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1947-10-09 第1回国会 衆議院 厚生委員会 21号 公式Web版

  1. 昭和二十二年十月九日(木曜日)     午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 小野  孝君    理事 田中 松月君 理事 飯村  泉君    理事 武田 キヨ君 理事 有田 二郎君    理事 徳田 球一君       太田 典禮君    中原 健次君       福田 昌子君    武藤運十郎君       師岡 榮一君    竹田 儀一君       小暮藤三郎君    村上 清治君       河野 金昇君    野本 品吉君       齋藤  晃君  出席國務大臣         厚 生 大 臣 一松 定吉君  出席政府委員         厚生事務官   米澤 常道君     ――――――――――――― 十月六日  優生保護法案(福田昌子君外二名提出)(第一  一號) 十月八日  元官公吏の恩給増額に關する請願(石川金次郎  君紹介)(第七九四號)  中等學校教員の恩給増額の請願(石川金次郎君  紹介)(第七九五號)  巡査の恩給増額に關する請願(石川金次郎君紹  介)(第七九六號)  石塚地方病院存置の請願(飯村泉君紹介)(第  八二九號)  恩給増額に關する請願(古賀喜太郎君紹介)(  第八三〇號)  鍼灸醫法制定に關する請願(淺沼稻次郎君外二  名紹介)(第八三七號) の審査を本委員會に付託された。     ――――――――――――― 本日の會議に付した事件  兒童福祉法案(内閣提出)(第三三號)     ―――――――――――――
  2. 小野孝

    ○小野委員長 これより會議を開きます。  前會に引續いて兒童福祉法案を議題として審査を繼續いたします。野本品吉君。
  3. 野本品吉

    ○野本委員 大臣がお見えにならないようでありますから、兒童局長にごく簡單に一項目だけお伺いいたします。これはこの前一應質問してあるのでありますが、第二十二條の「附近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときは、この限りでない。」この行き方はこの法案をきわめて消極的に解釋し、適用されるおそれがあるのでありますが、そこでちよつとお伺いいたしたいと思いますことは、かような場合に所在地の助産婦をして便宜措置をとらしめて、これに對して相當費用を負擔する途を講ずるというようなことがよろしいのではないかと思いますが、この點についてのお考えを承りたい。
  4. 米澤常道

    ○米澤政府委員 ただいま御指摘のような場合には、できれば生活保護法の居宅保護という形でやつた方が、經濟關係などはスムースにいくのではないかと思います。
  5. 野本品吉

    ○野本委員 それだけであります。
  6. 小野孝

    ○小野委員長 齋藤晃君。
  7. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 私は第七條の兒童福祉施設についてお聽きしたいと思うのであります。兒童福祉法案ができまして、この施設が完備されるということにつきましては、一般が非常な關心をもつておるのであります。すなわちこの内容について、現在までこういうふうな施設ができましてもやや形だけの施設に終るというようなことになりますので、どうかこの施設の内容について御檢討願いまして、その線に沿つて今後ともお願いできれば結構である、こう思つております。  それから助産施設の件ですが、助産施設は第三十五條に説明がございますけれども、なおこの内容についてお聽きしたいと思つております。いかなる施設をおやりになるのか、たとえば妊婦が出産した場合、あるいはまた妊娠した場合に、手帳をもらつて登録するということがございますけれども、登録はいたしましても、その施設というような面におきまして、何ら現在は手を講じられておりません。なお切符をもらいましても、物がないというような状態でありますので、この助産施設に對して具體的な現在のお考えをお聽きしたいと思います。
  8. 米澤常道

    ○米澤政府委員 第七條に關連いたしまして、一般的な兒童福祉施設の内容の擴充という問題でありますが、これはお説の通りでありまして、應急にできたような施設もずいぶんあります。これらにつきましては最低基準をこの法律によつて設けまして、できるだけこの内容を充實したい。その最低基準につきましては、やはり福祉委員會等に專門の方々のお集まりを願いまして、それによりまして實情によく即した、實行のできるような方法で、できるだけ基準をきめていきたいと考えております。  それから助産施設の關係でありますが、これは實際助産施設をどういうふうにつくつていくかということにつきましては、今われわれの考えでは、あるいは戰災地その他の大都會等の、人口の非常に密集しておる場合、一軒の家に何家族もおいでになるというふうな現在の生活事情等を考えまして、戰災都市その他にはやはり相當の一つの助産施設をできるだけ設置しなければならぬ。また同時に農村方面等におきまして、無醫村あるいは無助産婦というような場所もありますので、こういうような場所におきましては、きわめて輕易な助産施設というものを考えなければならぬだろうと思います。この助産施設につきましては、もちろん新しく設置しなければならぬものもありますし、現在の既設のものを利用していくということも考えておるのであります。
  9. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 なお乳兒院の施設の内容ですが、第三十六條に「乳兒院は、乳兒を入院をさせて、これを養育することを目的とする施設とする。」こうございますが、實はこの乳兒につきましては、現在日本の最も重大問題は乳兒の死亡率であります。何ゆえに死亡率が多いかと申しますれば、いわゆるこうした乳兒院というような徹底せる施設がないということはもちろんでありますが、何ら乳兒についての施策を當局が積極的にもつていない。また一般の者がこの乳兒に對する知識も少く、いたずらにこの乳兒の死亡率を高めておる。それでこの乳兒院の内容でありますけれども、乳兒の死亡率は乳兒脚氣が多いのであります。あるいは貧困のために榮養不良となり、母乳不足の幼兒が多い。あるいは母體が病氣であるために、疾患による母乳不足、あるいは分娩によつて母を失つた、そのために母乳が得られない。あるいは離婚をしたために、男手で育てることができない。こういうような事情がわが國の乳兒の死亡の原因となつておるのであります。これにつきまして乳兒院においてこの母乳に代るべき牛乳の施設、これがどの程度に取上げられるか。殊に農村における妊婦の登録についても、あるいわ出産の施設についても、現在母乳に代るべきものが何ら配給されておらない。こういう現状にありますので、これに對して、當局は積極的に母乳に代るべき施設を考えていただかなければならぬと思うが、これをいかようにお考えになつておるか。お聽きしたいと思います。
  10. 米澤常道

