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1948-01-31 第2回国会 衆議院 商業委員会 1号 公式Web版

  1. 昭和二十三年一月三十一日(土曜日)     午前十一時十七分開議  出席委員    委員長 喜多楢治郎君    理事 石神 啓吾君 理事 笹口  晃君    理事 細川八十八君 理事 中村元治郎君       赤松 明勅君    佐竹 新市君       師岡 榮一君    井村 徳二君       岡野 繁藏君    櫻内 義雄君       松井 豊吉君    山本 猛夫君       關内 正一君    辻  寛一君       多田  勇君   唐木田藤五郎君  出席政府委員         総理廳事務官  向井 鹿松君     ――――――――――――― 一月二十九日  中古衣類の公定價格撤廃促進の陳情書(東京都  千代田区神田東松下町全國衣服商組合連合協議  会)(第一号) を本委員会に送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  中古衣類の公定價格撤廃促進の陳情書(東京都  千代田区神田東松下町全國衣服商組合連合協議  会)(第一号)     ―――――――――――――
  2. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 これより開会いたします。  陳情の審査にはいります。去る二十九日本委員会に送付になりました陳情、中古衣類の公定價格撤廃促進の件を議題といたします。まず陳情書を朗読いたします。    陳 情     東京都千代田区神田東松下町一九       全國衣服商組合連合協議会   さきの日全國中古衣類業者より請願申し上げたる中古衣類公定價格撤廃の要望は、第一回國会商業委員会において愼重討議を重ねられたる結果これを採択し、本会議に報告の上可決に至りましたることは、われら業者の主張と一般民意の存するところを洞察されたるゆえんにして、まことに衷心より感謝にたえません。しかるにこれが主管たる物價廳における最近の態度を案ずるに、公價撤廃にかえるに値上げをもつてし、あえて当面を糊塗するにあらざるやと解さるるところあり、すなわち昨年十二月二十六日付物四第一一三八号物價廳次長より各地方物價事務局長あて通牒によれば「中古衣類の統制額撤廃について業界の強力な希望もあつたが、纖維製品に対する切符制の実施により、國民衣料も一部確保の見透しがついたとはいえ、纖維製品の極度な不足は中古衣類で補うほかない現況であり、新品の円滑な配給をはかる趣旨よりも撤廃は適当でないと考え、統制額を改訂することとした」と明記されておる。ここにわれらの最も不審に感ずることは、今や國家の主権は國民の手にあり、しかもその國民世論の結集たる國会において是なりと可決されたることが、單に行政官廳の一部吏員の未ださめやらぬ戰時統制とも考えらるる主観によつて、いたずらに左右し得るものなりやの疑問である。もしかかることが許さるるなれば、いやしくも國会の不信であり、國民的重大問題であらねばならぬ。もちろん公價撤廃後におけるいささかの杞憂あるは認めらるるも、それは一部の問題にして、むしろ新品機構の弱体を自己から暴露するものであり、またその杞憂あるならば、それに從う対策がおのずからあらねばならぬ。しかしてこれに業者の協力が必要とあるならば、われらも進んで全面的努力するに決してやぶさかではない。要するにいたずらに一部口実をもつて撤廃遷延を許さるべきにあらずと思考す。この際よろしく國会の権威により、行政官廳に嚴重なる警告と監視を煩わしたく、ここに謹んで陳情に及ぶ次第であります。  以上の陳情がございましたので、本委員会を開催いたした次第であります。この陳情に対しまして、政府当局の御意見を伺いたいと存じます。
  3. 向井鹿松

    ○向井政府委員 ただいまの陳情書にありましたように、さきにこの委員会におきまして、中古衣の統制額を撤廃してはどうかという強い御意見も拜聽いたしました。なお業者からも、特に東京方面の業者からも、撤廃に関する熱烈なる要望を拜承しております。物價廳といたしましても、いろいろこの意見に対しまして考慮いたしたのであります。当時すでに纖維製品に関する新物價体系による統制額が定められております。中古衣統制額は、新物價体系以前の統制額によることは適当でありません。といつて撤廃の是非を愼重に研究いたすには、なお相当に時間を必要といたしますので、物價廳といたしましては、昨年十二月ただいま朗読されましたような新統制額を発表いたしましたような次第であります。なお今後この統制額を一時的な方針で糊塗するようなことに甘じないで、撤廃するようにというただいまの陳情の趣旨でありましたが、國会で請願採択するところとなり、そういう意見が國民の要望として出ましたので、私どもはただいま研究しておりますところをなお一層研究いたしまして、はたして撤廃することが、この衣料政策上妥当であるかどうかということを、愼重研究いたしまして、その処置をとりたいと思います。從つてただいまのところ、まだ撤廃する結論には到達いたしておりません。さよう御承知願います。
  4. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 委員各位の御意見ございませんか。
  5. 赤松明勅

