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1949-04-21 第5回国会 衆議院 運輸委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和二十四年四月二十一日(木曜日)     午前十一時二十三分開議  出席委員    委員長 稻田 直道君   理事 大澤嘉平治君 理事 岡村利右衞門君    理事 關谷 勝利君 理事 田中 堯平君    理事 橘  直治君       尾崎 末吉君    鈴木 明良君       高橋 定一君    松本 一郎君       滿尾 君亮君    米窪 滿亮君       柄澤登志子君    飯田 義茂君  出席國務大臣         運 輸 大 臣 大屋 晋三君  出席政府委員         運輸政務次官  坂田 道太君         運輸事務官         (官房長)   芥川  治君         運輸事務官         (鉄道局長         官)      加賀山之雄君         運輸事務官         (同業務局長) 藪谷 虎芳君  委員外の出席者         運輸事務官   石井 昭正君         專  門  員 岩村  勝君         專  門  員 堤  正威君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣  提出第五八号)     ―――――――――――――
  2. 稻田直道

    ○稻田委員長 これより会議を開きます。  國有鉄道運賃法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。前会に引続いて質疑を続行いたしたいと思います。
  3. 飯田義茂

    ○飯田委員 運賃値上げの問題でありますが、運賃の計算方法は二段階にわかれておるのであります。これを古くさかのぼつて考えてみますと、七段階にわかれておつたと思うのでありますが、これがこういうぐあいに二段階になると、日本のごとく幅が狹く、帶を延ばしたことく、九州の果てから北海道の果てというぐあいに、狹い國にもかかわりませず、非常に長い國になつておるのであります。從つて九州の果て、あるいは北海道のごとき方面から、あらゆる機関が中央に集中しておりますので、そのために中央にまかり出ますには、相当の運賃の経費がかさみまして、ここに非常に不合理を來すと思うのであります。この点については、委員各位におかれても、相当この段階を多くせなくてはならないということは、芦田内閣運賃値上げのときにも、相当叫ばれたのでありますが、その実施を見ないで今日までなつて來ておるわけであります。私としてもこの点については、相当段階をふやすべきものである、こういう強い考えを持つておるものであります。  また一つは、定期が一箇月限度になつたわけでありまして、この点についても各委員からそれぞれ御意見があつたのでありますが、私にいたしましても、定期もやはり相当考慮すべきものではないかと、同様な考えを持つております。この二点に対しては、昨日委員長とせられても、何か考慮をしたいという御意見であつたのでありますが、何かいい御名案ができておりましようか、この点にお伺いしてみたいのであります。  それからまた政府とせられましては、どうもその筋の意向であるからやむを得ない、こういうお言葉が最近非常に多いように私は聞き受けるのであります。これはもつともでありましよう。その点について政府の非常に御苦心せられていることは、これは了承いたします。政府としては委員会に対してその事情をお訴えになるのは、それはいいのです。私どもも了承いたします。しかしながら私ども國民の代表たる者が、これを國民につぶさに訴えることは、これはでき得ないのであります。從つて運賃値上げ等に対しても、いたせるだけいたし、盡せるだけ盡してみて、そうしてやむを得ずここに値上げをしなければならないという根本の理由を、國民によく認識させて、その上で上げるということになれば、國民も納得しようと思いますが、ただどうも一概にその筋の意向である、指図であるから、やむを得ないじやないかとして、われわれは、しからばしかたがないと、うのみにのむことはできぬ、私はこういう考えを持つているのでありますが、この点も御意向をお伺いしたいのであります。  それから不用品の拂下げ、これも数字がここにいくらか出ております。國鉄の一部を拂下げをする御意向のようでありますが、その点についてどういうようにお考えになつておりましようか。それともう一つは、省営自動車を民間に拂い下げる問題であります。これは地方によりますと、非常に希望しておる方面もあるようでありますが、また地方によりますと、非常に反対をしておる方面もあるようであります。これはどういうようなおとりはからいのお考えを持たれておりますか、この点をお伺いしたいのであります。  それから鉄道事業その他の入札問題でありますが、今までは指名入札を行つていたのを、公入札にせられるということであります。これはいいと思いまするが、監督いかんによれば、一利一害の点がなきにしもあらずと考えるのであります。そのうち重要なる資材のレールでありますが、このレールはどういうような生産方法になつておりまして、あるいは購入する方法はどういうことになつておりましようか。これをひとつお伺いしたいと思うのであります。  それから芦田内閣当時に、交通公社並びに鉄道弘済会の整理をせなくちやならぬのではないかという意見が、相当委員会としても強かつたのであります。その後それもお流れになつておりますが、これにつきまして何か整理に手をつける御意向でもあるのかないのか。この点をお伺いしたいのであります。
  4. 稻田直道

    ○稻田委員長 最初に何か委員長に対して聞きたいというようなお話もあつたのでありますが、飯田君のお話のように、運賃の値上げをするということにつきまして、旅客運賃のみならず、貨物にも及ぼし、あるいは定期券の問題にも及ぼすというようなことにつきまして、昨日も二、三の委員から御発言がありましたのについて、委員長といたしましても同感に思いますから、それにつきまして適当なる方法を今後とりたいということを申し上げておきます。つきましては飯田君の今日の御意見もありまするが、さようなことにつきましては、この委員会におきまして、今少し審議を重ねまして、その審議の結果によりまして、旅客運賃のみならず、貨物運賃にも何らかの方法を講じ、あるいは定期券につきましても、何らかの方法が講じられれば講じまして、そうしてもし各位の御意見によりましては、その筋の方にも交渉をいたすようなことにして、修正の案でも出すようになろうかとも考えております。まだそこに至りませんので、現段階におきましては、さような考えでおるのであります。
  5. 加賀山之雄

