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1948-04-05 第2回国会 衆議院 図書館運営委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和二十三年四月五日(月曜日)     午後二時五分開議  出席委員    委員長 中村 嘉壽君    理事 石井 繁丸君       山口 靜江君    松田 正一君       多田  勇君    豊澤 豊雄君  委員外の出席者         國立國会図書館         館長      金森徳次郎君         國立國会図書館         経理部長    武内時之助君     ――――――――――――― 本日の会議に付した事件  國立國会図書館予算に関する件     ―――――――――――――
  2. 中村嘉壽

    中村委員長 これより会議を開きます。  本日は参議院との合同委員会を開くつもりでありましたけれども、参議院の方の御都合が惡いので、それを明日に延期することにいたしまして、本日は衆議院だけの委員会を開くことにいたします。本日の目的予算についての説明を、事務当局の方から承りたいと思います。
  3. 武内時之助

    ○武内國会図書館経理部長 國立國会図書館の経費の予算につきまして御説明申し上げます。  まず人員について申し上げますが、お手もとに差上げておきました國立國会図書館要人員概数で、ひとつ御覽願いたいと思います。これに書いてございます通り、みんなで六百四名の人員を要求してございますが、そのうち特級一名、それから一級官三十名、二級官が百四十名、三級官が二百三十名、雇が百十二名、傭人が九十二名となつております。そのうちで特に人員の多い所と申しますれば立法考査局でございまして、これは一級官が十七名おりますが、一名は局長、一名は次長、あとの十五名は議会の專門委員に照應する十五の分野にわけて、その分野の分担者一人をこれに充てるようになつております。それからその各分野の專門委員に二級、三級その他の者を五名ないし六名属せしめるようにできております。この局が一番人数が多いのでありまして、一番重要な仕事に当ります関係上、これ以上人員を減らすことは、結局仕事を阻む結果になると思うのであります。その他の点におきましては、別に特別なものはございませんで、大体最小限度と思われる人員をあげてあるつもりでございます。  それから次にお手もとに差上げてあります國立國会図書館経費概算要求額(人件費を除く)と書いてございますが、それをごらんくださいますと、順序はちよつとおかしくなつておりますが、一番初めに東洋文庫と靜嘉堂文庫があげてあります。これは両方とも國会図書館がこれを管理いたしますことが最も適当であると思考いたしまして、その経費を両図書館に諮りましてそのうちから人件費を除いた物件費だけをここにあげた次第であります。東洋文庫の大部分の書物は、ただいま地方疎開してございますので、それを東京に取寄せるために相当多額な費用、約百万円程度の維持費を加えてあげてあります。それから図書購入費は一千二百万円、これは昨年度の購入費が一千万円となつておるそうでございますが、これに約二割を加えたものでございます。次に営繕費を千二百万円。それから次に設備費が六百万円になつております。設備費は営繕費とともに非常に多額のように見えまするが、図書館は一品もございません。こちらの議会図書館にありますもの以外、全部新しくつくらなければならぬものでございまして、たとえば書物を整備するためには、專門家の言うところによりますと、今五百の書架が必要だと申しております。その五百の書架は大体今一箇一万円近くもするのではないかと思います。ただいま見積りをさせておるのでございますが、相当高いものになると思います。それからその他この図書の閲覽の設備、これも大体二百名ぐらいを最初予定しておりますので、二百名分の机、いすを用意しなければなりませんが、これはやはり一人分六、七千円の経費を要するものと考えられます。その次の印刷費三百六十万円、これはいろいろな目録をつくらなければなりません。その目録が一年のものじやなしに、できれば毎月日本で発行される書物、定期刊行物の目録をつくつて、そうしてこれは出版しなければなりませんので、印刷費は相当多額になると思つて三百六十万円あげました。それから紙類は六百万円、これもやはり相当多額ではありますけれども、図書館の仕事は紙を使わなければできない仕事が多いのでありまして、これも必ずしもそう多額であるとは思つておりません。