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1947-10-14 第1回国会 衆議院 水産委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和二十二年十月十四日(火曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長 青木清左ヱ門君    理事 庄司 彦男君 理事 鈴木 善幸君    理事 馬越  晃君 理事 夏堀源三郎君    理事 西村 久之君       加藤 靜雄君    金野 定吉君       鈴木 雄二君    藤原繁太郎君       宇都宮則綱君    神山 榮一君       菊池  豐君    多賀 安郎君       内藤 友明君    外崎千代吉君  出席政府委員         農林事務官   藤田  巖君  委員外の出席者         議    員  大森 玉木君         專門調査員   小安 正三君     ――――――――――――― 十月十一日  大津漁港擴張工事施行促進に關する陳情(茨城  縣多賀郡大津町長村山藏外一名)(第四〇四  號)  臨時資金調整法による漁船建造資金借入促進に  關する陳情(茨城縣久慈郡久慈町漁業會長  田所初太郎外十名)(第四〇六號)  川尻漁港修築工事施行促進に關する陳情(茨城  縣多賀郡豐浦町長日渡和一郎外十七名)(第四  一二號)  生鮮食糧品竝びに水産加工品統制撤廢に關する  陳情(福岡縣議會議長稻員稔)(第四一六號) を本委員會に送付された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  魚類價格及びその配給機構に關する小委員長の  中間報告聽取の件  漁業資材に關する件     ―――――――――――――
  2. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 これより會議を開きます。  各小委員長の中間報告を求めます。魚價竝びに配給機構に關する小委員長、夏堀源三郎君、
  3. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 魚類價格の問題につきましては、過半本委員會において愼重に審議いたしまして、すでにその結果としてこれが發表になつておるのであります。大體において各方面の情報を總合してみますと、まぐろのような高級魚の面に對する價格は、もう少し欲しいものだ。また惣菜物に對しては、結局もう購買力も大分減退しておりますので、これ以上はどうにもならぬ。三日續けて配給すると、消費者の方で受入れができないという状態になつております。加工の面に對しては、本委員會ではこれを檢討しなかつたのでありますが、それはもうすでに魚類の價格が決定しておりますので、事務的に大體物價廳の方でも、相當程度考えておるようにも聞いておりましたから、その結果として發表になつたのは、やはり相當な高価の價格が發表になりました。そうして練り製品のごときは今の價格では消化しきれない、大體二割程度公定價格より安値でこれを配給していくような實情になつております。ある一部に對しては魚類の生産機構も、また價格ももう少しほしいというような面もありますが、またある方面においては、もう價格は公定價格をもちきれないという面もあるのであります。なかなかこの價格制度は消費者及び生産者がどちらもいいというような價格を生み出すことは、これは神様でもできようはずがないのであつて、統制撤廢によつて結末をつけるよりしかたがないと考えております。  なお價格と關係のある配給機構の問題でありますが、これは非常に重要な問題でありますので、今月の二日でありましたか打合會を開きまして、中央及び各地方の實情をもう少し調査して、各小委員においてこの意見のとりまとめをしようという打合せをいたしました。私この間、司令部から調査團が八戸にまいりましたので、その際にもいろいろ意見を申し述べました。そして北海道にも行つて調査してまいりました。各委員においても御調査になつておると考えますので、ここ二、三日中に小委員會を開いてこの結論を求めたいと存じております。現在行われている配給機構の面に關しては、實施前に私はこの通りのやり方ではやみが横行するばかりじやないか。東京にたとえると、一荷受機關で月一千トン以上の集荷能力がなければ、その荷受團體の經濟がもてないのであり、經濟がもてないためにやみ行為にはしるおそれがある。そしてなお許可について審査の場合には、必ず生産者を三分の二程度入れた資本構成でなければいかぬし、また人的方面もその通りでなければいかぬ。生産者とのつながりのない商人的な存在、特に常にやみを行つておる連中が集團をなしてこの許可を得た場合に、それらはいわゆるやみによつて取扱い數量の不足の赤字を埋合わせをしようとすることは當然のことであるから、この點に對してはよほど警戒をせんければならぬということを警告しておつたのであります。その通りの情勢になつて、今荷受機關を急速に整備をしなければならぬというような状態に陷つておるのであります。なお末端配給においても、荷受機關のそうしたような行動が結局末端配給を使つてなおやみ行為にはしるというような實情でもあり、荷受機關と末端配給までの間の分荷機關というものは、いわゆる荷受機關は荷受機關としての責任で、そこで切れるから、分荷機關から先の末端配給までの責任は地方廳、たとえば東京ならば東京都がその責任をとるべきであるという、責任の限界をはつきりせよということを私はある委員會で言いましたが、これはその通りでありまして、私どもはいわゆる政府及び地方廳がこの重要な配給面に對して全面的に責任をとるべきである。經濟的行為及び經濟違反、そしたもののすべての責任をとるべきである。そしてもしそれが現在行われておるより以上に悪化した場合においては、責任をとるという以上は、やはり政府及び地方廳において、はつきりとこの問題の責任を具體的にとる、そういうような方法を考えなければならぬと思います。そうした場合に民間で考えたいろいろの案もありまするので、代つてその案によつて生産者團體の赤誠をこめた力によつて消費面まで直結するようなことによつて、この配給面を是正するということを考えておつたのでありましたが、これは安本方面ではなお相當研究せんければならぬということで、今のが施行になつたように聞いておりますが、今に至つて農林省及び安本では、結果において現われた失敗のこの形をどういう方法で責任をとるか、またこれに對する是正があるかということは、次の小委員會において農林省及び安本の責任者にも出席していただいて、私どもがこれまで調査し得たことと、政府がなおこれからやらんとすることと合致するか否かを檢討してみたいと思います。以上簡單ではありますが、中間報告にかえます。
  4. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 魚價と資材と配給機構との關連性において、これを今後いかに改善していくかということについては、各方面よりも種々要望されているのでございますから、どうか小委員長においてはこの點なるべく速やかに結論を見出して、委員會に御報告されんことを望みます。  次に漁港に關する小委員長よりは、別段御報告することはないとのことでございます。水産金融に關する小委員長は、只今席におられませんから、他日に讓りたいと存じます。
  5. 鈴木雄二