    加賀政府委員 拂い下げ問題に関しましては、前國会以來の懸案となつておりまして、なお今國会におきましても、國有鉄道の赤字補填の意味から、特にこの問題について強い御意見が出ておる次第でございまして、政府といたしましても、この問題の重要性にかんがみまして、非常に愼重に考慮を拂つている次第でございます。一番大きな問題といたしましては、戰時中買收いたしましたところの鉄道線、それから自動車路線、そういうものが問題になつております。その他の國有鉄道の不用財産等の拂下げにつきましては、これは論がないのでございまして、もちろん不要不急のものは当然にこの際雜收入に組み入れて、收入確保の一助ともするという意味で、先ほど御審議を煩わしましたところの予算の中におきましても、約三十五億円、これはそういつた拂下げのみでなく、廣告料等も含んでの数字でございますが、それを見込んでおる次第でございます。ところが鉄道線並びに自動車線の問題となりますと、これは営業しておる次第でございまして、利用者各位にも甚大な影響があり、まだ從業員にも非常に大きな影響があり、國家的に見ても非常に大きな問題でありますので、愼重に政府としても考慮をいたしておる次第でございまして、いまだ具体的に決定いたしてはおらないのでございますが、國会の御判断と申しますか、國民の輿論にまちまして、政府としても善処したい、かように存じておる次第でございます。  次に外廓團体の整理問題でございます。日本交通公社と弘済会をお考えになつておるようでございますが、整理という面がどういうことを言われておるのか、私もぴんと來ない点があるのでございますが、いわゆる國有鉄道の負担において、交通公社や弘済会が非常に收得をしておるというような意味で言われたのではないかと考えるのでありますけれども、交通公社につきましては、実は観光事業等の重要性にかんがみまして、日本で現在唯一と思われるその経営に、國有鉄道の業務を一部請負わせまして、その手数料を支拂う、あるいはそれらと、交通公社自体が行いますところのいろいろの事業活動から来る收入、そういうもので公社が成立つておりまして、そうしていわゆる外國に対する観光宣傳並びに外人の旅行の案内、あつせんを受持つて参つたわけであります。非常に重要な機関であると考えておるのでございますが、今回の予算におきましては、國有鉄道といたしましても、一方において人員が余つておる、それに対して乘車券のごときを他に請負わせて、それに請負の代金、手数料を拂うということに、矛盾がありはしないかというような観点から、本年度の五分の一ばかりの費用を見まして、それ以後の費用は見ておらないという次第でございまして、從つてこの六月ともなりますと、交通公社としては、何らその面からの收入はなくなるという非常な窮況に立つておるわけであります。これらの点につきまして、公社を存立せしめますためには、いかなることが必要であるかということを、國としては十分実は考えなければならないのではないかと存ずるのでありますが、目下交通公社としては、何とかそこに自立の道を立てるべく協議を進め、眞劍に本年度の問題として考慮をしておるようであります。ただその人数から申しまして、三千人足らずの世帯でございますが、これがちようど本年度は非常に観光客等も入國いたしまして、全盛期の約二分の一くらいは入つて來ようと思います。昭和十年あたりが全盛期で約四万人観光客が参つておりましたが、本年度は一万八千人程度の観光客が來ようとしておる。この公社というものがありませんと、外客のおせわを十分にする機関がないのでありまして、われわれといたしましても非常に心痛いたしておる次第でありますが、國有鉄道の面から見まして、そういう手数料等は全部支拂いができない、予算がなくなつたという状態でありますので、この点に関する國有鉄道との関係は、何ら御心配いただくようなことはないということになつておるわけであります。  弘済会は御承知のように自分の事業をしながら、厚生事業、社会事業を営んでおるものでありまして、それに対する交付金等は國有鉄道としては特に見ておらないのでありまして、ただその社会事業を営みますためには、金がいる。その金を得るような道を考えてやつた点が、國有鉄道とも関連しておるということであります。たとえばガード下を貸して、それに対する何といいますか、政府がいたしますと、これは公定の値段で貸すのみで、何らそこに権利金とか保証金というようなものをとるわけに行かないのでありますが、弘済会に請負わしめて、いわゆる時價相当の保証金等を收入させる。これによつて轉貸、轉賣等を防いでおるわけであります。また不用資材等の拂下げを行わせまして、この拂下げ價格と、実際に需要者の競争によつて賣り拂つた價格との間の利益を弘済会が得ておる。こういうのが國有鉄道との関係になるわけでありますが、それらの点につきましては、いろいろ誤解などがございますので、それでは政府みずからやろうということにいたしまして、本年度からは、こういう貸付でございますとか、拂下げ品の取扱いは、全部政府みずからやる。國有鉄道みずからやるというふうに変更いたした次第でございます。それらの点に関しましては御懸念いただくようなことはない。かように申し上げる次第であります。
  6. 飯田義茂

    ○飯田委員 レールの生産は、八幡の製鉄所一箇所で生産しておるということを聞いておりますが、そういうことになつておりますか。また運輸省の方の購入と申しますか、その手続はどういうふうになつておりますか。その点をひとつお伺いしたいと思います。
  7. 加賀山之雄

