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1947-10-13 第1回国会 衆議院 厚生委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和二十二年十月十三日(月曜日)     午前十時四十三分開議  出席委員    委員長 小野  孝君    理事 田中 松月君 理事 山崎 道子君    理事 飯村  泉君 理事 武田 キヨ君    理事 有田 二郎君 理事 大瀧亀代司君       福田 昌子君    武藤運十郎君       師岡 榮一君    園田  直君       降旗 徳弥君    近藤 鶴代君       榊原  亨君    村上 清治君       野本 品吉君  出席政府委員         厚生事務官   葛西 嘉資君         厚生事務官   米澤 常道君         厚 生 技 官 東 龍太郎君 十月十一日委員小暮藤三郎君辭任につき、その補 闕として大野伴睦君が議長の指名で委員に選任さ れた。     ――――――――――――― 十月十一日  醫師會、齒科醫師會及び日本醫療團の解散等に關する法律案(内閣提出參議院送付)(第七一號) の審査を本委員會に付託された。 十月十一日  生活保護法による生活困窮者救濟に關する陳情書(盛岡市三戸町小野寺眞吾)(第三九六號)  海外引揚者對策に關する陳情書(茨城縣東茨城郡上中妻村茨城縣海外引揚同胞聯盟總務委員長大越親外十四名)(第四〇五號)  恩給扶助料増額に關する陳情書(山口縣大島郡蒲野村中西甚作外二十九名)(第四一〇號)  國民健康保險組合制度改正に關する陳情書(福岡縣議會議長稻員稔)(第四二三號)  丸山隧道爆發による被害者救助に關する陳情書(福岡縣議會議長稻員稔)(第四二六號) を本委員會に送付された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  兒童福祉法案(内閣提出)(第三三號)  醫療制度に關する件     ―――――――――――――
  2. 小野孝

    ○小野委員長 これより會議を開きます。  前會に引續いて兒童福祉法案を議題といたしまして審査を繼續いたします。武田キヨさん。
  3. 武田キヨ

    ○武田委員 兒童福祉法案で私が一番感じますことは、兒童福祉の根本問題である母子問題が、割合に輕く取扱つてあると申しますか、ほとんど母子問題に關しては、ただ妊娠、出産、そのあとの一年間の産婦という範圍が取上げられてあるというだけのように思います。日本現状におきまして、殊に未亡人の問題は非常に重要な問題でありまして、その數においても、あるいはその事情においても、特別なあり方であると思うのでございますが、これについて社會局長さんから、未亡人の現状及びこれに對しての特別な施設あるいは處置をとつておられる事實が今ございますか。あるいはそれに對して何か社會局の方でお考えになつておることがございますか。一應承りたいと思います。
  4. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 母子問題に關連されて、未亡人の問題についてのお尋ねでございますが、未亡人の中には、柱と頼む主人を亡くされて生活に困窮しておる者が非常に多い状態でありますことは、御承知の通りでございます。戰爭中は未亡人ないし遺兒、あるいは傷痍者というものについての特別な國の施策が行われておつたのでありますが、御承知のように、終戰後はこれらの者を無差別平等に取扱うということになりまして、これが戰爭の犧牲者であるから、あるいは戰爭に行つて亡くなつた人のあとであるからという理由をもつて、特別の施策をするということが許されなくなつたのでございます。御承知のように現在の生活保護法におきましても、法の第一條に書いてありますように、優先的な取扱いをすることなく、平等に保護するのだということを言つておるのであります。原因のいかんを問わず平等に保護してまいるのだ。こういう建前になつております。未亡人の中には非常に生活に困窮しておる者もいるわけでありまして、これらに對しましては、生活保護法によつて現在保護をいたしております。ただ何分にも數が非常に多く散らばつているような關係で、これらに温かい援護の手が行届いておらないというふうなこともあるのじやないか。現にこれらの人が生活に困つたために、母子心中をするというような例も、御承知のように新聞紙上に出ているようなこともあるのであります。これらのことはたいへん遺憾なことでありまして、私どもといたしましては、過般民生部長會議の際、あるいは厚生課長會議の際等にも、これらの者に遺憾なく保護をするようにしてもらいたいということを、會議の都度示しているようなわけでございます。これらの人の保護という問題について、無差別平等にするということは、均一に畫一的にこれを保護していけということとは區別があるわけであります。その困窮の實情に應じて、その家庭の實際の状況に應じて保護をしていくということは、これは一向差支えないのであります。そういうような意味から、非常に民生委員あるいは縣、地方事務所當局等にも注意をしてやるようにということは、もう繰返し繰返し現在まで申しているようなわけでございます。ある縣等におきましては、この寡婦の方々を對象にしまして、生活保護法による生業扶助を活用いたしまして、ホームスパン等の屑繭を利用いたしまして、それを紡ぐことを未亡人にやらして、そのかせぎ賃をかせがすというようなことを計畫をされまして、困つた状態に應じて生活保護法の生業扶助によつて、絲の紡ぎ機械を貸し與え、あるいはくれてやるというようなことをいたしまして、それぞれの家庭にそれを持ち歸らせまして、子供の守りをしながら、あるいは家事の炊事等をしながら、屑繭を紡んでホームスパンの原料にするというふうなことをして、相當成績をあげているような町村もあるわけであります。會議等の際にも、そういうふうなこまかい注意をしていただければ、ほんとうにその未亡人に即應したいろいろな措置が、現在の法制のもとに特別の保護をするということはできぬのであるけれども、實情に即した保護をするという配慮をしていただきますならば、こういうふうに更生ができるのだというふうな事例などもお示ししてやるように言つておるようなわけでございます。そのほか現在までの特殊な未亡人だけの對策ではありませんけれども、未亡人の實情に即した施策といたしましては、あるいは家がなくて住めないという者につきましては、相當數の母子寮等も用意いたしまして、これらに収容をするというようなこともいたしておるようなわけでございます。全般的に母子問題を輕視しておるというふうなお話がございましたが、そのつもりは毛頭ございません。たいへん大事な社會問題であり、これを援護してまいることが非常に大事な問題であるという點は、よくよく心得ておるつもりでございます。
  5. 武田キヨ