    ○赤松(明)委員 向井さんは商工組合中央会の中小商工業者の牙城である。商工組合中央会に長くおられたはずであり、中小商工業対策については、專務理事としてのお立場で、相当御苦心なさつた方だと思います。私も今びつくりしたようなかつこうですが、この中古衣類を扱つているような者は、中小商工業者というよりも、引揚者であるか、あるいは戰災者であるか、こういつた非常な苦難の後に起ち上がろうとしつつあるものが、ほとんど大半ではなかろうかと私は考えている。そこで公價を撤廃してはいけないという理由が、今の説明では明確でなかつたと思いますが、その理由をひとつ明確にしてもらいたい。  第二番目は大体政府当局、いわゆる物價廳として見るところの何らかの推定はあるだろうと思いますが、業者の数とかいうようなものについて明確な調査をしておられるかどうか。あるいはまたその業者によつて取扱われつつある金額にして、現在の新物價体系によつて統制額をかえたと言われたが、その統制額によつて、どの程度のものが取扱われておるかということがおわかりになつておるか。たとえばこの通牒の中に、新品そのもの、纖維製品そのものが不足して、中古衣品に頼らなければならぬというようなことを、次長通牒に書かれておるようでありますけれども、これはおよそ明確な推論の上に立たなければ、ただ抽象的な、こいうことは公價撤廃はできないという理由にならない。またこれから見積られるところの財政的な税金というようなものが、どの程度これから上つておるかというようなこともお考えになつておるかどうか。そういう明確な基礎数字をつかまずして、單に公價を撤廃してはいけないというのは理由にならないと思いますので、この理由を明確にしていただきたい。
  6. 向井鹿松

    ○向井政府委員 ただいま統制を撤廃できない理由をはつきりせよという御意見であります。それに対してお答えいたします。それは物價廳次長の通牒にもありましたように、御承知のごとく、今日國民は衣料に非常に悩んでおります。そこでなるべく適正な値段でこの欠乏せる衣料を得たい。そのためにはこれの價格を適正にし、暴騰せしめないということが、申すまでもなく中古衣の價格を統制していき、また衣料の價格を統制していくという理由でありますが、ところがその國民の欲しい衣料は、ちよつと考えられるところでは、二つの流れからきておると思います。すなわち一つは新しい方面からきており、いま一つは中古衣の方面からきておる。これははつきり言えるのではないかと思います。ただその割合はどうなるかということは、これは私具体的数字をもつて申し上げることはできません。少くとも今日國民中には私の承知しておりまするところでは、纖維製品について非常に人の心を打つものは、年ごろのむすめさんなり、あるいは若い十二、三の子供は、正月とか何とかと言いますと、新しい着物を欲しがつている。隣の子供が着ていると、親が自分のところは燒けてしまつて物がない、むすめは隣の子供が着ている着物を見て、うらやんでおる。こういう場合に、親心からしてどうしてこれを手に入れようか、しかもみずからは引揚者であり、戰災者である。こういうような方々の氣持を考えますと、やはり私どもとしては自由に放任しておいてはいかぬぢやないか。言いかえれば新しいものの供給源泉の一方だけは押えておるが、一方は外すというのはどうか、私は双方ともに押えるのが適切じやないか、こういうように考えております。  第二は流通秩序の問題でありまして、新品がこれを統制を外せばこの途を経て流れる危險があるのではないか。もちろんこれは流通秩序の問題ではありますけれども、しかしでき得ればそういう途を塞いで、この流通秩序を確立するということが、物價政策の立場から言えば、非常に重要じやないか、こういうように考えております。
  7. 赤松明勅

