚肥の價格が抑止されておつたのだろうと思います。しかし今日の食糧事情も相当に緩和されておる時代に、さらに肥料の要求がやかましく叫ばれておるわけでありますから、相当價格についても物資廳で考慮を拂いつつあるわけであります。從來は御承知の通り飼料としてこの魚肥を取扱つておつたのでありますが、こんなものはまつたく形式だけでありまして、これは飼料にすべきものではありません。当然これは肥料として價値のあるものであり、油をしぼつたあとはことにいい肥材でありますから、肥料として取扱うのが当然なのであります。こういうようなものも、水産の状況から見まして、この統制を撤廃するということに考えなければならぬと思うのであります。私の方針としては、かようなものはできるだけ統制を撤廃したいという氣持を持つておるのでありますが、この間飼料からこれを解放いたしました後においても、それを全部解放してはいけない、肥料なら肥料として、集積配給を系統的に、はつきりそのルートを明らかにするように措置しなければならないということになりまして、魚肥の集積機関を設け、またこれが、名府縣の必要なる需要者との直接の結びつきをつけるという制度を設けざるを得ないようになつたのであります。價格の面につきましては、今後肥料という立場から、食糧の價格、農産物の價格等と勘案いたしまして、適当に是正をして行きたい、かように考えております。これも今申しましたように、りつぱに食料になる魚が、肥料が高いと肥料にされてしまうという現実があるのでありますから、その弊害を除去できる程度の價格の適正化が必要であると考えておるわけであります。
  59. 玉置信一

    ○玉置委員 ただいまの大臣の御答弁で大体満足いたしますが、最後に一言要望しておきたいことは、食料になるものを、ことさらに肥料につくることは、内地にどうかしりませんが、北海道の現段階においては絶対にあり得ない実情でありまして、多量に漁獲された鮮魚を内地送りをする場合に、鉄道ないし船舶を利用して出そうとしても出せない場合、自然肥料としてつくる場合が多いわけであります。そういうことでありまして、この事実を特に御認識を願いたいことと、それから肥料統制規制によりまして、今日集荷機関がそれぞれ設けられたのでありますが、この内容を関係業者から聞いてみますと、ほとんど戰時中において行われておるごとき統制方式をもつて臨んでおるわけであります。現内閣に自由方式をモツトーとして、すべて立たんとしておる。この方針に即應して、できるかぎりひとつこれを緩和し、なるべく自由意思を取入れた集荷配給の方法に是正されるよう、特段の御配慮をお願いしたいと思います。
  60. 砂間一良

    ○砂間委員 統制の問題に関連して、二、三の点につきまして大臣に御質問申し上げたいと思います。第一は現在魚の生産者側價格が非常に安いことであります。やみに流れたりなんかすることも、その一つの大きな原因はここにあるのであります。この魚の生産者價格を、もつと引合う程度に引上げる意思はないかどうかという点。  それから第二には、生産者と消費者との間の中間の機関があまり多過る。特に荷受機関なんかありまして、せつかく出荷して來たものを拒否したりして、それを自由販売することもあるということでありますが、最後の消費者價格と生産者價格との間に非常に大きな開きがあつて、中間搾取というものが非常に多いわけであります。この点にかんがみまして、もつと出荷配給の機構を簡單にして、一言にして言えば生産者と消費者とを直結するようなふうに改善する必要があるのではないかと思うのであります。それについての御意見。  それから第三点といたしましては、魚のようなものを全國画一に統制するということは、およそ不合理だと思うのであります。特に生のものを――豊漁や不漁がありますし、また需要なんかにしましても、山村と大都市というふうでいろいろ違うと思いますが、それを全國画一的な價格で統制するということは、いろいろ不合理があると思うのですが、それを地方的に統制するということを考えておられないかどうかというこの三点。  それからなお資材の点に関連いたしまして、現在底引とか、かつお、まぐろとか、こういう大きな船は、出漁をする前に基本配給を受けまして出て行くわけなのでありますが、漁があつてもなくても基本的配給は受けておる。ところが沿岸漁民になりますと、供出にリソクして資材の配給を受けることになつております。しかし漁というものは不定でありまして、沖へ出かけて行つて油を使つて、網をいためて、魚が何もとれないとかいう場合にも、現実に供出をしなければ資材及び食糧の配給を受けられないということは、はなはだ不合理だと思います。資材や食糧の配給を、リンク制ではなく、全部基本配給にする方針があるかどうか。  それから現在資材調整事務所がいろいろ物資を扱つておるわけですが、非常に不正というか、やみ流しというか、そういうことが全國的にいろいろあるようです。そこで資材や食糧の配給をもつと民主的な方法でやる必要がある。私の考えを率直に申し上げますと、たとえば協同組合なんかを中心にしまして、とれた魚をその價格で地方的に供出し、それをすぐ基本配給の線に沿つて物資の配給を受けるようにすれば、いろいろな弊害が除去されるのではないか。價格の決定なんかも、供給と需要の点を考えまして、地方的に協同組合なんかが中心になつてやつて行くようになれば、うまく行くのではないかと考えておるわけでありますが、それらの点について、そういうふうに今の統制を改善して行くということを考えておられないかどうか、以上の点につきまして大臣に御所見を承りたいと思うわけであります。
  61. 森幸太郎