    ○鈴木(雄)委員 空俵の問題ですが、全國の定置漁業の組合から定置漁業の必需品であるところの空俵を、今度農村に還元するというと、これが割當が少くなつて、定置漁業の網が張れないという状態に陥る大體ぶり網の大きなのを定置した箇所においては、一萬八千俵の空俵を使わなければ網が張れないということであります。夏網、秋網の小さいものにおいても、一萬二千俵くらいは使うという状態であるにかかわらず、今度農村關係からこれを農村へ還元しなければならぬという聲が高くなつて、定置漁業にまわつてくる空俵の割當が非常に少くなる状態に立至つているため、これでは定置漁業はその發達ができるかできないかという危機に面しておりますが、この點について農林水産當局としてはどういう考えをもつておられるか、またこの問題について、非常に關心をもつて各方面に折衝してもらわないと、眞に定置漁業の危機が到來すると思うのであります。この點について水産局長のお考えを伺いたいと存じます。
  6. 藤田巖

    ○藤田政府委員 先日鈴木委員から空俵の問題のお話がございまして、早速調べてみましたわけであります。現在空俵の囘收方法について農政局で具體的に今研究を進めておられるようであります。これはきまつたことではないと思いますけれども、大體の構想は、全體の半分くらいを農家に還元したいというような構想でやつておられるようであります。殘りの半分については、これを適當な方面に割當てて配給するというような計畫だと私は考えております。われわれといたしましても、定置漁業の土俵用の空俵の問題は非常に重要な問題なのでありますので、すでに連絡をいたしております。これが何らか割當のありますような場合には、この漁業用の分については、必要な數量にこと缺くようなことのないように、できるだけこれの確保を努めたいということで、今農政局方面とも、關係の課で連絡をしてやつておりますような次第であります。この點は十分注意をしてまいりたいと考えます。
  7. 夏堀源三郎

    ○夏堀委員 緊急質問があります。ただいま局長の手もとまで陳情書も差上げてありますが、最近各府縣地方廳で、財政難から恐るべき悪税と知りつつこれが徴収を斷行せんとするような傾になつております。一例を申し上げますと、これは青森縣ばかりでなく、他府縣にも廣く波及する恐れがあるようになつてまいりますから申し上げるのでありますが、過般縣會で生産税、いわゆる全漁獲の千分の二十五を縣税としてとる。これはもちろん各市町村の附加税として同率で賦課になるのであります。そうすると千分の四十になります。今各集荷場が千分の三十をもつて、非常に人件費が高いためにその經營に苦しんでおるにもかかわらず、なお生産者からこれ以上手數料をとるということは心苦しいということでがんばつておるのであります。財政難は、これは研究すれば、こうした生産税のようなものから徴収しなくても、他にいくらでもあると私は考えておりますが、簡單な取扱によつてこういう處置をとるということは、いわゆる生産を阻害するものであると同時に、配給を混亂させるものである。もしこの水産物から生産税を徴収するということの理論が成立つものであるとすれば、同じ食糧管理下にあり、同じく供出せんければならぬ立場にある主食、この主食と魚は同一に考えなければならぬじやないかと思うが、この米、麥からも生産税を徴収勇気はたしてあるかどうか。これは當然ほかの方面から考えても悪税であると思う。おそらく國民はそうしたことを許すことはないだろうと思います。他府縣に何か先にこのような種類のものを許可したことがあるというようなことを内務省では言つておりますが、それは漁業權あるいは何か船舶及び漁具に對する物品税のようなものが、漁業税と稱して若干あるように聞いております。また多少あつたとしても、それはごく小額のものが山形縣の方にあるように聞くのでありまするが、これはほとんどルートにのつていないのだ。やみによつて販賣する、いわゆるやみ賣り等の利益の中から徴収するということは、これは當然であるが、全體のほとんど九〇%もルートを立てて配給しておる地方に對して、これを強制的に徴収するということになれば、いきおいルートにのらないことになるのだ。それはやみを將勵するということを意味するのでないか。非常に配給を混亂させることであり、生産を阻害させることである。こういう結果になりまするので、私昨日内務省、大藏省にまいつてこのことを陳情してまいりましたが、これは地方においては非常に重大問題化しておるのであります。大會を開いて各方面にこれを陳情するというようなことになつておりまするが、もうすでにここにもくると思います。こういう面は各府縣に波及しつつあるこの率で見ますると、大體たとえば青森縣で見ますると千五百萬圓くらい、市町村の附加税も三千萬圓くらいというような額になりまするので、そういうふうな生産税を出さなければならぬ。それから徴収するということは、絶対これは政府としても考えなければないぬ問題であると存じまするので、水産局においても、内務省及び大藏省に、私どもの今訴えたこの實情を、十分に役所の意見の交換をして、こういうような悪税は速やかに撤廢するように、許可しないように、方針をとつていただきたいと思います。この點についての局長の御意見を伺いたいと存じます。
  8. 藤田巖