    ○赤松(明)委員 ただいまの答弁では満足しませんが、しかしそれ以上追求しても、おそらく具体的数字が政府でもわかつていないと思う。だから業者が濫立していることもむりはない。しかしこれは怠慢である。具体的な数字は言えないが、少くともそれに対して統制だけは明確にするというようなことは、要するにかつこうからいつてみれば、物價廳として怠慢である。そこでもう一つ流通秩序ということだつたが、この統制額によつてはたして一般市場におけるところの商取引そのものがどの程度守られておると思つておられるか。守られないことによつて起つておるところの犯罪の数というようなもの、たとえば價格統制令違反、こういうものによつて、どのくらいの程度の罪を犯すことになつておるかということも、お調べになつていないだろうと思うけれども、調べてかかる必要がある。こういう通牒を出すまでには、法は守るべきであつて、罪人をつくるためにあつてはならない。しかし今日の中古品というものは、新品そのものは計画生産によつてなされておるだろうけれども、たけのこ生活者がこれを結局中古品業者に賣渡すというようなことが出てくる。これは生産品ではないから、数字がわからないはずだ。新品と中古品とを同じように取扱うということは、きわめて経済上の原則を知らないということになる。どの程度守られると思つておられるか。守られていないにもかかわらず、これを統制しておくということは、はたしていいか惡いか。この点について現在の價格が守られておるか、これを伺つておきたいと思う。
  8. 向井鹿松

    ○向井政府委員 流通秩序の問題で、中古品の統制がはたして守られておるか。あるいは守られておるならば、どの程度守られておるか、こういう御質問でありますが、遺憾ながらこの点につきましても、私は数字をもつて取引のいくらが公定價格であり、いくらが公定價格でないかということを申し上げることができないことを、はなはだ遺憾に存じます。しかし私どもは中古品の統制額を維持することは、技術的に相当困難であるということは、今お説にもありましたように、まつたくその通りであろうと存じます。そういう意味合いからも、私どもは統制の継続いかんについて研究したことがあります。しかし私は統制が困難であつても、一旦統制額を定めた以上は、やはり政府としては守るように努力しなければならぬ。たとえ全部守られなくとも、でき得る限り守るように私どもは努力し、またこれを業者が守り得るように統制するということが必要ではないか。そういう意味におきまして、このたビ新統制額を定めます場合に、相当に実際の市場價格を調べまして、この程度ならば守り得るという点を研究いたしまして、大体以前にくらべると、業者としても非常に守りやすい点に新統制額ができておる。こういうように承知いたしております。
  9. 赤松明勅

    ○赤松(明)委員 他の委員から発言があるでしようから、私は質問留保して、これで打切ります。
  10. 櫻内義雄

    ○櫻内委員 この際緊急に申し上げたいと思います。ちよつと大臣の出席を求めることについて、一言発言さしていただきたいと思います。この際大臣がお見えになつておりませんので、責任のある人の、特に安本長官あるいは商工大臣の出席を求めたいと思います。それは本委員会あるいは他の委員会において、採択した請願の取扱について、政府の責任ある答弁をまず煩わしたいと思うのであります。ひとつ他の委員のいろいろの発言のひまに大臣の出席をぜひとも求めたいと思います。
  11. 笹口晃

    笹口委員 私は今向井部長から御答弁がありましたことに関連いたしまして、少しく向井部長に質問したいのであります。この前の委員会で、これは向井部長も御列席になつて聽いておられましたが、大原次長が最後に出席されて、私は大原次長に対して、これを撤廃するということは、國会全体の意思となろうとしておる。もしこういうようなことが決定した際に、政府はその決定に対してどういう考慮を拂われるか、こういう質問をしたところが、國会全体の御趣旨は十分尊重いたします。またこれは非公式ではありましたけれども、でき得るだけ近い機会において、いわゆる公價撤廃が行われるようなことがあつたならば、その際に優先的に取扱う、というようなお話を聽いておりまして、われわれもそういう意向が政府にあることを承知いたして、あの案を満場一致で決定いたしたのであります。ところが今向井さんのお話を聽いておりますると、中古品の公定價格を撤廃すべからずという御意見を述べられておる。そればかりではありません。ここにたまたま入手いたしました衣料新聞という新聞に載つておる新聞記者と油谷課長の問答の中に、非常に重要なる項目があるのであります。油谷課長も公定價格は撤廃しないと明言をしておる。しからば國会の意思は尊重しないかというと、尊重はする。しかし國会でも政府の意見として撤廃反対の方針を述べた、こう言われておる。さらにもつと重大なことは、請願は結局請願であつて、業者の希望の表現にすぎない、かようなことを断言されておる。この記事が眞実であるとするならば、この油谷課長の考えというものは実にけしからぬ。あたかも戰時中の統制官吏のごとき頭をもつてかかつてきておりまして、一体現在の新憲法がいずれに主権があるかということを全然承知しておらない。言うまでもなく、國民全体に主権があり、國会は國権の最高機関であります。この國権の最高機関である國会が請願をきめるについても、部長御承知の通りに、われわれは愼重な檢討をいたしまして、この問題については、ほかの請願に例のないほど愼重な態度をとつて、前後三日間にわたつて檢討した結論として、満場一致で決定しておる、これだけ決定しておるものに対して、請願は單なる請願であり、業者の希望の表現にすぎないとは、これは実に暴言もはなはだしい。また國会の権威を傷つけるもはなはだしいと思うが、この点についていかがお考えになるか、監督の責任にある部長としての御答弁を要求いたします。
  12. 向井鹿松

