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1947-10-14 第1回国会 衆議院 国土計画委員会 17号 公式Web版

  1. 昭和二十二年十月十四日(火曜日)     午前十時四十四分開議  出席委員    委員長 荒木萬壽夫君    理事 細野三千雄君 理事 松井 豊吉君    理事 大森 玉木君 理事 内海 安吉君    理事 的場金右ェ門君       溝淵松太郎君    宮村 又八君       守田 道輔君    田中 角榮君       村瀬 宣親君    高田 弥市君       松浦 東介君    野本 品吉君       高倉 定助君    只野直三郎君  委員外の出席者         議     員 大宮伍三郎君         議     員 生越 三郎君         議     員 庄司 一郎君         議     員 勝間田清一君         議     員 金野 定吉君         議     員 後藤 悦治君         議     員 周東 英雄君         議     員 仲内 憲治君         議     員 大矢 省三君         内務事務官   三島 利美君         大蔵事務官   伊藤 八郎君         農 林 技 官 伊藤 茂松君         厚 生 技 官 石橋 卯吉君         専門調査員   西畑 正倫君 十月十一日委員稻田直道君が辞任した。     ――――――――――――― 十一月十一日  關門國道掘鑿工事完成促進に關する陳情書(關  門國道隘道建設工事促進同盟委員長下關市長松  尾守治)(第三八一號)  東北地方水害地救済對策強化に關する陳情書(  全日通労働組合中央執行委員長大野健三)(第  三八八號)  菊川改修促進に關する陳情書(菊川改修期成同  盟會長静岡縣小笠郡平田村長戸塚民平外八名)  (第四〇二號)  茨城縣における旱水害復舊對策に關する陳情書  (茨城縣災害對策委員會長茨城縣知事友末洋治)  (第四〇三號)  久慈川改修工事實施延期に關する陳情書(茨城  縣那珂郡上野村農業會常務理事根本寅次外九十  七名)(第四〇七號)  第六號線國道切替工事施行に關する陳情書(茨  城縣多賀郡高萩町長宮田厚)(第四〇八號)  若松港を第一種重要港灣に編入の陳情書(福岡  縣議會議長稲員稔)(第四一四號)  山國川國營改修工事促進に關する陳情書(福岡  縣議會議長稲員稔)(第四二五號) を本委員會に付託された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  小委員長の中間報告に關する件     ―――――――――――――  一 松山港を開港場に指定の請願(安平鹿一君  外八名紹介)(第五八四號)  二 八木港修築促進の請願(山本猛夫君紹介)  (第五八八號)  三 川治川砂防工事施行の請願(荊木一久君紹  介)(第五九二號)  四 大久保部落地帯における地すべり防止工事  施工の請願(荊木一久君紹介)(第五九三號)  五 三方原に揚水工事施工の請願外一件(勝間  田清一君紹介)(第五九六號)  六 三名川砂防工事施行の請願(生方大吉君紹  介)(第五九七號)  七 富士山麓開発のため本栖湖からの導水工事  施工の請願(勝間清一君紹介)(第五九九號)  八 洗澤川改修工事施工の請願(金野定吉君紹  介)(第六一二號)  九 大和川改修工事施工の請願(伊瀬幸太郎君  紹介)(第六一三號)  一〇 大澤村水害復舊費國庫負擔の請願(金野  定吉君紹介)(第六一四號)  一一 島根縣の風水害復舊費國庫補助増額の請  願(木村小佐衛門君外四名紹介)(第六一八  號)  一二 蘆田川改修竝びに工事施工箇所増額の請  願(大宮伍三郎君紹介)(第六二二號)  一三 釜房ダム築設中止の請願(庄司一郎君紹  介)(第六二六號)  一四 兵庫縣下長谷川砂防工事施行の請願(大  上司君紹介)(第六三一號)  一五 五條、大阪間道路改修の請願(伊瀬幸太  郎君紹介)(第六四五號)  一六 八鳥川砂防工事施行の請願(伊瀬幸太郎  君紹介)(第六四六號)  一七 岡、上市間道路全通促進の請願(伊瀬幸  太郎君紹介)(第六四七號)  一八 八木、阪合部間道路改修の請願(伊瀬幸  太郎君紹介)(第六四八號)  一九 五條、黒瀧間道路全通促進の請願(伊瀬  幸太郎君紹介)(第六四九號)  二〇 名取川及び七北田川改修工事施工の請願  (庄司一郎君外二名紹介)(第六六八號)  二一 高津川砂防工事施行の請願(生越三郎君  外三名紹介)(第六六九號)  二二 江川砂防工事施行の請願(生越三郎君外  三名紹介)(第六七〇號)  二三 静間川砂防工事施行の請願(生越三郎君  外三名紹介)(第六七一號)  二四 斐伊川砂防工事施行の請願(木村小左衛  門君外四名紹介)(第六七一號)  二五 野田川砂防工事施行の請願(太田典禮君  紹介)(第六八三號)  二六 奈良縣の旱害對策に關する請願(伊瀬幸  太郎君外四名紹介)(第六八四號)  二七 武庫川上流青野川支流堤防改修工事施工  の請願(後藤悦治君紹介)(第六八七號)  二八 寶木村西濱に砂防工事施行の請願(稲田  直道君紹介)(第六九五號)  二九 佐陀川砂防工事施行の請願(稻田直道君  紹介)(第六九六號)  三〇 船谷川及び小江尾川砂防工事施行の請願  (稻田直道君紹介)(第六九七號)  追加  一 仙崎港を開港場に指定の請願(周東英雄君  紹介)(第三六四號)  二 利根川下流改修工事施工の請願(仲内憲治  君紹介)(第五四九號)  三 上下水道の普及その他に關する請願(大矢  省三君紹介)(第三八一號)  四 本宮川砂防工事施行の請願(松浦東介君紹  介)(第五二九號)  五 石子澤川砂防工事費増額の請願(松浦東介  君紹介)(第五三〇號)  六 實淵川砂防竝びに護岸工事施工の請願(松  浦東介君紹介)(第五三一號)  七 月光川治水工事施工の請願(松浦東介君紹  介)(第五三二號)  八 瀧ノ澤川砂防工事施行の請願(松浦東介君  紹介)(第五三四號)  九 大瀧川砂防工事施行の請願(松浦東介君紹  介)(第五三五號)     ―――――――――――――
  2. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 これより開會いたします。
  3. 松浦東介

    ○松浦(東)委員 日程変更の緊急動議を提出いたします。この際日程追加いたしまして、治水治山小委員會の委員長の中間報告を求めたいのであります。
  4. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 ただいまの松浦君の緊急動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御異議なしと認めました。日程は追加いたします。細野三千雄君。     ―――――――――――――
  6. 細野三千雄