    ○森國務大臣 先にお述べになりました三つの問題、これは実に私も同感なのであります。一体時期と、時間と、量、この三つに支配されるものを、同一價格によつて統制して行くというところにむりがあるのであります。けさとれた魚と夜とれた魚、あるいは大漁のときと、不漁のとき、それから最もいい季節のときと、あるいは悪い季節のとき、こういうものを同一の公定價格にして行くということが不自然なのであります。われわれが統制撤廃を考えるのはここにあるのであります。蔬菜などはこの点において撤廃を強調いたして実現したわけでありますが、先ほどもお答えいたしました通り、何分生産の主要資材に連合軍の特別なる好意が寄せられておるために、そういう自由な立場において、力ある者が多くとり、力なき者は食べたくとも食べられないということがあつては、足りない物資としてはいけない。これは適正なる配給をし、國民の保健上ある一定率を食べさせなければならないという氣持で、統制が置かれてあるのであります。この原則に基きまして、不自然な統制が今日行われておるのであります。これは何とかしてこの原則に基いて生産された漁獲物が、ほんとうにその價値を現わすようになる方法はないかということを、今日考えなければならぬのであります。なかなかこれはむずかしい問題でありますが、今日の段階といたしましては、やむを得ないのではないかと思うのでありますが、價格の面においてこれは是正し得られるのではないかと思うのであります。この点につきまして安本なり、物價廳といたしましても、十分研究を進めておつてくれるわけでありますが、政府におきましては、この水産局に対する原則を失わぬ上におきまして、今お述べになりましたような水産物のほんとうの價値を現わして行くというふうに、價格の面において是正の方針を考えて行きたい。かように考えるのであります。  なお中間機関の搾取の点でありますが、これはまことにごもつともでありまして、何とかして生産者と消費者との直結ということは、いずれの業態でも考えられることでありまして、ことによりますと、トンネル機関でありまして、ただ帳簿を通過しただけで手数料をとられるという統制の形式がありますが、生産者といたしましても消費者といたしましても迷惑をこうむるのであります。だといつて、全然これを今日の運輸配給等の機構から考えまして、集荷あるいは配給の機関を全然無視してしまうというところまで今日の経済組織が進んでおりませんが、できるだけ中間の機関を除去いたしまして、生産者と消費者がなるべく近寄るような組織に持つて行くことは、いずれの産業においても必要でありますが、水産業におきましても、できるだけそういう煩雑な機構を除去いたしたい。かように考えておるわけであります。  また画一的な統制はいかぬではないかということは、まことにごもつともでありまして、日本の現状から見まして、これをどこでもかしこでも画一的な統制をやつて行くということに統制ということの矛盾不合理があるのであります。この点もお氣付きのように、われわれといたしましても、是正して行かなければならぬという点は相当考慮いたしておりますので、できるだけこういうこともあまり画一的にわたらないように考えて行きたい。かように考えるのであります。  なお資材の配給の面でありますが、これはお話の通り、きようは魚がとれようかどうかということは、大きな希望を持つて船出をいたしましても、その日の都合によつてはほとんど漁獲がなかつた。かえつて漁獲がなかつたときには、よけいに油を消耗したり、資材を消耗したりするのであります。豊漁のときは資材の消耗がなくて、うんと魚をとる。こういうときはかえつて油を使わなかつたというようなこともあるのでありますが、リンク制で魚を出さなければ資材はやらない。こういうことになつておりますので、こういうところに漁業を営む上についての矛盾があるのであります。こういう点につきましても、できるだけ関係方面の認識を深めていただくように努力はいたしておるのでありますが、漁がきまつてあればけつこうでありますけれども、今申しましたように、勢い込んで船出しても、空でもどつて來たということも事実あるのであります。そうしてより以上の資材を使つているという実情があるのであります。何を申しましても、血の一滴と言われるような油であり、これを連合軍司令部から配給を受けておるような情勢でありますので、今日のやり方といたしましては、関係方面との事情やむを得ないやり方と御承知願いたいのであります。しかし大きい漁業の遠洋漁業というようなものに対しましては、前もつて資材を配給いたしておりますことは、これはその業態の性質上やむを得ない情勢になつておるのでありますが、この点も事情御了察を願いたいと思うわけであります。なお調整事務所の取扱いにおいて、資材をやみに流しておるというようなお話でありましたが、調整事務所として、こういう貴重な資材を配給いたしておりますものは、本省より直接各府縣に割当てまして、その割当によりまして、これを執行するのでありますから、不必要なものは決して割当はいたしておりません。申請しておるものの全部はとうてい割当られないような情勢でありますから、また割当てましたものが、はたして割当てた人がそれをうまく利用しているか、活用しているかということも注意を拂つておるわけでございますから、この方面からは、やみに流れるというようなことは全然ない。またそういうふうな不確実なところには、断じて配給しないということを御承知願いたいと思います。  なお協同組合の利用の問題でありますが、これは地方の漁業の実態によつて考慮しなければならぬと思いますが、現に水産業会が水産協同組合となりまして、こういう方面に対しましても、協同組合自体の仕事として集荷し、集荷の機関としてこれは現在もまた將來もそういうような方面に大いに活動してもらはなければならぬ。かように考えたわけであります。
  62. 松田鐵藏