    ○向井政府委員 ただいま笹口君から纖維課長と新聞記者との問答について御質問がありました。なお先ほど私の話についてもお話がありました。その点について一部誤解であるかと存じます。私の先ほど申しましたのは、統制を撤廃しないいうのは、あの通牒を出したときのわれわれの結論であります。しかし私どもはそのときも再三申し上げましたように、國会の決議でそういうことが政府通達されたならば、われわれはその趣旨を奉じまして、そらん研究を重ねまして、撤廃のいかんを檢討しなければならぬ。また現に檢討しておりますが、なお檢討しなければならぬ。そういうことを申し上げたのでありまして、現在そうであるということを申し上げておるのではない。  それから私、課長から新聞記者との一問一答は何も聽いておりませんが、それは何か誤解があるのではないか。ただいま仰せになりましたように、請願請願であると言つたのは、採択されない前の請願を言つている意味であろうと思うのであります。一たび議会の意思が加わつてくれば、これはおのずから別問題であります。おそらく纎維課長の意味はそういう意味であろうと思います。
  13. 笹口晃

    笹口委員 今御答弁がございましたが、先ほど言つたのは、公定價格改訂したそのときの考えで、現在の考えではないと言われますが、しからば伺いますが、公定價格の改訂を公布いたしましたのは十二月の二十六日というふうに承知いたしておりますが、すでに本請願は十二月九日に衆議院は滿場一致可決をいたしました。参議院も同樣であります。しからば國会の意思の決定した後であります。それでもあなたは今おつしやつたように、そのときの考えで、今はそうでないと言うが、衆議院のさような意思の決定した後に、今あなたのおつしやつたような考えでおられるということになりますと、衆議院の意思とは正反対の意思を行政府がおきめになつたと解釈してよろしいかどうか。  それから第二番目の油谷課長の問答につきましては、これは請願が出たころと言われておりますが、新聞紙に記載きれておるところによりますと、一月十六日に行つた問答であります。今月にはいつてからの問答でございます。これは部長がもい御承知なければ私は油谷課長をここに証人としてでも喚問したいと思つておるのですが、その点私は一月十六日と明記してあることについて、もう一應再考をお願いいたしたいと思います。
  14. 向井鹿松

    ○向井政府委員 この請願が國会を滿場一致通過したということは、私はなはだ怠慢であつて、正式には当時承知しておりません。昨日も調べてみたのですが、正式には承知していたかつたのであります。しかしそれは別問題といたしまして、先ほど申し上げましたように、私どもは新しい衣料の統制價格の改訂については、よし、われわれがさらに檢討いたすといたしましても、相当時間がかかるので、あの当時そのままにしておくというわけにはいかなかつたということを御了承願いたいと思います。  それから油谷課長の言につきましては、なおよくその事実を聽いてみたいと思いますが、特に以上のことは、國会の意思というようなことを頭においてやつたことではないと思いますが、なお本人によく聽いてみたいと思います。
  15. 笹口晃

