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1948-05-07 第2回国会 衆議院 本会議 46号 公式Web版

  1. 昭和二十三年五月七日(金曜日)     午後五時十七分開議     ―――――――――――――  議事日程 第四十二号   昭和二十三年五月七日(金曜日)     午後一時開議  第一 地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、海上保安廳法第十二條の規定による海上保安廳の事務所の設置に関し承認を求めるの件     ―――――――――――――
  2. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――
  3. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 会期延長の件につきお諮りいたします。本件については、各常任委員長と協議いたし、議院運営委員会に諮問いたしましたところ、本予算は本月十五日前後に提出せられたきこと、六月分暫定予算も至急提出せられたきことを政府に要望し、かつ法律案については、六月十日以降提出のものについては審議の責任を負いがたきことを申し入れて、再延長はいたさぬ方針で、六月二十日まで会期を延長すべき旨の答申を得ましたので、参議院議長と協議をいたし、本日協議が整つた次第であります。  つきましては、本院においては、本会期を明八日から六月二十日まで四十四日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。  本件に関連し、小澤佐重喜君より政府に対し質疑の通告があります。これを許します。小澤佐重喜君。     〔小澤佐重喜君登壇〕
  4. 小澤佐重喜

    ○小澤佐重喜君 私は、民主自由党を代表いたしまして、ただいま議長発議によりまして議題に供されました会期延長の件に関するわが党の考え方を申し上げると同時に、これに対する政府の率直な声明を得た上におきまして、われわれは本案に関する態度を決定いたしたいと存ずる次第であります。  申し上げるまでもなく、國会法第十二條には、「國会の会期は、両議院一致の議決で、これを延長することができる。」と明記いたしております。この規定によりますると、会期の延長を審議するにあたりましては、政府の意向あるいは政府の見解等には、われわれ國会においては全然拘束を受けることなく、私どもはまつたく独自の見解に基き、また自主的な見解のもとに、これを決定すべきであるということを明記いたしてあるものであることは、何人も否定できないのであります。從つて私が、今この会期の延長を議するにあたりまして、政府の声明によつて、あるいは政府の言明によつて、われわれの態度が決定さるるのであるというようなことを言うと、あるいはこれは矛盾をしておるのではないかという誤解を招くおそれがありますけれども、これは決してそうではないのであります。何となれば、われわれがこの会期の延長を議するにあたりましては、常に諸般の事情を勘案することはもちろんのこと、あらゆる角度からこれを檢討いたしまして、まず第一に、会期は延長すべきものなりや否やということ、第二には、はたして会期を延長すべきものであるというのであれば、どの程度会期を延長するのが適当であるかということを檢討しなければならぬからであります。たとえば本会期の延長というものは、具体的に申し上げますならば、かりに現内閣が本日までに予算案を提案いたしまして、この審議が終了しておつたならば、決して会期延長という問題は起こらぬのであります。ということになりますると、いきおい政府のこの予算編成に対する熱意、態度、考え方というものが、われわれの会期の延長をいかにすべきかということに重大な影響があり、重大な参考となることは、言うまでもないのであります。  しかも、今日の第二國会というものは、國会法上のいわゆる常会というものは、他の臨時会あるいは特別会とは大いにその趣きを異にいたしております。たとえば國会法の規定を見ましても、常会におきましては、その召集というものは、毎年十二月の上旬にこれをしなければならぬと規定しており、また会議の点におきましても、他の臨時会とか特別会というものは、全然期間を法律に明定していないにもかかわらず、この常会におきましては、その期間は百五十日間ということを規定してあるのであります。こういう点を考えてみますると、このいわゆる国会法上における常会というものは、俗にいう予算國会なのであります。予算を審議するということが、この常会の最も大きな責任であり、また法律の予想したものであるのであります。從いまして、明文上は何も規定してありませんけれども、この法律の精神というものは、とりもなおさずこの常会が、次年度の予算を審議する予算國会であるということは、何人も疑う余地はないのであります。にもかかわりませず、政府は無責任にも、この通常会に、今まさに会期を終わらんとする今日に至るも昭和二十三年度の通常予算の提出がないということは、まことに残念にたえない次第であつて、この政府の責任たるや、非常に重大であるといわなければなりません。  しかして私どもは、かりに政府が提出しないからというて、この國会法が與えたところの予算議会において、会期を延長しなければその審議を終ることができないということは、國会議員といたしましても、國民諸君に対し、まことに面目次第もないのであります。しかし私どもは、この予算案というものにつきましては非常な重大な関心をもつておりまするので、國会におきましても、去る四月二十八日、衆議院と参議院の議院運営委員会の合同打合会を行いまして、來るべき國会に対して会期をいかにすべきかを檢討いたしたのであります。もちろんその席上に、芦田総理大臣、苫米地官房長官、大蔵大臣等の出席を求めまして、この二十三年度通常予算に対する、しかも提出方に対する政府の所見を求めたのであります。  ところが芦田総理大臣は、今議長が朗読されました通り、五月十五日ごろには必ず提出いたしますと言明し、また官房長官も大蔵大臣も、これを裏書きするところの答弁があつたのであります。しかしながら、当時参議院あるいは衆議院における議院運営委員の会合においては、政府の三人の大臣が退場後におきまして、いろいろ審議をいたしたのでありますが、政府がいかに言明をいたしても、この通常予算は決して五月十五日には提出の運びにはならないであろう、換言するならば、政府はあれほど言明しているけれども、われわれはこの言明を信ずるわけにはいかないということが一つの理由と、もう一つには、昨年の第一國会の例を考えてみますと、実に四回にわたつて延長々々となりまして、二百数日の長期にわたり、一方政府の議案の提出ぶりというものは、実に牛のよだれのごとくだらだら出ておりますから、いきおい國会の審議も、この牛のよだれのような審議ぶりという批判を仰ぐようなことになつたのであります。  こういう点を考えると、とにかく国会法によつて百五十日と規定してあるのであるから、一應ここで打切つて、そうして政府の予算案の準備ができた報合に臨時会を開いてこれを審議することが、かえつて政府のためにもよろしいではないかという結論になりまして、参議院の諸公は、ほとんど全会一致、また衆議院におきましても、與党も野党も、そうすることが國会の威信を高むるゆえんであるというので、決議こそしませんが、ほとんど満場一致でこの國会は打切るというような空氣がみなぎつておつたのであります。  ところが、続いて本月一日、あの運営委員会と各常任委員長の会合におきまして、現に淺沼委員長なども、これは会期は打切られることと考えておりましたが、いろいろな説が出てまいりまして、遂にこれを延長するということになつたのであります。しかし、わが党といたしましては、あくまでもこの二つの線に沿うて、一應会期を打切るべし、殊に國会を開いていると、大臣が始終國会に呼び出されて、大事な予算審議もできないのであるから、われわれは野党であるが、むしろ與党以上の政府に対する好意をもつて、速やかにこの予算の編成をされんことを要望したのであります。  ところが、この日に至りまして、何を考え違いしたものでありましようか、苫米地官房長官が参りまして、私の方では必ず十五日ごろには提出をいたしますから、この会期は延長してもらいたい、そうして、でき得ることならば五月一ぱいにおいて予算を審議してくれというようなお話があつたのであります。そこで私は、ただいま申し上げました通り、私の発言が、野党であるからあるいは疑われるのかもしらぬけれども、とにかくわれわれは、この予算案というものは一日も速やかに國会に提出して、一日も速やかに確定させることによつて、國民の生活に及ぼす影響がきわめて重大であるという見地から、ここに政府の立場を考えて、政府が安んじて予算案の編成をはかるようにという意味におきまして、休会を主張したのでありましたが、苫米地官房長官の言うのには、実はそのお話しも御好意あるお話で結構でありますが、どうも人間というものは、うしろからたたいてもらわぬと、つい遅れがちになるということもあるから、どうぞうしろにいて、たたいてくださいというような、まことに奇怪至極な答弁があつたのであります。こういう答弁をしなければならぬという苫米地官房長官の心のうちは、よくわかつておりますが、とにかく、こういう政府の要望があつた以上、與党の諸君はどうしてもこの官房長官の顔をつぶすわけにはいきませんから、前回の会議においては、ほとんどわれわれと同様であつたにもかかわらず、俄然この態度を変更いたしまして、この会期を六月二十日まで延長しようというような空氣が擡頭してまいつたのであります。  そこでわが党におきましても、一旦打切りを主張したのでありますが、諸君がそういうことを言うのであるならば、われわれとしては、もちろん一日も速やかに予算が成立することを望むものであるから、それは結構であるが、しかし政府の言明を信じてこの挙に出ずる以上は、必ずここに條件をつけてもらいたい。というのは、今議長が朗読されました通り、まず第一に、昭和二十三年度の通常予算案は必ず五月十五日ごろまでに提出をすること、第二の條件は、六月十日までに、予算案を除くあらゆる法律案その他の議案というものをとりそろえて國会に提出すること、もしこの期間内に提出の終らなかつた議案、すなわちその以後の議案に対しましては、國会は審議未了についてその責任を負わないこと、それから第三の條件といたしましては、この本会期、すなわち第二國会は、六月二十日以上は延期せざること、という三つの條件を附して、ここにわれわれが與党の諸君に同調をいたしたのであります。  こういうふうな事情におかれておりまするので、私どもといたしましては、現在においても、この政府の言明である本月十五日に予算が出るなどとは、決して信じておりません。從いまして、ここで本会議を通じてこの予算案を――國民待望のもとであるところの昭和二十三年度の通常予算案を、五月十五日には必ず提出するという言明を國民に與えてもらいたいというのが、私の問わんとする趣旨であります。(拍手)  さらに第二の問題につきましては、先ほど申し上げました通り、ちようど牛のよだれのようにだらだら議案の提出があつたのでは、非常に國会の審議上困りまするから、六月の十日までに一切をそろえて出す、それまでに出せないものは臨時国会に用意するというように、ここにきまりをつけて出すこと、そうして、もし出し得なかつたならば、國会のこれに対する責任はないということ、この國会の宣言した條件に、はたして政府が眞摯に、また熱心に協力するところの氣持があるかどうかということについて総理大臣から言明を得るにあらざれば、われわれはこれにただちに賛同しかねるというのが、私の質問する趣旨であります。  言うまでもなく、今日の見透しから考えますと、政府が今月の十五日と言いますれば、あと一週間であります。この一週間のうちに、三党協定からなるところの軍事公債とか、あるいは肥料問題とか、あるいは物價問題、運賃問題などというものを、いかに芦田さんが神樣であつても、これはまとまろうとは考えることができないのであります。しかるがゆえに、私どもはこの意味におきまして、本会議場を通じて芦田総理大臣の明確なる御答弁を求めた上で、本案に対する審議すなわち、委員会で言明した政府の所信をここで再び言明して、國民に誓約されんことを特に希望したしまして、降壇いたす次第であります。     〔國務大臣芦田均君登壇〕
  5. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) ただいま議題となつております案件についての小澤君よりの質疑にお答えいたします。  先ごろ議会運営委員会において政府が表明いたしました通り、昭和二十三年度予算案につきましては、本月十五日前後に國会に提案するよう、目下政府の力をあげて準備をいたしております。なお第二國会において審議を求めるべき法律案につきましても、それ以前にとりそろえて提出するように準備を整えております。政府の意のあるところを明白に申し上げて、國会の了承を請う次第であります。(拍手)
  6. 小澤佐重喜