    ○米澤政府委員 ただいまお話がありましたように、乳兒に對する一般的は世間の關心、あるいは教育の點において非常に遲れておることは、まことに遺憾なことであるのでありますが、この乳兒院についても、今後この法律で取上げます以上は、從前ややもすれば乳兒院等は狹い意味の社會事業というか、救濟というような觀念が非常に強い點もありまして、むしろ保健衞生思想という面において缺くる點もないではないと考えておるのであります。この點今後の乳兒院の維持管理については、できるだけほんとうに技術的な醫學の立場から十分な管理ができるようにしていきたいと思うのであります。それから最も大事なミルクの問題でありますが、あるいは農村等においてはやぎの飼育の奬勵ということも考えられます。しかしこの法律によつて施設として取上げます場合には、ぜひとも少くも乳兒院等に對しましては、優先的というか、重點的にそういう乳製品の確保ができるように處置をしていきたいと考えます。
  11. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 このミルクの入手につきまして、私ども實際にあたつて聞いてみますのに、もしこういう乳兒院ができるならば、ただいまいわゆる乳製品に對する對策を立てるという御答辯でありましたが、この對策についてはぜひとも乳兒院にあるいはやぎ竝びに乳牛というものを飼育しまして、實際に他からの配給ということでなく、最も新鮮なものを最も多くの者に與えるということが、乳兒院の生命ではないか、こういうようなことを非常に執望されております。こういう施設をぜひこの際この乳兒院の根本の施設として織りこんでいただきたい。こう實は考えるのであります。なお乳兒院の構成につきましてはどういうふうな構成をされますか、お聽きしたいと思うのであります。これを重點的にひとつ施設の中心としてお考えを願いたいと思うのでありますが、いかがでありますか。
  12. 米澤常道

    ○米澤政府委員 乳兒院の構成につきましては、生命の危險に非常にさらされておるわけでありますから、専門のお醫者さんの目が十分に届くようにということが第一の條件であります。そして中に働いていただいております看護婦さんあるいは保姆等につきましても、この乳兒の扱いの程度がありますから、相當數の産婆さん、看護婦、保姆というものを、これは非常なデリケートな問題でありますので、ぜひともそういうふうな専門的な方々を少くとも乳兒院等には相當數設置をしなければならぬというふうに考えております。
  13. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 先ほど民間において要望せられるこの乳兒院のミルク等の施設について申し上げましたが、それについて當局はどういうふうなお考えでありますか。先ほど私が申し上げました内容につきまして、今後こういうふうな施設を御考慮くださるかどうかお聽きしたいと思います。
  14. 米澤常道

    ○米澤政府委員 先ほども申し上げましたように、あるいはやぎの飼育の奬勵でありますとかいうことも考えておりますので、でき得ればもちろん乳牛の飼育、そういつたものが乳兒院によつて經營されるということは非常に望ましいことでありますので、そういう方向にもつていきますことにつきましては全然同感でありまして、できるだけそういうものが乳兒院に附設されるようにしていきたいと思います。
  15. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 なお保育所に關連することでありますが、實は乳兒院竝びに保育所というような施設はできましても、豫算の關係から内容の充實はされない。またこれが施設を決定いたしましても、わずかに少量の施設であるというような形だけのことに終るのが多いのであります。いかに機構ができましても、活用されなければほとんど何ら意義をなさないと考えるのでありまして、實は乳兒院竝びに保育所というような名稱をつけなくても、民間において現在相當の助産施設をもつておる病院もあり、あるいは個人の開業醫もあるのであります。また保育所につきましては、この施設の保育所に代るべきものも民間にはあるのであります。そういうような施設に對しまして、さしあたりこの際補助によつて完全なる機能を發揮するというような意思があるか。私どもは最初はそういうふうな方法をとる――もちろん完備されたものがたくさんできることは結構でありますけれども、それが豫算の關係がございますれば、民間團體というものを活動せしめるような御意思があるかどうか、お聽きしたいと思います。
  16. 米澤常道

    ○米澤政府委員 保育所等につきましては現在民間の保育所も相當ありまして、その經營に非常に困難をされておるのであります。保育所、乳兒院ともにこの法律ができますれば、法律上の制度として取上げまして、保育所につきましては今まで國庫から助成は出ておりませんが、これからはこれに對して政府から相當の助成を法律上の負擔としてやつていきたい、こういうふうに思つております。
  17. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 先ほどから私ども希望を申し上げましたように、どうかこの施設は、幼兒の死亡率があまりにも多い現在の状態から考えて、民間において非常に要望されている施設でございますから、できますならば、この施設を活用されるということにおいては、決して官僚的な形だけに終るということなく、内容の整備をされることを切にお願いする次第であります。  なおこれに關連いたしまするが、現在一般の妊婦につきまして妊婦手帳が渡されて、それに對する切符はいただきましても、資材が少しも配給にならない。あるいは榮養方面において食料油であるとか、石けん、脱脂綿というような物の配給が少しもない。これについて現在はどのような資材がいかなる配給の状態になつておりますか一般についてお聽きしたいと思うのであります。殊に貧困な妊婦に至りましては、非常な綿類の不足のために衣料がないというので、ほとんど目も當てられないような状態で、おしめもないというような姿をしております。こういう貧困妊婦に對する衣類の配給というふうなことにつきまして、いかなる計畫がありますか。また現在の配給の内容についてもお聽きしたいと思います。
  18. 米澤常道