    笹口委員 これで私は質問を打切ろうと思つたのですが、衆議院の決議を知らなかつたというのはひどい答弁だと思う。少くとも案は上程され、案の決定になつたものは公報をもつて告示されております。その内容についても官報をもつて一般に告示されておる。その当面の責任者である部長が、さような決議を知らなかつたという御答弁をここでされることはどうか。將來のためにも部長の今の御答弁は取消しておいた方がよろしいのではないか。その他の点につきましては、なお油谷課長を何らかの形がここへ喚んでいただきまして、私は態度を質したいと思いまするが、結論的に申し上げますれば、今の部長の御答弁といい、また油谷課長が新聞記者に語つたと称するその考え方といい、戰時の統制官吏に頭を一歩も拔き出ておらないという感じが強いのであります。これは切に反省を要望したいところでありまして、私はあの價格の改訂が出ましたことをもつて、行政府の立法府に対する一つの挑戰であると解釈しておるのですが、この点が解けません限りは、われわれは今後この問題に関係いたしまして、さらにより強い意思表示をしなければならぬ、こう考えておるのですから、どうかそのつもりで、委員長も今の向井部長の御発言等については、何らか適当な御注意を與えていただきたいと思います。
  16. 赤松明勅

    ○赤松(明)委員 大体向井さんが官僚畑で育つた官僚であるのなら、情状酌量の余地もあるけれども、少くとも戰時中においても全國の中小商工業者の唯一の機関であるところの商工組合中央代の事務理事として、官廳に向つて中小商工業者の立場を強化するために努力しておられたのだが、それがいつから官吏になつたのかは知らないけれども、本日の答弁のごときは答弁じやない。少くともそういうふうに國会で議決して通達してあるものについて知らなかつたなんというのにもかかわらず、のこのこここへ出てくるということがすでにそもそも間違いだ。そういう頭をもつてして、要するにいわゆる官吏の頭をもつてして物事を考えるということがよくない。官僚によつて苦しめられてきたところの一般中小商工業者というものの立場をお忘れになつておるとしか思えない。おわかりにならないでおつて答弁に立つということが、そもそも間違いであるならば、あなた御自身が今態度を決すべきだ。わからないにもかかわらずわからないで押し通そうなんというのは――われわれが多忙な時間を割き、しかもここへ傍聽に來ておられる全國の代表者としても、相当忙しい時間を割いて來ておられるに違いない。それに御研究も何もなさらないで、國会でとうして決定したかもわからないで、ここへやつてくるということが間違いだ。これは責任あるわかつておる方に出てきてもらわなければ、本委員会は何らの効力も発生しない。また質問應答はこれをもつて打切るべきである。要するにわれわれはわれわれの態度を決定すべきである、こういうことを申し上げます。
  17. 向井鹿松

    ○向井政府委員 御説のように官僚育ちでないために、私は事務上のことは率直に申しますと知りません。それで実はこの議会を通過したのかどうかということをよほど注意してきたのでありましたが、どうもその事実においてはつきりしておらなかつたのであります。それからその点について、やはり政府通知があるものとばかり思つておつた。そういうふうに解釈しておりましたが、その点においてはなはだ不注意であつたということをお詫び申し上げます。
  18. 中村元治郎

    中村(元)委員 先ほど赤松氏、笹口氏から相当つつこんだ質問があり、御答弁もありまして、これ以上申し上げる必要はないと思いますが、ただ結論として部長の御意見を率直にひとつ承つておきたいと思うのです。御答弁中にも、十分認識がなかつた結果であるというような御答弁もあつたのでありますが、今日の心境といたしまして、この問題を撤廃する意思ありや否やという御意見を、まず承つてみたいと思うのです。
  19. 向井鹿松

    ○向井政府委員 私は撤廃し得るかどうかということは、昨年末以來ずつと研究しておりますが、まだ結論に達しておりません。
  20. 師岡榮一

    ○師岡委員 こまかい点は出盡しておると思いますので、急所と思われる点をお伺いしたいと思います。大体向井部長はこの請願が國会を通過しておることを知らなかつたために、こうした通牒を出したというように私は承つたのですが、國会を通過しておるということが確実になつた今日、なおそういうお考えを継続しておもちになつておるかどうか、こういう問題について御答弁を願いたいと思います。それともいま一点は、公定價格設定にきわめて困難な事情にある中古衣に対しまして、結局実行もできそうもないような新しい方法をまたその上に加えていくということは、かなり煩瑣にたえないと思うのであります。取締りの面におきましても、あるはまた價額設定の面においても、相当困難を生ずると思いますが、そういう面をどう御処理なさるおつもりでおいでになるか、これらはただ單なる鑑定人とか査定人とかを選定して能事終れりというようなお考えでございますか。その点についてちよつと承つておきたいと思います。
  21. 向井鹿松

