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1947-12-03 第1回国会 衆議院 農林委員会 57号 公式Web版

  1. 昭和二十二年十二月三日(水曜日)     午後一時五十一分開議  出席委員    委員長代理 理事 大島 義晴君    理事 鈴木 強平君 理事 岩本 信行君    理事 森 幸太郎君 理事 北  二郎君       佐竹 新市君    田中 健吉君       永井勝次郎君    成瀬喜五郎君       野上 健次君    平工 喜市君       細野三千雄君    松澤  一君       水野 實郎君   小野瀬忠兵衞君       小林 運美君    佐々木秀世君       志賀健次郎君    関根 久藏君       圖司 安正君    寺本  齋君       中垣 國男君    堀川 恭平君       小川原政信君    佐瀬 昌三君       田口助太郎君    野原 正勝君       梁井 淳二君    山口 武秀君  出席政府委員         農林政務次官  井上 良次君         農林事務官   山添 利作君         農林事務官   平田左武郎君         食糧管理局長官 片柳 眞吉君  委員外の出席者         議     員 菊池 重作君         專門調査員   片山 徳次君         專門調査員   岩隈  博君     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  農地調整法の一部を改正する法律案(内閣提  出)(第五九號)  自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出)(第八六號)     ―――――――――――――
  2. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 前會に引續いて會議を開きます。これより農地調整法の一部を改正する法律案及び自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案の兩案を議題とし、討論に付します。討論は通告順によつてこれを許します。北君。
  3. 北二郎

    ○北委員 急用がありまして、實は先にやらしていただくように委員長にお願いいたしたところ、先にやらせていただいて、委員長にお禮を申し上げる次第であります。私は日本農民黨を代表いたしまして、自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案、農地調整法の一部を改正する法律案竝びに各派共同の修正案に贊成を表するものでありますが、先日井上政務次官の答辯にもありました通り、耕作せざる者は土地をもつべからず、まことに御もつともな點と思つております。御承知のごとく、地主には眞に耕作しておる地主と、しからざるものがありますが、眞に耕作しておる地主につきまてはこれを肯定するといたしまして、この法律の改正案によりますれば、まつたく耕作の意思なき者、たとえばその村において長く酒屋をやつておるというような者でも、これは在村地主として許されておりますが、私はここに農地開放の改革を阻害する一つののがんがあると思つております。かかる改正案ではまだなまぬるいと考えをおります。やはり耕す者にはどうしても土地をもたせなければ増産もできないと思つております。社會黨はこれをなぜ實行に移さぬのか、今なお資本主義的の考えが抜けぬのか、まことに不思議に思つておるような状態であります。以上意見を述べてまして、一應この法律に贊成しておく次第であります。
  4. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 野上君。
  5. 野上健次

    ○野上委員 ただいま議題となりました農地調整法の一部を改正する法律案竝びに自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案の修正案につきましては、結論から申し上げまして贊意を表するものであります。ただ先般から私が申し上げましたように、自作農創設特別措置法の第十二條の二つの點に關しまして、一部本委員會において各派の共同提案という形において修正案を出したいと思うのであります。その内容につきましては、先般の委員會においても私が説明いたしました通りで、本日各委員のお手もとに配付しておりますので、内容の説明は省略いたします。この點を採擇していただきまして、その他の政府原案については、全面的に贊意を表したいと思うのであります。ただ私どもといたしましては、ただいま日本農民黨の北氏から御意見がありましたように、在村地主の一町歩保有を許すということは、いかに農地改革の推進上現實に大きな支障となつておるかということを、いくたの實例をもつてわれわれは身近に感じておる次第であります。さらにまた今日までの農地改革の推進の状態から見まして、農地委員會の構成上、ともすればほんとうに農地改革の精神に副つて委員會の運營が行われないというような實情も多數ありますので、少くとも私どもといたしましては、さらに徹底したところの改革をするためには、ただいま申し上げたところの在村地主の一町歩保有を認めない、また農地委員會の構成を小作側の委員を殖やして、たとえば小作七、自作二、地主一というような比率に、將來はどうしても直さなければならないという考えをもつものでありますが、少くとも本會議においては會期ももう切迫いたしておりますので、これらの點については、また相當各黨の御意見があると思うのでありまして、十分審議を盡さなければならないと思いますので、來議會にこういう點をわれわれ提案したいと思つておる次第であります。少くともこの一部の修正によつて農地改革が現實に一歩前進する、そういう意味を私ども理解しまして、この政府原案に、ただ政府原案に、ただいま申し述べました各派共同提案による一部の修正を除いては、全面的に贊意を表したいと思うのであります。その他こまかい議論をする所もあると思いますが、そうした點を一切略いたしまして、本案に贊意を表するものであ ります。
  6. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 岩本君。
  7. 岩本信行

