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1948-12-10 第4回国会 衆議院 地方行政委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和二十三年十二月十日(金曜日)     午後一時五十七分開議  出席委員    委員長 山口 好一君    理事 小暮藤三郎君 理事 門司  亮君    理事 矢尾喜三郎君 理事 坂口 主税君    理事 高岡 忠弘君 理事 小枝 一雄君    理事 大石ヨシエ君       大内 一郎君    千賀 康治君       竹谷源太郎君    坂東幸太郎君       木村  榮君  出席國務大臣         大 藏 大 臣 泉山 三六君  出席政府委員          総理廳事務官 荻田  保君           大藏事務官 河野 一之君         國家地方警察本         部部長     武藤 文雄君  委員外の出席者         参議院地方行政         委員長     岡本 愛祐君         國家地方警察本         部警視     小倉  謙君         專  門  員 有松  昇君     ――――――――――――― 十二月十日  地方財政委員会法の一部を改正する法律案(参  議院提出、参法第三号) の審査を本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  地方財政委員会法の一部を改正する法律案(参  議院提出、参法第三号)  地方財政に関する件  警察問題に関する件     ―――――――――――――
  2. 山口好一

    ○山口委員長 これより会議を開きます。  参議院提出の地方財政委員会法の一部を改正する法律案について参議院地方行政委員長岡本愛祐君の提案理由の説明を求めます。     ―――――――――――――
  3. 岡本愛祐

    ○岡本參議院地方行政委員長 地方行政委員会法の一部を改正する法律案の内容並びに趣旨を御説明申し上げます。  本法案は地方行政委員会法の一部を改正するきわめて簡單な内容でございます。第一点は第四條中の改正でございまして、この地方の財政委員会の委員が御承知の通り五人をもつてなつておる。それを七人の委員をもつて組織するように改めよう、すなわち國会議員の代表者として一人出ておりますのを二人にふやしまして、一人は衆議院議員の中から代表者として衆議院議長の指名せられた方、一人は参議院議員の中から代表者として参議院議長の指名いたしました者といたします。そのほかに地方財政に関し学識経驗を有する者一人を加えまして七人といたしたい、こういうのでございます。第二点は右の改正に伴いまして第六條を改正せんとするのでございます。ただいままでの現行法律では、委員三人以上の同意をもちまして地方財政委員会の会務を決することになつております。それを委員四人以上の同意をもつて会務を決することに改めんとするものでございます。  次に提案の趣旨について申し上げますと、地方財政委員会は、昨年内務省の廃止に伴いまして、内閣総理大臣管理のもとに、臨時に一年間に限り設置せられたものでございますが、まだまだ地方財政の基礎が確立しておりません。やがてはこれを拡大強化し、恒久化いたしまして、地方自治委員会ともいうべきものをつくるようにいたさなければならないのであります。それで第三國会におきまして、その存続期間を明年の三月末日まで延長されましたことは、すでに御承知の通りでございます。そこでこの委員会の組織は、國務大臣一人と、國会議員の中から代表者として衆議院議長及び参議院議長の指名しました者一人と、知事の代表者一人と、市長の代表者一人、町村長の代表者一人と、合計五人をもつて組織しております。その中で、國会議員の代表者たる委員につきましては、当初から衆議院議員の方からお出になつておるのでありまして、ここで考えなければなりませんことは、衆議院の解散の場合におきまして、地方財政委員会の委員の中に、國会議員を代表いたしまする委員を欠くことになつてしまうのであります。そういたしますと、この大事な時期に法律が庶幾しております目的に沿わないことになるのをおそれるのであります。それでこういう大事な時期でございますから、この際委員会の組織員を充実いたしまして、國会議員の代表者たる委員としましては、衆議院議員から一人、参議院議員からも一人出すことにいたしたい、こういうふうに考えます。なお委員の数を奇数にいたします関係もございまして、万全を期しますために、地方財政に関し学識経驗を有する者の中から一人の委員を加えまして、合計七人の委員を置かんとするのが、第四條の改正の趣旨でございます。また從來のごとき委員五人の場合におきましては、委員三人以上の同意をもつて会務を決することと定めておりますのを、今回委員七人と、こう改正いたす場合におきましては、委員四人以上の同意をもつて会務を決するということにきめますのを適当といたします。そこで六條を改正せんとするのでございます。  以上が提案の理由でございますが、どうか衆議院におきましても御賛成を賜わらんことを切望いたします。
  4. 山口好一

    ○山口委員長 何か質問はございませんか。
  5. 門司亮

    ○門司委員 地方財政委員会の当局の御意見はいかがでありますか。
  6. 荻田保

    ○荻田政府委員 委員会法につきまして、ただいま参議院から出ておりますような改正案が両院を通過いたしましたならば、われわれはけつこうなことだと思つております。
  7. 門司亮

    ○門司委員 この場合ちよつとお聞きしたいと思います。この案に対して別段異論はないのでありますが、行政関係の代表者、いわゆる地方行政の代表者たる都道府縣の代表者、市の代表者あるいは町村の代表者が一應この中に含まれておりますが、そのほかに地方の議決機関の代表者を加えた方が私はむしろこの委員会が完璧になる、こういうふうに考えるのですが、この点について何か参議院の方で御議論でもありましたか。
  8. 岡本愛祐

    ○岡本參議院地方行政委員長 お答えいたします。別にそういう特段の質問を出した委員の方は、私どもの方にはございませんでした。ただこの案を立案いたしますときに、いろいろこの点も考えました。しかしたくさんにいたしますればともかく、府縣の縣会の代表者としますか、また市議会の代表としますか、町村議会の代表者といたしますか、その点なかなかむずかしゆうございますので、一應この案に落ちつきました三月末日までの期間でありますから、こういうことが適当ではないかというので、こういうようにいたしたのであります。
  9. 山口好一

    ○山口委員長 質問はこの程度で打切りまして、討論採決は次会に讓りたいと思います。御異議ございませんか。
  10. 山口好一

    ○山口委員長 異議なければさよう決定いたします。
  11. 門司亮

    ○門司委員 これは大藏省に聞くことの方がいいと思いますが、地方財政委員会として、現在予算にかけられておりまする大藏省の案に御承認できるかどうかということです。それは昨日も申し上げましたように、大藏省案をそのままのんで参りますると、地方財政というものは非常にきゆうくつになつて参ります。大体この数字は私よりも当局の方がよく御存じだと思いますが、もし今この予算に組まれておりまする範囲で地方財政が行かなければならないということになつて参りますと、地方の行政はほとんど財政的に行き詰まらざるを得ない形になると思うのであります。これは御承知でもございましようが、地方の財政の行き詰まりの状況というものは、どの都市、どの町村に参りましても、財政的に完全なものは一つもないといつてもいいくらいであります。從つて町村長のその後の動靜を見てみますると、昨年の四月に行われた選挙後、大体一万二百有余の市町村のうちで、すでに六百十名というものが村長あるいは町長をやめております。それの主たる原因がどこにあるかということは、大体病氣であるとか、あるいは一身上の都合であるとか、家事の都合であるとかいうようなことが大部分を占めておりますが、しかしその中でも原因不明であるというようなものが百六十数名を数えられておりまして、これはほとんど地方財政の行き詰まりから來る事象だと私は考える。同時にまた地方をまわつて聞いてみましても、こちらへ陳情においでになる地方公共團体のお方のお話を伺つてみましても、現在の地方財政というものはほとんど村長の個人信用、あるいは町長の個人信用において金の融資をしている。それでなければ地方財政というものはやつて行けないというような状態になつていることが、私は正しい見方だと思う。そうなつて参りますと、せつかく日本の民主化のために地方に大きな権限を委讓いたしまして、地方自治権の拡大をはかつておきながら、財政の面でやつて行けないということで、地方が再びやはり少数の者の手に握られてしまうという危險性が、今だんだん日本の地方にはきざしつつあるということは、私ははつきりと言えると思う。こうなつて参りますと、内務省をなくし、あるいは中央集権をなくするとはいつてみても、そういう非民主的なボス政治というものが日本に行われるということは事実だと思う。この点を私は非常に心配するのであります。從つて地方財政を受持つておられる地方財政委員会というものが、もう少し強く――ことに予算の面に対しましては、大藏省と折衝をする場合に、ひとつかなり強くやつていただきたい。これは風聞でありますからはつきりと申し上げませんが、大藏省の原案、いわゆる大行省の官僚案に対して、地方財政委員会は今まで一体何をしておつたかということを実は言いたいのであります。この案のできるまで地方財政委員会としては知らなかつた。私どもはこういう点をひとつ十分聞いてみたいと思いますが、これも責めるだけで、何らの効果も今となつてはないと思いますが、幸い局長がおいでになりますので、大藏官僚がこういう案を組んで、それが予算に計上されるまでの間の経緯を、もしおわかりになりますればこの際お聞かせを願いたいと思います。
  12. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいま門司委員の御指摘になりましたように、地方財政が非常に困つておりますこと――先般せつかく改正地方税法その他が施行になりましたが、それでは十分でなくて、いまだに相当困つておるということを、われわれも認めておるのでございます。この財政委員会も來年三月まで期間が延長になりましたので、その間におきまして――來年度と申しますか、あるいは早いものは今年度からでも何らかの改正ができれば改正案をつくり、國会にお諮りしたいというつもりで準備しておるわけでございます。さしあたり今回提出されました予算につきましては、この予算案が出ました途中におきまして、このような財政状態でございますので、相当各方面においてむりがありました結果、この予算そのものは地方財政にとりまして必ずしも百パーセントとは申されないのでありまするが、國家全体の財政の力からいたしまして、まずこれならやつて行けるというところで一應予算ができておるのであります。しかしおつしやいましたように、相当現在の地方の財政状態は苦しいのでございますから、この運用につきましては十分に檢討を加え、予算の範囲内においてもできるだけのことはし、あるいはもし万一にもできないことがあれば、次の機会において是正するというような措置を講じたいと考えております。
  13. 門司亮

