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1949-10-04 第5回国会 衆議院 経済安定委員会 23号 公式Web版

  1. 昭和二十四年十月四日(火曜日)     午前十一時二十五分開議  出席委員    委員長 小野瀬忠兵衞君    理事 中村  清君 理事 前田 正男君    理事 森   曉君 理事 森山 欽司君    理事 高田 富之君 理事 金光 義邦君       志田 義信君    中村 純一君       福井  勇君    細田 榮藏君       高橋清治郎君    横田甚太郎君  委員外の出席者         経済安定事務官 谷林 正敏君         経済安定事務官 藤瀬 五郎君         物価庁次長   福島 正雄君         経済安定事務官 渡邊喜久造君         中央経済調査庁         次長      奧村 重正君         経済安定事務官 山口鐵四郎君         通商産業事務官 武内 龍次君         通商産業事務官 岡部 邦生君         專  門  員 圓地與四松君         專  門  員 菅田清治郎君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  本年度輸出入計画に関する件  物価と統制問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 ただいまより会議を開きます。  本日議題に供しました本年度輸出入計画につきましては、すでに前回の委員会におきまして当局より詳細なる説明を聽取いたしておりますので、これよりただちに質疑に入りたいと存じます。質疑は通告順にこれを許します。前田正男委員。
  3. 前田正男

    ○前田(正)委員 まずお聞きしたいことは、この前本年度の輸出入計画の総括的な表をいただいたのでありますが、その後相当情勢の変化があつたように思いますので、その結果これに対しまして多少修正した輸出入の計画を、安本案として持つているという話でありまして多少修正した輸出入の計画を、安本案として持つているという話でありまして、まだ総合的な政府案としての案ができてないように聞いているのでありますが、まずそれがいつごろできるのか。あるいはまたそれに対してどういうふうな見通しをもつて、修正輸出入計画をいつごろに発表できるのか。その点からまず伺いたいと思います。
  4. 谷林正敏

    ○谷林説明員 お答え申し上げます。前回の委員会におきまして、大体の点を一括御説明いたしたのでございますが、ただいまの御質疑によりまして、その後の情勢によつてどういうぐあいにかわつたのに対処するか、その計画はいつごろできるかという御質問でありますが、御承知のようにいろいろ情勢の変化もございますが、一番多い情勢変化は、九月十八日に発表されましたポンドの切下げでございます。それに対しましては、現在できるだけ各地の情報を集めております。同時に、各業界のこれに対するいろいろな実情を調べております。その方を勘案して輸出計画にもし訂正の要があれば訂正をしたいと思つておりますが、この方は即座にやつてはみましたが、やはりいろいろ情報の十分でないことと、各地において現われている物価に対するいろいろな動きというものも、直後の激変からまだおちつきを見せておりませんので、若干の日にちはかかるものと思います。輸入の方も現在関係方面といろいろ毎日のように打合せをしておりまして、この方にもまだ日にちがかかると思いまして、これの見通しが両方できますのは、やはり今後一月くらいかかるかと思つております。
  5. 前田正男

    ○前田(正)委員 今回のポンドの切下げ問題につきましては、また別に御質問することにいたしまして、その前に実は民間及び公団におきまして、滯貨問題が相当問題になつておりまして、これに対して政府その他いろいろと対策を講ゼられたように聞いておるのでありますが、あまり積極的なお話を聞いておりませんので、これについて根本的に責任ある方針をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  6. 岡部邦生

    ○岡部説明員 お答えいたします。世間で滯貨が非常に多いというお話もありまして、この前資料を差上げてあると存じますが、現在の輸入滯貨につきまして申し上げますと、いわゆる滯貨と称さなければならないものは、七月末で纖維公団関係のものが約十億ぐらい、鉱工品公団関係のものが六十億ぐらいでございまして、そのほかのものは大体ランニング・ストツクだというようにお考え願つてけつこうだと思うのであります。それで輸入滯貨の処分につきましては、極力用途の変更を考えまして拂下げを促進する。あるいはさらに品質その他の点で相当値引きをしなければならないものがございますので、そういうものにつきましては価格等を考えまして早く処分いたしたいということで、目下その方針に沿つて努力している次第でございます。輸出滯貨につきましては、鉱工品公団関係のものが約二十億ぐらいでございますが、これらにつきましては、大体計画生産時代につくりましたものがおもでございまして、こういうものは用途の変更をいたしましても出て行かないものもございますので、これらは国内処分を極力促進するということをいたしましたり、あるいは時期を待てば輸出もできるというようなものもございますし、そういうものにつきましては極力滯貨をなくするというような態度で、ただいまやつている次第でございます。
  7. 前田正男

    ○前田(正)委員 大体詳細のことはこの前伺つたのでございますが、その中で特に問題になつている点について、御質問いたしたいと思います。まず第一に民間及び公団におきます滯貨に対しまして金融的な処置をする、これをあつせんするということは、かねて考慮されておると聞いておるのであります。それに対しましてどれだけの盡力をされたか、あるいはまた一体どういう方面の融資をされたか、こういう方面からお話を伺いたいと思います。
  8. 岡部邦生

    ○岡部説明員 民間の滯貨に対する金融というものは、ただいまのところ適当な方法がありませんのでやつておりません。
  9. 前田正男

    ○前田(正)委員 これに対して民間側は非常に滯貨処分に困る、ぜひ何とか金融的な処置をしてもらいたいという要望が出ておりまして、要するに短期の回転の融資をふやせばいいのではないかとわれわれはこう思つておるのですが、こういうふうな点だけでは根本的な解決はできない。そこで一番問題になつて来るのは、輸出入に対します政府のいろいろな統制事務というものは、この際ある程度大幅に撤廃することが必要ではないか、こう考えられるのです。そこでこの前にも御質問したのでありますが、愼重な検討をして、祕密でなければ話はできないということで、正確な御返答をいただけなかつたのでありますが、ドル・プライスの撤廃ということがまず政府の滯貨処理の第一問題ではないか。短期融資だけをいじくつてみましても、根本の問題は出て来ないのではないかと思うのですが、この点についてもうしばらくすれば発表する時期があるというようなことを、この前御返事をいただいておつたのですが、その後ドル・プライス、フロア・プライスはどういうように処理されたか。発表できるならば聞かしていただきたいと思つております。
  10. 岡部邦生

    ○岡部説明員 ドル・プライスの問題につきましては、輸出促進の見地からこれをある程度やらなければならぬことはよくわかつておるのですが、ただいままだ折衝中でありまして、もうしばらくお待ち願いたいと思います。
  11. 前田正男

    ○前田(正)委員 次に今後の輸出方面の問題について御研究になつていると私は思うのですが、いろいろと輸出業者の方々のお話を聞いてみますと、非常に足をしげく運ばなければならない、書類が複雑で何枚も出さなければならないということで非常に困つております。そこで政府の方としては統制事務を減らして行く一方、また業者に対しましては政府は相当の輸出補償をするとか、いろいろ考えておられることがあると思うのですが、輸出計画に対しまするところの今年度以降の政府の大体の方針をお持ちでしたら、御説明願いたいと思います。
  12. 谷林正敏

    ○谷林説明員 輸出に関しましていろいろの妨げのことがある、それを何とか打開して行くことが貿易を促進する根本であるというお話でございます。まことにもつともなことでありまして、われわれ政府といたしましては、それに対して全力をあげて、なるべく早くこれが実現を見るように努力したいと思つております。ただ関係筋とのいろいろな交渉がありまして、すぐ私どもの思う通りにできないという点もあつて、その間若干の遅延があるということは御了承願います。まずいろいろ考えておりまして、その順序は前後いたすかもしれませんが、輸出補償の問題であります。輸出金融補助のため、貿易手形いわゆる貿手の制度ができましたが、業者の信用程度が十分でないということと、輸出先の信用程度、つまりキヤンセルとかあるいはクレームとかが起るというような問題がありますために、銀行が金融する程度が非常に低く、大体四割程度くらいの金融しかできない。これではどうしても輸出業者の金融を補助するというような点に至らない点が多かつた。何かこの銀行が安んじて金融ができるような制度を考えておりまして、輸出保障制度というようなものを、今度の臨時議会に提出御審議を願いたいと思つておるのであります。この輸出補償制度が実行されますと、銀行側といたしましては業者に対する金融の上に相当の補償が得られ、それで貿手の金融というものも円満に行くと考えております。それからいろいろ輸出手続の上における手続の煩瑣なこと、これをなるべく改良してほしいというようなことが業界の一般の要望でありまして、これに対しましては通産省の方で日常の仕事をしている上において、できるだけ簡素化しておるように見受けております。書類の通数のごときも一昨年の初めごろは相当なコツピーがいるというようなことが、業界のいろいろな一口話にもなつておつたのでありますが、最近次第にそれは簡略されております。これはなお今後ともできるだけそういう方面に進んでもらうように、われわれの方からもいろいろ助言もし相談にも乘つて、実現に移して行こうと思つております。そのほか外貨保留制度によりまして、外国に業者がじきじきに行つて現地を見るということが非常に必要なのでありまして、これは私どもといたしましても早くあの制度が実行に移され、一人でも二人でも業者が外地に出るということを希望しておるのであります。まだ遺憾ながらその実現に至つていないように見受けておりますが、これはぜひ早く進捗されんことを政府の一員といたしましても考えております。最近のポンド切下げその他の問題がありましても、業界はもちろんのこと、私ども政府当局の方にいたしましても、外地の情報がさつぱりわからない。すぐに対処する方法がないということで、非常に弱つておるのでありまして、外地に業界が進出して行くということが、これまた輸出促進の一つの方法であろうと思うのであります。  次にしばしば問題となつておりますCIF制の採用でありますが、日本船を全的に使えなければあるいは外船のチヤーターによつても、ともかく輸出をCIF建で引合いができるようにすることは従来も必要でありましたが、あのポンド切下げによりまして、ポンド地域とのいろいろな競争が起つて来るという場合に、運賃あるいは保險料の上で競争ができるということが、望ましいことだと思つております。  それから先ほどお話がありましたフロア・プライスの撤廃というようなことは、現在その方向に向つていろいろ通産省の方において折衝中と聞いておるのでありますが、私ども政府の一員としての希望といたしましても、これはなるべく早くその方に持つて行つてもらいたい。それで最近の情勢に対して値段の上の競争ができるというようなことが望ましいと思つております。その他あるいは業界における不当な競争に対して、何か適当な対策を講ずる、あるいは業界それぞれの自粛的協議によつて、あるいはそのほかの申合せによつて、これがだんだんと自主的態度に出て来るようにするということが必要でありまして、最近一部に聞きますような、やや品質の惡いものが出て行くというようなことが今後は絶対にないように、値段の上においても拔けがけの功名というようなことをして、外国からダンピングのそしりをこうむるということがないように、努めて行きたいと思つておるのでありますが、これはまだここでお答えを申し上げるほど具体化しておりません。大体そういうようなことであります。
  13. 前田正男

    ○前田(正)委員 今のお話でいろいろ問題があるわけでございますが、その一番最後の値段の問題とかあるいは競争の問題等におきまして、ちよつと考えていただきたい問題があるのであります。それはこの前の委員会でもちよつと説明したのでありますが、私らの考え方におきますと、戰後政府は軍需産業の転換工場によつて高級品を出そうという計画で、そういうようなものを公団で買いつけたり、あるいは見込み生産でやつておつたが、それが大体滯貨しておるように私思うのであります。どうも出て行く日本の品物は、戰前からの需要から見ますと、やはり一般中小企業の程度から言いまして、現在一般に世界で使つております日常生活物資から一時代遅れたような程度の品物は、需要先の人情から言いましても、当然そういうような結果になるのではないかと思うのであります。従つて日本の品物はダンピングとか、あるいはまたいろいろとそしりを受けるという可能性もあるのですが、しかしまたここに日本の産業が諸外国の優秀な技術あるいは優秀な生産設備に伍して、日本独得の需要面を開いて行ける道もあるわけでありますから、政府におきましてあまりそういう優秀産業ばかりを伸ばすことを援助するとか、あるいは強力な取締りをするというようなことは、ほんとうの行き方ではないと私考えられるのであります。どうしてもこの際一番の問題は、今度のポンド切下げにおいても、その他今後起つて来る問題においても、対日レート設定のときでもそうでありますが、いろいろと起ります差額は、全部日本側の企業の合理化という線で、企業自体が自分自身でこれを吸收して節約して行かなければならないというのが、大体現在までの行き方でありますので、ぜひこういつた方面について、政府といたしましては、相当企業界の自主的なそういう合理化を援助できるような方向に行く。あまり統制を加えないようにして、できればフロア・プライス等も撤廃して、そうして自由競争のもとにこの際相当の合理化を促進するというよりほかに、適切な方法はないのじやないかと私には考えられるのです。そういつた点につきましてよくお考え願いたいと思いますが、ただ一般に中小企業に対しましては、貿易手形の運用の制度もありますけれども、十分な資金の援助とか、いろいろな方面の政府の援助とか、そういつた方面において非常に見劣りがありまして、立ち直りにどうも非常に弱いような面が強いので、こういつた面について中小企業に対しても、同等の融資をぜひやつてもらいたいと存じておる次第であります。  次に、ポンドの切下げの問題につきましていろいろ問題があると思いますが、私はその中で一番問題があると思いますのは、日銀政策委員会がこれは当分やらないということを発表したのは、政府といたしまして皆さんの方で御意見が全部まとまつてからそういうものを発表したのか。あるいはまた日銀政策委員会が独自でそういう考え方を新聞に載せたのか。その辺の経過をお聞かせ願いたいと思います。
  14. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ただいまの御質問の前の部分の、中小工業を大いに援助してやれということは、私もまことに同感でありまして、輸出産業の七割、八割が中小企業によつてできておるという日本貿易の特異性から考えまして、どうしても中小企業を援助して行かなければならぬ。そうして中小企業でできるいろいろな製品を、なるたけ東南方地方に出すということが今後必要かと思つております。まつたく御同感でございます。  第二の日銀政策委員会が発表いたしましたことは、私実はどういう関係で出たかということは詳しく存じておりませんが、私の了承する範囲内では、あれは日銀政策委員会独自の立場でああいう声明を出したものだと思つております。
  15. 前田正男

    ○前田(正)委員 銀行の方の立場でいろいろと企業に対して合理化を要求されるという点も、まことにもつともな点もあると私は思います。なるほどできましたならば企業の合理化で、今度のポンドの切下げの影響を吸收するということは望ましいことであると思いますけれども、しかしそれができるかできないかということは、もう少しく輸出入のいろいろな事情を考えてからわれわれは検討する必要がある。先ほどの局長のお話でも、愼重にまだ研究中である、あるいは世界の情報を集めているというときでありまして、そういうものを軽々に発表なさるということは、産業界として、また外国の事情といたしまして、相当影響するのではないかと思うのです。こういつた問題は、日銀政策委員会が独自で発表できる権限があるかどうかわかりませんけれども、政府とされてはもう少し研究を要することはだれが見てもわかるのであります。しかもドル・ブロツク全体との交易問題にも相当影響するのではないかと思いますので、そういつた問題につきましては、政府側からも日銀の政策委員会と御連絡願つて、調査研究の上公式の発表があるまでは、あまりそういう発表はしない方がいいのではないかと私は思つております。  次にもう一つの問題は、ポンドの今度の切下げに対しまして、窮余の策としていろいろ考えられる試みがあると思うのでありますが、バーターの問題を取上げるということが一つの方法ではないかと思います。ことに盛んに言われている日本の生活必要物資と南方米その他とのバーター問題とか、いろいろとこれの具体的な方法があり得るように思うのですが、先ほどお話のようにバーターの問題で相当品物に対しまして、集荷物等の問題で簡單には行かないと思いますけれども、そういう方面のバーターによるいろいろな新しい貿易面の打開というようなことが、相当考えられるのではないかと思います。今まで東南方の方面におきましては、日本の製品がもう少しく進出する余地があつたと思うのですが、今まで押えられておつたような点が非常に多いと思います。幸い米穀割当会議もなくなつたようでありますから、いろいろと私たち考えなければならぬ問題があるのであります。食糧の輸入計画と見合せて、新しい東南方方面の具体的な研究を要すると私は思いますが、この辺のところにつきまして、政府として少し計画とかあるいは調査をしておられたならば、その御意見をお聞かせ願いたいと思います。
  16. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ただいまの件は、ポンド切下げと同時にすぐ起る問題でありまして、私どもといたしましてはこの三割切下げという好機を利用し、従来ポンド地域から輸入ができなかつた面をなるべく早くして、これに輸出をしてやりたい。こう考えております。いろいろ商品はどういうものが転換できるか、また新たにどういうものを輸入することが、輸出の促進になるかということを考えておりますが、まだ具体的にこれこれの商品をこうするというところまでは申し上げられません。
  17. 前田正男

    ○前田(正)委員 なお通産省の関係と思いますが、見本的に船を外国に出されるという話もあつたように聞いております。まことにけつこうでありますが、ポンドの切下げに伴いまして、東南方の方におきまして新しい開拓ということのために、使節団を出すとかあるいは調査団を出すとか、この前南米にも通産省から行つたように聞いておりますが、今度東南方、タイ、ビルマインドネシア、ああいう方面に相当の使節団なり調査団を出して、政府としては積極的にこの際輸出入を見合せての貿易計画を立てられるのが、いいのじやないかと思うのでありますが、そういつた御計画があるかないかお聞かせ願いたいと思います。
  18. 岡部邦生

    ○岡部説明員 御存じのように、シヤムに最近米穀会議が行われ、それに対して米穀機械の出品をしようという計画をしております。それ以上につきましてはまだ具体化しておりませんけれども、もちろんそういう企画はわれわれとしてはぜひいたしたいと思います。
  19. 前田正男

    ○前田(正)委員 ぜひ今の点につきましては、ポンド切下げの問題は輸出の問題に相当からんでおりますから、ちようどいい輸出進出の機会にもなつて来ると思いますから、ぜひひとつこの際調査団等を出していただきたい。特にビルマインドネシア方面に日本の製品が当然出なければならないとわれわれが考えておる方面に、あまり実は今までいろいろな関係で出ていないように聞いておりますので、ポンドの切下げによつて輸入をそちらの方は有利に持つて行けるならば、それに見返りとして輸出ができる可能性が生じて来るのではないかと思いますので、ぜひひとつ御盡力をお願いしておきたいと思います。  ポンドの切下げに伴うレートの切下げがいいかどうかということについては、私どもも情報を集めておるという程度でありまして、政府の方も今の答弁で研究中のようでありますから、そういうような各方面の輸出の資料と、輸出入の計画を見合せて可能性があるかないかということによつて、初めてこの問題も真劔に研究されて行かなければならぬと思うのであります。ぜひひとつ各方面の施設なりあるいは情報を集めるということに、御盡力を願いたいと存じております。本年度の輸出入計画自身は、先ほど来のいろいろな問題で、相当の修正をしなければならぬ点もあるように思うのでありますが、問題はこの際輸出入計画自身の修正もあれでありますが、自由貿易になつておるのでありますから、輸出しようという者に対しましては、政府のいろいろなめんどうな手続とか何とかあるだろうと思いますけれども、この際なるべくそういつためんどうな手続とか、あるいはフロア・プライスに対しましてもいろいろな問題があるでしようけれども、特別の処置をもつてこれを認可するとか、あるいは輸入に対しましてはかねて問題になつております民間貿易を促進いたしまして、早くこれを実現して、なるべく全面的に民間貿易にして、民間側の需要者の意見に基いてどんどん品物を入れることができるというように、なるべくきゆうくつなわくを脱して行かないと、世界自身の大勢が非常に大きな変化をしております最中、日本だけがいろいろな自分たちの中でつくつた規則にしばられて立ち遅れをしておりますと、非常な好機を逸しあるいはまた打開する道を逸するように考えられます。どうかこの問題の一番の中心でありますフロア・プライスの問題なんかも、やかましくなりましてからすでに何箇月というものは経過しておるのでありまして、いろいろと愼重に交渉をしなければならぬとは思いますけれども、しかし相当急速にやらないことには、日本自身の貿易問題から言つても困ると思いますので、どうかひとつ政府当局といたしまして迅速な御処置を切にお願いしておきたいと思います。これで私の質問を打切ります。
  20. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 高田委員に質疑を許します。
  21. 高田富之

