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1949-08-03 第5回国会 衆議院 地方行政委員会 35号 公式Web版

  1. 昭和二十四年八月三日(水曜日)     午前十時五十七分開議  出席委員    委員長代理理事 川西  清君    理事 大泉 寛三君 理事 川本 末治君    理事 菅家 喜六君 理事 福田 篤泰君    理事 藤田 義光君 理事 立花 敏男君       生田 和平君    河原伊三郎君       清水 逸平君    野村專太郎君       淵上房太郎君    門司  亮君       谷口善太郎君       井出一太郎君  出席國務大臣         國 務 大 臣 増田甲子七君  委員外の出席者         地方自治政務次         官       小野  哲君         國家地方警察本         部長官     斎藤  昇君         專  門  員 有松  昇君         專  門  員 長橋 茂男君     ――――――――――――― 七月二十五日  委員上村進君辞任につきその補欠として谷口善  太郎君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  地方財政に関する件  警察及び消防に関する件     ―――――――――――――
  2. 川西清

    ○川西委員長代理 ただいまから会議を開きます。  委員長が本日もちよつと身体が惡いために私が代理をいたします。齋藤國警長官が出席しておりますのでこれに対する質疑を許します。
  3. 門司亮

    ○門司委員 私は齋藤長官に質問をする前に、一応官房長官にお聞きしたいのでありますが、官房長官はおいでになつておりませんか。
  4. 川西清

    ○川西委員長代理 來る予定ではあるけれども、ちよつと遅れて参ります。
  5. 門司亮

    ○門司委員 実は官房長官に先にお聞きしたかつたのですが、一応國警長官にお伺いしておきたいと思います。おそらく御存じのはずだと思いますのでお聞きしておきたいのですが、最近新聞紙を通じて警察法の改正その他についていろいろな説が唱えられておりまして、きわめて事犯の多い不安な状態におかれておるときに、ことさらに警察力がきわめて微弱であるという感じを、國民に与えるかのようなことがしばしば新聞に傳えられて、しかも一昨日の新聞のような状態は、何か連合軍からそういう話があつたとか、あるいはそれが全然なかつたとかいうことで、國民はこのことについて、治安の安定のために私はいろいろ迷つておると思うが、現在中央で考えられておりまする警察制度に対する考え方の、まとまつた意見というものがあるのかないのか、あるとすれば、それがどういう方向にお考えになつているのか、この際御存じになつているだけお話を願いたいと思います。
  6. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 警察法の改正の問題につきましては、私の知つております限りにおきましては、政府においてもまだ何らまとまつた意見はないと私は承知をいたします。さよう御承知置きを願います。
  7. 門司亮

    ○門司委員 これはむしろ増田官房長官に聞いた方が早わかりだと思いますが、警察法の改正が、國警の本部長であるあなたが御存じがないと言うならば、現在の警察法の欠陷がいろいろ指摘されておりまするのと、それからさらに現状のままで警察制度というものがやつて行けるかどうかということでありますが、この点について何か御意見がありましたら伺いたいと思います。
  8. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 ただいまの御質問につきましては、いずれそのうちに何らかの意見を申し上げる時機があろうかと思いますが、ただいまのところは、まだその時機でないかと考えますので、お許しを願いたいと思います。
  9. 門司亮

    ○門司委員 その点おかしいと思いますが、長官はそういうふうに非常に大事をとつておられるようですが、私の聞きたいと思いますことは、われわれは当然治安関係に対して関心を持ち、またいろいろなことを考えなければならない。われわれがほとんど何も知つておらない間に、いろいろなことが新聞に傳えられ、そういう新聞に傳えられたことがほんとうであるのか、うそであるのか一向わからないようなことがしばしば傳えられておるのであります。こういう時期になつて参りますると、私どもといたしましても、やはり警察制度の上に多少の関心を持ち、またこれをどうするかというようなことも考えないわけではない。それが政府の意図というものが、どういうふうにあるかということをわれわれは十分伺い知ることができないのであります。ことに最近私が考えておりまするのは、政府が何かやはり一方的に、警察権というものを全部政府が握つているかのようなことが、しばしば言われているのであります。たとえば消防の問題にいたしましても、全國二百万の消防は、いつでも出勤し得る態勢を整えておるというようなことを新聞にも書かれた事実がある。一体こういうことはだれがきめて、だれがそういうものを報じているかということであります。これはきわめて大きな問題でありまして、現在の消防が、そう簡單に政府が――あるいは國警の長官と消防長官との間にお話合いになつたかもしれぬが、しかしそれがただちに全國の消防関係の二百万の者が出動し得る態勢が整えられたとは、われわれには考えられない。またそういう筋合ではないと思う。ところがそれが新聞に出される。一体それはどこから出て來るのか、その点ひとつ、あまり警戒しないで――こういう問題がしばしば新聞紙上に傳えられるのはどこから出て來るのか、お聞かせを願いたい。
  10. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 警察と消防の協力の問題につきましては、私は先般申し上げたと思つておりますが、お話の通りこれは私と國家消防長官との協議によりまして、警察と消防が協力をする場合、その程度というものは、こういう範囲内でやるべきであるということを基準を確定して、そうしてそれを各地方の警察及び消防関係の地方の当局に、そのことを知らせたわけでありまして、それによつて各地方において、警察と消防がその基準の範囲内で申合せをしておくようにするようにという通知であります。從いまして今お話の通り、二百万をただちに動員するとか、あるいは警察が消防を同時的に使うとか、そういうような意図は全然ないのであります。今言われましたような新聞記事も出たかと思つておりますが、これは私は非常な新聞の誤解であつて、われわれの眞意でないということを機会あるごとに申し上げておるのであります。新聞がどうしてそういう取扱いをしたかということは、新聞の編集のことであると思いますが、私の方は何らこれについて知つておりません。むしろ私らとしては困つた記事であるというように考えておるのであります。ことにあの問題につきまして、政府が消防に命令をして、二百万動員の態勢を整えたというようなことは、これはまつたく事実に反しております。その点は私ははつきり申し上げることができます。
  11. 門司亮

    ○門司委員 大体問題の全貌がわかつたような氣がします。しかし問題になりますのは、今の消防は御存じのように各自治体において一切の指揮権もあり、また一切の仕事をやつておりますので、この点については中央において國警長官、消防長官との間に話合いができたということによつて、これが今お話によりますと、おそらく私は善意に解釈をいたしまするならば、命令ではなかつたと思います。單なる内容のひな型程度のものではなかつたかというふうに、私は善意に解釈をするのでありますが、それにいたしましてもこういうものが中央で出されて参りますると、地方の、大きな都市におきましては大した問題ではないと思いますが、小さな都市に参りますると、やはりそのことのためにいろいろな相談をするようなことが、必ずなければならないと私は思います。その場合に、いたずらにやはり社会不安というものが起つて來はしないか、刺激をしはしないかというようなことが考えられるのでありまして、ことに消防の問題については、なるほど消防法におきましても、あるいは警察法によりましても、相協力してやらなければならないということは明示されておりますが、それはおのずから一つの事件の起つたときの問題でありまして、さらにこれが協定については、あらかじめその地方で協定が行われることであつて、これに國が何らかの基準を示すというようなことは、私としては多少の行き過ぎがあつたのではないか、あなたの方では先ほど申し上げておりますように、命令ではない、ただそういう範囲あるいは基準を定めただけである。こういうのでありますが、下部の方に参りますと、それをまだ日本の今の一般常識から考えて参りますと、國警の本部長官から出て参つた通知が、必ずしも命令ではない、ただ一片の通知にひとしい。だからこれはどうでもいいという考え方はないと思う。この点については將來もあることでありますから、特に注意をしていただきたいと思います。それともう一つお伺いをいたしておきたいと思いますことは、そういう通牒が出たり、あるいは意見がいろいろ起つて参つておりますが、具体的に一番困つておりますものは財政の問題であると思います。ところがこの財政の問題が一向はつきりしておらぬ。たとえば消防の問題にいたしましても、動員をしようということになり、あるいは自治警察、國警との応援の問題、そういうものは十分指揮はされる、指揮という言葉は惡いかと思いますが、連絡はとつておると思いますが、相互間の費用の負担区分というものが非常に困難であります。ことに小さな都市においては、その負担を背負い切れないものがたくさんある。こういう部面に対して当局は、どういうふうにお考えになつておるか、もし腹案がございましたら、ひとつこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
  12. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 自治体警察相互間及び國警と自治体との間の事実上の応援の場合、費用をどうするかというお話でありますが、これはただいまの取扱いといたしましては、國警が自治体に応援に出ました場合と、それから國警の要請で事実上自治体に応援した場合、あるいは自治体が國警に応援に來たというような場合には、國庫の負担でやれるようにというので、実際上はそういう方針でやつております。しかしこれは法律に明記をされておりませんので、予算の範囲内でやるしか、ただいまは道がないのであります。この点は適当の機会に私ははつきり法律化をしていただくことが必要じやないかと考えておるのであります。実際上はそういうような運営をいたしております。  それから消防と警察が協力をし合いました場合は、ただいまの考えといたしましては、互いに消防は消防の負担、警察は警察の負担、かように考えておるのであります。それはたとえば消防が警察に協力をいたすといたしましても、それは消防というものの範囲内でするというのが大体の原則と考えるからであります。大体の原則はそれでいいのじやないか。警察が消防を自分の配下に從属させて、そうしてやるというような考えは、毛頭持つていないのであります。消防は消防の立場において、警察は警察の立場において協力をすることでありますから、さように考えております。先ほどの私らの方からそういうような基準を示すということも、あまりおもしろくない結果を來すのではないかという話は、一応ごもつともに承りますが、しかし現在消防は、それぞれ自治体消防になつて自主性を持つておりますし、警察も自治体警察は自治体警察としての自主性を持つておるのであります。私はこれがその自主性を持ちながら、民主主義的なる運営をされるということが、最も望ましいと思うのでありまして、またそうであると確信をいたしております。
  13. 門司亮

