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1948-04-27 第2回国会 衆議院 不当財産取引調査特別委員会 16号 公式Web版

  1. 昭和二十三年四月二十七日(火曜日)     午後三時十七分開議  出席委員    委員長 武藤運十郎君    理事 鍛冶 良作君 理事 辻  寛一君    理事 梶川 靜雄君 理事 河井 榮藏君    理事 荊木 一久君 理事 小松 勇次君    理事 石田 一松君 理事 中野 四郎君       高橋 英吉君    古島 義英君       益谷 秀次君    山中日露史君       橋本 金一君    野本 品吉君       田中 健吉君    中村元治郎君       徳田 球一君  辻嘉六氏をめぐる政治資金の問題について出頭  した証人                 世耕 弘一君                 青木  勇君                 杉田 馨子君                 大塚 令三君                 三宅 則義君                 宇田 國榮君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  一、辻嘉六氏をめぐる政治資金の問題  一、証人出頭要求に関する件  一、昭和電工、竹中工務店、梅林組、清水組、   その他に関する融資問題     ―――――――――――――
  2. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 これより会議を開きます。  証人調べをいたします。世耕さん宣誓をしていただきます。     〔証人世耕弘一君宣誓
  3. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは、御承知の通り僞証の制裁がありますから、間違いのないようにお願いいたします。  まず辻嘉六氏との関係を詳細に述べてください。
  4. 世耕弘一

    ○世耕證人 辻嘉六氏と私どの関係は、かれこれ十四、五年前からのことでございます。当時政友会の代議士として立候補いたしました当時からの交際でございますが、戰爭中私が大阪の大学に関係している関係からしばらく交際が絶えておりましたが、戰爭終了後、第一回の國会議員の候補に立つて、当選して以來、また御交誼を願つておるような次第であります。
  5. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 塩月という人、また中曽根という人を御存じですね。
  6. 世耕弘一

    ○世耕證人 中曽根君は塩月君が紹介して知るようになつたのであります。塩月君は政友会に最初代議士として私が当選しました当時の関係から心安くしておるようなわけであります。
  7. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんから、中曽根氏または塩月氏から軍服の拂下げを依頼することになるかもしれないが、その節は何分よろしく頼むというようなことを頼まれたようなことはありませんですか。
  8. 世耕弘一

    ○世耕證人 先般法廷で証人として喚び出されたときもそういう話が出たのでありますが、実は軍服拂下げを依頼されたというような記憶は私はもつておりません。言われたかもしれませんが、私はさような記憶をもつておりません。その理由として、なぜ記憶がないかということは、最初隠退藏物資摘発の事柄について挨拶に行つたときに、隠退藏物資の摘発は各方面にわたつて相当大きな影響を及ぼすだろう。あるいは政党関係にも及ぶかもわからぬ。しかし自分の党派だけに遠慮して、他党のみの関係を摘発するというようなことになると、はなはだ不公平である。私はさようなことは考慮に入れず、事、政党に関するような場合があつても徹底的に甲、乙を問わず摘発をいたします。あるいはその背後関係においていろんな問題が出てくるかもわからぬが、そうなると私は摘発の行きがかり上、八方に敵を求めなければならない、結局において私は暗殺されるかもしれません。被害を受けるかもわからぬ。さような場合に辻さん、あなたは私の骨を拾つてくれるか、こういつたような打明け話をしたわけであります。そのときに辻さんは、よろしい。國家的な大きな仕事を解決する意味において、君がそこまで決意しているなら骨を拾おう。その代りぼくに注文が一つあるぞ。それはどういうことかと言えば、すなわち君が隠退藏物資摘発をめぐつて不正事件、すなわち金銭等の賄賂受授がわかつたならば、ぼくは生かしておかんぞ、その覚悟はいいかと言うから、言うに及ばぬ。こういうような話合いでそもそも出発したようなわけであります。だから隠退藏物資摘発の事務を私がやつておる間において、名刺一枚たりとも持つてきて、ぜひともこれこれはこうしてやつてくれということを辻さんから依頼してきた事実は一つもないのであります。ただ塩月関係のことでどういうことを私に依頼したかということを聽かれるようでありますが、そういうようないきさつから見ましても、軍服を拂い下げてやるのに斡旋してやつてくれというような言葉は辻さん自身はおそらく言わないだろうと想像いたしまするし、私はそういうことを受けた覚えも、今記憶をたどつてみてもありません。ただ非常に忙がしかつた当時の事情からみて、それに類似した何かほかのことを言われたかもしれませんが、それは私ははつきりした記憶をもつておりません。
  9. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 今お話の、骨を拾つてやる、命をとるというような言葉は、何かあなたと辻氏との関係において、親分子分のような関係があるような言葉ではないでしようか。
  10. 世耕弘一

    ○世耕證人 親分子分という関係は別にございませんが、辻さんという人はどつちかというと親分はだの人です。だから私の話す言葉も自然にそういうような言葉づかいになつたと私は承知いたしておりますが、なぜ辻さんのところにそんな話をもち込んだかということを申し上げれば、辻さんという人は政界方面にもいろいろな知己をもつておる。並びに非常に義侠的な人であります。殊に人にものを頼まれて、その報酬をもらつて仕事をするというような氣持の人でもなし、非常に正義感の強い人だということは長年のつき合いでよく知つておる。そういう関係で、どうせ私のやつておる仕事は大きな問題を世間に投げかけるであろう。その場合に、そういう正しい人たちに理解をもつてもらつておくことが必要である、かように考えて私はお目にかかつた。なおまたそれと同時に辻氏が、君の仕事は非常に有意義であり、同時に大きな仕事であるから、檢事総長にも司法大臣にも会つて、よく仕事の内容を打明けて、國家的に援助してもらつたらよかろうというので斡旋してくれたようなわけであります。以上のようなわけで、親合とか子分とかいう意味でもございません。ただ言葉がたまたまそういう言葉になつただけのことでありまして、他に何ら関係はございません。
  11. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんの人物の話が出ましたが、大体辻さんという人は政界の表面には出ないけれども、政界には隠然たる勢力をもつておつて、金などをつくるのも非常に上手で、多くの政治家選挙などに際しては相当多額の金をやるというような人物だそうですが、そうですか。
  12. 世耕弘一

    ○世耕證人 これは私の申し上げることがはたしてその人物論に当つておるかどうかわかりませんが、その感じたままを申し上げるならば、政界の裏面に通じておるということは申し上げることができると思うのであります。それから政界に勢力をもつておるということに対しては、どの程度の勢力をもつておるかということは、これは想像よりほかに申し上げることができないと思うのであります。ただ、もしかりに政界に勢力をもつておるとしたならば、政党に金をまく、政治家に金をやるということが想像されるのでありますが、しからばそういう金がどういうところからはいつてくるかというような点を言われると思いますが、大体辻さんという人は長年の御交際を願つた関係から推測いたしますと、金をやつたからというて、その金を條件附でやるというようなことをしない人であると同時に、またおれが金をやつたからというような顏をする人でもないのであります。しかし正しいことを行おうという者については、身を張つてでもその者を助けようという氣持があること、それから人にものを頼まれたらいやということのできない性分を多分にもつておるように思うのであります。報酬をもらつて人を世話するということが、やがて世話になつた人が成功した場合に、辻さんをして物質的にもまた援助し、この金は淨財だから、大いに有効に國家社会に使つてくれというようなふうで、もつてくるということは、ああいう性格の人から見てあり得ることではないかと私は想像するのであります。それくらいの程度以上私は承知いたしておりません。
  13. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 さらに伺いますが、あなたは辻氏からそういう種類の金をいくばくか受取つておられますか。
  14. 世耕弘一

    ○世耕證人 そういう金は受取つておりません。
  15. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻氏は檢事局におきましてあなたに関してこういうふうなことを述べております。  「世耕弘一に対しては、昨年四月の選挙の際一、二万円の金を援助してやつたように思いますが、その後は昨年夏ころ世耕が内務政務次官に就任し、私方に來た際、その就任祝いとして一万円渡した記憶があります。これは私の性格として、他の人にもときどきそのような援助をしてやる場合があるので、特に世耕に厚くしたわけではないのです。」こういうふうに言つておりますが、これはどうでしようか。
  16. 世耕弘一

    ○世耕證人 その中の一つ、一、二万円という言葉がありますが、それは何かの間違いだと思います。その間違いだという理由は、実は一万円か一万五千円であつたか、私預つたことがあります。それは警察教習所か何かへ本を寄贈したいから、私にその本を扱つてくれ、こういう話だつた。それで私は、本に関係があつたものだから買い集めて、それを表にして渡したことはあります。それは一万円少し超したかと思います。その金じやないかと思います。それからその前の一万円というのは、なるほど記憶がそう言えばあります。それは私が就任のときに挨拶に行つたところ、もう新聞記者との会食は済んだか、こういう話がありましたから、いやまだ済まぬと言うと、新聞記者との会食は早くした方が僕はよいと思う。ぼくがその金を寄贈したいというので、お祝いのしるしとしてもらつたことならあります。それ以外にはありません。
  17. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 先に全然受取つたことはないというのは間違いなんですね。
  18. 世耕弘一

    ○世耕證人 それは政治資金という意味に私聽きましたので申し上げたのです。
  19. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 二十二年の六月に事務政務次官になりまして、隱退藏物資の処理副委員長に就任されたですね。
  20. 世耕弘一

    ○世耕證人 そうです。
  21. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それはどういう仕事をするのですか、ひとつ御説明願いたい。
  22. 世耕弘一

    ○世耕證人 隱退藏物資の摘発については、御承知の通り軍の終戰当時もつていた品物がいろいろな方面に散乱されておつたものだから、それをば各方面で隱匿しておる。調査の結果そういうものが五、六百億に上ることがかなり確実な資料によつてわかりましたものですから、それを摘発して速やかに民間に利用することができたなれば、当時三月に至つて危機が迫る、三月には日本がつぶれるのだというようなことがやかましく叫ばれておりましたから、その物資がもし満足に出たならば、三月の危機は救われる。できたら速やかにこれを実行に移したいというので、各関係閣僚にも相談して、その摘発を目的として委員会を組織するように政府に要求して、それで委員会ができた、こういうふうな順序になつております。
  23. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは中野君。
  24. 中野四郎

    ○中野(四)委員 私のお伺いしたいと思う点がかなり委員長から問われておりますから、重ねてお伺いすることを避けまして、世耕君と塩月君との関係でありますが、政友会時分からの御交友と承りますが、塩月君は当時外務参與官として、この軍服事件に関して中曽根君より依頼を受けて、相当各方面に斡旋これ努めたと言つておるのでありますが、塩月君から証人に対して軍服拂下げの依頼をされたことがあるかどうか、それからさらに藤川君からこの軍服拂下事件に関して証人に依頼をしたことがあるかどうか、この点を明確にされたいと思うのであります。
  25. 世耕弘一

    ○世耕證人 藤川君からは軍服の拂下げの交渉を受けたことは一回もありません。ただ塩月君からは軍服の拂下問題について交渉がありました。しかし軍服の拂下げという言葉自体は私は記憶がございません。おそらくそれは軍衣袴という言葉で話があつた、こう記憶しております。さらに申し上げたいことは、隱退藏物資の中に軍衣袴すなわち軍服があつた場合に拂下げてほしい、こういうような話が出たのであります。それは多分議会であつたと思うのであります。当時内閣においては、石炭増産のために、鉱山用の纖維品を優先的に拂下げるという閣議の樣子も承知いたしておつたので、もしそういうような軍衣袴が多数あるような場合があつたら、優先的に拂下げてもらえるかもわからぬ。しかしながらどうも拂下問題をめぐつていろいろな問題が発生しておる。たとえば農業会に拂下げてもらつた纖維品が横流れして、どこかのやみ市場へ出ておるというようなうわさが盛んに立つから、それではかえつて政府のほんとうの目的を達するわけにいかぬ。もし君の方で拂下げてほしいと言われるのであつたならば、そういう弊害のないようなりつぱな書類を整えて、そうして政府へ出されたらいいだろう。まだ隱退藏物資の方は專門委員会もできていないようなわけだから、その拂下方法をどうするかというようなことも方針がきまつていないから、とにかく書類をまとめて出してくれれば、適当の機会に取次いであげましよう。この程度のことを私は二度ばかり、そういう問題に触れて話があつたから御返事しただけで、それ以外の交渉はなかつたのであります。
  26. 中野四郎

    ○中野(四)委員 さらに伺いたいのは、世耕君と中曽根君並びに塩月君らとが麻布の我善坊、いわゆる自由クラブにおいて会食して、その席上においていろいろ話合いが出たかのごとく傳えられておることがありますが、このような記憶が証人にあるかないか、明確にされたいと思います。
  27. 世耕弘一

    ○世耕證人 さようなことは一回もございません。
  28. 中野四郎

    ○中野(四)委員 先ほど辻嘉六さんと世耕君とが大分古いおつき合いのような話でありましたが、辻さんの長い間の政治的経歴からいいましても、また性格からいいましても、実質上において証人が辻さんとまつたくの私的ではあるけれども、この事件とは全然関係なく先ほどの一万円、あるいは一万五千円の書籍購入費用以外に金銭の授受はあつたかないか。過去つき合いを始められてから今日まで、選挙あるいはそれぞれの政治活動資金として受けられた覚えがあるかないか、その点を伺いたい。
  29. 世耕弘一