    ○松田委員 私どもは選挙に際しまして、生鮮魚介の統制撤廃をスローガンとして公約して参つたものであります。大臣も民主自由党出身の大臣としまして、ただいままでのいろいろな議論をも、また御体驗をも知り得ておることだろうと存じます。今日この会談におきまして、安本の御意見では、なかなか現在の段階といたしまして、資料の整備をしないうちは、この生鮮魚介の自由販売を、とうていなしがたいような事情にあるというような御意見のように私は思われるのであります。この点十分に御調査を願いまして、一日も早くわが党の公約である自由経済、すなわち生鮮魚介の撤廃をお願いしたいと存ずるものでありますが、ただいまにおける段階といたしまして、水産廳、安本において樹立されんとしておる試案に対する意見を、せめてもこの会期中に発表し、現段階として統制を緩和するようにお願いしたいと存ずるものであります。この点に対する大臣の御所見を伺いたいと存じます。
  63. 森幸太郎

    ○森國務大臣 私は統制は根本的にきらいなのであります。しかし統制せざるを得ないような日本の経済情勢であるのであります。一つの統制をやめますと、十の統制がくずれて來るのであります。それですから、一つの統制を碎くといたしますと、十の統制を碎く準備が要るのであります。一たん統制をいたしますと、そのものは統制をはずすことができましても、それをはずすことによつて、さらに付随して十の統制をはずして行かなければならぬ。一と十と限つたわけではありませんが、そういう複雑な関係があるのであります。水産物におきましても、今申しました國民の保健上欠くべからざるものと認められるものは、これはやはり食糧確保の上、また総合食糧の上から申しましても、統制をして行かなければなりませんが、統制をして何らの價値のないものがある。そんなものはどんどん統制外に置いていいと私は思うのであります。ところが今日統制のために非常に利益を得ておる業者が多いのであります。統制を撤廃しようというようなうわさが立ちますと、統制をはずされては困るという、非常な猛烈な反対運動が起つて参るのであります。一つの品物を名指してはかえつて悪いと思いますが、その品物が長い間におきまして、何ら價値がかわらない。そうして價値のかわらぬもので、また相当生産されるもの、いわゆる貯蔵がきき、相当量のあるものが統制されておる。それを統制をはずそうとすれば、それをはずすことによつて不利益をこうむる業者が、非常に反対をするのであります。それが何だか輿論のごとく聞かれまして、遂にせつかく統制を綬和しようと思いましたことが、途中から強化せざるを得ないような面が起つておる事情であります。そういうことに阿責なく、必要欠くべからざるものは統制しなければなりませんが、統制しなくてもいいものは、これはいかに業者がそういう私的立場から反対いたしましても、統制を緩和して行きたい。かような考えを持つているのであります。今日なんぼ私が統制がきらいだからといつて、ピンからキリまで全部統制を緩和するということは、いろいろの事情があり、また簡單にさようなことはできませんが、漸次いろいろな統制方式を変更いたしまして、そうして國民生活に寄與をいたすように是正して行きたい、かように考えておることを御承知願いたいと存じます。
  64. 砂間一良