    ○武田委員 母子寮などはだんだん殖やして、未亡人の生活擁護のためにも、そこに特別な授産の設備をするとか、あるいはそこに託兒所などを附設してこしらえるということは、一應そういう御計畫があり、その線に沿つて行われておる所もあると思われますが、過般私がある婦人團體の所で聞きましたときにそれは東京都内でございまして、元來遺家族の母子のために建てられた母子寮でございます。そこにはいるのは知事の推薦によつてはいる。そしてそこにいて授産もされ、そこに暮すことのできる特別な場所として建てられたのだという母子寮が、だんだんもう住家を侵蝕されまして、現在では職業補導所がその一角を使つて、その母子寮の入所者は母子だけでなくして、戰災者や一般の婦人や近縣の人々がどんどんはいつてきて、とうとうその宿舎をとつてしまう。そして今後補導生はそこを卒業しても、やはり住宅難の問題があつてそこからなかなか出ていかない。そのためにもうほとんど母子世帶はごくわずかになつてしまつて、そこにはいろうとする者もどうすることもできないし、今おる者はだんだんその場所を狹められてしまつて、完全な母子寮であつたものが、今はすつかり違つた形になつてしまつたということも聞いているのであります。これははつきり場所を申し上げてもいいのでございますが、實は戸山寮でございます。ここなどは初めは同潤會の母子アパートとして建てられたものが、軍人援護會で買収して遺家族の母子寮にしたのでございますが、そういうような状態で、今までにありました母子寮というものが、いわゆる差別的に軍人に遺家族などを収容しない。一般の人にこれを開放するという意味からいつて、結果としてはもう母子寮というものは純母子がそこで生活を營むことができないような状態になつている所が、これのみならず、ほかの所でも私は例を聞いておるのでございます。それで今のような御趣旨によつていくことは、これは一應うなずかれるのでございますけれども、實際において未亡人の生活というものが、よほど重點的に擁護の手を伸ばされませんと、實にこれは苦しいものでございまして、子供がありますために子供のそばを離れて、働きに行くということになると、どうしてもここには託兒所が要る。それからまたその託兒所にしましても、これが母子寮に關係した託兒所ということになりまして、一般の人たちを預からないということになれば、その費用の方から言いましても、やはりその母子寮の者がお互いでこれを賄つていかなければならない。あるいは事實その仕事はどうかと言いますと、未亡人の授産は、婦人の職場が非常に狹いのが、しかもそれがこういういろいろな條件のもとに制約されておりますから、なお生活にはほとんど足りないような状態であるのでございます。何とかして私はこの未亡人の生活に對しては住宅問題、あるいは他面その住宅に關連して授産、託兒所というようなものが一連の繋がりをもつて、そして兒童福祉法の施設の中にこれが取入れらるべきものでないかと考えておるのであります。現にこの兒童福祉法の中には、そのことについてはつきりしたことが書いてございませんけれども、そういうような意向のもとに計畫をするお考えはございませんでしようか。
  6. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 第一にお述べになりました點は、母子寮として用意されておるものが、そのほかの目的のために使われているようなものが間々あるが、これはいかぬじやないかというような御意見のように拜承いたしました。これはその通りであります。母子寮等でありましたものが、母子が田舎に疎開しているというようなことで若干空いておるところがございます。ところが終戰後のどさくさの際に、どんどん家が燒けてしまつて住む家がなくなつてしまつたというようなことから、終戰後のごとく臨時的な措置として、母子寮としておつたものに、若干母子以外のものを収容した事例のありますことは、私も承知しております。これは今武田委員お述べになりましたように、本來の目的ではないでありますから、なるべく速やかにそういう状態を取止めまして、本來の困つている末亡人の生活援護のためにこれを活用することは當然のことであります。今お述べのように一般の住宅難のために、なかなか急にやることはできませんけれども、これは未亡人の生活確保のために、嚴重な注意をいたしまして、最も速やかにこれを母子寮本來の目的に副うように指導してまいりたいと考えております。  それから第二にお述べになりました未亡人の生活確保のために、住宅、授産、託兒所というようなものを渾然一體として、彼此連絡をとりながらやつていくことが必要でないかという御意見につきましても、まつたく私ども同様に考えております。だだ兒童福祉法の中に、兒童の福祉施設として母子寮が載つていないのは、今武田委員御指摘の通りでございますが、これはたとえ福祉施設の中にないからと言つて、これが別々になるという筋合のものではございませんので、ただいまのところは兒童福祉施設として考えられていないものは、必要に應じ生活保護法なりそのほかの任意施設でやつてまいることになるわけでございますが、これはもちろんお述べになりましように、住宅、授産、託兒所というようなものときめて密接に連絡をしながらやつてまいる方針でございます。法律の中にそれがはいつていないから、連絡がないのだというように、實はお考えいただかないようにお願いしたいと思います。これを兒童福祉法の中に取入れなかつた理由については、おそらく兒童局長からお述べになつておられると思いますが、それは兒童福祉法の中にはいつておらないから考えないというのでなく、これはほかの法律なり何なりでもちろん十分連絡をとつてやらなければならぬということは承知しておりますから、そういうふうに御了承願いたいと思います。
  7. 武田キヨ

    ○武田委員 今社會局の方では、未亡人の問題については統計的な數字としては、どういうものを御調査になつておりますでしようか。母子世帶の調査について、あるいは住宅、經濟、子供の數というようなことについての調査があれば一應承りたいのでございます。私自身の問題といたしましては、この調査に手を少し伸ばしてみたのでございますが、廣島縣の方で福山市と呉市と廣島市に關して、こちらの要求する調査を出すことを向うに求めましたときに、二箇月以上經ちましてなかなかそれがこちらの方へ參りませんでした。やつと呉市のみが一昨日私の手もとへ届いたのでございます。厚生省の方でお手もとに未亡人に對する調査があれば承りたいと思います。
  8. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 この點も先般兒童局長からお話になつていただいたと思いますが、その數字以外に實は私どもの方でも資料をもつておりませんのですが、大體のところを申し上げますと、大ざつぱに言つて三百萬遺族と申しておりますから、大體未亡人しいいますか、そういうものが約全體で三百萬くらいのところじやないだろうかと、ごく大ざつぱに押えておるわけであります。このうちどれくらいほんとうに保護をしていかなければならぬ者があるかどうかということになると、いろいろ見方によつて違うと思いますが、大體兒童局長からお話になりましたように、大ざつぱにつかみまして三分の一、百萬くらいのところがめんどうを見てあげなければならぬ世帶の人たちではなかろうかというようなことで、そういうものをいろいろ基礎にして計畫を進めておるようなわけであります。
  9. 武田キヨ

    ○武田委員 そういたしますと、現在のところでは、未亡人に關しては生活保護法以外には、別に特別な處置はないということになるのでございますか。
  10. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 それ以外にもいろいろな法律なり、あるいは制度としましては、遺兒に育英というふうなことにつきまして、文部省の育英關係の方で――これも特別にやるということはできませんけれども、できるだけの心配をしよう。これは生活保護法の御審議のときにも御承知だと思いますが、文部省の政府委員が出まして、育英資金の支出をきめますときに、同じ點數であるというようなことであれば、なるべくこういうふうな人を優先して、その選の中に入れてやるような配慮を委員會等でやつていただこうというようなことを申されたことを記憶いたしておるのでございますが、そんなことでありますとか、あるいは法律に基くもの、あるいは法律に基かざるいろいろな社會施設というようなものも、これからのものに使つていただいてやつておるというのも御承知の通りでございます。それからそのほかいろいろな制度のもとでも、個々に取扱う場合において、できるだけ配意するようないろいろな場合が起きてくるわけであります。こういうものは先ほども申し上げましたように、特別に遺族であるからどうするということはできないのでありますけれども、その遺族の實情に即するように、いろいろな配慮をしてやるということは、少しも禁じられておらぬのでありますから、そういう意味の配慮ということが、行政の取扱いとして非常に大きくお考えいただいていいのじやないかと私どもは思います。これは先ほども申しました通り、會議等の席には、殊に先月の初めに行いました民生部長會議には、特に遺族の援護というものを大臣の指示事項の一つに掲げまして、指示をしているようなわけであります。それから將來この兒童福祉法ができてまいりますれば、保育所その他の點において遺族の方々の生活援護に果す部分は非常に多うございます。將來問題になつております例の社會保險制度というようなものが出てまいりますれば、これはその面からも出てまいりますが、現在のところはただいま申し上げたような状態になつております。
  11. 武田キヨ