    ○岩本委員 自由黨を代表いたしまして討論を申し上げます。ただいま議題となつておりまする兩法案に贊成の意を表します。及び共同提案になつておりまする修正箇所の修正、これについても贊意を表するものであります。ただ先般も質疑で行いました。農地調整法の第十四條の五に示されておりまする原木の問題でありますが、これは當局の説明によつて不安のないことが明らかにされたのでありますが、この場合さらに一言附しておきたいことは、治山治水の關係、あるいは燃料不足の關係、そうしたところからこの原木問題が簡單に扱われるということになりますと、これからの増林意欲を喪失するのでありまして、その點國家のために非常に憂慮にたえないと考えるのであります。特に十四條の五にあります「政令ヲ以テ定ムル場合ニ於テ都道府縣知事ノ認可ヲ受ケタルトキハ此ノ限ニ在ラズ」というこの問題は、この間の説明によつて換地に要する場合等特殊の場合に限つてこれを適用するということであります。私は當局の答辯を信用いたします。これが濫用せられますと、先ほど申し上げたような増林意欲の減殺ということに相なることを憂慮するのあまり、この點をはつきりしておきたいのでありまして、先般の御答辯を信頼いたし、この點特に愼重に扱われんことを要望いたしまして、兩案に贊成の意を表する次第でありで す。
  8. 寺本齋

    ○寺本委員 私は民主黨を代表してただいま議題となつております自作農創設特別措置法中改正法律案、農地調整法中改正法律案の兩案について、修正案の通り贊成の旨意見を申し述べたいと思うのでございます。わが國農村における封建制を打破し、いわゆる土地の生産性と勞働の生産性とを高めるため、わが國の農地制度においては過去二回にわたつて根本的な改革が行われ、目下その遂行途上にあるのでありますが、いやしくもこの問題を完全に運營いたしますためには、いわゆる改革される立場に立つ地主も、新たに土地をもつ耕作農民も、ともにわが國民主革命に、本法を通じて寄與するという積極的な氣魄し情熱を捧ぐることによつてのみ果し得らるのであります。言いかえますれば、法はあくまで人間規範の半面しかあり得ない點を銘記しなければなれません。すなわち今回の改正案中において、いわゆる農地調整法の第九條は、善良なる地主がみずから耕作者たり得る唯一の途であり、本法の適用によつてのみわが國の土地制度はその彈力性を有し得るのであります。しかるに今回の改正は、第九條但書に對し農地委員會の議を經ることを要することになつておりますが、この改正を行つた以上、今後農地委員會の運用については、政府はあくまで公正を期するような措置をとられたいのであります。すなわち農地委員會に階級闘争を目途とする農業政策をもつて指導するならば、かえつて農村の民主化は妨げられるのだという一事を、本法運營者は斷じて忘れてはならないことを強力に申し上げたいのであります。さらの牧野の指定についても、いやしくも官僚の獨善に陷らざるよう、一切の情實を排するとともに、さらに農地に切替えるに當つても、あくまでわが國農政の全般的視野よりこれを勘案されて、わが國畜産行政に脅威を與えざるようの措置を望みます。薪炭林についても同様であります。これを要するに社會革命に犠牲は避けられないのでありますが、また避くべきものでもありませんけれども、しかしながらその犠牲は最小のものたらしめなければなりません。農林當局は國家百年の將來に思いをいたし、本法の運用の誤りなからんことを切望する次第でございます。なおついでながら、在村地主の地代がわずか一俵七十五圓というままで放任せられ、かつてこれに觸れることを特に避けるという態度のごときも、むしろ素直に一般社會通念の立場に立つて、公正な考慮を拂われる、かくのごときことがむしろ現内閣の指向する協同農村建設をまつたからしめる點であることを附け加えて私は討論を終りたいと思います。
  9. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 討論は終局いたしました。これより採決いたします。まず農地調整法の一部を改正する法律案について採決いたします。原案に贊成の諸君は起立を願います。     〔總員起立〕
  10. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 起立總員。よつて本案は原案の通り可決いたしました。これより自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。各派共同提案の修正案に贊成の諸君は起立を願います。     〔總員起立〕
  11. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 起立總員。よつて本案の修正案は可決されました。これより本案の修正部分を除いた原案について採決いたします。修正部分を除いた原案に贊成の諸君は起立を願います。     〔總員起立〕
  12. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 起立總員。よつて修正部分を除いた原案の通り可決いたしました。これにて自作農創設特別措置法の一部を改正する法律案は修正議決されました。 なおこの際お諮りいたしますが、衆議院規則第八十六條による報告書を作成する件につきましては、從來通り委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 御異議ないものと認めまして、そのようにいたします。  この際お諮りいたします。委員外の菊池重作君から緊急質問の要望があります。これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 それでは菊池君に發言を許します。
  15. 菊池重作