    ○世耕證人 御馳走になつたことはたびたびあるし、また他の人と一緒に私がお招きして会食したこともあります。けれども金銭問題について私は援助を受けたことは一回もございません。なぜそういうような関係をもつているかと申しますれば、私は党人としてはつき合つておりましたけれども、個人的にそういうふうなおつき合いはいたしておりません。また特に政界において各方面に知己があるということは承知いたしておりましたけれども、金をどういう方面に出しておるかというようなことは、私のこれまでのつき合いからみて少しも知らなかつたことであります。なぜそういうことを言うかというと、私の性格上、他人から金銭を惠んでいただくということは、これまで一回もいたしておりません。それが辻さんとの関係を今申し上げたような実情においたこと、たまたま今の問題に触れたのは私が就任の挨拶に行きましたときに、君にお祝いしたいのだがというような話が出て、いや結構ですと言うたときに、君新聞記者との会食はもう済んだか、いやまだ済まないと言いましたら、それは早くしなくちやいかぬ。それではこれをお祝いの方でひとつまかなつてくれというので、そのときに紙包をいただいたのが、さつき申し上げた一万円の金ということは記憶いたしております。それは私の不当財産等の問題の起らない以前のできごとで、ただいま御質問のあつたときのことであります。その後の一、二万円渡したというのは、すなわち警察廳関係の教習所に書籍を寄付してほしいという希望があるので、寄附をしたいと思うが、君は学校に関係があるから、ひとつ書籍を買い集めてもらえないかなかなか近ごろは普通では買い集めることは困難だ、君ならなんとかなるだろう、それならばということで、私が各省方面に連絡をとつて買い集めたものが数百冊、それを預つた金が一万数千円に上つたかと思います。それ以外に私は受取つておりません。先ほど武藤委員長がその点について金を受取つていないかと聽かれたのは、そういう金であるから私は受取つておりませんと申し上げたのであつて、不当財産の方とは何ら関係なきものと思いましたから、お答えを差控えたのであります。その点の問題についてはすでに檢事局において、私ははつきり申し上げているわけでありますから、御了承を願つておきたいと思うのであります。  なお私の政治生活の面から見て、政治資金を他人から特に援助をなぜ得られなかつたかということは、私の性格と、私の選挙区が費用のかからない所であり、同時に私の選挙区の先輩が多く世話してくれております関係から、政界のそういう人たちから特に選挙費用をいただかなくても私はこれまでもまかない得てきたから、さようにできたわけであります。ただ会食をこれまでしたことがあるか、御馳走になつたことがあるかということを過去に遡つてお聽きくだされるなれば、私も大勢の人たちと一緒に飲んだり食つたりしたことはありますということを認めます。
  30. 中野四郎

    ○中野(四)委員 大体世耕君からの証言によつて、辻さんと世耕君の金銭授受の問題は明確になつたと思いますが、ただゆるがせにならぬことは、先ほど武藤委員長の質問に対する。さようなことを頼まれたことはあるかもしれないけれども、私の記憶にないというデリケートな言葉は、將来大きな禍根を残すと私は思うのであります。少くとも自分に記憶がないものなれば、さようなことを頼まれた覚えなしと明確にされる必要がある。またこのことにもし関連をしていささかでも暗示を受けた場合があるならば、これに対してそれぞれの証言をされる必要があると思います。從つてこのようなデリケートな証言は禍根を残すおそれがありますから、もう一遍、事実上において頼まれたことがあるかないかということこの機会に明確にされたいと思います。
  31. 世耕弘一

    ○世耕證人 その点は私としては全然記憶はないのであります。ただ先ほど申し上げましたように、この隠退藏物資摘発は各方面に影響をもつものである、徹底的にやればやるだけ私は各方面に敵を求めるのである、さような場合に私は暗殺されるかもしらぬ、危害を加えられるかもしらぬ。その場合にはあなたには骨を拾うか、こういうような言葉の行き方であつたのであります。ところがそれに対して辻さんは、よろしい、君がそれだけの氣魄をもつて國家のため、社会のために御奉公するというなら、よかろう、おれが骨を拾おう。その代り世耕君に註文するが、君がもしこの問題を通じて不正行為があり、金銭の授受があるというような事実があつたとするならば、人手を借りないぞ、すなわちおれの手において君の生命はもらうがよいか。こういうような、私の出方が骨を拾うかという言葉が出たものだから、向うは主命を取るぞというところの氣魄を示してきた、かように思うのであります。かような言葉の取引から見ましても、私に辻さんが一枚の名刺をもつて、これ、君頼むと言うことは、少くとも隠退藏物資に関する限り言えないであろうということのお察しが願いたいのであります。なおこれは辻さんとの交渉ばかりではありません。私は昨年の春、憲兵総司令官を横浜に訪問したときにも、これと似たような言葉を申しました。隠退藏物資の摘発に対してはいろいろな問題が発生するでしよう。同時に私の身辺にもいろいろなデマがとぶことを覚悟しておりました。しかしながらもし司令官において、そのデマをお調べの上、万一私の身辺にそういうような不正事実があつたとするならば、どうぞ軍事裁判なんてまわりくどいことはよして、私をただちにつかまえて銃殺してください。私は喜んで死ぬだろう。こういうようなことを話したくらいでありますから、辻さんとの話はただ親分子分の話で、骨を拾うか、拾わぬかという話でなしに、こういう言葉が私の性格から率直に出てきたものだ、かように御了承願いたいと思います。
  32. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ただいまの中野君の質問に関連しまして、檢事局では辻氏がこういうふうに言つておるのですが、もう一度記憶を喚び起すことができましたら、喫び起してもらいたいと思います。  「もつとも右第二回目に塩月氏が金を持つてきた後、あとだつたと思いますが、同人が中曽根とともに私方に來たとき、塩月が私の居間で面会中、何か書類を出し、これは商工省纖維局長の証明がついている書類だと言つて机の上に拡げており、私はその内容は読みませんでしたが、塩月は今世耕に話をしているので、世耕が來たち便宜をはかつてくれるように同人に助言してもらいたいと言い、これに対し私は、君は世耕の友達だから直接世耕に話せばよいではないかと申しておいて記憶があります。その際中曽根は別段の話はしなかつたようです。その後間もなくして世耕が私方に來たとき、塩月との右應対の話をし、塩月には友達だから直接世耕に話せと言つておいたと軽く申しておいた記憶です。」こういうふうに言つておるのです。何かこういうふうな話が出まして軽い言葉であつたかどうかしりませんが、とにかく、君じかに塩月が君に話すかもしれないけれども、まあそんなようなわけだから、よろしくやつてくれという程度の話はあつたのじやないですか。
  33. 世耕弘一

    ○世耕證人 実は商工省の鉱山局の書類を証明をつけて出してくれれば委員会へ適当に取次ごう。とにかく書類の関係をしてもらわんと横流し等の関係があつて審議される場合でも不便だろうから、その正式の書類を作成するがよかろうというので別れた。ところがその後その書類は私が受取つてしまつたか、私附の事務官が受取つたか、あとで証明附の書類が私の手もとに探したらあつたのですけれども、その受取つた径路が実ははつきりしないのです。それくらいの実情でありましたから、辻さんの方からそういうことを言われたかどうかということすら実は私は記憶がはつきりしておりません。
  34. 中野四郎

    ○中野(四)委員 これは非常に微妙な問題であつて、世耕君が特にこの委員会で明確にしなければならぬ責任のある問題なんです。從つてそういうようなことを言われたことがあるかもしれぬけれども、私の記憶にないという、このデリケートな答弁が穏やかでないと私は申し上げるのです。従つて辻さんがさような話をしなかつたならばしなかつた、私にはしないから從つて聽いておらぬという明確な答弁をされるか、そういう話をされたかもしれぬけれどもというような語尾を濁すことが非常に私は將來に大きな禍根を残すと心配するものですが、從つてあなたがこの際聽かなかつたか、聽いたかという点をはつきりしておく必要がある。かように私は再度あなたに質問をするのであります。
  35. 世耕弘一

    ○世耕證人 お説のように解釈されることもごもつともだと思います。さき申し上げたがごとくに、拂下げに関するさような助言は辻さんから出るはずがないということを私は申し上げたのであります。先ほど辻さんがそういうことをおつしやつたと言うから、私は聽いた覚えがない、はつきり記憶はない、こう御返答申し上げたのであります。先ほど申し上げたように、拂い下げをしてやつてくれとか、するとかいうような、そういう話は一切私との間に起り得ないような状態に最初から出発しておつた。それから推してみましても、私はさような依頼は受けた覚えはない、さように申し上げたいのであります。ただ向うさんがそういうことを言うたとおつしやるから、それなら言うたかもしれぬけれども、私が聽いたということをはつきり覚えておりません、こうお答えしておるわけであります。
  36. 中野四郎

    ○中野(四)委員 從つてこの問題の起る根本問題でありまするが、世耕君は証人としておいでを願つたのでありまするから伺いたいと思いますことは、世耕指令の第一号でありますが、いわゆる摘発処理の法的根拠がこれは明確でないことであります。世耕君が証人として出られたのは今日が初めでありますので、從つて公式にお尋ね申し上げ、お答えを請うことも必要だと思うのでありますが、摘発された物資の割当、配給は摘発処理要網の規定にも明示されておるように、経済安定本部並びに主務官廳において行うということになつておつて、委員会にはその権限がないということは明確になつております。さらに一歩進んで民間の情報提供者に対して、仮摘発指令書を発したり、物資の調査、集荷、輸送をば委託したり、または摘発物資に関する拂下げの指令書を発したりすることのできる何ら法的な根拠がないということは明確になつておるのでありますが、当時世耕君は摘発のみならず、これに対する処理の指令を出しておられることは、今日かくのごとき詐欺事件を起して、全國に容易ならぬ事態を起した根本は、ここから発しておると思うのでありますが、この世耕指令第一号によるところの摘発処理の法的根拠と、今日世耕君の考えておられるところの所見を伺いたいと思います。
  37. 世耕弘一

    ○世耕證人 第一号の拂下指令書を出した理由について御説明申し上げます。それはまつたく特例でやつたということはお説の通りで、実はこういうわけであります。その指令書を発行いたします当時の日本の実情は、非常に食糧が緊迫いたしておりました。現に東京のごときに二十日間以上欠配いたしまして、米をくれという運動が盛んに起つたときであります。政府筋は供出の不能の結果、食糧飢饉になつたのだから、供出を拒否して出さないような惡農に対しては嚴罰をもつてこれを臨む。なおまた司令部の意向としては、さような時局を認識せざるところの農民に対しては、供出はもちろんのこと、財産を沒收してもいいというような意向が新聞に現われた当時であります。で私といたしましてはこのまま推移すれば強権発動と、同時に財産沒收ということが結果において現われてくるであろう。しからば純朴な農民は非常な衝撃を受けるに違いない。衝撃を受けた結果、いい結果になればいいが、結論において今年は強権発動、財産沒收の威力によつて供出は完納できるかしらんけれども、この結果來年は米の收穫が非常な減産をすることを政治的に見て考慮しなくてはならぬ。これは一大事だ。できることなら双方の対立を緩和しなければならない。その緩和する方法としては、今問題になつております隠退藏物資の一部をこの方面に流して、この危機を突破するということが國家のために適当であろう。かように考えましたから、農林大臣に相談して、強権を発動することをいましばらく待つてもらいたい。実は隠退藏物資の摘発で少し見込みのついたものがあるから、これをそつちの方へ振り向けてこの危機を突破したらどうだろうというような話をしたところ、そういう便法があるならば結構だから、君骨を折れという話であります。そこで私は当時栃木縣下において檢察廳の協力のもとに民間の協力を得て摘発したものの中に、軍服が約五、六万着あるという報告を得ておりました。いわゆる軍衣袴であります。それをそちらの方に振り向ける、すなわち信越、東北十縣で約五百万石からの米が供出滯納しておる。その分に振り向けたら米が出るだろう。こういう構想がありましたので、まず農林大臣商工大臣内務大臣、大藏、安本の関係各大臣を訪問して、今申し上げたような実情を話して、臨機の処置をとるから承知してもらいたいということで、それぞれ関係閣僚は了承してくれましたから、いわゆる指令第一号というものを発行したような次第であります。かような処置をとりました結果、さいわいにも地元の農民諸君は非常に感激し、協力してくれまして、まだその報奬物資として渡す手配の届かない前に、皆各地に電報を打ち、人を派して協力してくれて、わずか一週間足らずに三百万石の米を実際に出してくれたようなわけであります。かような実情でいよいよ米も出てまいりましたから、その報奬物資を当てなくちやならぬと思いましたが、まだ的確な確認を得ておりませんから、その的確な確認を得ると同時に、その取引について問違いのないようにと思いまして、有力な弁護士を二人つけ、また全國農業会、山形縣の農業会の関係者も、全國的にそれに参加するようにつけまして、しかも現地においては当該縣廳並びに檢察廳の立会の上これを收受すること、またそれが決算にあたつては本省に帰つて関係官廳に指図においてこれをなすことという條件を附した指令書を出したのであります。嚴密な意味から言えばあるいは違法とお叱りを受けるかもしれぬけれども、事態さようでありましたから、特に関係閣僚の了解のもとにやつたような次第であります。但しその指令書を出す場合において事務官側から異議がありました。この指令書を出すことは、官廳の文書としては異例である。不都合だということで、私に抗議的な注意を言つてまいりましたから、私は即座に、今もし君の言うごとく正式の手続をふんでおれば、少くとも二十日、二週間を要するのではないか。その二十日、二週間に東京の市民はどういう結果になるかという食糧事情を君は知らぬことはなかろう。手続はあとでゆつくり合法的にしたらいいじやないか。非常手段で解決をしなくちやならないほど今日の事態が急ではないか。もしそういう点について責任が問題になるとするならば、ぼく自体が全責任を負うと言うたところ、それほどの決意なら出したらいいでしようというような、実はいきさつがあつたわけであります。  なお長くなりますが、第二問についてお答えいたしたいと思います。以上のようなわけで拂下指令書は前後ただ一つ出したきりであります。それ以外には、未だ專門委員もきまつておりませず、委員会ができたばかりで、すずり箱一つ買い集めなくちやならぬ、いす、テーブルも用意しなくちやならぬというような実情でありましたから、進んだ事務の処理ということは、ほとんど非常処置をした以外にはとつておりません。     〔委員長退席、梶川委員長代理着席〕  ただ当時、隠退藏物資の処理委員会ができたというので、隠退藏しておる者が非常に衝撃を受けて、頻りに移動を開始しておつたのであります。あるいはトラツクあるいは汽車、船の便を利用し、非常な移動を開始しておつたから、移動してしまつてからでは本來の目的が達せられない。できることならその移動を抑えなくちやならぬ。そうして物の在りかを先に押えなければならぬから臨機の処置をとるがいいかというので、関係長官であつた安本長官に了解を得て、移動を禁止する非常的な手段をとつたことは承知いたしておりますが、それ以外に自分としては特に御非難を受けるような行動は一つもなかつたと思うのであります。ただ、君がさような指令書を出したから世間に問題が大きくなつて、幾多の事件ができたじやないかという非難、あるいは御指摘をちよいちよい耳にするのであります。同時にその結果私に政治的責任を負えというようなことも巷間傳えられますけれども、私といたしましては、私の指令書をもつて摘発に行つた者で、犯罪を構成して処置された者というのは、私の記憶する限り一人もないのであります。この点をはつきりと申し上げます。ただ私の名前を利用し、あるいは印鑑を僞造し、名刺あるいは手紙を僞造して幾多の事件が発生しております。これも私に関係あることだから、私に責任を負えというならこれは別でありますけれども、ただ当時詐欺事件が多いこと並びに隠退藏物資をめぐつて詐欺、横領、窃盗、強盗、集團強盗、私はそれを見るに見かねて起ち上つたのでありまして、むしろ私がやつた処置によつて幾分でもさような惡徳行為が防止できた。しかも学者仲間では、当然三月危機が到來して日本が経済的破滅をする、日本民族の生活が破壞に終るというようなことが言われていたのを、幾分でも私の仕事によつて切り抜けられたということを私は確信しております。この意味においてむしろ功績を称えれば別として、特に政理的責任を追究される理由は私自身としては少しも感じておりません。どうぞこの点は私のこれまでとつた氣持も十分御了承くださいまして、正しい御判断を願いたいと思うのであります。
  38. 中野四郎