    ○門司委員 それからこまかいことでありますが、一應財政関係でお聞きをしておきたいと思いますことは、地方財政法によります國の事務と地方の事務との分担関係ですが、これが非常に区分がしにくいという形でありました。この前の予算のときにも一應私もお話をしたのでありますが、ことに戸籍事務の関係であります。戸籍事務の関係は、ただ單に地方の仕事であるとは、どうしてもわれわれには考えられないのであります。戸籍事務は地方自治体、市町村の仕事であるとも一應考えられますが、しかしこのこと自体は國の大きな仕事だと私は考えている。しかるに依然として、戸籍事務が地方の仕事のように考えられているということ。それからその次に考えなければならないのは、選挙の関係であります。選挙の関係も大体國において行う選挙であつて、ことに選挙に要しまする費用等のごときは、大体國から参りまするのはごくわずかな交付金であつて、それの何倍か――ちようど大体國から持つて参ります費用の約十倍くらいのものがおそらく地方自治体の負担になるということが、從來の慣例であります。こういう面も、地方財政の面からいいますと、國の事務と縣の事務、あるいは市の事務というように明確な区分ができないから、おそらく國としては、平たくいえば、あてがい扶持の予算を出しているのじやないか。嚴密にこれからこれまでは國の費用、これからこれまでは市の費用であるとは考えていないのじやないか。ごく近いうちに総選挙もあるでありましようが、一選挙をやりますには、市においてもやはり何百万円という金を使わなければやれない。その場合に國からとる費用というものはごくわずかなものでありまして、たとえば一例を申し上げますると、昭和二十二年に行つた知事の選挙、市会議員の選挙、参議院議員の選挙、衆議院議員の選挙、それらのものの負担関係を見てみますと、國庫から負担されたものというのは、参議院議員、衆議院議員の選挙を通じてごくわずかでありまして、かりにこれを横浜市の例をとつてみますると、参議院議員と衆議院議員の選挙に対する國庫交付の金というものは四十六万四千円ぐらいしか出していない。そしてほんとうに使つている費用というものは、一体どのくらいこの二つの選挙に使つているかというと、七十四万七千円、同時にこれに知事選挙あるいは市長の選挙、市会議員の選挙等を加えて参りますと、約三百万円近い費用を使つておる。そして國庫から交付されたものはわずか四十六万四千円というような形でありまして、こういう面が地方財政には非常に大きな痛手になつて参るのであります。今回の選挙等も、國の選挙が行われる場合に、地方の自治体がやはり二百万円なり三百万円の負担をせなければならぬということは現実の問題でありますが、こういう問題は一体どういうふうにお考えになつておるでしようか。この点をもう少し明確にして、地方の財政をできるだけ軽くしてもらうというようなこと、これは單なる戸籍事務と選挙事務だけじやありません。そのほかの事務にたくさんこういうものがあります。その点財政委員会としてどういうふうにお考えになつておるか。それからこれに関連した点でありますが、地方に参ります交付金あるいは補助金、これは財政処置の上において大藏省が管轄しておるからといえば、あるいはそれまでかもしれませんが、非常に時期が遅れて來る。市会あるいは縣会等で予算を組みますときに、大体補助金は三分の一、あるいは四分の一で一應組んでおる。これが実際國から参りますのに非常に長い時間がかかつて來る。現在はそうかけないと言つておりますが、実際はなかなかそうじやないと私は思う。そこでその間の市の財政というものは非常に苦しくなつて、從つてそれに引当ての財源として、さつき申し上げましたように個人信用で金を借りて來る。しかしその場合においても、それに対する利息だけはやはり地方の公共團体が支拂わなければならない。こういう結果が來ておりますので、地方では時間のずれによる大きな負担と、さらにそれによりまする利息の負担というようなものが、かなり大きな関係を持つて來ておるのでありますが、その点につきまして財政委員会はどういうふうにお考えになつて、また大藏省にどういうような折衝が行われておるか、その点もひとつお伺いしておきたいと思います。
  14. 荻田保

    ○荻田政府委員 ただいまお述べになりました國費、地方費の負担金が明確になつて、当然國費で出すべきものが地方の負担になつておる。この点われわれといたしまして非常に遺憾に思つておるのであります。先般できました地方財政法によりまして、それに関します原則を明確にしまして、今後これを是正して行くという体制をつくつたのでございます。ただ本年度の年度半ばにおいて法律ができております関係上、本年度の予算におきましては、その全貌が現われておりませんけれど、必ず二十四年度から明確な負担金として、合理的な標準によつて交付金を出すということにつきまして、ただいま各省と打合せ中でございます。  おつしやいました戸籍事務につきましても、まつたく同感でございまして、ただいま法務廳あるいは大藏省方面と、たまたま寄留法を改正するという問題もございまするので、これらと関連いたしまして、戸籍事務について交付金の負担をするということを研究中なのでございます。  それから選挙の費用につきましても、これはもう國家的な選挙である衆参両院議員の選挙につきましては当然國費をもつて全額出すということは、もう原則として問題ないのでございまするが、実際に出しまする予算がそれに及ばないというようなことのある例を聞いておりますので、この次からはそのようなことのないように、さしあたり今回の場合から、十分な國費の支出を要求したいと考えております。それから補助金、交付金の支出時期が遅れるという点でございますが、この点も財政法に明瞭に書きまして、そのことのないようにしておるのでございまするが、最近政府も、ひとり補助金のみではなく、一般の歳出の支拂いが遅れるということに対しまして、相当努力を拂つておるのでございまして、地方に対しまする補助金につきましても、最近では相当改善されたと思うのでありまするが、なかなか項目も数百項にわたつておりまするし、各省にもわたつております。また市町村に対する分につきましては、府縣を経由するというようなこともありまして、あるいは遅れておるところもあるのではないかと考えられまするので、そういう点につきましては、十分改善について努力いたしたいと思つております。
  15. 小枝一雄

    ○小枝委員 簡單に二、三お尋ねしておきたいと思います。第一点は地方に権限が大分委讓せられたにもかかわらず、地方自治体の起債について、かなり強い束縛がせられておりまして、非常に困つておるのであります。これについて自治権拡充というような立場から、ひとつそういう点を緩和せられる御意思が当局にあるかないかということをお尋ねしてみたい。  それから第二点は、御承知のように近來、終戰以來特に地方に災害が増大して参つております。風害、水害等が各地に頻発をいたしまして、おそらく全國一箇年に数百箇町村の荒廃を見ておると思うのであります。こういう点に関しまして、今度國会に災害対策の予算として提案されておるのは、わずかに六十億程度のように承知しておるのでありますが、これがかりに修正されて増額が行われるといたしましても、これはわずかのものであろうと考えます。そういう場合において、縣なり地方の町村におきましては、災害をそのまま放任することは、建設省関係の仕事にいたしましても、農林省関係の仕事にいたしましても、中央はそのままで延期をしたり、あるいは財源の範囲内でやることができるといたしましても、地方の自治体においてはそうは参らぬのであります。かけるべき橋はかけ、修復すべき道路はこれを修復して行かなければならぬ。工事もまたそのまま放つておつては、ほとんど一家がつくつておるところの田畑の全部が流失してしまつたという町村もあることを、私は承知いたしておるのであります。これを放任するというと、今日の農村経済の事情では、米價の問題、そのほか林産物の價格とか、一般農家の所得の関係からいたしまして、それを自力で復興することはとうてい困難であります。そういたしますと、國家の補助額が非常に少くなりますと、勢いその財源を町村に求めなければならないが、今度の貧弱なる地方の財政をもつていたしましては、どうしてもこれを完遂することは困難なのであります。これに対して、当局といたしましてはどういうお考えをお持ちになつておるか、同時に、その一部の救済の方法といたしましては、地方配付税の問題、そのほかいろいろな補助の方法もあると考えるのでありますが、これらの調整について、どういう御所見を持つておらるるか、伺つてみたいと思います。
  16. 荻田保