    ○小澤佐重喜君 簡單でありますから、自席から――今、予算案につきましては了承いたしましたが、法律案その他の議案一般に関しましては、芦田総理のお話がちよつと解せないところがあるのです。その以前に出すというようなことを言われましたが、いつのことを言われるのであるか。この点、再答弁を願いたいと思います。     〔國務大臣芦田均君登壇〕
  7. 芦田均

    ○國務大臣(芦田均君) 法律案につきましては、六月十日以前に全部提出、こういうことを申し上げるのでありましたが、あるいは本月と言つたかもしれませんが、それは私の言い違いであります。
  8. 小澤佐重喜

    ○小澤佐重喜君 自席から――大体に政府の声明を了承したします。ただ、これがほごにならぬことを切に希望いたしまして、われわれは本案に賛成いたす次第であります。(拍手)
  9. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 明八日より六月二十日まで会期を延長するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) ご異議なしと認めます。よつて会期は六月二十日まで四十四日間延長するに決しました。      ――――◇―――――
  11. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 大阪及び神戸における騒擾事件について現地調査の結果を報告のため、司法委員中村俊夫君より発言を求められております。これを許します。中村俊夫君。     〔中村俊夫君登壇〕
  12. 中村俊夫

    ○中村俊夫君 先般大阪・神戸に勃発いたしました、朝鮮人学校閉鎖問題より派生いたしました不祥事件につきまして、司法委員会より山中日露史君、明禮輝三郎君及び私の三名の委員が現地視察に派遣されまして調査をいたしましたその結果を、ここに御報告申し上げたいと思うのであります。  その前に、簡單に調査の径路を御報告申し上げますが、四月三十日に大阪の檢察廳、大阪府廳に参りまして、各関係吏員より事情を聽取いたしました。さらに別室におきまして、共産党の関西地方委員の諸君から意見を聽きました。翌日さらに神戸に参りまして、神戸の地方檢察廳に至り、さらに憲兵司令官、軍政官を訪問いたしまして、次いで兵庫縣廳におきまして、兵庫縣知事、神戸市長、神戸市公安委員長、國家・自治両警察長並びに教育関係の各関係者より事情を聽取いたしました。さらに騒擾の現場を檢分いたし、翌日さらに共産党神戸地区委員会の諸君より事情を聽取いたした次第であります。さらに私は、四月十五日の兵庫縣廳における七十名の檢挙直前の状況並びに四月二十四日の縣廳前における朝鮮人約二千名の騒擾の現場の目撃者の私がその一人であるということも申し添えておきたいと思うのであります。  事件の発端を申し上げますと、昭和二十三年一月二十四日附文書によりまして、文部省より各府縣知事あてに、左の通りの通牒が発せられたのであります。現在日本に在留する朝鮮人は、昭和二十一年十一月二十日附総司令部発表により、日本の法令に服しなければならない、從つて、朝鮮人の子弟であつても学齢に該当する者は日本人と同樣、市町村立または私立の小学校または中学校に就学させなければならない、また私立の小学校または中学校の設置は、学校教育法の定めるところによつて、都道府縣監督廳の認可を受けなければならない、学齢兒童または学齢生徒の教育については、各種学校の設置は認められない、私立の小学校及び中学校には、教育基本法のみならず、設置、廃止、教科書、教科内容については、学校教育法における総則並びに小学校及び中学校法に関する規定が適用される、なお朝鮮語等の教育を課外に行うことは差支えない、学齢兒童及び学齢生徒以外の者の教育については各種学校の設置が認められ、学校教育法第八十三條及び第八十四條の規定が適用される、前二項の趣旨を実施するため適切な処置を講ぜられたいという文部省の通牒が、全國の府縣知事あてに発送されたのであります。  これを契機といたしまして、まず大阪事件について簡單に御報告申し上げます。大阪府では、二月十日、朝鮮人学校長及び学校設立者に対して、前記文部省の通牒を発送して、同時に朝鮮人学校は法令による認可手続をとり、また朝鮮人学校教職員の適格審査をただちに施行すべき旨の通牒を発送したのであります。二月二十六日、大阪府は右に関する朝鮮人学校長会議を開催し、さらに三月十二日、同樣の会議を開いたのでありますけれども、朝鮮人代表者の集合の数が少く、しかも、その來会いたしましたる朝鮮人は、いずれも教育の自主性を強調して反対したのであります。三月十六日、大阪府は各地方事務所長、市町村長、朝鮮人学校長、朝鮮人連盟委員長その他に対して左の通告を発し、これが二十三日に送逹されたのであります。朝鮮人学校の校舎貸與契約期限満了は三月末日であるから、期日限り明け渡すこと。貸與契約の延期及び再契約はなさざること。さらに三月二十三日、大阪府は各朝鮮人学校に、三月三十一日限り学校を閉鎖すべき勧告書をやつたのであります。さらに三月下旬、関係市町村においては、各管内の校舎明渡しを要求し、嚴重警告を発せしめたのでありますけれども、朝鮮人側はこれに應じなかつた。四月十二日、朝鮮人学校十九校に対して、四月十五日限り閉鎖すべき旨の通逹をさらに発送したのであります。  このような経過をたどりまして、大阪府当局は、指令または指示に基いて周到なる手続をしたのでありますけれども、十九校のうち、明渡しをなしたのはわずかに六校、他は全部これに應じないのみか、四月二十三日、大阪朝鮮人教育問題鬪爭委員会の名をもつて府廳前に集合、同日午後二時府廳前に集合したる者約七千名、これに全逓幹部二十名、その他共産党員約二十名が参加應援したと報告を受けております。  これよりさき、同日零時半ごろより、すでに大塚副知事、浜田学務課長と朝鮮人代表三十名とが、本件に関して知事室で面会、学校閉鎖命令撤回をめぐつて折衝中であつたのでありますが、このころに、府廳前に集合中の大群衆に対しまして、全逓の一員が、ただいま朝鮮人師範学校が日本官憲によつて占拠されたという演説をいたしましたので、にわかに群集は色めき立ちまして、スクラムを組み、喊声をあげて、府廳の一階から四階になだれを打つて殺到いたしまして、身動きもできない混乱になり、遂に知事室へも乱入するに至つたのであります。このとき知事室にあつた大塚副知事は、身の危險を察知いたしまして、巧妙に別室より退避いたしたのであります。この副知事の姿を見失つた群集は、にわかに騒ぎ出しまして、府廳内の器物を破壊する等の暴行を始めました。この日動員されたる警察官は、合計約四千八百名であつたのであります。これらの警察官によつて午後七時半ごろまでに全部府廳より追い出したのでありますが、このとき警察官側に負傷者三十一名、朝鮮人側にも負傷者を出したのでありますが、その数は不明であります。一方檢察廳は、右騒乱に対して、騒擾罪の嫌疑をもつて百七十九名を檢挙いたしております。  翌二十四日朝早く、これらの檢挙されましたる被疑者の収容警察でありまする南警察署に、約五百名の朝鮮人が押しかけ、午後三時ごろより警察官との間に乱鬪となつて、れんがを投げつけたりいたしまして、警察官約十三名負傷いたし、朝鮮人暴行者六名の檢挙があつたのであります。  四月二十六日午後一時、朝鮮人の大部分をまじえた二万五千の群集が、府縣前の大手前公園に集合いたしまして、代表者五名を選んで赤間知事に面会折衝いたしましたが、結局決裂をいたしました。一方群集に対しては解散命令を発したのでありますが、應じなかつたために、群集と警察官との間に乱鬪を生じ、遂に警官二、三十名負傷いたしました。一方警察側の発砲によりまして、朝鮮人一名死亡、他に若干の負傷者を生ずる不祥事が惹起されたのでございます。  右大阪事件に関しましては、四月二十二日、共産党員岩井某方に党員十名が集合、朝鮮人学校閉鎖問題について朝鮮人側に應援する旨の談合をなしたこと、及び同日全逓組合員の一部が逓信局内において委員会を開いて、同樣應援をなす旨決議をして、各支部に人員を派遣した等のことが、破疑者の取調べによつて明かにされておりますが、なおわれわれ委員に面会を求めたる日本共産党関西地方委員会委員の談により、共産党員が朝鮮人側の運動に参加せる事実があり、かつ四月二十四日のデモの最中に、日本共産党関西地方委員会の名によつて宣傳ビラの散布及び共産党員による群衆に対するアジ演説等の事実が、目撃者の談によつて語られておるのであります。以上が大阪事件の概要であります。  