    ○菊池重作君 ただいま政府提案の農地改革の關する修正法律案が全會一致をもつて通過いたしたのでありますが、私どもはこの案に全幅的に信頼するものではないのであります。先日農政局長に對しまして、私は農地委員會の構成を變更する意思はないかという質問をしたのでありますが、それに對しまして農政局長は、政府はそういう意思はないということを言明されたのであります。しかしながら現にこの農地委員會の構成が不合理であるために、農地改革が非常に阻害されておるところの事實が非常に多いのであります。實は今日茨城縣の大穗村から陳情にまいつておるのであります。同村におけるところの農地改革の現状は、どうなつておるかということを一言申し上げいみたいと思います。同村におけるところの農地開放の豫定地は四百十町歩であります。しかるに現在その四百十町歩の買上げ豫定地が、どういう現状にあるかということを申し上げますならば、三月と七月に農地委員會が買上げたところの土地の面積は、わずかに四百十町歩のうちの二十七町歩しか買上げておりません。これは六・五%にした當らないのであります。そのほか税金の物納として地主が代替供出をしたものが百二十町歩でありましてこれが三〇%であります。現在兩方合せましても三七%弱という状態であるのであります。この村におけるところの農地改革がどうしてかように進まないかと申しますると、これは地主の作為的な阻害によりまして進捗しないのであります。いかに小作側農地委員が地主の農地委員長に會議を開くように話しても開かない。そこで村民大會を開きまして、農地委員長及び地主の農地委員に辞職を勧告いたしまして、それらの地主の農地委員長と自作農の農地委員長は全部やめて、新しく農地委員を改選したのであります。ところが新しく改選されたところの地主及び自作農の農地委員は、やはり地主の圧迫によりまして、農地委員會を開催いたしましても出席しない、いつも流會になつてしまつて、ほとんどこの農地改革、買收の計畫というものは進捗しないのでありまして、同村におけるところの小作人の代表の農地委員は、この問題につきまして、縣當局に再三この點を陳情いたしまして解決方を要請したのでありますが、ほとんど何らの効果はない。縣におきましても、これに對して何らの方策を講じておらいのであります。かような状態にある村は、ただ單にこの大穂村ばかりではないのであります。農政局長はかような不合理な農地委員會の制度を變更する意思はない、かように言われますが、農地委員會の構成をかえずに、かくのごときふしだらな農地委員會が各地にいくつもあつて、それが農地改革を妨げておるとしたら、農林當局のそうした考え方は非常に無責任であると考えるのであります。こういうふうに農地改革の阻害されておるところの村がたくさんあるとしたならば、農林當局といたしましては至急にこれを改革して、農地改革の進捗をはかならければならないと私は考えるのであります、今日農地改革の議案が通過いたしましたから、あとはこの次の議會に、これらの構成に對して改革を加える意思がこれでもないとお考えであるかどうか、その點をお伺いしたいと考えるわけであります。
  16. 佐竹新市

    ○佐竹委員 ただいまの質問の對して關連してお尋ねしたいと思うのであります。現在そういうことが起きているのは茨城縣だけではない。全國に相當あるのでありますが、地主が農地委員長になつておつて農地委員會を開かないということに對して、農政局長はどういうように考えているか、農地改革を進捗させる手段として、どういうことをあ考えになつているか、この點を附加えて御答辯をお願いしたいと思います。
  17. 山添利作

    ○山添政府委員 菊池さんの御質問に對しては、この前もお答えしたのでありますが、これは制度といたしましては、この次の議會でかえたいというつもりはもつておりません。しかしながら同時に農地改革をあくまでも徹底して實行するということは當然でありまして、そのような措置は十分とりたいと思います。一つは行政上の指導という點であります。なるほど山村等においてまだ進んでいないような所に對しましては、集中的な啓蒙と指導を加えまするとともに、お述べになりましたような特殊の部落、市町村につきましてては、状況によりまして、農地委員會の解散を命じて新しくするというのも一つであります。しかしそれでも見込みがないというときには、都道府縣農地委員會においては、市町村農地委員會の事務を代行するところの規定がございます。おそらく書記等につきましてはまじめ人がおる人がおるに違いありません。從つて計畫は十分立ち得るのでありまして、ただそれを決議しないということでございますれば、それは都道府縣農地委員會においては處置をする。いずれにいたしましても、農地改革が不徹底に終るということはございません。その點については十分なる措置をとりたい考えております。
  18. 菊池重作

    ○菊池重作君 ただいま農政局長の御答辯がありましたが、いかに農政局長の方でそういうことを言つても、現に一つも進捗しておらない。縣にいくら話してもだめだという點にあるのでありまして、この點につきましては後ほど大穗村の農民諸君も大勢陳情に來ておりますから、特に農政局長から、いろいろこの點について直接話をしてもらいたいと思いますが、こういうような状態であると、いくら農政局長の方て大丈夫だ大丈夫だと言つても、實際に縣がやらないのだからしようがない。その點について縣の方にも、農林省の方から特に指示を與えていただきたいと思います。
  19. 山添利作

