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1948-06-28 第2回国会 衆議院 厚生・水産委員会連合審査会 1号 公式Web版

  1. 昭和二十三年六月二十八日(月曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員   厚生委員会    委員長 山崎 岩男君    理事 中嶋 勝一君 理事 田中 松月君    理事 山崎 道子君       福田 昌子君    最上 英子君       野本 品吉君    榊原  亨君   水産委員会    委員長 馬越  晃君    理事 石原 圓吉君 理事 夏堀源三郎君    理事 庄司 彦男君 理事 宇都宮則綱君    理事 鈴木 善幸君       川村善八郎君    坂本  實君       關内 正一君    冨永格五郎君       仲内 憲治君    受田 新吉君       外崎千代吉君  出席政府委員         農林政務次官  大島 義晴君         厚生事務官   宮崎 太一君  委員外の出席者         專門調査員   川井 章知君         專門調査員   小安 正三君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  船員保險法の一部を改正する法律案(内閣提  出)(第一七七号)     ―――――――――――――
  2. 山崎道子

    ○山崎委員長 ただいまより厚生委員会、水産委員会の連合審査会を開きます。  連合審査会は議案を所管する委員会の委員長が審査会の委員長となる建前になつておりますので、不肖ながら私が委員長をつとめさしていただきたいと存じます。  それでは船員保險法の一部を改正する法律案を議題として審査に入ります。質疑はこれを許します。
  3. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 本日の委員会の議題となつている船員保險法の改正に関する問題は、水産委員として非常に重大な問題でありますので、特に内容について一應の御説明を承りたいと存じます。
  4. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 船員保險法の一部改正につきまして御説明申し上げます。  今回の改正は大体二つにわけられるのでありまして、一つは從來政令または省令に規定いたしました事項中におきまして、國民の権利義務に関係する重要事項を法律に移したということであります。この点につきましては、從前と変りはないのでありまして、ただ命令事項を法律事項に移しただけでございます。もう一つは、関係法令の改正に伴いましてかえますのと、諸般の情勢上、被保險者のためにこの情勢に即應する改正をいたしたいという実質上の改正と二点になつておるわけでございます。そこで実質上の改正について御説明申し上げたいと思うのであります。  第一の点は保險医制度でございます。これは從來船員保險の保險医、保險藥剤師というものは、健康保險と同樣に強制指定の形でございましたのを、当該者の同意すなわちお医者さんの同意に基いて保險医を指定するという形にかえたのでございまして、この点は健康保險の改正と揆を一にするものであります。  次に保險給付でございますが、保險給付におきましては、今までは被保險者の家族については給付がなかつたのでありますけれども、今回家族につきましても健康保險と同樣家族給付をするということにいたしたのであります。これがすなわち百分の五十の給付をするということでございます。  次に職務外の事由によつて六箇月以上十五年未満の被保險者が死亡いたしましたとき、あるいは傷病によりまして資格喪失後二年以内に死亡いたしましたときに、寡婦や遺兒が残りました場合におきまして、これに新らしい寡婦年金あるいは遺兒年金という制度を設けたわけであります。男が妻を失つた場合におきましてもやはりかん夫年金として給付を始めたのでございます。これも年金保險同樣の改正でございます。そのほか年金以外に加給金として子供一人について二百円の支給をする、こういう点の改正がございます。  それから脱退手当金でございますが、脱退手当金を從來よりも制限をいたしまして、支給資格の期間を三年以上といたしましたことと、五十才に達するまで支給を停止することにいたしたことでございます。但し、女子につきましては婚姻または分娩のために資格を喪失したときには、從來通り給付をすることにいたしたのであります。  それからこの改正施行の日前の傷害年金及び遺族年金に対するその額を、こういう物價高でございますので從來の五倍に引上げたということであります。  それからもう一つ大きな問題は、この船員保險は御承知のように一つの小さな社会保障制度でありまして、疾病はもちろんのこと、死亡、失業、老齡、そういういろいろな点につきまして全部の保險を網羅した保險であるわけでございます。そこで保險料が從來は十九円二十銭という、いわゆる一九%という保險料率をとつておつたのでございますが、養老年金というものは御承知のように十五年経つてもらえるものでありまして、今日のこのインフレの時代におきまして十五年先の養老年金を與えるということのために、積立金をいたしておきますことはどうかと存じまして、養老年金につきましては最低の標準報酬でかけることにいたしまして、そして全体の保險料をぐつと下げたということであります。すなわち十九円二十銭の保險料を十一円五十銭まで下げたのであります。これが最も大きな改正でございまして、あとは先ほど申しましたように、命令事項を法律にあげた点でございます。
  5. 馬越晃