それから写眞の複写費二百四十万円、これは今すぐに設備ができるかどうかわかりませんが、なるべく早い機會に設備をいたしまして、ただいま図書も少いことでありますから、読書の要求に應じまして書物の特殊な箇所を複写して、そうしてこれを実費でわけてあげるというようなことにしますと、非常に便利になると思いまするが、これもまだ機械が手もとにすぐにはいるというわけでもありませんので、ただ概算二百四十万円計上いたしました。次に自動車八百六十万円、これは乘用車十台、五台は中型と見ましてこれを一台八十万円、それから五台は小さいダツトサン、これは二十五万円くらいあるいは三十万円くらいというような勘定でもつて大体百五十万円あげておきました。しかしこれは実際に自動車を買う段になりますと、なかなか自動車は今高いそうでありまして、昨年の暮ごろから月に十万円ずつ上つておるといううわさもありますので、十台と書き出しましても、実際この金額で買える自動車の数は半分になりはしないかとも考えられます。次にバスニ台を計上いたしましたが、これは一台八十五万円でディーゼルエンジンの品物で相当よいものだそうであります。赤坂離宮の方に開館いたしますと、赤坂離宮と議事堂との間を頻繁に往復しなければ、議員の皆様が図書を利用することもできないし、また立法考査局などにおいていろいろ相談することもうまくいきませんので、定期にバスを運用いたしましてその不便を除こうとして計上したものであります。それからトラツク四台あげてありますが、これはやはり図書を運ぶためでございまして、大体二名は大型、二台は小型と思つております。これも実際四台書き出しましたが、買う段になりますと、あるいは半分しか買えないような結果になりはしないかと思います。次に官邸五百万円これは館長の官邸でございますが、これは今見当がついておるわけでございません。ただ一應ここに五百万円計上しておきました。それから交際費九十万円これは図書館文化の交流機関であるために、やはり相当のこういうような経費が要るのであります。経済安定本部とほぼ同額をあげたつもりでございます。これで合計六千二百四十万七千円となつておりますが、人間の六百四名は、大体において一人につきまして五万円ないし七万円かかるそうでございます。平均六万円と見ましても三千六百万円、合わせて大体一億円を要求しております。こういう数字をもつて大藏当局と相談を非公式に進めてみましたところが、大藏当局の方では非常な財政難であるという理由で、結局お手もとにございます國立國会図書館要人数(主計局査定)に書いてございます通り、三百十六名だけ承認をしてくれたのであります。特にこの中でもつて困りますのは、先ほど申しました立法考査局でございます。これは一級官五名しかはいつておりませんので、局長次長を除きますと、あと三名の專門調査員しか採用できないような仕組になつております。これではおそらく仕事にならぬのではないかと思われます。その他の局におきましても、これだけの人員をもつてしては、とうてい日本で発行される全書籍の総合目録などをつくるなんということは、考えも及ばないところじやないかと思われます。それから人員以外の廳費の方につきましては、お手もとに差上げております國立國会図書館経費概算(主計局査定)と書いてございますが、これにございますように、人件費として二千万円、これは今申しました三百十六名を賄う経費でございます。廳費といたしましては七百四十万円、その内訳は、物品費として二百二十万円、維持費として三十万円、図書購入費として百万円、自動車購入費、これは二台分だそうですが、八十万円、交際費として三十万円、食糧費が十万円、営繕費が千二百万円で、これは要求の全額を満たしておりますが、その他の経費はごらんの通り、非常に貧弱なものでございまして、合わせて三千九百五十八万六千円人となつております。大体数字はこういうことになつております。
  4. 金森徳次郎

    金森國会図書館長 私図書館長の任務を受けましたときに、大体法律を拜見いたしまして、この法律のなかみにあることは、もはや私の任命せられた立場から申しますると、批評すべきものではない。中に與えられておる義務を果すことが私の職責であります。かように考えておりまして、日本國はこの法律のなかみを実行するとう確信のもとに踏み出されておるものと、実は信じてお引受けしたわけであります。この法律の中にはいろいろのことを規定しております。中には分量で加減できるもの、すなわち次第に拡張できるものもございますが、しかしもう分量で加減できないものもありまして、法律がかくせよといつたら、是が非でもやらなければならぬ部分があるということを当初から確信しております。