    ○高田(富)委員 それではちよつとお伺いいたしたいのですが、今度のポンドの切下げにつきましてただいまも御質問があつたようでありますが、これに対するこちら側の対策といいますか、あるいは日本政府としての希望でありますか、こういう点が先ほどもちよつとお話に出ましたけれども、絶対にこのために対米レートの変更はしないというふうに一応は言われております。しかしやはり生糸の相場の動きを見ましても、最近の繭の部分的ではありましようけれども、非常な値上り状態を見ましても、やはり業界においては対米レートがかわるということを予想しての動きというものが、ぽつぽつ出ておると思うのでありますが、日本政府当局としましても絶対にやらないのだ、ただ合理化だけでやつて行くのだということは、一応今の政治的な考慮から考えられますけれども、実際問題としまして輸出に及ぼす影響というものは相当深刻であろうと思いますし、このポンドの切下げにならいまして、各国ともそれぞれ力に応じて全部一様にやつておるような状態で、日本だけがこの中であくまで現在の状態のもとに合理化だけでこれを押し切れるということは、業界としても信用が置けない節が相当あると思う。そういう意味で私はここで皆さんが事務的な事務当局者としましていろいろ検討された結果、これは将来どういうふうにしたらいいか。レートをかえるか。あるいはかえずにやる場合にはどの程度の影響があるか。それに対してはどうするというような点について、相当專門的な御意見があるかと思うのですが、こちらの日本の事務当局の自主的な意見、希望というようなものをはつきりお聞かせ願いたい。
  22. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ポンドの切下げによりましていろいろの影響がある。それで対米レートその他にも結局影響があるのではないか、今ないにしても将来これに対してどういう考えを持つておるかというような御質問でございますが、三割の値下げとともに、どういうぐあいになつて来たかというようなことを、私どもとしてもいち早く調べておるのであります。冐頭に申し上げましたように、まだ全部の資料というようなものを満足するように入手しておりませんので、はつきりしたことは申し上げられないのでございますが、ただいままで集まりましたいろいろな材料によりまして、私どもが考えておるところは、現在対米レートはかえなくてもいい。むしろかえない方がいいのではないかというような結論に至つたのであります。それはポンドが切下がりまして、ポンド自身三割の切下げがそのまま有効に出て来るということが、まず第一にあるかないかの問題でありまして、もしも三割完全に出て来る、あるいはこれが多少少くても、とにかくその程度がポンド切下げによつて出て来るというようなことになりますと、まず第一に日本の競争の痛手は非常に甚大なのであります。その後の情勢を見ますと、はね上りによつて相当程度これが消されておる。もちろんその後一週間、二週間くらいのそういうはね上りは、切下げののちには当然起る問題でありまして、これがためにポンドの切下げはそのまま出て来ないということは申し上げられないのでありますが、とにかく一応出ておる。たとえばシンガポールのすずにしろゴムにしろ、あるいはロンドンでクオートされておる電気銅にしろ、七%から四五%くらいのはね上りを見せておるのであります。それともう一つは、英国自身が御承知のように非常に輸入超過国でありまして、昨年も十六億の輸出に対して二十一億程度の輸入がある。つまり五億ポンド近くの輸入をしなければならない国でありまして、その中の重要なものが生活物資の輸出原材料であるというようなことから、当然国内のいろいろな物価がはね上り、輸出品のはね上りというようなことがこれに加わつて参りまして、どうしてもそのままの切下げというものを、先方は出して来られないというようなことが一つございます。もう一つは、日本にとつてスターリング・エリア、つまりポンド地域に物が売れない。というのは、従来は値段が高いというよりも、先方にドル資金がない。買おうと思つても買うだけのわくがないということが、大きな原因であつたのであります。昨年の日英通商協定は、輸出一億一千万ドル、輸入九千万ドルというような協定をしておりますが、輸出の方はそれ以上に上まわつて、輸入はそれ以下になつておつた実情でありまして、輸出をするにはどうしても輸入をしなければいかぬ。ところが従来は三割近く高いために、なかなか輸入はできなかつたというような情勢が、今回の切下げによつてポンド地域から安く物が買える。そこでわれわれが考えますのは、今度ドルで買つて参りました物を、事情の許す限り非ドル地域すなわちポンド地域に切りかえまして、そうして輸入をふやす。それによつて輸出のわくをふやして、そこに輸出をやつて行くということをしたいのであります。ところがもしも円の方の切下げをいたしますと、せつかくやろうとするその方が結局できなくなつて、わくがふえないという難関には依然としてぶつかるわけであります。そこで今のままにすえ置いて、しばらく輸入をふやし、輸出の量をそれによつてふやして出すという方がいいのではないか、こう考えるのであります。  次にわが国の実情で考えてみましても、輸入の方の金額が相当に多い。生活物資あるいは輸出原材料、これも英国において考えると同様にやはり考えられるのでありまして、切下げによつて輸出品を安く出せるかというと、そこに疑いがあるのでありまして、なおそれらの原因に加えまして、合理化というものも先ほどのお話のように、企業の合理化のみをして、ほかを考えないというわけではないのでありますが、一応企業の合理化もある程度は進んでおりますが、まだ完全には進んでおらない。インフレの方もある程度收束の状態にはなつたが、これまたいつはね返るかわからないというような現状から考えますと、いましばらくレートというものは動かさないで、輸出増進に努めた方がよりいい結果があるのではないか。もちろんいろいろ輸出を妨げております内外の事情に対しては、われわれといたしましてあるいは関係筋にお願いして是正していただけるものはしていただいて、この際輸出を振興して行つた方がいいのではないか、こういうふうに考えております。
  23. 高田富之

    ○高田(富)委員 そうすると、ポンド地域からの輸入を今よりもふやすということでありますが、たとえば食糧等にしましても、現在ほとんどドル地域から来ているようなわけですが、これをポンド地域の方へ切りかえることは、大体の見通しとしてどの程度まで可能であるか。また希望しておるか。この点をお伺いいたします。
  24. 谷林正敏

    ○谷林説明員 お答えいたします。今食糧の御質問がございましたが、食糧その他振りかえられるものはわれわれとして今どの程度の数量か。金額として、また地域からとすればどこから輸入できるかということを調べておりますが、まだはつきりした数字を申し上げる段階には達しておりません。
  25. 高田富之

    ○高田(富)委員 米穀の割当廃止と小麦協定に入つたというようなことで、従来よりも向う側に売りたい意思が非常にたくさん出て来たと思うのです。しかも将来小麦の値段等もどんどん下つて行くというようなことが見通されるときに、日本の農業との関係もありまして、最近はいもの統制撤廃というようなことも問題になつているようなわけで、将来のことを考えますと、食糧の輸入政策は相当自主性をこちらで持つて行きませんと、重大なことになるのではないかと思うのですが、今安本あたりで考えている今後二、三箇年間における食糧の輸入に関する計画は、この二つの国際的な食糧輸出関係の変化、なお今後の見通しとあわせまして、どういうふうに計画されておりますか。
  26. 藤瀬五郎

    ○藤瀬説明員 ただいまの食糧輸入の問題についてお答えします。先ごろ来安定本部の中で経済復興計画を一応研究いたしておるのでありますが、その研究によりましても、ここ四、五年間において食糧の輸入は今年度よりも相当ふやして行かなければならない計算になつております。従つて先ごろ新聞にちよつと出ました小麦協定で、日本が百二十万トンの小麦の輸入をやるということになつておりますが、その数量は日本の輸入数量全体から見ますと、本年度においては、小麦の輸入が相当大きな比率を占めますが、先の方に参りますと、この小麦協定によつて入れる比率は相当低くなつて行くようにわれわれの方では考えております。  また米につきましては、おつしやいました通りに米穀の割当制度がなくなりまして、日本といたしましてはシヤム、ビルマあるいは仏印あたりからの米の輸入が、今後相当ふえて来るというふうなことは、十分考えられることであります。ただそういうような国々等から食糧を入れることによりまして――先ほど局長からもお話申しましたように、日本側がそういうようなところから米を買うことによりまして、向うに日本のものを買わせるというような方向が、これからだんだん開けて来るのじやないかというふうに考えております。
  27. 高田富之

    ○高田(富)委員 ついでにお伺いしておきたいのですが、小麦の輸入につきまして、何かソビエトあたりでも小麦を日本へ売りたいというような申入れがこちらにあつたというふうなことを、ちよつと聞いたのでありますが、その事情がどうなりましたか、おわかりでしたら……。
  28. 藤瀬五郎

    ○藤瀬説明員 今の御質問につきましては、私どもまだ何も話を聞いておりません。
  29. 高田富之

    ○高田(富)委員 ついでにこれもお伺いしておきたいのですが、ソビエトへの輸出関係でも、造船関係ではかなり有利な引合いがあるというようなことで、業界でも相当期待しておつたということを聞いておるのですが、こちらからソビエトへの輸出は現在どうなつておりますか。
  30. 岡部邦生

    ○岡部説明員 ちよつと私係が違いますのでよく存じませんが、私の記憶で言いますと、北樺太の石炭とバーターして木造船を出しております。その前に若干機関車を出しております。その程度だと思います。
  31. 高田富之

    ○高田(富)委員 それはいつごろだつたでしようか。そしてその後はその方面はどういうふうになつておりますか。
  32. 岡部邦生

    ○岡部説明員 木造船は今でも出ております。
  33. 高田富之

    ○高田(富)委員 それからやはり対米輸入の問題に関係いたしまして綿花ですが、このこまかい点は実は私も知らないのですけれども、今度相当滯貨があつて、綿布などを相当放出するというようになつておるのですが、綿花のアメリカからの輸入の方は、こういうふうな事態で相当減るのですか。それともずつと予定通り参りますか。
  34. 藤瀬五郎

    ○藤瀬説明員 綿花の輸入につきましては、御承知のようにアメリカで若干できまして、それで昨年入つて来たわけでございます。そのうち大体六割を輸出に向けて、四割を国内用に使えということで入つて来ておつたわけでございます。ところが御承知のように、その輸出向けとして入つて参りましたものが、相当滯貨になつておるわけでございます。その後綿花につきましてはアメリカの――これは私どもよくわからないのでございますが――援助資金の中から、昨年から漁業用の綿糸を買つておるようでございます。従いましてそういうような点から考えましても、ただいま私どもの見通しとしては、綿花の輸入はやはりそれほど減らない。減らないで今日までの輸出を六割、国内用を四割という比率に対して、もつと国内用がふえて来るというふうに今私ども見ております。
  35. 高田富之

    ○高田(富)委員 そうしますと、そういうふうに輸出の方が大分滯貨ができ、見通しとしましても相当こんとんたるものがあるときに、国内に使うということで比率をかえて綿花の輸入をやるということになりますと、対米輸入の片貿易はそういう関係ではむしろ増大して行つて、できるだけ不要なものは買わないようにして、そうして輸出できるものの原料を買うという今までの建前から言いますと、大分矛盾したことになるように思うのでありますが、その辺につきましてはこちらの政府としては、やはり対米入超の関係を早く減らして行くという建前から、もう少し綿花の輸入を手控えるという要請をするような運びにはなつていないのでしようか。全然それは輸入内需品として今後も入れるというような方針でおるのですか。何らかの意思表示をあちら側に対してやつておりますか。
  36. 藤瀬五郎

    ○藤瀬説明員 ただいまの対米貿易じりの赤字がますますふえて行くのじやないかというお話でございますが、それと関連しまして綿花を内需用に使うというようなことで行けば、対米輸入のギヤツプがますます大きくなるのじやないかという御意見でございましたが、私どもは実は今日の状態におきまして、綿花というものは内需用として最も足りないものの一つのように考えております。しかも対米輸入というものが確かに帳じりの上では赤になつておりますが、現在のところにおいてはそれは米国の援助資金でまかなわれておるわけであります。従つて先に参りまして援助資金がなくなつたときに、アメリカから非常にたくさんの綿花を買うということは、これは日本アメリカとの間の貿易をますます多くするというふうに考えられます。現在援助資金がある場合におきましては、私どもはまだそれほどこの問題をシーリアスに考えて、アメリカからの綿花の輸入を差控えるということは、その必要がないのではないかと考えております。もしもこれがインドあたりから綿花を輸入できればけつこうでありますが、戰前の状態と違いまして、今日日本が必要とする綿花のうち、インドあるいはパキスタンエジプトあるいはアフリカあたりから輸入できます綿花の数量というものはきわめて減少しております。従つてもしも今日の国民生活に必要な綿花を入れて来ると同時に、輸出原材料としての綿花を入れて来るということになれば、どうしてもアメリカからの綿花に頼らざるを得ないのではないかというふうに考えております。
  37. 高田富之

    ○高田(富)委員 現在綿花は非常に足らないというお話でありますが、しかしこれはもちろん綿花ばかりでなく、いろいろ足らないものがたくさんあるわけであります。国民生活に必要なもので生産市場に非常に足らないものがたくさんある。問題は、纖維関係としましては全部総合的に見ますと、やはり国内の購買力との関係におきまして、相当相対的に過剩生産の傾向にあるわけであります。従つてできれば国内で原料のできるものは、できるだけ綿花の代用の方向へくふうしてまわして行くとか、いろいろそういう方法を講ずべきであつて、足らないからといつてどんどん入れて来るということになりますと、計算上は足りませんけれども、購買力との関係においては相当困難を来すのではないか、また今度の放出などにつきましても、国内の中小綿織物業者等に與える影響も、相当深刻なるものがあるのではないかと思うのであります。ですからそれらの点は援助資金から来るのであるからよいという安易な考え方も、先ほど来総理大臣も声明しておる通り、必ずこれは返すというておる次第でありますから、やはり現在の窮迫した状態で輸入をやり輸出をしておる。そういう中でどうも国内に使うためにということで、比率をかえてまでどんどん入れるということは、日本の立場というよりは綿花を売る方、過剩綿花をさばくという方面からの要因が多いのではないかというふうに考えられるのであります。こういうことでは議論になるかもしれませんが、それらの点についての考え方をもう少し科学的にやつて、そして輸入の問題については、特に対米片貿易の問題については、これをできるだけやめて行くような努力をすることが必要ではないかと思います。  それからこれは問題が少しかわるかもしれませんが、現在安本あたりでは盛んに補給金の廃止を――安本ばかりではなく、大蔵省あたりは特に強いのです。補給金の廃止をやりまして、物価を国際的な物価にさや寄せするというのが、新しい現在の物価政策の根本的な眼目になつておるというふうにわれわれは受けとつておるのですが、この国際的な物価にさや寄せするというやり方は、これはおそらくアメリカからの輸入との関係において、特にその価格の向うとの一致をなるべく早くやろうということであろうと思うのですが、そのことは結局国内の産業に相当大きな影響を及ぼし、また輸出の方面にも相当困難な事情をもたらす、こういう点も相当理解に苦しむ点であります。国際物価へのさや寄せを特に急いでおるように見られますのは、これは貿易関係から見ましてどういう意味があるのですか。この点ちよつと御説明願いたい。
  38. 谷林正敏

    ○谷林説明員 前に言われましたアメリカからの輸入をなるべく節約せよということは、まことにわれわれも同感でありまして、なるべくそういうように努めるということが必要と思います。  それから次に御質問でありました国際物価とのさや寄せでありますが、これは全部の商品について、大体そういうような方向に向けて行けるというような動きはあるのですが、すぐにそれを何でもやるということではないと私は了承しております。それで輸出の方面におきましても、あるいは国内のいろいろな物価との釣合いにおいても、非常に困難な部面が多いというのはその通りでありまして、ある商品に関しましては、なかなか戰後いろいろな事情でそういうふうに安くはできない。そのためにいろいろな補給金がいる。これを廃するということは当座非常に困ることが多々あるのでありますが、これまたいろいろな考え方の相違もあり、程度もありまして、ある程度あるときにその方向に持つて行かなければ、永久にそれから離れ得ないということも考えられるのでありまして、われわれ貿易関係の当局といたしましては、できるだけ貿易に害をするというか、非常に影響を及ぼさない程度において、そういう方向に持つて行くということが必要ではないかと考えております。
  39. 高田富之

    ○高田(富)委員 鉄鋼の補給金の廃止ということはかなり大きな問題で、三期に区切るとかいろいろ立案されているようですが、その鉄鋼補給金の廃止ということはさしあたりどういう目的でやつているのか。またそれをやつた場合に、鉄鋼原料の輸入並びに鉄鋼製品の輸出にどういう影響が来るか。また国内の鉄鋼製品にどういう影響が来るのか。この根本的な点についてのお考えを伺いたい。
  40. 谷林正敏

    ○谷林説明員 鉄鋼補給金の廃止ということは、これは前から問題になつているのでありまして、一般的に国際物価よりはるかに日本のコストが高いので、補給金をやつてようやくほかの国際物価レベルにして出すということは、いわゆる戰後の自由通商の精神にもとるのでありまして、これを廃止するということは当然なことであります。ただ現在すぐそれをやられることがいろいろそこにシヨツクが多い。つまりそういう国内態勢まで生産態勢が行つていないときにすぐそれをやられると、当然国内の物価はもちろん、輸出もできないというようなことがありますために、できるだけこのシヨツクを少くして、その間企業の合理化その他の方面を強く推進して、できるだけこれを調整するようにしたいというのが現在始めました一部切下げで、あとは漸次来年に及ぼすというようなやり方であります。ただこれもいろいろな点で今後考えなければならないと思いますのは、新しい情勢が出て参りまして、その点でも、どういう方法でどういう時期においてやるかということは、今後の大きな問題ではないかと考えております。
  41. 高田富之

    ○高田(富)委員 そうすると鉄鋼補給金の廃止については、まだ具体的には何も決定していないわけですね。
  42. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これは全部よすということは決定しております。ただ、いつ、どういう比率でよすかということは、まだ本ぎまりになつていないと私は了承しております。
  43. 高田富之

    ○高田(富)委員 この問題なども、鉄鋼は国内においては相当不足している。これは国鉄にしましても、その他どこでも非常に不足しているものでありますが、輸出の方面については過剩生産ぎみで、各国とも相当安く売り出すような傾向にありますので、鉄鋼の輸出はますます困難になるように可能性が多いと考えます。そういうときにむりに補給金を撤廃して、ますます企業の存立を困難ならしめて、国内の鉄鋼業が非常に打撃を受けるということになれば、これは国内の再建のために、先ほどの綿花より以上に重大なものですが、こういう基礎産業中の最も重大な産業でありますから、これをどんどん拡充強化して国内再建に向けて行くという方針が、第一にとられなければならないので、ただ国際物価にさや寄せするということのみを急ぐことは、これは日本の鉄鋼業のみならず、その他の産業にも非常に大きい打撃を與えると思う。この点について、よすということは決定しているというが、それはずつと将来のことならいざ知らず、かなり近い将来にどんどんやつて行くように新聞等に出ているので、これらについてはもう少しはつきりと、政府としては国内の鉄鋼業の状態、復興の状態、今後の輸出の問題などを考慮に入れて、独自の強い意見を出して、ただいたずらなる国際物価へのさや寄せを急ぐというやり方をやめるようにやつた方が、かえつて今後の自立のためになるように考えるのですが、その点についてはまだ政府当局といたしまして、今後重ねてそういう方向で関係方面にも強く折衝してみたいという御意思はないのですか。
  44. 谷林正敏

    ○谷林説明員 御質問の点は実は相当大きな問題でありまして、貿易関係のみならず鉄鋼一般に関係する問題で、今ここでそれにはつきりしたお答えをすることはできないと思います。しかし貿易だけからこれを見ますと、現在第一回にやりました切下げまではそう影響を及ぼしておりません。輸出が非常に減ずるとか、あるいはそれがために打撃を受けるとかということはないのでありまして、そういう点は、この次にやるとき、あるいは合理化その他の点も進んで行つて、両者がうまく合つて行けばわれわれとして好都合だと思つております。今後どういう方針でやるかということは、一般問題にも関係いたしますので、ちよつと私からお答えができないのであります。
  45. 高田富之