    ○荻田政府委員 第一点の起債の問題でありますが、これは最近各地方團体に相当不満を感じておられる向きが多いのでございます。これはたびたび申し上げましたように、本年は從來のように、いわゆる臨時的な事業を全額起債に求めるというようなことをせずにある程度のものは一般財源に振り向ける、それだけの財源を與える、こういう趣旨によりまして、今度の税制改正を行つたわけでございます。ところが結局與えられました税源が、全体の歳出に対しまして少かつたというような点もございまして、起債に振りかえるところの一般財源を見出すことができない。從つてやはり從前通りの臨時的な経費については、大体起債によつてやらなければ、地方ではやつて行けない。こういうような結果になりましたのであります。ところが一方、こちらの方で本年度の地方債の額としましてとつておりまする二百四十数億円、これは最近の資金の蓄積状況を見まして、相当この額でもむりがかかつておるような額なのでありますが、それだけでもつてその地方の要望に應ずるように、起債の査定をしておるのであります。從いまして相当地方におきましては不満があるわけでございます。その結果どうしても公共事業等の遂行ができませんので、先般これをさらに三十六億円ふやし、二百八十億円程度の起債を本年度出すということで、目下査定しておるのでありますが、あるいはこれだけふやしましても、やはり地方の全部の御満足は得られないのではないかと思います。それならこれをもつとふやしたらどうかという議論も出ますけれども、なかなか今までの各自治体が起債を消化させる面になつて來ますと、非常にむずかしいのでありまして、御承知のように一般の起債事情は、地方ではなかなか今引受け手がありません。ありましても少いのであります。結局預金部の資金に頼るよりほかはないのでありまするが、財源の見通しとしましては、預金部で大体二百二、三十億円より消化できないという見通しでございますので、いくら起債のわくを廣げましても、資金がありませんために、からの起債にしかならぬと思います。結局何にもならぬのであります。從いましてなかなかこのわくをふやすのはむずかしいと思つております。  それから第二の災害の問題でありまするが、確かに地方におきまして、どうしても実行しなければならない復旧事業は、今回の國庫の予算に盛られましたものよりもはるかに大きなものではないかと思うのであります。しかし國庫予算をつくる上におきまして、各方面の情勢からしまして、どうしてもあの六十億円を追加計上するということしかないのでございまして、そしてその地方におきましては、大体災害復旧事業は、その國庫の補助をもらつて行います仕事と、國庫の補助が全然なくて独自でやる仕事の二つがあるわけでございます。從いましてその國庫の補助をもらつてやる仕事につきましては、たとえば六十億円の國庫補助でありまするが、地方で大体三十億円、大体事業費総額の三分の二が國庫の負担、三分の一が地方の負担ということになりまするので、その三分の一につきましては、これは起債を認めてやりたい。從いましてそういうように六十億円にふえることになりますれば、そのときにまた地方の起債もふやさなければならぬのでありまするけれども、今のところこの程度よりはいたし方がないと思つておるのであります。それから一方地方独自で行いまする災害復旧事業、應急事業、救助事業、これなどにつきましてはでき得る限りの起債を認めたいと考えておりまするが、これも先ほど三十六億ふやしました二百八十億のわくをもつていたしますると、災害に充て得る分が総額において三十二、三億円程度にしかならないのでありまして、三十億円をもつて國庫の補助のある災害復旧事業の地方の負担部分に充てますと、單独で行いまする災害復旧事業に充て得る起債の額というものは数億にしかならぬのでありまして、あるいはこの点につきましては、あまりに少な過ぎますので、ある程度起債のわくをふやさなければならないかと思いまするが、先ほど申しましたような資金の状況からしまして、なかなかこれもむずかしいのではないかと考えております。なお起債に持つて行きようのないような災害の関係の事業につきましては、これは一般歳入をもつてまかなうべきではありますけれども、それも資力がなくてどうしてもできないようなところに対しましては、特別の配付税の分與を考慮いたしたいと考えております。
  17. 小枝一雄

    ○小枝委員 ただいまの御答弁はよくわかりまして、満足いたしますが、もう一つ念のためお尋ねしておきたいと思いますことは、昨日も中國地方の戰災都市の代表者が、その救済方について多数陳情に参つておるのでありまするが、御承知の通り、全國百八十幾らであつたかと思いますが、多数の戰災都市がある。その戰災都市に対しまして、國庫の区画整理その他に対する補助金というものは、年々わずかに六億円程度にしかなつていないのであります。これでは非常にどうも戰災都市の復興は遅々としてはかどらない。ことに区画整理等が國庫の負担いたします補助金の関係上はかどらないので、いろいろ個人がかつてに仕事を始める。そういうことで次から次へ訴訟が起り、あるいはいろいろな訴願の問題が起り、地方自治の上において容易ならぬところの暗影を投じておるのであります。政府としては、すみやかに戰災地を復興せしむるように努力する必要があると思うのでありますが、それに対しまして、何か積極的な御成案があればこの際承つておきたいと思います。
  18. 荻田保

    ○荻田政府委員 戰災復興のうちで、伺いましたところの区画整理の問題であります。これにつきましては、戰災都市みずからの力ではなかなかできませんので、非常に高率な――たしか七八割ぐらいの高率補助じやないかと思いますが、結局國庫補助の額をふやさない限りは、なかなかこの仕事は地方独自でやれといつてもできませんから、結局國庫補助の額をふやすことが先決問題であると思います。その方は私の方としましては直接関係がございませんので、建設省の方だと思いますが、國庫補助のとれました範囲内におきまして、二割の地方負担をする。これはやはり起債の問題になつて來まして、この点につきましては、大体都市のそういう種類の起債は、全額承認するというようなことになつております。     ―――――――――――――
  19. 小暮藤三郎

    ○小暮委員長代理 ちよいとお諮りいたしますが、門司委員から大藏大臣の出席を求めまして、地方財政についての意見を聞くことになつておりますが、今閣議開催中で、閣議が済み次第、大藏大臣が出席して参りますはずですから、それまで警察法の審議を続いてやりたいと思います。  私からちよつとお伺いいたします。衆議院議員の選挙は解散必至の今日、目捷の間に迫つておりますが、われわれは徹底的にその嚴正な執行をこいねがうことはもちろんであります。これには立候補者も選挙有権者も、いずれも國民がこぞつて協力をしなければならぬことでありますが、なかんずく選挙の取締りが嚴正に行われるかいなかに関しまして、重大な関係があることは申すまでもないところでございます。当局のこれに対する見解を承りたい。ことに警察法改正の結果、各自治体ごとに警察署長の取締り方針が異つておるために、寛嚴一致しないだろうと思う。これに対し警察当局はいかなる対策を持つておりますか、それをまず承りたい。
  20. 武藤文雄

    ○武藤政府委員 今回の選挙というものは、われわれにおいて特に三つの点で意義がある選挙だと存じます。その第一は、ただいま委員長のお話にもありました通り、新警察法下において初めての総選挙である。從つて國家警察、地方警察との関連において、いかにこれを行うか、新警察制度下における第一回の総選挙であるという点。第二点が選挙公営の実施に際して、これをいかに適正に行つて行くかという点であります。またこの選挙公営の運営が完全に行われることが好ましい。かような意味において、われわれといたしましても最も意を用いなければならない点であります。特に第一の点について申し上げますれば、自治体警察、國家警察の間において、選挙取締り上において齟齬が起りはしないかという御心配の点。これは警察法においてそれぞれ運営管理が独立であるという関係から、相当この問題については困難があることは十分察知せられるわけであります。しかしながらわれわれといたしましては、警察法においても相互の協力ということは、特にうたわれておる点でありますし、特にお互いの協力によつて、できるだけその間に齟齬を來さないように努めて行きたいということを考えております。たとえば各縣においてそれぞれ國家警察、自治体警察の公安委員会の連絡会議のごときものもございまして、また警察当局の間においても、いろいろな協議会というようなものも從來から行われておるのであります。こういうような府縣の連絡会なり、あるいは協議会というものを選挙において十分に生かし、お互いに法令について十分に連絡檢討を加え、あるいはお互いにいろいろな状況なども意見の交換をし合つて、その間にお互いの歩調をそろえて行くというふうに、警察法の許す限度において、十分にお互いの連絡協調ということに、特に意を用いて行きたいということを念頭に置いております。選挙公営につきましては、法令の趣旨のあるところを体しまして、これが適正な運営にあたつて行きたいということを考えております。
  21. 門司亮

    ○門司委員 警察制度が施行せられましてから今日まで、いろいろな方面で種々の話を聞くのでありますが、まず最初にお伺いしておきたいと思いますことは、当局としてこの法令改正後において警察行政が非常にやりにくくなつた点、それに対してお氣づきの点があるかどうかという点であります。これは非常にまわりくどい質問をするようでありますが、当局が一旦きめられた法律の範囲内だけで仕事をやつて行こうということであれば、なかなか警察制度の改善は行われませんので、当局みずからが進んでこういう点をこういうふうに改正してもらいたいという、新しい警察法の施行の趣旨に沿う線で、何か改善を必要とするようなことのお氣づきの点があるかどうかを、まず一点お聞きしておきたいと思います。  それから次に聞いておきたいと思いますことは、國家警察と地方警察との給與の関係であります。これが地方に参りますとさほどの影響はないようでありますが、大都市におきましては、自治警察の面は、地方の從來市あるいは町村に使われておりました吏員の給與と同じ程度までこれを引上げなければならないということで、比較的給與の面はよくなつておると思います。ところが國家警察の面はその点が非常に低いので、最近大都市の警察行政の上で、國家警察に勤めておる人が地方自治警察に移りたいという希望を多分に持つておる。特に神奈川縣のごときは、すでに取締りの配置をするのに困つておるという。從來巡査部長一名に対して巡査三名くらいをつけて一つの班を組織しておつたものが、巡査部長が足りないで、警部補が出、あるいは警部が第一線に立つて指揮しなければ、人員の関係からできないというような状態が、実際問題として出て來ておるといわれておるのでありますが、この給與の面はぜひひとつ改善をしてもらいたい。これはこまかい数字を調査したものもありますが、それを一々申し上げますと長くなりますので申し上げませんが、たとえば過勤手当のごときはほとんど問題にならないほどのものを支給しておる。三箇月分の手当をもらつてみたら、わずかに三百円足らずの金であつたとか、あるいは旅費のようなものが、画一的の旅費が支給されておりますことのために、実際上の問題としての運用に非常に大きなさしつかえを來しておるということが出ておるのでありますが、この点に対する当局のお考えは一体どうであるか。  それからもう一つは裝備の関係でありますが、ことに武器の携帶の関係であります。非常に数が少くて、しかも製造は日本で許されておりませんので、非常に困難だと思いますが、しかしこの点について、当局はどういうふうに関係方面との御交渉をなされ、將來これがどういうふうになるかということを一應お聞きしておきたいと思います。  それからさらにもう一つ聞いておきたいことは、昨日と聞き及んでおりますが、宇部市における朝鮮人と日本警察官との衝突の事件であります。この事件の内容は、昨日の午前十時から午後九時まで朝鮮人約千二百名と日本人警察官の六百名の間に衝突があつて、十数名の負傷者を出している。現在はやや鎭圧しておりますが、これにはMPも相当数出かけたということを仄聞しておるのでありますが、この点の詳細がおわかりになりますならば、この機会に御発表願いたいと考えております。
  22. 武藤文雄