    加賀政府委員 レールに関しましては、主として八幡から購入をいたしておりましたが、今年度からは例外なく物品の購入につきましては、一般競争入札という方式を採用いたしまして、購入をして行くことにいたしております。しかしながらレールのごときものにつきましては、國鉄の要します数量等からいたしまして、だれでもと言いましても、なかなかできませんので、おのずから限定されて來はしないか。その他にも、こちらで特に指名はいたしませんが、日本にたつた一つしかないというようなものは、入札いたしましても、結局その人から買うよりしかたがないというようなものもあるわけであります。レールも全然ほかにないわけではありませんが、主たる部分は從前通りのことに相なろうと思います。しかもこれにつきましては、價格も一定しておりますし、問題はない。かように考える次第であります。  それから先ほどの御質問中私言い忘れたのでございますが、ガード下を扱わしめる、あるいは不用品の拂下げを扱わした場合に得ました利益は、これを弘済会に自由使用せしめませんで、全部国有鉄道の指定する仕事に使用せしめるという方策を講じておるわけであります。その事実ははつきりと帳簿によつて明らかになつておる次第であります。
  8. 米窪滿亮

    ○米窪委員 私昨日、一昨日の委員会に出席しなかつたので、はなはだ申訳ありませんが、私の質問申し上げる点は、すでに同僚委員から御質問があつたことだと思いますけれども、社会党としての質問をお許し願いたいと思います。貨物運賃を上げずに旅客の運賃を上げることは、貨物運賃を上げれば、当然それが生産價格に響いて行つて物價の値上げになる。從つてこれはインフレを促進する。これはきわめて常識的な考えですが、そういうところから、これを押えて、特別会計のバランスをとるために、旅客運賃を上げようということだろうと思うのですが、そうすると、旅客の運賃を上げれば、結局犠牲を受けるものは何であるかというと、通勤バスなどによつて生計費が上る勤労者階級とか、あるいは学生の諸君が一番困るのは言うまでもないのであります。企業者の方においても、当面六割上つて来ると、一例を申しますと、政府に陳情とか何とかを持つて来る会社側の人たちも、相当に交通費がかさむ。もちろん自腹を切るのではなく会社側で出すことになるが、企業会社事務費、交通費は非常にふえて來る。そうすると勢いその面からも生産價格に響いて來ると思う。であるから、旅客運賃を上げれば、生産價格に悪影響を及ぼさないとは言えないのであります。その面からいつても、必ず交通費がかさんだだけは、コストに企業会社は含ませるから、結局これは響く。ただ響き方が多いか少いかということは当然ありましようが、響いて來ると思う。そこで原則論だけで、旅客運賃を上げれば、インフレを促進せしめることもなく、物價に響かないというわけには行かない。そこで当然問題になるのは貨物運賃が何とかならぬか、若干引上げるわけに行かぬかということであります。そうして少くとも通勤パスの方は六割も上げる必要はないのではないか。これによつて、ただでさえ重い源泉課税に悩んでおる勤労階級がさらに困る。こういう意見が出て來るであろうと思う。そこでこれはりくつを申し上げますと、われわれがいつも言つておる通り、特別会計における予算がきまつてしまつてから、裏づけになる実体法のこの法律案を改正し得る余地があるかどうか。この六割上げることを見込んで特別会計ができておるのであるが、これを今になつてわれわれがいじくつて、多数の意見がもしこれを修正した場合、はたして政府としてのめるかどうか、また政府がのんでも関係筋がはたしてこれを許すかどうか、この点を私は大臣に伺いたい。これは例でありますが、かりにわれわれが旅客運賃の六割を三割くらいに下げて、その穴の明いたところ特別会計の收入が、貨物運賃を上げることで調整ができた場合、はたして政府でもつてそういう修正をお認めになるか。政府が認めても、関係筋の方で、政府交渉してはたして了解が得られるか。この点が相当重要だと思います。この点をお尋ねいたします。もう一つその場合において、私は海運の方と特に関係が深いので申し上げますが、今日小型汽船、機帆船等の運賃が、石炭その他のいわゆる生産コストから見まして、運賃を上げていただくか、あるいは何かほかの補給金――補給金はとうてい困難でしようが、何かしてもらわないと、今のままでは自滅する状態にあるのです。もちろんこれに対しては寛大過ぎるとか、あるいはただちに初値に響くというようなことで、あまりわれわれとしてもこれらに対して全面的に賛成できませんが、いずれにせよ、運輸交通に從事しておる海の方の連中が、大分倒産、あるいは仕事が全滅する危機にあるのであります。これらの者を助けてやるために、とりあえず起ることは、海上運賃を何とか調整してやるということであります。そこで彼らは海陸の運賃の調整を非常にやかましく言つて、陳情に來ております。であるから、その面から見ても、貨物運賃を押えて、絶対触れないということは、もう一度再考を必要とするのではないかと私は思うのでありますが、運輸大臣はその点どうお考えになるか。  それから、すでに予算がきまつてしまつておるから、この実体法修正することによつて、さらに補正予算が当然必要になつて來る、あるいは補正予算まで行かなくとも、総予算の総額がかわらなければ、この法律案をただ修正することになりますが、はたして政府はこれに應ずる御意思があるか、これはさつきもお伺いしたのですが、それらの点についての大臣の御意向をひとつ伺いたいと思います。
  9. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 ただいまの御質問の第一点は、実はしばしば繰返した点でありまして、ここでまた申し上げますが、最初政府といたしましての考え方は、まず貨物運賃のみを上げる方式で、國鉄の赤字を克服して行こうという考えをとりました。次いで貨物と旅客の両方を並行的に上げる方式でやろうという考えに移りまして、最後に旅客運賃の六〇%値上げのみをもつてやるということに、考え方としては移行して参つた次第であります。もちろん仰せの通り、この旅客運賃を上げましても、決して物價に絶対に影響がないとは言えないという米窪さんの御所論は、私全面的に肯定いたすのでありまするが、貨物運賃を上げる方がより直接的であるということは言えると思うのであります。しからば両方を折衷して、貸物もある程度上げ、旅客もある程度上げて、両方をコンバインした方法が一番いいじやないかということが、しばしばこの間から聞かれる議論なのでありまするが、私どもはこれはもつともな考え方であると思うのです。かれこれさような経路をとりまして検討いたしました末に、昨日も田中君の御質問にお答えいたしましたのですが、関係筋の意向もしんしやくをいたしまして、結局旅客のみの六割の値上げということに立ち至つた次第でございます。そこでこれに対しまして、米窪さんの言われる、このわくの中であれば、政府はその態様を変更することに應ずるか、また関係筋がどうかということであるのでありまするが、この運輸委員会の委員諸君が、その議員たる職能におきまして、自由に御審議、御修正くださる権能のおありになることは、もちろんいうまでもないことでございまして、私といたしましては、議会でさようにわくの中で修正をなさるということであれば、これは喜んでその修正に應ずる用意を持つております。しかし関係筋方面のことは、私はここで申し上げるわけに行きません。  それから第二点の海陸運賃のアンバランスということに対しましては、これはまことに困つたことでございます。そこへもつて参りまして、昨今機帆船の油の供給という問題が、この五月からは在來の半分に減ぜられてしまうというような問題もつけ加わりましてさなきだに困つておるこの海の、なかんずく小型、特に機帆船というような仕事が、そのままで放置しておくど壊滅に瀕するということは仰せの通りなんでありまして、私もこれを非常に重要視しております。目下のところこの油の半減されるという情勢は、まことにこれはアキユートの問題で、身にこたえる問題でございますので、ほとんど毎日のようにその筋に懇願をして、ふやしてくれということを言つておるような次第であります。また根本的に、この運賃の面が非常に低すぎてアンバランスであるという問題も、これも何らか早い機会にぜひ是正をしなければならないと思つておる次第でございます。
  10. 松本一郎