    ○高田(富)委員 それではもう一つだけ事務的に伺いたいのですが、中国との間の貿易につきまして、通産省その他に直接いろいろな非公式あるいは公式――現在公式ということはないでしようが、非公式でも貿易関係でいろいろな動きがあるのではないかと思われるわけです。これは直接の場合もあり、間接の場合もありましようが、中国との間で今どういう状態に貿易関係がありますか。具体的な例をあげてお話願いたいと思います。
  46. 谷林正敏

    ○谷林説明員 中国との関係の実際の貿易の実例ということは、おそらく通産省関係でよく知つておられると思うのであります。私の方に一々こまかいデーターは持つておりませんが、間接的に聞いておりますことを申し上げますと個人バーターでございます。つまり全然政策あるいは軍略に関係のないようなものは二、三話が進められておる。ただこれをどういうぐあいに実際上扱われておるかというようなことは、通産省の当局の方が今日見えておりませんので、私よく存じておりません。いずれそういう方面からお答えを申し上げることにいたします。
  47. 福井勇

    ○福井委員 私質問するつもりではなかつたのですが、ちようど綿花のことについてたいへん詳しい方が見えておるようでありますので、ついでにちよつと質問するわけです。今日本として紡績の許されているのは大体四百万錘ですが、それが旧紡績に大体三百六十六万錘、それから新紡績に三十四万錘をあてがわれておつて、これを六百万錘まで持つて行きたいというのがこのごろの私たちの意見でありますし、業界の意見でもあるようですが、ちようどそのことについて詳しい方があつたら、どんな意思表示をこつちからしておられるか、あるいは向うがどんな状況に進んでおるかということを、ちよつと教えていただきたいと思います。
  48. 谷林正敏

    ○谷林説明員 御質問の四百万錘をどう実現するかという問題は、実は私どもの方の関係ではなく纖維局関係でございまして、今ここで申し上げられないのでございます。私どもの承知しております範囲内では、現在その点には触れておらないのではないかと考えております。
  49. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 次は志田委員に発言を許します。
  50. 志田義信

    ○志田委員 この前実はポンド切り下げの問題が起きる前に私は質問したかつたのでございますけれども、不幸にしてその日は與党と共産党との間に談合ができまして、私の質問が中止されたために、私は今日まで質問を控えておつたのをきわめて残念に思つております。談合という言葉が惡ければ話合いということに訂正してもよいと思います。  私は今中途から貿易局長のお話を承つておりますと、貿易局長は盛んに自由通商問題を取上げておられるのでありますが、もちろんわが国といたしましては、この自由通商の問題は今後十分大きな宿題になるものでありますし、臨時議会はとにかくといたしましても、通常議会におきましては自由港の設定という問題も、われわれは深く考慮しなければならぬ段階に来ておると思うのであります。そこで自由通商を、ほんとうに心から国民のために、また国家のために、主張するというのでありますならば、いやしくも国際貿易憲章の四大目標でありますところの貿易障害の低減に対しましても、あるいは国民の完全雇用という立場におきましても、あるいは中小企業その他の生活を保障する、さらに国民の経済生活を向上せしめるという点からも、十分これはお考え願わなければならぬのでありまして、この機会に先ほどあるいはどなたからか御質問があつたかもしれませんが、ポンド切下げによりまして最惡の状態が将来して来るとした場合に、わが国の企業の合理化を促進するに必要な処置をとらなければならぬと思いますが、現在企業の合理化が何パーセントぐらいどの業種において行われているかを、まずお尋ね申し上げたいと思います。
  51. 谷林正敏

    ○谷林説明員 企業の合理化が何パーセントどの業種にできておるかということは、ただいまここに数字を持つて参りませんが、その正確な数字と言いますか、正確な結果というものは、あるいは帰りまして調べましても、すぐ御報告できないかと思いますが、一応調べまして御報告いたします。
  52. 志田義信

    ○志田委員 たいへん御親切にありがとうございました。これは現在進行中のものであると思いますので、企業の合理化の行われている状況を、次回の委員会でけつこうでありますから、ぜひわかる限り詳細に御報告願いたいと思います。  それから先ほどやはり貿易局長有効需要の関係についてお話なさつていますが、われわれの承知しております有効需要は、売れるものを能率的に大量に生産して安くこれを販売するという以外に、この問題を考える点はないと思うのでありますけれども、今日のごとく品質が惡くて相当コストが高いという問題に対しましては、大いに考えてみなければならぬのではないかと思うのであります。つきましては、このポンドの切下げという現実にあたりまして、最低の価格が現在存在しておる以上は、輸出価格の引下げは一定の限度があると思うのでありまするから、これを廃止する考えが、現在はもちろん、あるいは将来ともないのかどうか、その点についてお尋ね申し上げます。
  53. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ただいまの御質問はフロア・プライスのことと思います。フロア・プライスにつきましては、先ほど私からも、通産省の通商振興局長からもお答え申しておるのでありますが、私といたしましては、これはある特殊の商品を除いてぜひ全部撤廃してもらいたいという意見を持つておるのであります。これは通産省当局から関係筋に目下交渉中でありまして、その結果のことを今ここではまだ申し上げられないと思いますので、御了承願います。
  54. 志田義信

    ○志田委員 申し上げられないことばかりで、それをまた聞くのははなはだ恐縮なのでありますけれども、貿易局長は、原料を持つ国と持つていない国と二分いたしまして、一体原料を持つ国が貿易に必ず有利であるとお考えになつているかどうか、お尋ねいたします。
  55. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これは非常にむずかしい御質問でありまして、一応原料を持つている国が有利とは考えられますが、しかしこれは売れなければまたしようがないのでありまして、必ずしも原料はなくてもある程度できる。ただしからばこれをどこで限界をつけるかと申しますと、自給自足と言いますか、自分の国の中で生活もして行けるし、国内の普通の程度の需要も満たすに足るという原料が一応ここにある、海外に出し得る原料もある程度整えられるという情勢にあれば、それが一番やりいいのではないかと考えております。
  56. 志田義信

    ○志田委員 たとえば私たちは、ジヤワの砂糖、それから台湾の砂糖との割安の関係というものを考えまして、原料を持つていない日本といえども、必ずしも貿易の立場においては不利にのみ行くものではない。あるいは加工工業という立場で日本が立つて行くということも、大いに考えて行かなければならぬと思うのであります。貿易障害が今いろいろ出ておりますが、貿易障害の低減をはかる方途として、大体どんなことを貿易局長はお考えになつておるか。簡單でけつこうでありますから、お知らせ願いたいと思います。
  57. 谷林正敏

    ○谷林説明員 御質問でございますが、実は先ほどそういう御質問がございまして、私一応御説明申し上げたのでございます。
  58. 志田義信

    ○志田委員 それでは速記録で拜見することにいたします。今日は十分な資料を持たずに突然この委員会へ飛び込んだような形になつておりますので、まだいろいろと御質問申し上げたいのでありますが、将来日本関税の問題についていろいろ出て来る時期があると思うのでありまするけれども、貿易局長といたしましては、日本に自由港を設定する場合におきまして、どんなようなお考えを持つておるか、ひとつお答え願いたいと思うのであります。
  59. 谷林正敏

    ○谷林説明員 自由港の設定を許されるというような時期になりまして、関税との関係でございますが、これは現在の保税倉庫を拡大したような――関税に対しましての観点でございますが、拡大したように、そこに入つて来る品物は一応関税のいろいろな法規には触れない。ある意味におきましては保税倉庫以上の広さを持ち、ゆるやかさを持つて、そこに出入りする品物については、関税は無関係ということにしてもらうつもりであります。
  60. 志田義信

    ○志田委員 私はただいま海運関係に希望をつないでおる議員の一人といたしまして、自由港を設定する場合においては、横浜、神戸あるいは佐世保、横須賀等の自由港設定を考えておるのでありますが、そういう場合における輸入の問題につきましても、関税の障壁の問題なんかもまた考えなければならぬのでありまして、ぜひその点は早くわれわれも、また政府当局も思いを新たにして、練つておかなければならぬことだと思つております。  それからこの機会に私が非常にふしぎに思いますのは、日本政府は最近まで盛んに食糧を輸入することによつて、価格差補給金その他のむりなこともあえてしなければならぬようなことになつておるのでありますけれども、その上に最近では、タバコの民営の問題が政府の一部審議会で取上げられておるのでありますが、葉タバコを日本に輸入するというような場合に、これは一種の嗜好物でありまするから、できるだけわれわれはさようなもの、たとえば食糧でも口から食べておしりから出して肥料にするというような再生産の伴わないものは、漸次輸入しない方針に行つた方がいいと私たちは思つておるのであります。タバコのようなものも外国葉を日本に入れて、日本人の嗜好をぜいたくにさせるのみならず、そういう再生産にならぬようなものを輸入するという方針につきまして、局長の御意見を拜聽いたしたいと思います。
  61. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ただいまのところは、外国の葉タバコを日本に輸入するという計画はございません。
  62. 志田義信

    ○志田委員 将来はいかがですか。
  63. 谷林正敏

    ○谷林説明員 将来も、今御説のありましたように、現在の日本の情勢を考えますれば、奢侈品と言いますか、不要の、なくてもいいようなものは、なるべく節約することが必要であると考えております。
  64. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 この際皆さんにお諮りいたします。時間がたいへん経過しておりますが、ただいま御出席の政府当局者は午後から御都合があつて出られないという話でございます。そこでこのまま継続して質疑を行つた方がよろしゆうございますか。どういたしましようか。
  65. 前田正男

    ○前田(正)委員 簡單に済ませたらどうですか。
  66. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは継続して質疑することにいたします。
  67. 中村純一

    中村(純)委員 今まで出ました事柄に大体関連するのでありますが、二、三簡單にお伺いしてみたいと思います。  まず先ほど前田委員の御質問に対しまして、わが国の業者が海外市場の調査のために、海外に行くことが非常に望ましいことであるが、まだ実現の段階に至つていないということでありました。同じような事柄で、領事というか、商務官の設置の問題が過般来新聞等に出ておつたのであります。この件は目下どの程度に進捗いたしておりますか。まずそれを伺いたい。
  68. 岡部邦生

    ○岡部説明員 海外渡航の件は、先ほど貿易局長が全然実現しておらないように御説明でございましたが、実は一件だけ許可になつておるのであります。現在われわれの方で審議いたしましたのが百十七件ぐらいでございまして、関係方面へ提出しておりますが、ぼつぼつ許可されております。  もう一つ、商務官の方の問題は、これは何とも御説明のしようもないのであります。いろいろ新聞に報道してある程度しか私どもも存じません。
  69. 中村純一

    中村(純)委員 新聞では大分進行しておるような印象を受けるのでありますけれども、その業者にいたしましても商務官にいたしましても、ぜひ必要なものであることはもう申し上げるまでもないことであります。今後さらに御盡力を願いまして、すみやかに実現されることを希望いたす次第であります。  次は、これまた今志田委員がちよつとお聞きになりました自由港、並びにタバコ民営に関することであります。わが国の輸出貿易は、日本の国産の原料を使つてやるものが比較的少くて、輸入した原材料に対する加工賃をかせぐというものが、非常に多いように思われるのであります。この見地から考えましても、どうしてもこの自由港設置の問題は、わが国の将来にとつて非常に大事なことであると思うのでありますが、先ほどのお話では、一体これがいつごろできるものか。その辺のお見通し――わかりかねるところもあろうと思うが、もう少し見通しがあるならば、その辺に関するお話を承りたい。  またタバコの民営の問題にいたしましても、これはいささか先ほどのお話と私の観点は異なるのであります。もちろん日本の国内需要に充てるために非生産的な、奢侈的な物資を輸入することは困るのでありますが、今日タバコ民営の問題がその該当委員会において相当論議をされておるようであります。私はその内容の詳細は存じませんけれども、論議の焦点は、大体において国内問題を対象としておる。しかもこれを民営にする場合において、税收入の現状ということが非常に危險視せられて、その点が問題になつており、民営問題が相当むずかしいことになつておるように想像せられる。これは私一個の見解であるかもしれませんが、私はむしろこれはもつと視野を広くして、これまた同じくタバコの加工生産を日本でやる、東洋のマーケツトを相手にしてここから売り出すという見地から考えるならば、これはむしろ民営にすれば合理化の一端に大いになると思います。そういう見地からもう一ぺん考え直して行くべき問題ではないかと思います。また自由港なりタバコの民営にいたしましても、單にそれはその自由港なら自由港における加工賃のかせぎばかりでなく、それ以遠の外航運賃の獲得ということが、付随して当然考えられなければならぬ大きな問題になつて来るのであります。こういう見地から考えて、私は自由港の問題もタバコの民営の問題も、きわめて重要な関連性を持つ問題である。その辺に対しまするお考えを承りたいと思います。
  70. 谷林正敏

    ○谷林説明員 自由港の問題は日本側の関係当局、ただいま運輸省関係と通産省関係両方で、その筋の方からいろいろな諮問を受けております。その方にいろいろ案を出して大体相談をしておりまして、いつどういう形式で出るかということは、まだ申し上げる段階に至つておりませんが、しかし大体において日本側の意見はまとまつております。ただこれを具体化するのに、どういう形式にするかというようなことが残つておるのであります。タバコの問題で先ほど私がお答えいたしましたのは、つまり国内の需要に充てる、国内の奢侈用に輸入云々ということが問題になつたと思いまして、これは全然輸入しないということを申し上げたのでありますが、将来もしもこれを加工だけの目的で入れて、そうしてどこかへ出すということが起り得るならば、また考えられるならば、それはもちろんそういう点の輸入ということは考え得られるのであります。ただこの民営云々ということは、いろいろ関係筋とのことが多いのでありまして、私ここで申し上げられないのであります。
  71. 中村純一

    中村(純)委員 それから先ほど高田委員からお話も出たのでありますが、木造船輸出ソビエトとの関係においてかつて成立したように私ども存じております。その後も引続きソビエトあるいは朝鮮、あるいは北欧諸国からの引合いがあるやに聞いておりますが、これは現在具体的に進行をいたしておるものでありますかどうですか。これはいずれも木造船の新造船に関する問題のように思うのですけれども、新造船以外に現有の日本の船舶、これはひとり木造船に限りませんが、鋼船に関しても船舶輸出の引合いがありますかどうですか。その点ちよつと伺いたいと思います。
  72. 岡部邦生

    ○岡部説明員 木造船の関係は私係が違いますので、先ほど知つているだけのことを申し上げたのですが、ともかく現在ソビエト向けに木造船をつくつていることは事実でございます。継続して行われておるものだと私は思つております。  それから鋼鉄船関係から見ますと、これは北欧あたりから引合いがありましてやつておりますが、木造船の注文が北欧から来ているということは、私寡聞で承知しておりません。
  73. 中村純一

    中村(純)委員 木造船の新船の問題もそうですが、今日既存の木造船燃料関係及び輸送貨物の減少というようなことで、実は相当過剩状態にあるやに見受けられる。これも戰時中の船ですからあまり上等のいばつたものではありませんけれども、そういうものに対する輸出先が全然ないことはないと思うのであります。その辺の引合いというか、見通しというか、そういうことについてはおわかりではありませんか。
  74. 岡部邦生

    ○岡部説明員 それも後日調べた上お答え申し上げます。
  75. 中村純一

    中村(純)委員 先日新聞を見ますと、ユネスコからラジオ・セツト一千万台の注文が来たように聞いておりますが、これはぜひほしい問題ですが、いかがなものでしようか。
  76. 谷林正敏

    ○谷林説明員 私も実は新聞で見まして、もしあれに応じられれば非常にけつこうだと思うのでありますが、まだ実際は聞いておりません。しかし私もそれを聞きただして、どの程度のものが日本で応じられるかということを聞きただそうと思つておるところなのでありますが、まだ聞いておりません。
  77. 中村純一

    中村(純)委員 日本で応ぜられる能力は十分あるのじやないかと思うのであります。ぜひひとつ獲得するように御盡力願います。
  78. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは横田委員に質疑を許しますが、午前中は本年度の輸出入に関するものだけを御質問願いたいと存じます。
  79. 横田甚太郎

    ○横田委員 まず第一に国会権威を高めるために、われわれは質疑応答をもつと責任を持つてやりたい。国会権威を高めるのは非常に何でもない問題でありますが、実に重大な問題だと思います。今日のような状態のもとにおいては決して品位が高まらぬと思います。なぜかと申しますと、私たちのもらいますところの資料はずさんきわまるものである。機械はたくさんありますし、雑品はありますし、わかりはしない。もつと詳細なものを発表していただきたい。それからこれはいけないと思つて、こちらから足を運んで安本の官僚のところに参りますと、そこには極祕が待つている。渡せる資料と渡せない資料がある。課長や局長はうるさがつて下の者にまかせてしまう。ところが民主主義ということは妙なことになつておりまして、渡した人の責任になつておるのであります。課長に責任がない。局長責任がない。それではこわがつてわれわれに渡さない。これでは審議は十分にできないのであります。どんなに新聞や雑誌に、現在は戰後に浮かび上つたところの二流政治家で県会議員、区会議員が出ていると言われましても、議論のしようがない。こういう場合においてもつと資料を精密にしていただきたい。その一例としまして、この前の質問からの続きですが、私は南朝鮮から売れもしないのりをお買いになつたそうだがと言つたら、その答弁が実にふるつたものでありまして、これは抱合せでありますと言つた。抱合せという言葉はもう戰争中に――聞いてもいやになる。抱合せにろくなものはない。南朝鮮ののりが入つて来ている。これは惡いものだ。そうして質問しますと、ここに出ていますのはなるほど朝鮮からのりが来たと書いてある。その答弁には別表四で答える。別表四においては新鮮のりの輸入について輸入の実績が三千五百万枚五月に入つていると丁寧に書いてある。価格は一等が百枚〇・五五ドル、二等が〇・四四ドル、三等が〇・三六ドル、こう書いておつて枚数が書いてない。私は数字はあまり上手ではないですけれども、これに二等、三等がなんぼでと書いてなかつたら、何億入つたかわかりはせぬ。こういうものが大体議員に対する答弁か。だからこれをまず第一に承りたい。それから次にのりのことに関連します。
  80. 岡部邦生

    ○岡部説明員 はなはだ申訳ございません。以後注意いたします。
  81. 横田甚太郎

    ○横田委員 私たちは言えないことはむりに言えとは言わない。わからないことはわからないでいい。しかし言えないことについてはなぜ言えないかということをはつきりしてもらいたい。これが結局政治を向上し、国会権威を持たし、志田さんのおつしやつた貿易の障害を除去する一つにもなると思うのです。日本人はどうも占領下にかこつけて一切身に帶するところの責任を回避しようとする態度があるが、そういう卑怯ん態度ではいけない。そういう観点において答えてもらいたい。  それから朝鮮のりのことなんですが、こののりは惡いからどうやら輸入しないらしい。しかしその附則といたしまして、なお朝鮮のりは今後輸入しない方針であるが、朝鮮牛の抱合せとして若干輸入されることになるかもわからないと書いてある、一体これはどのくらい輸入する見込みであるか承りたい。
  82. 岡部邦生

    ○岡部説明員 そういうことは私の所管でございませんからわかりません。
  83. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 横田委員に申し上げますが、あなたの質疑の内容をここで一応お話になつて、そしてどういう係の方に来ていただきたいということをお話になつて、牛後に続けてやられてはいかがですか。
  84. 横田甚太郎

    ○横田委員 私の方では委員長にこれこれの質問をしたいということを言つてあるのです。だからそういう人に来てもらわなくても、ここにいる人に日本政府として答えてもらつたらいいと思うのです。
  85. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 横田委員に私からお答えいたします。局長であつてもあるいは次官であつても、一々詳細にわたつて全部を知るというわけには参らないので、やはり具体的なことについては課長とか係長に来ていただくよりほかないと思うのです。
  86. 横田甚太郎