    ○中野(四)委員 世耕君の國家を思う熱誠はよくわかるのですけれども、いかに事態が切迫しておりましても、立法府議員たる世耕君が、法律を無視してまでもこのことを強行しなければならぬということは、はなはだ遺憾のきわみだと私は思うのであります。特に先ほど強権発動と報奬物資の関連について述べられましたが、農村から米の出ない原因は多々ありますが、端的に報奬物資のみによつて供出を慫慂するという行き方は一時の應急の処置としてはよろしいかもしれませんが、恒久性のないことは、もとよりのことであります。この問題はまた別の機会に論ずるといたしましても、あなたが先ほど來自分の出した指令書によつては一人も世の中に被害を與えた者はないと言つておられますが、どういたしまして、これは世耕君の考え方と結果はあくまでも反比例をしておるのであります。すなわちあなたが山形縣の農業会に向つて六一%しか出ていなかつた米に対して、軍服を拂い下げるということを前提に、いわゆる報奬物資をば公定で拂い下げるということを前提に、一〇六%まで供出せしめた。しかしながらその結果はあくまでもこれは隠匿物資にあらずして、物資を報奬用として送ることができなかつた。特に先ほど申された今日最高裁判所の判事である塚崎直義君と浜田三平君らはこの前この委員会に來られて証人として返べられたときにもいろいろ議論があつたことであります。特に法律的越権行為がない、差向けられた弁護士両君が農業会に向つて一着二円、五十万着だから百万円を要求しておる。その要求しておる書類の事実によつても明らかであります。世耕君は善意によつてすべて出発されたでありましようが、その結果は非常な惡結果になつて現われたという事実によつてもわかるのであります。しかしながらこの点をここで議論しようというのではありませんが、私が世耕指令の第一の問題を取上げるのは、世耕君と龜井一郎君との問題を伺いたいということを前提として伺つたのであります。すなわちこの仮指令書をあなたが百四十四通出しておる。このうち三通まで龜井君がいわゆる情報提供者となつて提案をいたしておるものであります。從つてこの問題は世耕君が深く取上げて、そうして仮指令書をば発行しておられるのであります。そこでこの龜井君と今度の事件と世耕君とが直接関係あるとは考えませんが、世耕君と龜井君との交友関係あるいはその後における摘発等の状況について知られる限り、この際証言として述べていただきたいと思うのであります。
  39. 世耕弘一

    ○世耕證人 お答えいたします。龜井君とは代議士当選以來、党派は別でありましたが、議会で顔見知りという程度以上に交際はいたしておりません。なお日にちをちよつと忘れましたが、私が就任中に龜井君が非常に軍服並びに繊維品に関する隠退藏情報を多数もつておるから、ぜひひとつ会つて協力を求めたらどうかと斡旋をしてくれる人があつた。それじやひとつ会おうかというので龜井君のほかに私の友人を三人ばかり交えて、五人で会食をしたことを覚えております。     〔梶川委員長代理退席、委員長着席〕  その会食したときの龜井君の話では、全國に陸軍並びに海軍の復員関係の事務所がある。それが数にして千二、三百箇所ばかりある。その千二、三百の箇所にはそれぞれの物資が多量に保管されておる。これをばこの際供出するということは、民間に繊維品不足の場合非常に効果的だと思うという一点、もう一つは久里浜方面に日本の外國において捕虜生活をした者が着て帰つてきた軍服が約七、八万着脱ぎ捨ててあり。これはP・Wでしたか、あるいはW・Pでしたか、背中にそういうマークのついたもので、洗濯しなければ使えないけれども、これを洗つて更生させれば非常に多数の者が益することができるから、これをぜひやる必要があるだろう。なおその他に久里浜方面には莫大な繊維品その他の軍需資材が残されておるからこれを摘発したい、ぼくの方でも協力するからぜひ摘発の手続をとつてほしい、こういう話がその晩の話の中心でありました。話の筋といい、また龜井君はかつては國民服を全國的に取扱つた経驗者でもありました関係から見て、相当信をおいていいと私は考えましたので、話を相当信用して聽いておつたのであります。その後両三日を経てから私のところに京都方面の摘発の指令を要求してまいりましたから、そのある場所、所有者並びに摘発に至るまでの経路等をば逐一書類で檢討いたしてみますと、相当信用のおける筋合のものだと考えましたから、摘発仮指令書というものをば出したような次第であります。ところがその摘発指令書を出した後に、また数通の摘発指令書を出してくれということを私附きの事務官から話があつたから、前回に出した指令書の結果を報告しないで、またあらためて摘発指令書を出せというのは納得のいかないことであるから、前回の指令書の結末報告をしない限り、あとの結令書は出さないようにという注意を與えておいたわけであります。以上申し上げたことが龜井君に関する全部であります。
  40. 中野四郎

    ○中野(四)委員 他の方の質問もあろうと存じますので、私は次の機会に讓つて質問はこれで止めます。
  41. 梶川靜雄

    ○梶川委員 先ほど中野委員から質問のありました世耕指令第一号並びに特に拂下指図書の第一号についてお伺いしたいのでありますが、先ほどの世耕証人のお話では、事務当局の拒否があつたにもかかわらず、それを緊急事態として説得さしたという話でありますが、その場合に世耕証人は当時副委員長であり、また政務次官であつたのでありますが、その当時あなたの上司に対してこのことについては了解を得られたかどうか、独断でそれをやられたのか、その点について御証言を願いたいと思います。
  42. 世耕弘一

    ○世耕證人 その点についてはただいま申し上げたつもりでありますが、重ねて御返答申し上げます。実は安本、大藏、商工、農林、内務各大臣に私が行つて事情を述べて了解を得たのであります。しかもその了解を得た理由をその指令書の中に書き加えて出したようなわけであります。でありますから私の独断でない。独断でしたということになれば、それを一々各省に判をとつてまわつて、正式の書類として出すのが至当であつたという問題が出てくるのでありますが、そのひまがなかつたからそういう手続きは後まわしにして非常措置をとつたわけであります。各大臣についてはその処置をとることをば私自身が出向いて了解を得てやつたということだけを重ねて申し上げておきます。
  43. 梶川靜雄

    ○梶川委員 これは非常に重大なことでありますので、先ほど中野委員からもお話のありましたように、結果として非常に大きな問題になつておりますので、この際今証人の取調べ中ではありますけれども、安本、大藏、農業、商工、当時の関係各大臣を、この拂下げ指図書というものをめぐつて明確にする必要がある。これは当然に官界粛正並びにこれらの問題が関連して、えてしていわゆる不浄な不当取引になりやすいのでありますから、この際にこれをお諮り願いたいと思います。
  44. 中野四郎

    ○中野(四)委員 この件について議事進行に関して申し上げたい。梶川君の今の証人申請の件ですが、これは梶川君ももとより関係しておられたと思いますが、隱退藏物資委員会の席上において問題になつた。世耕君みずからが立法府議員でありながら、法律的根拠のないということの是非を私は今伺いたかつたのであります。証人申請の問題はこの前農林大臣、大藏大臣石橋君、あるいは商工大臣の出席を求めた委員会の記録であるはずだと思います。從つてあらためて証人を申請するなれば、別な観点からならば別として、この件に関してならば速記録によつて明確であると思いますが、いかがでしようか。
  45. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 証人の調べとは別に、後で終了してから一まとめにしたいと思いますから、そのときにひとつお申出を願いたいと思います。何か世耕さんに御質問ありませんか。
  46. 石田一松

    ○石田(一)委員 世耕証人にちよつと遡つてお聽きしたい。先ほど委員長の質問の中に、辻嘉六氏は政界の表面には出ないが、裏面において隱然たる努力をもつているということに関して何か御存じのことはないかという質問に対して、世耕氏は辻氏が政治家に相当好意的に経済的援助をしていたことも、知己があることも知つているが、勢力があつたかどうかは知らんと言つて、そのすぐ直後世耕氏が隱退藏物資の処置に関する決意を披瀝したときに、辻嘉六氏はそれは國家的ないい事業である、大いにやれ、こういうことは檢事総長とか、あるいは司法大臣とかによく打ち明けてやつたらいいだろうと辻氏が斡旋してくれた。こういうお言葉がございましたけれども、その斡旋をしてくださつた言葉をお聽きになりまして、どういうふうに世耕氏はこれを御解釈になつたか、全然政界に勢力のない人が司法大臣や檢事込長を紹介してやるからゆつくり打ち明けて話をしろということ自身が私には不明でありますが、この点に関して証人のお考えを聽きたい。
  47. 世耕弘一

    ○世耕證人 言い逃れをするようにお聽取りを願うと遺憾でありますが、私の率直な感じを申し上げますと、政界に知己が多いということと、政界に勢力をもつておるということとは少しく関係が違うと思うのであります。私の申し上げたのは、長年政界に関係をもつていた人であるから知己が多い。その知己がすなわち司法大臣並びに当時の檢事総長あたりにもあつて、それで私にそういう助言をしてくれた。かように私は考えております。
  48. 橋本金一

    橋本委員 先ほど世耕氏の証言の中に書籍の買入と新聞記者の各位を招待したほかにあれを受けておるのではない、その間においていずれからも金を受取つておらなかつたこと。受取つたことはないということは世耕氏の性格並びに選挙区が金が要らないからである。かような証言がありましたが、その間さすれば金を渡すとか、渡さぬとか、断わられたとか、あるいはそういう話が全然なかつたとかいうその点をお伺いいたします。
  49. 世耕弘一

    ○世耕證人 隱退藏物資の摘発をしておる最中に相当多額の金を私の手もとにもつてきたことは事実なりとは申しません。あるとき百万円、あるときは十万円、あるときは五万円ぐらいの新聞包のようなものがいろいろな名目で届けられたことはほのかにまだ記憶に残つております。しかしながらもし万一私がそういう金に手を染めたら最後、隱退藏物資の摘発の仕事は終りを告げなければならぬということを私は覚悟いたしておりました。当時の隱退藏物資の摘発にあたつては、特に官界方面から私の身辺を何か欠点があつたらひつくくろう、檢挙しようというような、鵜の目鷹の状態であつたのであります。言わばすなわち荊の道を歩くような現状でありましたから、私はそういうことを予測しておりました。その結果さような金銭には一文も手を触れておりません。ただ今申し上げましたように、受取らぬか、浄財だから何も関係がないのだからというようなことを言つてきたことも今の数回は記憶しておるようなわけであります。
  50. 橋本金一