    ○砂間委員 先ほどの問題に関連いたしまして、もう少しお伺いしたいと思います。先ほど大臣は、漁業の実態にかんがみまして、基本配給にする方針が正しいと思うけれども、諸般の事情でなかなかそうも行かないというふうに言われたと思うのですが、事実遠洋漁業のような場合には、基本配給を受けてやつているのですが、沿岸の零細漁民なんかに、リンク配給というこれまでの形だと、まつたくもう経営が立つて行かないような状態になつて來ておるのです。ぜひこれは資材及び食糧の点について、基本配給にしていただきたいという希望を一つ申し上げておきます。  それから油の配給につきまして、大体この配給は需要者に直接配給するというのが原則だと思いますが、愛媛や高知におきましては、漁業会に配給されている。しかも漁民が非常に最近貧乏で金がないために、配給を受ける資格があつても、網だとか、その他のいろいろな資材を実際とりに行くことができない、もらうことができない。それで漁業会に配給して來ているのですが、漁業会では持つているけれども、それを実際に漁民が受取る金がないものですから、漁業会に資材が残つている。それを漁業会が横流ししておるというふうな事実があるわけなのであります。こういうやり方に非常に間違つておるのではないかと思います。大体漁業会みたような團体に配給するということ自体が、法令違反じやないかと思うのですが、この点についてどうお考えか、ちよつと一言お伺いしたいと思います。
  65. 森幸太郎

    ○森國務大臣 石油だけがリンク制になつているわけでありますが、石油は御承知の通り、ああいう関係の品物でありまして、團体の配給はいけない、個人割当に切符が切られるのであります。しかし今日の漁業協同組合といたしましては、協同漁業者が集まつたひとつの團体でありますので、この漁業協同組合がかつて漁業会と申しました時代に、政府が助成してタンク等の設備をいたしたのであります。また小さい漁業組合におきましても、ドラムカンを持つとか何とかして、相当貯蔵準備をしているのであります。それでありまするから、割当は個人に割当てるのが原則でありますが、個人に割当てたものを、一時的に漁業会の貯蔵設備にこれを貯蔵するということは、その土地の事情で一般の石油配給業者がないというような場合においては、利用してさしつかえないと思うのであります。それで今お話のように、個人に配給すべきものを漁業会に配給しておる。ところが個人が油なり石油をもらう金がないためにもらいに行かない、もらいに行かないからこれがほかへ流れるというようなおそれがあるというお話でありますが、これは個人に切符をやつても、金のないものに期限が経過してもらえぬということになるのであります。それでありまするから、私はそういうような漁業で資金のないというような人に対しては、漁業組合がその漁業組合員の内容がよくわかつているわけでありまするから、その仕事を信用して、そしてこれに漁業協同組合がかわつて一時その油を受けて、漁業者に配給するという親切があつて、初めて私は漁業協同組合の目的を達するのではないかと思うのであります。個人では今金がなくて買えないが、漁業協同組合から一時金を出して、切符で油を受取つてもらつておいて、そしてこれを組合員が配給を受けて、その配給した漁業者に対しては、その漁業者の忠実なる漁業の働き、漁獲があるということを担保として信用いたしまして、漁業協同組合はそのめんどうを見てやる。これが漁業協同組合設立の趣旨であると私は考えるのであります。そういうものを横流しするというようなことは、できようはずもありませんし、また切符が個人に切られておるのでありますから、一時的にこれを貯蔵いたしておりましても、やはりその切符と引きかえでなければこれが配給ができ得ないのであります。もしも漁業協同組合がそういう不正なことをやるようなことがあれば、断じてこれは不都合な次第でありますので、取締ることは決して躊躇いたすものではないのであります。ただ漁業協同組合といたしましては、力があろうがあるまいが、ひとつの組合をつくつて、お互いに助け合つて漁業を営むということのためにできた組合でありますから、そういうふうに組合を指導して行きたい、かように考えておるわけであります。
  66. 石原圓吉