    ○横田委員 それはわかり過ぎるほどわかつている。だから私の質問の内容は前もつて言つてあるのです。
  87. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 横田委員の質疑の継続があることはわかつておりましたので、通商局長の武内さんの御出席を願つてあつたのですが、きようは午後になる御都合になつているそうですから、通商局長がお見えになつてから、あなたの御質疑を継続していただきたいと思います。
  88. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは昭和二十三年十一月の初旬に、英国並びに英連邦諸国と双務協定が結ばれておりますが、これは全部残らず発表されておりますか。たとえば朝鮮のりのように一部が隠されておるのですか。この点を明らかにしていただきませんと、私たちの方では新聞には気力はないし、雑誌は一月も二月も遅れて気の拔けたビールのようになつている。だからそれを一ぺん承りたい。
  89. 谷林正敏

    ○谷林説明員 通商協定に関しましては、そのときこういうのが結ばれたということが発表されただけで、内容は全然発表されておりません。
  90. 横田甚太郎

    ○横田委員 それは発表しなくてもいいものですか。それとも発表しなくてはいけないものですか。
  91. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これは私どもといたしましても、ぜひその内容を知りたいと思つておるのでございます。それで関係当局の方にもいろいろお願いいたしまして、なるべくさしつかえない限り内容を発表してもらいたいということを従来も言つておるのでありますが、まだいろいろな事情があるらしくそういうことに立ち至つておりません。
  92. 横田甚太郎

    ○横田委員 定められた国の憲法によつて選ばれた議員が知らない。聞いてもわからない。係の役人もこれを御存じない。それで関係方面さんと言うが、関係方面さんとはどこのだれを指すのか。これを明らかにしていただきたいと思います。
  93. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これはわれわれの方で関係しておりますのは、あちらの貿易局関係でございますが、そちらの方でいろいろ協定の内容というものはまだ発表の時期に至らない、ただそれは将来どういう点をどういうぐあいにするかというようなことは、今後だんだん考えてはもらえるのですが、従来まではそういう経過でございます。
  94. 横田甚太郎

    ○横田委員 それではそんな形においていろいろなものの値段をきめ、品物の量をきめ、買つてもらつて非常に得が行きますか。損が行きますか。
  95. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これは全文はもちろん発表になつておりませんが、個々の取引引合いの場合には関係当局から通産省が相談を受けまして、いろいろそれに関して意見を述べてやつておるはずであると了承しております。個々の実際上の取引は通産省関係でございまして、私しつかりここで申し上げることはできないのであります。
  96. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは個々のものは知らせてもらうが、全体はそうではないと言われるのですか。全体のものがわからなければこの総決算はできない。全体のものは大体どのくらい期間を置いて、今までの経過から見てわかつておりますか。
  97. 谷林正敏

    ○谷林説明員 今の御質問は従来それによつて入れられる輸入物資あるいは輸出物資が、どのくらいかというお尋ねでございますか。
  98. 横田甚太郎

    ○横田委員 今のは個々のものは知らせてもらうときもあるが、全体としてはわかつておらないものもある。知らせないとすれば全体がわからないから、いわゆる輸出の面においても説明できないものもあるし、合わないものもあります。全体がわかつて総決算ができるようになるためには何箇月くらい今までは大体かかつておりますか。
  99. 谷林正敏

    ○谷林説明員 私が発表されておらないと言うのは、一般に発表されておらないのでありまして、その場合にその当局者が個々のことをやる場合には、たとえばこの程度輸入するというようなことの相談はもちろん受けると思います。御質問は、個々がわからなければ全体がわからないだろうということでございますが、その全体と申しますのは、その係と言いますか、その個々の引合いの者にはわかつておるのでありまして、ただ一般にこれを発表してはいけないということなのであります。それですから係といたしましても、この人もあの人もだれでも役人であれば、そこに行つて知らされるということではもちろんないのであります。
  100. 横田甚太郎

    ○横田委員 それでは発表してはいけないというものがあつても、それは永久に発表してはいけないのではないのでありまして、やがて発表するときもあるのですね。もし発表を許されたならば、長い間日の目を見ずに許されずにやつと許されたものがある。その統計をとつて示していただきたい。
  101. 谷林正敏

    ○谷林説明員 これは先ほども申しましたように、政府の関係者はもちろんこれは知つておるのでありますが、ただ外には発表してはいけない、こうなのです。ただいまの御質問のいつ発表できるかということは、先方の許可があつたときに初めて発表できるのであります。そのときにその過去の数字はどうだということなのですが、先ほどから御質問のありました数字の方は表面に出て参りまして、これだけ輸入した、これだけはどこの地域から来たということはわかるので、統計の上にも出ております。これは別にでき上つてしまえば祕密に扱うということはありません。
  102. 横田甚太郎

    ○横田委員 別にそんなこと言つておるのじやないのです。長いこと発表できずにいて、それが発表できるようになつた品物があるだろう、あるかないかということなんです。もし発表できるようになつたら、たとえば朝鮮のりがその一つなんですが、朝鮮のりは、前に聞いたときにおいては、これは発表の時期ではないと言われた。しかしここにもらつているのは確かにわかりにくい数でありますが、とにかく出ていることは事実です。こういうような明るいところに出て来たところの品目を知らせていただきたい。
  103. 谷林正敏

    ○谷林説明員 御質問の要旨がわからなかつたものでございますから……。ただこういう点なのでございますが、発表できるような数字になつたら、それは一体わかるのか、いつ発表するか、そとへ出すかというお話なんですが、私が申し上げておりますのは、協定の内容はそとに出せない、個々の取引も、できるまではそとに発表しない。しかしこれができ上ればそこにこれだけ輸入した、あるいは輸出したということが表面の数字に出るのでございます。ただ出た数字はそのまますぐに協定のある部分だということは、その場合通産省であるいはわかるかもしれませんが、通産当局にはたしてそれがすぐわかるかどうかの問題だけなのでございます。ただ数字としては発表されます。ですから今の朝鮮のりの問題も、それができ上るまでは祕密になつておりますが、いざ入ることになれば、それだけの数字が統計数字にも出て来るわけであります。
  104. 横田甚太郎

    ○横田委員 数字ではないのです。品目を聞いているのです。品目が主であつて、品目を明示してもらつて数字を知りたいというのが私の願いなんです。その点であなたに一ぺん聞きたいのは、だれに忠誠を励んでおられるのか知りませんが、外国の人と日本人がどちらが長いこと日本におられると思いますか。日本の自立ということは、いかほどドツジ・ラインを持つて来られても、シヤウプの親切な勧告を持つて来られても、日本人自身が耐乏するのであつて、アメリカ人自身が耐乏するのではない。それだから日本の再建ができるのである。そこであなたに伺いたいのは、あなたの御主人は一体どこにおられるのか。御主人の所在がわからないのであります。もちろんあなた方は共産党というのはきらいでしよう。しかしこれもまた国民の支持によつてやむなく出て参りましたところの、選挙によるところの総意であります。共産党三十五人の写真を集めて国会の議席にうつしまして、マツカーサー元帥の言葉として、余はこれで満足であるということを言われたのであります。あなたは国家の最高機関であるところの国会に奉仕しなければならない。つまりあなたがなんぼ共産党ぎらいでありましようとも、共産党が出て来ることは次の国会までは間違いないのであります。でありますから、あなたも主人をはつきりさせて話をしていただきたい。言葉をわざと逃げるようなことではこちらはばかばかしくて質問できない。  それから固めて申しますと、二十三年の七月八日にはフランス連邦との貿易協定ができております。二十三年の十一月三十日にはスエーデンとの貿易協定ができております。スエーデンとの貿易協定の時にスエーデンの染料が発表してもよい段階にあつたか、なかつたか。それから二十三年十二月十五日、シヤムとの貿易協定ができております。そこでシヤム米の五万トンが入つたそうですが、その値段はここに出ておりますところの一石九千六百七十一円なのです。これに間違いあるかないかということ、もし間違いないとするならば、日本の国においてはよい物が高く、惡い物が安いと言つていたが、日本は豊葦原といつてよい米がとれるが、戰争している間に外国の米よりは安くなつた。從つて私たちは農村に行つて供米を宣伝する基礎的な立場がなくなつた。こういうシヤム米の問題、それから二十三年十二月三十日には、オランダとの間に年間八千九百万ドルに上る通商協定が結ばれております。それから二十四年三月二十二日には八千万ドルの日韓通商協定が結ばれている。二十四年六月二十一日、五百万ドルに上るフインランドとの通商協定が結ばれております。これ以外に私が拔かしている――あなたたちが聞いてあれだけしか知らないのかと思われる点があるかないか。発表の段階に至つてないものがあるかないか。非常にくどいようですが、あれば件数だけ知らしていただきたい。パーセンテージにおいて知らしてよいものがあれば、一つ一つにわたつてやつていただきたい。
  105. 谷林正敏

    ○谷林説明員 ただいま御質疑の件は通産省の通商局長が午後参りますが、專門にいろいろ数字をやつておりますからその方から御説明申し上げます。
  106. 横田甚太郎

    ○横田委員 それから輸出在庫品はどの地域に売れる見込みであつたかということを書いておいてもらいたい。それから輸入在庫高をもつと明細に書いてもらいたい。それからこういうものが非常にたまつて来たときにどうするかと、ある安本の局長に聞きますと、国内で売ると言う。国内で売ると言つてもあなた方は日本の国民がどのくらい金持だと思つておられるのですか。
  107. 岡部邦生

    ○岡部説明員 そういう非常にむずかしい御質問に答弁する能力を私は持つておりませんけれども、売れるものは売るし、売れないものも売れるように努力するという立場におります。
  108. 横田甚太郎

    ○横田委員 売れる物とはどんなものですか。
  109. 岡部邦生

    ○岡部説明員 これは現に入札をどんどんやつておりまして、この資料の上から順々に申しますと、電気通信機械は一部売れております。車両、船舶はこれは輸出向けのものでございまして、目下のところは売れません。船舶の方は現在建造中でございますから売れません。家庭用品はぽつぽつさばけております服飾品も同じでございます。玩具クリスマス用品もぽつぽつさばけております。娯楽用品、トランプのようなものでございますが、国内で売りさばく所存でございます。文房具またしかりであります。光学機械は国内的にはなかなかさばけないと思つております。
  110. 横田甚太郎

    ○横田委員 要はあなた方にすなおになつてもらつたらいいのであります。戰争時代のいやな官僚根性があつたらいけないからからむのでありまして、こんなことを聞いたつて売れなければしようがないのであります。  今までいやがらせて済みませんでしたが、最後にすつきりした質問をしたいのであります。中国あるいは中共政権治下、あるいはソ連地区との貿易促進について、またその増大について、どういう手を打つておられるかということが一つ、それからこのごろよくはやるところの中共政府治下との貿易は、当分見込み薄だという根拠並びにこれに対するお考え、これをもう一ぺん聞きたい。
  111. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 大きな問題ですから安本長官の方がよろしゆうございましよう。それから横田委員に申し上げますが、具体的な質問をなさるときには、突然ではデーターや何かがわかりませんから、前もつてこういうことを聞きたいということをこちらにおつしやつてくださいませんか。
  112. 横田甚太郎

    ○横田委員 そう言われたら言いますよ。これは聞くも聞かぬもないじやないですか。これはこの前聞いたことの再質問であつて、あなたが答えさすという約束をしてあるのです。ここにおられる方も御存じです。だからこんな詳細のことを聞きますという質問の要旨じやないのであつて、みんな言うてしまつておるのです。私の質問するくらいのことは年鑑を見たら出ているくらいのもので、こんなことは常識になつておる。常識になつておることを論議しておるから、国会は三流政治家の集まりだと言われるのです。だからそれを明らかにしておいてください。
  113. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 そこで私から申し上げますが、実はあなたの御質疑に答える方が午前中いれば、すぐお答えできるかもしれなかつたのですが……。
  114. 横田甚太郎

    ○横田委員 今日の開会は午前十時と書いてありました。あなたの必要な人は午後と書いておりません。
  115. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それは向うにも向うの都合がありますから……。
  116. 横田甚太郎

    ○横田委員 そこまでわかつていたら、お互い言わなかつたらいいじやないですか。晝まで待たなかつたら暴力革命です。(笑声)
  117. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 では午前中はこの程度にいたします。午後は二時より再開いたします。     午後一時二十三分休憩      ━━━━◇━━━━━     午後三時七分開議
  118. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 休憩前に引続き会議を開きます。  青木国務大臣が出席されるまで輸出入計画に関する質疑を一応留保いたしまして、物価と統制問題を議題として質疑を行います。その前に物価庁次長の福島正雄君から、物価の関する概説を承りたいと思います。
  119. 福島正雄

    ○福島説明員 今委員長から概説をというお話でありましたが、ごくかいつまんで、最近の動きをお話申し上げます。物価庁は昨年あたりまではインフレーシヨンの上昇に從いまして、その適正なところをつかむということが仕事の中心でありましたが、生産増強等が進みまして需給の並行状態を来しつつありますので、物価行政の面が多少変更されて参りました。その一番大きなのは最近の石炭に対する措置であります。あれほど生産増強をやかましく言われまして、その措置が非常にいろいろな方面にわたつて行われましたものが、各方面の御努力によりましてほぼ生産目標に達し、また一面多少有効需要の減退等によりまして、在庫が大分たまりました関係もあり、思い切つて配給統制並びに価格統制をはずしたのであります。これなどは物価行政に当つております者から見ますと、意外に早くその事態が参つたものと見られるのであります。そういうふうに需給の平衡状態を得ましたものにつきましては、ほぼ価格統制、配給統制がはずれて行く段階に至つたと考えてよろしかろうと思います。  第二の大きな変化は、補給金の撤廃という問題が現われまして、これによりましての物価の変動というものが大きく現われて参つたのであります。一番先に国会でも問題になりましたが、銅の補給金の撤廃の問題が各方面に非常に大きな影響を與えまして、わが国の産銅政策にまでその議論が及んだのであります。これなどは需給関係から申しまして、毎月相当数の在庫、売れ残りができました状況、また内地の生産費が国際価格に比較いたしまして非常に高いというところから、補給金の撤廃並びに価格統制の撤廃がきめられましてその通り実施されました。但しそういうふうに、生産費の非常に高い商品が補給金をはずされまして、はだかのままで市場に出ます場合に、はたして今日在庫品がふえつつある状況がいつまで続きますか。そのうち適当な整理が行われましたあかつきには、ことによると日本の需要量の及ばないという状況が起りまして、あるいは必要量を今度は逆に海外から輸入しなければならぬという状況が起りはしないかという心配から、多少の助成金的な、必要限度における鉱山の保持という見地から、多少の手が打たれつつあるのであります。その他鉄鋼におきましても、御承知の通り段階的に補給金をはずしておりますが、第一に鉄鋼製品におきまして、約三割五分価格改訂をいたしたわけであります。その他におきましても、肥料の問題につきましても、補給金の撤廃によりまして、多分ことしの春肥から四割くらいの消費者価格の値上げをせざるを得ないような状況に至ろうかと思います。そのほかにつきましては、大して影響のないものはそのまま補助金を一挙にはずして参りました。輸入品でありまするけれでも、油脂あるいはゴム、皮革等につきましては補給金を撤廃いたしまして、これをストレートで原料として使うように相なります。それはおのおのいずれも補給金のはずれましただけは、価格の面に影響が出ているのであります。そういうふうなところまで今日来ております。ごくこまかい日用品につきましては、大体配給統制も価格統制ももはや必要のない事態に至りました物資が大分ございます。それぞれ大体状況をにらみ合せまして、価格統制を撤廃いたしました物資が大分ございます。さらに進みまして、本年度中には相当数に日用品物資、比較的影響の少い、生活費等にはね返ります心配の少いものは、どんどんこれを整理して参るつもりでございます。大勢はざつと申し上げますと、そういうふうなことでありまして、需給のバランスのとれました面からはずし、また補給金の撤廃によります価格統制をいたし、あるいは生計費等にあまり影響のありません日用品は、大幅にこれを整理して行くという考えで今日まで参つております。  そこで今後の状況にちよつと簡單に触れてみたいと思います。第一に、まだしばらく残ると思いますものは、独占価格になりやすいもので、しばらく価格統制は続行されると思います。たとえますれば電気とかガス料金とか、あるいは鉄道料金等は当然独占価格でありまして、これは価格統制が行われるものであります。諸外国におきましても、鉄道料金は各国漏れなく統制価格になつているのであります。  それから多少独占価格的なにおいがいたします物資、しかも非常に大きな設備、莫大な投下資本を要します工業につきましては、やはりある程度の価格統制をいたす必要があるかと存じます。たとえますれば製鉄業、製鋼業のごときはその部類に入るかと存じます。  それから第三には、その原料、材料の相当部分、申しますれば七、八十パーセントを輸入にまつ商品などは、現在の輸入資金の関係、今日で言いますれば、エイド・フアンドで大部分輸入されておりますが、これなどはある程度価格統制をはずすわけに行かない状況にあろうかと存じます。実例をもつて申しますれば、油脂類は大体八〇%は輸入しております。生ゴムは一〇〇%輸入しております。それから皮などは相当のパーテンテージの輸入がございますが、油やゴムほどにはありません。正確な数字は覚えておりませんが、多分六、七十パーセントは輸入品と記憶しております。これらは輸入の外貨資金の性質上、しばらく内地の価格をおつぱなすわけに行かない状況にあろうかと存じます。  それから第四は、工業製品でも生産がふえまして、いろいろなものが大分楽になつて参りましたが、まだ依然として生産増強を続けなければならないもの、それによりまして輸入品を少くする、輸入の必要量を少くする必要のありますものは、たとえますれば、硫安のごとき、コーライトのごときものは、どうしても内地の生産設備、また生産資源を鼓舞激励いたしまして、必要量を国内生産に仰ぐ、それで充足するという建前をとらざるを得ない物資だと存じます。そしていろいろ生産状況が違います硫安について考えますれば、電解法とガス法とによつてコストが違います。これは安いものだけで、高い製造方法によるものはやめてしまうというような価格政策をとるには、まだ少し早いじやないか。それをやりますれば、輸出肥料をふやさなければならないというふうな状況にありますので、外貨を使つて輸入するよりも、国内生産をふやす必要がある物資だと存じます。硫化鉱にいたしましても、本年度は多少の硫化鉱を輸入しておりますが、大体必要量は年に百五十万トンくらい、さらにもう少しありますことが望ましいのでありますが、今日の生産状況からいたしますと、まず百四十万トンを供給し得るのがかつかつであろう。よほど努力しないと百五十万トンは行かないというふうな状況でありまして、ことにこれなどは鉱産物でありますので、ピツトの種類、場所々々によりましてサルフアー・コンテント――純分が違いますので、そこに生産増強の必要から多少増産奬励的な考えを入れませんと、増産ができません。従つて価格統制を持ち、同時に価格調整をいたしまして、これを奬励して行きませんと、生産が充実いたしません。これなどはやはりしばらく価格統制をいたさねばならぬものであろうかと思います。その次は主要食糧の問題、これは御説明申し上げるまでもないことと思います。そういうふうな大きな筋で価格統制をすべき物資が残るであろうと思います。その他のこまかい物に至りましては、できるだけ早い機会に整理してしかるべきものだと思います。  これは余談になりますが、野菜の統制をはずしました。その結果は皆様方よく御存じであろうと存じますが、今年の天候がたいへん惡かつたために、都会における野菜の価格が不幸にして上りまして、見込みとは多少違つて参りましたが、その反面品質などがたいへん改善され、需要者の方面ではその効果を喜んでおられる向きもおられまするけれども、その反面には価格はまさに高くなつた、安くならなかつたという結果でございます。これは天候に支配されました関係がよほどございますので、必ずしも価格統制をはずしたからそうなつたとばかりは申し上げられませんが、事実そういう結果が現われております。また魚の統制をはずすという問題でちよつといやな前例が出ましたので、勇敢にこれをはずすわけには進んでおりません。関係方面などがそれについて多少考慮を拂いつつあります。それにいたしましても、大分ありましたものを十八種類まで整理いたしまして、現在十八種類残りました。大衆に必要な魚だけを残しているような次第であります。できれば本年中あるいは本年度中には、あとのものも整理したいと思つております。  そういうことでありまするが、私どもといたしまして現在一番心配しておりますることは、補給金をはずしますればこれはまさに見かけの価格は高くなります。米価についてはこの間米価審議会があり、政府の案をつくりまして、今関係方面と折衝中でありまするが、消費者価格は安くなりません。すえ置きというわけには参らず、多少高くなると思います。それから電気料金につきましても、補修費の関係でありますとか、あるいは火力発電用炭の問題でありますとか、いう問題からいたしましてやはり二、三割は高くなるはずであります。それから鉄道運賃につきましても、今しきりと論議されておりますが、これも相当値上げをせざるを得ない状況であろうかと存じます。その他私どもの方にまだ重要物資につきまして数件値上げをしてもらいたい、こういう状況になつているとの申出のものもあります。先般来石炭の統制をはずしたころは多少物価が下るのではないか。また事実物価の下つたものもございます。そうして有効需要がこれに伴つて参りませんので、マル公割れの商品も日用品、雑貨におきましてぼつぼつ出ておりまするが、そういうふうに電力、運賃あるいは紙類、主食等におきまして、あるいは補給金のはずれました基礎物資につきましておおむね値上りを見ましたし、また見つつあるのであります。この趨勢から生計費あるいは賃金等へのはね返りが、どういうふうな影響になつて出て来るかということは、私ども担当者といたしまして非常に心配いたしておるところであります。それで日用品、雑貨の末端の雑多なものにつきまして、これの価格統制をはずして町由取引にまかせますことは、他面品物がよくなり、また企業者の競争によりまして価格も安くなるという見込みが立ちますけれども、さような値上げをする要素がずらつと並んでおりまする今日におきましては、基礎物資、原料物資につきましてはたしてどういう手を打つたらよかろうか。どうせ行く先は統制のない自由経済に入りますることは事実でありますが、その段階、その時期、程度等につきましては、私どもとしては非常に愼重にこれをいたしませんと、今日までせつかく安定して参りましたものが、再びインフレーシヨンに向うやの心配もないでもありません。そういうような心配を持ちまして、今日の物価の成行きを見ております。またそういう見地でいろいろ御相談申し上げております。  以上ごく一般のことだけ申し上げまして、また御質問がありましたらお答え申し上げることにいたします。
  120. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 ただいま物価庁次長の福島正雄君から、物価の統制問題に関しまして一応の御説明があつたのでございますが、これから質疑に入ります。前田正男君。
  121. 前田正男