    ○藤田政府委員 この特別漁業税の問題は、實は私まだ詳しくは承知いたしておりません。われわれとしてもよく研究をいたし、なお關係方面へも十分この實情を確めて善處してまいりたい。かように存じております。
  9. 外崎千代吉

    ○外崎委員 水産委員會は他の委員會よりも、一番熱心に、またたまたま會合も多いのでありますが、水産廳を初めとしてこれというて何らまとまつたものがないというような各方面のお話もあるのであります。それでこの間から漁網問題や漁港問題も出ておりましたが、これに對して藤田水産局長へお伺いすることは、多少でも漁港に對する豫算が多くとれましたか、それから今後の方針はどういうふうになつておるか、漁網の方はなんぼかよくなつておるかどうかということを承りたい。とにかく水産委員會はしよつちゆう開いておるが、何らできていないじやないかと言われますから、多少でも進歩した點があるかどうか、この點を伺います。
  10. 藤田巖

    ○藤田政府委員 漁網の問題につきましては、これは御承知かと存じますが、たしか七日附をもちまして、漁網の新しい公定價格が發表になつたのであります。從來公定價格がきまりませんために、漁網が漁業者の方に渡たらないという問題は、値段がきまりましたあとは順調にいくのでないかと考えております。それからもう一つ漁網に對する織物消費税の課税の問題でありますが。これはたしか先週の土曜日かと思いますが、大藏省の方で大體私どもの方の意見を入れてくれまして、綿織物の漁網地については、爾今課税はしないということの通牒を各財務局長宛出していただきました。この點につきましては、水産委員會の特別の御盡力によりまして、私どもの考えておりました主張が通りましたことを、この機會において感謝いたしたいと考えております。それから漁港の問題でございますが、大體漁港關係につきましては、昭和二十三年度のわれわれの要求といたしましては、大體十億圓程度の漁港船溜の修築の豫算を組みまして、これは農林省の内部では一應了解をしていただきまして、現在安定本部へ出してあるわけであります。この安定本部の會議はまだ始まつておりませんので、これがどういう結果になるかわからぬのでありますが、大體本年度の豫算七千萬圓程度のものが、來年度になりまして十億見當に殖えております。相當大きい金になつております。一方は資材、特にセメントの事情が決して好轉しておりません。そのほか御承知のように、水害その他のことがございまして、相當資材もその方面に流れているというような實情であるのであります。おそらく安定本部あたりでは、資材の方面から、また一方は資金の方面から、相當嚴格な査定がくるのではなかろうかと私どもは考えているのでありますが、これにつきましては、私どもといたしましては現在漁港、船溜の重要性に鑑みまして、必要な豫算を、極力折衝をしまして獲得するように今後とも努力してまいりたいと考えております。
  11. 外崎千代吉

    ○外崎委員 先ほど小委員長から魚價の問題もおつしやつたが、私この間視察の一行に加わつて各漁港をまわつてまいりましたが、能登半島方面では、魚價が安いために漁業を中止しておるということを言つておる。しかるに魚價を高くすればみな一般に出まわるように言つておるが、一・九倍に上げてもさつぱり出まわらないで、配給の率が悪く、ないといつてもいいくらいである。またこの間三崎方へ行つてみたときには、さばを生で買えばわずかに五十何圓のものが、ちよつと加工して、二つに割いて鹽をかけると百三十何圓かになる。こういうぐあいで生なら安く手にはいるべきものを、加工して高くするという方法も見受けられる。こうなつてくると、消費者を中心に考えておるのか、漁業家々々々といつて、漁業家のみを考えておるのかわからないような、錯覺をわれわれに起す状態が各方向で見受けられる。一體われわれ水産委員會としては、漁業家の面も十分考えなければならぬが、それと同時に消費者の面も考えなければならぬと思う。安い高いの問題は、消費者にすれば高い、漁業者にすれば、安くて出漁すれば損をすると言つておるが、公定價格で魚を賣らせるか、その代りこれに對して物の裏づけをするということを考えておるかどうか。すべての漁業家にやるところの網だとか船溜ねだとか、すべてのものを政府の方でもつと愼重に考えてもらわなければ、双方とも共死してしまうような方法になつておるんじやないかと思う。これに對して農村當局はどう考えておるのか。努力するというだけじやいけない。物の裏づけをするかどうか、そうしなければ消費者も困るし、漁業者も困る状態になつておる。この點について伺いたい。
  12. 藤田巖