    ○細野委員 治山治水對策小委員會の中間報告をいたします。  戰争中の濫伐と治山治水事業怠慢に基因し、國土は荒廢の一途をたどり、災害は日に月に激化しつつある今日、これが應急措置により、さらに進んで恒久的治山治水對策を考究立案し、國土の保全を期せんがために、國土計畫委員會内に治山治水對策小委員會が去る九月二十六日に設置せられ、われわれ小委員會としては、まず關係行政部門内における今日までの調査研究、あるいは具體的政索の大要を把握するために、早速その翌日、すなわち二十七日より内務省國土局、農林省林野局、開拓局、安本の建設局等と懇談を重ねました。その大要を今日國土計畫委員長に對し中間報告をいたしますとともに、御出席にならなかつた一、二小委員各位とその見聞の範囲を調和し、さらに進んで今後の根本對策を協議いたしたいと思います。  今や水害はわが日本の最大の悩みとなりつつあります。また一方においては、慢性病的悩みとなりつつある現状であります。治山治水をおろそかにして、これ以上國土を荒廢のままに放置して、単なる應急措置、復興工事等の姑息的手段にのみ當面を糊塗していますと、漸次耕地は狭隘となり、食料は減産し、極言しますと、かつてユーフラテス河畔に繋營を極めた古へのハビロン帝國が、土壌の浸蝕と崩壞のため久しい以前に山河とともに滅亡して、今日まつたく荒涼の砂漠となつたと同様のコースをたどるにあらずやとさへ危憂されるのであります。遅れたりといえ、今が最後の機會と考え、われわれは此の治山治水事業の復興に邁進したいと思うのであります。  一、まず第一に、治山治水の原理をわれわれは再確認したいと思います。すなわち河川は水源から河口までを単位として治水策を論ぜねばならぬという、至極平凡なことであるが、この至極當然なることが、過去においてはなかなか實行されていなかつたのであります。人工稀薄なる山奥の治山事業は自然遅れがちで、内務省の今年の豫算を見ても、河川改修費二十五億圓に對し、砂防費は一億に足りないのであります。しかるに一方本國土計畫委員會に付託されたる請願の過半数は砂防工事の促進であることは、治山治水の均衡がとれていないことを雄弁に物語つていると思います。赤城山麓の山崩れは、大利根の堅宰なる堤防をも決壞してしまう、すなわち本支流の水が無統制に下流に流下しては、いかに強固な堤防でも防禦できません。洪水を防ぐには水を高地において捕捉し、廣くに分散させ、一滴の水、一握の土砂でも少く下流に流すような方法を論ぜねばならぬ。今日までのわが國における治水事業は、主として洪水量と通水断面を對照とする築堤工事であつて、戰後濫伐等のため、洪水量の激増に對應するには、堤防のかさ揚げ、遊水池、放水路の新設等を考へていますが、治山事業が併行しない限り、洪水位の上昇とともに、河川の氾濫は繰返えし起り、工費倒れとなると思います。この意味において、わが國においてはいささか立遅れの治水事業に主力を注ぎ、文字通り治山治水事業の均衡をとる必要があると思う。特に耕地面積狭少なるわが國において、河川の堤防幅を現在以上全國的に擴張することは不可能に近いから、あくまで上流地域のダム建設と緑化植林を考慮し、洪水量を軽減せねばなりませぬ。  二、次に重大なことは、工費と資材を大幅に獲得せねばならぬということであります。まず豫算の面で申しますと、今年度總豫算千百四十五億圓に對し、公共事業費は九十五億圓で、その中に治山、治水關係豫算は、僅々十八億圓に過ぎず、追加豫算が認められたにしたところでも約三十億圓膳後ある。これ以外に應急措置として災害復舊に約二十五億圓を認めるという、これに對し七、八、九月の災害復舊費のみでも、各省の調査を合計すると、二百五十億を要する。これでは災害復舊さへ困難であつて、いわんや恒久對策等は着手の餘地皆無ということになる。何としても二十三年度は治山治水關係の豫算を大幅に増額せねばならぬ。なかんずく恒久對策たる防除費のごときものを眞剣に檢討増額せねばなりません。次は資材の面を見ると、さらに困難であつて、特にセメントが資金以上の隘路を形式しています。すなわち戰争前は、セメント生産六百萬トン中の約一割、六十萬トンを道路、河川、港灣に使用したのに對し、今年は總生産百三十萬トン中の、わずか三萬トンを治山治水方面に使用し得るのみです。わが國セメント生産能力は三百萬トンであるが、石炭の生産量に萬事制限せらるる上に、特建工事に優先せらるるためと申しますが、來年度は何としても最もセメントを必要とする砂防工事には、セメント十萬トン(今年度は一、五萬トン)は確保せねばならぬと思う。いずれにしてもセメント代替品の研究と、セメントによらない技術的施工法の考究を竝行させねばなりません。  三、國庫豫算の總額は、健全財政の建前上増額至難というならば、目下各地において大規模に敢行されつつある、今年度開拓費五十億圓の一部を治山治水事業に転用できぬかという問題は、開拓局當局と懇談の結果、未だ結論に到達てたしません。開墾が水害の一因となり、開墾により、増産よりも熟田の破壞に伴ふ減産がこれに上まわるという問題も主解決ですが、何しろ開拓適地の選定にあたつてはよほど慎重を期すべきであります、開墾と水害問題の理論的研究については、近く学者の研究を聽取する豫定であります。また自作農創設特別措置法が、その他の砂防法、森林法等にすべて優先するということは、また濫伐の原因となるべく、今後の研究を要する問題であります。これらに對しては現地における農地委員會または開拓委員會に對し、強力なる発言権を有する治山治水委員會が必要であると思います。  四、次は伐採と洪水の關係であります。過伐が今日水害頻発の一因をなしていることは呑み得ざる事實ですが、復興資材としての木材需要も今日ほど切實なるものはありません。わが國木材の利用貯積は約四十億石でありまして、年々の需要量は約二、五億で、用材において六十一年、薪材に於て十九年の寿命しかないと申します。これがためには造林と保安林の設定を強力に遂行せねばなりません。また災害に對しては積極的災害防止林、飛砂林防止防潮林等も必要であります。森伐採林と降雨流出量の關係は、林野局の國有林における試験結果より見ても、伐採後三年目には、降雨の流出量が約一〇%少かつたら、今度の破堤もなかつたのではないかと思うと、いかにこの一〇%が主要であるかがわかります。林野局は治山事業五箇年計畫を立案し、總豫算百八十億圓、來年度二十五億圓を計上し、保安林の強化、災害防止林の造成、崩壞地、地すべり地、禿赫地の安定化を期しています。これは詳細に全國山林調査の上精密に立案されておりますが、内務省の渓流砂防工事との施工年度面等との密接なる連繋が肝要かと思います。この點内務省の砂防課と農林省の治山課は、機構的に考慮せらるべきであるが、現状では何ともなりません。またこの両者の關係団體である砂防協會と治山治水協會は、當分各自の立場でなるべく協力に事業を推進するの一利あると思います。保安林は約二百萬町歩で全國山林の七〇%にすぎないが、わが國のごとく気象変化甚大なる地域では、森林の有する災害防止能力はまことに強力であるから、この際經済林と保安林の區別を明確にし、保安林はさらに強力なる森林法によりて厳重に確保されねばならぬと思います。  五、次は治山治水の見地より植林、植草としては何が適當であるかという問題であります。記録によりますと、米國で世界中の砂防草を蒐集して研究した結果、ジャパンつたが奇跡的に大成功だつたと申します。これは非常に根の強い草で、半年でつるが七メートル、根が二メートルくらい地中にはいります。これを堤防崩壞中の崕岸等に植樹するとつたは節ごとに根をおろして土砂をしめ上げ、セメントで防いだよりも、石垣で積み上げたよりも、十分にこれを堅縛すると申します。かつ根は、年々繁殖していくので、ますます堅牢となるわけです。つたはまた蛋白質を多量に含み、食料としても飼料としても有利であります。ただし、つたは樹木を堅縛して造林上は不都合でありますから、その必要のないところに植えねばなりません。これは日本、朝鮮到るところにあります。また九州にあるあまねも米國で試験の結果土壌を強く結束するそうであります。潅木としては、ロシャおぎがよく、これは低地でも濕地でも繁茂します。速成の樹木としてはアカシヤ、山はんの木、ポプラ等であります。  以上要するに今日の悲惨なる東北、關東等における水害は、もはや應急的復舊工事のみでは棄ておけぬ重大問題でありまして、これが對策としては、政治家と技術者が一體となつて、現代化学の粋を集めて、誠心誠意土地の緑化、砂防、ダム建造等の治山治水作業を徹底的に敢行するほかはありません。  以上申し述べましたところと、これに委員各自の若干の意見を附加いたしまして、主要なる論點を摘出してみますれば、 イ、河川の水源より河口まで一単位としての、治山治水行政の樹立(山林河川、港灣行政の統一) ロ、河川改修工事中における砂防工事の優位(砂防の工費と資材の比率の三倍化) ハ、山腹砂防行政(農林)と渓流砂防行政(内務)との統一(行政機構改革) ニ、山野緑化計畫の強行(造林五箇年計畫) ホ、既設保安林の再檢討と保安林の増大 へ、保安林選定方法の改正(森林法の改正) ト、防災林(防潮、防雪、防風)の増強 チ、計畫による適量伐採(濫伐制限に關し森林法改正) リ、開拓優先の現行制度の檢討(自作農創設特別措置法改正) ヌ、流況変化の調査と計畫洪水量の再算定による河川改修計畫の訂正 ル、蛇行形河流の矯正と所要河川敷地建物の収用または疎開 オ、堤防上の植樹と耕作の制限または禁止 ワ、許す限りの川幅擴張と遊水池の設置 カ、開拓(農林)発電(商工)河水統制(内務)の統合的利水計畫に基くダム建設(行政機構の改革) ヨ、架橋の長さと高さの擴大 タ、河川管理行政の再檢對(河川法改正) レ、沿岸民の河川愛護の慣行の育成発展 ソ、治山、治水工事は単年度工事たること。ものやむをやず年度継續工事たる場合は、初年度工費を特別に増額すること ツ、保水力ある草木(くず、ロシャおぎ等)と防炎に適する開拓耕作方法(傾斜地における水平階段式の同高栽培等)の調査研究 ネ、代用資材と施工技術の調査研究以外中間報告といたします。  補足として申し上げますが、最後にあげました十九の論點は、これを大別いたしますと、治山關係の問題、治水の問題、それから第三には豫算、資材の問題、第四には行政機構の問題、第五には立法の問題というふうに大別できると思いますので、小委員會といたしましては、これらの五つの分類に從いまして、逐次結論を見出していうこう思つておる次第であります。なお最後にあげました論點につきまして、たとえば自作農創設特別措置法改正、開拓優先現行制度というような點につきましては、關係の必要な資料等をいずれ用意いたしまして、皆さんに配付する考えでおります。以上御報告を終ります。
  7. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 ただいま細野小委員長の中間報告に關しまして御質疑等ございませんか。  それでは日程に入ります。本日は日程第一から審査を開始するはずでございますが、日程第一、第二に關します紹介議員の出席がございません。この際前囘の委員會におきまして延期いたしておりました要件につきまして、周東英雄君より日程追加の要求があります。お諮りいたします。これを許すに御異議ありませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
  8. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御異議なしと認めます。日程は追加せられました。
  9. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 仙崎港を開港場に指定の請願、周東英雄君、文書表番號第三六四號。紹介議員の説明を求めます。周東英雄君。
  10. 周東英雄