    ○山添政府委員 承知いたしました。
  20. 森幸太郎

    ○森(幸)委員 この機會に緊急動議を提出して委員長の御採擇を願いたいと思います。先般本會議においては私は質問いたしたのであります。その當時總理大臣として回答はあつたのでありますが、農林大臣の專任の問題であります。この農林委員會には相當の重要な法案が出ておりますし、殊に今回主要食糧に關する重要なる畫期的の法案が出んといたしているのでありますが、こういう時局に未だ農林大臣を專任されないということは、あまりにも時局の認識を缺いているのではないかと思います。練達堪能の事務當局はおられますれども、このままでわれわれはこの農林行政に對する審議をいたすことは不可能だと考えるのであります。私は農林委員會の權威の上におきましても、委員長において速やかに政府に善處するように取計らわんことを提案するものであります。また次の動議といたしましては、諸君も御承知と思いまするが、東京大學におきまして、稲の苗代の初期におけるX光線の作用によつて四三%の收穫を増すということが發表されて、すでに臨床實驗も濟んだように記載されてあるのであります。しかるところ、アメリカにおいてスタドラー博士でありますか、同一の試驗においては、第一次においてはさような効果がない、のみならず、第二回においてはほとんど稲の性能を害するような意見も發表されておるのであります。しかしこのスタドラー博士の説に對して、東大の早矢仕博士が反駁いたしまして、實際これはやつてみれば相當効果があるのだ、適期に適量の作用をいたす場合においては効果があるのだということをもつて、スタドラー博士の意見を杏定されておるのであります。農業栽培の上において、われわれの未知の世界がたくさんあるのであります。さいわいに東大大學においてかくのごとき發見をし、またこれを臨床實驗の上において効果ありと認められるならば、その言われるごとく四三%の増産ができるといたしますれば、實は由々しき問題であります。私は本委員長に要求することは、この兩博士、いわゆる志村博士と早矢仕博士の二人をお呼びいたしまして、そうして懇談會を開いて、その實驗の成績をわれわれに明らかに示されんことを、本委員長において取計らわんことを要求するのであります。この點について動議を出しますから、どうぞ皆さん御贊成をお願いいたします。(拍手)
  21. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 ただいま森幸太郎君から、重大なる議案山積の折、專任農林大臣を速やかに決定するよう、委員長より政府に要望してくれという御意見と、もう一つは、X光線の作用によつて農産物が非常に收穫が増すから、この際これが懇談會を開いていろいろ説明を聽きたい、こういう二つの御意見であります。時局柄いずれもごもつともな御意見と思いますので、本日は委員長が病氣で缺席いたしておりますが、この旨を速やかに委員長に傳えまして、政府の方にもそういう申入れをいたすようにいたします。さらに後段のX光線の問題につきましては、速やかに懇談會を開いて、お互いに研究するようにいたしたい、さよう取計らうことにいたします。なおこの際緊急質問の申出がありますので、これを許すに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  22. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 御異議ないようでありますからこれを許します。田中健吉君。
  23. 田中健吉

    ○田中(健)委員 委員長のお許しを得まして、食糧管理局長官にちよつとお尋ねいたしたいと思います。本年度の供出の進捗状況を御發表願いたいと思います。それから前年の同期に比べてどういう状態になつておるか。將來の供出の見透し、この點についてお伺いいたします。
  24. 片柳眞吉

    ○片柳政府委員 今年の米の買入状況につきましては、實はごく最近の數字が今手もとにありませんから、至急調査をいたしましてはお配りいたします。大體の状況は、今日まで新聞で發表しております状況で大體御領得と思いますが、昨年中及び一昨年に比して、今日までの状況は既して良好であります。ただ現在心配しておりますのは、電力の關係で脱穀調製が非常に遅れるという點を、實は一つの隘路として心配しておりまして、いろいろ手を盡しておりますが、今日までの状況は非常に良好であります。具體的な數字と比較表は、至急作成いたしましては後ほどお配りいたします。
  25. 田中健吉

    ○田中(健)委員 その數字はいつごろまでに出されますか。もう一つ例の報奨物資の點ですが、どの程度まで押えているか、供出の状況と竝行して物資の方もうまくいつているかどうか、その點をお伺いいたします。
  26. 片柳眞吉

    ○片柳政府委員 報奨物資の點も、今の米の最近の状況と一緒に、大體明日までにお配りいたします。
  27. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 野上健次君。
  28. 野上健次

    ○野上委員 大體三點ほどお伺いしたいのです。まず第一番に食糧管理局長官にお伺いしたい點は、本年度の米價の決定にあたりまして、先般十月二十二日と記憶しておりますけれども、各等級別の格差について價格を發表せられたわけであります。ところが、これは新潟縣にあつた一例でございますが、いわゆる早場米の供出にあたつて、もちと、うるちと一緒に供出して、受入にあたつてこれが区別をしてなかつた、そのためにここに價格が發表になりまして六十八圓の差額があることを供出農民は知りまして、これが拂戻しを要求しているわけであります。もちろんこれは地方食檢なり、あるいは營團等の事務上の手落ちとも言えるのでありますが、その拂戻しの方法について非常に困つている實例があるのであります。これについて新潟縣當局から、本省に對して何か指示を仰いできておると思うのでありますが、どういうような處置をお講じになる豫定であるか、その點について一應承つておきたいのであります。もともと私は希望として申し上げれば、米價の決定と同時に、實はこうした價格の發表が全般的になされれば、もちろんこういつたような事務上の誤りも生じなかつたと思うのであります。一應食糧管理法には、格差がつくこと、そうしたことははつときり明記してありまするけれども、地方官廳においてはそうした點において手落ちを生じたかもわからないのでありまして、それが現實の問題としては、供出農民から言つた場合には、とにかくここに六十八圓にしろきわめて低廉な價格で供出しておるのですから、もらえる分があればいつでもいただきたいという態勢をとり、また要求するのがすこぶる理の當然でありまして、ここで實際問題として困つておる實情であります。先日新潟縣からこの點で上つて参つたのですが、これに對してどういうような處置をお請じになる豫定ですか。それからもう一つは、今日ここに生産者價格竝びに消費者價格の表をいただいたのでありますが、これについて簡單に、消費者價格と生産者價格の差について計算をしてみますと、大體において六十キロについて百四十四圓の差額が生じております。これは食糧營團の人件費であるとか、運賃であるとか、そうした諸掛りが含まれておると思いますが、これが明細をひとつお聽かせ願いたいと思うのであります。われわれ考えますると、米六十キロについて消費者價格と生産者價格の間に百四十四圓から差があるということは、あまりに差がありすぎるじやないか、こういう點にあまりに經費をかけずに、生産者價格をもう少し上げたらどうかという意見が生れてくるわけであります。以上の點について食糧管理局長官の御意見を伺います。
  29. 片柳眞吉