    ○武藤政府委員 警察法について、いろいろ不便の点が起つてはおらぬかという御質問の点であります。これにつきましては何しろ新しい画期的な制度でありますし、從つてわれわれとしても、全然新たな角度において仕事をしなければならないということで、当初において新警察制度に習熟するということについてわれわれは相当努力をし、また苦心をいたしたのであります。從つてこの制度の運営についてはいろいろ苦慮いたした点もございますが、幸いにしてその後だんだん警察官相互においても新制度になれてくる。またその運用においても次第に円滑に行われて來るといつた点において、現在においては新警察法のもとにおいて、とにかく仕事をしておるのであります。これについて今御質問の何か困る点はないかというような点、いろいろ氣づく点もないではありませんが、しかしまた一方、何しろ本年の三月から実施されたものであり、まだ実施後なお日の浅い今日において、早急にこれをいろいろ考え直すということも、必ずしもとるべきことでないかもしれないというような考えから、具体的にどういう点がどうだというようなことまでの結論には、現在至つておりません。  第二の給與の点でございますが、これについてはお説の通り、特に大都市では、自治体警察と國家警察との間において、給與に非常に開きがあるといつた具体的実例が起つて來ているのであります。自治体といたしましては、やはり自治体の給與の基準によつてその警察官に給與する。ところが一方國家警察においては、國家公務員という基準からやはり他の官吏との均衡の問題が起つて参ります。その間に処して、警察官が同じ仕事をやりながら、しかも同じ土地で仕事をしている場合においても、自治体と國家との間に開きが起るというようなことで、われわれとしてはなはだ困つた事態が起つているのは事実であります。從つてとにかく劇職についている警察官には、なるべく給與を多くして行くようにということについては、私の方の関係の部において努力をいたしております。ただいまの御意見の点もわれわれ重々承知しておりますが、官吏給與の問題と関連して、相当苦心を重ねて折衝をいたしていることを申し上げておきたいと思います。  第三は裝備の点でありますが、ひとり武器のみならず、裝備一般、たとえば通信あるいは機動力といつたものについて、これを強化して行くべきであるということは重々考えられます。武器の問題につきましては、やはり関係方面と相当折衝を重ねておりまして、特に具体的に結論が出ているといつたものは、まだ私聞いておりませんが、まだ折衝を続けている実情にあるように聞いております。  第四の宇部市の問題でございますが、まだ聞いておりませんので、いずれ調べましてお答え申し上げます。
  23. 小暮藤三郎

    ○小暮委員長代理 それでは刑事部長にお尋ねいたしますが、國家警察と自治体警察との連絡について、公安委員の連絡会議をやるというお話でありましたが、具体的にどういうふうにやつているか、そういう点をお答えしてもらいたいと思います。それから選挙公営についても、もつと具体的にこうしているというような点を、この場合承りたいと思います。
  24. 武藤文雄

    ○武藤政府委員 現在におきまして、自治体警察と國家警察との連緊については、かねがねその府縣の警察運営一般、あるいは特に刑事といつたような問題に限つて公安委員会相互の連絡会議、あるいは相互の警察長の連絡会議といつたものが、各縣において自然発生的に、いずれも必要に迫られて事実起つております。從つてそのやり方については、各縣においていろいろの態様があるようでございますが、大体申しますと、公安委員なんかは、月一回くらいお互いに集まつている縣が多いようであります。あるいは廣く管区、たとえば東京管区において、管内の代表的な自治体及び國家警察の公安委員の方が定例的に集まるという組織ができているようであります。かようにいろいろ具体的な細目については、集まる範囲なり、あるいはその会議の運営の仕方というものについて差異はあるようでありますが、どの縣においても、自治体と國家警察との連絡会議というものが行われているのが実情でございます。從つて今度の選挙におきまして、お互いに取締りの齊一を期さなければいけないといつたことについては、特にこの連絡協議会を生かすことが必要であると考えますので、われわれといたしましては、この機構を十分活用して行つたらいいのではないかと考えているわけであります。お互いに連絡しなければならないということは、警察法五十六條にも定められているところでございます。その趣旨によつて相互の協力をはかつて行く。たとえて申しますれば、選挙法の解釈、あるいは法規の理解というものについて相互一緒に集まつて研究をする。從つて法令の疑義、解釈等についてもその間の齊一を期するといつたような、法令の解釈あるいは質疑といつたものについて連絡会議をつくる。また必要に應じてその係の主任者をきめてお互いにその係が集まつて具体的にいろいろ相談をするといつた方法をとる。あるいは自分の管内ではなく、隣の管内のうわさで聞き込んだことがあれば、こういつた機会にお互いに連絡して協力して捜査に当る、かようなことが考えられております。  なお御承知の通り警察法の五十八條では、犯罪が一つの管内で起り、他に及んだ場合、あるいはまたその逆の場合に職権が及ぶことになつております。たとえば自治体警家で違反事実が発生した。その違反事実のあつた人が國家警察の管内に住んでおれば、自治体警察から國家警察に職権が及ぶことになつております。こういつたことによつてお互いの連絡ができるということも考えられるわけであります。その他いろいろ細目的には考えられるわけでありますが、ただいま申しましたように、お互いに法令の疑義、解釈の統一をこういつた機関を通じてやる。また取締りの機関を通じて密接な連絡をはかつてやる。いろいろな聞き込みがあつた場合には、お互いの連絡を密接にしてお互いの便宜に供する、こういつたことによつてこの連絡協議会――名前は何でもよろしいと思いますが、連絡機関によつてできる限り取締りの齊一を期して行くことにいたしたいと思います。  選挙公営に関しましては、先ほど私が冐頭に申し上げましたように、今回新しい構想のもとに実施されることになり、またこれに要する費用も相当大きなものがあるだろうと思いますが、選挙公営の立法の趣旨が正しく実現されることは國民ひとしく願つているところでございます。警察といたしましても、この選挙公営についてはあくまでも嚴正な立場で、公営が正しく行われることを強く期待いたし、警察としては選挙公営の正しい運営を促進するためには、特に意を用いるつもりでおります。
  25. 千賀康治

    ○千賀委員 選挙に関しましてはあすの十一時から特に選挙小委員会を招集するつもりでありまして、そのときにまた御出席いただいて聞かしていただきたいこともありますが、今日は警察関係で特にお聞きしておきたいことがあります。一つは選挙が行われるについて、國家警察並びに地方警察とも相当に大きな予算がいると思いますが、この予算はすでに計上されてあるのか、または從來の費用の中から繰りまわしてやられるのか、この点どうなつているのか。動くに動かれないというような状況であるならば、取締りもまつたくから念佛になるのでございますが、その点はどういう自信を持つておられるか伺います。  次に國家警察並びに地方警察は連絡をとつて選挙の取締りをやるという根本方針につきましては、別に異議はないのでございますが、地方の小さい署に至りましては、法律の解釈運用につきましてなかなか適当な判断をし得るような專門知識を持つておる署員ばかりがいない警察が大分多いのであります。かような人を相手に協議をすると言つてみたところで、なかなかうまく運用はできまいと思います。從來であるならば、縣の警察部長が各署長を集めて指示を與え、その指示によつて以下動くということで、大体統一はとれたのでございまするが、協議といつても、その協議は從前の運用に近い形の協議でなければ、こういう複雜なものを判断しながら処理して行くことは不可能だと思うのですが、その点はいかがですか。まだありますが、大藏大臣が見えるそうですから、この御答弁だけ先に伺つておきます。
  26. 武藤文雄

    ○武藤政府委員 第一の予算の点でありますが、もし総選挙が実施ときまりますれば、これに相当の費用を要することは明らかでございます。われわれ事務当局としては、一應どのくらいかかるかというようなそろばんをはじいております。関係方面と折衝いたし、いよいよ総選挙実施ときまればこれを具体化して行くということで、事務当局としていろいろ予算をはじいております。ことに自治体において相当の費用を要するのではないかということが考えられます。これは國家警察直接の問題ではありませんが、われわれとしては非常に関心を持つておる問題であります。從つてそれぞれの関係の方にこの点もわれわれとしていろいろ話をいたしておる次第であります。それから小さい自治体において、適任者もいないからなかなかうまくいかないではないかというお話でございます。あるいはそういうことが起り得るのではないかということは重々心配いたしますが、それだけにわれわれとしては、先ほどの連絡協議会というものに期待するところが大きいのであります。これの相互の援助ということによつて、できるだけ適正な運営をはかつて行きたい。場合によつては、あるいは應援要請ということが自治体から國家警察に発せられることも考えられる。ほんとうにその自治体において取締りの適任者がないという場合において、そこの公安委員会から國家警察に対して應援の要請があつた場合においては、國家警察の方においてもこれに出向いて、そこの運営管理下において操作できることにも警察法ではなつております。かような制度によつて、できるだけ警察全体が齊一を期するということは、われわれひとしく願うところであり、また國民においてもこれを最も望むところではないか、かように考えます。
  27. 千賀康治