    ○米澤政府委員 本年度の妊産婦あるいは乳幼兒に對しまする繊維製品の配給計畫というものは一應あるのであります。たとえばネルが一人當り一・五ヤール、さらしが二ヤール、あるいは乳兒用のはだ著でありますとか、その他脱脂綿は三百グラム、ガーゼが三メーターというふうな計畫を立てて商工省とも十分折衝をいたしております。東京都の一年間の計畫につきましては、それぞれまた數字がありまして、出産用の綿が三百グラム、ガーゼが九メーター、腹帶が一丈、その他ネル、さらし、はだ著等の配給計畫はいたしてあるのであります。しかしただいま御指摘のように、これがいろいろな生産計畫とマツチいたしませんで、十分この通りに全國すべてがいつているというふうにはもちろん考えられません。ただ計畫につきましては、今後の生産その他につきまして、できるだけ商工省とも折衝を續けていかなければならぬと考えております。
  19. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 計畫はございましても、出産のような緊急の場合に物資がないとうことでは、いかに施設がありましても、その效力を發生いたしません。身命にかかわるようなこういう緊急の場合に、資材がないということで、乳兒に對してその健康にもまことに影響するというような非常な状態を續けているのでありますから、どうかこうした繊維品の配給につきましても、たとえば腹帶にいたしましても、もう時期が遅れて、そうして出産してからも何ら配給がないというふうな事實が地方において起るのであります。あるいは都會においては幾らかあるかしりませんが、地方においてはほとんど何ら配給されておりません。計畫が單なる机上の計畫に終らないように、ぜひこれらにつきましては、十分に配給をせらるるような計畫を樹立願いたい。殊にこういう一つの兒童福祉施設法案というものができましても、いかなる法案が竝びましても、活用されなければ何にもならないと思います。ぜひこれを要望いたしたいと思います。  それからなお第十二條でありますが、第十二條に「民生委員令による民生委員は、兒童委員に充てられたものとする。」とございますが、民生委員が兒童委員を兼ねるというようなことではたして完全にいくであろうか。この民生委員というのは、あるいは市町村においての民生委員も指すと思いますが、これによつて完全なる兒童の保護施設ができないと考えますが、これはやはり民生委員がそのままに兒童委員に充てるというような機構でございましようか、お聽きしたいと思います。
  20. 米澤常道

    ○米澤政府委員 十二條はお説の通り、民生委員がそのまま兒童委員に充てられるものであります。ただそれではなかなか兒童の保護において十分運營できるかどうかという疑問はもちろんありますので、そのほかに有給の兒童委員というものを相當數設けまして、この有給の兒童委員と、民生委員たる兒童委員とを緊密に連絡をとつてやつていきたいと思つております。こういう構想でやつていこうと思います。
  21. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 その有給の兒童委員はいかなる選任方法によるのですか。
  22. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これは各府縣の吏員がなるのでありますから、それぞれの公吏としての資格はもちろん必要だと思います。そのほかに特にこういう有給の委員は、十一條の二項に書いてありますように普通の官吏とは違いまして、役所において働く仕事をするというよりも、むしろ實際街頭に出ていろいろな相談に應じたり、注意を與えるというふうなのが仕事でありますために、今も申し上げたように、一般公吏としての資格はもちろん必要でありますけれども、そのほかにほんとうに兒童問題に對する經驗家、あるいはそういつたものに關する適任者、執意があるとか、こういうふうな方法を選考していくのでありまして、その吏員としての以外の選考の標準につきましては、いずれまた地方の方にこちらから指示することになると思います。
  23. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 なお第九條の兒童福祉委員の選任の方法ですが、兒童福祉委員はもちろん地方の府縣知事の選任となつておりますが、實際の兒童の福祉に當るというふうなことになりますれば、あるいは官廳の職員というふうなことよりも、一般の人々のこれに當ることが最も活用の度合が高いではないか、こう考えますので、民間の團體より選任する方法はいかなる方法でおやりになりますか。
  24. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これはここに書いてありますように、二十人以内というふうにいたしてございますので、最も皆の納得のいくような民主的な方法で選考いたしたいのでありますけれども、縣につくりますこういつた委員會をいろいろ選擧というような方法でやることも、事務的に考えましてなかなかできませんので、從前のいろいろな委員會がやりましたように、やはり各方面の意見を聽いて、知事において選考していただくことになると思います。それにつきましてはできるだけあらゆる分野から委員が出られるように、各方面の意見を聽いて、できるだけ民主的に知事の方で選考していただくように、行政的に十分注意いたしたいと考えております。
  25. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 第十五條の兒童相談所についてお聽きしたいと思います。兒童相談所が相當強力に今後とも活動する内容にはなつておるのでございますが、この兒童相談所の機構につきましては、あまりにもこの内容から見ますのに、いわゆる官僚そのままの出店であるという事實が非常に見えるのであります。實際においてこれに活動し得るような最も有能なる人を入れるというようなことが少いのではないかと考えますが、これについて御説明を願います。
  26. 米澤常道