    ○藤田政府委員 魚價の問題につきましては、最近きまりました魚價は、相當全體的に申せば高いところできまつております。それで消費者の立場から申しますと、現在の魚價では、ある種のものについては、もうすでに消費者が配給を斷わるという現象が東京方面では現われております。それからまた一方、これは漁業の事情によつてでありますけれども、相當公定價格で取引をされているというふうな地方もある。これは地方々々の實情で、一律には申せないと考えますけれども、そういうふうな事情からいたしまして、全面的に値段を上げていくというような問題については、私の感じとしては相當高いところまでいつているのであつて、これ以上値を全面的に上げていく問題については、消費者の例からまた生産者の立場から考えても、必ずしも得策でないというふうに考えるのであります。ただある魚種の問題については、均衡のとれてこないものがお話の通りあろうかと思います。われわれもその點は十分わかつておつたのでありますけれども、平均の値上率がきまつており、出荷の從來非常にいいもの、また出荷を促進したいと考えるものの値段を高くしております關係上、どうしても全體的には割安になつているものも出てまいつております。それが魚價の均衡から考えますと、へんなものになつているということはあろうかと思います。從つてこういうふうな魚種間の不均衡の結果、非常に不合理だと考えられるものについては、私どもとしましては調査いたしまして、はなはだしく實情に副わないものについては、考慮をしてまいりたいというふうに考えていいだろうと思います。しかしながら全體的に魚價をこれ以上上げるということは、よほど考えものであろうと思いますので、私どもとしてはむしろ資材の方面を考えてやる。最近魚價が上りますにつれて、またやみの資材が上つております。それは結局漁業者がまたつり上げていくわけであります。從つてそういうふうなことは決して得策であるとは考えませんので、やはり正規にマル公で入手し得るところの資材の量というものを殖やしてやる。こういうことによつて漁業の經營を安定させることが消費者にとつても都合もよく、生産者にとつてもやはりいいのではないかと私どもは思うのであります。從來は大體かつお、まぐろでありますとか、以西の底引でありますとか、そういうふうなものに重點をおいて資材の配給をいたしておつたのでありますが、最近配給網漁業につきまして、たとえば定置漁業でありますとか、あるいはきんちやく網でありますとか、あぐり網流し網、あるいは以東底引網漁業、こういうものにつきまして特定のわくを拵えまして、その漁業に配給するところの資材のわくを、特定分離して與えていくというふうなことでやつておりますか、まだ全體の資材の數量が不足でありますからして、漁業者の必要とするところの數量には達しないであろうと考えております。漸次そういうふうに重點的に資材の配給をいたしまして、漁の資材の不足を緩和してまいりたい。こういうふうな方針でやつているわけであります。なお漁業用の資材の數量の確保の問題につきましても、われわれとしては、毎期毎期の物動の割當の際には、極力これのわくを確保するように努力してまいりたい。かように考えております。
  13. 馬越晃

    ○馬越委員 藤田政府委員にちよつとお尋ねしたいのですが、漁網用の原料絲が各漁網會社に配分せられて、それが製品となつて還つてくるのは、一體どういう割合を基準としておられるのかを承りたい。先般御提出になりました原料絲及び製品調査表を拜見いたしますと、北海道の藤松萬からこれは原料絲が四萬一千から出しておつて、製品はわずかに四千三百、また原料絲をちつとも出さぬものが一萬三千からの製品を出している。こういうようにこの率が各々違つているのでありますが、原料絲と製品との割合は、どういうふうに考えておられるかということを一つと、それから原料絲が各漁網會社へ割當られて、これが製品となつて還つてくる最後の見届けはどういうふうな手順でやつておられるかこの點をお伺いしたい。
  14. 藤田巖

    ○藤田政府委員 大體漁網の製造工場に對しては、一方商工省から原絲の割當があるわけでありまして、その原絲によつて場合により絲により、あるいはそれによつて網をつくつて、今度は注文した漁業者へ渡される、こういうふうになつておるわけであります。必ずしも原料の入手關係というものは、輸送の状態もございますし、金融關係もございますし、割當がいきましても、すぐにそれが流れるようにはいつていくとは限らないのでありまして、場合によつて非常に早くはいる場合もあれば遲くはいる場合もある。從つてその時期に割當てられました原絲の量と、それから生産をされます網の數量というものは必ずしも一致いたしませんので、常に時期的にずれて食い違つております。大體絲が網になりますのに、私が聽いておりますのでは、大體の平均が三月くらいかかるということであります。從つて常に前のストツクからずれて製品が出てくるわけであります。從つてはいりました數量とその時期に製品になりました數量との比較ということは困難だろうと思いますが、しかしながら結局それ以外の原料は、建前上はないわけでありますから、從つていつかの時期には、必ず割當てられた數量に相當する、一定の歩留りをもつて製造される數量の網が出てこなければならぬというふうに考えております。それで大體從來は撚絲の組合あるいは漁網の組合というものが、毎月々々各工場の製造の生産高の調をやつております。この數量は商工省に報告され、また農林省も便宜これをもらいまして、そうして常にその間の原料のはいりぐあいと、製品になるぐあいを見ておりまして、その工場がはたして能率よく動いておるか。あるいはまた非常に能率悪く、つまり製品にちつともならないということを調べておるわけであります。結局これは年度末になりますれば、そのときまでに割當てられました數量と、それからその時期までに生産されました數量というものを見合わせまして、そこに不正のないように、現在の建前としてはそれを監督するような機構になつております。それを私どもとしては注意をしているわけですが、しかし實情を申しますと、現在相當歩留りが變つている。たとえば一千貫からの原絲からできます網が何段ということは當然きまるのが、大體私ども見ておりますと、最近の傾向では一割くらい歩減りをしている。これはそこに何らか横流しの材料になるものがあることになるわけでありますからして、この點については、商工省にも絶えずその點の監督をお願いしているわけであります。ただ商工省の意見としては、そういう點は全體的に現在あるので、原絲になつてくるもの、たとえば紡績業者なり、撚絲業者から絲がはいつてきます場合も、一千貫ははいることになつているものが、現在の實際の數量においては一千貫はいらない。一貫匁あるはずのものが八百匁しかないというふうな状況が、ずつと上の方から起つているから、關連的にこれを取締らないと局部的にはむずかしい。この點については、商工省としてもそういうふうな不正のないように取締りをやつている。こういうふうな話でありました。
  15. 馬越晃