    ○周東英雄君 簡単に請願の趣旨を御説明申し上げます。内容はただいま委員長から述べられましたように、山口縣大津郡にあります仙崎港を、貿易再開を機會に開港港に指定されたいというのであります。仙崎港は實に本州の西端山口縣の北部にありますが、その位置といたしましては、大體西の方は深川、半島と言つては小さいのでありますが、深川の北方に陸角が出ております。その北には青海島というのがありまして、東西二里、南北一里にわたる島が半島の北側に長く東に向つて位置しております。また東側の方は三隅の小さい半島がこれをおおつております、その内水面でありまして、大體のところ東西にわたり千七百メートル、南北三千七百メートル。面積といたしまして五百七十六萬平方メートルというような方域になつております。從つて三万陸あるいは島になつております。その水域は相當廣いのでありまして、しかも水深は東の入口からいたしますと大體二十メートル、西の港口にいたしますと十メートルないし二十メートルありますか、港内は平均いたしまして十五メートル強あります。しかも潮流は非常に緩慢でありまして、風を受けるというと、わずかに東北風をあるいは直接受けるかという點がございますが、一般的に見まして非常によい港であります。これはごく最近の話でありますけれども、終戰後連合國の駐屯軍が見られまして、非常によい、かくのごとき港が今日何ら開港場に指定されておらないということは惜しいということを言われた點でもわかるかと存じます。施設といたしましては、すでに桟橋、防波堤の設備がございます。なおこの港につきまして背後地關係を簡単に申し上げますと、仙崎港の背後にあります美祢郡には無煙炭、大理石、石灰石、石炭、木材、竹林等が多量に出るのであります。なかんずく無煙炭は年産三十萬トン、大理石四十萬トン、石灰四十萬トンくらい出るのであります。その大部分は從來からも仙崎港を經て無煙炭、石灰石は全國各港にいきますし、石灰は從來から満鮮方面に年々五、六萬トンを積み出しております。木材は美祢郡、大津郡という近接している郡から、年々一萬五千トンを満鮮に從來から出しておりました。水産加工物の輸出につきましては、年々五、六千トンございますし、その他果實、雑穀等の移出も年一萬トンくらいに達しております。しかもこれは從來は朝鮮に移出しておりましたが、今後は朝鮮が外國になりましたので、今後における關係といたしましては、満鮮に對する輸出港として、あるいは輸入港として、最短距離にあるということが、非常にこの港の将來を認めさせているものと考えております。殊に從來戰時中は、開港場として指定はありませんでしたけれども、陸軍の需品廠が設置されておりましたので、頻繁にジャンク船が出入しまして、満鮮の諸物資を陸揚げしておつたのであります。殊に終戰前におきましては、入れるべき豫定のだいず等が當時百萬トンでありましたが、その中五、六十萬トンに達する残餘を急速に輸入するため、仙崎港が使われたのであります。從つて、税關出張所、海運局出張所、船舶運營會出張所等の諸機關もございますし、なお今年の四月からすでに朝鮮向けの竹材の輸出もありまして、事實上開港場としての活動をしている現状でありますま。從つて今後一たび仙崎港が開港場となりますれば、だんだんと國際情勢の安定とともに、朝鮮關係のものは最短距離であるところの仙崎港を通じて輸入され、あるい阪神地方に、あるいは下關、九州方面にも出るのではないか。また先ほど來申し上げましたがような、從來から輸出の關係がありました木炭、石炭、果實、鹽干魚というようなものが、朝鮮あるいは満州方面に出、また從來朝鮮からはいつておりますところの鹽、石炭、小麦粉あるいはこうりやん、雑穀というようなものも、満鮮から量を多くして入れ得るのではなかろうかと考えられるのであります。いずれにいたしましても天然の良港がしかも満鮮に對して最短距離にあるということにつきましては、ぜひともこの際皆さん方の御理解を得まして、この請願を採澤せられ、政府より開港場として指定していただくようにお願いをいたしたいわけであります。殊に背後關係に對する交通、運輸の關係といたしましては、山陰線正明市驛から現在臨時鉄道としてわかれてきておりますが、しかしこれは今日までたびたび仙崎、深川、三隅ととう三市にまとまるべき機運がだんだんに醸成されております。結局經済的にも地理的にも三者一體となるべき運命にある地でありますので、輸出入に關しましての内地における陸上輸送の關係も、多少の改善をすれば完備するものと考えております。いずれにいたしましても、こういうふうな事情をもつ仙崎港につきまして、貿易再開を機といたしまして、殊に将來満鮮を控えての輸出入港として開港港に指定せられんことを特にお願い申し上げる次第であります。
  11. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  12. 伊藤八郎

    ○伊藤説明員 ただいまの仙崎港の開港につきまして、答弁申し上げます。仙崎港の開港につきましては、なお諸般の事情その他をとくと勘案いたしまして、慎重研究することにいたしたいとおもいます。
  13. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等はございませんか。
  14. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第一二、蘆田川改修竝びに工事施工箇所追加の請願、大宮伍三郎君紹介、文書表番號第六二二號、紹介議員の説明を求めます。大宮伍三郎君。
  15. 大宮伍三郎

    ○大宮伍三郎君 蘆田川改修竝びに工事施工箇所追加の請願につきまして、一言述べたいと思います。中國山脈から源を発しました蘆田川は、山陽線の福山市のそばを通りまして、瀬戸内海に流れこんでおる廣島縣東部の最大の川であります。御承知のごとく中國地方の森林は、非常に密生しておりせんで、少し雨が降ると直ちに洪水となり、大正八年に大洪水がありまして、福山全市浸水、流失その附近数十箇町村が被害を受けたのです。大正十五年に改修工事が施工されまして以來、毎年継續で着々と工事が進められておるのでありまして、非常に完全な工事が上流に向つて進んでおりまして、沿岸の者はその完成の一日も早きを待望いたしておるのでありますが、支那事変発生以來、工事が豫算の關係停頓いたしまして、太平洋戰争に突入いたしますと、ほとんどあるかなしの豫算で、工事が中止同様の状態になつております。しかるに昭和二十年の九月に非常な洪水がありまして、改修されたところは微動だもせざる状況でありましたが、改修されない上流の地方は非常な損害を受けまして、流失家屋百二十三戸、洪水家屋二千八百三十九戸、橋梁の流失いたしましたものが二十一箇所、浸水の田畑が千五百町歩、人畜の死傷が、死者八十五名、護岸の破壞いたしましたものが約一萬七千メートル、堤防の決壞いたしましたものが九千七百メートル損害が四億二千三百萬圓という惨害をみたのであります。その翌年の二十一年にも、補修がならない箇所に非常な損害を受けたが、その翌年にもまた損害をみました。かように連年破壞をされている状況でありますので、最初の計算を推し進められて、根本的な改修工事とともに、その川に流れ出る支流の改修も、併せて國費をもつてやつていただきたいということを、附近数十箇町村が期成同盟會をつくつて、熱心に當局にお願いをいたしている次第であります。何とぞ本委員會におかれましても、この請願を御採澤あらんことを、ひとえにお願いいたす次第であります。
  16. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  17. 三島利美

    ○三島説明員 廣島縣の蘆田川につきましては、ただいまお話がありました通り、昭和二十年の九月の大災害によりまして、改修工事の未完成の上流部が激甚な災害を受けられたことは御指摘の通りであります。さらにまた本年七月の災害におきましても、やはり工事の未完成部分が相當の被害を受けているような實情であります。政府におきましては、これらの災害に對しましては、迅速にその復舊をはかつているのでありまして、改修工事の済んでいない區域に對しては、國庫財政の許す限り、でき得る限りこれを短期間に完成いたしたいとすう方針でおります。理想を申しますれば、まず三年ないし五年程度が完成いたしたいという理想をもつております。なおまた、ただいま御指摘のありました通り、この蘆田川上流の各支川及び本川の下流部に對して、工事區域を延長してもらいたいというお話がありましたが、これにつきましては、内務省の中部土木出張所からも、やはり同様の見解を私どもに通じておりまするし、私どもといたしましても、本川の工事だけでは完璧を期し得ないことが大體見當がついておりまするので、さらに實情についてもう少し十分に調査をいたしました上、また豫算の幅ともにらみ合わせまして、緩急順序を誤らず、支川に對しましても改修工事を施したい。かように考えております。でき得る限り近い機會に御期待に復いたいと思つております。
  18. 内海安吉

    ○内海委員 ちようど河川の問題に關連いたしまして一應承つておきたいのであります。十一日の新聞を見ますると、内務省國土局の名前をもつて治水の五箇年計畫なるものを発表されておるのであります。われわれは、御承知のごとく治水治山計畫はもとよりわれわれの目の前に展開されておる水害の對策につきましても、當局と日夜いろいろな點にわたつて調査を進めているつもりなのであります。殊に先ほど同僚細小委員長よりも御報告せられましたるがごとく、國土計畫委員會においては、特に現在の水害に對処すべく、治山治水計畫特別委員までも設けて、慎重にこれが研究調査をすすめておるような次第なのであります。しかるにわれわれには何らの御内示もなく、突如として治水の五箇年計畫なるものを新聞紙によつて発表せられて、われわれは全然知らなかつたということは、われわれ委員にとつてもまことに不見識なわけであります。かかる問題は常にわれわれと緊密なる連絡をとつて、そうして御決定になつて御発表になることが順序でないかと思うのであります。ただいま上程されておる各種の案を見ましても、その陳情の大部分はみな水害對策竝びに治山治水計畫にわたつておるのであります。かかるいわゆる省議をもつて決定し、あるいは閣議をもつて決定する前に、一應われわれ委員會に御相談があつてしかるべきである。そうしてさらにそれを新聞紙に発表するまでの段階に進んでおられるならば、われわれ治山治水小委員に對して御内示くらいあつてしかるべきではないかと思うのであります。この點につきまして内務當局の責任あるお答えを願いたいと思います。
  19. 三島利美