    ○馬越委員 私は本日開かれます常任委員長会議に出席いたします関係上、特に総括的に水産委員会といたしまして希望を述べておきたいと思うのであります。なお詳しいことは他の水産委員会の委員諸君から、それぞれ意見を述べられることと思いますので、詳細は他の委員に讓ることにいたしたいと思います。  水産常任委員会といたしまして、特に厚生委員長にお願いいたしまして、合同審査をお願いいたしましたということにつきましては、今回のこの船員保險法の一部改正案が附議せられることにつきまして、水産方面としては重大なる関心をこれに対してもつがゆえに、合同審査をお願いしたような次第なのであります。この船員保險法の実施せられまして以來、漁業者に対しましては、まことに漁業者の実態に副わない点がたくさんありますので、それぞれ業者から当局に対しまして、これが改正方を要望いたしてまいつたのであります。しかるにこれらの要望は遂に当局によつて受入れられることがなくして、今日に至つておつたのでありますが、今回この一部改正法案が出たということは、たとい一部分にもせよ、業者の幾部分かの希望が達成せられたということについては、当局の御好意に対して業者といたしましても衷心から感謝をいたすのであります。その一つといたしましては、われわれがずつと要望いたしましたその希望の一端のかなつたという点は、保險料の低下にあるのであります。保險料率が低下したという点については、非常に愉快に存じておるのであります。しかしながらこの船員保險法は、一般船員に対しましては非常に有効であるけれども、漁業者にとつては必ずしもそうではないのであります。その二、三の点を指摘いたしてみたいと思ふのであります。  第一はこの失業保險の点でありますが、漁業特に遠洋漁業の乗組員というものは、壯年時代に從事いたしまして、老年に至るに從つて近海、沿岸漁業等に職場を轉じていくのでありますから、漁船から離脱いたしましても、眞の失業状態というものはないのであります。特に漁業者は多くは半漁半農であつて、漁業が季節的な仕事でありますので、この漁業から離れました場合には、農業に從事するとか、あるいはまた小さな沿岸漁業に從事するとかいたしまして、この適用を受ける漁船に乘り組むことから、ほんとうの失業状態というところにはいることは、ほとんど稀なのであります。從いまして漁船乘組員たる漁業者は、この失業保險金を受取る機会に惠まれないのであります。でありますから失業保險の点は、漁業者に対しましては任意加入とすることが必要であろうと考えられるのであります。  次に養老年金の点についてであります。養老年金は十五年以上が基準となつておるのでありますが、遠洋漁船に連続乘船する者は、ほとんど絶無と言つてもいいのでありまして、殊に先ほど申しましたように漁期というものが、一年間限られておるのであります。それでずつと続いて十五年も勤続するということはあり得ないのであります。でありますので養老年金を受ける機会に惠まれない。さよういたしまして、この養老年金というものも漁船乘組員に対しては、任意加入にすることが適当と、かように考えるのであります。  第三点といたしましては漁船單位の加入とする。乘組員個々の加入とするのでは、実際の漁業の実情に適合しないのであります。たとえて申しまするならば、遠洋漁業、特にかつお、まぐろ漁船というようなものは、半年ずつの季節約労務でありまして、しかも総員の一〇%以上が連続乘船していないのでありますから、個人加入は実情に副わないばかりでなく、手続きは現在の営業状態に照して煩瑣にたえないのでございますから、各漁船單位で加入をするというような途を講じてもらいたい、かように思うのであります。  なおまたこの船員保險法の適用を受けます者は、約二十万人であるということでありますが、この適用範囲の二十万人の中で、漁船船員は約八万人おるのであります。二十万人に対して八万人でありますが、その八万人の漁船船員はこの強制加入によつて保險料を納付いたしますが、先ほど申しますように失業保險なり養老保險なんというものは、実際においてはこれの交付を受ける機会に惠まれない。そういたしますと、漁船船員の犠牲において、他の二十万人中の十二万人の方々の失業保險金なり、養老年金等の負担をするというような矛盾したことになるのであります。なお私どもが傳え聞いておるところによりますと、小型の機帆船の船員も漁船と同じような立場において、これらの失業保險や年金保險の交付を受ける機会に惠まれないということも承つておるのであります。