    橋本委員 重ねてお伺いいたしますが、さすれば先ほどの証言の中にありました選挙費用が要らない、世耕氏の性格から世耕さんという人は金を受取らない、もつてこなかつたのだ、こういうお話でありますが、金はもつてきた事実はあるが、世耕氏の性格並びに選挙費用も要らない地域であるから、もつてくるはもつてきたが受取らなかつたと承つてよろしゆうございますか。
  51. 世耕弘一

    ○世耕證人 ただいま申し上げましたごとくに、私は人のお世話をこうむつて選挙をやるというようないき方は今日までいたしておりません。これは私の性格がそうさしたのであります。だから実は八回選挙をやつて四回落ちた、いわば理想選挙を私はやつてきた結果であります。なおもつてきたのを受取らなかつたというのは、先ほど申しましたごとくに、私はきれいな手で仕事をしなければならぬという立場におかれておる。普段なれば友人関係を通して、あるいは知己を通して、お祝いの金とか、あるいは甫に使途の明らかな金なら、貧乏いたしておりますからいただかぬとは申しません。しかしいやしくも隱退藏物資という仕事をやる反面には、必ずいろいろな魔の手が伸びることを承知いたしておりましたから、実はびた一文もこれには手を触れていなかつたということを申し上げたいのであります。
  52. 橋本金一

    橋本委員 世耕氏の、この問題に関して金を受取らないということは、証言によつて大体私どもも了承いたしまするが、しからばなお一應承つておきたいことは、本事件に関係ある方面から金によつて依頼をすべく來たことはあるかないかを承つておきたいと思います。
  53. 世耕弘一

    ○世耕證人 本事件に対して、拂下げをめぐつて金をもつてきたというのは一つもありません。しかし摘発という大きな仕事に対して費用がかかるでしよう。國家的な事業だから、浄財だから使つてお國のために役立たしてくださいと言つてもつてきたのは、今なお数回あつたことを記憶いたしております。
  54. 橋本金一

    橋本委員 なお重ねて承ります。証言の内容はわかりましたが、しからばたまたまこの事件に関係した方面の者によつて、そういうことがあつたかないかを承つておきたいと思います。
  55. 世耕弘一

    ○世耕證人 この事件に関係しては一人もなかつたと記憶いたしております。ただこの事件と申しますのは、すなわち中曽根事件とも申し上げてよろしいと思いますが、それ以外にあつたのは、原侑君が、これは浄財だから使つてくれと言うてもつてきたのが百万円ほどあります。それは非常に友人としてありがたい、御好意はありがたいけれども、私の選挙区は金の要らない選挙区であり、今度は人樣のおせわもやる暇もないから、たとえ浄財でもそういうお金を、私はいただく筋合いではないからと言つてお断りしたことがございます。
  56. 梶川靜雄

    ○梶川委員 その百万円の方はよくわかりましたが、あとの十万円とか五万円とかいうような、こまかいのも相当あるように先ほど言われたのでありますが、これはあなた自身が非常に高潔な、正義感の勝つた方であると思いますので、そういう言わば忌わしいことについては非常に脳裡に深く刻みつけられておると思いますので、御記憶の点は、本委員会協力される意味におきましても、全部申し述べていただきたいと要求するわけであります。
  57. 世耕弘一

    ○世耕證人 もう一点あるのは、多分新潟縣の農業会の関係であつたかと思いますが、記憶ははつきりいたしておりません。これは摘発に協力したいという関係から、手もとに遊んだ金があるから、五十万円ほど小切手を切つてもつてきておるが、使つてくれぬか、こういうお話はありました。それは御好意はありがたいけれども、私としてはお受取りできぬのみならず、その蔭には何か私に條件をつけようというような空氣が察せられたから、もしそういう金銭問題で私のところへ摘発に絡んだ話があるのなら、今後出入をせぬようにしていただきたい。役所にお訪ねくださつてもお目にかからぬからと言つて、はなはだぶしつけであつたけれども、追い帰しております。その他役所であつたと心得ますが、新聞紙に包んだものを一、二もつてきた者もありましたが、これも同樣にお断りいたしております。
  58. 梶川靜雄

    ○梶川委員 断られたという事実でなくて、その名前をわれわれは伺いたい。
  59. 世耕弘一

    ○世耕證人 名前はそういうわけではつきりいたしておりません。何しろ当時は自轉車に乘つてくる人があり、あるいは自動車に乘つてくる人があり、入れ替り立ち替りいろいろな人が出入りいたしておりましたので、はつきりしたことを記憶いたしておりません。
  60. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかにありませんか。――それでは済みました。
  61. 世耕弘一

    ○世耕證人 この機会に、本問題の最初にさかのぼつて、隠退藏物資の特別調査委員会を設置していただくように私が議会に要請いたしました当時の建前から、ごくわずかな時間をいただいて、委員長にお願いしたいことがあります。それはどういうことかと申しますと、私が最初に隠退藏物資の摘発に関して、特に議会の御協力を願いたいという理由は。厖大な物資がなお隠匿されておる。その隠匿された厖大な物資がやみ市場に現われ、それが不正取引となり、インフレの大きな原因となり、日本道徳を破壞し、再建を非常に妨げておる。ゆえに大きな議会の力をもつてこれを早急に御処理願われることを念願したのが、私の最初要請した一つの要旨であります。そういう建前から私の感情を率直に申しますと、現在なお國内には莫大な数量が隠退藏されておると私は察知するのであります。そこで委員会の御活動を願いたいという要点だけを申し上げますなれば、まず戰爭で負けた日本の國内にあるいは数千万円、あるいは数億円の成金ができておる。この現状を何と見るか。すなわちいわゆる不良官僚と結託して不正な拂下げが行われ、その不正な拂下げを受けた結果厖大な利得をしている。これがすなわち敗戰後の成金を生み出した一つの例であります。ぜひひつ委員会のお力をもつてこの不正拂下げに基く不当財産を取得した者にメスを加えていただきたい。  それともう一つは、私の体驗から申しますると、全國に数千万円、あるいは場所によつては数億に上る資産家、敗戰の日本の現状から想像のできぬ財産家ができておるのであります。これは私の口から申し上げるまでもなく、國民の耳目にすでに現われている事実であります。どうぞ委員会の御威力をもつてかくのごとき矛盾を根本的に是正して、國民が納得のいくように御処理が願いたい。すでに正当な相続をし、正当な取引によつて、戰爭前に親から讓られたりつぱな財産が敗戰の結果としてその大半が國家の税金として納めなくちやならぬ現状に、不正な官僚と結託して意外な金を儲けた者、不正な行為によつて巨万の富を得た者が、平然として大道を闊歩しているということは、日本道徳再建の上からも、私は見逃すべからざるものであろう、かように考えるのであります。ゆえにこの点をぜひ根本的にひとつメスをお入れ願いたい。私の感想から申しますれば、やがてそういう方向にメスを入れていただけることだと思いますが、この際速急にしていただきたいということは、そういうよう大きな終戰後の成金が政治を動かし、官僚を動かしておる。またそれと繋がつていろいろな状況が呈示されておるということは、これは私の手もとにはいつた情報から見ましても二、三に止まらない。賢明な武藤委員長はすでにその点については十分慧眼を注がれておるとは思いますが、最初に本委員会の前の隠退藏物資摘発に関する調査を要請した私の建前から、あらためて委員長並びに委員諸君にこの点を特に懇願してやまない次第であります。     ―――――――――――――
  62. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 証人の方に一言申し上げておきます。本日おいでを願いましたのは、大体すでに御承知のことと存じますけれども、辻嘉六氏をめぐる政治資金の糾明をする必要上、証人諸君からも証言を求めまして、その眞実を発見したいというところにあるわけであります。なお証言をされる前に宣誓をしていただくことになつておりますから、どなたか代表でお読みを願います。     〔証人青木勇君各証人を代表して宣誓
  63. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 お名前を書いて判を捺してください――。     〔各証人宣誓書に署名捺印す〕
  64. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは青木さん、杉田さん、大塚さん、三宅さん、宇田さんの順序で伺います。  まず青木さんから伺いますが、あなたと辻嘉六氏との関係をやや詳細に述べてください。
  65. 青木勇

    青木證人 私の親代りになつているのが辻嘉六と申しまして、戰時中から現在に至るまでずつと関係を続けておりますが、そのほかのことといえば別に何でもないのです。
  66. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か事業の関係でありますか。
  67. 青木勇

    青木證人 事業の関係はありません。
  68. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 どういうことで続けているのですか。
  69. 青木勇

    青木證人 現在は私の親代りというほかには説明のしようがありません。
  70. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 あなたは貿易商をしておられますか。
  71. 青木勇

    青木證人 昔はやりました。昭和十八年からやめております。
  72. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 貿易商をしているころには辻氏と関係はなかつたのですか。
  73. 青木勇

    青木證人 ありましたが事業的には関係ありません。
  74. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か貿易をやるのについて、官廳方面あるいは会社方面に辻氏の口入れ紹介等をしてもらつた。そういう意味で関係をしたのですか。
  75. 青木勇

    青木證人 いいえ、違います。私は石綿、アスベストの貿易をやつておりました。
  76. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 どういう機会から親代りというような深い関係になつたのですか。
  77. 青木勇

    青木證人 自分の知事から紹介されまして、出入するようになつたのが端緒です。
  78. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 親代りというと大事な間柄ですが、知事の紹介で出入りして親代りになるというのでは薄弱ですね。
  79. 青木勇

    青木證人 私は今両親がありませんから。
  80. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それなら辻とは限らないでしよう。
  81. 青木勇

    青木證人 しかし先ほど政治資金糾明ということをおつしやいましたけれども、私は政治資金に対して金を出したのではありません。
  82. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いや金のことを伺つているのではありません。親代りになつたのはどういう動機でなりましたかということです。
  83. 青木勇

    青木證人 動機といつて別にありません。ずいぶん長いことだからそんなことは忘れている。利害関係とかそういうことはありません。
  84. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 私の方は利害関係があるとか、金を何したかということを聽いておるわけではない。あなたと辻さんとの関係について聽いておるのです。親代りというから、親代りになるに至つたのはどういう事情ですかということを聽いております。何か初めから警戒をして、もし関係があると言つたら困るのじやないかという立場でなく、あつさり答えてください。
  85. 青木勇

    青木證人 私はこわくも何もありませんから、ほんとうのことを言つておるわけであります。はつきり憶えておりませんけれども、昭和十五、六ごろ私の知人から紹介されてあすこに出入りするようになつた。
  86. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 出入りして何をやつておいでですか。どういう用で……。
  87. 青木勇

    青木證人 それは個人的なことで、ただ行つたり來たりすることです。
  88. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何かあるのじやないですか。
  89. 青木勇

    青木證人 何かあるかと言われますが、ないものはない。ただ親代りに願つたのは終戰と同時ぐらいで、それまではただ出入りするというにすぎません。私が結婚をするときに親代りになつてもらつた。(「それなら何でもないのだ」「それを早く言えばいい」と呼ぶ者あり)
  90. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 次に伺いますが、辻氏に百五、六十万円、あなたが献金をしておると辻氏は言つておられるのですが、その通りですか。
  91. 青木勇

    青木證人 献金という意味ではなく、私が終戰前に三回か四回にわけて金を出したことはありました。
  92. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いつごろですか。
  93. 青木勇

    青木證人 昭和二十年のころじやないでしようか。
  94. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 二十年のいつごろですか。
  95. 青木勇

    青木證人 三回から四回にわけて出しておりますから。
  96. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いつからいつごろまでですか。
  97. 青木勇

    青木證人 まだ終戰になる前ですから、春から夏ごろまでの間、三回ないし四回にわけて……。
  98. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いくらぐらい……。
  99. 青木勇

    青木證人 おそらく百四、五十万になるのではないかと思います。
  100. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それはどういう趣旨の金ですか。
  101. 青木勇

    青木證人 そのときは牛込も経済的にはあまりゆたかでありませんし、ただ生活資金の一端にと思つて出しました。
  102. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 向うから要求があつたのですか。あなたの方から自発的に出したのですか。
  103. 青木勇

    青木證人 私は始終出入りしておりましたから、あそこのふところ勘定はよくわかりましす。だから私は自発的に出しました。
  104. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 これはあなたのもつておつたお金ですか。
  105. 青木勇

    青木證人 もちろんそうです。
  106. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そのときはもう商賣はやめておるでしよう。
  107. 青木勇

    青木證人 やめております。
  108. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そうすると貿易でもうけた金ですか。
  109. 青木勇

    青木證人 そうです。仕事でもうけた金です。
  110. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 仕事というのはアスベストの貿易ですか。
  111. 青木勇

    青木證人 そうです。
  112. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いくらくらいですか。
  113. 青木勇

    青木證人 そのことはよくわかりません。
  114. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 あなたがやつておつたのでしよう。
  115. 青木勇

    青木證人 しかしいくらもうけたかということははつきりわかりませんですね。
  116. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 大体でいい。
  117. 青木勇

    青木證人 大体二三百万じやないかと思います。
  118. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そのうち百四五十万円献金したのですね。
  119. 青木勇