    ○向井政府委員 先ほど申し上げましたように、私はこの問題を実は一昨年から研究しております。從いまして議会の決議案がある前から撤廃し得るかどうかということは考えたのでありましたけれども、当時はまだ撤廃すべきではないということで、通牒が出たような次第であります。しかし先ほど再三申し上げましたように、私は撤廃し得るかどうかということに対しては、まじめに研究して何らかの方法をとりたい、こういうふうに考えております。ただ結論に達していないということだけを申し上げておきます。
  22. 師岡榮一

    ○師岡委員 そうしますと、國会がどういう意思を決定いたしましても、あなたは個人の主観に基いて撤廃すべからずと思えば、國会の意思を無視してもあなたの意思を通すお氣持であるかどうかという点を明確にしていただきたいと思います。
  23. 向井鹿松

    ○向井政府委員 私個人の意見を申し述べることはどうかと思いますが、物價廳として……。
  24. 師岡榮一

    ○師岡委員 私の今お伺いしたのは、向井部長個人の御意見を伺つているのじやなくして、とにかく行政官廳の一部長としての御意見を拜聽したいと思うのであります。從つて個人的に自分はどういうような意思をもつてそれに臨むというふうな、個人というような逃げ言葉でなく、責任ある明確な御答弁をお願いしたいのであります。
  25. 向井鹿松

    ○向井政府委員 私は國会の決議があれば、これを尊重して、できることならばその線に沿うてやるべきものだと、こう考えております。
  26. 多田勇

    ○多田委員 ただいま向井さんからいろいろ御答弁がございましたが、非常にお苦しい御答弁で、これ以上追究するのはお氣の毒だと思いますが、しかし事は非常に重大な関係をもちますので、二、三お伺いしたいと思うのであります。  ただいまの向井さんのお話を通じて考えてみますと、そのときそのときによつて、非常に答弁の内容が変つてきておるのであります。最初は統制を撤廃すべからずというような考え方から御説明があつたのでありますが、その後におきまして、國会の決議があつたかどうかわからなかつたから統制額を決定したのだというようなお話でありまして、その眞の意思がはつきりつかめないのであります。そこで行政府としては、この問題についてどういうようなはつきりしたお考えをもつておられるのか、また國会が決議をして、行政府に対してはすでに通知済みのはずであります。それにもかかわらず、物價廳としてはその成行を知らなかつたと言われるが、この問題は全國的な非常に大きな問題でありまして、物價廳として、その成行について何の関心をもたないほどの問題ではないはずでありまして、当然國会から通知があつたはずです。よしなかつたにしましても、その成果については非常に関心をもたれる関係上、十分了承していると常識上考えておるのでありますが、國会が統制を撤廃すべしという決議をしたのに対しまして、物價廳としては、この國会の意思に対してどういう立場をとられる考えであるか、この二点について、いま一度はつきりした責任のある御答弁をお願いいたします。
  27. 向井鹿松

    ○向井政府委員 どうも私の氣持が徹底していないようであります。先ほど申したのは、國会の決議があれば、われわれは当然それを尊重すべきことは申すまでもないことだと思います。ただ先ほど來申し上げましたように、私どもとしてそれを尊重するにいたしましても、ある程度の時期を事実上において要するのであります。今日においてもそうであります。單に物價廳に考えだけではいけないのでありまして、その他関係方面との折衝もありますので、当時相当の時期を要するということは考えておつたのであります。しかしその間をブランクにしておくことは事実問題としてできなかつたのであります。それでわれわれといたしましては、その当時統制額を出さざるを得ない、出すべきである、こう考えたような次第であります。
  28. 多田勇

    ○多田委員 これ以上この問題について追究はいたしませんが、國会の意思を十分尊重なさるということを、はつきり言われておりますが、先ほど國会から通知がなかつたということで、お逃げになつておりますけれども、しかしながら、これは先ほど申し上げましたように、國会として相当大きな問題として、取上げられておつたということは御承知だろうと思いますので、統制額を決定するまでに、それは今お話のように、いろいろやむを得ない点もあつたかもわかりませんけれども、統制額を決定する前に、國会の委員長なり、あるいはその他國会の当事者と、この問題について連絡をとり、この点について了解を得られるという方法をとられておつたかどうか。この点についてひとつ……。
  29. 向井鹿松

    ○向井政府委員 委員長と直接この問題について御懇談申し上げることはなかつたのですが、二、三の調査員とお会いして、お話申し上げたことがあります。從つて調査委員を通じて、われわれの考え方は通じている。このように承知しております。
  30. 中村元治郎