そうしてこの小型機帆船の船員が六万人おるということでありますが、この六万人と先ほどの漁船船員の八万人とを加えますと、十四万人おる。この十四万人が二十万人中に含まれておるのでありまして、残る六万人の一般船員の福祉のために、この多くの人たちの犠牲において行われるというところにも、多大の矛盾がある、かように考えられるのであります。この際漁船船員の失業保險は任意加入とし、養老年金を任意加入とする。また漁船個々の單位において加入をするように御訂正をしていただきたい。こういう希望をもつておるのであります。聞くところによりますと先般この改正法案が閣議に上程せられました場合において、農林大臣はこういうような矛盾せる点をるる閣議において御説明になりました結果、厚生当局におかれてもこの点は十分に御了承になられまして、近い將來において農林大臣の希望に副うように改正をするというような申合せをなされたやにも承つておるのであります。さよういたしますならば、厚生当局としても、この船員保險法が漁船船員に対して実情に副わないものであるということは、十分に御認識になつていられることだとも拜察するのであります。近い將來に改正をせられる御意思があるならば、進んでこの際においてこの漁業者の希望を含んで、改正をせられるようにしていただいた方がいいのじやないか、かように考えるのであります。以上簡單に申し上げまして、厚生当局の御意見を承りたいと思うのであります。
  6. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 ただいまの御質問でございますが、私どもも十分承知している問題でございます。御承知のように船員保險法が失業保險を入れ、養老年金を入れておるのでありますが、先ほど申しましたように、船員保險法というものは、小さな社会保障制度でありまして、あらゆる保險を一まとめにしておりまして、日本における最も理想的な制度であるわけであります。そこでこの漁船がはいりましたのはいつかと申すますと、第一國会の議決ではいつたわけでございまして、そのときにおきましては、船員法の中に三十トン以上の漁船がはいつております関係上、その裏打ちといたしまして船員保險の方がはいつておるわけでございます。それから失業保險は他の陸上の労務者と同様の意味におきまして、やはりはいつておるわけでございます。そこでこの失業と養老の両方につきまして、漁船関係の方から、任意加入の制度にしてもらいたいという御希望、殊にかつお・まぐろの業者の方面から強く要望されたのであります。そこで私どもといたしましては、この船員保險の建て方が総合的な保險制度でありますし、また船員の保護のためにこういう形ができておりますので、軽々にこの問題は扱うわけにはいかないということで、この船員保險委員会にこれを諮ることにいたしたのでございます。船員保險委員会におきまして、いろいろ相談をいたしましたが、その結果委員の御意見といたしましては、これはきわめて重大なる問題であつて、今ただちにこの養老保險及び失業保險を任意制度に移すことはもう少し待つてもらいたい、考えさしてもらいたい、暫時研究の期間を與えてもらいたいという意見であつたのであります。それからもう一つは機帆船の関係があるわけであります。機帆船関係の方からも、漁船の方にそういう扱いをするならば、機帆船も同様のものがあるのであるからして、これも同様に考えてもらいたいということであります。機帆船になりますと、これは運輸関係の業務をやつておるのでございまして、この問題になりますと、陸上の失業保險とも関係がふれてくるのでございます。そこで漁船関係、機帆船関係、これはどのようにするかということは大きな問題でございまして、もうしばらくそれでは研究しようということで、委員会の方に保留になつたのでございます。そこでそのほかの問題につきましては、先ほど申し上げましたように、船員労働者の保護のためにどうしても改正しなければなりませんので、急いでただいま御説明申し上げましたような改正をいたしたのであります。それから閣議におきましては、先ほどお話になりましたように、農林大臣から御希望もございますし、農林、厚生両大臣も次の機会において御希望の点をよく研究いたしまして、御趣旨に副うようにいたしたいというような話合いができまして、この提案になつた次第でございます。私どもといたしましては、この改正が終りましてから、農林、運輸省、それから私どもの三者がよく相談をし、また関係の方々の御意見もよく承りまして、次の機会におきまして漁船関係及び機帆船の関係につきまして、何らかの措置を講じたい、こういうように存じております。
  7. 庄司彦男