    ○米澤政府委員 お話のように、兒童相談所は最も第一線の兒童問題に關するセンターとなるのでございまして、大事な機構であるのであります。この中にはできるだけあるいは醫學の方の精神病系統でありますとか、あるいは心理學の方面の方、あるいは非常にこういう兒童問題に經驗の深い方、こういう所員、鑑別員の方がこの中心になられるわけであります。そういう鑑別員としましては、今申しましたようにできるだけ専門的な立場の方にはいつていただきたい。できるだけ從前の普通の官僚的機構というものはもちろん避けていかなければなりませんので、親しみの深い相談所、これはもちろんはいつてくる人の問題でありますけれども、第一線で兒童あるいは父兄の親しみ易い相談所に育てていかなければならぬと考えております。
  27. 齋藤晃

    ○齋藤(晃)委員 それでは一應この兒童相談所につきましてお願いがございます。こういう新しい機構は結構でありますけれども、しかし機構のいわゆる内容というものが、おそらくは人件費のみにその豫算が使われて、何ら實際の活動の部面における活動の豫算というものにはほとんど使われない。あるいはそれが用意されないというような實情が現在までも地方においては多いのであります。この兒童施設に關する限りは、かくのごとく單なる人件費というようなもののみにとらわれずに、實際の活動の面において豫算を活用されたいということを申し上げておきます。
  28. 小野孝

    ○小野委員長 武田キヨさん。
  29. 武田キヨ

    ○武田委員 大體私の伺いたいことも、前質問者でその要點は言われておるのでございますが、もう一度さらに繰返すようでございますけれども、局長のはつきりした御意見を承りたいと思います。それはまず兒童委員のことでございますが、先ほども齋藤委員がおつしやいましたように、民生委員はそのまま兒童委員として全面的にに充てられる。こういうふうに十二條でなつております。今まですでに民生委員の仕事というものは、非常に地方では多くなつておりまして、ほとんど十分な手が行き届きかねる状態にあることをしばしば私は聞くのでありますが、その上に兒童委員というものの仕事は、普通の民生委員の仕事よりはもつと非常に觀察もよくしなければならぬし、もつと機徴な問題があると思いますので、これを今の民生委員にそのまま負わすということになりますと、あるいは非常に不適格な方もあると思うのであります。たとえば今までの地方の民生委員の方の中には、單に教育の程度のみを標準とするわけにはいきませんけれども、義務教育が濟まないというような程度の方が、いろいろな地位から民生委員になつておる方もありますし、あるいはいろいろと實情について見ますと、私どもが兒童委員にしたくないというような、たとえば一口に申しますと、好ましからざる人物と申しますか、そういう方が民生委員の中にありますを見まして、民生委員の中から兒童委員を、ことごとくでなくて、選任するものにしたい、こう考えております。さらにその上兒童委員というものは――民生委員の方になりますと、ただ生活保護という關係だけでございますけれども、兒童委員の方は多くの兒童の將來についてのことを握るものでございますから、有給の、責任をもつてほんとうに仕事ができる人、ほんとうに兒童の役に立つ人、そういう立場から有給の吏員を兒童委員として求めたいのでございます。なおその上資格も、先ほども大體兒童委員の選任の方法としては、資格のある人ということでございましたけれども、できることならば専門學校卒業以上というふうな、ある一定の基準をおいて有給の委員を選びたいものと考えておりますけれども、局長のお考えはいかがでございましようか。
  30. 米澤常道

    ○米澤政府委員 民生委員を全部兒童委員に充てましたことにつきまして、現在の民生委員の實情その他から、確かに御批判がいろいろ出るのであります。しかしこれを一本にいたしましたにつきましては、實は兒童委員と申しましても、あるいは民生委員と申しましても、これはやはり家庭と非常に關係が深いのでありまして、その家庭の方から見まして、あるいは兒童委員としてやつてくる場合もある。あるいは民生委員がやつてくることもある。いろいろな名目でやれ民生委員、やれ兒童委員、いろいろなことで家庭にはいつてくる。こういうことはできるだけ避けた方がいいのではないか。一人のそういうソーシヤル・ワーカー申しますか、そういうふうな仕事をする人が家庭にさえ來れば、その人が兒童の問題もわかるし、またいろいろ生活保護、こういつた問題もよくわかる。できるだけ一本にした方が、指導を受ける家庭、兒童の方から見てもいい。また兒童委員といたしましても、兒童問題のみではやはり解決ができないのでありまして、生活という問題を離れて兒童問題のみということになりますと、仕事が地につかないという場合も考慮されますので、制度としましては民生委員をもつて兒童委員に充てる、こういうような一本にする立場をとつたのであります。もちろん現在の民生委員そのままが兒童委員に適任であるかどうかということにつきましては、これはいろいろ御意見もあると思うのでありまして、今後の問題といたしまして、できるだけ民生委員の選考その他につきまして、兒童問題についても十分理解のある、見識のある方々が民生委員として出られるように、今後の民生委員の選考その他につきましては、十分研究していかなくちやならぬと考えておるのであります。また有給の兒童委員を相當殖やしたらいいではないかという御意見でありますが、これは先ほど申し上げましたように本年度におきましては四百名足らずの有給の兒童委員を考えておるのでありますけれども、これは實際の今後の運用を見まして、できるだけ相當の數が殖えていきますように期待いたしております。資格等につきましても、これはもちろん經驗その他はぜひ必要なのでありますけれども、學歴等につきまして、あるいは專門學校というふうな線を引きますかどうかにつきましては、これはまた相當研究してみたいと考えます。
  31. 武田キヨ