    ○武田委員 今おつしやいました法律にはないけれども、あとは實情に即しての適當な處置をして援護の手を伸べるという、そういうふうな當局の意向であるにかかわらず、實際には末端ではなかなかそれが行われておらぬのでございまして、それについては相當に具體的な指示を徹底してもらわなければいけないと思つております。いろいろと個人々々についての事情が違いますから、一概には申されませんでも、大體のわくというものは、この程度のことはしてもよろしい、この程度のことはできるということが、生活保護法の實施にあたりましても、中央の意向が下部に行つておらないので、しばしば私どものところにもつてこられまして、實際は民生委員の方からそういうことがあつたかということを聽くような場合がございまして、よほどそれについてはこれからさきに御考慮を煩わしたいと思つております。  なお兒童福祉法の中にあります兒童相談所と一緒に、妊娠相談所というものがぜひそこに含まれるようにしたいということを、私はこの前に申し述べたのでございますが、母性教育というふうなものの徹底に關しては、これは單に妊娠のときの指導というばかりでなく、もつと廣い範圍で取扱わなくちやいけないのじやないかと思つております。これにつきまして母性の健全がほんとうに福祉を受ける權利のある子供を生み出すのでございますから、その關係から申しましても、母親の問題を、あらためてわれわれはここに兒童福祉の前提と申しますか、單に婦人という立場でなしに、母親というものの問題として、子供に關連して、兒童福祉とほとんど竝行して、この問題をどうするか、どういうふうにわれわれが健全な母性をつくるかということを考えてみなければいけない立場に今なつておると思うのでございます。それにつきまして母性という立場から、政府の方でいわゆる母性擁護――單に母子でなく母性の擁護と申しますか、あるいは母性の指導と申しますか、その方面で殊に社會局長さんは婦人福祉に關して何かお考えはございませんでしようか。
  12. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 第一に武田委員のお話になりました點は、遺族などについて第一線が思うようにいつておらぬという點についてでございますが、これに關連しまして、この程度のことをやつていい、この程度以上はいかぬというふうな具體的の指示をしなくちやいかぬというふうな御意見だつたように拜承したのですが、これは實際の問題になると非常にデリケートになつてまいると思います。  あるいは終戰後は無差別平等にやらなければならぬということを申したその直後、その半面の影響として、遺族なりあるいは傷病者なりに對する援護という問題が不必要に遠慮されておつたのじやないだろうかというふうに思われておつたのじやないだろうかというふうに思われる節があることも、私は地方によつては認めざるを得ない現状であるように思います。あるいは先ほども申したように、累次の地方の主務者の部長あるいは課長會議には口を酸つぱくして申してきております。具體的にこの程度まではいい、この程度からはいかぬというようなことを申すことはこれはなかなかむずかしゆうございます。しかし民生委員の指導の會合等には、婦人の囑託が現在私どもの手もとに三人ばかりおるのでありますが、これを全國に派遣いたしまして、婦人の民生委員の會合をすでに一囘だけは全部集つていただいていたしたような次第であります。それからこの遺族と言いますか、あるいはそういうものの援護の方も終戰後大分カーヴが上つてきておるのであります。二十年十二月それから二十一年六月、二十一年十二月、二十二年の六月というようなふうに押えまして、援護者の數などを表にしてみますと、ずつとカーヴが上つてきておるようなことなんかは、やつぱり私が先ほど申しましたように、一時非常に不必要に遠慮したものがだんだんわかつてきて、ずつと上つてきてるんじやないかという一つの證據だと思います。なお今後とも私どもが一番心配をしなければならぬ問題は、どんどん保護を要求するものと、それからほんとうにどん底までいつてもなお保護を受けようとしないで、間違つた道を選んでいくというような人もあることであります。そういうところには第一線の係員としては十分氣をつけまして、そういう人に漏れのないようにする努力を今後一層していかなければならぬというふうに、これは會議等にはいつでも指示しておることでありますから、だんだんと徹底してまいるのではないかというふうに思います。  それから第二に母性の指導等について、一體どういうことを考えておるかということ、これはたいへん大きな問題でありまして、政府部内におきましても援護の部面あるいは指導保護に關係する部面ということになりますと、これはおのずから所管が違つてまいります。あるいはまた社會教育というようなことになりますれば、文部省の社會教育局の方から指導を願わなければならぬ部面もあります。また勞働部面の問題になりますれば、今度新しくできました婦人少年局長の手もとで立案されるような問題もあるわけであります。私どもの受持つております部面においては、御承知のように保護という部面から、これは今具體的にどういうものがあるかというと、なかなか算え上げることもめんどうでございますけれども、事々に觸れてこういう方面の指導をやつてまいろうという心構えでおりますが、具體的には今後のいろいろな指導のケース、第一線の職員がいろいろ困つておる人を援護することにつきましては、ケース・ワークと申しますか、その實情に即した援護の方法というものが、社會事業の方で言いますと一つの技術になつておるわけであります。そういうふうな技術指導というものをやつておる例が實はたくさんあります。よく申す例でありますが、ケース指導のたつた一つの例を申し上げますと、これは關東の縣であります。陸軍の將官をしていた人の遺族の方が、しかも子供を中學校にやつておる家庭で、戰後初めのうちはどうやらこうやら食いつないでおつたけれども、逐にたけのこの身が出てしまつて、ほとんど皮がなくなつてしまつたというようなことで、民生委員にかけこんだ例があります。その時に非常に民生委員がよく指導していただきまして、その人にお花の先生をさせることしにて弟子を集めた。しかしなお足らないということから、習字ができるというので、その人にまた習字の看板をかけさせまして、習字の先生もするということで、また弟子を集めたら、非常に收入がよくなりまして、子供も中學に行くことができるようになり、一家がほとんど更生できたという事例がある。これなどは一つのいいケース・ワークとしての實例ではないかというふうに申しているわけであります。御承知のように、子供が中學校等に行つておりますれば、義務制になつた新制中學は別でありますが、それ以外の學校に上つている者については、最低限度の生活を保護するという生活保護法では行けないのは御承知の通りでありますが、これはそんなふうな場合にぶつかりまして、實情に即して援護の手を伸べたいい例ではないかと思つております。そんなふうな個々のいろいろな實例から申しましても、遺族といいますか、あるいは、母性といいますか、子供を抱えて困つている遺族の厚生をはかつたという例は相當あると存じます。
  13. 武田キヨ