    青木證人 そうです。
  120. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 献金するときに二三百万残つておつたのですか。
  121. 青木勇

    青木證人 残つておりました。それは私が熱海に家を五六軒もつております。もちろんそれも賣りました。
  122. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か献金するときに條件みたようなものはなかつたのですか。
  123. 青木勇

    青木證人 何もないです。そうして私が終戰後一つ会社をやるのに、辻から九十万か九十五万くらい会社借金しておるはずです。それはいまだに帳面に残つております。日本化学産業という会社を私が終戰後辻から引継ぎまして、会社経営をやつたのですが、これは木材です。赤字が出ましたものですから……。
  124. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻氏から会社を引継いだのですか。辻氏がやつておる会社をあなたが引継いだ……
  125. 青木勇

    青木證人 そうです。私は昭和十八年に前の仕事をやめて、そのままおりました。ですから終戰後何か仕事をしなければいけないというので、その会社を引継ぎました。
  126. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 その会社は辻さんがやつておつたのですか。
  127. 青木勇

    青木證人 元はそうです。
  128. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そうすると全然事業関係がないということでもないのですね。
  129. 青木勇

    青木證人 それは終惻後事業関係はできました。しかしその会社は一年足らずで赤字を出しました。それを辻にうめてもらつて現在に至つておるわけです。
  130. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかには辻氏に金を出したことはないのですか。
  131. 青木勇

    青木證人 ありません。
  132. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 百四、五十万円というのは相当莫大な金だが、辻以外にもあなたはどこかへ金を出したことはありませんか。
  133. 青木勇

    青木證人 ありません。
  134. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻という人はどういう人に考えますか。
  135. 青木勇

    青木證人 まあいい人というよりほかに言い方がないですね。
  136. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 政治家ですか。事業家ですか。
  137. 青木勇

    青木證人 私はそういう面にはタツチしておりませんが、ただ自分の親代りだということでもつて、普通の人が親孝行するような氣持でおります。
  138. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 一月に何回くらい出入りしますか。
  139. 青木勇

    青木證人 最近は、その会社が終つてからはあまり行きません。
  140. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 昭和二十年から二十一年ごろまでは……
  141. 青木勇

    青木證人 この一年ばかりは行きませんですね。
  142. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 献金した当時は……。
  143. 青木勇

    青木證人 それは毎日のように行きました。
  144. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そのころに政治家がずいぶん出入りをしておりませんでしたか。
  145. 青木勇

    青木證人 私は大抵朝行きますからよくわかりません。まだ寢起きを襲うくらいのものですから……。
  146. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 あなた方から受取つた金をずいぶん多くの政治家に辻氏が配つておるというようなことがあるのだけれども、そういうことはあなたは聞いておりませんか。
  147. 青木勇

    青木證人 聞きません。またそういうことは私たちに話しません。
  148. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 君らからこういうふうな金を受取つても、これはみな結局政治家の諸君にわけてやるのだというような話は出ませんか。
  149. 青木勇

    青木證人 聞きません。
  150. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかに何ございませんか。中野君。
  151. 中野四郎

    ○中野(四)委員 青木君、どうも大分固くなつての話で滑らかでないですけれども、すらすらと話をすれば筋が通ることだと思うのです。たとえば今のあなたのお話を聽いておれば、結婚当時に辻さんがたいへん世話をしてくれまして親に等しい人だから、親代りとして自分は尊敬しておるというふうにおつしやれば筋はわかるのだけれども、そこのところがぎごちない。今お話を聽いた中で一箇所だけ、百五十万円くらいの生活資金を辻先生にもつて行つた、こう言われるのですが、これは親孝行をするうよな意味で、辻さんが実際金がないと思つたので差上げたのか、あるいは貸して上げて何かの事業の方で差引くというような観点に立つて上げたものか。この点を明確にしておきたいと思います。
  152. 青木勇

    青木證人 今中野さんおつしやいましたように私が金をもつて行つたことは、ただ親孝行のつもりでもつて行きました。それをあとになつて返せのどうのということはありませんです。
  153. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 他にございませんか――。鍛冶君。
  154. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 重要でもないけれど証言としての筋道が立たんからまず聽きたい。昭和十五、六年ごろ知人の紹介で知合になつたと言われましたが、知人とはどういう人であなたとはどういう関係で、またいかなる用事で辻氏に紹介を受けたか。その点まず承りたい。
  155. 青木勇

    青木證人 ただ私どもに沖山というのがおりますが、その沖山を通じて知つたわけです。
  156. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 私の質問の答にならぬが、沖山という人はあなたとどういう関係で、例の用事があつた辻氏に紹介したかと言うのです。
  157. 青木勇

    青木證人 別に用件ということはありませんけれども、当時彼は警視廳の特高課におりましたからそれでわかります。私は沖山とは友人ですから現在でも私の会社に出入りしております。終戰後日本化学産業をやりましたときも、追放になつて私の会社へ入れたことはあります。現在どこにいるか、何か木材会社にいるらしいです。ただそれだけしかわかりません。
  158. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 どういう用事で辻に紹介したのですか。
  159. 青木勇

    青木證人 用事は今言うように別にこれという用事はありません。あなた方でも人に紹介されるときは別に用事があつて紹介されますか。
  160. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それは怪しからぬことだ、ただ用事がないのに紹介したのかね。われわれが人を紹介するときは何かの用事をもつて紹介する。何か理由がなくて紹介するものではありません。私はそんなことを追究するつもりはない。辻褄が合わんではないか。
  161. 青木勇

    青木證人 紹介されたというのは、別にこういう用件でということではなく……。別に反抗的ぢやないです。私はこういうことは初めてで、どういうふうに言つていいかわかりませんから……。
  162. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それからこれは重要だと思いますが、終戰後会社を経理して赤字を出して九十万円を立替えてもらつた。終戰後とはいつごろであつて、どういう経路で赤字を埋合せてもらつたか。その点明白にしてもらいたい。
  163. 青木勇

    青木證人 それはたいか十月ごろだと思いますが、今申し上げました沖山という人のやつておる木材会社長野の方にありませて、そこから木材を東京まで運んでそれを会社経営するつもりで始めたですが、一年ばかりの間に赤字が出ました。それは統制のわくの強化と山元の違約と言いますか、そういつたことから赤字が出ました、当時丸ビルの四百二十三年、そこに事務所を設けました。
  164. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 終戰後十月というと昭和二十年十月ですね。それから一年後赤字を埋め合せてもらつたのは十月と聽いておりますから……。
  165. 青木勇

    青木證人 一遍に埋めてもらつたのではないのです。
  166. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それはいつごろか、聽きたいのです。
  167. 青木勇

    青木證人 二十万と四十万、それから二十万、そういつたこまかく割つて借入の形で埋めていただきました。しかしそれはまだ私の借入金として会社に残つておるはずです。
  168. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 それは何年何月に何十万円埋めて、何年何月に何十万円埋めた、それを聽きたいのです。
  169. 青木勇

    青木證人 最初の木材をやるときに二十万です。
  170. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 昭和二十年十月ですね。
  171. 青木勇

    青木證人 そうです、会社をやるときに二十万です。それて二十一年でしたか、やはり四十万埋めました。
  172. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 何月ですか。
  173. 青木勇

    青木證人 春ごろだつたと思います。そのあと二十万です。
  174. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 いつごろですか。
  175. 青木勇

    青木證人 やはり二、三箇月後だと思います。
  176. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 夏ごろですか。
  177. 青木勇

    青木證人 会社の帳面にはちやんと載つておるはずです。それは原さんという弁護士がよく知つておると思います。ただ山の方で引掛つてその整理を依頼しました。
  178. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 そのほか金銭のやりとりは今申したわかに何もないかどうか、それをお聽きいたします。
  179. 青木勇

    青木證人 全然ありません。
  180. 梶川靜雄

    ○梶川委員 ちよつとこれは直接関係ないようでありますけれども、前提として一つ聽きたい。証人は中野委員を非常に知つておられるようですが、どこでお知合になつたのですか。
  181. 青木勇

    青木證人 それは牛込で知合になりました。
  182. 梶川靜雄

    ○梶川委員 牛込と言うとどこですか。
  183. 青木勇

    青木證人 辻の家です。
  184. 梶川靜雄

    ○梶川委員 そうすると先ほど委員長よりお尋ねになりました辻氏のところへ政府家が出入云々という場合に全然知らないという御証言であつたけれども、中野議員は立派な政治家である。以前からあなたも御承知のごとくに衆議院に出られる前から政治家として通つておる。それも先ほで拒否したということは重大なる眞実の默祕であると思う。証人が初めて宣誓された場合にお読み上げになつたように、これには犯罪があるということも委員長から申度している。にもかかわらずこれを默祕しておる、これは重大な問題になるから、ほかにあるかないかということをもう少し率直に述べていただきたい。
  185. 青木勇

    青木證人 中野さんの今言つたように牛込で会いましたが、しかしこの方は政治家であるか、事業家であるか、私は知りませんでした。先ほど控室に來られたときに私が顏を見て、うしろに坐つておる方に、あの人は中野さんですかと尋ねたくらいであります。
  186. 梶川靜雄

    ○梶川委員 あなたは中野さんが政治家であるか何であるかわからないと今言われるが、中野君を知つておる限りは、中野君が政治家であるぐらいのことはわかつておるはずだ。從つて辻嘉六のところで中野君と会つてということ田、とりもなおさず政治家の出入りという中の一人には当然に数えられるべきものである。それを全然知らないと言うのはもつてのほかだと思います。
  187. 青木勇

    青木證人 当時は政治をやられておつたか、そういうことは私はほんとうに知りません。
  188. 梶川靜雄

    ○梶川委員 当時の問題でなくて現在を聽いている。
  189. 青木勇

    青木證人 現在は私は中野さんとお会いしません。
  190. 梶川靜雄

    ○梶川委員 現在中野君とお会いしないと言うけれども、中野君と会つたのが辻氏のところであるならば、中野君が政治家であるということはもう明瞭な事実であるのであるから、現在委員長からたくさんの政治家が出入りをしておるかということを聽かれた場合に、またあなたはどういう人が出入りしておつたか知らんかと聽かれた場合に、以前会つたときにはそれがどういう人であるかわからなかつたけれども、あとでわかつたということであつても、聽いておる時刻が現在であるからわかつておるはずである。それを默祕したということは重大な問題だと思います。
  191. 青木勇

    青木證人 先ほど委員長は献金といいますか、金を出した当時のことをおつしやつたのじやないですか。現在のことは一年ばかり行きませんですから……。
  192. 梶川靜雄

    ○梶川委員 金を出した当時のことでなくして、金を出した当時であろうが何であろうが、あなたが辻嘉六のところに出入りしておつた間に見受けた人のことを聽いている。それから発言する場合には委員長の許可を得てもらいたい。
  193. 青木勇

    青木證人 私は先ほど委員長から言われたのは、金を出した当時のことだと思つて中野さんのことを言つたのです。しかし現在は一年ばかり行きませんから……。
  194. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 証人に注意するけれども、委員諸君も、ごらんの通り君の態度に非常に非難があるので、ひとつまじめにほんとうのことを言つてもらいたい。僞証の制裁というのは非常に重いのです。たとえば一年出入りしないということも、親代りだということになると、親が病氣であるときに一年も出入りしないということは世の中にないはずだ。ほんとうのことを言わなければだめですよ。
  195. 青木勇

    青木證人 それはほんとうです。私は家内をもらうときに非常に反対されまして、そのことから現在に至つております。
  196. 梶川靜雄

    ○梶川委員 今証人の言われておることは横筋であるから打切つてもらいたい。本証人は先ほどの一件だけでみても明らかに僞証の問題であるから、今後僞証の問題として取扱うこととして私の発言はこれで終ります。
  197. 小松勇次

    小松委員 ただいま証人証言を伺うと、辻さんのところへは、親代りとなつてもらつてしばしば出入されている。辻さんのお宅のふところぐあいもよくわかるから、しばしば自分もお金を差上げたというお話がありましたが、そのよくふところぐあいがわかるということは、辻さんからその都度要求があつてお金を差上げたのかどうか、その点をまず伺いたい。
  198. 青木勇

    青木證人 ふところぐあいというのも変ですが、当時生活も大してゆたかではないと私は思いましたものですから、戰時中自分が仕事をやつて余裕ができたから、少しずつもつては行きましたが、決して要求などはしませんでした。
  199. 小松勇次

    小松委員 要求がなくしておもちになつたということでありますが、そうすると辻さんのお宅はおそよどのくらいの生計費が月にかかるというようなことも、あなたは御承知の上でおもちになつたことだと思いますが、そうですか。
  200. 青木勇

    青木證人 私が行つている時分は戰時中であつて、いろいろ物資も詰つておりましたし、それに逗子にも家がありますし、現在の牛込と両方の生活をやつておりましたから、それの生活資金とでもいいますか、そういつた面で出したつもりですか、月にどれくらい要るということまではつきりしたことは申し上げられません。それは私にはわかりません。
  201. 小松勇次

    小松委員 そうすると、あなたは辻さんのお宅では、主たる收入はどういう方面の收入があるというようなことも御存じないですか。
  202. 青木勇

    青木證人 ありません。仕事もしているわけでもないから、どこから金がはいるか、そういうことは知りませんでした。
  203. 小松勇次

    小松委員 收入の状態もよく御存じなくして、いろいろ生計が困るであろうというようなことを、あなたは御想像なさつたようでありますが、およそ辻さんのお宅はこのくらいの收入があり、このくらいの支出があるようだ、それで足りないだろうということが御想像できて、そして生計費の不足分を親孝行の意味で差上げたということではないですか。
  204. 青木勇