    ○武田委員 この兒童委員については、これに對して何か養成するような機關をお考えになつておりますか。
  32. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これは別に養成の機關としては考えておりません。ただいろいろな講習會等のことを十分考えておるのでありまして、有給の兒童委員につきましては、これは中央でぜひ集めまして、全國を八ブロツクぐらいにわけて兒童委員の十分な講習をやりたいと考えております。また地方の各都道府縣におきましても、相當のブロツクにわけまして、できるだけ多數の兒童委員の講習をやつていただきたい。特別の養成機關は設けておりませんけれども、講習につきましては相當の費用も計上いたしておるのであります。
  33. 武田キヨ

    ○武田委員 ただいまのお話でございますと、ブロツクにわけて講習會ということでございますが、これはまだすぐにできぬですから、兒童委員というものは適當なものが得られないと思うのでありますが、大體それができました場合には、未訓練の委員が現在地方で携わつておりますのを、順々に置きかえるというようなところまではお考えになつておりませんか。
  34. 米澤常道

    ○米澤政府委員 それは先ほども申し上げましたように、民生委員の改選その他の時期において考慮していくよりしかたがないと思います。
  35. 武田キヨ

    ○武田委員 この兒童委員に限つてはどうしても婦人が多數に任用されなければならないと思うのでございます。私の所にもち出されました各婦人會などの要求も、ぜひ婦人を半數以上任命してほしいということの意向をもつてこられておるのでございますので、これに關しては特別に御考慮願いたいと存じます。
  36. 米澤常道

    ○米澤政府委員 お話の通り、われわれといたしましても、この兒童委員あるいは民生委員については、相當數の婦人の方が出られることをもちろん期待いたしております。現在約十三萬近い民生委員の中で、一割弱の婦人の方の委員がおいでになりますが、特に兒童委員といたしましては、相當今後婦人の方が出られますように期待しておるのであります。
  37. 武田キヨ

    ○武田委員 兒童相談所、ついてもその機構というものについて、ごくざつと承つたのでございますが、これはあとの方の條項を見ますと、兒童相談所の所長は、ほとんど兒童についてのことは知事の權限を委託されている場合が多いのでございます。この所長というのは、地方の兒童相談所では二十六條にございますが、都道府縣知事は「兒童又は、その保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。」とか、その次もその次も大體所長の意見によつて行われるのでございましようか。
  38. 米澤常道

    ○米澤政府委員 御指摘のようにできるだけ相談所長自身が一番よく事情がわかつておりますから、所長に相當の權限を委讓して、所長の方でやれるようにしていきたいと考えております。ただこういう子供に對するいろいろな處置に關する事項でありますから、愼重を期して知事の權限にしてありますが、知事といたしましても、場合によつてはその權限を所長に委讓しなければならないという規定になつておりますので、實際事情を知つております所長によつて相當事を運んでいつてよいものと思つております。
  39. 武田キヨ

    ○武田委員 二十六條の一の「兒童又はその保護者に訓戒を加え、又は誓約書を提出させること。」というのは相當のことになると思いますが、もし訓戒をいたしましたり、誓約書を提出させたりしまして、そのあとの措置はどういうふうにこれを監視するということになるのでしようか。これをお尋ねします。
  40. 米澤常道

    ○米澤政府委員 このあとはやはり兒童相談所の所員が家庭と連絡をしたり、またその土地におられます兒童委員、これらの方々が家庭十分連絡をとり、あるいは相談所、家庭、委員の方方が常に連絡をとつて、指導を續けていつてもらいたいと考えております。
  41. 武田キヨ

    ○武田委員 こういうふうに兒童の保護者が兒童のことに關して訓戒を加えられたり、あるいは誓約書を出させられたりするというのはよくよくの場合と思いますけれども、こういうような保護者は多くの場合、兒童に對して非常に無關心である。そういたしますと、兒童委員などがこれを指導いたし、干渉いたすと言いましても、これに對して相當の責任をとらせるような處置というか、輕い罰則か何かがあとになければ、幾枚誓約書を出し、あるいは訓戒を加えられただけでは、それによつて私はその状態がすぐに改善されるというふうには、考えられないような氣がするのでございますが、これで十分でございましようか。
  42. 米澤常道

    ○米澤政府委員 二十六條の措置で濟むような場合には、さらにその保護者に對して罰則をもつて臨むというまでには考えておりません。實はできるだけこの問題は、當事者の相互の理解によつて進めていかなければならぬと考えますので、保護者に訓戒を與えたり、あるいは誓約書を出させまして、その後の違反については實際上の緊密な連絡によつて指導をしていく。さらにこれを處罰するというふうには考えておらぬのでありますけれども、御指摘のような保護者が兒童に對して相當理解がなく、たとえば三十三條にあるような虐待にわたるような程度になりますれば、これはもちろん三十三條の違反といたしまして、十分取締りができると考えておるのであります。 武田委員 十九條のこの法文を見ますと、「助産婦若くは保健婦につき、妊娠、出産又は育兒に關し、保健指導を受けなければならない。」と書いてございます。ところが保健指導を受けなければならないということは、非常に強い言葉だと思います。ぜひ受けなければならないというふうに解釋せられるのでございますが、これに關して保健指導を受ける施設が十分であるかどうかということになりますと、先ほど言われましたように、まだ無醫村だとか、あるいは助産婦のないところもございますし、あるいは經産婦になりますと、今までの經驗で、自分のことについては保健指導を受ける必要がないと考える者があると思います。これはむしろ必要の保健指導を受けなければならない、あるいは受けるようにしなければならないという程度の内容でないかと思うのでございますが、いかがでございましようか。
  43. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これはもちろんただいまお話のように相當強く響くところもあるのでありますが、法律上の一つの義務を課したということで、別にこれの違反に對する問題は規定いたしておりませんけれども、法律上少くともこういう保健指導を受ける義務を、いろいろな保健思想その他の普及によつて、この程度にもつていきたいというふうに考えておるのでありますが、御指摘のように、無醫村その他において保健指導を受けようと思つても、受けられないという場合も想像されるのであります。これらにつきましては、できるだけ保健所等から巡囘指導に出かけるというふうな點を活用いたしまして、全部の國民ができるだけ國民の保健指導を、みずからの義務として受けるというところまで、ぜひもつていきたいというのが十九條の趣旨であるのでありまして、そういう義務づけが多少強い感じを與えるかもしれませんけれども、別にそれに對する違反ということについて罰則をつけるということはいたしていないのであります。
  44. 武田キヨ