    ○武田委員 私が今お尋ねいたしましたのは、母性の保護ということでなくて、母性の教育という方に重點をおいたのでございますが、今お話のように、これはあるいは文部省に屬することかと考えまして、この問題はまたあらためて、取上げたいと思います。  なおこれに關連しまして社會局の方で、これは兒童福祉とは離れることでありますが、いわゆる特殊婦人を救濟するといいますか、これをできるだけ少くするということについて、あるいはこの保護について、現在どういうふうな處置をとつておいでになりますか。
  14. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 特殊婦人の保護あるいはこれを少くするという問題につきましては、御承知のように昨年の秋でありますか、政府としては次官會議の決定をもまして、厚生、内務、司法、文部と四省で大體仕事を受持つことにして一應方針をきめて、その線に沿つてやつているわけであります。御承知のようにこれはまずならせないようにすることが必要であります。これには文部省方面の社會教育部面から見た婦人としての品位といいますか、心構えといいますか、そういう方面からの部面が非常に大きく浮び上がつてくるのであります。それと同時に、食えないためにそういう方面に落ちるという者も統計の數字では相當數ございます。こういう者につきまして活躍しなければならぬ部面は、生活保護法でございます。そうしてなるべくそういう者に落ちる者を少くしてまいるという方策をとつてまいるわけでございます。それと同時に警察取締りという面から、取締つてまいるという部面を内務省が分擔しております。そうやつてもなお現在のようにあるということになりますれば、これらの病氣を治してやる。あるいは、そういう方面に落ちた者を更生させてやるという施設が考えられることになります。病氣を治す方は、御承知のように東京あるいは神奈川その他全國のその病院へ收容いたしまして、そこで治す。そういう人たちで自分がもし病氣が治つたら正業につきたいとうような者があれば、それらの病院に行つてそういう者を見つけまして、保護寮に入れて指導しておりますが、それは今全國で十七箇所あるかと思います。このうち國庫補助をいたしましたのが十六箇所でございます、宮城縣の方は婦人特殊施設とせずに、一般の生活緊急援護というような名目で建てた寮でございます。經費約一千數百萬圓を投じまして、その寮を昨年の秋ごろからつくつておるわけであります。これはもつと婦人の數などから言いますれば、相當な數が必要なのでありますけれども、とりあえずひとつやつてみようという試みの施設としてつくつたわけでございます。その後の實施の經過を見ますと、これはなかなかむづかしい仕事でありまして、はいつた者が逃げる。あるいは定員に相當餘裕があつても、なかなか更生しようということではいつてくる者が比較的少いという現状でございます。しかしわずかではありますけれども、それぞれの寮々にはいつた人たちが正業についたとう報告も來ております。ただしこれはよほどやり方などに注意してやらないと、なかなかむつかしいようでございます。今月の四日に全國の寮長會議を開いて、寮長を全部集めまして、いろいろ報告を聽いたりなどいたしましたが、やはりもう少し政府の方で、財政的にも物的にも援助すべき點は援助してやるということでなければ、なかなかむつかしいようであります。最近御承知のように、東京あるいは横濱あたりのこういうふうな婦人の種類が大分專門化してきたと言いますか、ふらふらと間違えてああいう群に投じたという者が比較的少くなつております。ああいうことを商賣にしておると言いますか、生活のために、あるいは酌婦をしておつたとか、娼妓とか藝者をしておつたというような者が非常に多くなつてきた傾向があります。從いまして、これらを更生させるということは、なかなかむつかしいことになつておるようであります。定員を相當數設けまして、これにはいれということを各寮長がそれぞれの病院に行つて勸誘などいたしておりますが、なかなかそこに來ない。來ても逃げてしまうというようなことで、これはよほど何かくふうをしてやらないとむつかしい現状にあるように思つております。しかしこれはぜひ必要なことでありますし、一人でも二人でも更生さすべき者はぜひ更生させてまいりたいとうふうに思いまして、努力をしているようなわけであります。御承知のようにG・H・Qの方のお助けによりまして、婦人中央福祉委員會という委員會ができまして、民間の人、あるいは官廳側の人、そういう人を集めまして、この問題をどう取扱つたらよいかということで、ずつと長い間十數囘あるいは數十囘の會合を開きながら研究をしておりますが、事柄がなかなかむつかしいものでありますから、適當な結論がなかなか得られないというのが、この仕事に對する現状のようであります。ただしかしこうしたらよいだろうという若干の結論を得ましたものについては、私ども近くこれを具體化して、これをやりよいようにしてまいりたいという心づもりでおることを最後に申し上げておきます。
  15. 武田キヨ

    ○武田委員 社會局長にお願いしたいことは、先ほど申しました未亡人の調査統計ということを、もう少しわれわれがこれに對するいろいろの對策を立てようとするときに、根據になるようなものをこれからつくつていただく、そうしてほんとうに實情に即した解決方法をとられるように、なお私どもとして要求いたしたいと思います。  それからこれは社會局の關係ではありませんが、現在たくさん生まれてきておるあの混血兒あるいは孤兒、捨兒というようなものにつきまして、これをどういうふうに今後措置をとろうという御方針でありますか、お伺いいたします。
  16. 米澤常道

    ○米澤政府委員 孤兒、混血兒、捨兒の問題でございますが、この中で、特に混血兒等につきまして他の孤兒との扱いをどうするかという點は、非常にこれはむつかしい問題でございます。現在ありますいろん乳兒院その他の施設においてできるだけのことはやつておりますが、今後のこれらの子供の將來の問題といたしましては、これはやはりこの福祉法にあります養護施設、こういつたものにおいて十分將來の問題を考えていかなければならぬ。現在生れたばかりの子供の問題につきましては、もちろん應急的に乳兒院においてやつてはおりますが、今後の將來の問題といたしましては、この福祉法にあります、いろんな養護施設等においてもちろん扱つてはおりますが、これは先ほどからもお話がありましたように、いろんな社會教育その他の方面とも十分な連絡をとりまして、將來の恒久的な對策としては十分研究していかなければならぬと考えているのであります。
  17. 武田キヨ

    ○武田委員 この間から質問にも出たのでございますが、乳兒の榮養關係で、やはり人工榮養の子供たちに對しての牛乳は、いまのところでは非常に心細い状態で、不滿足な實情でございますけれども、この兒童福祉法というものは、榮養問題はどういうふうに取扱う權限がありますでしようか。はつきり申しますと、元來人工榮養の子供というのはできる筋合のものではないので、母體が健全であれば、母乳が一番理想的なものであり、自然のものである。そしてその母體を健全にするためには、まず母體の榮養を十分にとらなければならないので、まずそれを根本問題としてわれわれは取上げなければならないと思いますけれども、この間の農林當局の御説明によりましても、特に妊婦、産婦の榮養に關しての特別な考えはないということでございます。妊婦に對してはいくらか配給がありましても、それは榮養を十分に保つだけのものではないのでございます。これに關して、將來これだけの榮養を必要とするというときに、この問題を兒童福祉法で取上げて、どれだけもつていけるものでございましようか。農林省の方にどれだけの強さをもつていけるものでございましようか。それを承りたいのであります。
  18. 米澤常道

    ○米澤政府委員 妊婦その他の必需物資の確保という問題は、もちろん兒童問題の特に乳兒等につきまして最も根幹をなす問題でございますけれども、御承知のように行政の組織から申しまして、こういつた生産關係は、やはり生産官廳で扱つておりますので、そういつた榮食物資の生産あるいは配給、こういうものを直接にこの法律としてはもちろん取上げておりません。ただ福祉法としましては、そういう問題にぜひ關係をつけたいと考えておりますので、たとえばこの兒童福祉委員會等の規定でありますが、この第八條等におきまして、委員會において必要がある場合には、關係行政廳に對して職員の出席を求め、あるいは資料の提出を求めることができるというような規定を特にいたしておりますので、特にこういう物資の關係等について、できるだけ關係方面の官廳にも委員會に出て、十分な連絡をしていただきたい。こういうふうな意味でもこれを規定いたしておるのであります。直接に生産、配給そのものを法律として取上げるわけにはまいりませんので、これは規定いたしておりませんが、今後福祉委員會あるいは兒童委員會等において、この問題を法律的に取上げて十分檢討していただきたい。厚生省といたしましては、もちろん消費者の立場と申しますか、できるだけ商工省あるいは農林省とは緊密な連絡をとつていくつもりであります。
  19. 武田キヨ