    松本(一)委員 たびたびで恐縮ですけれども、どうしても私ども承服しがたいのは、遠距離逓減法の問題も問題ですが、通勤者、通学生の定期券の問題であります。資料も拝見しておりますし、これによつても当局はよく御承知でしようけれども、大体通勤者は、都市住宅がない関係で、少くとも二十キロくらいは通つておる。遠い所になると四十キロぐらい、まず二十キロとして、これまで六箇月を大方買つておるはずですが、一月に百九十一円の交通費でよかつたものが、四百九十円となる。すなわちこれは三百円の値上げになります。またこれまで一月二百四十円でよかつたものが、今度は六百十円となる。ですからその値上りは大体三百七十円、こういうことになつて、これでは勤労者の家計に及ぼす影響はあまりにも大きかろうと思います。ことに学生一人、二人かかえておる家庭は、格別影響が大きいと私は思うのです。  もう一つは学生の問題ですが、学生の定期券は、高等学校あるいは大学はともかくとしても、新制中学が六・三制のためにできて、その後その筋の方針によつて、学校再配置ということが地方によつては強要されまして、三箇村あるいは四箇村で連合して新制中学をつくつておることは御承知の通りであります。ところがその近くの村はよろしいけれども、一歩隣村、隣々村になりますと、スクール・バスをつくれとか、自転車を買つてやれとか、あるいは鉄道があるじやないか、電鉄があるじやないか、ぞれを利用して、新制中学だけは再配置して新しくつくれというその筋からの命令でありましたので、これをつくつて今学生を通わしておりおす。もとより日本の國情として、道路を直してスクール・バスをつくるということはできず、自転車を買つてやる余裕はなし、今ある鉄道、電鉄を利用して通わしておる。実は私どもの村もその通りであります。ところがこれは義務教育であつて、交通費がかかるからといつて、子供をやめさせるわけに行かないことは御承知の通りです。ところでこれまでは六箇月定期で、運賃も大したことがないからということで通わしておりましたが、それでも月に三十五円が一人の児童交通費にかかつたのが、今度は九十円になる。もしも二人新制中学に家庭で通わしておる農家といたしましたならば、二倍強という負担を負わなければならぬということになつて來るのでありまして、教育上もこれは重大な支障を来すと私は思いますので、どうしてもこの定期券の問題は、通勤パス、学生パスともに、何としても御先方の了解を得て、六箇月がいけなければ、たとい三箇月だけでも復活してもらわなければならぬのではないか、こう私は考えるのでありますが、この点についていま一度運輸大臣のお考えを承りたいと思います。それと、昨日も佐伯君からですか、独立採算制の問題に関連して、利用者が負担すべきものだとわれわれは考える、こう言われておりますが、そうなると、國鉄全体を一本の経営体としての独立採算制というものに、大きな疑問を持たざるを得ない。國鉄の運賃は、路線あるいは区域によつてそれを分離して考えると、すなわち利用者の方面から見ますならば、非常にもうかる、黒字が出る、むしろ運賃を下げてもらわなければならぬところがあるはずです。また中には、五十キロ未満の單線で、ことに遠離の地で、鉄道敷設当時は産業開発上、採算を度外視して敷設したところが五十八路線あつたと思いますが、全部が赤字である。中にひどいのは、独立採算から考えてみると五〇%以上の赤字が出るというような犠牲的な鉄道があるのであります。これあるがために、國鉄全体から見れば結局は赤字が出るのであります。そうすると、利用者がその負担を負うのが当然だということであるならば、路線あるいは区域によつて運賃をかえる、すなわち山間部の利用度の少いところは運賃が少々高くともしかたがない。そうすると利用者が少くなる。それならば、鉄道を取上げて廃線するということになれば、なくては困るからということで利用するでありましようが、ここにいわゆるわが國の國鉄の社会連帯主義、國家連帯主義の考え方が出ておるのであつて、アメリカあたりが、一つの路線を建設するときに、利益、採算ということからスタートを切つたのと、根本的に意味が違うのですから、この考え方から言うならば、国鉄が都合によつて赤が出るという場合には、建設当時の使命から見ても、場合によつては一般会計から少々くらい繰入れたとて、決して私は日本の鉄道としては間違いがなかつたのじやないか。のみならずこれまでの黒字時代には、一般会計にどんどん仕送りをしておつたという時代があつたということから見て、現在の独立採算制をどこまでも堅持して行かなければならない。そのためこういうむりができるというならば、いつそ今申し上げましたような路線別、あるいは区域別による運賃を別個にきめる、そうなれば大都市あたりの通勤者の運賃はうんと安くなつて来る、こういうことを私は考えるのであります。こういうような方法でもとつて、そこに独立採算制を個々別々にひとつ考えてみるという、思い切つた運賃政策をとるお考えはないかどうか、こう考えるのであります。それならばアメリカの意向にもあるいは沿うのじやなかろうかと考えるのでおりますが、御意見を伺いたいと思います。