    ○前田(正)委員 まず今のお話で大体の経過はわかりました。非常に苦心しておられる点とは存ずるのですけれども、統制をはずしますときに、大体物価が遅れて統制の撤廃されるのが物によつてはあるようであります。中には統制が撤廃され、公定価格だけでもつているような品物もあるように聞いておるのであります。しかしながら実際問題としては統制を撤廃されるときには、公定価格を同時に撤廃するというような見通しを持たないと、その実績も上らないと思いまするけれども、この点についてはぜひ統制撤廃と同時に公定価格をはずして行く、こういう根本方針についてどういうふうにお考えになつているか、お聞きしたいと思います。
  122. 福島正雄

    ○福島説明員 今までにおきましてそういう実例が相当あつたと存じます。今まではインフレーシヨンの高進している最中でありますから、配給統制、生産統制をはずしても、その価格を維持いたしませんと急に上るような心配があつたために、しばらく配給統制、生産統制をはずした結果を見て、そうしてその後に大丈夫だというところで価格統制をはずしたために、多少遅れたのであろうかと存じます。しかし今日においては、その今までの心配が非常に薄らぎまして、おそらく今後は配給統制、生産統制がはずれたにかかわらず、価格統制を置いておかなければならぬというようなものは非常に少なかろうかと思います。大体今は配給統制、生産統制がはずれますと、価格統制も同時にはずれるような措置をいたしております。
  123. 前田正男

    ○前田(正)委員 それから次にお伺いしたいことは、統制に伴うていろいろと物価の維持が問題であつたと思いますが、先ほどのお話の中に統制を解いてからの野菜の例を上げました。しかしながらそれにつきましても、なるほど困つているようなこともあるようでありますが、たとえば野菜にしても魚の例につきましても、十数品残ることになつたようでありますが、それを全面的に統制をはずせよというような意見の方が多いのではないか。それは品物と生活程度、品質というようなものが相当関係して来ると思うのであります。やはり人為的な統制というものに、私は質的なものとか生活程度の充実とか、そういつた方面にいろいろ問題があると思いますので、この際先ほど例をあげられましたような、ぜひ価格を維持しなければならないもの以外は、相当早急に統制を解かれた方がいいのではないか、私はこう思つておるわけであります。そこで統制の問題につきまして、そういうふうにいろいろと皆さんに御盡力願つておるのでありますが、せつかく統制をはずして行かれるに伴いまして、いろいろこまかい点になつて来るのでありますけれども、それに類似したような品物でありますとか、それの同類の関係のものであるとか、分類なんかも非常に細別にわたつておる関係でしようが、大きなものがはずれてこまかいものははずれていないというようなマル公の関係のものは、われわれも不明瞭でよくわからないのですけれども、非常に類似したような品物であるとか、細別のものであるとか、それの派生的な品物は残つているとかいう話をよく聞くのであります。こういつたものについて非常に思い切つた整理をお願いしなければならぬのじやないかと思つております。そういつたことに対しまして、いろいろとあると思うのでありますけれども、現状をもう一ぺん御検討願つて、やつていただきたいと思つております。私自身は、実は統制の方について詳しく質問いたしたいと思つていたので、物価のことはあまり用意しておりません。ただ先ほど輸出入計画のときに話が出まして、フロア・プライスの撤廃ということを、各方面ともみんな賛成らしいような御意向で交渉中のように聞いておりますが、物価庁の方といたしましては、大体それに対して御賛成であるかどうかということについて、ひとつ御意見を承りたいと思います。
  124. 福島正雄

    ○福島説明員 フロア・プライスの問題は、むしろ貿易庁の御管轄の強い問題ですが、元来国際貿易は自由貿易的の自由取引の基礎に立つておるものでありますから、しいてフロア・プライスをつけることは、ことによると、ときには貿易の阻害になる点もあるかと思います。私どもとしましては、フロア・プライスが撤廃になりましても、物貨政策上のことにつきましては――輸出ですか、別段特に強い考えは持つておりません。
  125. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 横田委員。
  126. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体政府のとつておられる物価の統計、これは一体どれだけの確実性があるものですか。一々例をあげますと実にややこしい。東洋経済の雑誌東洋新報ですね。これの十月一日号の三十三ページを見ますと、物価の分析と実質賃金、いわゆる実質生計費は反落しているというのが出ておりますが、それによりますと二十三年十一月には名目賃金が七千二百八円、それから実質賃金指数は一六三・五、これは前月に対して二・九%減じているようになつておる。十二月になりますとこれが九千六十円になつている。実質賃金の指数は一九四・九になつて、一九・二増になつている。二十四年の一月には八千三百七十一円になつて、これが一七六・一で一・二減になつている。二月には七千九百七十四円になつて、一六八で二・九減であります。三月は八千三百二十七円、これが一七四・七、四%の増になつている。四月には八千五百九十三円、これが一七二・七で一・一減になつている。五月は八千二百七十円、一六四・八で四・六減になつている。ところが日銀の方では非常に違つた統計が出ておる。日銀の小売物価指数というものは、五月では一・七下つておる。六月は三・六下つておる。そういうふうに物価が下つて行つたなれば、実質賃金なんか上るわれだのに、下つておる。日銀も日本政府だし、ここに出ておりますところの物価の分析をやつておるのも日本政府の一つなんですが、全然食い違つた統計が出ておつて、政府の発表されるところの数字なんかを見れば、ばかばかしくて見ていられない。だからこれはどこまで正確さがあるものかひとつ承りたい。
  127. 福島正雄

    ○福島説明員 物価庁で採用しております統計基礎を、一部長から詳しく御説明いたします。
  128. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 最初のやつはどこの統計でございますか。
  129. 横田甚太郎

    ○横田委員 これは労働省の勤務統計です。
  130. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 おつしやるように、いろいろ政府から出ております統計の中には、ある程度の食い違いがあると思います。それはそれぞれ幾つかの統計が持つておる基礎におきまして、一応のヴアライエテイがあるものでございますから、全体的な傾向においてそういう大きな違いは出ないはずなんでございますが、最近のように全体の動きが割合にこまかくなつて参りますと、上り下りの点において、そういつたような問題が出ようと思います。結局その意味において統計委員会がございまして、統計の整理をやつてくださつておるわけなんですが、われわれの方としましては、一応日本銀行統計とか、今お示しになりましたような労働省統計とかをいろいろ見まして、全体の考察をしておる。それでどの統計がどれだけ正確かと言われましても、われわれの方としましては大体それぞれの統計の持つ性質を考えてみまして、ちようど今おつしやつた問題のように、片方が上つて片方が下つて来たような場合におきましては、なぜこういう開きが出るのだろうというような意味の分析をしまして、そのよつて来るところを検討しておる次第でございまして、どの統計が正しいのだと言われましても、結局それぞれの統計は、それぞれの統計の持つなりの意味として正しさがあり、ある意味において不確かさがあるというふうな性格のものじやないかと思います。絶対的に正しい統計というものはその性質上出て来ないように思うのであります。
  131. 横田甚太郎

    ○横田委員 青木安本長官は来られるのですね。来られるのだつたら、数字教室みたいでおもしろくないので、もうあと簡單にいたします。もう一つは、こういうような統計というものははつきりしていただかぬと、経済白書をまた発表されたら非常な大げんかのもとになる。なぜかと申しますと、大体現在ではマル公が上つてやみが下つて来ている。そういたしましたなれば、今まで生計費の中で大体七五%がやみで、マル公が二五%であつた。ところが最近は、統計によりますとマル公が七五%で、やみが二五%になつておる。しかもやみのものが下つてマル公が上つて、マル公によけいに依存するのであれば、物価統計が非常にかわつて来る。勤労階級が非常な搾取を受ける。これは質問じやなくて意見のようになるのですが、米の値段におけるダイヤモンドの表なんかを見てもわかるのです。この意味におきまして、物価統計はもつとなるたけ正確に近いものを出すように努力していただきたい。自信のないものは出してもらわぬに限る。その方がずつといいのです。  次には物価問題で、いろいろの條件が統制に非常に都合の惡いものは統制をはずさない。しかしそれ以外のものは統制をはずすというように言つておられたのですが、統制をはずされる場合に、たとえば日用雑貨品の場合に、統制をはずして自由にして、企業者に自由競争をさしたならば、品物がよくなるというように言われておりますが、戰争で日本中小企業家は非常に痛められておる。資金があつたら何とか生きられるものを、資金がないために生きられない。ところが金融に対する統制を実にひどく、ほとんど至れり盡せりに強化して来ておる。戰争で痛んでおるところを元に返すがために、金というところの輸血がいる。その金を出さぬというのは、お前のところはへたばつて行けということを上手に言つておるだけです。こういうようなことに対して政府の見解は一体どうなるか。ちよつと聞きたいのです。
  132. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 金融の統制が嚴重に行われているということですが、これは最近金融統制の関係は、私の存じておる限りにおきましては、大分方向がかわりまして、九原則、特にドツジ・ラインの表に出て以来、たとえば資金の融資準則にしましても、一時非常にやかましくなつておりました丙種に対する貸出しをとめるという面も、かなり最近は緩和されて來ておりまして、結局全体の方向といたしましては、金融機関が自己の判断におきまして、資金を貸す相手として十分貸すに足るだけの信用があるという場合におきましては貸すが、相手としまして貸し得ないという場合には貸さぬというようにして、あまり統制の手というよりも、むしろある意味におきまして、民間相互間における判断によつて貸す、貸さないという問題になつて来ておりまして、金融の方の面におきまして統制がきつくなつたというよりも、最近はその面はむしろ緩和されている、かように存じております。
  133. 横田甚太郎

    ○横田委員 緩和されたいる、緩和されていないは、長官が來てからの話にします。ごちやごちや言うのはおもしろくない。  もう一つ簡單に事務的なことを聞きたい。魚の統制を撤廃しようと思つたが、いやな條件ができたということを言われましたね。たしか私の聞き違いでなかつたら……。しのいやな條件とは一体どんなことができたか。
  134. 福島正雄

    ○福島説明員 物価行政というものは、だんなが二人いまして、生産者と消費者の両方あるのであります。いやなということを申し上げた意味は、価格が不必要に上る。生産者の立場からいたしますれば、原価計算上上るものは、どうしてもマル公がありますれば、そこまでマル公を上げてもらわなければ生産ができない。但しその面も非常に甘えた原価計算ではいけません。正当な原価計算を審議しまして、物価庁も相当長くやつておりますから、相当の熟練者はおりますけれども、なかなか現業者と同じだけの知識を持つておりませんから、どうせ方々の会社工場から原価計算をとりますから、彼我対照しまして、おのおのにらみがつきますので、正当なところでやつております。但しそれが少し楽に行きますと、はね返りその他で一般の生計算にいやな影響が及ぶのは、やはり多少生産者に酷であつても、押えて行かなければならたという感じを持つております。そういうことでいやなということは、どうしても私たちは生計費にはね返るという問題も強く考えますので、その点にあまりよろしなくい影響が現われる場合には、統制といいますと、いかにも押えるように聞えますが、適当なところでこれをきめるということを申し上げたつもりであります。
  135. 横田甚太郎

    ○横田委員 一応この辺で……。
  136. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは高田委員。
  137. 高田富之

    ○高田(富)委員 ちよつとお伺いしたいのですが、米価の決定についての物価庁の方の御意見はどういう点でありましたか、ちよつと御説明願いたい。
  138. 福島正雄

    ○福島説明員 米価の問題ば御承知の通り米価審議会でずいぶん長い間かかりまして論議が繰返されました。多少詳しく増し上げますが、農家の側の主張としては、原価計算から積み上げた米価をきめてもらいたい、こういう御要求が初めは非常に強かつた。物価庁が今までやつておりますのはバリテイ計算であります。原価計算というものは、ことに米価の原価計算につきましては、自家労力と自給肥料との価格をどう見るかということによつてかなりの差が起ります。大体そこが中心だと思います。それからもう一つは、九州から北海道までに至ります地区を一本の原価計算できめるということは、相当むずかしい問題であります。そこら辺が原価計算を持つて行つたときに、批評をこうむる中心点だと思うのであります。それからパリテイ計算というものは基準年次、つまり昭和九年ないい十一年のときの米価を基準年次の価格にいたしまして、そのときの農家経済に重大な影響のあります物資をとりまして、それをパリテイ物資と申しますが、その物資の当時の価格を調査いたします。それは農家経済に重要な影響のあります百何十種かの物資でありますが、それが今日二十四年度におきまして何倍に上つているかという率を出しまして、その平郡値を出して、九年、十一年間の基準渇次の米価にその倍率をかけて、そうして二十四年の米価をきめるというのがパリテイ計算の骨子であります。皆さんこれはよく御承知のことと思いますが、そういうことで原価計算によるか、パリテイ計算によるかということの論議がかなり行われました。パリテイ計算の内容が非常にわかりにくいものですから、理論的にはアメリカ等で非常にせんじ詰めた方式でありまして、関係方面からこれを採用したらよかろうという非常な強い勧告を受けてこれを始めたのでありますが、そういう関係で非常にわかりにくいのであります。それでどうも農家はパリテイ計算でごまかされておるという円じが非常に強かつたのでありますが、米価審議会の一つの收穫といたしましては、原価計算の特質、パリテイ計算の特質が非常により論議されまして、結論といたしましては二十四年度の米価をきめるには原価計算がいいんでけれども、ちよつと準備が足りないから間に合わない。本年はやむを得がパリテイ計算によらざるを得ないだろうという空気が支配的でありました。それで大分その間にいろいろないきさつがありましたが、最後に御承知の新聞に厚表されましたような米価審議会の答申が出まして、そのときは再生産を確保する米価ということがうたわれておりまして、原価計算によるとも、パリテイ計算によるともうたつてないのであります。それで答申を得まして、政府としましては、中間権費の非常な大幅な削減という問題が米価転議会の答申にありましたので、これは非常な問題をふつかけられたのでありますが、かれこれいろいろ勘案いたしまして、そうして今日の交渉の経過といたしましては、パリテイ計算で一応計算をいたしまして、それに超過供出を一倍だけはずしまして、全体に平均して乘つけるとかその他の計算をいたしまして、今関係方面と折衝中でございます。そのこまかい数字等につきましてはまだ申し上げる自由を持ちません。経過を申し上げてお答えにいたしたいと思います。
  139. 高田富之

    ○高田(富)委員 中間経費については石当り物価庁では大体どの程度まで減らされる見通しですか。
  140. 福島正雄

    ○福島説明員 これは実は物価庁で計算をはじきますのでなくて、農林省食管ではじいていただいております。実際に当事者でありますから……。もう一つは公団でありますが、その食管の経費、事務費、それから公団の経費、事務費、また途中の運搬費等につきましては、米価審議会におきましてもずいぶんはげしい御議論がありましたが、かなりせんじ詰めてあるやに伺つております。従つて審議会で中間経費を千円以内という御意見がありましたが、その千円以内というのはどこからどこまでだという内容がついておりませんから、多少不明確なところもありますが、これは相当にむりではないかと思います。昨年の実費から言いますと、千八百円ないし千九百円かかつております。その中から超過供出の二百円を引きますと千六、七百円という繊字になります。これは千八百円、九百円というものの中には三倍の超過供出が入つておりますから、その分を今度は別わくにして、これが二百円くらいとれますから昨年で雪きまして千六百円ないし千七百円であります。本年はその分がどれくらいになるかということでありますが、そう目立つてそれを減額するわけには行かないようでうあります。
  141. 高田富之

    ○高田(富)委員 大体どの物価でも生産費できまるのが常識でありますが、農産物だけがいつもパリテイ計算でやつておりまして、パリテイ計算と生産費との間の開きが非常に大き過ぎる。いろいろな意見を聞きますが、農林省で出している資料をいろいろもとにした現在の生産費の計算を見ますと、一万何千円になるということを聞いているのでありまして、先ほどのお話の七千円というのを聞いても非常に開きがあり過ぎる。これはおそらくパリテイ計算というのにあまりこだわつて、実情を――これは九州と北海道とで違うとおつしやいますが、他の工業においても同じで、企業にしてもいろいろ條件が違う。その條件の違うままに現在どれくらい実際に生産費がかかるかということを、全国的に各地域別にお調べになつた上で、それとパリテイでやつて来たものとの開きが大きいということになると問題で、実際には再生産は不可能になります。現にいろいろなものを調べてみましても、農村では最近急速に購買力が減退していて、都市よりも著しくひどいというようなことが出ているのであつて、最近では営農資金に非常に窮しておりますが、これらはパリテイ計算による生産費を割つた供出価格の結果であると思います。従つて今度のこの案によつても、このパリテイ計算の方を多少何とか品目をふやしたとか、あるいはやり方をかえたとかいうようなことが報道されておりますが、そういうようにパリテイの方は品目の選び方によつたり、自由価格を認めたり、認めなかつたり、いろいろな操作によつてどうにでも動いてします。パリテイは五千円にしたいと思うならば、五千円でくつつくようなパリテイ計算もできる。また六千円にしたいと思うならば、六千円でくつつくようなパリテイ計算もできるというような点が相当あるのではないかと思います。今度の場合も相当パリテイ計算の基礎が動搖して来ているように見受けるのですが、これは大体幾らか価格を上げざるを得まいというような考慮から、そういうふうにパリテイ計算の基礎を少しばかりかえて行つたのじやないですか。
  142. 福島正雄