    ○武田委員 それにいたしましては、都道府縣知事は保健指導を受けることを勸奬しなければならない。この勸奬という言葉がそれに對して、非常に弱い氣がするのでありますけれども、これはいかがでございますか。
  45. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これは十九條一項及び二項は相對するつもりで書いたのでありまして、一項におきましては、知事に勸奬する義務を課しておるわけであります。知事といたしましては、できるだけそういう保健指導を受けるような思想の普及、あるいは宣傳をやらなくちやならぬということを義務づけておるのでありますが、二項の國民として保健指導を受ける義務、この兩者をうらはらに考えまして、できるだけ保健衛生の思想が向上するようにというつもりで、勸奬の義務を知事に與えたのであります。ただ知事が強制的に全部保健指導をやるということになりますと、これはいろいろ行き過ぎという點も考慮されますので、保健指導を勸奬する義務を知事に負わしたのでありますけれども、國民側からはこれを受ける義務、こいうふうに規定いたしましたので、一項と二項とによつて今後の保健指導あるいは衞生指導の向上ということをねらつた次第であります。
  46. 武田キヨ

    ○武田委員 ただいまの御説明で兩方の關係がわかりました。この勸奬ということになると、そういう御意向でありましたら、知事の方に對する一つの義務ということになれば、勸奬というので差支えないと思います。  次はもしこういう法文に對して、施設としては現在のところでは確かに不十分なることははつきりわかつておりますが、兒童相談所あるいは妊娠相談所とか、そういうものに對して何かお考えがございますか。
  47. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これはできるだけ保健所に母性婦と申しますか、そういう乳幼兒母性關係の專任の職員をできるだけ今後も殖やしていきたいと考えておりますが、保健所に母性乳幼兒に關する專門者をおきまして、これらの巡囘囘數をできるだけ行きわたるように進めていきたい考えであります。
  48. 武田キヨ

    ○武田委員 妊娠相談所というようなものはお考えになつておりませんか。
  49. 米澤常道

    ○米澤政府委員 この法律では直接考えてはおりません。ただ兒童相談所におきまして、やはりそういう問題につきまして、もちろん兒童相談所にも委員をおく豫定でありますから、そういう問題もあり得ると思います。
  50. 武田キヨ

    ○武田委員 兒童相談所は一縣に大體一箇所と考えておりましたが、その數はどのくらいになりますか。
  51. 米澤常道

    ○米澤政府委員 本年度におきましては各府縣に、中央に一箇所、そのほか相當の大きな都市に他の機關に附設するような相當規模を落しましてもう一箇所考えております。できれば今後相當の都市にはやはり規模が小さくてもできるのではないか。今後の状況によりましては相談所の網を擴充していきたい、こういうふうに考えております。
  52. 武田キヨ

    ○武田委員 兒童相談所に併せて妊娠相談所というものが各地方に多く置かれることを私は希望いたします。二十一條の母子手帳でございますが、母子手帳の使用年數はどのくらいの豫定でございますか。最初妊娠を届出ると同時に母子手帳を交付され、それが大體においては就學の年齢まで一人の子供がずつとそれをもつ、こういう形になりますか。
  53. 米澤常道

    ○米澤政府委員 その通りでございます。就學までもつのであります。
  54. 武田キヨ

    ○武田委員 そうすると、母子手帳は母體にあるときから六歳まで六年間の記録が綴りこまれるわけでございますから、これは非常に理想的なものと思いますけれども、もちろん一冊の帳簿で六歳までというのには相當しつかりしたものではないかと思いますが、どのくらい豫算をとつて、どのくらいの程度のものをお考えになつておりますか。
  55. 米澤常道

    ○米澤政府委員 本年度におきましては、實は御承知のように、すでに妊産婦手帳制度がありまして、それぞれ都道府縣で印刷をして用意をしているものが相當數あるのでございます。今日の紙のいろいろな事情もありますし、本年度においては現在印刷した妊産婦手帳のストツクがありますから、これに豫備の紙でもつけまして、本年度は妊産婦手帳の表題だけを刷りかえて、母子手帳としてでも使つていきたいと考えております。しかし新年度からは大體一冊五圓程度のものを考えておりますが、内容についてはあまり簡單なものでなく、相當その子供の記録になるようなものもつけていきたいと考えております。
  56. 武田キヨ