  11. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 第一問の、学生の定期が今回の値上げによつて相当の負担になるということは、まことに遺憾のことであります。さような事実があるから、この率を何とか思い直してかえてみたらどうかという御意見ですが、なるほど現在の額から比べると、多いものは二倍半近くにもなるかと思うのですが、根本的に考えますと、しばしば申し上げました通り、定期の割引率は一番低いものでも六割強から、ひどいものになると九割四分くらいまでの割引率になつておりまして、土台が非常に安いので、今回こういうふうなことにすることにしたのですが、どうもこれをいまさらに思い直してかえるという考えはございません。また三箇月の率もこれを改正すべきではないかという御意見もございましたが、これを現在通りすえ置くと、収入上にも欠陥を生ずるというようなわけで、やむを得ず三箇月も六箇月も廃止するというやむなきに至つておる次第でありまして、これもただいまのところさらに修正をするという考えはございません。  それから第二点の御質問の、所によつて不生産的のところとか、あるいはその他のコンディシヨンに應じて、賃金の均一性ということでなしに、それぞれの実情に應じた運賃を適用する、運賃政策にそういう思想を取入れたらどうかというお考えでございまするが、御承知のように鉄道公共性からいつて、もうかる個所も、もうからない個所も、とにかく運賃の面においては、同一の量と率の主義を現在とつておるのであります。將來このコーポレーシヨンという形になり、さらにそれ以上にまた、そのコーポレーシヨンという形で鉄道を運行いたして行きましていろいろそこに新しい経験が生れて来るというような場合がございましたならば、松本君の御所論のように、運賃政策にも違つた考え方を取入れられる場合が起るかとも思いまするが、ただいまのところでは、やはり從來通りの主義でやつて行くという以外に考えておらないのでございます。
  12. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 今の大臣の御答弁に関連をするのでありまして、一般定期並びに学生定期に関しては、現在の計画を変更する意思はないとおつしやるのですが、最近の新聞その他の論調を見ましても、一般の非難を耳にいたしましても、こういうことが盛んに新聞に書かれ、議論となつておることはお聞きだろうと思うのであります。それは鉄道職員がパスを持つて通勤をいたしておる。その向う側には、他の官廳の職員が定期券を持つて通つておる。ところがいわゆる賃金ベースは、やはり同じようなベースで支給されておる。こういうことの議論が最近非常に高くなつて参つておるのでおります。しばしば私は、鉄道の方でなすべきことを十分になして、国民の了解が得られれば、値上げというものに対しても國民はあえて苦情を言わないであろうという意味のことを申し上げたのでありましたが、さつき申したような議論が相当強くなつて参つておりますので、ここに考えてみなければいかぬのは、どういう事情で鉄道職員のパスをやめるわけに行かないのかということと、一般定期並びに学生定期を値上げをせずにそのままに置くというこの二つのものを比較してみて、どつちが大事か。こういう点については軽々に付することのできない問題であると思うのであります。これは思想の面から考えてみても、非常に大きな問題になつて來ると思う。でありますから、この点についてのいわゆる根拠あるお考えを承つておきたいと思うのであります。  ついででありますが、日本食堂社のあの弁当その他の副食物の栄養に対しましても、相当の非難が最近出て参つておることは、御承知であろうと思うのであります。     〔委員長退席、岡村委員長代理着席〕 あるいはまた列車内を利用する、あるいは鉄道の建物を利用するところの廣告、さつきもお話が出ました弘済会等の事業、こうしたものを現在の時代に順應して行くようなやり方に改めないでおつて、他のものだけを現在の事情に即應するようにというやり方をやつて行くということになりますると、非常にここに大きな問題が出て來るものと思う。もう一つ考えられますことは、いわゆる戦時中買い上げた鉄道並びに乗合等の拂下げの値段等の査定にあたりましても、こうした今申しますような弘済会や、あるいは廣告や、あるいは食堂車や、そうしたものに対する議論というものが必ず生じて來ると思う。でありますから、こういうものに対する根本的の態度というものを、現在はもう思い切つてきめるべきときであろう、こういうふうに私は考えておるのでありますが、この二つの大きな問題に対してのお考えを承つておきたいと思います。こういうものについて善処ができますれば、今の学生並びに一般定期等の問題も、おのずからいわゆる予算の上において解決ができるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、この点ひとつ明快なる御答弁を伺つておきたいのであります。
  13. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 尾崎君の第一問は、まことにごもつともな点でございまして、運賃の値上げをいたしますと同時に、あらゆる合理化をやれ、こういう御趣旨なのでありまするが、特にその点の、鉄道で出しておりまするパスの問題につきましては、これを契機といたしまして、いわゆる鉄道の從業員の家族等、内に対するもの、また外部に対しましても、この際大々的に整理をいたす考えでおります。  それから第二問のうちの、さらにあとに申された分の、國鉄が戦時中買収をした私鉄を、さらに拂下げをするというような問題につきましては、目下愼重に、どういう相手に、しかもどういう値段で、どの線をやるべきかという問題につきまして、目下政府といたしまして、愼重に考えて審議を進めておりますると同時に、近くこれらを処理しまするための基本法律を今議会に提出いたそうと思つておりまするから、その際には御審議をお願いしたいと思います。基本法を得ました上に、さらは個々の処理に関しましては、またそれぞれの機関にお諮りをいたす考えであります。鉄道の内部の食堂その他の問題につきましては、政府委員から答弁をいたさせます。
  14. 藪谷虎芳