    ○馬越委員 私は漁網が實際に配給される品物はなくとも、やみで買えばいくらでもあるというようなことは、ここらに原因が胚胎しているのではないかと思うのであります。ただいまのように、なるほど原料がずつていくのでありますから、その月末にはいつた原料絲と製品の高とはおのずから變つてくるということは、私どもも了解できますが、しかりある一定の――たとえば毎年變りのときであるとか、そういう機會を捉えて、その漁網會社を一應檢査をする。そうしてなんぼ原料絲を渡して、なんぼ製品を納入した。あと原綿がいくらある。あるいは原絲がいくらあるということをはつきり突きとめて、次々といかなかつたならば、現在のように非常に緩慢な取締りでは、製網工場のやみを助長するだけである。せつかく漁業者に割當てられた原料絲というものが生産者の手に渡らない。これははなはだ私は不都合なりと思つておるのであります。農林省は今までそういうような檢査をせられたことがありますか。もしくは商工省に對して、何か具體的にそういう調査方を依頼せられたような事實がありますかどうか、お伺いしたいと思います。
  16. 藤田巖

    ○藤田政府委員 從來も農林省といたしましては、そういうことを聽きますたびにいろいろな方法で調べているわけですが、しかしながらはつきりしたこともなかなかわからないような實情になつております。それで今度私どもといたしましては、そういう點が從來非常に不備でございますので、漁網綱等配給規則というふうなものを指定配給物資取扱手續に基きましてこれを施行いたします。從來の缺點は漁網工場にしか注文ができない。こういうことが一つの缺點であります。今度は漁業者が割當表をもらいました場合にはどこでも自分の欲するところの漁網工場にもつていつて生産を頼むことができる。こういうふうな規則にかえたのであります。從つて從來サービスの悪い、あるいは不正のあるようなところは、おのずと生産者がいかなくなる。つまりまじめな、非常に早く漁網のできるような、能率的な工場の方にたまつてくるということになつて、おのずから漁網工場の間に健全な競爭が起つてくる。そういうことによつて、私どもとしてはその不正をなくしたい。これは取締りだけやつてもなかなかむずかしい問題でありますから、漁業者に自己の欲する漁網工場を選擇させることによつてその弊害をなくしていきたい。こういうふうな規則を現在考えているわけであります。  なおどのくらい入荷ができ、どのくらい生産ができ、受渡しがどうなつておるかということについても、私どもの意見としては、今後漁網工場に正確な帳簿を備えつけて、それをだれでも閲覧できる。あるいは調べることができるというふうにいたしまして、それによつておのずと不正のできないようにしてまいりたいという趣旨で現在規則をつくつております。この規則は現在商工省であと二、三の點がひつかかつておりますが、それができてまいりますれば、今お話のございましたような缺陷もだんだんよくなつてまいるのじやないかというふうに考えております。
  17. 馬越晃

    ○馬越委員 現在そうした横流し防止の策として、省令が法律を御起案中だということを聽きまして、私も非常に安心をいたしたのでありますが、そうすると、今までの御監督の上においては、全然やりつ放しておつたものである。原料絲なり綿花なりを漁業用のものとして割當て、それぞれ製造業者に配分したが、それがいくらのものが漁業者に割當てられたかということの調査などは、今までしたことがない。やりつ放しておつたものだ。かように私たちは了解してよろしうございますか。
  18. 藤田巖

    ○藤田政府委員 これは御承知のように、漁網工場の監督が現在商工省に所管されている。從つて漁網の製造に對する監督というものは商工省になつておる。農林省はできました網を配給する部面だけ擔當されております。そこにわれわれが根本的にさかのぼつてその漁網工場の生産配給の調査取締りを徹底的にやれなかつた點があるのであります。その點われわれが是正して漁業者の必要な漁網については、配給のみならず生産まで農林省に移していただいて、農林省が責任をもつてやりたい。こういうことが一つの意見であつたのであります。お話のように從來は所管がそうなつておりますので、われわれとしても必要は感じておりますが、そう積極的にはやれなかつた。これが實情であろうと思います。
  19. 馬越晃

    ○馬越委員 私は委員長に政府から資料提出方を要求いたします。それは商工省に對して、戰後漁業用綿花としてなり、また漁網となつて漁業用資材として割當てられた數量、當然戰爭後におきましても手持品があつたはずでありますから、製品というものは割當てられたものよりも、より多い數量にならなければならぬと私は思うのであります。ただし先ほど水産局長の言われましたように、期限のずれがありますから、それだけのものは製品が材料よりは少くなるという點も考えられるのでありますけれども、しかし手持材料と比較いたしまして、さほどの差はないものと私は考えるのであります。そういうような資料を政府から提出していただきまして、なお私どもとして檢討いたしたいと思つております。
  20. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 ただいま馬越君から資料提出の要求がありました漁業用綿花、原料絲と成品漁網の調査報告は商工省關係にも相なりまするから、衆議院規則第五十六條の規則に從い、正式に衆議院議長の手を經て政府に要求することといたしたいと思います。御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 御異議がなければさよう決定いたします。
  22. 外崎千代吉