    ○武田委員 ただいまの榮養問題にいたしましても、あるいは未亡人の生活保障と申しますか、すべてこの兒童福祉法というのは一體に消極的な方面の施設に關係しておることが認められますけれども、積極的に、ほんとうに福祉を生み出すというそこにもつていくためには、ただいまの榮養問題あるいは未亡人の生活保護の問題、あるいは生産、もつと社會の積極的な方面からわれわれは考慮をしなければいけないし、同時にそれに對する具體的な施設あるいは政策というものも、さらにこれに關連してわれわれはとらなければいけないことがまだ將來殘された問題であると考えて、この點について當局の方でも十分な御研究と、將來この兒童福祉法をもつと底を廣く、もつと幅を廣く、效果的なものをもつていくようになさるよう御努力を要望いたしまして、私の質問を終ります。
  20. 小野孝

    ○小野委員長 近藤鶴代君。
  21. 近藤鶴代

    ○近藤委員 初めに念のため伺いたいと思いますことは、民生委員の婦人のパーセンテージはどのくらいになつておるのでございましようか。
  22. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 民生委員の中に婦人を加えるということにつきましては、この前の生活保護法の委員會のときにも、非常に私どもの方もその必要を認めまして、なるべく婦人を、適當なものがあれば入れるようにということで、地方に選ばせたのでありますが、昨年十二月が御承知のようにちようど改選でありまして、十二月一日に新しい人が任命されたのでありますが、このときの率は全國の一割でございます。多い所は二割ぐらい行つておる縣がございます。少い所になると、一割に行つておらぬで、五分ぐらいな所がございます。全國平均にいたしますと、約一割ということになつております。
  23. 近藤鶴代

    ○近藤委員 その民生委員の婦人の割合は、農村と都會地と、どんなふうになつておりますか。
  24. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 私は今ここに正確な資料を持ち合わせておりませんので、農村と都會の比率の割合というものについては、實は今記憶しておりませんが、これは地方によつて大分違うようでございます。農村と都市との割合が、たとえば都市の方が多いとか、農村の方が多いとかいうふうなことは、はつきりした數字が實は出ないように思うのであります。その縣の事情が非常にあるようでございます。
  25. 近藤鶴代

    ○近藤委員 なおこの福祉法案の原案をおつくりになりましたメンバーの中に、婦人がどのくらいはいつておりますか。
  26. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 私が初め立案をしますときに、いろいろ委員會でやりましたので、便宜上そのときのもので申し上げます。婦人は特別にやついただいた有力な委員が一人ございますが、あとあまり出られなかつた委員も若干ございます。一人の委員はしよつちゆう出ていただいて、ほとんどここをああせい、あそこをああせいと言つて、自分で筆をとつて直されたこともございます。非常にその婦人には御活躍を願いました。
  27. 近藤鶴代

    ○近藤委員 私はこのたびこのように兒童福祉法案の審議をするようにお運びくださいました當局の御努力に對しては、非常にありがたいと思うのでございます。しかし考えてみますと、法律というものはつくつただけでそれでいいというのではなくて、その法の效果をあげていくということが、むしろ法律をつくるよりも、またそれを審議するよりも、もつともつと大事なことではないか。どんなにしたならば、この法案ができただけの效果が實際にあがるかという點にあるのではないかと思うのでございます。聞くところによりますと、この兒童委員というものは民生委員によつて兼ねられるといことでございますが、民生委員は、今伺いますところによりますと、ほとんどが男子の方であり、しかもその民生委員は、今日の職責上非常に忙しいということを聞き及んでおりますが、この大事な法案の實施にあたりまして、はたして民生委員か兒童委員を兼ねて、しかも男子であつて十分にこれに效果をあげていくということについて、當局の方々はどんなように考えていらつしやるであろうか、お伺いいたしたいと思います。
  28. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 この兒童福祉の實際仕事をやります兒童委員が、ほんとうに活動してくださらなければならぬ點は近藤委員のお説の通りでございますが、この民生委員が全部兒童委員になるというほかに、有給の兒童委員がおることは御承知の通りであります。專門の兒童委員は數が非常に限られておりますものですから、全國のすみずみにおります子供までは目が屆かないという實情でございます。かりにこの數をうんと増して、何千人という專門の兒童委員を置いたといたしましても、なかなか目か屆かなくなります。御承知のように町村は一萬數千もあるのでありますから、なかなか目が屆かないというふうなことで、そこで從來からこの方面の仕事をやつております民生委員を兒童委員ということにして、お手傳いを願うことにしたわけでございます。それで今近藤委員のお話のように、民生委員の中には、本務が忙しくてなかなかできないし、あるいはまたとかく世間の誤解を受け、非難を受けるような者もないことはありません。そこで實は先々月の二十一日附をもちまして、これらの不適任な民生委員を改めることの通牒を地方廳に出した次第であります。忙しくてほとんどこういうふうな本來の仕事のできない者、あるいは高齡のためにできない者、あるいは破廉恥そのほかの原因から世間の非難を受けるというような者、いろいろそういうふうな具體的な例をあげまして、そういう者についてはこの際解任の手續をして、新しく適當な人を入れるがよかろうというふうなことを、地方に八月二十一日附をもつてお示しをいたしてあります。この結果、ごく最近でありまするが、一つの例ですけれども、私の今記憶しておるのは福岡縣であります。福岡縣等においては百數十名でありましたが、そういうような具體的な例をあげまして、これらの人にはおやめを願つて、新しくやる方が適當だというようなことで、實は民生委員の側からもこれを改選してまいる。いいものにやつていただくというふうなことにいたしたわけであります。何にいたしましても非常に廣い所に兒童は散らばつておりますし、たれからかめんどうをみていただかなければならぬということになれば、現在のわが國の制度のもとにおきましては、まず民生委員というものを兒童委員にして、そうして適當な指導監督のもとにやつていただくということが適當ではないだろうか、こう思つておりまります。
  29. 近藤鶴代

    ○近藤委員 有給職員の採用という點について、婦人というものに對しては別に格別なお考えはございませんでしようか。
  30. 米澤常道

    ○米澤政府委員 有給委員は吏員の資格をもちますので、その方の資格の制限はもちろんあるわけですけれども、これはある程度の婦人の方の出られますように希望いたしております。
  31. 近藤鶴代

    ○近藤委員 ただいまお話のございましたように、民生委員が大體それを兼ねるということの御趣旨はよくわかつたのでございますが、いくらか話が餘談になりますが、私は民生委員に女を採用するといつてもなり手がない、希望者がなかつたという點、こういうところを考えていただきたいと思うのでございます、たとえば地方などにおきまして、婦人が民生委員になりたい。仕事をやつてみてもいい。けれどもなかなか時間的にめんどうでやれないというような話を聞くのでございます。私は特にむつかしい役所の出はいりと違いますので、女の場合、たとえば未亡人などがそういう仕事をやつてみようといつた場合、あるいは複雑な家庭の仕事をもちながら、しかしながらそういうことに興味をもつてやつてみたいというような人も相當あると思うのでございますが、男子と違いまして、家をもち、子供をもつておる女の人が勤める場合、たとえば俸給的に男子と同等にいかないことを條件といたしますならば、朝の時間が三十分遲くてもいいとか、あるいは歸りが一時間くらいは早く歸ることを許すというふうな面にまで考え及んで、民生委員を御採用になりますならば、存外女の人でも採用できるのではないかと思うのでございます。民生委員にいたしましても、兒童委員にいましましても、仕事の性質上、私は少くとも半數くらいは女の方でなければならないのではないかというような考えをもつて、民生委員をお選びになるようにしていただきたいと思うのでございます。法律をつくりますこと、あるいはいろいろな施設をするという點につきまして、もちろん男子の方々が十分なお働きはできるであろうと思いますが、しかしながら戰災孤兒を收容いたします場合にも、家を建てて食を與えても、なおかつ戰災孤兒がさまよい出るということは、その建物の中に、その食物の中に愛情というものがないという點に思い及びますときに、私は特にこういう法案を生かす上には、女子の協力がなければ全きでないという點を強く指摘いたしまして、そういうふうなお取計らいをいただきたいと思います。  なおこの法案の中の條文についてでございますが、四十三條に「最低基準を定めなければならない。」と書いてございますが、この最低基準の内容というのを伺わしていただきたいと思います。
  32. 葛西嘉資