    ○庄司(彦)委員 ただいま政府委員の御説明を承りまして非常に遺憾な点を私は発見したのであります。実は船員保險委員会というものに諮問したということを申されておりますが、この船員保險の委員会の構成というものには漁船関係は一人も見出されないのであります。ただ一人船舶所有者代表として日本水産の專務である葛城君がなつておりますが、この人は自分の意見が容れられないというので辞職されておる。それであとに残つておるのは、被保險代表として日本海員組合の鰹船常任委員長の高橋君がなつておりますが、これは日本海員組合の鰹船部の委員長であつて、実際の漁業とは何ら関係はない。少くもこうした全國の水産業の振興を阻止するような問題に対して、これが利益を代表するところから一人も構成員が選出されてないということは、非常にぼくは問題だろうと思います。殊に公益代表の中からと申しましても、こうした全保險者二十万の中の五〇%以上をもつ漁民を管轄する水産関係から、農林省の水産局長も出ていなければ、漁政課長も一人もはいつていないというようなことでは、この法案は日本の漁民関係については何らの考慮が拂われていないということを私どもは感ずるわけであります。その点から考えまして、この法案はきわめて私は不備であると感ぜざるを得ない。希くば先ほど委員長が申しましたように、この水産委員会の希望するところの養老保險あるいは失業保險に対しては、任意加入ということを強くお願いしたいのであります。なおこの保險委員会のメンバーについても相当檢討を加え、この漁民関係の代表、また行政関係の代表というものが加入されんことを私は希望したいのであります。
  8. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 ただいま船員保險委員会の構成につきましての御意見でございますが、船員保險委員会の委員の割振りについては、船員中央会の委員の割振りにならつたのでございまして、これは船主、船員、中立各七名が出ておりまして、その中で漁船関係者は船主、船員各一名あて出ておるのであります。その例にならいまして、今の保險委員会の方も船主、船員、中立各一名あて漁船関係から出ていただいたのであります。この決定につきましては農林省ともよく打合わせをいたしたのであります。ところがその後船主代表である葛城委員が、自分一人では困るから、もう一名増してもらいたいという御希望があつたのであります。ところがこの委員会は健康保險でも年金委員会でもこれは六名ずつ、すなわち事業主六名、被保險者六名、中立六名というやり方でまいつておりまして、すでに任命されておるのであります。葛城委員からもう一名漁業関係から出してもらいたいという御希望がありましたけれども、すでに発令済でありますので、それは今日のところできない。任期がやはり半年ほどで交代になりますので、あと六箇月待てば交代があるのでありますから、そのときにおきまして何とか交代しようということで返事しておつたのであります。そこで葛城委員がその後辞意を漏らされておりまして、その後任につきまして農林省の方にお願いしたわけでございます。それから船員関係の方は先ほど申しましたように、高橋氏が漁業関係を代表して出ておられるわけでございます。そこでこの漁船の関係が二十万のうち八万を占めておるからして、この被保險者の数によつて委員を選ぶという考え方も一つの考え方と思いますので、私どもといたしましては、すでに委員が六名づつ十八名任命済みでございますので、幹事等を増員いたしまして、農林省関係あるいは漁船関係の方にはいつていただきまして、委員会の議論等に参加していただきたい、こういうつもりでおるのでございまして、この法案の諮問をいたしました際に、葛城委員が欠席されておられたのでありまして、そういう関係で、漁船の側の意見が足りなかつたことは事実でございますが、この次の提案にあたりましては、よく漁業関係の御意見を承つてきめたいと存じておるのであります。
  9. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 この法律の適用を受ける者は、一般の船員となつておりますけれども、私の見るところでは、今二十万人になつておりますけれども、一口に私どもはこの漁業者を全國三百万漁民とまで言つておりますので、何を基準として一体二十万人という数字を見出したのか、そうしてその中の八万人というのは一体どこから割出した数字であるかということであります。その数字に対して委員の数をきめたものであるとすれば、それは矛盾しておると考えるのでありますが、どうでありますか。大体私どもとしては、船員の八〇%は漁業者であり、そうして機帆船の乘組員であつて、その他の二〇%ないし三〇%程度が大きな汽船に乘つておる船員ではないかと思う。そうすると、この法律は、その船員の利益のために、その船員の保護をするために制定された保險制度でなければならぬと思うのであります。ただいま馬越委員長からるる説明がありましたので、私がこれにまた説明を加える必要はありませんが、漁業の実態に即應しない保險制度ということは、これは漁業者はかえつて迷惑するのであつて、漁業者の保護にはならぬと思います。このうちとりわけて傷害保險というものは絶対必要であつて、年來私どもはこれを主張してきておりますが、失業あるいは養老という面においては、特に漁業者に対しては何の必要も感じないのであります。社会保險とか、そういうような面によつて、もし必要があつた場合にはそれは別個に考えるべきものであつて、特に船員に対して、この三つの保險を一本にして強制加入ということは、まことに迷惑千万と存じますので、私どもの希望としては、このようなことを船員保險と称して漁業者になすりつけることは、はなはだ迷惑千万であるから、これに対しては非常な非難が起るであろう、そういう予想をしておるものでありますから、この実施期間を次の議会までこれを延期する、次の議会で愼重にこれを審議して、この法律案の改正をすることを要望いたすのであります。これはいわゆる三百万漁民の声として、私はこれを代表して申し入れる次第であります。
  10. 宇都宮則綱