    中村(元)委員 先ほど私発言を求め、御答弁を得まして、続いてお尋ねをしようとしておつたのでありますが、同様から発言があつて、私の言わんとするところを言われたようでありますので、重ねて申し上げることは差控えたいと思うのですが、先ほどからいろいろ御答弁がありましたが、眞の御心中をお察し申し上げて、率直に私もお尋ね申し上げたいと思うのは、御苦衷のほどはよくわかりますが、ただこの際において、はつきりと本会議において決議されたことを、御認識なさつて部長として、マル公の撤廃ができるかどうかというお話でありますが、今日に場合を十分御考慮のうちに入れて、即刻なし得るや否やということを、でき得る限り早い時期において、われわれに御通達を受けたいと、かように思うのですが、いかがでございましよう。
  31. 向井鹿松

    ○向井政府委員 でき得る限り早くというお話でありますが、もちろんでき得る限り早くわれわれも決定をいたしたい。こう思つておりますが、実際を申しますと、撤廃問題は、この問題だけを取上げるわけに、ちよつと事務的にやりにくい点がありますので、こういう撤廃問題は他にもあるのでありますから、終局的に決定いたしますのは、なおここ一、二週間というようなことにはいかないのではないかと思います。
  32. 中村元治郎

    中村(元)委員 ただいまの御答弁で、ほぼ私としては満足ができるのでありますが、一、二週間とか、何とかいうお話でありますが、なるほど他の方面との関係も、十分おありのこともお察し申し上げます。しかしながら、御承知のごとき性質をもつた問題だけに、なるべく親切にこの問題を取扱つていただいて、そうして業者の多くが、いずれに標準をおくかという基準のもてる範囲内を定めたいと思います。重ねて申し上げることはいかがかと思いますが、なるべくではなく、でき得る限り早く方針を定めていただいて、業者も一日も早く、その業に安んじられるような方法を講ぜられたい。こういうことを希望しておきたいと思います。
  33. 細川八十八

    ○細川委員 大体同僚から言い盡されたのでありますが、ただいまの向井部長の答弁では満足するものではありません。すでに昨年十二月九日の國会において、満場一致議決したという報告に接しておらなかつたということは、私は了承できないのであります。部長の手許には國会の公報が行つておるか、あるいはこれが官報に告示されておるということは間違いないと思うのであります。こういう重大なことを、向井部長御自身この委員会の席方においでになつて、その実情はよく御承知であると思う。これを決定するためには、議会でどういうような議決がついたかということを、一應責任のお立場において知つておるべきが当然のことである。それを知らなかつたというようなことは、私は断じて承服できない。そこで今日わが国の物の價格というものを物價廳が決定しておるのに対して、はたしてそれが一般に行われておるかどうか、また実際問題として今日の矛盾のあるものを大いにマル公の撤廃をしなければならないというために、この商業委員会が中古衣料を取上げて、マル公を撤廃すべしという決議ができた。しからばこれは行政官として当然行わなければならない。それを行わなかつたということは、われわれを無視するものはなはだしいものがあると思う。私はこのことについて、今後こういうことは中古衣料に止まらず、わが國の官廳が戰時中から今日までつくつたところの日本の物價体系、すなわち日本の價格統制というものが、実体に即應しないものは、今後この商業委員会を通じて決定をしていただきたいと考えておる。しかるにこの委員会において決定したものが、その関係の行政官がこれを無視するということは断じて許されない。そこで私は向井さんの答弁には満足できないから、ぜひ安本長官の出席を求めて、これを質してみたいと思う。どうぞ次にその会を続行することと、今度再開されるときに安本長官の出席を要求されるように、よろしく委員長にお願いいたします。これだけ申し上げておきます。
  34. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 では本日の陳情に対する審議は、一應この程度で打切りまして、櫻内君の要求によりまする商工大臣並びに安本長官出席に対してのかけ合問題は、安本長官は昨日より病氣のため出席でき得ない。商工大臣は総理官邸を出られたなりで、未だ行方がわからない。こういうような実情であるわけであります。時間の点も考慮いたしました結果、次会予告的の大臣の出席を確約をいたしまして、この陳情の審査を重ねていたす。かようなことにいたしたいと存じますが、皆さん御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 喜多楢治郎

    ○喜多委員長 ではさように決することにいたしたいと思います。  本日の陳情の問題はこれを持つて散会をいたします。     午後零時八分散会