    ○門司委員 もう一つお聞きしておきたいと思いますことは、消防の話でありますが、もし長官がさき話されましたような角度で、それぞれの自治体で消防との協定ができる。そうして一応その活動の方針がきまりました場合に、他の自治体警察または國警から応援を求められた場合に、その応援を求められた地区の消防の職員がそれに動員されることができるかどうかということであります。この点はきわめてめんどうな問題を將來必ず起すと私は思いますが、その点については、どういうようにお考えになりますか。
  14. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 たとえばある自治体警察が他の自治体警察、または國警の方に応援に出かけるという場合に、その出かけたあとのいろいろな防犯的な事柄――夜警でありますとか、そういつたような事柄を、その自分の町村で消防がやつて行くというのが建前でありまして、他の町村から消防団員、消防機関を引きつれて、よそに応援に行くようなことは、ただいま私の方は考えておりません。
  15. 立花敏男

    ○立花委員 この通知などの範囲にお出しになつたのか、お聞かせ願いたいと思います。
  16. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 私の方といたしましては、管区本部及び各都道府縣の警察隊長に通知を出しまして、この趣旨をもつて現場の町村の警察当局に、この趣旨を傳えるというようにいたしております。消防庁の方は、知事あてに出しましたか、全國の市町村に出しましたか、とにかく知事または市町村あてに出しておると考えるのであります。
  17. 立花敏男

    ○立花委員 それからこの通牒をお出しになつたこと及びこの内容に関しまして、公安委員の方の御了解を得られましたかどうか、公安委員の方はどうだつたか、お聞かせを願いたいと思います。
  18. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 國家公安委員の方にも了解を得ております。
  19. 立花敏男

    ○立花委員 それからこの通牒では、警察と一般にあるのですが、この警察という言葉の中には、自治体警察もお含めになつているのかどうか。
  20. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 自治体警察にもその旨を連絡してもらいたいということをつけ加えておりますから、この中には自治体警察も入つております。しかし自治体警察はこの方針に從う、從わないという自由は持つておりますけれども、こういう基準がよかろうということで、自治体警察に連絡して参る、こういうことになつております。
  21. 立花敏男

    ○立花委員 自治体警察は完全に自治体の警察でありまして、地方自治体の選びました公安委員によつて、民主的に運営されるものでありまして、これがよかろうというようなことをお出しになることに関しまして、長官はどういうふうにお考えでしようか。
  22. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 御説の通り自治体警察はまつたく完全に独立した自治権を持つておるのであります。しかしながら國警との関係でありますとか、あるいは自治体警察全体に関するような事柄について、われわれの方がいろいろの連絡をするということは、必要なことでもあり、またこれは自治体警察の精神を破壞するものとは考えておりません。そういうことで大体こういうようなことがきめられたとか、こういうようにわれわれは考えておるということはお、互いに連絡し合うということが、この自治体警察も、國家警察も、相ともに治安の維持でありますから、話し合つて行くという意味からも私は必要なことだと考えます。
  23. 立花敏男

    ○立花委員 單なる連絡とか、あるいは参考という域を越えた処置をなさつたんではないかと思うのですが、自治体警察に関して、いろいろな一般的な、全國的な問題をきめる場合は、またほかに方法もありますし、ほかに機関もあるはずなんです。この通牒のように國警の警備部長とか、刑事部長とかいう形でお出しになることが適当かどうか、私たちといたしましては、これは國警として非常に行きすぎた行動をなさつたのではないかという考えを持つておるのですが、その点はつきりともう一度お答えを願いたいと思います。
  24. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 私は國警として決して行きすぎたとは考えておりません。必要な最小限度であると考えます。
  25. 立花敏男

    ○立花委員 同時にこの通牒と同樣のものが、消防の方からも各市町村の消防に出ているようですが、こういうことをおきめになること自体が、すでに警察と消防がはつきりわかれておる建前から申しまして不法であるということは、大阪におきまして私たち大阪のデモ彈圧事件を調査に参りましたときに、大阪の消防局長と警察局長の協定が、消防組織ならびに警察法に照らして疑義があるということを、この委員会でも報告書の中にはつきりとうたつてあつたのであります。それを御存じの上でこういうことをおやりになつたとすると、國警が委員会の意向を無視された、あるいは委員会のきめられたことを御存じなかつたかと思うのですが、そういう点に関しまして御意見を承りたいと思います。
  26. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 警察と消防の協力の問題について、大阪の場合にここで御質問のあつたことは私も記憶をいたします。私もその際、これは法律上は何ら違法ではないということを私の所見として申し上げたのであります。当委員会において違法であるという決議をされたということは私は聞いておらないのであります。私は今日においてもこの協力は合法的である、かように固く信じております。
  27. 立花敏男

    ○立花委員 私違法であるとは申しません。まだはつきり委員会としては結論が出ていない疑問の多い問題でありまして、その点もしもこういうものをお出しになるならば当委員会におかけくださるか、一応意向を何らかの形でお確かめになるのが当然じやないかと思う次第であります。それから違法でないとおつしやいますが、この通牒にお書きになつておる消防組織法の第二十四條には、決してこういう通牒に盛られておるような非常事態の内容はうたつてありませんので、明らかにこれは違法だと思うのです。この点に関しまして御説明願いたいと思います。
  28. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 消防組織法の第二十四條に反するものと考えておりません。
  29. 立花敏男

    ○立花委員 消防法並びに消防組織法から見まして、消防は消防のために、すなわち火災から國民の身体、生命、財産を守るためにつくられておりますので、それ以外に拡充することは、明らかに法の範囲を越えたものだと考えられます。これは常識なのでありまして、その範囲を越えましてここに書いてあるような騒動とか、暴動とか、そういうものを主たる対象にして、消防を警察の統制下に置くということは、明らかに消防組織法並びに消防法の不当なる拡充だと考えますが、齋藤長官のお答えでは不法じやないとおつしやいます。その根拠をはつきりお話願いたいと思います。
  30. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 消防法の二十四條の第一項は、私は正確な文句は記憶いたしておりませんが、警察と消防は互いに協力をして、身体、財産を保護をするというように書いてあると考えます。その範囲内においては私は何ら違法ではないと考えておるのであります。この通牒も警察が手薄になつた場合、また必要な場合、消防が主として防犯的な仕事に当る、財産の保護、人命の保護に当るというのであります。騒擾の鎭圧自身に消防が出かけるというような趣旨は毛頭考えておりません。
  31. 立花敏男