    ○石原委員長 時間の余裕がありませんから、もう一人くらいで……。ひとり簡單に願います。
  67. 田口長治郎

    ○田口委員 東畑政府委員にちよつとお伺いします。先ほど野菜、練炭なんかのマル公をはずされた理由といたしまして、マル公とやみ價格及び実効價格が大体接近をしておる。そして將來もこれが持続ができる。こういう見通しがついた場合においてマル公をはずすのだ。こういうようなお話がございました。水産物につきましては、まだそこまで達していない、こういうようなお話のように承つておるのでございますが、昨今の生鮮食料品、ことに鮮魚の状態を見てみますると、先ほど松田委員からお話になりましたように、ほとんどマル公を維持できない地方が大部分でございます。わずかに関東の一部が少し維持している。関西及び九州方面はほとんど維持ができていない。また製品につきましては、夏堀委員から御説明がございましたように、ほとんどマル公を割つているような実情であります。安本といたしましては、消費者が購入する價格、これは御承知の通り小売業者が拒否いたしまして、持つて行つたものを適当に売つている價格でございます。この價格をもつて一般の水産物の價格問題を押えるということは、どうかと考えるのでございます。われわれかわ申しますと、ただいま鮮魚も製品もマル公をほとんど割つている実情でございますから、もしただマル公とやみ実効價格が一致をしているというような見地から申しますと、すみやかに鮮魚あるいは製品のマル公をはずされる時期に達しておる。こういうふうに考えるのでございますが、この点ひとつさらに再調査を願いたいのでございます。  さらに、このマル公を撤廃することがほかの理由によつてどうしても撤廃ができない。そういうような理由がありますれば、何か現状の配給方法、統制方法ではいけないという点から申しまして、何か改善の案を持つておられますかどうか。仄聞するところによりますと、水産廳ではクーポン制の案を持つておられる。こういうことを私らは聞いております。このクーポン制ということについては、いろいろ欠点もありますけれども、大体現在の購買力の減退しているために、せつかく割当てられたものを経済的に引受けることができない実情にある。こういう意味から……。
  68. 石原圓吉

    ○石原委員長 田口君、ちよつと要点だけ願います。説明はまた次の機会に願います。
  69. 田口長治郎

    ○田口委員 ひとつの進歩であると考えるのであります。こういうほかに安本に案がないといたしますならば、このクーポン制などについて、水産廳及び安本等よく御研究くださいまして、こういう案をすみやかに実行していただく。こういうこともひとつの改善方法ではないかと考えるのでございますが、この問題につきまして御研究になりましたかどうか。御研究になりましたら、その経過がどうなつたかということをお伺いいたしたいのでございます。以上二点についてお伺いいたします。
  70. 東畑四郎

    ○東畑政府委員 消費者價格の問題でありますが、私の申し上げましたのは、先ほど申し上げました通りに、先月末までのことを申し上げました。ごく最近まで日本におきましてはそういう統計がないために、まだ現実の消費者統計で論ずるわけには行かないものでありますから、そういう答弁をいたしたのであります。現実的にマル公とやみ、実効價格というものが合つておれば、野菜と同じく私はそういう統制撤廃をし得るという認識に立つてもよいのではないか。もちろん消費者價格が高いのは物の需給の面じやなくて、別個のマル公があるために悪いとあれば、その配給機構そのものの欠陥を是正する。こういうふうに実は考えるのでありますが、いろいろ御專門にわたる御意見でありますし、私個人的に申し上げますれば、実は專門でもございませんので、なおよく調査をいたしまして、改善いたしたいと考えております。ただいま政府の方で改善の案があるか、ことに水産廳の方でクーポン割の案があるかどうかというお話のようでありますが、かねがね水産廳事務当局の方でそういう御案があることは、間接に伺つております。安本当局の方でもいろいろ案を考えておりますが、実は関係方面等からも現実に実効價格が高いではないか。これをどうするかということについて、農林省の方と私とが呼ばれまして、至急これの具体案を立てろという内々のお話が実はあつたのであります。われわれ水産廳の担当の方で、目下いろいろの具体案につきまして、案をねつておるのであります。ただいまのところ実は政府としての決裁を得ておりませんし、ここでこういう案だとは申し上げられませんが、われわれとしても目下至急に案をねるべく準備中であります。何ぶん水産委員会にこうきまりましたと申し上げる段階に達していないことを御了承願いたいと思います。
  71. 石原圓吉