    ○宇都宮委員 夏堀君からのお説の通りでありますし、さつき水産委員長の馬越君からもお話がありましたが、六万人の被保險者のために、十四万人を犠牲にして、この保險を無理やりに今議会を通さなければならぬという理由をわれわれは認めません。なお夏堀君の言われたごとく、失業とか養老とかいうようなことはさらに必要がないと考えております。そこでこれはもう少し研究を要します。願くば、今議会はこれは間に合いませんから、次の議会まで延期されまして、さらに漁業者その他の公聽会でも開きまして、審議の上でこの法案を定めるということが最も妥当ないき方だと本員は考えますので、次の議会までこの法案は引延していただくということを、われわれ漁業関係者は特にここに強調するものであります。
  11. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 ただいまの漁民が三百万というお話でございますが、ここの保險へはいつておりまするものは、三十トン以上の船に乘つておる乘組員だけでございます。それ以下につきましてはその対象になつておりません。その関係で八万という計算になるのでありまして、その八万は農林省の方の計算によつてでき上つたのであります。あとの漁民につきましては、これはこの対象ではございません。他の労働省関係の法規の適用があるわけであります。それから漁民関係の養老及び失業につきましては、あるいはこの次の議会でもいいかもしれませんが、その他の部分につきましては、きわめて重要な改正でございますので、そのためにこれを延期されることは、私の方としては実に困つたことであると考えておるのであります。
  12. 石原圓吉