    青木證人 それはそうですか、今言われる收入が、月にどのくらいあるかということは知りませんが、しかし支出は、まあ五、六万円くらいじやないかと思います。はつきりしたことはわかりませんですが……。
  205. 中野四郎

    ○中野(四)委員 ぼくの名前がたまたま出たから、一言言うておく必要があるし、梶川君は大分感情的な言葉を使つておられるようでけしからぬと思うのですが、先ほど青木証人から、中野さんを知つているのではないという一言は、私は大した問題じやないと思つて聽き捨てにしておつたのであるが、たとえば青木証人を私がどこでお見かけしたかということは、今あなたが言われた通り、先ほど控室でちよつとお会いしたときにあなたにお目にかかつたのが初めてで、あなたと言葉を交した覚えはない。それから梶川君が政治家として中野四郎を知らぬことはないだろうというような、ほめていただいたのかどうかよくわからないが、辻さんと戰爭当時のいわゆる往來――今日でも往來は大いにありますが、私が牛込区会議長当時から往來しておつたことを、どうしてあなたが御存じか、あなたと私と辻さんとお会いした機会はおそらくないと私は思う。從つてあなたの御存じではないという言葉が梶川君の取上げるもととなつたが、あなたの親代りに辻さんがなつておられるか、あるいはあなたが日本化学産業の社長であるのか、辻さんとどういう関係があるのか、私のまつたく関知せざるところであります。その証人のふまじめな言動が委員会の空氣を惡化せしめるゆえんになるのでありますから、從つて慣れないことはもとよりでありましようけれども、率直に知つておる点を明確にして、いささかも疑惑を残さぬということが、國会における不当財産委員会の審理を円満に進行せしむるゆえんである。であるから語尾を残す必要は毛頭ない。かりに中野四郎がどこそこへ來てどこであなたが会つたとか、あるいは中野四郎が辻嘉六の所へ出入りをする現状をどこで聞いたか、辻老人から聞いたとかあるいはだれそれから聽いたというふうに言われれば何でもないことなんです。特に私は今梶川君が私のことについていろいろ言われる点には非常に不愉快なものを感じておる。いやしくも隠退藏物資委員会のこの席上において、自分のなしてきた政治的行動に対して毫も暗いところを感じておらない。いやしくもあなたの言われることによつて疑惑の起るようなことはもつてのほかだと思う。從つてあなたが私をどこで知つたか、まただれから聽いておるか、そういう点を明確にする必要がある。何も遠慮することはない。びくびくする必要もない。率直に言われた方がいいと思う。私ひとりの問題ではない。委員会の円満なる進行上これは必要なことだ。あなたはこわくないと言う。こわいこわくないという問題ではない。國家の問題をこの國会において取上げておる。かりそめにも警察当局や裁判所の証言と違つて罰則がきわめて軽いかもしれないがその言明は重大なものであるということを認識しなければならぬと私は思う。こういう点についてまず明確にしておかれる必要がある。私は歯牙にもかけず笑つて捨てるつもりであつたが、取上げてみればこれは明確にする必要がある。どうして私はあなたの親代りを知つておるか、だれに聽いておるか。私と辻嘉六氏との関係は天下周知の事実ですからあえて申す必要は毫もないはずである。從つてそういう疑惑的な言葉を使うことは正しくない。こういう点は明確にされる必要がある。お答え願いたい。
  206. 青木勇

    青木證人 私と中野さんは辻の家で会いました。
  207. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 話をしたのですか。
  208. 青木勇

    青木證人 話はしません。ただ二人でお話をなすつておるときに私がその場に居合わせただけのことです。そのときに顔を覺えておりますから、さつき控室でお会いしたときは口もききませんでしたが、おつしやるように政治家であるかどうかということは、そのときは私は知りませんでした。
  209. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 中野君よろしゆうございますね。
  210. 中野四郎

    ○中野(四)委員 よろしいが明確にしておく必要がある。
  211. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 済みました。御苦労さまでした。それではお帰りになつてよろしいです。     ―――――――――――――
  212. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻先生との関係につきまして、辻嘉六さんが檢事局においてこういうふうに述べております。  「杉田は自由党所属、茨城縣選出前代議士で、去る四月には衆議院議員に立候補しましたが落選しました。同人と本年四月の選挙のころからの知合いで、選挙費用が要るからとのことで私方に來たので、三万円渡してやりました。」こういうふうに申されておりますが、この通りですか。
  213. 杉田馨子

    ○杉田證人 少し違います。私が辻先生のところに伺いましたのは、昨年の四月でございましたが、辻先生との関係は一昨年の十二月に私の主人が病死いたしまして葬儀をいたしましたときに、辻先生から代理の方が御香料をもつてお見えになりました。それはあとで帳面を調べて存じ上げました。その前は辻先生とは鳩山先生の應接間で一遍御一緒になつたことがございます。そのときに、あれが辻先生であるということを奧さんから紹介されまして、初めて存じ上げたのであります。そのときは口もききませんでした。その後主人の葬儀のときに御香料をいただきまして、一度は御挨拶をお伺いしなければならないと思つておりましたけれども、機会がなくてそのままに打過ぎておりました、たまたま総選挙になりまして、主人がなくなりましたので、ちようど私は茨城から立候補しておりましたので茨城の土浦市に一色沖三郎という人がおります。この方は自由クラブの方でございまして、その前の選挙のときに他の人を應援しておつた方で、また土地の有力者でございました。今回私の主人もおりませんものですから、どうしてもこの方に力になつていただかなければ非常に苦戰でございましたから……。ところが一色さんは辻先生のお宅にしばしばお見えになつており、お話をよく伺いましたので、私直接よりは辻さんからお願いしていただいた方がよろしいと思いまして、それに前の主人の葬儀のときのお礼も兼ねてお願いかたがた伺いましたのが初めて辻先生のお宅を訪問したときでございます。そのときに一色さんに選挙の應援方を先生からお願いしていただきたい。そうして主人の葬儀のお礼を申し上げて帰ろうといたしましたところが、先生からこれをもつていらつしやいということで二万円のお金をいただきました。私はそういうお金をいただくことは全然考えておりませんので、いただく筋合もございませんし、一應辞退いたしました。しかしさらにもつていくようにというお言葉がございましたので、御好意を受けて帰りました。ですから金額は二万円になつております。
  214. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 三万円ではありませんか。思い違いではありませんか。
  215. 杉田馨子

    ○杉田證人 いいえ、二万円でございます。
  216. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 その金は選挙にお使いになりましたか。
  217. 杉田馨子

    ○杉田證人 これはどういう意味で先生が私にくださつたかそれは存じておりません。ただお出しになつた金でございますので、私は自分の私生活のために、いろいろ不如意のこともございましたので、どこにどう使つたかということでなしに、二万円の金もわずかなお金でございますので、どういうふうになつたかわからないくらいで、自分のポケツト・マネーというようなことで使つてしまつたと思うのでございます。
  218. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんが金をしたときには選挙にでもお使いなさいというような趣旨ではなかつたのですか。
  219. 杉田馨子

    ○杉田證人 辻先生はどういうお考えでお出しになつたかわかりませんが、そのときにはただお金を出して、これをおもちなさい、そういうお言葉でございました。
  220. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そのときに選挙もしつかりおやりなさいというようなことはありませんでしたか。
  221. 杉田馨子

    ○杉田證人 そういうことはおつしやいませんでした。
  222. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そうしますと、前後これだけであつて、ほかには辻さんから金を受取つたことはありませんね。
  223. 杉田馨子

    ○杉田證人 全然受取つておりません。
  224. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんは、あなたに対してと同じように、幾人もの政治家選挙などには金を出してやるというような人であることをお聞きになりませんか。
  225. 杉田馨子

    ○杉田證人 お金の問題は、最近新聞紙上にいろいろの記事が載りましたので、はつきりわかりましたけれども、その当時はただ鳩山先生のお宅に出入りされておる御樣子でございましたし、また自由クラブの方々も出入りしておるようなお樣子もかすかに見聞きしておりましたので、自由クラブないし自由党の方たちが年齡からいつてもいろいろの立場からいつても顧問のような関係で出入りしていらつしやる方であろう、いろいろ若い方たちで困る方なんかを助けるとか、好意的に人に対していろいろなお世話をしていらつしやる、そういう立場におありになるのじやないかというくらいの考えしか私にはその当時できませんでした。お金の問題については、その当時は全然考えたことはございません。
  226. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでも帰ろうとしたときに二万円お使いなさいというのでは、ちようつと意外ではなかつたですか。
  227. 杉田馨子

    ○杉田證人 たいへん意外でございました。それですから私は辞退いたしました。それを再三もつていくようにとおつしやいましたので、年齡からいきましても、何からいきましても、私の立場から好意的にお出しくださつたことだと思つて好意だけをお受けして帰つてまいりました。
  228. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 選挙が済んでから辻さんのところに行きましたか。
  229. 杉田馨子

    ○杉田證人 選挙が終りましてから、私の一身上のことについて、いろいろと自分の力ではどうすることもできかねることがございまして、どちらに御相談していいかわかりません。結局辻先生ならば御年輩からいつても、自由党のいろいろの関係から言いましても、そちらにもつていつたらというので、それで辻さんのお宅の方に一度伺いまして、ちようど御病氣で寢ていらつしやいました。簡單にお話いたしまして辻先生から松岡松平先生を御紹介いたしまして、松岡さんから近藤弁護士を御紹介いただきました。それだけのことでその後は一度も辻先生にお目にかかつておりません。
  230. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんはしよつちう鳩山さんのところや自由クラブに出入りする若い者のめんどうを見ておる、そういう人ですか。
  231. 杉田馨子

    ○杉田證人 事実はどうかわかりませんが、そういううわさは耳にしておりました。
  232. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 この金が中曽根という人が詐欺的な行為によつて受取つた金で、その金を辻さんの所へ献金したものだということは御存じないですか。
  233. 杉田馨子

    ○杉田證人 そういうことは全然――新聞が出て初めて知りましたので、大体私のいただいたお金は二万円でございます。しかしながら大体おぼろげながら想像するところでは、二万円くらいの金がどういういきさつで出たということは考える余地のない、ほんのお小遣いとしてくださつたものでございますから、そういう点まで考えたことはありません。
  234. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 あなたの方でもたいへん少額なお小遣いのようにお考えになつているようだし、辻さんの方もごくあつさり出されたようだが、辻さんは相当豪勢な生活をしておるのですか、金の二万円や三万円はだれでも來た者にぽいぽい出せる人ですか。
  235. 杉田馨子

    ○杉田證人 それはわかりませんけれども、今の時勢からいきますと、一万円や二万円は普通のお小遣いになつてしまうのではありませんか。私どもの生活からみましても、昔でしたら一万円、二万円はたいへんなお金で、そういうものを漠然といただくことは、一應普通ではいただけないお金でございますが、今ではもと千円、百円くらいのもので、出されたものを一應辞退して、さらに勧められればお小遣い程度ですからいただいても差支えないし、またその金がどういう所から出たかということは、普通の常識からいつてもとつさに出所まで追究する余裕はなかつたと思います。
  236. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それはごもつともですが、選挙にはどのくらい費用を要しましたか。
  237. 杉田馨子

    ○杉田證人 それは法定のあれがございます。茨城縣の方に私の使いました額は出ておりますので、明細なことは事務長がやつておりましてわかりませんから、あちらの方をお調べ願います。
  238. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何かございませんか。     〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
  239. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは済みました。     ―――――――――――――
  240. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 次に大塚令三さん、ただいま杉田さんに伺いましたと同じようなことを伺いたいのでありますけれども、辻嘉六氏との関係で辻氏が、  「大塚は昨年山崎衆議院議長の祕書をやつており、その当時からの知合いで、去る選挙に愛知縣から衆議院議員に出ましたが落選しました。自由党所属です。同人が去る四月上旬ごろ私方にやつてきて、やはり選挙費用を援助してくれというので二万円渡してあります。」こう言つておりますが、その通りですか。
  241. 大塚令三

    ○大塚證人 その通りであります。
  242. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 この金が中曽根という人から出た金であることは御存じなかつたわけですね。
  243. 大塚令三

    ○大塚證人 全然存じません。
  244. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかに辻氏から金を受取つたことがございませんか。
  245. 大塚令三

    ○大塚證人 衆議院議長の祕書をやつておりましたときに年の暮にお歳暮をもらつたことがあります。
  246. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 いくらですか。
  247. 大塚令三

    ○大塚證人 額ははつきりおぼえておりませんが、多分千円くらいだつたろうと思います。
  248. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 そのくらいですね。辻という人は選挙にはどつかから金をもつてきて多勢の政治家に出してやる、そういうような人ですか。
  249. 大塚令三

    ○大塚證人 私がそういうことを断定することはどうかと思いますが、大体衆議院の議長室に出入しております政治家新聞記者の風評を聞きますると、大体そういう性格をもたれた人だと私は解釈しております。
  250. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か今度は金を出してやつた政治家が当選でもして議会に來て、次官になるとか大臣になるとか、そういうような場合に意見を述べるですか。
  251. 大塚令三