兵庫縣の問題につきましては、主として神戸市内の朝鮮人学校四校の閉鎖に関して生じた問題でありまして、これは神樂小学校の二校、二宮小学校、稗田小学校各一校、この前記四校に対して、昭和二十一年三月、神戸市教育局は、朝鮮人連盟及び同建國促進青年同盟に対して、口頭で右四校を貸與しておりまして、同時に朝鮮人学校が開設されたといふ事実が、まず前提となつておるのでございます。兵庫縣当局では、冒頭に述べましたる文部省の通逹を、ただちに朝鮮人連盟本部、朝鮮建國促進青年同盟本部、各地方事務所長、各市長に発送いたしました。次いで、三月五日以後数回にわたつて、関係方面より兵庫縣当局に対して、朝鮮人学校閉鎖問題を急速に解決すべき旨の勧告があつたのであります。よつて兵庫縣当局は、四月九日、右勧告の趣きを関係者一同に係員を派して傳逹させ、これと同時に、朝鮮人学齢兒童・生徒の公立小中学校受入れについて遺憾なきようとの通知を発し、私立学校設置の場合は正式に認可申請をなすべき旨朝鮮人側に勧告、かつ神戸新聞、縣公報にも同樣の事項を掲載して、一般に通告しております。  一方神戸市当局は、兵庫縣からの通牒によつて、四月八日、この四校に立退きを通告、翌九日、重ねて兵庫縣より学校閉鎖命令を発せられたので、同十日、右閉鎖命令を各関係朝鮮人代表に傳逹手交しております。この間、朝鮮人代表はしばしば小寺市長に面談、閉鎖反対の陳情をしておるのでありまするけれども、その都度、市長はこれを拒否しております。四月十二日、朝鮮人学校父兄代表二、三十名が副知事に面会を求め、学校閉鎖命令の撤回、立退きの猶予、私立学校設置認可手続を簡單にされたき旨の要求を提出しているのでありますけれども、副知事はこれに対して、命令撤回及び立退きの猶予は不可能である、学校の認可は法規に從うことを回答したので、代表はそのまま引取つたのであります。この結果、四月十五日の檢挙事件が発生したのでございます。  四月十四日、父兄代表約三十名、後に約七十名となつたのでありますが、知事に面会を求めてきたけれども、知事、副知事不在のために、午後一時半ごろから、堀教育部長が副知事室において面会、再び閉鎖命令の撤回あるいは立退猶予等を申し出たのでありますけれども、部長より不可能なる旨を回答したのであります。これに対しまして代表者たちは、部長に対し罵詈雜言をあえてし、迫つてきたのでありますけれども、このとき偶然にも外國人が入室してきたので、午後五時ごろ、部長は部屋から脱出してくることができたのであります。その後に残つた恩賀学務課長を取囲み、徹宵押問答をしておつたのでありますが、十五日午前三時ごろ、双方交渉を一まず中止、休憩することになり、双方とも十五日朝まで、日本人側の教育課長と朝鮮人代表七十名が副知事室におつたのであります。  四月十五日朝九時過ぎ、知事は関係当局よりの呼出しにより出頭、十時ごろより、渉外局長室において朝鮮人代表五名と会見することにしたのでありますけれども、この代表者との間に、会見の場所及び代表者の数に関しましてお互いに意見が違いましたので、遂に正午ごろ、知事は所用のため外出いたしまして、代表者との会見が不可能となつたのでありますが、代表者約七十名は、依然として知事室を立ち退かず、午後一時半ごろ縣当局は即刻立退きを勧告したが應ぜず、さらに午後六時に至り、再び立退きを勧告しましたけれども、さらに應ずる氣配がありませんので、檢察廳は遂に警察官を指揮して、建造物侵入被疑事件として右七十名を檢挙、うち五名は婦女子などがあつたものですから、これを除いて六十五名拘留、生田、兵庫の二警察署に収容したのでございます。これが四月十五日の檢挙事件でございます。  その翌日より毎日のごとく、朝鮮人数百名は収容警察署にデモを敢行、一方連日にわたつて、朝鮮人数十名は檢事正に面会、被疑者の釈放方を要求してきたのでありますが、檢事正は、取調べ終了まではこれを釈放せずと、その都度回答しております。四月十六日午前十時半、兵庫縣、神戸市、檢察廳、警察、裁判所当局が会見いたしまして、本事件解決方策につき協議したのでありますけれども、同日午前十一時、朝鮮人代表四名と会見しましたが、午後には朝鮮人の縣廳に來る者約三百名となつたので、午後七時ごろこれに退去命令を出し、警察権をもつて朝鮮人を退去せしめたのであります。四月二十一日、二十二日の両日にわたり、さらに朝鮮人代表七名は縣廳に來り、縣当局に対し、以前同樣、拘留中の朝鮮人の釈放、学校閉鎖命令の撤回等を依然として要求してきたのでありますけれども、いずれも交渉決裂。同二十三日最後に、知事との間に同樣の交渉がなされたのでありますけれども、縣当局が断固要求を拒否したために、遂に決裂するに至つたのでございます。  一方神戸市側におきましては、学校管理者として、民事訴訟法上の手続によつて、校舎明渡し仮処分命令を裁判所より受け、前記四校の明渡し仮処分を執行いたしましたけれども、これまた多数の朝鮮人の学校占拠のために執行不能に終つたのでございます。  最後に、四月二十四日の騒擾事件を御報告申し上げますが、四月二十三日に、関係方面より右明渡し処分の経過の報告を求められましたので、神戸市警察長はその結果を報告して、さらに関係方面の應援方について意見を求めましたところ、関係方面の、本問題は日本警察独自の立場において解決すべきであるとの見解に從い、四月二十四日、さらにこれが対策を講ずるため、午前九時半、兵庫縣知事室に、左記人人が参集協議することになつたのであります。縣廳側では岸田知事、吉川副知事、井出國家警察長、その他市側では神戸市長、助役、神戸市警察局長、公安委員長、その他渉外局側といたしましては田中渉外局長、檢察廳側としては市丸檢事正、田邊次席檢事、兵庫縣における各関係首脳部が全部寄つたのであります。  右十六名参集の上、協議に入りまして、古山警察局長より、前日の仮処分執行不能の状況等を説明し、二十六日挙行の予定となつております朝鮮人約三万のデモンストレーション並びに五月一日のメーデーにおける示威運動をも考慮に入れまして、仮処分はその後まで延期する方がよからんとの見解を披瀝せられ、檢事正もまた、拘束中の六十五名の取調べの関係もあり、執行延期に賛成するとの意見を表示し、さらに二十六日挙行予定の朝鮮人三万のデモにより、いかなる事態を生ずるやもしれないので、これが中止方を知事、市長において関係方面に要請することを協議しつつあつたときに、すでに十一時ごろになつたのでありますが、突然知事室の隣室に、喚声をあげて多数の朝鮮人が乱入しました。器物、ガラス等を破壊する騒音が聞え、ついで知事室の入口のドアを椅子等で打破ろうとするふうでありましたので、内部からこれを阻止する一方、警察長は電話にて急を警察本部に連絡し、警官の即時派遣方を命じておつたのでありますが、知事室隣室に乱入いたしました暴漢は、刻々その数を増し、口々に開けろ、殺すぞなどと絶叫し、約三、四十分経過した後に、遂に知事室入口のドアも打破られ、一時に約百名の暴漢は、なだれを打つて知事室に乱入し、手当り次第にいす、テーブルその他の備品を破壊し、電話線三本を切断、電話機三箇を破壊、知事の事務机に上り、ガラスを破り、二、三十分間は阿修羅のごとく暴れまわり、知事室の樣相は一変するに至つたのであります。私ら三名も、現状のまま保存されていた知事室を檢分したのでありますが、その当時の暴徒の暴状は、眼前に浮ぶように考えられたのであります。  しかして暴徒は、知事に対して、閉鎖命令を撤回せよ、きようは全部死を覚悟して來た、などと絶叫するので、知事はやむなく代表者数名に面会する旨答えたのでありますが、暴漢は暴れるばかりで、手のつけようがなく、またその数は刻々と増加し、隣室より廊下に充満してきたのであります。このとき外國官憲は、下士官二名を伴い、暴漢を押しわけて知事室に來り、知事を室外に連れ出さんとしたのでありますが、暴徒は暴力をもつてこれを阻止し、突き返しましたがために、外國官憲の一人は押し倒されて、混乱状態に陥つたというようなひどい状態でありました。このとき二名の外國官憲は、ピストルを暴漢に擬したのでありまするが、猛り狂つておる暴徒は何ら屈することなく、反対に数名は机の上に飛び上り、腹部を突き出して、ピストルが何だ、命が惜しいと思つているか、早く射てと反抗してきたので、外國官憲は事態の惡化を慮り、射撃をなさず、約十分間にして退出したというような状態でありました。  暴徒は、さらに隣室と知事室との壁を椅子等をもつて打破り、知事を殺せ殺せと絶叫し、閉鎖命令の撤回を迫り、書面の作成を強要したので、知事は、事ここに至ればもはや万事休すと考えて、さらに知事以外の他廳の人々に及ぶ危害をも憂え、閉鎖命令撤回の書面を作成して手交し、暴徒はさらに檢事正に六十五名の即時釈放を強要したのでございます。