    ○三島説明員 ただいまのお話は至極ごもつともだと思うのであります。この點につきましては、私ども河川の五箇年計畫、砂防の五箇年計畫を去る六月ごろ各縣に命じまして各縣の資料をとりますし、また直轄のものにつきましては、内務省がみずから研究いたしておつたのであります。ひと通りさようなものをとりそろえはいたしたのでありますが、まだこれは十分に檢討しなければならぬ。殊に最近の水害の状況もありますので、さらに檢討を要するという箇所もあるのであります。從いまして、實はここにおいでの西畑専門委員からもその御連絡があつたのでありますが、現在あれを直ちにこの治山治水小委員會の方々にお見せするにはまだ多少研究の餘地がある。ただ金額を取りまとめただけの表しかできておりませんので、金額だけの表でありますと、現在では貨幣価値の変動もはげしい際に、治山治水小委員會の方々にお見せするのにはあまり芸がないという感じがいたしまして、もう少し資料を整えたいと存じまして、いましばらくお待ち願いたいということを西畑さんまでは申し出でておつたのでおります。決してここにできております國土計畫委員會、もしくは治山治水小委員會というような方々を無視して、計畫を無視して、計畫を進めていくというつもりは毛頭ないのであります。ただいま申し上げました通り、何としましてももう少し資料を整えたい點がある、その點で若干遅れておつたのであります。ところが新聞社の方にその意味をよく言つて、再檢討を要するのだということをよく言つたのでありますが、再檢討は再檢討として、その點はよく含んで話を聽くから、一應のごくかいつまんだ大ざつぱな構想だけでもよろしいからという話でありましたので、もちろんあれは内務省といたしまして省議に諮るほどの問題でもありませんので、ごくかいつまんだものを新聞社に話をしたような次第であります。從いまして近い機會に、こちらの委員會に對しましては、もう少し檢討を加え、細部にわたりましたものをひとつ御披露いたしましてぜひとも御協力をいただきたい、かように思つておる次第であります。発表というほどにも思つておらなかつたのでありますが、いずれにいたしましてもああいうふうに出ますと発表のようにとられてもやむを得ないのでありまして、こちらと新聞との關係の発表の前後が逆になつておる點は、重々申し訳ないと思いますが、先ほど申し上げましたような気持からのことでありますので、御了解いただきまして今後十分御支援御助力をいただきたいと思つておる次第であります。
  20. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 内海君、ただいまの三島説明員の説明によつて御了承になりますか。
  21. 内海安吉

    ○内海委員 よろしゆうございます。
  22. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 なおついでながら附言いたします。ただいまの三島説明員の話された程度のことは、實は委員長といたしましても一應伝え聞いておつたのでありますが、今お聽きの通りの状況でありますので、あえてその資料を新聞紙発表以前に各委員にお配りする手はずをしなかつた次第でございますので、委員長からも御了承をお願いたします。     ―――――――――――――
  23. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 この際お諮りいたします。仲内憲治君より、前會延期いたしました案件について、日程追加の要望があります。これを許すに御異議ありませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
  24. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御異議なしと認めます。日程は追加いたされました。利根川下流改修工事施工の請願、文書表番號第五四九號、紹介議員仲内憲治君。紹介議員の説明を求めます。
  25. 仲内憲治

    ○仲内憲治君 ただいま上程をお願いいたしました利根川下流改修工事施工の請願につきまして、素の趣旨を簡単に御説明申し上げます。利根川が治水上重要な地位をもつているということは、今さら申し上げるまでもなく、今次の水害の實情に徴しまいても、すでに皆様の十分なる御了解を得ているところと存ずるのでありますが、ただいま請願の趣旨の利根川の改修區域を銚子の河口まで延長していただくという點につきましては、すでに利根川上流の方面は農林省の所管をもつて改修が計畫されているということであります。ところがむしろ水利上の立場からいたしますれば、下流、殊に河口に重點を置かれてその治水に完成を期せられたい。殊に銚子の地域はひとり利根川の河口としての役割ばかりでなく、たくさんの漁船の出入する漁港としての重要な役割をもつているのでありまして、利根川に出入する船舶、土地の關係船舶だけでも漁船が五六百に上り、さらに他地方から遠く静岡縣あたり、あるいは仙台あたりからの囘船というものが非常に多いのも御承知の通りでありまして、そういう漁船の出入の上からいきましても、河口の改修は非常に大事な點でありますが、この河口の現状というものがまたすこぶる不満足な状態にあるのでありまして、對岸の波崎、常陸のあたりから流れ出ますところの土砂が河口に積もりまして、河口に水深がきわめて淺くなりまして、殊に出入の船の難船もあり、現に銚子の河口には相當大きな貨物船が難船して、まだそのままになつている。このためにさらに他の船舶の出入も不便ないし危機を感ずる状態にあるのであります。從來利根川の水量からいけば、二百トンくらいの漁船が出入できるはずなのに、河口の状態が悪いために現在では二、三十トンの船舶さえも相當危険をおかし、水位の状態を見ないと出入できないという現状にあるわけであります。銚子が漁港としての、水産日本の地位から見ましての必要性ということも、すでに皆様御理解のところでありますし、また治水の點からまいりましても、今次利根川の水害の状況を見まして、河口の關係者といたしましては、この改修工事の一日も速やかに實現せられることを希望してやまない次第であります。今囘この請願に連署いたしました者は、銚子市長を初めとして、沿岸關係町村は、ことごとく参加、對岸の波崎も参加し、十三箇市町村の連署をもつて請願をお願いしているような次第でございます。その工事の内容につきましては、現に上流の方がある點まで改修されているので、これを銚子の河口まで延長していただく。大體笹川附近から銚子までの延長をお願いしているような次第であります。繰返えして申しますように、河川の治水の見地あるいは水運を利用する見地からいたしまして大事なのは、河口下流がむしろ第一に重點をおかなければならないのであるというような氣もいたすのでありまして、今度の水害の内容から治水の點につきましては、政府といたしまして、また委員會の皆様としても非常にお多忙であり、また先を要する點もそれに劣らない重要な問題であるということを確信いたしまして、關係市町村長の熱心な請願をぜひともお聽入れ願いまして、これが速やかなる實現を見ることを希望する次第であります。その工事の方法といたしましては、今申しますように、笹川からの浚渫ないしは河川の増補工事、さらに河口に導水堤をつくつていただくという點でございまして、何分皆様の御助力を得まして、この請願の實現の一日も速やかならんことをお願いする次第であります。
  26. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  27. 三島利美

    ○三島説明員 ただいまお話がありました利根川河口でありますが、これは例の鹿島灘に面しておりまして、あの鹿島灘は漂砂、つまり海の砂の移動がきわめてはげしいところでありますので、そのために銚子河口は年々淺くなつてまいりまして、殊に最近、その銚子の對岸の茨城縣の波崎附近におきまする砂の寄洲の発達は、年々著しいものがあります。そのために、銚子港としての機能が非常に障害を來しておりますことは、ただいま御指摘の通りでありますが、これがしかしながらひとり港灣としての機能を阻害いたしますに止まりませず、利根川の根本的な治水問題にも非常に重要な影響がありますることも、これまた御指摘の通りであります。しかしながらこの工事は技術的に見まして相當複雑な問題もあります。目下その調査をしたしております。その調査が整いましたならば、でき得る限り近い将來におきまして、新利根川増補工事の區域を囲うまで延長いたしまして、そうして利根川の根本的な治水計畫に寄与いたしますると同時に、港灣機能を昔に復せしむるように十分善処いたしたい。かように考えております。
  28. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。     ―――――――――――――
  29. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第十一、島根縣の風水害復舊費國庫補助増額の請願、木村小左衞門君外四名紹介、文書表第六一八號。紹介議員の説明を求めます。生越三郎君。金
  30. 生越三郎

    ○生越三郎君 島根縣の風水害によりまして、ここのその復舊工事の事業補助金を増額の陳情をいたしたわけでございます。島根縣におきましては、十八年の九月十八日に、石見を中心といたしまして大風水害が起つたのであります。これは島根縣におきましては歴史的な風水害にあつたのでありまして、これによりまして美田の流失、家屋、人畜の損害というものは莫大なものであつたのでありますが、これが十八年、十九年、二十年と三年連續してこの水害が起つてまいりまして、當時政府の多大なる御援助を受けたのでございますけれども、その後物価の高騰やいろいろの問題からいたしまして、その復舊が容易に行われないような状態に立ち至つておるのであります。復舊計畫の耕地は五千三百七十兆歩でございまして、これに對して昭和二十一年度末には四千十九町歩の復舊を完成しまして、なおあとに千三百五十一町歩はあるのであります。また公共施設でも道路、水路あるいは護岸等四十二萬九千三十間、溜池あるいは井堰あるいは橋梁等二千九百三十八箇所の残存量を生じておるのでありまして、この所要事業費は實に三億一千二百七十九萬三千三百七十圓を要するというような状態でございます。これに對しまして本年度、その事業費が半減されまして、そうしてさきに四千六百五十一萬九千八百四十圓の割當を受けたのでございますけれども、この金額におきましては、皆様御承知のごとく、今日の物価高においては容易にこの復舊はできないのでございます。これに對しまして島根縣民は一生懸命に死力を出して、これが一日も早く復舊すべくやつておるのでございますが、何分にも島根縣は經済的に惠まれない縣でございまして、非常に苦しい思いを續けておるところの状態でございます。しかしこのいわゆる美田その他において、一生懸命に國家のために縣民は尽しておるのでありまして、御承知のごとく、昨年も米におきまして追加割當を受けて一一五%というような米を供出しております。また今年に至りましても、苦しい中から米麦その他において莫大な数量を競つて縣民は國家のためにというので出しておるような状態でございます。先ほど陳情書を皆様方にお配りしてありますので、これを読んでいただければ大體御了解願えると思うので、あまり長くなりますから申し上げませんが、非常に經済的に困つておるところでありながらも、國家のために尽しておる縣民のこの心情、及びまた荒廢しておるところのこれを復舊しまして、より以上國家の缺乏しておる食料問題に對して全力を傾注するような状態にしていただくことを、ひたすらお願いするために、ここに復舊事業費補助金増額の請願を出しておる次第であります。何とぞ委員各位におかれましては、わが島根縣の經済状態をよく御了解くださいまして、適當なる御援助をお願いしたしたいと思うのであります。
  31. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
  32. 三島利美