    ○立花委員 今のお答えとこの通牒の内容と相当違うのです。たとえば通牒の第八項なんかには「応援消防員は、いちじるしく格鬪発生の虞れある位置にこれを就かせることなく、又消防職務上、平素受ける危險以上の身体的危險にこれを曝さないものとする。但し、消防員は、攻撃を受けた場合自己を防衞する権利を有する。」こういうふうにこの通牒自体の内容が主として消防以外の格鬪とか、攻撃とかいう文句を使つてあるのも明らかであります。こういう事態を主たる目標としてつくられておるのですが、こういうことが決して消防法、消防組織法の目的でもないと思うのです。そういう建前から考えましてこの通牒全体のあり方が、明らかに消防組織法、消防法に反すると思います。というのは消防組織法第二十四條の非常事態というのは、やはりあくまで火災を主といたしまして、その他の自然現象的な災害を主たる対象といたしておるのでありまして、決して騒動とか、暴動とかいうものを対象としておるのではないと思うのです。從つて身体、生命、財産の保護というものも、消防法の第一條にはつきりうたつてありますように、この法律は火災を予防し、警戒し、鎭圧し、國民の身体、生命、財産を保護するのも火災からであるというようになつております。だからもし必要があつてこういうふうな措置をおとりになるとするのであれば、單なる國警の警備部長とか、刑事部長の名による通達を全國的にお出しになるのではなしに、もつとはつきりした立法的な措置をとつてお出しになるのが妥當と考えるのです。だからあくまでも一事務官にすぎないこういう人たちの名前で、全國的にこういう通知をお出しになつて、全國二百万の消防団員を動員できるという態勢をおとりになつたことは、私たち警察あるいは消防に関する責任の任にある委員会におる者といたしまして、非常に遺憾にたえないと思うのです。その点についてもう一度國警長官の御答弁を承りたいと思うのです。
  32. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 二百万消防団員を動員をするお話のような意図があるならば、かような部長名の通牒は出しません。これは事務的な申合せとしての通知であります。予見をもつて見られては私の方も困ります。ことにただいま指摘せられました八項のごとき、私が申しますように、そういう暴動鎭圧という事柄自体には、つかせないとい牒うことをはつきりここで明言しておるのであります。ただ但書に自己防衞する権利があるということは、これは当然なことで書かなくてもいいことでありますが、攻撃を受けたというような場合には、これは自己防衞を当然すべきであるという注意を喚起したにすぎないのであります。
  33. 立花敏男

    ○立花委員 これは單なる事務的な申合せとは受取れないのです。何となればこれは結論から言いますと、明らかに警察法による総理大臣のお持ちになつておる非常事態宣言の権限をも侵害するような大きな問題でありまして、市町村においては緊急の事態に該当するかいなかの認定は、市町村長または代理者がこれを行うというふうにはつきりなつております。しかもこの代理者の命令によつて、警察に対する消防の援助も行える、こういうふうに事態の認定も、市町村長または代理ですらこれを行える。しかもその代理者が命令して消防を動かせるというふうに、はつきりと事務的な申合せあるいは單なる事務的な連絡の範囲を越えた、非常に重大な事項を含んでおる。これを長官のように、部長名で通牒としてお出しになつておること自体が、非常に大きな立法権の侵害じやないかと思いますので、私たちといたしまして当然この通牒はお取消し願つて、こういう措置が必要であれば、あらためて委員会で討議の上、適当なる法文化をお願いしたいと思いますが、それに関して御意見ありませんか。
  34. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 ただいまの御質問の中で非常に誤解を持つておられる点がありますので、その点は特に申し上げたいと思います。ここに言つております緊急事態は、警察法に言つておるような非常事態の場合を指すのではありません。通常でない場合という意味でありまして、非常事態宣言が出されました場合には、当該地区では、もちろんここに言う緊急事態でありましようが、そこに至らないような場合、通常の状態ではいろいろな、防犯や何かに困るという場合を言つておるのであります。つまり当該の市町村長が、この際はやはり消防も出て協力したらよかろう。防犯的な協力をしたらよかろうということを言つてもらつたらいいのではないかというわけであります。われわれといたしましてはただいま許された法律の範囲内で、当然かような事柄は、警察と消防の間で協議のできる事柄だと解釈しておる次第であります。
  35. 菅家喜六

    ○菅家委員 ただいま緊急事態における消防の警察に対する特別な援助協力についての、各警察管区本部長並びに都道府縣方面警察隊長宛の消防と警察の相互協力に関するところの通牒に対して、種々なる御意見があるようでありますが、ここで私はお尋ねをいたしておきたいのであります。最近福島縣において平市の警察署が暴徒によつて占拠された。しかもこの事件をめぐつて福島縣下の主要都市の警察が襲われておる。若松市、郡山、福島、これらの都市において、まず第一に共産党の権力鬪爭というので市会が襲われ、郡山市会は遂に議事を開くことできずして閉会いたしております。同時に福島縣会に赤旗を持つて來て、議場につるし、共産党員が二、三百名傍聽席に押しかけて、喧噪をきわめた。そのために遂に縣会も休議するのやむなき状態に至つた。これと同樣に地方議会に暴徒のごとき勢いをもつて押し寄せたという事実は、目下考査特別委員会においてその眞相を究明中であります。平警察署の占拠事件も今考査委員会で、その眞相を究明中でありますから、その原因のいかんは別問題といたしまして、郡山市においては深更にわたつて、工場がま夜中四、五百名の暴徒により、工場の門が破られ、押し寄せられております。それから地区警察署も、自治警察署もこれらの暴徒に襲われて相当なけが人を出し、警察署の器物が破壞されておるという現状であります。最もはなはだしいのは、平警察署における警察署占拠事件であつて、四、五百名の者が警察に押し寄せて、留置場を破つて、そこに入れておりました犯人を出して、警備の任に当つておつた警察官がその中に入れられ、その暴徒のためにピストルを奪われておるという不祥事件が起きたのであります。これと同樣の事件が今頻発いたしておるのであります。これらの福島縣事件、高萩爭議における暴徒の樣相を見まするに、國家警察の手の薄いところ。また自治体警察署においても、最も警備力の少い部分にこの暴動が起きまして、それらの地方の人々は非常なる不安の念に駆られておるのであります。平市においては齋藤長官は御承知のはずであると思いますが、平市長と消防との間において何らかの協定ができたということを新聞が報じております。会津若松市においても、会津四市五郡の市長が集まりまして、会津四市五郡の消防責任者と一つの協定を結んだと聞いておるのであります。自治体警察においてはすでに福島縣においてはそれぞれ協定を結んでおるようであります。この福島縣下における消防と自治体警察との協定の内容、それらについて何か御存じでしたら承りたいと思うのであります。私の考えるところによりますと、あの事態の起きましたときに、現在の國家警察といたしましても、自治警察といたしましても、警備力というものはまことに薄いと思う。私の居住しております福島縣郡山市のごときものは、二十七日より十日間にわたつて、まことに無警察の状態であり、日が暮れますと共産党員が赤旗をもつて、二、三百名が無届で市内のデモ行進をやつておる。無届のデモ行進であります。深更三時までにわたりまして、十日間を連続して革命歌をうたつて市内を押し歩き、しかも平警察署に警察官を送つた、何ゆえに平市内に警察官を送つたかといつて警察署に押しかけて、その警察官を運んだ自動車を出した家に行きまして、徒党を組んで、十月になるとわれわれの人民政府ができるのだ、そのときにはお前たち承知しないぞ、何か警察に弱味があるものだからトラツクを貸したのだろうといつて、脅迫暴行をいたしておるのであります。これらは目下それぞれの方面において取調べ中であり、檢挙され、逮捕されたものがあるのでありますから、やがて公判廷においてこれらの事実の眞相というものは明らかになつて來るのでありますが、福島縣下の人たちの治安に対する不安の念というものは、まことにはなはだしいものがあるのであります。ゆえに一般縣民のすべては、かかる事態に備えて何らかもう少し強固なる方法によつて、治安を維持してもらいたい。法律を無視したところの宣傳ビラ、壁新聞、デモ行進、面会強要――夜分でも面会を強要いたしまして、工場、個人の家が起されて、脅迫を受けておるというような事態であります。私はここに書かれております非常事態、緊急事態というものは、騒動、暴動とありますが、正にこの福島縣に起きました平市の警察署襲撃事件というものは騒動であり、暴動であろうと思うのであります。また若松警察署における事件も、これは單なる勞働爭議ではありません。権力鬪爭であるといつて警察署に押しかけての暴行、騒動であります。暴動であります。この事態に備えるために、すでに自治体警察においては、やはり消防の協力を得る、治安というものをまつたからしめるためには、消防の協力を得なければならぬというので、すでにその協定が各地において行われつつあるというように考えられるのであります。むしろ私どもは、かかることによつて治安を維持する方法ができるならば、消防組織法二十四條のその條文によることはたしかでありますけれども、緊急事態に備えるということは、むしろ当然なことであると考えるのであります。そこで私は齋藤長官に伺いたいのは、ひとり福島縣だけではないかと思うのでありまして、すでに自治体警察においては、消防との協定というものを結んでおるように思われるのであります。それらの点に関して何か御承知でありましたならば、詳細にお聞かせ願いたいと思うのであります。しかうしてまた福島縣下に行われました治安維持確保に対しては、國警長官としてどういうふうにお考えになりますかということも、その原因の究明は別としても、今後の治安維持にいかなる態度をもつて臨まれるかということも、お聞かせ願いたいのであります。
  36. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 福島縣以外のところで、消防と警察署の間にどういう協定をしたか、まだくわしい報告を受けておりません。だんだん私は進行中のところが相当多いからと思いますが、まだ御報告申し上げる時期に達しておらぬのであります。私は治安を維持するということは、われわれ自身、國民自身が非常な関心を持ち、また國民自身でやるという氣持ちの起つて來るのは当然であり、またさようでなければならぬと思うのであります。しかしながら無統制な組織と言いますか、そういうものが無統制に治安の維持に當るというようなことに相なつても困まりますので、現状といたしましては、警察の力を強くすると同時に、組織的な消防が、消防法によつて有機的に協力をするということが一番望ましく考えるのであります。平事件等を初めといたしました福島の治安状況は、一時非常に惡かつたことは申し上げるまでもないのでありまするが、事件の檢挙とともに、私は治安の状況は回復されたと考えておるのであります。現在におきましては、再びあのような事態を繰返すというようなことは、ただいまのところ考える必要はなかろうかと考えております。なおわれわれといたしましては、治安の維持には万全を期しておると考えております。
  37. 川西清