檢事正は次席と協議の結果、閉鎖命令が撤去せられた以上は、一應根本問題は解決された形となつたこと、当時縣廳の周囲を取囲み氣勢をあげる朝鮮人は数千名に及び、強いてこの要求を拒絶せば、流血の惨事を惹起するやもしれない状態になつたこと、並びに拘束中の被疑者などは犯情惡質なものと認められず、首謀者数名を起訴すれば足ること等の事情を考慮して、遂に暴徒の要求に應ずることとして、次席をしてただちに帰廳せしめて、その手続をとらせているようであります。次いで暴徒は、再び知事に対して、本日の知事室の暴行事件は一切檢挙せぬ約束をせよと迫つたのでありますが、知事は自己の権限外なることを答えたため、さらに暴徒は檢事正にこれを強要したので、檢事正は、これまた同樣これを檢挙しないという書面を渡しておるのであります。暴徒はさらに市長に迫つて、仮処分の訴えを取下げる旨の確約をなさしめ、午後五時ごろに至り、ようやく引揚げたのであります。これが四月二十四日の騒擾事件の概要であります。  右のごとく、前後約六時間にわたる交渉の間には、縣廳の周囲には五、六千名の朝鮮人参集し、共産党員の腕章を巻いた者が、こもごも立つてアジ演説をやり、ビラをまく等、盛んに氣勢をあげておつたのであります。一方、遅ればせながら非常警備の配置についた警察官約八百名は、内部の各官廳主脳者に危害の及ばん情勢にあつたので、断固これを檢挙するの強硬手段をとることができなかつたのであります。この後は、すでに新聞でご承知の通り、二十五日午前一時、連合軍より神戸市に非常事態の宣言があり、その時より、日本警察官は外國憲兵隊の隷下にはいりました。翌日午後五時現在において、千百六十一名の被疑者を檢挙するに至つたのであります。  以上が大阪・神戸事件の概要でありますが、五月二日、日本共産党神戸地区委員会委員二名が私を訪問、左のごとき書面を提出いたしました。これは公平を期する意味において、簡單でありますから、ここに読み上げたいと思います。   本問題は、弱小民族たる朝鮮人の自主的文化擁護の要求によるものにして、無能力なる日本官憲の一方的抑圧により、遂に事態の悪化を來したのである。その間わが党は――というのは共産党です――弱小民族文化擁護のため、日本側当局に対してその無能を衝き、事態の収拾の申入れをなすとともに、朝鮮人側に対しては、日本学制による朝鮮人教育の自主性の確立を本問題の解決の基本方針となすべき旨を勧告する等、本問題の平和的解決のため全力を盡したのである。事件は四月十五日、七十三名の不法檢束を見るに至り、いよいよ紛糾し、爾後の交渉においても日本側の誠意なき態度は、朝鮮人の当局に対する信頼をまつたく失わしめ、遂に二十四日、再び十五日のごとき不祥事を惹起するをおそれた朝鮮人交渉委員は、知事室に強行入室、会議中の知事、市長、檢事正などと面会し、朝鮮人側の要求たる閉鎖命令の撤回、七十三名の即時釈放等を獲得するも、同夜中より、神戸市憲兵隊による朝鮮人らの一齊檢挙が開始せられたのである。   四月十五日、七十三名の不法檢束に至る間の判明せる事項は、二十二年十一月二十八日、神戸市当局よる朝鮮建國促進青年同盟――これは建青と呼んでおるのでありますが――に対し、二十三年三月三十一日までに学校明渡しを言い渡してこれを認めさせたが、大多数の朝鮮人の組織たる朝鮮人連盟に対しては何らの通告なし。   本年二月二十八日、小寺市長より三月十八日までに学校明渡しの命令あり、その後引続き交渉するも、進駐軍の命令と称して、代りの学校のせわも、新築まで待つことも拒絶す。   四月九日当局より、四月十日をもつて学校を閉鎖すべき旨の命令出る。   四月十一日、マツノ小学校で人民大会を開き、交渉委員をつくり再交渉、小寺市長はいやなら朝鮮へ帰れと侮蔑の言を吐き、関助役は軍政部の指示あるまで保留するとの一筆を入れる。   四月十二日、父兄総会の決議文をもつて縣及び市に交渉、当局は言を左右にして要領を得ず。   四月十三日、縣教育部長及び交渉委員の面前で、進駐軍の教育課長は、学校明渡しの命令は出した覚えはないと言明する。なお当日判明したる事実、朝鮮連盟学校は縣下に二百五十六校あり、この申請した資材を全部建國青年同盟に渡しておる。   建青は架空の学校二十六校をつくり、一切の学用品、生ゴム等の配給を受け、これを横流しておる。これらの関係書類に縣教育部長は捺印しておる云々  こういう書面を提出しておるのであります。  最後に、われわれ調査委員三名のこの事件の調査の結果の観察を申し述べます。以上の調査よりして、調査委員團は左のごとき観察に到逹いたしました。  本事件は、朝鮮人学校閉鎖命令に端を発しておるのでありまするけれども、單なる教育行政に関する面のみではなく、次のごとき諸種の原因が包含されております。朝鮮人内部問題、すなわち朝鮮人連盟と建國促進青年同盟、その間の思想的な対立、その他諸種の理由による相剋が大きな原因となつていること。文部省の方針として徹底を欠きたるために、学校閉鎖命令の緩嚴は各地方長官独自の見解に基きてなされたるものとの誤解を朝鮮人に與えたること。神戸事件においては、特に行政処分たる学校閉鎖命令、ただちに校舎明渡しという民事訴訟法の効力を生ぜずとの朝鮮人側の主張に対し、縣当局がこれを反駁するの資料をもつていなかつたこと。これらの観察の結果、私らの最後の所見を申し述べます。  一、日本人たると朝鮮人たるとを問わず、政府は法律に從わない者に対しては司法権の発動を徹底化し、法の威信を嚴守すること。なお第三國人に対しては、その違法の程度により、これが本國送還を考慮すべきこと。  二、朝鮮人学校閉鎖問題に関しては、先ほど観察のところで述べましたるごとく、行政命令の緩嚴が各地方長官独自の権限にあるかのごとき誤解を與えしめ、從つて兵庫縣知事ひとり強硬なる態度なりと誤信せしめたる結果、不祥事を惹起したのであります。これに対しては、文部省が一片の通牒を発するのみにて、各府縣知事の各種各樣の態度をとることを放任し、一元的に一貫した方針を堅持してこれに臨まなかつたことは、重大なる責任ありと考えております。  三、神戸地方檢察廳の市丸檢事正が、四月二十四日、暴徒の脅迫により、四月十五日檢挙の被疑者六十五名を釈放するに至つたことは、法の威信を傷つけ、きわめて遺憾でありまするけれども、実情調査の結果、あの場合万やむを得ざる処置と認めております。  四、岸田兵庫縣知事が、四月二十四日、前記同樣の脅迫により、一たび発したる学校閉鎖命令を撤回したることは、地方長官の威信と行政命令の権威とを傷つけ、はなはだ遺憾ではありまするけれども、これまたあの場合万やむを得ざりし処置であつたと認めております。  五、四月十五日の被疑者檢挙がありまして、かつ兵庫縣知事の閉鎖命令の発令によりまして、いついかなる不祥事が発生するやも知れなかつたことは、十分あらかじめ知り得たにもかかわりませず、兵庫縣國家警察長および市自治警察長らが、これに対処する万全の策を講ぜず、遂に二十四日の不祥事態を発生せしめたることについては、命令系統としては兵庫縣公安委員会及び神戸市公安委員会に、また実質上は縣市各警察長にその重大なる責任あるものと認められます。  六、取締りの面より見て、二十四日の不祥事を未然に防ぎ、さらにこれが発生にあたつて鎭圧し得ざりしことにつきましては、警察法の不備、たとえば地方に勃発したる騒擾事件について、地方長官をして一元的に迅速かつ簡單に警察権を掌握せしめ得る規定を欠き、かつ國家警察間及び自治体警察間の連絡、国家警察より自治体警察への連絡の点について何らの規定なきことの欠陥があるのであります。速やかに政府においても、あるいは國会が進んで、この欠陥を是正する改正法律案提出の緊要なることを認めるとともに、政府はさらに警察法の運営に関し速やかに適宜の処置を講じ、情報の蒐集、機動力の強化、裝備の改善等に全力を傾倒すべき必要あることを痛感いたしました。  七、最後に、本事件につき共産党本部よりの指令ありたるや否やの点は、われわれ調査の範囲内においては不明ではありまするけれども、朝鮮人学校閉鎖問題に関し、各地方のフラク活動が相当活発であつたことは、共産党員みずからの言より明らかであります。從いまして政府は、今後の取調べの結果、再建途上あるわが國の現状に鑑み、もし騒擾罪等のごとき破壊的犯罪に対する共犯関係または教唆等の事実判明せる場合は、断固たる処置をとることに断じて怯懦であつてはならないと考えられます。もし取調べの結果、傳えられるがごとく共産党本部よりの指令ありとの事実が杞憂にすぎないことが判明いたしましたならば、われわれ調査員といたしましては、まことに幸いと言わなければなりません。  以上、御報告申し上げます。(拍手)      ――――◇―――――
  13. 笹口晃