ところで法律でどうしてもやらなければならぬときめておる項目もたくさんございまして、その一、二には幾分は物指ではかりまして、日本の事情から、今はこの辺で止めてよかろうと考えられるものもあるけれども、それにもほぼ限度があるのでありまして、國会の需要を満たし、また一般國民の需要を満たしまして、この審理がわれわれに自由を與え、あるいは憲法の誓約する日本民主化と世界平和とに寄與するという使命を考えまするとき、おのずからそこにのつびきならぬ範囲が出てくるものと思うのであります。その中におきまして、國会に対していろいろ必要な立法資料を差出すということは、一番重要なる職責でありますから、まずそれだけについて考えてみましても、現在衆議院にも、参議院にも調査課というところがあり、制度の立て方は違うにいたしましても、やはり國会の必要とせらるる調査の仕事をやつておるのでありまして、それに対しましても相当の人員が見込まれておるということは、こまかい数字は存じませんけれども、事実として認めなければならぬと思うのでありますところが眼を変えて、國会図書館立法考査の仕事をいたしまするときに、それよりもはるかに少い人をもち、そうして事をするということになりますると、神わざにあらずんば、現在よりもずつと低い任務しかできない。すなわち法律の求めておる任務は、ほとんど面影もなくなつてしまうと確信しております。そしてまた立法の資料を供給するということは、これはニつの制約をもつております。一つは非常に專門がたくさんにわかれる。ごく俗つぽいたとえで申しまするならば、眼医者が外科医者をすることはできません。今國会に置かれておるたくさんの委員会、それを大体十五、六と計算をしてみても、おのおのは全然別個の分野をもつておられまして、この委員会を併合することは容易ではありません。とすれば、これに対應して調査の資料を供給いたしましても、どうしてもそれだけの專門に部門がわかれざるを得ない。こういう制約を受けております。同時に調査ということは、日本の國民の能力の上で相当高い品位の人でなければ絶対できません。一國の標準的な能力をもつている者だけが、初めてこれをなし得ることと存じております。從つて專門の教育を受け、その中で幾分すぐれた人材でなければならぬ。ジヨサイヤスタンスも申しましたように、百人の、調査員育成しでも一人か二人のものになるだけで、他の多数の者はものにならないで果ててしまうというくらいに困難であります。人によつてのみできる調査におきましては、相当の値打を認める調査員を集めなければできない。かりに二級官を標準にすると、きわめて少数の――予算の立て方は八人となつておりましたが、そういうものでもつで十五の部門にわたる第一線の調査をすることは、私どもとしては絶対に不可能であります。この点については一歩も譲歩することはできない。私には譲歩する権能も何もございませんが、この法律の内容を実行する職責をもつている以上、これをよろしいといつて、のみこむだけの勇氣が私には出ないということを確信しております。ものによつておのずから緩急はあるに相違ありませんが、この比較的待遇の低いわずかの人でもつて、法律の求めている調査をすることは、私に見込みがございません。この予算は三百何人と数の上で査定ができておりますが、その大部分の人は調査に関係のない人で、表に立つて番をしているとか、こまかい雜用をするとかいうような人が多いのでありまして、ほんとうの仕事を担任する者はごくわずかであります。これは行政部局でありません。現実に專門家が精魂を盡してやる所である。しかるにこういう考え方でありましたならば、ひとり私どもの仕事ができないばかりでなく、日本がこれからよつて立とうとする調査研究の基盤を、そのまま奈落の底に突き崩すものであると信じております。はなはだ勝手なことを申し上げて恐縮でございますが、私どもの立場としては、ただいま実に血を吐くような氣持をもつているわけでありまして、私どもにこの波瀾をひつくり返すだけの力がございません。どうぞ委員会の格別な御支援をお願いしたいわけであります。
  5. 中村嘉壽

    中村委員長 ただいまの金森館長のお話には私も同感であります。こういうようなことでは、この図書館を設置した目的を裏切ることになりますから、何としても図書館が要求した予算だけは、ぜひ協賛してもらわなければならぬと思つておりますから、皆様方の御盡力をお願いしたいと思います。  つきましては明日また合同委員会を催しまして、特にただいま金森館長から御力説くださつたようなことを力説していただいて御協力を願い、この目的を逹成することにいたしたいと存じております。他の委員の方何か御意見がありましたら、どうぞ聽かしていただきたいと思います。――どなたも御意見がないようですから、明日午後一時から合同委員会を開くことをここできめまして、その手続きをいたします。  本日はこれにて散会いたします。     午後二時三十分散会