    ○大塚證人 御質問の趣旨がよくわかりませんが。
  252. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か政治的に政府の地位につく人があるようなときに、あの人はよいとかあの人は惡いとか、ああしたらよい、こうしたらよいという意見を述べましたか。
  253. 大塚令三

    ○大塚證人 私に対してですか。
  254. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 一般にそういうことはございませんか。
  255. 大塚令三

    ○大塚證人 よく存じません。
  256. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 選挙が済んでから辻さんのところに参りましたか。
  257. 大塚令三

    ○大塚證人 一二回お伺いしましたが、一度は病氣で寢ておられ、一度は逗子に行つていらつしやつて留守で、選挙後に一度もお目にかかつておりません。
  258. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何か御質問ございませんか。
  259. 徳田球一

    ○徳田委員 ちよつと証人にお尋ねいたします。証人は辻さんとはいつごろからお知り合いで、どのような関係にあられるかお聽きしたいのであります。
  260. 大塚令三

    ○大塚證人 私が衆議院議長の祕書をやつておりますときからのお知り合いであります。どの程度と申しますると、辻さんが議会にお見えになつたときにお会いするとか、私宅に三四回お訪ねしたくらいであります。
  261. 徳田球一

    ○徳田委員 そうすると山崎猛前議長の御紹介で、そうして山崎前議長の大体祕書としてのお付合でありますか、
  262. 大塚令三

    ○大塚證人 辻先生にお目にかかつたのは山崎氏の前の議長の樋貝詮三氏の祕書をしておつたときからであります。別にどなたの御紹介でお目にかかつたとかということははつきりした憶えはございません。辻先生は議会にお見えになりますと、議長次室にお見えになる関係でお知合になつたと思います。どなたの紹介とはつきり憶えておりません。
  263. 徳田球一

    ○徳田委員 あなたが選挙に出られたときの運動費はどのくらいでありますか、それて二万円との関係を一つお聽きしたいと思う。
  264. 大塚令三

    ○大塚證人 辻さんからいただいた金は必ずしも全部選挙に使つたとははつきり憶えておりません。選挙費用のことは私自身が扱いませんでしたので、これは選挙費用の報告をしてあるはずでございますからお調べ願いたいと思います。
  265. 徳田球一

    ○徳田委員 どのくらいの報告をなされておるか、大体憶えていらつしやるだろうと思いますが。
  266. 大塚令三

    ○大塚證人 これは私は選挙の收支責任者が報告したのでありまして、私よく数字を憶えておりません。
  267. 徳田球一

    ○徳田委員 概略もわかりませんか。
  268. 大塚令三

    ○大塚證人 何でも法定費用の少し内輪にいたしたはずでございます。(笑声)
  269. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 もうございませんか。――では済みました。御苦労さまでございます。     ―――――――――――――
  270. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 三宅則義さん。お聽きのようなわけでありまして、辻さんとの関係について伺いたいと思います。辻氏は檢事局で  「三宅は自由党本部員で、計理士で、去る四月の選挙に愛知縣から衆議院議員に立ちましたが、落選しました。三宅とは自由党結成からの知合いで、当時の自由クラブ理事長松岡松平の紹介により知合つた者です。この三宅が本年三月下旬に私方に來て前同様選挙費用を欲してというので、現金一万円を渡してやつたのです。」このように述べておりますが、この通りですか。
  271. 三宅則義

    ○三宅證人 大体今仰せの通りであります。私は辻氏に対しまして、もらいに行つたわけではありませんが、挨拶に行きましたときに、一万円頂戴いたしました。
  272. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 これがどこからきた金であるかということは御存じなかつたですか。
  273. 三宅則義

    ○三宅證人 少しも存じません。
  274. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかに辻氏から金をもらつたことはありませんか。
  275. 三宅則義

    ○三宅證人 ございません。
  276. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 その金は選挙にお使いになりましたか。
  277. 三宅則義

    ○三宅證人 選挙には使いませんでした。私の事務所では月に四、五万円ずつ事務所の費用として要りますから、事務員の給料とか、あるいは雜費に使つたと思つております。
  278. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 辻さんは、渡すときには、選挙にお使いなさいというような趣旨でお渡しになりましたか。
  279. 三宅則義

    ○三宅證人 辻さんは、挨拶に行きましたときに、これをもつていけというお話でありましたから、私はありがたく頂戴いたしました。
  280. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 しかし参りましたのは選挙の挨拶に行つたのでしよう。
  281. 三宅則義

    ○三宅證人 私は当時自由クラブの関係者でありましたからして、自由クラブを代表して行つたこともございます。また計理士でございますから計理のことで、お前は世間に知れておる人間であるからあるいは頼むかもしれぬというので、一、二回税金の話で行つたこともございますが、詳細は記憶いたしておりません。
  282. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何かお聽きになることがありますか、     〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
  283. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは済みました。御苦労さまでした。     ―――――――――――――
  284. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 宇田國榮さんにお伺いしますが、やはり辻さんとの関係でありまして、辻さんは檢事局で  「宇田は協同党所属で、昨年は衆議院議員に当選しましたが、本年は鹿兒島縣から立候補して落選しました。同人とは十数年前からの知合いで、政友系の人です。本年三月下旬ころ宇田が私方に來て、選挙費用を援助してくれと頼むので、前同様同人に対する政治資金として現金二万円を渡してやりました。」こういうふうに申しておりますけれども、その通りでありますか。
  285. 宇田國榮

    ○宇田證人 さようでございます。その通り間違いありません。
  286. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それは選挙にお使いになりましたか。
  287. 宇田國榮

    ○宇田證人 私は新聞社や雜誌社や通信社を経営しておりました関係上、先ほど委員長がおつしやいました通り、辻氏とは十数年來の交際を続けておりますが、そのいただきました金は、自分が車をもつておつたり、いろいろ私生活にもかかりましたし、選挙と両方に使いました。
  288. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 この金がどういう金であるかということは御存じなかつたですか。
  289. 宇田國榮

    ○宇田證人 全然知りません。
  290. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかに辻さんから金を受取られたことはございませんか。
  291. 宇田國榮

    ○宇田證人 前に申しました通り、通信社や雜誌社を経営しているころ、購読料として、年に二回ぐらい、盆と暮ぐらいに頂戴いたしております。
  292. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 大体どのくらい。
  293. 宇田國榮

    ○宇田證人 その時によつて額は違いましたが、二千円とか三千円とかいうものであります。
  294. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 大体長いおつきあいのようですが、辻さんは選挙などに際しましては、やはり二万円、三万円というふうに多くの政治家に金を渡されたことを御存じありませんか。
  295. 宇田國榮

    ○宇田證人 とにかく金銭に恬淡な人でありまして、政治家にも應援されておるということを聞いております。
  296. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 何かございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  297. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それじや済みました。御苦労さま。     ―――――――――――――
  298. 中野四郎

    ○中野(四)委員 この中曽根軍服事件に関して証人を数々喚んでおられますが、檢察当局での陳述の中で、一番明瞭を欠いており、不審を重ねるものは三木武吉君のいわゆる証言であります、從つて本委員会三木武吉君のおいでを願つて陳述を求める必要があると思いますので、私はこの際証人の中に三木武吉君を求めたいと存じます。お諮りの上御協賛を得たいと思つております。
  299. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 大体どういう関係を明らかにしようというのですか。
  300. 中野四郎

    ○中野(四)委員 今申し上げたように、檢察当局における陳述の中に、三木さんの一言中、ははああの金ではなかろうか、あのことではなかろうかというような言葉を用いておられる点がある。これはあらゆる方面の者を檢察当局において取調べたうちの一番あいまいな言葉であります。從つて將來においてこれは問題化してくる過程にあるものでありますから、むしろ早く本人にここにおいでを願つて陳述を求め、この点を明確にしておく必要がある。こういう趣旨に基くものであります。五万円の金銭收受の問題がたしかあるはずです。
  301. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ただいま中野君の提議されました三木武吉氏を当委員会に喚問することについて御意見はいかがですか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  302. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 御異議ないようでありますから、喚ぶことにいたします。
  303. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 この辻事件に関係しまして、新しい証人を御喚問願いたいと思います。その一人は中央公論の編集者であり、それから、中央公論の三月号に「政治と金」という題で九鬼千丸という人が執筆しておりますが、この執筆者と、それから平野成子夫人、西尾國務大臣、この四人の御喚問を願いたいと思います。これは、辻氏から西尾國務大臣に対して二百万円の金が出ておるとか、もしくは、辻嘉六氏の口を通じてといいますか、手を通じて、二百万円の金が西尾氏に行つておるというようなことなのであります。そのうちの百万円は平野前國務大臣がもらうことになつておつたにもかかわらず、それを西尾氏が横取りしたというようなことで、その百万円を平野氏に渡していないというふうな事実があるそうであります。それに対して平野夫人がたいへん激怒されて、辻老人に対してその事実を確めたところが、はつきりそういう事実があつたということを証言されておるそうでありますから、これは明日の辻の臨床尋問の際にも委員長から質問していただきたいと思いますが、さらにその事実を確めますために、先ほど申し上げました四人の証人の御喚問を願います。
  304. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 九鬼千丸という人ですか。
  305. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 九鬼千丸というのですが、これは筆名だそうです。
  306. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 中央公論の編集長ですか。
  307. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 編集長と、それから筆者九鬼千丸。編集長は、当委員会へ出頭したましたならば、この幅者の本名を申し上げると申しておるそうであります。これをお喚び願いたい。それから、この記事はあとから私が申し上げる事件と関連もあるのでありますが、警視廳方面でもほぼ事実の記述であるという裏づけがされておる。中央公論という天下の最も信用ある雜誌の記事であります。ぜひこの点を重視していただきたいと思います。
  308. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 九鬼千丸、平野成子、西尾末廣、この三名ですか。
  309. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それと編輯責任者の山本英吉。
  310. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 九鬼千丸、山本、この両名ですか。
  311. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 そうです。
  312. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ほかに何か御意見ございませんか。
  313. 梶川靜雄

    ○梶川委員 これに関連しまして、先ほどの世耕証人の発言によりましても明瞭なように、この問題のそもそもの起りが世耕指令書第一号にあり、さうには拂下げ指図書第一号にあるわけであります。從つてその場合における世耕証人の言によりますれば、当時の関係閣僚の了承を得ておるという話でありますが、これは本問題に関して最も重点であると思いますので、昨年も隠退藏物資委員会においては一部これを明らかにした点もあるのでありますけれども、本委員会が生れましてからは拘束力もあるわけでありますし、信用力も一層加味されてまいりますので、あらためて当時の安本長官、大藏、農林、商工という関係各大臣を併せて召喚されるようお願いいたします。
  314. 徳田球一

    ○徳田委員 今梶川君の提議されました証人の喚問は必要はないと思います。実はこの問題は隠退藏物資委員会で非常に深く調べておるし、大激論をしておるのでありまして、あれが違法であることはみな承知しておるのであります。それのときには水谷商工大臣も安本の責任者もみな喚びまして、あれが違法であることに対しては異論のないことでありまして、その点は速記録を見れば大体明らかであると思うのであります。今後また仕事が非常に忙がしくなるのでありまして、こういうものを一々二度も三度も喚びましては仕事がはかどらないように思いますから、どうかひとつ梶川君そこのところは了承されまして、この証人の喚問はお取りやめになつていただきたいと思います。
  315. 梶川靜雄

    ○梶川委員 去年喚んだのは現職の大臣であり、当時の関係者ではないのでありまして、いわば一方的な言い分なのであります。從つてその間における事態というものはやはり明確にされていない。安本長官にいたしましても、当時の安本長官とは異なるところの和田博雄氏に対して質し、さらにまた商工にいたしましても水谷長三郎氏に質したようなわけでありまして、決してこの世耕弘一氏の副委員長時代におけるところの世耕指令書第一号当時のいきさつに対するものは一方的な言い分であつて、事態は明瞭にされていないのであります。從つてこれは前内閣における責任ではなくして、その前の内閣の時代におけるところの、少くとも世耕委員長がその指令書を発令したときにおける当事者の責任なのであります。從つてその間における事態を明白にしない限り、この問題を総括して結論を生み出し、さらにひいては当時の閣僚の越権行為というものを糾彈する段階には立ち至らないと思うのであります。この意味において私は要求いたしているのであります。
  316. 徳田球一

    ○徳田委員 なるほどあの当時には安本長官は和田君も喚びましたが、その前の安本長官で最も責任ある石橋湛山氏が來ておりまして、これによく聽いた。石橋君もこの問題は自分が責任をもつ、違法であろうが何であろうがおれがそう決定したのだ、おれが責任をもつということを明確に言うているのである。この点はみな速記録にあるのでありますから、まあそれくらいにして梶川君が辛抱していただきたいと思う。
  317. 梶川靜雄

    ○梶川委員 それではあらためて召喚することは差控えますが、皆さんが事態がそれによつて明白であるという、すなわち隠退藏物資委員会からの事態を申し受けるということをここで確認していただきますならば、今度の報告の中にこの事態をはつきりと織りこんでいただきたいということをお願いいたして、私の証人喚問の件は終ります。
  318. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 なお中曽根幾太郎氏は本日裁判所の方の公判がありまして、出頭できないという届けが出ております。なお塩月、藤川両氏を中曽根氏と一緒に喚ぶということはいかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  319. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 御異議ないと認めます。それでは証人出頭の日をきめます。ちよつと速記をやめて……。     〔速記中止〕
  320. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは速記を如めてください。三十日の午後一時に中曽根幾太郎、塩月学、藤川文六、三木武吉、九鬼千丸、山本英吉この六名を証人として出頭を求めて喚問いたします。
  321. 梶川靜雄