    ○笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、明禮輝三郎君提出、現地調査に基く朝鮮人学校問題に関する緊急質問、矢後嘉藏君提出、土地改革阻害に関する緊急質問及び大島多藏君提出、恩給生活者の生活安定に関する緊急質問を逐次許可せられんことを望みます。
  14. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  15. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。  現地調査に基く朝鮮人学校問題に関する緊急質問を許可いたします。明禮輝三郎君。     〔明禮輝三郎君登壇〕
  16. 明禮輝三郎

    ○明禮輝三郎君 私は、民主自由党を代表いたしまして、大阪・神戸地方朝鮮人学校問題につき実地調査の結果、緊急質問をいたします。今中村代議士から詳細に報告がございましたるがゆえに、その実情につきましてはこれを申し上げることを省きまして、要点だけ述べることにいたします。  第一に、文部省当局は、昭和二十三年一月二十四日附官学五号という通牒によりまして、今年度の新学期を期し、朝鮮人の子弟教育を日本人の教育と同樣に規制せんといたしましたが、かくも短期間に容易にできるものと考えておられましたかどうか。また右のごとく一定の方針を定めておきながら、他方ある地方においては、右期間に猶予を與えたということがありまするかどうか。  すなわち、文部省の発しましたる今年一月二十四日附文部省指令官学五号によりますれば、一、朝鮮人の学齢兒童は当然日本人同樣の義務教育を受けなければならない、二、朝鮮人が学校を径営する場合は、私立学校として当該知事の認可を受けなければならない、三、朝鮮語の教育は課外に行うことは差支えない、備考といたしまして、朝鮮人送還計画に関する昭和二十一年十一月二十日附総司令部発表、送還を拒否して日本に在住することを選択する朝鮮人は、爾後一切の日本の法令に服することを十分に承知して右の選択を行うものである、治外法権は認めない、という趣旨が掲げられておるのであります。  一体、かくのごとき特殊性を有しまする朝鮮人の教育問題を、本年一月末に指令いたしまして新学期に実施しようとすることは、あまり急ではなかつたか。地方廳は各地において、右指令に基きその徹底を期したのでありますけれども、何分にも全國には、初等学校五百四十一箇所、生徒の数約六万人、中学校、師範学校が九箇所、学生約三千三百人の朝鮮人学校があり、殊に日本人学校に共学せしめる態勢すら十分ではない状態におきまして、はたして適宜の処置であつたかどうかということであります。さらに関西地方において、神戸、大阪等は右指令に基き強行にやつたようでありますけれども、山口、岡山その他の地におきましては、その実施を猶予したる事実ありということでありまするが、いかがでありますか。元來文部省は、官学五号を指令した当時より、すでに本問題を即行しがたき事情判明しておつたにもかかわらず、強いてこれを強行して遂に暴動化し、あまつさえ連合軍の出動を煩わし、非常宣言をなされるに至つた政治上の責任はたれが負うべきであるかということを申し上げるのであります。この点について、文部当局の御意見を承りたいのであります。  第二に、現在の警察力によつて関西方面の治安維持は十分なりとの確信ありや否や。警察官の増員はもとよりでありまするが、警官の武裝と機動性の不足ということ、國家警察と自治警察との連絡いかんということであります。  今回の朝鮮人学校問題に鑑みますれば、警官が不足しておるということも考えられるが、第一に、心の武裝の足りなかつたことであります。ただいま中村代議士から述べられました通り、神戸では四月十五日ごろから朝鮮人のすわりこみ戰術が行われておつて、毎日大衆デモが行われていたにかかわらず、大阪における四月二十三日の大塚副知事監禁事件の経過が、神戸当局にその当時速報せられておつたことは、私どもの調査によつて明瞭であります。四月二十四日正午ごろより、兵庫縣廳内に四、五百名の暴漢が押し寄せ、ために知事室におきまする岸田知事、市丸檢事正、古山警察局長等重要なる地位の者合わせて十四名、縣廳外の自由地域との通信、交通を遮断せられてしまいまして、しかも相当な時間をここに看過したる結果、この十四名がいわゆる監禁状態におかれたということは、まつたくこの間において警察官の心の武裝が欠如していた証拠であると確信するものであります。まして、自己の上司が監禁状態、否、生命の危險にさえさらされておりまして、きわめて緊急な事態にあることを認識しながら、遂にこれを救出する行動に出でたる者がなかつたことは、まことに遺憾の極みと言わなければなりません。  また警官には護身用の拳銃が五人に一人であると聞きまするが、この点にも大きな欠陥が存在する。必要に應じた武裝の充実の成否は心の武裝の糧となるものであることを再確認すべきであります。さらに機動性の充実を要することも、またしかりであろうと考えます。自動車、電話設備等さえ不満足がちであつたということも、調査の結果判明した次第であります。  その次に、國家警察と自治警察との連絡であります。自治警察より國家警察に対する連絡制度はありますけれども、國家警察相互、自治警察相互間の連絡、國家警察より自治警察に対する連絡制度は法規上の欠陥であつて、殊に應援を委嘱した当該警察は諸費用の全部を負担するものとする現制度を考慮いたしますならば、いかに活動に至難であるかということを感ぜなければなりません。本件のごとき地方的騒擾事件の場合には、國家・自治警察を一元的に指揮せしめるの制度を確立してはどうかと存ずる次第であります。たとえば、一定條件のもとに、知事をして一元的に指揮せしめることであろうかと考えます。以上の警察制度につき、関係当局の御意見を承りたいのであります。  第三に、本件に関しては一部共産党員が指導したと言われておるが、当局はこれをいかに考えられるか。ただいま中村君から述べられました通り、神戸の市会議員某氏の活動を初め、大阪、神戸ともに共産党の應援ビラが散布せられております。朝鮮人学校の中には共産主義教育をやつている者があるということであります。はたしてしかるか。本件に関し、現に共産党員が何ほど留置せられているか。たしか神戸だけでも日本人が八十有余名と聞きます。朝鮮人に対して、その党員はいかほどあるかということであります。かくのごとき実情は、再建日本のために遺憾至極であると考えます。  朝鮮人に対する遵法精神の徹底を期する考えありや否や、その具体的方法を示されたいのであります。朝鮮人送還計画に関する昭和二十一年十一月二十日附総司令部発表にあるごとく、送還を拒否せる朝鮮人は、爾後一切の日本の法律命令に從わなければならない。しかも治外法権を認めぬのであるから、日本人と同樣に法律に服せなければならないのであります。ここに私があらためて申し上げることはありませんけれども、この点について十分なる徹底を必要とするものと考えます。本件に関しても、はたして朝鮮人おのおのが、この覚書につきまして十分の認識をもつていたであろうかどうか。戰勝國であるとか、第三國人で特別の待遇を受けておると誤解しておる者はないのでありましようか。日本人みずからでさえ、朝鮮人に対しては治外法権的な取扱いをせなければならぬものと考え違いをしておる者があると思われる。当局は、この点を十分に徹底し、一般に知らしめなければならない。本件を惹起いたしました根本原因はここにありと言うても差支えないのではないかと考えるのであります。朝鮮人にして遵法精神なく、暴力行為と不良性を改めざる者、奸言と謀略により自力救済をなす者多く、これらをいかになすべきかは、各地において最も関心深いものがあることを附言いたします。  要するに、朝鮮と日本は地理的に最も接近している関係上、相互的援助と理解に基き、人権を尊重し、送還するがごときことのないように、新憲法のもと、遵法の精神に欠くることなきよう種々なる方法を講ずべきであるが、それでもやむを得ぬ場合は、泣いて馬謖を斬り、送還にやぶさかならぬものがあるであろうと考えるのであります。各関係当局の誠実なる御答弁を求める次第であります。(拍手)     〔國務大臣鈴木義男君登壇〕
  17. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) 警察のことは、御承知の通り國家公安委員会の管轄であり、内閣総理大臣の管轄でありまするが、総理大臣が所用で退席いたしましたので、総理大臣の命によつて私からお答えをいたします。  ただいまの明禮君の御質問は、いずれも理由のある御質問と信じます。  第一に、当時兵庫における警察官、関係者の心の用意が不足であつたということは、政府におきましても、これを認めるところであります。その点については、十分注意を喚起しておいた次第であります。  なか、警察官の数が不定ではないかということも問題になつておるのでありまするが、この点については、現地において私が調査いたしましたときにも、責任ある警察官の諸君は、数においては必ずしも足りないとは思わない、欲を言えば、予備隊というものを少し欲しいと思うが、現在は大阪の警察学校に千四百名も学生がおるので、今度の騒擾には非常に役立つた、常時これくらいの予備警察官があることは望ましいが、数においては必ずしも不足してはおらないと考える、要するに組織と連絡とがよくいくならば、たいていな騒擾に対処することができる、こういうふうに答えておつたのであります。  なお、武器が不足ではないかということも十分に考慮せられたのでありまして、これはあまりに武器に頼るということは、時として騒擾などには犠牲を多からしめ、不必要に騒擾を拡大する危險もありまするので、今回神戸等においても、みだりに武器を使用しなかつたことは、あの状態においてはよろしかつたとさえ考えられるのでありまするが、少くとも予防的な意味において、各警察官が武器を携帯するということは望ましいことであり、早期に騒擾等を鎭圧することができることでありまするから、この点については関係当局とも協議いたしまして、ただいま眞劍に考慮いたしておる次第であります。  それから國家警察と自治体警察との連絡関係がうまくいかないという点は、お言葉の通りでありまして、これは法規の上では必ずしもそうではないのでありまするが、出発後日が浅いために訓練がいまだ行き届きませんので、連絡がうまくいかないという一面があるのであります。しかし、多少制度的にも、もう少し機敏なる連絡がなし得るように考慮しなければならないということを考えております。それと非常時に際して、中央の内閣総理大臣が國家公安委員会の勧告によつて非常事態の宣告をするという制度は、あまりに大規模な國家全体の治安ということを考慮しておる制度でありまして、各地方々々の非常事態に対処するために、もう少し小規模な、そして敏活果敢な非常事態態勢をとり得るような制度を設けることの必要は、政府も痛感いたしておる次第であります。  共産党が活躍したようであるが、これに対して対策があるかというお尋ねでありまするが、政府は何党であれ、思想の自由と政党の自由とを尊重いたしまするがゆえに、このことのゆえに共産党を彈圧するとか、そういう氣持はさらにもつておりません。ただし何党に所属するものでありましようとも、騒擾に参加し、法律を犯しましたる場合には、遺憾ながら遠慮なく檢挙する、こういう建前をとつておりまするから、今回檢挙いたしました人々の間に、あるいは全逓の諸君、あるいは共産党の諸君がおりますることは、決して特別の意味があるのではなくして、違法行為ある者は何党の人であろうとも逮捕する、こういう建前から発しておるということを御了承願いたいのであります。  それから朝鮮人の遵法精神を養成するためにいかにすべきか。これが一番本件を通して大切な問題であると政府も考えておるのでありまして、その後朝鮮人代表の諸君から政府に陳情せられたところを見ますれば、われわれもその非違は十分に認めるのである、朝鮮人ことごとく今回の騒擾に参加したような氣持をもつておるものではない、また故國に帰ることができるならば帰りたいのである、しかしながら、日本の帝國主義盛んなりしころ、意に反して連れて來られて、そうして故國にその基礎を失つて、帰ろうと思つても帰ることはできないのである、そして今や日本が用がなくかつたからと言つて、われわれをただ口実を設けて追い返すというがごときことは、道義日本のとるべき態度ではあるまい、こういう趣旨の陳情もしばしば承るのでありまして、この点も確かに理由あることであります。われわれは、過去為政者のなしましたる過ちに対して責任を分担して、温かい氣持をもつて朝鮮人諸君に対さなければならぬと思うのでありまして、もとより法を守ることを強制するとともに、自発的にわれわれとともに法を守つて生活していくように、これを指導することが最も大切なことであると考えておる次第であります。  以上、お答えいたします。(拍手)     〔國務大臣森戸辰男君登壇〕
  18. 森戸辰男

    ○國務大臣(森戸辰男君) 明禮君の御質問にお答えいたします。  第一点は、文部省の通逹が一月二十四日に発せられて、新学期までに朝鮮人学校の問題を処理せよということは、あまり期間が短か過ぎたではないかという御質問でありますが、この点問題の重要性に鑑みますれば、もう少し長い期間があつた方がよかつたということは、確かであります。けれども、同時に事柄が一部の政治的な問題に轉化して激成せられなければ、この間でも十分に処理されたのではないかと思います。加うるに客観的な事態が、このことの割合に短期間な解決を必要としたという事態もありまして、実はかような取扱いをいたしたのでございます。  第二の点は、大阪、神戸においては閉鎖命令がただちに行われたけれども、他の地方、岡山あるいは山口においては猶予された所があるではないかという御質問でございます。この中学校、小学校の取扱い、監督責任は、これは文部大臣の直接いたすところではないのでありまして、教育民主化の原則に從いまして、地方長官のなすところであります。その具体的な事情の判断に從うて適当に処理するのが建前でございます。ところで、この地方におきましても閉鎖命令は撤回されたのではないのであります。ただ執行を、実情の調査が完了するまで、きわめて短期間の間猶予されたに止まるのでありまして、これらの地方長官は、当該地方の関係方面とも十分了解の上、かくのごとき処置をとられたものと存ずる次第であります。簡單ながらお答えいたします。(拍手)      ――――◇―――――
  19. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 土地改革阻害に関する緊急質問を許可いたします。矢後嘉藏君。     〔矢後嘉藏君登壇〕
  20. 矢後嘉藏