    ○片柳政府委員 第一點のお答えでありますが、御承知のように去年はもちとうるちとの間に價格差をつけておりませんでした、ただそれでありますると、なかなかもちの供出が思わしくまいりませんので、今年は從來の例によりまして大體一割の價格差をつけたのであります。しかしこの發表が遅れました關係で、今御指摘のような事態を起したかと存じますが、理論といたしましては、私の方の食糧檢査員が受入れをする場合におきましては、當然もち、うるちの種類にわかちまして、等級をつけることになつております。ただその邊があるいはルーズにされておつたことから、さような結果を起したと思つておりますが、この點はまだ新潟縣から―あるいは私の方にきておるかもしれませんが、私はまだ縣廰から直接話を聽いておりませんので、實情をはつきりいたしまして、當然もちの數量がわかりますれば、その數量を見て差額を追加拂いしてまいります。ただその數量が的確につかるない場合においては、また適當な方法を考えていきたいと思つておりますが、ともかく至急調査をいたしまして、もちの數量がはつきりした場合においては、これは當然追加拂いをするつもりであります。さよう御承知を願いたいと思います。それから生産者價格と消費量における價格の間に非常な開きができておるという點でありますが、物價廰と連絡して、その明細を物價廰から出していただくよう連絡いたしたいと思います。ただ從來と違つて非常に開きが出てまいりました主な原因は、從來國庫が負擔しておりました食糧管理局の人件費、事務費等も、今年からは消費者に轉嫁しておる點が、從來と非常に違つてきておる點でありまして、從來は集荷機關である農業會の手數料と、政府の輸送費、營團のマージンを加えたものが大體消費者價格になつておりましたが、さらに今年は財政の都合上、私の方の食糧管理局の人件費、事務費も實は消費者に加算をしておるという點が、從來とは違つておる點であります。この項目別の明細につきましては、物價廰から資料を出すように連絡をいたします。
  30. 野上健次

    ○野上委員 それでは速やかにそうした資料を出していただくことにいたしまして、なおだめを押すようでありますが、もちの供出數量を明確に把握できないときに、何らかの手段方法をもちたいというようなお答えでありますが、それについてその解決の方法を、もう少し具體的に承つておくと大變好都合であります。
  31. 片柳眞吉

    ○片柳政府委員 この點は大體新潟縣で買いました米で、縣内に配給した數量につきましては、新潟縣の食糧營團につきまして調べると、ある程度見當がつきます。縣外に出ましたものは受入地の東京なり、その他の消費縣の状況で大體これはわかりはせぬだろうかという點からも、傍證的に大體見當がつくのではないかという點から、調査をいたしていきたいと思います。
  32. 野上健次

    ○野上委員 次にお伺いしたいのは早場米に對する報奨物資の點でありますが、大體報奨物資としては、主として酒あるいは銘仙等が出されたようであります。この酒について實は十二月の一日から販賣價格が改訂されたわけであります。報奨物資はしばしば本委員會において私ども指摘いたしましたように、速やかに生産者の手もとに届けなければならないということを、極力主張したものでありますが、やはり現實には非常に遅れておりまして、早場米の供出に對して出されたところの酒の切符が、ほんのまだ一部にしか交付されていない。大部分はいまだ實行されていないとう現状であります。ところが御承知のように十二月一日から二百三十圓ですか、酒の價格が引き上げられましたために、この報奨を受ける農民は、實際に高い酒を買い取らねばならぬ事になるのであります。これは供出農家にしますと、經濟的にきわめて甚大な影響をもつものでありまして、殊に早場米供出地の新潟縣等におきましては、總額において約二億圓生産者の負擔が殖えるということが大體推算されるのであります。こうしたことはまつたく政府の誠意を疑い、農民はますます政府を信頼しないということになるのでありまして、これに對してどういう處置を講ぜんとせられるか、少くとも早場米の報奨物資として出されたものに對しては、價格が改訂された今日といえども、從來の價格で放出されるかどうか、その點について政府の所信を明確に承つておきたい次第であります。
  33. 片柳眞吉