    ○千賀委員 次は選挙の直接取締りに関してでありますが、現在文書、図画が非常に町に氾濫をいたしております。あれは張つた人がとらなければならないことになつておるそうでありますが、なかなかこれはとり盡せないだろうと思います。ことに東京あたりではたくさん張つてありますが、自分のビラをとろうと思つて、特定のビラ主の用人が町をとつて歩いても、もうここはおしまいだ、そういう認定をして通りましても、自分のやつは実はその下に張つてあつたので、その上に大きなよそのものが張つてあつた。その大きなものをとつて行つたら、その下からまた自分のところのビラが出て來ておる。これを知らないということになると、最善の注意はしたけれども、その人はビラが残つたために、やがて選挙の途中において告発を受けるようなことになり得るので、個人々々がそのビラをはぐことになると、これは相当に困難であるのであります。そこで実はこういうものを全部選挙の事前運動として取締るということが一番いいのでありまするが、定期に來る総選挙であるならば、事前運動は何箇月以内はいけないというようなことは簡單に指定し得るのでありますけれども、今度のように、春のころは芦田氏がこれを叫び、夏のころは片山前大臣がこれを叫び、あるいはこのごろは民自党の内閣によつて民自党がやろうというように、常に予測し得ない。総選挙がありそうであつたり、なかりそうであつたりしておるので、かような場合は、いつからいつを指定して、事前運動取締り期間、自粛期間というようなことをするわけにはいかない。そうすると結局は、直前までどんどんみな演説会をやると言つてポスターを張つたり、その他政党の政策を宣傳する、ポスターを張つたりするということになります。しかしながらこれをはぐ点になると、今申しましたような非常な困難があるのでございます。警察の方の取締りはこれを一体どう見られるのか。私の考えではこういう場合にはどうもうまくいかない。だから警察か選挙管理委員会か、どちらか知りませんが、こういう方で一緒に全部はいでやつて、そしてまず大体その札の多さの程度によつて、その名のある人々からはぎ賃を請求して清掃するということが今度なし得る最善の方法であり、まただれにもけがのない方法ではないかとも思つておるのですが、こういうようなことは國家警察か地方警察か知らぬがそういうことをやり得る可能性があるのだろうか。また地方選挙管理委員会みたいなものがそれをやり得るのであるか、この見解はどうなつておりますか。
  28. 小倉謙

    ○小倉説明員 ただいまお話のありましたいろいろなビラ、ポスター等が街頭に出ておりますことは私ども存じておるのでありまするが、これが明らかに選挙運動のためであるということになれば、選挙違反ということになつてまいりますけれども、その点がなかなかはつきりしない場合が非常に多いわけであります。取締り当局といたしましては地方にも通牒いたしまして、このような事前の選挙運動とまぎらわしいようなビラ、ポスターについては、十分注意をするように申してあるのでありまするが、さて解散前の選挙運動ということになつてまいりますると、これはただちにはいで行かなければならないことは、今申された通りであります。当局といたしましては、大体選挙管理委員会が一切この種の文書は取拂うように相なつておりまするが、警察といたしましてもそのようなものを見出しましたときは、まず第一に本人に警告し、一切はいでいただくようにしてまいりたいと思つております。文書等に関連する選挙違反の疑いのあるような事案に対しましては、できるだけこの予防に努めることが必要であると思うのであります。選挙違反の予防は選挙管理委員会が主として当ることになつておりますが、警察といたしましても……。
  29. 小暮藤三郎

    ○小暮委員長代理 大藏大臣が忙しい中をお見えになりまして、すぐ予算委員会におまわりになる都合があるそうですから、どうぞこの機会に急いで質問願います。
  30. 門司亮

    ○門司委員 私から特に大藏大臣の御出席をお願いいたしまして御質問申し上げたいのは、大藏大臣のお考えになつております地方財政に対する所感であります。なおそれとともに、一つ一つ申し上げるといいのでありますが、時間の関係もおありと思いますので、私は一括して御質問申し上げたいと思います。地方財政が非常に窮屈であるということは、しばしば新聞その他でおそらく大臣も御承知だと思います。もし時間がありますならば詳しく申し上げたいと思うのでありますが、時間がございませんので私は申しませんが、本年度の予算を見ましても、地方財政というものは大体二百数十億が地方起債にまつというような状態になつておること、この起債はなかなか完全に消化ができないこと、そういう状態でありますことのために、地方財政というものはまつたく行き詰まつている。その原因としては、御承知のように自治権が非常に拡大されて参りまして、從來政府で行つておりました仕事の大部分が地方で行わなければならないような状態になつているということ、從つてその財源を生み出すことのために、地方においては非常に困つております。私は個々のことはあまり詳しく申し上げませんが、各町村の実情というものはまつたく行き詰まつておりまして、私どもが調査をしました範囲内におきましては、ほとんど町の財政がやれないので、町村長の個人的の信用において金の融通をしているとか、あるいはその他のものは村有財産の賣拂いによつて辛うじて町村行政を続けている。しかもその使途というものが大部分人件費に支拂われておりまして、從つてこういう不健全な財政になつているのであります。御承知のように、地方の公共團体がその財源をあるいは起債に求めるとか、財産の賣拂い代に求めるということは、一つの事業計画に基く財政計画なら一應うなずけるのでありますが、これが人件費に使われるということになつて参りますと、そう長くたたないうちにその村の財政計画というものはまつたく破壊されなければならないということが私は言い得ると思う。その結果はどういうことになつているかと申しますと、しばしば申し上げるのでありますが、人的に申しましても、昨年の四月に一万二百有余の市町村長の改選を行いまして、その後本年四月までの間に、すでに六百十名のこれらの辞職者が出ているということであります。そのうちの大部分というものは、財政の行き詰まりから町村政の円滑なる運営ができないというのが大部分であると私は思う。その理由の中には、あるいは病氣であるとか、一身上の都合とか、家事の都合とかいうようなことが書かれておりますが、大部分そういうことであろうと思う。もう一つは議会との衝突によつて五十数名の者が辞職しているということが書かれておりますが、これらの者を見ましても、すべてその原因するところはことごとく財政の問題で行き詰まつているということが私は言い得ると思う。そういう状態でありますと、せつかく地方自治権を拡大いたしまして地方の民主化をはかり、地方の民主化というよりも全部の日本の民主化を行政的にはかつて行くという措置を設けておりましても、財政的措置が完全でないために、金融措置のできる者でなければ市長になれないという形ができて参りますと、日本を再び封建的な制度の中に追込むということができるであろうと私は言い得ると思う。從つて地方民主化のために非常に大きな影響を持つであろう。もう一つは警察あるいは教育の問題であります。警察権を地方に移讓しましたが、この点にも大きな影響を來すということであります。もしこの費用が地方自治体によつて完全に支拂われないということになつて参りますならば、治安維持の上においてもきわめて大きな影響を及ぼす。これを十分お考え願いたい。それから教育の問題にいたしましても、六・三制の問題についてことごとく地方に責任を持たして参つておりますが、これが完全に行われないということになつて参りますと、教育上の問題にも非常に大きな影響を及ばすということにならざるを得ないと私どもは考えられるのであります。そういうことを考え合せまして、今度の追加予算に組まれております地方財政の面を要約して申し上げてみますと、こういうことが書かれている。財源所要額といたしまして、会計事務促進地方職員國庫補助廃止による財源所要額というものが二千七百万円見込まれている。六・三制実施に伴う地方職員國庫補助金廃止に伴う財源所要額が二千三百万円出されている。保健所の運営に要する経費が同じく二千七百万円、鼠族昆虫駆除に要する経費四億六千二百万円、恩給増加に要する経費五億九千八百万円、共済組合健康保險組合に対する負担金が四億一千九百万円、生活保護法による保護費の引上げに要する経費が四億二千八百万円、蚕業技術指導所設置に要する経費一千万円というものがまず最初に挙げられているのであります。これらの問題は從來の経費の中に加算されていなかつた部分だと私は考えますので、大した問題はないと思いますが、その次に掲げられております給與水準引上げに要する経費、この中には石炭手当、寒冷地手当を含むと書いてありますが、これが七十五億五千七百万円という所要額が出ているのでありますが、この中には一体どういうものが含まれているかということ、もし給與水準引上げに要する経費をこういうふうに認めて参りますと、その内容といたしまして次の財源收支のところで、給與費の余裕というものが四十二億五千六百万円見込まれておりますが、これはおそらくこの所要額の中から差引かれるものであるとわれわれは考えなければならない。当局はそういうことはお考えになつていると私は思いますが、これがもし差引かれるということになつて参りますと、ほんとうに給與を受けるものは、税金を差引きますとわずかに二十六億四千百万円というような数字になつて参りますので、これを地方職員の概数であります百二十三万千六百十九名に割当して参りますと、月額わずかに四百二十八円八十銭ということに相なるのであります。この給與水準の引上げに要する経費を計上いたします場合におきましては、大体地方において千五百円くらいの給與水準引上げという予定のもとにこういう数字が現われて参つておつたのでございますが、こういう処置によつてなされますと、おそらく先ほど申し上げるように、千五百円でなくして四百二十八円八十銭くらいの給與水準の引上げになつて参ると思いますが、この間の事情をひとつお聞かせ願いたいと思うのであります。  次に申し上げたいと思いますのは、政府貸付金の全額償還に要する経費であります。この政府貸付金の三十五億九百万円というものは二十三年度、四年度、五年度にわたる貸付金であつたと思いますが、これを三年度の分の十九億円は当然償還しなければならないといたしましても、残額をこの場合償還しなければならないというりくつはないと私は思う。この点は一体どういうふうにお考えになつているか。こういうむりな財政処置が要求されているということであります。この点についてひとつ大藏大臣の御所見をとくと私は伺いたいと思うのであります。  その次に財源処置として配付税の自然増收が見込まれておるのであります。これが百一億三千四百万円見込まれておるように書かれておりますが、この配付税の自然増收は、この財源が地方にとりましては地方財政の上の財政的処置の唯一の財源であります。当初予算のみにおいて地方財政の運営ができませんので、ただ地方においてはこれのみによつて地方の仕事をやつて行くことが頼りになつておる。これを政府が一つの財源の処置としてお取上げになるということは、地方の運営の上にはきわめて大きな支障を來すのではないかということが一應考えられるのでありますが、この点に対する大藏大臣の、こういう処置をなさろうというお考えをこの機会にお聞きして置きたいと考えております。以上非常に簡單でありましたが、御答弁を願いたいと思います。
  31. 泉山三六