    ○葛西政府委員 民生委員たる兒童委員を選ぶ場合、あるいは有給の兒童委員を選ぶ場合、婦人の地位というものが非常に――婦人ということを特に考える必要があるじやないかとう御意見に拜承しましたが、その通りでございます。子供のせわをし、あるいはまた遺族の、婦人子供だけの家庭のせわをするというふうなときには、これは最も必要なことに思います。そんなようなことでよくいつておる民生委員會などのあります所では、そういう方面には婦人の民生委員が非常に働いていただいておることを、私報告を受けて承知いたしております。これぜひ婦人の民生委員を數多く、できるだけおくようにというふうなことは、會等のときには示しております。最近は第一囘のは、先ほど申し上げましたように全國的に見て大體一割というような數でございますが、いろいろやつてみた上で、各縣々々では婦人をおこうじやないかというような機運が非常に強くなつてきて、なるべくさつき近藤委員からお述べになつたようないろいろな注意をしまして、これまたなかなか家庭の事情等がありまして、むずかしい點もありますが、そんなふうな注意をいろいろいたしまして、なるべくひとつ多數の婦人を民生委員の中に入れようじやないかというような空氣があつて、そういう話をこの前あるいはこの前に等の會等には、私直接聽いておりますから、これからだんだんとそういう委員のいい人が民生委員なり、あるいは兒童局長からお話がありましたように、專門の兒童委員という中へどんどんはいつてくることは確かだということを自信をもつて申し上げ得るように思います。
  33. 米澤常道

    ○米澤政府委員 四十三條の最低基準の問題でありますが、これは今後の兒童施設の將來の運營につきましては、根幹をなす大事な問題でありますので、これは福祉委員會の意見を十分聽きましてきめたいと考えております。ただわれわれといたしましては、現在關係方面等からも資料もいただいてはおりますけれども、日本の實情とのにらみ合せもありますし、いろいろな資料を十分準備いたしまして、大體の方向としましては、設備につきまして、あるいは建築方面について、あるいは運營等につきましては娯楽、子供の休養、その他經營方面等について、よく實情と合いますものを、またある程度の理想を求めまして、委員會に御意見を聽いてきめたいと考えます。
  34. 近藤鶴代

    ○近藤委員 第三十四條の終りに、兒童福祉施設にはその職員の養成機關を附置することができるとございますが、その職員の養成施設の内容について伺いたいと思います。たとえばどういう人を入れるのか、あるいはどのくらいの年限とか、修得事項、そういつたようなものについての原案をおもち合わせでございますか。
  35. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これは福祉施設に附置して養成施設をつくることができるという規定にいたしておるのでありますが、現在まだはつきりした各施設についての養成の人員の數でありますとか、そういうふうな計畫はもち合わせておりません。ただたとえば保育所等につきましては、各地方からも相當の要望もありますので、そういうものにつきましては、できるだけ地方の縣單位あるいはまたブロック等で職員の養成をやつていきたいと考えます。
  36. 近藤鶴代

    ○近藤委員 保育所の問題でございますが、私立のものであつて非常に設備もよく、長い間相當の效果をあげてまいつた歴史をもつておりますような保育所に對して、政府の方の補助金がない。それからまた今日は財閥も解體されておりますので、財閥の寄附を仰ぐということもできないというようなことで、非常に歴史のある、しかもりつぱな保育所が立つていかないような現状でございますが、これらに對しましては、今後どういうようなお取扱いになるのでございましようか。
  37. 米澤常道

    ○米澤政府委員 私立の保育所は、ただいま御指摘のように、相當歴史のあるいいものがたくさんありますことは承知もいたしておりますので、この保育所につきましては、もちろん公立といわず、私立でありましても、この法律に基く保育所といたしまして、それに要する經常費等につきましては助成をしていく考えであります。
  38. 近藤鶴代

    ○近藤委員 實際はそれができていないように伺つたのでありますが、私の聞き違いでございましようか。全然今までいただいておつた補助はないということであります。そして今まで相當寄附をしていらつしやつた方々から全部寄附をしていただけない。政府はどこから捻出しようかということで非常に苦しんでいらつしやるという實情を聞いたのでありますが。
  39. 米澤常道

    ○米澤政府委員 終戰後最近の實情は、ただいまお話の通りだろうと思います。生活保護法等から場所によりましては多少の費用を出しておるようでありますが、全體的に見まして保育所にはおそらく費用がいつておりませんで、また今までのような一般的な寄附金も非常に困難だろうと思います。保育所がその經營において非常に難澁しておいでになるということは十分考えておりますので、福祉法によつて保育所についてはある程度のことはできること思つております。
  40. 近藤鶴代

    ○近藤委員 フラガナン神父のお仕事であります少年の町といつたようなああいうものに對して、わが國では多少の芽生えはあるといたしましても、そうりつぱなものができておるわけではありませんが、しかしながら守り育てていけば非常にりつぱな少年の町になり、少年の岡になるというような芽生えが相當ございます。それらに對しまして政府に方では十分補助をしておやりになるであろうと私は想像いたすのでありますが、そういうことにつきましての御見解を伺いたいと思います。
  41. 米澤常道

    ○米澤政府委員 フラナガン神父の來朝によつて、いろいろ少年の町あるいは少年の村というような機運が非常にありまして、そういう執心な計畫もあるように聞いております。これらにつきましては、これがそれぞれたとえばこの法律におきまして兒童の養護施設というふうなものに該當してまいると思うのでありますが、該當してまいります範圍におきましてはできるだけ助成をしていきたいと考えております。
  42. 近藤鶴代

    ○近藤委員 最後に一言申したいと思いますことは、あらゆる方面に財源がないという今日、どのお仕事も十分でない、徹底しないということは、これはやむを得ないことだと思うのであります。厚生省が生産面でなくていわゆる消費面のみを取扱つていらつしやるような形になつておりますので、仕事に對しましても十分に効果があげ得ないということに、當局の方々がどれだけ苦勞していらつしやるかということはよくうかがうことができるのでございますが、私は先だつてミス日本の表彰ににあたつて、厚生大臣が一萬圓の賞金を出されたという記事を見ましたときに、それは多分間違いではないかと思つたのであります。厚生大臣は私の責任でないというようなことを何かの新聞に載せておいでになつたと思うのであります。しかしながらもしそれが厚生大臣自體が御存じなかつたとしましても、厚生省から出たということだけはほんとうじやないかと思うのであります。その場合にミス日本はすでにミス日本で當選しただけでも十分名譽であるので、厚生省が別に貴重な財源の中から一萬圓を投じてこれを表彰する必要はないのではないか。しかしこれは私の勝手な考え方かもしれませんが、これが事實といたしますならば、私は厚生省が乏しい財源のお使いになり方につきまして、十分考慮していただきたいということを一言申し添えて終りたいと思います。     ―――――――――――――
  43. 小野孝