    ○武田委員 私はこの母子手帳に非常な期待をかけているのでございますが、もしこれが理想的にされましたならば、これは立派なその子の育兒日誌になるのでございますし、あるいはわれわれが必要な場合には、これを統計の資料にすることができるのでありまして、これをできるだけ活用するようにしていただきたいと思います。ただ問題はその次に書いてあります「妊産婦が、保健所又は醫師、助産婦若しくは保健婦につき、保健指導を受けたときは、その都度、母子手帳に保健指導上必要な事項の記載を受けなければならない。」ということが、はたして實行ができるかどうかという問題であります。五圓くらいでどのくらいのものができるか、私は想像がつきませんけれども、よほどしつかりしたものにして、それを昔のへその緒書というようなものと同じように、子供が守り袋のようにして身體につけておくようにしたいと考えますが、そう考えますと、これは相當しつかりしたものにつくつていただきたいと考えます。これについて一應の御考慮を煩わしたいと思います。そういたしますと、これはずいぶん費用も多くかかるだろうと思いますし、そのほか私は豫算について、福祉法の中にありますいろいろの事業は、その施設につきましても、地方の負擔になるところが多いのでございます。これは先の方になりますが、第四章の費用につきまして、この母子手帳、これは私はずいぶん大きく考えたのでございますが、この母子手帳も、それから地方兒童福祉委員會に要する費用、そのほかの費用は都道府縣の負擔としておりますが、この費用の關係で、しかもこれが前質問者のお話にもありましたように、そのほかにも、附近に助産施設がない等やむを得ない事由があるときはこの限りでない、そういうふうなことがありまして、まあしてもしなくてもよい。結局金がなければこれはしなくてもよい。こういうことになりますと、費用の關係からいつて、この施設を實施させることがはたして十分できるかどうかということに不安を感じております。これについて私は、こういう事柄は國の費用で多くこれを賄わなければいけないと思いますが、殊にこの中にあるもの、たとえば助産院とか、助産施設とか、そういうふうなものは、もし地方でそれを負擔することができないような經濟状態の所には、特別にこれを政府の方で負擔してその施設をつくる。ここでのお考えはございませんでしようか。
  57. 米澤常道

    ○米澤政府委員 母子手帳等につきましては、これを一應府縣の負擔にいたしまして、それに對して半額の國庫助成を出すということを、第四章におきまして、五十條、四十八條等に規定いたしておるのでありますが、これの福祉施設の全體的な考えといたしましては、兒童を預つてそれに要する費用、一般的な經常費というものにつきましては、施設によつて多少違うのもありますけれども、大體において八割程度は國庫で負擔をする。あとは地方の負擔にまつという形になつておるのであります。ただ臨時の建築等の費用につきましては、半額という建前をとつておるのでありますが、これらの施設につきましては、これはやはり全部國でもつということは、今日のいろいろな財政状態と申しますよりも、今までの費用の地方との負擔區分等から考えましても、やはり地方においても相當負擔する理由がありますので、全部國でもつていくということには非常に困難な状態にありますので、臨時の建築等につきましては大體半額、その他の經常の費用については八割程度という構想で規定いたしておるのであります。
  58. 武田キヨ

    ○武田委員 今のような御方針でございますと、結局やはり地方の方でその施設をつくろうというところまでいかなければ、これはなかなかできないことになると考えますが、私は現實に見てまいりました問題としても、助産施設はどうしても要ると思う所があるのでございます。それは、その邊としてはもう長い慣習でございますから、非常になおざりにされておつて、これでよいと考えておるようでございましても、いかにしてもこれをそのままでおいてはいけない。これは、一つの例をあげますと、實は私過般東北の方の水害視察に参りましたときに、青森縣の農村の方へはいりまして、あの邊での住宅を見て、またいろいろな生活状態を聞いたときに驚いたのでありますが、あの邊は非常に貧村でありまして、まつたく家の中に光線がはいらないような家が多いのであります。ところが、お産をするときにはその暗い中でお産をするのだということを言つております。暗い中でお産をして、その處置も暗い中でして、産婦がそのままでそこにおる。ですから、表には出ませんけれども、その際その處置に手落ちがあつたり、あるいは何かの適正でないことがあつたりしたために、あるいは非常に、衛生的でなかつたりしたために、ずいぶんあそこでは表に出ないところの危險がたくさん含まれていると私は思います。ああいうふうな場所では、私はどんなことがあつても、出産だけは、せめて五日でも一週間でも助産施設のある所でやらせなければいけないと思います。これはその地方ではその必要を認めておりませんでも、やはりそういう所はそういうものをつくるようにするということを、あるいは縣の方からでもその村なら村に命令をしてもいいのじやないかと思うのであります。その場合に、やはりこのままでございましたら、今の状態からいつてもとてもできないのじやないか、こう思つておりますが、そういうふうな特別な取扱いをなさるお考えはございませんか。
  59. 米澤常道

    ○米澤政府委員 これはできるだけ地方において自發的に設置を計畫していただきたいと考えております。助産施設等につきましては、ただいま武田委員から御指摘になりましたように、これは地方において設備その他においてまだ非常に遺憾なものもありますので、ぜひ普及させていきたいものと考えておるのでありますが、萬やむを得ないというような場合でぜひ必要だというような場合におきましては、たとえば第三十四條の二項等を活用いたしまして、知事が市町村に對して設置の命令をなすことができるという場合もありますので、まあできるだけこれは自發的にやつてもらいたいとは考えますけれども、特殊な場合には、またこういうふうな強制設置の規定等を動かして、助産施設等の普及をぜひはかりたいものと考えておるのであります。
  60. 武田キヨ