    ○泉山國務大臣 門司さんにお答え申し上げます。地方民主化のためには、政府におきましても熱意をもつてこれに当れ、その通りであります。その際にあたりまして、地方における財源の涸渇の実情につきましては深き認識を持つのであります。承れば六十名ばかりの市長諸君が財政難のためにやめたということでございますが、他の反面におきまして國家財政の困難な場合、私もまことにやめたい氣持でおるのでありまして、この点は國家財政についても深く御同情を賜わりたいと存ずるのであります。そこでたとえば自治体警察のごとき、待遇上その他の点で非常に不十分である点を御指摘なされたのでございまするが、私もさように思うのであります。御参考に申し上げると、國家警察におきましては地方自治体警察のまつたく比ではないのでありまして、その待遇は自治体警察の諸君に比して幾段かの相違があるのでありまして、その点も合せて御了承願いたいと考えるのであります。いかに今日國家財政におきまして困窮をきわめておりますかは、先刻御承知の通りであります。しかるに今回國家公務員法の改正に伴い、なおまた官公吏諸君の生活の現状にかんがみまして、政府は新ベースの引上げ、これこそ今日の急務である、かようの認識の上に立ちまして、予算面におきまして苦しいながらも五千三百三十円のベースを設定いたし、二百六十数億円の大額の経費を計上いたし、またいたさざるを得なかつたのであります。かようの意味合いにおきまして、今日窮乏財政と國家の立直りの場合において、國家財政またしかり、地方財政またしかりではございますが、ともかく当面の問題といたしましては、ただいま私が申し上げましたように、何しろ官公吏諸君の給與の引上げがいかにも大幅の重圧に相なつております。この事情にかんがみまして、地方におかれましては深き御理解のもとに御協力をたまわりたい、かようの所存を持つておる次第であります。ただいま御指摘の通り、地方配付税は百一億円の大額を計上いたしておるのでありますが、これも法規上、なるほど他の一面におきまして所得税その他の増加があります場合に、法によつてこれを配付いたすのでありますが、しかしながら、とにかく今日におきましての財政上の事情を勘案いたされますなれば、この配付税をもつて追加予算面における歳出の要請にこれを引当てるのに、この間に何ら理論上の矛盾があるとは考えてはおらないのであります。ただ問題は、政府におきましてかねて地方のベースの引上げの場合にお貸しいたしました三十数億円の貸付金につきまして、この際これを返していただくことにいたしたのでありますが、その点はまことに政府といたしましても心苦しい限りではございますが、今回國会に提出いたしました追加予算におきまして、その歳入面をごらんになりますればおわかりの通り、ほとんどあらゆる財源をかき集めて財政上の権衡をとり得た、かようの次第でありますので、かようの点につきましても深く御留意を賜わりたいと念願いたす次第であります。なお詳細は御要請がございましたら、主計局長より御説明を申させたいと思います。
  32. 門司亮

    ○門司委員 私は今の大藏大臣の答弁では納得がいかないのであります。それはなぜであるかと申しますと、さらに私はそれならつつ込んでお聞きしたいと思いますが、それは給與ベースの関係であります。もし四十二億五千六百万円というものを政府が引上げることになつて参りますと、形がどうなるかということであります。今お話がありませんでしたので私の方から申し上げたいと思いますが、おそらくこれは三千七百円ベースを組んだ四月から十月までの間における支拂いの償還を政府はお見込みになつておると考える。そうなつて参りますと、実際上支拂われた金をこれだけとりもどすということになると、本年の十一月から來年の三月まで、一月一人当り大体三百円くらいの平均を俸給の中から差引くのかどうかということであります。一方において五千三百円かあるいは六千三百円かわかりませんが、増額しておいて、他方においてこれだけのものを余計支拂つておるからといつて差引かれるお考えであるかどうかということであります。これは非常に大きな問題でありまして、すでに十九億の金は使われておつて、その残りの三十五億の分というものをどうしても取上げなければならない結果は、先ほど申しましたように、現在支拂われておりますものの中からこれを差引くというようなお考えがあるかどうかということであります。この点あらためて念を押して聞いて置きたいと思います。
  33. 小暮藤三郎

    ○小暮委員長代理 本会議が始まつておりまして、大藏大臣に迎えが來ておりますので、なるべく簡單にお願いいたします。
  34. 泉山三六

    ○泉山國務大臣 門司さんのお尋ねに重ねてお答えを申します。今日いわゆる官公吏諸君の賃金ベースにつきまして、中央におきましてはおおむね原則として三千七百九十一円ベース、さようのことであります。しかるところ地方におきましては、あるいは四千五百くらいに相なつておるものもあるのであります。その点はただいまおそらく研究されておるものと思うのでありますが、今回これを五千三百三十円ベースに引上げる。かようなことでございまするので、そのために迷惑をかけるという点を御心配になつておられるように承つたのでありますが、さようの考えは毛頭持たないのであります。詳しくは主計局長より申し上げたいと思います。
  35. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 私は予算委員会において大藏大臣に今の問題を質問したのに対して――今の問題と申しますのは、賃金ベースの四十二億五千万円の金は、地方團体の職員から取上げることはいたさないということを言つておりまするが、これは要するに現在給與している金額に対して、地方團体は大体千五百円新給與が附加されることになるわけですが、現在の給與に対して千五百円増額になるのであるかどうか。なお過去においてもし多く支拂われておつたものがあつたならば、それは返さない、取上げないということであるから、その点は了承いたしますが、そうなりますると、今後十一月以降の分につきましても、從來の給與よりも千五百円だけ多く新給與が支拂われる、かように解釈してよろしいかどうか承つておきます。
  36. 泉山三六

    ○泉山國務大臣 お答えを申し上げます。官公吏諸君の新賃金給與ベースは、これを五千三百三十円に定めることに相なつております。從いまして新しいベースは五千三百三十円である。かように御理解願いたいと思うのであります。
  37. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 その点はそういうことをつつぱりますと、結局今まで予算委員会において質問した通り、実際問題としては千五、六百円の新給與改善にはならない。すでにそれよりも上まわつておるものが大分ある。警察官、中等教員等相当ある。そういうものは結局五千三百三十円に新給與を止めますと、実際千五百円の新給與改善にはならずして、四百円くらいの給與改善にしかならない。さようなことではとうてい地方團体の給與の問題は解決がつかないと思うのでありますが、その点もつと明確に御答弁を願いたい。すなわち五千三百三十円ベースできちつと押えても、実際はベースが三千七百九十一円時代に四千二百円になつておるか、四千百円になつておる、中等教員、小学校教員、警察官、そういうものがたくさんある。そういうものに対しては給與改善はほんの少額にとどまる。過去においてすでに三千七百九十一円ベースよりも多く拂つておる分は、今後毎月十一月以降の俸給から月賦拂いで差引くということがあつてはたいへんであります。その点を心配してお伺いをしておる次第であります。
  38. 泉山三六