    ○三島説明員 ただいまお話のありました島根縣の災害につきましては、お話の通り昭和十八年、十九年、二十年と、非常にひどい災害が三箇年連續いたしまして、殊に島根縣は石見方面が非常に激甚でありまして、御同情申し上げております。これに對しましては私ども、災害の復舊はできる限り短期間に復舊させたい。工事能力の點もありますけれども、工事の消化能力さえあるならば、一年間に復舊いたしたいという気持でまいつておるのでありますが、國庫財政の都合もありまして、なかなか希望通りにいきませず、昭和十八年、十九年、二十年の災害復舊がやはり今日も續けられておるというような實情であります。でき得る限り災害豫算も大幅に私ども編成してもらいまして、御希望に副うようにいたしたいと思つておりますが、現在の國庫財政の状況から申しますと、なかなか私どもの思つておる通りたやすくはまいらないようであります。今後ともひとつ十分御協力をいたしたいと思つております。なお島根縣の災害に限りませず、昭和二十年、二十一年の災害復舊の補助金の昭和二十年分が當初非常に豫算が壓迫された關係上、非常に補助額が少かつたのでありまして、ほとんど各縣の希望のわずかに一割程度しかいかないというようなひどい状況でありましたので、安定本部、大蔵省とも折衝をいたしまして、今年の五月ごろでありましたか、追加豫算をとりまして、多少は御希望に副い得るようになつております。しかしながらこれとても最近の物価高などの關係で、ただいまお話のありました通り、災害府縣といたしましてはとうてい満足のいく数字ではありません。今後とも各方面の支援を得まして、でき得る限り災害河川の復舊が短期間にできるようにいたしたいと存じます。
  33. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑はありませんか。     ―――――――――――――
  34. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次に日程第二一、高洋川砂防工事促進の請願、生越三郎君外三名紹介、文書表第六六八號、日程第二二、江川砂防工事促進の請願、生越三郎君外三名紹介、文書表第六六九號、日程第二三、静間川砂防工事促進の請願、生越三郎君外三名紹介、文書表第六七〇號、日程第二四、斐伊川砂防工事促進の請願、木村小左衞門君外四名紹介、文書表第六七一號でありますが紹介議員生越三郎君は他の委員會に出席のためお急ぎのようであります。よつて以上四件をこの際一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。生越三郎君。
  35. 生越三郎

    ○生越三郎君 ただいま委員長からお話のありましたことく、他の委員會に出席しなければなりませず、また皆様ももはや水害、河川問題に對してはよく御存じのことと思いますので、簡単に説明いたしまして御協力のほどをお願いいたしたいのでございます。  高津川はその延長七十五キロ、その流域面積は一千八十五平方キロメートル、流域に生産しますところの米の生産高は三萬四千石というような状態でありまして、これは石見地方における大きな川でございます。この川は點の豐漁のところでございまして、これもうまくとれますと数百萬圓をあげ得るところの河川でありますが、これが先ほど申しましたことく、十八年の風水外以來しばしば氾濫いたしまして、その流域の美田を荒らし、あるいは民家を崩壞し、いろいろ地方においては悩んでおるのであります。これに對して、砂防工事の促進を速やかにやつていただきたいのであります。  次に江川の砂防工事の問題でございますが、これは御承知のごとく日本でも有数な川でございまして、中國第一の河川であります。その延長は二百キロメートルに及び、その支流數は三百五十五、流域面積は三千八百十三平方キロメートル、流域に産します米の實収高は七萬二千石に及び重要なところの河川でございます。これも十八年の風水害以來氾濫いたしまして、橋梁、道路その他を破壞し、地方民を經済的に非常に苦しめておる状態でございます。  次に静間川の砂防工事でございますが、静間川は延長十八キロでありまして、その流域面積は六百五十八町歩であります。米の生産額は一萬三千石で、その沿線には三萬數千の住民が孜々營々として農作にいそしんでおるのでございます。この氾濫によりまして、非常に地方民の經済を壓迫しておるような状態でございます。この地方は山地でございまして、田畑を耕して生活するよりほかに生活方法のない地方なのでございます。この川の氾濫のために苦む地方民の状況は皆さんの想像以上と思います。どうかこの點に十分留意していただいて御援助をお願いいたしたいのであります。  次に斐伊川の砂防工事でございますが、これは島根縣の有名な斐伊川平野に流れておる川でありまして、その平野は八千町歩の面積を有し、その延長は八十四キロメートルに及びます。そしてその流域に生産します米は三十二萬石という尨大な米を産するところでありまして、島根縣の豐庫と言うべき所でございます。これが氾濫いたしまして豐庫でなくなるというような状態に立ち至つておるのであります。どうかかくのごとき經済状態にあることをよく御考慮していただきまして、一日も早くこの諸河川の砂防工事の促進をはかつていただきたいことを縣民八十萬が日夜お願いしておる次第でございます。また縣當局もこれに對して全力を傾注しております。また島根縣の高樹村におきましては、最近國庫から補助金がもらえないので、もらえるまでわれわれが借金してもやろうというので、新聞紙上で見ますと各一軒三萬圓という金が皆が借金をして、もらえるまででもこの國土を守ろうというので全力を傾注しておることが発表されておるのであります。われわれ島根縣から出ております議員といたしましては實に涙ぐましい思いをしておる次第であります。どうか政府の方々におかれましては、この僻陬の地方にある島根縣によく御留意していただきまして、一日も早く島根縣が起ち上り得るようにしていただきたいことを、われら議員ひとしくお願いする次第であります。
  36. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
  37. 三島利美

    ○三島説明員 ただいまお話がありました島根縣高津川、江川、静間三、斐伊川につきまして、砂防工事の必要でありますことは私ども十分認めておるのであります。このうち江川につきましては、昭和十九年以來内務省に直轄砂防工事に移しまして今日まで至つております。他の三河川につきましては補助金を差上げまして島根縣の砂防工事として行つております。しかしながら先ほど御指摘の通り、各河川とも非常に經費が少額でありまして、お話にならないのであります。殊に斐伊川に至りましては本年度は豫算がありませんので、工事はやむなく中止をしているような状況であります。しかしながら先ほど治山治水小委員會の委員長から御報告もありました通り、河川はとうてい河川改修だけでは護りとおせるものではありませんで、どうしても河川改修と砂防とがうまく均衡を保つていかなければならないこともよく私ども承知いたしております。ただ砂防はどうしても資材殊に重要なセメント等を多量に必要とします點から、私どもは不本意ながらも砂防の方は、河川工事とはいえ十分伸びておりませんが、さらに砂防工事に至りましてはその資材の點に制約されまして意のごとく伸びておらないのであります。先ほどの小委員會の御鞭撻もありますので、十分に今後資材竝びに豫算の面におきまして努力をいたしまして、砂防工事が進捗いたしますように努めたいと思つております。さいわいこの島根縣の四河川につきましても、昭和二十一年十一月に各河川とも砂防の見地から十分調査しております。でき得る限り豫算、資材を獲得いたしまして、その調査の線に副うように努力いたしたいと思います。
  38. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]     ―――――――――――――
  39. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第一三、釜房ダム築設中止の請願、庄司一郎君紹介、文書表第六二六號、紹介議員の説明を求めます。庄司一郎君。
  40. 庄司一郎