    ○武田委員 福祉施設の問題でありますが、大體この施設の全部がほんとうにいつこれが實現できるか、この通りが實現できるようになつたならば非常に私どもも喜ぶところでございますけれども、ただ傾向としては、これは最後の理由書にございますように、戦災弧兒や引揚孤兒、浮浪兒というふうなものの保護とか、あるいは青少年の不良化の防止及び救護というふうなところに重點が置いあるように思うのでありますが、一番私どもの望みたいところは、一般の兒童の保健や厚生というところに重點を置きたいのでありますが、その點について割合に言つておるところが少いのであります。そういうものが少いと申しますか、その種類について、三十八條に「兒童厚生施設は、兒童遊園、兒童館等兒童に健全な遊びを與えて、その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする施設とする。」とありますが、兒童福祉という言葉から申しまして、兒童が最も望んでおるものはここではないかと思うのでございます。兒童をほんとうに幸福にする。子供たちがああありたい、こうありたいというような喜びをもつてくることは、私はここにあるのではないかと思うのでございますが、兒童遊園、兒童館などに關してどのくらいの計畫をもつておいでになりますか、伺いたいのであります。
  61. 米澤常道

    ○米澤政府委員 一般の兒童の健康、文化、この問題につきましては、もちろんこの法規といたしまして、現在の段階において考えられる點につきましては相當考えたつもりであるのであります。これはいろいろな施設の問題と言いますよりも、今後兒童委員でありますとか、あるいは地方にできます兒童に關する委員會、こういつた方面においてこういう問題を大きく取上げてやつてもらうということで、行政全體といたしましては非常に期待しておるのであります。こういうふうな面から、一般の子供の福祉の増進ということを強く取上げていかれるように、今後兒童福祉委員會のあるいは兒童委というものに期待をかけているのであります。施設としてもやはり一般の兒童というものにつきまして、たとえば先ほどからお話のありました助産施設でありますとか、あるいは乳兒院あるいはまた保育所の問題、こういうふうな施設としても取上げておるのであります。またただいまの兒童の厚生施設という題問につきましても、できるだけこういうものができますことを期待しておりますが、ただ三十八條の兒童厚生施設につきましては、これはできるだけ地方團體においてやつていただきたい。現在の段階においては、これらの施設に對して、國庫から相當の助成をすることは多少困難な點もありますので、こういう施設につきましては、できるだけ地方においてやつていただきたいと考えております。しかしこれを奬勵と申しますか、誘い水というふうな意味において、多少の費用はぜひ出したいとは考えておりますが、兒童遊園、兒童館等につきましては、そう多くの助成は今日の状態では、實は期待し得ないと考えておるのでございます。
  62. 武田キヨ

    ○武田委員 もちろんこの兒童遊園とか、兒童館とか、その他のこういう厚生施設は、もつと經濟状態がよくなり、文化の程度というものに比例してくれば、地方には生れてくると思いますが、どうしても兒童遊園だけは要ると思うのでございます。昨今でも毎日新聞見ますと、遊ぶ所がないために、子供たちがいろいろな交通禍によつて――交通禍というよりは、むしろこちらがじつとしていて通りがかりの車なんかにはねられましたり、あるいはけがをし、また命までなくしたりする者があります。子供にとつては遊ぶことが命でありますから、どうしても無事に安心して遊べるような所をこしらえてやることが、一般兒童の福祉として一番大事なことではないかと私は思います。これは私の考えでございますけれども、子供に遊び場所を與えてやるについては、そう費用は要らないと思います。ただ土地さえあればいい。設備も初めはそこまでいかなくても、遊び場所があつて、そうしてそこだけは通行の車や通行の人の騒擾、そういうところから遠方に隔離されて守られていて、簡單なブランコがあつたり、あるいは砂場があれば濟むのですから、そう費用は要らない。簡單な施設からそういう場所をつくつていつて、これもできることならば、町の少し人口の稠密な場所、あるいは人口の數なりその状態によりまして、ぜひつくらなければいけないというところまでもつていつても私は強くないと思います。そういうことはいかがでございますか。
  63. 米澤常道

    ○米澤政府委員 健全な遊びを與えるということにつきましては、まつたく武田委員のお説の通りでありまして、遊びが子供の生活の全體であるというふうに考えていいと思うのでありまして、できるだけ今日簡單な遊び場所を兒童に與えたいということはまつたく同感であります。その點につきましては、地方の府縣當局とも十分協力をいたしまして、できるだけあまり費用もかけないで濟むような遊び場所が多數できますことを、ぜひ協力して進めていきたいと考えております。
  64. 武田キヨ

    ○武田委員 最低基準の問題でありますが、これは先ほども大體今どの程度のお考えかはわかつたのでございますが、この最低基準ということは、現在ありますものは活かさなければならないし、またこれによつてつくりにくくなるというような場合もございましようし、よほど大事な問題だと思います。それにつきまして私が一番考えますことは、兒童の實際に對するいろいろな調査はどの程度まで、どの種類のものを兒童局の方ではやつておいでになるか承りたいのでございます。
  65. 米澤常道

    ○米澤政府委員 兒童に關する調査につきましては、戰争以前等におきまして、ある程度手をつけたものもあるのでありますけれどもその後いろいろな事情で、現在は大した調査もできておらぬのは遺憾であるのであります。これはやはり統計調査がまず基礎をなしますので、いろいろな、たとえば保護を要する兒童と申しますか、それぞれの精神薄弱兒でありますとか、あるいはまたクリツペルの子供でありますとか、そのほか一般的な虚弱な子供というふうに、いろいろなものにつきまして、相當の調査計畫を立てまして、ぜひ科學的なりつぱな統計をつくりたいと今計畫しておるのであります。
  66. 小野孝

    ○小野委員長 本日はこの程度にしたいと思います。  それではこれをもつて散會いたします。    午前十時五十八分散會