    ○片柳政府委員 米價決定の際の例のパリテイ計算の場合におきましては、實はこの酒ももちろんパリテイ計算の物資にはいつております。これは物價廰にはつきり質したわけでありますが、大體今回の値上り額を豫定いたしまして、これでパリテイ計潔をやつておる、こういう建前になつておるそうであります。ただしかしこれはあくまで理窟でありまして途中から非常に酒の價格等が上りますことは、農家の心證を非常に惡くいたしますことと承知しておりますので、全體的に約十六萬石の酒の報奨になつておりますから、これを全部舊價格でいたしますことも、財政收支にも非常な影響をもつてまいりますので、お話のような早場米の分だけでも、少くとも舊價格でやつていただきたい意味で、今大藏當局と話をしております。ただなかなか財政收入の關係がありまして、はつきりした見透しがつきませんが、少くとも十月までに出すべきものが早場米でありますから、それまで出しました分につきましては、舊價格で出してもらいたいということで、今大藏省と折衝中であります。
  34. 野上健次

    ○野上委員 せつかく大藏當局と十分折衝していただきまして、早場米の報奨に對しては舊價格をもつて出すように、必らずひとつ實現していただきたいと思います。こういうことが行われませんと、全體の今後の供出意欲に對しても重大な影響を來すこととなりますし、同時に現在報奨物資として、當局ではあたかも農民がこれを喜んで、その報奨物資によつて供出をするかのようにお考えになるのは大きな誤りであつて、現實に一町歩ほどをつくつているところの農家の經濟についてみましても、報奨物資として支拂う金額は、供出米の總額の約四〇%にあたるわけであります。しかもそれは必要なものがこずに、銘仙とか、酒とかいうもののみがくる。さらにまた税金として約二〇%をとられます。そうすると、殘り四〇%でもつて再生産をやれといつても、農家經濟の上からいいまして、再生産はとてもおぼつかないのでありまして、こういうような報奨物資の品目の選び方、價格の點については、特に愼重な考慮を拂つて、農家經濟に支障を及ぼさいように、當局は誠意をもつてやつていただきたいと思う次第であります。なお、この酒の問題は、單に農家の報奨物資のみの問題ではなく、毎年價格の値上げに伴つて起る問題でありますが、各地の勞働者向けの配給が非常に後れて、結局高いものを買わされるという實情がたくさんあるのであります。これは國家の財政を把握するという點から、一面やむを得ない點もありますが、少くとも値上げの時期に際しては、そうしたことのないように、出すべきものは出すように、政府においてははかられたいと思う次第であります。これは食糧管理長官ではなくて、むしろ大藏當局に強くそうした要請をしておきたいと思います。本日は大藏當局の方がお見えになつておらないようですから、この程度で質問を打切つておきます。次にわざわざ蠶絲局長にお出でを願つたのてありますが、繭の買付けに際しまして、蠶絲業者から生産者に對してさなぎの六〇%を拂戻しをするということになつておるのでありますが、これが所によつては實施されておらないのであります。これも新潟縣の一例でありますが、ヤマ十であるとか、郡是であるとか、それらの業者がほとんどさなぎの拂戻しをしない。これは養蠶家にとりましては、繭だけではなくて、さなぎは御承知のように、非常な肥料となり、あるいは農家側で最も必要とするところの調味料の原料となる。さなぎを返してもらうということが、すなわちさらに再生産への重大な原因になるのであります。それを一部の業者において實施しないということで、非常に問題を起しておるのであります。これはあなたの方の監督に属すると思いますので、かかる不都合の業者に對しては、巖重な監督權を發動していただきたいと思う次第であります。もとよりあなたの方でそうした問題は考究されておると思いますが、これに對してどういうような處置を講じていただいておるか、伺いたいと思います。
  35. 平田左武郎

    ○平田(左)政府委員 養蠶農家に對しまするさなぎの還元配給につきましては、御承知のように、桑園に對しまする肥料の配給が思わしくまいりませんので、それを補填する意味をもちまして、われわれとしましても、極力指導いたしておるのであります。ところで、さなぎは單なる農家の肥料原料としてばかりではなく、そのほかたとえばアミノ酸醤油の製造用であるとか、あるいは藥劑の方面とか、その他漁獲用のえさであるとか、各種の用途もありますので、先ほど御指摘になりましたような大體の割合をきめまして、大部分養蠶農家に還元するような考え方のものに、今日までのところは五〇%ないし八〇%を養蠶農家に還元配給するようにという行政上の指導を加えておるのであります。今日までは、お話のような事例も比較的少くて、大體そうしたラインに沿つて行われておると思うのでありますが、ただいま手もとにありますところの本年の四月と五月との實績を調査した資料によりますれば、さなぎの生産量は、月方にしまして、四月、五月の二箇月間に二十九萬二千八百六十六貫という數字になつております。そのうち養蠶家に還元配給しました數量は、十七萬一千六百六十五貫でありまして、その比率は全生産數量に對しまして、五八・六%ということになつており、そのほか醤油製造用として一萬六千貫餘、比率にいたしまして、五・六%、藥劑の方に七千貫餘、比率にいたしまして、二・五%、そのほか製絲業者が自家用にいたしますのが三〇%というような實績になつておりまして、全國的にみますれば、大體われわれの指導しておりますようなラインに沿つておるように承知いたしておるのであります。特に新潟の問題につきましてお尋ねでございまするので、その點を調査いたしましたけれども、新潟縣には、現在生絲の工場が七つございますが、そのうち調査當時に操業を開始しておりませんでした農業會の工場を除きまして六工場、この六工場のさなぎの生産量と、養蠶家に還元しました數量につきまして、同様四月、五月の二箇月間に調査いたしました數字を御披露申し上げますならば、四月におきましては、生産量が一千八百二十一貫、これに對しまして養蠶家に還元いたしました數量が千三百三貫でありまして、比率は七一・四%になつております。五月につきましては、同様六工場におきまする生産數量は千八百三十七貫、これに對して農家に還元いたしました數量は千四百八十貫でありまして、その比率は八〇・五%ということになつておるのであります。もちろん七〇ないし八〇%のことでありますから、還元配給せられなかつた分も若干あるわけでありますが、大勢から申しますると、四月、五月等は全國平均よりはいいような數字が出ておるわけでありまして、その後の事情等のもただんだんとわかつてくると思いますが、根本としましては、ただいま御質問の趣旨の通りの指導を行つておりますので、さよう御了承願いたいと思います。
  36. 野上健次