    ○川西委員長代理 ちよつと申し上げますが、増田官房長官は十二時十五分から用事があるそうですが、官房長官に対する質問がありましたら先に願いたいと思います。  それから自治庁の小野政務次官が初めて本委員会に御出席になつたのでありまするが、ちよつと御あいさつされたいということであります。
  38. 小野哲

    ○小野説明員 私地方自治政務次官の小野でございます。今回地方自治庁が発足いたしまして、地方自治政務次官を任命されたのでございまするが、あいにくその後デラ台風等の災害が発生いたしまして、この方面の見舞い並びに視察のために、政府を代表して山口國務大臣等と現地に参つておりましたような次第でありまして、長期にわたる旅行のため、つい本委員会に対してごあいさつにまかり出る機会を失しましたことを、深くお詫びを申し上げる次第でございます。  御承知のように自治庁発足なお日が淺く、かつ受持つております仕事は、地方財政、地方行政を中心といたしました諸般の連絡事務でございますので、本委員会の各位におかせられましては、今後自治庁が所期の目的を達成し得ますように、何ぶんの御激励と御支援を賜りますよう、この機会に私からごあいさつをかねてお願い申し上げる次第でございます。何ぶんよろしくお願い申し上げます。
  39. 門司亮

    ○門司委員 官房長官にお尋ねをいたしたいと思います点は、増田官房長官は、憲法の六十三條をどうお考えになつているかということであります。これは前の委員会に私は官房長官の出席を求めておつたのでございまするが、当時長官は外相官邸においでになるということの消息はわかりましたが、その後どこにおいでになるか消息がわからなかつたのであります。從つて官房長官はこの会議に出席がなされなかつたのでありますが、憲法の六十三條には、明らかに出席をしなければならないということが明記してあると思うのであります。從つておのおの職責を持ち、義務を持つておりまするので、われわれは必ずしも何でもかでも出て來いとは決して申し上げません。しかし理由がありまするならば、その理由をはつきりさせていただきたい。そしてやはり委員会の議事の進行には、さしつかえないようにしていただきたいと考えておるのであります。從つてこの六十三條の意味をどういうふうに御解釈になつておるか、まずそれを先にお聞きしておきたいと思います。
  40. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 出席要求をなさつたのは、この前の前のの水曜日でございまして、それは私もお聞きはいたしておりましたが、やむを得ざるさしつかえのために、つい時間が遅れてしまいまして、そのときはもう散会だというようなことでして、貴意に沿うことができませんので、非常に恐縮に存じております。
  41. 門司亮

    ○門司委員 ただいま時間が遅れて散会になつておつたというお話でございますが、消息がわからぬというので、やむを得ず散会をいたしたのであります。私はこれらの散会をしたことが委員会の責任でなくて長官の責任だと思います。長官がこうしたはつきりした條文がありながら、それを無視し、國会を軽視された一つの現われだと考えております。われわれはことに休会中の委員会は、もちろんわれわれの戰責といたしまして、当然なすべき仕事ではございまするが、その一日の会を開きますことのために、地方から相当多くの人たちが、ここに集まつておるのであります。そうしてやはり所定の定められたいろいろな問題を討議し、あるいはただすべきものをただすのがわれわれの職責であるにかかわらず、ここに出て参りますと、長官はどこにおいでになつたか消息がわからぬというのであります。そしてやむを得ずその日の長官に対する質疑を保留しなければならぬというようなことがあるのであります。これは私は非常にめいわくをいたしております。官房長官は総理大臣の代理かとも考えられるふしもありまするので、將來閣議においても、この点は十分に御注意を願いたいと考えております。  その次にお聞きしておきたいと思いますることは、國家公安委員の構成のことについて、これは新聞紙の傳えることでありますから、あるいはそうではないとおつしやるかもしれませんが、政党員の問題云々ということを言われたことを、私は新聞紙で拜見したように記憶しております。國家公安委員の性格は、もとより政党員であつて一向さしつかえないのであります。この際長官が政党員云々と言われたことは事実であるかどうか。もし事実であるといたしますならば、現在の國家公安委員のいわゆる構成、制度の上に、長官はどういう意見をお持ちになるか。あわせてそれをお聞きしておきたいと思います。
  42. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 警察法に書いてある通り、二名以上の同一政党に属するものはよくないということがあるので、このことを言つただけでございます。
  43. 門司亮

    ○門司委員 私はその点はおかしいと思います。二名以上の政党員に属するものは今ないはずであります、またあつてはいけないのであります。当然そういうことは長官が今発表されなくても、警察法をこしらえるときはつきり書いてある。ことさらに長官が二名以上の政党員に属するものはいかぬということを発言されるのはおかしい。あのときの長官の言葉の中には、さらに含まれたものがあつたと思う。私はこの点を長官にお聞きしたい。何かほかの意図があつたのかどうか。さらにこれを改正される御意思があつて言われたのかどうかということを、もう一度お伺いしたいと思います。
  44. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 法律の解釈を私は言つたまでです。それから將來あの條文等について、われわれは改正する意思等は持つておりません。
  45. 門司亮