    ○福島説明員 パリテイ計算と原価計算との間に非常に相違があるという御質問でありましたが、原価計算をどこで集めたか、原価計算とパリテイ計算の数字を対比するということが一番問題でありますが、私どもとしてはパリテイ計算ではじきまして、常に農林省で集計しております原価計算と種々対比しております。それでインフレがずつと進んでおつたころは、農林省で集めた原価計算よりもパリテイ計算の方がいささか高かつた。大体インフレーシヨンの進んでいるときには、パリテイ計算で出す方がどうも高く出るようであります。今回の計算は多少今までよりも幾らか遊離した程度が少いかと思います。原価計算のとり方いかんということで先ほども申し上げたように、自家労力の日当を幾らと見るか、自給肥料の価格を幾らに見るかという見方によつてずいぶん違うが、前に農林省で米価をきめたときには、一種のパリテイ計算式のものと、農家経営から出ました標準農家の諸家計、その他の計算書というふうなものを三種類ばかり集めまして、総合米価を出しております。それからもう一つのやり方は、全国の原価計算で一番安いのが多分四千円くらいと思いました。一番高いのが一万何千円という数字が出ております。しかしその下部は四千円くらいが一番少くて、一万四、五千円くらいが一番高い。一万五千円というのはありはしますけれども、非常に高い。その中間にバルク・ラインを引きまして、この辺が中間数字であろうということがやはり農林省の数字に出ております。それらと対比いたしましても、過去二年間くらいは農林省ではじきました原価計算よりも、パリテイ計算の方が高いのであります。必ずしもパリテイ計算の方がいつも非常に低く出るということはなかろうと思います。原価計算のとり方と――原価計算というのはむろん農家で使いますいろいろな物資の価格を集積してそこに出て来る。パリテイ計算も農家経営の重要物資の値段の基準年次から、本年までの上つた率というものを見るのですから、ほんとうに物資を同じものをとり、その統計の出所が間違つておらなければ、ほぼ同じ数字が出るはずであります。  もう一つの御質問は加減が非常にできるじやないかというお話がありましたが、加減はパリテイ物資を一ぺんきめますれば、それはかわるはずはないのであります。ただ初めはパリテイ物資をきめますときには、マル公のある商品だけをとつておりました。ところがだんだん元のパリテイ物資でマル公のはずれたものが大分でき上りました。一ころははずれたものをパリテイ物資から除外しておりましたが、だんだんそれが多くなるので、それではほんとうの農家経営を反映しないから、自由価格の商品――かつてパリテイ計算の物資で今日自由価格になつたものも入れてみようじやないかということになりまして、御疑念のような何か都合のよいものを入れ、都合の惡いものははねたというような御感想が出たのだと思います。自由価格になりましてからは、マル公のように多少価格の調査ということが困難になつて参ります。従つて御観察と実際との結果に多少の食い違いがあるかもしれませんが、これは大体私どもとしましては、全国の七十何箇所の百貨店に、基準年次並びに本年の価格物資をきめまして、調査を依頼いたしまして答案をとりまして、それを一つの統計の資料にいたしまして、自由価格の商品の倍率を見ております。そんなことでそう乱暴なやり方によつて上つたり下つたりということはないはずであります。そういう御疑念が一部にありましたが、その点はよく御説明申し上げましたし、またそういう性質のものではございません。方式は非常にめんどうでありますが、いよいよきまりますれば、これらのことはいろいろなことではつきり申し上げられる時期があろうと思います。
  143. 高田富之

    ○高田(富)委員 もう一つだけお伺いしておきたいのですが、基準年次と最近では同じ品物におきましても質が非常に違うので、耐用年月が非常に少いというような点もあります。それが一つ。それから先ほどマル公のあるものはマル公でやつたというのですが、大体今の生活にしましても、あるいは生生費にしましても、やはりやみに依存する部分が非常に大きいわけであります。そういう点はパリテイの場合にはどういうふうに見るのですか。
  144. 福島正雄

    ○福島説明員 つまりマル公とやみとある場合にそれのませ方ですが、一番よい例が酒の問題で配給酒と自由酒の問題であります。これは配給酒と自由酒はあるパーセンテージをとりまして、そして配給酒が幾ら、自由酒が幾らという案を実は出したのです。これについては関係方面では多少意見があります。私の方としましては、原案としては自由酒と配給酒とある比率をとりまして――比率のとり方もこれはいろいろ議論もありましようけれども、一応比率をとつて入れております。そういうふうにやみのパーセンテージを加えたというものはほかにはありません。  それから初めの御質問の品質の差をどうするかという御質問でありましたが、これはどうも実はいたしかねております。基準年次のものと今日のものと品質の違つておりますものが確かにあると思います。これは前のものは十箇月持つ、今のものは半年しか持たないというふうなものもあろうと思います。一ころよりも幾らかこのごろではよくなつておるかと思いますが、それはそういう系数にはグラヴイテイには入れておりません。
  145. 志田義信

    ○志田委員 関連して……。先ほど九州から北海道方面の地域的なことにちよつと触れておられたようでありますが、たとえば東北方面の單作地帶の、收入というものの九二%を米によつておるような状態のところにおきます米価の設定におきまして、パリテイ計算で行くといたしましても、農家の所得と非農家の所得とのパリテイを、やはり勘案して行くというようなお考えはございませんか。
  146. 福島正雄

    ○福島説明員 單作地帶の問題、これは非常に重大な問題であります。これをどうしたらいいかということはなかなかむずかしいのでありますが、今の早期供出の奬励金というものは、一種の單作地帶の奬励金とも考えられます。大体單作地帶は早稻をつくられておるところが多いのであります。それで大体この早期供出の奬励金というものが、單作地帶の奬励金のように一応考えております。それ以外には單作地帶の問題は入つておりません。それから今のパリテイは物資のパリテイであります。騰貴率パリテイであります。所得パリテイという思想も実はあるのであります。ところがどうも私パリテイの理論はよく知りませんが、所得パリテイというのは、物資パリテイよりも非常に誤差が生じやすいという結論のようであります。ほんとうに所得パリテイができますれば、今お話のような点が御満足行くのではないかと思うのでありますが、どうも様式といたしまして、物資パリテイよりも所得パリテイの方が、誤差が生じやすいというふうに大体考えられておるようですから、まだ採用しておらないのであります。パリテイ方式を推薦したアメリカにおきましても、所得パリテイの理論がありますが、どうもまだ向うでも所得パリテイに対する十分な自信がないやに伺つております。
  147. 志田義信

    ○志田委員 今の問題は、アメリカではたしかパリテイの問題は、所得のパリテイまでに改正して考えられたように私は記憶しておるのですが、その点は非常に基準のとり方がむずかしいというのはやむを得ない。しかしもしできればそういう方法で行く方がいいのじやないかと思います。これは別なことでありますが、大体統制経済から自由経済に移行して行きまして、公団等も四〇%くらいなくなつて行くという状態になりますが、統制がだんだん撤廃されて行く。将来――将来というのは来年一年くらいの間に、大体自由経済に移つて行くというような状態が見えて来ると思うのですが、今後物価庁といたしまして、公債の補正をどの程度にどんな種類に対して考えられるかということを、ちよつと御説明いただきたいと思います。
  148. 福島正雄

    ○福島説明員 非常にむずかしい御質問でありまして、物資の間にデイスパリテイ、不均衡のありますものがまだ多少あります。ということは、それはもう一つ言葉をかえて言いますと、基準年次からの倍率が、あるものは一八〇、二二〇というふうなものがあり、あるものは一二〇くらいのものもあります。これはおのおのりくつがありますが、それの一番はげしいものは地代家賃であります。各国とも地代家賃の問題は非常に手遅れになつております。わが国でもそうでございますが、これは考え方によりましては、今の統制額では家がだんだん腐れてします。立腐れになるというような状況にも考えられます。これなどはある程度まで手直しをしませんと、他の物価との均衡が著しく破れて来ます。もう一つ申し上げますと運賃の関係、鉄道運賃と汽船運賃機帆船運賃、この間の均衡がとれておりません。これにはいろいろな原因がありますけれども、燃料の関係もありますし、これらがやはりある程度までバランスがとれませんと、鉄道ばかりへ貨物が集中いたしまして、機帆船等が全然遊んでおるということで、戰前は石炭の運搬など瀬戸内海はほとんど機帆船で運ばれておりましたものが、ほとんど使われないという状態であります。これなどもある時期には不均衡を直さなければいかぬ。  それからもう一つは、電力と石炭の問題、これも電力は水力発電のパーセンテージが大体多いのでありまして、これの物価の上昇というものは、ああいう御承知の通りなものでありますから、水が落ちれば出る、あと保全費だけだということでありますので、石炭の関係とはたいへん違います。これもやはり動力が電力に片寄つておるという問題があります。こういうふうな問題は、早急に手をつけるわけには行きませんけれども、漸次手をつけて行かなければならぬ問題かと思います。それ以外には、特にある思想をもつてどうしなければならぬという問題は、先ほど申し上げましたような基本的な考えのものだけ、その点原価計算と申しますか、そういう状況によつて手直しをして行く。しかし今申し上げました不均衡のものは、これは別の考えをもつていたしませんと、少し物が片寄り過ぎます。そんなふうに考えております。
  149. 志田義信

    ○志田委員 今ちようど機帆船の問題が出ましたので思いついたのですが、たとえば政策運賃の排除の問題や海陸運賃調整の問題が、今大きな問題として海運界では取上げられております。そういう場合には、その時期を見てあなたの方ではやはり公債の補正を考えられる、こういうわけでございますか。その時期はどうなんでございますか。
  150. 福島正雄

    ○福島説明員 時期は、運賃だけを考えますれば、鉄道を上げて船を下げるという荒療治をすれば、これはある程度まで行きますけれども、実情から申しますと、運輸審議会では鉄道を八割とか九割とか、小型汽船が九割五分とかいうようなお考えがあるようであります。そうすると、そのお考えから行きますと、今の均衡を保つという方はますます不均衡になるので、はなはだおかしいぐあいなんです。それで今日船をすえ置きまして、鉄道だけバランスがとれるように上げるためには、おそらく二倍以上に上げなければならますまい。そうしますと、一般の物資に非常に大きな影響が来ます。今の状況では先ほど申し上げましたように、いろいろな物資が上りかけておりますので、海陸の調整ということはちよつとまだ考えられない。鉄道を主としてそれが一般の物資に対する影響、またその他の生活費に対するはね返り等が最小限度に食いとめられる程度で、鉄道運賃の考えをまとめなければならぬ。それから船の方を考えなければならぬということであろうかと思います。
  151. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 次に森山委員。
  152. 森山欽司

    ○森山委員 補給金が漸次はずされまして統制価格が撤廃になる。あるいは一部改訂になる。これによつて生計費に相当な影響があると思うのであります。先ほど物価庁次長はたいへんそのはね返りを心配しておられるというようなお話でございますが、物価庁の計算によるこの今までの価格改訂、あるいは統制撤廃による生計費のはね返りがどの程度になつているか、要するにわれわれの暮しが今後どの程度に楽になるか、苦しくなるかということを、ある程度数字的な根拠をもつて御説明願いたいと思います。
  153. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 今御質問なさいました点は、われわれとしましても非常に大事な問題だと思いまして、実は目下計数をいろいろ整理している最中であります。四月から九月までにすでに一応改訂になつたものを中心にしまして、そうしてOPSの生計算におけるウエートをとりまして、そしてその倍率をかけて参りました場合におきましては、これはまだ一応の数字でありまして、多少研鑚を要すると思いますが、出た数字は、公定価格のうちでもつて三・七八%と一応上つた数字が出ております。これはただ公定価格の一応の数字でございまして、やみの方はどちらかと言いますと、下りぎみの状況にあります。これは日銀のやみ物価指数、あるいは私どもの方で一応つくつておりますやみ物価指数をとりましても、四月以降におきまして、一割とまで行きませんが、相当大きな値下りを示しております。ただこれがOPIという数字になつて出て参りますと、やみと公定のウエートの関係が相当また違う関係だと思いますが、前年の関係を見て参りますと、三月の数字に対しまして七月の数字は百六十三が百八十になつているという、約一割程度の値上りを示しております。こういうふうないろいろな数字からしまして、過去の数字におきましてもいろいろな統計がありますので、どういうふうにこれを考えて行くべきかという問題があるわけでございますが、さらに将来一体どうなるかという点につきまして、公定価格の方の関係につきましては、ある程度の一応の見通しを持つておりますが、やみ価格の動きがどうなるか。さらにOPIに現われます関係になりますと、結局これはやみと公定のウエートの動きという問題が、当然考えに入つて来なければなりません。実はその作業を今やつておりますので、非常に恐縮なのでございますが、もう少しお待ち願いましたならば、将来の見通しにつきまして、ある程度のお答えができると思いますけれども、現在この場では、その数字をまだ持つておりませんので、あしからず御了承願いたいと思います。
  154. 森山欽司

    ○森山委員 それではその調査ができ次第ひとつ委員会の方に御報告願いたいと思います。これに関連して賃金の上昇あるいは低下という問題、他に失業という問題もありますが、実質賃金的なものは、どういうふうな計算になつておりますか。
  155. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 これも現在のところとしましては、一応過去の実績を御紹介申し上げる以上にできないのでありますが、一応労働省でとつております全国工業平均賃金、この各目賃金をとりまして、これから税を引き、税引きの賃金を出しまして、それでただいまも申しましたOPTで割りました数字がございますので、それをちよつとごひろう申し上げますと、昨年の七月に百三十でありました実質賃金が、十二月には百七十二になつております。四月には百六十七に下りまして、現在あります一番新しい数字は七月でありますが、六月が百六十三、七月が百五十九、昨年の七月に比べますとずいぶん上つております。十二月はこれはちよつと異様な月でございまして、臨時のペイがたくさん出ますので、十二月、三月というのは多少違いがあります。四月の百六十七に比べましても百五十九、ちよつと下つておる。そういう数字になつております。
  156. 森山欽司

    ○森山委員 今から言いますと、生計費ははつきりした数字、あるいは将来の見通しはわからないが、大体上昇傾向である。生計費は四月に比べてむしろ現在下つておるということになりますと、結果においてはその実際の生活はむしろ苦しくなつて来るというような計算になるわけでございますが、経済九原則によれば、この原則実施のために国民は相当な耐乏生活をしなければならぬということが要請されており、かつ吉田内閣は、かつてその政綱に国民の生活を楽にしてやるということについては、一切うたつていないのでございますから、何ら責任はないようなものの、われわれといたしましては深く注意をしなければならないわけでございまして、今後の物価施策上特に御考慮願いたいと思うわけでございます。  次に質問に移ります。シヤウプ勧告によりますと、税制上資産の再評価をすることになつておるようでございますが、これが今後統制価格を維持するものについての原価計算上、どの程度の織込み方をされるか。あるいは現状の価格の中に、すでに経費その他の勘定において織込み済みになつておるようなお考えを持つておられるかどうか、その辺のことについてお伺いしたいと思います。
  157. 福島正雄

    ○福島説明員 資産再評価によりまする影響は当然あります。これはどうしても資産再評価はしなければなりませんので、勧告によりましてできるだけ早く実施した方がよかろうかと思います。今まででも償却というものは多少見てありますが、微々たるものであります。それがさらに資産再評価の結果、適当な償却が価格に見込まれますと、これは当然価格は上らざるを得ない。ただ私はそこに一つの価格政策の転機が起るのではないかと思いますが、鉱産物は別といたしまして、工業品は従来バルク・ライン・システムというものをとつておりまして、一番原価の安い会社からずらつと並べまして、そうしてあるところで線を引いてそこできめる。そこの垣根のはずれた人は損をする。その中に入つておる人はだんだんもうかる率が多いという原価の取り方をしておりました。これは今までのように生産状況がまちまちであつた場合は、やむを得ずそういうことをしなければなりませんが、燃料、電力等が大分安定して参りました以上は、標準原單位で加格をきめるべき時代になつて来たと思います。そうしますと、従来はバルク・ラインですから適正利潤というものを見ておりません。原單位のいいところは利潤は上るし、垣根のところは利潤がない。垣根から上は損をする、こういうわけであります。今後は標準原單位をとりまして、そしてそれに適正利潤、それから再評価による償却というものを入れて計算すべき時代にもう入つて来たと思います。電力などは多少そういう傾向にあります。先般非常に綿密な経理監査を日発並びに各配電会社に対していたしまして、その経理の実績によつて今回の電力の裁定をいたしております。これは一種の原価計算主義の標準原單位計算式の価格のとり方でありますが、一般の工業製品につきましても今後そういうふうな方法がとらるべきはずだと思います。そうなりますと、今までのバルク・ラインそのままで、今度の資産再評価によつて出た適正な償却を入れますと、これは明瞭に高くなりますけれども、そういうふうに標準原單位にかわつた場合には、必ずしもここより高くなるとも言えない。当然その再評価の償却を入れるときには、すでに標準原單位の制度に移るべき時期じやないかと思います。通産省でもすでに重要物資については原單位委員会ができて、嚴密な技術上から見た原單位計算をしております。それでこれは操業率をどこに見るかということで多少違いますけれども、標準原單位ができておりますものを基礎にいたしまして、今後は物価は標準原單位方式に移るであろうと思います。そういたしますけば今の償却の増加は、さほど影響がないのじやないかと想像しております。
  158. 森山欽司

    ○森山委員 標準原価計算を実施するとすれば、今後の価格政策の上に大きな上昇はないというような御説でございますが、現在の価格形成方式によつて資産の再評価をしますと、主要物資については大体どれくらい違うものですか。もう一度お伺いしたい。
  159. 福島正雄

    ○福島説明員 これはどうも同じ物資の間でも、会社によつて現在の帳簿価格と、再評価したときの帳簿価格との差がまちまちだろうと思います。その基準年次からの倍率が、平均率を見ますと一応百六十幾らになりますけれども、これは耐用年数というようなことが当然入りますから、ちよつとここで勇敢に何倍くらいになるだろうということは申しかねます。
  160. 森山欽司

    ○森山委員 会社が物価庁に価格に対するいろいろな希望を述べる場合のいろいろの資料その他から考えますと、現在の価格においても、実質的にはデイプリーシエーシヨンに該当するような額を、他の名目において水ぶくれしておるというような傾向はございませんか。
  161. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 他の名目で水ぶくれしているかどうかという点、水ぶくれしているだろうということを物価庁は考えておりませんが、ただ同じ査定いたします場合におきまして、その修繕費などで普通に減価償却が行われております場合に比べますと、やはりおのずからそのしんしやくの程度におきまして、一応ある程度の強弱といいますか、その意味においての手かげん――手かげんというと語弊がありますけれども、同じ査定におきましても、修繕費の査定におきましてはそうむりな査定はしない。從いまして、もし今後固定資産の再評価というような問題が出まして、減価償却額の合理的な数字が認められることになりますれば、修繕費などにおきまして、現在よりももつと嚴格な査定をしましてもむりが出ない、こういつた意味の問題はあるのじやないかと思つております。
  162. 森山欽司

    ○森山委員 次にポンドの切下げによつて輸入物資の価格が多少変動があつた。現在の輸入先はドルの地域が多いと思いますが、ポンド地域からの輸入もあると思いますので、そういう物資について従来出しておつた輸入補給金というものは、どの程度の影響を受けるものか伺いたい。
  163. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 お話の点はわれわれの方でも相当というか、ある程度期待できると思つておりますが、まだ現在輸入して、船が入つておりますものは過去の契約に属しておりますから、ただちにそういう数字がどのくらいあるという点は、まだわれわれのところではちよつと計算いたしかねております。ただ一応われわれの方としましても、最近入つて参つております船につきましてずつとチエツクしまして、大体どのくらいの値下りが予想できるかという点は調べておりますが、一応は三割切下げられておりますから、そのまま向うの値段が上らなければ、それに見合うだけ下るわけでありますが、ただ現地の値段がおそらくだんだん上つて参りましようから、そうしますればその半分になりますか、どういうことになりますか、一応の想像される数字は考えないではありませんけれども、先ほど申しましたように、現在入つて来ておりますのは、過去の契約であるということのゆえに、新しい契約の数字がまだ手元に入つておりませんので、どれだけ安くなるということは今のところちよつとわかりかねております。
  164. 森山欽司