    ○小野委員長 この際兒童福祉方案には關連ないのでございますがほかの問題について、一、二質疑の通告がありますのでこれを許します。飯村泉君。時間が迫つておりますから、できるだけ簡單に願います。
  44. 飯村泉

    ○飯村委員 醫務局長さんにお話したいのですが、十一日の朝日新聞紙上に宮城縣の大河原で開腹手術中に停電のために死亡した。その理由は停電かどうかはつきりわかりませんけれども、それに對してもああいう場合、病院としては何かほかに電氣の用意というものは全然させないでおくのですか。そういうことをちよつとお伺いしたいのです。
  45. 東龍太郎

    ○東政府委員 私も新聞の記事だけを見ましたので、當時の實情について詳細はまだ承知いたしておりません。從つてその手術の結果についての問題はおくとしまして、手術室における照明の施設は、多くの場所におきましては電氣のあります所は電燈だけをつけております。また病院等に對する電力の供給につきましては、それぞれ病院の申出によりまして、できます限りの便宜をはかることにいたしております。あるいは特別の線を引きますとか、あるいは配電量を多くするとかさようなことはいたしておりまして地方におきましては地方廳がそれぞれの處置をとつていると存じます。場合によりましては厚生省へそういうふうな處置を願出でられる向きもありまして、醫務局長の證明によつて特別の取計らいをいたした例もございます。それで手術室における照明装置が電燈だけでいいか、ほかのものがあるベきかということにつきましては、これは私は專門外でありますので、榊原委員のご專門家にお伺いしたいくらいでありますが、ただ私が考えておりますことは、そしてまたかつてジャワにおいて新しいオランダ式の病院を見ましたときに實例を見ましたことは、照明を一つでなく二段三段に用意しているということであります。それは最も進歩した照明と、最も原始的だと思われます照明と、兩者を用意しているのを見たのであります。すわち電燈とガスとそれからガソリンでやります一種のランプ、この三つを装置しておりました。そのことは戰爭という不時のことを考えておりますことでありますか、あるいはジャワという所がよく停電でもあるためでありますか、その邊のことを伺うことは忘れましたが、とにかく三段の照明を有しておつたのを見ております。そういう意味におきまして、わが國におきましても、しばしば電氣の故障のありますような所においては、少くとも二段構えでランプなり何なり急場の場合に、ある程度の明るさを得られるような装置を考えておくことが必要ではないかと、あの記事を見まして考えた次第であります。
  46. 飯村泉

    ○飯村委員 あの記事でありますが、いわゆる配電所との連絡ができておつて途中で消えたようでありますので、その點さらに關係者の調査をお願いしたいと思います。それからあの途中で時間的にどのくらいの時間がかかつているかという點も御調査をお願いいたします。
  47. 小野孝

    ○小野委員長 野本品吉君。
  48. 野本品吉

    ○野本委員 私は厚生大臣にお伺いしたいと思つておつたのでありますが、お見えになりませぬ。ただ問題が一日も早く處理されていくことを必要とする事柄でありますので、この際出席の政府委員を通じまして、強力に問題の處理に力を盡していただきたいと思います。事柄は戰爭死亡傷害保險に關する問題であります。御承知の通りに戰爭中政府の保證によりまして、戰爭死亡傷害保險が實施されたのでありますが、一般にきわめて執心にこの保險に加入したのであります。契約者の心理状態を考えますと、出征する者といたしましては萬一の場合に、後顧の憂えなく家族の生活に不安を來さないようにという萬全の處置を講じまして、一死國に報いようという崇高なる氣持で、この保險に加入したものと思うのであります。また遺族のものといたしましては、その者の亡くなつたあと、遺族の生活に不自由を來さないようにという、これまたきわめてまじめな氣持で契約したものと思うのであります。要するに出征する者も、家へ残つた者も、この戰爭死亡傷害保險によつて十分に働くことができ、また安心して家を守ることができるように、同時に愛國に至情に出でたものといたしまして、私はこの保險はきわめて崇高嚴肅なものであると考えておるのであります。ところが最近私の手もとにはいりました情報によりますと、この戰爭死亡傷害保險の保險金の支拂いについて、きわめて重大なる問題があることを痛感させられたのであります。要點を申し上げますと、近時この戰爭死亡傷害保險の保險金の請求をいたしましても、政府の保險會社に對する金の隔通が十分でないために、その保險金が迅速圓滑に支拂いされておらないというのであります。この事柄はきわめて遺憾なことであると思います。當事者が私に寄せられました情報に添付されましたところの第一生命大分支社からの手紙によりますと、「拜復、本日御書面拜見いたしました。戰爭保險支拂いの件、當支社では七月十日受領いたしております。書類は當支社より、本社へ、本社より政府の方へ請求いたしますのですが、現在政府よりの交付金なく、當支社といたしましても困つております。貴殿提出書類は當支社へ保管いたしております。いましばらくお待ちください。右事情につき御承知お願いいたします。まずは右御願いまで」こういうのであります。これによつて見ますと、政府から保險會社への金の支拂いと申しますか、融通が圓滑を缺いておりますために、その結果一番苦しんでおりますのは、この保險金を受領する人たちなのであります。そこで遺族といたしましては、この事柄は生活上きわめて重大なる問題であります。從つて事務的には商工省がこれを扱うということになつておるかもしれませんけれども、問題の實體といたしましては、厚生省においてこれを大きな事柄として考えてもらわなければならぬ事柄であるのであります。遺族保護の立場からかかる事態があるのであるかどうかということを、厚生省において十分調査し、その調査を進めると同時に、もしかような事態があるといたしますならば、ほんとうに氣の毒なこれらの遺族のために、遺憾なき處置を講ぜられるよう希望してやみません。そしてこの當事者の言葉の通りに、敗戰後は戰死者遺族に對して國家は何らの救濟とか慰勞とかなさず、戰死者は犬死となり、遺族は國家よりも社會よりも見離されて、その生活すら困却する者數知れざる實情なるに、遺族に對する唯一とも言うべき戰爭死亡傷害保險金の支拂いすら會社側は政府の手落ちなりと稱して支拂わず、政府も支拂いを怠りて平然たるは、あまりに遺族に對し相濟まざる儀にて、これは全國的に問題になり、思想の上にも恐るべき惡結果を生ずると思う。まさにその通りであろうと思うのであります。この事柄につきまして厚生省は事情を御承知でありますかどうか、お伺いしたいと思います。
  49. 小野孝

    ○小野委員長 この問題については、所管の政府委員がおらないようでございますから、政府委員の方からお傳え願いまして、この次の委員會において何分の御囘答を願いたいと思います。
  50. 山崎道子