    ○門司委員 おそらくこの問題はこんにやく問答のようになると思いますが、次に伺いたいと思いますことは、國警長官の問題であります。かつて國警長官の更迭を、長官はかなり強く主張されたように、新聞紙でわれわれ拜見いたしたのでありますが、この事実があつたかどうかということであります。
  46. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 國警長官の問題については、具体的にお聞きになればお答えもいたしますが、今はその時期でないと思いまするから、それに対してはお答えは御容赦を願いたい。
  47. 門司亮

    ○門司委員 ただいま御容赦を願いたいという御言葉でありますが、この前の委員会でぜひ長官に出ていただいて、そうしてあまりそういう答弁のできない、熱のさめないうちに、事実を事実としてお聞きすることをいいと思つておりましたが、ちようどおいでにならなかつたので、やむを得ず今日聞いておるのでありますが、これは非常に重要な問題でありまして、日本の現在の状態は、先ほど菅家君からお話になりましたような不祥事件が各地に非常に多く起つておるのであります。そのときに國家警察の本部長官である者が、その任にたえざるものであるかのごとき言葉を使われて、そうしてそれの更迭を迫られる。ことに新聞紙を通じますならば、後任までもほぼきまつているかのような印象を与え、あるいはある方面から聞きますならば、いろいろな、もつと具体的の後任もお定めになつておつたということを聞き及んでいるのでありますが、これはそういうことでなかつたように私は解釈したいと思つております。もしそういうことがありますと、日本の現状というものは、先ほどから申し上げておりますように、きわめて不安な状態におかれておるときに、警察本部長官がその任でないというような印象を國民に与えるということは、治安の確保の上に非常に大きな影響を与えたものであると私は考えております。この点に対して官房長官はいかなる責任をとるか。單にこれは了解ができたから、それでいいというようなものでは済まされないと私は思います。われわれはこの治安自体が窮迫した時期でなくして、不安のない時期なら一応の考え方もありますが、こういう時期に際会して、最も重要な地位にあります者の進退に対して、先ほども申し上げておりまするようなことで問題を起したということの社会的な影響は、きわめて大きいと思うのです。これは了解ができたからいいということでは済まされない、われわれはこういうふうに考えておるのであります。ことに警察の問題といたしましては、所管大臣としての樋貝さんもおいでになりまするから、樋貝さんの何らの意見がなくして、官房長官の意見が非常に強く反映したということは、内閣の警察関係を受け持つておられます樋貝さんとの関係等を考えまして、やはり内閣の不一致のようなことがわれわれには考えられる、この点について官房長官はいかなる責任をお考えになつておるか、一応承つておきたいと思います。
  48. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 このことに対してあまり答弁いたしたくないのでありますが、いろいろまたお聞きでございますから、お答えいたします。この問題については内閣には不一致はございません。
  49. 門司亮

    ○門司委員 答弁いたしたくないから答弁しないというりくつはないと私は思います。私の聞いておることについて、もし公開の場合で困る、あるいは答弁の必要がないというならば、答弁の必要のない理由をもう少しはつきりしてもらいたい。こういうきわめて騒然たるときに、國民に与えた印象というものはきわめて大きいのであります。從つてもう少し内容をはつきりしてもらいたい。あなた方は、自分たちのやつたことに対して都合が惡いことは答弁することができないとか、容赦を願いたいとかお言いになつておりますが、問題はそれでは済まされないと私は思います。いずれの団体か、あるいはいずれの者がするかわかりませんが、この物騒な時代に治安の大任にあたる者が、その任にあらずという印象を國民に与えたというのは、非常に私は問題だと思う。この点の責任をどうお考えになつておるか。
  50. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 一言だけはつきり申し上げておきます。治安の最高責任者は内閣総理大臣である、こういうことだけは、はつきり申し上げておきます。
  51. 門司亮

    ○門司委員 非常に奇怪な答弁を聞くのでありますが、内閣総理大臣が治安の責任者であることは私も十分知つております。しかしそれを実際の面において運用する者はだれであるか。あなたがそういう答弁でお逃げになるならば、私も開き直らなければならない、國の政治の全体は総理大臣であることは、十分われわれは承知いたしております。それを指揮をする各大臣もまた責任はあります。しかし何と申しましても実際の運用、実際の指揮をいたします者を國民は信頼するのであります。ここにすべてが置かれるのであります。この点を一体どうお考えになつておるか、私はそういう御答弁なら、齋藤長官の問題に対してその任にあらずというような言辭を弄して、そうして更迭を迫られた理由を、この場合にまずはつきりどこまでも追究いたします。はつきりしていただきたいと思います。
  52. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 繰返して申し上げまするが、そのことについては御答弁いたしかねます。
  53. 門司亮

    ○門司委員 私は何も意地ずくで聞いておるわけではありませんが、少くともそういう問題が起つた場合に……。(発言する者あり)私はもし答弁ができないとどこまでもお言いになるならば、それ以上答弁を追究する必要もないと思います。しかし國民全体に与えた印象はぬぐえないと思います。こういうことがしばしば行われては、われわれとして非常に迷惑する。(発言する者あり)私は委員長に要求するが、発言中むやみなやじと言うか、そういう発言を禁じてもらいたい。退場を命じてもらいたい。私の発言は困難であります。
  54. 川西清

    ○川西委員長代理 発言を続けてください。妨害の程度が大きくなれば禁止します。
  55. 門司亮

    ○門司委員 とにかく私は官房長官にもう少し聞いておきたいと思います。私は先ほどから何度申し上げましても答えることができないという御答弁でありまするが、しかしわれわれのどこまでも追究したいと思いますることはそういう三百代言的な、そういう國家の治安の責任は総理大臣にあるとかなんとかいうことは、われわれも十分承知しております。承知しておりますゆえに、われわれは当面の責任者である國警長官が、そういう任に耐えないというような印象を國民に与えたということは困る。今齋藤長官がおいでになりまするが、齋藤長官を前に置いて、あまり問題を申し上げることは私も遠慮したいと思つております。ここに依然として齋藤長官の就任を見ておりまする場合においての了解事項、あるいは間違つておつたとか、いわゆる増田官房長官が辞職を申出られたときの理由と違つておつたと言つて、そうして國民に、またわれわれに、ほんとうの納得の行くようなことは一言もその後話されていないのであります。この点なお私はお聞きしておきたいのであります。ただわれわれが新聞紙を通じて見るならば、何か総理大臣のところに國警長官自身がおいでになつて、総理との間にいろいろ話ができて、そうしてそのままになつておるということだけは新聞紙を通じて私は聞いておるのでありまするが、当面の問題を起された増田官房長官としては、その間にどういうことをされておつたか、これもお答えする範圍でないということになるかもしれませんが、どうぞそういうことでなく、どういうお考えであるか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
  56. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 門司さんが大分御熱心にお聞きですから、お答え申し上げますが、別に問題を起したというふうに考えておりません。それからその間の事情等は先ほどから繰返して申し上げます通り御容赦を願いたい、こう思います。ただ法律問題等について御質問があれば、抽象的なことでしたらお答えを申し上げます。
  57. 藤田義光

    ○藤田委員 私はこの際官房長官に少し教えていただきたいと思うのであります。まず第一の点は、昨今新聞紙上で散見いたしております警察制度改正に関する書簡の往復が、政府とGHQにあつたという風説に対しまして、わざわざ臨時閣議の席上におきまして、総理も発言され、内閣記者団に声明文を発表されておりますが、これは絶対に書簡の往復ないし書簡を出される、あるいは受け取られるという、一方的行為もなかつたかどうかということを、この席上でまず拜聽いたしておきたいと思います。
  58. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 藤田さんにお答え申し上げます。おとといの朝の新聞記事と、それからさきおとといの朝の讀賣と、それからきのうの朝でしたか、朝日の記事、これらはすべて絶対に事実無根でございます。APならびにINSの報道があつたということは事実でしたが、ああいう報道があつたから轉載したと思うのです。しかしながら報道の内容は事実無根であります。
  59. 藤田義光