    ○石原委員長 時間の関係で本日は資材関係はこの程度でとどめたいと思います。     ―――――――――――――
  72. 石原圓吉

    ○石原委員長 次に漁業法案及び漁業法施行法案を一活議題に供します。鈴木君。
  73. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 漁業法の一部改正法律案につきまして、農林大臣にお尋ねいたします。今回の改正法律案の中で、免許料及び許可料を徴収いたしまして、漁業権買上げの補償と、さらに漁業調整委員会の運営に要する費用とにこれを充てる、こういう案の内容になつておりますが、漁業権の補償にこれを充てることは首肯できるのでありますけれども、漁業調整委員会の運用に使う経費は、これは当然行政費でありまして、このように行政に要するところの費用は、國家において当然負担すべきものと考えるのでありますが、この点につきまして、調整委員会の運営に要する費用は、國家の経費においてまかなうように、御処置をされる御意向はないかどうか。この点をますお伺いしたいと思います。
  74. 森幸太郎

    ○森國務大臣 御意見のあるところ一聞ごもつともに感ずるのであります。すべての行政の経費につきましては、國家が当然負担して行く建前になつておるのでありますが、今回の水産、漁業界に対する行政措置として、今お述べになりましたような措置をとつたわけでございまするが、これは將來の行政措置の上において考慮を拂いたいと思うのでありまするが、現在の考えといたしましては、この法案に示している方向によるべきであるという結論を持つておるのであります。將來につきましては、この法の実施に伴いまして、また國家の財政等の関係からこれを適当に処置して行きたいと思うのであります。いろいろ國家の行政の面におきましては、独立性のものもありますし、また一般國費にこれをその面から繰入れるものもあるのでありますが、これは將來行政上考慮を拂つて、適当に是正して行きたい、かように考えておるのであります。
  75. 鈴木善幸

    ○鈴木(善)委員 大臣の御答弁は含みのある御答弁でありましたが、農地制度の改革に要するところの調整委員会の費用にいたしましても、現在漁業権の許可、免証に要する費用でも、これは國家費用でもつてやつておるのでありますから、ぜひともそういうぐあいに実現できますように、御配慮を願いたいと思います。さらにもう一点この機会にお伺いしたいのでありますが、それは今回の漁業法の改正におきましては、漁業権に関する面は、漁業の民主化と生産力の発展のために、相当の配慮が行われておるのでありますが、それは日本の漁業の半分程度を占める漁業権に依存する漁業でありまして、その他の漁業、すなわち許可漁業の大きな部分につきましては、何らの対策が講じてない。日本の漁業の大きな部分を占めるところのこの許可漁業の制度を根本的に、今回の漁業権改革と併行しておやりになる御意思があるかどうか。許可漁業の改革のために單行法を近き將來にお出しになる御意思があるかどうか、この点をお伺いいたしたいと思います。
  76. 森幸太郎

    ○森國務大臣 これは將來考慮を拂つて行きたいと考えておるのでありますが、今月の民主化の上から、一應地方自治体に対する相当の権限を附與して行くということは、國自身の建前としては当然でありますが、それを逸脱するようなことがありましては、國家的立場から考慮を拂わなければなりませんから、將來におきまして、あるいは單行法を設けて、そういう逸脱せないような制度を設けて行かなければならぬような段階になるのではないかと考えておるのでありますが、できるだけ地方自治体の権限に委讓して行きたい、こういう氣持を持つておるわけであります。
  77. 石原圓吉

    ○石原委員長 この程度で打切ります。     ―――――――――――――
  78. 石原圓吉

    ○石原委員長 この際お諮りいたします。去る十三日議院運営委員会において、本委員会に理事二名の追加増員が決定いたしましたが、これは互選を省略して委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 石原圓吉

    ○石原委員長 御異議なしと認めます。委員長においては、松田鐵藏君及び早川崇君の両者をそれぞれ理事に指名いたします。  これをもつて本日は散会します。     午後一時五十分散会