    ○藪谷政府委員 列車食堂、車内の立賣りに関しまして尾崎さんから御注意がございましたが、現在は食堂車は完全なものはつないでおりませんが、一部つないでいるところもあります。車内で販賣しているのは、主として日本食堂で、またそのほか弘済会、あるいは地方の駅のいわゆる弁当屋がやつているところもあります。終戦以來食糧事情のために非常に不自由している旅客の旅情を慰めるため、駅頭または車内においていろいろ品物を販賣しておるのでありますが、大分社会秩序あるいは食糧事情も整つて参りましたので、次第に整備しつつございます。一般の旅客の輿論を聞くために、最近調査いたしましたが、その輿論としての結果から見ますと、半分以上のところは、値段も品物も品質も、現在の通りでよかろう。そういうところでありますが、やはり一〇%ないし二〇%程度は、値段はこの程度にせよ、あるいは品質はこういうものにせよ、あるいは回数はもう少し減らせとか、現在が適当だとか、いろいろな議論がありました。これらを尾崎さんの今の御注意と合せまして、今後サービスの改善の一助にいたしたいと、こう考えております。
  15. 尾崎末吉

    ○尾崎(末)委員 今御答弁を伺いましたことは、半分はわかつたのでありますが、半分は私の質問を申し上げた趣意が徹底しなかつたようでありますから、重ねて簡單にお伺いしたいのであります。鉄道の建物なり、あるいは列車なりを利用する廣告、あるいは弘済会がやつておる仕事、あるいは食堂社等がやつておる仕事、これらに対してもつと今日の時代に相應するように、鉄道との間に利害関係をうまく改善してよいのじやないか。早く言うと、収入をあげて行く方法があるのじやないか。相当額に達する収入をあげて行くことができるのじやないか。今の時代に合うように、一般並にやつて行くと、そういう増収の道があるのじやないか。こういうことがさつき質問いたしました半分の意味であります。半分は今御答弁いただいたことでわかつたのでありますが、こういう点を改善しておかなければ、私鉄の拂下げ等をなす場合においての値段等の問題についても、影響を及ぼします。一方においては、鉄道のうちにおいて今申し上げたような問題は、安いものをもつて便宜を與えておきながら、私鉄なんかの拂下げに対しては、時價によつてこれを拂い下げようとするのは何事か、というような問題が起つて来るであろう、こういうことも危惧をいたしておるのでありますから、さつき申し上げました収入の点において、こういう問題を時代に合うようにやつて行く方法はないか。行けるとすれば相当巨額の利益があがつて來るのじやないか、こういうのが半分の趣意でありますから、あとの半分について重ねて伺つておきたいのであります。
  16. 藪谷虎芳

    ○藪谷政府委員 御注意の構内営業の料金は、昨年約倍に上げました。廣告料金は大体十倍に値上げいたしました。本年度も大体収入を三倍程度あげようと、こう考えております。そのほか料金の改正いろいろまぜまして、約十億程度の増収をいたす、そう考えております。
  17. 滿尾君亮