    ○泉山國務大臣 竹谷さんにお答え申し上げます。今日地方におきまして、ただいま御指摘の通り多少上まわつておるところがあるやに聞いておるのであります。しかしながら竹谷さん千万御了知の通り、財政はすでに三千七百九十一円ベースによつて取組まれておることは現実の事実でございます。なおただいま御指摘の、いろいろそのベースを越えておるものがあるやに伺いましたが、しかしもし精細にこれを檢討せられるにおいては、このベースは平均して三千七百九十一円、あるいはまた五千三百三十円、かようのことでありますので、その個々の問題についてはおのずから観点が違つて参ることも、もとよりお含みのこととは思いますが、さようなこともございますので、御参考につけ加える次第であります。
  39. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 そうおつしやいますと、結局実際問題として千六百円時代からの比率を算定して從來やつておつた。それに対してそれだけ節約額として見積られて、四十二億五千万円余るはずであるというのでありますが、はずであるというだけであつて、実際は地方職員にありましては、予算定員と実人員というのはほとんど同じでありますから、余裕がないのであります。結局政府が見積つておるところの地方財政における四十二億五千万円という給與節約額は、これは出て來ない。そういうことになると地方團体の財政のまかないがつかない。そのほかに三十五億円の償還金を政府が回收するということになつたら、地方財政は全然手のつけようがない。國家財政が窮乏しておる現状はお互いよく承知しておるところであります。大藏大臣が予算編成に困難を感じておる点も了承するのでありますが、だからといつてまるでずさんな、予算としてつじつまの合わない、四十二億五千万円の給與節約額があると称しながら、実際はそれはないのであつて、架空の節約を見積つておるということにもなる。また三十五億円の償還金に関しましては、昭和二十四年、二十五年の二箇年に返還すべきものであつて、地方公共團体としては返済する義務がない。たとえ金が余つておつても返す必要がないのであります。しかし余る地方團体はほとんどないだろうと思います。なぜならば、災害復旧費、その他非常にたくさんの経費を要しておりますから、余裕のあるものはない。結局三十五億円というものは未回收に終る危險性がある。断るものが大部分であつて、回收可能なものは考えられない。そうするとこの予算は、四十二億五千万円の給與額の節約が不可能であり、三十五億円の償還可能が不可能であるということになると、政府の今回提出された追加予算は杜撰きわまるものになつて、執行不可能の部面が非常に多いのでありますが、こういうことをおそれる。さような心配は絶対ないかどうか。また地方公共團体の職員が十分に今回の政府提案の給與改善の恩典に浴し得るやいなや、その点大藏大臣の御意見を承つておきたいのであります。
  40. 泉山三六

    ○泉山國務大臣 お答え申し上げます。地方財政におきまして、財政の現状が國家財政と同じく容易ならざるものあることの認識は、先ほど申上げました通りであります。しかるところ官公吏諸君のベースにつきまして從來三千七百九十一円、なおこれを五千三百三十円に改めます場合に、おのずから地域によつて地域給の違いがあるのでありまして、なお地方よりも中央においてはあるいは生活費がかさみはしないか、かように思われる段階におきまして、逆に地方の公務員諸君が相当の給與に惠まれておるという、さようなことを考えまする場合に、地方財政の困窮との間に、何らか國家財政の困窮の場合とのつり合いがややとれないようにも感ぜられるのでございます。しかるところたびたび申しましたが、國家財政を主といたしまして、今回の給與引上げによつて、財政上の重圧はまことに甚大なるものがあるのであります。さような意味合いから、この新たなる賃金ベースが他の一面において、地域給において公正なるものがある以上におきまして、これに同調せられるのは敗國の実情よりけだし当然の問題であると思うのであります。從いまして地方分與税、配付税、その他に関する財政收入並びに支出につきましての予算に関しての御心配は、御無用にお願いいたしたいと思うのであります。
  41. 竹谷源太郎

    ○竹谷委員 先般予算委員会で大藏大臣は前の賃金を削る、さようなことはありません、それに引続いて岩本國務大臣は、すでに支給済みのものを取り上げるという趣旨ではないと、こういうふうに説明になつておる。その通りであるということであるから、地方公共團体の職員に対しましては、今後月賦拂いで今まで支給が多過ぎた分は差引いて支給することはないと、こういうふうに大藏大臣は説明したものと私は了承いたしまして、もしその通り間違いがなければこれで一應質問を打切りますが、しかしどうも非常に大藏大臣の答弁は不明確な点ばかりでありますから、予算委員会でまた御質問申し上げたいと思います。
  42. 山口好一

    ○山口委員長 それではこれをもつて大藏大臣に対する質疑を終ります。
  43. 千賀康治

    ○千賀委員 私一つだけ質問いたしたい。これは給與局長の方にも関係がある。むしろそちらが大きいのかもしれませんが、あなたといえども、これは当然、この責任者の中のお一人でありますからお伺いをしますが、地域給があります。ただいま大藏大臣の言葉の中にも地域給ということがあつたのでございまするが、この地域給は今度の公務員改正法案におきましては、大藏大臣がその等級を定めるということで議決になつております。しかしながらその後におきましては、この地域給につきまして非常に大きな問題がありました。私も記憶にまざまざと残つておる。大石委員と給與局長との激論もその一つであつたのであります。これは生活費が東京と比べて私の方は安いとか高いという問題から起つてくるのでありますが、日本中津々浦々まで行きましても、日用品の價格等は東京よりもすべて高くなる。東京から仕入れて行くから高くなる。ところが生活全体から言えば、田舍の方が東京より高いということも言えないというようなことで、今まで一割違いで四階級を設けられておつたのでありますが、今度は大藏大臣は、これを五分違いで九階級を設けられるというようなうわさを聞いております。これは私どもの選挙区の府縣におきましても、非常に公務員たちの注意を注いでおる問題でございます。そこでお伺いするのは、大藏大臣の職権によつてこれを定めるということになつておるのでございますが、現在はこれがまだ発表されておりません。そこで大藏大臣はいつこれを発表されるお考えであるか。あるいはすでに大藏大臣のお手元におきましては、その案なるものは脱稿して、近く発表せられる備えになつておるのか、またこれは相当先になるのかその点を伺いたいと思います。
  44. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 地域給の問題でありますが、地域給は給與実施本部長が定めるという建前になつております。給與実施本部長は官房長官でありまして、その次長に給與局長がなつて、実質上給與局においてタツチしてやつておるわけであります。この地域給をどういうふうにわけるかということは非常に問題でありまして、ただいま仰せになりました通り現在四段階にわけております。これは各地とも生活の事情がいろいろでありますので、非常に問題が多いのでありまして、今回地域給審議会というものを設けまして、その結論は大体九段階ぐらいに土地の状況によつてわけたらよかろうというので、大体その結論を採用するつもりにいたしております。大体草稿はできておるのでありますが、いろいろその後また檢討を要するものもあり、また御陳情その他もありまして、まだ最終的な決定はいたしておらぬのであります。五千三百三十円ベースを支拂いますにはどうしてもこれをきめなければなりませんので、ほとんど同時的にこれをきめたいと思つておる次第であります。早急にこれを決定したいと思つております。
  45. 千賀康治

    ○千賀委員 たいてい日取りはいつごろになるのですか。いつごろには発表できるというお見込みですか。
  46. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 これは二段階かあるいは三段階くらいになるのではないかと思います。地域給を定めます場合は、おのおのの土地の生計費の状況を調べてやるものでありますから、一時に全体をやることはできませんで、順次追加して行くということになりますので、第一次的のものは現在の階級別を基礎といたしまして、五千三百三十円を支拂いますときにそれを指定いたし、逐次状況のわかるに從つて再指定をやつて行くということになると思います。
  47. 千賀康治

    ○千賀委員 五千三百三十円の第一回はいつお支拂いになりますか。
  48. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 これは法律案が通りませんと支給になりませんので、この國会における審議の終り次第、適当な日をきめて十一月分と十二月分の差額を支給いたしたいと存じております。この法律が通りまして、それから予算が通りまして、中央は別として、地方までにその支給の基準が行きまして支給ができますようになりますまで、相当な時日を要するのでありまして、かりに十五日までに通過するといたしましても、やはり十日程度は要するのではないかと思います。その返の状況をにらみ合せまして、年内にはどうしても支給したい、こう考えておる次第であります。
  49. 門司亮

    ○門司委員 大藏大臣がおいでになればもう少し聞きたいと思いましたが、ごく簡單に主計局長にお聞きいたします。大体あれは大藏大臣の立案でなく、主計局長あたりの案ではないかと私ども考えるのであります。從つて大藏大臣に対しましては一應予算の責任上聞いたのでありますが、先ほど竹谷委員からも申し上げました通り、地方の公務員の給與について非常に大きな関係をもつておりますので、なおあらためて念を押したいと思います。問題の給與の関係は一應の答弁で大臣で明確になりましたが、配付税の自然増收をこういうふうに見積つて、それを財源とするということになつて参りますと、地方の運営はほとんどできないと思うのであります。こういうことはどうお考えになつておるか。かりに大藏当局においてこういうものが理論の上では一應認められるといたしましても、これが実際の地方自治体の運営の上には非常に大きな問題になつて來るということと、もう一つはすでに御存じでありましようが、どの地方を見ても同じことだと思いますが、長くなりますので要約いたしますけれども、各府縣の、あるいは町村の実情は、五〇%ないし七〇%までくらいは今日人件費に支拂われておるのであります。從つて事業は一つも行われていない。そうなつて参りますと、事業をするためにどこに一体財源を求めるかというと、起債以外にないのであります。その起債が制約されて來る。ことに本年度の予算は二百数十億の起債を見込まれております。これも非常に不健全と思いますが、從つて起債の認可が非常に思わしくないということになつて参りますと、もし税收入の上において自然増收が見込まれないことになり、事業費の面に給與が食い込むということになつて参りますと、これくらい危險な町村の財政はないのでありまして、おそらく町村の財政は、こういう状態で行きますと近いうちに破綻するのではないかと考える。そこで中央だけがつじつまが合えばそれでいいという予算の立て方はやめてもらいたい。この点について予算立案の当局者であつたと思われます主計局長は、どうお考えになつておるか、御感想を伺いたいと思います。
  50. 河野一之