    ○山崎(道)委員 きようはさいわい醫務局長がお見えになつておりますので、ちよつとお伺いしたいと思うのでございますが、今國立病院の患者さんが陳情に見えておいでになつております。その人たちの申しますところによりますと、この國立病院の有料問題につきましては、しばしば局長ともまたわれわれ委員會との話合いで、いわゆる親心をもつてということに一應の了承をしたのでございますが、その後具體的な例があつたならば持つてこいというお話で、私どもは患者さんたちをなだめてまいりました。ところが各所からいろいろなことが來ておりますので、今早急のことで詳しいことを申されませんけれども、函館の方からは病院からきびしく言われるので入院しておることができない。病は治らないけれども、中途にして退院するのやむなき状態に至つたという悲痛な叫が屆いております。それから栃木の方では、先日もどなたかおつしやつたと存じますけれども、病院の方の冷やかなことと、將來を悲觀して自殺したいという例も參つておりますので、この點につきましては、前に一應收まりました患者の中に非常な不安が起りまして、全國的に動搖いたしております。それでごらんのように大勢の患者さんたちがきようは陳情に參つておるのでございますが、こうした具體的な例が、こうした具體的な例が各所に起つてくるということを見ましても、まだまだ徹底していないのではないかというふうに考えておりますが、こうしたことをお聽きになりまして、醫務局長のお耳にも自殺のことははいつておると思いますが、醫務局長のお考えを聽きたいと思います。同時に今後どういうふうにしていかれる覺悟であるかということと、それから今結核の豫防がやかましく叫ばれておりますときに、結核療養を續けなければならないということがわかつておりながら、病氣をもつ人がちまたに出ていくことに對しての非常な恐しさを私たちは感ずるものでございますが、これに對しましてのお考えを伺いたいと思います。
  51. 東龍太郎

    ○東政府委員 ただいまの御質問の點まことに遺憾でありますが、私としては未だ末端に不徹底であるという事實を承認せざるを得ないのでございます。從いまして私どもといたしましてはすでに何囘もあらゆる機會に、いわゆる親心なるものの眞意を十分に傳えるべく努力いたしましたが、それでもなおまだそれが實際の效果を現わしてきておりませんのに鑑みまして、實は先週開きました出張所長會議にもまた重ねてその趣旨を申しまして、各病院、療養所に傳達するように、なおその上に療養課長の内翰をもちまして、特に結核療養所長に對しましては、醫務局長が議會において答辯をいたしました親心というものは、こういうものであるということを私としてはこれを書き表わすことにおいて、許される限度におきまして、だれが見てもこれならば間違いないだろうという程度にまでこれを書いた内翰を發送いたしております。おそらく近い所ではすでにそれは施設に屆いておると思うのであります。私どもといたしましてはできるだけの努力をして、徹底さしておるつもりでありますが、なおさように不徹底な點があることは、最初に申し上げた通りまことに、遺憾千萬であり、またそのために不必要なる心配をせられ、また事實療養を中絶せられた方々に對しては、哀心から私は同情申しますが、お氣の毒にたえないのでございます。從つて今承りましたような實例につきまして、それぞれの施設についてこれを十分究明いたしまして、再びかようなことの起りませんよう、萬全の策を講ずるつもりでおります、私の親心と申しました事柄は、委員會の席で何囘も繰り返しておりますので、委員の方方の御了承は得ておると思いますが、このことが十分徹底いたしませんことにつきましては、私どもになお努力の至らざるところのあることをおわび申し上げる次第であります。
  52. 山崎道子

    ○山崎(道)委員 ただいま局長の眞情あふれる御答辯を伺いまして、私どもも局長のお心持は諒といたします。但しこれがいつの場合にも下部末端へ徹底しないのでございます。先ほどから兒童福祉法の質問を聽いておりましても、ちつと弱いような感じがしてなりません。遺憾であるかと何とかいうことでなくて、私はできますことならば、至急この責任者を招集いただきまして、親心ということが文書の上では書き表わせない點が多々あるのでございますから、一應の招集をしていただいて、局長さんとひざ突き合わせて、とつくり納得のいくように御説明を願いたい、かように考えるものでごいます。  それからなお附け加えて申し上げたいことは、先ほどから話の出ております未亡人の問題にいたしましても、あるいは傷痍軍人の問題にいたしましても、すべて敗戰によつて、こういう人たちのことを十二分に取扱うことは、軍國主義と思われはせぬかというような考え方が世間一般にもあるのでございますが、私は斷じてそんなことはないと思います。これら戰爭の犠牲者はほんとうに盡すべき誠を盡した上に受けた大きな犠牲でございまして、物質をもつてとうてい補うことのできない犠牲を受ておるのでございます。ただこういうことに對しましては、私たちは立場を離れましても、眞心をもつてお慰めしなければならぬ。一番恐ろしいと感じますことは、これらの人たちがだんだんある種の思想の方に固まりつつあるのではないかというような動きも私には見えるのでございます。その點もどうぞ御考慮を願いまして、ぜひ十分なる處置をとつていただきたいということを強くお願いいたします。先日私は神奈川縣の療養所へ、切なる患者さんの自治會の文化部からの要請で參りましたが、そのとき看護婦さんと患者さんの合同で、演説をしてほしいというので、そこでいろいろなお話を聽きましたが、看護婦さん自身もこの煮え切らぬ態度に對して、將來の自分の希望を失つたという點もあるのでございまして、時間がございませんでまた日を改めて御質問したいと思いますけれども、どうしても入院規程を改正しなければだめだと思つております。あそこで働いている看護婦さんたちが結核になつても、有料でなければ病院ではみてもらえないというようなことでは第一線で働く看護婦さんが安心して十分な誠を盡すことができないというような例がございますので、すべての點について局長さんも今から考えておいていただきたい。それから先ほど申しました、至急全國の係官を招集いただきまして――先日見ました神奈川療養所などは、所長初め事務の方たちも眞心をもつてやつておでになりますので、患者さんと療養所とは非常に和やかなのでございます。私はうれくて涙が出るような場面をいくつも見せられたのであります。やつてできないことはないのであります。同じ國立病院である甲の施設では安心して患者さんが療養ができる、乙の病院では自殺しなければならぬ、こんなべらぼうなことはないと私は思いますので、至急全國の人たちを呼び集めて、局長の誠をもつて、この人たちが納得ができるように御處置が願いたい。あと法文の問題については日を改めてまたお伺いいたしたいと思います。
  53. 田中松月

    ○田中(松)委員 今山崎委員からも御指摘になられましたが、結局いわゆる入院規定の中に、こういうものは無料でよい、たつたこの一事を挿入すれば問題は解決がつくのですから、私どももいろいろ當局に御相談するのが、何と言うか、億劫になるほど再度御相談したことで、その都度ただいまおつしやるような、いわゆる親心を聽かせていただいて納得はしますが、次から次に問題が起つてくる。今都合よくいつているところもあると言いまするが、それは人間の問題でございまして、今度は次に送つて來られた責任者がまたその通りやつてくれるかどうかわからぬし、問題は入院規則の中にこういう條件のものは無料でよいという一項を入れるか入れぬかという問題で解決がつくのです。もし御當局の方でその點御考慮をいただければ、萬事解決がつきますけれども、もしその面をおしぶりになつて、やつぱり今まで通りなことでおつしやるなら、厚生委員會といたしましても、これは私だけの今意見ですけれども、皆さんに御相談して、委員會獨自の何かの手段にでも出なければならぬのではないか、もう問題はそこまできているような次第でございます。そういう點御考慮いただいて、今申し上げるような點についての方途を講じていただきたいと思います。
  54. 小野孝

    ○小野委員長 本日はこれをもつて散會いたします。    午後零時十七分散會