    ○外崎委員 私この間各方面の漁港調査、視察に参りまして、その結果特に強く感じてきたのでありますが、御承知の通り、米に次ぐ食料品として重大な役割をもつておるこの漁業が、とかく長い間等閑に附されておつたというという事も見てきた實状において強く感じたのであります。漁港の問題でありますが漁港はどこの漁港を見てまいりましても、これさえ完備すれば十分に漁獲があがるということがみえておつても、悲しいかな今までの漁港補助金というものは、わずか五割か六割程度であつて、あとはほとんどその漁港を使うところの町村、漁村においてこれを補わなければならぬ。ところがどこの漁村としても、どこの縣でも、何百萬圓。何千萬圓かなければならぬ大きな漁港の費用に對して、政府の四割や五割の補助、あとは縣とかあるいは漁村が負擔するということになれば、とてもそれは行えるものではない。その結果まわつて見て、まことに日本漁港の貧弱さには驚いてしまつたのであります。漁獲がどうというよりも、命を一體どうするのだということを感じました。あれほど板子一枚下は地獄として、命をかけて働いておる漁夫たちが目の前にきて死ななければならぬという状態になつておるし、また十分漁獲ができるというようなところでも、その漁村が貧乏な為にその漁港さえ十分に要望することができないというような状態に陷つておるのであります。この場合に私は漁獲を多くとるということも大事でありますが、漁師の命ということをわれわれは考えてやらなければならぬ。あの貴重な命をかけてやらなければならぬものに對してこれを貧乏な漁村に負擔をさせるということでは、とても日本漁港の完備はできないと思うのであります。この場合政府當局もうんと奮鬪しまして、將來必要なる漁港に對しては全額の國庫補助をする。またわれわれ水産委員會においても、これをやらせる必要があるということを私は強く感じておるのであります。どこの府縣、どこの漁村においても、何百萬圓、何千萬圓近い負擔はでき得ない。それができなければ投げなければならない。投げれば魚がとれない。とれないばかりでなく命にかかわる。人命の尊さは何人も知つております。これを考えても、全額國庫負擔をもつてしなければ完全な漁港ができない。完全でない漁港ができれば魚もとれない。命にもかかわる。あまりにも漁村は投げ捨てられております。三百五十萬という漁師の中に、たれ一人として大事でないものはない。これがためにはどうしても漁港は國庫の全額負擔を願わなければならぬ。政府はそれだけの考えをもつておられるかどうか。同時に委員長にも一つお願いしたいのは、この委員會でも極力これは主張して、この問題を一日も早く解決してもらわなければ、漁師は魚もとれないし、命も危險だということを附け加えてお伺ひしておきたい。
  23. 藤田巖

    ○藤田政府委員 漁港について國庫が全額負擔するようなことにしてはどうかという御意見でありますが、この公共土木事業に對する補助率というのが、大體安定本部できまつておりまして、内務省關係、それから運輸省の港灣關係、農林省の漁港關係は、大體の補助率というものは一致をしております。從つて現在四割であります補助を、一擧全額國庫負擔に上げるという問題は、これはそういう均衡の問題、なおまた今度は財源の關係というふうなことより考えまして、私は率直に申しまして相當困難かと考えております。しかしながら特殊なものにつきましては、私はやはり全額負擔のような要求も必要であろうと思います。現在北海道は全額負擔になつております。これは北海道の特殊な事情からいたしまして、どうしても地元にかけるわけにいかないというような意味合いからいたしまして、全額負擔になつておる。こういうふうなものについては、われわれとしてはやはり全額負擔でやつてまいりたいと思います。内地でも特に今度私どもの一應出しておりますのは、たとえば長崎縣の男女群島、これは無人島でありまして、そこに避難港の設備をするということによつて非常に生産があがる。こういう問題であります。これは負擔させようにも負擔させるものがないのであります。しかしながらそこに一つの避難港の設備をするということは、生産擴充の見他からきわめて必要であろう。こういう特殊なものについては、私は全額負擔ということで要求してまいりたいと思います。しかしながら内地のその全部を全額負擔ということでもつてまいりますことは、これはなかなかむずかしいのじやないかというふうに考えております。
  24. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 委員長よりもお答えいたします。日本の水産のあり方が戰前と戰後に大きな開きをみせておるということは事實でありまして、殊に漁業基地の問題にいたしましても、戰爭前の形態は、さらに戰後において檢討されなければならない事態に立至つております。ただいま水産局長の申された特殊的なものに對する負擔金の免除もさることながら、わが國の内地のいずれかに特に設けなければならない基地が相當あるはずであります。この基地を設くる場合に、地元において負擔能力がない場合も、北海道における開拓漁港と同様の取扱いをいたさなければならないとも考えておるのでありますが、これらの點については、漁港に關する小委員會においてさらに檢討されて成案を得て、委員長に御報告願えれば結構だと存じております。なおさきに水産廳の問題について外崎君が觸れておられますが、このことについては、小委員長より先日中間經過の報告がございました。漁船行政の面において政府部内に對立がある模様でありまして、はなはだ遺憾と考えておりまするので、農林大臣及び運輸大臣間において政治的な折衝を要望いたし、ただいま折衝を繼續せられておる模様であります。なお會期も切迫しておりまして、さきに皆様の御決議を願いました水産廳の設置に關する法律の取扱いについても最後の段階に達しているものと考えているのでありますが、これらにつきましては議會内の意見を民主的に確定いたし、官廳間の紛爭に斷を下し、問題の方向を判然とさせました上で、その結果をもつて關係方面との折衝をさらに繼續していきたいと考えるのであります。どうか各黨におきましては、正式に黨議として本問題の決定を致されますよう、特にお願いいたしておきます。
  25. 外崎千代吉