    ○梶川委員 この際私は動議を提出いたしたいと思います。それは本委員会が今まで運営してまいりました経驗に鑑みまして、裁判所の協力を非常に要するのでありますが、特に委員会の最も必要といたします公判記録というようなものは、これを裁判所において整理せられまして、本委員会が要求すれば立どころにそれが提出せられなければならないと思うのであります。しかしながら現在までの状態を見ますと、当委員会で本日まで問題になりましたたとえば中曽根事件のごときにつきましても、世耕氏あるいは辻嘉六氏あたりの証人尋問の調書は委員会が要求いたしましても、今なお提出せられていないというような状態であります。從つて委員会としてこれを要求いたしましても、なお今日までそれが出ていない。また今後も相当の日数がかかるというような話あります。このようなことではわれわれ委員会を運営する上において非常に支障を來しますので、私はこの際最高裁判所の長官に対しまして、委員会の関係事件の記録については、特に迅速にこれを整理するようにさらにまた今後大いに協力していただくようにここで決議をいたしまして、これを要請したいと考えるものであります。以上動議を提出いたします。
  322. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 梶川君の動議に御異議ありませんか。
  323. 中野四郎

    ○中野(四)委員 異議はないけれども、鍛冶君どうですか、あなたは弁護士で詳しいが、裁判所の記録を提出するということは可能ですか。関係弁護人がもつておるものを得るとか、檢察当局にあるものを提出することはある意味で可能であるが、裁判記録を委員会に出すことは可能かどうか疑問だが、この点いかがですか。法的根拠がわからぬ。
  324. 鍛冶良作

    ○鍛冶委員 言うたからといつて直ちに出さねばならぬ義務があるとは思いません。ただし向うで差支えないといつて出されるのならばよろしい。その程度のもので要請するくらいならばよかろうと思う。
  325. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 梶川君に伺いますが、ただいまの趣旨は、記録を直ちに提出するというばかりでなく、もし証言の調書でも見たいという場合には、提出できなければこつちから寫しに行くことはよろしいわけですか。寫しに行つた場合に、証人を調べてから一月経つてもまだできてないということでは困る、こういう趣旨ではないですか。
  326. 梶川靜雄

    ○梶川委員 われわれは最高裁判所を拘束する力をもつておりませんので、そういうところまで私は要求いたしません。ただ積極的に本委員会協力を要請するという意味でありまして、われわれは憲法上にも明記されてあります通り、拘束力はもつておりませんので、積極的な協力を要請したというわけであります。
  327. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  328. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それでは要請する文案等につきましては、委員長に御一任願いたいと思います。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  329. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ではさように決定いたします。
  330. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 大変時間を遅くなつたのに、新たに重大なる調査事案に対する提議をしますのははなはだ恐れ入りますが、調査要請の妥当性を詳述しますれば非常に長いことになり、皆さんも御迷惑だと思いまするし、打合会や理事会でも相当詳細に申し述べておりまするから、簡單に理由とか、証人申請の人名を申し上げておきます。芦田総理大臣や栗栖前大藏大臣、西尾國務大臣等が、土建関係や復金融資等に関連して政治資金をかせいでいる。不当金融やら、不当政治献金問題が伏在しておつて、それが政権をすら左右したというふうなことが盛んに言われておりまして、全國民はこの点について非常な疑惑をもつておるのであります。芦田総理大臣もこの点については非常に御憂慮になつたと見えまして、先日この委員会において、新聞雜誌等にもいろいろなことを言われておるけれども、自分は潔白である、從つてこの問題についていつでも自分は弁解のために進んでどういう席にでも出るという意味のことを言われたと記憶しておりまするが、芦田総理大臣自身は、あるいはあらゆる機会をとらえて自己の潔白、從つて日本の政界の信用のために、その清淨さを明らかにしていただく氣持があられることと思うのでありますが、同時に新聞界でも、雜誌界でも、あらゆる方面においてこの事実を明確にしなければならないという声が澎湃として起つておるのであります。そういう意味において、日本の政界の信用のためにも、國会の権威のためにも、ぜひこれから私が提案しまする幾多の事項について、徹底的に、積極的に調査せられんことを希望するのであります。大体の事項としましては、昭和電工株式会社不当金融、不当政治献金問題というのがあるのであります。次には竹中工務店のやはり同樣な問題があります。第三には現代議士の梅林時雄君の主宰している梅林組、これも同樣な事件があります。第四には清水組という土建業者の同樣な問題があります。第五には本委員会で今問題になつておりまする辻嘉六氏と最も好対照をなしておる終戰後の日本政界の黒幕と言われておりまする菅原通済氏、この人をめぐつての同樣の問題があるのであります。まずこの五つの問題について私は御調査願いたいと思います。内容は、昭和電工の問題は、現在の昭和電工の社長の日野原節三氏が先ほど申しました菅原通済氏の義兄であつて、これがかねてから芦田総理大臣、栗栖前大藏大臣、そういう人と相策謀して昭和電工を乘取つたというふうなこと、この日野原氏が乘取つた昭和電工に対して十七億にも余るところの融資がなされて、その融資が妥当なものではないというふうな点、それからこの融資に絡んで数億円の不当な政治献金のあつたという事実、こういうことについての御調査を願いたい。それから竹中工務店の問題ですが、これは竹中工務店から政治献金として西尾末廣國務大臣に対して百万円の金が出ております。これは現在の代議士である藤田榮君が取次ぎをしてはつきりしておる問題でありますが、竹中工務店は言うまでもなく、土建業者でありまして、この土建業者をめぐる政治資金の問題が盛んに追究されておる。竹中工務店はどういうふうな立場の関係であるかと言いますと、ひとり西尾氏の問題ばかりではない、栗栖氏にも関係があり、ひいては芦田総理大臣の政治資金になつておるともうわさされておるのであります。栗栖前大藏大臣の関係はどういう関係であるかと言いますと、昨年の十二月十三日に竹中工務店は、滯納税金約五千万円のために差押えをせられた。東京都から拂下げを受けるところの工事金があるというので、その工事金を大阪の北区の税務署の委託によつて、東京の麹町税務署が差押えをしたのであります。ところがあらかじめこの差押えに対して、栗栖当時の大藏大臣から現在の長沼管理局長に対して差押えをしてはいけないという命令があつたと称されておるのであります。あらかじめそういう命令があつたかどうか知りませんけれども、差押えがあつたときに、この長沼管理局長は栗栖当時の大藏大臣に召喚されまして、非常に叱責された。ところがそれは自分の管轄でない。それを前尾主税局長が自分の管轄であると言つたところ、前尾主税局長はまた呼ばれて大いに怒られた。その結果が主税局長から大阪造幣局長に左遷されたという、かつて例のない事件が持上つておると称せられておるのであります。そしてこの竹中氏の問題の場合におきましては、栗栖大藏大臣が関係局長、たとえば長沼管理局長なんかを暮夜ひそかに呼んで、竹中とか清水組とかいうふうな者が列席の上で融資命令する。これに対して局長あたりに非常に憤慨して、あらためてこの連中を呼んでいろいろ聽いてみると、自分の方から行つたのじやない、大臣の方からそういう注文で行つてやつたのだとか、または献金をいくらしたかというような問いに対して、額は言えないけれども、献金はしたというような意味のことを申しておるそうであります。こういうような関係でありますから、この竹中工務店のことについては、ぜひ徹底的に御調査願いたいと思います。  それから梅林の問題でありますが、梅林君はわれわれと同僚の現代議士梅林時雄君が主宰しておるところの土建業者がありますが、この人の問題についても、特融の関係についても不当行為があると言われておるのであります。すなわち大分縣へ芦田総理大臣、栗栖前大藏大臣が昨年の十二月に演説会に行かれた際に、梅林氏から依頼を受けたのでありましよう。福岡の銀行の頭取と大分縣の合同銀行の頭取を栗栖さんが宿屋へお呼びになつて、そして融資命令を出したところが、大藏省で承知してもらわなければ、自分の方では出すわけにいかないというようなことを申した。それに対して自分が保証する、自分が承諾するからいいではないかというようなことで、六千万円の融資ができ上つておるのであります。これは証人申請のときにその事情を申し上げます。  それから清水組にいたしましても、ただいま申し上げまたしように暮夜ひそかに呼んでいろいろなことを申しまして……。
  331. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 高橋君に御注意申し上げますが、大体高橋君の責任において事実関係及びこれを証すべき証拠等、明確であると考えられますならば、当委員会においてこれを取上げるかどうかということについてお諮りをいたしたいと思いますが、詳細のことは取上げることになりますれば、理事会なり何なりで整理することにいたしましたらいかがでしようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  332. 高橋英吉

    ○高橋(英)委員 それから理事会や懇談会のときに言いましたが、小沢專七郎君の関係の、やはり同樣の問題があるのであります。それから名前ははたして栗栖後援会となつておるかどうかわからないが、実質の上においては栗栖後援会と称する、復金の融資を受けた連中のみによつて組織それたものが存在しております。それがどのくらいの金を出してどういうようなことをしておるか、どういう支援をしておるかというようなことも、この政界浄化のために徹底的に御調査願いたいと思うのであります。そういうような関係で、どうぞ私の申し上げることは相当的確な資料をもつておりますから御信じくださいまして、御採択下さらんことをお願いする次第であります。
  333. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それではお諮りいたします。ただいま高橋君から御提案になりました昭和電工、竹中工務店、梅林組、清水組、菅原通済君に関する件、小沢專七郎君に関する件、これらに関する融資問題につきまして、これを当委員会において取上げて事実を調査することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  334. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それではその事実関係も相当こみ入つておるようでありますから、事実関係の整理及び証人その他の証拠関係の整理等につきましては、理事会に一任をいたしまして、これを経理することにいたしたいと思いますが、いかがでありましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  335. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 その場合に復金関係につきまして、御承知の通り復金融資に関する小委員会ができておるわけでありますから、小委員長の足立梅市君もこれに加えて、適当に連絡をとつていただきたいと思いますが、いかがでありましようか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  336. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 それではさよう決定いたします。
  337. 石田一松

    ○石田(一)委員 私は再三申し上げることでありますが、隱退藏物資委員会のときにも、またこの不当財産取引調査特別委員会の発足にあたつても、新聞とか、雜誌とか、あるいは世間のうわさであつても、それが信ずべき事件であるならば、一應これを本委員会の問題として徹底的に追究し、その追究した結果その事件が明瞭になり、事実それが無根であつたということになれば、本人のためにもなおいいし、もし追究した結果大きな問題がとらえられるならば本委員会目的が達せられるということで、証人喚問の点についてはそういう意見を申し上げたのでありますが、多数の意見は的確なる証拠を集めた後でなければ、いやしくも社会的な名誉を傷つけるおそれがあるというので、非常に愼重に取扱われたと思うのであります。ただいまの高橋委員の言われた証人の喚問については、その証人が喚問されても、おそらく全部が高橋君のおつしやることについては、動かすべからざる確証があつてのことであろうと思いますが、もしそうでなく、單なる世上のうわさであるとか、雜誌に書かれた記事であるとか、あるいは新聞のニユースなどによる根拠でこういう証人の喚問がなされるとするならば、今後は私たち委員といたしましても、こうしたうわさであるとか、雜誌とか、新聞とかいうような問題で、いかなる人物でもどしどしと本案員会に喚んで一應追究できるということの権利を保留しておいて、今の証人喚問の件について賛成いたします。     〔発言する者多し〕
  338. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 もう発言は許しません。問題は決定しました。     〔発言する者多し〕
  339. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ちよつと速記を止めてください。     〔速記中止〕
  340. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 ただいまの石田君の御発言は別に賛成を留保するというのではなく、一應注意的な御意見じやないかと思うのですが、石田君どういうのですか。
  341. 石田一松

    ○石田(一)委員 私が申しますのは、ただいまの高橋君の証人の喚問は、もちろん理事会によつていろいろ檢討されて、確実な証拠があつてのことであろうし、私もそう考えます。そういうことに本委員会の喚問はきまつておるのです。但し今度その証人を喚んで事実を取調べるというか、質問したときに、本委員会においては遂にその事実を突き止めることができなかつた。それは單なる何者かのデマであり、風説であり、根拠がなかつたという事実がここに現われるようなことがあつたならば、今後証人を喚問することは――確かなる証拠とおつしおるが、その確かなる証拠を確かめるのが本委員会の務めであるはずであります。それでありますから、今後ともこういうことを根拠にして喚び出されるとすれば、私も喚び出す権利を保留しておく。これはなにも他の委員に掣肘されることはなく、その権利を保留する。証人の喚問には賛成をするというのであります。但し証人を今後喚び出すときに、私も証人を喚問する権利を保留するというわけであります。     〔発言する者多し〕
  342. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 速記を止めてください。     〔速記中止〕
  343. 武藤運十郎

    ○武藤委員長 速記を始めてください。  本日はこれにて散会いたします。     午後六時三十五分散会