    ○森山委員 輸入補給金額の減少額はまだ計算しておられませんか。
  165. 渡邊喜久造

    ○渡邊説明員 今おつしやつた意味の計算はまだしておりません。
  166. 森山欽司

    ○森山委員 それから一つ伺いたいのですが、米価の問題についてパリテイ計算がいろいろ問題になつております。特に農家の側あるいは農民にこびを呈しておるところの部面の方々は、パリテイ計算のとるべからざるゆえんを力説されるわけでございますけれども、実際アメリカその他におけるパリテイ計算の応用の仕方を見ますと、農産物の一種の低落の場合のてこ入れ方式として、これを用いられておる例が相当多いようであります。今年度の米価設定については今年はパリテイ計算でやる。来年は農家側の要望によつて、原価計算あるいはその他の方式を考えられるかのような御議論も聞いておりますけれども、将来農産物が低下して来た場合においては、必ずこのパリテイ計算の制度が生きて来ると思うわけであります。そういう観点からしまして将来の農産物価の趨勢とパリテイ計算方式というものについて、物価庁の御意見を伺いたいと思います。
  167. 福島正雄

    ○福島説明員 これは実はむずかしい問題でありまして、今の物資にパリテイ計算を継続するかどうかということは、必ずしもこれが唯一の方式ではありませんので、もう一つはアメリカではこれは一種の補償価格のようにして使つておるように聞いております。日本ではこれは收買価格として採用しております。そこにアメリカのパリテイ計算の効果と、日本におけるパリテイ計算の効果と多少違うのであります。收買価格をきめる方式としてパリテイ計算を採用しておりますから、それに対する感じ方が非常に鋭敏であります。わかりにくいからこれをとりたくないということが、一番率直なお感じだろうと思います。今御質問のありましたように、パリテイ計算というものは冷やかに考えまして、自己弁護ではありませんが、公式としては割合によい方式であります。割合に誤差の少い方式であると思うのであります。特にこの問題をよく農家側の方で御理解願えれば、よくこれを研究していただけば、あるいはパリテイ計算でよいのだということになるのではないかと思います。これは十分に検討していただくがよいと思います。原価計算が惡いというのではありません。どういうふうな方式で原価計算をきめるかということは、これは研究して一向さしつかえない。ただインフレーシヨンのときはパリテイ計算が得である、デフレーシヨンのときは損であるというような多少の違いは起りますけれども、こういうふうな米価を收買価格の方式として考えますときは、まだ多少検討の余地があるかと思います。来年も原則としてパリテイ計算を使わなければならぬということではなかろうかと思います。しかしこれは万事何でもそうでありますが、関係方面の御意思というものが相当強く働きますから、そうあまり大みえを切るわけに行きませんけれども、まあそうきゆうくつに考える必要はないかとも思います。
  168. 森山欽司

    ○森山委員 最後に物価庁側にお聞きしたいのでございますが、最近の価格統制の撤廃の傾向に相まちまして、物価庁の組織が相当縮小するように聞いております。本日の新聞にも大蔵省側の指示したと称する定員が、経済安定本部の分として出ておつたのでありますが、これについて現在物価庁の事務当局側としてどういうふうな御見解をお持ちでありますか。
  169. 福島正雄

    ○福島説明員 先ほど私どもが抱いております物価政策、物価行政の今後のあり方を申し上げましたのでおわかりかと思いますが、こまかいものについてはどんどんはずすつもりでありますので、それに相当いたしまする担当人員が減りますことは事実であります。しかし一例をあげますれば、石炭の価格がはずれたからといつて、石炭の担当者が全部いらなくなると考えることは多少まだ早いのじやないか。ということは石炭の価格が自由になつて、どういう市況であるかということを見ておくことは、他の物資の価格をきめますときにどうしても必要なことでございます。それからもう一つは野菜の統制をはずしまして、今年は天候のかげん等で多少の予期せざる影響がありましたが、これがやはり今後生計費に相当響きます。また魚の統制を全廃いたしまして、その趨勢がどういうふうになるかということは、物価政策を見ております官庁といたしましては、やはり見て行かなければなりません。自由価格もやはり価格なのでありまして、この価格の面をあまりそまつに扱いますと、全体の経済関係に思わざる不都合が起きはしないかということを私どもおそれております。それで予算の面から相当強い御要求がありまして、これを縮少するようにということでありますが、私は国費の節約ということは、これはむろんいたさなければなりませんが、そのために起ります経済上のいろいろな不都合、あるいは非常に手薄のために起ります不都合を何とかして防止したいと思います。ことに地方物価局におきましては相当こまかいものを扱つておりますので、まだまだどうしても手をかけなければならないものが大分あります。この点は本庁が地方まで届きません。かつこれを府県單位に委任するというふうな説もありますけれども、今の八物価局の間におきましても、各物価局間の価格調整という面がかなりあります。その点は始終連絡調整しておかないと不都合が起りますし、これは各県にやりますとこの点が非常に多くなりまして、とても本庁側が出張つて行つてそれを調整するわけに参りません。そういう面が多々あると思いますので、目下予算を審議しておられる大蔵省当局、また機構を考えておられる行政管理庁等に向いまして、私どもの存じ寄りを率直に申し上げております。先ほども申し上げましたようにまだまだ心配が大分あります。そういう面にあまりひどく手を拔くということは、おもしろくないであろうと考えております。
  170. 森山欽司

    ○森山委員 大蔵省の側の予算から見た新機構というものは、すでに新聞に出ておつたわけでありますが、物価庁側の希望する新機構というものは大体どの程度のものであるか。その存じ寄りを私ども委員会の方にお話願いたいと存じます。
  171. 福島正雄

    ○福島説明員 これは多少機祕に属しますので、こんなことを申し上げると怒られるかもしれませんが、なかなかこれはかけひきがありますので、ごかんべんを願いたいと存じます。
  172. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは前田委員から中央経済調査庁企画課長に対して質疑の通告があります。これを許します。前田委員。
  173. 前田正男

    ○前田(正)委員 中央経済調査庁に対して御質問をいたしたいと思います。いろいろと問題があるのでありますが、まず第一の問題は、この委員会でこの前の国会で通過いたしましたところの料飲再開に伴う食糧の臨時規正法の問題につきまして、いろいろと法律上の問題からも、取締りに苦心を拂われておるのじやないかと思うのであります。しかしながら一方これは料飲再開という立場からもやりましたことでありまして、立案当時におきまするわれわれ民自党側の説明におきましても、また地方の官庁その他、中央の安本その他各方面の御意見におきましても、料飲の再開をできるだけ認めてやろうじやないか、こういうような考え方でできたように思つております。別に奬励するわけではありませんが、再開を何とか認めてやろうじやないか、こういうような考え方でできたと思いますので、この取締りについては非常に苦心されるということは、私どももよく存じておるのでありますが、各府県によりまして、いろいろと嚴にやつてみたり、ゆるくやつてみたりというようなことで、法律解釈も仕方によつていろいろあると思いますが、当時話を聞いてみますと、安本の生活物資局が中心であつたらしいようでありますが、中心になりまして、経済調査庁あるいはまた農林省あるいはまた警視庁その他みなお集まりになつて、中央で大体の取締り方針というものをきめられて、今度の法令ができたから特に調査にまわるというようなことはあまりやらないというように、大体私ども聞いておつたのであります。もちろん食糧その他において不正の事実があれば、これは調査庁が調べに行くことは当然だと思いますが、どうも一貫していないような傾向と、それから当時の打合せた気持と少し違うようなところがあるのじやないか。あるいはまたいろいろの方面から嚴格にやるというようなうわさもあつたのでありますが、こういうような面について今どういうふうなお考えを持つておられるか。また連絡をとつておられるか。あるいはまたそれに対する実情等がわかりましたならば、ちようどこの委員会で通過いたしました法律でありますから、一応御説明をいただきたいと思います。
  174. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 御質疑中はなはだ失礼でありますが、物価庁の福島さんと渡邊さんが、もし御質疑がなければお帰りになられますが、よろしゆうございますか。
  175. 横田甚太郎

    ○横田委員 あります。
  176. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それではこちらの答弁がありますから、そのあとでお願いします。
  177. 山口鐵四郎

    山口説明員 料飲の再開につきましては所管の方が本日出ておりませんので、こまかいことを申し上げることも私からできないのでありますが、私が承知しております範囲内のことについて一応お答えしたいと思います。規正法によりますと、料飲営業に関しまして種々の行為を禁止しておるわけでありますが、調査庁といたしましては、その重点的なねらいといたしまして、無許可営業ということについて、それから主食の無切符による提供という二つの目標を重点的にとらえて、それの何と申しますか防遏ということに努力しております。ところが、御承知の通り調査官の数というものは非常に制限されておりまするので、実際において各府県における何と言いますか、各飲食店、料理店に対する個別的の取締りというようなことは、主として末端まで手足を持つておる警察の方にお願いしておるわけなんです。こちらといたしましてはたとえば規定ができておるにもかかわらず、許可の申請をして来る料飲店が少いという府県とか地域に対して、さようなことがないようにその申出をして来ない原因をただし、あるいは行政措置において欠くるところがあるならば、その行政措置の改善という方向で極力許可の申請を促進させる。そして正当なものには許可を與える。あるいは先ほど御意見のありましたような全国的に取締り方針の不均衝がないように、警察に対して調整するということに重点を注いでやつております。そのほか実際上の取締りにはいろいろ関係がありますので、なお御質問の意味に十分お添いした答えにならなかつた、もつと細かいことをお答え申し上げなくてはならないというのでございましたならば、また日を改めましてでも、なおよく実情に詳しい主管課の者を出席させてお答えしたいと思いますが、一応私からのお答えはこれだけにしておきます。
  178. 前田正男

    ○前田(正)委員 規正法に関係したことだけをちよつと続けて伺つておきたいと思います。この規正法のことにつきましては、ただいま担当の係官がいないということですが、詳細のことは私たちそう必要はないと思うのです。ただ問題はそういうふうに中央においての初めの打合せと、地方におきましての実情が違うということをよく聞くのです。これは料飲店を再開してやろうという親心が出発点であろうと思うので、ぜひ中央で調整をしていただいて、各府県にもう一ぺん連絡を願つて、あまりまちまちの取締りのないようにしていただきたいと思います。ただそのときにもう一つ問題になつておるのは露店営業のことなのです。露店営業は大体規正法で認められることになつておる。当時の委員会においても認められることになつておるのですが、今度銀座その他の盛り場の露店商は認めない。これは飲食店だけでなしに、一般の露店商は全部認めないことになるということが新聞に載つておりました。これは規正法でやるというわけではなく、経済取締りの関係かあるいは交通制限の関係からか知りませんが、とにかく盛り場における露店商は食料関係以外のものも認めないということらしいのですが、この点調査庁としてはどういう考えを持つておられるかお聞きしたいと思います。
  179. 山口鐵四郎

    山口説明員 規正法の解釈上露店が許されるかどうかということにつきましては、一律には決定できないので、個々の具体的の場合によつてやらなければならないと、法務庁としては申しております。御質問の露店を一般に禁止するということは、私も新聞で承知している程度なのでございまして、都市美観とかあるいは衞生関係とか、さような見地から禁止することもあるかと思いますが、この問題につきましては調査庁といたしましては職務の範囲に入つていないので、全然関係しておらないのであります。
  180. 横田甚太郎

    ○横田委員 物価問題は非常に重要なんです。これはよくわかるのです。しかし日本には物価というものはないのです。これは一体どういうわけか私たちに聞かしていただきたい。たとえて申しますと官庁においていろいろなマル公をおきめになつた。おきめになつたところがそのときにはマル公はなかつた。やみ値しかなかつた。いろいろ探してみたら三つも四つもあつた。こういうときにマル公をおきめになつたから、中にはかえつてマル公の方が高く、やみ値の方が安くなつたものも出て来た。だから私たちが見ます限りにおきましては、現在ここで論議されておる物価は、これは役人方が人民の商売にけちをつけるための仮の名の物価なんです。こういう点は非常に遺憾です。うそだと思つたら一々御案内して見せましよう。やみの値段は公然としてある。そしてわれわれはやみの値段で金を拂うことによつて、われわれの必要なものを手に入れておる。これは逆に言つたら経済調査庁の活動に御都合はいいでしようが、当方においてはやりきれない。それでとにかく政府のきめたものが守られていないということが出て来ておる。この守られないような物価はどういうわけで出て、どこから出て来たのであるか。これを守れるような物価にするためにはどういうような見解を持つておられるか。物価問題は非常に重要ですが、日本の経済学者の扱う物価問題である限りにおいては、おそろしく昔のものであほうの骨頂である。この点について承りたい。
  181. 福島正雄

    ○福島説明員 御質問の要旨が非常に多岐にわたつておりますので、十分なお答えができるかどうかわかりませんが、マル公より安いものがあるということですが、マル公というのはその値段より低く売つてはいけないというのではないのです。最高価格ですからむろん低く売られることはひとつもさしつかえない。最近現われているマル公割れの商品というものは、生産費から来たものではなく、中には金融上やむを得ず、損を知りつつ現金化しなければやつて行けないという状況から来たマル公割れもあると思います。また価格形成の面で幾らか手落ちがあつて、ほんとうは原価は安いのだ、それだから競争の結果出て来るのだということもありましようし、先ほど申しましたように標準原価計算ではありませんから、非常に原価の安いところと高いところをずつととつて、あとから線を引いたから当然競争しようと思えばできるので、現在の状況では供給の方が幾らか多い状況になつております。もとのように物を出せばすぐ飛びついて売れるような状況ではありませんから、そこで自然に売れるのを待つというだけの余裕がないために、原価の安い工場――それは原価が日本国中みな一緒でありませんから、中に安い工場があります。これだけ原価が安いから安く売ろうというところも――何も金融上の理由からでなくても、早く自分の商品を処分して次の生産にかかりたい。結局金融ということになるのですけれども、そういう面から安くなるものもあります。どうもいろいろ混雑しておりますので、これは物価ではないとおつしやられればちよつと困りますが、これは最高価格なんですから、それより安くなることは一向さしつかえないのです。むしろそうやつて勉強していただいて、物価庁、しりを食らえというようになつた方がけつこうなんです。ただマル公より上つているというのは、これはどうも基礎物資あるいは原材料配給、あるいは生産計画に載つておる物資はほとんどマル公で売られております。そうでない末端の商品でマル公のついているものもありますが、そういうものは生産統制、配給統制が比較的ルーズでありますから、やみ値の出る機会が多かろうかと思います。その点ははなはだ遺憾でありますが、物価は元来需要と供給の傾斜でできるのですから、それを役所の力で公定してみたところで、これはほんとうは大それたことなんです。需要と供給日本なら八千万の国民がきめるので、物価庁の五、六百人あるいは千人ばかりの人できめられるはずはないのですが、それをいろんな観点からむりをしてきめている。そのむりが多少現われることはまことにやむを得ないことだと思います。その程度のお答えよりどうも申し上げかねます。
  182. 横田甚太郎

    ○横田委員 あとの議論にはあげ足をとるようになるかもしれませんが、ここで上げました以上は、そういうふうに物価まできめて統制で一生懸命やられておるにもかかわらず、勤労階級が非常に貧乏する。これは私の共産党の「アカハタ」でも「真相」でもない。「ダイヤモンド」ですが、これを見ましてもはつきり出ております。昭和十年ないし十一年は重要なる基準年度で、米が一升三十銭七厘一である。賃金はそのときには七十二円平均でとりまして一でありまして、これが昭和二十二年の七月になりますと、米の値段が一升一四円三十五銭になつております。これは三十銭七厘に対して四六・七倍、それから労働者賃金は二千二百九十円、これは三一・八倍、ここに労働者は一四・九の負担を受けておる。それから次におきましては二十四年四月に例をとつてみますが、そのときにおきましては米の値段が一升五十六円七十銭であります。昭和十年、十一年の米の値段に対しまして一八四・六倍である。賃金はそのときに九千百十四円であります。そういたしますと、このときには一一四・五倍であります。ここにおいて労働者は五八・一の賃金を受けておるわけであります。それからおそらく昭和二十四年の十一月には、この雑誌の推定によりますと、七十円から八十円に米の値段がきまるであろう。そうすると昭和十年、十一年を基準といたしまして二百五十倍に上つておる。そういたしますならば、労働者賃金をどのくらいにすればいいかということが出ております。もしそのときに労働者賃金を損をさせないためには、いわゆる昭和十年、十一年の基準で行くならば一万八千円もらわなければならない。しかし実質賃金は下つておる。ここに統計もありますが、実質賃金はぐんぐん下つておるわけであります。六月以後は出ていないのですが、これはいろいろの見解を総合してみますと下つておる。昭和二十四年の一月が八千百八十六円、二月が八千三十円、三月が八千二百二十五円、四月が八千三百二十九円である。五月が八千五十九円、六月が八千五百二十九円それから後にはどんどん下つておる。そういたしましたならばどこから見ても政府においては、何もこういうようなからくりをやつてどうしようというようなことを公式に言つておられない。それにもかかわらず、最も公平と見られるところのパリテイ計算で米の値段が安い。百姓も損をする。それに対して労働者賃金も安い。いわゆる低賃金、低米価を言うと赤の宣伝だということを言われる。実際におきまして、こういうふうな中において経済の自然原則をわざとゆがめるために、いわゆる独占価格というものが設けられたのであつて、役人方が何かの命によつてこういうような物価のきめ方をするのじやなかろうか。これを根本的にわれわれが解決することなしには、いわゆる米価の問題は納得の行く解決はしないと思う。私はこういうような面におきまして、いわゆるこの物価をきめることに携わつておられるところの役人方個々の御意見と、役所の御意見とに非常に食い違いがあるのではないか。これは非常に聞きにくい点でありますが、その点をちよつとお聞きしたい。もしほんとうに篤学の研究を第一義としてやつておられる学者であつたら、こういう間違いはあほらしくて研究しておられないだろう。「新聞は真実を報道しているか」という新聞週間の放送討論会を聞きましたが、あのときに国立輿論研究所の所長もおられまして話しておりましたが、実にしどろもどろで聞いておられぬようであつた。それでも良心は持つていることは看取できた。しかし何となくわれわれにふに落ちない問題があるのでありまして、日本の経済を生きたままとらえ、研究する。そうして日本の物動計画を立てるためには、こういう物価計画にはうんと力を入れなければならない。そういう点におけるその役所の考え方と、役所におられる人々のノートされるところの見解は違うかどうかということを聞きたい。
  183. 福島正雄

    ○福島説明員 御意見が大分多いと思います。それで御質問の点は役所の意見とそれに携わつておる役人個人の意見とどう違うかということですが、それはかなり人間がおりますから、いろいろ考えの違う点もむろんあると思います。しかし役所として物価行政をやります上には、今米の値段と賃金の対比をお話になりましたが、まだ対比すべきものがたくさんあると思います。ただお話が賃金だけの面が出たと思いますが、それにつきましては物価行政を扱つておる者としますれば、個人の考えよりも全体の総合的の勘案からある結論が出て参ります。これはただ物価庁だけで出るのでなく、これはいわゆる生産官庁もありますし、また消費者の面、生計費の面というものをいろいろにらみ合せまして出て来るのでありまして、物価庁の役人の個人から言いますれば、今御指摘になりました賃金ベースなどよりはるかに低い賃金を受けておる連中ばかりでありまして、町の賃金を受けている方よりも、そういうことはもつと切実な面があろうと思います。しかしこれはただ個人の問題じやなく、全体の総合計画から出て来るのでありまして、違いがあるかどうかという御質問については、個人との違いがあるというふうな個人の考えをもつて行政をやつておるわけでありません。違いがあつてもそれは全体のものに溶け込んでおる。何だか変な言い方で言い拔けとお考えになるかしりませんが、そういうふうな感想を持つております。
  184. 横田甚太郎