    ○外崎委員 今の局長さんのお答えは、今の場合としてはやむを得ないことは十分承知しておりますけれども、このままで何十年も前にきめた規約をもつていこうというのでありません。だからして、われわれは委員會を通じて、政府當局としましても、とにかく一遍に全國のものを全部やらうというのではなくて、そのうちこれらの主要な地點、必要だという所は、やはり特例を設けてやつてらなければならぬと考える。いかに魚價を上げようと、資材を補給しようとも、その基地そのものが不完全であれば、なかなか漁師はできないと思います。この場合政府當局もよく他の方面と折衝なさつて、これはできるだけ、もちろん豫算の關係もありましようけれども豫算の方面もわれわれも考える、そうして一日も早く、國庫で全額負擔してでも完全なる漁港をつくつてやらなければ、完全なるところの漁獲は得られないと考えますので、そのへんを特に御考慮くださいして、そして各方面の御折衝を願いたいのであります。
  26. 馬越晃

    ○馬越委員 今の外崎委員の漁港補助率の問題につきましては、非常にごもつともな御意見だと私も思うのであります。さりとて國庫がすべて全額を負擔するということは、これは政府委員のお話しのごとく、非常に實現困難な問題だとは思うのであります。ところで、特殊な漁港につきまして、全額國庫負擔の道をなお一層擴充いたすとともに、私どもが承知している範圍におきましては、漁港修築に對する國の補助率は、近年順次減少をいたしていると考えるのであります。それは常委員會に設置せられました漁港の小委員會におかれましては、過去數年におきまする漁港の修築に對する政府の補助率につきまして御調査を願い、さよういたしまして過去における最高率の補助が與えられるようなふうに、ひとつ適當な御處置をとつていただく。もとより運輸省所管のあるいは第一種、第二種重要港灣、竝びに指定港灣に對する取扱い等、生産の伴う漁港とはおのずから違つた取扱いが國によつてなされて差支えないものだと私は考えるのであります。少くとも全額をことごとく國庫補助でやるということが困難であるならば、政府の補助率をもつと高く引き直すという方向に向つて進んでいただきたい。かように考えまして、特にこの問題につきましては、小委員會においてとくと對策御研究を願いたい。かように考えるのであります。
  27. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 委員外でありますが、大森玉木議員より特に發言を要求されております。これを許して差支えありませすか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 御異議なければ許すことに決します。大森玉木君。
  29. 大森玉木

    ○大森玉木君 私委員外でありますが、私は石川縣であります。石川縣に現に今できている問題でありますので、お尋ねをいたしたい。それは魚價の統制はむろんのことでありますが、販賣店等の關係も、これまた一律に國家的に行われたものと思うのであります。それが一週間ばかり先まではさほどでもなかつたのが、こんど――あとの結論を得るために道程を申上げますが、それが俄に取締り監督が嚴重になりまして、そうして魚屋の金庫、冷藏庫あるいはそれらものを家探しをするようになりました。ところが、ここ四、五日というものはもはや魚が入つてこない。こういう状態になつているので、消費者はもちろんのこと、またそれを業といたしておる者も非常に迷惑をいたしているような次第であります。そこで、これらの關係は統制の嚴格ということであり、また統制の強化ということでありますが、統制をするたびごとに、私どもは産地でありますが、魚が出なくなります。ゆえに、この點についてどこまでも強化をされる御意思かどうか、私ども地方の聲といたしましては、もはや統制の必要なしということが大體の石川縣民の輿論であると思う。もう一つは、統制によつて配給をいたしてもらう魚は、この間も五十何名が一箇村で中毒になり、二名死にました。これはどうかというと、腐つた魚が配給されたということによる。これがいわゆる今日の統制の弊でないかと私は思う。統制をしましても、魚は申すまでもなく一時間を爭うて腐敗をいたす生ものであります。こうしたものを統制強化をして、腐つた魚を國民に食わせるようなことは、私は考えなければならぬことでないかと思う。さらにまた、統制の結果、漁村においては、出て魚をとればとるだけ損がいくというので、私どもの地方では出漁をいたさないようになつております。こういう状態になつている。それは私どもの部落をあげてと申上げてもよろしい。蛸島であるとか御崎村であるとか、こんな所に行くと、もう出てとつてくれば損がいくゆえに、とらぬ方がよろしい。こういう結果になつている。そこで、私はこれを参考に申上げまして、私どもの所は産地でありますから申上げますが、本年のごときはいわしがたくさんとれた。たくさんとれるときにいかに高くしようとしても、公定價格をいかにどうしようとしても、その公定價格の半額に相なるのであります。そういうようなことから、半額にも三分の一にも届かないように相なります。でありますから魚に對しては私は公定價格の必要がないのではないか。魚はとれたときには安くなる、またとれないときには高くなる。この原則論でいいじやないか、こういうふうに抽象論でありますが、考えるのであります。こまかい數字をあげて何がいくらかということを私が申し上げなくても、あなた方の方はおわかりでありますから申し上げませんが、鮮魚の統制に對しては、私ども縣民こぞつて反對をいたしておるようなわけで、昨日も縣に陳情をいたしておつたので、私はけさまいつたのであります。どうしても統制を解いてもらわなければならないというのが石川縣民の輿論であり、漁業者の輿論であります。こういう點を申上げて當局、いわゆる局長の御意見を伺いたいと思うのであります。統制に對しましてはどうでありましようか、ますます強化いたされるお考えでありましようか、私が今申し上げた腐敗をした魚を配給して、それによつて人命を絶つようなことも、本年に至りまして二囘私の縣にありました。かくのごときものは統制の弊であると私は思うのであります。これらに對してお聽かせ願いたい。
  30. 藤田巖