    ○藤田委員 私は直接アメリカの新聞記者に聞きまして、確かにその書簡の事実はあつたということを聞いております。これは新聞記者の誤報であるというふうに解釋いたしたいと思います。次に臨時國会に警察法の改正案を出されるかどうか、これは官房長官にお聞きするのはちよつと筋違いかとも存じますが、先般の國警本部長官の人事の問題に非常に關心を持たれておりましたし、もし臨時國会に提出するとすれば、どういう点を改正したい、また提出しないとすれば現行制度が完璧であるという認定のもとに提出されないのか、その辺のことを簡單にお伺いしたいと思います。
  60. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 警察法改正の点についての藤田さんの御質問にお答えを申し上げます、政府におきましては、警察法が制定されて以來一年有余を閲しております。その間の経驗を生かして警察機能をりつぱに運営するようにという意味において、根本的には民主化の線に沿う現在の警察機構がよろしいと思つておりますが、多少の修正をしたいというような考えは持つております。これは政府部内の機構であるところの國警本部等においても、そういう考えは持つておりまして、今せつかく研究中でございまして、臨時國会に提出するの運びになるか、あるいは通常國会に提出するの運びになるか、その辺のところまでは、まだはつきり申し上げかねますけれども、せつかく研究中であるということは、はつきりお答え申し上げ得るところであります。
  61. 藤田義光

    ○藤田委員 先般國警本部長官の更迭で問題になりましたが、私は官房長官としてこの公安委員制度というものを再檢討されまして、公安委員が五人おりますが、そのうち一名、委員長は國務大臣にする。政党のらち外においても國務大臣にするというようなお考えが、全然ないかどうかということをお聞きしたいと思います。
  62. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 藤田さんにお答え申し上げます。今各條文について檢討中でありまして、その点につきましてもまだ明言し得ないことは、非常に遺憾に存ずる次第であります。
  63. 藤田義光

    ○藤田委員 先般新聞社の政治部長との座談会におきまして、官房長官はデモクラシーの原則としてチエツク・エンド・バランスとか、コモンコントロールというような、非常な至言を吐いておられました。私も非常に興味深く拜聽いたしましたのですが、こういうような原理からしましても、今の警察制度が非常にちんばであるということは、常識的に一応考えられます。たとえばイギリスのロンドン警視庁の特別刑事部がございます。またアメリカにはFBI、連邦搜査局というものがありまして、國家的犯罪は、いつでも國家警察が責任をもつて搜査逮捕するというような、非常な警察機構の妙味を発揮しております。日本は軍部は全然ございません。從來クーデター的な騒擾に対して、たとえば大正八年の米騒動に対しては軍部が出動鎭圧しております。今後軍部の力を借り得ない日本の警察といたしまして、何かアメリカのFBI、あるいはロンドンの警視庁の刑事部的のものが必要じやないかと思います。内務官僚御出身であり、非常にこの方面に御造詣の深い官房長官は、この点に関しても御見識があると思いますが、偽らないところを御意見を拜聽したいと思います。
  64. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 藤田さんの方がよく御存じで、私がお答え申し上げる必要はないかと存じますが、今そういう問題もあわせて研究中でありまして、FBI式のものはどうかということも、政府としてはまだ具体的にまとまつた考えを持つていないという状況でございます。
  65. 藤田義光

    ○藤田委員 最後に、先ほど來、門司委員から再三質問がありましたのに関連するのでございますが、國警本部長官の更迭のいきさつに関しましては、一応私たちは新聞によつて大体はつきりと認識いたしておりますが、この官房長官が更迭を撤回されました理由だけをぜひお伺いしたい。これはあの人事方式が違法という点から撤回されたのか、あるいは公安委員会の正論に敗れたのか、それとも龍頭蛇尾に終つたのか。もし御答弁がないとすれば、大体においてこの三つの原因によるものであるというふうに解釈してよろしいかどうか。この点をひとつ御答弁を願いたいと思います。
  66. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 藤田さんにお答え申し上げます。私と言いますか、政府と、それから政府部内の機構である公安委員会、それから公安委員会の事務總長である本部長官、こういうような関係についての法理的の御質問というふうに解しまして、私どもの今考えている点だけをお答え申し上げます。私どもは、もちろん國の行政には二つ大きな分類があるというようなことを習つているのでございまして、すなわち警察行政と助長行政である。他の一切の行政は助長行政であり、それから一般の行政が警察行政である。昔、原始自由主義者アダム・スミスは、國の行政は警察行政さえあればいいというようなことを言つておりますが、われわれは自由放任主義者ではございません。助長行政の必要は最も痛感しております。最も力をいたしております。ともかくも行政の重要部分は警察行政が構成しております。そこで、憲法を読んでみますと、行政権は内閣に属する。それから他の條文には、内閣は行政権の行使には、連帶して國会に対し責任を負うということになつているのでございます。それから今度は行政につきましても、國会に対して直接責任を負わないものが同じ憲法に條章がございます。たとえば、会計檢査の場合は行政ではございますが、内閣が責任を負わないでよろしい、つまり國会に対して責任を負わないものがあるわけです。それからまた地方自治という條章がございまして、法律で國の固有の行政権を、地方公共団体の行政事務として規定した場合は地方行政になります。これは委任行政ではございません。固有事務でございます。いわゆる固有の自治行政につきましては、自治行政当局者は國会に対して直接責任を負わないのでございます。いやしくも國の行政であれば一切國会に対して責任を負う、こういう建前になつております。そこで警察法を読んでみますと、警察法規の中で、警察行政の一部が地方自治行政にまかされております。それは結局まかされた範囲においては、つまり法律で國の行政を地方自治団体に固有事務としてやるということを規定してあるその範囲においては、憲法の條章がございますから、地方自治の範囲においては、内閣は國会に責任を負わなくてもよろしい、こう思つております。  その他國の保有してあると言いますか、委讓してない部分につきましては、やはり依然として國の行政であります、その國の警察行政に関して上に内閣総理大臣があり、その所轄のもとに、國家公安委員会があり、その事務当局として、あるいは本部長官があり、それから管區本部長官があり、あるいは府縣にはまたその事務を行うものとして公安委員会があり、それから警察隊長があり、地區警察署長があり、あるいは駐在所の巡査がある。これは一連の國の警察行政、つまり地方自治行政にまかされない範囲におきましては、國の行政でございます。そこで内閣総理大臣は國家公安委員会を所轄する。こういう範囲において、われわれは國の行政を持つておりますし、また國会にも無答責ではないのでございます。惡いことをした場合には、総辞職もせんければならぬでしよう。あるいは信任を問うために解散もする。つまり國民が主権者でありますから、解散をするということは、結局その内閣の施政について國民に信任を問うわけでございますから、そういうことをするわけでございます。警察行政についても私は同断である、こう思つております。警察行政においてしくじつたならば、内閣は総辞職をする、あるいは解散をする、いずれかの方法をとらなければならぬ、こう思つております。そこで公安委員会というものは内閣から独立したものでは絶対ないのでございます。内閣の所轄というものは、やはり相当の意義を持つておる。藤田さんなんかのよく御存じの通り、アメリカの憲法等におきましても、たとえばプレジデントはアドミニストレーシヨンをテイク・ケアーする。ただ注意するといつたような言葉しか書いてございませんが、それで万事物がよく動いております。テイク・ケアーする。これをよく読めばやはり、どういう字にも言えますが、おそらく日本語の訳としてはテイク・ケアーといううまい訳はないと思いますがそういうようなことで、やはりコンミツシヨン・システムで動いております。それで公安委員会と、それを所轄する内閣総理大臣との関係は、どういうふうになつておるかと言いますと、われわれはこの相対関係におけるチエツク・アンド・バランスでございます。やはりチーフとコンミツシヨンの関係でございますから、上下の関係でございますが、しかし仕事の動きはチエツク・アンド・バランス・システムである。相互抑制による均衡を得る制度である。均衡といいますか、公平といいますか、あるいは調和といいますか、そういう調和や均衡や公平を得るという、バランスを得るために、相互にチエツクする作用であるというふうに見ております。これ以上に強く解釈しておる関係方面の向きもありますが、同じ関係方面で一番何といいますか、ぼくらから考えまして、コンモン・センスといいますか、あるいは寛大なといいますか、ほんとうの理解あるといいますか、そういう解釈をとつた線以上にわれわれは考えておりません。そこで相互抑制による均衡作用というものを得るために、委員会制度が設けられておる。藤田さん御存じの通り新憲法制定以前におきまして、委員会制度で行政をしたことはないわけであります。司法は委員会制度――というと少し語弊があるかもしれませんが、裁判官は大体委員会制度でやつております。行政につきましては、諮問委員会以外に執行委員会というものはなかつたわけでございまして、今度行政をする委員会ができたわけでございます。  そこでこの委員会と、これを所轄する各大臣、あるいは本件のごときは総理大臣でございますが、これは相互抑制による均衡を得る制度――どうもいい訳がございませんが、そんなふうに考えております。  そこでわれわれは警察行政あるいは人事行政を含む警察行政について、公安委員会に注文をつけます。あるいは要求もします。あるいは希望する――希望や何かは國民でもだれでもするわけですが、それ以上の深入りをした要求もすれば要望もする。その要求要望というものに対して、今度は公安委員会はどういう態度をとるかというと、その要求や要望は一応受けて参りまして、そうして内容を檢討して、妥当であつたならばこれを受け入れてもらう、不妥当であつたならば、これを拒否することもできると私は思つております。それでなるべく政府と協力してほしい、というのは、政府が治安について最高責任者であり、國会に対して答弁責任を持つておるのであり、公安委員会は別に答弁責任はないのでございますから、そういうものが政府と離れて、他の委員会にしても強大なる権力を持つということは、デモクラシーから見てどうかと思うわけで、その点は公安委員会においても何ら誤解はないはずであります。そこで警察行政、あるいは人事行政を含む警察行政について注文をつけるという場合におきまして、その注文の内容を檢討して、不妥当であれば拒否されても、これはしかたがないのです。それで現在の場合は、要するに公安委員会におきまして、國家警察本部長官の人事について、こちらより要求があつた。それでは一ぺん帰つて檢討しましよう。檢討して、政府の、あるいは内閣総理大臣の要望が妥当でない、こういうふうに認めて拒否したというふうに法律的の解釈をしております。そういうことは、やはり今のところは成立ち得るわけであります。ただしかしながら所轄云々ということは、やはり責任を負う、警察行政全般について、やはり行政というものは一切の行政を含むわけでございますから、警察行政の中になるべく協力してやつてほしいというようなことは、これは常識的に言えることでございますが、法律的には今のような解釈を私どもはとつております。きわめてあたりまえといいますか、広いといいますか、常識という見地に立つた解釈以外はとつていないのでございます。從いまして公安委員会が拒否するということもあり得るわけでございます。
  67. 藤田義光