    ○横田委員 大体さきのような質問ではそういうふうに答えられるのがあたりまえだろうと思います。片山内閣時代に物価体系というものができました。私はちよつと数字を間違えておるかもしれませんが、たしか私の記憶に間違いがなかつたならば、物価は六十五倍であつて、米価は六〇・二倍である。賃金は二六・五倍である。その物価体系を打破るために、問題はいわゆる不必要なものの統制をはずして行くというようになつておるのです。それは非常に必要なことかそれとも不必要なことか、それをちよつと承りたい。
  185. 福島正雄

    ○福島説明員 質問の要旨がわからなかつたので、恐れ入りますが、もう一度……。
  186. 横田甚太郎

    ○横田委員 片山内閣時代に物価体系ができました。簡單に言えばあれではもう物価が維持できませんね。これが一つ。つまり維持できませんかということが一つ。だから今日それをかえるために不必要なものをどんどん自由価格で値段をかつてにきめることにして行く。そういうような場合においてあとのような意見になるのが、ごく自然な成行きだとこう考えられておりますか、と言つておるのです。
  187. 福島正雄

    ○福島説明員 片山内閣時代の物価水準を今日守れないからはずして行くのかという御質問のように聞えました。何か私ちよつと頭が惡くてわからないのですが、片山内閣時代の物価方針が維持できない。その逃げ道として物価をはずして行くのだというふうに聞えたのですが……。
  188. 横田甚太郎

    ○横田委員 また意見が入つていけないのですが、大体申しますと、片山内閣時代にできたものでは売れない。さばけない。それで非常にいろいろな困難が出て来る。それに対してこれをいわゆる大衆のふところに転嫁さすために――大体これは輸出の問題にからんでの質問ですから、ちよつとあなたの方でわからぬのかもしれませんが、とにかく大衆のふところにある金をこちらにとれない。品物と金とがかえられない。簡單に言えばそういうような意味合いにおいて値段を自由にして当局が自由に売らす方が、大衆のふところに品物をほうり込んで大衆のふところから金がとりいいかと言つておるのです。
  189. 福島正雄

    ○福島説明員 ますますわからなくなりました。頭が惡いものだから……。
  190. 横田甚太郎

    ○横田委員 簡單に言いましたら物価体系というものはがつちりあるということの方が大衆收奪がしやすいか。それとも自由価格で値段は君たちがかつてにきめて、工場がつぶれるのも自由競争の結果である。君たちのやり方が惡いからすべてのものをよう買わないのだ。政府がお前たちを收奪するがためには、値段はもうおれたちできめない方が恨みが来ずにいいというようなお考えなんですか。
  191. 福島正雄

    ○福島説明員 今申し上げたように、価格というものは需要供給の傾斜できまる。今のあなた方のお言葉を何しますと、資本主義経済のもとでは需要と供給の間できまります。それでは生産が――硫安なら硫安がどうしても百何十万トンつくりたい、硫化鉱を百五十万トン掘りたいというところから行きますと、やはり何か措置をしなければならぬ。措置をしなくてもいい。石炭などもうそろそろ滯貨が出て来た。措置をしなくても、自然の勢いにまかしておいて大丈夫だ。国民生活に影響しないというところではずすのでありまして、どうもいろいろと攻撃が来て困るから、はずしてしまえば物価庁にしりが来ないからというような観点で、はずしているわけではありません。国民のふところから銭をとりにくいとか、そういうことではちよつと……。
  192. 横田甚太郎

    ○横田委員 まあ、そのくらいでいいでしよう。
  193. 前田正男

    ○前田(正)委員 それでは経済調査庁につきましてもう少しく質問を継続したいと思うのですが、もう一つの問題は、経済調査庁が各地でいろいろと経済の調査を経済調査庁としてやつておられると思うのであります。実は私たちよく話に出るのですが、そのうち独占事業関係の方面の仕事は、どうもいろいろと連絡を密にして頼みに行くくらいのことならばいいのですけれども、相当割増を持つて来なければいけないとか何とかいうような話を聞くことが多いのです。最近は交通事情なんか大分かわつたようでありますけれども、交通方面なんか特にそういう話が今まで多かつた。あるいはいろいろな方面の新しい施設をしてくれとか、あるいは何かをやつてくれというような方面で、特に独占事業的なもの、あるいは政府の官庁的、公共事業的なものは、どうもうまいこと話をつけないと仕事をやつてくれない。こういうようなことを非常によく私たちは聞くわけなんでございます。こういつた問題は、実は経済調査庁とされては大きなやみを取締られるとか、いろいろと大きな仕事もぜひやつていただかなければならぬと思うのですけれども、各地方の産業の発達とか民生の安定とかいうためには、そういうふうな末端的な機関の官行あるいは公共的、独占的な事業とか、こういつた方面の末端の職員が、どうもいろいろなことを強要するとか何とかいう事実が相当あると思うのです。ところがそれに対しては、警察あたりではよう手をつけないというのが現状になつておるように思うので、こういう点は実は経済調査庁あたりが率直にそういうような方面に手をつけていただいて、ひとつ地方の産業を伸ばすに必要な輸送問題の打開とか、あるいは民生の安定のために必要ないろいろな問題について、ぜひ手を入れていただかなければならぬと思うのですが、そういう方面に対して現在どの程度の取締りをしておられるのか。ひとつお聞きしたいと思うのです。
  194. 山口鐵四郎

    山口説明員 御承知の通り経済調査庁は、單に経済警察と同じように取締るというだけで、この統制を同滑に遂行することに協力するというのではなくて、もう少し広い見地から、行政施策の改善というようなこと、あるいはまた一般国民に対する面におきましても、ほんとうに国民経済に害になるような惡質なものを主として対象として仕事をしておる。従つて弱い者いじめというようなことではなく、やみの根源というような面に大体主力を注いでおります。またそうしなければわずか三千名足らずの調査官では、とても十分な仕事がやつて行けないわけでございます。御質問の点はもちろんわれわれとして十分考えておるわけでございますが、ただ経済調査庁経済調査庁法に基いて仕事をしておりまして、その経済調査庁法によりますと、法律に掲げられた経済法令の範囲内においてのみ、経済違反の防遏ということの範囲において仕事ができることになつております。従つて場合によりまして独占事業が割増金をとるとか何とかいう問題が、刑法犯の涜職罪になるという面におきましては、これは直接は調査庁の仕事にはなつておらないわけでございます。もちろん経済違反を対象とする調査に関連いたしまして、さような端緒をつかみました場合には、警察なり検察庁なりに積極的に連絡いたしまして、そちらの方の手によつてその摘発をする、さような行為の防遏をするという方法でやつておる次第でございます。
  195. 前田正男

    ○前田(正)委員 なるほどその通りでございまして、経済関係の法律による以外はできないことになつておるわけでございましようが、私たちは何も涜職を摘発してくれとか何とかいうわけではないのでございまして、経済問題におきましてはどうしても大きなやみを断つということもぜひ必要でありますが、地方の民生におきまして涜職とまでは行かないけれども、いろいろとそこに行つて頼めば、普通には当然仕事をしてもらえなければならないものが、経済関係ではなかなかしないというようなものが非常に多うございまして、民間の生活に非常に支障を来しておるというのが実情じやないかと思うのでございます。こういう方面は経済調査庁はやみを摘発するというような大きな仕事をやつておられるけれども、同時にいわゆる民衆の経済生活を打開するというのも、これまた大きな一つの方法だと思いますので、特にそういうふうな地方の生活問題の改善というような方面に、ぜひひとつ協力してやつてもらいたいと思うのです。そういうふうなものであつて初めて経済調査庁というものに対する親しみが、できて来るわけではないかと思うのですが、そういうことがないと今の警察と同じものじやないか。警察なんというものはどつちかというと地方自治警察あるいはいろいろな関係もありまして、そういうふうな経済の事業とか個人会社とかいろいろなものが仕事をしようと思つても、いつもあまりこまかい業務まで立ち入つては言わない。ほんとうに涜職罪を構成しなければ、あるいはそういうようなおそれがないと、やみにならないということで、警察というものは入つて来ない。ところが経済調査庁というものは罪にならないうちに、独占事業体あたりがいろいろなことで非常に惡い風潮があるとか、そういう気風があると、罪にならなくてもそういうことはやめた方がいいじやないかと、経済調査庁が中心になつてそういう懇談会でも開いて、経済開発のいろいろな打合せをしてやるとか、あるいは電力の割当をしてやるとか、どちらかというとそういう不円滑になつておる現状を打破するように、すでに罪を犯すまでに、積極的にそういうふうな中に入つて融和的な機関になつてもらうというのが、経済安定本部の一環として経済安定という立場から言つても、いわゆる普通の警察と違うわけで、罪が起つてからやる仕事ではないわけですから、そういつた点からひとつ積極的にそういう問題について御協力、あるいはそういう方面については大いにどんどん仕事をやつてもらいたいと思つておるわけです。そういつた方面に対する計画とか方針があればお聞きしたいと思つたのですが、私の方といたしましても、それのあるなしにかかわらず、今後そういうふうに経済調査庁あるいは物価庁あるいはまた地方経済安定局とかいろいろあると思うのですが、そういう方面と御連絡願つて、そういう贈賄罪などが起る前に、いろいろな不正なことが起らないように、公正な手段で地方経済が発展し、民生が安定して行くというようなふうに指導していただきたいと、こう思つておるのであります。
  196. 山口鐵四郎

    山口説明員 御意見まことにごもつともでありまして、われわれも統制の励行を確保して行くためには広い見地に立たなくてはならない。経済警察よりかもつと広い見地に立つてやつて行くということで、最も惡質な違反は取締りいたしますけれども、それ以外のいろいろな方面に努力いたしておるわけでございます。民生安定のために何か方針があるのではないかという御質問に対しまして、われわれの方で現在やつておりますのは、各府県ごとにございますわれわれの末端の役所であります地方経済調査庁に、経済相談所というものを設けております。経済問題に関する苦情の持込所ということでありまして、われわれの手で解決できるものはわれわれの手で解決いたしますし、またわれわれの事務の範囲に入らぬものは、関係機関に連絡して、国民にかわつていろいろとその解決方法を連絡し、あるいは促進するという方法でやつております。それで地方経済調査庁には経済協議会というものが設定されてありまして、そこに県内の経済関係諸機関が全部出席しておりまして、一月に二回ずつ恒例的に会議を行うことになつております。さような席上を通じてただいまの苦情なんかを処理するようにしておりますし、なおその苦情委員会で処理しかねるような問題につきましては、個別的に関係官庁方面とも連絡いたしまして、極力愛される調査庁ということを目標にしてやつておるわけであります。
  197. 前田正男

    ○前田(正)委員 なるほどまことにけつこうな案だと思うのでありますが、非常にそこまで積極的におやり願えるのならば、もう一つできましたならば、私の思いついた案になるわけです。官庁に出て行つて苦情を聞いてくれということはまことにいいのですが、一般の経済界の人はなかなか行きにくいし、また言いにくいと思うのです。そこでやつておられると思うのでありますけれども、各地々々に商工業の集まりましたような土地があると思いますが、なるべくそういう土地へ出かけて行かれまして、商工業者を集めて座談会あるいは公聽会、質疑応答等を重ねていただきますと、非常にそういう意見が出て来るんじやないか。私は経済方面の出身でありますので、各地に参りますと国会報告のあとで、そういう経済問題についてもいろいろ質疑を受けまして、こういう問題がある、ああいう問題があると言つていろいろよく話を聞くわけでありまして、それは犯罪というところまでは入らないのでありますけれども、経済のそういうような苦情を打開していただくということが、ぜひ必要だと思うのであります。私らがそういうことを言うと、あまり関係がうるさくないから私らにはどんどん言うが、皆さんに言うと、いろいろむずかしくなるからというので、よう言わないかもしれませんが、そういうようなせつかくの苦情相談所があるなら、ぜひ各地方をまわつて歩いて、座談的に質疑応答をしていろいろな苦情を聞いて打開していただく。こういうふうにしていただいたならば、いわゆる愛される調査庁というようなことが実現されると私は思うのでありますが、ぜひひとつやつていただきたい。
  198. 山口鐵四郎

    山口説明員 先ほど申し上げました経済相談所は、地域によりましては巡回経済相談所と申しまして、巡回的にさようなものをやつておるところもございます。なおそのほかに、これは全国的に通じまして、生活懇談協議会というものを一月に一度なり二度なり開催いたしまして、そこには各界代表者なり、主婦あるいは労働組合方面にも来ていただきまして、いろいろ御相談に応ずる。その際には調査庁だけが出席するのではなくて、関係機関のものを誘い合せて官庁側も出席いたしまして、いろいろ苦情を聞いたりまたその解決策に努力するというようにいたしております。なお御意見に従いまして、極力さような方面になお積極的な活動をするようにやつて行きたいと思つております。
  199. 前田正男

    ○前田(正)委員 これで質問は打切りたいと思うのですが、最後に、今のお話でいろいろな協議会の委員がきめられたり、出る人がきまりますと、出て来た人は責任もあるし、その代表であるというようなことで、いろいろなことを考えてなかなか言わないものでありますけれども、私らがやつておりますのは、全然人を指定しないで、きようはこういう座談会を開くから任意に集まつてくれ、あるいは場合によりますと、その土地経済界とかそういうものを通じて、きようはこういうものを開催するというので、案内だけは出すわけでありますけれども、一般の職員の方であろうと、一般の商工業の方であろうと、あるいはまた大企業の方であろうと、だれでも出て来て、一般的な話をしたあといろいろ質疑応答をするというふうにして、連絡通知は各機関を通じてやることはよいと思いますが、なるべく一般の方に、そういう協議会とかいかめしい形でなく、経済座談会のようなことでいろいろ御意見を聞いていただく、こういうことを希望して私の質問を終ります。
  200. 福井勇

    ○福井委員 ちよつと関連して――特に私の出身地の愛知県は纖維関係が非常に多い。経済調査庁の担当事項は別に纖維に限つたことでありませんが、日本の纖維産業が輸出産業の六二%も占めておる。そのうちのまた大体五〇%程度は愛知県で占めておるくらい多いところでありますが、この正月ぐらいから、今おつしやつた三千名のうちの何名か知らぬのですが、あちらの担当官の連中が違反があつたので、相当経済調査庁が働いて網がかかつたのです。それはそれでよい。ところが網をかけたままで、あまりに多く網をかけちやつたものだから、具体的に申しますと愛知県の知多郡、あるいは尾張一ノ宮市とか、あるいは一番先に言いたかつたが、愛知県の蒲郡附近、これは私の方だから遠慮して三番目に申し上げるが、この方面が網をかけたままで、検察当局へ移つちやつたままでほつたらかしなんです。これは産業を非常に萎靡させるものだ。たとえば綿糸は倉庫にある。これは封印してある。あるいは綿布、あるいは毛織物でも、纖維関係のものが愛知県に特に多かつた。経済調査庁は最後までの結末をつけるという責任が別にあるわけじやないが、手を広げ過ぎて――経済調査庁のやつたことは違反でも何でもない。職務を遂行したにすぎない。これはわかるが、とにかく伏せちやつたままで、結果的に見ていたずらに萎靡衰頽に導いてしまうようなことでなく、早くそれの結末をつけてやる。私の言わんとするところはそこなんです。結末をつけて動くものは動くようにしてやる。また業者は言つておる。違反は違反で、罰金罰金で出す。早く動けるようにしてくれなければ困る。これは今年正月から今十月になつてもまだ全然手がつけられていないままあるわけです。繰返し申しますが、これは経済調査庁だけの問題という意味で私は論じておるわけじやない。関連しておりますので、できるだけ早くこういう手を広げ過ぎたものを解決してもらうように慫慂してもらいたい。これが一つ。  もう一つは、私は考査委員を今やつておる。それで考査委員会経済調査庁と、今どういうふうな関連をあなたたち自体が持つて仕事をしておられるか。これは私どもの方から、どういう心持であなた方はこの考査委員の方と関連をしてやつておられるかということを聞きたいのです。これは多少むずかしいかもしれぬのですが、わかつた程度で今の二つの点をお答え願いたい。
  201. 山口鐵四郎

    山口説明員 御質問の第一点は調査庁で摘発した事件検察庁へ移つたものが、今もつて処理ができなくて非常に関係者が困つておる、こういうようにお聞きしたのですが、実はわれわれ中央におりまして全国的に一体どういうような違反を調査し、これがどういうように検察庁に送られ、検察庁ではこれをどう処理しておるかということを、具体的に個々の事件についてやつておるのじやないですが、数字的に毎月統計を出しておるのでございます。それによりますと、調査庁で検察庁の方に告発した事件の処理状況が相当遅延しておるわけでございます。それは警察から送られて来る事件を含めまして、検察庁における経済違反の数が検察官の人手に比べて相当多い。そのために検察庁がその処理に遅延を来しておるということだろうと思うのでありますが、経済事件の処理は特にほかの事件に比べて迅速に処理しなければ、いろいろ関係者も困りますし、その他不都合がございますので、こちらといたしましては常に検察庁に、その処理を急速にやるように要望しておるわけでございます。御意見に従いまして……。なおしかも仄聞するところによりますと、最高検察庁ではただいま全国的に検察庁堆積してある経済事件を、年末までにこれを何と申しますか全部片づける、大掃除をするということを申しておりますので、なお先ほども申しました通り、こちらでもあらゆる機会に督促しておりますが、御意見もありますし、なお今後とも大いに督促したいと思つております。  それから御質問の第二点でございますが、考査委員会とわれわれの方の仕事の関係はまつたくございません。具体的の事件について関係、折衝したというようなことは一件もないと考えております。
  202. 福井勇

    ○福井委員 考査委員会の方のことはもう少しあなたの方で帰つて御研究になつた方がいいと思いますから、これはお預けしておきます。今のお答えはちよつと違つておると私は思つておりますから……。
  203. 横田甚太郎

    ○横田委員 議事進行ですが、衆議院職員組合から五時以後の会合はやめてくれ、特別の場合は別だがということで、ほかの委員会でも五時以後の会合はやめられたそうなんで、きようは通産省の人も来てもらつておるし、質問要項もたくさんあるのですが、五時以後の会合はやめるようにこの点よろしくやつていただきたい。そこで話は話なんですが、青木さんはけしからぬ。新聞でも恥かいておるし、きようも来ておらぬし、きようは、長官もやむを得ぬ用で来ておらないというのではなく、民自党で役員会を開いている。四時に来ると言つても五時になつても来やしない。しかもきよう一回だつたら私たち言わないのですけれども、きようでもう何回かわからない。委員会を怠けるにもほどがある。それから我孫子さん、あの人も呼んであつたのですが、おそらくきよう来ておられないと思う。今度のときには来ていただきたい。それから今度私がお願いしておきたい人は食糧庁と電力、それから通産、貿易のことのよくわかる人、それから予算のこと、こういうことのわかる人をぜひ来ていただきたい。他の先生方にもいろいろ御希望がありますからそれを加味して、どこの委員会でもやつているように一人前の委員会にするために政府委員を並べてもらいたい。実に寥々たるこんな委員会はありませんからくれぐれもお願いします。
  204. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 横田さんに一言お答えいたします。委員長としては十二分の手配をしたつもりですが、遺憾ながら我孫子長官も安本長官も見えられません。委員長としては特に本日おいで願うことを要求してありますし、委員部におきましても十二分の手配をしてございますので、この点は御了承願いたい。  それでは皆様にお諮りいたしますが、本日はこの程度で散会してよろしゆうございますか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  205. 小野瀬忠兵衞

    ○小野瀬委員長 それでは散会することにいたしまして、次会の日程は公報で御通知します。     午後五時三十分散会