    ○河野(一)政府委員 私どもが予算編成の途次におきまして、いろいろ財源上の細工と申しますか、やりましたことと、現実の予算の姿との関係をちよつと申し上げてみたいと思うのでありますが、もともと地方職員の給與というものは、地方團体において支拂うべきものであります。義務教育その他國から当然に補助の行くものは別でありますが、建前上あくまでもそういうことになつておるわけでございます。それでその財源をいかにするかということになりますと、地方の保有財源のほかに、地方分與税が行くということになるのでありまして、今回の予算の編成といたしましては、自然増收に対しまして、配付税法に基く所定の率をかけたものが当然のものとして地方に行くわけでございます。これが百一億の数になつておるのであります。しかしこの百一億の金で、地方政府職員と同じように公共團体の職員も給與改善をせねばならぬことは当然なのでありまして、この財源ではたしてまかなえるかどうかということを見るための資料として、ああいう資料をつくつたのにすぎないのでございます。それを國の方から財源が行つたとか行かぬとかいうのは、これは考え方の問題でありまして、あくまでも地方の固有財源と地方配付税とによつてまかなう建前であります。それならば從來國からやつておつたのはどういうわけだということになるのでありますが、これは從來地方財政というものを前年度及び前々年度においても洗いまして、そうして一方配付税も見まして、なおかつその財源が調達できないということになりましたので、その足りないであろうと思われるものを、門司さん御承知のように貸付金として処理してあるのが昨年の予算の姿であるわけであります。それで今年の百一億の予算を、配付税を組みました上においてはたして前年のような必要がないかどうか、配付税でやつて行けるかどうかということの計算を見出すための資料として、おそらくお手元に行つておるものがそうであろうと思いますが、これによりますと約七十七億程度、七十五億という計算もあるのでありますが、七十七億程度の金額がいる。これに対して給與の不用額が四十数億ある、こういう仰せだと思うのでありますが、この点は從來の沿革をお考えになりますとはつきりいたすと思うのであります。從來地方公共團体に対して財源が足りないというときにやります際には、一般会計におきましては現員現給を基礎としたのでありますが、かりに千円なら千円上げるということになりますと、その千円に対して定員をかけて、その分をやる。こういうふうな操作をしておつたのであります。從いまして地方公共團体の固有の財源で普通のベース以上に出しておられる向きもありました。あるいはその千円というものが、行き方によつては千二百円も三百円も上げられるような財源であつた場合もあろうと思うのでありますが、少くともそういうように会計が別になつておる関係で、必ずしも一般政府職員と権衡がとれたと申しますか、全然同じ水準であつたとは決して言えないのであります。それが証拠にはいろいろな問題が起つておることは御承知の通りでありまして、私ども地方團体の個々にあたつて見ましても、給與の平均水準が一般政府職員よりも高い縣も相当あります。ことに大都市においてはそういうことになつております。それで私どもといたしましては、考え方といたしまして、政府職員が三千七百九十一円ベースであるのが今度五千三百三十円ベースになる。そうなれば、あるいは地方團体においてはすでに四千五百円やつておられるところもあるかもしれません。しかし國の方としてめんどうを見るといいますか、あるいは考え方としては五千三百三十円までの所要金額だけを考えればよいのだ、こういう考え方に実は立つておるわけであります。從つてここに支給したものをとるとかとらぬとか、そういう点のことはいま別に考えておるわけではございませんので、地方團体自身としていろいろな固有財源その他から捻出されまして、より以上の給與を支拂うということについて、特に國の方で異論があるわけではありません。但し地方の財政というものは結局國の財政にかぶつて参りますので、私どもとしては賛成とは申し上げがたいのでありますが、現在における給與ベースに関する法律というものが、嚴格には地方公共團体に適用になつていないという実情からして、ある程度はやむを得ないのではないかと私は思うのであります。実はそういうふうな実情になつているわけであります。そういう線からして、今回の給與ベースに伴う地方財政の追加概算というものを見込みまして、歳入の方面と歳出の方面とを見たのでありますが、配付税のほかに地方公共團体におきましては固有の税の増加もございます。たとえば入場税のごときは相当殖えております。彼此総合勘案いたしまして、すでに二・八箇月のうち、一・八箇月分を公共團体の給與の貸付金として現在お貸ししてありますものを、二十四年度と二十五年度に実は返していただくのでありますが、大体この程度の金額は、國の財政も苦しいときでありますので、繰上げて償還していただきましても、地方財政としては十分とは申し上げませんけれども、まず大なる支障なしに運営して行けるのではないか、こういうような考え方をもちまして、繰上げて御償還を願うことにいたしたのでありまして、嚴格な法律上の議論から申しますならば、契約においては二十四年度と二十五年度に返すことになつているのであるから、繰上げて返す義務はないのだというような御議論もあろうかと思いますが、これは國と地方との間のことでありまして、國の財政も地方の財政も総合して見ますれば、大きな國家財政の中でありますので、そういうような御便宜を願つても必ずしも不当ではない、こういうふうな考え方で御償還を願うことにした次第であります。少し長くなりましたが、いきさつをちよつと申し上げた次第でございます。
  51. 門司亮

    ○門司委員 ちよつと簡單に大体のいきさつをお聞きするのでありますが、地方の実情から申しますと、まつたく主計局長のお考えと反対であります。今度の賃金ベースの改正による給與の改革に対しては、地方の実情としては、これを政府の貸付金か、あるいは給與金の形で政府に責任をもつてもらいたいというのが、大体の地方の声であると思います。その場合に前に貸付けてあるのを繰上げて返してしまえというようなことになつて参りますと、地方の財政とのギヤツプは非常に大きなものになつて來る、こういう点をどういうふうにお考えになつておるかということ。もう一つは、地方財政委員会から提出されました意見に対して、大藏当局は、この前の予算のときにもほとんどそれが入れられていなかつたのでありますが、これは一体どういうふうにお考えになつているか。これは先ほど大藏大臣によほど聞こうと思つておりましたが、事務当局であるあなたの方に一應お聞きしておきたいと思います。せつかく國に地方財政委員会があつて、そして比較的民主的な立場から公平に財政計画が立てられておりますものを、それとまつたく変つた案が大藏当局の方から出て來るということになつて参りますと、地方財政委員会の権威というものはほとんど考えられないというようなことになつて参ると思うのでありますが、この辺の連絡は一体どういうふうにおとりになつておるか、お聞きしておきたいと思います。
  52. 河野一之

    ○河野政府委員 これは会計が違います以上、地方の給與というものは地方の財源でまかなうのが実は至当であると私は思います。その給與がまかなえないというものであれば、國と地方との間における財源の再調整をするべき筋合いのものでありまして、ベースが上つて給與が改善される必要があるという場合に、必ず國の方がこれを考えねばならぬということは、これは國の財政と地方の財政と分れた趣旨、國の一般会計と特別会計とおのおの独立して收支の均衡をやつている趣旨から言つて、適当ではないと私は考えるのであります。そういつた意味におきまして、そのおつしやる趣旨の問題は、地方財政の確立強化というラインにおいてなお考えるべき点があるのではないかというような御意見として拜承いたしまして、十分研究いたして見たいと存じます。  第二の地方財政委員会と國の予算との関係でございますが、御承知の通り地方財政委員会の委員長は國務大臣であられますので、閣議においていろいろ御発言になりまして、そして最終的に御決定になるのでありますが、これは形式だけの問題――と申しては失礼でありますが、一應の形式であるとは思いますけれども、私の方におきましても地方財政連絡協議会というものを持ちまして、地方財政委員会の事務当局と、それから私の方の大藏省の主計局、主税局その他関係の方面を集めまして、常時当面の問題について連絡をし協議をいたしておるような次第であります。たとえば地方債の問題でありましても、その他地方の災害復旧費の問題でありましても、あるいは地方財政の予算の問題についても、税の問題についても、いろいろと御連絡を申し上げておるのでございまして、その辺についての事務的な連絡は、まず私どもの考えではありますが、円満に行つておるものと存じております。
  53. 門司亮

    ○門司委員 議論をしておつてもきりがないと思いますからやめまして、ごく簡單に希望だけ申し上げておきますが、問題は地方財政と國の財政が会計が違うからというお話でございますが、もしそうだといたしますならば、私は非常に大きな問題が起つて來ると思う。地方の財政と國の財政が違うから、國の財政だけ立つて行けばよいというお考えであるとするならば、大きな問題であると思う。そこで問題になりますのは、日本の現状が行政上の措置として地方に大きな権限が移讓されて、非常に大きな経費を要することは御存じの通りだと思います。当然それに対して國の財政処置が考えられなければならぬと思う。そういう財政処置をお考えにならないで、ただ会計が違うからおのずからこういう状態になるというようなお考えでは、日本の將來というものに対してわれわれは相当深く考えなければならぬような事態になると思う。私は率直に申し上げますと、地方自治体の権限の強化とその財政のたくさんいることを考え合せますと、國の予算の中のどれだけを地方に移讓すればよいかということが眞劍に討議されなければならぬと思う。その点に対する十分の御研究を願つておきたいと私どもは思います。
  54. 山口好一

    ○山口委員長 ほかに御質疑はありませんか――本日はこれにて散会いたします。     午後四時二分散会