    ○藤田委員 時間が参りましたから、最後に簡單に一言、ただいま非常に御丁重な御答弁で、理論づけ、ないし官房長官の意図は十分わかりましたが、たしかに時期と方法にむりがあつたという点は、与党たる民自党内にもまつたく同意見の方がおられます。事実それははつきりしているのじやないかと思つております。それからただいま行政法の基本方式を御説明願いましたが、ついでに警察行政の中で刑事警察と警備警察、これが非常に紛淆を來しておりまして、いわゆる夜警から発達いたしました――これは学者によつてわけ方もいろいろ違つておるようでございますが、いわゆる一般警察と、たとえば警視庁の警備隊のやるような警察でございます。この点に関しまして、この際治安の現段階にかんがみまして、相当はつきりとわけまして、一般警察は本然の姿でその使命に邁進する。警備警察はもつぱら集団的暴力行為その他に備えるというような区別を、はつきりさせる必要があるのじやないかと思います。專門家の間でもこれを二元化することに反対の意見もあるようでございますが、行政法に非常に造詣の深い官房長官に、何か御意見がありましたらお伺いいたしたいと思います。
  68. 増田甲子七

    ○増田國務大臣 今研究中でございますから、何でしたら齋藤國警長官から……。
  69. 藤田義光

    ○藤田委員 官房長官の御意見がほしかつたのですが、研究中ということですから……。
  70. 谷口善太郎

    ○谷口委員 先ほどの質問の続きであります。警察と消防との協力問題について、もう少し私聞いておかなければならないことがあるのです。菅家君は先ほど平事件を例に上げて、いろいろ最近の治安の問題についてお述べになられたようでありますが、つまり今度の警察と消防との協力問題については、先ほど菅家君がおつしやつたような、ああいう事態、つまり福島縣で消防と警察との協力が実際になされつつある、こういう形のことを、全國的に行う目的でもつて出されたのか、この点を先にお尋ねしたいのです。菅家君の申しました平事件に関するいろいろな解釈につきましては、菅家君自身が言つているように、いまだ調査中でありまして、これには私も大いに議論があります。議論があるどころか、菅家君が言つているのはおそろしく一方的で、彼自身大いに鬼の首でもとつたように言つておりますが、私どもは民主団体の側としておかしいくらいに思います。ああいう事態に対して警察と消防と協力するという目的で出されたかどうか、この点まずお尋ねしておきたいと思います。
  71. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 先ほどから申しておりまする通り、暴動とか、騒擾とかいうものの鎭圧事態に、一緒になつてやるというような考えは持つておらぬのであります。警察官が暴動鎭圧に從事をする。そのためにいろいろな窃盜であるとか、そのほか治安を乱すようなことがあつてはぐあいが惡いから、そういう場合に防犯的な役割をやるという趣旨であります。
  72. 谷口善太郎

    ○谷口委員 そうしますと、この通牒の第一項はごらんのごとく「緊急事態においては、消防は、警察に対し特別な援助協力をなすこととする。」とあり、第二項には「『緊急事態』とは騒動、暴動又は大火災若しくは地震、台風等の天災が起つた状態。」こういうことが書いてあるのであります。ところが今長官のおつしやつたような内容と全然違うので、緊急事態については消防と警察が協力する、緊急事態とは騒動、暴動、それに消防組織法第二十四條及び消防法の第一條に書いてある火災その他の、つまり自然現象による事態という、この兩方が上げてあるのであります。今長官のおつしやつたことと全然違う内容がここに書かれてあるのでありますが、われわれは長官の言葉を信ずればいいのか、あるいはこの書いてあることを信ずればいいのか、その点はつきりしていただきたいと思います。
  73. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 こういう場合に互いに協力をする実際のやり方は、この八項にあります「応援消防員は、いちじるしく格鬪発生の虞れある位置にこれを就かせることなく、又消防職務上平素受ける危險以上の身体的危險にこれを曝さないものとする。」ということで、そういうような場所には出さないのであります。
  74. 川西清

    ○川西委員長代理 谷口君に申し上げますが、これは法律の解釈の問題でありますから、これの解釈についてはさらに研究することにいたしまして、本日はこの程度にしてはいかがですか。
  75. 谷口善太郎

    ○谷口委員 委員長は私にいつもそういうふうに文句をつけますが、私は非常におとなしいので、諸君がみな質問したあとに質問しているのです。時間が切迫するのは氣の毒だと思いますので、つまり結論を言えば通牒は法律違反だ、そのことを私ははつきりしておきたい。今長官はこういう事態について協力をするが、仕事はそういう騒動とか、暴動には向けないということが八項に書いてあると言つているけれども、單なる逃げ口上か、もしくは技術的なことで、けんかがあつて、なぐられるようなところに行くなというようなことが書いてあつたところで、騒動とか、暴動とかいうところに、警察に協力させるために消防を動員することになれば、明らかに法律に違反している。しかもここのところにある「運営に当つて注意すべき事項」の第一項には「消防は、警察に対し援助協力をなすべきことの原則を定めたもの」とあつて、ちやんと法律に定めてあるものを、どうして事務当局は、國会の相談もなしにこういう原則を定めたのか、この騒動とか暴動とかいうことは、消防法その他に明らかに書いてないのです。これは先ほど立花君が申しましたように、自然現象から來る國民の生命、身体、財産の危險に対して、消防と警察とは協力するというということが書いてあるのでありまして、こういう政治的な現象と申しましようか、こういうことについては消防を使つてはいかぬことになつておる。それを事務当局がこういうように書いて通牒を出して、しかも原則を定めた。そういうことをこの前に次長でしたか、來られたときに尋ねたら、これは法律の根拠なしにやつたと言われたが、こういうことを法律の根拠なしにやつて法律違反をやるというようなことは、立法機関、國会を無視するやり方である。こういう点についての責任を私どもは聞きたい。つまりこんなふうに法律で明らかにきめてあるものを、事務当局が勝手に伸ばしたり縮めたりするということなら、國会はいらぬわけである。そういう点について御答弁を願いたい。第八項に書いてあることは技術の問題である。
  76. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 第八項は技術の問題であるとおつしやいますが、これは消防員がどういうように働くかという一番大事な点でありまして、私は單なる技術の問題とは考えていないのであります。これは消防組織法第二十四條第一項の範囲内の事柄であると私は考えております。言葉は原則ということになつておるかもしれませんが、基準あるいは目標、標準、こういうふうに私どもは考えているのであります。
  77. 谷口善太郎