    ○矢後嘉藏君 私は、土地改革に関連いたしまして、農林大臣並びに法務総裁に所見を質したいのでございます。  申し上げるまでもなく土地改革は、わが國が連合國から、連合國の占領政策の一つとして、その基幹をなすところの政策といたしまして、負わされましたところの責務でございまして、わが日本の再建のための必須條件であるのでございます。政府の最近の御報告によりますれば、土地改革の進行は好調をもつて進んでおると報告されておるのでございますが、その半面に私どもは、幾多の、この土地改革を阻害しようとする、妨害しようとする、組織的な、あるいは個々的な策動が行われておるということを、枚挙に暇ないほど知つておるのでございます。そうして、こうした地主の土地改革阻害に対しまする行動に対しまして、地方の官憲が不法地主を支援するかのごとき、あるいはまた、そうした不法を積極的に取締ろうとしないで、默過しておるところの傾きがあるのでございます。  たとえば、最近富山縣下に暴露せられました一つの悲劇がございます。それは富山縣の婦負郡仁歩村という一山村でございますが、ここにおきまして小作料を二十三倍もの不法な額をとられましたために、一小作人が首をつつて死んだという悲劇があるのでございます。そうして、この小作人が死ななければならなかつたその原因の一つとして、地方の警察官憲の言動が原因をなしておるということでございます。本件を一應簡單に申しまするならば、この仁歩村という村は、三百戸ばかりの農家の小村でございまするが、この村においては、農地改革が実施せられましてから今日に至りまするまで、何ら農地改革の意義を知らないし、関知しないというような態度で、農地調整法を守らないで今日まできておるところの村でございます。ここにおきましては、昭和二十一年度の小作料換算率は、一石五百五十円をもつて取立てられる。それからまた昭和二十二年度の小作料は、千七百円から千八百円を取立てておる。これは全村の地主がそういうような不法をやつておるのでございます。  そこで、今年の二月に小作人のたれかか、こうした不法な小作料を毎年毎年取立てられたのでは、とうてい自分ら小作貧農はやり切れない、こういうので、所轄の八尾署という警察に投書をしたのでございます。ところが、その警察官は、この投書に書かれました地主の不法・違法の事実を取調べないで、この投書をした下手人を捜索いたしまして、たまたまその投書をしたであろうと目ぼしをつけられました谷口甚作という、八人の扶養家族をもつ村で一番の貧農が、お前が投書したのであろう、こういうぐあいに追究せられまして、その結果この小作人は、もはやわれわれ貧乏小作人には法律の保護もなければ神も佛もない、こういうように世をあきらめまして、地主の不法な事実、官憲のこうした不法の事実の一部を遺書に書き残して、首をくくつて死んだのでございます。  こういうような事件がありまして、その後、この自殺者を檢視するために、同じく八尾署の巡査部長が参りまして、遺族の者から涙ながらに地主の不法を訴えますと、そんなことはあたりまえじやないか、三年も前に政府が七十五円できめたとはいうものの、今日は物價が高くなつている、地主だつて食わなければならぬ、千八百円は今の公定ではないかというような暴言をはいたので、家族もとりつく島がなかつた。しかも、それから約二箇月を経て、われわれ日本農民組合の常任委員委員がこれを摘発いたしますまで、警察官はこの事実を取調べないで放任しておつたのでございます。さらにこれを取調べるにあたつても、地主を取調べると同時に、小作人をも檢事局に送つた、こういうようなことになつておるのでございます。  この事件は、單に一富山の寒村の事件ではございますけれども、こうした事件がまだ全國にたくさんあるのであります。富山縣において、なおまだ一箇所最近暴露したのでは、氷見郡の熊無村、これも三、四百戸の村でございますか、全村、去年も今年も不当小作料を供出價格によつて取立てておつた、こういう事実が暴露せられておるのでございます。これに対しまして、われわれが富山縣の当局にこの責任を追究いたしますと、言を左右にして、そういう事実はないというように言うのでございます。さらに、農地調整法違反を起訴するにあたりましても、これは地主の違反であるのに、小作人を何ゆえに同じく送局したか、こういうぐあいに質しますと、それは農地調整法九條の精神が、合意によれば両方を罰するということになつておるから、これは合意と見なしたのだというように言うのでございますが、ただいまも申しましたように、この事件は、死をもつてこの地主の不法に対して抗議をしておるのでございまするし、なおだれかわからないけれども、投書しておる、こういうような事実からいきまして、これは小作人には何ら法的な責任はない。むしろこれは地主が小作人を脅迫し、それによつて取立てたものであるというぐあいにわれわれは解釈するのでございます。  こういうような事件がございまするし、また最近では、ご承知のように耕作期を控えまして、土地取上げの部分的の問題が全國にざらにあるのでございます。なおこれは一月ごろの新聞に一度出ておつたことではございますが、山形縣の北村山および西村山地方においては、地主有志会なるものを組織して、今度の土地改革によつて強制的に土地の買上げをする、これは私強を侵害するところの憲法違反であるという、組織的な反抗運動が起きておつたのでございます。それが御承知のように、本年二月四日附の連合軍最高司令部レヴイ代将の名をもつてなされました指令によりまして、一時閉息しておるかのごとくではございまするけれども、これが最近、またたゝ関東地方にも地主会ができ、あるいは青森縣にも地主の三八会というようなものができて、この土地改革を組織的に阻害しようとする、合法的な名に隠れた運動を策動しておるという情報をわれわれは知つておるのでございます。  こういうふうに農地改革に対しまして、單にこれはそのその地方の農民が無知である、あるいは思想的に遅れる、こういうことのみではなくて、これはその地方の官憲・官吏の言動が非常に大きな役割を演じておる、こういう実例を申し上げたのでございまするが、この点につきまして、私は農林大臣に対しまして、こうした問題が起きますることは、根本的に申し上げますならば、今日の農地改革、つまり現在施行されておりまする農地改革では、もはや日本の農村問題の解決はできないのであつて、根本的には、人に賃貸しておる多くの地主というものをなくするところの第三次農地改革を断行する以外には私はないと考えるのでございます。なお、さらにこうした農地調整法違反の事件は、おもに寒村の僻陬の村に多いのでございまするが、これは單に耕作地だけの問題ではなしに、山の入会等その他の問題も絡んでおるのでございまするから、來るべき第三次の農地改革においては、この山の問題をも織りまぜてやらなければならないと私は考えております。  農林大臣は就任にあたりまして、第三次農地改革についても、第二次農地改革の完遂がなされた曉においてはやる、あるいは山林の問題につきましても、治水等のことを考慮いたしまして、これを國家管理に移すというような御意見がございました。私は全幅的にその点において賛成をするのでございまするが、大臣はこの國会を通して、さらにこの第三次農地改革に対する所信を披瀝していただきたい、このように考えるのでございます。  なお第二番目には、地方の農地関係の機関でございまする縣廳の農地部の役人諸君は、その多くは元の地主の人人が多いのでございまして、これらの人々は非常に頭の切り換えが足らないので、いわば地主的な観点から農地改革に対する考え方をするのでございまするから、往々にして、これらの人々によつては日本の農地改革の促進は期し得られない、こういうぐあいにすら私どもは考えるのでございますが、これに対してもつと積極的に、農地改革をほんとうに徹底して行わせるような具体策を考えていただきたいと思うのでございます。  さらに法務総裁につきましては、今のような農地改革を阻害いたしまするような者に対しまして、特に地方の官憲がそういうような言動をなしました場合に、これは申し上ぐるまでもなく、二月四日の連合軍最高司令部の指令によりまして、即時彈圧を加えられなければならない問題であると思いまするが、この点に対する大臣の所信を伺いますると同時に、いま一つは地方に参りますと、地方の特に警察官は、農地改革に関する紛爭に対しては、われわれ警察官は関與しないというような方針をとつておるということを、富山縣の当局が申すのでございまするが、私は日本の負わせられておる重大なる土地改革に対しましては、連合軍司令部の覚書にまつまでもなく、当然積極的に農地部と連絡をとりながらなさるべきである、こういうように考えるのでございまするが、農地改革の違反に対して警察当局が積極的にこれを摘発したということは、私ども寡聞にしてほとんど聞かないのでございます。多くはわれわれ農民組合のものが摘発をして、ようやくにそれを取上げるというような現状であるのでございまするが、これに対しましても、もつとしかるべき具体策をもつておらるるかどうかということをお伺いするのでございます。(拍手)     〔國務大臣永江一夫君登壇〕
  21. 永江一夫

    ○國務大臣(永江一夫君) 矢後君の今お示しになりましたような事例が事実ありますことは、日本の農村の民主化のためにまことに遺憾に存じます。今御説になりましたように、働く農民が自分自身でその土地を所有するということは、食糧の増産の上にも、また農村の民主化の上にも、絶対に必要なことでありまして、そのために、今政府は土地改良の徹底化についていろいろ具体的な施策を進めておるのであります。今第二次農地改革が進行中でありまして、お尋ねの点につきましても、私はこの席上からすでに二回お答えをいたしておりまするが、三党政策協定によりまして農地改革の徹底化をはかりまするために、適切なる特別委員をあげまして、その内容を決定してまいりたい、かように考えております。(拍手)     〔國務大臣鈴木義男君登壇〕
  22. 鈴木義男