    ○庄司一郎君 本請願は宮城縣柴田郡富岡村村長、同郡川崎村村長ほか三百七十五名の連署連名によるところの請願でございます。宮城縣柴田郡川崎村及び富岡村の二村を挟んでその中央を流れる北川という小さな川と前川というささやかな小川がございます。この二つの川が約三里の下流において合流をして名取川となりまして、太平洋の閖上港というところに注ぎます。ところが昭和十九年の太平洋戰争の最中においてこの川崎村と川崎村のうち小野及び小澤という大きな二つの部落、富岡村のうち小澤という部落、この二村三部落の農民の所有いたしております田畑、川崎村においては約二百二十三町歩、富岡村においては約四十町歩、戸數においては川崎村關係の二百十六戸、その總人口が一千五百名でございます。富岡村小澤においては五十六戸その人口が四百六十名ございます。この關係の三部落民が多年父祖傳來の開墾をして耕作してまいりましたところの合計二百七十町歩餘の田地、田畑を犠牲にしてダムをつくることを、ときの内務省仙台土木出張所長の金森博士が草案をされました。當時その目的は名取川の下流に位しております仙台市の郊外長町という附近一帯に陸海軍の重工業の約二十いくつかの工場があつたのであります。それらの陸海軍の軍需工場にダムをつくつて大発電所を起し、相當量の電力を供給することを主たる目的としてダムの計畫をなされました。川崎村竝びに富岡村両村の農民は、簡単にこれには應じなかつたのであります。数囘にわたつて農民大會あるいは村民大會を開いて、この内務省の仙台出張所の御計畫に對してその意思を飜えさすために地方の大きな社會問題化したのであります。しかるに時の東條政府は、あるいは憲兵隊を特派し、あるいは仙台、あるいは柴田郡にある大河原警察署の警察官数百名を特派いたしまして、戰争遂行のため反戰的な行動なりとして、農民を弾壓あるは壓迫いたしました。戰争のさなかであつた關係上、素朴なる地方の農民も、戰争に勝たんがための発電所をつくる前提としてのダムなりというような意味において、心ならずも壓迫をされ、また戰争に對する理解の上からも、涙をのんで両村の關係農民はダムつくりに餘儀なく賛成せざるを得なかつたのであります。あたかも往年の大河原村におけるような悲劇がこの二つの村に発生してまいりました。しかるにその後幸か不幸か――私は幸か不幸という言葉をもつて内務省に訴える、幸か不幸か豫算の壓縮のためか、あるいは御計畫の変更であつたかわかりませんが、小さなバラック一つ建て、多少の工事上の便宜のための道路を二、三本つくつた程度で、合計二百数十町歩の田地田畑は、いまだいわゆるダム工事の工程が進捗してまいらなかつたのであり、ほとんど中止状態に相なつてまいりました。そこで川崎、富岡という両村は奥羽分水嶺の山麓にあつて、海抜の非常に高い所で、田畑はきわめい少いのであり、おもに木炭を生産しており、宮城縣全體の木炭生産量の約三分の一はこの両村において生産しておるのでありまして、米麦を生産する田畑はきわめて少いのであります。よつて終戰にもなつたし、内務省はダムの豫定計畫の工事を中止同様の状態にあることを看取いたしまして、両村の農民はこの村を離村し自分たちの村が湖底に沈みいくことをがえんせず、ここに両村の村長及び村會議員等が、大挙して内務省及びその他の關係各省に陳情に参りました。ただいま本員が御紹介申し上げるこの請願書は、今申し上げるような農民諸君の眞の叫びの願いでございます。今日當初の目的であつたところの発電所をつくつて軍需工場を創建するということは、すでに解消されて、名取川の河川改修のためにはあながちこのダムは絶對に必要性はありません。かような意味において、これら両村の農民の請願を、とくと委員各位におかれては御理解と御同情を賜わりまして、本委員會においては請願者の請願に正當の理由ありとし、この請願の趣旨を御採澤あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  41. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  42. 三島利美

    ○三島説明員 すべて河川改修その他土木工事に關連いたしましては、必ず用地買収の問題、つぶれ地の問題が随伴いたすのでありまして、その犠牲に當られまする方々に對しましては、事業を施行いたします私どもの側といたしましては、まことに忍びざるものがあるのであります。しかしながらまた全體の大きい利益を得まする場合には、これらのある程度の犠牲もまたやむを得ない場合があるのでありまして、その點につきましては、事業を施行いたしまする側、竝びにその工事によりまして恩惠を受けまする人たちにおきましては、できる限り手厚い補償をいたしまするとともに、またそれらの犠牲者に對しまして、心からの感謝の誠をささげなければならぬと存じております。ただいまお話に相なりました宮城縣の名取川の改修工事でありますが、これは釜房ダム築造工事に着手したしまして、ただいまお話の通り、準備工事にとりかかつたのでありますが、戰争の激化に伴いまして重要資材が意のごとくまいりませず、資材の點に制約されまして、中途半端の工事に終るのもかえつて不經済でありますので、そのまま今日まで工事を中止いたしてまいつておるのであります。この工事は先ほどのお話の通り、仙台、鹽釜を中心といたしまする仙鹽地區に、戰時中必要な軍の施設や工事が建設されるというような關係がありまして、その方面への水の供給、利水という點が相當大きい問題でありましたが、もちろんこれは利水だけではありませんで、このダムによりまして洪水を調節するという面をも兼ね備えておつたのであります。從いまして仙鹽地方の状態の変化のみから、この築造を中止するという断定をただちに下することは、早計であろうかと存ずるのであります。しかしながらそのねらいの大部分は、仙鹽地帯の状態の変化いたしておりますことは、御指摘の通りの事實であります。從いまして内務省といたしましては、目下この名取川の改修計畫につきましては、再檢討を加えておるのであります。その際には再檢討の結果ともにらみ合わせまして、またただいまの御請願の趣旨をよく體しまして、慎重に再考慮いたしたい。かように思つております。
  43. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。     ―――――――――――――
  44. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第二〇、名取川及び七北田川改修工事施行の請願、庄司一郎君外二名紹介、文書表第六五三號、紹介議員の説明を求めます。庄司一郎君。
  45. 庄司一郎

    ○庄司一郎君 本請願は、仙台市會議長高橋喜三郎君によつて提案されましたる請願でございます。すなわち宮城縣名取郡及び宮城郡、仙台市、關係等を利益しております名取川及び七北田川、またそれに付随するところの笊川、廣瀬川等の四河川の總合御計畫をいただいておりますが、ただいまは原始河川状態に相なつおりまして、護岸工場も築堤工事もほとんどございませんので、これらの小河川を過般の水害に鑑み、将來の防災のために、でき得るだけ適當なる河川改修の豫算を獲得していただいて、これらの四河川を總合的に、しかもでき得る限り速やかにな期間内において、河川改修の實現をはかつていただきたいという請願の趣旨でございます。
  46. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本請願に對する政府側の意見を求めます。三島説明員
  47. 三島利美

    ○三島説明員 宮城縣の名取川及び支川の廣瀬川、笊川につきまして改修工事の必要であることは、内務省においてもうよくこれを認識いたしておるのでありまして、今全體計畫を樹立いたしておるのであります。今年度におきましてはわずかに百三十萬圓の豫算しか差上げることができませんので、この物価高の際におきまして、非常に地元の方々にもどかしい思いをさしたと思うのであります。今後國庫財政の許します限り大幅に豫算を計上しまして、でき得る限り短期間に改修を完成いたしたいと存じておる次第であります。また七北田川でありますが、これは中小河川改良工事と申しまして、半額の補助金を差上げまして、宮城縣の事業といたしまして改良工事を實施しておるのでありますが、これにつきましても同様改良工事をでき得る限り短期間に完成いたす必要を認めておりますので、來年度におきましてはでき得る限り補助豫算を増額いたしまして、一年でも速やかに完成して御期待に副いたいと思つております。
  48. 庄司一郎

    ○庄司一郎君 この七北田川につきましては、先年地元の請願に對し、三箇年継續百五十萬圓の補助を交付されましたことは、まことにありがとうございました。しかるに七北田川の河口の一部だけしか該豫算では施行できません。七北田川一帯の氾濫によつて、一昨年収穫した稲束が、約十萬束流失いたしたような惨状でありますので、でき得る限り本年度以後において、あるいは追加豫算などにおいて御考量あらんことを、お願い申し上げておきます。
  49. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。     ―――――――――――――
  50. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第七、富士山麓開発のため本栖湖からの導水工事施行の請願、勝間田清一君紹介、文書表第五九九號、紹介議員の説明を求めます。勝間田清一君。
  51. 勝間田清一

    ○勝間田清一君 御案内の通り、日本の拓開地の中で非常に大きな問題になりますのは、私富士山麓一帯をどう總合開発をいたすかという問題だと考えます。その富士山麓の中で、北部の山梨縣側の方においては、地積が非常に稀薄であるにかかわらず、大體千メートル近くまで開墾開拓されておるのであります。この唯一の根拠は何と申しましても水利その他の便利な點であります。なお東部の方におきましては、演習地の關係上、相當開発が遅れておるのでありますが、火山灰が寛永年間に東北に降りましたために、地積が相當悪いのであります。また併せて水利の状態も非常に悪いのであります。また併せて水利の状態も非常に悪いのであります。この東方の開墾をどうするかという問題は、一つには水利が多いに關係あるのであります。西部及び南部の地域一帯の傾斜面には、大體十萬町歩の廣野が擴がつておりますと同時に、土壌は大體黒土地帯でありまして、非常に豊沃な地域であります。しかるにこの地域は大體現在四百メートルの水高まで、耕されておるに過ぎないのであります。その唯一の根拠は、何と申しましても水がないという點が、最大缺陥のをなしておるのであります。從つてここにはいつております開拓民の方々や、また将來ここを開拓する人方が當然水を要求するということは、これは私もつともなことだと考えるのであります。さしあたつて、私ども請願の人たちの御意見や熱望を聽きますと、ここの西富士、及び南富士の一帯に、山梨縣にある本栖湖の水を引きまして、これによつてあの十萬町歩の土地を開墾したい。特にさしあたつては、その十萬町歩の中の約二萬町歩が對象になるのでありますが、新たに入植した二千三百人、同時に地元で現在まで農業をやつている者で、主として天水稲、すなわち天水によつて田をつくつておられる方々にどうしても水を与えてやることが大切なことのように考えられるのでありまして、方法といたしましては、本栖湖から直接にポンプで約八十五メートルくらいポンプアップいたしまして、貯水池をつくりまして、そうして流水を調節して、その西南一帯に水を流すのでありまして、これらに對する費用は、本年の三月ごろの調査によつても、大體三千六百六十萬圓程度でできる事柄であります。なおこの揚水をいたしますと、非常にあそこは水田増設ができるのみならず、畑地方の灌漑ができまして、非常に作物の収量もよくなりますが、同時に大宮附近までは相當家畜が取入れられておるわけでありまして、從つてもしこの水がはいりますならば、この土地は非常な有畜農業地帯になり得るということは、これは識者のはつきり言う點なのであります。私ども現地に再々まいつて、いろいろ地元の方々の御意見も聽いておるのでありますが、國費をもつてこの揚水が行われるならば、非常な日本の農業生産の貢献になることと考えるのであります。何とぞ皆さん方の御協力、御賛成を得まして、こういつた未利用の廣大な地域が存在しておることをどうか御認識願い、御協力をわずらわしたいと思うのであります。非常に簡単でありますが、趣旨の説明といたします。
  52. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  53. 伊藤茂松