    ○野上委員 その點につきましては、ただいまの蠶絲局長の説明によりますれば、まつたく異議がないのでありますが、實際は新潟縣から、ほとんどこれらの業者から養蠶農家に對して還元していない、こういつたことを言うてきておりますので、いずれこれは私の方でも調査いたしまするが、なお當局におかれましても、十分實情について御調査を願いたいと思う次第であります。次に井上農林次官にお伺いしたいのでありますが、農村の電力問題についてであります。全般的に電力が非常に窮迫しておりますことは言うまでもありません。特に肥料關係にまわされます電力が、この十一月から非常に削減されまして、特に五月の苗代に使う肥料として、石炭窒素の各工場に對する電力割當量が大幅に削減をされているのであります。これでまつたく明年度の石炭窒素肥料の生産に重大な支障を來すということを、業者はあげて言つておるのでありますが、これはもちろん農林當局としても十分關心をおもちになつて、調査されていると思う次第でございますが、これに對してもう少し電力を増してやる、あるいは何とかして肥料の生産について計畫數量を確保するという方針が立てられているかどうか。こうした點について政務次官の見解を承つておきたい次第であります。もしこのままいくとしますならば、明年度の米の生産について重大な支障を生ずるので、特に巖重な處置を要望する次第であります。
  37. 井上良次

    ○井上政府委員 電力の不足に伴いまして、特に農村向けの電力及び肥料工場に對する電力確保の問題でありますが、これはこの前も重富委員から御質問がありましたが、實にゆゆしい問題でございます。第一供出を控えての脱穀調整に必要なる電力、それから今御指摘の肥料増産に必要なる電力の確保、この問題につきましては、特に關係當局であります商工省に對して巖重な要求をいたしております。肥料生産は御承知の通り第一種産業でありまして、他のいずれの産業よりも優先的に電力の確保をいたすことに處置をいたしておりますが、何分にも關西地区の電力の資源が火力發電を主力にいたしておる關係上、最近の石炭の事情、輸送の關係等が影響いたしまして、非常に抵下をいたしております。そこへもつてきて火力に重點を置いております關係上、火力發電設備が相當故障を起しまして、このためにまた發電能力を抵下させている現状もありますので、そういう點に對する補修の非常手段を講じ、かつあなたが御指摘になりましたように、明年度政府が約束いたしております春肥の配給に支障を來さないように、電力の最抵確保を要請してまいりたいと考えおります。なおこの點につきましては、閣議または次官會議において、あるいは安本、商工省との連絡會議において、常に強調いたしてやつておるわけでありまして、さいわいにいたしまして、最近九州方面の石炭の事情、または北海道方面の石炭の事情が非常に好轉をしてまいりまして、一にかかつて輸送力を回復いたしますならば、相當石炭が火力發電の方へ配當されてまいりますので、漸次肥料工場の電力確保の問題は緩和してまいるという見透しをもつております。しかしながら、それは單なる見透してございますから、全力をあげてこの問題については進めてまいりたいつもりでありますから、御協力を願いたいと思います。
  38. 松澤一

    ○松澤(一)委員 この機會に蠶絲局長にちよつとお尋ねしておきたいのであります。日本蠶絲統制株式會社が創設された當時、全國における乾繭倉庫が國の力その他で買上げられていたのですが、今回これが改組されて、その建造物等が民間の蠶絲協同組合に拂下げられている。こういう寸法でそのコースをたどつていると思つたのですが、今から少し前に承つた話によると、蠶絲局長は特定な者にこれを安く拂下げるということさえもしたということが、ある縣で問題になつたのでありますが、今全國到るところの縣で、その建造物の拂下げ等はどういうふうになつておるか、その後の状況をこの際聽いておきたいと思うのでありまして、聞けば當時買上げられた對象の特定の人が、蠶絲局長を買收して、特殊な安い價格で拂下げられたという風説まで立つたのでありまして、私は眞とは信じませんが、かなり有力な言葉としてこれが横行していたのであります。現にこの點に對して、私は今から一月程前に蠶絲局長にお電話までいたしたのでありまして、いかに蠶絲局が片倉ビルの中にあるからというて、あまり資本家などの特定の人にそういうことをされると、それこそゆゆしい問題なので、私は御注意申し上げておいたのですが、その後の状況はどうなつておるか。私も忘れてしまつていたので、この機會にひとつ承つておきたいと思います。
  39. 平田左武郎