    ○國務大臣(鈴木義男君) わが國を民主化するためには、農地改革をいかなる犠牲を拂つてもやらなければならぬということは、ほとんど至上命令であると申してよろしいと思うのであります。ゆえに政府は、この点については、あらゆる努力を傾ける決意をもつておるのでありまして、これはほとんど無血革命を実行することでありまするから、あらゆる方面に非常な抵抗を受けることは、やむを得ないのであります。殊に地主級勢力の抵抗を受けるということはやむを得ないのでありまするが、これを一歩一歩排除しつつ、ぜひ完成の域に進めてまいりたいと考えておるのでありまして、これはマッカーサー元帥が嚴粛にわれわれ日本政府に向つて要請しておるところでもあるのであります。  なほ、先ほど指摘せられましたような違法行為に対しましては、從來も数次の訓令を出して、徹底的に取締ることを命じておるのでありまするが、やはりただいま矢後君が指摘されたような理由のもとに、しばしばそれが停滞するということは、遺憾に存じておるのでありまして、これはどうしてもやはり農民組合なり農地委員なりの諸君が自覚して、そうして十分に当局を鞭韃せられることによつて、初めて全うされるのではないかと考えるのであります。もし非違があることが明らかになりましたならば、当局としては遠慮なく檢挙をし、処罰すべきものは処罰をするつもりでありまするから、御了承を願いたいのであります。(拍手)      ――――◇―――――
  23. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 恩給生活者の生活安定に関する緊急質問を許可いたします。大島多藏君。     〔大島多藏君登壇〕
  24. 大島多藏

    ○大島多藏君 私は、恩給生活者の生活安定に関しまして、関係当局に簡單に質問いしたいと思います。  昨五月六日の毎日新聞に、「老後の保証」という見出しで、栃木縣の元校長の投書が掲載されておりましたが、その大要を申し上げますと、自分は三十八年の歳月を教壇生活にささげ、六十歳になつたときに、後進に道を開くためと諭されて退職をした、それまでの薄給時代には、生活の苦しさから幾たびか轉業することを考えたが、そのたびに自己の尊い使命を思い、かつまた恩給による老後の保証に励まされて、長い勤めをやつたのであつた。恩給は年額千百円で、六名の子供のうち三名は片づいたが、残る三名はまだ片づいていない、終戰とともに物價は上がる一方である、たけのこ生活も底を突いた、年額千百円では、自分一人の一箇月分の生活費にも足りない、一生をささげ盡した老後の保証がこれでは、あまりにもなさけない、働くにも老齢のために働けない、雇われようとしても、老齢のものは雇い手もない、これでは一家そろつて餓死する以外はない、何らかの救済の途を講じてもらいたい、というのがその趣旨であつたのであります。  この悲痛な投書の主と同樣な、否、それ以上に困窮しておるところの恩給受給者が、全國には何万とあるのであります。私は昨日、神田の教育会館で催されました恩給増額期成全國大会に出席いたしました。皆さん方が想像される以上に悲惨な境遇におかれている人々の、涙なくしては聽けない悲痛な叫びを聽いてきたのであります。現職者には、待遇改善を要求する手段としてストライキがあるのでありますが、われわれにはハンガー・ストライキをやる以外には何らの方法もない、と言つて嘆いておりました。  調査したところによりますと、全國には文官恩給受給者が約三十万おりますが、それら恩給受給者の年額平均は四百六十円であります。これを月額に直しますと、わずかに三十九円となるのであります。月額三十九円では、今日の場合はピース一箱も買えないのであります、もつて恩給生活者の生活がいかに言語に絶する悲惨なものであるかがわかるのでありますが、われら議会人といたしましては、何とかして、かようなみじめな境遇におかれている人々を救つてあげたいと思うのであります。  中には、そんな困つている人々を救済するためには生活保護法があるではないかと言われる方もありますが、御承知の通り生活保護法は、見方によれば社会の落伍者と言える人を対象とする救済法でありまして、多年國家のために盡瘁してくださつた人々には、それ相当の從來の社会的体面もあり、またプライドもありますので、生活保護法の適用は当を得たものでないと思うわけであります。  もちろんわれわれは、わが國の経済状態は考慮に入れなければなりません。また敗戰前の既得権の大部分のものは、すなわち武官の恩給であるとか、あるいは軍需補償とか、在外財産とか、そんなものが一切御破算になつた今日、文官の恩給のみ温存しようと考えるのは均衡を得ないものであると主張する人があることは承知しておりますが、もしも、何らの過失なくして多年公務に從事し、その老後の生活の保障が得られないといたしましたらば、安んじて薄給に甘んじ、公務に從事する者がいなくなるであろうということも心配されるわけであります。それにもまして緊急のことは、ただいま現に恩給受給者が餓死戰線を彷徨していることであります。このことのために、現に幾多の非惨事が毎日こー起こりつつあるのであります。これこそ社会的の重大な問題であると思うのであります。それで私は、次のことを所管当局にお尋ね申してみたいと思うのであります。  第一に、先般公布されました國家公務員法の、多年公務員として忠実に勤務した者の老後の生活を保障する恩給制度がつくられなければならないという規定は、單に将來の公務員だけに適用するものであるのか。またはそれと同時に、既得権者にもその恩典を及ぼす何らかの措置を講ぜられるものであるのか。政府としてはいかなる考慮をいたしておるかということをお尋ねいたしたいのであります。  第二に、近き将來において、恩給増額実現のため、政府としては何らかの方法を講ずる意向があるかどうか。  第三に、現下の國家経済事情のため、恩給を全面的に増額することが不可能の場合は、年齢六十歳以上の老人とか、また病氣その他の事由のため働くことのできない者と限定をして、緊急的に、眞に現在生活に困つておる者のみを対象とする恩給増額につき考慮をなしておるかどうか。  以上三点につき明確なるお答えをお願いいたし、私の質問を終ることにいたします。(拍手)     〔政府委員荒木萬壽夫君登壇〕
  25. 荒木萬壽夫

    ○政府委員(荒木萬壽夫君) 大蔵大臣に代りまして、私から簡單にお答え申し上げます。  御質問の第一点は、國家公務員法に恩給制度を認めるという趣旨のことがあるが、この國家公務員法にいうところの恩給制度は、現在の官吏以外に既存の恩給権者にまで及ぼされるものかどうか、こういうお尋ねであつたと存じます。これは国家公務員法の趣旨から忖度いたしまして、今後新たなる國家公務員法のいいますところの趣旨に則つて、あらためて從來の恩給制度に檢討を加え、しかも各方面の意見を織りこみまして、実情に即した考慮をするという趣旨かと思われるのでありまして、從つて、お尋ねの点につきましては、あらためて檢討される場合に決定さるべきでありまして、ただいま含む含まないということは申し上げかねるのではないかと存ずる次第であります。  第二点は、近き将來において、現在のインフレ下において実情に即しなくなつておる非常に低い恩給額を増額する意見はないかというお尋ねであつたと存ずるのでありますが、御承知のように、軍人に対しまする恩給は、すべて遺族扶助料に至りますまで支給を打切られております。のみならず、現行恩給法によりまして恩給権を與えられる者は、廣い意味での官吏の中の本官をもつた者のみでありまして、そのほかに実質上の官吏と申すべき雇用人があまたあるのでありまして、これらに対しましては、御承知のように共済組合令によつてそれぞれ組合給付を支給されておるようでありますが、これらもやはり問題は同樣でございまするので、全般的に恩給制度が新たなる角度から検討さるべき時期にきておるのじやないか、のみならず、御質問の第一点について申し上げましたように、国家公務員法の新たなる趣旨を体しての再檢討を必要とするわけでございますので、それに加えまして、現在の非常に窮迫しました国家財政等ともにらみ合わせ、その他各方面の意向等も忖度いたして考えますると、今ただちに現行法のもとにおきまして恩給額を増額するということは、ちよつと困難であると存ずるのであります。  第三点は、そうでありながら、わく内において、一定の條件のもとに何らかの應急的な措置をする意思はないか、こういうお尋ねであつたと存ずるのであります。現行恩給法は、いわば過失なく一定年限をまじめに勤めました者に対しまして、ごほうびとして恩給を支給するというがごとき制度かと存ずるのでありますが、仰せのごとく、一定の年齢以上の困つておられる方々に、應急的に何らかの措置を講ずるということになりますと、これまた恩給制度そのものを再檢討することでないと問題は解決しないかと存ずるのでありまして、さしあたりは、公務上の災害を受けました方々に対しましては、増加恩給を必要に應じまして増加せしめる措置を講じ來つておるのでございます。今お尋ねのような意味合いにおいての考え方も、やはり第一点、第二点についてお答え申し上げましたような趣旨において、あらためて再檢討される機会に織りこまるべきものではなかろうかと、さように存ずる次第であります。  もとより政府といたしましても、御指摘のごとく、多年文化的な面におきまして、きわめて忠実に数十年を國家民族のために奉仕せられました方々が、今日におきましてはほとんど言うに足りない、何らの足しにもならぬと申し上げても過言でない程度の低い恩給でもつて、それのみをあてにしておられる方々が、さぞかしお困りであろうことも十二分に推察できるのでありますが、制度としてどうするかというお尋ねでございますれば、以上三点につきまして申し上げましたように、あらためて立法問題として考えられるものと存ずる次第であります。(拍手)      ――――◇―――――
  26. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 日程第一、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、海上保安廳法第十二條の規定による海上保安廳の事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長坂東幸太郎君。     〔坂東幸太郎君登壇〕
  27. 坂東幸太郎