    ○藤田政府委員 この鮮魚の統制の問題は、ずいぶん前から意見があるのであります。なるほど私自身といたしましても、魚というものはその特別な性質から考えまして、値段をきめこれを統制ルートに乗せることは、技術的に見て非常に困難なものであると考えるのでありますけれども、しかしながら現在の日本の特殊な事情のもとにおきまして、殊にまた水産物が蛋白質食糧配給の見地から非常に重要になつておることから考えまして、統制を撤廢することは非常にむずかしいと私は考えております。從つてわれわれといたしましては、統制のやり方について非常に改善すべきものがあり、不備な點についてはこれを直していくとうふうなことは、やつていかなければならぬと考えるのであります。現在のやり方が決してそれでいいとは考えておりません。御指摘のような問題もあることはこれは想像されるのでありますけれども、しかしながらやはり改善すべきものは改善をしていく。そうしてやはり蛋白食糧としての重要な生鮮魚介類については、これを公平にわけていく。そうしてまた、勤勞大衆の生活の維持の問題について重要な影響をもつておるこの魚の問題については、これはできるだけ抑えていく。從つてきめました統制の方式については、やはり取締りを強化して、これを守つていかなければならぬ。現在の日本の特殊な事情下においては、どうしてもそれ以外に方法はないというふうに私は考えておるのであります。
  31. 大森玉木

    ○大森玉木君 それならば私局長にもう一言いたしたいと思う。戰前は強化をいたしておりません。その當時よりかも、漁業家は相當技術が進歩しております。漁具も進歩いたしております。ゆえにこの生産能率は、その人たちの考え方によつては、私は戰前より以上もの能率をあげることが不可能でないと思うのであります。可能であると思う。そこで今局長の仰せられるように、勞働階級に對して按分して、とにかく蛋白質を與えてやらなければならないそのお言葉はごもつともと思うのでありますが、私は何匁、何十匁魚を配給するというようなことは未だかつて承つたことはありません。卓上の議論と實際とは全然相容れないものであるということを私は申し上げたい。今申し上げたように、戰前には統制も何もしていなかつたが、澤山とれたときは安いものが食えた。またいわしのごとき、どうにもこうにもならなくて、こやしにさえもてあましたくらいである。それが今日はどうであるかと申しますと、いわし一つが何圓ということになつた。これは物價の水準が上つたのでありますが、昨年あたりは私どもの濱では持つてこれなくて捨てた者もあります。そういうような状態になつておるときには最も安いものが食える。それが統制のために下まわりをいたさないということは、はつきりいたしておるじやないかと思います。今までの經驗において、今日は何匁配給ということができておりましようか、これは天文學的數字であります。國民全體に今日は何匁の魚を配給してやるなんということは、いわゆる作文であります。言うて行われないことであると私は確信しております。今強化していく事によつてと仰せられたので、なおあらためて私はお尋ねいたすのであります。強化いたされることはわれわれ國民がはなはだ迷惑いたすというふうに考えますから、お尋ねいたすのでありますが、いかがでしよう、もう一應考慮の餘地はないでしようか。
  32. 藤田巖

    ○藤田政府委員 これは非常に大きな問題でありましてあるいは私ごときが答辯いたしますこともどうかと思いますが、私の信じておりますところによりますと、現在の特殊な事情下におきましては、魚の統制をはずすことは困難であろう。そうして殊に魚の全體の生産が上つておありませんから、これをはずします結果はやはり價格の高騰を來し、それによつて一般の諸物價にも影響してくることが非常に多いじやないかというふうに考えておる次第であります。
  33. 大森玉木

    ○大森玉木君 もう一言、價格の問題につきましては、私どもの方ではこの五、六月ころまで統制を嚴重にやつておりませんでしたが、その間は安かつたのであります。ところが嚴格な取締りをやるようになつたら非常に高くなつた。そして魚がなくなつたというのは那邊にあるのでしようか。あなた方は魚の公定價格をはずすことが、他の物價にも影響をいたすと仰せられるのでありますけれども、公定價格をつけることによつてこれが上つてまいつておるのであります。そこで私どもは公定價格を嚴格にすれば魚がなくなると想像いたしておりますが、政府當局はどういうふうに考えておられますか、お尋ねいたします。
  34. 藤田巖

    ○藤田政府委員 公定價格を一律にきめる結果、殊に公定價格が實情に即しないような場合には、お話のようにいい品物は姿を消す。これはさようなことも考えております。從つて價格の決定については、できるだけ生産者がそれによつて再生産し得るに足る程度の價格をいうふうなことを十分考えてやらなければならぬ。またそれに對する資材の裏づけというのを、十分にやつていかなければならぬというふうに考えている次第であります。
  35. 青木清左ヱ門

    ○青木委員長 次會は公報をもつてお知らせいたします。本日はこれをもつて散會いたします。    午後零時三十一分散會