    ○石原(圓)委員 この三十トン以上の船に乘込む漁業者というものは、一年のうちに、季節的には乘込むけれども、たとえばかつおの時期には乘込むけれども、その季節が終ればまた海岸で船舶に乘込まずに漁業に從事することもあるのであります。年中三十トン以上の船で漁業に從事しておるというものは、まずないと言つていいのであります。また、今年は甲の船に乘るが、來年は乙の船に乘るので、一つの船に数年乘る漁業者もごく少いのであります。そうしてある年齡に達すれば遠洋漁業には耐えられないのであつて、下船をする。そういうような三十トン以上の船に乘込む漁船の船員というものは、非常な不規律な、不定期的な漁業に從事しておるのでありまして、これをこの規定によつて拘束するということは、まつたく根拠を誤つておると思います。これは苦痛を漁業者が感ずるだけであつて、決してこれによつて安心するというわけにはいかない。いわゆる認識不足のもとにできた案でありまして、これは絶対に適用すべきでないと思います。ゆえに私はこの際これを除外されんことを強く要望いたします。
  13. 大島義晴

    ○大島政府委員 ただいま漁業関係の船員の保險についていろいろ御議論があるようでありますが、先ほど馬越委員の御指摘の通り、あるいは夏堀氏の御指摘の通り、漁船の乘組員というものは、他の乘組員とその性質を異にするのでありまして、從つてその所管をいたしております農林当局といたしましては、あくまでもこれは任意加入にしていただきたい。そういう見解をもつておるのであります。閣議の内容をについてはこれを申し上げるわけにはまいりませんが、農林当局全体といたしましては、これを任意加入の形式をとつてもらいたい。さらに最後にもう一つ申し上げておきたいことは、船員保險委員会がこういうことを決定したというふうな御意見があつたようでありますが、この決定当時には、船員保險委員会の構成に対しては、農林当局は必ずしも満足しておらない状態であつたということも附け加えておきたいと思うのであります。以上当局としての考え方を申し上げておきます。
  14. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 ただいま農林政務次官の御意見を承つて非常に意を強くしたわけであります。この二つの点はどこまでも任意加入ということにして、傷害保險だけは特に切離して、そしてこの保險料率もずつと低率にしてもらいたいということを希望する。  それからさつき三十トンということをよくおつしやいましたが、三十トンを境にして保險制度を設けるということに対しては、一体どういう見解でありますか。もし船員にということならば、三十トン以下の船員は船員の資格がないということでありますか。私はむしろ十三トン以下に乘込む人方の生活及びすべての傷害関係を保護することが、本法の建前ではないかと考えるのでありますが、大きな船を対象としてのみ考えている以上、三十トン以上の船に対するということは当らないと存じますので、今後ともこうしたような法律制度を設ける場合に、少くとも大衆を対象とし、國民の保護という点に重点を置いて立案されることを希望します。それで今の問題に対しては、私どもは政府委員のおつしやつたことを絶対支持いたしますので、そのようにお取計らいを願いたいと思います。
  15. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 ただいまの三十トンにつきましての御意見ございましたが、これは私どもできめたのでございませんので、三十トンというのは、船員法におきまして三十トン以上の乘組員を船員といたしましたのであります。私の方はその裏打ちといたしまして、これは保險の方から保險給付することにいたしたのでございます。
  16. 榊原亨

    ○榊原(亨)委員 ただいまの水産委員の方々のお話はごもつともであると思うのでありますけれども、ここに一つ厚生当局にお伺いしたいのは、かかる社会保障の意義をもちました保險に、はたして任意加入をするということを根本原則としてお認めになる御意見でございますか。
  17. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 社会保險におきましては、任意加入の制度がないわけでございまして、ただ國民健康保險がああいう形をとつておりますが、こういうものについては任意加入という制度はございません。ただし漁船につきましては、いろいろ意見がございますので、そういう制度を研究してみるということにいたしております。
  18. 榊原亨

    ○榊原(亨)委員 世界のどこへいきましても、國家保障の建前といたしまして、かかる保險を任意加入にするということによつて成功しておるところはないと私は思うのであります。從つて今お話になりました小機帆船に乘つておられる方を入れないならば別問題でございまして、社会保險の立場からこれを任意加入にするということは私どうも疑問をもつのでありまして、今水産委員からのお話でございましたように、これにはいらないなら別であります。はいる以上は強制加入としませんと保險の立場としてできないのじやなかろうかと思うのであります。  もう一点伺いたいのはもしもこれらの大多数の漁民の方が、この保險におはいりにならない場合には、國民健康保險の加入として、これを救うと申しますか、便法を講ずるということはできないものでございましようか。その点に対しまして厚生当局の御意見を承りたいと思います。
  19. 宮崎太一

    ○宮崎政府委員 船員保險からはずれますれば、その土地に國民健康保險ができておりますれば、國民健康保險組合の組合員あるいは被保險者になるのでございます。
  20. 山崎道子

    ○山崎委員長 それでは本日はこれをもつて散会いたします。     午前十一時十五分散会