    ○坂東幸太郎君 ただいま上程せられました、地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、海上保安廳法第十二條の規定による海上保安廳の事務所の設置に関し承認を求めるの件に関し、治安及び地方制度委員会における審議の経過及び結果の概要を御報告申し上げたいと存じます。  まず、本件の内容及び提案理由の概略を申し述べますと、海上保安廳法第十二條の規定による海上保安廳の事務所として、横浜、名古屋、神戸、廣島、門司、舞鶴、新潟、塩釜、及び小樽の九市に海上保安本部を置き、清水、大阪、高知、高松、鳥取県西伯郡境町、浜田、福岡、佐世保、長崎、長崎縣下縣郡嚴原町、鹿兒島、大分、八戸、船川及び凾館の十三市二町に海上保安部を置こうとするものでありまして、地方自治法第百五十六條第四項の規定によれば、地方行政機関を設置するには國会の承認を経なければならないことになつておりますのて、この規定により、このたび國会の承認を求めてまいつたのであります。  治安及び地方制度委員会においては、五月五日本件の付託を受け、翌五月六日の委員会にこれを緊急上程し、木下運輸政務次官から提案理由、大久保海上保安廳長官から内容の説明を聽取した後、愼重審議を行つたのであります。その間、松野君、松谷君等の諸君によつて論議せられました質疑應答の主なる点は、第一に、この機構整備により海上保安廳が全幅の効果をあげて活動し得るのは何日ごろになるかとの質疑に対し、政府当局の答弁は、海上保安廳は五月一日から発足したのではあるが、その前身として不法船舶入國監視本部は、すでに以前に設置せられて活動をしていたものであり、燈台や水路、海難救済等航行安全の仕事も、すでにそれぞれ既存の部局においてやつておつたのであるから、成規の手続を経て人員の充足次第、全幅の活動をなし得るものと信ずるとのことでありました。また本件の実現にとつて、予算や人員の増加はいくばくになるかとの質疑に対し、政府当局の答弁は、海上保安廳関係の予算総額は九億円であるが、今回新規に増加するものは三億円であり、人員の方は、現在総員八千人のうち新規採用は約千五百人であるとのことでありました。  その他三、四の点に関し熱心な質疑應答が行われたのでありますが、質疑終了の後、松野委員の動議により、本委員会においては、これを設置することは海上保安廳法の施行に伴い必要でありますから、地方自治法第百五十六條第四項の規定により本件を承認すべきものと満場一致をもつて議決いたした次第であります。詳細は速記録によつてごらんをお願いいたします。  右、御報告申し上げます。(拍手)
  28. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いたします。本件は委員長報告の通り承認するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  29. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本件は委員長報告の通り承認するに決しました。      ――――◇――――― 笹口晃君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。すなわちこの際、内閣提出、戸籍手数料の額を定める法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  30. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  31. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて日程は追加せられました。 戸籍手数料の額を定める法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。司法委員会理事鍛冶良作君。     〔鍛冶良作君登壇〕
  32. 鍛冶良作

    ○鍛冶良作君 ただいま議題と相なりました戸籍手数料の額を定める法律案について、司法委員会における審議の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。  改正戸籍法によりますれば、戸籍手数料の額は別に法律で定めることになつております。ただ財政法第三條の適用があるまでは政令によることを妨げないという規定によりまして一應効力が認められていた現行戸籍手数料規則を、このたび財政法第三條の規定の施行にあたつて、法律に切りかえる必要から提出せられたものであります。その内容は現行規則とまつたく同樣でありまして、委員会においても別に問題となるところはなく、四月十五日政府の説明の後、質疑を省略いたしまして、昨六日討論の際、各党委員よりそれぞれ賛成の意見が述べられ、同日採決の結果ね全会一致をもつて原案の通り可決をいたしました次第であります。  右、簡單に御報告申し上げます。(拍手)
  33. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 採決いします。本案は委員長報告の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて本案は委員長報告の通り可決いたしました。      ――――◇―――――
  35. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) お諮りいします。不当財産取引調査特別委員会の費用について、次の決議をいたしたいと思います。   不当財産取引調査特別委員会の費用は月平均額五十万円を超えてはならない。   右金額は衆議院の経費からこれを支拂うものとし昭和二十三年四月から第三回國会召集の日までの支出に充てるものとする。  これに対し討論の通告があります。これを許します。笹口晃君。
  36. 笹口晃

    ○笹口晃君 簡單ですから、自席から発言をお許し願います。  ただいまの議長発議の決議に対しましては、不当財産取引調査特別委員会の運用については、眞に民主的であつて、しかも嚴正公平を期し、いささかも党派的であつてはならないことを、各派を代表いたし強く要望いたしまして、賛成いたします。(拍手)
  37. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 本決議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  38. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。      ――――◇―――――
  39. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) なおお諮りいたします。不当財産取引調査特別委員会の調査の徹底を期するため、次の決議をいたしたいと思います。  政界の淨化は民主政治の基礎條件であり、取引の公正は國民信用の根源である。終戰  後各方面に幾多の疑惑があり、衆議院は不当財産取引調査特別委員会を設置して調査を 開始したが、この際右調査を廣汎にわたり公正迅速に徹底させるため、本院の決議を以 て同委員会の超党派的にして活發なる活動を要望する。  これに対し討論の通告があります。これを許します。栗山長次郎君。     〔栗山長次郎君登壇〕
  40. 栗山長次郎

    ○栗山長次郎君 不当財産取引調査特別委員会は、まず檢察当局の調査によつて、ほぼ輪郭の明らかになつたものから取り上げられたようでありますが、それがためでありますか、前後二回にわたつて同一事件の同一関係者の氏名が頻繁に報道され、世間にはきわめて一方的印象を與えたように存ずるのであります。もとより、檢察当局と同委員会の間にはその目的に相違がございますから、とかくの批評はありましても、今日までの同委員会の運営につき、委員各位のお骨折りに対しましては敬意を表すべきであると存じます。のみならず、数箇月來誇大に吹聽されてまいりましした辻献金の眞相追究とともに、二、三の収穫があつたように思うのであります。  その一つは、若干名の同僚議員に関し今まで流布されておりました疑惑が、かなり明白になつたということであります。それら現職議員の受取つたという金は、多くの場合比較的小額でありしかも本質において、選挙の際のいわゆる陣中見舞いにも比すべきものであるということがはつきりいたしまして、政治道徳上のゆゆしい問題というほどでもなく、法の処断をまつべきほどの罪惡性を伴わぬことが内外人に示されたと存じます。いま一つは、今日までの同委員会の御調査は、某政党の政治資金にまで及びましたけれども、そこにも世間が観測しておりましたような醜惡な事実が認められませんで、これから先のことはしばらく別といたしますが、ただいままでのところ、調べてみればさほどでもなく、政党の信用がある程度まで保持される結果になつたと申し得る点であります。  同委員会は、次の段階として、昨年十二月十二月十一日本院でなされました決議に基き、廣範な調査活動を開始されるものと存じますが、申すまでもなく、立法・司法・行政の三権分立下において、立法府内で行い得ますところは、証人の出頭であるとか、帳簿書類の提出要求等に止まつて、罪の処断はむろん司法権の活動にまたなければならぬにいたしましても、調査の限界内においては、いずれの方面からも掣肘を受ける筋合ではなく、峻嚴徹底を期することができると思うのであります。しかも、本院の決議によりますと、同委員会は、昭和二十年八月十四日以降における軍需資材を含む公有財産ほか各般の物資の処理、取扱、取引並びに現存しない物資の虚偽の賣買及びその収益につき全面的調査を行う権限が與られており、さらに、これに関して國民の信託にそむいた公務員、会社、組合その他の團体の使用人及びすべての個人の責任の所在を突止め、各省またはその他中央・地方政府機関との関係をも追究いたし得るのであります。  以上のごとく、同委員会への付託事項は廣汎でありまして、政界、官界、財界等各方面にわたる疑惑を一掃するにあるのであります。これを平たく申しますならば、敗戰後の國家的大掃除を行うべきよりどころを調べ上げて、惡質者がある場合は、やがて司直の手により、公共の利益の範囲外にこれらの者が隔離されますことによつて、わが國の信用が再び確立され、取引の公正感を再現するにあるのであります。特に連合國の好意ある対日援助と外資の流入を控えました現在、ここかしこに流布されつつあるような疑惑の一掃は喫緊事であり、國民の信託に背く惡質者がありますならば、これらの人々を隔離することによつて新たなる信用態勢を整えるという、いわゆる外資導入の受入態勢をつくる基礎活動とも申すべきものが、同委員会に託されておると言えるのであります。  昭和二十二年十二月二十日、隠退藏物資等に関する特別委員長加藤勘十氏が衆議院議長松岡駒吉氏に提出し、國民にも公表された報告書を見ましても、幾多未解決の問題が列記され、調査の端緒は展開されておりますが、そのうちの一つであります、連合軍から政府に返還されたいわゆる特殊物件は、二十一年十一月十五日の計算で千数百億円の價格に上るという証言がしてあり、その処理につき政府方面で若干の調査手続が行われたような記述はありますけれども、いまだに眞相は判明しておりません。混乱時の出來事でありましても、旧陸海軍等がもつていました物を占領軍が押えますれば、これは戰利品であつて、占領軍の所有に帰することは明らかであります。占領軍の所有に期したものを日本政府に渡したのでありますから、その特殊物件の処理を明らかにするかせぬかは対外信用の問題となるのであります。時間のずれとその複雜性等から、この件の調査が困難であろうことは、だれにも想像できます。しかし、そうであればこそ、国民の代表が身を挺してこれに当るべきであると思うのであります。  これは一例をあげただけでありますが、その後も遺憾ながら、政局担当者等をめぐつていくつかの疑惑が取りざたされ、未だにそのままに放置されておりますが、これは放置しておくべきではないと考えます。かかる重要な調査をなすために必要な委員会の経費は、日本再建の前提をなす大掃除の費用でありますから、ほかを切り詰めましても國庫から捻出すべきであり、今日も本会議で若干の御考慮はありましたが、引続き善処しなければならぬと思うのであります。  一部には、不正取引の調査が廣汎にわたることを、あるいはどろ試合といい、あるいは政治を弱体化するものだと、回避的な態度をとる向きがあるようでありますが、民主自由党は、総裁みずから声明し、役員会におきましても、不当財産取引の廣汎な徹底的調査を決議しておるほどでありまして、さような繰言に耳をかして態度を二、三にするものではないのであります。また省みて正しい者は、不幸にして疑惑をこうむつた場合、むしろ進んで徹底した調査に期待すべきであると信ずるのであります。再建途上の日本として、内外にわたる信用の新体制を確立いたしますことは急務中の急務でありますから、目前の犠牲はともかくとして、今後のために逡巡すべきではないと存じます。そうであればこそ、超党派的にして活發な活動を当該委員会に要望する議長のただいまの御発議がなされるに至つたものであると存じまして、ここに議長の御発議に対して全幅の賛意を表するものであります。(拍手)
  41. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 本決議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  42. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつてさよう決定いたしました。      ――――◇―――――
  43. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) お諮りいたします。中村嘉壽君より図書館運営委員長を辞任したいとの申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  44. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて許可するに決しました。      ――――◇―――――
  45. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) つきましては、常任委員長の補欠選挙を行います。      ―――――・―――――
  46. 笹口晃

    ○笹口晃君 常任委員長の選挙は、その手続きを省略して、議長において指名せられんことを望みます。
  47. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 笹口君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 松岡駒吉

    ○議長(松岡駒吉君) 御異議なしと認めます。よつて議長は、図書館運営委員長に木村小左衞門君を指名いたします。(拍手)  次回の議事日程は公報をもつて通知いたします。本日はこれにて散会いたします。     午後七時三十四分散会