    ○谷口委員 原則なら原則、基準なら基準とはつきりすればいいと思うのですが、それは言葉じりになりますから言いません。そこでもう一つ聞いておきたいのは、総理大臣の権限として布告される國家非常事態と、それから消防法にいわゆる地震、台風、水害等の非常事態とがある。しかるにこの通牒には非常事態という言葉を使つてなくて緊急事態とある。この國家非常事態と、消防組織法にいわれておるところの非常事態とは、明らかに違うことは、さつき長官のおつしやつた通りである。  それからこの場合は法律に明らかに書いてある通り、自然現象のことを言つているわけだ。ところがその両者とは別は、緊急事態という言葉を使つておる。この緊急事態という言葉の中に消防組織法に書いてあるところの地震、台風、あるいは水害等の非常事態ということに、さらにつけ加えて騒動もしくは暴動ということを書いてある。そこで國家非常事態とも違う、また消防組織法に書かれておる非常事態とも違う別個の緊急事態というものを、この場合考え出されているかのごとく、私はこの現象から見るわけだ。それについてはどうなんです、はつきりしておいてもらいたい。
  78. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 消防組織法の二十四條の第二項は、主として火災、地震というような場合のことを書いております。第一項は何ら制限なく、しかも第一項の場合には、身体財産等の保護について、ただちに協力をするということになつておるのであります。第二項の場合には、大火災あるいは大地震といつたような場合には、これは当然警察も消防も、必ず同じ現場で、作業しなければならぬ、從つてこの場合における仕事のやり方、連絡の方法ということは、これは事態の性質上当然つくつておかなければならぬのです。しかしながらそういつた事態でない場合の、緊急な場合には、消防が職責上当然出なければならぬという場合ではない。これは応援の要請があつたりした場合には出るわけでありますから、その場合が私は第一項だと考えます。
  79. 谷口善太郎

    ○谷口委員 恐ろしく詭弁だと私は思います。消防に関する限り、消防組織法及び消防法の両法がありまして、消防法の第一條には、これは読まなくてもわかつていらつしやると思いますが、念のために読めば、こう言つておる。「火災を予防し、警戒し及び鎭圧し、國民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、」とある。これで消防の任務は、明らかである。それを警察の任務である暴動とか、騒援とかいうものに動員しようということを、法律でなく、法律の範囲外で、事務当局がここに勝手にやつている。これは法律と通牒とを照し合せてみれば明らかである。長官がいかにそういうことをおつしやつても、第一條にこう書いてあるとおつしやつても、ここに書いてあるのは客観的事実である。こういうことは私はよくないと思うのです。法律というものは、そう簡單に練り上げるものではない。いつも勝手にそうやつたんでは、國会はいらぬ。そういうことまで事務当局がやるということになれば、國会に対する非常な侮辱になる。この点はつきりしておかなければいけないと思います。
  80. 斎藤昇

    ○斎藤説明員 國会で法律違反であるということをはつきりおきめになりましたならば、私の方は当然その決議に從つて仕事をいたす所存であります。
  81. 川西清

    ○川西委員長代理 谷口君に申し上げますが、これは法律の解釈について見解の相違の問題でありますから、きよう中に結論を得ようとしても出ないです。この点はさらに研究することにいたしたいと思います。     〔「研究する余地はないじやないか」と呼ぶ者あり〕
  82. 川西清

    ○川西委員長代理 谷口君の御意見を聞いて、さらに……。
  83. 谷口善太郎

    ○谷口委員 だから私はここをはつきりしておかないと、研究する、研究すると言つても現にやつている連中のことを聞いたその上でやらないと困るので、私は聞いておる。
  84. 川西清

    ○川西委員長代理 きよう中に今ここで谷口君の言われる問題を……。
  85. 谷口善太郎

    ○谷口委員 どういうわけで委員長は一生懸命私の発言をとめるのか。
  86. 川西清

    ○川西委員長代理 とめるわけではないが、この委員会におきましては、消防と警察の協力問題につきまして、多大の時間をさいて、ほとんど半分ぐらいの……。
  87. 谷口善太郎

    ○谷口委員 非常に大事なことだから聞いておるのです。
  88. 菅家喜六

    ○菅家委員 議事進行について、ただいまの問題をめぐつて、盛んに同じような質疑応答が繰返されているけれども、今の國警長官のお話に盡きているではないか。消防法の第一條と二十四條というものははつきりしている。それは二十四條の第一項に書いてある通りであつて、それによつて協力をするということを指令してやつたので、法律違反でも何でもない、そういうことを議論する必要はない。そんなことをやつておつては、これは何日、何十日かかつてもできやしませんよ。そういうふうに委員長、議事の進行をはかられたい。こんな同じはつきりした問題を、いつまでやつてもしようがない。いくらむし返してやつても何日、何十日かかつてもこの問題は盡きるわけではない。
  89. 川西清

    ○川西委員長代理 谷口君、立花君の警察と消防に関する御意見は参考として聞きまして、この法律の解釈問題についてはさらに研究することにしたいと思います。
  90. 立花敏男

    ○立花委員 その問題に関しまして、どういう点を重点として研究するかということをきめていただきたいと思います。
  91. 河原伊三郎

    ○河原委員 單にこの問題に限らず、一般的に法律というものは、してはならないことと、しなければならないこととをはつきりときめているものであります。これにそむく者が違法であつて、してはならないこととしなければならないことをきめている以外のことにつきましては、どの問題に限らず違法ではないのであつて、それは單に常識的な、またはそのときの情勢において妥当であるか、妥当でないかということは、これは法律論をはずれた政治論あるいは社会論の問題であります。現在國警のとられましたことも、してはならないことの一歩も出ていない。しかもこの問題は消防の精神よりいたしまして、また騒動の現状よりして、きわめて、妥当なことであつて、これは何らかためにする人々は別としまして、妥当な見地に立ちますれば、この社会情勢において最も適当なものと信ずるのであります。これを議題にして、今後特別な研究をする余地はないと思います。
  92. 川西清

    ○川西委員長代理 さらに考えることにいたしまして、この問題は本日はこの程度にとどめたいと思います。  それから先ほど委員会開会前において、シヤウプ博士の税制調査団に対して意見書を提出する件についてお諮りいたしたのでありまするが、これに関しましては、その意見書の内容、提出時期あるいは手続等については、理事会にまかせていただきまして、シヤウプ税制調査団に意見書を提出することに御異議ありませんか。     〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
  93. 川西清

    ○川西委員長代理 それではさよう決定いたします。  それからもう一つ、犯罪科学捜査研究所が近く竣工いたしますので、八月十日以後視察せられたき旨國警本部から申込みがありました。中島委員長帰京後、適当な時期に改めて諸君と御打合せの上、実行いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  94. 川西清

    ○川西委員長代理 御異議なきものと認め、さよう決定いたします。  それから次回の委員会は、八月十八日に農地委員会の選挙もありますので、八月二十四日の午前十時から開会いたしたいと思いまするが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  95. 川西清

    ○川西委員長代理 御異議なしと認め、次会は八月二十四日午前十時から開会することにいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後零時三十八分散会