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1948-12-09 第4回国会 衆議院 議院運営委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和二十三年十二月九日(木曜日)     午後三時零分開議  出席委員    委員長 山口喜久一郎君    理事 石田 博英君 理事 細川 隆元君    理事 椎熊 三郎君 理事 田中 久雄君       東  舜英君    今村 忠助君       木村 公平君    倉石 忠雄君       佐々木秀世君    淺沼稻次郎君       笹口  晃君    田中織之進君       櫻内 義雄君    坪川 信三君       長谷川政友君    多賀 安郎君       石田 一松君    成重 光眞君       石野 久男君    榊原  亨君       中野 四郎君  委員外の出席者         議     長 松岡 駒吉君         副  議  長 田中 萬逸君         議     員 田中 角榮君         議     員 叶   凸君         議     員 中村元治郎君         議     員 林  百郎君         事 務 総 長 大池  眞君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  議員田中角榮君の逮捕について許諾を求めるの  件     ―――――――――――――
  2. 山口喜久一郎

    ○山口委員長 これより会議を開きます。  議員尾崎行雄君から解散権の所在ということについて本委員会に意見を提出されておりますから、これを一應私から朗読いたします。    解散権の所在 (1) 内閣の解散権を承認して、今日それを実行させる端緒を開けば新憲法の基礎が破壞され、新憲法は旧憲法よりも非民主主義的なる惡法になる。 (2) 旧憲法では主権が天皇に在つたから内閣天皇の御許しを得なければ衆議院を解散することは出來なかつたが、今日解散を説く人々は内閣だけの考えで勝手にこれを断行し得ると思つているようだ。そうすれば新憲法下の今日の内閣は、以前内閣よりも更に一層有力にして、官吏專制的であることになり北條、足利の徒は、憲法の保証を得て、その野心を逞うし得ることになる。実に國家民生のために警畏すべきことではない乎。 (3) 新憲法には解散の文字は見えるが、解散権の所有者のことは何所にも書いてない。ゆえに解散論者は第七條に拠るようだが、いやしくも事理を解するものは此條の三項は解散の公布であつて、解散そのものではないことを了解するだろう。なぜならば右の七條は全く國政に関係のない儀式的事柄のみを掲記したものだからである。 (四) 天皇陛下の公的御身分を明記したのは第四條であつて、天皇は「國事に関する行為」のみを行ひ、「國政に関する権能なし」と明記してある。いかなる曲論者と雖も解散は國事に関する形式的行為であつて國政には一切無関係の行為であるとは強弁し得ないだろう。 (五) それのみならず、第七條は悉く内閣の助言と承認を必要とし、それさえあれば陛下はいや應なしに是非共実行し賜はねばならないことになつてゐる。故に「衆議院の解散」と書いてあるのを、強て解散其者だと解釈すれば事実上内閣に解散権を與え、官吏專制の制度を確立するわけになる。果して然らば新憲法は旧憲法よりも更に一層非民主主義的だといふことになる。 (六) 以上略述した所によつて見るも、解散権の所有者はない。そこで解散論者は第六十九條によつて解散を行はんと欲するようだが、該條は二ケの場合における内閣の辞職を命じたもので、解散を命じたものではない。内閣以上の何者かが、解散してくれない時は、内閣は辞職すべしと命じたものだ。予は主権在民の民主國においては主権者の代表機関すなわち衆議院以外に解散権の所有者が存在すべき道理はないと主張するものである。  君主國においては解散権は君主に在り、民主國においては國民にある。然し全國民の意見は國民投票に由る外にこれを確知する方法がない。これ予が國民の代表者たる衆議院をしてこれを決定せしむべしという所以である。  新憲法では内閣衆議院も共に主権者たる國民の選任したものだが、衆議院は直接に、内閣衆議院を経て間接に選任したものだ。その上数においても量においてもまた任期においても、この両者の間には比較にならないほどの懸隔がある。ゆえに「解散か総辞職か」などと唱えて、この両者を均價同量の交換物視するものは官尊民卑の思想に捕われて、未だ全く事物の大小軽重を弁えざる人々である。 (9) 民主國における衆議院解散権は君主國における天皇廃立権とほぼ其重要性を均しうするものである。解散権が天皇に在つて内閣にはなかつたところの旧憲法下においてすら東條以下の戰犯者は権力を乱用して國家を今日の窮地に陷れた。民主國となつた今日において、もし解散権を内閣に與えるがごときことあらば、政府党はこれを濫用して容易に衆議院に多数を占め、独伊露のごとく長年月に亘つて政権を掌握するを得べし。これ予が新憲法の運用を誤まり内閣をして衆議院を解散せしむるがごとき先例を開始せば、民主々義は根底より破壞され國家の前途実に憂慮に堪えざるものあらんことを恐るる所以である。 (10) 民主國に在つては総選挙は主権者が國家の進路方向を決定すべき大事件にして、これがために要する公私諸般の労費もまた甚大なものがある。故に解散は万止むを得ざる國家的必要のない限り、党派的利害などのたにめ濫行すべきものではない。  特に現今の如く國民未だ民主々義の何者たるを解せず、官尊民卑の陋習に捕はれている際に於ては解散は百害あつて一利もない。然し党利党略上もし之を必要とせば衆議院自ら三分の二以上の多数を以て之を議決し決行し以て民主主義の根本的破壞を予防すべきである。新憲法の字句を曲解し、内閣をして解散せしむべきでない。  以上であります。  別に御意見ございませんか――御異議はないようであります。     ―――――――――――――
  3. 山口喜久一郎

    ○山口委員長 これより前回に引続き議員田中角榮君の逮捕について許諾を求むる件を議題といたします。  昨日の委員会の決定に基きまして田中角榮君の出席を願いました。これより同君に身上の弁明を求めたいと思いますが、前会の例にならつて祕密会を開いて、これを承ることに御異議ありませんか。
  4. 山口喜久一郎

    ○山口委員長 御異議ないようでありますから、祕密会を開くことにいたします。      ━━━━◇━━━━━
  5. 山口喜久一郎

    ○山口委員長 これにて散会いたします。     午後五時八分散会