    ○滿尾委員 今回の運賃値上げの案を拝見いたしまして、私ども委員の率直な感じは、いかにもこれは不満足な案である。納得の行きかねる案であるという感を深く持つておるのであります。また大臣並びに政府委員の御説明の言外にあふれるところを察しまするならば、政府当局側におきましても、必ずしもこれが非常に満足した案だというふうにも、考えておられないのではないかと感ぜられる。その間に一種の諦観と申しますか、あきらめというものが流れ出ておるように私は拝察するのであります。この点につきまして、大臣の御所見をひとつ伺つてみたいのであります。たとえば先ほど米窪委員の質問に対しまして、大臣予算のわく内においての修正につきましては相当政府として感ずる用意がある。しかしながらその筋のことに関してはわからぬというお話があつたのでありまするが、この点について私はちよつと疑問を持つのであります。もしこの委員会が何がしか技術的な修正をする、建設的な修正をいたしました場合に、大臣はその筋との折衝について、その責めを負わないというお考えであるのか。委員会でもつぱらやつてくれという意味なのであるのか。政府もまたこの修正に應じて大いに努力するというお考えであるのか。はなはだその点を捕捉しがたいように拝聽いたしたのでございます。さらに事務当局にお伺いいたしまするが、結局委員の率直な感じを申せば、政府当局がもう少しその折衝について、身を入れると言つては語弊がございまするが、何とかならなかつたかしらというような感じが、どの委員の方の心にも流れておるのじやないか、私はそれを、はなはだ僭越ではございまするが、代弁するのでありますが、一体今回の運賃改正の案がいつごろ具体的なかつこうをとつたものであるか、いつごろからその筋との折衝は始まつたものであるか、大体何回くらいの会合をせられ、延べ何時間くらいの御努力を御傾倒になつたものであるかということについてお漏らし願えれば、われわれ非常にその点の了解が行くと考える次第であります。これが質問の第一点であります。  第二点につきましては、大臣にお伺いいたしますが、國有鉄道が近く公社の形態になる。しかしながら明治三十九年に出ましたところの鉄道國有法というものは、現に存在しており、將來もわが國の鉄道に関する最も基本的な法律として行くものであり、運輸大臣がわが國の運輸行政をおとりになる上におきましては、これが一番大な原則であると考えておりますが、それじついての大臣のお考えを伺いたい。これが第二点でございます。  第三番目のお尋ねは、もし鉄道國有主義というものが、今後ともわが國の陸上運輸の根本原則でございまするたらば、私は今回の改正のうちで、どうしても旅客運賃の遠距離逓減を御採用にならねばならぬように考えるのでおります。昨日の私のお尋ねいたしましたところで、大臣からなぜ遠距離逓減をとらなかつたかということにつきましては、旅客運賃の理論的構成をもつてお答えがあつたのでありますが、私はわが國が鉄道國有主義をとつておりまする建前からいたしまして、單なる旅客運賃の理論的構成のみをもつて、遠距離逓減を排除すべきものではないと考える。ことに今回の御改正のごとく、まつたく理論を無視して、赤字の貨物運賃はそのままで、黒字の旅客運賃にのみ負担をかけられるということは、まつたくこれは理論から脱線していると思う。しかるにこの遠距離逓減の一点に関してのみ理論をもつてさように考えて、とりがたいとおつしやるとするならば、これは矛盾撞着もはなはだしいものであると私は考えるのであります。さらにこの数字を見てみますると、こういうことになつておる。頂戴いたしましたこの関係資料の第七表というものを拝見いたしますると、今回改正せられまする運賃の原價関係が出してある。そういたしますると、旅客の定期につきまして――松本委員からも盛んにつつ込まれておりまするが、今回の突然の厖大な値上げにもかかわりませず、定期は六割程度の収入原價にしか当つておらぬ。四割の赤字を出しておる。しかるに定期外は二倍七分で、十七割というものの黒字を出しておる。これは前年の現行制度から申しますると、現在は十三割であつて、三割の黒字であるのでありますが、まずまず定期外の旅客にのみ黒字をかけておる。旅客運賃の黒字と申しましても、定期外の旅客運賃でもつて、まつたく全鉄道収入をささえているということになる。しかもかように大きな負担を定期外の旅客にかけているこの場合、今回の値上げによつて最も深刻なる苦痛を感じます者は遠距離旅客で、それが全面的にかぶるのであります。しかるに五百キロ以上の旅客の数量を御当局からいただきました資料で見ますと、五百キロ以上旅行いたします者は、実に全旅行者の一分三厘九毛しかおらぬ。百人のうち一人しかおらぬ。これを人キロに計算いたしましても、全人キロの六%八三にしか当らぬ。でありますから、この一%三九の人間、人キロにいたしまして六%八三の面に対しまして、運輸大臣はどうしてもこの際、値上げの苦痛を軽減してやる方策をとることが、政治的にも非常に賢明であり、かつまた鉄道國有の精神に照らしましても、これはどしてもやつていただかなければならぬことのように考えるのであります。また、私どもはさしでがましい話でありまするし、今に及んでというような考もございますでしようが、この程度の収入の相違というものは、今回の値上げによる収入減のお見込みの数字を、一割七分に見てもよろしいが、それらの点に対して、私は現在の段階において調整可能であることを確信いたしているわけであります。遠距離逓減に対する大臣のもう一ぺん御再考をいただきたく、そのお考えを伺いたい。  第四番目に定期券につきましては、私から申し上げませんでも、もうほかの委員からとくとお話がございましたが、私の一つの感じを申し上げますならば、なるほど定期券はまだまだ赤字ではありますが、とにかく今回のように、非常に出し抜けに大幅の値上げをせられるということは、その筋はこれを理論的と思つているかもしれませんけれども、私は実際政治として、そこに漸進的な、ステップ・バイ・ステツプというお考えがなくては政治にならぬと思うのであります。どうしてもこの点について私は格段の御努力を切望してやまない次第であります。     〔岡村委員長代理退席、委員長着席〕
  18. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 ただいま満尾君の四点の御質問の第一、この運賃のきめ方の経路を見て、結局諦観しているのじやないかというお話でございましたが、なるほど多少隔靴掻痒の感がありまして、かゆいところを十分おかき申し上げることが足りないようなふうにお考えと思うのですが、そこはひとつごしんぼうを願うといたしまして、第二間に入ります。第一問は國有鉄道明治三十九年ですか、それ以來國有でずつと來ているのであつて、エクセプシヨンとして、その除外例に私鉄というのが少しあるのですが、今回この画期的なコーポレーシヨンという、國有であるがしかもその運行の形がつまり公共法人という形にかわつたのは、私は日本の国鉄の一つの変革であると考えております。そこで、このコーポレーシヨンの姿で運営をいたして行きますうちに、またいろいろな経驗を積んで参つたあかつきには、あるいは一歩さらに飛躍をいたしまして、これが國有民営となりますか、あるいは全然民有民営という姿に移りますか、またそうせねばならぬという断定を私は下しませんが、少くともそういうふうに経験を経ましたならば、あるいはさらに進んだ形ができる場合があり得ると考えております。それから第三段の、あいかわらず満尾君は、専門的の蘊蓄の深いところで、るる運賃の逓減を御主張なさいますが、先日も申し上げました通り、御所論はひとつゆつくり研究いたしまして運賃政策に盛り込むつもりでありますが、どだい現在のツー・ゾーン制度、二地帯でわけているというのが、現在は私どもは適当だと考えております。それからまたこの定期と定期外では、定期外に大部分の收入を持たしておるというような御説もありましたが、要するにこの運賃政策というものは、総合した全体の上において、どこにウエートを主としてかけるか、どの点は軽くしてもよいかというようなことは、やはり総合的の運賃政策の中で、ときの経済事情、ときの情勢に應じて、そこに取捨選択が行われるべきものであると私は考えまして、少くとも現在の段階におきましては、お氣の毒でありますが、定期も今回の改正の程度でごしんぼうを願うと同時に、また遠距離逓減の二地帯制度も、現在はこの辺で御承認を願いたいと考えております。將來は御所論に從いまして、十分御趣旨のあるところを取入れて研究をいたすつもりでございます。
  19. 滿尾君亮