    ○平田(左)政府委員 乾繭倉庫につきましては、きわめて公明正大にやつておりますから、御心配のないようにお願いいたしたいと思います。處分の方針はどうかということでありまするが、戰前にありました乾繭倉庫は政府が助成したものが大部分でございまして、零細なる養蠶農民の出資を基礎として組合が結成されたのでございます。それが戰争中日本蠶絲統制株式會社に一元的に買取られたのでありますので、これを復元いたします際には、統制會社の解散に際しましては、もとの所有者にという意味から、全國の養蠶農民の諸君から、自分の手もとに返してほしいという御要望が多々あつたのであります。また一面實際使う見地から申しますると、御承知のごとく乾繭技術は製絲の品質の高低と密接な關係がありまするので、製絲業者の方からも、これを自分の方に返してほしいという御要望がありまして、當分の間は昔のように乾繭取引が復元するとも考えられませんけれども、養蠶家を主體として製絲業者も参加いたしました團體に、もとの買上價格の一定率の倍數をもつて處分するという方針で、全國的に處分してまいつたのであります。これは結局は今後の五箇年計畫等による産繭の増加をも見込んで必要なものを、そうした方面に處分する。もし不必要と認められるものにつきましては、統制會社の清算上競争入札によつて自由に處分する。それによつて統制會社の清算のしりを片づけてまいるということで、存置する必要があるかないかという問題につきましては、縣當局とも十分の協議を遂げて實施したような次第であります。そのうちただいま御質問の、松澤さんの御郷里の山梨につきましては鹽山と石和とに二つの乾繭倉庫がございまして、これが當時は養蠶農民の所有していた倉庫でなくして、いわゆる乾繭業者の所有しておつたものなのでございます。從つて復元にあたつては、前の所有關係を尊重して、この二つだけは別にして乾繭業者に所有せしめてほしいという陳情が、しばらく前からあつたのであります。これに對しまして、われわれといたしましては、乾繭倉庫としては養蠶農民に至大な關係があるものであるから、特定の個人に拂下げるということは方針として困るという堅持いたしまして、さように申しておつたのでありましたが、山梨縣の特殊の事情に鑑みまして、こうした業者を全然除外するということも、これは不穏當であるというので、組合を結成いたします際に、ある程度の出資を認めまして、圓滿に解決をしたらどうかというような勧告をいたしたことがございました。ところでそうした方針をいたしまして、その後どうなつたかと申しますと、山梨縣でいろいろ協議の結果、組合の創立にあたりまして、養蠶家の大部分も、二つの乾繭倉庫、すなわち鹽山と石和との倉庫につきましては、前の所有者を尊重して、それを分離して渡すことも差支えないというような總會の決議ができた趣きであります。それは書面に書かれまして、とにかく養蠶農民としてこういう總會に同意したのだから、これは特別にしてほしいというような陳情があつたのでありますが、これは當初の方針と違うからということで、一應退けたのであります。その後各方面がみな一致して異存がないということの聲が傳えられましたので、全部異存がないというのに、局長一人が頑張つているということもいかがと思いましたので、全部異存のないこことならば、これはやむを得ないじやないかという答えをしたことはあるのであります。そのお答えをいたしましたあとで、山梨内部の事情を申しますと、まさかそういうことはできないだろうと思つて、同意したのであつて、そんなことになつてはたいへんだというようなことで、實は總會の意思表示が必ずしも養蠶農民の眞意を代表したものではなかつたということがはつきりいたしまして、その後養蠶の代表者の方々が、十數名二度ばかりわれわれの所に参られまして、やはりこれは養蠶農民全體に渡してほしいという御趣旨の陳情がありました。われわれとしては、養蠶農民が同意されたこととしてそうした處置を進めたのでありまして、形式的の同意はあつた形になつているけれども、旬日ならずしてそういう反對陳情があつたということは、これははたして農民の眞意を反映せしめた決議なりや杏やということが疑われるわでありますから、この點はひとつ縣内のことであるから、よく話合つてほしいということで、處分を一時留保いたしまして、縣内の意向の行末を見守つておつたのであります。その間電話を頂載したような次第でありますが、そうして縣でいろいろ話し合つた結果、これはやはり養蠶農民の手に戻すのが適當である。關係業者の方もそれに同意したというようなことから、圓滿にもとに戻すということに衆議が一決した趣きの申出でがありましたので、現在におきましては、これらの乾繭倉庫も一括いたしまして、養蠶家が主體となつております團體に帰属しておるようなことでありますから、御心配のないようにひとつお願いいたします。
  40. 大島義晴

    ○大島(義)委員長代理 それでは本日はこれをもつて散會いたします。     午後三時四分散會