    ○伊藤(茂)説明員 私からお答えします。富士山麓總合開発計畫につきまして、入植者あるいは家畜の飲雑用水が最も重要であるという點につきましては、われわれ一同前からその研究をしておつたところであります。つきましては、これが實現に關しましてはいろいろ現地の調査も一應済みまして、二十三年度豫算に要求すべく目下折衝中であります。はなはだ簡単ではありますが、以上のような次第であります。
  54. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑はございませんか。
  55. 勝間田清一

    ○勝間田清一君 同時にその御計畫の中には、西南の方の關係が中心になろうかと思うのでありますが、東の方の御研究は同時に加わつておりましようか。この點だけをお伺いいたします。
  56. 伊藤茂松

    ○伊藤(茂)説明員 お答えいたします。こういう事業はやはり總合的に立案しなければ、國家的にまたあらゆる點から見まして、非常に不經済でありますので、その點は總合的な意味から申しまして、全部含めております。     ―――――――――――――
  57. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第五、三方原に揚水工事施行の請願祖と一件、文書表番號第五九六號、紹介議員勝間田清一君。
  58. 勝間田清一

    ○勝間田清一君 三方原の方も、やはり水の問題についてお願いを申したいと存じます。三方原は御案内の通り浜松の驛から北方に約八キロの地點にあり、大體千二百二十町歩の廣大な干拓地であります。ここにはすでにたくさんの入植者がございまして、現在五百一戸はいつているのであります。同時に開拓されている面積は大體六百二十六町歩であります。ところがこの地域は、昔から申されている通り、非常な酸性土壌の土地でありまして、同時に表面の土壌が非常に少いのでありまして、この酸性土壌の克服に對しては、從來官庁の方も、またわれわれの先覺者も、非常な努力を拂われた地域であります。御案内の通り、牧ノ原の茶園の開拓ということは、現在日本の輸出産業上の重要な地位を占めております。この地域がどういうふうに酸性土壌を克服したかということを調べてみますと、非常な長い歴史と傳統を有しております。特にあそこは昔の彰義隊の人たちが入植したのだそうでありますが、それを助けた勝海舟は、當時の政府の相當の反對も押し切つてこれを支持したために、牧ノ原一帯の開墾が成就したのでありまして、長い間の努力と支援というものが初めて實を結んだのであります。現在當面している三方原の地域も同じような地域でありまして、これだけに五百一戸の農家がはいつておりますが、とても寒い土壌で成績が上らない。非常に悲惨な状態であります。私もここにたびたびまいつたのでありますが、ほとんど作物という作物はできないのであります。段當収量などを見ましても、陸稲なども現在まいても収穫は皆無であります。小麦など一段一斗五升くらい、馬鈴薯などは一段九十貫、甘藷五十貫というような状態であります。ただ蔬菜が一段歩五百貫くらいとれる。こういう強酸性の土壌であります。こういう地域に現在五百一戸の農家がはいつてしかもこの農家の八五%は引揚、戰災者、その他の復員軍人であります。この人たちが現在非常な苦境に立つておりますこの土壌を改良するためには、何と申しましても有機質を入れるとか石灰を入れて、この酸性土壌を直すということが大事でありますけれども、同時にやはり水を引くことによつて、水によつて土壌を洗う、あるいは水田を造成することによつて、この五百一戸の農家というものがとにかく浮び上れるのであります。そのためにはどうしても天龍川の水をやはりポンプ・アップいたしまして、上流からこれを流すということが考えられるのであります。これも、御承知の通り金原明善翁が、あの天龍川の上流に大きな山林をつくつて、今は美林になつておりますが、この美林になつたことは、初めの間はいわゆる治山治水という意味で解釈されておつたようであります。ところが最近の資料などを見ますと、そこははつきりと三方原に水を引くためだということが記録されております。いかに深遠な廣大な計畫であるかに驚くのでありまして、現在天龍川に流れるこの水というものが、この金原明善翁の林のもとを流れてきて溜つたこの大きな水が、もう一遍三方原に通ずることによつて、長い長いわれわれの先覚の努力が報いられたのではないかと考えるのであります。現在五百一戸の農家が、とにかく六百二十六町歩の土地にあえいでいる。それを救済するだけでなく、われわれはこの三方原一帯の開墾というものを、さらに水を呼ぶことによつて、ぜひ完成させてあげたいと考えるのであります。地元民蹶起してこの實現に現在熱望しているわけであります。どうか皆様の御賢明なる御協力を煩わしたいと存ずるのであります。
  59. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。伊藤説明員。
  60. 伊藤茂松

    ○伊藤(茂)説明員 御説明申し上げます。三方原の上壌は、ただいま御説明の通りに非常な酸性土壌でありまして、これが生産力を発揮させるには水田開発工事が最も容易なわけでありまして、水さえあればもう立派な水田になることははつきりした問題であります。ただ三方原は約百二十米ほど普通の地盤から上つておりますので、その水をいかにもつてくるかということが非常な懸案の問題であつたわけでありますが、さいわい農地改発營団が着工いたしまして、本年ようやく完成いたしました天龍川沿岸農業水理改良事業というものがありますので、この水をポン・プアップいたしまして、三方原に揚水しまして、それによつて水田化し、併せて現在はいつております入植者に農地を与える、そういう効果もありますので、これはぜひ實現いたしたいと思いまして二十三年度豫算に要求中であります。
  61. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。     ―――――――――――――
  62. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第八、洗澤川改修工事促進の請願、文書表第六一二號日程第一〇。大澤村水害復舊費國庫負擔の請願、文書表第六一四號。便宜この二件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。金野定吉君。
  63. 金野定吉

    ○金野定吉君 第一の洗澤川砂防工事實施について御説明申し上げますが、この洗澤川は山形縣の西北端であります。しかも鳥海山脈の麓に属するところでございまして、この砂防が一たび決壞いたしますと、人家に對する被害というものはきわめて甚大でありますし、さらに南の方に破れますと、千四百餘町歩という庄内平野の一環でありますが、そこが冠水するわけであります。從つてこの砂防工事につきましては、ここ数年來内務省の計畫事業としてやつてもらつているのでございまして、地元民といたしましてもこれに對しましてはあらゆる力を傾到いたしまして、今日までやつてきているのであります。おかげさまで昭和二十二年度の計畫は七月末日で大體完了いたしましたが、現在豫算がないために非常に困つておりまして、工事が中止状態になつているのであります。二十三年度ということになりますと、相當長い期間放置しておかなければならぬことになりますから、これは重大な問題になると考えますし、さらに今囘の水害におきましては、北側を約百間ほど破られまして、これによりまして約三百餘町歩の土地が冠水され、あるいは埋没している場所もあるわけであります。この點については應急復舊對策といたしまして、地元民が縣あるいは内務省を待たずして一應復舊はしましたが、単なる應急復舊對策程度のものでは十分ではないので、これらも含めて、どうしても急速にこの工事の完成に御努力を願いたい。かように考えまして、本請願書を提出した次第であります。從つて二十三年度になるまでの間に、何とか豫算を繰合わせてこの洗澤川改修のため砂防工事の完成のために、内務省の方から幾分の豫算でもいいからまわしてもらいたいというのが縣當局の要望であり、地元縣民各位の要望でもあるのであります。二言参考のために申し上げておきますが、この河川に直接所属する村というものは、ちようど宅地の入口が堤防になつております。そうして宅地の一軒々々に水門をつくつておつて、わずかの増水がきますとこれを閉めなければならんという所で、全國にもまれに見るところであります。それはこの洗澤川の小部落であります。どこかもう一つあるそうでありますが、全國に二つしかないというまれに見るところの危険な土地であります。どうかそういう點もひとつ考えまして、内務省の方から、今年度の間に幾分の豫算でもまわしていただきたいということをお願いしまして、説明に代える次第であります。
  64. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
  65. 三島利美

    ○三島説明員 洗澤川につきましては、昭和十六年度に砂防工事に着手したして今日までまいつておるのでありますが、何分資材、豫算の點に制約されまして、とうていこれでもつて萬全を期しようとは思つておらないのであります。なおまた昨年の十一月に洗澤川の砂防につきまして詳細に調査をいたしておるのであります。それによりますと、その當時の貨幣価値で、なお今後千三百餘萬圓を必要とするというような調査も出ておるのでございます。本年度におきまして、議會がありますならばなんとか考慮いたしたいと思うのでありますが、本年度からは少くとも大幅に豫算を増額いたしまして、できる限り最短期間に御希望に副うよう工事を完成いたしたいと思つております。
  66. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。
  67. 金野定吉

    ○金野定吉君 一言だけ申上げます。あと危険な區域はわずか二百メートルくらいしか残つておらないのであります。この二百メートルの區域を早急にやつてしまえば一應危機を脱するわけでありますのので、この危険區域を脱するために、どうしても本二十二年度においてどこかの豫算を割愛して、ぜひひとつまわしてもらいたいと考えております。     ―――――――――――――
  68. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 次は日程第二七、武庫川上流青野川支流堤防改修工事施工の請願、文書表第六八七號、紹介議員後藤悦治君。
  69. 後藤悦治