    ○滿尾委員 私は大臣の御答弁を伺いまして非常に驚いたのであります。大臣の御答弁によりますと、鉄道国有の精神というものは、いろいろ発展して行く段階がある。現在はこれをコーポレーシヨン形態にした、またこれによつて経驗を積めば、新たな発展をするかもしれないという、非常に動的のお考えをお持ちのように伺つたのでありますが、私は今日のわが國の運輸大臣といたしまして、鉄道国有主義をとるのであるか、とらぬのであるか、あるいはこれを動揺せしめるかもしれないというような御発言は、非常に重大な意味を含んでおるように思うのであります。從つて私は運輸大臣として、この根本原則についていかなる御信念をお持ちになつておるか、現在においてはつきり國有主義なのか、あるいは近く國有主義を変更せしめたいとお考えになつておるのか、これは一番根本問題でありますから、この点についてあらためて大臣の御答弁を得たいと考えております。なおこの國有主義についての大臣のお考えが、將來動揺するものでございますれば、私どもの申し上げる遠距離逓減の思想そのものも、思想的にすでに食い違いがあると思いますから、この点を御答弁願います。
  20. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 満尾君にお答えいたしますが、私は念願といたしまして、最も進歩した運輸大臣であらんことを念願しておるのでありまして、現在の姿が、あらゆる制度におきまして、時々刻々変化をし、改善されて行くことは言うまでもないところでございます。現在のところは御承知のように、純粋の国有制度がコーポレーシヨンに移行いたしましたが、その経驗の結果、またどういうふうなよい意味の進化をする場合があるかもわからない、ということを申し上げるのでございます。現在におきましては、満尾君の御承知のようにコーポレーシヨンであり、かつ一部の私鉄だけがそこに認められたという、このありのままの姿を、そのまま私も認めておりますから、さように御了承願います。
  21. 滿尾君亮

    ○滿尾委員 私の質問いたしましたのは國有鉄道がコーポレーシヨンの形態をとりましても、わが國が鉄道國有主義をとつていることは、かわりないのではないかということを、確認いたしたいのであります。大臣はその点についてコーポレーシヨンの形態をとり、さらにそれが次々の発展をはらむ、それが進歩だというふうにお考えになつておるようでありますが、この問題はわが国の交通政策上の最も基本的な問題でありますから、大臣は國有主義について確固たる御信念をお持ちになつているのが、多少疑念を生じて転化して行きたいというふうにお考えになつているのか、その点だけを明確に御答弁いただきたいと思います。
  22. 大屋晋三

    ○大屋國務大臣 満尾君のねらつている点が、なるほど少しわかつたように思うのであります。今の國有鉄道は、國有鉄道であることに間違いないのですが、エクセプシヨンといたしまして私設鉄道がある。ですから、場合によりまして、國有の中からさいて、私鉄に持たせるという場合はあり得ると考えてさしつかえないと思います。
  23. 稻田直道

    ○稻田委員長 午前中の議事はこれでもつて中止いたしまして、午後は速記をとめまして、各会派修正意見を一度出してもらいまして、審議の参考にいたしたいと思います。  暫時休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時四分開議
  24. 岡村利右衞門

    ○岡村委員長代理 午前に引続き再開いたします。  残余の質疑は次会に延期いたしまして、本日はこれにて散会いたします。     午後二時五分散会