    ○後藤悦治君 別紙請願書に要旨が記してありますので、ごく簡単に申述べたいと思います。請願書にあります通り、武庫川の上流竝びに青野川支流の合流點は非常に急流でありまして、わずかの降雨によりましても毎季出水をいたしておるのでございまして、しかし戰時中この出水に對しましては應急復舊工事を施しており、彌縫策のみでございまして、本年七月にまた厖大出水をみたのでございまして、この機會に根本的改修を、特別の國家の補助によりまして、縣施行工事でもつてしてもらいたいというのが地元の願意でございます。何とぞ當局におかれましても、本願意によるところの措置を至急講ぜられんことを望むとともに、本委員會におきましても、この請願を格段の御配慮をもつて御採澤あらんことを望む次第であります。
  70. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。三島説明員。
  71. 三島利美

    ○三島説明員 兵庫縣の武庫川支流青野川につきましては、ほとんど連年災害をこうむつておりますことは、御指摘の通りありまして、本年もまた災害がありました。兵庫縣の災害につきましては、近日中に係官を現地に派遣いたしまして、詳細調査いたしました上で復舊計畫を樹立いたしまして、補助金の措置も講ずる手配になつております。なおまたその際単なる災害復舊のみでは不十分であるというような點につきましては、地元を十分調査をいたしました上で、ある程度の災害復舊に加味いたしまして、災害防除施設を行うという點も考えておりまして、これらにつきましても、豫算の範囲内におきましてできる限りの助成の途を講じたいと思つております。
  72. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。  お諮りいたします。大矢省三君より前囘延期いたしました案件につきまして、この際日程追加の要望がございます。これを許すに御異議ありませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
  73. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御異議なしと認めます。日程は追加せられました。     ―――――――――――――
  74. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 上下水道の普及その他に關する請願、文書表第三八一號紹介議員の説明を求めます。紹介議員大矢省三君。
  75. 大矢省三

    ○大矢省三君 本請願の趣旨を簡単に御説明申し上げます。標題にあまりすように、上下水道の都市における施設の重要なることは申すまでもないことでありまして、この普及不徹底のために、各都市が伝染病その他において、非常に防疫費の増大することは御承知の通りでありまして、これが一日も早く完成することを各都市が念願しておるのであります。ところがこれが施設にあたりまして今日までこの施設における手續上といたしまして、起債の認可にあたりましては大蔵省、安本、さらにこれが内務省の管轄にありまして、施設後における管轄省といたしましては厚生省の管轄になつておるのであります。それがためにこれを一元化していただきたいというのがこの請願の趣旨でありまして、建設に至りますまでの間は、今度は内務省が廢止になりますからして、近くできるであろうところの建設院になりまして、これが建設後における監督維持、あるいはまた指導は厚生省に一元してもらいたいというのがこの請願の趣旨であります。どうか何とぞこの請願を御採澤あらんことをお願いするものであります。
  76. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本件に對する政府側の意見を求めます。
  77. 石橋卯吉

    ○石橋説明員 水道下水の所管が厚生、内務あるいは戰災復興院等にまたがつておりますことは御指摘の通りでありまして、このことについて、また地方の自治體で非常に手續上の差支えのあることも、私ども承知しておるのであります。厚生省ではこの點について内務省あるいは戰災復興院、安本等と密接な連絡のもとに仕事をしておりますけれども、實際に事務上にはいろいろ差支えが起りますので、最近もよりより協議いたしまして、建設院のできますときは、ただいまお示しのような内容で今一應とくと御相談いたしたいと思つております。なおこの水の問題は厚生省といたしましても非常に重大な關心をもつておりますので、衛生工学というようなことを主宰する新設の課もできましたので、水の問題については萬遺憾なきように今後の行政をしていきたいという所存でありますので、この點附け加えてお答えいたします。
  78. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑はございませんか……。  お諮りいたします。松浦東介君より前囘延期いたしておりました案件数件に對しまして、この際日程追加の要望がございます。これを許すに御異議ありませんか。[「異議なし」と呼ぶ者あり]
  79. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御異議ないと認めまして日程は追加されました。     ―――――――――――――
  80. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 本宮川砂防工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表第五二九號、石子澤川砂防工事費増額の請願、松浦東介君紹介、文書表第五三〇號、實淵川砂防竝びに護岸工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表第五三一號、月光川治水工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表第五三二號、瀧ノ澤川砂防工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表第五三四號、大瀧川砂防工事施行の請願、松浦東介君紹介、文書表第五三五號以上六件を一括議題といたします。紹介議員の説明を求めます。松浦東介君。
  81. 松浦東介

    ○松浦東介君 砂防工事の重要性につきましては、當委員會におきましてもしばしば論議せられたところでありまして、重複を避けたいと思います。ただいま議題となりました本宮川砂防工事施行の請願ほか五件でございますが、きわめて簡単に御説明申し上げにいと思います。  本宮川砂防の問題でありますが、この六件とも全部山形縣に關するところの問題でございます。本宮川は山形縣東置賜郡の和田村を貫流する和田川の上流で、下流の和田川も非常に荒れておるのでございますが、これは別箇に請願いたしたいと思います。この川の上流地帯はこの地方の薪炭の補給地ということになつておりまして、殊にこの戰争中に山林の濫伐がございましたので、その流域一帯の田畑、家屋、道路ことごとく多大の損害をこうむつておるのであります。特にその中で最も危険なる場所は上和田字山崎裏より本村役場裏までの約二キロでございます。  次に石子澤川の砂防工事の問題でございますが、これも同じ山形縣の東村山郡長崎町竝びに豊田村の一町一箇村に關係するところの川でございます。これは當局からも非常に必要性を認めらはまして、現在昭和二十一年度から砂防工事を實施しておるのでありますが、目下非常に經費が少いために、當初の豫算で完成するはずの第一號堰堤の基礎工事をようやくやつておるような状態でありまして、今年の豫算も非常に少いということでありますから、せつかく現在ほそぼそとやつておりますものも全部一緒に崩壞してしまうような危険があるので、どうかひとつ豫算を増額して、完成をお願いしたいというのが請願の趣旨でございます。  次に實淵川の砂防の問題でありますが、これは山形縣の西置賜郡鮎貝村を貫流する實淵川のことでございます。これもやはり昭和十六年から二十年まで五箇年砂防工事をいたしたのでありまして、その間昭和十八年の水害はおかげ様で非常に少かつたのでざざいますが、戰争中の濫伐等の關係もありまして、今後年々洪水による土砂流積により、災害を豫想できるような状態でございますので、前のものも皆壞れてしまうようなおそれもありますので、この護岸竝びに砂防工事を継續してもらいたいというのであります。  次に月先川治水工事施行の請願でございますが、月光川と申しますのは、その水源を東北地方の名山鳥海山に発するのでありますが、これは山形縣飽海郡の穀倉地帯を流れる河川でありまして、去る七月の水害の際には、この地方は非常に大きな災害をこうむつたのでございます。沿岸地方の産業に及ぼす被害がまことに多大でありますので、河川の改修をお願いしたい、かような請願でございます。  次の龍ノ澤砂防工事施行の請願でございます。これは山形縣西村山郡谷地竝びに北谷地村に關係があるのでございますが、これは非常に小さな川でございまして、葉山という山に源を発するのでございますが、その途中において古佐川というのにはいるのであります。川は小さいのでありますが、非常に急流なために、中流において深い渓谷をつくりまして、灌漑用の水を妨げたり、また氾濫したり、いろいろ地方民を悩ましておる川でございます。下流地方におきましては、最近この川によつて非常に災害をこうむつておるのでありまして、年に約千人くらいの常人夫を出して、自発的にいろいろな工事をやつておるような状態でございます。  次に大滝川砂防工事促進の請願でございますが、これもやはり山形縣東置賜郡二井宿村地内にあるのでございますが、昭和十八年度から砂防工事を施行しまして、その間いろいろ悪條件を克服しながら工事をやつたことにつきましては、非常に地元民も感謝をしておりますが、これをまだ完成するに至つていないのであります。これも完成しませんと、一朝豪雨があります場合は、流域地帯が非常に危うございますので、こういうものはなるべく半端にしないでご完成願いたい、こういう請願であります。先ほど細野治山治水小委員長の報告がありましたように、所願の大部分が砂防工事といつたことにあることをみましても、われわれはここに非常に重點をおかなければならないと考える次第であります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
  82. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 これに對する政府側の意見を求めます。
  83. 三島利美

    ○三島説明員 山形縣の和田川上流の本宮川につきましては、今囘の水害におきまして非常な損害を各沿岸にもたらして、非常にお氣の毒に存じております。  この本宮川につきましては、終戰後まだ砂防工事は手をつけておらなかつたのであります。今日の災害にも鑑みまして、目下詳細調査中であり、現在調査途上でありますが、概算いたしましても、まず六百萬以上の經費を必要とするのではなかろうかと存じております。至急にこれは豫算化しまして、お期待に副うようにいたしたいと存じます。そのほかの實淵川、瀧澤川等につきましてはそれぞれ現在工事を續けておるもの、もしくは經費が削減されて中止しておるもの等もあるのであります。工事を継續しておりますものも、經費が思うにまかせませんので、進捗状況も悪く、非常に恐縮に存じております。先ほどもお話がありました通り、河川工事はどうしても砂防工事とうまくマッチしてまいらなけばなりませんので、來年度におきましては、これらの各河川とも相當多くの豫算を要求をいたしたいと思つておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
  84. 荒木萬壽夫

    ○荒木委員長 御質疑等ございませんか。  では次の委員會の日時は公報をもつて御通知いたします。  これをもつて散會いたします。     午後零時四十二分散會